説明

減衰部構造

【課題】 従前通りの調整方法で、設定した通りの減衰特性の表出を具現化できるようにする。
【解決手段】 緩衝器本体SAからの作動油がリザーバAに向けて通過する際に所定の減衰力を発生する減衰バルブ10と、この減衰バルブを背面から附勢して減衰バルブ10におけるクラッキング圧を高低する附勢バネSと、この附勢バネの後方側に配設されて外部からの回動操作で附勢バネSの全長を変更させるアジャスタ20とを有すると共に、アジャスタ20の先端に後端が当接されてアジャスタ20の回動操作時にアジャスタ20の進退に同期して進退するプッシュロッド30を有し、このプッシュロッド30の先端が附勢バネSの基端に当接されると共に、附勢バネSの先端が減衰バルブ10の背面に当接されてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、減衰部構造に関し、特に、緩衝器本体とリザーバとを連通する流路中に配設されて緩衝器本体からの作動油がリザーバに向けて通過する際に所定の減衰力を発生する減衰部構造の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、二輪車用のフロントフォークやリアクッションユニットにあって、緩衝器本体とリザーバとを連通する流路中に配設されて緩衝器本体からの作動油がリザーバに向けて通過する際に所定の減衰力を発生する減衰部構造としては、従来から種々の提案があるが、その中で、たとえば、特許文献1には、緩衝器本体とリザーバとを連通する流路中に配設されて緩衝器本体からの作動油がリザーバに向けて通過する際に所定の減衰力を発生する減衰バルブにおけるクラッキング圧の高低を調整可能にする提案が開示されている。
【0003】
すなわち、この特許文献1に開示の提案にあっては、操作ダイアルたるアジャスタに対する外部からの回動操作で減衰バルブの背後側に配設の附勢バネにおける全長を変更してバネ力を変え、減衰バルブにおけるクラッキング圧を高低し得るとしている。
【0004】
このとき、アジャスタは、原理的には、緩衝器本体とリザーバとを連通する流路を形成するバルブハウジングに回動操作可能に保持されてなるとするが、その一方で、減衰バルブを離着座させるバルブシート部材を保持しながら附勢バネを介装させるセンターロッドを螺装させるとしている。
【0005】
それゆえ、この特許文献1に開示の提案によれば、アジャスタを回動操作してセンターロッドをいわゆる引寄せるようにすることで、減衰バルブの背面に当接される附勢バネの先端を後退させて附勢バネの全長を短くし、減衰バルブにおけるクラッキング圧を高くし得ることになり、たとえば、緩衝器本体が自動二輪車の後輪側に懸架されるとき、自動二輪車のライダーによる手動操作で発生減衰力の高低調整を任意に実現できることになる。
【特許文献1】登録実用新案第3007806号公報(要約、明細書中の段落0040から同0045、同0048、図1参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記した特許文献1に開示の提案にあっては、発生減衰力の高低調整を可能にし得る点で基本的に問題がある訳ではないが、この減衰部構造が利用される実際を勘案すると、些か不具合があると指摘される危惧がある。
【0007】
すなわち、上記した特許文献1に開示の提案にあっては、バネ力を調整することによる減衰バルブにおける減衰特性が意図する特性と異なることになる危惧がある。
【0008】
と言うのも、上記した特許文献1に開示の提案では、アジャスタの回動で減衰バルブや附勢バネを介装させるセンターロッドを引き寄せ、これによって、附勢バネの先端をアジャスタに近づかせるように後退させてバネ力を強くするとしている。
【0009】
それゆえ、アジャスタの回動を停止すると、附勢バネのバネ力によってアジャスタ周りの螺合部におけるいわゆるガタが解消される、すなわち、僅かではあろうが、センターロッドが言わば復帰する方向に前進することになり、その分、附勢バネにおけるバネ力が弱くなる方向に変更されることになる。
【0010】
そして、減衰バルブに油圧が作用して減衰バルブが作動を開始するときには、上記のガタがある分、減衰バルブが作動しない領域、すなわち、不感帯があることになり、設定した特性と異なる減衰特性が表出されることになる。
【0011】
