減速機構、ミラー装置、およびホログラム再生装置
【課題】高い位置決め精度を有するとともに、小型化および薄型化を図った減速機構を得る。
【解決手段】駆動体17と、モータ13の回転運動を直線運動に変換し、駆動体17を直線的に移動させるリードスクリュ14およびナット16と、回転軸22aを中心に回転可能に支持されたミラーホルダ22とを備え、ミラーホルダ22は、少なくとも回転軸22aに垂直な方向に力を作用させることにより軸を中心とした回転がなされる傾斜面22cを有し、傾斜面22cは、駆動体17と当接するとともに、駆動体17の移動方向を示す方向ベクトルに垂直な面に対して傾斜している。
【解決手段】駆動体17と、モータ13の回転運動を直線運動に変換し、駆動体17を直線的に移動させるリードスクリュ14およびナット16と、回転軸22aを中心に回転可能に支持されたミラーホルダ22とを備え、ミラーホルダ22は、少なくとも回転軸22aに垂直な方向に力を作用させることにより軸を中心とした回転がなされる傾斜面22cを有し、傾斜面22cは、駆動体17と当接するとともに、駆動体17の移動方向を示す方向ベクトルに垂直な面に対して傾斜している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
モータの回転を減速して出力する減速機構、ミラーの角度を制御するミラー装置、および記録媒体に記録されたホログラムを再生するホログラム再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ホログラフィーといったホログラムの製造技術を用いてデータを記録媒体に記録するとともに、当該記録したデータを再生するホログラム記録再生装置が知られている。
【0003】
このホログラム記録再生装置においては、ホログラムを記録する場合、まず、一つのレーザ光線から、変調された信号光と変調されていない参照光といった2つのレーザ光線を生成する。そして、この2つのレーザ光線を記録媒体の同一箇所に照射する。これにより、記録媒体上で上記信号光と上記参照光とが干渉する。その結果、記録媒体上の照射点に回折格子(つまりホログラム)が形成されることになる。
【0004】
また、ホログラム記録再生装置においては、記録媒体に対する参照光の入射角を変化させるながら信号光を照射することにより、記録媒体の同じ領域に複数の異なるデータを記録することができる。このような記録方式は、角度多重記録方式と呼ばれている。
【0005】
この角度多重記録方式を用いたホログラム記録再生装置においては、記録体媒体に対する参照光の入射角を変化させる機構が必要となる。この機構としては、回転角度を制御可能なミラーによって入射角を変化させることにより、記録媒体に対して所望の角度で参照光を入射させる構成が知られている。
【0006】
また、記録媒体に記録されたホログラムを再生する場合にも、上述したように参照光の入射角を変化させることにより、記録媒体の同じ領域に記録された複数の異なるデータを再生することができる。
【0007】
特許文献1には、カメラのミラーをカムを用いて回転させる構成が開示されている。
特許文献2には、カム面を形成したカム板等を備えた車両のサイドミラー駆動装置が開示されている。
【0008】
特許文献3には、ウォームホイールやカムギアを用いて出力軸の回転を光軸方向への並進運動に変換してレンズ保持体に伝達する伝達機構を備えた光学モジュールが開示されている。
【特許文献1】特開平5−11340号公報
【特許文献2】特開昭59−145640号公報
【特許文献3】特開2007−10779号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、モータを使用してミラーの回転角度を制御する場合、ミラーの位置決めの精度を上げるためには、モータから伝達された回転速度(回転数)を高い減速比を有する減速機構を用いて減速させ、当該減速後の速度でミラーを回転させる必要がある。
【0010】
ここで、ギア(歯車)のみを用いて高い減速比を得ようとすると、大型のギアが必要となる。このため、減速機構が大型化する。また、ギアの回転軸がミラーの回転軸と垂直になるようにギアを配置することにより減速機構の薄型化を図る場合には、カム等によって減速機構の要素部材の動作方向を変える必要がある。
【0011】
しかし、カムによる減速も利用する場合には、通常カム面を長くとる必要があるため、装置全体が大型化してしまう。
【0012】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、高い位置決め精度を有するとともに、小型化および薄型化を図った減速機構、当該減速機構を備えるミラー装置、および、当該ミラー装置を備えるホログラム再生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のある局面に従うと、減速機構は、駆動体と、モータの回転運動を直線運動に変換し、駆動体を直線的に移動させる変換部と、軸を中心に回転可能に支持された回転体とを備え、回転体は、少なくとも軸に垂直な方向に力を作用させることにより軸を中心とした回転がなされる第1面を有し、第1面は、駆動体と当接するとともに、駆動体の移動方向を示す方向ベクトルに垂直な面に対して傾斜している。
【0014】
また、回転体は、回転対象物を取り付ける取付領域を備えることが好ましい。
また、第1面は、軸に垂直な面に対して傾斜していることが好ましい。
【0015】
また、駆動体の移動方向と前記軸の方向とが平行であることが好ましい。
また、駆動体は、曲面形状の突部を有し、突部が第1面と接することが好ましい。
【0016】
また、軸に垂直な方向に力を作用させることにより生じる軸を中心とした回転の方向を第1回転方向とすると、第1回転方向と逆の第2回転方向に、回転体を付勢する付勢部材を備えることが好ましい。
【0017】
また、駆動体の移動をガイドするガイドシャフトを備え、変換部は、送りねじと、当該送りねじと噛み合うとともに当該送りねじの回転に伴い送りねじの配設方向に移動するナットとを含み、駆動体はナットと当接し、ガイドシャフトの配設方向と前記送りねじの配設方向とが平行であり、付勢部材がねじりコイルばねであることが好ましい。
【0018】
また、本発明の他の局面に従うと、ミラー装置は、上述した減速機構と、回転体に取り付けられたミラーと、モータとを備える。
【0019】
また、本発明のさらに他の局面に従うと、ホログラム再生装置は、上記のミラー装置と、ミラー装置のモータの回転を制御する制御装置とを備え、ミラー装置のミラーにより反射されたレーザ光線を用いて、記録媒体に記録されたホログラムを読み出す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明に係るホログラム再生装置について、図1から図25に基づいて説明すると以下の通りである。
【0021】
図1は、ホログラム再生装置1の概略を示した図である。
ホログラム再生装置1は、同図に示すとおり、ミラー装置2と、レーザ光源装置3と、撮像装置4と、制御装置5とを備えている。
【0022】
ミラー装置2は、ミラー11を備えている。レーザ光源装置3は、レーザダイオード3aとコリメートレンズ3bとを備えている。撮像装置4は、絞り4aと、対物レンズ4bと、撮像素子4cとを備えている。
【0023】
制御装置5は、ホログラム再生装置1の各種の動作を制御する。
レーザダイオード3aは、レーザ光線PAを出射する。コリメートレンズ3bは、レーザ光線PAを平行光にする。この平行光が、参照光Rとなる。この参照光Rは、ホログラム記録媒体6の基材(6a,6a)と記録層6bとを透過し、その後、ミラー11で反射される。ミラー11により反射された参照光Rは、ホログラム記録媒体6に照射される。
【0024】
データを記録済みのホログラム記録媒体6に参照光Rを照射することにより、基材(6a,6a)に挟まれた記録層6bに形成された回折格子から回折光(再生光)が発生する。
【0025】
この回折光は、データ記録時の信号光に重畳されたデータを含んでいるため、当該回折光を撮像装置4で受光することにより、当該データを再生することができる。具体的には、まず、絞り4aにより上記回折光から不要な光を除去する。その後、対物レンズ4bが、絞り4aを通過した回折光を集光し、撮像素子4cの撮像面に像をつくる。そして、撮像素子4cは、受光した信号に基づいて2次元パターン情報を再生する。なお、撮像素子4cには、CCD(Charge-coupled Device)エリアセンサや、CMOS(Complementary Metal-Oxide=Semiconductor)を採用したCMOSセンサ等を用いることができる。
【0026】
図2は、ミラー11の角度を変化させる前の状態と変化させた後の状態とを示した図である。
【0027】
同図に示すとおり、ミラー11を回転軸22a中心にして図の矢印の方向に回転させることにより、ホログラム記録媒体6に対する参照光Rの入射角を変化させることができる。このように入射角を制御することにより、ホログラム再生装置1は、ホログラム記録媒体6の同じ箇所に記録された複数のデータを読み取ることが可能となる。
【0028】
図3は、ミラー装置2の具体的な構成を示した斜視図である。また、図4は、ミラー装置2の具体的な構成を示した斜視図であって、図3とは異なる方向からミラー装置2を見た場合の斜視図である。
【0029】
ミラー装置2は、図3および図4に示すとおり、ミラー11の他に、ハウジング12と、モータ13と、リードスクリュウ(送りねじ)14と、ピボット15と、ナット16と、駆動体17と、ガイドシャフト18と、ガイドシャフト19と、コイルばね20と、ねじりコイルばね21と、ミラーホルダ(回転体)22とを備えている。
【0030】
ミラー11は、回転軸22aに対して平行に配されている。つまり、ミラー11は、表面の法線が回転軸22aと垂直となる位置に配されている。また、ミラー11の回転角度は、モータ13の回転に応じて制御される。
【0031】
ハウジング12は、ホログラム再生装置1の内部に固定されて取り付けられている。また、ハウジング12には、モータ13とリードスクリュウ14とピボット15とナット16と駆動体17とガイドシャフト18とガイドシャフト19とコイルばね20とが収容されている。さらに、詳細は後述するが、ハウジング12は、回転軸22aを介してミラーホルダ22と連結されている。
【0032】
モータ13は、ミラー11の駆動源である。モータ13は、ステッピングモータであって、パルス電力に同期して動作する。また、モータ13の回転軸には、リードスクリュウ14が直結されている。なお、モータ13の回転動作は、制御装置5により制御される。
