説明

減衰装置

【課題】減衰装置に関し、振動エネルギーによる発熱を抑制し、駆動エネルギーを省エネとする。
【解決手段】振動エネルギーによって構造物に生じる層間変位を、ネジ機構部により回転運動に変換し、且つ、摩擦減衰を発生させるネジ減衰部4と、当該回転運動によって回転される内筒とその外側を囲繞して前記内筒を回転自在に支持する外筒との間に充填された粘性体の抵抗によりエネルギーを減衰させる粘性減衰部8とでなる減衰装置1において、前記ネジ機構部における発熱部の近傍に冷却装置9の流路の一部を設けると共に、前記往復運動部の往復運動を冷媒液用ポンプの駆動源にして前記冷却装置の冷媒液9bが一方向に流出されて循環され、前記冷却装置の流路における、ネジ機構部と冷媒液用ポンプとの流路との間に、冷媒液を貯留するとともにポンプの流量変動及び内部圧力を逃す圧力弁を有したタンクが設けられている減衰装置1とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、地震等の振動エネルギーによって生じる構造物の慣性エネルギーは構造物上下層の層間によって相違して、層間変位となって現れる。その構造物の上下層における層間変位を利用して当該構造物に設けられた取付部材を介して相対往復運動とし、その相対往復運動をネジ機構により回転運動に変換、且つ、ネジ摩擦によるネジ減衰部と、粘性減衰部とにより吸収して減衰するもので、前記ネジ機構部の発熱を抑制するようにした減衰装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、地震等における振動エネルギーを減衰させる減衰装置として、上記のように往復直線運動を回転運動に変換する運動エネルギー変換部のある従来例1と従来例2とが知られている(特許文献1、2参照)。
【0003】
従来例1の減衰装置は、回転運動変換手段に、粘性減衰手段の減衰能力が低下しないように、減衰量の一部を負担させたものである。また、前記従来例2は、減衰により発生する熱エネルギーを放熱させる冷却手段を設けたものである。
【特許文献1】特開2004−84845号公報
【特許文献2】特開2006−17251号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来例1の減衰装置では、回転運動変換部におけるネジ部において、摩擦熱の発生により、ネジ部の膨張等により焼き付きが課題となる。また、従来例2においては、冷却手段を機能させるために、駆動部、制御部に外部エネルギーを要すること、冷却装置の設置場所、また、冷却手段の維持管理に多大な費用を要する等の課題がある。本発明に係る減衰装置は、このような課題を解決するために提案されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る減衰装置の上記課題を解決して目的を達成するための要旨は、振動エネルギーによって構造物に生じる層間変位を、当該構造物に設けられた取付部材を介して往復運動部の相対往復運動とし、その相対往復運動をネジ機構部により回転運動に変換し、且つ、摩擦減衰を発生させるネジ減衰部と、当該回転運動によって回転される内筒とその外側を囲繞して前記内筒を回転自在に支持する外筒との間に充填された粘性体の抵抗によりエネルギーを減衰させる粘性減衰部とでなる減衰装置において、前記ネジ機構部における発熱部の近傍に冷却装置の一部を設けると共に、前記冷却装置の一部を前記往復運動部に設け、前記往復運動部の往復運動を冷媒液用ポンプの駆動源にして前記冷却装置の冷媒液が一方向に流出されて配管により循環され、前記冷却装置におけるネジ機構部と、冷媒液用ポンプの配管との間に、冷媒液を貯留するとともにポンプの流量変動及び内部圧力を逃す圧力弁を有したタンクが設けられていることである。
【0006】
前記ネジ機構部からタンクに至るまでの配管が外部に露出され、その外部露出部分の配管には、複数枚の放熱板が固着され若しくは着脱自在にされて設けられていること、;
前記ネジ減衰部の筐体と、粘性減衰部の筐体とが間隙を有して分離され、ネジ減衰部におけるネジ機構部の回転するネジ軸が、粘性減衰部の内筒に連結されていること、;
