測位システム、情報提供装置、情報提供装置の制御プログラム、端末装置、端末装置の制御プログラム
【課題】衛星信号に乗せられた軌道情報よりも有効期間が長い衛星予測位置情報を提供することができる測位システム等を提供すること。
【解決手段】情報提供装置20は、位置情報衛星101等の衛星軌道を示す衛星軌道情報252を取得する衛星軌道情報取得手段と、衛星軌道情報252に基づいて、衛星初期速度情報を生成する衛星初期速度情報生成手段と、衛星軌道情報252に基づいて、衛星初期位置情報を生成する衛星初期位置情報生成手段と、位置情報衛星の加速度に影響する物理量を示す加速度影響物理量情報を格納する加速度影響物理量情報格納手段と、衛星初期速度情報と衛星初期位置情報及び加速度影響物理量情報に基づいて、位置情報衛星の加速度を示す衛星加速度情報を生成する衛星加速度情報生成手段と、衛星初期速度情報と衛星初期位置情報及び衛星加速度情報に基づいて、衛星予測位置情報を生成する衛星予測位置情報生成手段とを有する。
【解決手段】情報提供装置20は、位置情報衛星101等の衛星軌道を示す衛星軌道情報252を取得する衛星軌道情報取得手段と、衛星軌道情報252に基づいて、衛星初期速度情報を生成する衛星初期速度情報生成手段と、衛星軌道情報252に基づいて、衛星初期位置情報を生成する衛星初期位置情報生成手段と、位置情報衛星の加速度に影響する物理量を示す加速度影響物理量情報を格納する加速度影響物理量情報格納手段と、衛星初期速度情報と衛星初期位置情報及び加速度影響物理量情報に基づいて、位置情報衛星の加速度を示す衛星加速度情報を生成する衛星加速度情報生成手段と、衛星初期速度情報と衛星初期位置情報及び衛星加速度情報に基づいて、衛星予測位置情報を生成する衛星予測位置情報生成手段とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置情報衛星からの位置関連信号に基づく測位システム、情報提供装置、情報提供装置の制御プログラム、端末装置、端末装置の制御プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、位置情報衛星を使用する衛星航法システムである例えば、GPS(Global Positioning System)を利用してGPS受信機の現在位置を測位する測位システムが実用化されている。このような測位システムには、GPS受信機が、各GPS衛星からの衛星信号に乗せられた軌道情報(以後、エフェメリス(Ephemeris)と呼ぶ)を含むアシストデータを外部のアシストサーバから取得し、そのアシストデータを使用して各GPS衛星からの衛星信号に基づく測位を行う方式(以後、アシスト型と呼ぶ)がある(例えば、特許文献1)。
このようなアシスト型の測位システムにおいては、GPS受信機自身が各GPS衛星からエフェメリスを取得する場合と比べて、エフェメリスの取得時間が短くて済むという利点がある。
【特許文献1】特開平10−31061号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上述のアシスト型の測位システムにおいては、GPS受信機がアシストサーバから取得したエフェメリスを保存しておいたとしても、エフェメリスの有効期間が約4時間であるため、エフェメリスの取得から4時間後に測位する場合には、アシストサーバと通信する必要があり、そのための通信時間及び通信コストが必要になる場合があるという問題がある。
また、エフェメリスの有効期間の経過後の測位時に、アシストサーバと通信できない場合には、エフェメリスが取得できないため各GPS衛星の予測位置を迅速に算出できず、測位に長時間を要する場合があるという問題もある。
【0004】
そこで、本発明は、衛星信号に乗せられた軌道情報よりも有効期間が長い衛星予測位置情報を提供することができる測位システム、情報提供装置、情報提供装置の制御プログラム、端末装置、端末装置の制御プログラム、を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的は、第1の発明によれば、位置情報衛星からの位置関連信号に基く測位を行う端末装置と、前記端末装置に対して、前記位置情報衛星の予測位置を示す衛星予測位置情報を提供する情報提供装置と、を有する測位システムであって、前記情報提供装置は、前記位置情報衛星の衛星軌道を示す衛星軌道情報を取得する衛星軌道情報取得手段と、前記衛星軌道情報に基づいて、前記衛星予測位置情報の基準となる基準時刻における前記位置情報衛星の速度を示す衛星初期速度情報を生成する衛星初期速度情報生成手段と、前記衛星軌道情報に基づいて、前記基準時刻における前記位置情報衛星の位置を示す衛星初期位置情報を生成する衛星初期位置情報生成手段と、前記位置情報衛星の加速度に影響する物理量を示す加速度影響物理量情報を格納する加速度影響物理量情報格納手段と、前記衛星初期速度情報と前記衛星初期位置情報及び前記加速度影響物理量情報に基づいて、前記位置情報衛星の加速度を示す衛星加速度情報を生成する衛星加速度情報生成手段と、前記衛星初期速度情報と前記衛星初期位置情報及び前記衛星加速度情報に基づいて、前記衛星予測位置情報を生成する衛星予測位置情報生成手段と、を有し、前記端末装置は、前記情報提供装置から前記衛星予測位置情報を取得する衛星予測位置情報取得手段と、前記衛星予測位置情報を使用して、前記位置関連信号に基づく測位を行う測位手段と、前記衛星予測位置情報の有効期間が経過したか否かを判断する有効期間経過判断手段と、前記有効期間経過判断手段の判断結果に基づいて、新たな前記衛星予測位置情報を取得する新衛星予測位置情報取得手段と、を有することを特徴とする測位システムにより達成される。
【0006】
第1の発明の構成によれば、前記情報提供装置は、前記衛星初期速度情報生成手段によって前記衛星初期速度情報を生成することができ、前記衛星初期位置情報生成手段によって前記衛星初期位置情報を生成することができる。そして、前記情報提供装置は前記衛星加速度情報生成手段によって、前記衛星初期速度情報と前記衛星初期位置情報及び前記加速度影響物理量情報に基づいて、前記衛星加速度情報を生成することができる。さらに、前記情報提供装置は、前記衛星予測位置情報生成手段によって前記衛星予測位置情報を生成することができる。
前記加速度影響物理量情報は例えば、前記位置情報衛星の地球に対する重力加速度や月に対する重力加速度を示す情報であり、半永久的に固定的な物理量である。
従って、一度、前記衛星軌道情報である例えば、エフェメリスを取得して、前記衛星初期速度情報及び前記衛星初期位置情報を生成すれば、前記加速度影響物理量情報に基づいて、エフェメリスよりも長い期間有効な前記衛星加速度情報を生成することができる。
そして、エフェメリスよりも長期間有効な前記衛星加速度情報に基づいて生成する前記衛星予測位置情報もまた、エフェメリスよりも長期間有効な情報となる。
これにより、前記情報提供装置は、衛星信号に乗せられた軌道情報よりも有効期間が長い衛星予測位置情報を提供することができる。
【0007】
一方、前記端末装置は、前記衛星予測位置情報取得手段によって前記情報提供装置から前記衛星予測位置情報を取得することができ、前記測位手段によって前記衛星予測位置情報を使用して、前記位置関連信号に基づく測位を行うことができる。そして、前記端末装置は、前記有効期間経過判断手段によって前記衛星予測位置情報の有効期間が経過したか否かを判断することができ、前記新衛星予測位置情報取得手段によって新たな前記衛星予測位置情報を取得することができる。
このため、前記端末装置は、一度前記衛星予測位置情報を取得した後は、前記有効期間が経過するまでは、前記情報提供装置から前記衛星予測位置情報を取得する必要がない。そして、上述のように、前記衛星予測位置情報は、長期間有効な情報であるから、前記端末装置は、長期間にわたって前記衛星予測位置情報を使用することができる。また、前記端末装置が前記情報提供装置から前記衛星予測位置情報を取得するために必要な通信回数を低減することができる。
【0008】
前記目的は、第2の発明によれば、位置情報衛星からの位置関連信号に基く測位を行う端末装置に対して、前記位置情報衛星の予測位置を示す衛星予測位置情報を提供する情報提供装置であって、前記位置情報衛星の衛星軌道を示す衛星軌道情報を取得する衛星軌道情報取得手段と、前記衛星軌道情報に基づいて、前記衛星予測位置情報の基準となる基準時刻における前記位置情報衛星の速度を示す衛星初期速度情報を生成する衛星初期速度情報生成手段と、前記衛星軌道情報に基づいて、前記基準時刻における前記位置情報衛星の位置を示す衛星初期位置情報を生成する衛星初期位置情報生成手段と、前記位置情報衛星の加速度に影響する物理量を示す加速度影響物理量情報を格納する加速度影響物理量情報格納手段と、前記衛星初期速度情報と前記衛星初期位置情報及び前記加速度影響物理量情報に基づいて、前記位置情報衛星の加速度を示す衛星加速度情報を生成する衛星加速度情報生成手段と、前記衛星初期速度情報と前記衛星初期位置情報及び前記衛星加速度情報に基づいて、前記衛星予測位置情報を生成する衛星予測位置情報生成手段と、を有することを特徴とする情報提供装置によって達成される。
【0009】
第2の発明の構成によれば、第1の発明の構成と同様に、衛星信号に乗せられた軌道情報よりも有効期間が長い衛星予測位置情報を提供することができる。
【0010】
第3の発明は、第2の発明の構成において、前記衛星予測位置情報生成手段は、前記基準時刻が異なる複数の前記衛星予測位置情報を生成する構成となっていることを特徴とする。
【0011】
上述のように、前記衛星予測位置情報はエフェメリスより長い間有効な情報であるが、一つの前記基準時刻において生成した前記衛星予測位置情報は前記基準時刻からの時間が乖離するほど精度が落ちる場合がある。
この点、第3の発明の構成によれば、前記情報提供装置の前記衛星予測位置情報生成手段は、前記基準時刻が異なる複数の前記衛星予測位置情報を生成する構成となっているから、前記端末装置が精度が高い前記衛星予測位置情報を選択的に使用するための複数の前記衛星予測位置情報を提供することができる。
【0012】
第4の発明は、第2の発明又は第3の発明のいずれかの構成において、第1に生成した前記衛星予測位置情報である第1衛星予測位置情報に基づいて、前記第1衛星予測位置情報の前記基準時刻の直後の前記基準時刻である第2基準時刻における前記位置情報衛星の速度を示す第2衛星初期速度情報を生成する第2初期速度情報生成手段と、前記第1衛星予測位置情報に基づいて、前記第2基準時刻における前記位置情報衛星の位置を示す第2衛星初期位置情報を生成する第2衛星初期位置情報生成手段と、前記第2衛星初期速度情報と前記第2衛星初期位置情報及び前記加速度影響物理量情報に基づいて、前記位置情報衛星の加速度を示す第2衛星加速度情報を生成する第2衛星加速度情報生成手段と、前記第2衛星初期速度情報と前記第2衛星初期位置情報及び前記第2衛星加速度情報に基づいて、前記第2基準時刻を基準とする前記衛星予測位置情報である第2衛星予測位置情報を生成する第2衛星予測位置情報生成手段と、を有することを特徴とする。
【0013】
第4の発明の構成によれば、前記情報提供装置は、前記第1衛星予測位置情報に基づいて、前記第2衛星初期速度情報生成手段によって前記第2衛星初期速度情報を生成することができる。また、前記情報提供装置は、前記第1衛星予測位置情報に基づいて、前記第2衛星初期位置情報生成手段によって前記第2衛星初期位置情報を生成することができる。そして、前記情報提供装置は、前記第2衛星加速度情報生成手段によって前記第2衛星加速度情報を生成することができる。さらに、前記情報提供装置は、前記第2衛星予測位置情報生成手段によって前記第2衛星予測位置情報を生成することができる。
このため、前記情報提供装置は、前記衛星軌道情報に基づいて、前記第1衛星予測位置情報を生成すると、その後は、前記情報提供装置自身が生成した前記第1衛星予測位置情報に基づいて、前記第2衛星予測位置情報を生成することができる。
【0014】
第5の発明は、第2の発明乃至第4の発明のいずれかの構成において、前記衛星予測位置情報は、時刻を変数とする多次多項式を示すことを特徴とする。
【0015】
第5の発明の構成によれば、前記衛星予測位置情報は、時刻を変数とする多次多項式を示すから、前記衛星予測位置情報を利用する前記端末装置は、前記多次多項式に時刻を入力するだけで前記位置情報衛星の前記予測位置を示す情報を取得することができる。
これにより、前記情報提供装置は前記端末装置に対して、時刻を入力するだけで前記位置情報衛星の前記予測位置を示す情報を取得することが可能な前記衛星予測位置情報を提供することができる。
【0016】
第6の発明は、第5の発明の構成において、前記多次多項式は、時刻補正項を含むことを特徴とする。
【0017】
第6の発明の構成によれば、前記多次多項式は前記時刻補正項を含むから、前記衛星予測位置情報を利用する前記端末装置は、入力する時刻が前記衛星予測位置情報の前記基準時刻から乖離していても、精度の高い前記位置情報衛星の前記予測位置を示す情報を取得することができる。
これにより、前記情報提供装置は前記端末装置に対して、入力する時刻が前記衛星予測位置情報の前記基準時刻と乖離していても、精度の高い前記位置情報衛星の前記予測位置を示す情報を取得することが可能な前記衛星予測位置情報を提供することができる。
【0018】
第7の発明は、第5の発明又は第6の発明の構成において、前記多次多項式は、7次多項式、8次多項式又は9次多項式のいずれかであることを特徴とする。
【0019】
前記多次多項式が、1次式乃至6次多項式である場合には、前記多次多項式によって算出される前記位置情報衛星の前記予測位置の誤差が大きいことが実験的に明らかになっている。
これに対して、10次多項式以上の多次多項式の場合には、計算量が多く前記情報提供装置の処理負担が過大になる。また、前記位置情報衛星の前記予測位置の誤差が、計算処理の誤差の累積によって、大きくなることが実験的に明らかになっている。
この点、第7の発明の構成によれば、前記多次多項式は、7次多項式、8次多項式又は9次多項式のいずれかであるから、前記情報提供装置の処理負担を過大にすることなく、前記位置情報衛星の前記予測位置を精度よく算出することができる。
【0020】
第8の発明は、第2の発明乃至第7の発明のいずれかの構成において、前記加速度影響物理量情報は、前記位置情報衛星の地球に対する重力加速度情報と、前記位置情報衛星の月に対する重力加速度情報及び前記位置情報衛星の太陽に対する重力加速度情報と、を含むことを特徴とする。
【0021】
様々な物理量のなかで、前記位置情報衛星の地球に対する重力加速度情報と、前記位置情報衛星の月に対する重力加速度情報及び前記位置情報衛星の太陽に対する重力加速度情報は、前記位置情報衛星の加速度へ与える影響が特に大きい。
この点、第8の発明の構成によれば、前記加速度影響物理量情報は、前記位置情報衛星の地球に対する重力加速度情報と、前記位置情報衛星の月に対する重力加速度情報及び前記位置情報衛星の太陽に対する重力加速度情報を含むから、前記位置情報衛星の加速度に与える影響が特に大きい物理量を使用して前記衛星加速度情報を生成することができるから、信頼性の大きい前記衛星加速度情報を生成することができる。
そして、信頼性の大きい前記衛星加速度情報に基づいて生成する前記衛星予測位置情報も信頼性の大きい情報とすることができる。
【0022】
第9の発明は、第2の発明乃至第8の発明のいずれかの構成において、前記衛星予測位置情報は、前記衛星予測位置情報の有効期間を示す有効期間情報を含むことを特徴とする。
【0023】
