説明

混合硬化でのマルテンサイト系鋼の低温処理

本発明は、マルテンサイト系鋼が0.4%〜3%のAl含有量で、金属間化合物および炭化析出物によって硬化されることができるように、他の金属の含有量を含むマルテンサイト系鋼を製造する方法に関し、(a)鋼の全体をそのオーステナイト化温度よりも上に加熱するステップと、(b)前記鋼をおよそ周囲温度に冷却するステップと、(c)前記鋼を低温媒体中に配置するステップと、を含む。温度Tは、実質的にマルテンサイト変態温度Mf未満であり、鋼の最も熱い部品がマルテンサイト変態温度Mfより低い温度に達した瞬間から温度Tで前記鋼が前記低温媒体中に保持される時間tが、少なくともゼロ以外の時間tに等しく、温度T(℃で)および時間t(時間で)は、式T=f(t)によって関連付けされており、t,f’(t)に関する関数fの一次導関数は、正であり、t,f”(t)に関するfの二次導関数は負である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルテンサイト系鋼が0.4%〜3%のAl含有量で、および0℃未満のマルテンサイト変態温度Mfで金属間化合物および炭化析出物によって硬化されることができるように、他の金属の含有量を含むマルテンサイト系鋼を製造する方法に関し、
この熱処理方法は、
(a)鋼の全体をそのオーステナイト化温度AC3よりも上に加熱するステップと、
(b)前記鋼をおよそ周囲温度に冷却するステップと、
(c)前記鋼を任意の低温媒体中に配置するステップと、
を含む。
【背景技術】
【0002】
ある用途について、特に、ターボ機関伝動軸については、400℃まで非常に高い機械的強度(降伏強度および破壊荷重)および同時に良好な耐脆性破壊(高い剛性および延性)を有するそのような鋼を使用することが必要である。これらの鋼は、良好な疲労挙動を有している。
【0003】
そのような鋼の組成は、文献の仏国特許第2,885,142号で以下のように与えられている(重量%):0.18〜0.3%のC、5〜7%のCo、2〜5%のCr、1〜2%のAl、1〜4%のMo+W/2、0.3%までの微量のV、0.1%までの微量のNb、50ppmまでの微量のB、10.5〜15%のNi(但、Ni≧7+3.5Al)、0.4%までの微量のSi、0.4%までの微量のMn、500ppmまでの微量のCa、500ppmまでの微量の希土類元素、500ppmまでの微量のTi、50ppmまでの微量のO(溶融金属からの発生)または200ppmまでの微量のO(粉末冶金による発生)、100ppmまでの微量のN、50ppmまでの微量のS、1%までの微量のCu、200ppmまでの微量のP、残部がFeである。
【0004】
この鋼は、非常に高い機械的強度(2000MPaから2500MPaまでが可能である破壊荷重)および同時に非常に良好な弾性(180・10J/m)、靱性(40〜60MPa・√m)、および良好な疲労挙動を有する。
【0005】
これらの機械的性質は、鋼が受ける熱処理のために得られる。特に、鋼は、次の処理を受ける:鋼は、加熱され、その温度が実質的に均一となるまでそのオーステナイト化温度AC3の上に保持され、鋼は、次いでほぼ周囲温度に冷却され、次いで、鋼は、低温が支配する筐体内に配置され、保持される。「低温」は、0℃未満の温度を称する。
【0006】
低温筐体内にそのような鋼を配置する目的は、鋼中の残留オーステナイト含有量を最小限にすることであり、つまり、鋼におけるマルテンサイトへのオーステナイトの変態を最適化することである。実際、鋼の機械的強度特性は、そのオーステナイト含有量に対して逆に増大する。本出願によってカバーされる鋼について、マルテンサイト変態温度Mfは、熱力学平衡条件下で評価された−30℃〜−40℃の間に含まれている。マルテンサイトへのオーステナイトの最適の変態を確実にするためには、したがって、低温筐体内の温度が温度Mfのわずか下でなければならないと一般的に考えられる。このように、マルテンサイトへのオーステナイトの変態の影響されない性質を考えると、低温筐体内の温度が−40℃未満でなければならず、鋼の最も熱い部品がその温度に達した場合には、マルテンサイトへの最適の変態が起こることが可能とされる。鋼は、次いで、低温筐体から取り出される。
【0007】
