説明

減衰回路とスイッチ回路の回路トポロジー

【課題】ダイナミックレンジを制限する寄生キャパシタンスを持ち込まず、挿入損失の低い無線周波数信号の減衰回路を提供する。
【解決手段】無線周波数のためのスイッチ(600)は、可変分路要素と直列伝達要素とを含む。可変分路要素及び直列伝送要素のインピーダンスは、入力端子(IN)における減衰回路のインピーダンスがすべての減衰レベルについて公称値となるように選定されており、これにより、高周波数における低損失が実現される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無線周波数における低損失の減衰回路とスイッチ回路の回路トポロジーに係るものである。
【背景技術】
【0002】
既知の減衰回路はT型もしくはπ型の抵抗回路網トポロジーもしくは形態を使用している。T型の抵抗回路網形態は2つの可変直列要素とこれらの直列要素間に接続された可変分路要素とを含んでいる。π型の抵抗回路網形態は2つの可変分路要素とこれらの2つの分路要素間に接続された可変直列要素を含んでいる。両方の形式の回路網形態において第1の制御信号は分路要素へ接続され、そして第2の制御信号は直列要素へ接続されている。分路要素はT型減衰器における減衰の大きな部分を調整しており、直列要素は回路のインピーダンスを調整している。
【0003】
例えば図1はこれまでのT型抵抗回路網形態の減衰器100を示しており、可変直列抵抗R1’とR3’、そして分路抵抗R2’とを有している。このデバイスでは、可変直列抵抗R1’とR3’が最小抵抗値であり、そして分路抵抗R2’が最大抵抗値であるときに最小減衰状態となる。制御信号CTRL2’を介して可変分路抵抗R2’を減少することにより、そして制御信号CTRL1’を介して可変直列抵抗R1’とR3’を増加することにより減衰が始まる。入出力に接続された回路のインピーダンスに減衰器が整合することを可変直列抵抗R1’とR3’が保証し、可変分路抵抗R2’が適正な減衰を保証している。
【0004】
ディジタル減衰器においては可変要素の完全オン状態と完全オフ状態とが使われる。これらのディジタル回路では可変の分路要素と直列要素とはFETであるのが典型である。直列FETのゲート幅は最小減衰レベルにおいて挿入損が低くなるに十分な幅となるよう選定されている。しかしながら、この大きくなった幅はデバイスの寄生キャパシタンスを増加し、それにより無線周波数のような比較的高い周波数におけるインピーダンスの不整合を生じさせる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、ダイナミック・レンジを制限する寄生キャパシタンスを持ち込まず、挿入損失の低い無線周波数信号の減衰回路を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施例によれば減衰器は可変分路要素だけを含んでいる。すなわち、本発明の減衰器は可変の直列要素を含んでいない。その代わりに可変分路要素に直列伝送線を接続している。入力端子と出力端子とにおける減衰器のインピーダンスが全減衰レベルに対し公称レベルに保たれるように可変分路要素と直列伝送線のインピーダンスを設計する。本発明によれば、伝送線は、所望のインピーダンスをつくるよう可変分路要素のキャパシタンスと結合した誘導性伝送線である。
【0007】
本発明の別の実施例では、π型もしくはT型の抵抗回路網トポロジーのような既知の減衰器トポロジーの可変直列要素の各々を可変分路要素と直列伝送線に置換えている。上に述べた実施例におけるように、可変分路要素と直列伝送線のインピーダンスは、すべての減衰レベルに対し減衰器の公称インピーダンスを維持するよう設計されている。
【0008】
可変分路要素は電界効果型トランジスター(FET)、PINダイオード、及び又はバイポーラー・ジャンクション・トランジスター(BJT)である。無線周波数で作動するFETは金属半導体FET(MESFET)、高電子移動度トランジスター(HEMT)、仮像HEMT(pHEMT)を含む。無線周波数で働けるBJTはへテロジャンクション・バイポーラー・トランジスターを含む。
【0009】
本発明の減衰回路はディジタル減衰回路、可変減衰回路そしてスイッチに使用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の他の目的と特徴とは添付図を参照しての以下の説明から明らかとなろう。添付図は説明のためであって、本発明をそれに限定するものでないことを理解されたい。本発明の技術的思想の範囲は特許請求の範囲の請求項によって限定されるものである。