【0033】
リードスクリュウ14は、送りねじである。また、リードスクリュ14は、モータ13の出力軸に直結されている。このような構成により、リードスクリュウ14は、モータ13の回転に伴い回転する。また、リードスクリュウ14には、ナット16が嵌合している。
【0034】
ピボット15は、モータ13とは反対側のリードスクリュウ14の端部を、リードスクリュウの回転が可能な状態に支持する。
【0035】
ナット16は、リードスクリュウ14が回転することにより、リードスクリュウ14の配設方向(つまり、リードスクリュにおけるねじ軸の方向(アキシアル方向))に移動する。例えば、モータが正回転した場合には、リードスクリュウ14も当該方向に回転し、ナット16はモータ13から離れる方向(以下、第1の方向)に移動する。一方、モータが逆回転した場合には、リードスクリュウ14も当該方向に回転し、ナット16はモータ13に近づく方向(以下、第2の方向)に移動する。
【0036】
駆動体17は、ナット16に当接している。そして、駆動体17は、ナット16の移動に従い、リードスクリュウ14の配設方向に移動する。これにより、駆動体17は、モータの回転方向に従って、上記第1の方向または第2の方向に移動する。つまり、駆動体17は、リードスクリュウ14の配設方向と平行な方向に移動する。
【0037】
なお、駆動体17の詳細については、後述する。また、以下では、駆動体17が上記第1の方向(図3および図4の矢印A方向)に移動する動作を前進と、に駆動体17が上記第2の方向(図3および図4の矢印B方向)に移動する動作を後進とも称する。
【0038】
ガイドシャフト18は、駆動体17の移動を案内するための軸である。また、ガイドシャフト19は、ガイドシャフト18に平行に配設された、駆動体17の移動を案内するための軸である。これらのガイドシャフト(18,19)により、駆動体17がスムーズに前進および後進を行うことができる。また、ガイドシャフト(18,19)およびナット16により、駆動体17は、第1の方向または第2の方向以外の方向に移動することが抑制されている。なお、ガイドシャフト(18,19)は、後述する軸受部において接着剤でハウジング12に固定される。
【0039】
コイルばね20は、駆動体17を上記第2の方向に付勢するための部材である。コイルばね20は、圧縮コイルばねである。また、コイルばね20は、コイル内部の空間にガイドシャフト18を通すこと、および、一方の端部を駆動体17の後述するコイルばね受部17dで支持するとともに他方の端部をハウジング12の後述するコイルばね受部12gで支持することよって、位置が固定されている。このような構成により、駆動体17のハウジング12内でのガタツキの発生を防止している。
【0040】
ねじりコイルばね21は、ミラーホルダ22を、図3および図4に示した矢印C方向に付勢するための部材である。
【0041】
ミラーホルダ22は、ミラーが表面に取り付けられている。また、ミラーホルダ22は、回転軸22aを中心に、所定の範囲内で回転可能となっている。この回転により、ミラーの角度を変更することができる。ミラーホルダの詳細については、後述する。
【0042】
また、図3および4において、部材番号2aは、ミラー装置2における減速機構を示しており、減速機構2aは、ミラー11とモータ13とを除いた、ミラー装置2の部材で構成されている。
【0043】
図5は、ミラー装置2の上面図である。図6は、図5におけるVI線矢視図である。図7は、図5におけるVII矢視図である。
【0044】
図5に示すようにナット16がリードスクリュウ14の中ほどにある場合には、ミラーホルダ22は、図6および図7に示すとおり、ハウジング12の底面に対して傾斜していない状態となる。なお、以下では、上記のようにナット16がリードスクリュウ14の中ほどにある場合であって、図6に示すとおりミラー11のハウジング12の底面に対する傾きがφである場合、当該ミラー11の位置をデフォルト位置として説明する。
【0045】
図8は、ミラー装置2を分解した分解図である。また、図9は、ミラー装置2を分解した分解図であって、図8とは異なる方向からミラー装置2を見た場合の分解図である。さらに、図10は、ミラー装置2の上面図であって、ガイドシャフト18付近の断面を示した上面図である。
【0046】
ハウジング12は、図8から図10に示すとおり、軸受部12aと、ピボットハウジング12bと、軸受部12cと、軸受部12dと、モータハウジング12eと、軸受部12fと、コイルばね受部12gと、ねじりコイルばね受部12h、軸受部12i(図示せず)とを備えている。
【0047】
軸受部12aは、ガイドシャフト18の一方の端部を支持する。軸受部12fは、ガイドシャフト18の他方の端部を支持する。これらの軸受部(12a,12f)とガイドシャフト18とを接着剤で接着することより、ガイドシャフト18がハウジング12内で支持されることになる。
【0048】
ピボットハウジング12bは、ピボット15を固定するための開口部である。ピボット15は、接着剤によりピボットハウジング12bに固定される。
【0049】
軸受部12cは、ガイドシャフト19の一方の端部を支持する。軸受部12dは、ガイドシャフト19の他方の端部を支持する。また、軸受部12dは、L字型をしている。これらの軸受部(12c,12d)とガイドシャフト19とを接着剤で接着することより、ガイドシャフト19がハウジング12内で支持されることになる。
【0050】
モータハウジング12eは、モータ13を固定するために設けられている。モータ13は、接着剤によりモータハウジング12eに固定される。コイルばね受部12gは、円柱状の開口部であって、コイルばね20の一方の端部を支持する。コイルばね受部12gの中心軸が、軸受部12aの中心軸と同じ位置になるように、コイルばね受部12gが形成されている。ねじりコイルばね受部12hは、ねじりコイルばね21の一方の腕を支持する。
【0051】
ナット16は、U字型の溝部16aと、開口部16bとを備えている。溝部16aは、ガイドシャフト19と当接する部位であって、ナット16が移動することによりガイドガイドシャフト19と摺動する部位である。この溝部16aにより、ナット16が、リードスクリュ14の回転軸周りに回転することを防止できる。開口部16bは、リードスクリュウ14を貫通させるための開口である。
【0052】
駆動体17は、突部17a(図示せず)と、軸受部17bと、軸受部17cと、コイルばね受部17dとを備えている。
【0053】
軸受部17bは、ガイドシャフト18を貫通させるための開口である。軸受部17cは、ガイドシャフト19と当接する部位であって、駆動体17が移動することによりガイドガイドシャフト19と摺動する部位である。コイルばね受部17dは、コイルばね20の他方の端部を支持する。突部17aについては後述する。
【0054】
図11は、ハウジング12とミラーホルダ22との接続関係を示した分解図である。
ハウジング12には、図11に示すとおり、上述した軸受部12iが設けられており、ミラーホルダ22の回転軸22aが貫通するとともに、当該回転軸22aを支持する。
【0055】
ミラーホルダ22は、上記の回転軸22aの他に、図11に示すとおり、ミラー取付部(取付領域)22bと、傾斜面22cと、軸受部22dと、軸受部22eと、ねじりコイルばね受部22fと、突出部22g(図9参照)とを備えている。
【0056】
また、ミラーホルダ22は、回転軸22aを中心に回転可能にハウジング12に支持されている。つまり、ミラーホルダ22は、ホログラム再生装置1に固定されたハウジング12に対して、回転可能となっている。
【0057】
回転軸22aは、ガイドシャフト18およびガイドシャフト19と平行に配されている。つまり、ミラーホルダ22においては、回転軸22aの方向が、駆動体17の移動方向(つまり、第1の方向および第2の方向)と平行となる。
【0058】
ミラー取付部22bは、ミラー11を取り付けるための部位であり、ミラーホルダ22の表面に設けられている。接着剤により、ミラー取付部22bにミラー11が取り付けられる。
【0059】
軸受部22dは、回転軸22aの一方の端部を支持する。軸受部22eは、回転軸22aの他方の端部を支持する。具体的には、回転軸22aが、接着剤によって軸受部22dと軸受部22eとに接着される。その結果、回転軸22aがミラーホルダに固定されることになる。
【0060】
ねじりコイルばね受部22fは、ねじりコイルばね21の他方の腕を支持する。つまり、ハウジング12のおねじりコイルばね受部12hが支持した腕とは別の方の腕を支持する。また、ねじりコイルばね受部22fは、回転軸22aに関して、駆動体17とは反対側の位置に設けられている。
【0061】
突出部22gは、ねじりコイルばね21の本体部(コイル部)を固定するための部材である。突出部22gは、円筒状をしており、当該円の中心と回転軸22a回転中心とが一致している。つまり、突出部22gの中心軸と、回転軸22aの中心軸とが一致している。
【0062】
このように、ねじりコイルばね21が、ねじりコイルばね受部22fと突出部22gとハウジング12のねじりコイルばね受部12hとで支持されることにより、上述したように、ミラーホルダ22を図3および図4に示した矢印C方向に付勢することができる。
【0063】
以下では、ミラーホルダ22を矢印C方向に回転させようとする、ねじるコイルばね21による回転力を、C方向回転力と称する。また、本実施の形態では、図3および図4の状態のみならず、後述する図20から図25の状態においても、ねじりコイルばね21が、ミラーホルダ22を矢印C方向に回転させようとするC方向回転力を有しているものとして説明する。つまり、ミラーホルダ22の回転範囲内においては、ねじるコイルばね21によって、ミラーホルダ22は回転軸22a周りのモーメントを受けている。
【0064】
なお、ミラーホルダ22の傾斜面22cについては、後述する。
図12は、駆動体17を示した図である。ここで、図12(a)は、駆動体17の上面図である。また、図12(b)は、駆動体17の側面図であるとともに、図12(a)のXIIB線矢視図である。また、図12(c)は、駆動体17の他の側面を示した側面図であるとともに、図12(a)のXIIC線矢視図である。
【0065】
駆動体17は、図12(b)および図12(c)に示すとおり、突部17aを備えている。この突部17aは、半球の形状をしている。また、突部17aは、駆動体17の端部において、傾斜面22c側(鉛直下向き)に設けられている。
