説明

減圧乾燥装置

【課題】乾燥容器内で被乾燥物の乾燥をむらなく促進させることができる、減圧乾燥装置を提供する。
【解決手段】樹脂材料を乾燥させる工程では、樹脂材料が乾燥ホッパ3内に収容されて、乾燥ホッパ3内が減圧される。この減圧により、樹脂材料に含まれる水分の沸点が下がるので、樹脂材料を低温で速やかに乾燥させることができる。乾燥ホッパ3内の減圧が進むと、乾燥ホッパ3内からの水蒸気の排出量の低下を防止するために、乾燥ホッパ3内からの排気が続けられながら、リークバルブ30が開閉されて、乾燥ホッパ3内にエアが間欠的(パルス的)に導入される。これにより、乾燥ホッパ3内からの排気量と乾燥ホッパ3内へのエアの導入量とのバランスが瞬時に崩れるので、乾燥ホッパ3内の圧力が急変し、乾燥ホッパ3内の環境が乾燥ホッパ3内で対流が生じやすい環境となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂材料などの被乾燥物を減圧下で乾燥させる減圧乾燥装置に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、樹脂材料(エンプラ材料など)は、吸湿性を有しており、大気中の水分を吸収する。水分を多く含んだ樹脂材料を用いて射出成形加工が行われると、射出成形機内での樹脂の加水分解による成形品の強度の低下を生じたり、成形品の表面に銀条(シルバーストリーク)が生じたりする場合がある。そのため、射出成形機への樹脂材料の供給前に、通常、樹脂材料から水分を除去するための予備乾燥が行われる。
【0003】
予備乾燥のための乾燥装置として、減圧乾燥装置が知られている。減圧乾燥装置は、たとえば、樹脂材料を収容する乾燥ホッパを備えている。乾燥ホッパには、真空ポンプから延びる真空ラインが接続されている。樹脂材料を乾燥させる際には、真空ポンプが作動されて、樹脂材料を収容した乾燥ホッパ内が減圧されつつ、樹脂材料に含まれる水分に気化熱が与えられる。これにより、樹脂材料に含まれる水分が気化し、その一方で、乾燥ホッパ内の水蒸気を含む空気が真空ラインに吸い出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−255977号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
乾燥ホッパ内の減圧が進むと、乾燥ホッパ内の圧力がそれ以上に低下しない状態に達し、乾燥ホッパ内からの排気量が少なくなる。排気量の減少に伴って、乾燥ホッパ内からの水蒸気の排出量が少なくなり、樹脂材料からの水分の気化量が少なくなる。その結果、樹脂材料の乾燥効率が低下する。
【0006】
乾燥ホッパ内からの水蒸気の排出量の低下を防止するため、たとえば、乾燥ホッパ内を減圧しながら(真空ポンプを作動させながら)、乾燥ホッパ内に小流量でガスを導入することが考えられる。しかしながら、この手法では、乾燥ホッパ内に気体の一定の流れが生じ、乾燥ホッパ内で気体の均一な対流を生じさせることができないので、乾燥ホッパ内の樹脂材料に乾燥むらが生じる。
【0007】
本発明の目的は、乾燥容器内で被乾燥物の乾燥をむらなく促進させることができる、減圧乾燥装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の目的を達成するため、本発明に係る減圧乾燥装置は、被乾燥物を収容する乾燥容器と、前記乾燥容器内からの排気により、前記乾燥容器内を減圧する減圧手段と、前記乾燥容器内にガスを導入するガス導入手段と、前記乾燥容器内の減圧値を検出する圧力検出手段と、前記圧力検出手段によって検出される減圧値が所定の減圧値範囲内に保持されるように、前記ガス導入手段を間欠的に動作させる間欠動作手段とを含む。
【0009】
被乾燥物は、乾燥容器内に収容される。この乾燥容器内が減圧されることにより、被乾燥物に含まれる水分の沸点が下がるので、被乾燥物を低温で速やかに乾燥させることができる。
【0010】
乾燥容器内の減圧が進むと、乾燥容器内からの水蒸気の排出量の低下を防止するため、乾燥容器内からの排気が続けられながら、ガス導入手段により、乾燥容器内にガスが間欠的(パルス的)に導入される。これにより、乾燥容器内からの排気量と乾燥容器内へのガスの導入量とのバランスが瞬時に崩れるので、乾燥容器内の圧力が急変し、乾燥容器内の環境が乾燥容器内で対流が生じやすい環境となる。その結果、乾燥容器内に気体の均一な対流を生じさせることができる。また、乾燥容器内の水蒸気を排気とともに排出することができる。よって、乾燥容器内で被乾燥物の乾燥をむらなく促進させることができる。
【0011】
