説明

渦電流ドライブによる二段速度回転制御装置

回転制御装置(10)は第1および第2の回転可能アセンブリ(20、96)を含む。第1のアセンブリは第1の支持マウント(12)に回転可能に取り付けられ、第2のアセンブリは第1のアセンブリに対して回転可能かつ軸方向に可動である。第1および第2のアセンブリは、同軸の表面(28、106A)を有し、また第2のアセンブリが第1の軸方向位置にあるときには相互に摩擦により係合し、第2のアセンブリが第2の軸方向位置にあるときには係合を解く、軸方向表面(46、102)を有する。第2のアセンブリは、第2の軸方向位置にあるときには、第1のアセンブリから独立に回転できる。回転制御装置は、第1および第2のアセンブリの同軸の表面とそれぞれ関連する第1および第2の渦電流結合アセンブリ(134、136)を備える渦電流ドライブ(132)を含み、これらの渦電流結合アセンブリは空気の隙間(114)を介して隣り合って位置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は回転制御装置に関する。より詳細には、多段速度制御により冷却ファンを駆動することが可能な渦電流ファンドライブシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
代表的な渦電流ドライブにおいては、永久磁石の形式のような第1の磁界発生ドライブ部品が、クラッチのような回転制御装置の入力または出力のいずれかと共に回転するように取り付けられ、入力または出力のいずれかと共に回転するように取り付けられた第2の結合ドライブ部品と磁気的に結合するように取り付けられる。第2の結合ドライブ部品は、代表的には、銅のような電気伝導性材料で形成される第1のリングが、鋼のような磁束伝導性材料の第2のリングを、アルミのような熱伝導性材料で形成された取り付け本体部分に対して、サンドイッチ状に挟む形状であり、本体部分はヒートシンクとしての役割を有する。ねじが第1および第のリングを貫通し本体部分にねじ込まれる。
【0003】
これらの結合ドライブ部品は様々な問題および低効率に悩まされてきた。鋼および銅のリングの本体部分への機械的な取り付けは、部品の数および必要なアセンブリを増加させ、緩みおよび/または分離を起こしやすく、それ故信頼性に悪影響を及ぼす。また、第1および第2のドライブ部品は軸受けで支持され、ファンに接近して固定される。第1および第2のドライブ部品は一定の隙間を持って、軸方向に対面して配置され、ドライブ部品の間には軸方向の相対的動きはない。このような配置が、2段速のファンドライブを提供する。現在の2段速冷却ファンの顧客は、より大きなファンを回転しより速くファンを回転するための、より大きな駆動トルクを要求する。冷却ファンを動かすために使用される現在の渦電流ドライブシステムは、これらの用途を扱うだけのトルク容量を有しない。
【0004】
より大きなファン用途によって要求されるトルクを扱うことのできるファンドライブが存在するが、しかしながら、これらのファンドライブは所望の第2の中間速度を含まない。大きなトルク容量を有する1つのファンクラッチが、米国特許番号第6,092,638号、題名「Splineless Rotational Control Apparatus」において開示され、Horton,Inc.(本出願の譲受人)に譲渡されている。
【0005】
ファンクラッチは、結合要素に軸方向荷重を加える作動システムを含む。作動システムは一般的には回転する部品の1つまたは分離した部品のいずれかによって構成され、結合要素とファン取り付け摩擦ディスク(FMFD)(回転する部品の1つ)との間に若干の軸方向の相対的動きを与え、2つの回転する部品を回転している状態で相互に接続する。代表的には、結合要素は環状のピストンであり、それは少なくとも1個のバネによって動かされ、そのバネは作動位置または不作動位置の方向にピストンにバイアス力を加えて、FMFDを動かす。
【0006】
代表的な軸方向に配置された渦電流ファンドライブにおいては、渦電流結合を生成する2個のアセンブリは軸受けで支持されジャーナル軸に固定されているために、一定の隙間が存在する。渦電流ドライブは、2個のアセンブリの間の軸方向相対的な動きを許容する、大トルク容量のファンクラッチに適用され得る。軸方向に作動するファンクラッチにおいて、渦電流アセンブリの磁極は、中心軸に平行な線に沿って置かれ、軸から一定の半径方向距離の位置に置かれる。渦電流アセンブリは、軸方向に磁性材料と隣り合う非磁性材料を含み、それは空気の隙間によって磁石から軸方向に離れて置かれる。2個のアセンブリの間の空気の隙間は、FMFDが軸方向に動き、2個の渦電流結合アセンブリも相互に相対的に軸方向に動くために、一定ではない。このように、2個のアセンブリの間の軸方向相対的動きを許容しながら一定の隙間を維持する、渦電流結合が必要とされる。
【0007】
軸方向に作動されるファンクラッチは、相互に回転し得る第1と第2のメンバーの間で、回転力の伝達を選択的に制御するために使用され、特にファンを駆動するための摩擦クラッチ装置に使用される。軸方向に作動されるファンクラッチは、より大きなファンを回転しファンをより速く回転するために必要な駆動トルクを扱うことができる。しかしながら、軸方向に作動されるファンクラッチは、一般には1段の速度であり、オンとオフの位置の間でファンを駆動する。
【0008】
渦電流ドライブは一般に、トルクを発生する渦電流、およびトルクを発生しない渦電流、を発生する。トルクを発生しない渦電流が生ずるときは(トルクを伝達しない渦電流)、それは損失であり、非効率であり、そしてドライブの中の熱増加の源である。磁性材料としてソリッドアイアンのバックアイアン(solid−iron back iron)を使用する渦電流ドライブは、トルクを発生しない渦電流を発生する。トルクを発生しない渦電流を除去することは、渦電流駆動の非効率(inefficiency)を増加させる。
【0009】
このように、トルクを発生しない渦電流を除去し、トルクを発生する渦電流(ファン駆動のトルク容量を改善し、ファンをより速い速度で作動するために望まれる、トルクを発生する渦電流)の生成を増加し、より大きなファンを回転しファンをより速い速度で回転し多段のしかし安定した速度での作動を可能とするために必要なトルクを扱うことができる、渦電流ドライブが必要とされる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、第1の回転可能アセンブリおよび第2の回転可能アセンブリを含む回転制御装置に関する。第1のアセンブリは第1の支持マウントの第1の軸に対して回転可能に取り付けられる。第2のアセンブリは第1のアセンブリに対して回転可能に取り付けられ、第2のアセンブリは第1のアセンブリに対して相対的に軸方向に可動である。第1および第2のアセンブリはそれぞれ、相互に隣り合いかつ離れた同軸の表面を有する。第1および第2のアセンブリはさらにそれぞれ軸方向の表面を有し、その表面は第2のアセンブリが第1の軸方向位置にあるときには相互に摩擦により係合し、第2のアセンブリが第2の軸方向位置にあるときには係合を解く。第2のアセンブリが第2の軸方向位置にあるときには、第2のアセンブリは第1のアセンブリから独立に回転することができる。回転制御装置は、第1の渦電流結合アセンブリおよび第2の渦電流結合アセンブリを備える渦電流ドライブを含む。第1の渦電流結合アセンブリは第1のアセンブリの同軸の表面と関連し、第2の渦電流結合アセンブリは第2のアセンブリの同軸の表面と関連し、第2の渦電流結合アセンブリは空気の隙間を介して第1の渦電流アセンブリと隣り合う。
【0011】
本発明のさらなる実施形態においては、第2の渦電流結合アセンブリは、第2のアセンブリの内部空洞の中に配置された複数の同軸の電気的に絶縁されたリング、および電気的に絶縁されたリングに隣接して同軸に置かれた非磁性のリングを含む。
【0012】
