説明

測位装置及び方法

【課題】消費電力を低減しつつ、測位時間を短縮できる測位装置及び方法を提供すること。
【解決手段】測位装置は、アクセスポイントからの電波に基づいて、測位を行うWLAN測位演算部と、測位衛星からの電波に基づいて、測位を行う衛星測位部と、該衛星測位部による測位が失敗した場合に、WLAN測位演算部による測位結果を採用するかどうかを判定する測位結果判定部と、該測位結果判定部によりWLAN測位演算部による測位結果を採用すると判定された場合に、該WLAN測位演算部による測位結果を出力する出力部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測位装置に関する。
【背景技術】
【0002】
各種の地理情報に、リアルタイムに位置情報とコンテンツ情報とを融合することが行われている。該地理情報は、防災、セキュリティ、交通等の様々な分野で、モバイル通信技術を用いて利用される。該地理情報を利用することは、ロケーションベースドサービス(LBS: Location Based Services)と呼ばれる。LBSでは、ユーザの位置や環境に応じて適切なサービスとコンテンツが提供される。
【0003】
LBSの実現に必要な社会基盤と主要な技術課題には、高精度3次元空間データ、屋外・屋内を含む広範囲の空間で位置を取得することができるシームレス測位システム、通信システム、端末・表示技術などが含まれる。
【0004】
シームレス測位システムの一例として、無線LAN(WLAN: Wireless Local Area Network)を利用した位置測位が挙げられる。
【0005】
現在、個人宅や企業オフィス、カフェや駅などに設置されている無線LANアクセスポイントから送信される電波を受信して、位置測位を行うサービスが一般的に利用されている。駅やオフィス街では、無線LANアクセスポイントは非常に多く設置されている。駅やオフィス街周辺での位置測位方法として、無線LANを利用した測位サービスは極めて有効である。特に、全地球測位システム(GPS: Global Positioning System)ではGPS衛星からの電波が届かない地下街では有効である。
【0006】
携帯端末装置は、定期的・自動的に測位し、位置情報をサービス提供者へ通知する。該サービス提供者には、コンテンツプロバイダ(CP: contents provider)、通信事業者が含まれる。携帯端末装置が定期的・自動的に測位し、位置情報をサービス提供者へ通知する基盤機能により様々なアプリケーションを実現できる。例えば、該アプリケーションにより実現されるサービスには、ユーザの位置情報に基づいて、該位置の天気情報や、町のイベント情報などをプッシュ(Push)で配信するプッシュ型配信サービスが含まれる。また、例えば、該アプリケーションにより実現されるサービスには、ユーザの位置情報に基づいて、最寄りの駅の終電情報などを通知する行動支援型サービスが含まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008-281538号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
携帯端末装置による測位では、アシスト方式のGPS(A-GPS: Assisted Global Positioning System)により測位が行われることもある。該アシスト方式のGPSでは、該携帯端末装置は、移動体通信ネットワークを利用して、衛星の位置や基地局情報などの位置の捕捉情報(アシスト情報)を取得する。移動体通信ネットワークを利用してアシスト情報を取得することにより、測位時間を短縮できる。
【0009】
位置測位要求が発生した際には、携帯端末装置は、アシスト情報による概略位置の取得、及びWLAN測位を同時に実行する。アシスト情報による概略位置の取得、及びWLAN測位はどちらも数秒で実行される。また、A-GPS測位、WLAN測位共に、ネットワークとの間の通信を伴うため、該ネットワークとの間で通信を行うタイミングを合わせることにより更に消費電力を低減できる。該携帯端末装置は、WLAN測位結果に応じて、GPS測位を行うかどうかを判定するのが好ましい。WLAN測位結果によっては、該WLAN測位結果を採用できるためである。該WLAN測位結果を採用できる場合には、GPS測位を行う必要がない。GPS測位を行う必要がないため、消費電力を低減できる。
【0010】
例えば、WLAN測位結果に応じてGPS測位を行うかどうかを判定した結果、GPS測位を行う必要がないと判定した場合には、該携帯端末装置は、WLAN測位結果を採用するようにしてもよい。
【0011】
一方、WLAN測位結果に応じてGPS測位を行うかどうかを判定した結果、GPS測位を行うと判定した場合には、該携帯端末装置は、アシスト情報に基づいてGPS測位を行う。該GPS測位が成功した場合には、該GPS測位結果が採用されるようにしてもよい。
【0012】
しかし、GPS測位を行うと判定した場合に、アシスト情報に基づいてGPS測位を行った結果、該GPS測位が失敗することもある。該GPS測位が失敗した場合には、該携帯端末装置は、再度ネットワークに接続し、アシスト情報を取得する。携帯端末装置は、再度取得したアシスト情報に基づいて、GPS測位を行う。
【0013】
アシスト情報に基づいてGPS測位を行った結果、該GPS測位が失敗した場合には、位置測位要求が発生した後、ネットワークに2度接続することになる。ネットワークに2度接続することになるため、該接続処理のために消費電力が増大するとともに、測位に時間がかかる。
【0014】
そこで、本発明は、消費電力を低減しつつ、測位時間を短縮できる測位装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本測位装置は、
位置を測定する測位装置であって、
アクセスポイントからの電波に基づいて、測位を行うWLAN測位演算部と、
測位衛星からの電波に基づいて、測位を行う衛星測位部と、
該衛星測位部による測位が失敗した場合に、前記WLAN測位演算部による測位結果を採用するかどうかを判定する測位結果判定部と、
該測位結果判定部により前記WLAN測位演算部による判定結果を採用すると判定された場合に、該WLAN測位演算部による判定結果を出力する出力部と
を有する。
【0016】
本方法は、