また、乾燥容器内の圧力(減圧値)が所定の減圧値範囲内に保持されるように、乾燥容器内にガスが間欠的に導入される。これにより、乾燥容器内の圧力が上がりすぎる(減圧値が下がりすぎる)ことを防止でき、被乾燥物の乾燥効率の低下を防止することができる。
【0012】
減圧乾燥装置は、減圧値範囲が複数の小範囲に分割されて、相対的に大きい減圧値が含まれる小範囲ほどガス導入手段の動作時間が長くなるように小範囲ごとに設定された当該動作時間のデューティ比を記憶するデューティ比記憶手段をさらに含むことが好ましい。そして、間欠動作手段は、乾燥容器内の減圧値に応じたデューティ比をデューティ比記憶手段から読み出し、当該デューティ比でガス導入手段を間欠的に動作させることが好ましい。
【0013】
これにより、乾燥容器内の減圧値が相対的に大きいときには、乾燥容器内へのガスの導入量が相対的に多くなる。一方、乾燥容器内の減圧値が相対的に小さいときには、乾燥容器内へのガスの導入量が相対的に少なくなる。その結果、乾燥容器内の減圧値が相対的に大きいときには、乾燥容器内の減圧値を確実に急変させることができる。また、乾燥容器内の減圧値が相対的に小さいときには、乾燥容器内の減圧値の急激な低下を防止することができる。
【0014】
より好ましくは、減圧値範囲の下限値が含まれる小範囲に対して、当該デューティ比でガス導入手段を間欠的に動作させたときに、ガス導入手段による乾燥容器内へのガスの導入量が減圧手段による乾燥容器内からの排気量を下回るようなデューティ比が設定されているとよい。
【0015】
これにより、乾燥容器内の減圧値が減圧値範囲の下限値付近まで低下すると、乾燥容器内へのガスの導入量が乾燥容器内からの排気量よりも少なくなり、乾燥容器内の減圧値が上昇する。そのため、乾燥容器内の減圧値が減圧値範囲外になることを防止できる。その結果、被乾燥物の乾燥効率が下がることを一層防止できる。
【0016】
減圧乾燥装置は、乾燥容器内に収容された被乾燥物を加熱するための加熱手段をさらに含むことが好ましい。
【0017】
乾燥容器内の被乾燥物が加熱されることにより、被乾燥物の乾燥をさらに促進させることができる。
【0018】
乾燥容器内に気体の対流がほとんど生じていない静止状態で、乾燥容器内の被乾燥物が加熱されると、被乾燥物に含まれる水が沸点に達しても気化しない過熱状態となるおそれがある。この過熱状態になると、被乾燥物の乾燥効率が低下する。
【0019】
乾燥容器内へのガスの間欠的な導入により、乾燥容器内に均一な対流が生じているので、被加熱物に含まれる水が過熱状態となることを防止できる。その結果、加熱状態による被乾燥物の乾燥効率の低下を防止することができ、被乾燥物をより速やかに乾燥させることができる。
【0020】
また、乾燥容器内に均一な対流が生じているので、良好な対流伝熱を生じさせることができ、加熱手段からの発熱(気化熱)を被乾燥物に良好に供給することができる。その結果、被乾燥物の乾燥をより一層促進させることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、乾燥容器内の圧力(減圧値)を所定の減圧値範囲内に保持しつつ、乾燥容器内の圧力を急変させることができる。乾燥容器内の圧力の急変により、乾燥容器内の環境が乾燥容器内で気流が生じやすい環境となる。その結果、被乾燥物の乾燥効率の低下を招くことなく、乾燥容器内に気体の均一な対流を生じさせることができ、乾燥容器内で被乾燥物の乾燥をむらなく促進させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る減圧乾燥装置の図解的な断面図である。
【図2】図2は、減圧乾燥装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、樹脂材料を乾燥させる工程で実行されるリーク制御の全体の流れを示すフローチャート(メインルーチン)である。
【図4】図4は、リーク制御の途中で実行される小リーク制御の流れを示すフローチャート(サブルーチン)である。
【図5】図5は、リーク制御時のリークバルブの開閉のタイミングを示すタイミングチャートである。
【図6】図6は、リーク制御時の乾燥ホッパ内のゲージ圧(減圧値)の変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態に係る減圧乾燥装置の図解的な断面図である。
【0025】
減圧乾燥装置1は、射出成形機2に接続されて、射出成形機2に供給される樹脂材料(ペレット)をその供給前に乾燥(予備乾燥)させるための装置である。減圧乾燥装置1は、乾燥ホッパ3と、乾燥ホッパ3に供給される樹脂材料を一時的に貯留するバッファホッパ4と、乾燥ホッパ3で乾燥した樹脂材料が供給されるローダホッパ5とを備えている。