このような低温処理後にこの鋼で行われた機械的硬度および引張試験の結果は、鋼の機械的性質の大きなばらつきを示し、それは望ましくない。さらに、これらの結果は、低温処理パラメーターの観点から通常の統計的原理に従わず、逆に、結果は、熱処理条件による多くの通常の原理の合計、特に、低温媒体への通過によって分布される。このインターモーダル挙動は、さらに、計算されたばらつきを強調し(同じ族においてこれらの結果のすべてをカバーする場合)、平均値を低下させる。そのとき、サイジング曲線の最小値(平均未満の3つの標準偏差に計算された)は、まださらに低くされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】仏国特許第2,885,142号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、これらの欠点を解決することを目的とする。
【0010】
本発明は、その機械的性質のばらつきを低減することを可能にし、通常の統計的原理に従うばらつきをもたらし、平均してこれらの機械的性質を増大させるこの種の鋼処理方法を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的は、温度Tがマルテンサイト変態温度Mfより実質的に低く、鋼の最も熱い部分が、マルテンサイト変態温度Mfより低い温度に達した瞬間から温度Tで前記低温媒体中に前記鋼を保持するための時間tが、少なくともゼロ以外の時間tに等しいことにより達成される。
【0012】
これらの条件のために、鋼中でマルテンサイトに潜在的に変態される可能性があるオーステナイトのすべては、それが低温媒体に導入されるので、最適に変態される。最適の変態は、鋼中の残留オーステナイト含有量が鋼のすべてにおいて最小であることを意味する。したがって、機械的性質の値のばらつきは減少し、オーステナイト含有量が鋼のすべてにおいて均一であるからである。さらに、これらの値は平均して増大され、鋼中のオーステナイト含有量が最小限にされるからである。
【0013】
例えば、温度T(+/−5℃の許容範囲で)および時間t(+/−5%時間の許容範囲で)は、式によって実質的に関連付けられる。
【0014】
=f(t)、f(t)=57.666×(1−1/(t0.3−0.14)1.5)−97.389
【0015】
有利には、部品の表面上の温度がステップ(b)でのその冷却の間に、80℃の温度に達した瞬間後70時間未満、鋼は低温媒体中に配置される。
【0016】
このように、低温媒体中のその配置によって鋼中で予測されることができるマルテンサイトへのオーステナイトの変態の最高率は、可能な限り高い。
【0017】
本発明は、一層よく理解され、その利点は、限定しない例として示された1つの実施形態の次の詳細な説明を読むことでよりよく見える。添付の図面を参照して説明がなされる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明による方法において、鋼の最も熱い部分がマルテンサイト変態温度Mfより低い温度に達した後に低温筐体内に鋼が保持された時間tと、筐体内の温度Tとの間の式T=f(t)を示す。
【図2】鋼の最も熱い部分が、マルテンサイト変態温度Mfより低い温度に達した後に鋼がその筐体内に保持される異なる時間tの間、低温筐体内の温度Tの関数としての鋼中に残留するオーステナイトのレベルのばらつきを示す。
【図3】鋼の最も熱い部分が、マルテンサイト変態温度Mfより低い温度に達した後に鋼がその筐体内に保持される異なる時間tの間、低温筐体内の温度Tの関数としての鋼の硬度のばらつきを示す。
【図4】オーステナイト化温度からの鋼の冷却の終了を隔てる期間、および鋼の最も熱い部分がマルテンサイト変態温度Mfより低い温度に達した後、鋼がその筐体内で保持される異なる時間tの間、低温筐体内の前記鋼の配置の関数としての鋼内に残留するオーステナイトのレベルのばらつきを示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
前文で示されるように、本出願によってカバーされる鋼は、その残留オーステナイト含有量を最小限にする目的で次の処理を受ける:この鋼はその温度が実質的に均一となるまでそのオーステナイト化温度の上に加熱、保持され、鋼は、次いで、およそ周囲温度に冷却され、次いで、鋼は、低温が広がる筐体内に配置され、保持される。
【0020】