【0066】
図13は、図5におけるXIII−XIII線矢視断面図である。
ここで、図13に基づき傾斜面22cについて説明する。傾斜面22cは、上記のように矢印C方向に回転させる力が働いている場合に、同図に示すとおり、駆動体17の突部17aの表面と当接する位置に設けられた平面である。また、傾斜面22cは回転軸22aに垂直な面ではないため、傾斜面22cに対して少なくとも回転軸22aに垂直な方向に上記C方向回転力に勝る力が作用すれば、ミラーホルダ22は同図のD方向に回転することになる。
【0067】
また、傾斜面22cは、駆動体17の移動方向である上記第1の方向および上記第2の方向に対して傾斜している面である。つまり、傾斜面22cは、駆動体17の移動方向を示すベクトルと垂直な面に対して傾斜している面である。さらに言い換えれば、傾斜面22cは、同図における回転軸22aに垂直な平面S(仮想平面)に対して傾斜している面である。また、傾斜面22cは、駆動体17が前進および後進をした場合に、駆動体17の突部17aと当接できるだけの領域を有している。
【0068】
ところで、この突部17aには、傾斜面22cを介して上述したねじりコイルばね21によるC方向回転力が作用する。一方、駆動体17は、上述したように、第1の方向と第2の方向とにしか移動しないようにハウジング12内に取り付けられている。つまり、駆動体17は、前進および後進しかしないようにハウジング12内に取り付けられている。これにより、ミラー装置2においては、ミラーホルダ22が図3のC方向に回転することを、突部17aを含んだ駆動体17が抑制している。
【0069】
なお、ミラー装置2においては、駆動体17がカムの原動節に、ミラーホルダ22がカムの従動節になる。傾斜面22cは、カムの従動節におけるカム面として機能する。
【0070】
ここで、駆動体17が図5の位置にある状態から、モータ13を正回転または逆回転させた場合におけるミラーホルダ22の動作について説明する。
【0071】
まず、モータを正回転させた場合について説明する。モータを正回転させた場合には、駆動体17は第1の方向に移動(前進)する。つまり、駆動体17は、図3および図4の矢印A方向に進む。
【0072】
ここで、駆動体17は、第1の方向および第2の方向にしか移動できず、鉛直方向には移動できないため、モータを正回転させた場合には、傾斜面22cに鉛直下向きの成分を有する力が作用する。この力により、ミラーホルダ22において、回転軸22aまわりのモーメントが発生する。その結果、ミラーホルダ22は、回転軸22aを中心に図4のD方向に回転する。その結果、ミラー11が、ハウジング12の底面に対して上向きになるように、ミラー11の角度が変更されることになる。
【0073】
このように、モータを正回転させてミラー11の角度を変化させた場合の具体例を図14から図19に基づいて説明する。
【0074】
図14は、モータ13を正回転させて駆動体17を移動範囲の限度まで前進させた場合における、ミラー装置2の斜視図である。また、図15は、モータ13を正回転させて駆動体17を移動範囲の限度まで前進させた場合であって、図14とは異なる方向からミラー装置2を見た場合の斜視図である。
【0075】
図16は、モータ13を正回転させて駆動体17を移動範囲の限度まで前進させた場合における、ミラー装置2の上面図である。また、図17は、図16におけるXVII線矢視図である。また、図18は、図16におけるXVIII線矢視図である。さらに、図19は、図16におけるXIX−XIX線矢視断面図である。
【0076】
ミラーホルダ22を回転し続けると、最終的には図14および図15に示す位置にミラーホルダ22が到達する。この場合、図16に示すとおり、コイルばね20が圧縮される。そして、図17に示すとおり、ミラー11の角度が、上記ミラー11のデフォルト位置から角度Δφだけ変更される。なお、この場合、ねじりコイルばね21には圧縮する力がさらに作用し、図18に示すとおり、ねじりコイルばね21の上記他方の腕は矢印D方向に回転する。
【0077】
また、この場合には、図19に示すとおり、駆動体17の突部17aが傾斜面22cの一方の端部と当接する。その結果、傾斜面22cにおける図19で示した断面の箇所(直線)は、図13と比較した場合、概ね図19の矢印の幅dだけハウジング12の底面方向に下がることになる。その結果、ミラー11が、ハウジング12の底面に対して上向きになるように、ミラー11の角度がΔφだけ変更されることになる。
【0078】
次に、モータを逆回転させた場合について説明する。モータを逆回転させた場合には、ナット16が第2の方向に移動する。駆動体17はコイルばね20によって付勢されることでナット16に従動し、第2の方向へ移動する。つまり、駆動体17は、図3および図4の矢印B方向に後進する。ここで、ねじりコイルばね21の復元力により、ミラーホルダ22が図3および図4の矢印C方向に回転する。
【0079】
また、ねじりコイルばね21による上記C方向回転力により、ミラーホルダ22において回転軸22aまわりのモーメントが発生している。その結果、ミラーホルダ22は、回転軸22aを中心に図3および図4の矢印C方向に回転する。これにより、ミラー11がハウジング12の底面に対して下向きになるように、ミラー11の角度が変更されることになる。
【0080】
図20は、モータ13を逆回転させて駆動体17を移動範囲の限度まで後進させた場合における、ミラー装置2の斜視図である。また、図21は、モータ13を逆回転させて駆動体17を移動範囲の限度まで後進させた場合であって、図20とは異なる方向からミラー装置2を見た場合の斜視図である。
【0081】
図22は、モータ13を逆回転させて駆動体17を移動範囲の限度まで後進させた場合における、ミラー装置2の上面図である。また、図23は、図22におけるXXIII線矢視図である。また、図24は、図22におけるXXIV線矢視図である。さらに、図25は、図22におけるXXV−XXV線矢視断面図である。
【0082】
ミラーホルダ22を回転し続けると、最終的には図20および図21に示す位置にミラーホルダ22が到達する。この場合、図22に示すとおり、コイルばね20が伸張される。また、この場合においても、ねじりコイルばね21には復元力が残っているため、ねじりコイルばね21の上記他方の腕は矢印C方向に回転する。その結果、図23に示すとおり、ミラー11の角度が、上記ミラー11のデフォルト位置から角度Δφだけ、図17の変更方向とは逆の方向に変更される。
【0083】
また、この場合には、図25に示すとおり、駆動体17の突部17aが傾斜面22cの他方の端部と当接する。その結果、傾斜面22cにおける図25で示した断面の箇所(直線)は、図13と比較した場合、概ね図25の幅dだけハウジング12の底面に対して上がることになる。
【0084】
その結果、ミラー11が、ハウジング12の底面に対して下向きになるように、ミラー11の角度がΔφだけ変更されることになる。
【0085】
このように、駆動体17の移動方向と回転軸22aの方向とが平行であっても、傾斜面22cが回転軸22aに垂直な平面Sに対して傾斜しているため、傾斜面22cに上述した鉛直下向きの成分の力を作用させることができる。それゆえ、駆動体17の前進によって、ミラーホルダ22を図3および図4の矢印D方向に回転させることができる。また、これと同様の理由およびねじりコイルばね21の復元力により、駆動体17の後進によって、ミラーホルダ22を図3および図4の矢印C方向に回転させることができる。
【0086】
このような構成により、モータ13の回転方向を制御することによって、ミラーの向きを制御することができる。また、モータの回転数(パルスの数)を制御することにより、ミラーの角度を制御できる。
【0087】
以上のように、ミラー装置2は、モータ13の回転数を、上述した減速機構2aによって減速させ、当該減速させた回転数でミラーホルダ22を回転させている構成である。
【0088】
また、減速機構2aは、駆動体17と、モータ13の回転運動を直線運動に変換し、前記駆動体17を直線的に移動させる変換部材(14,16)と、回転軸22aを中心に回転可能に支持されるとともに、ミラー11を保持可能なミラーホルダ22とを備え、ミラーホルダ22は、少なくとも回転軸22aに垂直な方向に力を作用させることにより回転がなされる傾斜面22cを有し、傾斜面22cは、駆動体17と当接するとともに、駆動体17の移動方向を示すベクトルと垂直な面に対して傾斜している構成であるといえる。
【0089】
さらに、減速機構2aは、駆動体17の移動をガイドするガイドシャフト18を備え、上記変換部は、リードスクリュ(送りねじ)14と、当該リードスクリュ14と噛み合うとともに当該リードスクリュ14の回転に伴いリードスクリュ14の配設方向に移動するナット16とを含み、駆動体17は、ナット16に固定され、ガイドシャフト18の配設方向とリードスクリュ14の配設方向とが平行な構成であるといえる。
【0090】
ところで、本実施の形態ではリードスクリュ14を用いているため、モータ13の回転数を減速させることができる。これにより、駆動体17を微動させることができる。それゆえ、リードスクリュ14を用いない構成にくらべて、駆動体17の移動速度を遅くすることができる。
【0091】
また、モータ13としてステッピングモータを用いているため、ミラー11の回転角度を検出するロータリーエンコーダ等の角度検出手段を設ける必要がない。それゆえ、ステッピングモータを用いない構成に比べて、ミラー装置2を小型化することができる。
【0092】
また、ミラー装置2においては、駆動体17の移動方向(つまり、第1の方向および第2の方向)と、回転軸22aの方向とが平行である。それゆえ、駆動体17の移動方向と回転軸22aの方向とが平行でない場合と比較して、ミラー装置の薄型化を図ることができる。
【0093】
また、突部17aは半球状であるため、突部17aは傾斜面22cと点接触を行う。それゆえ、突部17aと傾斜面22cとの間で生じる摩擦力を小さくすることができる。したがって、駆動体17の移動がスムーズになり、その結果、ミラーホルダ19もスムーズに回転することができる。
【0094】
また、傾斜面22cと、図4における回転軸22aに垂直な面Sとのなす角度(図13のθ)を大きな値(例えば、第1の値)となるように、傾斜面22cの傾斜を設定しておけば、当該角度を当該第1の値よりも小さな値(第2の値)に設定したときよりも、ナット16の単位移動量あたりのミラーホルダ22の回転角度を小さくすることができる。言い換えれば、モータ13の1回転あたりのミラーホルダ22の回転角度を小さくすることができる。これにより、減速比を大きくすることが可能となり、ミラー装置2全体として大きな減速比を得ることができる。