【0026】
乾燥ホッパ3は、ステンレス鋼などからなる。乾燥ホッパ3の上部6は、上下方向に延びる円筒状をなしている。乾燥ホッパ3の下部7は、上部6に連続して形成され、下方に先細りとなる円錐状をなしている。
【0027】
乾燥ホッパ3内には、スペーサ8が設けられている。スペーサ8は、ステンレス鋼からなる。スペーサ8は、中空の略円柱状をなしている。スペーサ8は、乾燥ホッパ3とそれらの中心軸線が一致するように配置されており、スペーサ8の外周面と乾燥ホッパ3の上部6の内周面との間には、その周方向にわたって一定間隔の隙間が生じている。スペーサ8の上部は、上方に先細りとなる円錐状をなしている。
【0028】
乾燥ホッパ3の上部6の外周面、下部7の外周面およびスペーサ8の内周面には、それぞれ第1ヒータ9、第2ヒータ10および第3ヒータ11が設けられている。第1ヒータ9、第2ヒータ10および第3ヒータ11は、バンドヒータからなり、それぞれ乾燥ホッパ3の上部6の外周面、下部7の外周面およびスペーサ8の内周面の全周にわたって密着している。
【0029】
乾燥ホッパ3の上端開口は、上蓋12によって開閉可能に覆われている。上蓋12には、真空ポンプ13から延びる真空ライン14が接続されている。真空ライン14の途中部には、真空ポンプ13への樹脂材料などの進入を防止するための真空フィルタ15が介裝されている。
【0030】
真空ポンプ13が作動されると、乾燥ホッパ3内の空気が真空ライン14に吸い出され、乾燥ホッパ3内が真空状態に減圧される。また、それと並行して、第1ヒータ9、第2ヒータ10および第3ヒータ11がオン(通電)されて、乾燥ホッパ3内の樹脂材料が第1ヒータ9、第2ヒータ10および第3ヒータ11からの発熱で加熱される。これにより、樹脂材料の減圧乾燥が達成される。
【0031】
また、真空ライン14には、乾燥ホッパ3内の真空状態を開放するための真空開放バルブ16が分岐して接続されている。
【0032】
なお、真空状態は、完全に真空の状態に限らず、真空に近い状態も含む。
【0033】
バッファホッパ4は、乾燥ホッパ3の上方に配置されている。バッファホッパ4の下部は、下方に先細りとなる円錐状をなしている。バッファホッパ4の下端部には、接続管17の上端が接続されている。接続管17の下端は、乾燥ホッパ3の上蓋12の中央部に接続されている。接続管17には、接続管17を開閉する供給バルブ18が介裝されている。
【0034】
バッファホッパ4には、選択バルブ19から延びる第1分岐吸気ライン20が接続されている。選択バルブ19には、輸送ブロワ21から延びる吸気ライン22が接続されている。吸気ライン22には、輸送ブロワ21への樹脂材料などの進入を防止するための輸送フィルタ23が介裝されている。
【0035】
また、バッファホッパ4には、材料供給管(図示せず)が接続されている。
【0036】
輸送ブロワ21が作動している状態で、選択バルブ19によって吸気ライン22と第1分岐吸気ライン20とが接続(連通)されると、バッファホッパ4内の空気が第1分岐吸気ライン20に吸い出されて、気力により、材料供給管からバッファホッパ4内に樹脂材料が供給される。そして、供給バルブ18が開かれると、バッファホッパ4内の樹脂材料は、自重により、接続管17を介して乾燥ホッパ3内に流入する。
【0037】
接続管17から乾燥ホッパ3内に流入する樹脂材料は、スペーサ8の上部に降りかかる。スペーサ8の上部が上方に先細りとなる円錐状に形成されているので、スペーサ8の上部に降りかかる樹脂材料は、スペーサ8(乾燥ホッパ3)の周方向にほぼ均一に分散し、スペーサ8の上部の円錐面に案内されて、乾燥ホッパ3の内周面とスペーサ8の外周面との間へ落下する。
【0038】
ローダホッパ5は、射出成形機2の上方に配置されている。ローダホッパ5の下部は、下方に先細りとなる円錐状をなしている。ローダホッパ5の下端部には、接続管24の上端が接続されている。接続管24の下端は、射出成形機2に接続されている。接続管24には、接続管24を開閉する供給バルブ25が介裝されている。
【0039】
ローダホッパ5には、選択バルブ19から延びる第2分岐吸気ライン26が接続されている。
【0040】
また、ローダホッパ5には、輸送管27の一端が接続されている。輸送管27の他端は、輸送バルブ28を介して、乾燥ホッパ3の下端部に接続されている。
【0041】
輸送ブロワ21が作動し、輸送バルブ28が開かれている状態で、選択バルブ19によって吸気ライン22と第2分岐吸気ライン26とが接続(連通)されると、ローダホッパ5内の空気が第2分岐吸気ライン26に吸い出されて、気力により、乾燥ホッパ3内の乾燥した樹脂材料が輸送管27を通してローダホッパ5内に供給される。そして、供給バルブ25が開かれると、ローダホッパ5内の樹脂材料は、自重により、接続管24を介して射出成形機2内に流入する。