この発明は、このような現状を鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、従前通りの調整方法によるとしても、設定した通りの減衰特性の表出を具現化でき、その汎用性の向上を期待するのに最適となる減衰部構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記した目的を達成するために、この発明による減衰部構造の構成を、基本的には、緩衝器本体とリザーバとを連通する流路中に配設されて緩衝器本体からの作動油がリザーバに向けて通過する際に所定の減衰力を発生する減衰バルブと、この減衰バルブを背面から附勢しながら全長が変更されることで減衰バルブにおけるクラッキング圧を高低する附勢バネと、この附勢バネの後方側に配設されながら上記の流路を形成するバルブハウジングに保持されて外部からの回動操作で附勢バネの全長を変更させるアジャスタとを有してなる減衰部構造において、アジャスタの先端に後端が当接されてアジャスタの回動操作時にアジャスタの進退に同期して進退するプッシュロッドを有し、このプッシュロッドの先端が附勢バネの基端に当接されると共に、附勢バネの先端が減衰バルブの背面に当接されてなるとする。
【発明の効果】
【0013】
それゆえ、この発明にあっては、その回動操作で減衰バルブを背面から附勢する附勢バネの先端位置を前後に変更可能にするアジャスタがその先端に後端が当接されてアジャスタの回動操作時にアジャスタの進退に同期して進退するプッシュロッドを有し、このプッシュロッドの先端が附勢バネの基端に当接されると共に、附勢バネの先端が減衰バルブの背面に当接されてなるとするから、アジャスタを回動操作してプッシュロッドを前進させ、附勢バネの後端を減衰バルブ側に前進させて附勢バネの全長を短くし、減衰バルブにおけるクラッキング圧を高くし得ることになる。
【0014】
このとき、アジャスタ周りの螺合部におけるいわゆるガタは、元々、附勢バネのバネ力によって解消されている状態にあり、したがって、アジャスタの回動が停止されても、附勢バネのバネ力によってアジャスタ周りの螺合部におけるガタが解消されるような事態が発現されないことになる。
【0015】
その結果、僅かではあろうが、センターロッドが言わば復帰する方向に前進して、その分、附勢バネにおけるバネ力が弱くなる事態が発現されず、減衰バルブに油圧が作用して減衰バルブが作動を開始するときに、設定した通りの減衰特性の表出が可能とされることになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、図示した実施形態に基づいて、この発明を説明するが、この発明による減衰部構造は、図示するところでは、図1に示すように、緩衝器本体SAとリザーバたるアキュムレータAとを連通する流路(符示せず)中に具現化されるとしている。
【0017】
このとき、緩衝器本体SAは、たとえば、自動二輪車の後輪側の架装されるとするもので、上端側が自動二輪車の車体側に連結されると共に下端側が自動二輪車の後輪側に連結されるとし、後輪に入力される路面振動を吸収する油圧緩衝器として機能するとしている。
【0018】
そして、この緩衝器本体SAは、筒型に形成されていて、筒体からなるシリンダ体1内に摺動可能に収装のピストン体2でシリンダ体1内に上方油室R1と下方油室R2とを画成してなり、この上方油室R1と下方油室R2とがピストン体2に配設の減衰バルブ2a,2bを介して相互に連通可能とされてなるとしている。
【0019】
ちなみに、この緩衝器本体SAにあっては、ピストン体2に基端が連設されるロッド体3の上端側たる先端側がシリンダ体1外に突出していて、この緩衝器本体SAの自動二輪車の車体側への連結を可能にするとしている。
【0020】
それゆえ、この緩衝器本体SAにあっては、後述するリザーバたるアキュムレータAの存在を無視すると、シリンダ体1内からロッド体3が突出することになる伸長作動時に上方油室R1からの作動油が減衰バルブ2aを介して下方油室R2に流出することになり、このとき、減衰バルブ2aによって、所定の減衰力が発生されることになる。
【0021】
そして、シリンダ体1内にロッド体3が没入することになる収縮作動時に下方油室R2からの作動油が減衰バルブ2bを介して上方油室R1に流入することになり、このとき、減衰バルブ2bによって、所定の減衰力が発生されることになる。
