説明

測色ユニット

【課題】本発明は、表面特性を決定するための方法および装置を提供する。
【解決手段】検査される表面(9)上に光を放射する放射デバイス(2)を含む測色ユニット(1)であって、前記放射デバイスは、少なくとも1つの半導体ベースの光源(6)と、前記表面(9)によって散乱された前記光の少なくとも一部を受光し、この光の信号特性を出力する放射検出デバイス(12)とを含み、前記放射検出デバイス(12)は、そこに入射する前記光のスペクトル分析を可能にし、前記測色ユニット(1)は、前記光源(6)の少なくとも1つの電気パラメータを決定する少なくとも1つのセンサデバイス(10)と、また、この測定されたパラメータから、前記放射デバイス(2)によって放射された前記光の特徴を示す少なくとも1つの値(U,I)を出力するプロセッサデバイス(14)とを含むことを特徴とする、測色ユニット(1)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表面特性(限定するものではないが、例えば、特に表面の色等)を決定するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明を自動車の表面を参照して説明する。しかし、本発明は、例えば、家具、床敷物等の物品の被覆の場合において等、他の表面に使用することもできることが指摘される。
【0003】
物体またはそれらの表面、特に自動車の表面の視覚的外観は、その表面特性によって大部分が決定される。ヒトの眼は、限られた程度内でのみ表面特性を客観的に判断するのに適しているため、表面特性の質的および量的決定のための支援および機器に対する必要性が存在する。
【0004】
表面特性を決定するための、特に、当該表面の色を決定するための装置は、先行技術から知られている。これらの装置において、被検測定表面上に放射光を投入する放射デバイスが提供され、また、この測定表面によって散乱および/または反射される放射光を受光および評価する検出器も提供される。検出器として、その波長に関して表面によって散乱および/または反射された放射光の分析を可能にするモノクロメータ等の光学素子が通常使用される。しかし、通常、既知の装置は少なくとも2つのかかるモノクロメータを含み、1つのモノクロメータは、それが検査される表面へ入射する前に光を分析する役割を果たし、さらなるモノクロメータは、それが表面に入射した後に光を分析する役割を果たす。先行技術におけるこの最初のモノクロメータへの必要性は、それ自体の照明光源が、特に温度等の特定の環境パラメータに応じて、異なる放射特性を有し、ならびにこの放射特性は、測定において考慮されなければならないという事実に起因する。
【0005】
DE4434266B4は、光電子ダイオードの温度依存性を考慮する方法を開示している。ここで、ダイオードの温度とその順方向電圧との関係は、補正関数を決定するために使用される。しかし、この方法においては、1つのセンサ信号のみが、例えばその強度に関して考慮される。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は、それぞれ製造および実施するのがより容易な装置および方法を提供することである。これは、請求項1に記載の測色ユニット、請求項8に記載の測色ユニット、請求項9に記載の装置および請求項14に記載の方法によって、本発明に従って達成される。有利な実施形態およびさらなる展開は、従属請求項の対象を形成する。
【0007】
本発明による測色ユニットは、検査される表面上に光を放射する放射デバイスを含み、該放射デバイスは、少なくとも1つの半導体ベースの光源を含み、該測色ユニットは、該表面によって散乱された該光の少なくとも一部を受光し、この光の信号特性を出力する放射検出デバイスをさらに含む。さらに、該放射検出デバイスは、そこに入射する該光のスペクトル分析を可能にする。
【0008】
本発明によれば、該測色ユニットは、該光源の少なくとも1つの電気パラメータを決定する少なくとも1つのセンサデバイスと、また、この測定されたパラメータから、該放射デバイスによって放射された該光の特徴を示す少なくとも1つの値を出力するプロセッサデバイスとを含む。