【0042】
輸送管27の途中部には、リークライン29の一端が接続されている。リークライン29の他端は、大気に開放されている。リークライン29には、リークバルブ30およびリークフィルタ31が介装されている。リークバルブ30は、たとえば、電磁弁からなり、リークライン29を開閉する。リークフィルタ31は、リークバルブ30よりもエアの流通方向の上流側(リークライン29の開放端側)に介装されており、リークライン29への塵埃などの進入を防止する。
【0043】
なお、リークライン29の一端は、乾燥ホッパ3の下端部に接続されていてもよい。
【0044】
図2は、減圧乾燥装置の電気的構成を示すブロック図である。
【0045】
減圧乾燥装置1は、CPU41Aおよびメモリ41Bを含むマイクロコンピュータからなる制御部41を備えている。
【0046】
また、減圧乾燥装置1には、第1ヒータ9、第2ヒータ10および第3ヒータ11に関連して、それぞれ第1温度センサ42、第2温度センサ43および第3温度センサ44が設けられている。第1温度センサ42、第2温度センサ43および第3温度センサ44は、それぞれ第1ヒータ9、第2ヒータ10および第3ヒータ11の温度(発熱温度)を検出する。第1温度センサ42、第2温度センサ43および第3温度センサ44の検出信号は、制御部41に入力されるようになっている。
【0047】
さらに、減圧乾燥装置1には、真空ライン14のゲージ圧(減圧値)PMを検出する圧力センサ45が設けられている。真空ライン14のゲージ圧PMは、乾燥ホッパ3内のゲージ圧と等しいので、真空ライン14のゲージ圧PMを検出することは、乾燥ホッパ3内のゲージ圧を検出することと同じである。圧力センサ45の検出信号は、制御部41に入力されるようになっている。
【0048】
制御部41には、第1ヒータ9、第2ヒータ10、第3ヒータ11、真空ポンプ13、真空開放バルブ16、供給バルブ18,25、選択バルブ19、輸送ブロワ21、輸送バルブ28およびリークバルブ30が制御対象として接続されている。
【0049】
減圧乾燥装置1では、制御部41により、供給バルブ18、選択バルブ19および輸送ブロワ21が制御されて、乾燥ホッパ3に乾燥対象の樹脂材料が供給される。具体的には、輸送ブロワ21が作動される。また、選択バルブ19が切り替えられて、吸気ライン22と第1分岐吸気ライン20とが接続(連通)される。これにより、材料供給管(図示せず)からバッファホッパ4内に樹脂材料が供給される。バッファホッパ4への樹脂材料の供給が完了すると、輸送ブロワ21が停止される。その後、供給バルブ18が開かれて、バッファホッパ4から乾燥ホッパ3内に樹脂材料が供給される。このとき、輸送バルブ28およびリークバルブ30は、閉じられている。
【0050】
乾燥ホッパ3に所定量の樹脂材料が供給されると、制御部41により、供給バルブ18が閉じられる。その後、制御部41により、真空ポンプ13が作動される。また、制御部41により、第1ヒータ9、第2ヒータ10および第3ヒータ11がオン(通電)されて、乾燥ホッパ3内の樹脂材料が第1ヒータ9、第2ヒータ10および第3ヒータ11からの発熱で加熱される。これにより、樹脂材料に含まれる水分に気化熱が与えられて、樹脂材料に含まれる水分が気化し、その一方で、乾燥ホッパ3内の水蒸気を含む空気が真空ライン14に吸い出される。
【0051】
そして、供給バルブ18が閉じられてから所定時間が経過すると、樹脂材料を乾燥させる工程が終了し、制御部41により、真空ポンプ13が停止されるとともに、第1ヒータ9、第2ヒータ10および第3ヒータ11がオフされる。
【0052】
その後、制御部41により、選択バルブ19、輸送ブロワ21および輸送バルブ28が制御されて、乾燥ホッパ3からローダホッパ5に乾燥した樹脂材料が輸送される。具体的には、輸送ブロワ21が作動される。また、輸送バルブ28が開かれる。さらに、選択バルブ19が切り替えられて、吸気ライン22と第2分岐吸気ライン26とが接続(連通)される。これにより、乾燥ホッパ3内の乾燥した樹脂材料が輸送管27を通してローダホッパ5内に供給される。ローダホッパ5への樹脂材料の輸送が完了すると、輸送バルブ28が閉じられるとともに、輸送ブロワ21が停止される。このとき、リークバルブ30は、閉じられている。
【0053】
図3は、樹脂材料を乾燥させる工程で実行されるリーク制御の全体の流れを示すフローチャートである。図4は、リーク制御の途中で実行される小リーク制御の流れを示すフローチャートである。図5は、リーク制御時のリークバルブの開閉のタイミングを示すタイミングチャートである。図6は、リーク制御時の乾燥ホッパ内のゲージ圧(減圧値)の変化を示すグラフである。
