説明

湯水混合栓用のサーモカートリッジ

【課題】異物が筒状体の内部へ侵入するのを防止するため、ストレーナを湯入口と水入口の外面側に装着させる。ストレーナ装着後湯および水の湯入口と水入口への流入を阻害することのない湯水混合栓用のサーモカートリッジを提供する。
【解決手段】湯水混合栓本体に形成される湯導入流路および水導入流路に連通する湯入口Hおよび水入口Iを胴部8に有する筒状体6と、多数の透孔11を有し、前記胴部の外周に巻き付けて前記湯入口と前記水入口の外面側に装着される帯状の板部材Mよりなるストレーナ10とを備え、板部材を前記湯入口および前記水入口の外面側にそれぞれ装着させうるスリット13,13aを備え、このスリットは、前記胴部の外周面上で前記筒状体の軸心Bに沿った方向に設けるとともに、前記多数の透孔は、前記板部材のうち前記各折り曲げ部を除いた前記胴部の外周に巻き付けられる領域Rの全面に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、湯水混合栓用のサーモカートリッジに関するものである。
【背景技術】
【0002】
温度調節機能を司る湯水混合栓用のサーモカートリッジを備えた湯水混合栓本体が鋳物でつくられる場合、湯水混合栓本体の湯室、水室の内面に付着していた加工バリが剥がれ、これが異物となって湯や水とともに下流側に移動し、サーモカートリッジ本体を構成する筒状体の胴部に形成されている湯入口や水入口から筒状体内部へ侵入することから、筒状体内に備わっている温度調節部材の作動不良につながるおそれがある。そこで、これを防止するため、下記特許文献1,2に示すように、湯室と湯入口および水室と水入口の間にストレーナを設け、湯や水に含まれている前記異物を前記ストレーナで捕捉して筒状体の内部へ侵入するのを防止するサーモカートリッジが提案されている。
【0003】
特許文献1では、ストレーナの一例として、湯室と湯入口間に設けられる網部材と、水室と水入口の間に設けられる網部材とが挙げられている。前記各網部材は線材を編上げて曲げ、溶接等で円筒状に固定したものであり、前記各網部材は、筒状体の下流側より挿通されて筒状体の胴部の外周に配置され、湯室、水室、混合室を仕切るためのOリングによって各網部材を筒状体の軸方向に位置決め、固定するとともに、Oリングにヒレ部を設けて各網部材の端部をヒレ部で押さえることにより、筒状体と網部材の端部との僅かな隙間も塞ぐ処理が施されている。
また、特許文献1には、ストレーナの他の例として、プレス加工、あるいは、エッチングによって、所望の荒さに通水孔を開けた金属製の薄板を曲げ加工し、円筒状につくられた網部材が挙げられている。この場合、各網部材は、薄板に微小の孔を無数に開けた通水部と、円周上に複数個柱状に配置された柱部と、薄板を円筒状に固定・保持するため溶接・接着等により固定するための固定部とを有しており、各網部材は、筒状体のの下流側より挿通されて筒状体の胴部の外周に配置され、各網部材の前記柱部と固定部が、湯室と湯入口間および水室と水入口間に介在することで固定される。
【0004】
また、特許文献2に示すように、湯入口および水入口の全体をそれぞれ隙間なく覆うリング状のストレーナとして、細い金属線又は合成樹脂線等の網素材をリング状にしたものがある。
【特許文献1】特開2001−234564号公報
【特許文献2】特開2003−28336号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の一例では、ストレーナを軸方向に位置決め、固定するためにOリングを用いており、部品点数が増えるという課題がある。
一方、特許文献1の他の例では、胴部の外周を覆うよう胴部の外周に配置される領域の全面に通水部が存在するのではなく、前記柱部や固定部が、湯入口と水入口に流入する湯と水の流入を阻害するものとして作用し、湯と水の流入量が制限されるおそれがあるという課題がある。その結果、湯水混合水の設定温度を常に維持するのが難しい。
【0006】
特許文献2では、網素材をリング状にしたストレーナを径方向に拡げながらカートリッジの下流側より挿通するので、ストレーナに無理な変形を加えるおそれがあり、この場合変形した状態で湯入口および水入口を覆うことから、最悪の場合、隙間ができて異物が湯入口や水入口から筒状体の内部へ侵入するおそれがあるという課題がある。このことは、特許文献1の一例の場合にも当てはまる課題である。