本発明者らは、上記の処理を受けたそのような鋼のテストを行った。これらの鋼は、次の組成を有する:0.200%〜0.250%のC、12.00%〜14.00%のNi、5.00%〜7.00%のCo、2.5%〜4.00%のCr、1.30〜1.70%のAl、1.00%〜2.00%のMo。
【0021】
図2は、これらのテストの結果による、異なる長さの時間tの間に、低温筐体内の温度Tの関数としての鋼中に残留するオーステナイトのレベルのばらつきを示し、ここで、tは、鋼の最も熱い部分がマルテンサイト変態温度Mfより低い温度に達した後に前記鋼が前記低温筐体内に保持される時間である。
【0022】
これらの結果は、鋼の最も熱い部分が、マルテンサイト変態温度Mfより低い温度に達した後、鋼が2時間筐体内に保持される場合には、残留オーステナイトレベルが最小であるために、筐体の温度が−90℃以下であることが必要であることを示す。その温度より上では、残留オーステナイトレベルはより高い。−90℃未満では、残留オーステナイトレベルは、実質的に一定のままであり、その最小値、この場合、およそ2.5%(測定の自然なばらつきを考慮に入れた測定)に等しい。
【0023】
同様に、鋼の最も熱い部分がマルテンサイト変態温度Mfより低い温度に達した後に、鋼が5時間または8時間筐体内に保持される場合には、残留オーステナイトレベルが最小であるために、筐体の温度がそれぞれほぼ−71℃および−67℃以下である必要がある。
【0024】
結果は、すべての場合に、残留オーステナイトレベルが実質的に等しいことを示す。
【0025】
より一般的には、時間tおよび温度Tが、図1で与えられる曲線T=f(t)の下に位置している場合には、残留オーステナイト含有量は、最小であり、実質的に一定である。
【0026】
この曲線の式は次のとおりである:
【数1】

【0027】
曲線T=f(t)は、鋼の領域がすべて最大限にマルテンサイトに変態され、したがって、最小で均一の残留オーステナイト含有量を有するように、鋼の最も熱い部分がマルテンサイト変態温度Mfより低い温度に達した後に、時間t(時間で表された)の期間の間鋼が保持されなければならない低温室で温度T(℃で表される)を与える。
【0028】
曲線T=f(t)は、下の表1に与えられた実験結果の統計的近似によって得られる。したがって、鋼の最も熱い部分がマルテンサイト変態温度Mfより低く温度に達した後、低温室で鋼を保持するための所定の時間t1の間、その低温室内の温度は、近似的に曲線T=f(t)によって与えられるもの以下でなければならないと理解される。t、f’(t)に関する関数fの一次導関数は正であり、t,f”(t)に関するfの二次導関数は、負である。
【0029】
この曲線の外観は、この族においてすべての鋼に有効であり、鋼の化学組成の関数として垂直方向(温度変化)に平行移動する。この式の水平漸近線(無限の維持時間tが必要な温度T、つまり筐体のためのできるだけ高い温度)は、鋼の化学組成に依存する(この組成は、開始Msおよび終了Mfマルテンサイト変態温度に直接に影響する)。問題の鋼について、この温度は、−40℃にほぼ等しい。必要な最小維持時間tは、1時間にほぼ等しく、この族においてすべての鋼について実質的に一定である。
【0030】
【表1】

【0031】
意外に、これらの温度Tは、マルテンサイトへのオーステナイトの最適変態を可能にするように一般的に可能とされる−40℃の温度よりはるかに低く、保持時間tは0ではないことが留意される。このように、本発明者らは、鋼の最も熱い部分が、最適なマルテンサイトへのそれらの部分の変態のために、温度Mf(またはわずかに低温)に達することは十分ではないが、それらの最も熱い部分が、tに少なくとも等しい期間、マルテンサイト変態温度Mfより低い温度に達した後、低温室(温度Tが支配する)内で保持されることも必要であることを示した。
【0032】
図3は、本発明者らによって行われた他のテストの結果によれば、異なる持続時間tの間、低温筐体内の温度Tの関数としての鋼の硬度のばらつきを示し、ここで、tは、鋼の最も熱い部分がマルテンサイト変態温度Mfより低い温度に達した後に、前記鋼が前記低温筐体内で保持される時間の長さである。
【0033】
これらの結果は、時間tおよび温度Tが、図1に与えられた曲線T=f(t)の下に位置している場合に、硬度が最大であり実質的に一定であることを示す。
【0034】
