説明

液滴吐出ヘッド、及びその駆動方法、並びに液滴吐出装置

【課題】微細なパターン形状に塗布し易い液滴吐出ヘッド、及びその駆動方法、並びに液滴吐出装置を提供すること。
【解決手段】液滴吐出ヘッド1において、ノズルプレート2のノズル上に複数の圧電振動子11が隣接して配置される。液滴を吐出するとき、圧電振動子11が収縮して圧力室14が形成され、負圧となる圧力室14に液状体が流入し充填される。次に、圧電振動子11が伸張して、圧力室14の液状体が加圧され、ノズルから液状体の液滴が吐出される。収縮する圧電振動子11と隣接する圧電振動子11が圧力室14の壁の一部を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液滴吐出ヘッド、及びその駆動方法、並びに液滴吐出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
所定量の液状材料を所望する位置に塗布することのできる方法として、液滴吐出法が知られている。このような液滴吐出法の一つとして、特に微量の液状材料を吐出するのに好適なインクジェット法がある。
このインクジェット法に用いられるインクジェットヘッド(以下、液滴吐出ヘッドと称す。)は、液状体を収容する圧力室と、この圧力室に連通するノズルが形成されたノズルプレートとを有したもので、圧力室と連通したノズルを吐出口として、圧力室内に収容した液状体をノズルから吐出するよう構成されたものである。
【0003】
ところで、このような液滴吐出ヘッドを用いて被塗布物(以下、ワークと称す。)に液状体を塗布するとき、ワークと液滴吐出ヘッドを相対的に移動させて液滴を吐出し、所望するパターンに液状体を塗布する方法が広く知られている。
液状体を塗布するパターンの形状が微細のとき、塗布する液滴の間隔を短くする方法が特許文献1に開示されている。それによると、液滴吐出ヘッドのノズルプレートにノズルを直線状に複数配列して配置し、液滴吐出ヘッドの進行方向とノズルを直線状に配列した配列の方向とに角度を持たせて、液滴吐出ヘッドを進行させる。この方法により、配列して形成したノズルの間隔より短い間隔で液滴を吐出して塗布することができる。
【0004】
この方法では、ワークに液状体を塗布するパターンに対して、液滴を吐出する地点の座標データを作成し、その座標データに基づいて、液滴を塗布する位置と対向する位置にノズルが位置するときの液滴吐出ヘッドの座標を演算し吐出座標データを作成する。次に、液滴吐出ヘッドとワークとを相対的に移動し、吐出座標データに基づいて、液状体を液滴にして吐出して塗布する。
【0005】
【特許文献1】特開2003−284988号公報(17頁、図10〜図11)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このとき、ノズルの配列と液滴吐出ヘッドの進行方向が垂直でなく、所定の角度をもたせている為、液滴吐出ヘッドの位置と各ノズルから液滴を吐出するタイミングの演算が複雑になっていた。
【0007】
本発明は、前記課題に鑑みてさなれたもので、その目的は、微細なパターン形状に塗布し易い液滴吐出ヘッド、及びその駆動方法、並びに液滴吐出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の液滴吐出ヘッドは、ノズルから液滴を吐出する複数の液滴吐出素子を並べて形成した液滴吐出ヘッドであって、液滴吐出素子は、ノズルに連通する、液状体を充填する圧力室と、該圧力室の容積を変化させる駆動部とを有し、駆動部を駆動して圧力室の圧力容積を変化させることによりノズルから液状体の一部を液滴として吐出し、駆動部は、隣接する液滴吐出素子の圧力室の内壁の一部を構成することを特徴とする。
【0009】
ここでいうノズルとは、図1または図2に示すノズルプレート2のような平板状の構造物に形成された孔(ノズル6)を意味する。
【0010】
これによれば、液滴吐出ヘッドは、複数の液滴吐出素子を備えている。液滴吐出素子において、駆動部が駆動され、圧力室の容積が変化させられてノズルから液滴が吐出させられる。隣接する液滴吐出素子の駆動部が圧力室の内壁の一部となっていることから、圧力室と隣接する液滴吐出素子の駆動部が接しており、圧力室と隣接する液滴吐出素子の間に仕切り部材が配置されない。隣接する一対の液滴吐出素子における各ノズルは各圧力室に連通しており、仕切り部材が配置されないことから、各ノズルは接近して配置することができる。従って、液滴素子から吐出する液滴を接近した領域に吐出して、液状体を塗布することができる。その結果、本発明の液滴吐出ヘッドは、微細なパターン形状に塗布し易い液滴吐出ヘッドとすることができる。
【0011】
本発明の液滴吐出ヘッドは、ノズルを有するノズルプレートを備え、駆動部は非駆動時にノズルの少なくとも一部を遮蔽し、駆動時にノズルの少なくとも一部を開くことを特徴とする。
ここで非駆動時とは、液滴を吐出せず待機している状態の時を示す。
【0012】
これによれば、液滴を吐出しない非駆動状態の時に、駆動部はノズルを遮蔽する。従って、隣接する液滴吐出素子の圧力室の容積を変化するとき、液状体が非駆動状態の液滴吐出素子のノズルから漏洩することがほとんどない。従って、駆動しない液滴吐出素子のノズルから液状体の漏洩を略防止することができる。
