説明

液晶調光装置、撮像装置および液晶調光素子の駆動方法

【課題】液晶調光素子を適切に駆動することが可能な液晶調光装置および液晶調光素子の駆動方法、ならびにそのような液晶調光装置を備えた撮像装置を提供する。
【解決手段】液晶調光装置は、入射する撮像光の透過光量を調整する液晶調光素子と、この液晶調光素子に対してその駆動電圧を供給する駆動部と、この駆動電圧を制御して液晶調光素子の調光状態の制御を行う制御部とを備えている。制御部は、透過光量が互いに異なる一の調光状態から他の調光状態へと液晶調光素子の調光状態を状態遷移させる際に、この液晶調光素子における液晶分子の傾き角が複数段階に遷移するように、駆動電圧を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、液晶調光素子およびその駆動部を有する液晶調光装置、そのような液晶調光装置を備えた撮像装置、ならびに液晶調光素子の駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラ(デジタルスチルカメラ)等の撮像装置では、通常、撮像光の光量を調整する調光素子として、機械的に調光動作(光量調整)を行う絞り(アイリス)が設けられている。また、最近ではこのような機械式の絞りの代替機能として、例えば二色性色素を含有するゲスト−ホスト(GH)型等の液晶を用いた、電気式の調光素子(液晶調光素子)が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−186078号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1ではまた、液晶調光素子の駆動方法に関しても記載されている。このような液晶調光素子の駆動方法についても、液晶に特有の問題を改善する適切な手法の提案が望まれる。
【0005】
本開示はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、液晶調光素子を適切に駆動することが可能な液晶調光装置および液晶調光素子の駆動方法、ならびにそのような液晶調光装置を備えた撮像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の液晶調光装置は、入射する撮像光の透過光量を調整する液晶調光素子と、この液晶調光素子に対してその駆動電圧を供給する駆動部と、この駆動電圧を制御して液晶調光素子の調光状態の制御を行う制御部とを備えたものである。制御部は、透過光量が互いに異なる一の調光状態から他の調光状態へと液晶調光素子の調光状態を状態遷移させる際に、この液晶調光素子における液晶分子の傾き角が複数段階に遷移するように、駆動電圧を制御する。
【0007】
本開示の撮像装置は、上記本開示の液晶調光装置と、上記液晶調光素子から出射された撮像光に基づいて撮像信号を取得する撮像素子とを備えたものである。
【0008】
本開示の液晶調光素子の駆動方法は、入射する撮像光の透過光量を調整する液晶調光素子に対してその駆動電圧を供給して駆動する際に、液晶調光素子における液晶分子の傾き角が複数段階に遷移するように駆動電圧を制御しつつ、透過光量が互いに異なる一の調光状態から他の調光状態へと液晶調光素子の調光状態を状態遷移させるようにしたものである。
【0009】
本開示の液晶調光装置、撮像装置および液晶調光素子の駆動方法では、透過光量が互いに異なる一の調光状態から他の調光状態へと液晶調光素子の調光状態を状態遷移させる際に、この液晶調光素子における液晶分子の傾き角が複数段階に遷移するように、駆動電圧が制御される。これにより、そのような状態遷移の際の透過光量変化の不安定さ(以下、本明細書中では、この現象を「バウンド現象」と呼ぶものとする。)が抑えられつつ、状態遷移の際の液晶分子の応答速度が向上する。
【発明の効果】
【0010】
本開示の液晶調光装置、撮像装置および液晶調光素子の駆動方法によれば、透過光量が互いに異なる一の調光状態から他の調光状態へと液晶調光素子の調光状態を状態遷移させる際に、この液晶調光素子における液晶分子の傾き角が複数段階に遷移するように駆動電圧を制御するようにしたので、そのような状態遷移の際に、透過光量変化の不安定さ(バウンド現象の発生)を抑制しつつ、液晶分子の応答速度を向上させることができる。よって、液晶調光素子を適切に駆動することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本開示の一実施の形態に係る撮像装置の概略構成例を表すブロック図である。
【図2】図1に示した液晶調光素子の構成例を表す断面図である。
【図3】駆動電圧の波形(駆動波形)の一例について説明するためのタイミング波形図である。
【図4】図2に示した液晶調光素子における駆動電圧と入射光の光透過率との関係の一例を表す模式図である。
【図5】図2に示した液晶調光素子における透光状態および遮光状態の一例について説明するための模式図である。
【図6】図2に示した液晶調光素子における調光状態の状態遷移について説明するための模式図である。
【図7】比較例に係る液晶調光素子の駆動動作を表す模式図である。
【図8】図7に示した駆動動作の際の調光状態の状態遷移例を表すタイミング波形図である。
【図9】実施の形態に係る液晶調光素子の駆動動作例を表す模式図である。
【図10】実施例および比較例に係る駆動動作の際の調光状態の状態遷移を表すタイミング波形図である。
【図11】実施の形態に係る液晶調光素子の駆動動作の際に用いられる温度制御テーブルの一例を表す図である。
【図12】図11に示した温度制御テーブルを用いた際の温度に応じた調光状態の状態遷移例を表すタイミング波形図である。
【図13】図11に示した温度制御テーブルにおける初期状態での温度補正用電圧について説明するための模式図である。
【図14】変形例1に係る液晶調光素子の駆動動作例を表す模式図である。
【図15】変形例2に係る液晶調光素子の駆動動作例を表す模式図である。
【図16】変形例3に係る液晶調光素子の駆動動作例を表す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。

1.実施の形態(ネガ型のGH型液晶を用いて透光状態から遮光状態へと遷移させる例)
2・変形例
変形例1(ネガ型のGH型液晶を用いて遮光状態から透光状態へと遷移させる例)
変形例2(ポジ型のGH型液晶を用いて遮光状態から透光状態へと遷移させる例)
変形例3(ポジ型のGH型液晶を用いて透光状態から遮光状態へと遷移させる例)
3.その他の変形例
【0013】
<実施の形態>
[撮像装置1の構成]
図1は、本開示の一実施の形態に係る撮像装置(撮像装置1)の概略構成をブロック図で表したものである。この撮像装置1は、被写体からの光学的な画像を撮像素子(後述する撮像素子23)によって電気的な信号に変換する、デジタルカメラ(デジタルスチルカメラ)などである。なお、このようにして得られた撮像信号(デジタル信号)は、半導体記録媒体(図示せず)に記録したり、液晶ディスプレイ等の表示装置(図示せず)に表示したりすることが可能となっている。
【0014】
