説明

混合効率を制御するための方法および装置

ミキサーの混合効率を制御するための方法および装置であって、該方法は、パイプ内を流れるプロセス流体内に化学薬品を注入するステップと、第1の動作速度で動作しているミキサーにより化学薬品をプロセス流体と混合するステップとを含む。この方法は、ミキサーの下流でパイプ内で化学薬品とプロセス流体の混合効率を測定するステップと、測定された混合効率を所定の混合効率の範囲と比較するステップと、所定の混合効率の範囲に対して混合効率を調整するように、ミキサーの動作速度を制御するステップとをさらに含む。混合効率は、パイプの周辺上に配置された一組の電極を使用することにより測定されることが好ましく、混合効率は、電気インピーダンストモグラフィを使用することにより得られることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの流体を混合するため、特に、プロセス流体内に化学薬品を混合するためのミキサーの混合効率を制御するための方法および装置に関する。本発明による方法および装置は、化学的および機械的な木材処理産業における中濃度プロセス流体内にガス状または液体状の化学薬品を混合するために使用されるミキサーに関連して使用するのに特に適しているが、もちろん、本発明は、他の対応している用途での使用にも適している。
【背景技術】
【0002】
多くの工業的プロセス、例えば、パルプおよび紙工業では、原料、例えば、パルプ原料と混合される様々な化学薬品が使用される。化学的廃棄物を避けるために、多くのプロセスプラント、例えば、パルプ工場は、原料から水を除去し、それにより原料がより濃くなり、いわゆる中濃度パルプとなり、線維/空気/水の懸濁液として定義され、その乾燥固体の内容は8〜18%であり、化学薬品と混合するための試みに抗する場合がある。パルプ原料と混合することができる化学薬品としては、例えば、酸素、蒸気、過酸化物、過酢酸、二酸化塩素およびオゾンなどがある。原料と化学薬品の混合を促進するために、多くの場合、機械式ミキサーまたはスタティックミキサーが化学薬品を分散させるために使用される。
【0003】
化学薬品と原料との効率的混合は非常に重要である。何故なら、良好な混合は、化学薬品と原料の間の接触面積を最大化し、それにより化学薬品の過剰使用の必要性を低減するからである。化学薬品の最適化された使用は、プロセス制御および製品品質を改善し、環境負荷を低減する。製造された化学薬品または購入された化学薬品は、多くの場合、プロセスのコストを大幅に増大させ、化学薬品の消費における削減は、かなりの経済的節約につながる可能性がある。
【0004】
他方、ミキサーはエネルギーを消費する。そのエネルギーは、機械式ミキサーのモータから、またはスタティックミキサーの場合には流体の流れからのいずれかから消費される。その消費されるエネルギーは、パワー損失を表し、そのプロセスの全体エネルギー効率を減少させる。したがって、過剰な混合、すなわち、最終流体の均質性をそれ以上増大させない混合、または均質性を僅かしか改善しない混合を回避することも重要である。
【0005】
混合効率は、種々の量、例えば、測定された量をその平均値で割ったものの標準偏差として定義される混合指数M、または下式で定義される混合有効率Eにより定量化することができる。
E=100*(1−M)%
【0006】
混合を最適レベルに調整するためには、混合効率は、ミキサーの下流においてオンラインで測定される必要がある。混合指数に対する試験は種々の手段、例えば、その分布および標準偏差を測定して表示することができるミキサーの放出部において光ファイバのプローブにより測定される紫外線のトレーサ物質を使用することにより実験室で行うことができる。しかし、紫外線のトレーサ物質による試験のような実験室での試験方法は、通常、プロセスプラントにおいて行うのは困難であり、それ故、そのような方法のプロセスプラントのオペレータに対する価値は制限されたものである。
【0007】
比較的高い温度における中濃度パルプストリームとの低温の化学薬品の混合を定量化するために使用される方法は、放出パイプの表面に配置される熱電対のアレイによるミキサーの出口における温度プロファイルの測定に基づいている。不適切に混合された化学薬品は1つの測定においては冷点(cold spot)として示され、一方、他の点は冷たい化学薬品が混合されていない熱過ぎる点として示される。この方法は、パイプの表面の近傍においてのみ成分の混合を監視する。また、この方法の使用可能性は、例えば、そのシステムの成分の熱時定数に基づいた不正確性により制限される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の1つの目的は、ミキサーの混合効率を制御するように、ミキサーの混合効率を測定するための方法および装置を提供することである。
【0009】