本発明の別の実施形態は、回転に対して固定された位置に維持されるように適合された支持マウントを含む、回転制御装置に関する。第1の回転可能アセンブリは、駆動源と相互接続されるように適合された第1の部分、および第1の部分から軸方向に離れた第2の部分を含み、第2の部分はさらに外側周方向表面を含む。第1のベアリングユニットが支持マウントと第1の回転可能アセンブリとの間に介在し、第1の回転可能アセンブリは第1のベアリングユニットを介して支持マウントによって回転可能に支持される。第1の回転可能アセンブリと連動する回転のために、第1の係合面が第1の回転可能アセンブリの第2の部分に備えられる。回転制御装置は、第1および第2のセクションを有する第2の回転可能アセンブリを含む。第2の回転可能アセンブリの第1のセクションは、第1のアセンブリの外側周方向表面と位置合わせされる内側半径方向表面部分を定義する、半径方向に伸びた部分を含み、内側半径方向表面部分は第2の回転可能アセンブリの内部空洞を定義する。第2の回転可能アセンブリの第2のセクションは、第1のセクションから半径方向内側に伸び、第1の回転可能アセンブリの第1の部分から軸方向に離れている。第2の回転可能アセンブリの第1のセクションに、第2の係合面が備えられる。第1の回転可能アセンブリの第1の部分と第2の回転可能アセンブリの第2のセクションとの間に、軸方向にピストンが配置され、ピストンは第1の回転可能アセンブリに対して相対的に軸方向に可動である。回転制御装置は、第1および第2の回転可能アセンブリを相互接続するために、ピストンを第1の回転可能アセンブリに対して相対的に軸方向に動かし第1と第2の係合面の間の選択的係合を行うための手段を含む。第2のベアリングユニットが、第1の回転可能アセンブリに対して相対的な軸方向の連動する運動のために、ピストンおよび第2の回転可能アセンブリを相互接続し、ピストンと第2の回転可能アセンブリとの間の相対的回転を可能とする。第1の渦電流アセンブリが第1の回転可能アセンブリの第2の部分の外側半径表面部分に半径方向に取り付けられ、第2の渦電流アセンブリが第2の回転可能アセンブリの内部空洞の中に半径方向に取り付けられる。第2の渦電流アセンブリは第1の渦電流アセンブリに対して半径方向に離れ同軸に位置する。第2の渦電流アセンブリは、第2の回転可能アセンブリの内部空洞の中に半径方向に配置された材料の複数の電気的に絶縁されたリング、および電気的に絶縁されたリングの1つに接続された非磁性材料の中間リングを含み、中間リングは複数の電気的に絶縁されたリングと第1の渦電流アセンブリとの間に置かれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は添付の図面を参照してさらに説明される。複数の図面の中で、同じ構造は同じ番号によって参照される。
【0014】
上記識別された図面は、発明の複数の実施形態を示すものの、検討の中で指摘されるように、他の実施形態もまた予期される。全ての場合において、ここでの開示は説明のために本発明を示すものであり、制限のためのものではない。この発明の原理の範囲および精神の中で、多数の他の修正および実施形態が、同業者によって工夫され得ることが理解されるべきである。
【0015】
図1Aは本発明の第1の実施形態に従って組み立てられた、回転制御装置10の断面図である。回転制御装置10は、自動車分野において使用される冷却ファンなどの、多段固定速度のファンを駆動するための用途に特に採用される、摩擦クラッチを構成する。
【0016】
回転制御装置10は一体に形成された、装置全体に対する支持マウント12を含む。支持マウント12は回転に対して固定された位置に維持されるように適用され、支持マウント12をエンジンブロックなどの支持構造(示されていない)に固定するために、複数のファスナー(示されていない)を開口16の中で受けるフランジ部分14を含む。
【0017】
支持マウント12は第1の回転可能アセンブリ20を支持するために適用されるジャーナル軸18を含む。第1の回転可能アセンブリ20は軸21を含む。第1の回転可能アセンブリ20は第1の部分22、および第1の部分22から軸方向に離れた第2の部分24を備える。第1の回転可能アセンブリ20の第1の部分22は、駆動ベルト27によって駆動源(示されていない)と結合されるために適用されるシーブ26を定義する外側半径表面を含み、それは回転制御装置10の最初のまたは入力メンバーを構成する。第2の部分24は外側周方向表面28を含む。第1の回転可能アセンブリ20は第1のベアリングユニット30によって、ジャーナル軸18上に回転可能に支持される。第1のベアリングユニット30はジャーナル軸18と第1の回転可能アセンブリ20のシーブ(sheave)26との間に介在する。第1のベアリングユニット30は内側および外側のレース(race)を含み、それらはそれぞれジャーナル軸18の上にはスリップばめ(slip−fit)され、第1の部分22の中にはプレスばめ(press−fit)される。第1のベアリングユニット30の内側のレースは、ジャーナル軸18の肩32に軸方向のある位置で接することによって、また、軸方向に離れた位置においてジャーナル軸18の直径を減じた内側軸端部36に取り付けられた保持要素34との係合により、ジャーナル軸18上で軸方向に位置決めされる。
【0018】
第1の部分22のシーブ26は基部の肩38を備え、それは第1のベアリングユニット30に対する相対的なシーブ26の軸方向位置を示す。図示された実施形態において、肩38は第1の回転可能アセンブリ20の第1の部分22の中心方向に向かう延長線(エンジンブロックに向かう)を示す。シーブ26は外側半径の溝付きのセクション40を定義し、シーブ26に回転駆動力を入力するためにベルト27がそこに張り渡され適用される。第1の回転可能アセンブリ20は、第1の内側周方向表面42および第2のより大きな内側周方向表面44を関連付け、その両者は共に第1の回転可能アセンブリ20の境界の内部に位置する。その上、第1の回転可能アセンブリ20の第2の部分24は、第1の回転可能アセンブリ20と連動する回転のための第1の係合面46をさらに含む。
【0019】
発明の一実施形態において、回転制御装置10は液体圧力制御装置を構成する。図1Aに示された実施形態において、回転制御装置10は、第1の内側周方向表面42までを覆うキャップメンバー48を組み入れる。キャップメンバー48はまた、第1のベアリングユニット30の外側のレースと接し、保持リング50によって軸方向に維持される。シール52がキャップメンバー48と第1の回転可能アセンブリ20の第1の内側周方向表面42との間に介在する。キャップメンバー48の中心に、カップリング54が固定され、それは貫通する液体の通路55を有する。カップリング54の通路55はロータリジョイント58の導管56に液体を導く。ロータリジョイント58は支持マウント12のジャーナル軸18に形成された穴60の内部に取り付けられ、軸方向面59Aを有し、この面でカップリング54の軸方向面59Bと係合することによりその間にロータリユニオンを定義する。一般に、ロータリジョイント58は当該分野において公知のカートリッジ方式を採用する。導管56はさらにジャーナル軸18に形成された通路62に液体を導く。それ故に、この配置によって、加圧された液体が、ジャーナル軸18の内部および通路62、導管56および通路55を経由しキャップメンバー48を貫通して、選択的に強制的に供給され得る。
【0020】
回転制御装置10の組み立ての初期の間に、第1のベアリングユニット30が最初に第1の回転可能アセンブリ20の第1の部分22の中の肩38に対して置かれる。その後、第1の回転可能アセンブリ20および第1のベアリングユニット30は、支持マウント12のジャーナル軸18上を、第1のベアリングユニット30が肩32に接するまで軸方向にスライドされる。ロータリジョイント58は、支持マウント12への第1の回転可能アセンブリ20および第1のベアリングユニット30の組み込みの前または後に、挿入される。保持要素34はジャーナル軸18の内側の端36の上に、ねじ切りをして取り付けられる。シール52およびカップリング54をキャップメンバー48に取り付けた状態で、キャップメンバー48は第1の内側周方向表面42に沿ってスライドされ、第1のベアリングユニット30の外側レースに押し付けられる。その後、第1の内側周方向表面42に