【0011】
本発明の低損失減衰回路200を図2に示す。この回路200は、入力端子INと出力端子OUTとの間に直列に接続された第1と第2の伝送線TL1、TL2を含んでいる。回路200は更に、接地された3つの可変分路要素R1、R2、R3を含んでいる。第1の可変分路要素R1は入力端子INと第1の伝送線TL1との間に接続され、第2の可変分路要素R2は第1と第2の伝送線TL1とTL2との間に接続され、そして第3の可変分路要素R3は第2の伝送線TL2と出力端子OUTとの間に接続されている。3つの分路要素R1、R2、R3の各々は単一の制御信号CTRL1により制御されている。
【0012】
減衰を最小とするにはR1、R2、R3の各々を最大抵抗とする。制御信号CTRL1を調整して第2の抵抗要素R2の抵抗を下げ、そしてそれにより入力信号を大地に分路することによって入力信号を減衰する。第1と第3の抵抗R1、R3は制御電圧CTRL1を調整して同時に小さくする。しかしながら、第1と第3の可変分路要素R1、R3を有する伝送線TL1とTL2のインピーダンスは、入力端子INと出力端子OUTとにおける回路200のインピーダンスが回路200の全減衰レベルに対して作動範囲内にあるように、決められている。こうして、入力端子INにおける回路200のインピーダンスは入力端子INへ接続された回路に対し常に作動範囲内にあり、そして出力端子OUTにおける回路200のインピーダンスは出力端子OUTへ接続された回路に対し作動範囲内にある。この作動範囲とは例えば、特定の利用、用途に対して許容できるリターン・ロスに対応する範囲である。このリターン・ロスとは2つのインピーダンスの間の不同性を表しており、以下の式で表される。
【0013】
リターン・ロス=−20log|(ZL−Z0)/(ZL+Z0)|、
ここで
ZLは回路の実際のインピーダンス;
Z0は回路の公称インピーダンス
である。
【0014】
このリターン・ロスは反射電力に対する投入電力の比である。インピーダンス整合の目的は反射電力を制限することであるので、大きなリターン・ロスはインピーダンス整合が良いことを示している。典型的な例では10dBもしくはそれ以上であればよいとする。
【0015】
回路200における3つの可変要素は図1の従来の回路の3つの可変要素に対応しているが、回路200では第1の可変分路要素R1と第1の直列伝送線TL1とを直列可変要素R1'の代わりに含んでおり、そして第3の可変分路要素R3と第2の直列伝送線TL2とを直列可変要素R3'の代わりに含んでいる。したがって、回路200の可変要素の総てが分路要素である。
【0016】
図3は図2の回路の実例を示す略図である。回路300は可変分路要素301,302,303を含んでおり、これらは抵抗R11、R12、R13と直列に接続されたトランジスタT1、T2、T3である。各トランジスタT1、T2、T3のゲートはゲート抵抗Rg11、Rg12、Rg13を介して制御電圧CTRL1へそれぞれ接続される。例として、トランジスタT1、T2、T3は電界効果型トランジスタ(FET)である。無線周波数で使用されるFETのタイプは金属半導体電界効果型トランジスタ(MESFET)、高電子移動度トランジスタ(HEMT)そして擬似HEMT(pHEMT)を含む。代替として、T1、T2、T3はFETの代わりにバイポーラー接合トランジスタ、例えばヘテロジャンクション・バイポーラー・トランジスタ(HBT)もしくはPINダイオードでもよい。伝送線TL1、TL2は誘導性リアクタンスから成り、例えば沈着した薄膜金属ラインである。各伝送線は単一の薄膜金属ラインでも、複数の薄膜金属ラインでも所望のインピーダンスをつくるならどちらでもよい。
【0017】
図2の回路200における可変分路要素R1、R2、R3のように、図3の各トランジスタT1、T2、T3は制御信号CTRL1を介して制御される。この好ましい実施例では制御信号CTRL1は制御電圧である。代わりとして、可変分路要素301,302,303が制御電流により制御されるような回路300としてもよい。制御信号のタイプ(電圧もしくは電流)は設計事項である。
【0018】
