温水装置
【課題】燃焼器の駆動を停止させるようなことなく、ドレインの発生を適切に防止または抑制し得るとともに、顕熱回収用の熱交換器の熱交換効率を高くすることが可能な温水装置を提供する。
【解決手段】燃焼ガスから顕熱を回収するための水管4を有する顕熱回収用の熱交換器HTを備えており、水管4は、高温ガス接触部P1と低温ガス接触部P2とを有している、温水装置A1であって、水管4に供給された水が高温ガス接触部P1と低温ガス接触部P2とに分岐して流れ込むように構成された配管部44a,44bと、高温ガス接触部P1の一部を通過してから低温ガス接触部P2に流れ込む水量と高温ガス接触部P1を通過することなく低温ガス接触部P2に流れ込む水量とを変更可能とする流量調整バルブ52Cを含む通水状態変更手段と、を備えている。
【解決手段】燃焼ガスから顕熱を回収するための水管4を有する顕熱回収用の熱交換器HTを備えており、水管4は、高温ガス接触部P1と低温ガス接触部P2とを有している、温水装置A1であって、水管4に供給された水が高温ガス接触部P1と低温ガス接触部P2とに分岐して流れ込むように構成された配管部44a,44bと、高温ガス接触部P1の一部を通過してから低温ガス接触部P2に流れ込む水量と高温ガス接触部P1を通過することなく低温ガス接触部P2に流れ込む水量とを変更可能とする流量調整バルブ52Cを含む通水状態変更手段と、を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給湯器などとして構成される温水装置、さらに詳しくは、燃焼器で発生させた燃焼ガスから熱交換器の水管を利用して熱を回収することにより湯を生成するタイプの温水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
熱交換器を備えた温水装置においては、省エネ化や運転コストの低減化などの種々の観点から、熱交換器の熱交換効率をできる限り高くすることが望まれる。従来の一般的な給湯器では、高位発熱量計算で86%程度の熱交換率を達成しているが、この数値は、未だ十分とはいえず、改善の余地がある。その改善策としては、熱交換器の水管に通水を行なわせる場合に、この水管に作用する燃焼ガスの温度が低い部分から高い部分に向けて水を流通させることが有効である。具体的には、水管が燃焼ガスの流れ方向に複数段に並んで設けられている場合、この水管には、燃焼ガス流れ方向下流部分から入水を行なわせ、この水が燃焼ガス流れ方向上流に向けて流れるようにする。このように燃焼ガスの進行方向と水管への通水方向とを対向させれば、それらが同方向とされている場合よりも熱交換効率が高くなる。
【0003】
ただし、前記手段を採用した場合、たとえば水管への入水温度が低いときに、燃焼ガス中の水蒸気が凝縮(結露)し、熱交換器内にドレイン(凝縮水)が発生し易くなる。一般に、このドレインは、燃焼ガス中の硫黄酸化物や窒素酸化物などを吸収したPH3程度の強酸性であり、熱交換器がたとえば銅製である場合、この熱交換器を腐食させる。また、このドレインを強酸性のまま外部に排出させることは適切でないため、中和器を用いるなどしてドレインの中和処理を行なう必要が生じ、そのコストが嵩む。温水装置の製作に際しては、前記したような不具合を回避する観点から、熱交換効率をできる限り低下させることなく、ドレインの発生を防止したい場合がある。
【0004】
温水装置としては、顕熱が回収された後の燃焼ガスから潜熱をも回収するように構成されたいわゆる潜熱回収型のものもある。このような温水装置では、潜熱回収用の熱交換器において多量のドレインが発生するために、その材質はたとえばステンレスとされている。ところが、このような温水装置であっても、顕熱回収用の熱交換器については、その製造コストを廉価にするなどの観点からその材質を銅製とする場合が多い。したがって、潜熱回収用の熱交換器を備えた温水装置であっても、顕熱回収用の熱交換器の部分においては、ドレインが発生しないようにすることが要請される。
【0005】
従来においては、ドレインの発生を抑制可能な給湯器の一例として、特許文献1に記載のものがある。この従来の給湯器は、熱交換器への入水温度が所定温度以下となって、ドレインが発生する条件になると、その時点で燃焼器への燃料供給が停止され、燃焼器の駆動が停止されるように構成されている。
【0006】
しかしながら、前記従来技術においては、ドレインが発生する条件になると、燃焼器の駆動が停止されるために、給湯がなされている最中にその給湯が突然途絶え、暖かい湯に代わって、非加熱の低温の水が供給されるという不具合を生じる。とくに、冬季などの入水温度が低くなる季節には、ドレインが発生し易くなり、前記した不具合は頻発することとなるため、ユーザにとっては非常に不便となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特公平4−38987号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、燃焼器の駆動を停止させるようなことなく、ドレインの発生を適切に防止または抑制し得るとともに、顕熱回収用の熱交換器の熱交換効率を高くすることが可能な温水装置を提供することを、その課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0010】
本発明により提供される温水装置は、燃焼器と、この燃焼器によって発生された燃焼ガスから顕熱を回収するための水管を有する顕熱回収用の熱交換器と、を備えており、前記水管は、燃焼ガス流れ方向上流寄りに位置する高温ガス接触部と、燃焼ガス流れ方向下流寄りに位置する低温ガス接触部とを有している、温水装置であって、前記水管に供給された水を前記高温ガス接触部の一部に流れさせてから前記低温ガス接触部に流入させることが可能な配管部と、前記水管に供給された水が前記低温ガス接触部に流入する前に前記高温ガス接触部を流れる距離または流量を変更可能とする通水状態変更手段と、を備えており、前記配管部は、前記水管に供給された水が前記高温ガス接触部と前記低温ガス接触部とに分岐して流れ込むように構成され、前記通水状態変更手段は、前記高温ガス接触部の一部を通過してから前記低温ガス接触部に流れ込む水量と、前記高温ガス接触部を通過することなく前記低温ガス接触部に流れ込む水量とを変更可能とする流量調整バルブを含んでいることを特徴としている。
【0011】
このような構成によれば、水管の低温ガス接触部に流れ込む水の温度を、流量調整バルブの制御によって変更することができ、本発明が意図する作用が適切に得られる。すなわち、本来的に最も結露を生じ易い低温ガス接触部が露点以下の温度にならないようにし、熱交換器に結露を生じないようにすることができる。もちろん、その際、低温ガス接触部に流入する水の温度をあまり高くし過ぎないようにすれば、結露を生じない範囲において高い熱交換効率が得られる。このようなことから、本発明によれば、燃焼器の駆動を停止させることなく、顕熱回収用の熱交換器にドレインが発生することを適切に防止または抑制し、しかも高い熱交換効率を達成することができる。
【0012】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記熱交換器に結露が生じる可能性を判断する判断手段を備えており、この判断手段により結露の可能性があると判断されたときには、前記高温ガス接触部の一部を通過してから前記低温ガス接触部に流れ込む水量が増加するように前記流量調整バルブが制御される構成とされている。