【0013】
本発明の液滴吐出ヘッドは、液滴を吐出する複数の液滴吐出素子を並べて形成した液滴吐出ヘッドであって、液滴吐出素子は、ノズルと、該ノズルに連通する、液状体を充填する圧力室と、該圧力室の容積を変化させる駆動部とを有し、駆動部を駆動して圧力室の容積を変化させることによりノズルから液状体の一部を液滴として吐出し、駆動部は非駆動時にノズルの少なくとも一部を遮蔽し、駆動時にノズルの少なくとも一部を開くことを特徴とする。
【0014】
これによれば、液滴吐出ヘッドは、複数の液滴吐出素子を備えている。液滴吐出素子において、駆動部が駆動され、圧力室の容積が変化させられてノズルから液滴が吐出させられる。液滴を吐出しない非駆動時に、駆動部はノズルを遮蔽する。液滴吐出素子の圧力室の圧力が高くなったとき、非駆動状態の液滴吐出素子のノズルから、液状体が略漏洩することなく、駆動状態の液滴吐出素子のノズルから吐出される。従って、駆動しない液滴吐出素子のノズルから液状体の漏洩を略防止することができる。
例えば、隣接する1対の液滴吐出素子において、圧力室が連結し壁が無いときにも、液滴吐出素子毎に液滴の吐出と非吐出を制御することができる。隣接する液滴吐出素子の各圧力室をさえぎる壁が無いとき、壁があるときに比べて、各ノズルは接近して配置することができる。従って、液滴素子から吐出する液滴を接近した領域に吐出して、液状体を塗布することができる。
【0015】
本発明の液滴吐出ヘッドでは、駆動部は圧電素子を含んで構成されることを特徴とする。
【0016】
これによれば、駆動部は圧電素子を含んで構成されることから、液滴を吐出するタイミングを制御する電気回路にて生成される電気信号を応答性良く機械運動に変換して圧力室に充填された液状体に圧力を加えることができる。従って、タイミング良く液滴を吐出できる。
【0017】
本発明の液滴吐出ヘッドは、複数の液滴吐出素子のうち少なくとも2つの隣り合う液滴吐出素子が共通のノズルから液滴を吐出することを特徴とする。
【0018】
これによれば、2つの隣り合う液滴吐出素子のノズルが共通のノズルであることから、ノズルを構成する孔が連結している。各ノズルが連結していない場合には、接近したノズルの形状を希望の形状に加工するのは難しい。例えば、1つ孔を開けた後、開いた孔と隣接した位置に孔を開けるとき、後から開けるときの刃具により、2つの孔に挟まれた領域が先に開けた孔の方へ寄せられ変形する。ノズルの孔と孔が連結しているときは設計通りの加工ができることから、精度良くノズルの孔を製造することができる。
【0019】
本発明の液滴吐出ヘッドは、連結したノズルの少なくとも一部に凸部が形成されることを特徴とする。
【0020】
これによれば、隣接する液滴吐出素子のノズルとノズルとが連結しており、各液滴吐出素子の間の近傍に対応するノズルの一部に凸部が形成される。隣接する液滴吐出素子から同時に液滴を吐出する場合に、液滴がノズルを通過するとき、凸部により液滴が分断又は一部が連結した状態で、液滴吐出素子毎に液滴が吐出される。従って、隣接する液滴吐出素子から同時に液滴を吐出するとき、液滴同士が合体しにくくすることができる。
【0021】
本発明の液滴吐出ヘッドでは、共通のノズルの少なくとも一部に2つの凸部が互いに対向して形成されることを特徴とする。
【0022】
これによれば、隣接する液滴吐出素子のノズルとノズルとが連結しており、各液滴吐出素子の間の近傍に対応するノズルの一部に2つの凸部が互いに対向して形成される。ノズルの壁面の一方に凸部が形成されるときに比べて2つの凸部が対向して形成されるときの方が、ノズルを対称形に設計し易くなる。ノズルの形状が非対称のときは、液状体がノズルの孔を通過するときの流体抵抗が液状体に対して非対称に作用し、液滴の吐出方向が曲がり易く進行方向が定まりにくいが、ノズルの形状が対称形のときは、ノズルを通過するときに液状体にかかる抵抗が対称的にかかることから、液滴を直進させ易い。従って、液滴の吐出位置を制御し易い液滴吐出ヘッドとすることができる。
【0023】
本発明の液滴吐出ヘッドでは、液滴吐出素子の各ノズルはV字形状に形成されることを特徴とする。
【0024】
これによれば、ノズルの孔の形状がV字形状をしていることから、2つの面に沿って液滴が吐出される。2つの面により液滴の吐出方向を制御できる為、液滴の吐出位置が制御し易い液滴吐出ヘッドとすることができる。
【0025】
本発明の液滴吐出ヘッドでは、駆動部は、駆動部のノズルに対向する領域にノズル栓を有することを特徴とする。
ここで、ノズル栓はノズルの孔と略同形状の凸状体であり、駆動部がノズルプレートに接触するときノズル栓はノズルの孔に入る構造物を示す。
【0026】
これによれば、液滴を吐出する液滴吐出素子と液滴を吐出しない液滴吐出素子とが隣接し、液滴を吐出する液滴吐出素子の圧力室に充填された液状体に圧力が印加され、液状体が吐出させられるとき、液滴を吐出する液滴吐出素子と隣接する液滴吐出素子の、駆動部とノズルプレートとの間に、加圧された液状体が流入するように作用する。
【0027】
液滴を吐出しない液滴吐出素子は駆動部とノズルプレートが接触していることから、液状体が駆動部とノズルプレートとの間に流入することはほとんどない。流入した場合においてもノズルと駆動部に形成されるノズル栓との隙間を狭く形成することにより、液状体がノズルから漏洩することを略防止することができる。