【0022】
一方、リザーバたるアキュムレータAは、緩衝器本体SAの下方油室R2に連通する油室Rと、この油室Rと気液分離状態に隔設されるガス室Gとを有してなり、ガス室Gにおけるガス圧で緩衝器本体SAにおけるシリンダ体1内の油圧を保障するとしている。
【0023】
それゆえ、このアキュムレータAにあっては、緩衝器本体SAの伸長作動時に下方油室R2で不足することになるロッド体積分に相当する量の作動油を下方油室R2に補給し、緩衝器本体SAの収縮作動時に下方油室R2で余剰となるロッド体積分に相当する量の作動油を油室Rに流入させることになる。
【0024】
上記したところに対して、この発明による減衰部構造は、上記した流路を形成するバルブハウジングH内に配設されてなるとするもので、減衰バルブ10と、附勢バネSと、アジャスタ20とを有し、さらには、プッシュロッド30を有してなるとしている。
【0025】
ちなみに、バルブハウジングHには、上記した流路を構成する連通孔H1,H2が開穿されていて、連通孔H1を介してこのバルブハウジングH内が外部の緩衝器本体SAに連通し、また、連通孔H2を介してこのバルブハウジングH内が外部のアキュムレータAに連通するとしている。
【0026】
減衰バルブ10は、緩衝器本体SAからの作動油がアキュムレータAに向けて通過する際に所定の減衰力を発生するもので、その限りには、任意の構成とされて良いが、図示するところでは、環状リーフバルブからなりながら径の異なる複数枚が積層される積層バルブ構造に形成されてなるとし、個々の環状リーフバルブバルブの径が選択されたり、環状リーフバルブバルブの積層される枚数が選択されたりすることで、発生減衰力の高低を変更し得るとしている。
【0027】
そして、この減衰バルブ10は、図示するところでは、センターロッド11に介装された隔壁体たるバルブシート部材12に離着座可能に、すなわち、内周端固定で外周端自由の態様に配設されてなるとしている。
【0028】
このとき、減衰バルブ10は、バルブシート部材12に開穿された言わば圧側ポート12aのアキュムレータA側となる下流側の開口端を開閉可能に閉塞するとしており、このバルブシート部材12にあって、圧側ポート12aに並行するように開穿された言わば伸側ポート12bの緩衝器本体SA側となる下流側の開口端は、一枚の環状リーフバルブからなるチェックバルブ13で開閉可能に閉塞されるとしている。
【0029】
それゆえ、この減衰バルブ10およびチェックバルブ13にあっては、緩衝器本体SAの下方油室R2からの作動油がアキュムレータA向けて流れるのをチェックバルブ13が阻止しながら減衰バルブ10がこれを許容することになり、減衰バルブ10によって所定の減衰力の発生が可能とされることになり、逆に、アキュムレータAからの作動油が緩衝器本体SAに向かって流れるのを減衰バルブ10が阻止しながらチェックバルブ13がこれを許容することになる。
【0030】
ところで、バルブシート部材12を介装させるセンターロッド11についてだが、この発明にあっては、バルブハウジングHに一体的に連結されてなるとしている。
【0031】
すなわち、図示するセンターロッド11にあっては、図中で右側部とされて後述するプッシュロッド30を保持する基端部11aの外周にフランジ11bを有していて、このフランジ11bがアジャスタ20を軸芯部に螺装させるアジャスタ保持部材として機能するリングナット14のバルブハウジングHへの螺着によってバルブハウジングHとの間に挟持される状態になり、バルブハウジングHに一体的に連結されるとしている。
【0032】
ちなみに、図2に示すところでは、センターロッド11における基端部11aの外周がリングナット14におけるアジャスタ20の螺合部に螺着され、リングナット14にセンターロッド11やアジャスタ20などのバルブ構成部品が組み付けられるために、バルブハウジングHへの組み付け作業性が向上されることになる。
【0033】
以上のように、この発明にあっては、センターロッド11がバルブハウジングHに一体的に連結されてバルブハウジングH内で移動しないとするから、このセンターロッド11に介装されるバルブシート部材12の外周が接触するバルブハウジングHにおけるいわゆる内周を摺動面仕上げする必要が無くなり、加工上で有利になると共に、バルブシート部材12の外周に介装されるシール部材12cを固定シールとし得る点で有利となる。