【0013】
このような構成によれば、流量調整バルブの制御がいわゆる自動化されることとなるため、ユーザにとって便利である。
【0014】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】温水装置の一例を示す一部断面正面図である。
【図2】図1に示す温水装置の熱交換器を示す要部断面図である。
【図3】図2に示す熱交換器の上段部分と下段部分とを模式的に示す平面断面説明図である。
【図4】(a),(b)は、図2および図3に示した熱交換器の通水状態の一例を示す説明図である。
【図5】(a),(b)は、図2および図3に示した熱交換器の通水状態の他の例を示す説明図である。
【図6】図1に示す温水装置に具備された制御部が保持するドレイン発生限界のデータの一例を示す説明図である。
【図7】図1に示す温水装置に具備された制御部が保持するドレイン発生限界のデータの他の例を示す説明図である。
【図8】図1に示す温水装置に具備された制御部の動作処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図9】本発明に係る温水装置の一例を示す要部断面図である。
【図10】図9に示す温水装置の熱交換器の上段部分と下段部分とを模式的に示す平面断面説明図である。
【図11】温水装置の他の例を示す一部断面正面図である。
【図12】(a),(b)は、温水装置の他の例を模式的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
【0017】
図9および図10は、本発明が適用された温水装置の一例を示している。ただし、その温水装置の基本的な構成について、図1〜図8を参照して先に説明する。図1に示す温水装置A1は、逆燃焼式の給湯装置として構成されており、燃焼器1、熱交換器HT、底部ケーシング30、消音器31、および制御部6を具備している。
【0018】
燃焼器1は、たとえばオイル燃焼器であり、噴霧ノズル10から灯油などの燃料オイルを下向きに噴射させ、点火プラグ12により着火させて燃焼させるものである。噴霧ノズル10には、図示されていない燃料タンクから電磁弁15aや配管15bなどを介して燃料オイルが供給される。この燃焼器1の缶体11内には送風ファン13から燃焼用空気が下向きに送り込まれ、この燃焼用空気は、噴霧ノズル10の周囲からその下方領域にわたって延びた燃焼筒14内に進入するようになっている。燃焼筒14は、その周壁に複数の通気孔を有しており、この燃焼筒14内において前記燃焼用空気を旋回流とし、噴霧された燃料オイルと燃焼用空気との混合を促進する役割を果たす。
【0019】
燃焼器1により発生された燃焼ガスは、燃焼器1の下方の缶体21から熱交換器HTを下向きに通過して底部ケーシング30内に進入し、その後上向きにUターンして消音器31内に流入する。この消音器31は、内部に吸音材(図示略)を有しており、燃焼ガスはこの消音器31内を通過してこの消音器31の排気口31aから排ガスとして外部に排出される。
【0020】
熱交換器HTは、燃焼ガスが内部を通過する缶体20と、この缶体20に貫通して設けられた水管4と、後述する通水経路切り換え部5A,5Bを構成する2つの方向切り換えバルブ52A,52Bとを備えている。缶体20は、燃焼器1の燃焼部を囲む缶体21とは別体に形成されているが、これらは一体に形成してもよい。水管4には、複数のフィン70が設けられている。
【0021】
図2に示すように、水管4は、缶体20内において上下方向および水平方向に複数段、複数列に並んだ複数の熱交換用の管体部4a〜4jを有している。図面では、理解の容易のため、上下2段、水平方向5列の管体部4a〜4jを備えた単純な構成を具体例として挙げているが、管体部の配列や本数がこれに限定されないことは勿論である。熱交換器HTに対する燃焼ガスの進行方向は、下向きであるため、まず上段の管体部4a〜4eには
熱が未回収状態の高温の燃焼ガスが作用し、その後この燃焼ガスは下段の管体部4f〜4jに作用することとなる。したがって、この温水装置A1においては、上段の管体部4a〜4eが高温ガス接触部P1であり、下段の管体部4f〜4jが低温ガス接触部P2である。
【0022】
図3の右側に示すように、下段の管体部4f〜4jは、互いに隣り合う部分の端部どうしがU字管部41を介して接続された構成であり、それらの内部は一連に繋がっている。下段の管体部4jと上段の管体部4eとは、配管部51を介して接続されている。上段の管体部4a〜4eには、図3の左側に示すように、入水口42a、出湯口42b、および通水経路切り換え部5A,5Bが設けられている。
【0023】
入水口42aには、水道管などの外部の給水管(図示略)から水が供給され、この水は、管体部4aに流入するようになっている。通水経路切り換え部5Aは、管体部4a〜4cの一端どうしを繋ぐ3本の配管部50a、下段の管体部4fの一端に繋がった配管部50b、およびこれら配管部50a,50bの交差連結部分に設けられた方向切り換えバルブ52Aを有している。通水経路切り換え部5Bは、管体部4b〜4dの一端どうしを繋ぐ3本の配管部50c、出湯口42bに繋がった配管部50d、およびこれら配管部50c,50dの交差連結部分に設けられた方向切り換えバルブ52Bを有している。出湯口42bから出湯した湯は、図1に示す缶体21の周囲に巻かれた管体部49を流通してから所望の給湯先に供給されるようになっている。
【0024】
熱交換器HTにおいては、次に述べるように、第1および第2の通水経路を切り換え設定可能となっている。第1の通水経路では、図4(b)に示すように、方向切り換えバルブ52A,52Bは、矢印N1〜N4の方向に水を流通させるように設定される。この設定がなされると、入水口42aに供給された水は、管体部4aを通過した後に、方向切り換えバルブ52Aおよび配管部50bを経由して下段の管体部4fに導かれ、下段の管体部4f〜4jを流通する。次いで、前記水は、配管部51を経由して水管4の上段に戻り、管体部4e,4d,4c,4bを通過してから方向切り換えバルブ52Bを経て出湯口42bに到達する。同図(a)では、前記した通水順路を、矢印n1で模式的に示している。同図から容易に理解できるように、第1の通水経路の場合、水管4に供給された水は、下段の管体部4f〜4jに流入する前に上段の1つの管体部4aのみを通過している。そして、下段の管体部4f〜4jを通過した水は、先に未通水となっていた管体部4b〜4eの全てを通過しており、水管4に非通水状態の部分が発生しないようになっている。このことにより、水管4のいわゆる空炊き状態が回避される。
【0025】
第2の通水経路では、図5(b)に示すように、方向切り換えバルブ52A,52Bは、矢印N5〜N8の方向に水を流通させるように設定される。この設定がなされると、入水口42aに供給された水は、管体部4aに加えて管体部4b,4cをも通過してから下段の管体部4f〜4jに向かう。次いで、それら管体部4f〜4jを通過した水は、上段の管体部4e,4dを通過してから出湯口42bに到達する。同図(a)では、前記した通水順路を、矢印n2で模式的に示している。同図から容易に理解できるように、第2の通水経路の場合、水管4に供給された水は、その下段の管体部4f〜4jに流入する前に上段の3つの管体部4a〜4cを通過している。そして、下段の管体部4f〜4jを通過した水は、先に未通水となっていた管体部4d,4eを通過しており、やはり水管4に非通水状態の部分が発生しないようになっている。