【0028】
上記課題を解決するために、本発明の液滴吐出ヘッドは、液状体を通すノズルを有するノズルプレートと、液状体に圧力を付与する複数の駆動部とを備え、複数の駆動部のうち、少なくとも2つの駆動部が駆動して液状体に圧力を付与して、1つのノズルから液状体を液滴として吐出することを特徴とする。
【0029】
これによれば、液滴吐出ヘッドは、駆動部を駆動して液状体の圧力を付与して、液状体の液滴をノズルから吐出する。液滴吐出ヘッドは駆動部を複数備えており、複数の駆動部が駆動して形成される液滴が1つのノズルから吐出される。各駆動部が各々別々にノズルを有する場合に比べて、ノズルの孔の数が少ない構成となっている為、ノズルを生産性良く製造できる。その結果、生産性良く製造できる液滴吐出ヘッドとすることができる。
【0030】
本発明の液滴吐出ヘッドでは、駆動部は、非駆動時にノズルプレートに接触することを特徴とする。
【0031】
これによれば、駆動部が駆動しないときは、駆動部がノズルプレートに接触している。このとき、駆動部が吐出可能な領域のノズルの孔を遮蔽することとなる。駆動部を駆動するときは、ノズルから液滴を吐出する動作となり、駆動しないときは、液状体がノズルから漏洩するのを防止する動作となる。従って、液滴の吐出を制御できる液滴吐出ヘッドとすることができる。
【0032】
本発明の液滴吐出ヘッドは、複数の駆動部のうち少なくとも2つの隣り合う駆動部は接触していることを特徴とする。
【0033】
これによれば、隣り合う駆動部のうち一つは接触していることから、隣り合う駆動部と駆動部との間に壁となる部材が配置されていない。従って、壁となる部材があるときと比べて、駆動部と駆動部との間隔を短くすることができる為、隣り合う各駆動部が駆動して吐出する各液滴の間隔を短くすることができる。その結果、吐出する液滴を接近した領域に吐出することができる液滴吐出ヘッドとすることができる。
【0034】
上記課題を解決するために、本発明の液滴吐出ヘッドの駆動方法は、ノズルに連通する圧力室と該圧力室の容積を変化させる駆動部とを有する液滴吐出素子を複数並べて形成した液滴吐出ヘッドの駆動方法であって、複数の液滴吐出素子のうち液滴を吐出しない予定の液滴吐出素子の駆動部がノズルの対応する部分を遮蔽する遮蔽工程と、複数の液滴吐出素子のうち液滴を吐出する予定の液滴吐出素子の駆動部がノズルの対応する部分を開放する開放工程と、遮蔽工程と開放工程とのあと、液滴を吐出する予定の液滴吐出素子の駆動部が圧力室の容積を変化させ、圧力室に液状体を充填する充填工程と、充填された前記液状体をノズルから液滴として吐出する吐出工程と、を含むことを特徴とする。
【0035】
これによれば、液滴吐出ヘッドには、液滴を吐出する複数の液滴吐出素子が並べて形成され、液滴を吐出しない液滴吐出素子は、遮蔽工程で駆動部がノズルを遮蔽する。従って、液滴を吐出しない液滴吐出素子からは液状体が略漏洩しない。
液滴を吐出する予定の液滴吐出素子において、開放工程で駆動部がノズルから離れ、液滴がノズルから出るのを可能にする。充填工程で駆動部を駆動し、圧力室の圧力を負圧にして液状体を圧力室に充填する。次に吐出工程で駆動部を駆動し、圧力室の圧力を正圧にしてノズルから液滴を吐出する。つまり、液滴を吐出しない液滴吐出素子に対応するノズルが遮蔽されているときに、液滴を吐出する予定の液滴吐出素子から液滴が吐出される。従って、隣接する液滴吐出素子の圧力室に壁がない構造であっても吐出する予定の液滴吐出素子からのみ液滴を吐出することができる。その結果、隣接する液滴吐出素子の圧力室の壁の機能を駆動部が担う構造の液滴吐出ヘッドの吐出制御を行なうことができる。
【0036】
上記課題を解決するために、本発明の液滴吐出装置は、被塗布物に液滴を吐出して塗布する液滴吐出装置であって、上述の液滴吐出ヘッドと、被塗布物と液滴吐出ヘッドとを相対的に移動する移動部と、を備えたことを特徴とする。
【0037】
これによれば、液滴吐出装置は、上述の液滴吐出ヘッドを備え、上述の液滴吐出ヘッドは、被塗布物の接近した領域に液滴を吐出して、液状体を塗布することができる。従って、上述の液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置は、液滴を近接した領域に1回の吐出動作で吐出できる液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置とすることができる。その結果、生産性よく液状体を塗布することができる液滴吐出装置とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、本発明を具体化した実施例について図面に従って説明する。
尚、各図面における各部材は、各図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎に縮尺を異ならせて図示している。
【0039】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る液滴吐出ヘッドについて図1〜図6に従って説明する。
