説明

湿式及び乾式ダスティング用ダスターシステム

ダスターパッドは、被洗浄表面に接触可能な親水性不織布繊維を含む少なくとも1つの層(F)と取っ手(A)に取り付け可能な少なくとも1つの不織布層(C)とを含み、少なくとも1つの層(F)が少なくとも1つの自由端を備える。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
多くの洗浄物品が、ダスティング用に作られている。ダスティング組成物を有する乾燥若しくは濡れた状態で使用される布切れ又はペーパータオルは、比較的平らな表面に使用されているが、それらは、亀裂及び割れ目を洗浄する際効果的ではない。布切れ及びペーパータオルに関連する課題を克服するため、集塵デバイスが、羽毛、羊の毛及び合成繊維ブラシを使用して作られている。これらの集塵デバイスは、製造するのに高価な場合があり、それゆえに、再利用可能であるように設計されている。汚れた従来のダスターは、通常、集塵デバイスを揺することにより清浄される。集塵デバイスでのダスティングに関連する固有の課題は、集塵デバイスが塵を良好に保持又は捕集しないことである。それゆえに、集塵デバイスにより捕集された汚れは、多くの場合、使用時に塵を再付着しやすく、それが消費者をいら立たせる場合がある。
【0002】
集塵デバイスによって起こる問題に対処するため、限定された再利用性を有する使い捨て集塵デバイスが開発されている。これらの使い捨て集塵デバイスは、不織布に取り付けられる合成繊維束から作製されるブラシ部分を含む場合がある。これらの使い捨て集塵デバイスはダスティングに有用な場合があるが、液体洗浄組成物と組み合わせて使用する際、使い捨てダスターは効果がなくなる。更に、使い捨て集塵デバイスにコーティングされる油及び/又は他の物質は洗い落される場合がある。集塵デバイスと共に液体を使用すると多少の洗浄がもたらす場合があるが、残留する残留物及び汚れは多くの場合、集塵デバイス利用前よりも悪化する。
【0003】
S.C.ジョンソン社(S.C. Johnson company)は、スプレー溶液と組み合わせて使用される使い捨て集塵デバイスを導入した。このシステムは、視覚的に目立つ残留物を残す傾向がある。この残留物は、ガラス及び光沢のある表面に容認できない霞んだ外観をもたらす。木材表面では、ダスターが表面全体にわたって溶液を均一に広げることができないため光沢は多くの場合、一様でなく斑点がある。プレッジ(Pledge)システムの主な欠陥は、それが100%熱可塑性合成材料から構成されていることである。赤外線及び光学顕微鏡を使用した機器分析法は、プレッジ(Pledge)ダスターを構成する材料がポリエチレンとポリエステルとの二成分熱可塑性合成繊維であることを示している。これは、洗浄層を構成する取り付け層不織布及び繊維状麻くず材料を含む。合成不織布及び麻くず繊維などの合成繊維状材料が、乾式ダスティングに効果的な特性を有する一方、これらは、湿式ダスティング、汚れ除去又は湿式洗浄には適していない。ポリエチレン及びポリエステルなどの熱可塑性合成繊維は、水又は水溶液に対する低親和性及び低い水吸収性を有する。更に、繊維間に吸着される水又は水溶液は、結合が弱く、従って容易に表面に汚れを戻すことになる。その結果、合成繊維で構成されるダスターは、表面全体にわたって拭き取る際に、液体が均一に又は効果的に広がらない。
【0004】
集塵デバイスの洗浄特性を改善する試みがなされているが、問題及び欠陥を実質的に排除する集塵デバイスは今のところない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、塵粒子の広がりを最小にしユーザーの努力の成果を最大にするダスターをもたらすことが非常に望まれている。それ自体又は液体と組み合わせて使用される際、残留物を残さないダスターをもたらすことが非常に望まれている。更に、ダスターの機能性及び汎用性を最大にすることが非常に望まれている。本発明によってこれらの目標が達成される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の1つの態様は、被洗浄表面に接触可能な親水性不織布繊維を含む少なくとも1つの層(F)と取っ手(A)に取り付け可能な少なくとも1つの不織布層(C)とを含み、少なくとも1つの層(F)が少なくとも1つの自由端を備えるダスターパッドに関する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】親水性シートに取り外し可能に取り付けられるフォークを有するダスターを示す図。
【図2A】角度を付けた取っ手を有するダスターと平らな取っ手を有するダスターとの比較を示す図。
【図2B】角度を付けた取っ手を有するダスターと平らな取っ手を有するダスターとの比較を示す図。
【図2C】角度を付けた取っ手を有するダスターと平らな取っ手を有するダスターとの比較を示す図。
【図2D】角度を付けた取っ手を有するダスターと平らな取っ手を有するダスターとの比較を示す図。
【図3A】湿式ダスティングアダプターを更に含むダスターを示す図。
【図3B】湿式ダスティングアダプターを更に含むダスターを示す図。
【図4】グリッパ取り付け具を含むダスターを示す図。
【図5】2枚の不織布シートと不織布シートのループを有するダスターをそれぞれ示す図。
【図5A】2枚の不織布シートと不織布シートのループを有するダスターをそれぞれ示す図。
【図6】直線不織布層とループ不織布層とを有するダスターをそれぞれ示す図。
【図6A】直線不織布層とループ不織布層とを有するダスターをそれぞれ示す図。
【図7】親水性不織布を含む第3の別のダスターを示す図。
【図8】不織布と吸収性コアとを含むダスターを示す図。
【図8A】コア又は親水性不織布の切断パターンの平面図。
【図9】不織布と狭い吸収性コアとを含む別のダスターを示す図。
【図10】別のコアと不織布とを含むダスターを示す図。
【図11】両面湿式及び乾式洗浄が可能なダスターを示す図。
【図12A】湿式及び湿式ダスティング用フック及びループ取り付け機構を有するダスターを示す図。
【図12B】湿式及び湿式ダスティング用フック及びループ取り付け機構を有するダスターを示す図。
【図13A】一体型の乾式及び乾式ダスター設計を示す図。
【図13B】一体型の乾式及び乾式ダスター設計を示す図。
【図14】布地及びカーペット洗浄が可能なダスターを示す図。
【図15A】取っ手又はユーザーの手に取り付け可能なダスターシートを示す図。
【図15B】取っ手又はユーザーの手に取り付け可能なダスターシートを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書は、本発明を具体的に示し且つ明確に主張する特許請求の範囲をもって結論とするが、本発明は以下の説明によってより深く理解されると考えられる。
【0009】
