説明

減圧弁

【課題】より高い精度及びより良好な膨張及び収縮効果を備える自動減圧弁を提供する。
【解決手段】本発明は自動減圧弁を開示し、自動減圧弁は、空気放出孔を備える後方ハウジング1と、後方ハウジングと螺合する前方ハウジング2と、後方ハウジング内に移動可能に取り付けられるテーパピストン3と、前方ハウジング内に取り付けられるバネ4と、空気放出溝を備える係止リングとを含み、バネの一端部は前方ハウジングのキャビティ5内に配置され、バネの他端部はテーパピストンのシリンダ端部上にスリーブ接続され、係止リングは前方ハウジングと後方ハウジングとの間に固定される。空気放出孔11及び空気放出溝を通じて空気放出が実現され、よって、減圧弁の全ての部品をより緊密に組立て可能であり、緩くなるのを防止し、タイヤを膨張し且つ減圧中に空気漏出流を制御するための必要な圧力を維持し得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は減圧弁(decompression valve)に関し、より具体的には、自動減圧弁(auto decompression valve)に関する。
【背景技術】
【0002】
自動減圧弁は、入力圧力を所望の出力圧力に減圧し且つ媒体自体を通じて出力圧力を自動的に安定に維持する弁である。一般的な自動減圧弁は、概ね、前方ハウジングと、後方ハウジングと、テーパピストンと、バネとを含み、空気放出が前方ハウジングと後方ハウジングの間の間隙によって実現される。この種類の構造を用いるとき、ハウジングが堅く係止され過ぎるならば、空気は部品の間隙を通じて外に出ることができない。しかしながら、ハウジングが緩く係止され過ぎるならば、空気は膨張中にこの装置を通じて失われ、従って、接続される減圧装置は、タイヤに空気注入するための十分な圧力を作り出すことができない。
【0003】
その上、現時点で、一般的な自動空気減圧弁は、テーパピストンと前方ハウジングの内壁との間の過剰な接触領域を防止するための余分なギアを有さず、それは膨張中にボア内でピストンの粘着(sticking)を引き起こし得る。
【0004】
上記に加えて、現時点で、一般的な自動減圧弁のハウジングの材料は、主としてポリアミドであり、テーパピストンの材料は、主としてゴムであり、これらの材料から成る部品は組立後に容易に緩くなり、従って、精密要件を満足し得ない。
【0005】
上記議論に従って、既存の減圧弁に対する改良が必要とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の問題を解決するために、本発明の目的は、より高い精度及びより良好な膨張及び収縮効果を備える自動減圧弁を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によって開示される自動減圧弁は、空気放出孔を備える後方ハウジングと、後方ハウジングと螺合する前方ハウジングと、後方ハウジング内に移動可能に取り付けられるテーパピストンと、一端部が前方ハウジングの対応するキャビティ内に配置され且つ他端部がテーパピストンのシリンダ端部上にスリーブ接続されるバネと、前方ハウジングと後方ハウジングとの間に固定される、空気放出溝を備える係止ワッシャと、前方ハウジングと係止ワッシャとの間に取り付けられる封止ワッシャとを含む。係止ワッシャは、第一封止Oリングを受け入れるための環状溝を備え、前方ハウジングは、六角形のナット部分と、そのキャビティ内のリブとを備え、リブは、前方ハウジングの内壁と共に、第二封止Oリングを受け入れるためのU形状溝を定める。後方ハウジングは、係止溝を備える六角形のエンドプレートを有し、相応して、係止ワッシャは、係止溝と係合される係止フランジを有する。
【0008】
加えて、後方ハウジング及び前方ハウジングは、ナイロン材料で作製されるのに対し、係止ワッシャ及びテーパピストンは、銅基の粉末冶金材料で作製される。
【0009】
本発明によって開示される減圧弁は、自動減圧弁であり、係止ワッシャは後方ハウジングと前方ハウジングとの間に固定され、空気は係止ワッシャの空気放出溝及び後方ハウジングの空気放出孔を通じて出て行く。よって、減圧弁の部品は緊密に組み立てられて、容易に緩くなるのが防止され、従って、膨張中に十分な圧力を維持し得る。その上、空気放出溝の特定の寸法は、空気漏出流を効果的に制御し、従って、膨張及び収縮はより効果的であり得る。加えて、前方ハウジングのリブは、テーパピストンがボア内に粘着されることを防止し得るのに対し、溝、封止Oリング、及び、封止ワッシャは、部品を気密に保持するのを助ける。