第9の発明の構成によれば、前記衛星予測位置情報は、前記衛星予測位置情報の有効期間を示す有効期間情報を含むから例えば、複数の前記衛星予測位置情報を取得した前記端末装置は、各前記衛星予測位置情報が有効期間内か否かを判断し、有効期間内の前記衛星予測位置情報を選択して使用することができる。
このため、前記情報提供装置は、前記端末装置が有効期間内か否かを判断して有効期間内の前記衛星予測位置情報を選択して使用することが可能な前記衛星予測位置情報を提供することができる。
【0024】
第10の発明は、第9の発明の構成において、複数の前記衛星予測位置情報の前記有効期間の合計が、前記衛星軌道情報の有効期間よりも長いことを特徴とする。
【0025】
第10の発明の構成によれば、複数の前記衛星予測位置情報の前記有効期間の合計が、前記衛星軌道情報の有効期間よりも長いから、前記端末装置は一度前記複数の前記衛星予測位置情報を取得すれば、前記有効期間内の前記衛星予測位置情報を選択して使用することによって、前記衛星軌道情報の有効期間よりも長い時間にわたって、前記情報提供装置から新たな前記衛星予測位置情報を取得する必要がない。
これにより、前記情報提供装置は、前記衛星軌道情報の有効期間よりも長い時間にわたって、前記情報提供装置から新たな前記衛星予測位置情報を取得する必要がないことを可能にする前記複数の前記衛星予測位置情報を提供することができる。
【0026】
前記目的は、第11の発明の構成によれば、位置情報衛星からの位置関連信号に基く測位を行う端末装置であって、位置情報衛星の予測位置を示す衛星予測位置情報を提供する情報提供装置から、前記位置情報衛星の衛星軌道情報及び前記位置情報衛星の加速度に影響を与える加速度影響物理量情報に基づいて生成された前記衛星予測位置情報を取得する衛星予測位置情報取得手段と、前記衛星予測位置情報を使用して、前記位置関連信号に基づく測位を行う測位手段と、前記衛星予測位置情報の有効期間が経過したか否かを判断する有効期間経過判断手段と、前記有効期間経過判断手段の判断結果に基づいて、新たな前記衛星予測位置情報を取得する新衛星予測位置情報取得手段と、を有することを特徴とする端末装置によって達成される。
【0027】
前記目的は、第12の発明によれば、コンピュータに、位置情報衛星からの位置関連信号に基く測位を行う端末装置に対して、前記位置情報衛星の予測位置を示す衛星予測位置情報を提供する情報提供装置が、前記位置情報衛星の衛星軌道を示す衛星軌道情報を取得する衛星軌道情報取得ステップと、前記情報提供装置が、前記衛星軌道情報に基づいて、前記衛星予測位置情報の基準となる基準時刻における前記位置情報衛星の速度を示す衛星初期速度情報を生成する衛星初期速度情報生成ステップと、前記情報提供装置が、前記衛星軌道情報に基づいて、前記基準時刻における前記位置情報衛星の位置を示す衛星初期位置情報生成ステップと、前記情報提供装置が、前記衛星初期速度情報と前記衛星初期位置情報及び、前記位置情報衛星の加速度に影響する物理量を示す前記加速度影響物理量情報に基づいて、前記位置情報衛星の加速度を示す衛星加速度情報を生成する衛星加速度情報生成ステップと、前記情報提供装置が、前記衛星初期速度情報と前記衛星初期位置情報及び前記衛星加速度情報に基づいて、前記衛星予測位置情報を生成する衛星予測位置情報生成ステップと、を実行させることを特徴とする情報提供装置の制御プログラムによって達成される。
【0028】
前記目的は、第13の発明によれば、コンピュータに、位置情報衛星からの位置関連信号に基く測位を行う端末装置が、前記位置情報衛星の予測位置を示す衛星予測位置情報を提供する情報提供装置から、前記位置情報衛星の衛星軌道情報及び前記位置情報衛星の加速度に影響を与える加速度影響物理量情報に基づいて生成された前記衛星予測位置情報を取得する衛星予測位置情報取得ステップと、前記端末装置が、前記衛星予測位置情報を使用して、前記位置関連信号に基づく測位を行う測位ステップと、前記端末装置が、前記衛星予測位置情報の有効期間が経過したか否かを判断する有効期間経過判断ステップと、前記端末装置が、前記有効期間経過判断手段の判断結果に基づいて、新たな前記衛星予測位置情報を取得する新衛星予測位置情報取得ステップと、を実行させることを特徴とする端末装置の制御プログラムによって達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、この発明の好適な実施の形態を添付図面等を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0030】
図1は、本発明の実施の形態の測位システム10を示す概略図である。
図1に示すように、測位システム10は、位置情報衛星である例えば、GPS衛星101乃至132からの位置関連信号である例えば、信号S1乃至S32に基づく測位を行う端末装置である例えば、端末60を有する。
【0031】
図1に示すように、測位システム10はまた、端末60に対して、GPS衛星101等の予測位置を示す衛星予測位置情報の一例である後述のLTE(Long Time Ephemeris)モデル情報276を提供する情報提供装置である例えば、サーバ20を有する。
端末60とサーバ20は、通信基地局である例えば、基地局40と通信網である例えば、インターネット網45を介して通信可能になっている。
【0032】
なお、端末60は例えば、携帯電話機、PHS(Personal Handy−phone System)、PDA(Personal Digital Assistance)等であるが、これらに限らない。
なお、本実施の形態とは異なり、GPS衛星101等は32個に限らない。
また、本実施の形態とは異なり、端末60、基地局40及びサーバ20の数は、それぞれ複数でもよい。
【0033】
(サーバ20の主なハードウエア構成について)
図2はサーバ20の主なハードウエア構成を示す概略図である。
図2に示すように、サーバ20は、コンピュータを有しており、コンピュータは、バス22を有する。
このバス22には、CPU(Central Processing Unit)24、記憶装置26、外部記憶装置28等が接続されている。記憶装置26は例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等である。外部記憶装置28は例えば、HD(Hard Disk)等である。
また、このバス22には、各種情報等を入力するための入力装置30、GPS衛星101等(図1参照)から信号S1等を受信するためのサーバGPS装置32、端末60(図1参照)等と通信するためのサーバ通信装置34、及び、各種情報を表示するためのサーバ表示装置36、及び、電源38が接続されている。
【0034】
(端末60の主なハードウエア構成について)
図3は端末60の主なハードウエア構成を示す概略図である。
図3に示すように、端末60は、コンピュータを有しており、コンピュータは、バス62を有する。
このバス62には、CPU64、記憶装置66等が接続されている。
また、このバス62には、各種情報等を入力するための入力装置68、バッテリ70、GPS衛星101等(図1参照)からの信号S1等を受信するための端末GPS装置72、サーバ20等と通信するための端末通信装置74、各種情報を表示するための端末表示装置76、時計78が接続されている。
【0035】
(サーバ20の主なソフトウエア構成について)
図4はサーバ20の主なソフトウエア構成を示す概略図である。
図4に示すように、サーバ20は、各部を制御するサーバ制御部200、サーバ通信装置34(図2参照)に対応するサーバ通信部202、サーバGPS装置32(図2参照)に対応するサーバGPS部204等を有する。
サーバ20はまた、各種プログラムを格納するサーバ第1記憶部210、各種情報を格納するサーバ第2記憶部250を有する。
【0036】
図4に示すように、サーバ20は、サーバ第1記憶部210にエフェメリス取得プログラム212を格納している。エフェメリス取得プログラム212は、サーバ制御部200がサーバGPS部204によって受信した信号S1等から、各GPS衛星101等の衛星軌道を示す衛星軌道情報(以後、エフェメリスと呼ぶ)を取得するための情報である。すなわち、エフェメリスは衛星軌道情報の一例である。そして、エフェメリス取得プログラム212とサーバ制御部200は、衛星軌道情報取得手段の一例である。
具体的には、サーバ制御部200はエフェメリス取得プログラム212によって、信号S1等を解析して、エフェメリス252を取得し、サーバ第2記憶部250に格納する。
【0037】
図4に示すように、サーバ20は、サーバ第1記憶部210に初期速度情報生成プログラム214を格納している。初期速度情報生成プログラム214は、サーバ制御部200が、エフェメリス252に基づいて、後述の個別LTEモデル情報276a等の基準となる基準時刻である例えば基準時刻TB1におけるGPS衛星101等の速度ベクトルを示す初期速度情報254を生成するための情報である。初期速度情報254は、衛星初期速度情報の一例である。そして、初期速度情報生成プログラム214とサーバ制御部200は、衛星初期速度情報生成手段の一例である。
【0038】
エフェメリス252には、特定の時刻における各GPS衛星101等の衛星軌道上の位置が示されているから例えば、基準時刻TB1の前後の2つの特定の時刻に対応するGPS衛星101の衛星軌道上の位置を計算することによって、上述の基準時刻におけるGPS衛星101等の速度を計算することができる。
サーバ制御部200は、生成した初期速度情報254をサーバ第2記憶部250に格納する。
【0039】
図4に示すように、サーバ20は、サーバ第1記憶部210に初期位置情報生成プログラム216を格納している。初期位置情報生成プログラム216は、サーバ制御部200が、エフェメリス252に基づいて、基準時刻TB1におけるGPS衛星101等の位置ベクトルを示す初期位置情報256を生成するための情報である。初期位置情報256は、衛星初期位置情報の一例である。そして、初期位置情報生成プログラム216とサーバ制御部200は、衛星初期位置情報生成手段の一例である。
この初期位置情報256は、X軸、Y軸、Z軸を有する3次元座標における各GPS衛星101等の位置を示す情報である。
【0040】
図4に示すように、サーバ20は、サーバ第2記憶部250に、物理量情報258を格納している。図4に示すように、物理量情報258は、地球重力情報258a、月重力情報258b、太陽重力情報258c、太陽光放射圧情報258d及び地球大気情報258eを含む。これら地球重力情報258a等の物理量は、GPS衛星101等の加速度に影響する物理量である。すなわち、物理量情報258は加速度影響物理量情報の一例であり、サーバ第2記憶部250は、加速度影響物理量情報格納手段の一例である。
【0041】
図4に示すように、サーバ20は、サーバ第1記憶部210に地球重力加速度時間関数情報生成プログラム218、月重力加速度時間関数情報生成プログラム220、太陽重力加速度時間関数情報生成プログラム222、太陽光放射圧加速度時間関数情報生成プログラム224及び地球大気加速度時間関数情報生成プログラム226を格納している。地球重力加速度時間関数情報生成プログラム218、月重力加速度時間関数情報生成プログラム220、太陽重力加速度時間関数情報生成プログラム222、太陽光放射圧加速度時間関数情報生成プログラム224及び地球大気加速度時間関数情報生成プログラム226は、それぞれ、サーバ制御部200が、地球重力加速度時間関数情報260、月重力加速度時間関数情報262、太陽重力加速度時間関数情報264、太陽光放射圧加速度時間関数情報266及び地球大気加速度時間関数情報268を生成するための情報である。
具体的には、サーバ制御部200は地球重力加速度時間関数情報生成プログラム218によって、各GPS衛星101等の重量を示す情報と物理量情報258に基づいて、地球重力加速度時間関数情報260等を生成する。
サーバ制御部200は、生成した地球重力加速度時間関数情報260等をサーバ第2記憶部250に格納する。
【0042】
図5は、地球重力加速度時間関数情報260等の一例を示す図である。
図5(a)に示すように、地球重力加速度時間関数情報260等は、時刻を変数とし、特定の係数a1等によって規定される関数情報である。ここで、時刻tは例えば、基準時刻TB1からの乖離時間を示す。
この地球重力加速度時間関数情報260等は、3次元座標におけるX軸成分、Y軸成分、Z軸成分のそれぞれについて生成される。
【0043】
図4に示すように、サーバ20は、サーバ第1記憶部210に衛星加速度情報生成プログラム228を格納している。衛星加速度情報生成プログラム228は、サーバ制御部200が、初期速度情報254と初期位置情報256及び物理量情報258に基づいて、各GPS衛星101等の加速度を示す衛星加速度情報270を生成するための情報である。ここで、物理量情報258は、上述の地球重力加速度時間関数情報生成プログラム218等による処理によって、地球重力加速度時間関数情報260等に変形されている。この衛星加速度情報270は衛星加速度情報の一例であり、衛星加速度情報生成プログラム228とサーバ制御部200は、衛星加速度情報生成手段の一例である。
【0044】
具体的には、端末制御部200は衛星加速度情報生成プログラム228によって例えば、図5(b)に示すように、地球重力加速度時間関数情報260等(図5(a)参照)に基づいて、GPS衛星101の加速度を示す衛星加速度情報270を生成する。
【0045】
様々な物理量に関する情報のなかで、GPS衛星101の地球に対する重力加速度情報と、月に対する重力加速度情報及び太陽に対する重力加速度情報は、各GPS衛星101等の加速度へ与える影響が特に大きい。この点、上述のように物理量情報258は、地球重力情報258a、月重力情報258b及び太陽重力情報258cを含むから、加速度に与える影響が特に大きい物理量を使用して生成されており、信頼性の大きい情報である。そして、信頼性の大きい衛星加速度情報270に基づいて生成する後述の予想位置ベクトル式情報272、時刻位置情報274、個別LTEモデル情報276a等及びLTEモデル情報276も信頼性の大きい情報となる。
【0046】
また、上述の地球重力情報258a等は、半永久的に固定的な物理量である。
従って、一度、エフェメリス252を取得して、初期速度情報254及び初期位置情報256を生成すれば、地球物理量情報258a等に基づいて、エフェメリスよりも長い期間有効な衛星加速度情報270を生成することができる。
そして、エフェメリスよりも長期間有効な衛星加速度情報270に基づいて生成する後述の個別LTEモデル情報276a等及びLTEモデル情報276もまた、エフェメリスよりも長期間有効な情報となる。
これにより、サーバ20は、エフェメリスよりも有効期間が長いLTEモデル情報276を提供することができる。
【0047】
なお、図5(b)では省略しているが、衛星加速度情報270は、各GPS衛星101等ごとに、3次元座標におけるX軸成分、Y軸成分、Z軸成分のそれぞれについて生成される。
【0048】
図4に示すように、サーバ20は、サーバ第1記憶部210に予想位置ベクトル式情報生成プログラム230を格納している。予想位置ベクトル式情報生成プログラム230は、サーバ制御部200が、各GPS衛星101等の衛星軌道上の位置を算出するための予想位置ベクトル式情報272を生成するための情報である。
【0049】
図6は、予想位置ベクトル式情報272等の一例を示す図である。