【0007】
この発明は、上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、異物が湯入口や水入口から筒状体の内部へ侵入するのを防止するにあたり、Oリングのようなストレーナの位置決め固定部材を別途用いることなく、簡易にストレーナを湯入口と水入口の外面側に装着することができるとともに、ストレーナ装着後の使用時には湯および水それぞれの湯入口および水入口への流入を阻害することのない湯水混合栓用のサーモカートリッジを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、この発明の湯水混合栓用のサーモカートリッジは、湯水混合栓本体に形成される湯導入流路および水導入流路にそれぞれ連通する湯入口および水入口を胴部に有する筒状体と、多数の透孔を有し、前記胴部の外周に巻き付けて前記湯入口と前記水入口の外面側に装着される帯状の板部材よりなるストレーナとを備え、さらに、前記板部材は、その両端を同じ側に折り曲げてなる折り曲げ部を有する一方、前記板部材を前記胴部の外周に巻き付けた状態で前記各折り曲げ部が挿入され、前記板部材を前記湯入口および前記水入口の外面側にそれぞれ装着させうるスリットを備え、このスリットは、前記胴部の外周面上で前記筒状体の軸心に沿った方向に設けるとともに、前記多数の透孔は、前記板部材のうち前記各折り曲げ部を除いた前記胴部の外周に巻き付けられる領域の全面に形成されていることを特徴としている(請求項1)。
【0009】
この発明において、前記多数の透孔は、前記板部材のうち前記各折り曲げ部を除いた前記胴部の外周に巻き付けられる領域の全面に形成されているとは、
板部材が、透孔が形成されない、両端の折り曲げ部と、多数の透孔が形成されている、胴部の外周に巻き付けられる部分とを含むことを意味する。
【0010】
この発明において、このスリットは、前記胴部の外周面上で前記筒状体の軸心に沿った方向に設けるとは以下のことを意味する。
(1)図5に示す筒状体6の胴部8が、図1に示すようにストレーナ10の板部材M(図2参照)が巻き付けられる方向〔図5(B)において両矢印Aで示す方向〕に適宜円周角θ(適宜間隔D)を有して複数の湯入口Hを有する場合、
前記胴部8の外周面とは、A方向に適宜間隔Dの長さを持つ、湯入口H,H間に位置する平面視矩形の複数のリブL1 ,L2 ,L3 ,L4 のうち、いずれか一つのリブL4 の表面Sを意味するとともに、
胴部8の外周面S上で前記筒状体6の軸心Bに沿った方向に設けるとは、図5(A)に示すように、前記リブ面S上で筒状体6の軸心Bに沿った方向に単一のスリット13を設けることを意味する。
また、同様に、筒状体6の胴部8が、A方向に適宜円周角θ’(適宜間隔D’)を有して複数の水入口Iを有する場合も、図5(C)に示すように、水入口I,I間に位置する平面視矩形の複数のリブL1 ’,L2 ’,L3 ’,L4 ’のうち、いずれか一つのリブL4 ’の表面S’上で筒状体6の軸心B〔図5(A)〕に沿った方向に単一のスリット13a〔図5(A)〕を設けている。
(2)また、筒状体の胴部がA方向に単一の湯入口を有する場合、胴部の外周面とは、その湯入口の両端をA方向に繋いでいる単一のリブ面を意味する。筒状体の胴部が、A方向に単一の水入口を有する場合も同様である。
【0011】
この発明における帯状の板部材としては、耐腐食、耐熱性を有し、プレス加工やエッチングによって多数の透孔を形成することができるものであればよく、例えばステンレス薄板等の曲げ加工しやすい金属薄板を挙げることができる。その他、帯状の板部材として、耐腐食、耐熱性で、かつ、曲げ加工しやすい可塑性の合成樹脂製薄板も適用できる。
そして、この発明では、板部材の両端を同じ側に折り曲げたり、多数の透孔を形成するための機械加工を施すだけであるので、特殊な機械を必要としない。したがって、この発明において、ストレーナの組立は簡易な治具で行うことができる。
【0012】
また、この発明において、前記スリットの幅は、前記板部材の厚みの二倍の厚みと同等もしくはこれよりも大であるのが好ましい(請求項2)。
【0013】
また、この発明において、前記各折り曲げ部を前記スリットに挿入する前に、少なくともいずれか一方の折り曲げ部に接着剤を塗布してあるのが好ましい(請求項3)。