図3においてトランジスタT1、T2、T3は制御信号CTRL1へ接続されて入力信号を選択的に減衰する。制御信号CTRL1は連続的に変わる制御電圧でもよいし、制御信号CTRL1によりオン状態もしくはオフ状態に選択的にトランジスタが制御されるディジタル減衰回路でもよい。トランジスタT2がオン状態であると、入力端子INで受ける入力信号は大地へ分路され、そして入力信号は減衰される。同時に、トランジスタT1とT3も制御信号CTRL1を介して制御され、入力端子INと出力端子OUTのインピーダンスが総てのレベルに対してそれぞれの作動範囲内にあるように設計している。インピーダンス整合は伝送線TL1、TL2のインピーダンスとトランジスタT1、T3のインピーダンスを適正に設計することにより達成され、その結果としての入力端子と出力端子のインピーダンスがすべての減衰レベルにおいてそれぞれの作動範囲内にある。
【0019】
本発明の回路トポロジーは、図3の減衰回路300より少ない減衰もしくは大きい減衰を与える減衰セルに利用できる。例えば、図4Aの減衰回路400Aは回路300よりも減衰は少ないが、図4Bの減衰回路400Bは回路300よりも減衰は大きい。
【0020】
減衰回路300、400A、400Bは電力増幅を特徴付けているAM/AM変換とは反対の振幅変調(AM)/AMを呈する。従って、これらの回路は電力増幅器と直列に接続した前置減衰器として使えば不都合な増幅器のAM/AM変換特性を矯正することになる。具体的に言えば、電力増幅器は利得圧縮として参照される非線形特性を有し、この特性においては10dBと言う所望の振幅変化それ自体は高い入力信号で9dBでしかない。減衰回路300,400A、400Bを特徴付けているAM/AM変換は利得伸張特性を示すことが判っており、そこではdB利得は高い入力信号レベルで増大する。適正に設計すれば減衰回路を特徴付けている利得伸張は増幅器の利得圧縮を相殺する。増幅器の非線形を修正するので、高価な線形増幅器の代わりに廉価な増幅器を減衰回路と一緒に使用できる。さらに、本発明の減衰回路は増幅器の線形を修正して、増幅器の最大線形出力レベルを増大させる。
【0021】
図3の減衰回路300は、図5の3ビット・ディジタル減衰器のような大きな減衰回路の一部分として使われる。5ビット・ディジタル減衰器500は直列に接続された3つの減衰回路501,502,503を含む。この例では第1回路501は20dB減衰器であり、第2回路502は10dB減衰器であり、第3回路503は5dB減衰器である。各減衰回路は選択的にオン、オフされて、減衰回路500の減衰量を0,5,10,15,20,25,30,35dBとする。例えば、第2と第3の減衰回路502,503が減衰状態であって、第1の減衰回路501が非減衰状態にあると、減衰は15dBとなり、第1と第3の減衰回路501,503が減衰状態であって、第2の減衰回路502が非減衰状態にあると、減衰は25dBとなる。
【0022】
3ビット・ディジタル減衰器500も、制御信号CTRL1、CTRL2、CTRL3が連続的に調整されると、電圧可変減衰器として使用され、最大と最小の減衰値の間のどのような減衰値も得られる。一つの実施例では制御信号CTRL1、CTRL2、CTRL3が一緒になって全回路は一つの制御信号により制御される。別の実施例では減衰回路501,502,503が順次制御される。第1回路501が20dB減衰器であり、第2回路502が10dB減衰器であり、第3回路503が5dB減衰器であるという上の例を使用して、3ビット・ディジタル減衰器の順次制御を以下のように行う。(1)第3回路503をまず制御してその所要の減衰とし、(2)もし所要の減衰が5dB以上であれば、第3減衰回路503をそれの最大設定に調整し、そして第2回路502を調整してその所要の減衰とし、そして(3)もしその所要の減衰が15dB以上であれば、第3と第2減衰回路を最大設定に調整し、そして第1回路を調整して所要の減衰とする。それ故、もし11dB減衰が所要であれば、第3減衰回路503は5dBにセットし、第2減衰回路502は6dBにセットし、第1減衰回路501は0dBにセットする。もし18dB減衰が所要であれば、第3減衰回路503と第2減衰回路502はそれぞれの最大減衰5dBと10dBにセットし、第1回路は3dBに調整する。
【0023】
本発明の回路を図6の非反射性スイッチ回路600のようなスイッチ回路にも使える。このスイッチ回路600は入力端子INと第1と第2の出力端子OUT1とOUT2とを含む。第1スイッチ回路601が入力端子INと第1の出力端子OUT1との間に接続され、そして第2スイッチ回路602が入力端子INと第2の出力端子OUT2との間に接続される。第1のスイッチ回路601は入力端子INと第1出力端子OUT1との間に接続された2つの伝送線TL1、TL2と、接地された2つの可変分路要素611,612を含む。第1の可変分路要素611は2つの伝送線の間に接続され、そして第2の可変分路要素612は第1出力端子OUT1へ接続されている。制御信号CTRL1はスイッチ601を制御する。第2スイッチ回路602は第1スイッチ回路601の鏡像であり、伝送線TL3とTL4、そして可変分路要素613,614を含んでいる。