本発明の装置、器具、方法、構成成分、及び/又は、組成物は、本発明の構成成分、及び、本明細書に記載のその他の成分を備えることが可能であるか、成分から実質的に成ることが可能であるか、又は成分から成ることができる。本明細書で使用する時、「実質的に成る」とは、装置、器具、方法、構成成分、及び/又は、組成物が、追加の成分を備えている場合があることを意味するが、追加の成分によって、請求する装置、器具、方法、構成成分、及び/又は組成物の基本的且つ新規の特徴が大きく変わらない場合に限る。
【0010】
別段の指定がない限り、本明細書において使用するすべての百分率及び比率は、組成物全体の重量によるものであり、又、すべての測定は25℃でなされるものとする。1度は、完全回転の1/360の大きさと等しい角度の平面単位である。可能であれば、角度は、内向き表面の外縁部と頂点との間を測定し、外縁部は、頂点から遠心に配置されている。
【0011】
本明細書で使用するすべての測定値は、特に指定のない限り、メートル単位である。
【0012】
本明細書に記載する全ての比率は、特に指定がない限り重量での基準である。
【0013】
本明細書で使用する時、「限定された再利用性」は、基材が1つの仕事(1つの仕事は表面の約9.3m3(100平方フィート)を洗浄することに等しい)に使用され、格納され、約2〜5以上の仕事(表面の約18.6〜約46.5m3(約200〜約500平方フィート)を洗浄)に再使用され、その後処分されることを表す。
【0014】
本明細書で使用する時、「使い捨て洗浄基材」は、基材が典型的に洗浄に使用され、その後処分されることを表す。そのような使い捨て洗浄基材は、限定された再利用性を有する。説明の目的上、羽毛ダスター、布地、ストリングモップ、ストリップモップ及びその類を含む従来のダスターは、この発明の目的の使い捨て洗浄基材ではない。
【0015】
本明細書で使用する時、「束繊維」及び/又は「麻くず」は、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、セルロースアセテートを含むセルローズ系材料及びこれらの混合物を包含する熱可塑性合成ポリマーを含み、個々の繊維が束で製造される長い連続ストランドである繊維を表す。束繊維が切断されるダスターの文脈の中では、束繊維は、開始と終点との間の距離が長さで少なくとも約1cmである別個の開始と終点を有する任意の繊維として定義される。
【0016】
本明細書で使用する時、「坪量」は、その領域で分割される不織布基材又は層の重量を表す。本明細書ではそれは平方メートル当たりのグラム(g/m2)として報告される。
【0017】
本明細書で使用する時、「親水性」、「生来親水性」及び「セルローズ性」は、水及び/又は水溶液に対して高い親和性を有する繊維を指す。親水性繊維としては、木から得られる又は微生物により生産されるセルロースパルプなどの木質繊維、並びに綿、大麻、黄麻、アバカ、ケナフ、サバイ草(sabai grass)、亜麻、エスパルト草、藁、バガス、トウワタ真綿繊維類及びパイナップル葉繊維類などの非木質繊維が挙げられるがこれらに限定されない。親水性繊維としては、レーヨン、ビスコース、リオセル、アセテート、トリアセテート及びその類などの生来親水性繊維に基づくが、化学的に処理されているものも挙げることができる。
【0018】
本明細書で使用する時、「親水性不織布層」又は「親水性不織布」は、親水性不織布繊維を含む層又は複数の層を指す。
【0019】
本明細書で使用する時、「水溶液(単数又は複数)」「ダスティング溶液(単数又は複数)」「洗浄溶液(単数又は複数)」は、1つの実施形態では大部分が水、他の実施形態では少なくとも約60%が水、更に他の実施形態では少なくとも約70%が水、更に他の実施形態では少なくとも約80%が水、更に他の実施形態では少なくとも約90%が水を含む等方性又は非等方性の洗浄溶液を表す。
【0020】
本明細書で使用する時、「疎水性」、「合成」、「熱可塑性」及び「生来疎水性」は、繊維が水及び水溶液に対して低い親和性を有するものを指す。生来疎水性である繊維としては、相同ポリマーランダム共重合体類又はブロックコポリマー類のいずれかのようなエチレン、プロピレン、スチレン、アミド類及びエステル類に由来するポリマーが挙げられる。
【0021】
本明細書で使用する時、「吸収性コア」は、基材1グラム当たり少なくとも約7グラムの脱イオン水の吸収性を更に発現する689Pa(0.1psi)重量で少なくとも約0.4mm厚さのキャリパーを有する親水性不織布材料として定義される。「飽和ハングドリップ」法は、コア及び他の不織布材の吸収性測定に使用される。乾燥不織布基材を予め重量測定し、その後1リットルの脱イオン水を包含して充填されたリザーバに浸した。基材を1分間浸漬させた。続いて、それを取り除き、不織布の長さが下に突出した状態で2つの末端部から垂直方向に吊るし、3分間自由にドリップさせる。その後、濡れた基材を計量し、差により吸収された溶液の量を求める。1グラム当たりの水のグラム吸収性は、乾式基材の重量により保持される液体の重量で除することにより計算される。コアは、典型的に少なくとも約70g/m2、別の実施形態では約75g/m2〜約500g/m2、別の実施形態では約75g/m2〜約300g/m2及び別の実施形態では約75g/m2〜約250g/m2の坪量を有する。吸収性コアは、水性流体保持のリザーバとして作用し、流体容量及び嵩を最大にするように不織布の密度が最高で約0.15g/cm3、別の実施形態では最高で約0.125g/cm3及び別の実施形態では最高で約0.10g/cm3であるように選択される。
【0022】
本明細書で使用する時、「動摩擦係数」は、基材が動作時に測定される約5g/cm2の圧力下で基材と所定量の脱イオン水に対して拭き取った表面との間に生じる摩擦を表す。
【0023】
本明細書で使用する時、「静摩擦係数」は、基材が休止時に測定される約5g/cm2の圧力下で基材と所定量の脱イオン水に対して拭き取った表面との間に生じる摩擦を表す。
【0024】
向きの目的上、特に指定がない限り、ダスターのz方向は、取っ手に最も近接した不織布層と垂直の方向であり、ダスターのx−y平面は、取っ手に最も近接した不織布層により画定される平面として定義される。
【0025】
意外にも、本発明のダスターが増加した洗浄効率をもたらすこと発見している。本発明は、使い捨てである利点、並びに木材、メラミン及びガラスなどの硬質表面から布地、室内装飾材料及びカーペットを含む軟質表面までの範囲の幅広い表面を洗浄及びダスティングする従来の布切れ、ペーパータオル及びその類の利益を組み込む。この性能は、取っ手とダスターパッドとを含むダスターにより達成され、前記ダスターパッドは、少なくとも1つの親水性不織布層、所望により少なくとも1つの吸収性コア及び所望により少なくとも1つの繊維束層を含む。1つの実施形態では、親水性不織布層、任意の吸収性コア及び/又は任意の繊維束層、及び任意のコアは中央で接合されダスターパッドを形成する。他の実施形態では、親水性シートは、洗浄表面に直接対向してダスターの外側部分に位置決めされ、任意の繊維束層は、任意のコア層と親水性不織布層との間に位置決めされる。他の実施形態では、親水性不織布層は、改良された洗浄のために、及び特に手が届き難い領域のホコリを取るために、互いから独立して自在に動く複数のストリップを含む。更に他の実施形態では、ダスターは、1つ以上の吸収性コアと組み合せてストリップに部分的に形成される親水性不織布層を含む。