【0010】
係止ワッシャの係止フランジ及び後方ハウジングの対応する係止溝は、部品をより緊密に固定し得る。後方ハウジング及び前方ハウジングの材料、ナイロンは、高い耐熱性を有するのに対し、係止ワッシャ及びテーパピストンは、銅基の粉末冶金材料で作製される。これらの全ては高い精度及び弁全体の緊密な組立てを保証し、それによって、より確実で実用的な自動減圧弁を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に従った減圧弁を示す分解図である。
【図2】膨張段階にある本発明に従った減圧弁を概略的示す内部図である。
【図3】自由減圧段階にある本発明に従った減圧弁を概略的に示す内部図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1及び2によれば、本発明によって開示される自動減圧弁は、後方ハウジング1と、後方ハウジング1と螺合される前方ハウジング2と、後方ハウジング1内に移動可能に取り付けられるテーパピストンとを含み、後方ハウジング1は、その前方端部に空気放出孔11を有し、バネ4が前方ハウジング2内に取り付けられ、バネの一端部は、前方ハウジング2のキャビティ5内に配置され、キャビティ5は、バネ4の形状と整合され、バネの他端部は、テーパピストンのシリンダ端部31上にスリーブ接続(sleeved on)され、空気放出溝61を備える係止ワッシャ6が後方ハウジング1と前方ハウジング2との間に固定される。
【0013】
図2及び3に示されるように、膨張中、圧縮器(compressor)が作動しており、テーパピストン3は圧縮空気によってバネ4に抗して前方ハウジング2に向かって移動され、空気放出孔11はテーパピストン3によって封止されるので、空気は後方ハウジング1の空気入口及びテーパピストン3の表面上の溝を通じて進み、前方ハウジング2の空気出口に接続されるシーリングボトル(sealant bottle)に至り、その一方で、空気放出孔11が封止される前に、ごく少しの空気が空気放出孔11を通じて漏れる。収縮中、圧縮器が作動していないとき、シーリングボトル内の空気は放出する。何故ならば、テーパピストン3は圧縮バネ3によって作動されて後方ハウジング1に向かって移動されて戻り、空気放出孔11は、もはやテーパピストン3によって封止されず、シーリングボトルからの空気は空気放出孔11及び空気放出溝61を通じて外に出ることができるからである。
【0014】
その上、係止ワッシャ6は、環状溝62を備え、環状溝には、封止Oリング7が取り付けられる。前方ハウジング2は、その内壁上にリブ21を備え、それによって、前方ハウジング2の内壁とリブ21とはU形状溝22を定め、U形状溝22には、Oリング8が取り付けられる。本発明によって提供される自動減圧弁は、係止ワッシャ6と前方ハウジング2との間に封止ワッシャ9を更に含む。よって、膨張状態において、空気放出孔11がテーパピストン3によって封止されるや否や、後方ハウジング1と前方ハウジング2との間の全ての間隙は、封止Oリング7,8によって封止され、それによって、減圧弁内に膨張タイヤのための十分な圧力を保証する。
【0015】
後方ハウジング1は、六角形のエンドプレート12を有し、エンドプレート12は、その前方に2つの対称的な係止溝121を備える。相応して、係止ワッシャ6は、その後側に2つの整合された係止フランジ63を有する。組立て中、係止ワッシャ6は、互いに固定された後方ハウジング1と前方ハウジング2との間に取り付けられ、後方ハウジング1の係止溝121は、係止ワッシャ6の係止フランジ63と係合され、全ての部品は緊密に固定される。
【0016】
加えて、六角形のエンドプレート12は、組立て中の容易な制御のためにあり、前方ハウジング2は、同じ目的のために、六角形のナット部分23を有する。
【0017】
後方ハウジング1及び前方ハウジング2のための材料は、より低い収縮率及び高い耐熱性を特徴とするナイロンであり、テーパピストン3及び係止ワッシャ6は、高い精度及び堅固さを保証するために、銅基の粉末冶金材料で作製される。