位置を測定する測位装置おける方法であって、
アクセスポイントからの電波に基づいて、測位を行うWLAN測位演算ステップと、
測位衛星からの電波に基づいて、測位を行う衛星測位ステップと、
該衛星測位ステップによる測位が失敗した場合に、前記WLAN測位演算ステップによる測位結果を採用するかどうかを判定する測位結果判定ステップと、
該測位結果判定ステップにより前記WLAN測位演算ステップによる測位結果を採用すると判定された場合に、該WLAN測位演算ステップによる測位結果を出力する出力ステップと
を有する。
【発明の効果】
【0017】
開示の測位装置及び方法によれば、消費電力を低減しつつ、測位時間を短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施例に従ったシステムの一例を示す説明図である。
【図2】本実施例に従った測定装置のハードウェア構成の一例を示す構成図である。
【図3】本実施例に従った測定装置の機能を示す機能ブロック図である。
【図4】本実施例に従ったシステムの動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明を実施するための形態を、以下の実施例に基づき図面を参照しつつ説明する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
【0020】
<実施例>
<システム>
本実施例に従った測位装置100が適用されるシステムについて説明する。
【0021】
図1は、本測位装置100が適用されるシステムを示す。
【0022】
該システムには、アクセスポイント(Access Point)200(mは、m>0の整数)が含まれる。アクセスポイント200は、点在していてもよい。アクセスポイントは、「親機」、「基地局」、「ステーション」等と呼ばれてもよい。本測位装置100は、発見できたアクセスポイント200との間の距離に基づいて、測位を行う。図1には、一例として、m=3の場合が示される。mは、2以下であっても、4以上であってもよい。例えば、m=1、2の場合には、アクセスポイント200と測位装置100との間の距離から、測位装置100が位置すると想定される領域を求めることができる。また、mの値が大きくなるほど測位精度が向上する。
【0023】
本測位装置100は、携帯端末装置50に搭載されるようにしてもよいし、携帯情報端末(PDA: Personal Digital Assistants)に搭載されるようにしてもよいし、パーソナルコンピュータ(PC: Personal Computer)に搭載されるようにしてもよい。
【0024】
本測位装置100が携帯端末装置50に搭載され、発見できたアクセスポイント200との間の距離に基づいて測位を行うことにより、屋内においても位置情報を取得できる。屋内においても位置情報を取得できるため、屋内における位置情報に基づいてサービスを提供できる。
【0025】
また、本測位装置100は、GPS衛星300−300(nは、n>3の整数)により送信される測位信号に基づいて、当該測位装置100の位置を測位する。位置情報は、経度、緯度により表されてもよい。さらに、高度により示されてもよい。
【0026】
例えば、本測位装置100は、自立測位方式により測位を行うようにしてもよい。自立測位方式では、測位信号をデコードすることにより、測位演算に必要となる情報を取得する。現在、約30個のGPS衛星が高度約20,000kmの上空で地球を一周しており、55度ずつ傾いた6つの地球周回軌道面があり、各々の軌道面に4個以上のGPS衛星が均等に配置されている。従って、天空が開けている場所であれば、地球上のどの場所にいても、常時、少なくとも5個以上のGPS衛星が観測可能である。
【0027】
また、例えば、本測位装置100は、アシステッドGPS(A-GPS: Assisted-GPS)方式により測位を行うようにしてもよい。A-GPSでは、ネットワークから測位装置100が測位を行うために必要とされるデータが配信される。該ネットワークは、移動体通信ネットワークでもよいし、インターネットであってもよい。該データは、アシスト情報とよばれてもよい。該データには、例えば、基地局のエリア情報やGPS衛星300の軌道情報などが含まれる。該基地局のエリア情報には、測位装置100の概略位置情報、該概略位置の誤差に関する情報などが含まれる。該概略位置の誤差に関する情報には、水平誤差が含まれてもよい。該データにより、測位信号をデコードする処理を省略できる。例えば、移動体通信ネットワークから測位を行うために必要とされるデータが配信される場合には、本測位装置100は、基地局400(lは、l>0の整数)から配信される該データを取得する。また、例えば、インターネットから測位を行うために必要とされるデータが配信される場合には、本測位装置100は、アクセスポイント200から配信される該データを取得する。
【0028】
本実施例では、アシステッドGPSが主に使用される。
【0029】
<本測位装置>
図2は、本実施例に従った測位装置100を示す。図2には、主にハードウェア構成が示される。
【0030】
本測位装置100は、無線部102と、記憶部104と、中央演算処理装置(CPU: Central Processing Unit)106と、出力部108と、通信制御部110と、GPS測位装置112とを有する。各機能ブロックは、バス150により接続される。
【0031】
中央演算処理装置106は、無線部102、記憶部104、出力部108、通信制御部110、及びGPS測位装置112の制御を行う。中央演算処置装置106は、記憶部104に記憶されたプログラムに従って機能し、所定の処理を行う。
【0032】
無線部102は、中央演算処理装置106による制御により、アクセスポイント200との間で、所定の無線通信方式により無線通信を行う。該無線通信方式には、無線LANが含まれる。無線LANの規格には、IEEE802.11、IEEE802.15が含まれるが、どの規格に従ったものでもよい。該無線部102は、通信制御部110により生成された情報を無線信号に変換して送信する。また、アクセスポイント200からの無線信号をベースバンド信号に変換する。該無線部102は、アクセスポイント200からの無線の受信信号強度(RSSI: Received Signal Strength Indication, Received Signal Strength Indicator)を測定する。