【0026】
又、本発明は、湿式洗浄及び汚れ除去のため洗浄溶液と組み合わせて使用することができる。1つの実施形態では、洗浄溶液は、ダスターパッドに予め適用され、予め濡らされたダスターをもたらす。他の実施形態では、洗浄溶液は、ダスターパッド及び/又は被洗浄表面に投与するためエアゾールスプレー、非エアゾールスプレー、ボトルなどの別個の容器内に包含される。複数の表面への使用の場合、1つの実施形態における洗浄溶液は、多くて約1重量%、他の実施形態では、約0.5固体重量%を超える。
【0027】
理論に束縛されるものではないが、本発明の改善された洗浄は、ダスター及びダスターパッドの物理的特性の結果であると考えられている。発明のダスターパッドは、親水性不織布繊維を含む少なくとも1つの層を含み、層は、独立して動く少なくとも1つの自由端をもたらすような構成で固着される。1つの実施形態では、自由端は、親水性不織布繊維を含む少なくとも1つの層を第2層に部分的に固着することにより達成される。別の実施形態では、自由端量の増加は、親水性不織布繊維を含む層を複数個のストリップに切断することにより作られる。自由端は、移動が可能であり、従って、ダスターを平らな状態に圧縮し、ダスターの能力を増加させ、小さい空間に入り込むことを可能にする。移動する自由端を有する層を1つ又は代替実施形態においては少なくとも2つ有することにより、ダスターパッドの表面積を増加させ、広い領域のより良好な洗浄をもたらす。又、本発明のダスターは、使用するために「毛羽立たせられ」、三次元表面、不規則形状表面、曲面などを洗浄することができる。更に、他の集塵デバイスと異なりダスターパッド及び任意の吸収性コアの親水性繊維は、水を吸収及び捕集する高い能力を有し、湿式洗浄を可能にする。
【0028】
取っ手:
本発明のダスターは、取っ手を備える。理論に束縛されるものではないが、取っ手は、手の届く範囲及び操縦性を促進し、圧力を洗浄表面にもたらし、洗浄を改善し、塵とユーザーの手との間に隔離をもたらすと考えられる。任意の取っ手が、本発明のダスターパッドに挿入されること又は連結して使用されることを意図する。
【0029】
1つの実施形態では、本発明の取っ手は、つかみ部、取り付け部、及び拭き取り部を備える。つかみ部は、把持に使用される取っ手の部分として定義される。取り付け部は、つかみ部及び拭き取り部を作動的に接続する。拭き取り部は、取り外し可能にダスターパッドに接続することができる。1つの実施形態では、取っ手のつかみ部及び拭き取り部は、同じx−y平面内にある。別の実施形態では、取っ手のつかみ部及び拭き取り部は、異なるx−y平面内にある。そのような実施形態では、つかみ部及び拭き取り部の長さと幅により形成されるx−y平面は、x−y平面の交点から形成される角度が約70°〜約160°であるように互いに交差する。
【0030】
取っ手は、機械的及び化学的手段を含む当該技術分野において既知の任意の手段によりダスターパッド及び/又は任意の取り付け具に接続される。1つの実施形態では、ベルクロ(Velcro)(登録商標)フックなどのフック・ループ式ファスナーが、取っ手と組み合わせて使用される。他の実施形態では、少なくとも1つが、ダスターパッドに沿って少なくとも1つのポケット内に形成され、取っ手がポケット内に挿入される。
【0031】
以下は本発明のダスターを説明するために提供される非限定の取っ手である。当業者は、本明細書に提供される知識で別の設計ができることを認識するであろう。
【0032】
乾式ダスターで使用される用具の取っ手設計が、PCT国際公開特許WO 02/34101 A1(申請2001年10月25日、タナカ(Tanaka)ら)に記載されている。このダスターの代表的な図面を図1に示す。用具取っ手は、つかみ部A、移行部A1、取り付け部A2及び拭き取り部A3を含む。この図では、拭き取り部は、根元末端部で枝分かれし、平らで水平な2つの挿入プレート又はフォークを備え、ダスターパッドのポケットB内に形成される間隙に挿入される。
【0033】
図1に記載した用具は、洗浄される表面から上方に離れた角度で移行部A1を有する。それに比べて、図2B及び2Dに示す平型取っ手は、つかみ部A、取り付け部A2及び拭き取り部A3を有し、全てが同じ平面内にある。平型取っ手の設計は、不織布層の数が増加する時に、より人間工学的に使いやすくなる。これはA4で示され、用具が洗浄表面に対して平行な位置に保持される時の洗浄表面とつかみ部Aとの間の距離である。
【0034】
増加剛性をもたらすため図3A−3Bに示す取っ手は、拭き取り部の下にアダプターを組み込む。拭き取り部A2のフォークは、アダプター部分Jに取り付けられる。フォークA2は、アダプター部分J内に形成されるアイレットJ1を通り抜ける。この実施形態のアダプターは、フォークA2を再強化し、洗浄ベースを広げる。アダプターからの増加された剛性は、鏡、窓、TVスクリーンなどの枠組表面の縁部洗浄の利益になる。又、それは、全ての表面のz方向洗浄に対して改善された磨きと表面接触機能とをもたらす。アダプター片は、当該技術分野において既知の任意の手段により取っ手に取り付け及び取り外すことができる。取り外し機能は、ユーザーが湿式又は乾式ダスティングのいずれかのために可撓性フォークを有したい状況にある時有益である。両方のこれらの状況下で取り付けを可能にするため、1つの実施形態でのアダプターJは、追加の取り付け機構を含む。当業者に周知の全ての取り付け手段が考えられる。非限定的な例として、ベルクロ(Velcro)(登録商標)などのフック・ループ式ファスナーJ2をアダプターの底部に配置する。取り付けを確実にするため、ダスターポケットの最も外側部分の形成に使用される材料は、スルーエア不織布などの繊維状材料を含み、又はベルクロ(Velcro)(登録商標)フックと典型的に併用されるループ状の不織布を含む。別の実施形態では、フックと係合するように具体的に設計されるループ状の材料が選択される。好適なループ状の材料の非限定的な例としては、3M社(3M Corp.)から入手可能なXPL−99139を含むXPLシリーズ、アプリックス社(Aplix Corp.)からのシリーズ800、804及び040ループ、ベルクロUSA社(Velcro USA Inc.)からのシリーズ1000及び2000が挙げられる。
【0035】
別の実施形態では、取っ手全体が、用具の拭き取り部をより広く及びより堅くすることにより改善される。図3に示すフック・ループ取り付け手段並びに当該技術分野において既知の全ての他の機械的な締着装置が使用されることが考えられる。別の実施形態では、グリッパは、図10に示すように拭き取り部に組み込まれる。別の実施形態では、ダスター設計は、取っ手Aの拭き取り部より広い幅を有する取り付け不織布Cを含む。取り付け不織布Cの余分な幅は、不織布が拭き取り部A3に巻き付けられるのを可能にし、その結果、それは、用具の拭き取り部A3上に配置される切り離しグリッパJ3に固定することができる。
