説明

温度補償発振回路の温度補償方法、温度補償発振回路および圧電デバイス

【課題】 消費電力の少ない温度補償発振回路の温度補償方法、温度補償発振回路および圧電デバイスを提供する。
【解決手段】 温度補償発振回路は、圧電振動子の周囲温度に応じて記憶部から補正値データを出力し、この補正値データに基づいて前記圧電振動子の周波数温度特性を温度補償する温度補償発振回路であって、前記記憶部から出力された最近2回の前記補正値データを入力して、これらの前記補正値データを外挿予測する予測値データを求める演算手段50と、前記記憶部の後段および前記演算手段50の後段に接続され、前記記憶部から出力された前記補正値データおよび前記記憶部から出力された前記予測値データのいずれか一方を選択して出力する選択手段36と、を備えた構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度補償発振回路の温度補償方法、温度補償発振回路および圧電デバイスに係り、特にディジタル温度補償方式の発振回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術に係る温度補償発振回路1は、図10に示すように、圧電振動子2が接続された発振回路3を備えている。発振回路3には、圧電振動子2の発振周波数を調整する容量アレイが設けられており、容量アレイの容量値を変えることにより発振周波数を変えている。また温度補償発振回路1は、圧電振動子2の周囲温度を測定する温度センサ4を備えている。温度センサ4は、当該測定結果をアナログ信号でアナログ/ディジタル(A/D)変換器5に出力し、このA/D変換器5は、アナログ信号をディジタル信号に変換して記憶部6に出力するものである。
【0003】
記憶部6には、補正値データが記憶されている。この補正値データは、温度補償発振回路1から出力される発振信号を一定の周波数にするために、温度センサ4で測定された温度に対応した容量値に容量アレイを設定するデータである。したがって温度センサ4で測定される圧電振動子2の温度と、補正値データとは1対1に対応付けられている。
【0004】
この記憶部6は、A/D変換器5から出力されたディジタル信号を入力すると、その温度に対応した補正値データを読み出して発振回路3に出力する。発振回路3は、補正値データを入力すると、この補正値データに基づいた容量値になるよう容量アレイを設定し、圧電振動子2の発振周波数を調整して、一定の周波数に調整された発振信号を出力する。このようにして、温度補償発振回路1は、圧電振動子2の周波数温度特性を温度補償している。
【0005】
そして温度補償圧電発振回路について開示された文献としては、特許文献1が挙げられる。特許文献1に開示された発振回路(発振器)は、補正テーブル圧縮のために中間値補間によるデータ生成を行っている。
【特許文献1】特開平8−130411号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述した温度補償発振回路では、温度センサを動作させてディジタル信号を記憶部に出力し、記憶部から補正値データを読み出す度に電力が消費される。また温度補償発振回路を電子機器に搭載した場合、電子機器がスリープモード(省電力モード)中であっても温度補償発振回路を動作させたいときがあるが、温度補償発振回路を動作させ続けると電力が消費されてしまい、また電子機器が電池で動作しているときには電池が早く消耗されてしまう。
【0007】
そして温度補償発振回路の発振回路に圧電振動子を接続してリアルタイムクロックを構成した場合、温度補償発振回路は、バックアップ中のスリープクロックとして用いられることが多い。しかしながら、温度補償発振回路の温度センサやA/D変換器、記憶部が動作すると、温度補償機能の付いていない低周波(例えば32.768kHz)発振回路に比べて、定常発振時消費電流が300〜400倍となり、多くの電力を消費するので、バックアップ中に温度センサ等を頻繁に動作させるのは好ましくない。
【0008】
このため温度センサやA/D変換器、記憶部の動作を間欠で行い、平均の消費電流を抑える方法がとられる場合がある。しかしながら、温度センサやA/D変換器、記憶部の間欠動作間隔を長くとると、温度変化に対する追従性が低下し、一回の温度補正量の増大につながる。そして、温度補正量が大きくなってしまうことにより、温度補正の前と後とで、温度補償発振回路の出力周波数が大きくなってしまうことがあった。
【0009】
また圧電振動子は、圧電振動片をパッケージ等の内部に封止した構成であるので、圧電発振器の周囲温度が変化しても圧電振動片の温度がその周囲温度に到達するまでに時間がかかる。同様に、温度センサは、パッケージ等の内部に収容されたICチップ内に形成された回路素子であったり、ICチップに接続された外付けの部品であるので、圧電発振器の周囲温度が変化しても温度センサの温度がその周囲温度に到達するまでに時間がかかる。したがって、温度センサの温度と圧電振動子の温度との間で、周囲温度変化に対する時定数(温度時定数)に差がある圧電発振器では、正確な温度補償を行うことができないという問題が生じていた。
【0010】