【0026】
制御部6は、CPUおよびこれに付属するメモリを備えて構成されており、温水装置A1からの出湯温度が所望の温度となるようにこの温水装置A1の各部の動作制御を実行する。また、この制御部6は、この熱交換器HT内に結露が発生する可能性があるか否かを判断し、その判断結果に応じて方向切り換えバルブ52A,52Bの制御を行ない、前記
第1および第2のモードを切り換え設定するように構成されている。
【0027】
より具体的には、この制御部6には、温水装置A1におけるドレイン発生限界のデータが予め入力されている。図6にそのデータの一例を示す。同図のデータD1は、燃焼器1の燃焼火力が所定の場合に、ドレインの発生限界となる水管4への入水温度と流水量との値を示している。このデータD1のラインよりも下側領域の条件では、結露を生じず、ドレインは発生しない。燃焼器1の燃焼火力としては、たとえば燃焼器1に対する燃料オイルの供給量(単位時間あたりの供給量)の値が用いられている。データD1は、たとえば温水装置A1の試験運転を行なうことにより求めることが可能であり、試験により求めれば、データの誤差を小さくすることができる。好ましくは、図6に示すようなドレイン発生限界のデータは、燃焼器1の異なる燃焼火力ごとに求められており、これら複数のデータが制御部6に記憶されている。
【0028】
図7は、ドレイン発生限界のデータの他の例を示している。同図のデータD2は、水管4への入水温度が所定温度の場合に、ドレインの発生限界となる燃焼ガス温度と水管4の流水量との値を示している。好ましくは、このデータD2は、異なる入水温度ごとに求められている。制御部6には、図6に示したデータD1に代えて、そのようなデータD2が記憶されていてもかまわない。ドレインの発生を左右する大きな要素としては、水管4への入水温度、水管4内の流水量、燃焼ガス温度(または燃焼火力)などが挙げられるが、ドレイン発生限界のデータとしては、それらの項目のいずれかを組み合わせて種々の内容のものとして作成することが可能である。したがって、本発明でいうドレイン発生限界のデータの具体的な内容は、図6および図7に示したような内容のものには限定されない。
【0029】
図面では省略しているが、温水装置A1には、水管4への入水流量、入水温度、および燃焼器1への燃料供給流量を検出するための複数のセンサが設けられている。制御部6は、これらセンサからの信号に基づいて前記入水流量などの値を把握した上で、その値と図6に示したようなドレイン発生限界のデータとを比較し、熱交換器HTに結露が発生する可能性を判断するように構成されている。そして、制御部6は、その判断結果に応じて、後述するように、方向切り換えバルブ52A,52Bの切り換え制御を実行するようになっている。
【0030】
次に、前記した温水装置A1の作用、ならびに制御部6の動作処理手順の一例について、図8のフローチャートを参照しつつ説明する。
【0031】
まず、制御部6は、温水装置A1の運転開始時には、方向切り換えバルブ52A,52Bを制御し、熱交換器HTの水管4を前記した第1の通水経路に設定する(S1)。この第1の通水経路にすると、図4に示したように、水管4の下段の管体部4f〜4jに対して、1つの管体部4aを通過しただけの加熱量が少ない比較的低温の水が供給される。そして、その後この下段の管体部4f〜4jを通過した水が上段の管体部4b〜4eに送ることができる。したがって、熱交換器HTの熱交換効率がよい。
【0032】
次いで、制御部6は、水管4への入水流量、入水温度、および燃焼器1への燃料供給流量を監視し、かつそれらの値を図6に示したドレイン発生限界のデータと照らし合わせて熱交換器HTに結露を生じる可能性があるか否かを判断する(S2)。この判断の結果、ドレイン発生の可能性があると判断したときには、制御部6は、方向切り換えバルブ52A,52Bを動作させて、水管4を前記した第2の通水経路に切り換え設定する(S3:YES,S4)。第2の通水経路にすると、図5に示したように、水管4に供給された水は、上段の3つの管体部4a〜4cを通過してから下段の管体部4f〜4jに流入する。上段の3つの管体部4a〜4cを水が通過する距離は長く、その加熱量は多い。したがって、下段の管体部4f〜4jには低温の水が流入しないようにして、それら管体部4f〜
4jに結露が生じることを適切に防止することができる。
【0033】
その後、制御部6は、温水装置A1の運転が終了されない限り、結露の可能性判断を継続して実行している(S5:NO,S6)。そして、その判断の結果、水管4を元の第1の通水経路に戻しても結露の可能性がないと判断したときには、方向切り換えバルブ52A,52Bを動作させて、水管4の通水経路を前記第1の通水経路に復帰させる(S7:YES,S1)。この復帰動作により、熱交換効率を高い水準に戻すことができることとなる。
【0034】
前記したように、この温水装置A1では、通常時は、水管4の通水経路を第1の通水経路に設定しておくことにより高い熱交換効率が得られる一方、水管4への入水温度が低下するなどして結露を生じる可能性が生じたときには、水管4の通水経路を第2の通水経路に切り換えることによって、結露防止を適切に図ることができる。また、結露を防止する手段として、水管4の通水経路を変更させているために、管体部4a〜4jのそれぞれの流水量は常に同一に揃うこととなる。したがって、たとえば水管4の一部分の流水量が他の部分よりも極端に少なくなって水が沸騰するといった不具合もない。
【0035】
図9および図10は、既述したとおり、本発明に係る温水装置の実施形態を示している。
【0036】
図9および図10に示す実施形態の温水装置A2においては、熱交換器HTの入水口42aを有する管体部44が、上段の管体部4aに水を流れ込ませるための配管部44aと、下段の管体部4fに水を流れ込ませるための配管部44bとに分岐している。配管部44aには、管体部4aに向けて流れる水量を変更するための流量調整バルブ52Cが設けられている。管体部4a,4bの一端どうしはU字管部41を介して接続されているとともに、管体部4bの他端は、配管部44bに接続されており、管体部4bを通過した水は、配管部44bに流れ込むようになっている。下段の管体部4f〜4jは、U字管部41を介して一連に連結されており、管体部4jの一端が上段の管体部4eの一端と配管部51を介して連結されている。制御部6は、流量調整バルブ52Cの動作を制御し、管体部4aに向けて流れる流量L1と、管体部4fに直接流れる流量L2とを調整するようになっている。
【0037】
本実施形態においては、入水口42aに供給された水が管体部4a,4fに分岐して流れるが、通常運転時には、流量調整バルブ52Cを利用して、管体部4aへの流量L1を少なくし、かつ管体部4fへの流量L2を多くする。ただし、流量L1を少なくし過ぎると、管体部4a,4b内の水が沸騰する虞れがあるため、その虞れを生じない範囲で流量L1を少なくしておく。流量L1,L2を前記のように設定すると、管体部4f〜4jには、管体4a,4bを通過して加熱された水が一部混入するものの、その量は僅かであるために、全体としては比較的低温の水が管体部4f〜4jに流れ込むこととなる。したがって、熱交換効率を高くすることができる。