図6(a)に示すように、予想位置ベクトル式情報272は例えば、初期速度情報254に示されるGPS衛星101の初期速度ベクトルv0、初期位置情報256に示される初期位置ベクトルr0 及び衛星加速度情報270に示される衛星加速度a(t)(図5(b)参照)に基づいて生成される。この予想位置ベクトル式情報272は、各GPS衛星101ごとに、それぞれ生成される。
また、図6(a)では省略しているが、予想位置ベクトル式情報272は、3次元座標の各座標軸成分ごとに、それぞれ生成される。
サーバ制御部200は、生成した予想位置ベクトル式情報272をサーバ第2記憶部250に格納する。
この予想位置ベクトル式情報272を使用することによって、各GPS衛星101等の特定の時刻における位置を算出することができるが、端末60の測位時の処理負担を軽減するために、サーバ20はさらに、以下の構成を有する。
【0050】
すなわち、図4に示すように、サーバ20は、サーバ第1記憶部210に時刻位置情報生成プログラム232を格納している。時刻位置情報生成プログラム232は、各GPS衛星101等の特定の時刻における位置を示す時刻位置情報274を生成するための情報である。
具体的には、サーバ制御部200は時刻位置情報生成プログラム232によって、予想位置ベクトル式情報272に示される予想位置ベクトル式(図6(a)参照)に例えば、基準時刻TB1の前後の時刻T1,T2乃至Tnを代入し、3次元座標におけるX軸成分等の各座標ごとに各GPS衛星101等の位置を算出することによって、図6(b)に示す時刻位置情報274を生成する。
サーバ制御部200は、生成した時刻位置情報274をサーバ第2記憶部250に格納する。
【0051】
図4に示すように、サーバ20は、サーバ第1記憶部210にLTEモデル情報生成プログラム234を格納している。LTEモデル情報生成プログラム234は、サーバ制御部200が、多次多項式である例えば、8次式を示す個別LTEモデル情報276a等を生成するための情報である。
【0052】
図7は、LTEモデル情報生成プログラム234の一例を示す図である。
図8は、個別LTEモデル情報276a等の一例を示す図である。
図7に示すように、サーバ制御部200はLTEモデル情報生成プログラム234によって例えば、時刻位置情報274に示されるGPS衛星101の3次元座標のx座標における位置P1等を時刻位置情報274に示される時刻と位置によって特定し、最小二乗法によって近似処理をして曲線Lを示す多次多項式を算出する。ここで、最小二乗法とは、ある傾向をもった多数の既知の点から、近似式を求めるアルゴリズムである。
図7では省略しているが、y座標、z座標についてもそれぞれ多次多項式が算出され、図8(a)に示す個別LTEモデル情報276aを生成する。この個別LTEモデル情報276aは、衛星予測位置情報の一例である。
【0053】
図8(a)に示すように、個別LTEモデル情報276aは、時刻を変数とする多次多項式を示す。
この多次多項式は例えば、8次多項式である。多次多項式が、1次式乃至6次多項式である場合には、多次多項式によって算出される各GPS衛星101等の予測位置の誤差が大きいことが実験的に明らかになっている。
これに対して、10次多項式以上の多次多項式の場合には、計算量が多くサーバ20の処理負担が過大になる。また、各GPS衛星101等の予測位置の誤差が、計算処理の誤差の累積によって、大きくなることが実験的に明らかになっている。
そこで、個別LTEモデル情報276aが示す多次多項式は、7次多項式、8次多項式又は9次多項式のいずれかが望ましい。例えば、8次多項式を示す個別LTEモデル情報276aによって、サーバ20の処理負担を過大にすることなく、各GPS衛星101等の予測位置を精度よく算出することができる。
【0054】
図8(a)に示すように、個別LTEモデル情報276aは、基準時刻TB1を基準とする情報であり、各GPS衛星101等の予測位置の精度を誤差許容範囲に維持することができる個別有効期間を示す個別有効期間情報を含む。
この個別有効期間については、8時間(h)以内であれば、上述の誤差許容範囲に維持することができることが実験的に明らかになっているが、本実施の形態においては、確実性を確保するために、個別有効期間を4時間(h)に設定している。
【0055】
上述の個別LTEモデル情報276aは、各GPS衛星101等ごとに生成される。
サーバ制御部200は、生成した個別LTEモデル情報276aをサーバ第2記憶部250に格納する。
【0056】
上述のように、サーバ制御部200は、初期速度情報254と初期位置情報260と衛星加速度情報270に基づいて、予想位置ベクトル式情報272を生成する。そして予想位置ベクトル式情報272に基づいて、時刻位置情報274、さらに、個別LTEモデル情報276aを生成する構成になっている。すなわち、サーバ制御部200と予想位置ベクトル式情報生成プログラム230と時刻位置情報生成プログラム232及びLTEモデル情報生成プログラム234が、衛星予測位置情報生成手段の一例である。
【0057】
サーバ制御部200は、予想位置ベクトル式情報生成プログラム230と時刻位置情報生成プログラム232及びLTEモデル情報生成プログラム234に基づいて、上述の基準時刻TB1を基準とする個別LTEモデル情報276aだけではなく、例えば図8(b)に示すように、基準時刻TB1とは異なる基準時刻である基準時刻TB2等を基準とする複数の個別LTEモデル情報276b等も生成する。
【0058】
これら異なる基準時刻TB1等を基準時刻として生成された個別LTEモデル情報276a等の各個別有効期間は例えば、4時間(h)であり、12個の個別LTEモデル情報276a乃至276lで合計48時間(h)の有効期間を有することになる。
LTEモデル情報276は例えば、これら12個の個別LTEモデル情報276aの組の情報である。個別LTEモデル情報276a等の組であるLTEモデル情報276もまた、衛星予測位置情報の一例である。
サーバ20は、このLTEモデル情報276を例えば、1時間(h)ごとに定期的に生成し、サーバ第2記憶部250に格納している。
【0059】
図9は、個別LTEモデル情報276a等によって算出される衛星位置誤差等の一例を示す図である。この衛星位置誤差は、個別LTEモデル情報276a等によって算出されるGPS衛星101等の予測位置と、真の位置との誤差である。
上述のように、個別LTEモデル情報276a等はエフェメリスより長い間有効な情報であるが、一つの基準時刻TB1等を基準として生成した個別LTEモデル情報276a等は、図9に示すように、基準時刻TB1等からの時間が乖離するほど精度が落ちる。
具体的には、図9に示すように、各個別LTEモデル情報276aによって算出される各GPS衛星101等の衛星位置の誤差が誤差許容範囲w内になる時間は、上述の個別有効期間である例えば、4時間(h)である。この個別有効期間は、基準時刻TB1等を中心して計算される。すなわち、個別有効期間が4時間(h)であるということは、個別有効期間は例えば、時刻TB1を中心とする前後2時間(h)であることを意味する。
【0060】
そして、LTEモデル情報276は、図9に示すように、各個別有効期間が連続するように構成されている。
このため、LTEモデル情報276を使用する端末60等は、LTEモデル情報276の有効期間内において、精度が高いいずれかの個別LTEモデル情報276a等を使用することで、常に、GPS衛星101等の位置を精度よく算出することができるようになっている。
なお、LTEモデル情報276は、各GPS衛星101等ごとに、それぞれ生成される。
【0061】
なお、LTEモデル情報276を構成する個別LTEモデル情報276a等が、時刻補正項を含むように構成してもよい。時刻補正項を含むことにより、LTEモデル情報276を利用する端末60は、入力する時刻が基準時刻TB1等から乖離していても、精度の高い各GPS衛星101等の予測位置を示す情報を取得することができる。
これにより、サーバ20は端末20に対して、入力する時刻が基準時刻TB1等と乖離していても、精度の高い各GPS衛星101等の予測位置を示す情報を取得することが可能なLTEモデル情報276を提供することができる。
【0062】
また、LTEモデル情報276は、個別LTEモデル情報276a等の数を増やすことによって、48時間以上の有効期間を有する情報とすることもできる。
これにより、端末60は一度LTEモデル情報276を取得すれば、個別有効期間内の個別LTEモデル情報276a等を選択して使用することによって、48時間以上サーバ20から新たなLTEモデル情報276を取得する必要がない。
【0063】
上述のように、サーバ制御部200は、予想位置ベクトル式情報生成プログラム230と時刻位置情報生成プログラム232及びLTEモデル情報生成プログラム234に基づいて基準時刻が異なる複数の個別LTEモデル情報276a等(図8(b)参照)を生成する。
このうち、最初の基準時刻TB1を基準時刻とする個別LTEモデル情報276aについては、エフェメリス252に基づいて初期速度情報254、初期位置情報256が生成され、さらに、衛星加速度情報270、予想位置ベクトル式情報272、時刻位置情報274が生成されて個別LTEモデル情報276aが生成される。
【0064】
これに対して、基準時刻TB1の次の基準時刻TB2を基準時刻とする個別LTEモデル情報276bについては、直前の基準時刻の個別LTEモデル情報276aに基づいて、初期速度情報254等が生成され、個別LTEモデル情報276bが生成される。
その後の基準時刻である基準時刻TB3乃至TB12を基準時刻とする個別LTEモデル情報276c乃至276lについても同様に、直前の基準時刻を基準時刻とする個別LTEモデルに基づいて、生成される。
このため、サーバ20は、エフェメリス262に基づく個別LTE情報276aを一つ生成すると、サーバ20自身が生成した個別LTE情報276aに基づいて、個別LTE276b等を順次生成することができる。
【0065】
なお、上述の基準時刻TB1を基準とする個別LTEモデル情報276aは第1衛星予測位置情報の一例である。そして、基準時刻TB1の直後の基準時刻TB2は第2基準時刻の一例である。基準時刻TB2を基準時刻とする個別LTEモデル情報276bは、第2星予測位置情報の一例である。基準時刻TB2に対応する初期速度情報254は第2衛星初期速度情報の一例である。そして、サーバ制御部200と初期速度情報生成プログラム214は、第2衛星初期速度情報生成手段の一例でもある。
また、基準時刻TB2に対応する初期位置情報256は第2衛星初期位置情報の一例である。そして、サーバ制御部200と初期位置情報生成プログラム216は、第2衛星初期位置情報生成手段の一例でもある。
そして、基準時刻TB2に対応する衛星加速度情報270は第2加速度情報の一例であり、サーバ制御部200と衛星加速度情報生成プログラム228は、第2衛星加速度情報生成手段の一例でもある。
さらに、サーバ制御部200と予想位置ベクトル式情報生成プログラム230、時刻位置情報生成プログラム232及びLTEモデル情報生成プログラム234は、第2衛星予測位置情報生成手段でもある。
【0066】
上述のように、LTEモデル情報276を構成する個別LTEモデル情報276a等は、時刻を変数とする多次多項式を示すから、LTEモデル情報276を利用する端末60は、多事多項式に時刻を入力するだけで各GPS衛星101等の予測位置を示す情報を取得することができる。
これにより、サーバ20は端末60に対して、時刻を入力するだけで各GPS衛星101等の予測位置を示す情報を取得することが可能なLTEモデル情報276を提供することができる。
【0067】
(端末60の主なソフトウエア構成について)
図10は、端末60の主なソフトウエア構成を示す概略図である。
図10に示すように、端末60は、各部を制御する端末制御部300、端末通信装置74(図3参照)に対応する端末通信部302、端末GPS装置72(図3参照)に対応する端末GPS部304、時計78(図3参照)に対応する端末計時部306等を有する。
【0068】
端末60はまた、各種プログラムを格納する端末第1記憶部310、各種情報を格納する端末第2記憶部350を有する。
【0069】
図10に示すように、端末60は、端末第1記憶部310にLTEモデル情報取得プログラム312を格納している。LTEモデル情報取得プログラム312は、端末制御部300が端末通信部302によって、サーバ20からLTEモデル情報276(図4参照)を取得するための情報である。すなわち、LTEモデル情報取得プログラム312と端末制御部300と端末通信部302は、衛星予測位置情報取得手段の一例である。
端末制御部300は、取得したLTEモデル情報276をLTEモデル情報352として端末第2記憶部350に格納する。
【0070】
図10に示すように、端末60は、端末第1記憶部310に、測位プログラム314を格納している。測位プログラム314は、端末制御部300が、LTEモデル情報352を使用して、端末GPS部304によって受信したGPS衛星101等からの信号S1等(図1参照)に基づく測位を行うための情報である。すなわち、測位プログラム314と端末制御部300は、測位手段の一例である。
端末制御部300は、測位によって生成した測位位置情報354を端末第2記憶部350に格納する。
【0071】
図10に示すように、端末60は、端末第1記憶部310に、個別LTEモデル情報有効期間経過判断プログラム316を格納している。個別LTEモデル情報有効期間経過判断プログラム316は、端末制御部300が、個別LTEモデル情報352a等(図8(b)参照)の個別有効期間が経過したか否かを判断するための情報である。
これにより、端末60は、LTEモデル情報352を構成する個別LTEモデル352a乃至352l(図8(b)参照)うち、現時点で個別有効期間内にある個別LTEモデル352a等を選択して使用することができる。
【0072】
図10に示すように、端末60は、端末第1記憶部310に、LTEモデル情報有効期間経過判断プログラム318を格納している。LTEモデル情報有効期間経過判断プログラム318は、端末制御部300が、LTEモデル情報352の有効期間が経過したか否かを判断するための情報である。すなわち、LTEモデル情報有効期間経過判断プログラム318と端末制御部300は、有効期間経過判断手段の一例である。
【0073】
具体的には、端末制御部300はLTEモデル情報有効期間経過判断プログラム318によって、LTEモデル情報352の有効期間が経過しているか否かを判断する。ここでの有効期間は例えば、図8(b)に示すように、個別有効期間が4時間(h)の個別LTEモデル352a等が12個の組であるLTEモデル情報352であれば、48時間(h)である。
例えば、端末制御部300は、端末計時部306によってLTEモデル情報352を取得した時刻を計測しておき、48時間(h)経過したか否かによって、LTEモデル情報352の有効期間が経過したか否かを判断する。
【0074】
そして、端末制御部300は、LTEモデル情報352の有効期間が経過していると判断した場合には上述のLTEモデル情報取得プログラム312によって、サーバ20から新たにLTEモデル情報276を取得する。すなわち、LTEモデル情報取得プログラム312と端末制御部300は、新衛星予測位置情報取得手段の一例でもある。
【0075】
上述のように、端末60は、一度LTEモデル情報276(352)を取得した後は、有効期間が経過するまでは、サーバ20から新たなLTEモデル情報276を取得する必要がない。そして、上述のように、LTEモデル情報276(352)は、48時間(h)以上の長期間有効な情報であるから、端末60は、長期間にわたってLTEモデル情報276(352)を使用することができる。また、端末60がサーバ20からLTEモデル情報276を取得するために必要な通信回数を低減することができる。
