説明

測定装置

【課題】測定の信頼性を低下させることなく装置に対する作業性を向上する。
【解決手段】センサ22,23を有するセンサユニット2と、上記センサ22,23の出力信号に基づいて所定の演算処理を行う演算処理部32を有するとともに上記センサユニット2と別体で構成される演算処理ユニット3と、上記センサ22,23の出力信号をデジタル信号として上記演算処理部32に送信する通信部4と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサからの出力信号に基づいて所定の処理を行う測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
センサからの出力信号に基づいて所定の処理を行う測定装置のなかに、流体の圧力を測定する圧力測定装置がある。圧力測定装置では、圧力を直接受けるセンサが出力する出力信号に対して演算処理部(例えば、CPU(Central Processing Unit))で所定の処理を行うことによって圧力を算出している。
【非特許文献1】計測器メーカが書いたフィールド機器・虎の巻 出版:工業技術社
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、測定装置では、複雑な演算処理等を行う演算処理部の点検や交換等のメンテナンスを行う必要がある。しかしながら、一般的に測定装置は測定対象の近傍に設置されており、作業性が悪い箇所に設置されている場合が少なくない。例えば、上述の圧力測定装置は、狭い空間に配設される配管等の近傍に設置される場合がある。
また、複数の測定装置が設置されているような場合には、作業者がメンテナンスを行うために各測定装置が設置されている箇所を移動する必要があるため、作業時間の増大を招く。
【0004】
また、測定装置のなかには、表示部を備え、この表示部において演算結果やセンサの状態を表示するものがある。このような測定装置が、視認性が悪い箇所に設置された場合には、表示部の確認作業に必要な時間が増大する。
【0005】
このような問題に対して、センサが設置される筐体と、演算処理部が設置される筐体とを別体として、演算処理部が設置される筐体を作業性の良い箇所に設置することが考えられる。しかしながら、このような構成を採用した場合には、一方の筐体と他方の筐体とを長い配線で接続する必要が生じる。このため、センサの出力信号が長い配線を介して演算処理部に送信されるため、出力信号にノイズが乗り、測定結果の信頼性が低下する。
また、例えば、圧力測定装置の場合であれば導圧管によって測定ポイントを作業性の良い箇所に移動し、この箇所に測定装置を設置することも考えられる。しかしながら、このような場合であっても、温度等の外部要因によって導圧管が変形したり導圧管内の流体の密度が変化したりすることで、測定結果の信頼性が低下する恐れがある。また、導圧管を設置する場合には、導圧管を設置するためのコストが別途必要になる。
【0006】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、測定の信頼性を低下させることなく装置に対する作業性を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、センサを有するセンサユニットと、上記センサの出力信号に基づいて所定の演算処理を行う演算処理部を有するとともに上記センサユニットと別体で構成される演算処理ユニットと、上記センサの出力信号をデジタル信号として上記演算処理部に送信する通信部と、を備えることを特徴とする。
このような特徴を有する本発明によれば、センサの出力信号が演算処理部にデジタル信号で送信される。
【0008】
また、本発明においては、上記演算処理ユニットは、上記演算処理部からの情報を表示する表示部を有するという構成を採用することができる。
また、上記センサユニットは、上記センサの特性を記憶する記憶部を有するという構成を採用することができる。
また、上記センサユニットは、上記演算処理部の機能の一部を有する補助演算処理部を有するという構成を採用することができる。
また、上記通信部は、上記センサユニットの筐体内部に収納される第1の通信処理部と、上記演算処理ユニットの筐体内部に収納される第2の通信処理部と、上記第1の通信処理部と上記第2の通信処理部とを接続するケーブルとからなるという構成を採用することができる。
また、上記デジタル信号は、シリアル信号であるという構成を採用することができる。
また、上記演算処理ユニットがセンサをさらに有するという構成を採用することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、センサの出力信号が演算処理部にデジタル信号で送信されるため、その間で信号にノイズが乗ることを極めて低減させることができる。したがって、センサが設置されるセンサユニットと、演算処理部が設置される演算処理ユニットとを別体で構成して、センサユニットと演算処理ユニットとを長い配線で接続した場合であっても、その間をデジタル信号で送信することによって、確実にセンサの出力信号を演算処理部に伝送することができる。