図1は、液滴吐出ヘッドの模式斜視図であり、図2は図1の液滴吐出ヘッドの模式断面図である。図3は液滴吐出ヘッドの模式平面図である。
図1に示すように液滴吐出ヘッド1はノズルプレート2とノズルプレート2の片面に配置された筐体3と、筐体3の内部に配置された駆動部4と、筐体3の外部に配置された回路部5とから構成されている。
【0040】
図2に示すように、液滴吐出ヘッド1は、金属製のノズルプレート2を備えている。ノズルプレート2は、剛性を有し、吐出する液状体により腐食されにくい材料で形成されれば良く、金属、セラミックなどが用いられる。例えば、本実施形態ではステンレスを採用している。ノズルプレート2には、液滴が通過するノズル6が形成されている。
図3に示すように、ノズル6は長孔になっており、長孔には対向する複数の位置に凸部7が形成されている。
【0041】
図2に示すように、ノズルプレート2の片面には筐体3が配置されている。筐体3の側面には配管8が配置され、筐体3の内部に形成された空間である収容室9と接続されている。筐体3の内部には、ノズル6と対向する位置に駆動部4が配置され、駆動部4と収容室9とを接続する流路10が形成されている。
【0042】
駆動部4は、ピエゾ板と金属の電極とが積層された圧電素子を略直方体形状に形成された圧電振動子11と圧電振動子11の対向する2面を挟持するように形成された導電性の第1電極12と第2電極13とで形成されている。圧電振動子11は、ノズル6と逆側の面が筐体3に接着されて支持され、第1電極12と第2電極13とに電圧が印加されないとき、圧電振動子11のノズル6と対向する面がノズルプレート2と接するように形成されている。また、第1電極12と第2電極13とに電圧が印加されたとき、圧電振動子11が収縮するように配置され、圧電振動子11が収縮したとき、図1に示すように、圧電振動子11とノズルプレート2との間に空間である圧力室14が形成される。
【0043】
筐体3の外側で、ノズルプレート2と逆側の面には回路部5が配置されている。回路部5は筐体3の1側面上に配置される回路基板15を備え、回路基板15上には外部配線16及び、制御回路17と駆動回路18との各素子が配置されている。第1電極12と第2電極13とに対向する各位置の回路基板15と筐体3には、貫通孔が形成され、貫通孔の内部に金属からなる第1導線19と第2導線20とが形成されている。
【0044】
外部配線16は回路基板15上の配線を介して制御回路17に接続され、液滴を吐出する指示信号である吐出信号が、外部配線16を通じて制御回路17に入力される。吐出信号は制御回路17で演算され、駆動部4を制御する制御信号が出力される。制御回路17は駆動回路18と回路基板15上の配線を介して接続され、制御回路17から出力された制御信号は、駆動回路18に入力される。制御信号は駆動回路18で電力が増幅され駆動部4を駆動する駆動信号が出力される。駆動回路18と第1電極12及び第2電極13とは回路基板15上の配線と第1導線19及び第2導線20とを介して接続され、駆動信号は第1電極12及び第2電極13の間に電圧を印加して、圧電振動子11を駆動する。
【0045】
液滴吐出ヘッド1のノズル6から吐出される液状体としてのインク23は、図示しない外部ポンプにより配管8を通じて収容室9へ供給される。外部配線16を通じて吐出信号が制御回路17に入力されたとき、制御回路17は駆動部4の動作を制御する制御信号を駆動回路18へ出力する。駆動回路18は制御信号を電力増幅し、電力増幅した制御信号を駆動信号として、第1電極12と第2電極13との電極間に印加する。駆動信号は第1電極12と第2電極13との電極間に電圧を印加する信号と電圧を印加しない信号により構成されている。圧電振動子11は第1電極12と第2電極13との電極間に電圧が印加されたとき収縮し、ノズルプレート2と圧電振動子11との間に負圧の圧力室14を形成する。収容室9に収容されているインク23は流路10を介して圧力室14へ流入する。
【0046】
続いて、第1電極12と第2電極13との電極間に印加された電圧が解除され、電圧が印加されていない状態のとき、圧電振動子11は伸張し、圧力室14のインク23を加圧する。加圧されたインク23は、ノズル6から液滴24となって吐出される。
【0047】
図3に示すように、複数配列された駆動部4のうち1つの駆動部4と、当該駆動部4と対向する領域のノズル6と、流路10とにより液滴吐出素子25が構成されている。ノズル6に形成された凸部7は、2つの凸部7が互いに対向して、隣接する液滴吐出素子25の間に対応する領域6aに形成されている。隣接する各液滴吐出素子25から同時に液滴を吐出する場合にも、各液滴24が合体しないようになっている。
【0048】
次に、図4〜図6を用いて液滴の吐出動作を説明する。図4は液滴の吐出動作のフローチャートであり、図5及び図6は、液滴の吐出動作を説明する図である。
図4のフローチャートにおいて、ステップS1は遮蔽工程に相当し、駆動部4でノズル6を遮蔽する工程である。次にステップS2に移行する。ステップS2は開放工程に相当し、駆動部4をノズル6から離し、ノズル6をからインク23が吐出可能になるように、ノズル6を開放する工程である。ステップS3は充填工程に相当し、圧力室14にインク23を充填する工程である。次にステップS4に移行する。ステップS4は吐出工程に相当し、ノズル6から液滴24を吐出する工程である。