前記往復運動部における往復直線運動する棒状の往復体にピストン部が形成され、そのピストン部の前後方向の両側に冷媒液用の流路が配設され、この流路の流入側と流出側とに設けられた逆止弁により、冷媒液が一方向に流れて循環すること、;
を含むものである。
【0007】
また、減衰装置の要旨は、振動エネルギーによって構造物に生じる層間変位を、取付部材を介して往復運動部の相対往復運動として、その相対往復運動をネジ機構部により回転運動に変換し、且つ、摩擦減衰を発生させるネジ減衰部と、当該回転運動によって回転される内筒とその外側を囲繞して前記内筒を回転自在に支持する外筒との間に充填された粘性体の抵抗によりエネルギーを減衰させる粘性減衰部とでなる減衰装置において、前記ネジ機構部における発熱部の近傍に冷却装置の流路の一部を設けると共に、ネジ減衰部に冷媒液を貯留するタンクを設け、前記ネジ機構部の近傍に配設された流路と、前記タンクとが少なくとも上下位置の2箇所で連結用流路若しくは連結用配管で連結され、これらの中を冷媒液がその温度差により自然循環することである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の減衰装置によれば、冷却装置において、往復運動部の往復運動を冷媒液用ポンプの駆動源にして、冷媒液が一方向に流出されて配管により循環されるので、別に冷媒液循環用の駆動源を必要とせず、地震等のエネルギーを活用することができる。
また、冷却装置の冷媒液は振動などにより自動的に循環するので、地震を検知して冷媒液の循環を起動させるような起動装置が不要である。よって、冷却装置全体が簡易でコンパクトな装置になる。
【0009】
このほか、タンクを設けることで、冷却装置全体に循環させるために必要な冷媒液を確実に確保することができるとともに、その必要量の調整が容易となる。なお、タンクには若干の空間を設けて冷媒液を充填することにより、相対往復運動部における往復時の冷媒液の流量差を吸収可能となる。また、タンクを設けることにより吸収した熱を一時蓄積可能となり、熱放散の効果が期待できる。
【0010】
配管に設けた複数枚の放熱板により、放熱量が増大して冷媒装置の冷却能力が向上する。
ネジ減衰部の筐体と、粘性減衰部の筐体とが間隙を有して分離されているので、筐体を通してネジ機構部の熱が伝達しないようになり、粘性減衰部の内筒を支持するベアリングの負荷が軽減されて、製品寿命が向上する。
往復運動部における往復直線運動する棒状の往復体にピストン部が形成され、そのピストン部の前後方向の両側に冷媒液用の配管が配設され、この配管の流入側と流出側とに設けられた逆止弁により、冷媒液が一方向に流れて循環するように構成されているので、冷媒液が間欠することなく、連続して流出するようになる。よって、発熱部の冷却能力が向上する。
【0011】
更に、ネジ機構部における発熱部の近傍に冷却装置の一部を設けると共に、ネジ減衰部にタンクを設け、前記ネジ減衰部におけるネジ機構部の近傍に配設された流路と、前記タンクとが連結用流路若しくは連結用配管で直接的に連結され、これらの中を冷媒液がその温度差により自然循環することにより、冷媒液循環用の特別な駆動源が不要となり、減衰装置全体の構成が簡易となって取り扱いが容易となり、且つ、コンパクトで軽量小型化され、製造コストの低減となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明に係る減衰装置の第1実施例は、図1に示すように、例えば、地震等の振動エネルギーによる構造物の層間変位に伴う、減衰装置の往復運動部における往復体2の相対的な往復直線運動をネジ機構部3を介して回転運動に変換するネジ減衰部4と、当該回転運動によって回転される内筒5とその外側を囲繞して前記内筒5を回転自在に支持する外筒6との間に充填された粘性体7の抵抗によりエネルギーを減衰させる粘性減衰部8とでなる減衰装置1において、前記ネジ機構部3における発熱部の近傍に冷却装置9の一部を設けると共に、前記冷却装置9の一部を前記往復運動部に設け、前記往復運動部2の往復運動を冷媒液用ポンプ9aの駆動源にして前記冷却装置9の冷媒液9bが一方向に流出されて配管10により循環される減衰装置1である。
【0013】