本発明のもう1つの目的は、混合の十分な効率を保証すると同時に、強過ぎる混合を回避するように、ミキサーの混合効率を制御するための方法および装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のこれらおよび他の目的を達成するために、特許請求の範囲に記載の方法が提供される。特に、本発明によると、ミキサーの混合効率を制御する方法が提供される。この方法は、パイプ内を流れているプロセス流体内に化学薬品を注入するステップと、第1の動作速度で動作しているミキサーによってプロセス流体と化学薬品を混合するステップと、ミキサーのパイプ下流での化学薬品と流体との混合効率を測定するステップと、測定された混合効率を所定の範囲の混合効率と比較し、混合効率を所定の範囲の混合効率に対して調整するようにミキサーの動作速度を制御するステップとを含む。
【0011】
さらに、本発明によると、混合効率を制御できるプロセス流体内に化学薬品を混合するための装置が提供される。この装置は、パイプ内を流れるプロセス流体内に化学薬品を注入するためのインジェクタなどの手段と、化学薬品をプロセス流体と混合するためのミキサーと、ミキサーのパイプ下流での化学薬品とプロセス流体との混合効率を測定するための測定装置などの手段と、測定された混合効率に基づいてミキサーの動作速度を制御するためのコントローラなどの手段とを備える。
【0012】
パイプ下流での化学薬品とプロセス流体との混合効率は、パイプの外周に配置された一組の電極を使用することによって有利に測定される。その電極は、パイプの回りに規則的に隔置されることが好ましい。本発明の好ましい実施形態によると、流体の混合効率は既知の電気インピーダンストモグラフィ(EIT)センシング技術の1つにより測定され、パイプの断面全体における流体の画像を提供する。
【0013】
電気インピーダンストモグラフィは非侵襲的であり、時間分解能が高く、低コストで、放射を発生することがなく、実装が容易である。電気インピーダンストモグラフィは、例えば、電気抵抗トモグラフィまたは電気容量トモグラフィであってもよい。実際に選定される方法は、主として、測定される流体の物理的性質によって変わる。電気抵抗トモグラフィは、連続的な導電相を含んでいる状況に最も適しており、電気容量トモグラフィは誘電率の異なる絶縁混合物を含んでいるプロセスに適している。最も汎用性の高いトモグラフィは、真の電気インピーダンストモグラフィであり、それは位相センシティブ検出原理に基づいており、その場合、抵抗成分は同相測定によって検出され、容量成分は直角位相の測定によって検出される。
【0014】
容量性電気インピーダンストモグラフィに基づいた流れのイメージングシステムが、米国特許第5,130,661号に記載されている。電気容量トモグラフィを適用する場合、パイプの回りに配置された容量電極の異なるペアによって形成される容量が測定される。また、米国特許第5,130,661号は、パイプ内の物質の分布の画像を計算するために、測定された容量データを処理するための逆投影アルゴリズムを記載している。一般に電気容量トモグラフィは、容器内の誘電率εの分布を観測するために使用することができる。その電極の数は、必要な空間分解能を得るために十分多くなければならないが、必要な時間分解能においてデータを処理するために多過ぎてはならない。
【0015】
抵抗性電気インピーダンストモグラフィの原理が、例えば、米国特許第5,807,251号に記載されている。パイプ内の物質の電気比抵抗ρの分布を監視するために電気インピーダンストモグラフィを適用する場合、複数の電極がパルスの壁の間隔が空けられた位置に装着される。その電極は互いに電気的に絶縁されており、パイプ内の物質と電気的に接触するように配置される。入力電気信号(普通は励起電流信号)を電気的基準接地と各電極との間に別々に印加することができ、それぞれの出力電気信号(普通は電圧信号)がその基準接地と他の各電極との間に生成される。その出力信号が測定され、物質の分布の表示を提供するために処理されるか、または、実際には、パイプの断面の電気比抵抗ρまたは導電率σ=1/ρの表示を提供するために処理される。
【0016】
パイプの壁が導電性の物質から作られている場合、壁そのものを基準接地として有利に使用することができ、それに対して入力および出力電気信号が印加されて測定される。この場合、壁に装着されている電極は壁から電気的に絶縁されており、壁から突き出てパイプ内の物質と接触している。パイプの壁が導電性でない場合は、基準接地を提供する他の手段を工夫しなければならない。例えば、パイプ内に配置された導電性部品を基準接地電極として使用することができる。
【0017】
電気信号は、電極のペア間に電流を注入し、同一の電極からの電圧を測定するか、またはより一般的には、他の電極のペア間に誘起された電圧を測定することによっても得ることができる。いわゆる隣接法によると、電流は隣接している電極間に注入され、電圧が電極の他のペア間で測定される。しかし、この方法によれば、パイプの中心における感度が低下するため、普通は電流は反対側の電極間、または互いから指定された距離に配置された他の電極間に注入される。
【0018】
普通、電気インピーダンストモグラフィは、パイプまたは容器の回りに配置された電極のアレイの使用に基づいており、電気的励起が電極の二次元的平面にて閉じ込められているという仮定に基づいている。しかし、原理的には三次元的方法を使用することも可能であり、その場合、複数の平面内に配置された電極から得られたデータに基づいて流体の三次元的分布が得られる。
【0019】