したがって、図2および図3の曲線を比較することによって、鋼中の残留オーステナイトレベルとその鋼の硬度の間の相関関係を確立することが可能である。鋼中のオーステナイト含有量が低いと、鋼の硬度はより高いことがこれから結論を出すことができる。他の機械的性質について本発明者らによって行われたテストの結果は、同様の傾向を示し、つまり、機械的性質は、オーステナイトレベルの減少とともに増大する。
【0035】
本発明による方法のために、鋼中のオーステナイト含有量は最小限にされ、従って、鋼の機械的性質は平均して増大される。
【0036】
さらに、図1の曲線によって示されるように、鋼部品の領域が温度Mfより低い温度に達し、そこで十分に長く保持される場合には、鋼部品の領域における最小オーステナイト含有量が達せられる。
【0037】
鋼の最も熱い部分がマルテンサイト変態温度Mfより低い温度に達した後に、部品は、温度Tが式T=f(t)を満足する時間tより短い時間tの間支配する低温筐体内に保持される場合には、そのとき、部品の特定のより中央領域は、温度Mf未満に十分に長くとどまっておらず、一方、部品の表面のより多くの特定領域は、温度Mfで十分に長くとどまっている。したがって、残留オーステナイトレベルは、前記中央領域の方にそれらの表面領域から増大する。残留オーステナイトレベルのこの空間ばらつきは、テストの間に得られた機械的性質の値のばらつきを引き起こす。
【0038】
しかし、本発明による方法では、鋼の最も熱い部品がマルテンサイト変態温度Mfより低い温度に達した後に、鋼は、低温筐体内に十分に長く保持され、それは、マルテンサイトへのその部分の最適変態を確実にする。したがって、本発明による方法のために、均一で最小の鋼中での残留オーステナイトレベルを得ることを可能にし、本発明者らによって理解されるように、機械的性質の値のばらつきは最小限にされることが理解される。例えば、先行技術による処理方法を適用することによって、処理された鋼の平均硬度は、560Hvであり、統計的最小値は535Hvであり最大値は579Hvである。本発明による方法を使用することによって、処理された鋼の平均硬度は、575Hvであり、統計的最小値は570Hvであり最大値は579Hvである。
【0039】
鋼が低温筐体内に配置される前に、それは、ステップ(b)で、周囲温度に鋼を冷却するように、流体(媒体)中で急冷を受ける。理想的には、この流体は、空気と少なくとも等しい弾性(drasticity)を有する。例えば、流体は空気である。
【0040】
急冷媒体の弾性は、そこに沈められた部品の最接近層において熱量を吸収するとともに、媒体の残りに熱量を拡散するためのその媒体の容量を称する。この容量は、前記媒体に沈められた部品の表面の冷却速度を調整する。
【0041】
本発明者らによって行われたテストは、ステップ(b)でその冷却の間に部品の表面温度が、80℃の温度に達した瞬間後70時間未満、鋼が低温媒体中に理想的には配置されなければならないことを示す。
【0042】
図4は、これらのテストの結果を示す。鋼がステップ(b)でその冷却の間に部品の表面温度が80℃の温度に達した瞬間後70時間以下、低温媒体(筐体)内に配置される場合には、次いで、鋼中の残留オーステナイト含有量は、本発明の条件によって低温筐体内に保持された後にその最小値に達することができる。しかし、鋼がその瞬間後70時間を超えて低温媒体中に配置される場合には、そのとき、残留オーステナイト含有量は、後の維持期間および低温筐体内の温度に関係なく、その最小値に達することはできない。
【0043】
残留オーステナイト含有量の最小値は、これらのテストでテストされた鋼種に関してほぼ2.5%である。より一般的に、本発明による鋼の種類については、最小残留オーステナイト含有量は3%未満である。
【0044】
鋼の他の族について、最小時間t値は変化する。例えば、時間tは、2時間を超えてもよく、3時間を超えてもよく、または4時間を超えてもよい。
【0045】
これらの各時間tについて、筐体の温度は、温度T未満でなければならず、温度Tは、例えば、−50℃、または−60℃、または−70℃と等しい。
【0046】
本発明は、本発明による方法によって得られた鋼からなる部品に関し、その鋼中の残留オーステナイトレベルは3%未満である。
【0047】