形成された環状の溝に保持リング50が取り付けられ、キャップメンバー48を軸方向に保持する。この配置により、支持マウント12は、その構造的特性を強化するために有益にも1つのピースとして形成されることが可能であり、さらに第1の回転可能アセンブリ20の中に充分に延びたジャーナル軸18を有する。一実施形態において、カップリング54の液体の通路55は、分解のためにキャップメンバー48を取り外す(保持リング50を取り外した後に)ために、ボルトなどを取り付けるためにねじ切りをされる。
【0021】
図1Aに示された実施形態において、保持要素34は水抜き孔64を有するように形成され、ジャーナル軸18は水抜き孔64から支持マウント12を軸方向に貫通する水抜き通路66を備える。この構造によって、カップリング54とロータリジョイント58との間のロータリユニオンにおいて加圧された液体の漏洩が発生した場合には、液体は水抜き回路(水抜き孔64および水抜き通路66)を通じて排出され、第1のベアリングユニットを通ることはなく、それ故にベアリングユニット30の使用寿命が延長される。
【0022】
回転制御装置10はさらにピストン68を含み、それは第1の軸方向側面70によって少なくとも一部は定義される、ディスク形の部分を有し、カップリング54を経由して流入する加圧された液体にさらされる。ピストン68はまた第2の軸方向側面72を含み、そこから外側および内側の軸方向に伸びる部分74および76が突出する。シール78が外側の軸方向に伸びる部分74と第1の回転可能アセンブリ20の第2の部分24の第2の内側周方向表面44との間に介在する。液体のチャンバ80が、第1の回転可能アセンブリ20、キャップメンバー48、およびピストン68の第1の軸方向側面70との間で定義される。第1の回転可能アセンブリは、鋼または鉄のような気泡(porosity)の少ない金属により形成されることが好ましい。さらに以下で詳細に説明されるように、回転制御装置10を係合し、および係合を解くために、ピストン68は第1の回転可能アセンブリ20に対して相対的に軸方向に選択的に動かされるように適用される。
【0023】
図1Aに示された実施形態において、シール78は第1の回転可能アセンブリ20の第2の部分24に固定される。より詳細には、反動板(reaction plate)84の、軸方向に伸びる環状の突起82が、第1の回転可能アセンブリ20と反動板84との間で、シール78をとらえる。ピストン68は突起82、シール78および第1の回転可能アセンブリ20の第2の部分24の軸方向表面に沿ってスライド可能である。
【0024】
反動板84は最外側の周方向フランジ部分86を含み、フランジは第1の回転可能アセンブリ20の第2の部分24に固定されるために適用される。反動板84は第1の回転可能アセンブリ20の第1の係合面46を定義し、それは別の材料を含む摩擦ライニングによって定義され得る。反動板84はまた、内側の、軸方向に伸びる、環状の部分88を含み、これは反動板84の中の環状におよび軸方向に伸びる複数の空洞92を定義することを助ける。図1Aに示された実施形態において、このような12個の空洞が反動板84の中に環状に等間隔に置かれ、空洞92の壁はリブ(示されていない)を定義し、それは反動板84を構造的に補強する。それぞれの空洞92は圧縮ばね94を収めるために適用され、そのばねは反動板84の各空洞92の床93とピストン68の第2の軸方向側面72との間に設置される。
【0025】
ばね94の存在によって、ピストン68にはジャーナル軸18の方向の中心方向に向かいバイアス力が加えられるが、しかし液体チャンバー80の中に導入される液体の圧力が、ばね94のバイアス力に対抗して、ピストン68をジャーナル軸18および第1の回転可能アセンブリ20から遠ざける方向に動かすことができる。この軸方向への動きの間に、ピストン68はまた反動板84に対して相対的に軸方向に動き、ピストン68の内側の軸方向に伸びた部分76が反動板84の内側の軸方向に伸びた部分88に沿って案内される。ピストン68の内側の軸方向に伸びた部分76はシール90を備え、このシールはピストン68の内側の軸方向に伸びた部分76と反動板84の環状部分88との間の接触面を潤滑する潤滑剤を含み、その接触面に埃が侵入することを防ぐ。発明の1形式においては、ピストン68と反動板84との間の接触面95は、摩擦を減少するために、加熱したスプレイ法によって塗布された、TEFRON(登録商標)を含侵されたセラミック/メタリックコーティングを備える。
【0026】
回転制御装置10はまた、ファン取り付け摩擦ディスク(FMFD)としても公知である、第2の回転可能アセンブリ96を含む。第2の回転可能アセンブリ96はピストン68に回転可能に取り付けられる。FMFD96は第1の外側半径方向セクション98を有し、それは第2の内側半径方向セクション100と接続されている。第1の外側半径方向セクション98は第2の係合面102と関連し、その面は別の材料を含む磨耗コーティングによって定義され得る。第2の係合面102は第1の回転可能アセンブリ20の第1の係合面46と並置される。外側半径方向セクション98は第1の半径方向部分98Aおよび第2の半径方向部分98Bを含む。第2の係合面102はFMFD96に一体化される。
【0027】
FMFD96は軽量であることおよび加工および切削が容易であることから、少ない慣性、少ない全体重量、および非磁性であることと相まって、アルミにより形成されることが望ましい。ピストン68および反動板84はまた、アルミのような軽量な非磁性材料により形成されることが望ましい。
【0028】
FMFD96の第2の半径方向部分98Bは、外側半径方向部分104および内側半径方向部分106を有する。第2の半径方向部分98Bの外側半径方向部分104は、回転制御装置10によって運転中に発生する熱を放散する、複数の冷却フィン108を含む。第2の半径方向部分98Bの外側および内側半径方向部分104および106は、その間に内部の環状空洞110を定義する。FMFD96の内側半径方向部分106の内側表面106Aは、第1の回転可能アセンブリ20の第2の部分24の外側周方向表面28と、隣り合う位置において並置され、その結果、外側周方向表面28および内側表面106Aは、その間に隙間114を介して半径方向に位置合わせされる。図2に見られるように、第1および第2の摩擦係合面46および102は、回転制御装置10が係合された位置(すなわち、チャンバー80が加圧されず、またピストン68が動いていない)にあるときに、相互に接するように適用され、これによって第1の回転可能アセンブリ20および第2の回転可能アセンブリ96が摩擦により係合し、一体として回転する。
【0029】
FMFD96はピストン68に、ヘッド部分118を有する軸116を介して取り付けられるように適用される。より詳細には、軸116はトルク締め(torque fitting)されるジャッキボルト(jack bolt)として作り上げられ、FMFD96の内側半径方向セクション100の中心部分に定義される取り付けハブ120の中に支えられるように適用される。取り付けハブ120はまた肩122を備え、そこに第2のベアリングユニット124の内側のレースが位置決めされる。第2のベアリングユニット124は外側のレースを有し、そのレースはピストン68と一体に鋳造された熱膨張制御インサート126(すなわち、インサート126は内側の軸方向に伸びた部分76を定義する)に対してプレスばめされ、1つの軸方向においてピストン68と接し、外側のレースはスナップリング128によって所望の位置に保持される。