測定された電気信号から断層画像を再構成するための既知のアルゴリズムがいくつかある。これらの方法は、例えば、いわゆる逆投影法、感度係数法、反復法、変分法および摂動法などである。任意のこれらの方法を使用して再構成された画像の各セル内の導電率σまたは誘電率εの値を得ることができる。
【0020】
本発明の好ましい実施形態によると、混合効率は下式で表される混合有効率Eとして定量化される。
E=(1−M)*100%
ここで、Mは次の式で表される混合指数であり、
M=S/<A
Sは、パイプの外周に配置された電極の電気信号から得られる量Aの標準偏差であり、<A>はAの平均値である。量Aは、流体の混合物で満たされた個々のセルの導電率σまたは誘電率εの値であってよく、測定された電気信号に基づいて形成された断層画像の値である。
【0021】
パイプの断面が流体で完全に満たされている場合に特に適している、別の方法のより簡単な解決方法によると、値Aは、実際の断層画像を形成せずに電極L、Lの異なるペアの電気信号から得られる値Aijである。値Aijを、例えば、電気信号の差の関数fとして次のように求めることができる。
ij=f(Sij−Sij
ここで、電気信号Sijは、例えば、電極LとLの間で観測される容量値、または電流パルスが電極Lと接地との間に注入される場合の電極Lと接地との間で観測される電圧であってもよく、Sijは、対応している流体の均質な混合物で満たされているパイプに対する対応している信号である。ベイズのニューラルネットワークを使用することによる統計的インバース法に基づいた、画像再構成なしでの、混合指数などの目標変数値を計算するための1つの有利な方法が、J.ランピネン、A.ベータリ、およびK.レイノネン(1999年)により、グリーンランドのKangerlussuaqでの第11回スカンジナビア画像解析学会SCIA’99の議事録において提案されている。
【0022】
本発明の好ましい実施形態によると、測定された混合効率が所定の範囲内にあるように、ミキサーの動作速度が調整される。通常、混合効率は、適切な量、例えば、最小の混合有効率Eminなどによって求められるある最小混合効率より高いことが要求される。それにより、測定された混合有効率Eが最小の混合有効率Eminより低い場合、ミキサーの動作速度が所定の少量だけ増大される。
【0023】
他方、ミキサーの動作速度が不必要に高い場合、パワーの過剰損失が発生するので、高過ぎる動作速度を回避するのが有効である。混合効率がミキサーの動作速度の単調関数である場合、最大混合効率、例えば、超過してはならない最大混合有効率Emaxを測定することにより過剰なパワー消費を簡単に回避することができる。それにより、ミキサーの動作速度は、混合有効率Eが最大混合有効率Emaxより高い場合、所定の少量だけ低減される。
【0024】
しかし、混合有効率の測定の分解能が比較的低いために、有効な測定可能最大混合有効率Emaxを定義することができない可能性がある。そのような場合、ある所定の時間の間、最小混合有効率Eminを超えていた場合に、所定の少量だけミキサーの動作速度を低減することにより、パワーの損失を最小化することができる。それにより、起こり得る連続的な不必要な高い混合を回避することができる。
【0025】
また、混合効率がミキサーの動作速度の単調関数ではないが、ある動作速度で安定状態に達するか、または最大値を有し、ある値より高い動作速度において再度低減することも起こり得る。そのような挙動は、本発明による装置により観測することができ、ミキサーの動作速度をそれに対応して最適化することができる。
【0026】
本発明の好ましい実施形態によると、ミキサーの動作速度は機械式ミキサーの回転子の回転速度またはブレード角を調整することにより制御される。ミキサーがスタティックミキサーである場合、例えば、ミキサーの流れの妨害要素またはリブなどの混合促進要素の角度または位置を調整することにより、ミキサーの動作速度を制御することができる。
【0027】
以下に、本発明の方法および装置を添付の図面の図1を参照してより詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
図1は、本発明の好ましい実施形態による装置10を示す。この装置は、プロセス流体の第1のストリーム14が流れているパイプ12と、プロセス流体内に化学薬品のストリーム18を注入するための手段16とを備える。化学薬品は、機械式ミキサー20によりプロセス流体と混合される。ミキサー20は、混合用ブレード24を備えた回転子22と、回転子22を回転させるためのモータ26とを備える。ミキサーの動作速度は、コントローラ28により制御することができ、コントローラ28は、ミキサー20の回転子22の回転速度を制御する。追加的にまたは代替的に、混合用ブレード24のブレード角を制御することができ、混合用ブレード24のブレード角を制御するようにコントローラ28を設計することができる。
【0029】
一組の電極30が、ミキサー20の下流に、パイプ12の壁32の回りに規則正しく配置されることが好ましい。電極の数は、普通、少なくとも8個であるが、12または16などのもっと多い数であってもよい。電極30は、混合されたストリーム34と接触するようにパイプ壁32の内側に、または容量性測定が使用される場合は、ストリーム34の近傍の壁32の内部または外側に装着することができる。電極は、普通、その電極から得られる電気信号を増大させるために、拡大されたセンシング領域を有しているが、いくつかの用途においては、比較的小さいセンシング領域の電極を使用することが有用である場合がある。