前記ネジ機構部3における発熱部は、前記往復運動部である往復体2の一部外周面に刻設された雄ネジ溝と、この雄ネジ溝に螺合するようにナット11の内周壁面に刻設された雌ネジ溝との摺接部分である。図2に示すように、前記往復体2の図において右側にピストンロッド12が軸方向に遊び無く若しくは回転方向に自在に連結して設けられ、図において左側端部には前記内筒5にボルト13で連結する円盤状の鍔部2aが形成されている。
【0014】
前記ナット11を固定して支持するのは、ネジ減衰部4の筒体4aであり、冷却装置9の冷媒液9bを貯留する圧力弁4eを有した円筒状のタンク4bが形成されている。また、前記ナット11には、冷却装置9の流路11a,11b,…が前記ネジ機構部3の近傍に配設され、前記筒体4aの内部に配設された流路4c,4d,…に連通するようにされている。前記流路11a,11b,…は、往復体2の軸心に沿って平行に配設され、周方向に均等配置で複数本設けられているものである。
【0015】
図2において、前記筒体4aの右側にはピストン駆動部14が形成されている。このピストン駆動部14は、前記ピストンロッド12の先端部が駆動筒体15のリンダー15a内に挿通されて、液漏れの無いようにパッキン付蓋(ヘッド)15bが設けられ、液密に封止されている。このパッキン付蓋(ヘッド)15bには、シリンダー15aと配管10とに連通する冷媒用の流路が設けられている。
【0016】
前記駆動筒体15のシリンダー15aには、その内部に、例えば、水溶液若しくは難燃性油等の冷媒液9bが満たされ、冷媒液用ポンプ9aの右側の配管10a,10bと、左側の配管10c,10dとが配設されている。
【0017】
前記配管10の配設の道順を説明することで冷却装置9の構成を説明する。前記駆動筒体15のシリンダー15aに連通される配管10aは、逆止弁16付三方継手17に接続されている。この配管10aは、専ら外部からシリンダー15aへと冷媒液9bが流れる流路となる。同様に、配管10bは、シリンダー15aから外部へ冷媒液9bを流す流路となる。
【0018】
前記配管10a,10bに対して、ピストン部の反対側に配管10c,10dが配設されている。配管10cは、前記三方継手17の一端部が接続され、他端部がパッキン付蓋(ヘッド)15bを介してシリンダー15aに連通している。配管10dは、一端部がパッキン付蓋(ヘッド)15bを介してシリンダー15aに連通しており、他端部が逆止弁16付の三方継手18に接続されている。
【0019】
こうして、往復運動部における往復直線運動するピストンロッド12にピストン部が形成され、そのピストン部の前後方向の両側に冷媒液用の配管10a,10b,10c,10dが配設され、この配管の流入側と流出側とに設けられた逆止弁16により、冷媒液9bが一方向に流れて循環するものである。
【0020】
前記三方継手18に接続される外部の配管10は、その他端部がネジ減衰部4のナット11に連結されている。このナット11においては、冷媒液9bが、ネジ機構部3に至る流路を流れて、その外周面に回って、筒体4aの上部の流路4cを通り、配管10eの一端部に連通していて流入する。
【0021】
前記配管10eは、他端部が筒体4aの右側端部の、タンク4bの内部に連通する流路に接続される。そして、このタンク4bは、その右側端部の下部で、排出用の流路が設けられていて、そこに、配管10fの一端部が接続されている。この配管10fの他端部が、前記三方継手17に接続されていて、全体として、冷媒液9bが、循環するようになっている。これが冷却装置9の配管と流路の構成である。
【0022】
このような冷却装置9を有する減衰装置1により、地震等が発生した場合には、往復運動部における往復体2が、左右に往復直線運動をする。冷媒液用ポンプ9aにおいて、ピストンロッド12が左右に往復直線運動する。まず、ピストンが、右に動くと、シリンダー15a内の右側にある冷媒液9bが右側に押し出され、配管10bから逆止弁16を通過して配管10に流れる。一方、配管10aでは、逆止弁16により弁が働き冷媒液9bは流れない。
【0023】