【0095】
特に、傾斜面22cと上記面Sとのなす角度(θ)を45度よりも大きい値となるように、傾斜面22cの傾斜を設定しておけば、駆動体17の移動量に比べて傾斜面22cの移動量を小さくすることができる。それゆえ、この場合には、さらに、ナット16の単位移動量あたりのミラーホルダ22の回転角度を小さくすることができる。言い換えれば、モータ13の1回転あたりのミラーホルダ22の回転角度をさらに小さくすることができる。
【0096】
また、上述したように、傾斜面22cと上記面Sとのなす角度(θ)を大きな値に設定しておくことが、減速比を高める点で好ましい。その反面、ミラー11の回転範囲を一定とし、上記なす角(θ)を大きな値に設定すると、傾斜面22cは大きくならざるを得ない。
【0097】
しかしながら、ミラー装置2においては、図3に示すとおり、傾斜面22cは、回転軸22aに沿った方向に傾斜が設けられている。このため、傾斜面22cを大きくする場合には、回転軸22aに沿って傾斜面22cを大きくすることになる。その一方、回転軸22aは、ミラーホルダ22の回転時のがたつきを防止するため、長く設計されるのが一般的である。したがって、回転軸22aに沿って傾斜面22cを大きくとっても、ミラー装置2自体が大型化することを避けることができる。
【0098】
このため、ミラー装置2においては、上記なす角(θ)を大きな値に設定しても、装置の大型化を招来することはない。
【0099】
また、ミラー装置2においては、傾斜面22cがミラーホルダ22に設けられているため、傾斜面22cに対応する傾斜面が駆動体17側に備えられており、かつ、突部17aに対応する突部がミラーホルダ22側に備えられている構成と比較すると、以下の効果を奏する。
【0100】
傾斜面を駆動体17側に備えるとすると、駆動体17自体が大型化する。また、駆動体17は、ハウジング12内を第1の方向および第2の方向に移動する構成である。このため、傾斜面を駆動体17側に備えた場合には、傾斜面を駆動体17側に備えない本実施の形態に係るミラー装置2に比べ、駆動体17が移動するための空間を大きくとる必要がある。特に、傾斜面を駆動体17側に備えた場合には、ハウジング12の厚み(鉛直方向の幅)を厚くする必要がある。
【0101】
しかしながら、本実施の形態に係るミラー装置2のように、傾斜面22cをミラーホルダ22側に設けることにより、このような装置の大型化を避けることができる。
【0102】
ところで、ミラー装置2においては、駆動体17の移動方向(つまり、第1の方向および第2の方向)と、回転軸22aの方向とが平行となる構成としたが、これに限定されるものではない。駆動体17の移動方向と回転軸22aの方向とが平行となる場合よりも、多少、ハウジング12の厚みは増すが、駆動体の移動方向が回転軸22aの方向に対して傾いていてもよい。
【0103】
また、ミラー装置2においては、傾斜面22cが、回転軸22aに垂直な平面Sに対して傾斜しているが、これに限定されるものではない。例えば、駆動体17の移動方向が図13に示した矢印方向から傾けた方向となるように、ハウジング12内の部材を配置した構成をミラー装置がとる場合には、傾斜面22cを上記平面Sと垂直となるように設けてもよい。
【0104】
また、ミラー装置2においては、駆動体17の突部17aの形状を半球状としたが、これに限定されるものではない。突部17aの形状は、曲面形状であればよい。ただし、突部17aは、傾斜面22cと点接触する形状であることが好ましい。
【0105】
また、ミラー装置2においては、傾斜面22cが平面であるとして説明したが、これに限定されず、傾斜面22cを曲面で構成することも可能である。
【0106】
また、上記においては、回転軸22aがハウジング12に対して回転する構成を例に挙げて説明した。しかしながら、このような構成に限定されるものではなく、回転軸22aと同じ構成の軸をハウジング12が備え、当該軸がハウジングの軸受部12iに接着固定される構成としてもよい。つまり、当該軸が回転しない構成としてもよい。
【0107】
なお、ホログラム再生装置1では、上述したように、参照光Rがホログラム記録媒体6の基材(6a,6a)と記録層6bとを透過し、その後、ミラー11で反射される。しかしながら、このような再生方式に限定されず、ホログラム再生装置1を、参照光Rがホログラム記録媒体6の基材(6a,6a)と記録層6bとを透過させることなく記録層6bに記録されたデータを再生する構成としてもよい。
【0108】
ところで、上記においては、上述した減速機構を備えたミラー装置2について説明した。しかしながら、当該減速機構は、ミラー装置以外の用途にも適用可能である。
【0109】
つまり、回転対象物は、ミラーに限定されるものではなく、他の部材であってもよい。
また、回転体自体が回転対象物となる構成であってもよい。この場合、回転体は、回転軸22aを中心に回転可能に支持されるとともに回転対象物を保持可能な構成ではなく、単に、回転軸22aを中心に回転可能に支持された構成として捉えることができる。
【0110】
また、上記においては、ホログラムを再生するホログラム再生装置について説明したが、これに限定されるものではない。ホログラムを記録媒体に記録させる際にも、上述した減速機構2aを用いたミラー11の制御を行うことができる。つまり、ホログラムを記録するホログラム記録装置や、ホログラムの再生と記録とが可能なホログラム記録・再生装置に対しても、減速機構2aを用いたミラー11の制御を適用することができる。
【0111】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】ホログラム再生装置の概略を示した図である。
【図2】ミラーの角度を変化させる前の状態と変化させた後の状態とを示した図である。
【図3】ミラー装置の具体的な構成を示した斜視図である。
【図4】ミラー装置の具体的な構成を示した斜視図であって、図3とは異なる方向からミラー装置を見た場合の斜視図である。
【図5】ミラー装置の上面図である。
【図6】図5におけるVI線矢視図である。
【図7】図5におけるVII線矢視図である。
【図8】ミラー装置を分解した分解図である。
【図9】ミラー装置を分解した分解図であって、図8とは異なる方向からミラー装置を見た場合の分解図である。
【図10】ミラー装置の上面図であって、ガイドシャフト付近の断面を示した上面図である。
【図11】ハウジング12とミラーホルダ22との接続関係を示した分解図である。
【図12】駆動体を示した図であって、(a)は駆動体の上面図であり、(b)は駆動体の側面図であるとともに(a)のXIIB線矢視図であり、(c)は駆動体17の他の側面を示した側面図であるとともに(a)のXIIC線矢視図である。
【図13】図5におけるXIII−XIII線矢視断面図である。
【図14】モータを正回転させて駆動体を移動範囲の限度まで前進させた場合における、ミラー装置の斜視図である。
【図15】モータを正回転させて駆動体を移動範囲の限度まで前進させた場合であって、図14とは異なる方向からミラー装置を見た場合の斜視図である。
【図16】モータを正回転させて駆動体を移動範囲の限度まで前進させた場合における、ミラー装置の上面図である。
【図17】図16におけるXVII線矢視図である。
【図18】図16におけるXVIII線矢視図である。
【図19】図16におけるXIX−XIX線矢視断面図である。
【図20】モータを逆回転させて駆動体を移動範囲の限度まで後進させた場合における、ミラー装置の斜視図である。
【図21】モータを逆回転させて駆動体を移動範囲の限度まで後進させた場合であって、図20とは異なる方向からミラー装置を見た場合の斜視図である。
【図22】モータを逆回転させて駆動体を移動範囲の限度まで後進させた場合における、ミラー装置の上面図である。
【図23】図22におけるXXIII線矢視図である。
【図24】図22におけるXXIV線矢視図である。
【図25】図22におけるXXV−XXV線矢視断面図である。
【符号の説明】
【0113】
1 ホログラム再生装置、2 ミラー装置、5 制御装置、11 ミラー、12 ハウジング、13 モータ、14 リードスクリュウ、16 ナット、17 駆動体、18 ガイドシャフト、19 ガイドシャフト、20 コイルばね、21 ねじりコイルばね、22 ミラーホルダ、22a 回転軸、22c 傾斜面。
【技術分野】
【0001】
モータの回転を減速して出力する減速機構、ミラーの角度を制御するミラー装置、および記録媒体に記録されたホログラムを再生するホログラム再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ホログラフィーといったホログラムの製造技術を用いてデータを記録媒体に記録するとともに、当該記録したデータを再生するホログラム記録再生装置が知られている。
【0003】
このホログラム記録再生装置においては、ホログラムを記録する場合、まず、一つのレーザ光線から、変調された信号光と変調されていない参照光といった2つのレーザ光線を生成する。そして、この2つのレーザ光線を記録媒体の同一箇所に照射する。これにより、記録媒体上で上記信号光と上記参照光とが干渉する。その結果、記録媒体上の照射点に回折格子(つまりホログラム)が形成されることになる。
【0004】
また、ホログラム記録再生装置においては、記録媒体に対する参照光の入射角を変化させるながら信号光を照射することにより、記録媒体の同じ領域に複数の異なるデータを記録することができる。このような記録方式は、角度多重記録方式と呼ばれている。
【0005】
この角度多重記録方式を用いたホログラム記録再生装置においては、記録体媒体に対する参照光の入射角を変化させる機構が必要となる。この機構としては、回転角度を制御可能なミラーによって入射角を変化させることにより、記録媒体に対して所望の角度で参照光を入射させる構成が知られている。
【0006】
また、記録媒体に記録されたホログラムを再生する場合にも、上述したように参照光の入射角を変化させることにより、記録媒体の同じ領域に記録された複数の異なるデータを再生することができる。
【0007】
特許文献1には、カメラのミラーをカムを用いて回転させる構成が開示されている。
特許文献2には、カム面を形成したカム板等を備えた車両のサイドミラー駆動装置が開示されている。
【0008】