【0076】
また、LTEモデル情報352を使用して各GPS衛星101等の位置を計算する計算式は非常に単純であるから、エフェメリスから直接各GPS衛星101等の位置を計算する方法と比べて、計算時間が短くて済み、メモリ消費量も少なく済み、また、低速なCPUでも計算ができるので、端末60を安価に製造することができる。
【0077】
以上が本実施の形態の測位システム10の構成であるが、以下、測位システム10の動作例を主に図11、図12及び図13を使用して説明する。
【0078】
図11、図12及び図13は、測位システム10の動作例を示す概略フローチャートである。
図11及び図12は、サーバ20の動作例を示している。図13は、端末60の動作例を示している。
【0079】
まず、サーバ20はGPS衛星101等からエフェメリス252(図4参照)を取得する(図11のステップST1)。このステップST1は、衛星軌道情報取得ステップの一例である。
続いて、サーバ20は、エフェメリス252から基準時刻TB1等における各GPS衛星101等の初期速度を計算し、初期速度情報254(図4参照)を生成する(ステップST2)。このステップST2は、衛星初期速度情報生成ステップの一例である。
【0080】
続いて、サーバ20は、エフェメリス252から基準時刻TB1等における各GPS衛星101等の初期位置を計算し、初期位置情報256(図4参照)を生成する(ステップST3)。このステップST3は、衛星初期位置情報生成ステップの一例である。
【0081】
続いて、サーバ20は、地球重力加速度時間関数情報260(図5(a)参照)、月重力加速度時間関数情報262(図5(a)参照)、太陽重力加速度時間関数情報264(図5(a)参照)、太陽光放射圧加速度時間関数情報266(図5(a)参照)及び地球大気加速度時間関数情報268(図5(a)参照)を生成する(ステップST4、ステップST5、ステップST6、図12のステップST7及びステップST8)。
【0082】
続いて、サーバ20は、上述のステップST4乃至ステップST8において生成した地球重力加速度時間関数情報260等に基づいて、衛星加速度情報270(図5(b)参照)を生成する(ステップST9)。このステップST9は、衛星加速度情報生成ステップの一例である。
【0083】
続いて、サーバ20は、予想位置ベクトル式情報272(図6(a)参照)を生成する(ステップST10)。
続いて、サーバ20は、予想位置ベクトル式情報272に基づいて、時刻位置情報274(図6(b)参照)を生成する(ステップST11)。
続いて、サーバ20は、時刻位置情報274に基づいて、個別LTEモデル情報276a(図8(a)参照)を生成する(ステップST12)。
上述の、ステップST10乃至ステップST12は、衛星予測位置情報生成ステップの一例である。
【0084】
続いて、サーバ20は、個別LTEモデル情報276等の組であるLTEモデル情報276(図8(b)参照)を生成する(ステップST13)。
【0085】
以上のステップによって、サーバ20は例えば、48時間(h)の有効期間を有するLTEモデル情報276を生成する。
一方、端末60はサーバ20から、LTEモデル情報276を取得する(図13のステップST101)。このステップST101は、衛星予測位置情報取得ステップの一例である。端末60は、取得したLTEモデル情報276をLTEモデル情報352として端末第2記憶部350(図10参照)に格納する。
【0086】
続いて、端末60は、LTEモデル情報352を使用して、GPS衛星101等からの信号S1等(図1参照)に基づく測位を行う(ステップST102)。このステップST102は、測位ステップの一例である。
【0087】
続いて、端末60は、LTEモデル情報352の有効期間が経過したか否かを判断する(ステップST103)。このステップST103は、有効期間経過判断ステップの一例である。
【0088】
上述のステップST103において、端末60が、LTEモデル情報352の有効期間が経過したと判断した場合には、端末60は、サーバ20から新たなLTEモデル情報276を取得する(ステップST104)。このステップST104は、新衛星予測位置情報取得ステップの一例である。
一方、上述のステップST103において、端末60が、LTEモデル情報352の有効期間が経過していないと判断した場合には、端末60は、サーバ20から新たにLTEモデル情報276を取得することなく、端末第2記憶部350に格納しているLTEモデル情報352を使用して測位を行う。
【0089】
(プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体等について)
コンピュータに上述の動作例の衛星軌道情報取得ステップと、衛星初期速度情報生成ステップと、衛星初期位置情報生成ステップと、衛星加速度情報生成ステップと、衛星予測位置情報生成ステップ等を実行させるための情報提供装置の制御プログラムとすることができる。
また、このような情報提供装置の制御プログラム等を記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体等とすることもできる。
【0090】
また、コンピュータに上述の動作例の衛星予測位置情報取得ステップと、測位ステップと、有効期間経過判断ステップと、新衛星予測位置情報取得ステップ等を実行させるための端末装置の制御プログラムとすることができる。
また、このような端末装置の制御プログラム等を記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体等とすることもできる。
【0091】
これら情報提供装置及び端末装置の制御プログラム等をコンピュータにインストールし、コンピュータによって実行可能な状態とするために用いられるプログラム格納媒体は、例えばフロッピー(登録商標)のようなフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Compact Disc−Recordable)、CD−RW(Compact Disc−Rewriterble)、DVD(Digital Versatile Disc)などのパッケージメディアのみならず、プログラムが一時的若しくは永続的に格納される半導体メモリ、磁気ディスクあるいは光磁気ディスクなどで実現することができる。
【0092】
本発明は、上述の各実施の形態に限定されない。さらに、上述の各実施の形態は、相互に組み合わせて構成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の実施の形態の測位システムを示す概略図である。
【図2】サーバの主なハードウエア構成を示す概略図である。
【図3】端末の主なハードウエア構成を示す概略図である。
【図4】サーバの主なソフトウエア構成を示す概略図である。
【図5】地球重力加速度時間関数情報等の一例を示す図である。
【図6】予想位置ベクトル式情報等の一例を示す図である。
【図7】LTEモデル情報生成プログラムの一例を示す図である。
【図8】個別LTEモデル情報等の一例を示す図である。
【図9】衛星位置誤差等の一例を示す図である。
【図10】端末の主なソフトウエア構成を示す概略図である。
【図11】測位システムの動作例を示す概略フローチャートである。
【図12】測位システムの動作例を示す概略フローチャートである。
【図13】測位システムの動作例を示す概略フローチャートである。
【符号の説明】
【0094】
10・・・測位システム、101乃至132・・・GPS衛星、20・・・サーバ、40・・・基地局、45・・・インターネット網、60・・・端末、212・・・エフェメリス取得プログラム、214・・・初期速度情報生成プログラム、216・・・初期位置情報生成プログラム、228・・・衛星加速度情報生成プログラム、230・・・予想位置ベクトル式情報生成プログラム、232・・・時刻位置情報生成プログラム、234・・・LTEモデル情報生成プログラム、312・・・LTEモデル情報取得プログラム、314・・・測位プログラム、316・・・個別LTEモデル情報有効期間経過判断プログラム、318・・・LTEモデル情報有効期間経過判断プログラム
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置情報衛星からの位置関連信号に基づく測位システム、情報提供装置、情報提供装置の制御プログラム、端末装置、端末装置の制御プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、位置情報衛星を使用する衛星航法システムである例えば、GPS(Global Positioning System)を利用してGPS受信機の現在位置を測位する測位システムが実用化されている。このような測位システムには、GPS受信機が、各GPS衛星からの衛星信号に乗せられた軌道情報(以後、エフェメリス(Ephemeris)と呼ぶ)を含むアシストデータを外部のアシストサーバから取得し、そのアシストデータを使用して各GPS衛星からの衛星信号に基づく測位を行う方式(以後、アシスト型と呼ぶ)がある(例えば、特許文献1)。
このようなアシスト型の測位システムにおいては、GPS受信機自身が各GPS衛星からエフェメリスを取得する場合と比べて、エフェメリスの取得時間が短くて済むという利点がある。
【特許文献1】特開平10−31061号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上述のアシスト型の測位システムにおいては、GPS受信機がアシストサーバから取得したエフェメリスを保存しておいたとしても、エフェメリスの有効期間が約4時間であるため、エフェメリスの取得から4時間後に測位する場合には、アシストサーバと通信する必要があり、そのための通信時間及び通信コストが必要になる場合があるという問題がある。
また、エフェメリスの有効期間の経過後の測位時に、アシストサーバと通信できない場合には、エフェメリスが取得できないため各GPS衛星の予測位置を迅速に算出できず、測位に長時間を要する場合があるという問題もある。
【0004】
そこで、本発明は、衛星信号に乗せられた軌道情報よりも有効期間が長い衛星予測位置情報を提供することができる測位システム、情報提供装置、情報提供装置の制御プログラム、端末装置、端末装置の制御プログラム、を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的は、第1の発明によれば、位置情報衛星からの位置関連信号に基く測位を行う端末装置と、前記端末装置に対して、前記位置情報衛星の予測位置を示す衛星予測位置情報を提供する情報提供装置と、を有する測位システムであって、前記情報提供装置は、前記位置情報衛星の衛星軌道を示す衛星軌道情報を取得する衛星軌道情報取得手段と、前記衛星軌道情報に基づいて、前記衛星予測位置情報の基準となる基準時刻における前記位置情報衛星の速度を示す衛星初期速度情報を生成する衛星初期速度情報生成手段と、前記衛星軌道情報に基づいて、前記基準時刻における前記位置情報衛星の位置を示す衛星初期位置情報を生成する衛星初期位置情報生成手段と、前記位置情報衛星の加速度に影響する物理量を示す加速度影響物理量情報を格納する加速度影響物理量情報格納手段と、前記衛星初期速度情報と前記衛星初期位置情報及び前記加速度影響物理量情報に基づいて、前記位置情報衛星の加速度を示す衛星加速度情報を生成する衛星加速度情報生成手段と、前記衛星初期速度情報と前記衛星初期位置情報及び前記衛星加速度情報に基づいて、前記衛星予測位置情報を生成する衛星予測位置情報生成手段と、を有し、前記端末装置は、前記情報提供装置から前記衛星予測位置情報を取得する衛星予測位置情報取得手段と、前記衛星予測位置情報を使用して、前記位置関連信号に基づく測位を行う測位手段と、前記衛星予測位置情報の有効期間が経過したか否かを判断する有効期間経過判断手段と、前記有効期間経過判断手段の判断結果に基づいて、新たな前記衛星予測位置情報を取得する新衛星予測位置情報取得手段と、を有することを特徴とする測位システムにより達成される。
【0006】
第1の発明の構成によれば、前記情報提供装置は、前記衛星初期速度情報生成手段によって前記衛星初期速度情報を生成することができ、前記衛星初期位置情報生成手段によって前記衛星初期位置情報を生成することができる。そして、前記情報提供装置は前記衛星加速度情報生成手段によって、前記衛星初期速度情報と前記衛星初期位置情報及び前記加速度影響物理量情報に基づいて、前記衛星加速度情報を生成することができる。さらに、前記情報提供装置は、前記衛星予測位置情報生成手段によって前記衛星予測位置情報を生成することができる。
前記加速度影響物理量情報は例えば、前記位置情報衛星の地球に対する重力加速度や月に対する重力加速度を示す情報であり、半永久的に固定的な物理量である。
従って、一度、前記衛星軌道情報である例えば、エフェメリスを取得して、前記衛星初期速度情報及び前記衛星初期位置情報を生成すれば、前記加速度影響物理量情報に基づいて、エフェメリスよりも長い期間有効な前記衛星加速度情報を生成することができる。
そして、エフェメリスよりも長期間有効な前記衛星加速度情報に基づいて生成する前記衛星予測位置情報もまた、エフェメリスよりも長期間有効な情報となる。
これにより、前記情報提供装置は、衛星信号に乗せられた軌道情報よりも有効期間が長い衛星予測位置情報を提供することができる。
【0007】
一方、前記端末装置は、前記衛星予測位置情報取得手段によって前記情報提供装置から前記衛星予測位置情報を取得することができ、前記測位手段によって前記衛星予測位置情報を使用して、前記位置関連信号に基づく測位を行うことができる。そして、前記端末装置は、前記有効期間経過判断手段によって前記衛星予測位置情報の有効期間が経過したか否かを判断することができ、前記新衛星予測位置情報取得手段によって新たな前記衛星予測位置情報を取得することができる。
このため、前記端末装置は、一度前記衛星予測位置情報を取得した後は、前記有効期間が経過するまでは、前記情報提供装置から前記衛星予測位置情報を取得する必要がない。そして、上述のように、前記衛星予測位置情報は、長期間有効な情報であるから、前記端末装置は、長期間にわたって前記衛星予測位置情報を使用することができる。また、前記端末装置が前記情報提供装置から前記衛星予測位置情報を取得するために必要な通信回数を低減することができる。
【0008】
前記目的は、第2の発明によれば、位置情報衛星からの位置関連信号に基く測位を行う端末装置に対して、前記位置情報衛星の予測位置を示す衛星予測位置情報を提供する情報提供装置であって、前記位置情報衛星の衛星軌道を示す衛星軌道情報を取得する衛星軌道情報取得手段と、前記衛星軌道情報に基づいて、前記衛星予測位置情報の基準となる基準時刻における前記位置情報衛星の速度を示す衛星初期速度情報を生成する衛星初期速度情報生成手段と、前記衛星軌道情報に基づいて、前記基準時刻における前記位置情報衛星の位置を示す衛星初期位置情報を生成する衛星初期位置情報生成手段と、前記位置情報衛星の加速度に影響する物理量を示す加速度影響物理量情報を格納する加速度影響物理量情報格納手段と、前記衛星初期速度情報と前記衛星初期位置情報及び前記加速度影響物理量情報に基づいて、前記位置情報衛星の加速度を示す衛星加速度情報を生成する衛星加速度情報生成手段と、前記衛星初期速度情報と前記衛星初期位置情報及び前記衛星加速度情報に基づいて、前記衛星予測位置情報を生成する衛星予測位置情報生成手段と、を有することを特徴とする情報提供装置によって達成される。