前記冷媒液用ポンプ9aのピストンが右に移動したと同時に、シリンダー15a内の左側にある冷媒液9bが吸い込まれることになり、三方継手17の逆止弁16を介して配管10c及びパッキン付蓋(ヘッド)15bから冷媒液9bが供給され充填される。また、配管10dの冷媒液9bは、逆止弁16により流路が閉蓋されて流れない。
【0024】
前記冷媒液用ポンプ9aのピストンが左側に移動すると、今度は、シリンダー15aの左側の冷媒液9bが押し出されて、配管10dに冷媒液9bが流れて配管10に流出していき、配管10cの冷媒液9bは流れない。反対側の、配管10bでは冷媒液9bが流れず、配管10aは冷媒液9bが三方継手17から流入してシリンダー15aの右側に供給され充填される。このように、ピストン駆動部14においては、ピストンロッド12が往復直線運動するたびに、常に冷媒液9bが配管10fから配管10a若しくは配管10cに供給され、配管10b若しくは配管10dから三方継手18を介して配管10に流出される。
【0025】
前記冷媒液9bは、配管10からネット11の流路11a,11b,…に流入し、ネジ機構部3の熱を吸収する。これにより、ネジ機構部3が冷却される。その後、冷媒液9bは、前記ナット11の外周部に流れてそこから筒体4aの流路4c、更に、配管10eへと流れる。なお、流路4dは、その開口部が蓋20で閉蓋されており、冷媒液9bの排出時に開口させて利用される。
【0026】
前記配管10eは筒体4aの外部に出されているので、この部分で冷媒液9bが放熱して冷却される。その後、冷媒液9bは、タンク4bに至る。このタンク4bにおいて、冷媒液9bが貯留され、冷却装置9の全体に冷媒液9bが循環するために必要な量が確保される。
【0027】
前記タンク4bの下部に下向きに流れ出る流路があり、そこに配管10fの端部が接続されているので、冷媒液9bが、前記ピストンロッド12の往復直線運動の度に、三方継手17に供給され、前述の配管10a,10cに交互に流れて行く。
【0028】
このようにして、冷却用ポンプ9aが、地震等の振動によって別体の駆動源を必要としないで自然に駆動され、冷媒液9bがネジ機構部3を通ってこれを冷却し、更に、タンク4bで冷媒液9bの温度が冷却されて、そこから全体に冷媒液9bが循環されるようになっている。
【0029】
第2実施例に係る減衰装置は、前記ネジ機構部3における流路11a,11b,…を往復体2の軸心方向に各々別に平行にするのではなく、当該軸心回りに螺旋状にして、発熱部であるネジ機構部3に配設する例である(図示せず)。この場合、螺旋状の流路11a,11bは、配管で構成したり、若しくは、ナット11の内部周壁面に刻設する螺旋ネジにおけるネジ山の間隙で構成したりするものである。このようにすれば、ネジ機構部3の周方向において、摩擦で発生する熱を間欠的に放熱させるのではなく、周方向に連続的に放熱させてネジ機構部3の全体として均一に放熱させることができる。よって、放熱が効率的に行われ、冷却装置の性能が向上する。
【0030】
また、第3実施例に係る冷却装置は、図3に示すように、ネジ機構部3からタンク4bに至るまでの配管10eが外部に露出され、その外部露出部分の配管10eには、複数枚の放熱板19が固着され若しくは着脱自在にされて設けられている。これにより、冷媒液9bの温度調節が容易となる。
【0031】
第4実施例に係る冷却装置は、図4に示すように、冷却装置9の冷媒液9bを循環させる循環駆動手段を、その冷媒液9b自身の温度差による自然環流とするものである。即ち、前記ネジ機構部3で熱せられて温度が上昇した冷媒液9bが連結用流路若しくは連結用配管で上方に移動し、温度の低い冷媒液9bが、その分だけ連結用の配管10fを介してタンク4bの底部から補給される。上昇した冷媒液9bは、連結用の配管10eを通ってタンク4bの上部に流出する。こうして、タンク4bで上部の冷媒液9bよりも温度が下がった冷媒液9bがタンク4bの底部に溜まり、自然に循環することになる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明に係る減衰装置1の縦断面図である。
【図2】同本発明の減衰装置1の一部拡大縦断面図である。
【図3】第3実施例に係るネジ減衰部4とピストン駆動部14との縦断面図である。
【図4】第4実施例に係るネジ減衰部4の縦断面図である。