【発明の効果】
【0014】
この発明では、湯入口および水入口を胴部に有する筒状体を設け、この筒状体の胴部の外周面上で筒状体の軸心に沿った方向にスリットを設け、ストレーナの両端に同じ側に折り曲げてなる折り曲げ部を設け、ストレーナを胴部の外周に巻き付けた状態でスリットに各折り曲げ部を挿入して、ストレーナを前記湯入口および前記水入口の外面側にそれぞれ装着させるよう構成されているので、
従来技術のように、Oリングのようなストレーナの位置決め固定部材を別途用いることなく、簡易にストレーナを湯入口と水入口の外面側に装着することができる。
また、板部材を前記胴部の外周に巻き付けた状態で前記各折り曲げ部をスリットに挿入して前記板部材を前記湯入口および前記水入口の外面側にそれぞれ装着させるので、ストレーナに無理な変形を加えるおそれはなく、異物が湯入口や水入口から筒状体の内部へ侵入するのを防止することができる。
【0015】
また、この発明では、多数の透孔を有し、前記胴部の外周に巻き付けて前記湯入口と前記水入口の外面側に装着される帯状の板部材よりなるストレーナを備え、前記多数の透孔は、前記板部材のうち前記各折り曲げ部を除いた前記胴部の外周に巻き付けられる領域の全面に形成されている。すなわち、この発明では、板部材は、透孔が形成されない、両端の折り曲げ部と、多数の透孔が形成されている、胴部の外周に巻き付けられる部分とを含み、両端の折り曲げ部が湯入口および水入口への流入に全く関与しないスリットに挿入され、また、前記板部材のうち前記胴部の外周に巻き付けられる領域の全面が全て湯入口および水入口の外面側に位置することになるので、ストレーナ装着後の使用時には湯および水それぞれの湯入口および水入口への流入を阻害するものが存在せず、
そのため、板部材のうち胴部の外周に巻き付けられる領域の一部に透孔が形成されない領域が存在して、これが湯入口と水入口に流入する湯と水の流入を阻害するものとして作用する従来技術に比べて,湯と水の流入量が制限されるおそれがなく、湯と水の流入量を設定流量通りに確保することができ、その結果、湯水混合水の設定温度を常に維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、この発明の実施形態を、図を参照しながら説明する。なお、それによってこの発明は限定されるものではない。
【0017】
図1において、湯水混合栓用のサーモカートリッジ1は、自動温度調節機能を有する湯水混合栓のボディを構成する筒状の湯水混合栓本体(図示せず)の軸芯と同軸になるよう湯水混合栓本体の正面向かって左端開口側に装入されるものである。湯水混合栓本体として、鋳物成形されたものや、連続鋳造棒を加工したものが用いられる。
サーモカートリッジ1は、前記左端開口から突出した状態で位置する筒状の固定ハウジング2と、この固定ハウジング2の右端側に固定ハウジング2とは連結状態で位置し、湯水混合栓本体内に装入される筒状体6とを主として備えている。固定ハウジング2の左端側に栓棒7を介して温調ハンドル(図示せず)が設けられる。前記筒状体6は、前記左端開口からOリング3,4,5を介して、湯水混合栓本体に形成される給湯配管口および給水配管口のうち給湯配管口側に位置するよう湯水混合栓本体内に装入される。
前記筒状体6は、給湯配管口を介して湯水混合栓本体に形成される湯導入流路に連通する複数の湯入口Hを胴部8に有し(図3参照)、また、給水配管口を介して湯水混合栓本体に形成される水導入流路に連通する複数の水入口Iを胴部8に有し、さらに前記筒状体6は、温度調節部材を備えている。
前記温度調節部材は、一例として、弁体と、筒状体6の内壁に沿ってスライドする筒状のスライド部材と、このスライド部材を介して前記弁体を常時一方側に付勢する感温スプリングとを含んでいる(特願2004−001719)。
また、前記温度調節部材は、別の例として、サーモバルブと、サーモワックスを内蔵するサーモエレメントと、サーモワックスが膨張したときに伸び、また、サーモワックスが収縮したときに縮むピストンとを含んでいる。
【0018】
以下この発明の特徴的構成について説明する。