撮像装置1は、レンズ21、撮像素子22、後述する液晶調光素子31を有する液晶調光装置3、および信号処理部4を備えている。なお、本開示の一実施の形態に係る液晶調光素子の駆動方法は、本実施の形態の撮像装置1(液晶調光装置3)において具現化されるため、以下併せて説明する。この点は、後述する変形例においても同様である。
【0015】
レンズ21は、ここでは1つのレンズから構成されているが、複数のレンズからなるレンズ群により構成されていてもよい。
【0016】
撮像素子22は、レンズ21から後述する液晶調光素子31を介して入射する撮像光(液晶調光素子31から出射される撮像光Lout)を検出し、撮像信号Sinを取得する素子である。この撮像素子22は、例えば、CCD(Charge-Coupled Devices)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)等のイメージングセンサ(固体撮像素子)を用いて構成されている。
【0017】
(信号処理部4)
信号処理部4は、撮像素子22において得られた撮像信号Sinに対して、所定の信号処理を行うものである。この信号処理部4は、S/H・AGC回路41、A/D変換部42および画質改善処理部43を有している。
【0018】
S/H・AGC回路41は、撮像素子22から出力される撮像信号Sinに対してS/H(サンプル・ホールド)処理を行うとともに、AGC(Automatic Gain Control)機能を用いた所定の信号増幅処理を行う回路である。
【0019】
A/D変換部42は、S/H・AGC回路41から出力される撮像信号に対してA/D変換(アナログ/デジタル変換)処理を行うことにより、デジタル信号からなる撮像信号S1を生成するものである。
【0020】
画質改善処理部43は、A/D変換部42から出力される撮像信号S1(デジタル信号)に対して所定の画質改善処理を行うことにより、そのような画質改善処理後の撮像信号Soutを出力するものである。このような画質改善処理としては、例えば、色補正処理やノイズ低減処理、歪み収差補正処理等が挙げられる。なお、このような画質改善処理により生成された撮像信号Soutは、信号処理部4の外部(図示しない半導体記録媒体等)へ出力されるようになっている。
【0021】
(液晶調光装置3)
液晶調光装置3は、レンズ21側から入射する撮像光(撮像光Lin)の光量を調整する動作(調光動作)を行うものであり、液晶調光素子31、温度センサ32、光量制御部33(制御部)および駆動部34を有している。
【0022】
液晶調光素子31は、上記した撮像光Linの光量(透過光量)を調整する素子であり、ここではレンズ21と撮像素子22との間の光路上(撮像光の光路上)に配置されている。この液晶調光素子31は、具体的には、液晶を利用して電気的に光量調整(調光)を行うようになっている。なお、液晶調光素子31の詳細構成については、後述する(図2)。
【0023】
温度センサ32は、液晶調光素子31の近傍(周辺領域)に配置されており、この液晶調光素子31近傍の温度を検出するための素子である。この温度センサ32は、例えばサーミスタ等を用いて構成されている。なお、このようにして検出された、液晶調光素子31近傍の温度を示す温度情報Itemは、光量制御部33へ出力されるようになっている。
【0024】
光量制御部33は、駆動部34に対して液晶調光素子31の制御信号を供給することにより、液晶調光素子31の調光動作(光量調整動作)を制御するものである。換言すると、光量制御部33は、駆動部34から供給される後述する駆動電圧Vを制御することにより、液晶調光素子31における調光状態の制御を行う。この液晶調光素子31の制御信号としては、ここでは、液晶調光素子31における撮像光Lin(入射光)の光透過率を示す光透過率情報Itra(液晶調光素子22から出射される撮像光Lout(出射光)の光量(透過光量,明るさ)を示す光量情報)を用いている。
【0025】
この光量制御部33は、具体的には、A/D変換部42から出力される撮像信号S1における信号値を検出し、その信号値(検波値)に基づいて光透過率情報Itra(光量情報)を設定する。つまり、光量制御部33は、撮像信号S1の信号値に基づいて液晶調光素子31から出射される撮像光Loutの光量(透過光量)を決定し、その光量に関する情報Itraを出力する。また、光量制御部33は、図示しない記憶部(メモリ)上に予め保持されたデータ(例えば、後述する温度制御テーブルLT)を用いて、温度センサ32から出力される温度情報Itemを利用した所定の温度制御(透過光量の温度補正)を行う機能も有している。
【0026】
ここで本実施の形態の光量制御部33では、透過光量が互いに異なる調光状態間で液晶調光素子31の調光状態を状態遷移させる際に、この液晶調光素子31における後述する液晶分子の傾き角(後述する傾き角θ)が複数段階に遷移するように、駆動電圧Vの制御を行う。具体的には、本実施の形態では、一の調光状態(相対的に透過光量が大きく、相対的に明るい状態;例えば透光状態)から、他の調光状態(相対的に透過光量が小さく、相対的に暗い状態;例えば遮光状態)への状態遷移の際に、そのような駆動電圧Vの制御を行う。すなわち、そのような一の調光状態を初期状態、他の調光状態を目標状態として状態遷移を行う場合において、傾き角θの状態が、初期状態から複数段階(ここでは、一例として2段階)に遷移して、目標状態となるように制御する。換言すると、上記一の調光状態から1段階目の状態に遷移させる初期制御ステップと、その後に2段階目以降の状態(上記他の調光状態を含む)に遷移させる最終制御ステップとを含むようになっている。なお、このような光量制御部33による駆動電圧Vの制御動作(液晶調光素子31の駆動動作)の詳細については、後述する。
【0027】
駆動部34は、光量制御部33から供給される光透過率情報Itra(光量情報)に基づいて、液晶調光素子31に対する駆動動作を行うものである。具体的には、そのような光透過率情報Itraに基づいて液晶調光素子31に対する駆動電圧Vを決定し、その駆動電圧Vを液晶調光素子31(後述する透明電極221a,221b間)に対して供給することにより、駆動動作を行う。なお、この駆動電圧Vの詳細構成(駆動波形)および駆動電圧Vの決定手法の詳細については、それぞれ後述する(図3,図4)。
【0028】
[液晶調光素子31の詳細構成例]
図2は、液晶調光素子31の断面構成例を模式的に表したものである。この液晶調光素子31は、撮像光Linの入射側から撮像光Loutの出射側へと向かって、透明基板311a、透明電極312a、配向膜313a、液晶層310、配向膜313b、透明電極312bおよび透明基板311bがこの順に積層された積層構造を有している。液晶調光素子31にはまた、シール剤314、スペーサ315および封止部316が設けられている。
【0029】
液晶層310は液晶分子を含有する層であり、ここでは液晶分子に加えて所定の色素分子(二色性染料分子)を含有している(図2では図示の簡略化のため、液晶分子および色素分子をまとめて「分子M」として示している。ただし、以下では説明の便宜上、適宜、「液晶分子M」とも称する)。すなわち、液晶調光素子31は、色素(二色性色素)を含有するゲスト−ホスト(GH)型の液晶を用いて構成されている。
【0030】