【0049】
次に図5を用いて、図4に示したステップと対応させて、1つの液滴吐出素子25から液滴を吐出する方法を詳細に説明する。
図5(a)はステップS1に対応する図である。図5(a)に示すように、全ての圧電振動子11には、図2に示す第1電極12と第2電極13との電極間に電圧が印加されず、各圧電振動子11のノズル6側の端はノズルプレート2と接触している。各圧電振動子11はノズル6を遮蔽し、図2に示す流路10内に充填されたインク23がノズル6から漏洩するのを防止している。
【0050】
図5(b)はステップS2及びステップS3に対応する図である。図5(b)に示すように、図2に示す第1電極12と第2電極13との電極間に電圧が印加された圧電振動子11aは収縮し、ノズルプレート2と圧電振動子11aとが離れ、ノズルプレート2と圧電振動子11aとの間に負圧の圧力室14が形成される。図2に示す流路10を介して圧力室14にインク23が流入し、圧力室14にインク23が充填される。
【0051】
図5(c)はステップS4に対応する図である。図5(c)に示すように、図2に示す第1電極12と第2電極13との電極間に電圧が解除され、電極間の電圧が印加されないとき、圧電振動子11aは伸張する。圧力室14のインク23は、圧電振動子11aに加圧され、ノズル6から液滴24となって吐出される。このとき、伸張した圧電振動子11aと隣接する圧電振動子11はノズル6を遮蔽しているので、インク23は伸張した圧電振動子11aと対向する位置のノズル6から吐出される。ノズル6には凸部7が形成されており、この凸部7に沿って、液滴24が吐出される。
【0052】
次に図6を用いて、図4に示したステップと対応させて、隣接する2つの液滴吐出素子25から液滴を吐出する方法を詳細に説明する。
図6(a)はステップS1に対応する図である。図6(a)に示すように、全ての圧電振動子11には、図2に示す第1電極12と第2電極13との電極間に電圧が印加されず、各圧電振動子11のノズル6側の端はノズルプレート2と接触している。各圧電振動子11はノズル6の孔を遮蔽し、インク23がノズル6から漏洩するのを防止している。
【0053】
図6(b)はステップS2及びステップS3に対応する図である。図6(b)に示すように、図2に示す第1電極12と第2電極13との電極間に電圧が印加された2つの圧電振動子11a,11bが収縮し、ノズルプレート2と圧電振動子11a,11bとが離れ、ノズルプレート2と圧電振動子11a,11bとの間に負圧の圧力室14が形成される。圧力室14にインク23が流入し、圧力室14にインク23が充填される。
【0054】
図6(c)はステップS4に対応する図である。図6(c)に示すように、図2に示す第1電極12と第2電極13との電極間に印加された電圧が解除され、電極間に電圧が印加されないとき、圧電振動子11a,11bは伸張する。圧力室14のインク23は、圧電振動子11a,11bに加圧され、ノズル6から液滴24となって吐出される。圧電振動子11aに対応する圧力室14と圧電振動子11bに対応する圧力室14は連結して一つの圧力室14となる。圧力室14から吐出される液滴24は、ノズル6の凸部7により2つの液滴24a,24bに分断又は、2つの液滴24a,24bの一部が結合した形状で吐出される。
【0055】
図6(d)はステップS4において、吐出された液滴24がワーク26に着弾する図である。図6(d)に示すように、液滴吐出ヘッド1と対向する位置にワーク26が配置され、ノズル6から吐出された2つの液滴24a,24bはワーク26に着弾して液溜り27となる。
【0056】
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、液滴吐出ヘッド1は、複数の液滴吐出素子25を備えている。液滴吐出素子25において、駆動部4が駆動され、圧力室14に充填されたインク23の圧力が変化してノズル6から液滴24が吐出する。
隣接する液滴吐出素子25の圧電振動子11が、吐出時に形成される圧力室14の内壁の一部となることから、圧力室14と隣接する液滴吐出素子25の圧電振動子11の間に仕切り部材が配置されない。従って、仕切り部材がない為、各圧力室14と連通する各ノズル6は接近して配置することができる。その結果、液滴吐出素子25から吐出する液滴24を接近した領域に吐出して、インク23を塗布することができる。
【0057】
(2)本実施形態によれば、液滴24を吐出しない非駆動時に、圧電振動子11はノズル6を遮蔽する。従って、液滴吐出素子25から液滴24を吐出するために、圧力室14のインク23の圧力を高くするとき、インク23が隣接する非駆動状態の液滴吐出素子25のノズル6から漏洩することがない。従って、駆動しない液滴吐出素子25のノズル6からインク23の漏洩を防止することができる。
【0058】
(3)本実施形態によれば、圧電振動子11は圧電素子を含んで構成されることから、液滴24を吐出するタイミングを制御する駆動回路18にて生成される駆動信号を応答性良く機械運動に変換して圧力室14に充填されたインク23に圧力を加えることができる。その結果、タイミング良く液滴24を吐出できる。
【0059】