【0054】
樹脂材料を乾燥させる工程では、真空ポンプ13の作動により、乾燥ホッパ3内が減圧される。乾燥ホッパ3内の減圧が進み、乾燥ホッパ3内が真空に近い状態になると、乾燥ホッパ3内の圧力がそれ以上に低下しなくなる。この状態が続くと、乾燥ホッパ3内から真空ライン14への排気量が少なく、乾燥ホッパ3内の水蒸気を十分に排出できないため、樹脂材料の乾燥効率(樹脂材料に含まれる水分の気化量)が低下する。
【0055】
そこで、減圧乾燥装置1では、次に述べるリークバルブ30の開閉制御(リーク制御)が行われる。
【0056】
樹脂材料を乾燥させる工程では、制御部41により、圧力センサ45の検出信号が一定周期で取得される。そして、真空ポンプ13の作動後、制御部41により、図3に示されるように、まず、圧力センサ45の検出信号から乾燥ホッパ3内のゲージ圧(真空ライン14のゲージ圧)PMが取得され、そのゲージ圧PMが予め定められた減圧値範囲R(PH−PL)の上限値PHより大きいか否かが判断される(ステップS1)。
【0057】
ゲージ圧PMが上限値PHを超えるまでは(ステップS1のNO)、リークバルブ30は、閉じられたままである。
【0058】
ゲージ圧PMが上限値PHを超えると(ステップS1のYES)、図5に示されるように、制御部41により、大リーク制御が開始される(ステップS2)。大リーク制御では、リークバルブ30が予め定められた大リークデューティ比DHで開閉(オン/オフ)される。大リークデューティ比DHは、たとえば、75%に設定され、制御部41のメモリ41Bに、減圧値範囲Rの上限値PHを超える範囲ORと対応付けて格納されている。
【0059】
リークバルブ30が開かれると、乾燥ホッパ3の内外の気圧差により、リークライン29から乾燥ホッパ3内にエア(ガス)が流入する。リークバルブ30は、間欠的に開かれるので、乾燥ホッパ3内には、リークライン29からエアがパルス的に導入される。これにより、乾燥ホッパ3内の圧力が急変し、乾燥ホッパ3内の環境が乾燥ホッパ3内で対流が生じやすい環境となる。また、リークバルブ30が大リークデューティ比DHで開閉されることにより、乾燥ホッパ3内に比較的多量のエアが流入し、図6に示されるように、乾燥ホッパ3内のゲージ圧PMが比較的急速に低下する。
【0060】
大リーク制御の開始後は、図3に示されるように、ゲージ圧PMが減圧値範囲Rの上限値PH以下に低下したか否かが繰り返し調べられる(ステップS3)。
【0061】
ゲージ圧PMが上限値PH以下に低下するまでは(ステップS3のNO)、制御部41により、大リーク制御が続けられる。
【0062】
ゲージ圧PMが上限値PH以下に低下すると(ステップS3のYES)、大リーク制御が終了される(ステップS4)。
【0063】
つづいて、制御部41により、小リーク制御が開始される(ステップS5)。
【0064】
小リーク制御のために、減圧値範囲Rは、たとえば、3つの小範囲R1(PH−PC1),R2(PC1−PC2),R3(PC2−PL)に分割されて、制御部41のメモリ41Bには、それらの小範囲R1,R2,R3に対応づけて、それぞれ小リークデューティ比DL1,DL2,DL3が格納されている。
【0065】
小リークデューティ比DL1は、大リークデューティ比DHよりも小さい。また、小リークデューティ比DL2は、小リークデューティ比DL1よりも小さい。さらに、小リークデューティ比DL3は、小リークデューティ比DL2よりも小さい。すなわち、小リークデューティ比DL1,DL2,DL3は、不等式DH>DL1>DL2>DL3が満たされるように設定されている。小リークデューティ比DL1,DL2,DL3は、たとえば、それぞれ60%、45%および30%に設定されている。
【0066】
小リーク制御では、制御部41により、図4に示されるように、まず、ゲージ圧PMが小範囲R2の上限値である第1しきい値PC1よりも大きいか否かが判断される(ステップS51)。すなわち、不等式PC1<PM≦PHが満たされているか否かが判断される。
【0067】
ゲージ圧PMが減圧値範囲Rの上限値PH以下に低下した直後は、ゲージ圧PMが第1しきい値PC1よりも大きいので、通常、ゲージ圧PMが第1しきい値PC1よりも大きいか否かの判別は肯定される(ステップS51のYES)。そして、メモリ41Bから小範囲R1に対応づけて格納されている小リークデューティ比DL1が読み出されて、制御部41により、図5に示されるように、その小リークデューティ比DL1でリークバルブ30を開閉させる制御が開始される(ステップS52)。