特許文献3には、ウォームホイールやカムギアを用いて出力軸の回転を光軸方向への並進運動に変換してレンズ保持体に伝達する伝達機構を備えた光学モジュールが開示されている。
【特許文献1】特開平5−11340号公報
【特許文献2】特開昭59−145640号公報
【特許文献3】特開2007−10779号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、モータを使用してミラーの回転角度を制御する場合、ミラーの位置決めの精度を上げるためには、モータから伝達された回転速度(回転数)を高い減速比を有する減速機構を用いて減速させ、当該減速後の速度でミラーを回転させる必要がある。
【0010】
ここで、ギア(歯車)のみを用いて高い減速比を得ようとすると、大型のギアが必要となる。このため、減速機構が大型化する。また、ギアの回転軸がミラーの回転軸と垂直になるようにギアを配置することにより減速機構の薄型化を図る場合には、カム等によって減速機構の要素部材の動作方向を変える必要がある。
【0011】
しかし、カムによる減速も利用する場合には、通常カム面を長くとる必要があるため、装置全体が大型化してしまう。
【0012】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、高い位置決め精度を有するとともに、小型化および薄型化を図った減速機構、当該減速機構を備えるミラー装置、および、当該ミラー装置を備えるホログラム再生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のある局面に従うと、減速機構は、駆動体と、モータの回転運動を直線運動に変換し、駆動体を直線的に移動させる変換部と、軸を中心に回転可能に支持された回転体とを備え、回転体は、少なくとも軸に垂直な方向に力を作用させることにより軸を中心とした回転がなされる第1面を有し、第1面は、駆動体と当接するとともに、駆動体の移動方向を示す方向ベクトルに垂直な面に対して傾斜している。
【0014】
また、回転体は、回転対象物を取り付ける取付領域を備えることが好ましい。
また、第1面は、軸に垂直な面に対して傾斜していることが好ましい。
【0015】
また、駆動体の移動方向と前記軸の方向とが平行であることが好ましい。
また、駆動体は、曲面形状の突部を有し、突部が第1面と接することが好ましい。
【0016】
また、軸に垂直な方向に力を作用させることにより生じる軸を中心とした回転の方向を第1回転方向とすると、第1回転方向と逆の第2回転方向に、回転体を付勢する付勢部材を備えることが好ましい。
【0017】
また、駆動体の移動をガイドするガイドシャフトを備え、変換部は、送りねじと、当該送りねじと噛み合うとともに当該送りねじの回転に伴い送りねじの配設方向に移動するナットとを含み、駆動体はナットと当接し、ガイドシャフトの配設方向と前記送りねじの配設方向とが平行であり、付勢部材がねじりコイルばねであることが好ましい。
【0018】
また、本発明の他の局面に従うと、ミラー装置は、上述した減速機構と、回転体に取り付けられたミラーと、モータとを備える。
【0019】
また、本発明のさらに他の局面に従うと、ホログラム再生装置は、上記のミラー装置と、ミラー装置のモータの回転を制御する制御装置とを備え、ミラー装置のミラーにより反射されたレーザ光線を用いて、記録媒体に記録されたホログラムを読み出す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明に係るホログラム再生装置について、図1から図25に基づいて説明すると以下の通りである。
【0021】
図1は、ホログラム再生装置1の概略を示した図である。
ホログラム再生装置1は、同図に示すとおり、ミラー装置2と、レーザ光源装置3と、撮像装置4と、制御装置5とを備えている。
【0022】
ミラー装置2は、ミラー11を備えている。レーザ光源装置3は、レーザダイオード3aとコリメートレンズ3bとを備えている。撮像装置4は、絞り4aと、対物レンズ4bと、撮像素子4cとを備えている。
【0023】
制御装置5は、ホログラム再生装置1の各種の動作を制御する。
レーザダイオード3aは、レーザ光線PAを出射する。コリメートレンズ3bは、レーザ光線PAを平行光にする。この平行光が、参照光Rとなる。この参照光Rは、ホログラム記録媒体6の基材(6a,6a)と記録層6bとを透過し、その後、ミラー11で反射される。ミラー11により反射された参照光Rは、ホログラム記録媒体6に照射される。
【0024】
データを記録済みのホログラム記録媒体6に参照光Rを照射することにより、基材(6a,6a)に挟まれた記録層6bに形成された回折格子から回折光(再生光)が発生する。
【0025】
この回折光は、データ記録時の信号光に重畳されたデータを含んでいるため、当該回折光を撮像装置4で受光することにより、当該データを再生することができる。具体的には、まず、絞り4aにより上記回折光から不要な光を除去する。その後、対物レンズ4bが、絞り4aを通過した回折光を集光し、撮像素子4cの撮像面に像をつくる。そして、撮像素子4cは、受光した信号に基づいて2次元パターン情報を再生する。なお、撮像素子4cには、CCD(Charge-coupled Device)エリアセンサや、CMOS(Complementary Metal-Oxide=Semiconductor)を採用したCMOSセンサ等を用いることができる。
【0026】
図2は、ミラー11の角度を変化させる前の状態と変化させた後の状態とを示した図である。
【0027】
同図に示すとおり、ミラー11を回転軸22a中心にして図の矢印の方向に回転させることにより、ホログラム記録媒体6に対する参照光Rの入射角を変化させることができる。このように入射角を制御することにより、ホログラム再生装置1は、ホログラム記録媒体6の同じ箇所に記録された複数のデータを読み取ることが可能となる。
【0028】
図3は、ミラー装置2の具体的な構成を示した斜視図である。また、図4は、ミラー装置2の具体的な構成を示した斜視図であって、図3とは異なる方向からミラー装置2を見た場合の斜視図である。
【0029】
ミラー装置2は、図3および図4に示すとおり、ミラー11の他に、ハウジング12と、モータ13と、リードスクリュウ(送りねじ)14と、ピボット15と、ナット16と、駆動体17と、ガイドシャフト18と、ガイドシャフト19と、コイルばね20と、ねじりコイルばね21と、ミラーホルダ(回転体)22とを備えている。
【0030】
ミラー11は、回転軸22aに対して平行に配されている。つまり、ミラー11は、表面の法線が回転軸22aと垂直となる位置に配されている。また、ミラー11の回転角度は、モータ13の回転に応じて制御される。
【0031】
ハウジング12は、ホログラム再生装置1の内部に固定されて取り付けられている。また、ハウジング12には、モータ13とリードスクリュウ14とピボット15とナット16と駆動体17とガイドシャフト18とガイドシャフト19とコイルばね20とが収容されている。さらに、詳細は後述するが、ハウジング12は、回転軸22aを介してミラーホルダ22と連結されている。
【0032】
モータ13は、ミラー11の駆動源である。モータ13は、ステッピングモータであって、パルス電力に同期して動作する。また、モータ13の回転軸には、リードスクリュウ14が直結されている。なお、モータ13の回転動作は、制御装置5により制御される。
【0033】
リードスクリュウ14は、送りねじである。また、リードスクリュ14は、モータ13の出力軸に直結されている。このような構成により、リードスクリュウ14は、モータ13の回転に伴い回転する。また、リードスクリュウ14には、ナット16が嵌合している。
【0034】
ピボット15は、モータ13とは反対側のリードスクリュウ14の端部を、リードスクリュウの回転が可能な状態に支持する。
【0035】
ナット16は、リードスクリュウ14が回転することにより、リードスクリュウ14の配設方向(つまり、リードスクリュにおけるねじ軸の方向(アキシアル方向))に移動する。例えば、モータが正回転した場合には、リードスクリュウ14も当該方向に回転し、ナット16はモータ13から離れる方向(以下、第1の方向)に移動する。一方、モータが逆回転した場合には、リードスクリュウ14も当該方向に回転し、ナット16はモータ13に近づく方向(以下、第2の方向)に移動する。
【0036】
駆動体17は、ナット16に当接している。そして、駆動体17は、ナット16の移動に従い、リードスクリュウ14の配設方向に移動する。これにより、駆動体17は、モータの回転方向に従って、上記第1の方向または第2の方向に移動する。つまり、駆動体17は、リードスクリュウ14の配設方向と平行な方向に移動する。
【0037】
なお、駆動体17の詳細については、後述する。また、以下では、駆動体17が上記第1の方向(図3および図4の矢印A方向)に移動する動作を前進と、に駆動体17が上記第2の方向(図3および図4の矢印B方向)に移動する動作を後進とも称する。
【0038】
ガイドシャフト18は、駆動体17の移動を案内するための軸である。また、ガイドシャフト19は、ガイドシャフト18に平行に配設された、駆動体17の移動を案内するための軸である。これらのガイドシャフト(18,19)により、駆動体17がスムーズに前進および後進を行うことができる。また、ガイドシャフト(18,19)およびナット16により、駆動体17は、第1の方向または第2の方向以外の方向に移動することが抑制されている。なお、ガイドシャフト(18,19)は、後述する軸受部において接着剤でハウジング12に固定される。
【0039】
コイルばね20は、駆動体17を上記第2の方向に付勢するための部材である。コイルばね20は、圧縮コイルばねである。また、コイルばね20は、コイル内部の空間にガイドシャフト18を通すこと、および、一方の端部を駆動体17の後述するコイルばね受部17dで支持するとともに他方の端部をハウジング12の後述するコイルばね受部12gで支持することよって、位置が固定されている。このような構成により、駆動体17のハウジング12内でのガタツキの発生を防止している。
【0040】
ねじりコイルばね21は、ミラーホルダ22を、図3および図4に示した矢印C方向に付勢するための部材である。
【0041】
ミラーホルダ22は、ミラーが表面に取り付けられている。また、ミラーホルダ22は、回転軸22aを中心に、所定の範囲内で回転可能となっている。この回転により、ミラーの角度を変更することができる。ミラーホルダの詳細については、後述する。
【0042】