【0038】
一方、前記した運転時において、制御部6が結露の可能性があると判断したときには、この制御部6の制御により流量調整バルブ52Cを動作させることにより、流量L1を増加させ、かつ流量L2を減少させる。このようにすると、管体部4a,4bを通過して加熱された水を管体部4f〜4jに多く流れ込ませることが可能となり、これら管体部4f〜4jに結露を生じることが適切に回避可能となる。流量L1,L2の調整は、無段階で行なうことが可能である。したがって、本実施形態では、流量L1,L2をきめ細かく変更させることによって、熱交換器HTにおける熱交換条件を制御部6のメモリに記憶されているドレイン発生限界のデータに一致した条件またはこれに近い条件とすることが可能である。このようにすれば、結露を防止し得る範囲内において熱交換効率を最高または最
高に近い水準に維持されることとなる。
【0039】
前記実施形態から理解されるように、本発明においては、水管の高温ガス接触部の一部を通過させてから低温ガス接触部に導入させる場合に、その通水経路を変更させるのではなく、その流量を変更させる手段を用いて結露防止を図っている。本発明によれば、水管の配管構造を簡素とし、またバルブの数も少なくすることができる。
【0040】
図11に示す温水装置A6は、熱交換器HTの下方に、潜熱回収用の熱交換器9が設けられた構成を有している。熱交換器HTは、たとえば図1〜図5に示した実施形態のものと同様である。熱交換器9は、缶体90に複数のフィン94を有する水管91が貫通した構成を有している。熱交換器9の各部は、たとえばステンレス製であり、潜熱回収に伴って発生する酸性のドレインに対する耐食性を有している。この熱交換器9の入水口91aには、熱交換器HTの入水口42aに供給されてくる水の一部が分岐配管92を介して供給されてくるようになっている。この分岐配管92には、流量調整バルブ93が設けられている。
【0041】
この温水装置A6では、燃焼ガスから顕熱および潜熱を回収することができ、熱交換効率をさらに高めるのに好適である。熱交換器9は、前記したとおり、各部の材質はたとえばステンレスであり、結露に起因する腐食は生じ難い。一方、熱交換器HTは、その缶体20や水管4がたとえば銅製とされており、この熱交換器HTにおいては結露を防止することが要請される。これに対し、熱交換器HTは、先に述べたとおり、結露を適切に防止することが可能であり、そのような要請にも的確に応えることができる。本実施形態から理解されるように、本発明は、顕熱回収用の熱交換器に加え、潜熱回収用の熱交換器をさらに備えた温水装置にも適用することができる。
【0042】
図12に示す温水装置A7は、水管4がコイル状に形成されており、燃焼器1により発生された燃焼ガスは、このコイル状の水管4の内部を上から下へと通過するようになっている。したがって、この水管4の上端寄り部分が高温ガス接触部に相当し、下端寄り部分が低温ガス接触部に相当する。水管4の上側部分s1の下端と、それよりも下側部分s2の上端とは、方向切り換えバルブ55aを介して接続されている。この方向切り換えバルブ55aには、入水口42aから水管4の最下端に水を導く配管部44に連結された分岐配管45c、および出湯口42bを有する配管部45も接続されている。また、配管部44、および水管4の最上端から出湯口42b'に水を導く配管部46にも、方向切り換えバルブ55b,55cが設けられており、これらのバルブ55b,55c間も配管部47を介して接続されている。
【0043】
本実施形態においては、通常の運転時には、方向切り換えバルブ55a〜55cが図12(a)の矢印N10〜N12で示す方向に水を流すように設定される。この設定によれば、入水口42aから水管4内に供給された水は、水管4の最下端から最上端に向かうように流れ、出湯口42b'から出湯する。この場合、水管4の通水方向は、燃焼ガスの流れ方向とは反対であるため、熱交換効率を高くすることが可能である。これに対し、結露の可能性が生じたときには、方向切り換えバルブ55a〜55cが、同図(b)の矢印N13〜N15で示す方向に水を流すように切り換えられる。このようにすると、入水口42aから水管4内に供給された水は、まず上側部分s1を通過して加熱された後に、水管4の下側部分s2を流れることとなる。したがって、本来的に結露を最も生じ易い下側部分s2、とくにその最下端部分に結露を生じないようにし、水管4の全域にわたっての結露防止が図られる。本発明では、水管をコイル状に形成した場合にも好適に適用することが可能である。
【0044】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る温水装置の各部
の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0045】
本発明は、水管4が2段以上の多段状に設けられている場合にも好適に適用することが可能である。本発明でいう高温ガス接触部および低温ガス接触部は相対的な関係にあるが、燃焼ガス流れ方向に水管4が複数段に並んだ構成とされている場合、少なくとも燃焼ガス流れ方向最下流の部分は、低温ガス接触部に相当することとなる。
【0046】
燃焼器は、オイル燃焼器に代えて、たとえばガス燃焼器を用いることが可能である。また、燃焼方式は、逆燃焼式に限らず、燃焼方向を上向き、あるいは横向きにした場合にも、本発明を適用することが可能である。
【0047】
本発明に係る温水装置は、瞬間式の給湯器として構成することができることは勿論のこと、それ以外の風呂給湯用、床暖房用、融雪用などの給湯装置として、あるいはそれ以外の温水を生成するための種々の装置として構成することができる。
【符号の説明】
【0048】
A2 温水装置
HT 熱交換器(顕熱回収用の)
P1 高温ガス接触部
P2 低温ガス接触部
1 燃焼器
4 水管
6 制御部(判断手段)
44a,44b 配管部
52C 流量調整バルブ
【技術分野】
【0001】
本発明は、給湯器などとして構成される温水装置、さらに詳しくは、燃焼器で発生させた燃焼ガスから熱交換器の水管を利用して熱を回収することにより湯を生成するタイプの温水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
熱交換器を備えた温水装置においては、省エネ化や運転コストの低減化などの種々の観点から、熱交換器の熱交換効率をできる限り高くすることが望まれる。従来の一般的な給湯器では、高位発熱量計算で86%程度の熱交換率を達成しているが、この数値は、未だ十分とはいえず、改善の余地がある。その改善策としては、熱交換器の水管に通水を行なわせる場合に、この水管に作用する燃焼ガスの温度が低い部分から高い部分に向けて水を流通させることが有効である。具体的には、水管が燃焼ガスの流れ方向に複数段に並んで設けられている場合、この水管には、燃焼ガス流れ方向下流部分から入水を行なわせ、この水が燃焼ガス流れ方向上流に向けて流れるようにする。このように燃焼ガスの進行方向と水管への通水方向とを対向させれば、それらが同方向とされている場合よりも熱交換効率が高くなる。
【0003】