【0009】
好ましくは、放射検出デバイスはモノクロメータであるか、または、そのスペクトル特性もしくは成分に関して光を分析するための同様のデバイスである。したがって、本発明による測色ユニットにおいて、表面によって散乱される光を受光する1つまたは可能性としてさらに複数の検出デバイスが提供される。表面に入射する前に光を受光するモノクロメータの形態の検出デバイスは、したがって提供されない。このコストの大きい放射検出デバイスの代わりに、光源の電気パラメータを決定し、また、このパラメータから、特に、表面上に放射された光のスペクトル分布の測定を出力する測定デバイスが提供される。したがって、本発明によれば、光のスペクトル特性の決定は、該光が検査される表面に入射する前に行われる。
【0010】
好適な一実施形態において、この値は、放射デバイスによって放射された光の異なるスペクトル成分と関連する複数の成分を含む。したがって、値は、強度または強度比と異なるスペクトル成分または波長を関連付ける特にスペクトルまたはアレイを意味すると理解される。故に、例えば、光源によって放射された光のスペクトル分布を減少させるために、順方向電圧または順方向電流等の電気パラメータを知ることが可能であり、この方法において、1つのモノクロメータを省くことができる。
【0011】
さらなる有利な実施形態において、装置は、複数の電気パラメータが、それらと関連する値とともに保存されるメモリデバイスを含む。より具体的には、いずれの場合にも、測定に関連する波長帯のスペクトルは、例えば、異なる順方向電圧等の異なるパラメータに対して保存される。
【0012】
さらに、プロセッサデバイスは、特定のスペクトルと測定された電気パラメータの各値を関連付けるような方法で構成される。特定の電気パラメータが保存されない場合、例えば、対応する測定されたパラメータに対応するスペクトルを計算することによって決定するための、方法またはさらに可能性として外挿法を使用することができる。
【0013】
好ましくは、電気パラメータは、半導体ベースの光源の順方向電圧または順方向電流である。
【0014】
特定の選好で、光源は発光ダイオードであり、特に好ましくは白色発光ダイオードである。しかし、他の色の発光ダイオードまたはさらに複数の異なる発光ダイオードを提供することも可能であろう。
【0015】
温度による順方向電圧の変化は、発光ダイオードのそれぞれのタイプに依存し、通常2から10mV/1℃である。例えば、電気パラメータとして順方向電圧が使用される場合、発光ダイオードは定電流で活性化され、それから同時に順方向電圧が測定される。しかし、逆に、定電圧源を定電圧源で動作させること、ならびに電流を測定することも可能であろう。この場合、評価は、測定された電流値を介して同じ方法で行われることになる。
【0016】
順方向電流と順方向電圧との関係に関するさらなる詳細に関しては、上記の特許DE4434266B4を参照され、参照することによりその全体が本開示の内容に援用される。
【0017】
さらに、1つの光源だけでなく、複数の光源を提供することも可能である。例えば、放射デバイスは、白色発光ダイオードに加えてさらなる光源を含み得る。このさらなる光源は、例えば、白色発光ダイオードによって十分に満たされないこれらのスペクトル範囲を補うために使用され得る。
【0018】
さらなる有利な実施形態において、測色ユニットは、さらなる放射検出デバイスを含む。しかし、この場合、これらのさらなる放射検出デバイスは、表面によって散乱または反射された光を受光する役割も果たす。また、この場合、好ましくは1つの放射検出デバイスが検査される表面の前のビーム経路内に挿入される。
【0019】
また、本発明の目的は、検査される表面上に光を放射する放射デバイスと、少なくとも1つの半導体ベースの光源とを含む測色ユニットによっても達成される。加えて、この測色ユニットは、表面によって散乱された光の少なくとも一部を受光し、この光の信号特性を出力する放射検出デバイスを含み、放射検出デバイスは、そこに入射する光のスペクトル分析を可能にする。本発明によれば、可動の光偏向素子は、放射デバイスと表面との間に提供され、そこに入射する光が放射検出デバイスの方向に偏向されるような方法で、放射デバイスと表面との間を走るビーム経路内に移動することができる。