このようなGH型の液晶(GH型液晶)は、電圧印加時における液晶分子の長軸方向の相違により、ネガ型のものとポジ型のものとに大別される。ポジ型のGH型液晶は、電圧無印加時(OFF状態)には液晶分子の長軸方向が光軸に対して垂直となり、電圧印加時(ON状態)には液晶分子の長軸方向が光軸に対して平行となるものである。一方、ネガ型のGH型液晶は、逆に、電圧無印加時には液晶分子の長軸方向が光軸に対して平行となり、電圧印加時には液晶分子の長軸方向が光軸に対して垂直となるものである。ここで、色素分子は液晶分子と同じ方向(向き)に配向するため、ポジ型の液晶をホストとして用いた場合には、電圧無印加時には光透過率が相対的に低くなり(光出射側が相対的に暗くなり)、電圧印加時には光透過率が相対的に高くなる(光出射側が相対的に明るくなる)。一方、ネガ型の液晶をホストとして用いた場合には、逆に、電圧無印加時には光透過率が相対的に高くなり(光出射側が相対的に明るくなり)、電圧印加時には光透過率が相対的に低くなる(光出射側が相対的に暗くなる)。なお、本実施の形態(および後述する変形例1)では、液晶層310がネガ型の液晶からなる場合を例に挙げて説明し、後述する変形例2,3では、液晶層310がポジ型の液晶からなる場合を例に挙げて説明する。
【0031】
透明電極312a,312bはそれぞれ、液晶層310に対して電圧(駆動電圧V)を印加するための電極であり、例えば酸化インジウムスズ(ITO;Indium Tin Oxide)からなる。なお、これらの透明電極312a,312bと電気的に接続するための配線(図示せず)は、適宜配置すればよい。
【0032】
配向膜313a,313bはそれぞれ、液晶層310内の各液晶分子を所望の方向(配向方向)に配向させるための膜である。これらの配向膜313a,313bはそれぞれ、例えばポリイミド等の高分子材料からなり、予め所定の方向にラビング(rubbing)処理が施されることによって液晶分子の配向方向が設定されるようになっている。
【0033】
透明基板311aは、透明電極312aおよび配向膜313aを支持するとともに液晶層310を封止するための一方側の基板である。透明基板311bは、透明電極312bおよび配向膜313bを支持するとともに液晶層310を封止するための他方側の基板である。これらの透明基板311a,311bはそれぞれ、例えばガラス基板からなる。
【0034】
シール剤314は、液晶層310内の分子M(液晶分子および色素分子)を側面側から封止するための部材であり、例えばエポキシ接着剤やアクリル接着剤等の接着剤からなる。スペーサ315は、液晶層310におけるセルギャップ(厚み)を一定に保持するための部材であり、例えば所定の樹脂材料またはガラス材料からなる。封止部316は、液晶層310内に分子Mを封入する際の封入口であるとともに、その後に液晶層310内の分子Mを外部から封止する部分である。
【0035】
[撮像装置1の作用・効果]
(1.撮像動作)
この撮像装置1では、図1に示したように、レンズ21から出射された撮像光Linが液晶調光素子31へ入射し、その光量(透過光量)が調整されて撮像光Loutとして出射する。この撮像光Loutは、撮像素子22へ入射して検出され、撮像信号Sinが得られる。
【0036】
このとき、液晶調光素子31では図2に示したように、撮像光Lin(入射光)が液晶層310等を通過(透過)し、撮像光Lout(出射光)として出射される。この際に、透明電極312a,312b間に所定の電圧(駆動電圧V)が印加されると、液晶層310内の分子M(液晶分子および色素分子)の配向方向(長軸方向)が変化し、それに応じて液晶層310を通過する撮像光Loutの光量(透過光量)も変化する。換言すると、入射する撮像光Linの光透過率が変化する。したがって、このときの駆動電圧Vを調整することにより、液晶調光素子31全体を通過する撮像光Loutの光量(撮像光Linの光透過率)が、(機械的ではなく)電気的に調整可能となる(任意の調光動作が可能となる)。具体的には、例えば周囲の環境が明るいときには透過光量が小さくなる(暗くなる)ように調整される一方、逆に周囲の環境が暗いときには透過光量が大きくなる(明るくなる)ように調整される。このようにして、液晶調光素子31において撮像光に対する光量調整(調光)が行われる。
【0037】
ここで、この液晶調光素子31に印加される駆動電圧Vは、例えば図3(A)に示したように、振幅ΔAおよびパルス幅Δtを有する駆動波形W(V)、すなわち、例えば矩形波からなるものとする。ここで、これらの乗算値である(振幅ΔA×パルス幅Δt)の値(図中の斜線で示した積分値)が、駆動電圧Vに相当する。また、本実施の形態では特に、例えば図3(B)に示したように、駆動波形W(V)におけるパルス幅Δtを変化(変調)させることにより、駆動電圧Vの値を制御している。すなわち、駆動部34は、駆動電圧Vをパルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)を用いて供給するようになっている。
【0038】
ここで図4は、液晶調光素子31における、印加される駆動電圧Vと撮像光Linの透過率(光透過率T)との関係の一例を模式的に表したものである。この例では、液晶層310においてネガ型のGH型液晶を用い、電圧無印加状態(OFF状態)における撮像光Loutの光量(透過光量)を基準(100%)として示している。この図4により、駆動電圧Vが増加するのに応じて液晶層310での遮光量が急激に大きくなっていき(光透過率Tが急激に低下していき)、略一定値に収束している(ON状態)ことが分かる。このような液晶調光素子31における光透過率Tの変化の際の値や傾き、調光範囲はそれぞれ、液晶層310(液晶および色素)の材料や濃度、液晶層310のセルギャップ(厚み)、配向膜313a,313bの種類(材料)等に応じて変化する。なお、液晶層310においてポジ型のGH型液晶を用いた場合には、図4の特性とは逆に、電圧無印加状態で透過率が低く、駆動電圧Vが増加するのに応じて光透過率Tが上昇していく傾向となる。
【0039】
次いで、信号処理部4では、上記のようにして得られた撮像信号Sinに対して所定の信号処理を行う。具体的には、まず、S/H・AGC回路41が、撮像信号Sinに対してS/H処理を行うとともにAGC機能を用いた所定の信号増幅処理を行う。続いて、A/D変換部42がA/D変換処理を行うことにより、デジタル信号からなる撮像信号S1を生成する。そして、画質改善処理部43が、この撮像信号S1に対して所定の画質改善処理を行い、そのような画質改善処理後の撮像信号Soutを生成する。
【0040】
一方、液晶調光装置3内の光量制御部33では、撮像信号S1における信号値(検波値)と、温度センサ32から出力される温度情報Item(液晶調光素子31近傍の温度情報)とを用いて、液晶調光素子31の制御信号としての光透過率情報Itra(光量情報)を設定し出力する。そして駆動部34は、この光量制御部33から供給される光透過率情報Itraに基づいて、液晶調光素子31に対する駆動動作を行う。すなわち、光量制御部33は、駆動部34から供給される駆動電圧Vを制御することにより、液晶調光素子31における調光状態の制御を行う。
【0041】