【0009】
第2の発明の構成によれば、第1の発明の構成と同様に、衛星信号に乗せられた軌道情報よりも有効期間が長い衛星予測位置情報を提供することができる。
【0010】
第3の発明は、第2の発明の構成において、前記衛星予測位置情報生成手段は、前記基準時刻が異なる複数の前記衛星予測位置情報を生成する構成となっていることを特徴とする。
【0011】
上述のように、前記衛星予測位置情報はエフェメリスより長い間有効な情報であるが、一つの前記基準時刻において生成した前記衛星予測位置情報は前記基準時刻からの時間が乖離するほど精度が落ちる場合がある。
この点、第3の発明の構成によれば、前記情報提供装置の前記衛星予測位置情報生成手段は、前記基準時刻が異なる複数の前記衛星予測位置情報を生成する構成となっているから、前記端末装置が精度が高い前記衛星予測位置情報を選択的に使用するための複数の前記衛星予測位置情報を提供することができる。
【0012】
第4の発明は、第2の発明又は第3の発明のいずれかの構成において、第1に生成した前記衛星予測位置情報である第1衛星予測位置情報に基づいて、前記第1衛星予測位置情報の前記基準時刻の直後の前記基準時刻である第2基準時刻における前記位置情報衛星の速度を示す第2衛星初期速度情報を生成する第2初期速度情報生成手段と、前記第1衛星予測位置情報に基づいて、前記第2基準時刻における前記位置情報衛星の位置を示す第2衛星初期位置情報を生成する第2衛星初期位置情報生成手段と、前記第2衛星初期速度情報と前記第2衛星初期位置情報及び前記加速度影響物理量情報に基づいて、前記位置情報衛星の加速度を示す第2衛星加速度情報を生成する第2衛星加速度情報生成手段と、前記第2衛星初期速度情報と前記第2衛星初期位置情報及び前記第2衛星加速度情報に基づいて、前記第2基準時刻を基準とする前記衛星予測位置情報である第2衛星予測位置情報を生成する第2衛星予測位置情報生成手段と、を有することを特徴とする。
【0013】
第4の発明の構成によれば、前記情報提供装置は、前記第1衛星予測位置情報に基づいて、前記第2衛星初期速度情報生成手段によって前記第2衛星初期速度情報を生成することができる。また、前記情報提供装置は、前記第1衛星予測位置情報に基づいて、前記第2衛星初期位置情報生成手段によって前記第2衛星初期位置情報を生成することができる。そして、前記情報提供装置は、前記第2衛星加速度情報生成手段によって前記第2衛星加速度情報を生成することができる。さらに、前記情報提供装置は、前記第2衛星予測位置情報生成手段によって前記第2衛星予測位置情報を生成することができる。
このため、前記情報提供装置は、前記衛星軌道情報に基づいて、前記第1衛星予測位置情報を生成すると、その後は、前記情報提供装置自身が生成した前記第1衛星予測位置情報に基づいて、前記第2衛星予測位置情報を生成することができる。
【0014】
第5の発明は、第2の発明乃至第4の発明のいずれかの構成において、前記衛星予測位置情報は、時刻を変数とする多次多項式を示すことを特徴とする。
【0015】
第5の発明の構成によれば、前記衛星予測位置情報は、時刻を変数とする多次多項式を示すから、前記衛星予測位置情報を利用する前記端末装置は、前記多次多項式に時刻を入力するだけで前記位置情報衛星の前記予測位置を示す情報を取得することができる。
これにより、前記情報提供装置は前記端末装置に対して、時刻を入力するだけで前記位置情報衛星の前記予測位置を示す情報を取得することが可能な前記衛星予測位置情報を提供することができる。
【0016】
第6の発明は、第5の発明の構成において、前記多次多項式は、時刻補正項を含むことを特徴とする。
【0017】
第6の発明の構成によれば、前記多次多項式は前記時刻補正項を含むから、前記衛星予測位置情報を利用する前記端末装置は、入力する時刻が前記衛星予測位置情報の前記基準時刻から乖離していても、精度の高い前記位置情報衛星の前記予測位置を示す情報を取得することができる。
これにより、前記情報提供装置は前記端末装置に対して、入力する時刻が前記衛星予測位置情報の前記基準時刻と乖離していても、精度の高い前記位置情報衛星の前記予測位置を示す情報を取得することが可能な前記衛星予測位置情報を提供することができる。
【0018】
第7の発明は、第5の発明又は第6の発明の構成において、前記多次多項式は、7次多項式、8次多項式又は9次多項式のいずれかであることを特徴とする。
【0019】
前記多次多項式が、1次式乃至6次多項式である場合には、前記多次多項式によって算出される前記位置情報衛星の前記予測位置の誤差が大きいことが実験的に明らかになっている。
これに対して、10次多項式以上の多次多項式の場合には、計算量が多く前記情報提供装置の処理負担が過大になる。また、前記位置情報衛星の前記予測位置の誤差が、計算処理の誤差の累積によって、大きくなることが実験的に明らかになっている。
この点、第7の発明の構成によれば、前記多次多項式は、7次多項式、8次多項式又は9次多項式のいずれかであるから、前記情報提供装置の処理負担を過大にすることなく、前記位置情報衛星の前記予測位置を精度よく算出することができる。
【0020】
第8の発明は、第2の発明乃至第7の発明のいずれかの構成において、前記加速度影響物理量情報は、前記位置情報衛星の地球に対する重力加速度情報と、前記位置情報衛星の月に対する重力加速度情報及び前記位置情報衛星の太陽に対する重力加速度情報と、を含むことを特徴とする。
【0021】
様々な物理量のなかで、前記位置情報衛星の地球に対する重力加速度情報と、前記位置情報衛星の月に対する重力加速度情報及び前記位置情報衛星の太陽に対する重力加速度情報は、前記位置情報衛星の加速度へ与える影響が特に大きい。
この点、第8の発明の構成によれば、前記加速度影響物理量情報は、前記位置情報衛星の地球に対する重力加速度情報と、前記位置情報衛星の月に対する重力加速度情報及び前記位置情報衛星の太陽に対する重力加速度情報を含むから、前記位置情報衛星の加速度に与える影響が特に大きい物理量を使用して前記衛星加速度情報を生成することができるから、信頼性の大きい前記衛星加速度情報を生成することができる。
そして、信頼性の大きい前記衛星加速度情報に基づいて生成する前記衛星予測位置情報も信頼性の大きい情報とすることができる。
【0022】
第9の発明は、第2の発明乃至第8の発明のいずれかの構成において、前記衛星予測位置情報は、前記衛星予測位置情報の有効期間を示す有効期間情報を含むことを特徴とする。
【0023】
第9の発明の構成によれば、前記衛星予測位置情報は、前記衛星予測位置情報の有効期間を示す有効期間情報を含むから例えば、複数の前記衛星予測位置情報を取得した前記端末装置は、各前記衛星予測位置情報が有効期間内か否かを判断し、有効期間内の前記衛星予測位置情報を選択して使用することができる。
このため、前記情報提供装置は、前記端末装置が有効期間内か否かを判断して有効期間内の前記衛星予測位置情報を選択して使用することが可能な前記衛星予測位置情報を提供することができる。
【0024】
第10の発明は、第9の発明の構成において、複数の前記衛星予測位置情報の前記有効期間の合計が、前記衛星軌道情報の有効期間よりも長いことを特徴とする。
【0025】
第10の発明の構成によれば、複数の前記衛星予測位置情報の前記有効期間の合計が、前記衛星軌道情報の有効期間よりも長いから、前記端末装置は一度前記複数の前記衛星予測位置情報を取得すれば、前記有効期間内の前記衛星予測位置情報を選択して使用することによって、前記衛星軌道情報の有効期間よりも長い時間にわたって、前記情報提供装置から新たな前記衛星予測位置情報を取得する必要がない。
これにより、前記情報提供装置は、前記衛星軌道情報の有効期間よりも長い時間にわたって、前記情報提供装置から新たな前記衛星予測位置情報を取得する必要がないことを可能にする前記複数の前記衛星予測位置情報を提供することができる。
【0026】
前記目的は、第11の発明の構成によれば、位置情報衛星からの位置関連信号に基く測位を行う端末装置であって、位置情報衛星の予測位置を示す衛星予測位置情報を提供する情報提供装置から、前記位置情報衛星の衛星軌道情報及び前記位置情報衛星の加速度に影響を与える加速度影響物理量情報に基づいて生成された前記衛星予測位置情報を取得する衛星予測位置情報取得手段と、前記衛星予測位置情報を使用して、前記位置関連信号に基づく測位を行う測位手段と、前記衛星予測位置情報の有効期間が経過したか否かを判断する有効期間経過判断手段と、前記有効期間経過判断手段の判断結果に基づいて、新たな前記衛星予測位置情報を取得する新衛星予測位置情報取得手段と、を有することを特徴とする端末装置によって達成される。
【0027】
前記目的は、第12の発明によれば、コンピュータに、位置情報衛星からの位置関連信号に基く測位を行う端末装置に対して、前記位置情報衛星の予測位置を示す衛星予測位置情報を提供する情報提供装置が、前記位置情報衛星の衛星軌道を示す衛星軌道情報を取得する衛星軌道情報取得ステップと、前記情報提供装置が、前記衛星軌道情報に基づいて、前記衛星予測位置情報の基準となる基準時刻における前記位置情報衛星の速度を示す衛星初期速度情報を生成する衛星初期速度情報生成ステップと、前記情報提供装置が、前記衛星軌道情報に基づいて、前記基準時刻における前記位置情報衛星の位置を示す衛星初期位置情報生成ステップと、前記情報提供装置が、前記衛星初期速度情報と前記衛星初期位置情報及び、前記位置情報衛星の加速度に影響する物理量を示す前記加速度影響物理量情報に基づいて、前記位置情報衛星の加速度を示す衛星加速度情報を生成する衛星加速度情報生成ステップと、前記情報提供装置が、前記衛星初期速度情報と前記衛星初期位置情報及び前記衛星加速度情報に基づいて、前記衛星予測位置情報を生成する衛星予測位置情報生成ステップと、を実行させることを特徴とする情報提供装置の制御プログラムによって達成される。
【0028】
前記目的は、第13の発明によれば、コンピュータに、位置情報衛星からの位置関連信号に基く測位を行う端末装置が、前記位置情報衛星の予測位置を示す衛星予測位置情報を提供する情報提供装置から、前記位置情報衛星の衛星軌道情報及び前記位置情報衛星の加速度に影響を与える加速度影響物理量情報に基づいて生成された前記衛星予測位置情報を取得する衛星予測位置情報取得ステップと、前記端末装置が、前記衛星予測位置情報を使用して、前記位置関連信号に基づく測位を行う測位ステップと、前記端末装置が、前記衛星予測位置情報の有効期間が経過したか否かを判断する有効期間経過判断ステップと、前記端末装置が、前記有効期間経過判断手段の判断結果に基づいて、新たな前記衛星予測位置情報を取得する新衛星予測位置情報取得ステップと、を実行させることを特徴とする端末装置の制御プログラムによって達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、この発明の好適な実施の形態を添付図面等を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0030】
図1は、本発明の実施の形態の測位システム10を示す概略図である。
図1に示すように、測位システム10は、位置情報衛星である例えば、GPS衛星101乃至132からの位置関連信号である例えば、信号S1乃至S32に基づく測位を行う端末装置である例えば、端末60を有する。
【0031】
図1に示すように、測位システム10はまた、端末60に対して、GPS衛星101等の予測位置を示す衛星予測位置情報の一例である後述のLTE(Long Time Ephemeris)モデル情報276を提供する情報提供装置である例えば、サーバ20を有する。
端末60とサーバ20は、通信基地局である例えば、基地局40と通信網である例えば、インターネット網45を介して通信可能になっている。
【0032】
なお、端末60は例えば、携帯電話機、PHS(Personal Handy−phone System)、PDA(Personal Digital Assistance)等であるが、これらに限らない。
なお、本実施の形態とは異なり、GPS衛星101等は32個に限らない。
また、本実施の形態とは異なり、端末60、基地局40及びサーバ20の数は、それぞれ複数でもよい。
【0033】
(サーバ20の主なハードウエア構成について)
図2はサーバ20の主なハードウエア構成を示す概略図である。
図2に示すように、サーバ20は、コンピュータを有しており、コンピュータは、バス22を有する。
このバス22には、CPU(Central Processing Unit)24、記憶装置26、外部記憶装置28等が接続されている。記憶装置26は例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等である。外部記憶装置28は例えば、HD(Hard Disk)等である。
また、このバス22には、各種情報等を入力するための入力装置30、GPS衛星101等(図1参照)から信号S1等を受信するためのサーバGPS装置32、端末60(図1参照)等と通信するためのサーバ通信装置34、及び、各種情報を表示するためのサーバ表示装置36、及び、電源38が接続されている。
【0034】
(端末60の主なハードウエア構成について)
図3は端末60の主なハードウエア構成を示す概略図である。
図3に示すように、端末60は、コンピュータを有しており、コンピュータは、バス62を有する。
このバス62には、CPU64、記憶装置66等が接続されている。
また、このバス62には、各種情報等を入力するための入力装置68、バッテリ70、GPS衛星101等(図1参照)からの信号S1等を受信するための端末GPS装置72、サーバ20等と通信するための端末通信装置74、各種情報を表示するための端末表示装置76、時計78が接続されている。
【0035】
(サーバ20の主なソフトウエア構成について)
図4はサーバ20の主なソフトウエア構成を示す概略図である。
図4に示すように、サーバ20は、各部を制御するサーバ制御部200、サーバ通信装置34(図2参照)に対応するサーバ通信部202、サーバGPS装置32(図2参照)に対応するサーバGPS部204等を有する。
サーバ20はまた、各種プログラムを格納するサーバ第1記憶部210、各種情報を格納するサーバ第2記憶部250を有する。
【0036】
図4に示すように、サーバ20は、サーバ第1記憶部210にエフェメリス取得プログラム212を格納している。エフェメリス取得プログラム212は、サーバ制御部200がサーバGPS部204によって受信した信号S1等から、各GPS衛星101等の衛星軌道を示す衛星軌道情報(以後、エフェメリスと呼ぶ)を取得するための情報である。すなわち、エフェメリスは衛星軌道情報の一例である。そして、エフェメリス取得プログラム212とサーバ制御部200は、衛星軌道情報取得手段の一例である。
具体的には、サーバ制御部200はエフェメリス取得プログラム212によって、信号S1等を解析して、エフェメリス252を取得し、サーバ第2記憶部250に格納する。
【0037】
図4に示すように、サーバ20は、サーバ第1記憶部210に初期速度情報生成プログラム214を格納している。初期速度情報生成プログラム214は、サーバ制御部200が、エフェメリス252に基づいて、後述の個別LTEモデル情報276a等の基準となる基準時刻である例えば基準時刻TB1におけるGPS衛星101等の速度ベクトルを示す初期速度情報254を生成するための情報である。初期速度情報254は、衛星初期速度情報の一例である。そして、初期速度情報生成プログラム214とサーバ制御部200は、衛星初期速度情報生成手段の一例である。
【0038】