【0020】
上記センサデバイスの代わりにまたは加えて、ここで、放射検出デバイスから発せられる光は、偏向素子によって直接放射検出デバイス上に向けられる。好ましくは、偏向素子は、例えば軸の周りを回転または傾転することができる鏡である。したがって、この場合、表面に入射する前のスペクトルおよび表面に入射した後のスペクトルの両方が放射検出デバイスによって決定される。
【0021】
また、本発明は、測色ユニットおよび特に上述のタイプの測色ユニットを較正するための装置にも関する。該装置内には、測色ユニットが収容されることができる検査領域と、また、所定の温度範囲内でこの検査領域の温度制御を可能にする加熱デバイスとが提供される。また、測色ユニットの放射デバイスによって放射された光を分離し、色分析デバイスにそれを供給する光分離デバイスも提供され、この色分析デバイスは、そこに入射する光のスペクトル分析を可能にする。
【0022】
代案として、他の何らかの方法で、例えば、これらの成分へのさまざまな電力供給を用いて、電気成分の、特にLEDまたはLEDチップの加熱を達成することも可能であろう。したがって、成分の加熱は、そこへの電力供給を長時間変化させるまたは維持することによって達成され得、ならびにこの加熱を受けて偏向する発光スペクトルが記録される。
【0023】
好ましくは、この色分析デバイスは、またしてもモノクロメータである。先行技術におけるモノクロメータは、側色ユニット自体において通常使用され、故に、ここで側色ユニットの較正に使用される。より具体的には、検査領域において異なる温度が設定される。これらの温度に応じて、測色ユニットの対応する発光ダイオードの順方向電圧も変化し、同様に、順方向電圧とともにこの光源によって放射される光のスペクトル分布も変化する。したがって、全体として、一方の複数の順方向電圧または電気パラメータと、他方のそれによりもたらされるスペクトル分布との関係を確立および/または決定することが測定を用いて可能である。その後、この関係は個々の側色ユニットで使用される。
【0024】
好適な一実施形態において、装置は、複数の電気パラメータとまたこれらのパラメータと関連するスペクトル分布とが保存されるメモリデバイスを含む。好ましくは、色分析デバイスは、スペクトル分布の実測が温度の影響に左右されないように、検査領域の外に配置される。
【0025】
光分離デバイスは好ましくは光ファイバを含み、測色ユニットの光源から直接発せられる光は、その一端に直接結合され、また、該光は、光ファイバの他方端で分離され、好ましくはモノクロメータ内に移動する。したがって、この光分離デバイスは、好ましくは検査領域の範囲外に誘導される。
【0026】
また、本発明は、表面の色特性を検査する方法にも関する。第1のステップにおいて、光は、光源によって検査される表面上に放射される。さらに、表面上に放射され、この表面によって散乱および/または反射された光の少なくとも一部は検出され、この検出された光は、そのスペクトル特性に関して分析される。本発明によれば、光源の少なくとも1つの電気パラメータは、センサデバイスによって測定され、このパラメータに基づいて、表面上に放射された光の特徴を示す少なくとも1つの値が使用される。
【0027】
また、本発明による方法において、したがって、表面上に放射された光は直接分析されるのではなく、この分析は、電気パラメータの測定と、すでに事前に測定された所定のスペクトルのその後の関連性とを介して間接的に行われる。好ましくは、電気パラメータの測定は、そのスペクトル特性に関して光の分析も行われる同じ時間帯に行われる。その結果、2つの測定は、それらの時間的関連性に関して互いに関連することができる。
【0028】