【0030】
回転制御装置10の、引き続いての組み立てのステージの間に、ピストン68が第1の回転可能アセンブリ20の第2の部分24の中に挿入され、そして反動板84が、空洞92の中に置かれたばね94と共に、第1の回転可能アセンブリ20に固定される。第2のベアリングユニット124を貫通する軸116と共に、第2のベアリングユニット124がインサート126の中にプレスばめされ、ピストン68と接する。その後スナップリング128が第2のベアリングユニット124の外側のレースを軸方向に維持するために挿入される。主として反動板84の組み立てのために、ピストン68を第1の回転可能アセンブリ20の中に挿入する前に、第2のベアリングユニット124がピストン68に取り付けられることが、実行されるべきである。次いで、取り付けハブ120が第2の回転可能アセンブリ96に接続され、第2のベアリングユニット124の中に挿入される。その後、軸116に軸を回転するためのトルクが加えられ、第2の回転可能アセンブリ96を、肩122が第2のベアリングユニット124の内側のレースに接するまで第2のベアリングユニット124の中に引き込む。軸116を取り付けハブ120の中に締め付けるときに、ヘッド部分118が第2のベアリングユニット124の内側のレースと係合し、内側のレースはヘッド部分118と肩122との間に保持される。
【0031】
このように組み立てられた配置および第2のベアリングユニット124の存在のために、ピストン68および第2の回転可能アセンブリ96は、相互に相対的に回転することができる。さらに、第2のベアリングユニット124が内側の半径方向位置に置かれているために、回転制御装置10の運転の間に発生する遠心力によって、汚れおよび塵は半径方向の外側に向かい第2のベアリングユニット124から遠ざかるように流れる。また第2の回転可能アセンブリ96上の、内側半径方向セクション100に、環状に間隔を置いて配置された複数の軸またはスタッド130が備えられ、これらは第2の回転可能アセンブリ96に固定される。回転制御装置10は最も好適な発明の形式において、摩擦ファンクラッチを構成する故に、軸130は、その上にファンブレード131Aを有するファンブレードリング131(図1Aでは仮想的に示されている)を受けるように適用される。
【0032】
第1の回転可能アセンブリ20および第2の回転可能アセンブリ96の両方が回転を許容されるクラッチとして使用される場合には、ばね94はピストン68にバイアス力を加え、第1と第2の摩擦係合面46と102の間の係合(図2に示される)が得られるような位置に置く。しかしながら、加圧された液体が液体チャンバー80の中に導入され、ピストン68の軸方向の動きを与えることができる。ピストン68と第2の回転可能アセンブリ96との間の、第2のベアリングユニット124を介しての相互係合のために、第1の回転可能アセンブリ20に対する相対的なピストン68の軸方向の動きは、第2の回転可能アセンブリ96の連動した軸方向の動きを生じる。この第2の回転可能アセンブリ96の軸方向の動きは、第1および第2の摩擦係合面46と102との間の係合解放を生じ、その結果として、回転制御装置10の摩擦クラッチの係合を解く操作を生じる(図3に示す)。
【0033】
ピストン68の第1の軸方向側面70は、ディスク形状であり、すなわち平面ではないことに注意すべきである。この構造は液体チャンバー80の中に導入される加圧された液体によって力を加えられる大きなピストン面積を設定する。そして、大きなピストン面積は、所与の液体圧力に対して回転制御装置10の中で発生される高い係合解放力を可能にし、またさらに滑りおよび磨耗を減少させる速やかな係合を生じる、大きなばね力を可能にする。
【0034】
第1の回転可能アセンブリ20および第2の回転可能アセンブリ96が係合されているとき、一方から他方への回転力の伝達は、回転制御装置10の外側半径方向部分において行われる。より詳細には、これらの力は、第1および第2の摩擦係合面46および102を介して、第1の回転可能アセンブリ20と第2の回転可能アセンブリ96との間で直接伝達される。
【0035】
本発明は、ピストン68が第2の係合を解かれた位置にあるときに、すなわち第1および第2の係合面46および102が係合を解かれたときに、第2の回転可能アセンブリ96を中間の速度で駆動するために、渦電流ドライブシステム132を組み込む。図1Bは回転制御装置10の、特に渦電流ドライブシステム132の、断面形状の簡略図である。図示の明瞭化のために、回転制御装置10の中心の部分は図1Bに示されていない。図2は第1の係合された位置における、回転制御装置10の部分断面図であり、図3は第2の係合を解かれた位置における、回転制御装置10の部分断面図である。
【0036】
渦電流ドライブシステム132は第1の渦電流結合アセンブリ134および第2の渦電流結合アセンブリ136を備える。第1の渦電流結合アセンブリ134は、第1の回転可能アセンブリ20の第2の部分24の外側周方向表面28に、第1の回転可能アセンブリ20と第2の回転可能アセンブリ96との間の隙間114に隣り合うように取り付けられる。第1の渦電流アセンブリ134は複数のバックアイアンタブ138および複数の周方向に間隔をあけて置かれた磁石140(例えば、図1Bの磁石140Aおよび140B)を含む。磁石140のペアはそれぞれのバックアイアンタブ138に固定され、ペアの磁石は約14.7度だけ離されているが、この間隔は増減可能である。磁石140のそれぞれのペアおよびその関連するバックアイアンタブ138は、それから周方向に180度離れた対応するバックアイアンタブ138に固定された磁石140のペアを有する。図1Bに示される第1の渦電流アセンブリ134の実施形態においては、磁石140の4組のペア(合計で8個の磁石)が4個のバックアイアンタブ138に取り付けられている。
【0037】
バックアイアンタブ138は、第1の回転可能アセンブリ20の第2の部分24の外側周方向表面28に対して、複数のファスナ142によって固定され、そのファスナはバックアイアンタブ138を貫通して第1の回転可能アセンブリ20の第2の部分24によって受けられる。それぞれの磁石140はバックアイアンタブ138にファスナ144によって固定され、そのファスナは磁石140を貫通してバックアイアンタブ138によって受けられる。第1の渦電流アセンブリ134の外側表面134Aは、第1と第2の回転可能アセンブリ20と96との間の隙間114の中に位置し、また第2の回転可能アセンブリ96の第2の半径方向部分98Bの内側半径方向部分106の内側表面106Aに対して、その間に隙間146が形成されるように、半径方向に離れかつ位置合わせされる。
【0038】
第2の渦電流アセンブリ136は、磁気伝導性(magnetically conductive)で電気的に絶縁された鋼のリング148のスタックにより構成される、積層されたバックアイアン147、および第2の回転可能アセンブリ96の第2の半径方向部分98Bの内側半径方向部分106を含む。積層されたバックアイアン147は絶縁されたリング148を含み、そのリングは第2の半径方向部分98Bの外側と内側の半径方向部分104と106との間に定義される環状空洞110の中に積み重ねられる。絶縁されたリング148は環状空洞110の中に、第2の回転可能アセンブリ96の回転軸21に対して垂直に積み重ねられる。一実施形態においては、磁束ループを完成し、トルクを発生しない渦電流を除去し、そして渦電流ドライブ132の効率を増加するために、絶縁されたリング148は鋼により構成される。
【0039】