具体的には、駆動部34では、光透過率情報Itraに基づいて液晶調光素子31の駆動電圧Vを決定し、その駆動電圧Vを液晶調光素子31(透明電極311a,311b間)に対して供給することにより、駆動動作を行う。この際、駆動部34は、液晶調光素子31における光透過率Tと駆動電圧Vとの関係を示す特性線(例えば前述した図4参照)を用いて、光透過率情報Itraから駆動電圧Vを決定する。図4中に示した例では、光透過率情報Itraで示す光透過率T1から、駆動電圧V=V1およびその駆動電圧V1に対応するデューティ比D1が求められるようになっている。
【0042】
(2.液晶調光素子31の駆動動作)
ここで、このような液晶調光素子31の駆動動作をより具体的に示すと、例えば図5(A),(B)に示したようになる。なお、ここでは前述したように、液晶調光素子31における液晶層310がネガ型の液晶からなる場合を例に挙げて説明する。
【0043】
まず、例えば図5(A)に示したように、電圧無印加時(駆動電圧V=0V,デューティ比D=0%)には、液晶分子Mの長軸方向が、光軸(撮像光Lin,Loutの光路)に対して平行となる。すなわち、液晶層310の層内方向を基準としたときの液晶層310の厚み方向(層間方向)への液晶分子Mの傾きの角度を、以下では傾き角(倒れ角,回転角)θとして規定すると、この電圧無印加時には傾き角θ≒90°となる。液晶分子Mがこのような傾き角θで配向したときには、撮像光Linの光透過率Tが相対的に高くなり(撮像光Loutの透過光量が相対的に高くなって明るくなり)、例えば透光状態となる。
【0044】
一方、例えば図5(B)に示したように、電圧印加時(例えば、駆動電圧V=最大電圧Vmax,デューティ比D=100%)には、液晶分子Mの長軸方向が、光軸(撮像光Lin,Loutの光路)に対して垂直となる。すなわち、この電圧印加時には傾き角θ≒0°となる。液晶分子Mがこのような傾き角θで配向したときには、撮像光Linの光透過率Tが相対的に低くなり(撮像光Loutの透過光量が相対的に低くなって暗くなり)、例えば遮光状態となる。
【0045】
(液晶分子の応答速度について)
ところで、このような液晶調光素子31における調光状態の状態遷移は、一般的には、例えば図6(A)〜(C)に示したようになる。すなわち、例えば図6(A)に示したように、状態遷移の際の開始状態(初期状態)と目標状態との組み合わせごとに、応答カーブ(光透過率Tの時間変化を示すカーブ)が異なる。また、例えば図6(B)に示したように、光透過率Tの値(濃度)が同じ2状態間であっても、それらの間での状態遷移の方向によって、応答カーブが異なる。更に、例えば図6(C)に示したように、開始状態および目標状態がそれぞれ同じであっても、温度に応じて応答カーブが大きく異なる。
【0046】
これらのことから、液晶の応答カーブ特性の変動(液晶分子の応答速度の変動)に対処し、応答速度の改善を図るための駆動方法を採用することが求められると言える。ただし、例えば、液晶表示装置における液晶素子の駆動方法として一般的に用いられているオーバードライブ駆動等の駆動手法を採用すると、駆動方法が複雑化してしまうことになる。
【0047】
(比較例の駆動動作)
ここで、図7(A),(B)に示した比較例では、前述した図5(A),(B)の例における透光状態(初期状態)から遮光状態(目標状態)への状態遷移(液晶分子Mの傾き角θが小さくなる状態遷移)の際に、以下のような駆動動作を行っている。
【0048】
まず、図7(A)に示した初期状態では、例えば電圧無印加時(例えば、駆動電圧Vi=0V,デューティ比Di=0%)となっており、液晶分子Mの長軸方向が、光軸に対して平行となる。すなわち、この初期状態では液晶分子Mの傾き角θi≒90°(例えば88°)となっており、撮像光Linの光透過率Tが相対的に高くなり(撮像光Loutの透過光量が相対的に高くなって明るくなり)、例えば透光状態となる。
【0049】
次いで、図7(B)に示した目標状態では、例えば電圧印加時(例えば、駆動電圧Vt=最大電圧Vmax,デューティ比Dt=100%)となっており、液晶分子Mの長軸方向が、光軸に対して垂直となる。すなわち、この目標状態では液晶分子Mの傾き角θt≒0°(例えば5°)となっており、撮像光Linの光透過率Tが相対的に低くなり(撮像光Loutの透過光量が相対的に低くなって暗くなり)、例えば遮光状態となる。
【0050】
ところが、このような比較例の駆動動作では、初期状態から目標状態への状態遷移の際に、液晶分子Mの傾き角θが1段階のみで遷移している(θi→θt)。言い換えると、駆動電圧Vおよびそのデューティ比Dもまた、1段階のみで遷移している(Vi→Vt,Di→Dt)。つまり、初期状態(開始状態)から目標状態へ一度(一挙)に遷移するように、駆動動作を行っている。そのため、この比較例の駆動動作では、例えば図8中の符号P3で示したように、そのような状態遷移の際に、透過光量(傾き角θ)の変化に不安定さが発生してしまい(いわゆるバウンド現象の発生)、安定化するまでに数十秒程度も要する場合がある。
【0051】
なお、このようなバウンド現象の発生を抑える手法の1つとして、例えばTV(テレビジョン)装置等において用いられている多段階駆動が挙げられるものの、そのような多段階駆動では非常に複雑な駆動方法となってしまう。また、撮像装置のようなポータブル機器においては制御に要する電力にも限界があり、採用するのは現実的ではない。
【0052】
(実施の形態の駆動動作)
そこで本実施の形態では、液晶調光装置3において、液晶調光素子31に対して以下詳述する駆動動作を行っている。すなわち、光量制御部33は、透過光量が互いに異なる調光状態間で液晶調光素子31の調光状態を状態遷移させる際に、この液晶調光素子31における液晶分子Mの傾き角θが複数段階(ここでは2段階)に遷移するように、駆動電圧Vの制御を行う。
【0053】
(A.基本動作)
具体的には、まず、例えば図9(A)〜(C)に示したように、光量制御部33は、初期状態と目標状態との間に、1または複数段階(ここでは1段階)の中間状態を含んで傾き角θが段階的に遷移するように、駆動電圧Vを制御する。つまり、この例では、初期状態から目標状態への状態遷移の際に、それらの間に中間状態を挟みつつ、液晶分子Mの傾き角θが2段階で遷移している(θi→θm→θt)。言い換えると、駆動電圧Vおよびそのデューティ比Dもまた、初期状態から中間状態および目標状態へと、2段階で遷移している(Vi→Vm→Vt,Di→Dm→Dt)。ここで、中間状態における傾き角θm,駆動電圧Vm,デューティ比Dmはそれぞれ、初期状態における傾き角θi,駆動電圧Vi,デューティ比Diと、目標状態における傾き角θt,駆動電圧Vt,デューティ比Dtとの間の値となっている。すなわち、この例では、θi>θm>θt,Vi<Vm<Vt,Di<Dm<Dtとなっている。
【0054】
この駆動動作をより具体的に説明すると、まず図9(A)に示した初期状態では、例えば電圧無印加時(例えば、駆動電圧Vi=0V,デューティ比Di=0%)となっており、液晶分子Mの長軸方向が、光軸に対して平行となる。すなわち、この初期状態では液晶分子Mの傾き角θi≒90°(例えば88°)となっており、撮像光Linの光透過率Tが相対的に高くなり(撮像光Loutの透過光量が相対的に高くなって明るくなり)、例えば透光状態となる。
【0055】