【0033】
記憶部104は、アプリケーションを有する。アプリケーションは、測位装置100上で実行する作業を実施する機能を有するソフトウェアである。また、記憶部104は、チャネル毎に発見されたアクセスポイントの情報を記憶する。また、記憶部104は、当該測位装置100に設定可能なアクセスポイント200の識別子を記憶する。該識別子には、サービスセットID(SSID: Service Set ID)、ESSID(Extended SSID)が含まれる。アクセスポイントを識別可能な識別子であれば、サービスセットID(SSID: Service Set ID)、ESSID(Extended SSID)に限られない。
【0034】
出力部108は、当該測位装置100により算出された位置情報を出力する。例えば、当該測位装置100を搭載する装置に対して出力するようにしてもよい。当該測位装置100を搭載する装置に対して出力することにより、該装置が携帯端末装置50である場合には、入力された位置情報に基づいてサービスを提供することができる。例えば、ユーザの現在位置・時間に適した様々な情報を配信することが挙げられる。
【0035】
通信制御部110は、当該測位装置100がアクセスポイント200を発見する際に送信すべき情報を生成し、また、発見されたアクセスポイント200から受信されるべき信号を解析する。例えば、アクセスポイント200を発見する際に送信すべき情報には、アクティブスキャンを行う場合におけるプローブリクエスト(Probe Request)が含まれる。該プローブリクエストには、発見すべきアクセスポイント200の識別子が含まれてもよいし、当該測位装置100の近傍に位置するアクセスポイント200からの応答を要求するための情報が含まれてもよい。また、例えば、アクセスポイント200を発見する際に送信すべき信号には、アクティブスキャン及びパッシブスキャンにおけるリアソシエーションリクエスト(Reassociation Request)が含まれてもよい。
【0036】
例えば、発見されたアクセスポイントから受信されるべき信号には、アクティブスキャンを行う場合におけるプローブレスポンス(Probe Response)が含まれる。該プローブレスポンスには、該プローブレスポンスを送信するアクセスポイント200の識別子が含まれてもよい。また、例えば、発見されたアクセスポイント200から受信されるべき信号には、パッシブスキャンにおけるビーコン(Beacon)が含まれる。該ビーコンには、該ビーコンを送信するアクセスポイント200の識別子が含まれてもよい。
【0037】
また、通信制御部110は、アクティブスキャンを行う場合には、チャネル毎にプローブリクエストが送信されるように、無線部102を制御する。また、通信制御部110は、パッシブスキャンを行う場合には、チャネル毎にビーコン信号を検出できるように、周波数帯をスキャンするように無線部102を制御する。
【0038】
GPS測位装置112は、中央演算処理装置106により入力されるべき制御信号(測位命令)に従って、当該測位装置100の位置を測定する。例えば、GPS測位装置112は、自立測位方式により、複数のGPS衛星300−300からの電波を受信することによって、該複数のGPS衛星300−300から当該GPS測位装置112までの距離(擬似距離)をそれぞれ算出する。該GPS測位装置112は、該擬似距離に基づいて当該GPS測位装置112が搭載された測位装置100の測位を行う。GPS衛星300−300により発射された信号は、GPS衛星300−300とGPS測位装置112との間の距離を電波が伝搬する時間だけ遅れてGPS測位装置112に到達する。従って、複数のGPS衛星300−300について電波伝搬に要する時間を求めれば、測位演算によってGPS測位装置112の位置を求めることができる。例えば、複数のGPS衛星300−300により発射された電波は、GPS測位装置112の測距部において、各GPS衛星300−300からGPS測位装置112までの距離が求められる。そして、測位演算部において、測距部において求められた距離に基づいて、GPS測位装置112の位置が求められる。
【0039】
また、GPS測位装置112は、A-GPS方式により測位を行うようにしてもよい。A-GPS方式では、ネットワーク(図示無し)からGPS測位装置112が測位を行うために必要とされるデータが配信される。該データには、例えば、基地局のエリア情報やGPS衛星300の軌道情報などが含まれる。該基地局のエリア情報には、基地局400の概略位置情報、該概略位置の誤差に関する情報などが含まれる。該概略位置の誤差に関する情報には、水平誤差が含まれてもよい。測位結果は、経度、緯度により表されてもよい。さらに、高度により表されてもよい。GPS測位装置112は、位置情報をCPU106に入力する。
【0040】
<本測位装置の機能>
本測位装置100により実行される処理には、位置測位要求が発生した際に、当該測位装置100により保持されるアシスト情報を利用する処理、及びWLAN測位を実行する処理が含まれる。該アシスト情報を利用する処理、及びWLAN測位を実行する処理は略同時に開始されるのが好ましい。位置測位要求は定期的に発生するものであってもよいし、不定期に発生するものであってもよい。
【0041】
当該測位装置100により保持されるアシスト情報を利用する処理の代わりに、アシスト情報を取得する処理が実行されてもよい。例えば、本測位装置100はアクセスポイント200に接続し、該アクセスポイント200が接続された通信網に接続された装置からアシスト情報を取得してもよい。該通信網は、インターネットであってもよい。また、例えば、本測位装置100は基地局400に接続し、移動体通信ネットワークに接続された装置からアシスト情報を取得してもよい。移動体通信ネットワークからアシスト情報を取得する場合には、本測位装置100が含まれる携帯端末装置50が基地局400に接続することにより取得したアクセス情報を取得するようにしてもよい。また、基地局400からアシスト情報を取得してもよい。
【0042】