図1〜8において、10は、胴部8の外周に巻き付けて湯入口Hと水入口Iの外面側に装着される平面視力細長の長方形形状(帯状)の例えばステンレス薄板(板部材)Mよりなるストレーナであり、多数の透孔11を有している。図1に示すように、湯入口Hの外面側に装着されるストレーナ10と水入口Iの外面側に装着されるストレーナ10の大きさは同一である。
前記板部材Mは、その両端を同じ側に折り曲げてなる折り曲げ片(折り曲げ部)12,12を有する。Uは、リブL4 (L4 ’)の軸心B方向の長さである。
13(13a)は、単一のスリットで、図5に示す前述したリブL4 (L4 ’)の上面S(S’)を径方向および軸心B方向に直線的にそれぞれ長さ(切欠き深さ)tおよび長さUだけ切欠いて形成されており、図5に示すように、平面視において前記筒状体6の軸心Bに沿った方向に設けてある。すなわち、スリット13(13a)は、ステンレス薄板(板部材)Mが巻き付けられるA方向とは直角な方向に設けてある。前記スリット13(13a)は、前記板部材Mを前記胴部8の外周に巻き付けた状態で前記各折り曲げ片12が挿入されるものであり、前記板部材Mを前記湯入口Hおよび前記水入口Iの外面側にそれぞれ装着させうる。この実施形態では、前記板部材Mの短手方向の長さxは、長さUと同一に設定されるか、あるいは、長さUよりも小さく設定される。なお、スリット13(13a)の軸心B方向の長さを、長さUよりも小さい長さU’に設定してもよい。この場合、前記板部材Mの短手方向の長さxは、長さU’と同一に設定されるか、あるいは、長さU’よりも小さく設定される。
また、この実施形態では、リブL4 ’の胴部径方向の長さ(リブL4 ’の厚み)がリブL4 の胴部径方向の長さ(リブL4 の厚み)より大きく設定されている〔図5(C),図5(B)参照〕ので、図7に示すように、前記スリット13aのリブ面S’からの切欠き深さtは、リブL4 ’の胴部径方向の長さ(リブL4 ’の厚み)dよりも短く設定されている。そして、前記折り曲げ片12の折り曲げ長さnは、図8に示すようにスリット13aの切欠き深さtさよりも短く設定されているか、あるいは、深さtと同等の長さに設定されている(n≦t)。一方、リブL4 ’〔図5(C)参照〕の厚みdよりも小さな厚みを有するリブL4 〔図5(B)参照〕に形成される前記スリット13のリブ面Sからの切欠き深さは、リブL4 の胴部径方向の長さ(リブL4 の厚み)に設定されており(前記スリット13はリブL4 を貫通している)、折り曲げ片12の折り曲げ長さnに等しい。なお、リブL4 ’の厚みよりリブL4 の厚みを大にしてもよい。また、リブL4 ’の厚みとリブL4 の厚みを同一に設定してもよい。これらの場合も、リブL4 ’,L4 に設ける切欠き深さが、少なくとも折り曲げ片12の折り曲げ長さnに等しい長さを有していればよい。
またスリット13(13a)の幅は、前記板部材Mの折り曲げ片12の厚みの二倍の厚みと同等もしくはこれよりも大であるとともに、前記各折り曲げ片12を前記スリット13(13a)に挿入する前に、いずれか一方の折り曲げ片12にボンド等の接着剤を塗布してある。
さらに、前記多数の透孔11は、前記板部材Mのうち前記各折り曲げ片12を除いた前記胴部の外周に巻き付けられる領域Rの全面に形成されている。
【0019】
而して、複数の湯入口Hおよび複数の水入口Iを胴部8に有する筒状体6を設け、胴部8の外周面上で筒状体6の軸心Bに沿った方向にスリット13(13a)を設け、ストレーナ10の両端に同じ側に折り曲げてなる折り曲げ片12を設け、ストレーナ10を胴部8の外周に巻き付けた状態でスリット13(13a)に各折り曲げ片12を挿入して、ストレーナ10を前記湯入口Hおよび前記水入口Iの外面側にそれぞれ装着させるよう構成されているので、
従来技術のように、Oリングのようなストレーナの位置決め固定部材を別途用いることなく、簡易にストレーナ10を湯入口Hと水入口Iの外面側に装着することができる。
また、板部材Mを前記胴部8の外周に巻き付けた状態で前記各折り曲げ片12をスリット13(13a)に挿入して前記板部材Mを前記湯入口Hおよび前記水入口Iの外面側にそれぞれ装着させるので、ストレーナ10に無理な変形を加えるおそれはなく、異物が湯入口Hや水入口Iから筒状体6の内部へ侵入するのを防止することができる。
【0020】