次いで、図9(B)に示した中間状態では、上記した大小関係を示す電圧印加状態(駆動電圧V,デューティ比Dm(例えば11〜15%程度))となっている。これによりこの中間状態では、液晶分子Mの傾き角θmが上記した大小関係を示す値(例えば20°程度)となり、撮像光Linの光透過率Tが中間の状態(撮像光Loutの透過光量が中間の状態)となる。
【0056】
そして、図9(C)に示した目標状態では、例えば電圧印加時(例えば、駆動電圧Vt=最大電圧Vmax,デューティ比Dt=100%)となっており、液晶分子Mの長軸方向が、光軸に対して垂直となる。すなわち、この目標状態では液晶分子Mの傾き角θt≒0°(例えば5°)となっており、撮像光Linの光透過率Tが相対的に低くなり(撮像光Loutの透過光量が相対的に低くなって暗くなり)、例えば遮光状態となる。
【0057】
このような駆動動作により、例えば図10中の実施例1,2に示したように、上記した比較例と比べ、状態遷移の際の透過光量(傾き角θ)変化の不安定さ(バウンド現象の発生)が抑えられる。すなわち、図中の符号P40で示したように、比較例では大きなバウンド現象が発生しているのに対し、符号P41,P42でそれぞれ示したように、実施例1,2ではバウンド現象の発生が低減もしくは回避されている。また、このようなバウンド現象の発生が抑えられることから、上記比較例と比べ、状態遷移の際の液晶分子Mの応答速度も向上する。
【0058】
ここで、中間状態における液晶分子Mの傾き角θmの値は、(|θt−θi|/2)とθtとの間の値であるのが望ましい。つまり、この例では、{(θi−θt)/2}>θm>θtとなっているのが望ましい。より具体的には、例えばθi=90°,θt=0°とすると、図10中の実施例2で示したように、0°<θm<45°となっているのが望ましい。また、この例では、θm=20°±5°(透過光量=15〜20%程度)となっているのがより望ましい。例えば図10中の符号P41,P42で示したように、実施例2(0°<θm<45°)では実施例1(θm≧45°)と比べ、バウンド現象の発生がより一層低減される(ここではバウンド現象の発生が回避されている)からである。また、上記したように、バウンド現象の発生がより一層抑えられることから、状態遷移の際の液晶分子Mの応答速度も更に向上すると言える。
【0059】
(B.温度制御動作)
また、本実施の形態では、光量制御部33において、以下説明する温度制御動作(液晶調光素子31近傍の温度(温度情報Item)に応じた駆動電圧Vの制御動作)を行う。
【0060】
すなわち、まず光量制御部33は、温度センサ32から供給される温度情報Itemを取得する。そして、光量制御部33は、例えば図11に示したような温度制御テーブル(ルックアップテーブル)LTを用いて、上記した温度制御動作を行う。この温度制御テーブルLTは、液晶調光素子31近傍の温度(温度情報Item)と、初期状態,中間状態,目標状態の各状態におけるデューティ比Di,Dm,Dtの値と、中間状態の期間(中間状態期間ΔTm)とを、それぞれ予め対応付けてなるテーブルである。なお、この図11の例では、1フレーム期間(撮像フレーム期間)=33msecとしている。
【0061】
このような温度制御テーブルLTを用いて、光量制御部33は例えば図11中に示したように、中間状態の期間(中間状態期間ΔTm)を、液晶調光素子31近傍の温度(温度情報Item)に応じて変化させる。具体的には、例えば図11および図12(A)〜(C)にそれぞれ示したように、液晶調光素子31近傍の温度が低くなるのに従って、中間状態期間ΔTmが相対的に長くなるように制御する。この例では、高温時(25℃〜65℃)における中間状態期間ΔTmと比べ、常温時(10℃〜25℃)および低温時(−10℃〜10℃)における中間状態期間ΔTmのほうが、相対的に長くなるように設定されている。このようにして、温度制御テーブルLTを用いて、中間状態期間ΔTmの長さを晶調光素子31近傍の温度に応じて変化させることにより、どのような温度領域においても、駆動電圧Vの温度制御動作を簡易に実現することができる。
【0062】
更に、光量制御部33ではまた、例えば図11中の符号P5で示したように、初期状態における液晶分子Mの傾き角θiを液晶調光素子31近傍の温度に応じて補正するための電圧(温度補正用電圧)が、この初期状態において駆動電圧Vに重畳されるように制御する。換言すると、この初期状態におけるデューティ比Diの値を、液晶調光素子31近傍の温度に応じて変化させる。なお、このような温度制御もまた、上記した温度制御テーブルLTを用いて行われる。
【0063】
このようにして、初期状態において温度補正用電圧を重畳させる(初期状態におけるデューティ比Diを温度に応じて変化させる)のは、以下の理由によるものである。すなわち、例えば図13(A)〜(C)に示したように、初期状態における液晶分子Mでは、温度が上昇すると傾き角θiが減少し、温度が低下すると傾き角θiが増加する傾向にある。すなわち、高温時の傾き角θi(例えば70℃付近のときにθi=86°程度)<常温時の傾き角θi<低温時の傾き角θi(例えば0℃付近のときにθi=90°程度)となる。このことから、傾き角θiの値が光軸に対してより平行方向に近づく低温側では、そのままでは高温側と比べ、液晶分子Mの応答(傾き角θの遷移)により多くの時間を要することとなる。このような理由から、光量制御部33では上記したように、初期状態において温度補正用電圧を重畳させる(初期状態におけるデューティ比Diを温度に応じて変化させる)ようにしている。
【0064】
具体的には、光量制御部33は、初期状態における傾き角θiが、液晶調光素子31近傍の温度に依存せずに略一定(望ましくは一定)となるように、上記した温度補正用電圧の制御(デューティ比Diの制御)を行う(図13中に示した矢印を参照)。図13に示した例では、液晶調光素子31近傍の温度に依存せずに(低温時,常温時,高温時とも)、傾き角θiが例えば88°(例えば、25℃程度の常温時における元々の傾き角θiの値)となるよう制御している。より具体的には、光量制御部33は、液晶調光素子31近傍の温度が低くなるのに従って、温度補正用電圧が相対的に増加する(デューティ比Diが相対的に増加する)ように制御する。この例では、高温時におけるデューティ比Di(=0%)<常温時におけるデューティ比Di(=2.6%)<低温時におけるデューティ比Di(=2.8%)となるように設定されている。
【0065】
以上のように本実施の形態では、透過光量が互いに異なる一の調光状態から他の調光状態へと液晶調光素子31の調光状態を状態遷移させる際に、この液晶調光素子31における液晶分子Mの傾き角θが複数段階に遷移するように駆動電圧Vを制御する。これにより、そのような状態遷移の際に、透過光量変化の不安定さ(バウンド現象の発生)を抑制しつつ、液晶分子Mの応答速度を向上させることができる。例えば、−10℃以下のような低温時においても、1秒程度以内に目標状態の透過光量に安定して到達させることができる。よって、液晶調光素子31を適切に駆動することが可能となる。
【0066】
また、前述したオーバードライブ駆動や多段階駆動等と比べ、簡単な駆動動作を実現することが可能となる。
【0067】
更に、液晶調光素子31近傍の温度(温度情報Item)に応じた駆動電圧Vの制御動作(温度制御動作)を行うようにしたので、そのような温度の変化に起因した透過光量の変動(光量ずれ)を低減することも可能となる。