本発明は、消費電力の少ない温度補償発振回路の温度補償方法、温度補償発振回路および圧電デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明に係る温度補償発振回路の温度補償方法は、温度測定部で圧電振動子の周囲温度を間欠的に測定して、記憶部に予め記憶されている補正値データから、測定された温度に対応した前記補正値データを求め、前記補正値データに基づいて前記圧電振動子の周波数温度特性を温度補償するための手段を調整するとともに、得られた最近2回の前記補正値データから、この最近2回の前記補正値データを外挿予測する予測値データを求め、前記予測値データに基づいて圧電振動子の周波数温度特性を温度補償するための前記手段を調整する、ことを特徴としている。予測値データは、最近1回の補正値データに基づいて温度補償した時と、次の補正値データに基づいて温度補償する時との間において温度補償を行うものである。したがって温度変化に対する温度補償の追従性がよくなり、温度測定部や記憶部を間欠動作させる間隔を長くとることができる。また1回の温度補償の調整量を小さくすることができ、高精度の温度補償を行うことができ、低消費電力化をはかることができる。
【0012】
また前記温度測定部で前記圧電振動子の周囲温度を測定した後、前記圧電振動子の内部に備えられた圧電振動片が前記測定された温度に到達すると、前記補正値データまたは前記予測値データに基づいて温度補償するための前記手段を調整することを特徴としている。補正値データまたは予測値データを、圧電振動子の温度時定数に応じて遅延させて前記手段に出力できるので、温度センサが温度を測定したときの温度に圧電振動子が到達したときに温度補償することができる。したがって正確な温度補償を行うことができる。
【0013】
また温度補償するための前記手段は、前記補正値データのみに基づいて調整されることを特徴としている。予測値データを求めないので、予測値データを求めるときに必要な電力を削減することができる。したがって温度補償発振回路を、より低消費電力化することができる。
【0014】
また本発明に係る温度補償発振回路は、圧電振動子の周囲温度に応じて記憶部から補正値データを出力し、この補正値データに基づいて前記圧電振動子の周波数温度特性を温度補償する温度補償発振回路であって、前記記憶部から出力された最近2回の前記補正値データを入力して、これらの前記補正値データを外挿予測する予測値データを求める演算手段と、前記記憶部から入力された前記補正値データおよび前記演算手段から入力された前記予測値データのいずれか一方を選択して出力する選択手段と、を備えたことを特徴としている。これにより補正値データと予測値データとに基づいて温度補償を行うので、補正値データのみに基づいて温度補償を行う場合に比べて温度補償を行う間隔が短くなり、温度変化に対する温度補償の追従性をよくすることができる。また温度測定部や記憶部を間欠動作させる間隔を長くとることもできる。さらに1回の温度補償の調整量を小さくすることができ、高精度の温度補償を行うことができ、低消費電力化をはかることができる。
【0015】
また前記記憶部の後段に接続され、前記記憶部から入力された前記補正値データを保持する第1記憶部と、前記第1記憶部の後段に接続され、前記第1記憶部から入力された前記補正値データを保持する第2記憶部と、を備え、前記演算手段は、前記第1記憶部および前記第2記憶部の後段に接続されて、前記第1記憶部から出力された前記補正値データと、前記第2記憶部から出力された前記補正値データとを入力するとともに、前記選択手段は、前記第1記憶部および前記演算手段に接続されて、前記第1記憶部から出力された前記補正値データと、前記演算手段から出力された前記予測値データと入力する、ことを特徴としている。これにより記憶部から出力された補正値データに基づいて温度補償できるとともに、最近2回の補正値データに基づいて予測値データを求め、この予測値データに基づいて温度補償できる。
【0016】
また前記演算手段は、前記第2記憶部から後段に接続され、前記第2記憶部からの出力信号を1/2倍して2の補数に変換する回路と、前記第1記憶部の後段に接続され、新たな前記補正値データを3/2倍する回路と、これらの前記回路に接続され、前記補数データと3/2倍された前記補正値データとを加算して前記予測値データを求める加算手段と、を備えたことを特徴としている。これにより最近1回の補正値データに基づいて温度補償したときと、次の補正値データに基づいて温度補償するときの間において温度補償を行う予測値データを求めることができる。
【0017】
また前記選択手段の後段に、前記選択手段から出力された前記補正値データまたは前記予測値データを保持する第3記憶部を備えたことを特徴としている。これにより第3記憶部から補正値データまたは予測値データを出力できるので、補正値データまたは予測値データを求めないときは、第3記憶部の前段に接続された各部・各手段の動作を停止させることができる。すなわち第3記憶部の前段に接続された各部・各手段を間欠的に動作できるので、低消費電力化することができる。
【0018】
また前記第3記憶部は、前記圧電振動子の温度時定数にあわせて、保持している前記補正値データまたは前記予測値データを遅延させて出力してなることを特徴としている。補正値データまたは予測値データを、圧電振動子の温度時定数に応じて遅延させて出力できるので、温度センサが温度を測定したときの温度に圧電振動子が到達したときに温度補償することができる。したがって正確な温度補償を行うことができる。