【0034】
附勢バネSは、減衰バルブ10を背面から附勢してこの減衰バルブ10におけるクラッキング圧を設定するもので、図示するところでは、コイルスプリングからなり、図中で左端となる先端がバネシートS1の配設下に減衰バルブ10の背面に当接されるとしている。
【0035】
そして、この附勢バネSにあっては、図中で左端となる後端が環状に形成のバネシートS2の配設下に後述するプッシュロッド30に当接されてなるとしている。
【0036】
それゆえ、この附勢バネSにあっては、後述するプッシュロッド30からの推力でその後端が減衰バルブ10に向かって押し進められることになると、その全長が短くなる傾向になり、その分バネ力を強くし、減衰バルブ10におけるクラッキング圧を高くし得ることになる。
【0037】
アジャスタ20は、附勢バネSの後方側に配設されながら上記の流路を形成するバルブハウジングHに回動操作可能に保持されて外部からの回動操作で附勢バネSの全長を変更させるとしている。
【0038】
すなわち、アジャスタ20は、前記したアジャスタ保持部材としてのリングナット14の軸芯部に螺装されてなるとするもので、リングナット14の後端から外部に突出する操作端部20aに対してリングナット14内に臨在される内側端部20bがリングナット14の内周に螺合するとしている。
【0039】
それゆえ、このアジャスタ20にあっては、操作端部20aが回動操作されることで、リングナット14の軸芯部にあって図中で左右方向となる前記したセンターロッド11の軸線方向に移動し得ることになる。
【0040】
それゆえ、このアジャスタ20にあっては、後述するプッシュロッド30に推力を作用し得るのはもちろんであるが、その回動操作による進退量、すなわち、バルブハウジングHたるリングナット14に対する出没量を外部から視認し得ることになる。
【0041】
その結果、たとえば、前記した特許文献1に開示されている減衰部構造にあっては、アジャスタが同じ位置で回動するのみとされるから、アジャスタ20の操作量を視認できない、すなわち、附勢バネSにおけるバネ力の変更具合を視認できないことに比較して、この発明による場合には、操作量が一目瞭然となる点で有利となる。
【0042】
プッシュロッド30は、上記したアジャスタ20からの推力を受けて、これを附勢バネSに作用するものであって、図示するところでは、前記したセンターロッド11における基端部11aに摺動可能に、すなわち、センターロッド11の軸線方向たる附勢バネSの伸縮方向に移動可能に保持されてなるとしている。
【0043】
そして、このプッシュロッド30は、図中で左端となる先端が前記したバネシートS2を介して附勢バネSの図中で右端となる基端に当接されるとしており、この状態下に附勢バネSの図中で左端となる先端が減衰バルブ10の背面に同じくバネシートS1を介して当接されてなるとしている。
【0044】
それゆえ、このプッシュロッド30にあっては、アジャスタ20がリングナット14に没入されるようになるとき、附勢バネSの基端を減衰バルブ10の背面側に向けて押し進めるようになり、逆に、アジャスタ20がリングナット14から抜き出されるようになるとき、附勢バネSの基端をアジャスタ20に向けて後退させるようになる。
【0045】
このとき、特に、アジャスタ20がリングナット14に没入されるとき、附勢バネSのバネ力は、プッシュロッド30を介してアジャスタ20に言わば常時作用していることになるから、アジャスタ20とリングナット14との間における螺条部に発現されるいわゆるガタは、これが解消されていることになり、したがって、附勢バネSにおける全長を短くした以降にも、減衰バルブ10の作動時におけるガタの出現によるいわゆる不感帯が表出されないことになる。
【0046】
その結果、この発明にあっては、アジャスタ20を回動操作すると言う従前通りの調整方法によるとしても、いわゆるネジ部におけるガタ発生のために、設定した特性と異なる減衰特性が表出される事態が招来されなくなり、設定した通りの減衰特性の表出を具現化できることになる。
【0047】
図2に示すところは、この発明の他の実施形態を示すもので、この実施形態にあっても、上記したように、減衰バルブ10の作動時におけるガタの出現によるいわゆる不感帯が表出されないのはもちろんである。