図2および図3に見られるように、それぞれの絶縁されたリング148は表面148Aおよび表面148Bを有する。リング148を隣接するリング148から電気的に絶縁するために、それぞれのリング148の軸方向に離れた半径方向の面148Aおよび148Bの上に、絶縁コーティングが置かれる。しかしながら、絶縁コーティングはリングの半径方向に伸びた周方向のエッジに沿っては置かれない。それぞれの絶縁されたリング148は、約0.009インチと約0.019インチとの間の厚さを有し、一実施形態においては約0.018インチの厚さを有する。保持リング152が絶縁されたリング148を環状空洞110の中に維持する。保持リング152は第2の半径方向部分98Bの外側半径方向部分104の中に形成された環状の溝の中に取り付けられる。
【0040】
第2の半径方向部分98Bの内側半径方向部分106は、第2の渦電流アセンブリ136の中間リングを定義する。内側半径方向部分106は、アルミのような非磁性の材料により構成され、第1の渦電流アセンブリ134および積層されたバックアイアン147と隣り合うように位置する。しかしながら、本発明の代替の実施形態においては、中間リングはアルミまたは銅のようなあらゆる非磁性の材料を含み得る。一実施形態においては、第1の渦電流アセンブリ134と第2の渦電流アセンブリとの間の距離は、空気の隙間146および内側半径方向部分106によって定義されるように、約0.060インチである。
【0041】
ピストン68が係合された位置にあるときには、第1および第2の回転可能アセンブリ20および96の、それぞれの第1および第2の係合面46および102は、相互に係合され接する。第1および第2の渦電流アセンブリ134および136は空気の隙間146によってそれぞれから半径方向に離れており、相互に軸方向に実質的に位置合わせされる(すなわち、図2に見られるように、軸方向にわずかにずれている)。係合された位置においては、第2の回転可能アセンブリ96(およびファンブレード131A)は、第1の回転可能アセンブリ20、詳細にはシーブ26、との摩擦結合によって駆動される。
【0042】
ピストン68が第2の係合を解かれた位置にあり、第1および第2の係合面46および102が係合を解かれたときには、第1および第2の回転可能アセンブリ20および96は摩擦結合されない。しかしながら、そのときにも渦電流ドライブ132が第2の回転可能アセンブリ96を回転させる。第2の回転可能アセンブリ96は第1の回転可能アセンブリ20および第1の渦電流アセンブリ134に対して軸方向に動く。渦電流ドライブ132は半径方向に取り付けられているので、第1と第2の渦電流アセンブリ134と136との間の空気の隙間146は、2個の渦電流アセンブリの間の軸方向の動きを許容するときにも一定に保たれる。このように第1の渦電流アセンブリ134と第2の渦電流アセンブリ136との間の隙間146は、第1および第2の係合面46および102が係合を解かれたときにも、変わらない値を保つ。
【0043】
係合を解かれた位置にピストンがある(図3に示される)ときには、第1および第2の回転可能アセンブリ20および96の第1および第2の係合面46および102は、係合を解かれ相互に接しない(すなわち、面46と102との間に隙間154がある)。係合を解かれた位置において、第2の回転可能アセンブリ96はジャーナル軸18から離れる方向の軸方向に動き、その結果として、摩擦係合面46および102は係合を解かれる。第2の渦電流結合アセンブリ136はそれによってジャーナル軸18から離れる方向の軸方向に動く。しかしながら、第1および第2の渦電流アセンブリ134および136は、動いた後に第2の渦電流アセンブリ136が第1の渦電流結合アセンブリ134と軸方向に位置合わせされる(すなわち、図3に示されるように、それらの端が半径方向に伸びた面156および158と位置合わせされる)、軸方向の寸法を有する。係合を解かれた位置において、第2の回転可能アセンブリ96(およびそこに接続されるファンブレード131A)は渦電流ドライブシステム132によって駆動され、それは第2の渦電流アセンブリ136が第1の渦電流アセンブリ134に対して軸方向に動いたときにも、渦電流アセンブリが軸方向に位置合わせされた状態を保つために、作動する。
【0044】
第1および第2の係合面46および102が係合されたとき(図2に示される)には、渦電流は発生せず、第2の回転可能アセンブリ96(それ故に軸130およびファンブレード131A)は、第1の回転可能アセンブリ20、詳細にはシーブ26、によって駆動される。第1および第2の係合面46および102が係合を解かれた位置にあるときには、内側半径方向部分106および電気的に絶縁されたリング148のスタックを備える第2の渦電流アセンブリ136が、第2の回転可能アセンブリ96と共にピストン68に対して相対的に回転する。この相対的な回転のために、渦電流が第2の渦電流アセンブリ136の中間リング106の中に発生する。電気的に絶縁されたリング148のスタックが、トルクを発生しない渦電流の発生を止める。しかしながら、トルクを発生する渦電流は渦電流ドライブ132によってなおも発生する。
【0045】
リング148は渦電流の直径よりも小さい厚さを有し、したがって、より大きな直径の渦電流はそれぞれのリング148の絶縁コーティングを通過することができず、小さな電気回路(渦電流)は分断され(broken)、形成されない。それぞれの鋼のリング148は全ての磁束を含み、絶縁コーティングは渦電流が各リングの間の空気の隙間を飛び越えることを妨げる。こうして、渦電流ドライブ132によって発生する熱は減少され、磁束のみが電気的に絶縁されたリング148のスタックの周囲を通過する。さらに、冷却フィン108がドライブによって発生された熱を放散し、それによってファンドライブの中の熱の量はさらに減少する。係合を解かれた位置において、渦電流ドライブ132はファンを、すなわち第2の回転可能アセンブリ96を、第1の回転可能アセンブリ20に対して相対的に、第2の中間の速度で駆動する。
【0046】
本発明は、トルクを発生しない渦電流を除去するために、電気的に絶縁されたリング148のスタックを使用し、一方ではトルクを発生する渦電流を発生するために、固体の非磁性の中間リング106を使用する。磁界は半径方向に配置された渦電流ドライブ132の第1の渦電流アセンブリ134と共に、第2の渦電流アセンブリ136に対して相対的に回転する。トルクを発生する渦電流を発生する磁束線は、軸21に対して半径方向に中間リング106に対して垂直方向に伸びる。図1Bに例示的な磁束線133が示されている。中間リング106に隣接する電気的に絶縁されたリング148のスタックの中で磁束線が向きを変えるとき、磁束線は中間リング106に対してもはや垂直ではなくなり、トルクを発生する渦電流を発生しない。なぜならば電気的に絶縁されたリング148のスタックがトルクを発生しない渦電流の発生を止めるからである。
【0047】
本発明の渦電流ドライブシステム132において、磁束線133は第1の磁石140A(組の1つの磁石)から中心軸に対して垂直の半径方向に向かって出発し、空気の隙間146を横断し、中間のリング106を半径方向に向かって貫通し、電気的に絶縁されたリング148のスタック(それは第2のバックアイアンを形成する)の中にまで連続する。磁束線133はそれぞれの電気的に絶縁されたリング148の中に含まれて周方向に向きを変え、その後再び向きを変えて半径方向内側に向かって中間リング106を貫通し、空気の隙間146を反対方向に横断し、第1の磁石140Aから周方向に離れた磁石140Bの中にまで連続する。第1の渦電流アセンブリ134のバックアイアンタブ138が磁束線133を含み、その中で周方向に磁束の向きを変えることによって、磁束ループを完成する。
【0048】
渦電流ドライブ132の半径方向配置の中で、第1の渦電流アセンブリ134(バックアイアン138および磁石140)と第2の渦電流アセンブリ136(中間リング106および電気的に絶縁されたリング148のスタック)との間で、相対的な回転運動が存在する。それゆえに、回転する磁界が存在し、その磁界は第1の渦電流アセンブリ134と共に、第2の渦電流アセンブリ136に対して相対的に回転する。