【0068】
加えて、本実施の形態では特に、一の調光状態(相対的に透過光量が大きく、相対的に明るい状態;例えば透光状態)から、他の調光状態(相対的に透過光量が小さく、相対的に暗い状態;例えば遮光状態)への状態遷移の場合に、上記した駆動電圧Vの制御を行う。すなわち、光量制御部33は、一の調光状態から他の調光状態への状態遷移のうち、液晶分子Mの傾き角θが小さくなる状態遷移の場合に、この傾き角θが複数段階に遷移するように制御を行う。これにより本実施の形態では後述する変形例3と同様に、透過光量変化の不安定さ(バウンド現象の発生)の抑制と、液晶分子Mの応答速度の向上という利点を、特に顕著に得ることができる。
【0069】
<変形例>
続いて、上記実施の形態の変形例(変形例1〜3)について説明する。なお、実施の形態における構成要素と同一のものには同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0070】
[変形例1]
図14(A)〜(C)は、変形例1に係る液晶調光素子31の駆動動作例を模式的に表したものである。本変形例では上記実施の形態と同様に、液晶調光素子31における液晶層310がネガ型の液晶からなる。ただし本変形例では実施の形態とは逆に、光量制御部33は、液晶分子Mの傾き角θが大きくなる状態遷移の場合に、この傾き角θが複数段階(ここでは2段階)に遷移するように制御を行う。つまり、一の調光状態(相対的に透過光量が小さく、相対的に暗い状態;例えば遮光状態)から、他の調光状態(相対的に透過光量が大きく、相対的に明るい状態;例えば透光状態)への状態遷移の場合に、そのような制御を行う。
【0071】
この変形例1では、まず例えば図14(A)に示した初期状態では、例えば電圧印加時(例えば、駆動電圧Vi=最大電圧Vmax,デューティ比Di=100%)となっており、液晶分子Mの長軸方向が、光軸に対して垂直となる。すなわち、この初期状態では液晶分子Mの傾き角θi≒0°(例えば5°)となっており、撮像光Linの光透過率Tが相対的に低くなり(撮像光Loutの透過光量が相対的に低くなって暗くなり)、例えば遮光状態となる。
【0072】
一方、例えば図14(C)に示した目標状態では、例えば電圧無印加時(例えば、駆動電圧Vt=0V,デューティ比Dt=0%)となっており、液晶分子Mの長軸方向が、光軸に対して平行となる。すなわち、この目標状態では液晶分子Mの傾き角θt≒90°(例えば88°)となっており、撮像光Linの光透過率Tが相対的に高くなり(撮像光Loutの透過光量が相対的に高くなって明るくなり)、例えば透光状態となる。
【0073】
このような状態遷移を行う本変形例においても、例えば図14(A)〜(C)に示したように、上記実施の形態と同様にして、液晶調光素子31における液晶分子Mの傾き角θが複数段階(ここでは2段階)に遷移するように駆動電圧Vを制御する。具体的には、光量制御部33は、初期状態と目標状態との間に、1または複数段階(ここでは1段階)の中間状態を含んで傾き角θが段階的に遷移するように、駆動電圧Vを制御する。
【0074】
したがって、本変形例においても、上記実施の形態と同様の作用により同様の効果を得ることが可能である。すなわち、状態遷移の際に、透過光量変化の不安定さ(バウンド現象の発生)を抑制しつつ液晶分子Mの応答速度を向上させることができ、液晶調光素子31を適切に駆動することが可能となる。なお、本変形例においても実施の形態と同様に、液晶調光素子31近傍の温度(温度情報Item)に応じた駆動電圧Vの制御動作(温度制御動作)を行うようにしてもよい。
【0075】
[変形例2]
図15は、変形例2に係る液晶調光素子31の駆動動作例を模式的に表したものである。本変形例では、上記実施の形態および変形例1とは異なり、液晶調光素子31における液晶層310がポジ型の液晶からなる。そして本変形例では変形例1と同様に、光量制御部33は、液晶分子Mの傾き角θが大きくなる状態遷移の場合に、この傾き角θが複数段階(ここでは2段階)に遷移するように制御を行う。つまり、一の調光状態(相対的に透過光量が小さく、相対的に暗い状態;例えば遮光状態)から、他の調光状態(相対的に透過光量が大きく、相対的に明るい状態;例えば透光状態)への状態遷移の場合に、そのような制御を行う。
【0076】
すなわち、例えば図15(A)に示した初期状態では、例えば電圧無印加時(例えば、駆動電圧Vi=0V,デューティ比Di=0%)となっており、液晶分子Mの長軸方向が、光軸に対して垂直となる。すなわち、この初期状態では液晶分子Mの傾き角θi≒0°(例えば5°)となっており、撮像光Linの光透過率Tが相対的に低くなり(撮像光Loutの透過光量が相対的に低くなって暗くなり)、例えば遮光状態となる。
【0077】
一方、例えば図15(C)に示した目標状態では、例えば電圧印加時(例えば、駆動電圧Vt=最大電圧Vmax,デューティ比Dt=100%)となっており、液晶分子Mの長軸方向が、光軸に対して平行となる。すなわち、この目標状態では液晶分子Mの傾き角θt≒90°(例えば88°)となっており、撮像光Linの光透過率Tが相対的に高くなり(撮像光Loutの透過光量が相対的に高くなって明るくなり)、例えば透光状態となる。
【0078】
このような状態遷移を行う本変形例においても、例えば図15(A)〜(C)に示したように、上記実施の形態と同様にして、液晶調光素子31における液晶分子Mの傾き角θが複数段階(ここでは2段階)に遷移するように駆動電圧Vを制御する。具体的には、光量制御部33は、初期状態と目標状態との間に、1または複数段階(ここでは1段階)の中間状態を含んで傾き角θが段階的に遷移するように、駆動電圧Vを制御する。
【0079】
したがって、本変形例においても、上記実施の形態と同様の作用により同様の効果を得ることが可能である。すなわち、状態遷移の際に、透過光量変化の不安定さ(バウンド現象の発生)を抑制しつつ液晶分子Mの応答速度を向上させることができ、液晶調光素子31を適切に駆動することが可能となる。なお、本変形例においても実施の形態と同様に、液晶調光素子31近傍の温度(温度情報Item)に応じた駆動電圧Vの制御動作(温度制御動作)を行うようにしてもよい。
【0080】
[変形例3]
図16は、変形例3に係る液晶調光素子31の駆動動作例を模式的に表したものである。本変形例では上記変形例2と同様に、液晶調光素子31における液晶層310がポジ型の液晶からなる。ただし、本変形例では変形例2とは異なり、実施の形態と同様に、光量制御部33は、液晶分子Mの傾き角θが小さくなる状態遷移の場合に、この傾き角θが複数段階(ここでは2段階)に遷移するように制御を行う。つまり、一の調光状態(相対的に透過光量が大きく、相対的に明るい状態;例えば透光状態)から、他の調光状態(相対的に透過光量が小さく、相対的に暗い状態;例えば遮光状態)への状態遷移の場合に、そのような制御を行う。
【0081】
すなわち、例えば図16(A)に示した初期状態では、例えば電圧印加時(例えば、駆動電圧Vi=最大電圧Vmax,デューティ比Di=100%)となっており、液晶分子Mの長軸方向が、光軸に対して平行となる。すなわち、この目標状態では液晶分子Mの傾き角θt≒90°(例えば88°)となっており、撮像光Linの光透過率Tが相対的に高くなり(撮像光Loutの透過光量が相対的に高くなって明るくなり)、例えば透光状態となる。