(4)本実施形態によれば、ノズル6が一つの長孔状の孔として形成されている。各ノズル6の孔が個別の孔として形成するとき、接近した孔の形状を希望の形状に加工するのは難しい。例えば、1つ孔を開けた後、開いた孔と接近した位置に孔を開けるとき、後から開けるときの刃具により、2つの孔に挟まれた領域が先に開けた孔の方へ寄せられ変形する。ノズル6が一つの長孔状の孔として形成されているので、ノズル6の孔は設計の通りに製造することができる。
【0060】
(5)本実施形態によれば、隣接する液滴吐出素子25のノズル6の孔と孔とが連結しており、各液滴吐出素子25の間の近傍に対応するノズル6の一部に凸部7が形成されている。隣接する液滴吐出素子25から同時に液滴24を吐出する場合に、液滴24がノズル6を通過するとき、凸部により液滴が分断又は一部が結合した形状となり、液滴吐出素子25毎に液滴24が吐出される。従って、隣接する液滴吐出素子から同時に液滴24を吐出するとき、2つの液滴24同士が合体して一つの液滴24となることを防止できる。
【0061】
(6)本実施形態によれば、隣接する液滴吐出素子25のノズル6の孔と孔とが連結しており、各液滴吐出素子25の間の近傍に対応するノズル6の一部の対向する領域6aに凸部7が形成されている。ノズルの孔の壁面の一方に凸部7が形成されるときと異なり、対向する領域に凸部7があるときは、ノズル6の孔を対称形に成形できる。ノズルの孔の形状が非対称のときは、インク23がノズル6を通過するときの流体抵抗がインク23に対して非対称に作用し、吐出方向が曲がり易く進行方向が定まりにくいが、ノズルの孔の形状が対称形のときは液滴が直進し易い。従って、液滴の吐出位置が制御し易い液滴吐出ヘッドとすることができる。
【0062】
(7)本実施形態によれば、液滴24を吐出する複数の液滴吐出素子25を並べて形成されており、液滴を吐出しない液滴吐出素子25は、遮蔽工程で圧電振動子11がノズル6を遮蔽する。従って、液滴を吐出しない液滴吐出素子25からはインク23が漏洩しない。
液滴24を吐出する液滴吐出素子25において、充填工程で圧電振動子11を収縮させて、圧力室14の圧力を負圧にしてインク23を圧力室14に充填する。次に吐出工程で圧力室14の圧力を正圧にしてノズル6から液滴24を吐出する。
つまり、液滴24を吐出しない液滴吐出素子25に対応するノズル6は遮蔽され、インク23が漏洩しない。従って、隣接する液滴吐出素子の圧力室14に壁がない構造であっても吐出する予定の液滴吐出素子25からのみ液滴24を吐出することができる。その結果、隣接する液滴吐出素子25の圧力室14に壁がない構造の液滴吐出ヘッドの吐出制御を行なうことができる。
(第2の実施形態)
【0063】
次に、本発明の液滴吐出ヘッドを搭載した液滴吐出装置について図7の液滴吐出装置の斜視図を用いて説明する。
【0064】
本実施形態では、図7に示すように、液滴吐出装置30には、直方体形状に形成される基台31が備えられている。本実施形態では、この基台31の長手方向をY方向とし、同Y方向と直交する方向をX方向とする。
【0065】
基台31の上面31aには、Y方向に延びる一対の案内レール32a,32bが同Y方向全幅にわたり凸設されている。その基台31の上側には、一対の案内レール32a,32bに対応する図示しない直動機構を備えた移動部を構成するステージ33が取付けられている。そのステージ33の直動機構は、例えば案内レール32a,32bに沿ってY方向に延びるネジ軸(駆動軸)と、同ネジ軸と螺合するボールナットを備えたネジ式直動機構であって、その駆動軸が、所定のパルス信号を受けてステップ単位で正逆転するY軸モータ(図示しない)に連結されている。そして、所定のステップ数に相対する駆動信号がY軸モータに入力されると、Y軸モータが正転又は逆転して、ステージ33が同ステップ数に相当する分だけ、Y軸方向に沿って所定の速度で往動又は、復動する(Y方向に走査する)ようになっている。
【0066】
そのステージ33の上面には、載置面34が形成され、その載置面34には、図示しない吸引式の基板チャック機構が設けられている。そして、載置面34にワーク26を載置すると、基板チャック機構によって、そのワーク26が載置面34の所定位置に位置決め固定されるようになっている。
【0067】
基台31のX方向両側には、一対の支持台35a,35bが立設され、その一対の支持台35a,35bには、X方向に延びる案内部材36が架設されている。案内部材36は、その長手方向の幅がステージ33のX方向よりも長く形成され、その一端が支持台35a側に張り出すように配置されている。
【0068】
案内部材36の上側には、吐出する液体を供給可能に収容する収容タンク37が配設されている。一方、その案内部材36の下側には、X方向に延びる案内レール38がX方向全幅にわたり凸設されている。
【0069】
案内レール38に沿って移動可能に配置されるキャリッジ39は、略直方体形状に形成されている。そのキャリッジ39の直動機構は、例えば案内レール38に沿ってX方向に延びるネジ軸(駆動軸)と、同ネジ軸と螺合するボールナットを備えたネジ式直動機構であって、その駆動軸が、所定のパルス信号を受けてステップ単位で正逆転するX軸モータ(図示しない)に連結されている。そして、所定のステップ数に相当する駆動信号をX軸モータに入力すると、X軸モータが正転又は逆転して、キャリッジ39が同ステップ数に相当する分だけX方向に沿って往動又は復動する(X方向に走査する)。