【0049】
磁性、または非磁性材料に対して相対的に回転する、または異なる速度で回転する磁界が存在するときにはいつでも、磁性または非磁性材料の中に磁力線に対して垂直な渦電流が発生する。本発明の渦電流ドライブ132の半径方向配置において、磁界が中間リング106に対して垂直であるとき、渦電流は軸21をとりまく中間リング106に対して接線方向(tangent to)であり、渦電流は軸21に対してトルクをを発生する。トルクを発生する渦電流を発生する磁束線は、中心軸に対して垂直であり、半径方向配置における中間リング106に対して垂直である。電気的に絶縁されたリング148のスタックの中でのように、磁束線が向きを変えるとき、それはもはや中間リング106に対して垂直ではなく、トルクを発生する渦電流を発生しない。非磁性の中間リングに隣り合う固体のバックアイアン材料を有する従来技術の渦電流アセンブリにおいては、これらのトルクを発生しない渦電流がなおも発生し、しかもそれらは非効率であると考えられ、それ自身を熱に変える(precipitate)。本発明においては、トルクを発生しない非効率な渦電流および関連する熱を消去する、電気的に絶縁されたリング148のスタックを使用することによって、トルクを発生しない渦電流が回避される。
【0050】
図4は、回転制御装置10の第2の実施形態の部分的断面図である。回転制御装置10の中の渦電流ドライブ132の取り付けを除いては、すべての特徴は図1A〜図3の実施形態と同じである。第2の実施形態の渦電流ドライブ132は、第1の渦電流結合アセンブリ160および第2の渦電流結合アセンブリ162を備える。第2の回転可能アセンブリ96の第2の半径方向部分98Bは、内部空洞164を定義する外側半径方向部分104を含む。第1の渦電流結合アセンブリ160は、第1の回転可能アセンブリ20の第2の部分24の外側周方向表面28に対して取り付けられ固定され、第1と第2の回転可能アセンブリ20と96との間には隙間166が形成される。第1の渦電流アセンブリ160は、第1の回転可能アセンブリ20の第2の部分24の外側周方向表面28に対して固定された環状のバンドまたはバックアイアン168、およびバックアイアン168に固定された周方向に離れて置かれた複数の磁石170を備える。内部空洞164はその片側を隙間166に開いている。
【0051】
第2の渦電流アセンブリ162は、軸方向に積み重ねられた電気的に絶縁された複数の鋼のリング172により構成される、積層されたバックアイアン171、およびアルミまたは銅であり得る非磁性の中間リング174、を含む。絶縁されたリング172は内部空洞164の中に積層され、絶縁されたリング172のスタックを貫通し第2の回転可能アセンブリ96の下部の外側半径方向セクション98Bによって受けられる複数のファスナ176によって所定位置に保持される。中間リング174は、第1の渦電流アセンブリ160と絶縁されたリング172との間に、第1と第2の渦電流アセンブリ160と162との間に定義された空気の隙間178を保って、少なくとも1つの絶縁されたリング172に取り付けられる。図4に示された実施形態の回転制御装置10は、図1A〜図3に示された実施形態に関連して上記説明された方法と同じ方法で、作動する。
【0052】
本発明は好適な実施形態を参照して記述されてきたが、発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、形式および詳細において変更がなされ得ることは、同業者によって認識される。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1A】本発明の第1の実施形態に従った回転制御装置の断面図である。
【図1B】図1Aに示された回転制御装置の概略断面図であり、明瞭化のために制御装置の一部の部分は示されていない。
【図2】第1の係合された位置における、回転制御装置の部分断面図である。
【図3】第2の係合を解かれた位置における、回転制御装置の部分断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に従った回転制御装置の部分的断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転制御装置であって、
第1の支持マウントの第1の軸に、回転可能に取り付けられた第1のアセンブリと、
該第1のアセンブリに回転可能に取り付けられた第2のアセンブリであって、該第2のアセンブリは該第1のアセンブリに対して軸方向に可動であり、該第1および第2のアセンブリは相互に隣り合いかつ離れた同軸の面をそれぞれ有し、該第1および第2のアセンブリはさらに、該第2のアセンブリが第1の軸方向位置にあるときには相互に摩擦により係合する軸方向の面をそれぞれ有し、また該第1および第2のアセンブリの該それぞれの軸方向の面は該第2のアセンブリが第2の軸方向位置にあるときには係合を解き、該第2のアセンブリが該第2の軸方向位置にあるときには該第2のアセンブリは該第1のアセンブリから独立に回転可能な、第2のアセンブリと、
第1の渦電流結合アセンブリおよび第2の渦電流結合アセンブリを備える渦電流ドライブであって、該第1の渦電流結合アセンブリは該第1のアセンブリの該同軸の面と関連し、該第2の渦電流結合アセンブリは該第1の渦電流結合アセンブリと隣り合いかつ離れている第2のアセンブリの該同軸の面と関連し、該第2の渦電流結合アセンブリは該第1の渦電流結合アセンブリとその間に空気の隙間を介して隣り合う、渦電流ドライブと
を備える、回転制御装置。
【請求項2】
前記第2の渦電流結合アセンブリは、
前記第2のアセンブリの中の内部空洞に配置された、複数の同軸の電気的に絶縁されたリングと、
該電気的に絶縁されたリングに隣接して同軸に置かれた非磁性のリングと、
を備える、請求項1に記載の回転制御装置。
【請求項3】
前記第1の渦電流結合アセンブリは、
前記第1のアセンブリの前記同軸の面に取り付けられたバックアイアンタブのペアであって、該バックアイアンタブは周方向に間隔をおいて互いに反対側に取り付けられた、バックアイアンタブのペアと、
それぞれのバックアイアンタブに固定された磁石のペアと、
を備える、請求項1に記載の回転制御装置。
【請求項4】
回転制御装置であって、
軸方向に伸びた軸を有する支持マウントと、
該軸に回転可能に取り付けられた第1のアセンブリであって、該第1のアセンブリは第1のメンバーおよび第2のメンバーを共に備え、該第1のメンバーは外側半径方向表面部分、該外側半径方向表面部分から離れた外側周方向表面、第1の外側軸方向表面部分、および第2の外側軸方向表面部分を備え、該外側半径方向表面部分は駆動源と係合するように構成され、該外側周方向表面は第1の渦電流アセンブリを備え、該第1の外側軸方向部分は空洞を定義し、該第2のメンバーは該第1のメンバーの該第2の軸方向表面部分に取り付けられ、該第2のメンバーは第1の摩擦面を備える、第1のアセンブリと、
該第2のメンバーにスライド可能に取り付けられたピストンであって、該ピストンは該空洞の中において第1の位置と第2の位置との間で軸方向に可動であり、該ピストンは該第1の位置の方向にバイアス力を加えられる、ピストンと、
該ピストンに対して回転可能に取り付けられた第3のメンバーであって、該第3のメンバーは該第1のアセンブリから独立に回転運動が可能であり、該第3のメンバーは該第1のメンバーの該外側周方向表面に対して半径方向に離れかつ同軸である内側半径方向表面部分を備え、該内側半径方向表面から離れて第2の渦電流アセンブリが内部に置かれる環状空洞を備え、該第3のメンバーは該第2のメンバーの該第1の摩擦面に隣り合う第2の摩擦面をさらに備え、該第1および第2の摩擦面は該ピストンが該第1の位置にあるときには係合し、該第1および第2の摩擦面は該ピストンが該第2の位置にあるときには相互に離れる、第3のメンバーと、
を備え、