【0036】
ダスターパッド:
本発明のダスターは、ダスターパッドを含む。本発明のダスターパッドは、親水性不織布繊維を含む少なくとも1つの層を含む。ダスターに追加することができる親水性不織布繊維を含む層の数は限定されないが、性能及び商業的配慮により、2〜約20層、他の実施形態では3〜約15層、他の実施形態では4〜約12層が規定される。各親水性不織布の坪量は、約5〜約500g/m2、他の実施形態では約10〜約125g/m2、他の実施形態では約15〜約75g/m2及び他の実施形態では約15〜約50g/m2である。1つの実施形態では、親水性不織布は、共に接合される複数個のストリップに形成される。高セルロース含有率を有する不織布が考えられるが、それらは熱封止、圧力接着又は超音波溶接技術を使用した高速製造プロセスを使用するダスターに統合するのがより困難である。それゆえに、上記の高速製造プロセスに加えて接着及び縫い付けなどの他の固着方法が使用される。他の実施形態では、高速製造プロセスを使用した材料の統合を容易にするため、不織布は、親水性繊維とポリエチレン、ポリプロピレン又はそれらの混合物などの低融点熱可塑性合成繊維との混合物から有利に構成することができる。1つの実施形態では、低融点熱可塑性材料は二成分繊維からなり、内側繊維コアは高融点ポリプロピレン又はポリエステルであり、外側シースは低融点ポリエチレンである。1つの実施形態では、熱可塑性合成層は、約175℃より低い融点、別の実施形態では最高約150℃、別の実施形態では最高約130℃の融点を有する低融点材料から構成される。特に内側ポリプロピレンコアと組み合わされる際には外側シースポリエチレン層を含む二成分繊維も有利に使用され、より速い製造速度でより強い固着を促進することができる。
【0037】
1つの実施形態では、親水性セルロース及び低融解熱可塑性合成繊維は、均質に混合され、カード熱接着、スルーエア接着又はスパンレーシングなどの不織布作製プロセスを使用して布地に形成される。セルロース不織布作製の1つのプロセスは、湿式載置方式を使用して構成することができる。湿式載置方式は、セルロース繊維を用い、水と化学物質を使用してスラリーを作る。スラリーは、水切り可能な篩目上に定置される。スラリーを水切りするとそれはフェルトを形成する。これらのフェルトは、フェルトを圧縮ロールに通すことにより更に脱水され、その後、ティッシュペーパーを作製するために特に設計された乾式機により乾燥される。湿式載置プロセスは、非常に吸収性でリンティングが非常に低い不織布をもたらし、それは、特に繊維クズが非常に目立つガラスなどの表面の湿式ダスティング及び洗浄用途にきわめて有益である。
【0038】
高速製造プロセスを使用して固着を改善するため作製する別の手段は、ティッシュ層である第1の側と合成(又は主に合成)層である第2の側を含む積層体を作ることである。積層体は、接着、機械的な固着、ニードルパンチング、縫い付け、超音波溶接などを含む任意の数の手段により作製されることができる。1つの実施形態では、ティッシュ不織布と合成不織布とがスパンレースプロセスを使用して統合される。これは、予備形成ティッシュ不織布と予備形成合成不織布をスパンレースプロセスに供給する工程を伴う。スパンレースプロセスに使用される高圧ウォータジェットは、ティッシュを熱可塑性合成層に効果的に固着することができる。ウォータジェットからの高圧は、実際には組織層の一部の繊維を合成層の繊維に強制的に浸透させる。このことが、不織布の両側にセルロース繊維を含む基材をもたらす。
【0039】
更に積層体の強度を向上し層間剥離の問題を最小にするため、所望により追加のティッシュ層を合成層の暴露された側に適用し、3層サンドイッチ型構造体を形成することができる。市販のティッシュ積層体不織布は、アールストロム社(Ahlstrom Corporation)(米国コネティカット州ウィンザーロックス(Windsor Locks)、ツーエルムストリート(Two Elm Street))より商標名ジェネシステクノロジー(Genesis technology)として入手できる。材料は、スパンレースプロセスによりポリプロピレン繊維から構成される合成スパンボンド層に固着されるセルロースティッシュ層を含む2つの積層体である。
【0040】
この発明の文脈では、親水性繊維と疎水性繊維の両方を含む材料は、「水分率」試験に基づき親水性又は疎水性のいずれかとして特徴づけられる。試験は、約0.5〜1グラムの調湿材料の試料を用意し、それをオーブン内で約110℃で12時間乾燥し、続いてそれをより高い湿度(65%の相対湿度、及び21℃)で5日間再調湿することにより行われる。65%RHで平衡に達した後、増加した水分量をパーセンとして測定する、すなわち、水分率=[(65%RHでの総調湿試料重量−乾式後の試料重量)÷乾式試料重量]*100%。この発明の目的上、「親水性」材料複合物は、65%で少なくとも約2%、他の実施形態では少なくとも約3%、他の実施形態では少なくとも約4%、他の実施形態では少なくとも約5%、他の実施形態では少なくとも約6%の水分率を有する。以下の表1は、65%RHの平衡で%水分率が異なる繊維の種類の比較を示す。
【0041】
【表1】

【0042】
理論に束縛されるものではないが、親水性繊維(特に性質がセルロースであるもの)の水の親和性は、収着部位として機能する基材上の遊離ヒドロキシル又はアニオン基の存在によると考えられる。水は、水素結合により繊維に強く化学吸着され、二次極性相互作用によりある程度弱めに吸着され得る。又、塵は、濡らされ、続いて水溶液により親水性不織布に吸着され得る。化学吸着法の成功は、汚れと表面の水素結合抵抗力に打ち勝つ洗浄溶液及びダスターの能力に依存する。より親水性のダスターは、イオン及び水素結合作用を介して、疎水性ダスターには弱い又は存在しない固体吸着のエネルギーを最大化する。更に、水素結合は、拭き取り動作時ダスターと表面との間の摩擦を増加させ、ピックアップの機械的な作用をよりよくし、消費者に対して追加の圧力を及ぼす必要性を減少させる。最後に、親水性材料の高吸収性は、流体の強化吸上げを保証し、後に残る残留物の量を減少させる。それに比べて、疎水性繊維、特に麻くずなどの束繊維、及びそれほどではないにせよセルロースアセテートですら、流体及び埋め込まれた汚れの吸着、吸収及び保持について、乏しい動力学と熱力学の影響を受ける。水性組成物の存在は、水との相互作用を低めるように束を互いに束ね、このことが洗浄プロセス時に筋の形成を招く場合がある。吸収性の利益なしに、水性組成物の乾燥後に筋はストリークに変わる。
【0043】
他の不織布層及び織布層が、所望により本発明のダスターパッド内に使用されてもよい。これらの層は、疎水性、親水性及び中性層の任意の組み合わせを含む。当業者は、この発明により教示された後、どのような追加の層が組み込まれてよいかを直ちに理解するであろう。
【0044】
任意の合成繊維又は束繊維層:
本発明のダスターパッドは、所望により束繊維層を含む。本発明の束繊維層は、合成繊維も含む。1つの実施形態では、束繊維層は、発明の親水性不織布層と任意の方法で共に混ぜられる。別の実施形態では、束繊維は、ダスターパッドの最も外側周辺には位置しない。束繊維層は、乾式ダスティング能力を提供することにより発明のダスターの汎用性を増加させる機会を提供する。又、束繊維は、審美的な理由で組み込まれてもよく、例えば、ダスターの見栄え、感触及び充満度を改善する。乾式ダスターは、当該技術分野において周知であり、広く商品化されている。多くの市販のダスターの束繊維は、吸着された汚れの保持を増加させるようにワックス及び/又は油がコーティングされているが、1つの実施形態では、本発明の束繊維は、コーティングされていない。そのようにした粘着性のワックス及び/又は油を含むコーティングは、乾式用途での吸着された汚れの保持を改善するが、それらは、水性媒体と接触させると洗い落とされ又は効果がなくなることがある。束繊維がコーティングを含むと、本明細書のダスターの束繊維に存在するコーティングは、他の実施形態では容易に洗い落とされず、希釈水性化学により修正されない粘着特性を有する。
【0045】
繊維束又は合成繊維が存在する場合、前記繊維と親水性不織布及び/又は吸収材との重量比は、約10対約1、他の実施形態では約5対約1及び他の実施形態では約3対約1の範囲となる。洗浄がダスティングよりも重要である場合、繊維束と親水性不織布及び/又は吸収性コアとの重量比は、約2対1、他の実施形態では約1対約1、他の実施形態では約1対約3、及び他の実施形態では約1対約5である。
【0046】
任意の吸収性コア:
本発明のダスターパッドは、所望により吸収性コアを含む。吸収性コアは、689Pa(0.1psi)重量で少なくとも約0.4mm厚さのキャリパーを有する親水性不織布材料を含み、更に基材1グラム当たり少なくとも約7グラムの脱イオン水吸収性を有する。それ故に、吸収性は、典型的に親水性不織布のそれを超える。吸収性コアは、当該技術分野において既知の任意の方法により製造することができる。1つの実施形態では、吸収性コアは、エアレイドプロセスを使用して製造される。エアレイドプロセスでは、セルロース繊維又はセルロース/合成繊維のブレンドを大気中に浮遊させ、次にスクリーン上に置くことにより分離する。その後、繊維を回転穿孔シリンダー又は移動スクリーンベルト上に堆積させる。合成ポリマーは、通常、シース部分上の低融点ポリエチレン及びコアとしてより高い融点のポリプロピレン又はポリエステルから構成される二成分である。この合成ポリマーは、約5%対25%の比率でセルロースと均質にブレンドされる。繊維のバットが圧縮され、次にオーブンなどの加熱を通して送られ、部分的に二成分を融解し、それが繊維を共に溶融するのを助ける。リンティングを減少させるため、化学的バインダーエマルションをウェブの両側の外側表面上にスプレーする。乾燥繊維重量への典型的な付与は、約5〜25%の乾燥バインダである。バインダの水性処方は、典型的に7〜20%固体である。処方は、典型的にラテックスバインダと、ウェブへの浸透を助け層間剥離を減少させる界面活性剤と、硬化時架橋反応を加速する触媒とから成る。以下に記載する任意の不撓性層の場合のように、親水性コアは、1つの実施形態ではダスター取っ手に近接して位置決めされ、それにより洗浄及びダスティング用途の圧力点を提供する。
【0047】
任意のダスター不撓性材料:
上記した吸収性コアは、吸収性を付加するだけではなく取っ手の拭き取り部を不撓にする手助けをし、窓、鏡、TVスクリーンなどの縁部洗浄枠組表面に対して剛性をもたらし、しみ及び困難な汚れ洗浄に対する圧力点をもたらす。吸収性コア(単数又は複数)は、ダスターパッドに対してどこにでも位置付けることができる。1つの実施形態では、吸収性コア(単数又は複数)は取っ手の拭き取り部に近接して位置決めされ、別の実施形態ではダスター拭き取り取っ手部の長さに沿った圧力点を最大にするように直接取っ手に接触する不織布のすぐ下に位置決めされる。別の方法としては、本発明のダスターは、限定された吸収特性を有する不撓性層を含む。吸収材である好適な不撓性材料の非限定的な例としては、厚紙、PVA発泡体及び詰め物が挙げられ、好適な非吸収不撓性層の非限定的な例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルフィルム及びこれらの混合物、剛性発泡体、ゴム、木材、タイプ(Type)(登録商標)等が挙げられる。
【0048】
ダスター親水性不織布層の任意の予備湿潤:
1つの実施形態では、ダスター内の1つ以上の親水性不織布層は、洗浄溶液で予め湿潤される。1つの実施形態では、合成繊維及び「麻くず」繊維は予め湿潤されないが、セルロースアセテートから構成される繊維束は予め湿潤される。予備湿潤親水性ダスターは、ダスター重量当たりの化学重量で約1〜約10、他の実施形態では約1.2〜約8、他の実施形態で約1.5〜約7及び他の実施形態で約2〜約6の荷重係数で前記ダスターに負荷される洗浄溶液を含む。
【0049】
任意のこすり落とし領域
本発明のダスターパッドは、所望により磨き領域を更に含む。磨き領域の機能は、被洗浄表面により研磨洗浄をもたらすことである。当業者は、この発明の調査と同時にダスターパッド及び/又は取っ手上に磨き領域を含む多くの方法を直ちに理解するであろう。1つの非限定実施形態では、フックをダスターパッド上に配置し、磨き領域をもたらす。
【0050】
ダスターパッド実施例:
以下は本発明のダスターを説明するために提供される非限定のダスターパッドの実施例である。当業者は、本明細書に提供された知識で別の設計を行うことができることを認識するであろう。重要なことに、以下の全ての設計は、取っ手と親水性不織布(単数又は複数)とを組み込む。簡略化のため、取っ手の設計は、全体を通して同じとする、従って、当業者は、取っ手設計とダスター組成設計とを様々に組み合わせることができることを認識するであろう。以下の多くの設計例は、親水性不織布繊維と任意の繊維束又は合成繊維の両方を含む。当業者は、乾式ダスティングの文脈で繊維束又は合成繊維含有率が高くなればなるほど乾式ダスティング性能がよくなることを認識するであろう。逆に、親水性不織布含有率が高くなればなるほど湿式洗浄はよくなる。それゆえに、発明のダスターは、適用の必要性に応じて最適化することができる。束繊維は、審美的な属性又はダスターの魅力を向上させる唯一の目的のためダスター設計に組み込むこともできる。
【0051】
説明の目的上、「ダスター長さ」は、ダスターに挿入される取っ手Aの長さに平行に取り付け、層C&Dの平面に沿った方向として定義される。実際の長さの測定値は、ダスターの最も長い層で測定される距離に一致するように測られる。「不織布長さ」は、取っ手長さに平行なベクトルに沿った特定の不織布に対する縁部から縁部までのの不織布距離である。
【0052】
「ダスター幅」は、取り付け層C&Dの平面に沿った取っ手の長さに垂直な方向に一致する。実際の幅の測定値は、ダスターの最も広い層で測定される距離に一致するように測られる。「不織布幅」は、取っ手長さに垂直のベクトルに沿った特定の不織布に対する縁部から縁部までのの不織布距離である。
【0053】