WLAN測位を実行する処理には、本測位装置100がアクセスポイント200を発見するために、周波数帯をスキャンする処理(以下、「周波数帯スキャン処理」と呼ぶ)が含まれる。該周波数帯スキャン処理では、周波数帯が測定される。該周波数帯スキャン処理には、チャネルをサーチする処理が含まれる。また、本測位装置100により実行される処理には、周波数帯スキャン処理の結果に基づいて発見されたアクセスポイント200との間の距離を求め、当該測位装置100の位置を求める処理が含まれる。例えば、本測位装置100は、アクセスポイント200の識別子から、アクセスポイントの位置を求める。本測位装置100は、当該測位装置100が有するローカルデータベース(DB: database)を参照する。ローカルデータベースには、アクセスポイントの識別子と、該アクセスポイントの位置とが対応付けられる。本測位装置100は、該ローカルデータベースを参照し、アクセスポイントの識別子に対応するアクセスポイントの位置を取得する。該ローカルデータベースは、ネットワーク側のデータベースのアップデートに応じてアップデートされるのが望ましい。最新のアクセスポイントの位置情報を得るためである。本測位装置100は、アクセスポイントの位置に基づいて、当該測位装置100の位置を推定する。
【0043】
例えば、本測位装置100は、アクセスポイント200の位置と、アクセスポイント200により送信されるべき無線信号の受信強度とに基づいて、アクセスポイント200との間の距離を求めるようにしてもよい。該距離を求める際にアクセスポイント200の位置が必要である場合には、該アクセスポイント200の位置は、当該測位装置100に事前に格納されたローカルデータベースから取得してもよいし、他の方法で取得するようにしてもよい。
【0044】
例えば、当該測位装置100を搭載する携帯端末装置50により取得されてもよい。例えば、該携帯端末装置50が、アクセスポイント200の位置情報を格納するサーバにアクセスすることにより取得するようにしてもよい。該携帯端末装置50は、所定の無線通信方式により無線通信を行うものであってもよい。例えば、該無線通信方式には、GSM(Global System for Mobile Communications)、WCDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、LTE (Long Term Evolution)が含まれてもよい。また、WLANにより、アクセスポイントの位置情報を取得するようにしてもよい。
【0045】
本測位装置100により実行される処理には、WLAN測位結果に応じて、A-GPS測位を行うかどうかを判定する処理が含まれてもよい。例えば、WLAN測位結果の測位誤差が所定の閾値未満であるかどうかを判定することにより、A-GPS測位を行うかどうかを判定してもよい。該所定の閾値は、アシスト情報に含まれてもよい。例えば、WLAN測位結果の測位誤差が所定の閾値未満である場合には、A-GPS測位を行わないと判定してもよい。A-GPS測位を行わないと判定した場合には、WLAN測位結果が採用されてもよい。例えば、WLAN測位結果の測位誤差が所定の閾値未満でない場合、換言すればWLAN測位結果の測位誤差が所定の閾値を超える場合には、A-GPS測位を行うと判定してもよい。
【0046】
本測位装置100により実行される処理には、A-GPS測位を行った際に、該A-GPS測位が成功したかどうかを判定する処理が含まれる。例えば、本測位装置100は、アシスト情報に基づいて、A-GPS測位を行い、測位結果が得られたかどうかを判定する。
【0047】
本測位装置100により実行される処理には、A-GPS測位による測位結果が得られない場合に、WLAN測位結果が得られている場合には、該WLAN測位結果を採用する処理が含まれる。
【0048】
測位装置100がGPSによる測位しかできず、且つ、A-GPSによる測位に失敗した場合には、アシスト情報を取得するために、ネットワークに接続する必要があった。本測位装置100では、GPS測位と、WLAN測位とを行うことができるため、GPS測位結果と、WLAN測位結果とを取得することができる。従って、WLAN測位結果を保持している場合もあるため、A-GPSによる測位に失敗した場合でも、該保持しているWLAN測位結果を利用できる。
【0049】
図1に示される、測位装置100の機能を示す機能ブロック図を参照して説明する。図1に示される測位装置100の機能ブロック図は、主に中央演算処理装置106により実行される。
【0050】
本測位装置100が携帯端末装置50に搭載された場合、該携帯端末装置50は、ユーザの位置や環境に応じて適切なサービスとコンテンツを提供する。該適切なサービスとコンテンツを提供する処理はソフトウェアにより行われてもよい。該携帯端末装置50は、通信部52を有する。通信部52は、基地局400と接続し、該基地局400に接続された移動体通信ネットワークに接続された装置から配信されるアシスト情報を取得する。該通信部52は、測位制御部1066に、該アシスト情報を入力する。
【0051】
本測位装置100は、GPS測位制御部1062を有する。該GPS測位制御部1062は、GPS測位装置112を制御する。該GPS測位制御部1062は、GPS測位装置112に、測位制御部1066により入力されるアシスト情報を入力する。また、GPS測位制御部1062は、GPS測位装置112からA-GPS測位による測位結果を取得する。該A-GPS測位結果は、測位制御部1066に入力される。
【0052】
本測位装置100は、WLAN測位演算部1064を有する。WLAN測位演算部1064は、通信制御部110と接続される。該WLAN測位演算部1064は、通信制御部110からアクセスポイントの識別子と、該アクセスポイントの受信信号強度を取得する。WLAN測位演算部1064は、アクセスポイントの識別子と、該アクセスポイントの受信信号強度とに基づいて、当該測位装置100の位置を特定する。例えば、WLAN測位演算部1064は、アクセスポイントの識別子に対応するアクセスポイントの位置情報を取得する。例えば、WLAN測位制御部演算部1064は、ローカルデータベース(図示無し)に格納されたアクセスポイントの識別子と、該アクセスポイントの位置とが対応付けられたテーブルを参照し、通信制御部110により入力されたアクセスポイントの識別子に対応する位置情報を取得する。該ローカルデータベースは、測位装置100が有していてもよいし、携帯端末装置50が有していてもよい。該ローカルデータベースには、アクセスポイントの識別子と、該アクセスポイントの位置とが対応付けられて格納される。WLAN測位演算部1064は、該位置情報と、アクセスポイントの受信信号強度とに基づいて、位置を特定する。