【0030】
電極32は、マルチプレクサ36、電流源38、および電圧計40に接続されるのが有利であり、それにより、選択された電極間に電流パルスを注入することができ、電圧を同一の電極間または選択された他の電極間で測定することができる。代替解決方法によると、注入されるパルスは電圧であり、測定される信号は電流パルスである。注入されるパルスは選択された電極と接地との間に注入することもでき、それにより、測定されたパルスを選択された他の電極と接地との間で測定することができる。
【0031】
普通は測定された電圧である被測定信号は、装置、通常は、ミキサー20の混合効率を計算するためのコンピュータ42へ送信される。コンピュータ42は、既知の画像再構成アルゴリズムを使用することにより、混合されたストリーム34内の導電率ρまたは誘電率εの分布の断層画像を計算するために使用することができる。別の方法としては、代替アルゴリズム、例えば、ニューラルネットワークの使用に基づいたアルゴリズムを使用することにより、完全な断層画像を形成することなしに、測定された電気信号から混合効率を推測することができる。
【0032】
コンピュータ42は、測定された混合効率に基づいてミキサー20の動作速度を制御するように、コントローラ28に接続されている。本発明の好ましい実施形態によると、混合効率の所望の範囲がコンピュータ42に入力され、ミキサー20の動作速度が、ミキサー20の混合効率を所望の範囲内に保つように制御される。所望の範囲の混合効率は下限値を有することが好ましく、ミキサーの動作速度は、混合の測定された効率がその下限値より低い場合に、少量だけ増大される。また、混合の所望の範囲は上限値も含むことが好ましく、ミキサー20の動作速度は、測定された混合効率がその上限値より高い場合に、少量だけ増大される。
【0033】
いくつかの場合には、測定の精度が低過ぎて、混合効率の所望の範囲に対して独立した上限値を定義することが不可能である場合がある。特にそのような場合には、測定された混合効率がある時間にわたって所望の下限値より高い場合に、ミキサーの動作速度が少量だけ再度低減されるように、ミキサーの制御プロセスを調整することが有用である場合がある。それにより、ミキサーの動作速度が速過ぎることによって過剰な量のエネルギーが失われないようにすることができる。
【0034】
いくつかの用途においては、混合効率は、ミキサーの動作速度の単調関数ではなくて、ある動作速度において最大値を有し、それより高い動作速度では再度低減する。そのような挙動による過剰エネルギーの消費を回避するために、ミキサーの性能特性についてのデータがコンピュータ42に格納され、そのような特性を考慮に入れることによりミキサーの制御が行われるのが有利である。例えば、ミキサーの動作速度が上昇している間に混合効率が減少している場合、動作速度をただちに低減することにより継続することが推奨される。同様に、ミキサーの動作速度が減少している間に混合効率が増大している場合、動作速度を低減し続けることにより継続することが推奨される。
【0035】
図1では、ミキサーは、回転子を回転させるためのモータを含む機械式ミキサーとして示されている。本発明の代替実施形態によると、ミキサーは、リブまたは妨害板などの調整可能な混合促進要素を有しているスタティックミキサーとすることができる。本発明は、図1に示されている実施形態に関連して上述したように、測定された混合効率に基づいて混合促進要素の角度または位置を制御することにより、スタティックミキサーに適用することができる。
【0036】
上記開示から、本発明はいくつかの実施形態を参照しながら記述されたが、これは単なる例示としてのものにすぎないことに留意されたい。これらの実施形態は、本発明を上記詳細のみに制限するものではなく、本発明は、添付の特許請求の範囲および特許請求の範囲内に記載する定義によってのみ制限される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の好ましい実施形態による装置を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミキサーの混合効率を制御する方法であって、
a)プロセス流体内に化学薬品を注入するステップと、
b)第1の動作速度で動作しているミキサーにより前記化学薬品を前記プロセス流体と混合するステップと、
を含み、前記方法が、
c)前記化学薬品と流体との混合効率を前記ミキサーの下流で測定するステップと、
d)前記測定された混合効率を所定の範囲の混合効率と比較するステップと、
e)前記混合効率が前記所定の範囲の混合効率に対して適合するように、前記ミキサーの前記動作速度を制御するステップと、
をさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