【0019】
また上述した温度補償発振回路に、少なくとも時計機能を備えた計時回路を接続したことを特徴としている。これによりリアルタイムクロックを構成することができる。そして圧電デバイスは、上述した特徴を有する温度補償発振回路を備えているので、間欠的に温度補償を行うことができ、電力の消費量を削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に、本発明に係る温度補償発振回路の温度補償方法、温度補償発振回路および圧電デバイスの最良の実施形態について説明する。まず第1の実施形態について説明する。図1は補正値決定回路の概略説明図である。図2は温度補償発振回路の説明図である。温度補償発振回路10は、図2に示されるように、温度測定部12、記憶部18、補正値決定回路30および圧電振動子20が接続された発振回路22を備えている。
【0021】
補正値決定回路30は、図1に示されるように、第1記憶部32、第2記憶部34、演算手段50、選択手段36、第3記憶部38および制御手段40を備えている。第1記憶部32は、記憶部18から出力された補正値データを入力して保持するものである。第2記憶部34は、第1記憶部32の後段に接続され、この第1記憶部32から出力された補正値データを入力して保持するものである。
【0022】
演算手段50は、第1記憶部32および第2記憶部34の後段に接続され、第1記憶部32から入力された第2の補正値データと、第2記憶部34から入力された第1の補正値データとに基づいて、この最近2回の補正値データを外挿予測する予測値データを求めるものである。選択手段36は、第1記憶部32および演算手段50の後段に接続され、第1記憶部32を介して記憶部18から入力された補正値データと、演算手段50から入力された予測値データとのいずれか一方を選択して出力するものである。第3記憶部38は、選択手段36の後段に接続され、この選択手段36から出力された補正値データまたは予測値データを保持し、出力するものである。
【0023】
制御手段40は、遅延手段42を備えている。この制御手段40は、外部から入力される制御信号に基づいて選択手段36に選択信号を出力するとともに、第3記憶部38に遅延信号を出力するものである。具体的には、制御手段40は、選択信号を選択手段36に出力して、選択手段36で補正値データおよび予測値データのいずれか一方のデータを選択させるものである。また制御手段40は、遅延手段42に設定されている圧電振動子20の温度時定数にあわせた遅延時間を示す遅延信号を第3記憶部38に出力して、第3記憶部38で保持している補正値データまたは予測値データを圧電振動子20の温度時定数にあわせて遅延させて出力させるものである。
【0024】
そして図2に示される圧電振動子20は、所定の周波数で発振するものであり、例えば音叉型圧電振動子やATカット等の圧電振動子、弾性表面波共振子であればよい。この圧電振動子20は、圧電基板に電極が設けられてなる圧電振動片がパッケージ内に気密封止されたものである。このため圧電振動片は、パッケージ内に収められて、気密封止されているので、圧電振動子20の周囲温度が変化してもこの温度変化に直ぐに追従することがなく、ある時間を置いて温度が変化する。すなわち圧電振動子20は、温度時定数を有している。
【0025】
また図2に示される発振回路22は、圧電振動子20を発振させるものである。この発振回路22は、容量アレイや可変容量ダイオード等の周波数調整素子を備えている。この周波数調整素子は、補正値データや予測値データに応じて容量値を変化させて圧電振動子20の発振周波数を調整するものである。すなわち前記周波数調整素子は、圧電振動子20の周波数温度特性を温度補償するための手段である。そして容量アレイは、複数のコンデンサが並列接続されており、各コンデンサに接続されたスイッチを補正値データや予測値データに応じてON/OFF制御して、容量値を変化させるものである。
【0026】
図2に示される温度測定部12は、温度センサ14およびアナログ/ディジタル(A/D)変換器16を備えている。温度センサ14は、圧電振動子20の周囲温度を間欠的に測定し、この測定結果をアナログ信号で出力するものである。またA/D変換器16は、温度センサ14から入力したアナログ信号をディジタル信号に変換し、記憶部18に出力するものである。記憶部18には、補正値データが予め記憶されており、この補正値データの中から、入力されたディジタル信号に応じた補正値データが出力される。なお記憶部18は、温度測定部12からディジタル信号が間欠的に入力されるので、補正値データを読み出して出力する動作を間欠的に行う。補正値データは、温度と1対1に対応させてあり、このデータに基づいて周波数調整素子の容量値を調整すると発振信号の周波数が調整され、圧電振動子20の周波数温度特性が温度補償される。
【0027】
次に、温度補償発振回路10の動作について説明する。図3は温度補償発振回路の動作を説明するフローである。図4は温度補償のタイミングを説明する図である。まず温度補償発振回路10は、温度測定部12で圧電振動子20の周囲温度を測定し、この測定データをディジタル信号で記憶部18に出力する。具体的には、温度センサ14で圧電振動子20の周囲温度を測定し(図4に示す黒丸A)、この測定データをA/D変換器16でディジタル信号に変換した後、ディジタル信号が記憶部18に出力される。記憶部18は、ディジタル信号を入力すると、予め記憶されている補正値データの中から、入力されたディジタル信号に対応した補正値データを読み出して補正値決定回路30に出力する。