【0068】
この制御においても、リークバルブ30は、間欠的に開かれるので、乾燥ホッパ3内には、リークライン29からエアがパルス的に導入される。また、小リークデューティ比DL1が大リークデューティ比DHよりも小さいので、この制御では、大リーク制御時と比較して、乾燥ホッパ3内に流入するエアの量が減少し、図6に示されるように、乾燥ホッパ3内のゲージ圧PMが緩やかに低下する。
【0069】
小リークデューティ比DL1でリークバルブ30を開閉させる制御が開始された後は、図4に示されるサブルーチンから図3に示されるメインルーチンに戻り、制御部41により、ゲージ圧PMが減圧値範囲Rの下限値PL以下に低下したか否かが判断される(ステップS6)。
【0070】
この時点では、通常、ゲージ圧PMが下限値PL以下には低下していないので(ステップS6のNO)、次いで、制御部41により、樹脂材料を乾燥させる工程が終了であるか否か、つまり供給バルブ18が閉じられてから所定時間が経過したか否かが判断される(ステップS7)。
【0071】
樹脂材料を乾燥させる工程が終了でなければ(ステップS7のNO)、図4に示されるサブルーチンへと進み(ステップS5)、小リーク制御が続けられる。
【0072】
ステップS5〜S7が繰り返されて、小リーグ制御が続けられるうちに、ゲージ圧PMが第1しきい値PC1以下に低下すると(ステップS51のNO)、制御部41により、そのゲージ圧PMが小範囲R3の上限値である第2しきい値PC2よりも大きいか否かが判断される(ステップS53)。すなわち、不等式PC2<PM≦PC1が満たされているか否かが判断される。
【0073】
ゲージ圧PMが第1しきい値PC1以下に低下した直後は、ゲージ圧PMが第2しきい値PC2よりも大きいので、通常、ゲージ圧PMが第2しきい値PC2よりも大きいか否かの判断は肯定される(ステップS53のYES)。そして、メモリ41Bから小範囲R2に対応づけて格納されている小リークデューティ比DL2が読み出されて、制御部41により、図5に示されるように、その小リークデューティ比DL2でリークバルブ30を開閉させる制御が開始される(ステップS54)。
【0074】
この制御においても、リークバルブ30は、間欠的に開かれるので、乾燥ホッパ3内には、リークライン29からエアがパルス的に導入される。また、小リークデューティ比DL2が小リークデューティ比DL1よりも小さいので、この制御では、小リークデューティ比DL1での制御時と比較して、乾燥ホッパ3内に流入するエアの量が減少し、図6に示されるように、乾燥ホッパ3内のゲージ圧PMが緩やかに低下する。
【0075】
小リークデューティ比DL2でリークバルブ30を開閉させる制御が開始された後は、図4に示されるサブルーチンから図3に示されるメインルーチンに再び戻り、制御部41により、ゲージ圧PMが減圧値範囲Rの下限値PL以下に低下したか否かが判別される(ステップS6)。
【0076】
この時点では、通常、ゲージ圧PMが下限値PL以下には低下していないので(ステップS6のNO)、制御部41により、樹脂材料を乾燥させる工程が終了であるか否かが判断される(ステップS7)。
【0077】
樹脂材料を乾燥させる工程が終了でなければ(ステップS7のNO)、図4に示されるサブルーチンへと進み(ステップS5)、小リーク制御が続けられる。
【0078】
ステップS5〜S7が繰り返されて、小リーグ制御が続けられるうちに、ゲージ圧PMが第2しきい値PC2以下に低下すると(ステップS53のNO)、メモリ41Bから小範囲R3に対応づけて格納されている小リークデューティ比DL3が読み出される。そして、制御部41により、図5に示されるように、その小リークデューティ比DL3でリークバルブ30を開閉させる制御が開始される(ステップS55)。
【0079】
この制御においても、リークバルブ30は、間欠的に開かれるので、乾燥ホッパ3内には、リークライン29からエアがパルス的に導入される。また、小リークデューティ比DL3は、小リークデューティ比DL2よりもさらに小さく、乾燥ホッパ3内へのエアの導入量が乾燥ホッパ3内からの排気量を下回るようなデューティ比に設定されている。そのため、図6に示されるように、通常、この制御が開始された直後は、乾燥ホッパ3内のゲージ圧PMが少し低下するが、制御が進むと、乾燥ホッパ3内のゲージ圧PMが緩やかに上昇し始める。
【0080】
小リークデューティ比DL3でリークバルブ30を開閉させる制御が開始された後は、図4に示されるサブルーチンから図3に示されるメインルーチンに再び戻り、制御部41により、ゲージ圧PMが減圧値範囲Rの下限値PL以下に低下したか否かが判別される(ステップS6)。
【0081】