また、図3および4において、部材番号2aは、ミラー装置2における減速機構を示しており、減速機構2aは、ミラー11とモータ13とを除いた、ミラー装置2の部材で構成されている。
【0043】
図5は、ミラー装置2の上面図である。図6は、図5におけるVI線矢視図である。図7は、図5におけるVII矢視図である。
【0044】
図5に示すようにナット16がリードスクリュウ14の中ほどにある場合には、ミラーホルダ22は、図6および図7に示すとおり、ハウジング12の底面に対して傾斜していない状態となる。なお、以下では、上記のようにナット16がリードスクリュウ14の中ほどにある場合であって、図6に示すとおりミラー11のハウジング12の底面に対する傾きがφである場合、当該ミラー11の位置をデフォルト位置として説明する。
【0045】
図8は、ミラー装置2を分解した分解図である。また、図9は、ミラー装置2を分解した分解図であって、図8とは異なる方向からミラー装置2を見た場合の分解図である。さらに、図10は、ミラー装置2の上面図であって、ガイドシャフト18付近の断面を示した上面図である。
【0046】
ハウジング12は、図8から図10に示すとおり、軸受部12aと、ピボットハウジング12bと、軸受部12cと、軸受部12dと、モータハウジング12eと、軸受部12fと、コイルばね受部12gと、ねじりコイルばね受部12h、軸受部12i(図示せず)とを備えている。
【0047】
軸受部12aは、ガイドシャフト18の一方の端部を支持する。軸受部12fは、ガイドシャフト18の他方の端部を支持する。これらの軸受部(12a,12f)とガイドシャフト18とを接着剤で接着することより、ガイドシャフト18がハウジング12内で支持されることになる。
【0048】
ピボットハウジング12bは、ピボット15を固定するための開口部である。ピボット15は、接着剤によりピボットハウジング12bに固定される。
【0049】
軸受部12cは、ガイドシャフト19の一方の端部を支持する。軸受部12dは、ガイドシャフト19の他方の端部を支持する。また、軸受部12dは、L字型をしている。これらの軸受部(12c,12d)とガイドシャフト19とを接着剤で接着することより、ガイドシャフト19がハウジング12内で支持されることになる。
【0050】
モータハウジング12eは、モータ13を固定するために設けられている。モータ13は、接着剤によりモータハウジング12eに固定される。コイルばね受部12gは、円柱状の開口部であって、コイルばね20の一方の端部を支持する。コイルばね受部12gの中心軸が、軸受部12aの中心軸と同じ位置になるように、コイルばね受部12gが形成されている。ねじりコイルばね受部12hは、ねじりコイルばね21の一方の腕を支持する。
【0051】
ナット16は、U字型の溝部16aと、開口部16bとを備えている。溝部16aは、ガイドシャフト19と当接する部位であって、ナット16が移動することによりガイドガイドシャフト19と摺動する部位である。この溝部16aにより、ナット16が、リードスクリュ14の回転軸周りに回転することを防止できる。開口部16bは、リードスクリュウ14を貫通させるための開口である。
【0052】
駆動体17は、突部17a(図示せず)と、軸受部17bと、軸受部17cと、コイルばね受部17dとを備えている。
【0053】
軸受部17bは、ガイドシャフト18を貫通させるための開口である。軸受部17cは、ガイドシャフト19と当接する部位であって、駆動体17が移動することによりガイドガイドシャフト19と摺動する部位である。コイルばね受部17dは、コイルばね20の他方の端部を支持する。突部17aについては後述する。
【0054】
図11は、ハウジング12とミラーホルダ22との接続関係を示した分解図である。
ハウジング12には、図11に示すとおり、上述した軸受部12iが設けられており、ミラーホルダ22の回転軸22aが貫通するとともに、当該回転軸22aを支持する。
【0055】
ミラーホルダ22は、上記の回転軸22aの他に、図11に示すとおり、ミラー取付部(取付領域)22bと、傾斜面22cと、軸受部22dと、軸受部22eと、ねじりコイルばね受部22fと、突出部22g(図9参照)とを備えている。
【0056】
また、ミラーホルダ22は、回転軸22aを中心に回転可能にハウジング12に支持されている。つまり、ミラーホルダ22は、ホログラム再生装置1に固定されたハウジング12に対して、回転可能となっている。
【0057】
回転軸22aは、ガイドシャフト18およびガイドシャフト19と平行に配されている。つまり、ミラーホルダ22においては、回転軸22aの方向が、駆動体17の移動方向(つまり、第1の方向および第2の方向)と平行となる。
【0058】
ミラー取付部22bは、ミラー11を取り付けるための部位であり、ミラーホルダ22の表面に設けられている。接着剤により、ミラー取付部22bにミラー11が取り付けられる。
【0059】
軸受部22dは、回転軸22aの一方の端部を支持する。軸受部22eは、回転軸22aの他方の端部を支持する。具体的には、回転軸22aが、接着剤によって軸受部22dと軸受部22eとに接着される。その結果、回転軸22aがミラーホルダに固定されることになる。
【0060】
ねじりコイルばね受部22fは、ねじりコイルばね21の他方の腕を支持する。つまり、ハウジング12のおねじりコイルばね受部12hが支持した腕とは別の方の腕を支持する。また、ねじりコイルばね受部22fは、回転軸22aに関して、駆動体17とは反対側の位置に設けられている。
【0061】
突出部22gは、ねじりコイルばね21の本体部(コイル部)を固定するための部材である。突出部22gは、円筒状をしており、当該円の中心と回転軸22a回転中心とが一致している。つまり、突出部22gの中心軸と、回転軸22aの中心軸とが一致している。
【0062】
このように、ねじりコイルばね21が、ねじりコイルばね受部22fと突出部22gとハウジング12のねじりコイルばね受部12hとで支持されることにより、上述したように、ミラーホルダ22を図3および図4に示した矢印C方向に付勢することができる。
【0063】
以下では、ミラーホルダ22を矢印C方向に回転させようとする、ねじるコイルばね21による回転力を、C方向回転力と称する。また、本実施の形態では、図3および図4の状態のみならず、後述する図20から図25の状態においても、ねじりコイルばね21が、ミラーホルダ22を矢印C方向に回転させようとするC方向回転力を有しているものとして説明する。つまり、ミラーホルダ22の回転範囲内においては、ねじるコイルばね21によって、ミラーホルダ22は回転軸22a周りのモーメントを受けている。
【0064】
なお、ミラーホルダ22の傾斜面22cについては、後述する。
図12は、駆動体17を示した図である。ここで、図12(a)は、駆動体17の上面図である。また、図12(b)は、駆動体17の側面図であるとともに、図12(a)のXIIB線矢視図である。また、図12(c)は、駆動体17の他の側面を示した側面図であるとともに、図12(a)のXIIC線矢視図である。
【0065】
駆動体17は、図12(b)および図12(c)に示すとおり、突部17aを備えている。この突部17aは、半球の形状をしている。また、突部17aは、駆動体17の端部において、傾斜面22c側(鉛直下向き)に設けられている。
【0066】
図13は、図5におけるXIII−XIII線矢視断面図である。
ここで、図13に基づき傾斜面22cについて説明する。傾斜面22cは、上記のように矢印C方向に回転させる力が働いている場合に、同図に示すとおり、駆動体17の突部17aの表面と当接する位置に設けられた平面である。また、傾斜面22cは回転軸22aに垂直な面ではないため、傾斜面22cに対して少なくとも回転軸22aに垂直な方向に上記C方向回転力に勝る力が作用すれば、ミラーホルダ22は同図のD方向に回転することになる。
【0067】
また、傾斜面22cは、駆動体17の移動方向である上記第1の方向および上記第2の方向に対して傾斜している面である。つまり、傾斜面22cは、駆動体17の移動方向を示すベクトルと垂直な面に対して傾斜している面である。さらに言い換えれば、傾斜面22cは、同図における回転軸22aに垂直な平面S(仮想平面)に対して傾斜している面である。また、傾斜面22cは、駆動体17が前進および後進をした場合に、駆動体17の突部17aと当接できるだけの領域を有している。
【0068】
ところで、この突部17aには、傾斜面22cを介して上述したねじりコイルばね21によるC方向回転力が作用する。一方、駆動体17は、上述したように、第1の方向と第2の方向とにしか移動しないようにハウジング12内に取り付けられている。つまり、駆動体17は、前進および後進しかしないようにハウジング12内に取り付けられている。これにより、ミラー装置2においては、ミラーホルダ22が図3のC方向に回転することを、突部17aを含んだ駆動体17が抑制している。
【0069】
なお、ミラー装置2においては、駆動体17がカムの原動節に、ミラーホルダ22がカムの従動節になる。傾斜面22cは、カムの従動節におけるカム面として機能する。
【0070】
ここで、駆動体17が図5の位置にある状態から、モータ13を正回転または逆回転させた場合におけるミラーホルダ22の動作について説明する。
【0071】
まず、モータを正回転させた場合について説明する。モータを正回転させた場合には、駆動体17は第1の方向に移動(前進)する。つまり、駆動体17は、図3および図4の矢印A方向に進む。
【0072】
ここで、駆動体17は、第1の方向および第2の方向にしか移動できず、鉛直方向には移動できないため、モータを正回転させた場合には、傾斜面22cに鉛直下向きの成分を有する力が作用する。この力により、ミラーホルダ22において、回転軸22aまわりのモーメントが発生する。その結果、ミラーホルダ22は、回転軸22aを中心に図4のD方向に回転する。その結果、ミラー11が、ハウジング12の底面に対して上向きになるように、ミラー11の角度が変更されることになる。
【0073】
このように、モータを正回転させてミラー11の角度を変化させた場合の具体例を図14から図19に基づいて説明する。
【0074】
図14は、モータ13を正回転させて駆動体17を移動範囲の限度まで前進させた場合における、ミラー装置2の斜視図である。また、図15は、モータ13を正回転させて駆動体17を移動範囲の限度まで前進させた場合であって、図14とは異なる方向からミラー装置2を見た場合の斜視図である。
【0075】