【0028】
補正値決定回路30は、補正値データを入力すると、まず補正値データを出力する動作を行う(S100)。すなわち補正値決定回路30に入力された補正値データは、第1記憶部32に一旦記憶保持されるとともに(S110)、第2記憶部34、演算手段50および選択手段36に出力される。このとき第2記憶部34は補正値データ(第1の補正値データ)を一旦記憶保持し、演算手段50は補正値データをロードしない。選択手段36は、制御手段40から入力された選択信号によって補正値データを選択しているので(S120)、第1記憶部32からの補正値データを第3記憶部38に出力する。第3記憶部38は、入力された補正値データを一旦記憶保持する。第3記憶部38は、制御手段40(遅延手段42)から出力された遅延信号(S130)に応じて、補正値データを遅延させて出力する(S140)。補正値データを遅延させて出力する時間(遅延時間)は、圧電振動子20の温度時定数に応じて任意に設定される。すなわち遅延時間は、圧電振動子20が温度センサ14で温度測定したときの温度に到達するまでの時間と一致またはほぼ一致している。
【0029】
そして第3記憶部38、すなわち補正値決定回路30から出力された補正値データは、発振回路22の前記周波数調整素子に入力され、前記周波数調整素子が補正値データに対応した素子値(容量値)に設定される。これにより圧電振動子20の発振周波数が調整されて、一定の周波数となった発振信号が発振回路22から出力される。したがって、圧電振動子20の周波数温度特性が温度補償される(図4に示す黒丸Xn−2)。
【0030】
次に、温度測定部12が圧電振動子20の周囲温度を測定して(図4に示す黒丸B)、記憶部18が予め記憶されている補正値データから、この測定データに対応した補正値データを補正値決定回路30に出力すると、補正値決定回路30は、補正値データを出力する動作を行う(S100’)。すなわち補正値決定回路30に入力された補正値データ(第2の補正値データ)は、第1記憶部32に一旦記憶保持されるとともに(S110’)、第2記憶部34、演算手段50および選択手段36に出力される。このとき第2記憶部34は補正値データを記憶保持することなく、また演算手段50は補正値データをロードしない。
【0031】
選択手段36は、制御手段40から入力された選択信号によって補正値データを選択しているので(S120’)、第1記憶部32からの補正値データを第3記憶部38に出力する。第3記憶部38は、入力された補正値データを一旦記憶保持するとともに、制御手段40(遅延手段42)から出力された遅延信号(S130’)に応じて、補正値データを遅延させて出力する(S140’)。
【0032】
そして補正値データが前記周波数調整素子に入力されると前記周波数調整素子の素子値が調整されるので、発振周波数が調整される。したがって、圧電振動子20の周波数温度特性が温度補償される(図4に示す黒丸Xn−1)。
【0033】
次に、補正値決定回路30は、最近2回の補正値データから、これらのデータを外挿予測する予測値データを求める動作を行う(S200)。この予測値データとは、最近2回の補正値データを外挿予測したときの温度における、前記周波数調整素子の素子値を調整するデータである。すなわち演算手段50は、第2記憶部34に保持されている第1の補正値データと、第1記憶部32に保持されている第2の補正値データとを入力し、外挿予測を行うための予測値データを演算する(S210)。なお、この演算の一例としては、予測値データ(Yn)と、第1の補正値データ(Xn−1)および第2の補正値データ(Xn)との関係が、数式1を満たす演算を行えばよい。
【数1】

そして演算手段50は、求められた予測値データを選択手段36に出力する。
【0034】
選択手段36は、制御手段40から入力された選択信号によって予測値データを選択しており(S220)、この予測値データを第3記憶部38に出力する。第3記憶部38は、制御手段40(遅延手段42)から出力された遅延信号(S230)に応じて、予測値データを遅延させて出力する(S240)。そして予測値データが前記周波数調整素子に入力されるとこの周波数調整素子の素子値が調整されるので、発振周波数が調整される。したがって、圧電振動子20の周波数温度特性が温度補償される(図4に示す白丸Yn)。
【0035】
そして、第2記憶部34に、第1記憶部32から出力されている補正値データ(第2の補正値データ)が一旦記憶保持される(S250)。
この後、補正値決定回路30は、補正値データを出力するS100’〜S140’の動作と、予測値データを出力するS200〜S250の動作とを交互に繰り返して、温度補償を行う。
【0036】