そして、センサが設置されるセンサユニットと、演算処理部が設置される演算処理ユニットとが別体で構成可能であるため、センサユニットを測定対象の近傍に設置し、演算処理ユニットを作業性の良い箇所に設置することができる。
よって、本発明によれば、測定の信頼性を低下させることなく装置に対する作業性を向上することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明に係る測定装置の一実施形態について説明する。なお、以下の図面において、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。
【0011】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態である圧力測定装置1(測定装置)の斜視図である。また、図2は、圧力測定装置1の機能構成を示したブロック図である。
本実施形態の圧力測定装置1は、配管100から導圧管110を介して供給される流体の圧力と、配管100から導圧管120を介して供給される流体の圧力との差圧を測定するものである。なお、配管100中には、導圧管110の接続箇所と導圧管120の接続箇所との間にオリフィス板が設置されている。そして、圧力測定装置1は、図1に示すように、センサユニット2と、演算処理ユニット3と、通信部4とを備えている。
【0012】
センサユニット2は、導圧管110,120と接続される筐体21と、振動式圧力センサ22,23と、周波数カウンタ24,25と、メモリ26,27とを備えている。
【0013】
筐体21は、図1に示すように略円筒形状を有しており、図2に示すように内部に振動式圧力センサ22,23と、周波数カウンタ24,25及び通信部4の通信処理部41とを収納している。
【0014】
振動式圧力センサ22,23は、導圧管110,120と接続して配置されており、受ける圧力に応じた所定の周波数のアナログ信号を出力するものである。この振動式圧力センサ22,23としては、例えば、ダイヤフラム上に形成されたシリコン振動子の固有振動数がダイヤフラムに加わる圧力に応じて変化することを利用したシリコン振動式圧力センサを用いることができる。
【0015】
周波数カウンタ24は、振動式圧力センサ22と電気的に接続されており、振動式圧力センサ22の出力信号が入力される。また、周波数カウンタ25は、振動式圧力センサ23と電気的に接続されており、振動式圧力センサ23の出力信号が入力される。
この周波数カウンタ24,25は、入力されるアナログ信号、すなわち振動式圧力センサ22,23の出力信号の周波数をカウントしてそのカウント値をデジタル信号として出力する。なお、本実施形態においては、周波数カウンタ24,25は、カウント値をシリアル信号として出力するものとする。
【0016】
メモリ26は、振動式圧力センサ22の特性を記憶する不揮発性メモリ(例えば、EEP−ROM)である。また、メモリ27は、振動式圧力センサ23の特性を記憶する不揮発性メモリ(例えば、EEP−ROM)である。なお、メモリ26,27が記憶する振動式圧力センサ22,23の特性とは、外部温度やダイヤフラムの特性に起因する振動式圧力センサ22,23の出力周波数のぶれ等を含むものである。
【0017】
次に、演算処理ユニット3は、センサユニット2とは別体で構成されており、作業者にとって作業が行い易い箇所(作業性の良い箇所)でかつ視認性が良い箇所に設置されており、表示部33の表示面331が露出する開口部311を有する筐体31と、CPU32(演算処理部)と、表示部33と、変換部34とを備えている。
【0018】
筐体31は、図1に示すように表示部33の表示面331が露出する開口部311を有するものであり、図2に示すようにその内部にCPU32と、表示部33と、変換部34と、通信部4の通信処理部42とを収納している。
【0019】
CPU32は、外部から入力されるパラレル信号に基づいて所定の演算処理を行うものである。具体的には、本実施形態においてCPU32は、入力されるパラレル信号に基づいて導圧管110内の圧力と導圧管120内の圧力との差圧等を算出したり、算出した差圧情報を表示部33や変換部34に入力したりする。
また、CPU32は、上記機能の他に、外部からの指示に応じて測定スパンの設定やスケーリング等の機能も有している。
【0020】
表示部33は、例えば液晶ディスプレイや指針計等であり、CPU32と電気的に接続されている。そして、CPU32から入力される信号に基づいた表示を行う。
【0021】
変換部34は、CPU32と電気的に接続されるとともに配線5を介して外部機器と接続されている。そして、変換部34は、CPU32から入力される信号を外部機器に応じた信号に変換し、配線5を介して出力する。また、変換部34は、外部機器から入力される信号をCPU32に入力可能なパラレル信号に変換して出力する。
【0022】
次に、通信部4は、通信処理部41,42と、通信処理部41(第1の通信処理部)と通信処理部42(第2の通信処理部)とを接続するケーブル43とを備えている。
【0023】