好ましくは、このパラメータに基づいて、表面上に放射された光の所定の決定されたスペクトル分布が使用される。したがって、特に白色LEDを使用する場合、いずれの場合にも、測定された順方向電圧に対応するそのスペクトルが使用される。しかし、また、例えば赤色LED等の他の色の発光ダイオードを使用することも可能であり、ならびにこの場合、完全なスペクトルではなく、例えば最大光強度が生じる波長を使用することも可能であろう。再度、また、この波長は、例えば順方向電圧等の測定された電気パラメータに関連する。好ましくは、電気パラメータの測定および表面によって散乱された光の検出は、表面に入射する光が正確に評価されることを確実にするために、基本的に同時に行われる。好ましくは、これらの2つの測定が行われる時間窓は1秒未満、好ましくは0.5秒未満、特に好ましくは0.25秒未満である。
【0029】
さらに好適な実施形態において、光源の複数の電気パラメータに対して好ましくは事前に行われる較正過程において、それらと関連する複数のスペクトル分布は、光源によって放射された光に対して決定される。特定色の光源を使用する場合、それは、いずれの場合においても、この波長での放射光の最大強度および(絶対)強度の波長を決定するのにここでは十分であり得る。
【0030】
したがって、またここで、それぞれの強度分布またはスペクトルと複数の電気パラメータを関連付ける測定された値の関連性またはテーブルが生成される。したがって、先行技術において、両方の測定は、測定結果を達成するために測色ユニットにおいて行われるのに対して、ここでの較正過程は、実測操作の前にすでに行われる。好ましくは、較正過程時に、順方向電圧は異なる温度で測定され、同時に対応するスペクトル分布も測定される。
【0031】
従って、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1) 検査される表面(9)上に光を放射する放射デバイス(2)を含む測色ユニット(1)であって、該放射デバイスは、少なくとも1つの半導体ベースの光源(6)と、該表面(9)によって散乱された光の少なくとも一部を受光し、この光の信号特性を出力する放射検出デバイス(12)とを含み、該放射検出デバイス(12)は、そこに入射する光のスペクトル分析を可能にし、
該測色ユニット(1)は、該光源(6)の少なくとも1つの電気パラメータを決定する少なくとも1つのセンサデバイス(10)と、さらに、この測定されたパラメータから、該放射デバイス(2)によって放射された光の特徴を示す少なくとも1つの値(U,I)を出力するプロセッサデバイス(14)とを含むことを特徴とする、測色ユニット(1)。
(項目2) 上記値は、上記放射デバイスによって放射された光の異なるスペクトル成分と関連する複数の成分を含むことを特徴とする、項目1に記載の測色ユニット(1)。
(項目3) 装置は、複数の電気パラメータがそれらと関連する値とともに保存されるメモリデバイスを含むことを特徴とする、項目1に記載の測色ユニット(1)。
(項目4) 上記電気パラメータが上記光源(6)の順方向電圧(U)または順方向電流(I)であることを特徴とする、項目1〜3のうちの少なくとも1項に記載の測色ユニット(1)。
(項目5) 上記光源(6)が白色発光ダイオードであることを特徴とする、項目1〜4のうちの少なくとも1項に記載の測色ユニット(1)。
(項目6) 上記放射デバイス(2)は、上記白色発光ダイオードに加えてさらなる光源を含むことを特徴とする、項目5に記載の測色ユニット(1)。
(項目7) 上記測色ユニット(1)は、複数の放射検出デバイス(12)を含むことを特徴とする、項目1〜6のうちの少なくとも1項に記載の測色ユニット(1)。
(項目8) 検査される表面(9)上に光を放射する放射デバイス(2)と、該表面(9)によって散乱された光の少なくとも一部を受光し、この光の信号特性を出力する放射検出デバイス(12)とを含む測色ユニット(1)であって、該放射検出デバイス(12)は、そこに入射する光のスペクトル分析を可能にし、
可動の光偏向素子(6)は、該放射デバイス(2)と該表面(9)との間に提供され、そこに入射する光が該放射検出デバイス(12)の方向に偏向されるような方法で、該放射デバイス(2)と該表面(9)との間を走るビーム経路内に移動することができることを特徴とする、測色ユニット(1)。