該第2の渦電流アセンブリは、
該環状空洞の中に半径方向に配置された積層されたバックアイアンと、
該積層されたバックアイアンに接続された非磁性のバンドであって、該非磁性のバンドは該積層されたバックアイアンと該第1の渦電流アセンブリとの間に位置する、非磁性のバンドと、
を備える、
回転制御装置。
【請求項5】
前記積層されたバックアイアンのそれぞれは、前記環状空洞の内部に積み重ねられた複数の電気的に絶縁された磁性のバンドを備え、それぞれの磁性のバンドは該磁性のバンドの上面および下面に置かれた絶縁コーティングを含む、請求項4に記載の回転制御装置。
【請求項6】
前記複数のバンドは鋼のバンドを備える、請求項5に記載の回転制御装置。
【請求項7】
それぞれのバンドは約0.009インチから約0.019インチまでの厚さを有する、請求項5に記載の回転制御装置。
【請求項8】
前記非磁性のバンドはアルミまたは銅のバンドを備える、請求項4に記載の回転制御装置。
【請求項9】
前記非磁性のバンドおよび前記第2の渦電流アセンブリと前記第1のメンバーの前記外側周方向表面部分との間の間隔は、約0.060インチの合計の厚さを有する、請求項4に記載の回転制御装置。
【請求項10】
軸を有する支持マウントと、第1の回転可能アセンブリを備える第1のメンバーおよび第2のメンバーであって、該第1の回転可能アセンブリが該軸に回転可能に取り付けられ該第2のメンバーが空洞を定義する、第1のメンバーおよび第2のメンバーと、該第2のメンバーにスライド可能に取り付けられ該空洞の中で第1の位置と第2の位置との間で軸方向に可動なピストンと、該ピストンに対して回転可能に取り付けられ該第1の回転可能アセンブリから独立して回転運動が可能な第3のメンバーと、を含む改良された回転制御装置であって、該改良回転制御装置は、
該第1のメンバーの外側周方向表面に取り付けられた第1の渦電流アセンブリと、
該第3のメンバーの内部空洞の中に半径方向に配置された第2の渦電流アセンブリであって、該第2の渦電流アセンブリは該第1の渦電流アセンブリに対して半径方向に隙間を介しかつ同軸に置かれ、内側半径方向表面部分が該第3のメンバーの内部空洞を定義する、第2の渦電流アセンブリと、
を備える、改良回転制御装置。
【請求項11】
前記第2の渦電流アセンブリは、
前記第3のメンバーの内部空洞の中に前記内側半径方向表面部分に隣接して半径方向に配置された、磁気伝導性材料の、複数の電気的に絶縁された金属のリングと、
該絶縁されたリングの一つと接続された非磁性材料の中間リングであって、該中間リングは該複数の絶縁されたリングと前記第1の渦電流アセンブリとの間に置かれる、中間リングと、
を備える、請求項10に記載の改良回転制御装置。
【請求項12】
それぞれの絶縁された金属のリングは上面と下面とを備え、該金属のリングの該上面と下面に絶縁コーティングが置かれる、請求項11に記載の改良回転制御装置。
【請求項13】
前記複数の絶縁された金属のリングは該内部空洞の中に積み重ねられる、請求項11に記載の改良回転制御装置。
【請求項14】
前記内部空洞の中の前記絶縁された金属のリングを保持するための保持リングをさらに備える、請求項13に記載の改良回転制御装置。
【請求項15】
前記第1の渦電流アセンブリは、
前記第1のメンバーの前記外側周方向表面に取り付けられたバックアイアンタブのペアであって、該バックアイアンタブは周方向に間隔を置いて互いに反対側に位置する、バックアイアンタブのペアと、
それぞれのバックアイアンタブに固定された磁石のペアと、
を備える、請求項10に記載の改良回転制御装置。
【請求項16】
回転に対して固定された位置に維持されるように適用された支持マウントと、
駆動源と相互接続されるように適用された第1の部分および該第1の部分から軸方向に離れ外側周方向表面をさらに含む第2の部分とを含む第1の回転可能アセンブリと、
該支持マウントと該第1の回転可能アセンブリとの間に介在する第1のベアリングユニットであって、該第1の回転可能アセンブリが該第1のベアリングユニットを介して該支持マウントによって回転可能に支持される、第1のベアリングユニットと、
該第1の回転可能アセンブリと連動する回転のために、該第1の回転可能アセンブリの該第2の部分に備えられる第1の係合面と、
第1および第2のセクションを有する第2の回転可能アセンブリであって、該第2の回転可能アセンブリの該第1のセクションは、該第1の回転可能アセンブリの該外側周方向表面と位置合わせされる内側半径方向表面部分を定義する半径方向に伸びた部分、および該第2の回転可能アセンブリの内部空洞を定義する該内側半径方向表面部分を含み、該第2の回転可能アセンブリの該第2のセクションは、該第1のセクションから半径方向内側に向かって伸び、該第1の回転可能アセンブリの該第1の部分から軸方向に離れて位置する、第2の回転可能アセンブリと、
該第2の回転可能アセンブリの該第1のセクションに備えられる、第2の係合面と、
該第1の回転可能アセンブリの該第1の部分と該第2の回転可能アセンブリの該第2のセクションとの間に軸方向に配置され、該第1の回転可能アセンブリに対して軸方向に可動である、ピストンと、
該第1および第2の回転可能アセンブリを相互接続するために該第1と第2の係合面との間での選択的な係合を行うために、該ピストンを該第1の回転可能アセンブリに対して軸方向に動かすための手段と、
該ピストンと該第2の回転可能アセンブリとの間の相対的回転を許容し、該第1の回転可能アセンブリに対して軸方向に連動する動きのために、該ピストンおよび第2の回転可能アセンブリとを相互接続する第2のべアリングユニットと、
該第1の回転可能アセンブリの該第2の部分の該外側周方向表面に、半径方向に取り付けられた第1の渦電流アセンブリと、
該第2の回転可能アセンブリの該内部空洞の中に半径方向に取り付けられ、該第1の渦電流アセンブリから半径方向に離れて同軸に置かれる、第2の渦電流アセンブリと
を備える、回転制御装置であって、
該第2の渦電流アセンブリは、
該第2の回転可能アセンブリの該内部空洞の中に該内側半径方向表面部分に隣接して、半径方向に配置された複数の電気的に絶縁されたリングと、
該電気的に絶縁されたリングの一つと接続される非磁性の中間リングであって、該中間リングは該複数の電気的に絶縁されたリングと該第1の渦電流アセンブリとの間に位置する、中間リングとを備える、回転制御装置。
【請求項17】
それぞれの電気的に絶縁されたリングは上面および下面を備え、該電気的に絶縁されたリングの該上面および下面に絶縁コーティングが置かれる、請求項16に記載の回転制御装置。
【請求項18】
前記複数の電気的に絶縁されたリングは前記内部空洞の中に積み重ねられる、請求項16に記載の回転制御装置。
【請求項19】
前記内部空洞の中の前記電気的に絶縁されたリングを保持するための保持リングをさらに備える、請求項18に記載の回転制御装置。
【請求項20】
自動車における用途のための冷却システムであって、
ジャーナル軸を含む支持マウントと、
該軸に回転可能に取り付けられた第1のアセンブリであって、該第1のアセンブリは第1の係合面を含み、半径方向に配置された外壁を有する内部空洞を有する、第1のアセンブリと、
該内部空洞の中に軸方向に配置され、該第1のアセンブリに対してスライド運動が可能なピストンと、
該ピストンに対して回転する第2のアセンブリであって、該第2のアセンブリは半径方向に配置された内壁および第2の係合面を有する、第2のアセンブリと、
該第1のアセンブリに半径方向に取り付けられ、該第2のアセンブリに隣り合うように配置された、第1の渦電流結合アセンブリと、
該第2のアセンブリの該内壁に隣接して半径方向に取り付けられ、該第1の渦電流結合アセンブリとの間に空気の隙間を介して隣り合うように位置する、第2の渦電流結合アセンブリであって、該第2の渦電流結合アセンブリは、
該第2のアセンブリの該内壁に隣接して半径方向に配置された複数の電気的に絶縁されたリングと、