このような温度補償発振回路10は、温度センサ14で圧電振動子20の周囲温度を間欠的に測定したときの温度に基づいて温度補償を行うとともに、過去2回の温度測定の結果を利用して外挿予測した予測値データに基づいて温度補償を行っている。このため温度測定部12や記憶部18を間欠的に動作させることができるので、消費電力を低減させることができる。そして圧電振動子20の温度変化に対する温度補償の追従性をよくすることができ、温度測定部12や記憶部18を間欠動作させる間隔を長くとることができる。また1回の温度補償の調整量が大きくなることがなく、高精度の温度補償を行うことができ、低消費電力化をはかることができる。さらに補正値データと予測値データとを用いて温度補償を行う間隔が同一ならば、一回の調整量を減らせるので出力周波数の変化をさらに抑えることができる。
【0037】
また第3記憶部38は、補正値データまたは予測値データを一旦記憶保持できるので、補正値データまたは予測値データを求めないときは、第3記憶部の前段に接続された各部・各手段の動作を停止させることができる。すなわち第3記憶部の前段に接続された温度測定部12や記憶部18、第1記憶部32、第2記憶部34、演算手段50、選択手段36を間欠的に動作できるので、低消費電力化することができる。
【0038】
また遅延手段42を設けることにより、温度センサ14が温度測定したときの温度に圧電振動子20(圧電振動片)が到達した時にあわせて補正値データまたは予測値データを出力できるので、温度センサ14と圧電振動子20との温度時定数に差があっても、正確な温度補償を行うことができる。
また補正値決定回路30は、複雑な演算回路を必要としない為、機能追加による回路増大・コストアップ・消費電流増大を抑えることができる。
【0039】
なお本実施形態の変形例として、演算手段50は、図5に示すように、前回の温度測定時(図5に示す黒丸A)の温度と新たな温度測定時(図5に示す黒丸B)の温度とから、2回の外挿を行う予測値データを求めて出力してもよい。これにより、より正確な温度補償を行うことができる。また演算手段50は、前回の温度測定時の温度と新たな温度測定時の温度とから、3回以上の外挿を行う予測値データを求めて出力してもよい。
【0040】
また本実施形態の変形例として、制御手段40は遅延手段42を設けない構成としてもよい。すなわち圧電振動子20(圧電振動片)の温度が周囲温度に直ぐに追従するもので、圧電振動子20の温度時定数を考慮しなくてもよい場合、第3記憶部38は、選択手段36から入力された補正値データまたは予測値データを一旦記憶保持するとともに、直ぐに発振回路22に出力する構成にすればよい。これにより、正確な温度補償を行うことができる。
第1の実施形態で説明した温度補償発振回路10は、圧電デバイスである温度補償型圧電発振器を構成している。
【0041】
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態に係る温度補償発振回路は、第1の実施形態で説明した温度補償発振回路と同様の構成であり、一部の作用が異なっている。したがって第2の実施形態では、第1の実施形態と同構成の部分の説明を省略する。図6は第2の実施形態の補正値決定回路の概略説明図である。
【0042】
第2の実施形態に係る温度補償発振回路10は、補正値決定回路30に発振回路22の外部から予測無効信号を入力することによって、この予測無効信号を検出した場合のみ外挿予測の動作を行わないように構成したものである。すなわち第2の実施形態の補正値決定回路30は、予測無効信号を入力すると補正値データのみ出力し、予測値データを出力しない構成であり、外挿予測補償を行わない。
【0043】
また温度補償発振回路10は、予測無効信号を入力しないときは、第1の実施形態で説明した作用と同様に動作する。すなわち補正値決定回路30は、予測無効信号を入力しないときは、補正値データと予測値データとを出力し、温度補償発振回路10は、外挿予測補償を行う。
【0044】
そして第2の実施形態に係る温度補償発振回路10は、外部から予測無効信号を入力した場合、以下のように動作する。すなわち温度補償発振回路10は、予測無効信号を制御手段40に入力させる。制御手段40は、予測無効信号を入力すると、この予測無効信号を第2記憶部34および演算手段50に出力して、第2記憶部34および演算手段50を動作させないようにする。また制御手段40は、選択手段36に選択信号を出力して、選択手段36が第1記憶部32から出力された補正値データのみ選択するように設定する。このとき補正値決定回路30は、第2記憶部34や演算手段50、選択手段36を動作させないため、消費電力を削減することが可能になる。これにより、温度補償発振回路10は、補正値データのみ出力するようになる。
【0045】
このように温度補償発振回路10を構成することにより、さらに消費電力を削減できる。そして温度補償発振回路10が電子機器に搭載されている場合、この電子機器がスリープモード(省電力モード)に移行したときに、電子機器本体が温度補償発振回路10に対して予測無効信号を出力する構成になっていれば、温度補償発振回路10は、通常時には動作している第2記憶部34や演算手段50、選択手段36の動作を停止するため、電子機器の消費電力をさらに低減できる。
なお第2の実施形態で説明した温度補償発振回路10は、圧電デバイスである温度補償型圧電発振器を構成している。
【0046】