(項目9) 測色ユニット(1)および特に項目1から8のうちの少なくとも1項に記載の測色ユニット(1)を較正する装置であって、該測色ユニット(1)が収容され得る検査領域(30)と、所定の温度範囲内で該検査領域(30)の温度制御を可能にする加熱デバイスと、該測色ユニット(1)の放射デバイスによって放射された光を分離し、そこに入射する光のスペクトル分析を可能にする色分析デバイス(32)に該光を供給する光分離デバイスとを含む、装置。
(項目10) 上記装置は、上記測色ユニットの光源の少なくとも1つの電気パラメータを決定する少なくとも1つのセンサデバイス(25)を含むことを特徴とする、項目9に記載の装置。
(項目11) 上記装置は、複数の電気パラメータ(U,I)が保存されることができるメモリデバイス(27)を含むことを特徴とする、上記項目9から10のうちの少なくとも1つに記載の装置。
(項目12) 上記色分析デバイス(32)は、上記検査領域(30)の外側に配置されることを特徴とする、上記項目9から11のうちの少なくとも1項に記載の装置。
(項目13) 上記光分離デバイスは、上記検査領域(30)の外に通じる光ファイバ(34)を含むことを特徴とする、上記項目9から12のうちの少なくとも1項に記載の装置。
(項目14) 表面の色特性を検査する方法であって、
−光源(6)を用いて、検査される表面(9)上に光を放射するステップと、
−該表面(9)上に放射され、この表面(9)によって散乱および/または反射される光の少なくとも一部を検出するステップと、
−該光のスペクトル特性に関して光を分析するステップと
を含み、
該光源(6)の少なくとも1つの電気パラメータ(U,I)は、センサデバイス(10)を用いて測定され、このパラメータ(U,I)に基づいて、該表面上に放射される光の特徴を示す少なくとも1つの値が使用されることを特徴とする、方法。
(項目15) このパラメータ(U,I)に基づいて、上記表面(9)上に放射された光の所定の決定されたスペクトル分布が使用されることを特徴とする、項目14に記載の方法。
(項目16) 上記光源(6)の複数の電気パラメータに対する較正過程において、それと関連する複数のスペクトル分布が、該光源(6)によって放射された光に対して決定されることを特徴とする、項目14に記載の方法。
(摘要)
測色ユニット(1)は、検査される表面(9)上に光を放射する放射デバイス(2)を含み、該放射デバイス(2)は、少なくとも1つの半導体ベースの光源(6)と、該表面によって散乱された該光の少なくとも一部を受光し、この光の信号特性を出力する放射検出デバイス(12)とを含み、該放射検出デバイス(12)は、そこに入射する該光のスペクトル分析を可能にする。本発明によれば、該測色ユニットは、該光源(6)の少なくとも1つの電気パラメータを決定する少なくとも1つのセンサデバイス(10)と、また、該放射デバイス(2)によって放射された該光の特徴を示す少なくとも1つの値をこの測定されたパラメータから出力するプロセッサデバイス(14)とを含む。
【0032】
さらなる有利な実施形態は、添付の図面から明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
図1は、本発明による測色ユニット1の非常に概略的な図を示す。この測色ユニット1は、検査される表面9上に光を放射する放射デバイス2を含む。この放射デバイス2は、後述する測色デバイス1の他の構成要素とともに、ハウジング5内に収容される。このハウジング5は開口部15を有し、そこを通って光はハウジング5から出ることができ、したがって表面9に入射する。これは別として、ハウジング5は、好ましくは閉じている。
【0034】
図1に示す実施形態において、放射デバイス2は、好ましくは白色発光ダイオードの形態の少なくとも1つの光源6を含む。しかし、これの代わりに、複数の光源、例えば複数の白色発光ダイオードまたは他の異なる色の発光ダイオード等も提供され得る。異なる色の発光ダイオードを使用することによって、個々の発光ダイオードが連続的にスイッチをオンにされる色スペクトルを開始することが可能である。また、複数の異なる色の発光ダイオードを使用することによって、白色光または略白色光を発生させることも可能であろう。