ただし、前記手段を採用した場合、たとえば水管への入水温度が低いときに、燃焼ガス中の水蒸気が凝縮(結露)し、熱交換器内にドレイン(凝縮水)が発生し易くなる。一般に、このドレインは、燃焼ガス中の硫黄酸化物や窒素酸化物などを吸収したPH3程度の強酸性であり、熱交換器がたとえば銅製である場合、この熱交換器を腐食させる。また、このドレインを強酸性のまま外部に排出させることは適切でないため、中和器を用いるなどしてドレインの中和処理を行なう必要が生じ、そのコストが嵩む。温水装置の製作に際しては、前記したような不具合を回避する観点から、熱交換効率をできる限り低下させることなく、ドレインの発生を防止したい場合がある。
【0004】
温水装置としては、顕熱が回収された後の燃焼ガスから潜熱をも回収するように構成されたいわゆる潜熱回収型のものもある。このような温水装置では、潜熱回収用の熱交換器において多量のドレインが発生するために、その材質はたとえばステンレスとされている。ところが、このような温水装置であっても、顕熱回収用の熱交換器については、その製造コストを廉価にするなどの観点からその材質を銅製とする場合が多い。したがって、潜熱回収用の熱交換器を備えた温水装置であっても、顕熱回収用の熱交換器の部分においては、ドレインが発生しないようにすることが要請される。
【0005】
従来においては、ドレインの発生を抑制可能な給湯器の一例として、特許文献1に記載のものがある。この従来の給湯器は、熱交換器への入水温度が所定温度以下となって、ドレインが発生する条件になると、その時点で燃焼器への燃料供給が停止され、燃焼器の駆動が停止されるように構成されている。
【0006】
しかしながら、前記従来技術においては、ドレインが発生する条件になると、燃焼器の駆動が停止されるために、給湯がなされている最中にその給湯が突然途絶え、暖かい湯に代わって、非加熱の低温の水が供給されるという不具合を生じる。とくに、冬季などの入水温度が低くなる季節には、ドレインが発生し易くなり、前記した不具合は頻発することとなるため、ユーザにとっては非常に不便となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特公平4−38987号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、燃焼器の駆動を停止させるようなことなく、ドレインの発生を適切に防止または抑制し得るとともに、顕熱回収用の熱交換器の熱交換効率を高くすることが可能な温水装置を提供することを、その課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0010】
本発明により提供される温水装置は、燃焼器と、この燃焼器によって発生された燃焼ガスから顕熱を回収するための水管を有する顕熱回収用の熱交換器と、を備えており、前記水管は、燃焼ガス流れ方向上流寄りに位置する高温ガス接触部と、燃焼ガス流れ方向下流寄りに位置する低温ガス接触部とを有している、温水装置であって、前記水管に供給された水を前記高温ガス接触部の一部に流れさせてから前記低温ガス接触部に流入させることが可能な配管部と、前記水管に供給された水が前記低温ガス接触部に流入する前に前記高温ガス接触部を流れる距離または流量を変更可能とする通水状態変更手段と、を備えており、前記配管部は、前記水管に供給された水が前記高温ガス接触部と前記低温ガス接触部とに分岐して流れ込むように構成され、前記通水状態変更手段は、前記高温ガス接触部の一部を通過してから前記低温ガス接触部に流れ込む水量と、前記高温ガス接触部を通過することなく前記低温ガス接触部に流れ込む水量とを変更可能とする流量調整バルブを含んでいることを特徴としている。
【0011】
このような構成によれば、水管の低温ガス接触部に流れ込む水の温度を、流量調整バルブの制御によって変更することができ、本発明が意図する作用が適切に得られる。すなわち、本来的に最も結露を生じ易い低温ガス接触部が露点以下の温度にならないようにし、熱交換器に結露を生じないようにすることができる。もちろん、その際、低温ガス接触部に流入する水の温度をあまり高くし過ぎないようにすれば、結露を生じない範囲において高い熱交換効率が得られる。このようなことから、本発明によれば、燃焼器の駆動を停止させることなく、顕熱回収用の熱交換器にドレインが発生することを適切に防止または抑制し、しかも高い熱交換効率を達成することができる。
【0012】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記熱交換器に結露が生じる可能性を判断する判断手段を備えており、この判断手段により結露の可能性があると判断されたときには、前記高温ガス接触部の一部を通過してから前記低温ガス接触部に流れ込む水量が増加するように前記流量調整バルブが制御される構成とされている。
【0013】
このような構成によれば、流量調整バルブの制御がいわゆる自動化されることとなるため、ユーザにとって便利である。
【0014】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】温水装置の一例を示す一部断面正面図である。
【図2】図1に示す温水装置の熱交換器を示す要部断面図である。
【図3】図2に示す熱交換器の上段部分と下段部分とを模式的に示す平面断面説明図である。
【図4】(a),(b)は、図2および図3に示した熱交換器の通水状態の一例を示す説明図である。
【図5】(a),(b)は、図2および図3に示した熱交換器の通水状態の他の例を示す説明図である。
【図6】図1に示す温水装置に具備された制御部が保持するドレイン発生限界のデータの一例を示す説明図である。
【図7】図1に示す温水装置に具備された制御部が保持するドレイン発生限界のデータの他の例を示す説明図である。
【図8】図1に示す温水装置に具備された制御部の動作処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図9】本発明に係る温水装置の一例を示す要部断面図である。
【図10】図9に示す温水装置の熱交換器の上段部分と下段部分とを模式的に示す平面断面説明図である。
【図11】温水装置の他の例を示す一部断面正面図である。
【図12】(a),(b)は、温水装置の他の例を模式的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
【0017】
図9および図10は、本発明が適用された温水装置の一例を示している。ただし、その温水装置の基本的な構成について、図1〜図8を参照して先に説明する。図1に示す温水装置A1は、逆燃焼式の給湯装置として構成されており、燃焼器1、熱交換器HT、底部ケーシング30、消音器31、および制御部6を具備している。
【0018】
燃焼器1は、たとえばオイル燃焼器であり、噴霧ノズル10から灯油などの燃料オイルを下向きに噴射させ、点火プラグ12により着火させて燃焼させるものである。噴霧ノズル10には、図示されていない燃料タンクから電磁弁15aや配管15bなどを介して燃料オイルが供給される。この燃焼器1の缶体11内には送風ファン13から燃焼用空気が下向きに送り込まれ、この燃焼用空気は、噴霧ノズル10の周囲からその下方領域にわたって延びた燃焼筒14内に進入するようになっている。燃焼筒14は、その周壁に複数の通気孔を有しており、この燃焼筒14内において前記燃焼用空気を旋回流とし、噴霧された燃料オイルと燃焼用空気との混合を促進する役割を果たす。