【0082】
一方、例えば図16(C)に示した目標状態では、例えば電圧無印加時(例えば、駆動電圧Vt=0V,デューティ比Dt=0%)となっており、液晶分子Mの長軸方向が、光軸に対して垂直となる。すなわち、この初期状態では液晶分子Mの傾き角θi≒0°(例えば5°)となっており、撮像光Linの光透過率Tが相対的に低くなり(撮像光Loutの透過光量が相対的に低くなって暗くなり)、例えば遮光状態となる。
【0083】
このような状態遷移を行う本変形例においても、例えば図16(A)〜(C)に示したように、上記実施の形態と同様にして、液晶調光素子31における液晶分子Mの傾き角θが複数段階(ここでは2段階)に遷移するように駆動電圧Vを制御する。具体的には、光量制御部33は、初期状態と目標状態との間に、1または複数段階(ここでは1段階)の中間状態を含んで傾き角θが段階的に遷移するように、駆動電圧Vを制御する。
【0084】
したがって、本変形例においても、上記実施の形態と同様の作用により同様の効果を得ることが可能である。すなわち、状態遷移の際に、透過光量変化の不安定さ(バウンド現象の発生)を抑制しつつ液晶分子Mの応答速度を向上させることができ、液晶調光素子31を適切に駆動することが可能となる。なお、本変形例においても実施の形態と同様に、液晶調光素子31近傍の温度(温度情報Item)に応じた駆動電圧Vの制御動作(温度制御動作)を行うようにしてもよい。
【0085】
<その他の変形例>
以上、いくつかの実施の形態および変形例を挙げて本開示の技術を説明したが、本技術はこれらの実施の形態等に限定されず、種々の変形が可能である。
【0086】
例えば、上記実施の形態等では、GH型の液晶を用いた液晶調光素子を例に挙げて説明したが、この場合には限られず、GH型の液晶以外の液晶を用いた液晶調光素子を用いるようにしてもよい。
【0087】
また、上記実施の形態等では、液晶調光素子の駆動方法について具体的に説明したが、本技術はこれらの駆動方法には限られない。初期状態(一の調光状態)および目標状態(他の調光状態)における調光状態として、透光状態および遮光状態を例に挙げて説明したが、状態遷移の際の液晶調光素子31の調光状態としては、これらには限られない。すなわち、本技術の駆動方法は、透過光量が互いに異なる一の調光状態から他の調光状態へと液晶調光素子31の調光状態を状態遷移させる場合であれば、それらの調光状態にはよらずに適用することが可能である。また、上記実施の形態等では、駆動電圧Vをパルス幅変調(PWM)を用いて供給しているが、これには限られず、例えば、駆動電圧Vを振幅変調(PAM:Pulse Amplitude Modulation)等を用いて供給するようにしてもよい。つまり、駆動波形W(V)における振幅ΔAを変化(変調)させることによって、駆動電圧Vの値を制御するようにしてもよい。更に、上記実施の形態等では、液晶調光素子31における液晶分子Mの傾き角θが2段階に遷移する(初期状態と目標状態との間に1段階の中間状態を含んで傾き角θが段階的に遷移する)ように駆動電圧Vを制御しているが、これには限られない。すなわち、液晶分子Mの傾き角θが3段階以上に遷移する(初期状態と目標状態との間に2段階以上の中間状態を含んで傾き角θが段階的に遷移する)ように、駆動電圧Vを制御してもよい。
【0088】
加えて、上記実施の形態等では、撮像装置の各構成要素を具体的に挙げて説明したが、全ての構成要素を備える必要はなく、また、他の構成要素を更に備えていてもよい。例えば、上記実施の形態等では、撮像装置内(撮像光の光路上)にレンズ(レンズ群)が1つ設けられている場合を例に挙げて説明したが、これには限られない。すなわち、例えば、撮像光の光路上にレンズ(レンズ群)が複数設けられていてもよく、あるいは、そのようなレンズ(レンズ群)が撮像装置内に設けられていなくてもよい。
【0089】
また、上記実施の形態等で説明した各信号処理(信号処理部)および駆動電圧の制御(光量制御部)はそれぞれ、ハードウェア(回路)で行われるようにしてもよいし、あるいはソフトウェア(プログラム)で行われるようにしてもよい。ソフトウェアで行われるようにした場合、そのソフトウェアは、各信号処理機能や駆動電圧の制御機能をコンピュータ(撮像装置内のマイクロコンピュータ等)により実行させるためのプログラム群で構成される。各プログラムは、例えば、専用のハードウェアに予め組み込まれて用いられてもよいし、汎用のパーソナルコンピュータなどにネットワークや記録媒体からインストールして用いられてもよい。
【0090】
なお、本技術は以下のような構成を取ることも可能である。
(1)
入射する撮像光の透過光量を調整する液晶調光素子と、
前記液晶調光素子に対してその駆動電圧を供給する駆動部と、
前記駆動電圧を制御して前記液晶調光素子の調光状態の制御を行う制御部と
を備え、
前記制御部は、前記透過光量が互いに異なる一の調光状態から他の調光状態へと前記液晶調光素子の調光状態を状態遷移させる際に、この液晶調光素子における液晶分子の傾き角が複数段階に遷移するように、前記駆動電圧を制御する
液晶調光装置。
(2)
前記制御部は、前記一の調光状態としての初期状態と、前記他の調光状態としての目標状態との間に、1または複数段階の中間状態を含んで前記傾き角が段階的に遷移するように、前記駆動電圧を制御する
上記(1)に記載の液晶調光装置。
(3)
前記初期状態における前記傾き角をθi、前記中間状態における前記傾き角をθm、前記目標状態における前記傾き角をθtとしたとき、
前記θmの値は、前記θiと前記θtとの間の値である
上記(2)に記載の液晶調光装置。
(4)
前記θmの値は、(|θt−θi|/2)と前記θtとの間の値である
上記(3)に記載の液晶調光装置。
(5)
前記制御部は、前記中間状態の期間を、前記液晶調光素子近傍の温度に応じて変化させる
上記(2)ないし(4)のいずれかに記載の液晶調光装置。
(6)
前記制御部は、前記液晶調光素子近傍の温度が低くなるのに従って、前記中間状態の期間が相対的に長くなるように制御する
上記(5)に記載の液晶調光装置。
(7)
前記制御部は、前記液晶調光素子近傍の温度と前記中間状態の期間とを予め対応付けてなる温度制御テーブルを用いて、前記中間状態の期間を制御する
上記(5)または(6)に記載の液晶調光装置。
(8)
前記制御部は、前記初期状態における前記傾き角を前記液晶調光素子近傍の温度に応じて補正するための温度補正用電圧が、前記初期状態において前記駆動電圧に重畳されるように制御する
上記(2)ないし(7)のいずれかに記載の液晶調光装置。
(9)
前記制御部は、前記初期状態における前記傾き角が、前記液晶調光素子近傍の温度に依存せずに略一定となるように、前記温度補正用電圧の制御を行う
上記(8)に記載の液晶調光装置。
(10)
前記制御部は、前記液晶調光素子近傍の温度が低くなるのに従って、前記温度補正用電圧が相対的に増加するように制御する
上記(9)に記載の液晶調光装置。
(11)
前記液晶調光素子は、前記液晶分子を含有する液晶層を有し、
前記傾き角は、前記液晶層の層内方向を基準としたときの、前記液晶層の厚み方向への前記液晶分子の傾きを規定した角度である