【0035】
参照12は、具体的には、表面9によって散乱された光を受光し、そのスペクトル成分に関して該光を分析する放射検出デバイスを示す。好ましくは、放射検出デバイスは、スペクトロメータまたはモノクロメータもしくはポリクロメータである。しかし、また、他の分散的な光学素子が使用されてもよい。このスペクトロメータは、好ましくは間隙を介して格子に光を投入し、次いでスペクトル成分の評価を直接行う光ファイバ入力を有する。
【0036】
図示するように、放射デバイス2と表面9との間にさらなる放射検出デバイスは提供されない。参照10は、例えば順方向電流Iまたは順方向電圧U等の電気パラメータを測定するためのセンサデバイスを示す。また、別の電気パラメータを一定に保つ安定化デバイスも提供される。例えば、順方向電圧が測定された場合、電流はそれに応じて一定に保たれる。一方、測定されたのが順方向電流である場合、光源6に印加された電圧が一定に保たれる。測定された順方向電圧Uは、プロセッサデバイス14に伝えられる。
【0037】
この測定された順方向電圧Uまたは順方向電流Iから、プロセッサデバイスは、この電気パラメータと関連するスペクトル分布を決定する。したがって、本発明による測色ユニット1は、スペクトル分布を直接計測するのではなく、電気パラメータを介して後者を決定する。このために、複数の電気パラメータまたは値ならびにそれらと関連するスペクトル分布が保存されるメモリデバイス16も提供される。スペクトル分布の代わりに、より詳細に後述するように、例えば最大強度、半値全幅等の波長等の特定の特性のパラメータを関連付けることも可能である。
【0038】
参照18は、光の波長またはスペクトル成分に対する測定値をユーザに出力する表示デバイスを示す。図1に示す実施形態において、また、いずれの場合にも表面によって散乱された光を異なる角度で受光する複数の放射検出デバイス12が提供されてもよい。図1に示す実施例において、2つのかかる放射検出デバイス12を示す。また、放射検出デバイス12は、測定された信号または対応して測定されたスペクトルをプロセッサデバイス14に伝え、次いで、後者は表面の色の見えを決定し、また、センサデバイス10によって測定された特性パラメータまたはこの電気パラメータに対応するスペクトルが特に考慮される。
【0039】
さらに、検査される表面9上に異なる角度で放射光を放射する複数の放射デバイス2も提供され得る。
【0040】
図2は、測色ユニット1を較正するための装置21を示す。この装置は、加熱デバイス31が提供される検査領域30を含む。加えて、検査領域30内により大きな温度範囲を設定できるように、領域内に冷却デバイスを配置することも可能であろう。検査領域30内において、温度が次に変更され、いずれの場合においても順方向電圧Uまたは順方向電流I等の電気パラメータが変更されならびにそれぞれ設定された温度値で、対応する光学スペクトルが記録される。次いで、この光学スペクトルは、例えばテーブルの形態で、いずれの場合においても電気パラメータと関連付けられる。このような方法で、例えば20°から70°の所定の温度範囲において対応するテーブルを記録することが可能である。
【0041】
参照11は、放射デバイス2から発せられる光を検査領域30から外へ誘導するための光分離デバイスを示す。
【0042】
好適な一実施形態において、光分離デバイス11または光ファイバ11に対して正確に画定された位置に測色ユニット1を配置する支持デバイスまたは保持デバイスが提供されてもよい。参照25は、再度、例えばスペクトロメータまたはモノクロメータであってもよい検出デバイスを示す。メモリユニット27において、それぞれ測定された順方向電圧Uは、記録されたスペクトルとともに保存される。このために、再び電気パラメータを決定するセンサデバイス10が使用されてもよい。該センサデバイスは、回線を介してまたは他の無線の方法で、それぞれ測定された電気パラメータをメモリデバイス27に送信してもよい。
【0043】