「ダスター厚さ」は、z方向の寸法として定義される。発明の目的上、厚さは、ダスターが包装から最初に取り除かれる際にその当初の状態を保持する「平らな厚さ」として定義され、「毛羽立たせられた厚さ」は、ダスターが波動を使用してほぐされた後の厚さである。以下に記載する多くの設計は、狭い空間で使用可能な圧縮性とそれが三次元表面を洗浄するのを効果的にしダスターの汚れ捕集能力を最大にできる弾力性を有する。厚さを変えるこの能力を測定するため平らな位置のダスターの厚さが先ず測定される。「平らな厚さ」は、その包装に触れることなく、ダスターをその包装から取り除くことにより測定される。プレキシガラス箱内で洗浄側を伏せた状態で平らなダスターを定置する。箱寸法は、ダスターが引っかからないで納まるように、ダスターの縦方向と横方向の両方で約1cm大きくなっている。厚さは、ダスターの洗浄側が表面から最も遠くに離れたダスターの反対側の最も高い点に触れる表面から測定される。定規を使用しダスターの長さに沿った5個の異なる点及び幅に沿った3個の異なる点で厚さを測定する。これらの平均が平らな厚さを表す。「毛羽立たせられた」厚さを測定するため縦方向のダスターの縁部を各々の手の指でつかむ。ダスターの洗浄面を下にして激しくテーブルの角部で10ストロークこすりダスターをほぐす。次に「S」又は「波」運動を使用し、ダスターを上下に動かしながら、指でつかみながらそれを毛羽立たせる。これは、10回の激しい上下運動で行われるべきである。毛羽立てられたダスターを洗浄側を伏せた状態で注意深くそれを圧縮しないようにプレキシガラス箱内に静かに定置する。定規を使用し平らなダスター測定と同様にダスターの長さに沿った5個の異なる点及び幅に沿った3個の異なる点で厚さを測定する。これらの平均が毛羽立てられた厚さを表す。1つの実施形態では、「毛羽立てられた厚さ」と「平らな厚さ」との比率は、約2対1〜200対1、別の実施形態では約3対1〜100対1、及び別の実施形態では約5対1〜約50対1である。
【0054】
ダスターパッド実施例1
麻くず繊維と不織布がダスターの外側洗浄部分に定置される1つ以上の親水性セルローズ系不織布を組み合わせた本発明の例を図5に示す。取っ手Aは、第1不織布層Cの側と第2不織布層Dの取り付け側を固着することにより形成されるポッケトBに挿入する。取り付け側不織布の下で1つ以上の合成又は繊維束層E(麻くず繊維の連続ストランド)は、部分的に取り付け側不織布ベース材料Dに固着される。繊維束層Eの下で1つ以上の親水性不織布Fは、別の実施形態では一重シールGを使用して繊維束層Eに部分的に固着される。ダスターの長さに沿って一重シールを使用し親水性不織布を取り付けることで自由端の利用により拭き取りプロセス時に不織布にいくらかの運動の自由度をもたらす。不織布が前後に移動する能力は、特に乾式ダスティングの場合、繊維束の一部を暴露させるのに特に重要である。一重シールG及び二重シールBは、連続又は不連続であってもよい。親水性及び束繊維層の利用が濡れた又は乾燥した状態での効果的な性能を可能にする。
【0055】
図5Aは、親水性不織布がループ形状F1の形態であることを除いて、図5と類似している。ループは、2つの不織布層の末端部を用い、それらを互いに折り畳み、続いてそれらを互いのまわりに取り付けることにより形成される。
【0056】
ダスターパッド実施例2
別の実施形態を図6に示す。全ての要素は、親水性セルロース系不織布Fが取っ手Aの長さにより画定される軸線から放射する複数個のストリップに切断されることを除いて図5と同じである。例示の固着プロセスは、取っ手Aに平行な寸法であるパッドの長さに及ぶ一重シールGである。親水性不織布を複数個のストリップに切断し、それにより更により多くの自由端を作り出すことでダスティングプロセス時の前後運動の自由度を改善し、塵を拾い上げることを助ける束繊維(麻くず及び/又はセルロースアセテート)を更により多く暴露することを可能にする。複数個のストリップは、使用時に不織布三次元表面積も増加させ、狭い空間によりよく到達し、不織布繊維の利用を強化する。図6Aは、複数個のストリップを形成するのに使用される不織布がループF1の形態であることを除いて、図6と類似している。このダスター設計が、濡れた又は乾燥した状態での効果的な性能を提供する。
【0057】
ダスターパッド実施例3
別の実施形態を図7に示す。親水性不織布層Fの1組が外側洗浄部分の上又は繊維束Eの下に定置されることを除いて全ての要素は図6又は6Aの設計と同じままである。親水性不織布F1の1つ以上の追加の層は、取っ手に近接して配置される繊維束E1の層間に定置される。繊維束の層間に親水性層を有することで繊維束EとE1との間により高い吸収性領域をもたらす。繊維束が合成繊維(特に麻くず)から構成される実施形態では、より高い吸収性領域は、それらが飽和しないように合成繊維から水分を引き離す手助けをする。所望により、繊維束層EとE1との間に設置される親水性不織布F1及び繊維束Eの外側洗浄側に配置される親水性不織布Fは、図6Aに示すようにループの形態であってもよい。このダスター設計が、濡れた又は乾燥した状態での効果的な性能を提供する。
【0058】
ダスターパッド実施例4
別の実施形態を図8に示す。1つ以上の吸収性コア層Hが繊維束層Eと親水性不織布層F(又はストリップがループの場合F1)との間に付加されることを除いて全ての要素は図6又は7に示した設計と同じままである。吸収性コアは、捕集し保持することにより親水性セルローズ層によりもたらされるものよりも更に高い吸収能力と厚さを付加し、それは高溶液投与量を使用する洗浄及びダスティング用途に特に有用である。コアは又、ダスターに増加剛性をもたらし、製品外観を強化する。強化剛性は又、取っ手設計に追加の自由度をもたらす。従って、可撓性取っ手は使用の容易さに役立つが、それらは外観がもろく見える、又は壊れやすい可能性がある。そのような場合、吸収性コアが使用され頑固な汚れの洗浄及びこすり特性を強化する取っ手の長さに沿った圧力点をもたらすことができる。ストリップに形成されるコアと親水性不織布の組み合わせは、予め濡らされた拭き取り用の布の頑固な汚れの洗浄と、同じ実施で従来のダスターの狭い空間への到達と、を発揮する可能性をもたらす。このダスター設計は、特に濡れた状態での効果的な性能をもたらすが、乾燥した状態でも使用することができる。
【0059】
繊維束からの繊維は、コア及び親水性不織布をストリップに切断することによりもたらされた間隙に進入できることが認識される。これらの束繊維がこれらの空間を通って進入すると、それらは、親水性不織布からの吸収及び摩擦を遮ることができる。更により優れている設計が線図で図8に示され、それは、吸収性コア及び/又は親水性不織布の切断パターンの平面図を示す。この設計では、幅寸法のストリップを形成するための切断は連続的ではなく、コア及び/又は採集ストリップの中心部分は、全長さFLにわたって固体ストリップのままである。切断ストリップ長さFSLの寸法及び非切断中心幅FCWの寸法は、繊維束の進入を最小限にするように最適化されるが、なお十分な切断ストリップ長さを有し、ストリップが前後に移動するのを可能にする。非切断中心幅FCWの寸法は、1つの実施形態ではダスター幅FWの約25〜75%、別の実施形態ではダスター幅FWの約30〜65%、及び別の実施形態ではダスター幅FWの約50%である。