【0053】
また、WLAN測位演算部1064は、該アクセスポイントの識別子と、該アクセスポイントの位置とが対応付けられた情報を、アクセスポイント200が接続されたネットワークに接続された装置から取得してもよい。また、WLAN測位演算部1064は、当該測位装置100が搭載された携帯端末装置50が移動通信ネットワークに接続されたサーバ(装置)にアクセスすることにより取得してもよい。ネットワークにアクセスすることにより取得される場合には、必ずしもローカルデータベースは必要ない。該ネットワークには、インターネットが含まれる。また、該アクセスポイントの識別子と、該アクセスポイントの位置との対応は、基地局400から提供されてもよい。
【0054】
本測位装置100は、測位制御部1066を有する。該測位制御部1066は、GPS測位制御部1062、WLAN測位演算部1064、及び通信部52と接続される。
【0055】
図3は、測位制御部106の機能を示す機能ブロック図である。
【0056】
測位制御部1066は、GPS測位実行判定部1068を有する。該GPS測位実行判定部1068は、GPS測位制御部1062と、WLAN測位演算部1064と、通信部52と、出力部108と接続される。該GPS測位実行判定部1068は、通信部52により入力されるべきアシスト情報と、WLAN測位演算部1064により入力されるべきWLAN測位結果とに基づいて、A-GPS測位による測位を実行するかどうかを判定する。該アシスト情報は、当該測位装置100により保持されているものであってもよい。該アシスト情報には、WLAN測位結果に要求されるべき測位誤差の情報が含まれてもよい。該測位誤差には、水平誤差が含まれてもよい。また、WLAN測位結果には、WLAN測位結果とともに、該WLAN測位結果の測位誤差の情報が含まれてもよい。測位誤差には、水平誤差が含まれてもよい。
【0057】
GPS測位実行判定部1068は、WLAN測位結果の測位誤差が、WLAN測位結果に要求される測位誤差未満であるかどうかを判定することにより、A-GPS測位による測位を実行するかどうかを判定する。
【0058】
例えば、GPS測位実行判定部1068は、WLAN測位結果の測位誤差がWLAN測位結果に要求される測位誤差未満である場合には、A-GPS測位による測位を実行しないと判定する。WLAN測位結果の信頼性が高いと想定されるためである。
【0059】
また、例えば、GPS測位実行判定部1068は、WLAN測位結果の測位誤差がWLAN測位結果に要求される測位誤差未満でない場合、換言すればWLAN測位結果の測位誤差がWLAN測位結果に要求される測位誤差以上である場合には、A-GPS測位による測位を実行すると判定する。WLAN測位結果の信頼性が低いと想定されるためである。
【0060】
GPS測位実行判定部1068は、A-GPS測位による測位を実行しないと判定した場合、WLAN測位結果を出力部108へ入力する。GPS測位実行判定部1068は、A-GPS測位による測位を実行すると判定した場合、GPS測位制御部1062へ測位を実行するように命令する。
【0061】
測位制御部1066は、測位結果判定部1070を有する。該測位結果判定部1070は、GPS測位制御部1062と、WLAN測位演算部1064と、GPS測位実行判定部1068と、通信部52と、出力部108と接続される。該測位結果判定部1070には、GPS測位制御部1062によるA-GPS測位による測位が成功した場合に、該A-GPS測位結果が入力される。該測位結果判定部1070には、GPS測位制御部1062によるA-GPS測位による測位が失敗した場合、該A-GPS測位結果は入力されない。A-GPS測位による測位が失敗したことを示す情報が入力されてもよい。
【0062】
測位結果判定部1070は、GPS測位制御部1062から入力されたA-GPS測位結果に基づいて、該A-GPS測位結果が、A-GPS測位結果に要求される測位誤差未満であるかどうかを判定する。例えば、A-GPS測位結果の測位誤差がWLAN測位結果の測位誤差未満である場合には、A-GPS測位結果を採用すると判定する。また、例えば、A-GPS測位結果の測位誤差がWLAN測位結果の測位誤差未満でない場合、換言すればA-GPS測位結果の測位誤差がWLAN測位結果の測位誤差以上である場合には、A-GPS測位結果を採用しないと判定する。A-GPS測位結果を採用しない場合には、WLAN測位結果が採用されてもよい。
【0063】
A-GPS測位結果を採用すると判定する場合、該測位結果判定部1070は、出力部108へ、該A-GPS測位結果を出力する。また、A-GPS測位結果を採用しないと判定する場合、該測位結果判定部1070は、出力部108へ、WLAN測位結果を出力する。
【0064】
GPS測位制御部1062からA-GPSによる測位が失敗したことが通知された場合、該測位結果判定部1070は、WLAN測位演算部1064によりWLAN測位結果が得られているかどうかを判定する。WLAN測位結果が得られていると判定した場合、該WLAN測位結果を採用すると判定する。該WLAN測位結果を採用すると判定した場合、測位結果判定部1070は、出力部108へ、該WLAN測位結果を出力する。
【0065】
WLAN測位結果が得られていないと判定した場合、測位結果判定部1070は、通信部52に、アシスト情報を取得するように命令する。該測位結果判定部1070は、通信部52にアシスト情報を取得するために、基地局400にアクセスするように命令する。該測位結果判定部1070は、該通信部52により入力されたアシスト情報から、基地局400の概略位置を示す情報を取得する。該測位結果判定部1070は、該概略位置を当該測位装置100の位置として、出力部108に出力する。
【0066】
図3に示される測位制御部106の機能を示す機能ブロック図において、GPS測位実行判定部1068によりA-GPS測位による測位を実行するかどうかの判定が行われることなく、A-GPS測位による測位を実行するようにしてもよい。
【0067】