図16は、モータ13を正回転させて駆動体17を移動範囲の限度まで前進させた場合における、ミラー装置2の上面図である。また、図17は、図16におけるXVII線矢視図である。また、図18は、図16におけるXVIII線矢視図である。さらに、図19は、図16におけるXIX−XIX線矢視断面図である。
【0076】
ミラーホルダ22を回転し続けると、最終的には図14および図15に示す位置にミラーホルダ22が到達する。この場合、図16に示すとおり、コイルばね20が圧縮される。そして、図17に示すとおり、ミラー11の角度が、上記ミラー11のデフォルト位置から角度Δφだけ変更される。なお、この場合、ねじりコイルばね21には圧縮する力がさらに作用し、図18に示すとおり、ねじりコイルばね21の上記他方の腕は矢印D方向に回転する。
【0077】
また、この場合には、図19に示すとおり、駆動体17の突部17aが傾斜面22cの一方の端部と当接する。その結果、傾斜面22cにおける図19で示した断面の箇所(直線)は、図13と比較した場合、概ね図19の矢印の幅dだけハウジング12の底面方向に下がることになる。その結果、ミラー11が、ハウジング12の底面に対して上向きになるように、ミラー11の角度がΔφだけ変更されることになる。
【0078】
次に、モータを逆回転させた場合について説明する。モータを逆回転させた場合には、ナット16が第2の方向に移動する。駆動体17はコイルばね20によって付勢されることでナット16に従動し、第2の方向へ移動する。つまり、駆動体17は、図3および図4の矢印B方向に後進する。ここで、ねじりコイルばね21の復元力により、ミラーホルダ22が図3および図4の矢印C方向に回転する。
【0079】
また、ねじりコイルばね21による上記C方向回転力により、ミラーホルダ22において回転軸22aまわりのモーメントが発生している。その結果、ミラーホルダ22は、回転軸22aを中心に図3および図4の矢印C方向に回転する。これにより、ミラー11がハウジング12の底面に対して下向きになるように、ミラー11の角度が変更されることになる。
【0080】
図20は、モータ13を逆回転させて駆動体17を移動範囲の限度まで後進させた場合における、ミラー装置2の斜視図である。また、図21は、モータ13を逆回転させて駆動体17を移動範囲の限度まで後進させた場合であって、図20とは異なる方向からミラー装置2を見た場合の斜視図である。
【0081】
図22は、モータ13を逆回転させて駆動体17を移動範囲の限度まで後進させた場合における、ミラー装置2の上面図である。また、図23は、図22におけるXXIII線矢視図である。また、図24は、図22におけるXXIV線矢視図である。さらに、図25は、図22におけるXXV−XXV線矢視断面図である。
【0082】
ミラーホルダ22を回転し続けると、最終的には図20および図21に示す位置にミラーホルダ22が到達する。この場合、図22に示すとおり、コイルばね20が伸張される。また、この場合においても、ねじりコイルばね21には復元力が残っているため、ねじりコイルばね21の上記他方の腕は矢印C方向に回転する。その結果、図23に示すとおり、ミラー11の角度が、上記ミラー11のデフォルト位置から角度Δφだけ、図17の変更方向とは逆の方向に変更される。
【0083】
また、この場合には、図25に示すとおり、駆動体17の突部17aが傾斜面22cの他方の端部と当接する。その結果、傾斜面22cにおける図25で示した断面の箇所(直線)は、図13と比較した場合、概ね図25の幅dだけハウジング12の底面に対して上がることになる。
【0084】
その結果、ミラー11が、ハウジング12の底面に対して下向きになるように、ミラー11の角度がΔφだけ変更されることになる。
【0085】
このように、駆動体17の移動方向と回転軸22aの方向とが平行であっても、傾斜面22cが回転軸22aに垂直な平面Sに対して傾斜しているため、傾斜面22cに上述した鉛直下向きの成分の力を作用させることができる。それゆえ、駆動体17の前進によって、ミラーホルダ22を図3および図4の矢印D方向に回転させることができる。また、これと同様の理由およびねじりコイルばね21の復元力により、駆動体17の後進によって、ミラーホルダ22を図3および図4の矢印C方向に回転させることができる。
【0086】
このような構成により、モータ13の回転方向を制御することによって、ミラーの向きを制御することができる。また、モータの回転数(パルスの数)を制御することにより、ミラーの角度を制御できる。
【0087】
以上のように、ミラー装置2は、モータ13の回転数を、上述した減速機構2aによって減速させ、当該減速させた回転数でミラーホルダ22を回転させている構成である。
【0088】
また、減速機構2aは、駆動体17と、モータ13の回転運動を直線運動に変換し、前記駆動体17を直線的に移動させる変換部材(14,16)と、回転軸22aを中心に回転可能に支持されるとともに、ミラー11を保持可能なミラーホルダ22とを備え、ミラーホルダ22は、少なくとも回転軸22aに垂直な方向に力を作用させることにより回転がなされる傾斜面22cを有し、傾斜面22cは、駆動体17と当接するとともに、駆動体17の移動方向を示すベクトルと垂直な面に対して傾斜している構成であるといえる。
【0089】
さらに、減速機構2aは、駆動体17の移動をガイドするガイドシャフト18を備え、上記変換部は、リードスクリュ(送りねじ)14と、当該リードスクリュ14と噛み合うとともに当該リードスクリュ14の回転に伴いリードスクリュ14の配設方向に移動するナット16とを含み、駆動体17は、ナット16に固定され、ガイドシャフト18の配設方向とリードスクリュ14の配設方向とが平行な構成であるといえる。
【0090】
ところで、本実施の形態ではリードスクリュ14を用いているため、モータ13の回転数を減速させることができる。これにより、駆動体17を微動させることができる。それゆえ、リードスクリュ14を用いない構成にくらべて、駆動体17の移動速度を遅くすることができる。
【0091】
また、モータ13としてステッピングモータを用いているため、ミラー11の回転角度を検出するロータリーエンコーダ等の角度検出手段を設ける必要がない。それゆえ、ステッピングモータを用いない構成に比べて、ミラー装置2を小型化することができる。
【0092】
また、ミラー装置2においては、駆動体17の移動方向(つまり、第1の方向および第2の方向)と、回転軸22aの方向とが平行である。それゆえ、駆動体17の移動方向と回転軸22aの方向とが平行でない場合と比較して、ミラー装置の薄型化を図ることができる。
【0093】
また、突部17aは半球状であるため、突部17aは傾斜面22cと点接触を行う。それゆえ、突部17aと傾斜面22cとの間で生じる摩擦力を小さくすることができる。したがって、駆動体17の移動がスムーズになり、その結果、ミラーホルダ19もスムーズに回転することができる。
【0094】
また、傾斜面22cと、図4における回転軸22aに垂直な面Sとのなす角度(図13のθ)を大きな値(例えば、第1の値)となるように、傾斜面22cの傾斜を設定しておけば、当該角度を当該第1の値よりも小さな値(第2の値)に設定したときよりも、ナット16の単位移動量あたりのミラーホルダ22の回転角度を小さくすることができる。言い換えれば、モータ13の1回転あたりのミラーホルダ22の回転角度を小さくすることができる。これにより、減速比を大きくすることが可能となり、ミラー装置2全体として大きな減速比を得ることができる。
【0095】
特に、傾斜面22cと上記面Sとのなす角度(θ)を45度よりも大きい値となるように、傾斜面22cの傾斜を設定しておけば、駆動体17の移動量に比べて傾斜面22cの移動量を小さくすることができる。それゆえ、この場合には、さらに、ナット16の単位移動量あたりのミラーホルダ22の回転角度を小さくすることができる。言い換えれば、モータ13の1回転あたりのミラーホルダ22の回転角度をさらに小さくすることができる。
【0096】
また、上述したように、傾斜面22cと上記面Sとのなす角度(θ)を大きな値に設定しておくことが、減速比を高める点で好ましい。その反面、ミラー11の回転範囲を一定とし、上記なす角(θ)を大きな値に設定すると、傾斜面22cは大きくならざるを得ない。
【0097】
しかしながら、ミラー装置2においては、図3に示すとおり、傾斜面22cは、回転軸22aに沿った方向に傾斜が設けられている。このため、傾斜面22cを大きくする場合には、回転軸22aに沿って傾斜面22cを大きくすることになる。その一方、回転軸22aは、ミラーホルダ22の回転時のがたつきを防止するため、長く設計されるのが一般的である。したがって、回転軸22aに沿って傾斜面22cを大きくとっても、ミラー装置2自体が大型化することを避けることができる。
【0098】
このため、ミラー装置2においては、上記なす角(θ)を大きな値に設定しても、装置の大型化を招来することはない。
【0099】
また、ミラー装置2においては、傾斜面22cがミラーホルダ22に設けられているため、傾斜面22cに対応する傾斜面が駆動体17側に備えられており、かつ、突部17aに対応する突部がミラーホルダ22側に備えられている構成と比較すると、以下の効果を奏する。
【0100】
傾斜面を駆動体17側に備えるとすると、駆動体17自体が大型化する。また、駆動体17は、ハウジング12内を第1の方向および第2の方向に移動する構成である。このため、傾斜面を駆動体17側に備えた場合には、傾斜面を駆動体17側に備えない本実施の形態に係るミラー装置2に比べ、駆動体17が移動するための空間を大きくとる必要がある。特に、傾斜面を駆動体17側に備えた場合には、ハウジング12の厚み(鉛直方向の幅)を厚くする必要がある。
【0101】
しかしながら、本実施の形態に係るミラー装置2のように、傾斜面22cをミラーホルダ22側に設けることにより、このような装置の大型化を避けることができる。
【0102】
ところで、ミラー装置2においては、駆動体17の移動方向(つまり、第1の方向および第2の方向)と、回転軸22aの方向とが平行となる構成としたが、これに限定されるものではない。駆動体17の移動方向と回転軸22aの方向とが平行となる場合よりも、多少、ハウジング12の厚みは増すが、駆動体の移動方向が回転軸22aの方向に対して傾いていてもよい。
【0103】
また、ミラー装置2においては、傾斜面22cが、回転軸22aに垂直な平面Sに対して傾斜しているが、これに限定されるものではない。例えば、駆動体17の移動方向が図13に示した矢印方向から傾けた方向となるように、ハウジング12内の部材を配置した構成をミラー装置がとる場合には、傾斜面22cを上記平面Sと垂直となるように設けてもよい。