【0060】
ダスターパッド実施例5
別の実施形態を図9に示す。吸収性コア層Hが、本質的に1組の移動可能な複数のストリップに切断されていないパッドの中心に位置決めされるx−y次元の固体片であることを除いて、全ての要素は図8に示した設計と同じのままである。1つの実施形態では、吸収性コアの横方向寸法は、繊維束Eの幅より狭く、1つの実施形態では繊維束Eの幅の約25%〜約75%、別の実施形態では約25%〜60%、及び別の実施形態では約40%〜60%である。1つの実施形態では、繊維束Eは洗浄表面に接触しない。これらの繊維束Eは熱可塑性合成繊維から構成されるので、それらは十分に吸収せず、親水性不織布の摩擦及び吸収性に負に影響を及ぼす場合がある。1つ以上の固体吸収性コアを繊維束Eと親水性不織布複数個のストリップF(又はF1)との間に置くことで繊維束が複数個のストリップ間の空間を通って進入するのを実質的に防止する。このことが親水性不織布ストリップの洗浄能力に対する繊維束に起因する干渉を緩和する。本質的には、ダスターは、2つの異なる洗浄領域を有するように最適化される。ダスターの外面は、高吸収性及び溶液を平らにする能力がストリークを避けるため重要であるガラス鏡及び窓などの洗浄表面を最適化するダスターの部分を表わす。繊維束は典型的に捕集される塵に対してより大きい表面積及びより大きい数の取り付け点を提供するのでダスターの側部は塵を除去するため最適化される。
【0061】
ダスターパッド実施例6
ダスターパッド実施例6は、取っ手、ストリップに切断される親水性不織布及び任意の固体コアを含む。それは、図5〜9に示したダスターパッド実施例1〜5の繊維束層を含まない。設計から束繊維を取り除くことで湿式洗浄及びダスティング用途向けダスターを最適化し、上記で開示した設計に関連する乾燥した状態の使用を抑制する。この設計は、水性流体の有意な量を必要とする鏡及び窓を含むガラスなどの表面の洗浄に特によく適合する。この設計は、特に湿らされた形態の塵を拾い上げることに効果的である。
【0062】
設計の別の実施形態を図10に示す。取り付け側第1不織布層Cと取り付け側第2不織布層Dを固着することにより形成されるポケットBに挿入する取っ手Aから始める。取り付け側不織布の下で1つ以上の吸収性コアHが取り付け側不織布ベース材料Dに固着される。吸収性コア層Hの下で親水性不織布(hydrophilic nonevents)F(又は、層がループに形成される場合F1)の複数の層はダスター構造の外側部分を形成する。
【0063】
他の実施形態では、取り付け不織布C及びDのすぐ下の1つ以上の親水性層は、B1により示されるものなどの広い二重シールを使用して固着される。広い二重シールは、吸収性コアHの縁部の外部に位置決めされることが意図される。これらの親水性層の下で1つ以上の層は、コアB1を包み込むために使用される広い二重シールと比較して空隙部が狭い二重シールB2を使用して固着される。これらの層の下で1つ以上の追加の親水性層は、一重シールGを使用して取り付けられる。この種のダスターの充満度を最適化するため、種々の層の取り付け点シール数及び取り付け点シール幅は、他の実施形態では取っ手に最も近接した層がより広い取り付け点を有するのに対して取っ手から遠くに離れた層がより狭い取り付け点を有するように構成される。この理念の具体的な実施は、層の数と層の不撓性に依存する。広い固着幅から狭い固着幅を有することにより繊維が濡れる時、層はより均一な半円形状を作る。シールするのに使用される固着構成は、連続又は不連続であることができる。固着は、熱的、機械的、圧力及び超音波固着、接着剤固着、縫い付け、並びにそれらの任意の組み合わせを含む任意の手段により達成できる。
【0064】
ダスターパッド実施例7
図11に示すダスターパッド実施例7は、2つの側部を含み、第1側部は取っ手と麻くず繊維などの束繊維、他の実施形態では麻くず繊維を含み、第2側部は親水性不織布層を取っ手のダスター拭き取り部に取り付ける定着機構を含む。ダスターの第1側部は、構造的及び組成的に市販のスウィッファー(Swiffer)(登録商標)ダスターと類似している。それゆえに、それは優れた乾式ダスティング利益をもたらす。湿式ダスティング及び洗浄用途を意図した第2側部は、親水性不織布Fのいくつかの層を含み、他の実施形態では複数個のストリップに切断され、吸収性コアHは取り付け側に最も近接したストリップ上に位置決めされる。コア上でバリア層Kは、当該技術分野において既知の任意の定着機構手段を使用してダスター拭き取り部に取り付けられる。定着機構は、例えば粘着性ポリマー類(例えば、ポリイソブチレンポリマー類、N−デシルメタクリレート及び混合物)、感圧性接着剤類(例えば、商標名HL−1496、HL−1500、HM−1597、HM−1902、HM−1972、HM−2713を有するHBフラー(FULLER))、オイルゲル類(例えば、ナショナルスターチソフトゲル(National Starch SoftGel)546−47E)又はパラフィン状ワックス類、蜜蝋又は微晶性ワックス類から構成することができる。この2側部ダスター設計を用いて消費者は、湿式ダスティングにスプレーボトルを使用することができる。1つの実施形態では、バリア層は、ポリエチレンフィルムなどの水不透過性層である。別の取り付け具は、バリア層の上部に位置決めされるフックL1で構成することができる。これらの取り付けフックは、他の実施形態では使い捨ておむつの取り付け具に使用されるもののように低コストである。フックの市販の例としては、アプリックス社(Aplix Inc.)(米国ノースカロライナ州シャーロット(Charlotte)、スティールクリークロード123000)により製造されたアプリックス(Aplix)963、964、731及び946が挙げられる。
【0065】
ダスターパッド実施例7は、親水性不織布層を乾式ダスティング用に設計される層から明確に分離する。それゆえに、それは、乾式ダスティング、湿式ダスティング及び洗浄の一体型システムとしての適正を直観的に伝える。親水性不織布層からの繊維束の明確な描写は、水性化学の効果に関する関心の減少のため、ワックス、油類、感圧性接着剤類及び粘着性ポリマー類などの粘着性コーティングを塵捕集向け束繊維に組み込むことを可能にする。例えば、使用に関する指導は、ダスターの第1側部を使用して第1乾燥塵を促し、続いて湿式ダスティング及び洗浄用途向けに親水性不織布層を取っ手拭き取り部の裏側に取り付けるのを可能にする。ダスターパッド実施例7は、角度を付けたダスター取っ手コネクタ部分を示し、それは、図2B及び2Dに示したものと同様に平らにすることにより最適化することができる。このことがダスターをより人間工学的に使いやすくし、ユーザーが取っ手つかみ部を容易に180°反転し、取っ手が表面にぶつかることなく乾式ダスティングから湿式ダスティングに変更することができる。別の方法としては、乾式から湿式に容易に変更するため、米国特許出願公開第11/436441(ボニラ(Bonilla))に示されたようにフォークを360度旋回し、その全体が参照として組み込まれる。更に他の実施形態では、取っ手は、取っ手の遷移部分に回り継手を備える。回り継手は、用具のつかみ部が一定位置に保持されるのを可能にするが、乾式ダスターから湿式ダスターに切り換えるため取っ手の取り付け部分の向きを180°変える。この設計では取っ手のコネクタ部分は角度を付けた状態で保持することができる。