上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の液晶調光装置。
(12)
前記制御部は、前記一の調光状態から前記他の調光状態への状態遷移のうち、前記傾き角が小さくなる状態遷移の場合に、前記傾き角が複数段階に遷移するように制御を行う
上記(11)に記載の液晶調光装置。
(13)
前記駆動部は、前記駆動電圧を、パルス幅変調(PWM)を用いて供給する
上記(1)ないし(12)のいずれかに記載の液晶調光装置。
(14)
入射する撮像光の透過光量を調整する液晶調光素子と、
前記液晶調光素子から出射された撮像光に基づいて撮像信号を取得する撮像素子と、
前記液晶調光素子に対してその駆動電圧を供給する駆動部と、
前記駆動電圧を制御して前記液晶調光素子の調光状態の制御を行う制御部と
を備え、
前記制御部は、前記透過光量が互いに異なる一の調光状態から他の調光状態へと前記液晶調光素子の調光状態を状態遷移させる際に、この液晶調光素子における液晶分子の傾き角が複数段階に遷移するように、前記駆動電圧を制御する
撮像装置。
(15)
入射する撮像光の透過光量を調整する液晶調光素子に対してその駆動電圧を供給して駆動する際に、
前記液晶調光素子における液晶分子の傾き角が複数段階に遷移するように前記駆動電圧を制御しつつ、前記透過光量が互いに異なる一の調光状態から他の調光状態へと前記液晶調光素子の調光状態を状態遷移させる
液晶調光素子の駆動方法。
【符号の説明】
【0091】
1…撮像装置、21…レンズ、22…撮像素子、3…液晶調光装置、31…液晶調光素子、32…温度センサ、33…光量制御部、34…駆動部、4…信号処理部、41…S/H・AGC回路、42…A/D変換部、43…画質改善処理部、Lin…入射光(撮像光)、Lout…出射光(撮像光)、Sin,Sout,S1…撮像信号、V,Vi,Vm,Vt…駆動電圧、D,Di,Dm,Dt…デューティ比、W(V)…駆動波形、Δt…パルス幅、ΔA…振幅、M…分子(液晶分子)、θ,θi,θm,θt…傾き角、Item…温度情報、Itra…光透過率情報(光量情報)、LT…温度制御テーブル(ルックアップテーブル)、ΔTm…中間状態期間。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射する撮像光の透過光量を調整する液晶調光素子と、
前記液晶調光素子に対してその駆動電圧を供給する駆動部と、
前記駆動電圧を制御して前記液晶調光素子の調光状態の制御を行う制御部と
を備え、
前記制御部は、前記透過光量が互いに異なる一の調光状態から他の調光状態へと前記液晶調光素子の調光状態を状態遷移させる際に、この液晶調光素子における液晶分子の傾き角が複数段階に遷移するように、前記駆動電圧を制御する
液晶調光装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記一の調光状態としての初期状態と、前記他の調光状態としての目標状態との間に、1または複数段階の中間状態を含んで前記傾き角が段階的に遷移するように、前記駆動電圧を制御する
請求項1に記載の液晶調光装置。
【請求項3】
前記初期状態における前記傾き角をθi、前記中間状態における前記傾き角をθm、前記目標状態における前記傾き角をθtとしたとき、
前記θmの値は、前記θiと前記θtとの間の値である
請求項2に記載の液晶調光装置。
【請求項4】
前記θmの値は、(|θt−θi|/2)と前記θtとの間の値である
請求項3に記載の液晶調光装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記中間状態の期間を、前記液晶調光素子近傍の温度に応じて変化させる
請求項2に記載の液晶調光装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記液晶調光素子近傍の温度が低くなるのに従って、前記中間状態の期間が相対的に長くなるように制御する
請求項5に記載の液晶調光装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記液晶調光素子近傍の温度と前記中間状態の期間とを予め対応付けてなる温度制御テーブルを用いて、前記中間状態の期間を制御する
請求項5に記載の液晶調光装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記初期状態における前記傾き角を前記液晶調光素子近傍の温度に応じて補正するための温度補正用電圧が、前記初期状態において前記駆動電圧に重畳されるように制御する
請求項2に記載の液晶調光装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記初期状態における前記傾き角が、前記液晶調光素子近傍の温度に依存せずに略一定となるように、前記温度補正用電圧の制御を行う
請求項8に記載の液晶調光装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記液晶調光素子近傍の温度が低くなるのに従って、前記温度補正用電圧が相対的に増加するように制御する
請求項9に記載の液晶調光装置。
【請求項11】
前記液晶調光素子は、前記液晶分子を含有する液晶層を有し、
前記傾き角は、前記液晶層の層内方向を基準としたときの、前記液晶層の厚み方向への前記液晶分子の傾きを規定した角度である
請求項1に記載の液晶調光装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記一の調光状態から前記他の調光状態への状態遷移のうち、前記傾き角が小さくなる状態遷移の場合に、前記傾き角が複数段階に遷移するように制御を行う
請求項11に記載の液晶調光装置。
【請求項13】
前記駆動部は、前記駆動電圧を、パルス幅変調(PWM)を用いて供給する
請求項1に記載の液晶調光装置。
【請求項14】
入射する撮像光の透過光量を調整する液晶調光素子と、
前記液晶調光素子から出射された撮像光に基づいて撮像信号を取得する撮像素子と、
前記液晶調光素子に対してその駆動電圧を供給する駆動部と、
前記駆動電圧を制御して前記液晶調光素子の調光状態の制御を行う制御部と
を備え、
前記制御部は、前記透過光量が互いに異なる一の調光状態から他の調光状態へと前記液晶調光素子の調光状態を状態遷移させる際に、この液晶調光素子における液晶分子の傾き角が複数段階に遷移するように、前記駆動電圧を制御する
撮像装置。
【請求項15】
入射する撮像光の透過光量を調整する液晶調光素子に対してその駆動電圧を供給して駆動する際に、
前記液晶調光素子における液晶分子の傾き角が複数段階に遷移するように前記駆動電圧を制御しつつ、前記透過光量が互いに異なる一の調光状態から他の調光状態へと前記液晶調光素子の調光状態を状態遷移させる
液晶調光素子の駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−114030(P2013−114030A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260059(P2011−260059)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】