A-GPS測位による測位を実行するかどうかの判定が行われることがない場合、測位結果判定部1070は、GPS測位制御部1062から入力されたA-GPS測位結果に基づいて、該A-GPS測位結果が、A-GPS測位結果に要求される測位誤差未満であるかどうかを判定する。例えば、A-GPS測位結果の測位誤差がWLAN測位結果の測位誤差未満である場合には、A-GPS測位結果を採用すると判定する。また、例えば、A-GPS測位結果の測位誤差がWLAN測位結果の測位誤差未満でない場合、換言すればA-GPS測位結果の測位誤差がWLAN測位結果の測位誤差以上である場合には、A-GPS測位結果を採用しないと判定する。A-GPS測位結果を採用しない場合には、WLAN測位結果が採用されてもよい。該WLAN測位結果と、該WLAN測位結果の測位誤差は以前にWLAN測位により得られた値が使用されてもよい。
【0068】
GPS測位制御部1062からA-GPSによる測位が失敗したことが通知された場合、該測位結果判定部1070は、WLAN測位演算部1064によりWLAN測位結果が得られているかどうかを判定する。WLAN測位結果が得られていると判定した場合、該WLAN測位結果を採用すると判定する。該WLAN測位結果を採用すると判定した場合、測位結果判定部1070は、出力部108へ、該WLAN測位結果を出力する。
【0069】
<本測位装置の動作>
図4は、本測位装置100の動作を示すフローチャートである。図4には、本測位装置100が携帯端末装置50に搭載される例が示される。また、図4には、位置測位要求が発生した後の処理が主に示される。
【0070】
本測位装置100は、当該測位装置100により保持されているアシスト情報を利用する(ステップS402)。例えば、GPS測位実行判定部1068は、通信部52が基地局400から取得したアクセス情報を保持する。
【0071】
また、本測位装置100は、WLAN測位を行う(ステップS404)。例えば、WLAN測位演算部1064は、WLAN測位を行う。該WLAN測位演算部1064は、GPS測位実行判定部1068に、WLAN測位結果を入力する。
【0072】
本測位装置100は、アシスト情報と、WLAN測位結果とに基づいて、A-GPS測位による測位を実行するかどうかを判定する(ステップS406)。例えば、GPS測位実行判定部1068は、アシスト情報と、WLAN測位演算部1064により入力されるWLAN測位結果とに基づいて、A-GPS測位による測位を実行するかどうかを判定する。例えば、WLAN測位結果の測位誤差が、WLAN測位結果に要求される測位誤差未満であるかどうかを判定するようにしてもよい。該測位誤差は、水平誤差であってもよい。該WLAN測位結果に要求される測位誤差は、アシスト情報に含まれる。
【0073】
A-GPS測位による測位を実行しないと判定した場合(ステップS406:YES)、本測位装置100は、WLAN測位結果を採用する(ステップS408)。例えば、GPS測位実行判定部1068は、出力部108に、WLAN測位結果を出力する。WLAN測位結果の出力後、測位を終了するようにしてもよい。出力部108は、GPS測位実行判定部1068から入力されたWLAN測位結果を出力する。例えば、サービス提供者に通知するようにしてもよい。該サービス提供者には、コンテンツプロバイダ、通信事業者が含まれてもよい。
【0074】
A-GPS測位による測位を実行すると判定した場合(ステップS406:NO)、本測位装置100は、A-GPS測位を実行する(ステップS410)。例えば、GPS測位実行判定部1068は、GPS測位制御部1062へ、A-GPS測位による測位を行うように命令する。該命令の際に、アシスト情報を入力する。GPS測位制御部1062は、GPS測位実行判定部1068による命令に従ってGPS測位装置112に、アシスト情報を入力し、測位を行うように命令する。
【0075】
GPS測位装置112は、GPS測位制御部1062により入力されたアシスト情報を使用して、A-GPS測位を行う。該A-GPS測位の結果は、GPS測位制御部1062に入力される。GPS測位制御部1062は、該A-GPS測位の結果を測位結果判定部1070に入力する。GPS測位装置112は、アシスト情報に基づいてA-GPS測位を行った結果、測位に失敗した場合には、GPS測位制御部1062に何も入力しない。GPS測位装置112は、アシスト情報に基づいてA-GPS測位を行った結果、測位に失敗した場合には、測位に失敗したことをGPS測位制御部1062に入力するようにしてもよい。GPS測位制御部1062は、A-GPS測位の結果が所定の時間が経過しても入力されないこと、又は測位に失敗したことが通知されたことにより、測位に失敗したこと検知する。GPS測位制御部1062は、測位に失敗したことを検知した場合、測位に失敗したことを測位結果判定部1070に入力する。
【0076】
本測位装置100は、GPS測位が成功したかどうかを判定する(ステップS412)。例えば、測位結果判定部1070は、GPS測位制御部1062から測位結果が入力された場合には測位が成功したと判定してもよい。また、測位結果判定部1070は、GPS測位制御部102から測位に失敗したことが通知された場合には、測位が失敗したと判定してもよい。
【0077】
測位に成功したと判定した場合(ステップS412:YES)、本測位装置100は、WLAN測位結果の測位誤差がA-GPS測位結果の測位誤差未満であるかどうかを判定する(ステップS414)。例えば、測位結果判定部1070は、WLAN測位結果演算部1064により入力されるWLAN測位結果の測位誤差が、GPS測位制御部1062により入力されるGPS測位結果の測位誤差未満であるかどうかを判定する。該測位誤差は、水平誤差であってもよい。
【0078】
WLAN測位結果の測位誤差が、GPS測位結果の測位誤差未満であると判定されない場合、換言すればWLAN測位結果の測位誤差がGPS測位結果の測位誤差以上であると判定される場合(ステップS414:NO)、本測位装置は、GPS測位結果を採用する(ステップS416)。例えば、測位結果判定部1070は、WLAN測位結果の測位誤差がGPS測位結果の測位誤差以上であると判定した場合、出力部108に、A-GPS測位結果を出力する。出力部108は、測位結果判定部1070から入力されたA-GPS測位結果を出力する。例えば、サービス提供者に通知するようにしてもよい。該サービス提供者には、コンテンツプロバイダ、通信事業者が含まれてもよい。
【0079】