次に、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態では、圧電デバイスについて説明する。この第3の実施形態に係る圧電デバイスは、第1,第2の実施形態で説明した温度補償発振回路の後段に時計回路を接続して、リアルタイムクロックを構成している。なお第3の実施形態では、第1,第2の温度補償発振回路と同構成の部分の説明を簡略または省略する。
【0047】
図7は第3の実施形態に係る圧電デバイスの説明図である。温度補償発振回路10の後段、すなわち発振回路22の後段に接続される時計回路62は、分周器64および時計・カレンダー回路66を備えている。分周器64は、発振回路22から出力された発振信号を、所定の分周比で分周するものである。また時計・カレンダー回路66は、分周器64からの出力信号に基づいて時計またはカレンダーを表示または出力するものである。
【0048】
これにより圧電デバイス60は、源振の発振周波数を調整して、高精度に温度補償の行われた発振信号に基づいて、時計やカレンダーの表示や出力を行うことができる。また圧電デバイス60は、間欠的に温度補償を行うので、電力の消費量を削減することができる。
【0049】
次に、第4の実施形態について説明する。第4の実施形態では、圧電デバイスについて説明する。なお第4の実施形態では、第1,第2の温度補償発振回路と同構成の部分の説明を簡略または省略する。図8は第4の実施形態に係る圧電デバイスの説明図である。第4の実施形態に係る圧電デバイス70は、リアルタイムクロックを構成しており、温度センサ14、A/D変換器16、記憶部18、補正値決定回路30、圧電振動子20を接続した発振回路22、時計回路72を備えている。時計回路72は、論理緩急回路74および時計・カレンダー回路76を備えている。また温度センサ14、A/D変換器16、記憶部18、補正値決定回路30、圧電振動子20および発振回路22の各部分は、第1,第2の実施形態で説明したそれぞれの部分と同じ構成である。
【0050】
そして圧電デバイス70は、温度センサ14、A/D変換器16、記憶部18および補正値決定回路30を、第1,第2の実施形態と同様に直列に接続している。補正値決定回路30の後段は、時計回路72内の論理緩急回路74に接続されている。また圧電振動子20が接続された発振回路22の後段も、時計回路72内の論理緩急回路74に接続されている。論理緩急回路74は、分周器を備えており、補正値決定回路30から出力された補正値データまたは予測値データに基づいて分周比を変化させ、発振回路22から出力された発振信号を分周させて、圧電振動子20の周波数温度特性を温度補償するものである。この論理緩急回路74が圧電振動子20の周波数温度特性を温度補償するための手段となる。時計・カレンダー回路76は、論理緩急回路74からの出力信号に基づいて時計またはカレンダーを表示または出力する。
【0051】
このように圧電デバイス70を構成すると、圧電デバイス70は、補正値決定回路30から出力された補正値データや予測値データに基づいて発振信号を分周しているので圧電振動子20の周波数温度特性が高精度に温度補償され、高精度に温度補償の行われた発振信号に基づいて時計やカレンダーの表示や出力を行うことができる。また圧電デバイス70は、間欠的に温度補償を行うので、電力の消費量を削減することができる。
【0052】
次に、第5の実施形態について説明する。第5の実施形態では、温度補償発振回路や圧電デバイスが搭載される電子機器について説明する。第1,第2の実施形態で説明した温度補償発振回路10(温度補償型圧電発振器)は、一定の周波数の発振信号が必要な電子機器に搭載されることができる。また第3,第4の実施形態で説明した圧電デバイス(リアルタイムクロック)60,70は、計時信号やカレンダー機能が必要な電子機器に搭載されることができる。すなわち、圧電デバイスである温度補償型圧電発振器やリアルタイムクロックは、例えば時計用クロック信号の信号源として時間管理が必要なコンピュータやサーバー等の電子機器に搭載されることができる。
【0053】
そして電子機器にスリープモードがある場合は、前記圧電デバイスは補正値決定回路30から補正データや予測値データを出力することにより、圧電振動子20の周波数温度特性を温度補償しているので、温度センサ14やA/D変換器16、記憶部18を間欠的に動作させることができ、電子機器の消費電力を低減させることができる。また電子機器が電池で動作している場合は、電池の消耗を遅くすることができる。また前記圧電デバイスがリアルタイムクロックであれば、電子機器がスリープモード中の低消費電力スリープクロックとして用いることができる。
【実施例】
【0054】
本実施例では、補正値決定回路30の実施例について説明する。図9は実施例に係る補正値決定回路の説明図である。本実施例に係る補正値決定回路30は、8ビットの信号を入出力する構成であるが、ビット数は8ビットに限定されることはない。
【0055】
補正値決定回路30は、第1記憶部32、第2記憶部34、演算手段50、第1選択手段36a、第2選択手段36bおよび第3記憶部38を備えている。演算手段50は、第2記憶部34の後段に接続され、この第2記憶部34からの出力される信号(出力信号)を1/2倍して2の補数データに変換する回路と、第1記憶部32の後段に接続され、この第1記憶部34から出力される補正値データを3/2倍する回路とを備えている。
【0056】