【0019】
燃焼器1により発生された燃焼ガスは、燃焼器1の下方の缶体21から熱交換器HTを下向きに通過して底部ケーシング30内に進入し、その後上向きにUターンして消音器31内に流入する。この消音器31は、内部に吸音材(図示略)を有しており、燃焼ガスはこの消音器31内を通過してこの消音器31の排気口31aから排ガスとして外部に排出される。
【0020】
熱交換器HTは、燃焼ガスが内部を通過する缶体20と、この缶体20に貫通して設けられた水管4と、後述する通水経路切り換え部5A,5Bを構成する2つの方向切り換えバルブ52A,52Bとを備えている。缶体20は、燃焼器1の燃焼部を囲む缶体21とは別体に形成されているが、これらは一体に形成してもよい。水管4には、複数のフィン70が設けられている。
【0021】
図2に示すように、水管4は、缶体20内において上下方向および水平方向に複数段、複数列に並んだ複数の熱交換用の管体部4a〜4jを有している。図面では、理解の容易のため、上下2段、水平方向5列の管体部4a〜4jを備えた単純な構成を具体例として挙げているが、管体部の配列や本数がこれに限定されないことは勿論である。熱交換器HTに対する燃焼ガスの進行方向は、下向きであるため、まず上段の管体部4a〜4eには
熱が未回収状態の高温の燃焼ガスが作用し、その後この燃焼ガスは下段の管体部4f〜4jに作用することとなる。したがって、この温水装置A1においては、上段の管体部4a〜4eが高温ガス接触部P1であり、下段の管体部4f〜4jが低温ガス接触部P2である。
【0022】
図3の右側に示すように、下段の管体部4f〜4jは、互いに隣り合う部分の端部どうしがU字管部41を介して接続された構成であり、それらの内部は一連に繋がっている。下段の管体部4jと上段の管体部4eとは、配管部51を介して接続されている。上段の管体部4a〜4eには、図3の左側に示すように、入水口42a、出湯口42b、および通水経路切り換え部5A,5Bが設けられている。
【0023】
入水口42aには、水道管などの外部の給水管(図示略)から水が供給され、この水は、管体部4aに流入するようになっている。通水経路切り換え部5Aは、管体部4a〜4cの一端どうしを繋ぐ3本の配管部50a、下段の管体部4fの一端に繋がった配管部50b、およびこれら配管部50a,50bの交差連結部分に設けられた方向切り換えバルブ52Aを有している。通水経路切り換え部5Bは、管体部4b〜4dの一端どうしを繋ぐ3本の配管部50c、出湯口42bに繋がった配管部50d、およびこれら配管部50c,50dの交差連結部分に設けられた方向切り換えバルブ52Bを有している。出湯口42bから出湯した湯は、図1に示す缶体21の周囲に巻かれた管体部49を流通してから所望の給湯先に供給されるようになっている。
【0024】
熱交換器HTにおいては、次に述べるように、第1および第2の通水経路を切り換え設定可能となっている。第1の通水経路では、図4(b)に示すように、方向切り換えバルブ52A,52Bは、矢印N1〜N4の方向に水を流通させるように設定される。この設定がなされると、入水口42aに供給された水は、管体部4aを通過した後に、方向切り換えバルブ52Aおよび配管部50bを経由して下段の管体部4fに導かれ、下段の管体部4f〜4jを流通する。次いで、前記水は、配管部51を経由して水管4の上段に戻り、管体部4e,4d,4c,4bを通過してから方向切り換えバルブ52Bを経て出湯口42bに到達する。同図(a)では、前記した通水順路を、矢印n1で模式的に示している。同図から容易に理解できるように、第1の通水経路の場合、水管4に供給された水は、下段の管体部4f〜4jに流入する前に上段の1つの管体部4aのみを通過している。そして、下段の管体部4f〜4jを通過した水は、先に未通水となっていた管体部4b〜4eの全てを通過しており、水管4に非通水状態の部分が発生しないようになっている。このことにより、水管4のいわゆる空炊き状態が回避される。
【0025】
第2の通水経路では、図5(b)に示すように、方向切り換えバルブ52A,52Bは、矢印N5〜N8の方向に水を流通させるように設定される。この設定がなされると、入水口42aに供給された水は、管体部4aに加えて管体部4b,4cをも通過してから下段の管体部4f〜4jに向かう。次いで、それら管体部4f〜4jを通過した水は、上段の管体部4e,4dを通過してから出湯口42bに到達する。同図(a)では、前記した通水順路を、矢印n2で模式的に示している。同図から容易に理解できるように、第2の通水経路の場合、水管4に供給された水は、その下段の管体部4f〜4jに流入する前に上段の3つの管体部4a〜4cを通過している。そして、下段の管体部4f〜4jを通過した水は、先に未通水となっていた管体部4d,4eを通過しており、やはり水管4に非通水状態の部分が発生しないようになっている。
【0026】
制御部6は、CPUおよびこれに付属するメモリを備えて構成されており、温水装置A1からの出湯温度が所望の温度となるようにこの温水装置A1の各部の動作制御を実行する。また、この制御部6は、この熱交換器HT内に結露が発生する可能性があるか否かを判断し、その判断結果に応じて方向切り換えバルブ52A,52Bの制御を行ない、前記
第1および第2のモードを切り換え設定するように構成されている。
【0027】
より具体的には、この制御部6には、温水装置A1におけるドレイン発生限界のデータが予め入力されている。図6にそのデータの一例を示す。同図のデータD1は、燃焼器1の燃焼火力が所定の場合に、ドレインの発生限界となる水管4への入水温度と流水量との値を示している。このデータD1のラインよりも下側領域の条件では、結露を生じず、ドレインは発生しない。燃焼器1の燃焼火力としては、たとえば燃焼器1に対する燃料オイルの供給量(単位時間あたりの供給量)の値が用いられている。データD1は、たとえば温水装置A1の試験運転を行なうことにより求めることが可能であり、試験により求めれば、データの誤差を小さくすることができる。好ましくは、図6に示すようなドレイン発生限界のデータは、燃焼器1の異なる燃焼火力ごとに求められており、これら複数のデータが制御部6に記憶されている。
【0028】
図7は、ドレイン発生限界のデータの他の例を示している。同図のデータD2は、水管4への入水温度が所定温度の場合に、ドレインの発生限界となる燃焼ガス温度と水管4の流水量との値を示している。好ましくは、このデータD2は、異なる入水温度ごとに求められている。制御部6には、図6に示したデータD1に代えて、そのようなデータD2が記憶されていてもかまわない。ドレインの発生を左右する大きな要素としては、水管4への入水温度、水管4内の流水量、燃焼ガス温度(または燃焼火力)などが挙げられるが、ドレイン発生限界のデータとしては、それらの項目のいずれかを組み合わせて種々の内容のものとして作成することが可能である。したがって、本発明でいうドレイン発生限界のデータの具体的な内容は、図6および図7に示したような内容のものには限定されない。
【0029】