エフェメリス252には、特定の時刻における各GPS衛星101等の衛星軌道上の位置が示されているから例えば、基準時刻TB1の前後の2つの特定の時刻に対応するGPS衛星101の衛星軌道上の位置を計算することによって、上述の基準時刻におけるGPS衛星101等の速度を計算することができる。
サーバ制御部200は、生成した初期速度情報254をサーバ第2記憶部250に格納する。
【0039】
図4に示すように、サーバ20は、サーバ第1記憶部210に初期位置情報生成プログラム216を格納している。初期位置情報生成プログラム216は、サーバ制御部200が、エフェメリス252に基づいて、基準時刻TB1におけるGPS衛星101等の位置ベクトルを示す初期位置情報256を生成するための情報である。初期位置情報256は、衛星初期位置情報の一例である。そして、初期位置情報生成プログラム216とサーバ制御部200は、衛星初期位置情報生成手段の一例である。
この初期位置情報256は、X軸、Y軸、Z軸を有する3次元座標における各GPS衛星101等の位置を示す情報である。
【0040】
図4に示すように、サーバ20は、サーバ第2記憶部250に、物理量情報258を格納している。図4に示すように、物理量情報258は、地球重力情報258a、月重力情報258b、太陽重力情報258c、太陽光放射圧情報258d及び地球大気情報258eを含む。これら地球重力情報258a等の物理量は、GPS衛星101等の加速度に影響する物理量である。すなわち、物理量情報258は加速度影響物理量情報の一例であり、サーバ第2記憶部250は、加速度影響物理量情報格納手段の一例である。
【0041】
図4に示すように、サーバ20は、サーバ第1記憶部210に地球重力加速度時間関数情報生成プログラム218、月重力加速度時間関数情報生成プログラム220、太陽重力加速度時間関数情報生成プログラム222、太陽光放射圧加速度時間関数情報生成プログラム224及び地球大気加速度時間関数情報生成プログラム226を格納している。地球重力加速度時間関数情報生成プログラム218、月重力加速度時間関数情報生成プログラム220、太陽重力加速度時間関数情報生成プログラム222、太陽光放射圧加速度時間関数情報生成プログラム224及び地球大気加速度時間関数情報生成プログラム226は、それぞれ、サーバ制御部200が、地球重力加速度時間関数情報260、月重力加速度時間関数情報262、太陽重力加速度時間関数情報264、太陽光放射圧加速度時間関数情報266及び地球大気加速度時間関数情報268を生成するための情報である。
具体的には、サーバ制御部200は地球重力加速度時間関数情報生成プログラム218によって、各GPS衛星101等の重量を示す情報と物理量情報258に基づいて、地球重力加速度時間関数情報260等を生成する。
サーバ制御部200は、生成した地球重力加速度時間関数情報260等をサーバ第2記憶部250に格納する。
【0042】
図5は、地球重力加速度時間関数情報260等の一例を示す図である。
図5(a)に示すように、地球重力加速度時間関数情報260等は、時刻を変数とし、特定の係数a1等によって規定される関数情報である。ここで、時刻tは例えば、基準時刻TB1からの乖離時間を示す。
この地球重力加速度時間関数情報260等は、3次元座標におけるX軸成分、Y軸成分、Z軸成分のそれぞれについて生成される。
【0043】
図4に示すように、サーバ20は、サーバ第1記憶部210に衛星加速度情報生成プログラム228を格納している。衛星加速度情報生成プログラム228は、サーバ制御部200が、初期速度情報254と初期位置情報256及び物理量情報258に基づいて、各GPS衛星101等の加速度を示す衛星加速度情報270を生成するための情報である。ここで、物理量情報258は、上述の地球重力加速度時間関数情報生成プログラム218等による処理によって、地球重力加速度時間関数情報260等に変形されている。この衛星加速度情報270は衛星加速度情報の一例であり、衛星加速度情報生成プログラム228とサーバ制御部200は、衛星加速度情報生成手段の一例である。
【0044】
具体的には、端末制御部200は衛星加速度情報生成プログラム228によって例えば、図5(b)に示すように、地球重力加速度時間関数情報260等(図5(a)参照)に基づいて、GPS衛星101の加速度を示す衛星加速度情報270を生成する。
【0045】
様々な物理量に関する情報のなかで、GPS衛星101の地球に対する重力加速度情報と、月に対する重力加速度情報及び太陽に対する重力加速度情報は、各GPS衛星101等の加速度へ与える影響が特に大きい。この点、上述のように物理量情報258は、地球重力情報258a、月重力情報258b及び太陽重力情報258cを含むから、加速度に与える影響が特に大きい物理量を使用して生成されており、信頼性の大きい情報である。そして、信頼性の大きい衛星加速度情報270に基づいて生成する後述の予想位置ベクトル式情報272、時刻位置情報274、個別LTEモデル情報276a等及びLTEモデル情報276も信頼性の大きい情報となる。
【0046】
また、上述の地球重力情報258a等は、半永久的に固定的な物理量である。
従って、一度、エフェメリス252を取得して、初期速度情報254及び初期位置情報256を生成すれば、地球物理量情報258a等に基づいて、エフェメリスよりも長い期間有効な衛星加速度情報270を生成することができる。
そして、エフェメリスよりも長期間有効な衛星加速度情報270に基づいて生成する後述の個別LTEモデル情報276a等及びLTEモデル情報276もまた、エフェメリスよりも長期間有効な情報となる。
これにより、サーバ20は、エフェメリスよりも有効期間が長いLTEモデル情報276を提供することができる。
【0047】
なお、図5(b)では省略しているが、衛星加速度情報270は、各GPS衛星101等ごとに、3次元座標におけるX軸成分、Y軸成分、Z軸成分のそれぞれについて生成される。
【0048】
図4に示すように、サーバ20は、サーバ第1記憶部210に予想位置ベクトル式情報生成プログラム230を格納している。予想位置ベクトル式情報生成プログラム230は、サーバ制御部200が、各GPS衛星101等の衛星軌道上の位置を算出するための予想位置ベクトル式情報272を生成するための情報である。
【0049】
図6は、予想位置ベクトル式情報272等の一例を示す図である。
図6(a)に示すように、予想位置ベクトル式情報272は例えば、初期速度情報254に示されるGPS衛星101の初期速度ベクトルv0、初期位置情報256に示される初期位置ベクトルr0 及び衛星加速度情報270に示される衛星加速度a(t)(図5(b)参照)に基づいて生成される。この予想位置ベクトル式情報272は、各GPS衛星101ごとに、それぞれ生成される。
また、図6(a)では省略しているが、予想位置ベクトル式情報272は、3次元座標の各座標軸成分ごとに、それぞれ生成される。
サーバ制御部200は、生成した予想位置ベクトル式情報272をサーバ第2記憶部250に格納する。
この予想位置ベクトル式情報272を使用することによって、各GPS衛星101等の特定の時刻における位置を算出することができるが、端末60の測位時の処理負担を軽減するために、サーバ20はさらに、以下の構成を有する。
【0050】
すなわち、図4に示すように、サーバ20は、サーバ第1記憶部210に時刻位置情報生成プログラム232を格納している。時刻位置情報生成プログラム232は、各GPS衛星101等の特定の時刻における位置を示す時刻位置情報274を生成するための情報である。
具体的には、サーバ制御部200は時刻位置情報生成プログラム232によって、予想位置ベクトル式情報272に示される予想位置ベクトル式(図6(a)参照)に例えば、基準時刻TB1の前後の時刻T1,T2乃至Tnを代入し、3次元座標におけるX軸成分等の各座標ごとに各GPS衛星101等の位置を算出することによって、図6(b)に示す時刻位置情報274を生成する。
サーバ制御部200は、生成した時刻位置情報274をサーバ第2記憶部250に格納する。
【0051】
図4に示すように、サーバ20は、サーバ第1記憶部210にLTEモデル情報生成プログラム234を格納している。LTEモデル情報生成プログラム234は、サーバ制御部200が、多次多項式である例えば、8次式を示す個別LTEモデル情報276a等を生成するための情報である。
【0052】
図7は、LTEモデル情報生成プログラム234の一例を示す図である。
図8は、個別LTEモデル情報276a等の一例を示す図である。
図7に示すように、サーバ制御部200はLTEモデル情報生成プログラム234によって例えば、時刻位置情報274に示されるGPS衛星101の3次元座標のx座標における位置P1等を時刻位置情報274に示される時刻と位置によって特定し、最小二乗法によって近似処理をして曲線Lを示す多次多項式を算出する。ここで、最小二乗法とは、ある傾向をもった多数の既知の点から、近似式を求めるアルゴリズムである。
図7では省略しているが、y座標、z座標についてもそれぞれ多次多項式が算出され、図8(a)に示す個別LTEモデル情報276aを生成する。この個別LTEモデル情報276aは、衛星予測位置情報の一例である。
【0053】
図8(a)に示すように、個別LTEモデル情報276aは、時刻を変数とする多次多項式を示す。
この多次多項式は例えば、8次多項式である。多次多項式が、1次式乃至6次多項式である場合には、多次多項式によって算出される各GPS衛星101等の予測位置の誤差が大きいことが実験的に明らかになっている。
これに対して、10次多項式以上の多次多項式の場合には、計算量が多くサーバ20の処理負担が過大になる。また、各GPS衛星101等の予測位置の誤差が、計算処理の誤差の累積によって、大きくなることが実験的に明らかになっている。
そこで、個別LTEモデル情報276aが示す多次多項式は、7次多項式、8次多項式又は9次多項式のいずれかが望ましい。例えば、8次多項式を示す個別LTEモデル情報276aによって、サーバ20の処理負担を過大にすることなく、各GPS衛星101等の予測位置を精度よく算出することができる。
【0054】
図8(a)に示すように、個別LTEモデル情報276aは、基準時刻TB1を基準とする情報であり、各GPS衛星101等の予測位置の精度を誤差許容範囲に維持することができる個別有効期間を示す個別有効期間情報を含む。
この個別有効期間については、8時間(h)以内であれば、上述の誤差許容範囲に維持することができることが実験的に明らかになっているが、本実施の形態においては、確実性を確保するために、個別有効期間を4時間(h)に設定している。
【0055】
上述の個別LTEモデル情報276aは、各GPS衛星101等ごとに生成される。
サーバ制御部200は、生成した個別LTEモデル情報276aをサーバ第2記憶部250に格納する。
【0056】
上述のように、サーバ制御部200は、初期速度情報254と初期位置情報260と衛星加速度情報270に基づいて、予想位置ベクトル式情報272を生成する。そして予想位置ベクトル式情報272に基づいて、時刻位置情報274、さらに、個別LTEモデル情報276aを生成する構成になっている。すなわち、サーバ制御部200と予想位置ベクトル式情報生成プログラム230と時刻位置情報生成プログラム232及びLTEモデル情報生成プログラム234が、衛星予測位置情報生成手段の一例である。
【0057】
サーバ制御部200は、予想位置ベクトル式情報生成プログラム230と時刻位置情報生成プログラム232及びLTEモデル情報生成プログラム234に基づいて、上述の基準時刻TB1を基準とする個別LTEモデル情報276aだけではなく、例えば図8(b)に示すように、基準時刻TB1とは異なる基準時刻である基準時刻TB2等を基準とする複数の個別LTEモデル情報276b等も生成する。
【0058】
これら異なる基準時刻TB1等を基準時刻として生成された個別LTEモデル情報276a等の各個別有効期間は例えば、4時間(h)であり、12個の個別LTEモデル情報276a乃至276lで合計48時間(h)の有効期間を有することになる。
LTEモデル情報276は例えば、これら12個の個別LTEモデル情報276aの組の情報である。個別LTEモデル情報276a等の組であるLTEモデル情報276もまた、衛星予測位置情報の一例である。
サーバ20は、このLTEモデル情報276を例えば、1時間(h)ごとに定期的に生成し、サーバ第2記憶部250に格納している。
【0059】
図9は、個別LTEモデル情報276a等によって算出される衛星位置誤差等の一例を示す図である。この衛星位置誤差は、個別LTEモデル情報276a等によって算出されるGPS衛星101等の予測位置と、真の位置との誤差である。
上述のように、個別LTEモデル情報276a等はエフェメリスより長い間有効な情報であるが、一つの基準時刻TB1等を基準として生成した個別LTEモデル情報276a等は、図9に示すように、基準時刻TB1等からの時間が乖離するほど精度が落ちる。
具体的には、図9に示すように、各個別LTEモデル情報276aによって算出される各GPS衛星101等の衛星位置の誤差が誤差許容範囲w内になる時間は、上述の個別有効期間である例えば、4時間(h)である。この個別有効期間は、基準時刻TB1等を中心して計算される。すなわち、個別有効期間が4時間(h)であるということは、個別有効期間は例えば、時刻TB1を中心とする前後2時間(h)であることを意味する。
【0060】
そして、LTEモデル情報276は、図9に示すように、各個別有効期間が連続するように構成されている。
このため、LTEモデル情報276を使用する端末60等は、LTEモデル情報276の有効期間内において、精度が高いいずれかの個別LTEモデル情報276a等を使用することで、常に、GPS衛星101等の位置を精度よく算出することができるようになっている。
なお、LTEモデル情報276は、各GPS衛星101等ごとに、それぞれ生成される。
【0061】
なお、LTEモデル情報276を構成する個別LTEモデル情報276a等が、時刻補正項を含むように構成してもよい。時刻補正項を含むことにより、LTEモデル情報276を利用する端末60は、入力する時刻が基準時刻TB1等から乖離していても、精度の高い各GPS衛星101等の予測位置を示す情報を取得することができる。
これにより、サーバ20は端末20に対して、入力する時刻が基準時刻TB1等と乖離していても、精度の高い各GPS衛星101等の予測位置を示す情報を取得することが可能なLTEモデル情報276を提供することができる。
【0062】
また、LTEモデル情報276は、個別LTEモデル情報276a等の数を増やすことによって、48時間以上の有効期間を有する情報とすることもできる。
これにより、端末60は一度LTEモデル情報276を取得すれば、個別有効期間内の個別LTEモデル情報276a等を選択して使用することによって、48時間以上サーバ20から新たなLTEモデル情報276を取得する必要がない。
【0063】
上述のように、サーバ制御部200は、予想位置ベクトル式情報生成プログラム230と時刻位置情報生成プログラム232及びLTEモデル情報生成プログラム234に基づいて基準時刻が異なる複数の個別LTEモデル情報276a等(図8(b)参照)を生成する。
このうち、最初の基準時刻TB1を基準時刻とする個別LTEモデル情報276aについては、エフェメリス252に基づいて初期速度情報254、初期位置情報256が生成され、さらに、衛星加速度情報270、予想位置ベクトル式情報272、時刻位置情報274が生成されて個別LTEモデル情報276aが生成される。
【0064】