ゲージ圧PMが下限値PL以下に低下していなければ(ステップS6のNO)、制御部41により、樹脂材料を乾燥させる工程が終了であるか否かが判断される(ステップS7)。
【0082】
樹脂材料を乾燥させる工程が終了でなければ(ステップS7のNO)、図4に示されるサブルーチンへと進み(ステップS5)、小リーク制御が続けられる。
【0083】
ステップS5〜S7が繰り返されて、小リークデューティ比DL3での制御が進むと、通常、ゲージ圧PMが第2しきい値PC2よりも大きくなる。すると、ゲージ圧PMが第2しきい値PC2よりも大きいか否かの判断が肯定される(ステップS53のYES)。そして、メモリ41Bから小範囲R2に対応づけて格納されている小リークデューティ比DL2が読み出されて、制御部41により、その小リークデューティ比DL2でリークバルブ30を開閉させる制御が再び開始される(ステップS54)。
【0084】
このように、大リーク制御の後に小リーク制御が行われることにより、乾燥ホッパ3内のゲージ圧PMは、減圧値範囲R内に保持される。
【0085】
そして、樹脂材料を乾燥させる工程が終了になると、つまり供給バルブ18が閉じられてから所定時間が経過すると(ステップS7のYES)、リークバルブ30が閉じられて(ステップS8)、リークバルブ30の開閉制御が終了される。
【0086】
樹脂材料を乾燥させる工程が終了される前に、何らかの理由で、ゲージ圧PMが下限値PL以下に低下した場合には(ステップS6のYES)、リークバルブ30が閉じられる(ステップS9)。そして、ゲージ圧PMが上限値PHを超えるまで(ステップS1のNO)、リークバルブ30が閉じられたままにされる。
【0087】
以上のように、樹脂材料を乾燥させる工程では、被乾燥物である樹脂材料が乾燥ホッパ3内に収容されて、乾燥ホッパ3内が減圧される。この減圧により、樹脂材料に含まれる水分の沸点が下がるので、樹脂材料を低温で速やかに乾燥させることができる。
【0088】
乾燥ホッパ3内の減圧が進むと、乾燥ホッパ3内からの水蒸気の排出量の低下を防止するために、減圧乾燥装置1では、乾燥ホッパ3内からの排気が続けられながら、リークバルブ30が開閉されて、乾燥ホッパ3内にエアが間欠的(パルス的)に導入される。これにより、乾燥ホッパ3内からの排気量と乾燥ホッパ3内へのエアの導入量とのバランスが瞬時に崩れるので、乾燥ホッパ3内の圧力が急変し、乾燥ホッパ3内の環境が乾燥ホッパ3内で対流が生じやすい環境となる。その結果、乾燥ホッパ3内に気体の均一な対流を生じさせることができる。また、乾燥ホッパ3内の水蒸気を排気とともに真空ライン14へ良好に排出することができる。よって、乾燥ホッパ3内で樹脂材料の乾燥をむらなく促進させることができる。
【0089】
また、乾燥ホッパ3内のゲージ圧(減圧値)が所定の減圧値範囲R内に保持されるように、乾燥ホッパ3内にエアが間欠的に導入される。これにより、乾燥ホッパ3内の圧力が上がりすぎる(ゲージ圧が下がりすぎる)ことを防止でき、樹脂材料の乾燥効率の低下を防止することができる。
【0090】
減圧乾燥装置1は、減圧値範囲Rが複数の小範囲R1,R2,R3に分割されて、制御部41のメモリ41Bには、小範囲R1,R2,R3に対応づけて、それぞれ小リークデューティ比DL1,DL2,DL3が格納されている。小リークデューティ比DL1,DL2,DL3は、相対的に大きいゲージ圧が含まれる小範囲R1,R2,R3ほどリークバルブ30の1回の開成時間が長くなるように設定されている。そして、乾燥ホッパ3内のゲージ圧PMに応じた小リークデューティ比DL1,DL2,DL3がメモリ41Bから読み出されて、その読み出された小リークデューティ比DL1,DL2,DL3でリークバルブ30が開閉される。
【0091】
これにより、乾燥ホッパ3内のゲージ圧PMが相対的に大きいときには、乾燥ホッパ3内へのエアの導入量が相対的に多くなる。一方、乾燥ホッパ3内のゲージ圧PMが相対的に小さいときには、乾燥ホッパ3内へのエアの導入量が相対的に少なくなる。その結果、乾燥ホッパ3内のゲージ圧PMが相対的に大きいときには、乾燥ホッパ3内のゲージ圧PMを確実に急変させることができる。また、乾燥ホッパ3内のゲージ圧PMが相対的に小さいときには、乾燥ホッパ3内のゲージ圧PMの急激な低下を防止することができる。
【0092】
減圧値範囲Rの下限値PLが含まれる小範囲R3に対しては、乾燥ホッパ3内へのエアの導入量が乾燥ホッパ3内からの排気量を下回るように、小リークデューティ比DL3が設定されている。
【0093】