図面では省略しているが、温水装置A1には、水管4への入水流量、入水温度、および燃焼器1への燃料供給流量を検出するための複数のセンサが設けられている。制御部6は、これらセンサからの信号に基づいて前記入水流量などの値を把握した上で、その値と図6に示したようなドレイン発生限界のデータとを比較し、熱交換器HTに結露が発生する可能性を判断するように構成されている。そして、制御部6は、その判断結果に応じて、後述するように、方向切り換えバルブ52A,52Bの切り換え制御を実行するようになっている。
【0030】
次に、前記した温水装置A1の作用、ならびに制御部6の動作処理手順の一例について、図8のフローチャートを参照しつつ説明する。
【0031】
まず、制御部6は、温水装置A1の運転開始時には、方向切り換えバルブ52A,52Bを制御し、熱交換器HTの水管4を前記した第1の通水経路に設定する(S1)。この第1の通水経路にすると、図4に示したように、水管4の下段の管体部4f〜4jに対して、1つの管体部4aを通過しただけの加熱量が少ない比較的低温の水が供給される。そして、その後この下段の管体部4f〜4jを通過した水が上段の管体部4b〜4eに送ることができる。したがって、熱交換器HTの熱交換効率がよい。
【0032】
次いで、制御部6は、水管4への入水流量、入水温度、および燃焼器1への燃料供給流量を監視し、かつそれらの値を図6に示したドレイン発生限界のデータと照らし合わせて熱交換器HTに結露を生じる可能性があるか否かを判断する(S2)。この判断の結果、ドレイン発生の可能性があると判断したときには、制御部6は、方向切り換えバルブ52A,52Bを動作させて、水管4を前記した第2の通水経路に切り換え設定する(S3:YES,S4)。第2の通水経路にすると、図5に示したように、水管4に供給された水は、上段の3つの管体部4a〜4cを通過してから下段の管体部4f〜4jに流入する。上段の3つの管体部4a〜4cを水が通過する距離は長く、その加熱量は多い。したがって、下段の管体部4f〜4jには低温の水が流入しないようにして、それら管体部4f〜
4jに結露が生じることを適切に防止することができる。
【0033】
その後、制御部6は、温水装置A1の運転が終了されない限り、結露の可能性判断を継続して実行している(S5:NO,S6)。そして、その判断の結果、水管4を元の第1の通水経路に戻しても結露の可能性がないと判断したときには、方向切り換えバルブ52A,52Bを動作させて、水管4の通水経路を前記第1の通水経路に復帰させる(S7:YES,S1)。この復帰動作により、熱交換効率を高い水準に戻すことができることとなる。
【0034】
前記したように、この温水装置A1では、通常時は、水管4の通水経路を第1の通水経路に設定しておくことにより高い熱交換効率が得られる一方、水管4への入水温度が低下するなどして結露を生じる可能性が生じたときには、水管4の通水経路を第2の通水経路に切り換えることによって、結露防止を適切に図ることができる。また、結露を防止する手段として、水管4の通水経路を変更させているために、管体部4a〜4jのそれぞれの流水量は常に同一に揃うこととなる。したがって、たとえば水管4の一部分の流水量が他の部分よりも極端に少なくなって水が沸騰するといった不具合もない。
【0035】
図9および図10は、既述したとおり、本発明に係る温水装置の実施形態を示している。
【0036】
図9および図10に示す実施形態の温水装置A2においては、熱交換器HTの入水口42aを有する管体部44が、上段の管体部4aに水を流れ込ませるための配管部44aと、下段の管体部4fに水を流れ込ませるための配管部44bとに分岐している。配管部44aには、管体部4aに向けて流れる水量を変更するための流量調整バルブ52Cが設けられている。管体部4a,4bの一端どうしはU字管部41を介して接続されているとともに、管体部4bの他端は、配管部44bに接続されており、管体部4bを通過した水は、配管部44bに流れ込むようになっている。下段の管体部4f〜4jは、U字管部41を介して一連に連結されており、管体部4jの一端が上段の管体部4eの一端と配管部51を介して連結されている。制御部6は、流量調整バルブ52Cの動作を制御し、管体部4aに向けて流れる流量L1と、管体部4fに直接流れる流量L2とを調整するようになっている。
【0037】
本実施形態においては、入水口42aに供給された水が管体部4a,4fに分岐して流れるが、通常運転時には、流量調整バルブ52Cを利用して、管体部4aへの流量L1を少なくし、かつ管体部4fへの流量L2を多くする。ただし、流量L1を少なくし過ぎると、管体部4a,4b内の水が沸騰する虞れがあるため、その虞れを生じない範囲で流量L1を少なくしておく。流量L1,L2を前記のように設定すると、管体部4f〜4jには、管体4a,4bを通過して加熱された水が一部混入するものの、その量は僅かであるために、全体としては比較的低温の水が管体部4f〜4jに流れ込むこととなる。したがって、熱交換効率を高くすることができる。
【0038】
一方、前記した運転時において、制御部6が結露の可能性があると判断したときには、この制御部6の制御により流量調整バルブ52Cを動作させることにより、流量L1を増加させ、かつ流量L2を減少させる。このようにすると、管体部4a,4bを通過して加熱された水を管体部4f〜4jに多く流れ込ませることが可能となり、これら管体部4f〜4jに結露を生じることが適切に回避可能となる。流量L1,L2の調整は、無段階で行なうことが可能である。したがって、本実施形態では、流量L1,L2をきめ細かく変更させることによって、熱交換器HTにおける熱交換条件を制御部6のメモリに記憶されているドレイン発生限界のデータに一致した条件またはこれに近い条件とすることが可能である。このようにすれば、結露を防止し得る範囲内において熱交換効率を最高または最
高に近い水準に維持されることとなる。
【0039】
前記実施形態から理解されるように、本発明においては、水管の高温ガス接触部の一部を通過させてから低温ガス接触部に導入させる場合に、その通水経路を変更させるのではなく、その流量を変更させる手段を用いて結露防止を図っている。本発明によれば、水管の配管構造を簡素とし、またバルブの数も少なくすることができる。
【0040】
図11に示す温水装置A6は、熱交換器HTの下方に、潜熱回収用の熱交換器9が設けられた構成を有している。熱交換器HTは、たとえば図1〜図5に示した実施形態のものと同様である。熱交換器9は、缶体90に複数のフィン94を有する水管91が貫通した構成を有している。熱交換器9の各部は、たとえばステンレス製であり、潜熱回収に伴って発生する酸性のドレインに対する耐食性を有している。この熱交換器9の入水口91aには、熱交換器HTの入水口42aに供給されてくる水の一部が分岐配管92を介して供給されてくるようになっている。この分岐配管92には、流量調整バルブ93が設けられている。
【0041】
この温水装置A6では、燃焼ガスから顕熱および潜熱を回収することができ、熱交換効率をさらに高めるのに好適である。熱交換器9は、前記したとおり、各部の材質はたとえばステンレスであり、結露に起因する腐食は生じ難い。一方、熱交換器HTは、その缶体20や水管4がたとえば銅製とされており、この熱交換器HTにおいては結露を防止することが要請される。これに対し、熱交換器HTは、先に述べたとおり、結露を適切に防止することが可能であり、そのような要請にも的確に応えることができる。本実施形態から理解されるように、本発明は、顕熱回収用の熱交換器に加え、潜熱回収用の熱交換器をさらに備えた温水装置にも適用することができる。