これに対して、基準時刻TB1の次の基準時刻TB2を基準時刻とする個別LTEモデル情報276bについては、直前の基準時刻の個別LTEモデル情報276aに基づいて、初期速度情報254等が生成され、個別LTEモデル情報276bが生成される。
その後の基準時刻である基準時刻TB3乃至TB12を基準時刻とする個別LTEモデル情報276c乃至276lについても同様に、直前の基準時刻を基準時刻とする個別LTEモデルに基づいて、生成される。
このため、サーバ20は、エフェメリス262に基づく個別LTE情報276aを一つ生成すると、サーバ20自身が生成した個別LTE情報276aに基づいて、個別LTE276b等を順次生成することができる。
【0065】
なお、上述の基準時刻TB1を基準とする個別LTEモデル情報276aは第1衛星予測位置情報の一例である。そして、基準時刻TB1の直後の基準時刻TB2は第2基準時刻の一例である。基準時刻TB2を基準時刻とする個別LTEモデル情報276bは、第2星予測位置情報の一例である。基準時刻TB2に対応する初期速度情報254は第2衛星初期速度情報の一例である。そして、サーバ制御部200と初期速度情報生成プログラム214は、第2衛星初期速度情報生成手段の一例でもある。
また、基準時刻TB2に対応する初期位置情報256は第2衛星初期位置情報の一例である。そして、サーバ制御部200と初期位置情報生成プログラム216は、第2衛星初期位置情報生成手段の一例でもある。
そして、基準時刻TB2に対応する衛星加速度情報270は第2加速度情報の一例であり、サーバ制御部200と衛星加速度情報生成プログラム228は、第2衛星加速度情報生成手段の一例でもある。
さらに、サーバ制御部200と予想位置ベクトル式情報生成プログラム230、時刻位置情報生成プログラム232及びLTEモデル情報生成プログラム234は、第2衛星予測位置情報生成手段でもある。
【0066】
上述のように、LTEモデル情報276を構成する個別LTEモデル情報276a等は、時刻を変数とする多次多項式を示すから、LTEモデル情報276を利用する端末60は、多事多項式に時刻を入力するだけで各GPS衛星101等の予測位置を示す情報を取得することができる。
これにより、サーバ20は端末60に対して、時刻を入力するだけで各GPS衛星101等の予測位置を示す情報を取得することが可能なLTEモデル情報276を提供することができる。
【0067】
(端末60の主なソフトウエア構成について)
図10は、端末60の主なソフトウエア構成を示す概略図である。
図10に示すように、端末60は、各部を制御する端末制御部300、端末通信装置74(図3参照)に対応する端末通信部302、端末GPS装置72(図3参照)に対応する端末GPS部304、時計78(図3参照)に対応する端末計時部306等を有する。
【0068】
端末60はまた、各種プログラムを格納する端末第1記憶部310、各種情報を格納する端末第2記憶部350を有する。
【0069】
図10に示すように、端末60は、端末第1記憶部310にLTEモデル情報取得プログラム312を格納している。LTEモデル情報取得プログラム312は、端末制御部300が端末通信部302によって、サーバ20からLTEモデル情報276(図4参照)を取得するための情報である。すなわち、LTEモデル情報取得プログラム312と端末制御部300と端末通信部302は、衛星予測位置情報取得手段の一例である。
端末制御部300は、取得したLTEモデル情報276をLTEモデル情報352として端末第2記憶部350に格納する。
【0070】
図10に示すように、端末60は、端末第1記憶部310に、測位プログラム314を格納している。測位プログラム314は、端末制御部300が、LTEモデル情報352を使用して、端末GPS部304によって受信したGPS衛星101等からの信号S1等(図1参照)に基づく測位を行うための情報である。すなわち、測位プログラム314と端末制御部300は、測位手段の一例である。
端末制御部300は、測位によって生成した測位位置情報354を端末第2記憶部350に格納する。
【0071】
図10に示すように、端末60は、端末第1記憶部310に、個別LTEモデル情報有効期間経過判断プログラム316を格納している。個別LTEモデル情報有効期間経過判断プログラム316は、端末制御部300が、個別LTEモデル情報352a等(図8(b)参照)の個別有効期間が経過したか否かを判断するための情報である。
これにより、端末60は、LTEモデル情報352を構成する個別LTEモデル352a乃至352l(図8(b)参照)うち、現時点で個別有効期間内にある個別LTEモデル352a等を選択して使用することができる。
【0072】
図10に示すように、端末60は、端末第1記憶部310に、LTEモデル情報有効期間経過判断プログラム318を格納している。LTEモデル情報有効期間経過判断プログラム318は、端末制御部300が、LTEモデル情報352の有効期間が経過したか否かを判断するための情報である。すなわち、LTEモデル情報有効期間経過判断プログラム318と端末制御部300は、有効期間経過判断手段の一例である。
【0073】
具体的には、端末制御部300はLTEモデル情報有効期間経過判断プログラム318によって、LTEモデル情報352の有効期間が経過しているか否かを判断する。ここでの有効期間は例えば、図8(b)に示すように、個別有効期間が4時間(h)の個別LTEモデル352a等が12個の組であるLTEモデル情報352であれば、48時間(h)である。
例えば、端末制御部300は、端末計時部306によってLTEモデル情報352を取得した時刻を計測しておき、48時間(h)経過したか否かによって、LTEモデル情報352の有効期間が経過したか否かを判断する。
【0074】
そして、端末制御部300は、LTEモデル情報352の有効期間が経過していると判断した場合には上述のLTEモデル情報取得プログラム312によって、サーバ20から新たにLTEモデル情報276を取得する。すなわち、LTEモデル情報取得プログラム312と端末制御部300は、新衛星予測位置情報取得手段の一例でもある。
【0075】
上述のように、端末60は、一度LTEモデル情報276(352)を取得した後は、有効期間が経過するまでは、サーバ20から新たなLTEモデル情報276を取得する必要がない。そして、上述のように、LTEモデル情報276(352)は、48時間(h)以上の長期間有効な情報であるから、端末60は、長期間にわたってLTEモデル情報276(352)を使用することができる。また、端末60がサーバ20からLTEモデル情報276を取得するために必要な通信回数を低減することができる。
【0076】
また、LTEモデル情報352を使用して各GPS衛星101等の位置を計算する計算式は非常に単純であるから、エフェメリスから直接各GPS衛星101等の位置を計算する方法と比べて、計算時間が短くて済み、メモリ消費量も少なく済み、また、低速なCPUでも計算ができるので、端末60を安価に製造することができる。
【0077】
以上が本実施の形態の測位システム10の構成であるが、以下、測位システム10の動作例を主に図11、図12及び図13を使用して説明する。
【0078】
図11、図12及び図13は、測位システム10の動作例を示す概略フローチャートである。
図11及び図12は、サーバ20の動作例を示している。図13は、端末60の動作例を示している。
【0079】
まず、サーバ20はGPS衛星101等からエフェメリス252(図4参照)を取得する(図11のステップST1)。このステップST1は、衛星軌道情報取得ステップの一例である。
続いて、サーバ20は、エフェメリス252から基準時刻TB1等における各GPS衛星101等の初期速度を計算し、初期速度情報254(図4参照)を生成する(ステップST2)。このステップST2は、衛星初期速度情報生成ステップの一例である。
【0080】
続いて、サーバ20は、エフェメリス252から基準時刻TB1等における各GPS衛星101等の初期位置を計算し、初期位置情報256(図4参照)を生成する(ステップST3)。このステップST3は、衛星初期位置情報生成ステップの一例である。
【0081】
続いて、サーバ20は、地球重力加速度時間関数情報260(図5(a)参照)、月重力加速度時間関数情報262(図5(a)参照)、太陽重力加速度時間関数情報264(図5(a)参照)、太陽光放射圧加速度時間関数情報266(図5(a)参照)及び地球大気加速度時間関数情報268(図5(a)参照)を生成する(ステップST4、ステップST5、ステップST6、図12のステップST7及びステップST8)。
【0082】
続いて、サーバ20は、上述のステップST4乃至ステップST8において生成した地球重力加速度時間関数情報260等に基づいて、衛星加速度情報270(図5(b)参照)を生成する(ステップST9)。このステップST9は、衛星加速度情報生成ステップの一例である。
【0083】
続いて、サーバ20は、予想位置ベクトル式情報272(図6(a)参照)を生成する(ステップST10)。
続いて、サーバ20は、予想位置ベクトル式情報272に基づいて、時刻位置情報274(図6(b)参照)を生成する(ステップST11)。
続いて、サーバ20は、時刻位置情報274に基づいて、個別LTEモデル情報276a(図8(a)参照)を生成する(ステップST12)。
上述の、ステップST10乃至ステップST12は、衛星予測位置情報生成ステップの一例である。
【0084】
続いて、サーバ20は、個別LTEモデル情報276等の組であるLTEモデル情報276(図8(b)参照)を生成する(ステップST13)。
【0085】
以上のステップによって、サーバ20は例えば、48時間(h)の有効期間を有するLTEモデル情報276を生成する。
一方、端末60はサーバ20から、LTEモデル情報276を取得する(図13のステップST101)。このステップST101は、衛星予測位置情報取得ステップの一例である。端末60は、取得したLTEモデル情報276をLTEモデル情報352として端末第2記憶部350(図10参照)に格納する。
【0086】
続いて、端末60は、LTEモデル情報352を使用して、GPS衛星101等からの信号S1等(図1参照)に基づく測位を行う(ステップST102)。このステップST102は、測位ステップの一例である。
【0087】
続いて、端末60は、LTEモデル情報352の有効期間が経過したか否かを判断する(ステップST103)。このステップST103は、有効期間経過判断ステップの一例である。
【0088】
上述のステップST103において、端末60が、LTEモデル情報352の有効期間が経過したと判断した場合には、端末60は、サーバ20から新たなLTEモデル情報276を取得する(ステップST104)。このステップST104は、新衛星予測位置情報取得ステップの一例である。
一方、上述のステップST103において、端末60が、LTEモデル情報352の有効期間が経過していないと判断した場合には、端末60は、サーバ20から新たにLTEモデル情報276を取得することなく、端末第2記憶部350に格納しているLTEモデル情報352を使用して測位を行う。
【0089】
(プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体等について)
コンピュータに上述の動作例の衛星軌道情報取得ステップと、衛星初期速度情報生成ステップと、衛星初期位置情報生成ステップと、衛星加速度情報生成ステップと、衛星予測位置情報生成ステップ等を実行させるための情報提供装置の制御プログラムとすることができる。
また、このような情報提供装置の制御プログラム等を記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体等とすることもできる。
【0090】
また、コンピュータに上述の動作例の衛星予測位置情報取得ステップと、測位ステップと、有効期間経過判断ステップと、新衛星予測位置情報取得ステップ等を実行させるための端末装置の制御プログラムとすることができる。
また、このような端末装置の制御プログラム等を記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体等とすることもできる。
【0091】
これら情報提供装置及び端末装置の制御プログラム等をコンピュータにインストールし、コンピュータによって実行可能な状態とするために用いられるプログラム格納媒体は、例えばフロッピー(登録商標)のようなフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Compact Disc−Recordable)、CD−RW(Compact Disc−Rewriterble)、DVD(Digital Versatile Disc)などのパッケージメディアのみならず、プログラムが一時的若しくは永続的に格納される半導体メモリ、磁気ディスクあるいは光磁気ディスクなどで実現することができる。
【0092】
本発明は、上述の各実施の形態に限定されない。さらに、上述の各実施の形態は、相互に組み合わせて構成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の実施の形態の測位システムを示す概略図である。
【図2】サーバの主なハードウエア構成を示す概略図である。
【図3】端末の主なハードウエア構成を示す概略図である。
【図4】サーバの主なソフトウエア構成を示す概略図である。
【図5】地球重力加速度時間関数情報等の一例を示す図である。
【図6】予想位置ベクトル式情報等の一例を示す図である。
【図7】LTEモデル情報生成プログラムの一例を示す図である。
【図8】個別LTEモデル情報等の一例を示す図である。
【図9】衛星位置誤差等の一例を示す図である。
【図10】端末の主なソフトウエア構成を示す概略図である。
【図11】測位システムの動作例を示す概略フローチャートである。
【図12】測位システムの動作例を示す概略フローチャートである。
【図13】測位システムの動作例を示す概略フローチャートである。
【符号の説明】
【0094】
10・・・測位システム、101乃至132・・・GPS衛星、20・・・サーバ、40・・・基地局、45・・・インターネット網、60・・・端末、212・・・エフェメリス取得プログラム、214・・・初期速度情報生成プログラム、216・・・初期位置情報生成プログラム、228・・・衛星加速度情報生成プログラム、230・・・予想位置ベクトル式情報生成プログラム、232・・・時刻位置情報生成プログラム、234・・・LTEモデル情報生成プログラム、312・・・LTEモデル情報取得プログラム、314・・・測位プログラム、316・・・個別LTEモデル情報有効期間経過判断プログラム、318・・・LTEモデル情報有効期間経過判断プログラム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置情報衛星からの位置関連信号に基く測位を行う端末装置と、
前記端末装置に対して、前記位置情報衛星の予測位置を示す衛星予測位置情報を提供する情報提供装置と、
を有する測位システムであって、
前記情報提供装置は、
前記位置情報衛星の衛星軌道を示す衛星軌道情報を取得する衛星軌道情報取得手段と、
前記衛星軌道情報に基づいて、前記衛星予測位置情報の基準となる基準時刻における前記位置情報衛星の速度を示す衛星初期速度情報を生成する衛星初期速度情報生成手段と、
前記衛星軌道情報に基づいて、前記基準時刻における前記位置情報衛星の位置を示す衛星初期位置情報を生成する衛星初期位置情報生成手段と、