【0024】
スイッチ回路600で入力端子INのRF信号を第1出力端子へ切り替えようとするとき、第1スイッチ回路601の可変分路要素611,612を制御信号CTRL1により調整して高抵抗状態にし、そして第2スイッチ回路602の可変分路要素613,614を制御信号CTRL2により調整して低抵抗状態にする。この作動状態で伝送線TL3とTL4との間の接続点における可変分路要素613のインピーダンスはゼロに近い。伝送線TL3は第1スイッチ回路601と並列にインピーダンスを導入し、それによって入力端子INから見たインピーダンスが、すなわち入力端子へ接続された回路の出力インピーダンスにおいて作動範囲内にあるようになり、反射ロスをなくしている。信号が第2出力端子OUT2へ切り替えらときは、制御信号CTRL1とCTRL2とは反対の状態に制御されている。
【0025】
無反射スイッチ回路600の回路トポロジーも只一つのスイッチ回路を有する単極単投スイッチ(図7A)に、そして3つのスイッチ回路を有する単極三投スイッチ(図7B)に使用できる。単極単投スイッチは図6の第1スイッチ回路601だけを含んでいる。単極三投スイッチは図6の第1スイッチ回路601と第2スイッチ回路602の両方と、入力端子INと第3出力端子OUT3との間に配置された第3スイッチ回路603とを含んでいる。この第3スイッチ回路603は可変分路要素615,616と伝送線TL5とTL6とを含んでいる。可変分路要素615,616は第3の制御信号CTRL3により制御される。
【0026】
図7Aの単極単投スイッチは、作動範囲内でスイッチ回路のインピーダンスを維持する助となる第3の分路回路613をオプションとして含んでいてもよい。図7Aのスイッチ回路601は他の回路と並列に接続されていないので、伝送線TL2のインピーダンスは作動範囲内で回路のインピーダンスを保持するに十分でなくてもよい。図6と図7Bのスイッチ回路においては常に、非減衰状態にある一つの回路がある。これが作動範囲内で入力においてインピーダンスを保持する。
【0027】
好ましい実施例によって本発明の基礎的な新規な特徴を説明したけれども、これらの実施例は本発明の技術思想の範囲内で当業者によって様々に変更することができることを理解されたい。例えば、同じ仕方同じ機能を果たし、同じ効果を達成するようそれらの回路要素を組合せることは本発明の技術思想の範囲内で行えることである。開示された本発明の実施例のあるものと関連して説明された構成や要素は開示された他の実施例に設計変更として組み込まれることもあるということも認識さるべきことである。本発明の技術的思想の範囲は特許請求の範囲により定まる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】従来の減衰回路の略図。
【図2】本発明の実施例の減衰回路の略図。
【図3】図2の回路の実例。
【図4A】図3の減衰回路よりも減衰の大きい減衰回路の略図。
【図4B】図3の減衰回路よりも減衰の小さい減衰回路の略図。
【図5】本発明の実施例の3ビットディジタル減衰回路の略図。
【図6】本発明の実施例の無反射スイッチ回路の略図。
【図7A】単極1投スイッチである無反射スイッチの略図。
【図7B】単極3投スイッチである無反射スイッチの略図。
【符号の説明】
【0029】
200、300 減衰回路
IN 入力端子
OUT 出力端子
R1、R2、R3 可変分路要素
TL1 第1の伝送線
TL2 第2の伝送線
CTRL1 制御信号
301、302、303 可変分路要素
R11、R12、R13 抵抗
T1、T2、T3 トランジスタ
Rg11、Rg12、Rg13 ゲート抵抗

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力端子と、出力端子と、該入力端子と該出力端子との間に接続された第1の減衰回路と、を具備する無線周波数信号の減衰回路であって、
前記第1の減衰回路が、
前記入力端子と前記出力端子との間に直列に接続され、第1の伝送線インピーダンスを有する、第1の伝送線と、
該第1の伝送線と前記入力端子との間の1点に接続された1つの脚を有し、可変インピーダンスを有する、第1の可変分路要素と、