ステップc)において、前記混合効率が、前記ミキサーの下流に配置されたパイプまたは容器の外周に配置された一組の電極を使用することにより測定されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記電極の組が、電気インピーダンストモグラフィで使用されることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記方法が、前記プロセス流体の導電率または誘電率の分布を計算するステップを含むことを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記方法が、断層画像を再構成することなしに前記混合効率を計算するステップを含むことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記混合効率が、ニューラルネットワークの使用に基づいた方法により計算されることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
ステップe)において、前記回転速度または前記ミキサーの回転子のブレード角を調整することにより、前記ミキサーの前記動作速度が制御されることを特徴とする、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記ミキサーが、スタティックミキサーであり、ステップe)において、前記ミキサーの混合促進要素を調整することにより前記ミキサーの前記動作速度が制御されることを特徴とする、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
混合効率の前記所定の範囲が下限値を有し、ステップe)において、前記測定された混合効率が前記下限値より低い場合に、前記ミキサーの前記動作速度が増大されることを特徴とする、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
混合効率の前記所定の範囲が上限値を有し、ステップe)において、前記測定された混合効率が前記上限値を超えている場合に、前記ミキサーの前記動作速度が低減されることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記混合効率が所定の時間にわたって連続的に前記下限値より高い場合に、前記ミキサーの前記動作速度が低減されることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
パイプ内を流れている前記プロセス流体内に前記化学薬品が前記ミキサーの上流で注入されることを特徴とする、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記流体が中濃度パルプであることを特徴とする、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
混合効率を制御することができるプロセス流体内に化学薬品を混合するための装置であって、
前記プロセス流体内に前記化学薬品を注入するためのインジェクタ/または注入用接続部と、
前記化学薬品を前記プロセス流体と混合するためのミキサーとを備え、
前記装置が、
前記ミキサーの下流で前記化学薬品と前記プロセス流体との混合効率を測定することができる測定装置と、
前記測定された混合効率に基づいて前記ミキサーの前記動作速度を制御するために、前記測定装置および前記ミキサーに接続されるコントローラと、
を備えることを特徴とする装置。
【請求項15】
前記装置が、前記ミキサーの下流に配置されたパイプまたは容器を備え、前記測定装置が、前記パイプまたは容器の外周に配置された一組の電極を備えることを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記測定装置が、前記パイプまたは容器内の導電率または誘電率の分布の断層画像を生成するための手段を備えることを特徴とする、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記コントローラが、前記ミキサーの回転子の回転速度またはブレード角を調整するための手段を備えることを特徴とする、請求項14から16のいずれか1項に記載の装置。
【請求項18】
前記ミキサーが、スタティックミキサーであり、前記コントローラが、前記ミキサーの混合促進要素を調整するための手段を備えることを特徴とする、請求項14から17のいずれか1項に記載の装置。
【請求項19】
前記ミキサーがガス状または液体状の化学薬品を中濃度パルプと混合するためのものであることを特徴とする、請求項14から18のいずれか1項に記載の装置。


【図1】
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【公表番号】特表2009−525167(P2009−525167A)
【公表日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−551751(P2008−551751)
【出願日】平成19年1月12日(2007.1.12)
【国際出願番号】PCT/EP2007/050294
【国際公開番号】WO2007/085538
【国際公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【出願人】(501260923)ズルツアー プンペン アクチェンゲゼルシャフト (15)
【Fターム(参考)】