【0070】
キャリッジ39の下面(ステージ33側の面:ヘッド配設面39a)には、本発明の液滴吐出ヘッド1がX方向に互いに平行に凸設されている。液滴吐出ヘッド1の下面には、それぞれノズルプレート2が備えられている。そのノズルプレート2には、それぞれ複数のノズル6がX方向に所定の間隔で配列されている。
【0071】
そして、液滴吐出ヘッド1が吐出信号を受けると、図2に示す圧電振動子11が伸縮して、ノズル6から液滴24がワーク26に吐出される。
【0072】
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、液滴吐出ヘッド1は、液滴24を接近した領域に吐出して、液状体を塗布することができることから、この液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置30は、液滴24を近接した領域に吐出することができる。
【0073】
尚、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変更や改良を加えることも可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)
前記第1の実施形態においては、ノズル6は長孔に形成されたが、図8に示すように、ノズル42は円状に形成し、各ノズル42を千鳥状に配列しても良い。隣接する液滴吐出素子25のノズル42から吐出される液滴24を確実に分離して吐出することができる。
【0074】
(変形例2)
前記第1の実施形態においては、ノズル6は内部に凸部7を有した長孔に形成されたが、図9に示すように、ノズル43は内部に凸部を有しない略矩形形状としても良い。ノズル43の孔の形状が単純であることから、ノズルプレート2からノズル43の孔を製造し易い。例えば、プレス金型を用いて打ち抜き加工をする場合、ノズル43の孔の形状が単純であることから、金型を製造し易くすることができる。従って、生産性良く加工設備を整えることができる。
【0075】
(変形例3)
前記第1の実施形態においては、ノズル6は内部に凸部7を有した長孔に形成されたが、図10に示すように、液滴吐出素子25の各ノズル44はV字形状の孔が連結した形状に形成されても良い。ノズル44の孔の形状がV字形状をしていることから、V字形状を構成する面に沿って液滴24が吐出される。V字形状の面により液滴が隣接する液滴吐出素子25の方向へ移動しにくくなり、吐出方向を制御できる為、液滴24がワーク26に吐出される位置が制御し易い液滴吐出ヘッドとすることができる。
【0076】
(変形例4)
前記第1の実施形態においては、ノズル6は内部に凸部7を有した長孔に形成されたが、図11に示すように、液滴吐出素子25に対応する各ノズル45は円状に形成され、各ノズル45の円状の孔と円状の孔との間が孔により連続した形状の孔としても良い。孔の内部に凸部が形成されることから隣接する2つ液滴吐出素子25から吐出される2つ液滴24が分離され易くなることに加え、孔が円状である為、液滴24が球形になり易く、1滴の液滴24により円状に塗布することができる。
【0077】
(変形例5)
前記第1の実施形態においては、圧電振動子11のノズル6と対向する面は平面に形成されたが、図12に示すように、圧電振動子11のノズル6と対向する位置にノズル栓46を形成しても良い。圧力室14に充填されたインク23に圧力が印加され、隣接する圧電振動子11とノズルプレート2との間にインク23が流動した場合においても、ノズル6とノズル栓46の隙間を狭く形成することにより、インク23のノズル6からの漏洩をさらに防止することができる。
【0078】
(変形例6)
前記第1の実施形態においては、駆動部4は圧電素子を用いて駆動したが、弾性変位可能な振動板に電極を配置し、静電気により振動版を変形させ、振動板に連動する部材にて、ノズル6を遮蔽及び開口する動作をしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】第1の実施形態に係る液滴吐出ヘッドの模式斜視図。
【図2】液滴吐出ヘッドの模式断面図。
【図3】液滴吐出ヘッドの模式平面図。
【図4】液滴吐出ヘッドの駆動工程を示すフローチャート。
【図5】(a)〜(c)は、液滴吐出ヘッドの駆動方法を説明するための図。
【図6】(a)〜(d)は、液滴吐出ヘッドの駆動方法を説明するための図。
【図7】第2の実施形態に係る液滴吐出装置の模式斜視図。
【図8】変形例に係る液滴吐出ヘッドの模式平面図。
【図9】変形例に係る液滴吐出ヘッドの模式平面図。
【図10】変形例に係る液滴吐出ヘッドの模式平面図。
【図11】変形例に係る液滴吐出ヘッドの模式平面図。
【図12】変形例に係る液滴吐出ヘッドの模式断面図。
【符号の説明】
【0080】
1…液滴吐出ヘッド、2…ノズルプレート、4…駆動部、6…ノズル、7…凸部、14…圧力室、23…液状体としてのインク、24,24a,24b…液滴、25…液滴吐出素子、26…被塗布物としてのワーク、30…液滴吐出装置、33…移動部としてのステージ、46…ノズル栓。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノズルから液滴を吐出する複数の液滴吐出素子を並べて形成した液滴吐出ヘッドであって、