さらに、測定されたデータに基づいて、例えば内挿を用いて継続的スペクトルを決定するプロセッサデバイスを提供することも可能であり、可能な電気パラメータとその結果生じる各スペクトルとの関係を出力する。かかるプロセッサデバイスは、検査領域内では達成し得ないが、実践で生じる場合があるそれらの温度または電気パラメータにも対するスペクトルを外挿または出力することも可能である。
【0044】
図3は、異なる順方向電圧に対する、つまり、また異なる温度で記録された複数のスペクトル20の非常に概略的な図を示す。各温度は残りの方法にはもはや要求されないが、しかし、電気パラメータは、やはり温度に依存することがここで指摘される。このような方法で、軸Uに沿ってかかる複数のスペクトルを記録することならびに各関連性を保存することが可能である。次いで、この関連性は、図1に示す測色デバイス1のメモリデバイス16に保存される。測定操作において、特定の電気パラメータUがその後測定されると、対応するスペクトルはそこから決定され、測定の基準として使用される。図3に示す図面において、例えば白色発光ダイオードを使用する時に取得され得るスペクトル20を示す。ここで、波長λはx軸上に示され、強度Iはy軸上に示される。
【0045】
図4は、例えば単一色発光ダイオードを測定する時に生じ得る対応するスペクトルを示す。またここで、スペクトル全体を各順方向電圧Uと関連付けることが原理上は可能であろう。しかし、好ましくは、例えば、最大強度の波長λおよび半値全幅T等のスペクトルの2つの特性値のみをここで使用することも可能である。また、これらの値は、同様にメモリデバイス14に保存され、さらなる測定の基準として使用され得る。
【0046】
本出願書類に開示した全ての特徴は、それらが個々にまたはそれらの組み合わせが先行技術に対して新規である限りにおいて、本発明にとって必須のものとして主張される。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】図1は、本発明による側色ユニットの概略図を示す。
【図2】図2は、側色ユニットを較正するための本発明による装置の概略図を示す。
【図3】図3は、記録されたスペクトル分布の第1の実施例を示す。
【図4】図4は、記録されたスペクトル分布のさらなる実施例を示す。
【符号の説明】
【0048】
1 測色ユニット
2 放射デバイス
5 ハウジング
6 光源
9 表面
10 センサデバイス
11 光ファイバ
12 放射検出デバイス
14 プロセッサデバイス
15 開口部
16 メモリデバイス
18 表示デバイス
21 測色ユニットを較正するための装置
25 検出デバイス
27 メモリデバイス
30 検査領域
31 加熱デバイス
λ 波長
λ 最大強度の波長
順方向電圧
順方向電流
半値全幅
I 強度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査される表面(9)上に光を放射する放射デバイス(2)を含む測色ユニット(1)であって、該放射デバイスは、少なくとも1つの半導体ベースの光源(6)と、該表面(9)によって散乱された光の少なくとも一部を受光し、この光の信号特性を出力する放射検出デバイス(12)とを含み、該放射検出デバイス(12)は、そこに入射する光のスペクトル分析を可能にし、
該測色ユニット(1)は、該光源(6)の少なくとも1つの電気パラメータを決定する少なくとも1つのセンサデバイス(10)と、さらに、この測定されたパラメータから、該放射デバイス(2)によって放射された光の特徴を示す少なくとも1つの値(U,I)を出力するプロセッサデバイス(14)とを含むことを特徴とする、測色ユニット(1)。
【請求項2】
前記値は、前記放射デバイスによって放射された光の異なるスペクトル成分と関連する複数の成分を含むことを特徴とする、請求項1に記載の測色ユニット(1)。
【請求項3】
装置は、複数の電気パラメータがそれらと関連する値とともに保存されるメモリデバイスを含むことを特徴とする、請求項1に記載の測色ユニット(1)。
【請求項4】
前記電気パラメータが前記光源(6)の順方向電圧(U)または順方向電流(I)であることを特徴とする、請求項1〜3のうちの少なくとも1項に記載の測色ユニット(1)。
【請求項5】