これにより、乾燥ホッパ3内のゲージ圧PMが減圧値範囲Rの下限値付近まで低下すると、乾燥ホッパ3内へのエアの導入量が乾燥ホッパ3内からの排気量よりも少なくなり、乾燥ホッパ3内のゲージ圧PMが上昇する。そのため、乾燥ホッパ3内のゲージ圧PMが減圧値範囲R外になることを防止できる。その結果、樹脂材料の乾燥効率が下がることを一層防止できる。
【0094】
また、乾燥ホッパ3には、第1ヒータ9、第2ヒータ10および第3ヒータ11が設けられている。そして、樹脂材料を乾燥させる工程では、第1ヒータ9、第2ヒータ10および第3ヒータ11がオンされる。
【0095】
これにより、乾燥ホッパ3内の樹脂材料が加熱されるので、樹脂材料の乾燥をさらに促進させることができる。
【0096】
乾燥ホッパ3内に気体の対流がほとんど生じていない静止状態で、乾燥ホッパ3内の樹脂材料が加熱されると、樹脂材料に含まれる水が沸点に達しても気化しない過熱状態となるおそれがある。この過熱状態になると、樹脂材料の乾燥効率が低下する。
【0097】
乾燥ホッパ3内へのエアの間欠的な導入により、乾燥ホッパ3内に均一な対流が生じているので、被加熱物に含まれる水が過熱状態となることを防止できる。その結果、加熱状態による樹脂材料の乾燥効率の低下を防止することができ、樹脂材料をより速やかに乾燥させることができる。
【0098】
また、乾燥ホッパ3内に均一な対流が生じているので、良好な対流伝熱を生じさせることができ、加熱手段からの発熱(気化熱)を樹脂材料に良好に供給することができる。その結果、樹脂材料の乾燥をより一層促進させることができる。
【0099】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
【0100】
たとえば、乾燥ホッパ3内にリークライン29を通してエア(大気)が導入される構成を例にとったが、乾燥ホッパ3内に導入されるガスとしては、エアに限らず、乾燥した窒素ガスなど、樹脂材料に悪影響を及ぼさない種々のガスを用いることができる。
【0101】
また、被加熱物は、樹脂材料に限らず、樹脂材料以外の粉粒体であってもよいし、空気や水などの流体であってもよい。
【0102】
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0103】
1 減圧乾燥装置
3 乾燥ホッパ(乾燥容器)
9 第1ヒータ(加熱手段)
10 第2ヒータ(加熱手段)
11 第3ヒータ(加熱手段)
13 真空ポンプ(減圧手段)
14 真空ライン(減圧手段)
29 リークライン(ガス導入手段)
30 リークバルブ(ガス導入手段)
41 制御部(間欠動作手段)
41A CPU(間欠動作手段)
41B メモリ(デューティ比記憶手段)
45 圧力センサ(圧力検出手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被乾燥物を収容する乾燥容器と、
前記乾燥容器内からの排気により、前記乾燥容器内を減圧する減圧手段と、
前記乾燥容器内にガスを導入するガス導入手段と、
前記乾燥容器内の減圧値を検出する圧力検出手段と、
前記圧力検出手段によって検出される減圧値が所定の減圧値範囲内に保持されるように、前記ガス導入手段を間欠的に動作させる間欠動作手段とを含む、減圧乾燥装置。
【請求項2】
前記減圧値範囲が複数の小範囲に分割されて、相対的に大きい減圧値が含まれる前記小範囲ほど前記ガス導入手段の動作時間が長くなるように前記小範囲ごとに設定された当該動作時間のデューティ比を記憶するデューティ比記憶手段をさらに含み、
前記間欠動作手段は、前記デューティ比記憶手段から前記圧力検出手段によって検出された減圧値に応じたデューティ比を読み出し、当該デューティ比で前記ガス導入手段を間欠的に動作させる、請求項1に記載の減圧乾燥装置。
【請求項3】
前記減圧値範囲の下限値が含まれる前記小範囲に対して、当該デューティ比で前記ガス導入手段を間欠的に動作させたときに、前記ガス導入手段による前記乾燥容器内へのガスの導入量が前記減圧手段による前記乾燥容器内からの排気量を下回るようなデューティ比が設定されている、請求項2に記載の減圧乾燥装置。
【請求項4】
前記乾燥容器内に収容された被乾燥物を加熱するための加熱手段をさらに含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の減圧乾燥装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−43341(P2013−43341A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−182029(P2011−182029)
【出願日】平成23年8月23日(2011.8.23)
【出願人】(000129183)株式会社カワタ (120)
【Fターム(参考)】