前記第1の伝送線と前記出力端子との間の1点に接続された1つの脚を有し、可変インピーダンスを有する、第2の可変分路要素と、
前記第1の可変分路要素及び前記第2の可変分路要素の各々に接続された制御信号端子と、を具備し、
前記第1の減衰回路の減衰レベルが、前記制御信号端子に入力される制御信号により制御可能となっており、
前記第1の伝送インピーダンス、前記第1の可変分路要素の前記可変インピーダンス及び前記第2の可変分路要素の前記可変インピーダンスは、前記第1の伝送線、前記第1の可変分路要素及び前記第2の可変分路要素により前記第1の入力端子において生成されるインピーダンスのレベルが前記制御信号のすべての値について動作可能な範囲内にあるように選定されている、
ことを特徴とする減衰回路。
【請求項2】
前記第1の伝送線が誘導性伝送線により構成され、
前記第1の可変分路要素の前記可変インピーダンス及び前記第2の可変分路要素の前記可変インピーダンスがキャパシタンスを含む、請求項1に記載の減衰回路。
【請求項3】
前記第1の可変分路要素及び前記第2の可変分路要素の各々がトランジスタを含む、請求項1に記載の減衰回路。
【請求項4】
前記第1の可変分路要素及び前記第2の可変分路要素のうちの少なくとも1つが直列に接続された複数のトランジスタを含む、請求項3に記載の減衰回路。
【請求項5】
前記入力端子と前記出力端子との間において前記第1の減衰回路に直列に接続された第2の減衰回路をさらに具備し、
該第2の減衰回路が、
前記第1の減衰回路と前記出力端子との間において直列に接続され、第2の伝送線インピーダンスを有する、第2の伝送線と、
前記第1の減衰回路と前記第2の伝送線との間の1点に接続された1つの脚を有し、可変インピーダンスを有する、第3の可変分路要素と、
前記第2の伝送線と前記出力端子との間の1点に接続された1つの脚を有し、可変インピーダンスを有する、第4の可変分路要素と、
前記第3の可変分路要素及び前記第4の可変分路要素に接続された第2の制御信号端子と、
を具備し、
前記第2の減衰回路の減衰レベルが、前記第2の制御信号端子に入力される制御信号により制御可能となっている、請求項1に記載の減衰回路。
【請求項6】
前記第2の減衰回路の前記第2の制御信号端子に入力される前記制御信号が、前記第1の減衰回路の前記制御信号端子に入力される前記制御信号とは別のものである、請求項5に記載の減衰回路。
【請求項7】
前記第2の減衰回路の前記第2の制御信号端子に入力される前記制御信号が、前記第1の減衰回路の前記制御信号端子に入力される前記制御信号と同じものである、請求項5に記載の減衰回路。
【請求項8】
前記第1の伝送線インピーダンス及び前記第2の伝送線インピーダンス、並びに、前記第1の可変分路要素、前記第2の可変分路要素、前記第3の可変分路要素及び前記第4の可変分路要素の前記可変インピーダンスは、
前記第1の伝送線インピーダンス及び前記第2の伝送線インピーダンス、並びに、前記第1の可変分路要素、前記第2の可変分路要素、前記第3の可変分路要素及び前記第4の可変分路要素の前記可変インピーダンスにより前記入力端子において生成されるインピーダンスのレベルが、前記第1の制御信号及び前記第2の制御信号のすべての値について動作可能な範囲内にあるように選定されている、請求項5の減衰回路。
【請求項9】
前記第1の可変分路要素、前記第2の可変分路要素、前記第3の可変分路要素及び前記第4の可変分路要素の各々がトランジスタを含む、請求項5に記載の減衰回路。
【請求項10】
前記第1の減衰回路の減衰ファクターが前記第2の減衰回路の減衰ファクターと異なる、請求項5に記載の減衰回路。
【請求項11】
前記第1の伝送線インピーダンス及び前記第2の伝送線インピーダンス、並びに、前記第1の可変分路要素、前記第2の可変分路要素、前記第3の可変分路要素及び前記第4の可変分路要素の前記可変インピーダンスは、
前記第1の減衰回路及び前記第2の減衰回路の各々のインピーダンスのレベルが該第1の減衰回路及び該第2の減衰回路のすべての減衰レベルについて動作可能な範囲内にあるように選定されている、請求項6に記載の減衰回路。
【請求項12】
前記第1の減衰回路の減衰レベルが、前記第1の可変分路要素及び前記第2の可変分路要素に接続された前記制御端子に入力される前記制御信号のみによって制御される、請求項1に記載の減衰回路。
【請求項13】
前記第2の可変分路要素と前記出力端子との間に接続された少なくとも1つの追加回路部分をさらに具備し、