前記位置情報衛星の加速度に影響する物理量を示す加速度影響物理量情報を格納する加速度影響物理量情報格納手段と、
前記衛星初期速度情報と前記衛星初期位置情報及び前記加速度影響物理量情報に基づいて、前記位置情報衛星の加速度を示す衛星加速度情報を生成する衛星加速度情報生成手段と、
前記衛星初期速度情報と前記衛星初期位置情報及び前記衛星加速度情報に基づいて、前記衛星予測位置情報を生成する衛星予測位置情報生成手段と、
を有し、
前記端末装置は、
前記情報提供装置から前記衛星予測位置情報を取得する衛星予測位置情報取得手段と、
前記衛星予測位置情報を使用して、前記位置関連信号に基づく測位を行う測位手段と、
前記衛星予測位置情報の有効期間が経過したか否かを判断する有効期間経過判断手段と、
前記有効期間経過判断手段の判断結果に基づいて、新たな前記衛星予測位置情報を取得する新衛星予測位置情報取得手段と、
を有することを特徴とする測位システム。
【請求項2】
位置情報衛星からの位置関連信号に基く測位を行う端末装置に対して、前記位置情報衛星の予測位置を示す衛星予測位置情報を提供する情報提供装置であって、
前記位置情報衛星の衛星軌道を示す衛星軌道情報を取得する衛星軌道情報取得手段と、
前記衛星軌道情報に基づいて、前記衛星予測位置情報の基準となる基準時刻における前記位置情報衛星の速度を示す衛星初期速度情報を生成する衛星初期速度情報生成手段と、
前記衛星軌道情報に基づいて、前記基準時刻における前記位置情報衛星の位置を示す衛星初期位置情報を生成する衛星初期位置情報生成手段と、
前記位置情報衛星の加速度に影響する物理量を示す加速度影響物理量情報を格納する加速度影響物理量情報格納手段と、
前記衛星初期速度情報と前記衛星初期位置情報及び前記加速度影響物理量情報に基づいて、前記位置情報衛星の加速度を示す衛星加速度情報を生成する衛星加速度情報生成手段と、
前記衛星初期速度情報と前記衛星初期位置情報及び前記衛星加速度情報に基づいて、前記衛星予測位置情報を生成する衛星予測位置情報生成手段と、
を有することを特徴とする情報提供装置。
【請求項3】
前記衛星予測位置情報生成手段は、前記基準時刻が異なる複数の前記衛星予測位置情報を生成する構成となっていることを特徴とする請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項4】
第1に生成した前記衛星予測位置情報である第1衛星予測位置情報に基づいて、前記第1衛星予測位置情報の前記基準時刻の直後の前記基準時刻である第2基準時刻における前記位置情報衛星の速度を示す第2衛星初期速度情報を生成する第2初期速度情報生成手段と、
前記第1衛星予測位置情報に基づいて、前記第2基準時刻における前記位置情報衛星の位置を示す第2衛星初期位置情報を生成する第2衛星初期位置情報生成手段と、
前記第2衛星初期速度情報と前記第2衛星初期位置情報及び前記加速度影響物理量情報に基づいて、前記位置情報衛星の加速度を示す第2衛星加速度情報を生成する第2衛星加速度情報生成手段と、
前記第2衛星初期速度情報と前記第2衛星初期位置情報及び前記第2衛星加速度情報に基づいて、前記第2基準時刻を基準とする前記衛星予測位置情報である第2衛星予測位置情報を生成する第2衛星予測位置情報生成手段と、
を有することを特徴とする請求項4に記載の情報提供装置。
【請求項5】
前記衛星予測位置情報は、時刻を変数とする多次多項式を示すことを特徴とする請求項2乃至請求項4に記載の情報提供装置。
【請求項6】
前記多次多項式は、時刻補正項を含むことを特徴とする請求項5に記載の情報提供装置。
【請求項7】
前記多次多項式は、7次多項式、8次多項式又は9次多項式のいずれかであることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の情報提供装置。
【請求項8】
前記加速度影響物理量情報は、前記位置情報衛星の地球に対する重力加速度情報と、前記位置情報衛星の月に対する重力加速度情報及び前記位置情報衛星の太陽に対する重力加速度情報と、を含むことを特徴とする請求項2乃至請求項7のいずれかに記載の情報提供装置。
【請求項9】
前記衛星予測位置情報は、前記衛星予測位置情報の有効期間を示す有効期間情報を含むことを特徴とする請求項2乃至請求項8のいずれかに記載の情報提供装置。
【請求項10】
複数の前記衛星予測位置情報の前記有効期間の合計が、前記衛星軌道情報の有効期間よりも長いことを特徴とする請求項9に記載の情報提供装置。
【請求項11】
位置情報衛星からの位置関連信号に基く測位を行う端末装置であって、
位置情報衛星の予測位置を示す衛星予測位置情報を提供する情報提供装置から、前記位置情報衛星の衛星軌道情報及び前記位置情報衛星の加速度に影響を与える加速度影響物理量情報に基づいて生成された前記衛星予測位置情報を取得する衛星予測位置情報取得手段と、
前記衛星予測位置情報を使用して、前記位置関連信号に基づく測位を行う測位手段と、
前記衛星予測位置情報の有効期間が経過したか否かを判断する有効期間経過判断手段と、
前記有効期間経過判断手段の判断結果に基づいて、新たな前記衛星予測位置情報を取得する新衛星予測位置情報取得手段と、
を有することを特徴とする端末装置。
【請求項12】
コンピュータに、
位置情報衛星からの位置関連信号に基く測位を行う端末装置に対して、前記位置情報衛星の予測位置を示す衛星予測位置情報を提供する情報提供装置が、前記位置情報衛星の衛星軌道を示す衛星軌道情報を取得する衛星軌道情報取得ステップと、
前記情報提供装置が、前記衛星軌道情報に基づいて、前記衛星予測位置情報の基準となる基準時刻における前記位置情報衛星の速度を示す衛星初期速度情報を生成する衛星初期速度情報生成ステップと、
前記情報提供装置が、前記衛星軌道情報に基づいて、前記基準時刻における前記位置情報衛星の位置を示す衛星初期位置情報生成ステップと、
前記情報提供装置が、前記衛星初期速度情報と前記衛星初期位置情報及び、前記位置情報衛星の加速度に影響する物理量を示す前記加速度影響物理量情報に基づいて、前記位置情報衛星の加速度を示す衛星加速度情報を生成する衛星加速度情報生成ステップと、
前記情報提供装置が、前記衛星初期速度情報と前記衛星初期位置情報及び前記衛星加速度情報に基づいて、前記衛星予測位置情報を生成する衛星予測位置情報生成ステップと、 を実行させることを特徴とする情報提供装置の制御プログラム。
【請求項13】
コンピュータに、
位置情報衛星からの位置関連信号に基く測位を行う端末装置が、前記位置情報衛星の予測位置を示す衛星予測位置情報を提供する情報提供装置から、前記位置情報衛星の衛星軌道情報及び前記位置情報衛星の加速度に影響を与える加速度影響物理量情報に基づいて生成された前記衛星予測位置情報を取得する衛星予測位置情報取得ステップと、
前記端末装置が、前記衛星予測位置情報を使用して、前記位置関連信号に基づく測位を行う測位ステップと、
前記端末装置が、前記衛星予測位置情報の有効期間が経過したか否かを判断する有効期間経過判断ステップと、
前記端末装置が、前記有効期間経過判断手段の判断結果に基づいて、新たな前記衛星予測位置情報を取得する新衛星予測位置情報取得ステップと、
を実行させることを特徴とする端末装置の制御プログラム。
【請求項1】
位置情報衛星からの位置関連信号に基く測位を行う端末装置と、
前記端末装置に対して、前記位置情報衛星の予測位置を示す衛星予測位置情報を提供する情報提供装置と、
を有する測位システムであって、
前記情報提供装置は、
前記位置情報衛星の衛星軌道を示す衛星軌道情報を取得する衛星軌道情報取得手段と、
前記衛星軌道情報に基づいて、前記衛星予測位置情報の基準となる基準時刻における前記位置情報衛星の速度を示す衛星初期速度情報を生成する衛星初期速度情報生成手段と、
前記衛星軌道情報に基づいて、前記基準時刻における前記位置情報衛星の位置を示す衛星初期位置情報を生成する衛星初期位置情報生成手段と、
前記位置情報衛星の加速度に影響する物理量を示す加速度影響物理量情報を格納する加速度影響物理量情報格納手段と、
前記衛星初期速度情報と前記衛星初期位置情報及び前記加速度影響物理量情報に基づいて、前記位置情報衛星の加速度を示す衛星加速度情報を生成する衛星加速度情報生成手段と、
前記衛星初期速度情報と前記衛星初期位置情報及び前記衛星加速度情報に基づいて、前記衛星予測位置情報を生成する衛星予測位置情報生成手段と、
を有し、
前記端末装置は、
前記情報提供装置から前記衛星予測位置情報を取得する衛星予測位置情報取得手段と、
前記衛星予測位置情報を使用して、前記位置関連信号に基づく測位を行う測位手段と、
前記衛星予測位置情報の有効期間が経過したか否かを判断する有効期間経過判断手段と、
前記有効期間経過判断手段の判断結果に基づいて、新たな前記衛星予測位置情報を取得する新衛星予測位置情報取得手段と、
を有することを特徴とする測位システム。
【請求項2】
位置情報衛星からの位置関連信号に基く測位を行う端末装置に対して、前記位置情報衛星の予測位置を示す衛星予測位置情報を提供する情報提供装置であって、
前記位置情報衛星の衛星軌道を示す衛星軌道情報を取得する衛星軌道情報取得手段と、
前記衛星軌道情報に基づいて、前記衛星予測位置情報の基準となる基準時刻における前記位置情報衛星の速度を示す衛星初期速度情報を生成する衛星初期速度情報生成手段と、
前記衛星軌道情報に基づいて、前記基準時刻における前記位置情報衛星の位置を示す衛星初期位置情報を生成する衛星初期位置情報生成手段と、
前記位置情報衛星の加速度に影響する物理量を示す加速度影響物理量情報を格納する加速度影響物理量情報格納手段と、
前記衛星初期速度情報と前記衛星初期位置情報及び前記加速度影響物理量情報に基づいて、前記位置情報衛星の加速度を示す衛星加速度情報を生成する衛星加速度情報生成手段と、
前記衛星初期速度情報と前記衛星初期位置情報及び前記衛星加速度情報に基づいて、前記衛星予測位置情報を生成する衛星予測位置情報生成手段と、
を有することを特徴とする情報提供装置。
【請求項3】
前記衛星予測位置情報生成手段は、前記基準時刻が異なる複数の前記衛星予測位置情報を生成する構成となっていることを特徴とする請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項4】
第1に生成した前記衛星予測位置情報である第1衛星予測位置情報に基づいて、前記第1衛星予測位置情報の前記基準時刻の直後の前記基準時刻である第2基準時刻における前記位置情報衛星の速度を示す第2衛星初期速度情報を生成する第2初期速度情報生成手段と、
前記第1衛星予測位置情報に基づいて、前記第2基準時刻における前記位置情報衛星の位置を示す第2衛星初期位置情報を生成する第2衛星初期位置情報生成手段と、
前記第2衛星初期速度情報と前記第2衛星初期位置情報及び前記加速度影響物理量情報に基づいて、前記位置情報衛星の加速度を示す第2衛星加速度情報を生成する第2衛星加速度情報生成手段と、
前記第2衛星初期速度情報と前記第2衛星初期位置情報及び前記第2衛星加速度情報に基づいて、前記第2基準時刻を基準とする前記衛星予測位置情報である第2衛星予測位置情報を生成する第2衛星予測位置情報生成手段と、
を有することを特徴とする請求項4に記載の情報提供装置。
【請求項5】
前記衛星予測位置情報は、時刻を変数とする多次多項式を示すことを特徴とする請求項2乃至請求項4に記載の情報提供装置。
【請求項6】
前記多次多項式は、時刻補正項を含むことを特徴とする請求項5に記載の情報提供装置。
【請求項7】
前記多次多項式は、7次多項式、8次多項式又は9次多項式のいずれかであることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の情報提供装置。
【請求項8】
前記加速度影響物理量情報は、前記位置情報衛星の地球に対する重力加速度情報と、前記位置情報衛星の月に対する重力加速度情報及び前記位置情報衛星の太陽に対する重力加速度情報と、を含むことを特徴とする請求項2乃至請求項7のいずれかに記載の情報提供装置。
【請求項9】
前記衛星予測位置情報は、前記衛星予測位置情報の有効期間を示す有効期間情報を含むことを特徴とする請求項2乃至請求項8のいずれかに記載の情報提供装置。
【請求項10】
複数の前記衛星予測位置情報の前記有効期間の合計が、前記衛星軌道情報の有効期間よりも長いことを特徴とする請求項9に記載の情報提供装置。
【請求項11】
位置情報衛星からの位置関連信号に基く測位を行う端末装置であって、
位置情報衛星の予測位置を示す衛星予測位置情報を提供する情報提供装置から、前記位置情報衛星の衛星軌道情報及び前記位置情報衛星の加速度に影響を与える加速度影響物理量情報に基づいて生成された前記衛星予測位置情報を取得する衛星予測位置情報取得手段と、
前記衛星予測位置情報を使用して、前記位置関連信号に基づく測位を行う測位手段と、
前記衛星予測位置情報の有効期間が経過したか否かを判断する有効期間経過判断手段と、
前記有効期間経過判断手段の判断結果に基づいて、新たな前記衛星予測位置情報を取得する新衛星予測位置情報取得手段と、
を有することを特徴とする端末装置。
【請求項12】
コンピュータに、
位置情報衛星からの位置関連信号に基く測位を行う端末装置に対して、前記位置情報衛星の予測位置を示す衛星予測位置情報を提供する情報提供装置が、前記位置情報衛星の衛星軌道を示す衛星軌道情報を取得する衛星軌道情報取得ステップと、
前記情報提供装置が、前記衛星軌道情報に基づいて、前記衛星予測位置情報の基準となる基準時刻における前記位置情報衛星の速度を示す衛星初期速度情報を生成する衛星初期速度情報生成ステップと、
前記情報提供装置が、前記衛星軌道情報に基づいて、前記基準時刻における前記位置情報衛星の位置を示す衛星初期位置情報生成ステップと、
前記情報提供装置が、前記衛星初期速度情報と前記衛星初期位置情報及び、前記位置情報衛星の加速度に影響する物理量を示す前記加速度影響物理量情報に基づいて、前記位置情報衛星の加速度を示す衛星加速度情報を生成する衛星加速度情報生成ステップと、
前記情報提供装置が、前記衛星初期速度情報と前記衛星初期位置情報及び前記衛星加速度情報に基づいて、前記衛星予測位置情報を生成する衛星予測位置情報生成ステップと、 を実行させることを特徴とする情報提供装置の制御プログラム。
【請求項13】
コンピュータに、
位置情報衛星からの位置関連信号に基く測位を行う端末装置が、前記位置情報衛星の予測位置を示す衛星予測位置情報を提供する情報提供装置から、前記位置情報衛星の衛星軌道情報及び前記位置情報衛星の加速度に影響を与える加速度影響物理量情報に基づいて生成された前記衛星予測位置情報を取得する衛星予測位置情報取得ステップと、
前記端末装置が、前記衛星予測位置情報を使用して、前記位置関連信号に基づく測位を行う測位ステップと、
前記端末装置が、前記衛星予測位置情報の有効期間が経過したか否かを判断する有効期間経過判断ステップと、
前記端末装置が、前記有効期間経過判断手段の判断結果に基づいて、新たな前記衛星予測位置情報を取得する新衛星予測位置情報取得ステップと、
を実行させることを特徴とする端末装置の制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−84426(P2006−84426A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−271964(P2004−271964)
【出願日】平成16年9月17日(2004.9.17)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月17日(2004.9.17)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]