通信処理部41は、センサユニット2の筐体21内部に収納されており、周波数カウンタ24,25及びメモリ26,27と電気的に接続されている。そして、通信処理部41は、周波数カウンタ24,25から入力されるカウント値を、所定の規格(例えば、Recommended Standard−485C)に準じたシリアル信号(デジタル信号)に変換してケーブル43を介して出力する。
また、通信処理部42は、演算処理ユニット3の筐体31内部に収納されており、CPU32と電気的に接続されている。そして、ケーブル43を介して入力される所定の規格に準じたシリアル信号をパラレル信号に変換して出力する。
【0024】
このように本実施形態の圧力測定装置1では、センサユニット2と演算処理ユニット3とが別体で構成されるとともに、センサユニット2と演算処理ユニット3とが通信部4によって電気的に接続されている。
また、CPU32が変換部34及び配線5を介して外部機器と電気的に接続されている。そして、外部機器を操作することによって、CPU32に指令を与えることが可能となっている。これによって、外部機器を操作することで、例えば、表示部33の表示面331に表示される内容の変更、測定スパンの変更、算出結果のスケーリング等を行うことができる。
【0025】
次に、上述のように構成された本実施形態の圧力測定装置1の動作について説明する。
【0026】
配管100に接続された導圧管110,120内の流体から振動式圧力センサ22,23に圧力が加わると、振動式圧力センサ22,23が受けた圧力に応じた所定の周波数のアナログ信号が、振動式圧力センサ22,23から出力される。振動式圧力センサ22から出力されたアナログ信号は周波数カウンタ24に入力し、振動式圧力センサ23から出力されたアナログ信号は周波数カウンタ25に入力する。そして、周波数カウンタ24,25は、入力されるアナログ信号の周波数をカウントしてそのカウント値をパラレル信号として出力する。
【0027】
各周波数カウンタ24,25から出力されたカウント値を含むパラレル信号は、通信部4の通信処理部41に入力する。通信処理部41に入力されたパラレル信号は、通信処理部41によって、所定の規格に準じたパラレル信号に変換される。そして、通信処理部41からは、パッケージ化されたシリアル信号(デジタル信号)が出力される。なお、通信処理部41から出力されるシリアル信号は、周波数カウンタ24,25から出力されたパラレル信号を変換したものであるためカウント値を含んでいる。
【0028】
通信処理部41から出力されたシリアル信号は、ケーブル43を介して、演算処理ユニット3の筐体31内部に収納された通信処理部42に入力する。通信処理部42に入力されたシリアル信号は、通信処理部42によって、CPU32に入力可能なパラレル信号に変換される。そして、通信処理部42からは、CPU32に入力可能なパラレル信号が出力される。なお、通信処理部42から出力されるパラレル信号は、周波数カウンタ24,25から出力されたパラレル信号を変換することによって生成されたシリアル信号を変換したものであるためカウント値を含んでいる。
【0029】
このようなパラレル信号がCPU32に入力することによって、CPU32は、周波数カウンタ24,25のカウント値を取得する。
また、CPU32は、カウント値の他に、振動式圧力センサ22,23の特性をメモリ26,27から取得する。具体的には、メモリ26,27に記憶された振動式圧力センサ22,23の特性を取得するための指令信号がCPU32からパラレル信号で出力される。このパラレル信号が通信処理部42に入力する。そして、通信処理部42によってパラレル信号がシリアル信号に変換されて出力され、この出力されたシリアル信号がケーブル43を介して通信処理部41に入力する。通信処理部41は、このシリアル信号を受け取ることによって、メモリ26,27から振動式圧力センサ22,23の特性を取得し、この特性を示す情報をシリアル信号として出力する。そして、このシリアル信号を通信処理部42がパラレル信号に変換して出力し、この出力されたパラレル信号がCPU32に入力されることによってCPU32は、振動式圧力センサ22,23の特性を取得する。
【0030】
CPU32は、取得したカウント値を用いて、配管100から導圧管110を介して供給される流体の圧力と、配管100から導圧管120を介して供給される流体の圧力とを算出する演算を行うとともに、取得した振動式圧力センサ22,23の特性に基づいて算出した圧力を補正する演算を行う。そして、CPU32は、このような演算によって得られた圧力の差を算出することによって、配管100から導圧管110を介して供給される流体の圧力と、配管100から導圧管120を介して供給される流体の圧力との差圧を算出する。
【0031】
続いて、CPU32は、算出した差圧を示す信号を表示部33及び変換部34に入力する。この結果、表示部33の表示面331には算出結果である差圧が表示される。また、変換部34に入力した差圧を示す信号は、配線5を介して接続される外部機器に応じた信号に変換された後に、配線5を介して出力される。そして、この配線5を介して出力された信号が外部機器に入力される。
【0032】