【符号の説明】
【0033】
1 減衰装置、
2 往復体、 2a 鍔部、
3 ネジ機構部、
4 ネジ減衰部、 4a 筒体、
4b タンク、 4c,4d 流路、
4e 圧力弁、
5 内筒、
6 外筒、
7 粘性体、
8 粘性減衰部、
9 冷却装置、 9a 冷媒液用ポンプ、
9b 冷媒液、
10 配管、 10a〜10f 配管、
11 ナット、 11a,11b 流路、
12 ピストンロッド、
13 ボルト、
14 ピストン駆動部、
15 駆動筒体、 15a シリンダー、
15b パッキン付蓋(ヘッド)、
16 逆止弁、
17,18 三方継手、
19 放熱板、
20 蓋。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動エネルギーによって構造物に生じる層間変位を、当該構造物に設けられた取付部材を介して往復運動部の相対往復運動とし、その相対往復運動をネジ機構部により回転運動に変換し、且つ、摩擦減衰を発生させるネジ減衰部と、当該回転運動によって回転される内筒とその外側を囲繞して前記内筒を回転自在に支持する外筒との間に充填された粘性体の抵抗によりエネルギーを減衰させる粘性減衰部とでなる減衰装置において、
前記ネジ機構部における発熱部の近傍に冷却装置の流路の一部を設けると共に、
前記往復運動部の往復運動を冷媒液用ポンプの駆動源にして前記冷却装置の冷媒液が一方向に流出されて循環され、
前記冷却装置の流路における、ネジ機構部と冷媒液用ポンプとの流路との間に、冷媒液を貯留するとともにポンプの流量変動及び内部圧力を逃す圧力弁を有したタンクが設けられていること、
を特徴とする減衰装置。
【請求項2】
ネジ機構部からタンクに至るまでの配管が外部に露出され、その外部露出部分の配管には、複数枚の放熱板が固着され若しくは着脱自在にされて設けられていること、
を特徴とする請求項1に記載の減衰装置。
【請求項3】
ネジ減衰部の筐体と、粘性減衰部の筐体とが間隙を有して分離され、ネジ減衰部におけるネジ機構部の回転するネジ軸が、粘性減衰部の内筒に連結されていること、
を特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載の減衰装置。
【請求項4】
往復運動部における往復直線運動する棒状の往復体にピストン部が形成され、そのピストン部の前後方向の両側に冷媒液用の流路が配設され、この流路の流入側と流出側とに設けられた逆止弁により、冷媒液が一方向に流れて循環すること、
を特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の減衰装置。
【請求項5】
振動エネルギーによって構造物に生じる層間変位を、取付部材を介して往復運動部の相対往復運動として、その相対往復運動をネジ機構部により回転運動に変換し、且つ、摩擦減衰を発生させるネジ減衰部と、当該回転運動によって回転される内筒とその外側を囲繞して前記内筒を回転自在に支持する外筒との間に充填された粘性体の抵抗によりエネルギーを減衰させる粘性減衰部とでなる減衰装置において、
前記ネジ機構部における発熱部の近傍に冷却装置の流路の一部を設けると共に、ネジ減衰部に冷媒液を貯留するタンクを設け、
前記ネジ機構部の近傍に配設された流路と、前記タンクとが少なくとも上下位置の2箇所で連結用流路若しくは連結用配管で連結され、これらの中を冷媒液がその温度差により自然循環すること、
を特徴とする減衰装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−138826(P2008−138826A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−327977(P2006−327977)
【出願日】平成18年12月5日(2006.12.5)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成16年度科学技術振興機構委託開発、産業再生法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000175582)三協オイルレス工業株式会社 (32)
【Fターム(参考)】