前記液滴吐出素子は、前記ノズルに連通する、液状体を充填する圧力室と、該圧力室の容積を変化させる駆動部とを有し、
前記駆動部を駆動して前記圧力室の圧力容積を変化させることにより前記ノズルから前記液状体の一部を前記液滴として吐出し、
前記駆動部は、隣接する前記液滴吐出素子の前記圧力室の内壁の一部を構成することを特徴とする液滴吐出ヘッド。
【請求項2】
請求項1に記載の液滴吐出ヘッドであって、
前記ノズルを有するノズルプレートを備え、
前記駆動部は非駆動時に前記ノズルの少なくとも一部を遮蔽し、駆動時に前記ノズルの少なくとも一部を開くことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
【請求項3】
液滴を吐出する複数の液滴吐出素子を並べて形成した液滴吐出ヘッドであって、
前記液滴吐出素子は、ノズルと、該ノズルに連通する、液状体を充填する圧力室と、該圧力室の容積を変化させる駆動部とを有し、前記駆動部を駆動して前記圧力室の容積を変化させることにより前記ノズルから前記液状体の一部を前記液滴として吐出し、
前記駆動部は非駆動時に前記ノズルの少なくとも一部を遮蔽し、駆動時に前記ノズルの少なくとも一部を開くことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドであって、
前記駆動部は圧電素子を含んで構成されることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドであって、
複数の前記液滴吐出素子のうち少なくとも2つの隣り合う前記液滴吐出素子が共通の前記ノズルから前記液滴を吐出することを特徴とする液滴吐出ヘッド。
【請求項6】
請求項5に記載の液滴吐出ヘッドであって、
前記共通の前記ノズルの少なくとも一部に凸部が形成されることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
【請求項7】
請求項5に記載の液滴吐出ヘッドであって、
前記共通の前記ノズルの少なくとも一部に2つの凸部が互いに対向して形成されることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
【請求項8】
請求項5に記載の液滴吐出ヘッドであって、
前記液滴吐出素子の前記各ノズルはV字形状に形成されることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドであって、
前記駆動部は、前記駆動部の前記ノズルに対向する領域にノズル栓を有することを特徴とする液滴吐出ヘッド。
【請求項10】
液状体を通すノズルを有するノズルプレートと、
前記液状体に圧力を付与する複数の駆動部とを備え、
複数の前記駆動部のうち、少なくとも2つの前記駆動部が駆動して前記液状体に圧力を付与して、1つの前記ノズルから前記液状体を液滴として吐出することを特徴とする液滴吐出ヘッド。
【請求項11】
請求項10に記載の液滴吐出ヘッドであって、
前記駆動部は、非駆動時に前記ノズルプレートに接触することを特徴とする液滴吐出ヘッド。
【請求項12】
請求項10又は11に記載の液滴吐出ヘッドであって、
複数の前記駆動部のうち少なくとも2つの隣り合う前記駆動部は接触していることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
【請求項13】
ノズルに連通する圧力室と該圧力室の容積を変化させる駆動部とを有する液滴吐出素子を複数並べて形成した液滴吐出ヘッドの駆動方法であって、
前記複数の液滴吐出素子のうち液滴を吐出しない予定の液滴吐出素子の前記駆動部が前記ノズルの対応する部分を遮蔽する遮蔽工程と、
前記複数の液滴吐出素子のうち液滴を吐出する予定の液滴吐出素子の前記駆動部が前記ノズルの対応する部分を開放する開放工程と、
前記遮蔽工程と前記開放工程とのあと、液滴を吐出する予定の液滴吐出素子の前記駆動部が前記圧力室の容積を変化させ、前記圧力室に液状体を充填する充填工程と、
前記充填された前記液状体を前記ノズルから液滴として吐出する吐出工程と、を含むことを特徴とする液滴吐出ヘッドの駆動方法。
【請求項14】
被塗布物に液滴を吐出して塗布する液滴吐出装置であって、
請求項1〜12のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドと、
前記被塗布物と前記液滴吐出ヘッドとを相対的に移動する移動部とを備えたことを特徴とする液滴吐出装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2007−222839(P2007−222839A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−49741(P2006−49741)
【出願日】平成18年2月27日(2006.2.27)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】