なお、外部機器は、予め配管100内を流れる流体の密度等の情報を記憶しており、本実施形態の圧力測定装置1から入力される差圧を示す信号を用いて演算を行うことによって配管100内を流れる流体の流量を算出することができる。
【0033】
このような本実施形態の圧力測定装置1によれば、振動式圧力センサ22,23の検出結果すなわち周波数カウンタ24,25のカウント値が演算処理ユニット3のCPU32にデジタル信号で送信されるため、その間で信号にノイズが乗ることを極めて低減させることができる。したがって、確実に振動式圧力センサ22,23の検出結果をCPU32に伝送することができる。
そして、センサユニット2と演算処理ユニット3とを別体で構成してセンサユニット2と演算処理ユニット3とを長いケーブル43で接続することが可能となるため、メンテナンスを必要としない部品から構成されるセンサユニット2を配管100の近傍に設置し、メンテナンスや確認が必要な部品を備える演算処理ユニット3を作業性及び視認性の良い箇所に設置することができる。
よって、本実施形態の圧力測定装置1によれば、測定の信頼性を低下させることなく装置に対する作業性及び視認性を向上することが可能となる。
【0034】
また、本実施形態の圧力測定装置1では、センサユニット2が配管100の近傍に設置可能であるため導圧管110,120の長さを短くすることができる。このため、導圧管110,120を形成することによるコスト増加を抑止することができる。
【0035】
なお、本実施形態の圧力測定装置1においては、通信処理部41と通信処理部42との間におけるデジタル信号にシリアル信号を用いた。このようにシリアル信号を用いることによって、ケーブル43の本数を1本にすることが可能である。しかしながら、通信処理部41と通信処理部42との間に複数のケーブルを配設可能な場合には、通信処理部41と通信処理部42との間におけるデジタル信号にパラレル信号を用いても良い。
【0036】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、本第2実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、同一符合を付しその説明を省略あるいは簡略化する場合がある。
【0037】
図3は、本実施形態の圧力測定装置10の機能構成を示したブロック図である。この図に示すように、本実施形態の圧力測定装置10においては、センサユニット2がCPU28(補助演算処理部)を備えている。このCPU28は、筐体21の内部に設置されており、周波数カウンタ24,25、メモリ26,27及び通信処理部41と電気的に接続されている。
【0038】
このような構成を有する本実施形態の圧力測定装置10では、周波数カウンタ24,25のカウント値及びメモリ26,27に記憶された振動式圧力センサ22,23の特性をCPU28が取得し、CPU28が取得したカウント値を用いて、配管100から導圧管110を介して供給される流体の圧力と、配管100から導圧管120を介して供給される流体の圧力とを算出する演算を行うとともに、取得した振動式圧力センサ22,23の特性に基づいて算出した圧力を補正する演算を行う。そして、CPU28が、このような演算によって得られた圧力の差を算出することによって、配管100から導圧管110を介して供給される流体の圧力と、配管100から導圧管120を介して供給される流体の圧力との差圧を算出する。
そして、CPU28から算出された差圧を示すパラレル信号が出力され、通信処理部41に入力する。このパラレル信号は、通信処理部41においてシリアル信号に変換されてケーブル43及び通信処理部42を介して演算処理ユニット3のCPU32に入力する。そして、CPU32は、入力された差圧を示す信号をスケーリングしたり、表示部33及び変換部34に入力する。
【0039】
このように、本実施形態の圧力測定装置10では、センサユニット2に設置されたCPU28が演算処理ユニット3に設置されたCPU32の機能の一部を有している。このような構成を採用することによって、演算処理ユニット3のCPU32の負担を低減することが可能となる。
【0040】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。なお、本第3実施形態の説明においても、上記第1実施形態と同様の部分については、同一符合を付しその説明を省略あるいは簡略化する場合がある。
【0041】
図4は、本実施形態の圧力測定装置20の概略構成図である。また、図5は、圧力測定装置20の機能構成を示したブロック図である。
本実施形態の圧力測定装置20は、下部に流体を貯留する密閉タンク200に設置されており、図4に示すように、センサユニット2が作業性及び視認性が悪い密閉タンク200の上部210に設置されており、演算処理ユニット3が作業性及び視認性が良い密閉タンク200の下部220に設置されている。
【0042】
センサユニット2は、振動式圧力センサ22と、周波数カウンタ24と、メモリ26とのみを備えている。そして、振動式圧力センサ22は、密閉タンク200の上部に直接接続されている。
また、演算処理ユニット3は、上記第1実施形態の構成に加えて、振動式圧力センサ35と、周波数カウンタ36と、振動式圧力センサ35の特性を記憶するメモリ37とを備えている。