【0104】
また、ミラー装置2においては、駆動体17の突部17aの形状を半球状としたが、これに限定されるものではない。突部17aの形状は、曲面形状であればよい。ただし、突部17aは、傾斜面22cと点接触する形状であることが好ましい。
【0105】
また、ミラー装置2においては、傾斜面22cが平面であるとして説明したが、これに限定されず、傾斜面22cを曲面で構成することも可能である。
【0106】
また、上記においては、回転軸22aがハウジング12に対して回転する構成を例に挙げて説明した。しかしながら、このような構成に限定されるものではなく、回転軸22aと同じ構成の軸をハウジング12が備え、当該軸がハウジングの軸受部12iに接着固定される構成としてもよい。つまり、当該軸が回転しない構成としてもよい。
【0107】
なお、ホログラム再生装置1では、上述したように、参照光Rがホログラム記録媒体6の基材(6a,6a)と記録層6bとを透過し、その後、ミラー11で反射される。しかしながら、このような再生方式に限定されず、ホログラム再生装置1を、参照光Rがホログラム記録媒体6の基材(6a,6a)と記録層6bとを透過させることなく記録層6bに記録されたデータを再生する構成としてもよい。
【0108】
ところで、上記においては、上述した減速機構を備えたミラー装置2について説明した。しかしながら、当該減速機構は、ミラー装置以外の用途にも適用可能である。
【0109】
つまり、回転対象物は、ミラーに限定されるものではなく、他の部材であってもよい。
また、回転体自体が回転対象物となる構成であってもよい。この場合、回転体は、回転軸22aを中心に回転可能に支持されるとともに回転対象物を保持可能な構成ではなく、単に、回転軸22aを中心に回転可能に支持された構成として捉えることができる。
【0110】
また、上記においては、ホログラムを再生するホログラム再生装置について説明したが、これに限定されるものではない。ホログラムを記録媒体に記録させる際にも、上述した減速機構2aを用いたミラー11の制御を行うことができる。つまり、ホログラムを記録するホログラム記録装置や、ホログラムの再生と記録とが可能なホログラム記録・再生装置に対しても、減速機構2aを用いたミラー11の制御を適用することができる。
【0111】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】ホログラム再生装置の概略を示した図である。
【図2】ミラーの角度を変化させる前の状態と変化させた後の状態とを示した図である。
【図3】ミラー装置の具体的な構成を示した斜視図である。
【図4】ミラー装置の具体的な構成を示した斜視図であって、図3とは異なる方向からミラー装置を見た場合の斜視図である。
【図5】ミラー装置の上面図である。
【図6】図5におけるVI線矢視図である。
【図7】図5におけるVII線矢視図である。
【図8】ミラー装置を分解した分解図である。
【図9】ミラー装置を分解した分解図であって、図8とは異なる方向からミラー装置を見た場合の分解図である。
【図10】ミラー装置の上面図であって、ガイドシャフト付近の断面を示した上面図である。
【図11】ハウジング12とミラーホルダ22との接続関係を示した分解図である。
【図12】駆動体を示した図であって、(a)は駆動体の上面図であり、(b)は駆動体の側面図であるとともに(a)のXIIB線矢視図であり、(c)は駆動体17の他の側面を示した側面図であるとともに(a)のXIIC線矢視図である。
【図13】図5におけるXIII−XIII線矢視断面図である。
【図14】モータを正回転させて駆動体を移動範囲の限度まで前進させた場合における、ミラー装置の斜視図である。
【図15】モータを正回転させて駆動体を移動範囲の限度まで前進させた場合であって、図14とは異なる方向からミラー装置を見た場合の斜視図である。
【図16】モータを正回転させて駆動体を移動範囲の限度まで前進させた場合における、ミラー装置の上面図である。
【図17】図16におけるXVII線矢視図である。
【図18】図16におけるXVIII線矢視図である。
【図19】図16におけるXIX−XIX線矢視断面図である。
【図20】モータを逆回転させて駆動体を移動範囲の限度まで後進させた場合における、ミラー装置の斜視図である。
【図21】モータを逆回転させて駆動体を移動範囲の限度まで後進させた場合であって、図20とは異なる方向からミラー装置を見た場合の斜視図である。
【図22】モータを逆回転させて駆動体を移動範囲の限度まで後進させた場合における、ミラー装置の上面図である。
【図23】図22におけるXXIII線矢視図である。
【図24】図22におけるXXIV線矢視図である。
【図25】図22におけるXXV−XXV線矢視断面図である。
【符号の説明】
【0113】
1 ホログラム再生装置、2 ミラー装置、5 制御装置、11 ミラー、12 ハウジング、13 モータ、14 リードスクリュウ、16 ナット、17 駆動体、18 ガイドシャフト、19 ガイドシャフト、20 コイルばね、21 ねじりコイルばね、22 ミラーホルダ、22a 回転軸、22c 傾斜面。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動体と、
モータの回転運動を直線運動に変換し、前記駆動体を直線的に移動させる変換部と、
軸を中心に回転可能に支持された回転体とを備え、
前記回転体は、少なくとも前記軸に垂直な方向に力を作用させることにより前記軸を中心とした回転がなされる第1面を有し、当該第1面は、前記駆動体と当接するとともに、前記駆動体の移動方向を示す方向ベクトルに垂直な面に対して傾斜している、減速機構。
【請求項2】
前記回転体は、回転対象物を取り付ける取付領域を備える、請求項1に記載の減速機構。
【請求項3】
前記第1面は、前記軸に垂直な面に対して傾斜している、請求項1または2に記載の減速機構。
【請求項4】
前記駆動体の移動方向と前記軸の方向とが平行である、請求項3に記載の減速機構。
【請求項5】
前記駆動体は、曲面形状の突部を有し、
前記突部が前記第1面と接する、請求項1から4のいずれか1項に記載の減速機構。
【請求項6】
前記軸に垂直な方向に力を作用させることにより生じる前記軸を中心とした回転の方向を第1回転方向とすると、前記第1回転方向と逆の第2回転方向に、前記回転体を付勢する付勢部材を備える、請求項1から5のいずれか1項に記載の減速機構。
【請求項7】
前記駆動体の移動をガイドするガイドシャフトを備え、
前記変換部は、送りねじと、当該送りねじと噛み合うとともに当該送りねじの回転に伴い当該送りねじの配設方向に移動するナットとを含み、
前記駆動体は前記ナットと当接し、
前記ガイドシャフトの配設方向と前記送りねじの配設方向とが平行であり、
前記付勢部材がねじりコイルばねである、請求項1から6のいずれか1項に記載の減速機構。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の減速機構と、
前記回転体に取り付けられたミラーと、
前記モータとを備える、ミラー装置。
【請求項9】
請求項8に記載のミラー装置と、
前記ミラー装置のモータの回転を制御する制御装置とを備え、
前記ミラー装置のミラーにより反射されたレーザ光線を用いて、記録媒体に記録されたホログラムを読み出す、ホログラム再生装置。
【請求項1】
駆動体と、
モータの回転運動を直線運動に変換し、前記駆動体を直線的に移動させる変換部と、
軸を中心に回転可能に支持された回転体とを備え、
前記回転体は、少なくとも前記軸に垂直な方向に力を作用させることにより前記軸を中心とした回転がなされる第1面を有し、当該第1面は、前記駆動体と当接するとともに、前記駆動体の移動方向を示す方向ベクトルに垂直な面に対して傾斜している、減速機構。
【請求項2】
前記回転体は、回転対象物を取り付ける取付領域を備える、請求項1に記載の減速機構。
【請求項3】
前記第1面は、前記軸に垂直な面に対して傾斜している、請求項1または2に記載の減速機構。
【請求項4】
前記駆動体の移動方向と前記軸の方向とが平行である、請求項3に記載の減速機構。
【請求項5】
前記駆動体は、曲面形状の突部を有し、
前記突部が前記第1面と接する、請求項1から4のいずれか1項に記載の減速機構。
【請求項6】
前記軸に垂直な方向に力を作用させることにより生じる前記軸を中心とした回転の方向を第1回転方向とすると、前記第1回転方向と逆の第2回転方向に、前記回転体を付勢する付勢部材を備える、請求項1から5のいずれか1項に記載の減速機構。
【請求項7】
前記駆動体の移動をガイドするガイドシャフトを備え、
前記変換部は、送りねじと、当該送りねじと噛み合うとともに当該送りねじの回転に伴い当該送りねじの配設方向に移動するナットとを含み、
前記駆動体は前記ナットと当接し、
前記ガイドシャフトの配設方向と前記送りねじの配設方向とが平行であり、
前記付勢部材がねじりコイルばねである、請求項1から6のいずれか1項に記載の減速機構。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の減速機構と、
前記回転体に取り付けられたミラーと、
前記モータとを備える、ミラー装置。
【請求項9】
請求項8に記載のミラー装置と、
前記ミラー装置のモータの回転を制御する制御装置とを備え、
前記ミラー装置のミラーにより反射されたレーザ光線を用いて、記録媒体に記録されたホログラムを読み出す、ホログラム再生装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
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【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2009−300527(P2009−300527A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−152060(P2008−152060)
【出願日】平成20年6月10日(2008.6.10)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月10日(2008.6.10)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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