該電気的リングと該空気の隙間との間に半径方向に配置された中間リングと
を備える、第2の渦電流結合アセンブリと、
該ピストンが該第1および第2のアセンブリを選択的に相互接続するために軸方向に動かされるときに、該第1と第2の係合面の間での選択的係合を行うために、該ピストンを該第1のアセンブリに対して軸方向に動かすための手段と
を備える、冷却システム。
【請求項21】
前記第2のアセンブリは、前記ピストンが軸方向に動かされるときに、第1の位置と第2の位置との間でスライド可能である、請求項20に記載の冷却システム。
【請求項22】
前記第1および第2の係合面は、前記第2のアセンブリが前記第1の位置にあるときに係合される、請求項21に記載の冷却システム。
【請求項23】
前記第1および第2の係合面は、前記第2のアセンブリが前記第2の位置にあるときに係合を解かれる、請求項21に記載の冷却システム。
【請求項24】
前記第1および第2の渦電流結合アセンブリは、前記第2のアセンブリが前記第2の位置にあるときに、前記第2のアセンブリを回転する渦電流ドライブを備える、請求項21に記載の冷却システム。
【請求項25】
前記第1の渦電流結合アセンブリは、バックアイアンタブおよび複数の磁石を備え、該バックアイアンタブは前記第1のアセンブリに取り付けられ、該複数の磁石は前記空気の隙間に隣接して配置される、請求項20に記載の冷却システム。
【請求項26】
それぞれの電気的に絶縁されたリングは、該リングの上面および下面に置かれた絶縁コーティングを備える、請求項20に記載の冷却システム。
【請求項27】
軸を含む支持マウントと、
該軸に回転可能に取り付けられた第1の回転アセンブリであって、該第1の回転アセンブリは駆動源と相互接続されるために適用されたシーブ、該シーブから軸方向に離れたスリーブハウジング、および該第1の回転アセンブリのスリーブハウジングに備えられた第1の係合面を含む、第1の回転アセンブリと、
該支持マウントと該第1の回転アセンブリとの間に介在する第1のベアリングユニットであって、該第1の回転アセンブリが該第1のベアリングユニットを介して該軸に対して回転可能に取り付けられる、該第1のベアリングユニットと、
ピストンに対して回転する第2の回転アセンブリであって、該第2の回転アセンブリは半径方向に配置された内壁を有する内部空洞および第2の係合面を有する、第2の回転アセンブリと、
該第1の回転アセンブリと該第2の回転アセンブリとの間に軸方向に配置されたピストンであって、該ピストンは半径方向の部分および該第1の回転アセンブリのスリーブハウジングを有する内側の軸方向に伸びた部分を含み、スリーブハウジングは該ピストンの該軸方向に伸びた部分をスライド可能に支持し、その結果として、該ピストンは該第1の回転アセンブリに対して軸方向に可動である、ピストンと、
該スリーブハウジングと該ピストンの該半径方向の部分との間に介在する、少なくとも一つのばねと、
該ピストンの該軸方向に伸びた部分と該第2の回転アセンブリとの間に介在する第2のベアリングユニットであって、該第2のベアリングユニットは該ピストンと該第2の回転アセンブリとの間の相対的な回転を許容するように該ピストンおよび該第2の回転アセンブリを相互接続する、第2のベアリングユニットと、
該第1および第2の回転アセンブリを選択的に相互接続し、該第2の回転アセンブリを第1の位置と第2の位置との間で動かすために該ピストンが軸方向に動かされるときに、該第1と第2の係合面の間で選択的係合を行うために、該ピストンを該第1の回転アセンブリに対して軸方向に動かすための手段と、
第1の渦電流結合アセンブリおよび第2の渦電流結合アセンブリを備える渦電流ドライブであって、該第1の渦電流結合アセンブリは該第1の回転アセンブリの外側周方向表面と関連し、該第2の渦電流結合アセンブリは該第1の渦電流結合アセンブリに隣り合い隙間を介して位置する該第2の回転アセンブリと関連し、該第2の渦電流結合アセンブリは該第1の渦電流結合アセンブリと隣り合い空気の隙間を介して位置し、該第2の渦電流結合アセンブリは、
該内壁と隣接する該第2の回転アセンブリの該内部空洞の中に配置された、複数の同軸の絶縁されたリングと、
該絶縁されたリングに隣接して同軸に配置された非磁性のリングとを備える、
渦電流ドライブと
を備える回転制御装置であって、
該第2の回転アセンブリが該第1の位置にあるときには該第1および第2の係合面は係合され、その結果として、該第1および第2の回転アセンブリは該支持マウントに対して第1の回転速度で回転し、
該第2の回転アセンブリが該第2の位置にあるときには該第1および第2の係合面は係合を解かれ、その結果として、該第1の回転アセンブリは該支持マウントに対して回転し、該渦電流ドライブが該第2の回転アセンブリを該ピストンに対して第2の回転速度で回転する、回転制御装置。
【請求項28】
前記第1の渦電流結合アセンブリはバックアイアンタブのペアを備え、それぞれのバックアイアンタブにはペアの磁石が取り付けられ、該磁石は前記空気の隙間に隣接して配置される、請求項27に記載の回転制御装置。
【請求項29】
第1および第2の相対的に回転可能なメンバーを選択的に相互接続するための回転制御装置であって、
軸を含む支持マウントであって、該支持マウントは固定された位置に維持されるように適用され、該第1の回転可能メンバーが該軸に回転可能に取り付けられる、支持マウントと、
第1の回転可能メンバーと第2の回転可能メンバーとの間に軸方向に配置されたピストンであって、該第2の回転可能メンバーは該ピストンに対して回転し、該第1と第2の回転可能メンバーの間の選択的な相互接続を行い該第2の回転可能メンバーを第1の位置と第2の位置との間で動かすために、該ピストンは該第1の回転可能メンバーに対して軸方向に可動である、ピストンと、
第1の渦電流結合アセンブリおよび第2の渦電流結合アセンブリを備える渦電流ドライブであって、該第1の渦電流結合アセンブリは該第1の回転可能メンバーの外側周方向表面と関連し、該第2の渦電流結合アセンブリは該第1の渦電流結合アセンブリに隣り合い隙間を介して位置する該第2の回転可能メンバーと関連し、該第2の渦電流結合アセンブリは該第1の渦電流結合アセンブリと隣り合い空気の隙間を介して位置し、該第2の渦電流結合アセンブリは、
該内壁と隣接する該第2の回転可能メンバーの該内部空洞の中に配置された、複数の同軸の絶縁されたリングと、
該絶縁されたリングに隣接して同軸に配置された非磁性のリングとを備える、
渦電流ドライブと、
を備える回転制御装置であって、
該第2の回転可能メンバーが該第1の位置にあるときには該第1および第2のメンバーは相互接続され、その結果として、該第1および第2の回転可能メンバーは該支持マウントに対して第1の回転速度で回転し、
該第2の回転可能メンバーが該第2の位置にあるときには該第1および第2の回転可能メンバーは相互接続されず、その結果として、該第1の回転可能メンバーは該支持マウントに対して回転し、該渦電流ドライブが該第2の回転可能メンバーを該ピストンに対して第2の回転速度で回転する、回転制御装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−501365(P2007−501365A)
【公表日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−522580(P2006−522580)
【出願日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【国際出願番号】PCT/US2004/023067
【国際公開番号】WO2005/018075
【国際公開日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(506038235)ホートン, インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】