具体的には、1/2倍して2の補数データに変換する前記回路は、第2記憶部34の後段に接続された反転手段52および第3選択手段54と、8ビットの「00000001」を加算手段59に入力させるか否か設定する第4選択手段56とを備えている。そして第2記憶部34は、第1記憶部32から出力された補正値データの上位7桁を出力するものである。また反転手段52は、第2記憶部34からの前記出力信号を反転処理するものである。さらに第3選択手段54は、当該反転処理した信号に最上位桁として「1」を加え、これを加算手段59に出力するか否かを設定するものである。
【0057】
また補正値データを3/2倍する前記回路は、第1記憶部32から出力された補正値データの上位7ビットに、最上位桁として「0」を加えたデータを加算手段59に出力するか否か設定する第5選択手段58と、第1記憶部32から出力された補正値データを入力する手段とを備えている。なお第1〜第5選択手段58は、制御手段40から出力される選択信号に基づいてON/OFF制御される。
【0058】
次に、補正値決定回路30の具体的動作について説明する。
(動作1)
まず補正値決定回路30は、前段に接続された記憶部18から補正値データ(Xn−1)を入力する。この補正値データは、第1記憶部32に入力されて一旦記憶保持された後、第2記憶部34および第1選択手段36aに出力される。第2記憶部34は、この補正値データを入力して一旦記憶保持する。第1選択手段36aは、制御手段40から選択信号を入力してON状態となっており、補正値データを第3記憶部38に出力する。なお第2〜第5選択手段36b,54,56,58は、OFF状態となっているので、信号を出力しない。また加算手段59は、補正値データをロードしない。第3記憶部38は、補正値データを入力すると一旦記憶保持し、制御手段40(遅延手段42)から出力される遅延信号に応じて補正値データを遅延させて出力する。
【0059】
(動作2)
次に、補正値決定回路30は、前段に接続された記憶部18から新たな補正値データ(Xn)を入力する。この新たな補正値データは、第1記憶部32に入力されて一旦記憶保持された後、第2記憶部34および第1選択手段36aに出力される。第2記憶部34は、この新たな補正値データを記憶保持しない。また第1選択手段36aは、制御手段40から選択信号が出力されてON状態となっており、新たな補正値データを第3記憶部38に出力する。なお第2〜第5選択手段36b,54,56,58は、OFF状態となっているので、信号を出力しない。また加算手段59は、新たな補正値データをロードしない。そして第3記憶部38は、新たな補正値データを入力すると一旦記憶保持し、制御手段40(遅延手段42)から出力される遅延信号に応じて新たな補正値データを遅延させて出力する。
【0060】
(動作3)
次に、補正値決定回路30は、予測値データ(Yn)を求める。加算手段59は、入力されるデータをロードする。予測値データを求めるために、演算手段50は、第2記憶部34から補正値データを入力する。反転手段52は、第2記憶部34から補正値データの上位7桁を入力して反転処理する。第3選択手段54では、この反転処理された信号の最上位桁に「1」を加える。また第3選択手段54は、制御手段40から選択信号を入力してON状態となっており、「1」を加えたデータ((Xn−1)/2の1の補数データ)を加算手段59に出力する。第4選択手段56は、制御手段40から選択信号を入力してON状態となっており、「00000001」を加算手段59に出力する。そして加算手段59は、(Xn−1)/2の1の補数データと「00000001」とを加算して、(Xn−1)/2の2の補数データ(−(Xn−1)/2のデータ)を得る。
【0061】
第5選択手段58は、制御手段40から選択信号を入力してON状態となっており、第1記憶部32から出力された新たな補正値データの上位7ビットに、最上位桁として「0」を加えたデータ(Xn/2のデータ)を加算手段59に出力する。また第1選択手段36aは、制御手段40から選択信号を入力してON状態となっており、第1記憶部32から出力された新たな補正値データ(Xnのデータ)を加算手段59に出力する。このとき第3記憶部38は、入力されるデータを記憶保持しない。また第2選択手段36bは、OFF状態となっているので、信号を出力しない。加算手段59は、Xn/2のデータとXnのデータとを加算して、(Xn)×3/2のデータを得る。さらに加算手段59は、−(Xn−1)/2のデータと(Xn)×3/2のデータとを加算して予測値データを得る。
【0062】
この予測値データは、加算手段59から第2選択手段36bに出力される。そして第2選択手段36bは、制御手段40から選択信号を入力してON状態となり、予測値データを第3記憶部38に出力する。第3記憶部38は、予測値データを入力すると一旦記憶保持し、制御手段40(遅延手段42)から出力される遅延信号に応じて予測値データを遅延させて出力する。このとき第1,第3〜第5選択手段36a,54,56,58は、OFF状態となっているので、信号を出力しない。そして第2記憶部34は、第1記憶部32から新たな補正値データを入力して、一旦記憶保持する。
この後、補正値決定回路30は、動作2と動作3とを繰り返して、温度補償を行う。
【0063】