該少なくとも1つの追加回路部分の各々が、前記第1の伝送線に直列に接続された追加の伝送線と、該追加の伝送線と前記出力端子との間の1点に接続された1つの脚を有する追加の分路要素と、具備する、請求項1に記載の減衰回路。
【請求項14】
前記入力端子における前記インピーダンスレベルの前記動作可能な範囲が、公称インピーダンスレベルで少なくとも10dBのリターンロスを呈するインピーダンスの範囲を含む、請求項1に記載の減衰回路。
【請求項15】
減衰させるべき無線周波数信号の周波数が少なくとも100MHzの周波数を有する、請求項1に記載の減衰回路。
【請求項16】
入力端子と、出力端子と、該入力端子と該出力端子との間に直列に接続された複数の減衰段と、を具備する無線周波数信号の減衰回路であって、
前記複数の減衰段の各々が、
前記入力端子と前記出力端子との間に直列に接続され、伝送インピーダンスを有する、伝送線と、
該伝送線と前記入力端子との間の1点に接続された1つの脚を有し、可変分路インピーダンスを有する、第1の可変分路要素と、
前記伝送線と前記出力端子との間の1点に接続された1つの脚を有し、可変分路インピーダンスを有する、第2の可変分路要素と、
前記第1の可変分路要素及び前記第2の可変分路要素の各々に接続された制御信号端子と、を具備し、
前記複数の減衰段の各々の減衰レベルが、前記制御信号端子に入力される制御信号により制御可能となっており、
前記伝送インピーダンス並びに前記第1の可変分路要素の前記可変分路インピーダンス及び前記第2の可変分路要素の前記可変分路インピーダンスは、前記第1の伝送線、前記第1の可変分路要素及び前記第2の可変分路要素によって前記入力端子において生成されるインピーダンスのレベルが前記制御信号のすべての値について動作可能な範囲内にあるように選定されている、
ことを特徴とする減衰回路。
【請求項17】
前記複数の減衰段の各々の伝送線が誘導性伝送線により構成され、
該複数の減衰段の各々における前記第1の可変分路要素及び前記第2の可変分路要素の前記可変インピーダンスがキャパシタンスを含む、請求項16に記載の減衰回路。
【請求項18】
前記複数の減衰段が3つの減衰段により構成される、請求項16に記載の減衰回路。
【請求項19】
前記3つの減衰段の各々が、該3つの減衰段における他の減衰段とは異なる減衰ファクターを有する、請求項18に記載の減衰回路。
【請求項20】
前記複数の減衰段の各々における前記第1の可変分路要素及び前記第2の可変分路要素の各々がトランジスタを含む、請求項16に記載の減衰回路。
【請求項21】
前記複数の減衰段の各々における前記第1の可変分路要素及び前記第2の可変分路要素のうちの少なくとも1つが、直列に接続された複数のトランジスタを含む、請求項20に記載の減衰回路。
【請求項22】
前記複数の減衰段の各々が、当該減衰回路の減衰を様々なレベルに変えるために、完全オン状態及び完全オフ状態のうちの一方の状態において独立に選択可能に動作することができる、請求項16に記載の減衰回路。
【請求項23】
前記複数の減衰段の各々減衰レベルが、前記の制御信号端子に入力される前記制御信号のみによって制御可能となっている、請求項16に記載の減衰回路。
【請求項24】
前記入力端子における前記インピーダンスレベルの前記動作可能な範囲が、公称インピーダンスレベルで少なくとも10dBのリターンロスを呈するインピーダンスの範囲を含む、請求項16に記載の減衰回路。
【請求項25】
減衰させるべき無線周波数信号の周波数が少なくとも100MHzの周波数を有する、請求項16に記載の減衰回路。
【請求項26】
前記制御信号が、前記第1の可変分路要素の前記トランジスタ及び前記第2の可変分路要素の前記トランジスタの各々のゲートに対する入力として接続されている、請求項20に記載の減衰回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【公開番号】特開2008−48455(P2008−48455A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−271507(P2007−271507)
【出願日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【分割の表示】特願2003−561036(P2003−561036)の分割
【原出願日】平成15年1月6日(2003.1.6)
【出願人】(398012616)ノキア コーポレイション (1,359)
【Fターム(参考)】