前記光源(6)が白色発光ダイオードであることを特徴とする、請求項1〜4のうちの少なくとも1項に記載の測色ユニット(1)。
【請求項6】
前記放射デバイス(2)は、前記白色発光ダイオードに加えてさらなる光源を含むことを特徴とする、請求項5に記載の測色ユニット(1)。
【請求項7】
前記測色ユニット(1)は、複数の放射検出デバイス(12)を含むことを特徴とする、請求項1〜6のうちの少なくとも1項に記載の測色ユニット(1)。
【請求項8】
検査される表面(9)上に光を放射する放射デバイス(2)と、該表面(9)によって散乱された光の少なくとも一部を受光し、この光の信号特性を出力する放射検出デバイス(12)とを含む測色ユニット(1)であって、該放射検出デバイス(12)は、そこに入射する光のスペクトル分析を可能にし、
可動の光偏向素子(6)は、該放射デバイス(2)と該表面(9)との間に提供され、そこに入射する光が該放射検出デバイス(12)の方向に偏向されるような方法で、該放射デバイス(2)と該表面(9)との間を走るビーム経路内に移動することができることを特徴とする、測色ユニット(1)。
【請求項9】
測色ユニット(1)および特に請求項1から8のうちの少なくとも1項に記載の測色ユニット(1)を較正する装置であって、該測色ユニット(1)が収容され得る検査領域(30)と、所定の温度範囲内で該検査領域(30)の温度制御を可能にする加熱デバイスと、該測色ユニット(1)の放射デバイスによって放射された光を分離し、そこに入射する光のスペクトル分析を可能にする色分析デバイス(32)に該光を供給する光分離デバイスとを含む、装置。
【請求項10】
前記装置は、前記測色ユニットの光源の少なくとも1つの電気パラメータを決定する少なくとも1つのセンサデバイス(25)を含むことを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記装置は、複数の電気パラメータ(U,I)が保存されることができるメモリデバイス(27)を含むことを特徴とする、前記請求項9から10のうちの少なくとも1つに記載の装置。
【請求項12】
前記色分析デバイス(32)は、前記検査領域(30)の外側に配置されることを特徴とする、前記請求項9から11のうちの少なくとも1項に記載の装置。
【請求項13】
前記光分離デバイスは、前記検査領域(30)の外に通じる光ファイバ(34)を含むことを特徴とする、前記請求項9から12のうちの少なくとも1項に記載の装置。
【請求項14】
表面の色特性を検査する方法であって、
−光源(6)を用いて、検査される表面(9)上に光を放射するステップと、
−該表面(9)上に放射され、この表面(9)によって散乱および/または反射される光の少なくとも一部を検出するステップと、
−該光のスペクトル特性に関して光を分析するステップと
を含み、
該光源(6)の少なくとも1つの電気パラメータ(U,I)は、センサデバイス(10)を用いて測定され、このパラメータ(U,I)に基づいて、該表面上に放射される光の特徴を示す少なくとも1つの値が使用されることを特徴とする、方法。
【請求項15】
このパラメータ(U,I)に基づいて、前記表面(9)上に放射された光の所定の決定されたスペクトル分布が使用されることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記光源(6)の複数の電気パラメータに対する較正過程において、それと関連する複数のスペクトル分布が、該光源(6)によって放射された光に対して決定されることを特徴とする、請求項14に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−133848(P2009−133848A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−285983(P2008−285983)
【出願日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【出願人】(507231987)ベーユプスィロンカー−ガードネル ゲーエムベーハー (15)
【Fターム(参考)】