なお第1記憶部32、第2記憶部34および第3記憶部38には、例えばラッチ回路を用いればよい。反転手段52には、インバータを用いればよい。加算手段59には、加算回路を用いればよい。第1〜第5選択手段36a,36b,54,56,58には、スリーステートバッファを用いればよい。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】補正値決定回路の概略説明図である。
【図2】温度補償発振回路の説明図である。
【図3】温度補償発振回路の動作を説明するフローである。
【図4】温度補償のタイミングを説明する図である。
【図5】温度補償のタイミングの変形例を説明する図である。
【図6】第2の実施形態の補正値決定回路の概略説明図である。
【図7】第3の実施形態に係る圧電デバイスの説明図である。
【図8】第4の実施形態に係る圧電デバイスの説明図である。
【図9】実施例に係る補正値決定回路の説明図である。
【図10】従来技術に係る温度補償発振回路の説明図である。
【符号の説明】
【0065】
10………温度補償発振回路、12………温度測定部、18………記憶部、20………圧電振動子、30………補正値決定回路、32………第1記憶部、34………第2記憶部、36………選択手段、38………第3記憶部、40………制御手段、50………演算手段、59………加算手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度測定部で圧電振動子の周囲温度を間欠的に測定して、記憶部に予め記憶されている補正値データから、測定された温度に対応した前記補正値データを求め、
前記補正値データに基づいて前記圧電振動子の周波数温度特性を温度補償するための手段を調整するとともに、
得られた最近2回の前記補正値データから、この最近2回の前記補正値データを外挿予測する予測値データを求め、前記予測値データに基づいて圧電振動子の周波数温度特性を温度補償するための前記手段を調整する、
ことを特徴とする温度補償発振回路の温度補償方法。
【請求項2】
前記温度測定部で前記圧電振動子の周囲温度を測定した後、前記圧電振動子の内部に備えられた圧電振動片が前記測定された温度に到達すると、前記補正値データまたは前記予測値データに基づいて温度補償するための前記手段を調整することを特徴とする請求項1に記載の温度補償発振回路の温度補償方法。
【請求項3】
前記補正値データと前記予測値データとによる温度補償を交互に行うことを特徴とする請求項1または2に記載の温度補償発振回路の温度補償方法。
【請求項4】
温度補償するための前記手段は、前記補正値データのみに基づいて調整されることを特徴とする請求項1または2に記載の温度補償発振回路の温度補償方法。
【請求項5】
圧電振動子の周囲温度に応じて記憶部から補正値データを出力し、この補正値データに基づいて前記圧電振動子の周波数温度特性を温度補償する温度補償発振回路であって、
前記記憶部から出力された最近2回の前記補正値データを入力して、これらの前記補正値データを外挿予測する予測値データを求める演算手段と、
前記記憶部から入力された前記補正値データおよび前記演算手段から入力された前記予測値データのいずれか一方を選択して出力する選択手段と、
を備えたことを特徴とする温度補償発振回路。
【請求項6】
前記記憶部の後段に接続され、前記記憶部から入力された前記補正値データを保持する第1記憶部と、
前記第1記憶部の後段に接続され、前記第1記憶部から入力された前記補正値データを保持する第2記憶部と、を備え、
前記演算手段は、前記第1記憶部および前記第2記憶部の後段に接続されて、前記第1記憶部から出力された前記補正値データと、前記第2記憶部から出力された前記補正値データとを入力するとともに、
前記選択手段は、前記第1記憶部および前記演算手段に接続されて、前記第1記憶部から出力された前記補正値データと、前記演算手段から出力された前記予測値データと入力する、
ことを特徴とする請求項5に記載の温度補償発振回路。
【請求項7】
前記演算手段は、
前記第2記憶部から後段に接続され、前記第2記憶部からの出力信号を1/2倍して2の補数に変換する回路と、
前記第1記憶部の後段に接続され、新たな前記補正値データを3/2倍する回路と、
これらの前記回路に接続され、前記補数データと3/2倍された前記補正値データとを加算して前記予測値データを求める加算手段と、
を備えたことを特徴とする請求項5または6に記載の温度補償発振回路。
【請求項8】
前記選択手段の後段に、前記選択手段から出力された前記補正値データまたは前記予測値データを保持する第3記憶部を備えたことを特徴とする請求項5ないし7のいずれかに記載の温度補償発振回路。
【請求項9】
前記第3記憶部は、前記圧電振動子の温度時定数にあわせて、保持している前記補正値データまたは前記予測値データを遅延させて出力してなることを特徴とする請求項8に記載の温度補償発振回路。
【請求項10】
請求項5ないし9のいずれかに記載の温度補償発振回路に、少なくとも時計機能を備えた計時回路を接続したことを特徴とする温度補償発振回路。
【請求項11】
請求項5ないし10のいずれかに記載の温度補償発振回路に、圧電振動子を接続したことを特徴とする圧電デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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