例えば、部品は、ターボ機軸であってもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルテンサイト系鋼が0.4%〜3%のAl含有量で、および0℃未満のマルテンサイト変態温度Mfで金属間化合物および炭化析出物によって硬化されることができるように、他の金属の含有量を含むマルテンサイト系鋼を製造する方法であって、
この熱処理方法は、
(a)鋼の全体をそのオーステナイト化温度よりも上に加熱するステップと、
(b)前記鋼をおよそ周囲温度に冷却するステップと、
(c)前記鋼を任意の低温媒体中に配置するステップと、
を含み、
温度Tが、実質的にマルテンサイト変態温度Mf未満であり、鋼の最も熱い部分が、マルテンサイト変態温度Mfより低い温度に達した瞬間から前記低温媒体中に前記鋼を保持するための時間が、少なくともゼロ以外の時間tに等しく、温度T(℃で)および時間t(時間で)が、式T=f(t)によって実質的に関連付けされており、関数fが、f(t)=57.666×(1−1/(t0.3−0.14)1.5)−97.389またはf(t)に関連する温度変換曲線によって実質的に与えられることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記鋼が、組成に関して、0.18〜0.3%のC、5〜7%のCo、2〜5%のCr、1〜2%のAl、1〜4%のMo+W/2、0.3%までの微量のV、0.1%までの微量のNb、50ppmまでの微量のB、10.5〜15%のNi(但、Ni≧7+3.5Al)、0.4%までの微量のSi、0.4%までの微量のMn、500ppmまでの微量のCa、500ppmまでの微量の希土類元素、500ppmまでの微量のTi、溶融金属から発生されたなら50ppmまでの微量のOまたは粉末冶金によって発生されたなら200ppmのO、100ppmまでの微量のN、50ppmまでの微量のS、1%までの微量のCu、200ppmまでの微量のP、残部のFeを有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記鋼が、組成に関して、0.200%〜0.250%のC、12.00%〜14.00%のNi、5.00%〜7.00%のCo、2.5%〜4.00%のCr、1.30%〜1.70%のAl、1.00%〜2.00%のMoを有することを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
必要な最小維持時間tが、1時間より長いことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
ステップ(b)で、前記鋼が、空気と少なくとも等しい弾性を有する媒体中で急冷することによって、ほぼ周囲温度に冷却されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
ステップ(b)における冷却の間の部品の表面温度が、80℃の温度に達した瞬間後70時間未満に、前記鋼が前記低温媒体中に配置されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記鋼中の残留オーステナイトレベルが3%未満であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法を使用して得られた鋼からなる部品。
【請求項8】
前記鋼中の残留オーステナイトレベルが3%未満であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法によって得られた鋼からなるターボ機関伝動軸。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−531525(P2012−531525A)
【公表日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−518125(P2012−518125)
【出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【国際出願番号】PCT/FR2010/051402
【国際公開番号】WO2011/001126
【国際公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(505277691)スネクマ (567)
【Fターム(参考)】