また、多数の透孔11を有し、前記胴部8の外周に巻き付けて前記湯入口Hと前記水入口Iの外面側に装着される帯状の板部材Mよりなるストレーナ10を備え、前記多数の透孔11は、前記板部材Mのうち前記各折り曲げ片12を除いた前記胴部8の外周に巻き付けられる領域Rの全面に形成されている。すなわち、板部材Mは、透孔11が形成されない、両端の折り曲げ片12と、多数の透孔11が形成されている、胴部8の外周に巻き付けられる部分とを含み、両端の折り曲げ片12が湯入口Hおよび水入口Iへの流入に全く関与しないスリット13(13a)に挿入され、また、前記板部材Mのうち前記胴部8の外周に巻き付けられる領域Rの全面が全て湯入口Hおよび水入口Iの外面側に位置することになるので、ストレーナ10装着後の使用時には湯および水それぞれの湯入口Hおよび水入口Iへの流入を阻害するものが存在せず、そのため、板部材のうち胴部の外周に巻き付けられる領域の一部に透孔が形成されない領域が存在して、これが湯入口と水入口に流入する湯と水の流入を阻害するものとして作用する従来技術に比べて,湯と水の流入量が制限されるおそれがなく、湯と水の流入量を設定流量通りに確保することができ、その結果、湯水混合水の設定温度を常に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】この発明の一実施形態を示す平面図である。
【図2】(A)は、上記実施形態で用いたストレーナの巻き付け前の状態を示す平面図である。(B)は、上記実施形態で用いたストレーナの巻き付け前の状態を示す正面図である。
【図3】上記実施形態で用いた筒状体を示す外面図である。
【図4】上記実施形態で用いた筒状体を示す断面図である。
【図5】(A)は、上記実施形態で用いた筒状体を示す外面図である。(B)は、上記実施形態で用いた筒状体の図5(A)におけるa−a断面図である。(C)は、上記実施形態で用いた筒状体の図5(A)におけるb−b断面図である。
【図6】(A)は、上記実施形態で用いた筒状体を上流側から見た側面図である。(B)は、上記実施形態で用いた筒状体の斜視図である。
【図7】上記実施形態において、水入口側スリットが設けられた胴部の外周面部を示す断面図である。
【図8】上記実施形態において、水入口側スリットにストレーナの角折り曲げ部が挿入された状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0022】
1 サーモカートリッジ
6 筒状体
8 胴部
10 ストレーナ
11 透孔
12 折り曲げ部
13 スリット
H 湯入口
I 水入口
M 板部材
B 軸心
R 板部材の巻き付けられる領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
湯水混合栓本体に形成される湯導入流路および水導入流路にそれぞれ連通する湯入口および水入口を胴部に有する筒状体と、多数の透孔を有し、前記胴部の外周に巻き付けて前記湯入口と前記水入口の外面側に装着される帯状の板部材よりなるストレーナとを備え、 さらに、前記板部材は、その両端を同じ側に折り曲げてなる折り曲げ部を有する一方、 前記板部材を前記胴部の外周に巻き付けた状態で前記各折り曲げ部が挿入され、前記板部材を前記湯入口および前記水入口の外面側にそれぞれ装着させうるスリットを備え、
このスリットは、前記胴部の外周面上で前記筒状体の軸心に沿った方向に設けるとともに、前記多数の透孔は、前記板部材のうち前記各折り曲げ部を除いた前記胴部の外周に巻き付けられる領域の全面に形成されていることを特徴とする湯水混合栓用のサーモカートリッジ。
【請求項2】
前記スリットの幅は、前記板部材の厚みの二倍の厚みと同等もしくはこれよりも大である請求項1に記載の湯水混合栓用のサーモカートリッジ。
【請求項3】
前記各折り曲げ部を前記スリットに挿入する前に、少なくともいずれか一方の折り曲げ部に接着剤を塗布してある請求項1または2に記載の湯水混合栓用のサーモカートリッジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−7816(P2010−7816A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−170256(P2008−170256)
【出願日】平成20年6月30日(2008.6.30)
【出願人】(000144072)株式会社三栄水栓製作所 (111)
【Fターム(参考)】