WLAN測位結果の測位誤差が、GPS測位結果の測位誤差未満であると判定された場合(ステップS414:YES)、本測位装置は、WLAN測位結果を採用する(ステップS418)。例えば、測位結果判定部1070は、GPS測位結果の測位誤差がWLAN測位結果の測位誤差以上であると判定した場合、出力部108に、WLAN測位結果を出力する。出力部108は、測位結果判定部1070から入力されたWLAN測位結果を出力する。例えば、サービス提供者に通知するようにしてもよい。該サービス提供者には、コンテンツプロバイダ、通信事業者が含まれてもよい。
【0080】
一方、ステップS412により測位に成功したと判定されない場合(ステップS412:NO)、本測位装置100は、WLAN測位結果が得られているかどうかを判定する(ステップS420)。例えば、測位結果判定部1070は、GPS測位制御部1062から所定の時間が経過してもA-GPS測位結果が入力されない場合、又はA-GPS測位に失敗したことを示す情報が入力された場合、WLAN測位演算部1064からWLAN測位結果が入力されているかどうかを判定する。
【0081】
WLAN測位結果が得られていると判定されない場合(ステップS420:NO)、本測位装置100は、ネットワークからアシスト情報を取得する(ステップS422)。例えば、測位結果判定部1070は、通信部52にアシスト情報を取得するように命令する。該通信部52は、測位結果判定部1070による命令に従って、基地局400にアクセスし、アクセス情報を取得する。該測位結果判定部1070は、通信部52により取得されたアシスト情報を取得する。
【0082】
本測位装置100は、アクセス情報に含まれる概略位置を採用する(ステップS424)。例えば、測位結果判定部1070は、アクセス情報から概略位置を取得する。該概略位置は、基地局400のエリア情報であってもよい。該測位結果判定部1070は、出力部108に、該概略位置を入力する。出力部108は、測位結果判定部1070から入力された概略位置を出力する。例えば、サービス提供者に通知するようにしてもよい。該サービス提供者には、コンテンツプロバイダ、通信事業者が含まれてもよい。
【0083】
一方、WLAN測位結果が得られていると判定される場合(ステップS420:YES)、本測位装置100は、WLAN測位結果を採用する(ステップS426)。例えば、測位結果判定部1070は、WLAN測位演算部1064により入力されるWLAN測位結果を採用する。例えば、測位結果判定部1070は、出力部108に、該WLAN測位結果を入力する。出力部108は、測位結果判定部1070から入力されたWLAN測位結果を出力する。例えば、サービス提供者に通知するようにしてもよい。該サービス提供者には、コンテンツプロバイダ、通信事業者が含まれてもよい。
【0084】
図4に示される本測位装置100の動作を示すフローチャートにおいて、ステップS402−S406、及びS408は省略されてもよい。ステップS402−S406、及びS408が省略されることにより本測位装置100は、A-GPS測位による測位を実行するかどうかの判定を行うことなく、A-GPS測位による測位を実行する。ステップS414では、以前のWLAN測位により得られたWLAN測位の測位誤差とGPS測位の測位誤差とが比較されてもよい。該以前のWLAN測位により得られたWLAN測位の測位誤差は、最新のWLAN測位により得られたWLAN測位の測位誤差であるのが好ましい。ステップS420では、WLAN測位結果が得られているかどうかが判定されてもよい。
【0085】
本実施例において、GPSの代わりに、ヨーロッパのガリレオシステム、ロシアのグロナス(GLONASS)システム、又は他の衛星測位システム(satellite positioning system: SPS)を適用してもよい。換言すれば、衛星航法(GNSS: Global Navigation Satellite System)を適用してもよい。
【0086】
本実施例では、A-GPS測位を行うシステムに、WLAN測位が適用される。
【0087】
本実施例では、アシスト情報を利用したGPS測位に失敗した場合、WLAN測位結果が得られている場合には、該WLAN測位結果を採用する。本測位装置100では、GPS測位と、WLAN測位とを行うことができるため、GPS測位結果と、WLAN測位結果とを取得することができる。従って、WLAN測位結果を利用できるため、A-GPSによる測位に失敗した場合でも、アシスト情報を取得するためにネットワークに接続する処理を省略できる。ネットワークに接続する処理を省略できるため、消費電力を低減できる。また、ネットワークのトラヒック負荷を低減できる。
【0088】
本測位装置は、
位置を測定する測位装置であって、
アクセスポイントからの電波に基づいて、測位を行うWLAN測位演算部と、
測位衛星からの電波に基づいて、測位を行うGPS測位装置としての衛星測位部と、
該衛星測位部による測位が失敗した場合に、前記WLAN測位演算部による測位結果を採用するかどうかを判定する測位結果判定部と、
該測位結果判定部により前記WLAN測位演算部による判定結果を採用すると判定された場合に、該WLAN測位演算部による判定結果を出力する出力部と
を有する。
【0089】
衛星測位部による測位が失敗した場合に、WLAN測位演算部による測位結果を採用することにより、ネットワーク接続を省略することができる。ネットワーク接続を省略することができるため、消費電力を低減でき、またネットワークトラヒックの負荷を低減できる。
【0090】
さらに、
前記衛星測位部による測位の際に利用されるべき位置情報と、前記WLAN測位演算部による測位結果に基づいて、前記衛星測位部による測位を実行するかどうかを判定するGPS測位実行判定部としての衛星測位実行判定部
を有し、
前記測位結果判定部は、前記衛星測位実行判定部により前記衛星測位部による測位を実行すると判定され、該衛星測位部による測位が失敗した場合に、前記WLAN測位演算部による測位結果を採用するかどうかを判定する。
【0091】
衛星測位部による測位の際に利用されるべき位置情報と、WLAN測位演算部による測位結果に基づいて、前記衛星測位部による測位を実行するかどうかを判定することにより、WLAN測位結果を採用するかどうかを判定できる。
【0092】
さらに、
前記衛星測位実行判定部は、前記WLAN測位演算部による測位結果の測位誤差が、前記位置情報に対して許容される測位誤差以上である場合に、前記衛星測位部による測位を実行すると判定する。