【0048】
ちなみに、この図2に示すところにあって、その構成が前記した図1に示すところと同様となるところについては、図中に同一の符号を付するのみとして、要する場合を除き、その詳しい説明を省略する。
【0049】
その一方で、この図2に示す実施形態では、前記したように、センターロッド11における基端部11aの外周がリングナット14に螺着され、このリングナット14がバルブハウジングHに螺着されることで、センターロッド11がバルブハウジングHに一体的に連結されてなるとするが、この実施形態による場合には、いわゆるアッセンブリ化が可能になる点で有利となる。
【0050】
すなわち、この実施形態にあっては、バルブシート部材12はもちろんのこと、減衰バルブ10および附勢バネSを介装させた状態のセンターロッド11をリングナット14に螺着することで、いわゆるアッセンブリ化されることになる。
【0051】
それゆえ、この実施形態の場合には、いわゆる組付時にリングナット14をバルブハウジングHに螺着する操作で足りて組付けが容易になると共に、いわゆる分解時にバルブハウジングHからリングナット14を取り外す操作で一連の部品を一括した状態で取り出せることになる。
【0052】
ちなみに、この実施形態の場合に、アジャスタ20は、リングナット14をバルブハウジングHに螺着する前にあらかじめリングナット14に螺着されることになるのはもちろんである。
【0053】
前記したところでは、センターロッド11の基端部11aに保持されるプッシュロッド30は、一本とされているが、これに代えて、図示しないが、複数本とされるとしても良いことはもちろんであり、プッシュロッド30が複数本とされる場合には、附勢バネSの後端に作用する推力を周方向に均等に作用させ得る点で有利になる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】この発明による減衰部構造の一実施形態を示す縦断面図である。
【図2】この発明による減衰部構造の他の実施形態を図1と同様にして示す半截縦断面図である。
【符号の説明】
【0055】
A リザーバたるアキュムレータ
H バルブハウジング
S 附勢バネ
SA 緩衝器本体
10 減衰バルブ
11 センターロッド
12 バルブシート部材
14 リングナット
20 アジャスタ
30 プッシュロッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
緩衝器本体とリザーバとを連通する流路中に配設されて緩衝器本体からの作動油がリザーバに向けて通過する際に所定の減衰力を発生する減衰バルブと、この減衰バルブを背面から附勢しながら全長が変更されることで減衰バルブにおけるクラッキング圧を高低する附勢バネと、この附勢バネの後方側に配設されながら上記の流路を形成するバルブハウジングに保持されて外部からの回動操作で附勢バネの全長を変更させるアジャスタとを有してなる減衰部構造において、アジャスタの先端に後端が当接されてアジャスタの回動操作時にアジャスタの進退に同期して進退するプッシュロッドを有し、このプッシュロッドの先端が附勢バネの基端に当接されると共に、附勢バネの先端が減衰バルブの背面に当接されてなることを特徴とする減衰部構造。
【請求項2】
減衰バルブを離着座させるバルブシート部材を保持しながら附勢バネを介装させるセンターロッドがバルブハウジングとこのバルブハウジングに螺着されながら軸芯部にアジャスタを螺装させるリングナットとに挟持されてなる請求項1に記載の減衰部構造。
【請求項3】
減衰バルブを離着座させるバルブシート部材を保持しながら附勢バネを介装させるセンターロッドがバルブハウジングに螺着されながら軸芯部にアジャスタを螺装させるリングナットに螺着されてなる請求項1に記載の減衰部構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2009−14090(P2009−14090A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−175799(P2007−175799)
【出願日】平成19年7月4日(2007.7.4)
【出願人】(000000929)カヤバ工業株式会社 (2,151)
【Fターム(参考)】