振動式圧力センサ35は、密閉タンク200の下部220に直接接続されるとともに周波数カウンタ36と電気的に接続されている。また、周波数カウンタ36及びメモリ37はCPU32と電気的に接続されている。
このように、振動式圧力センサ35、周波数カウンタ36及びメモリ37が演算処理ユニット3に備えることで、CPU32によって、密閉タンク200の上部210の内圧と、密閉タンク200の下部220の内圧と、密閉タンク200の上部210の内圧と密閉タンク200の下部220の内圧との差圧を算出することが可能となる。
【0043】
このように、演算処理ユニット3が作業性及び視認性が良い箇所に設置されるのであれば、演算処理ユニット3に振動式圧力センサ35を搭載しても良い。
【0044】
なお、外部機器は、予め密閉タンク200内に貯留される流体の密度等の情報を記憶しており、本実施形態の圧力測定装置20から入力される差圧を示す信号を用いて演算を行うことによって密閉タンク200内に貯留される流体の量や水位を算出することができる。
【0045】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る測定装置の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0046】
例えば、上記実施形態においては、本発明を圧力測定装置に適用した例について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、温度測定装置や光量測定装置等の種々の測定装置に適用することが可能である。なお、この場合には、測定装置は、測定する物理量に応じたセンサを搭載することとなる。
【0047】
また、上記実施形態においては、振動式圧力センサの出力信号をデジタル信号としてCPU32に送信した。しかしながら、振動式圧力センサの出力信号を光信号としてCPU32に送信することも可能である。この場合であっても、振動式圧力センサの出力信号にノイズが乗ることを低減させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の第1実施形態の圧力測定装置の概略構成図である。
【図2】本発明の第1実施形態の圧力測定装置の機能構成を示したブロック図である。
【図3】本発明の第2実施形態の圧力測定装置の機能構成を示したブロック図である。
【図4】本発明の第3実施形態の圧力測定装置の概略構成図である。
【図5】本発明の第3実施形態の圧力測定装置の機能構成を示したブロック図である。
【符号の説明】
【0049】
1,10,20……圧力測定装置(測定装置)、2……センサユニット、22,23……振動式圧力センサ(センサ)、26,27……メモリ(記憶部)、3……演算処理ユニット、32……CPU(演算処理部)、33……表示部、35……振動式圧力センサ(センサ)、4……通信部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサを有するセンサユニットと、前記センサの出力信号に基づいて所定の演算処理を行う演算処理部を有するとともに前記センサユニットと別体で構成される演算処理ユニットと、前記センサの出力信号をデジタル信号として前記演算処理部に送信する通信部と、を備えることを特徴とする測定装置。
【請求項2】
前記演算処理ユニットは、前記演算処理部からの情報を表示する表示部を有することを特徴とする請求項1記載の測定装置。
【請求項3】
前記センサユニットは、前記センサの特性を記憶する記憶部を有することを特徴とする請求項1または2記載の測定装置。
【請求項4】
前記センサユニットは、前記演算処理部の機能の一部を有する補助演算処理部を有することを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の測定装置。
【請求項5】
前記通信部は、前記センサユニットの筐体内部に収納される第1の通信処理部と、前記演算処理ユニットの筐体内部に収納される第2の通信処理部と、前記第1の通信処理部と前記第2の通信処理部とを接続するケーブルとからなることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の測定装置。
【請求項6】
前記デジタル信号は、シリアル信号であることを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載の測定装置。
【請求項7】
前記演算処理ユニットがセンサをさらに有することを特徴とする請求項1〜6いずれかに記載の測定装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−257422(P2007−257422A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−82472(P2006−82472)
【出願日】平成18年3月24日(2006.3.24)
【出願人】(000006507)横河電機株式会社 (4,443)
【Fターム(参考)】