【0018】
本発明は、係止ワッシャ6が後方ハウジング1と前方ハウジング2との間に取り付けられ、空気が後方ハウジング1の空気放出孔11及び係止ワッシャ6の空気放出溝61を通じて外に出る自動減圧弁を提供し、よって、部品は全体的により緊密に組み立てられる。減圧弁はタイヤを膨張するための十分な圧力を維持できるのみならず、減圧中に空気漏出流を制御することもでき、それによって、より良好な膨張及び収縮効果をもたらす。加えて、前方ハウジング2内のリブ21は、テーパピストン3が前方ハウジング2のボア内に貼り付くのを防止することができ、封止Oリング7,8及び封止ワッシャ9は、全ての部品を緊密に保持するのを助けることができる。前方ハウジング2及び後方ハウジング1のための材料、ナイロン、及び、テーパピストン3及び係止ワッシャ6のための材料、銅基の粉末冶金材料は、低い収縮率及び高い耐熱性を特徴とし、より高い精度をもたらす。
【符号の説明】
【0019】
1 後方ハウジング(rear housing)
2 前方ハウジング(front housing)
3 テーパピストン(taper piston)
4 バネ(spring)
5 キャビティ(cavity)
6 係止ワッシャ(lock washer)
7 第一封止Oリング(first sealing O-ring)
8 第二封止Oリング(second sealing O-ring)
9 封止ワッシャ(sealing washer)
11 空気放出孔(air release hole)
12 エンドプレート(end plate)
21 リブ(rib)
22 U形状溝(U-shaped groove)
23 ナット部分(nut portion)
31 シリンダ端部(cylinder end)
61 空気放出溝(air release groove)
63 係止フランジ(lock flange)
121 係止溝(lock groove)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気放出孔を備える後方ハウジングと、
該後方ハウジングと螺合する前方ハウジングと、
前記後方ハウジング内に移動可能に取り付けられるテーパピストンと、
一端部が前記前方ハウジングの対応するキャビティ内に配置され且つ他端部が前記テーパピストンのシリンダ端部上にスリーブ接続されるバネと、
空気放出溝を備える係止ワッシャとを含み、該係止ワッシャは、前記前方ハウジングと前記後方ハウジングとの間に固定される、
自動減圧弁。
【請求項2】
前記係止ワッシャは、第一封止Oリングを受け入れるための環状溝を備える、請求項1に記載の自動減圧弁。
【請求項3】
前記前方ハウジングと前記係止ワッシャとの間に取り付けられる封止ワッシャを更に含む、請求項1に記載の自動減圧弁。
【請求項4】
前記前方ハウジングは、リブを備え、該リブは、前記前方ハウジングの内側壁と共に、第二封止Oリングを受け入れるためのU形状溝を定める、請求項1に記載の自動減圧弁。
【請求項5】
前記前方ハウジングは、六角形のナット部分を備える、請求項1に記載の自動減圧弁。
【請求項6】
前記後方ハウジングは、係止溝を備える六角形のエンドプレートを有し、相応して、前記係止ワッシャは、前記係止溝と係合される係止フランジを有する、請求項1に記載の自動減圧弁。
【請求項7】
前記後方ハウジング及び前記前方ハウジングは、ナイロン材料で作製される、請求項1に記載の自動減圧弁。
【請求項8】
前記係止ワッシャ及び前記テーパピストンは、銅基の粉末冶金材料で作製される、請求項1に記載の自動減圧弁。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2013−40677(P2013−40677A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−185401(P2011−185401)
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【出願人】(508066843)アクティブ ツールズ インターナショナル(ホンコン)リミティド (3)
【Fターム(参考)】