【0093】
測位誤差に基づいて、WLAN測位結果を採用するかどうかを判定できる。
【0094】
さらに、
前記測位結果判定部は、前記WLAN測位演算部による判定結果が得られている場合に、該WLAN測位結果を採用する。
【0095】
衛星測位部による測位が失敗した場合に、WLAN測位演算部による測位結果を採用することにより、ネットワーク接続を省略することができる。ネットワーク接続を省略することができるため、消費電力を低減でき、またネットワークトラヒックの負荷を低減できる。
【0096】
さらに、
前記測位結果判定部は、前記WLAN測位演算部による測位結果を採用しないと判定した場合、前記衛星測位部による測位の際に取得されるべき位置情報を取得し、該位置情報を採用する。
【0097】
衛星測位部による測位が失敗し、WLAN測位演算部による測位結果を採用することができない場合に、衛星測位部による測位の際に取得されるべき位置情報を取得し、該位置情報を採用することができる。
【0098】
本方法は、
位置を測定する測位装置おける方法であって、
アクセスポイントからの電波に基づいて、測位を行うWLAN測位演算ステップと、
測位衛星からの電波に基づいて、測位を行う衛星測位ステップと、
該衛星測位ステップによる測位が失敗した場合に、前記WLAN測位演算ステップによる測位結果を採用するかどうかを判定する測位結果判定ステップと、
該測位結果判定ステップにより前記WLAN測位演算ステップによる測位結果を採用すると判定された場合に、該WLAN測位演算ステップによる測位結果を出力する出力ステップと
を有する。
【0099】
説明の便宜上、発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明されるが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてよい。
【0100】
以上、本発明は特定の実施例を参照しながら説明されてきたが、各実施例は単なる例示に過ぎず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。説明の便宜上、本発明の実施例に係る装置は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウェアで、ソフトウェアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明は上記実施例に限定されず、本発明の精神から逸脱することなく、様々な変形例、修正例、代替例、置換例等が包含される。
【符号の説明】
【0101】
50 携帯端末装置
52 通信部
100 測位装置
102 無線部
104 記憶部
106 中央演算処理装置(CPU: Central Processing Unit)
1062 GPS測位制御部
1064 WLAN測位演算部
1066 測位制御部
1068 GPS測位実行判定部
1070 測位結果判定部
108 出力部
110 通信制御部
112 GPS測位装置
200−200(mは、m>0の整数) アクセスポイント
300−300(nは、n>3の整数) GPS衛星
400−300(lは、l>0の整数) 基地局

【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置を測定する測位装置であって、
アクセスポイントからの電波に基づいて、測位を行うWLAN測位演算部と、
測位衛星からの電波に基づいて、測位を行う衛星測位部と、
該衛星測位部による測位が失敗した場合に、前記WLAN測位演算部による測位結果を採用するかどうかを判定する測位結果判定部と、
該測位結果判定部により前記WLAN測位演算部による判定結果を採用すると判定された場合に、該WLAN測位演算部による判定結果を出力する出力部と
を有する測位装置。
【請求項2】
請求項1に記載の測位装置において、
前記衛星測位部による測位の際に利用されるべき位置情報と、前記WLAN測位演算部による測位結果に基づいて、前記衛星測位部による測位を実行するかどうかを判定する衛星測位実行判定部
を有し、
前記測位結果判定部は、前記衛星測位実行判定部により前記衛星測位部による測位を実行すると判定され、該衛星測位部による測位が失敗した場合に、前記WLAN測位演算部による測位結果を採用するかどうかを判定する測位装置。
【請求項3】
請求項2に記載の測位装置において、
前記衛星測位実行判定部は、前記WLAN測位演算部による測位結果の測位誤差が、前記位置情報に対して許容される測位誤差以上である場合に、前記衛星測位部による測位を実行すると判定する測位装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の測位装置において、
前記測位結果判定部は、前記WLAN測位演算部による判定結果が得られている場合に、該WLAN測位結果を採用すると判定する測位装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の測位装置において、
前記測位結果判定部は、前記WLAN測位演算部による測位結果を採用しないと判定した場合、前記衛星測位部による測位の際に取得されるべき位置情報を取得し、該位置情報を採用する測位装置。
【請求項6】
位置を測定する測位装置おける方法であって、
アクセスポイントからの電波に基づいて、測位を行うWLAN測位演算ステップと、
測位衛星からの電波に基づいて、測位を行う衛星測位ステップと、
該衛星測位ステップによる測位が失敗した場合に、前記WLAN測位演算ステップによる測位結果を採用するかどうかを判定する測位結果判定ステップと、
該測位結果判定ステップにより前記WLAN測位演算ステップによる測位結果を採用すると判定された場合に、該WLAN測位演算ステップによる測位結果を出力する出力ステップと
を有する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−254367(P2011−254367A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−127762(P2010−127762)
【出願日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】