【0042】
図12に示す温水装置A7は、水管4がコイル状に形成されており、燃焼器1により発生された燃焼ガスは、このコイル状の水管4の内部を上から下へと通過するようになっている。したがって、この水管4の上端寄り部分が高温ガス接触部に相当し、下端寄り部分が低温ガス接触部に相当する。水管4の上側部分s1の下端と、それよりも下側部分s2の上端とは、方向切り換えバルブ55aを介して接続されている。この方向切り換えバルブ55aには、入水口42aから水管4の最下端に水を導く配管部44に連結された分岐配管45c、および出湯口42bを有する配管部45も接続されている。また、配管部44、および水管4の最上端から出湯口42b'に水を導く配管部46にも、方向切り換えバルブ55b,55cが設けられており、これらのバルブ55b,55c間も配管部47を介して接続されている。
【0043】
本実施形態においては、通常の運転時には、方向切り換えバルブ55a〜55cが図12(a)の矢印N10〜N12で示す方向に水を流すように設定される。この設定によれば、入水口42aから水管4内に供給された水は、水管4の最下端から最上端に向かうように流れ、出湯口42b'から出湯する。この場合、水管4の通水方向は、燃焼ガスの流れ方向とは反対であるため、熱交換効率を高くすることが可能である。これに対し、結露の可能性が生じたときには、方向切り換えバルブ55a〜55cが、同図(b)の矢印N13〜N15で示す方向に水を流すように切り換えられる。このようにすると、入水口42aから水管4内に供給された水は、まず上側部分s1を通過して加熱された後に、水管4の下側部分s2を流れることとなる。したがって、本来的に結露を最も生じ易い下側部分s2、とくにその最下端部分に結露を生じないようにし、水管4の全域にわたっての結露防止が図られる。本発明では、水管をコイル状に形成した場合にも好適に適用することが可能である。
【0044】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る温水装置の各部
の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0045】
本発明は、水管4が2段以上の多段状に設けられている場合にも好適に適用することが可能である。本発明でいう高温ガス接触部および低温ガス接触部は相対的な関係にあるが、燃焼ガス流れ方向に水管4が複数段に並んだ構成とされている場合、少なくとも燃焼ガス流れ方向最下流の部分は、低温ガス接触部に相当することとなる。
【0046】
燃焼器は、オイル燃焼器に代えて、たとえばガス燃焼器を用いることが可能である。また、燃焼方式は、逆燃焼式に限らず、燃焼方向を上向き、あるいは横向きにした場合にも、本発明を適用することが可能である。
【0047】
本発明に係る温水装置は、瞬間式の給湯器として構成することができることは勿論のこと、それ以外の風呂給湯用、床暖房用、融雪用などの給湯装置として、あるいはそれ以外の温水を生成するための種々の装置として構成することができる。
【符号の説明】
【0048】
A2 温水装置
HT 熱交換器(顕熱回収用の)
P1 高温ガス接触部
P2 低温ガス接触部
1 燃焼器
4 水管
6 制御部(判断手段)
44a,44b 配管部
52C 流量調整バルブ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼器と、この燃焼器によって発生された燃焼ガスから顕熱を回収するための水管を有する顕熱回収用の熱交換器と、を備えており、
前記水管は、燃焼ガス流れ方向上流寄りに位置する高温ガス接触部と、燃焼ガス流れ方向下流寄りに位置する低温ガス接触部とを有している、温水装置であって、
前記水管に供給された水を前記高温ガス接触部の一部に流れさせてから前記低温ガス接触部に流入させることが可能な配管部と、
前記水管に供給された水が前記低温ガス接触部に流入する前に前記高温ガス接触部を流れる距離または流量を変更可能とする通水状態変更手段と、を備えており、
前記配管部は、前記水管に供給された水が前記高温ガス接触部と前記低温ガス接触部とに分岐して流れ込むように構成され、
前記通水状態変更手段は、前記高温ガス接触部の一部を通過してから前記低温ガス接触部に流れ込む水量と、前記高温ガス接触部を通過することなく前記低温ガス接触部に流れ込む水量とを変更可能とする流量調整バルブを含んでいることを特徴とする、温水装置。
【請求項2】
前記熱交換器に結露が生じる可能性を判断する判断手段を備えており、
この判断手段により結露の可能性があると判断されたときには、前記高温ガス接触部の一部を通過してから前記低温ガス接触部に流れ込む水量が増加するように前記流量調整バルブが制御される構成とされている、請求項1に記載の温水装置。
【請求項1】
燃焼器と、この燃焼器によって発生された燃焼ガスから顕熱を回収するための水管を有する顕熱回収用の熱交換器と、を備えており、
前記水管は、燃焼ガス流れ方向上流寄りに位置する高温ガス接触部と、燃焼ガス流れ方向下流寄りに位置する低温ガス接触部とを有している、温水装置であって、
前記水管に供給された水を前記高温ガス接触部の一部に流れさせてから前記低温ガス接触部に流入させることが可能な配管部と、
前記水管に供給された水が前記低温ガス接触部に流入する前に前記高温ガス接触部を流れる距離または流量を変更可能とする通水状態変更手段と、を備えており、
前記配管部は、前記水管に供給された水が前記高温ガス接触部と前記低温ガス接触部とに分岐して流れ込むように構成され、
前記通水状態変更手段は、前記高温ガス接触部の一部を通過してから前記低温ガス接触部に流れ込む水量と、前記高温ガス接触部を通過することなく前記低温ガス接触部に流れ込む水量とを変更可能とする流量調整バルブを含んでいることを特徴とする、温水装置。
【請求項2】
前記熱交換器に結露が生じる可能性を判断する判断手段を備えており、
この判断手段により結露の可能性があると判断されたときには、前記高温ガス接触部の一部を通過してから前記低温ガス接触部に流れ込む水量が増加するように前記流量調整バルブが制御される構成とされている、請求項1に記載の温水装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−203769(P2010−203769A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−111018(P2010−111018)
【出願日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【分割の表示】特願2005−18920(P2005−18920)の分割
【原出願日】平成17年1月26日(2005.1.26)
【出願人】(000004709)株式会社ノーリツ (1,293)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【分割の表示】特願2005−18920(P2005−18920)の分割
【原出願日】平成17年1月26日(2005.1.26)
【出願人】(000004709)株式会社ノーリツ (1,293)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]