【0066】
ダスターパッド実施例8
別の2側部システムを図12に示す。用具拭き取り部A2は、拭き取り/取り付け部A2の両側に取り付けるためのベルクロ(Velcro)(登録商標)フックJ2を有する。乾式ダスティング繊維束及び親水性不織布層は、上で述べたようにフックに固定することができる。
【0067】
ダスターパッド実施例9
別の2側部システムを図13A〜13Bに示す。この実施例は、一体型乾式及び湿式ダスターである。用具Aは、ダスターの中心に配置される不織布C及びDで形成されるポケット内に挿入される。ダスターの一方の側に親水性不織布Fと吸収性コアHが上記の設計と同様に位置決めされる。他方の側に1つ以上の合成又は繊維束層E(麻くず繊維の連続ストランド)が一重シールGを使用して取り付けられる。別の実施形態では、取っ手に最も近接している湿式ダスター上の不織布は、二重シール固着のすぐ外側でその長さに沿って穿孔されている。この切り取り線は、それが消耗される時にダスターの湿式部分を剥離可能とし、乾式ダスター部分の連続的な使用を可能にする。乾式が湿式よりも先に消耗されるという、逆の要求が起こる際には、切り取り線は、乾式ダスター部分の取り付け不織布に組み込まれていることを必要とする場合がある。別の一体型設計が考えられる。並列構成のダスターをダスターパッド実施例9Aとして図13A〜13Bに示す。このダスターパッド実施例9Aでは、左又は右のいずれかが湿式ダスティング向けに設計され、対向する左又は右側部が乾式ダスティング向けに設計される。左と右側部の両方は、左と右側部の両方が取り付けられる1つの片である取り付け不織布Cを除いて大部分のダスターの2つの分離した別個の切断部分である。この設計によりユーザーは、取っ手の拭き取り部分を組み合わせダスターの左又は右側部に定置する。続いて、対向する末端部を折り重ね、両面ダスターを作る。取っ手は、1つ以上のポケットC2、ベルクロ(Velcro)又は他の取り付け手段に挿入することにより保持される。ダスターが折り重ねられる時、1つの実施形態では追加の取り付け機構は、両面構成を所定の場所C3に保持するように備えられる。取り付け機構としては、接着剤、ベルクロ(Velcro)、フック・ループ式ファスナー、グリッパなどの機構及びその類が挙げられる。切り取り線が付加され、右側部を左側部C1から分離可能とする。
【0068】
ダスターパッド実施例10
図14に示すダスターパッド実施例10は、取っ手、親水性不織布及び任意の固体コアを含む。他の実施形態では親水性不織布Fは複数個のストリップに切断することができる。この設計では、幅寸法のストリップを形成するための切断は連続ではなく、採集ストリップの中心部分は図8Aに示した設計と同様に全長さにわたって固体ストリップを残す。更に、不織布Fは、移動を限定するため2つの固着線B1を使用して固着される。布地及びカーペットを洗浄するため、ダスターは、最も外側の親水性不織布の外側部分に位置決めされるベルクロ(Velcro)(登録商標)フックL1を更に含む。これらのフックは、毛髪及びリントをこすり、拾い上げ、保持するように機能することができる。フックの市販の例としては、アプリックス社(Aplix Inc.)(米国ノースカロライナ州シャーロット(Charlotte)、スティールクリークロード123000)により製造されたアプリックス(Aplix)963、964、731及び946が挙げられる。
【0069】
ダスターパッド実施例11
図15に示すダスターパッド実施例11は、取っ手、親水性不織布及び図10に示したダスターパッド実施例6と同様の任意の固体コアを含む。設計の修正は、取り付け部分である。このダスターは、それが取っ手に取り付けられ又は手により使用できるように設計される。ダスターを手で使用することで追加の圧力又は研磨を必要とする仕事への適応性をユーザーに提供することができる。ダスターパッド実施例11では、不織布Cはダスター幅の約2倍以上である。この不織布は、それ自体の上に折り重ねられ、末端部で固着され、大きいポケット又は袋状開口部を形成することができる。ユーザーは、簡単に手を大きいポケット内に滑らせ、手でダスターを使用する。この大きいポッケトの下でダスターは二重シールを維持し、用具フォークが取り付けられるのを可能にする。この設計では、取り付けの別手段としては、図3A〜3B及び4に示されたものなどが使用される。又、ユーザーの手を挿入する大きいポッケトはダスター上に予め形成することができ、又はユーザーにより不織布を折り重ね、接着剤、ベルクロ(Velcro)などを使用してそれらを共に取り付けることにより形成されることが理解される。本発明の別の実施形態では、一連の2つ又はそれ以上のより小さいポケットがあり、手全体を1つの大きいポケットに挿入するよりも、ユーザーは1本以上の指を2つ又はそれ以上のより小さいポケットに挿入する。更なる別の実施形態では、手をポッケットに挿入するよりむしろ不織布を使用しダスターからの延長を構成する。これらの延長は、ユーザーの手でダスターをつかみ、表面上を拭き取る手段を提供する。
【0070】
摩擦試験:
理論に束縛されるものではないが、天然由来の親水性繊維の水に対するより高い親和性は、収着部位として作用するヒドロキシル基の存在によるものと考えられる。更に、これらの収着部位は水を吸収する時に、表面に対して「把持」又は摩擦も提供する。
【0071】
摩擦は、部分的には接触表面の平滑度にも依存し、2つの表面が平滑である場合よりも起伏がある場合に、互いに対して動かすのにより大きい力が必要になる。しかしながら、摩擦は平滑度によってある程度までしか低減されない。実際には、2つの非常に平滑な表面間では、それらの原子間の誘引的な静電気力が増大するために摩擦が増大する。摩擦は、動いている本体間の接触している表面積の大きさ、又は(ある程度の制限内での)本体の相対速度には依存しない。しかしながら、本体を共に保持している抵抗力の大きさには依存する。本体が水平面上を動いている時には、その重量、すなわちそれにかかる重力の引張力に等しい力で表面に押し付けられる。本体の重量が増加すると、接触している表面の相対的な動きにもたらされる抵抗も増加する。
【0072】
濡れた状態の親水性の、例えばセルロース基材が表面に押し付けられ移動させられる際、摩擦は、それが広範囲にわたる水素結合(セルロース基材のヒドロキシル基と水との間の)により乾燥している時よりも高い。水素結合は、2つの独立した極性分子、すなわち荷電が不均一に分布する、通常、酸素、窒素又はフッ素を含有する分子間に強い静電引力を作り出す。これらの元素は、強い電気求引力を有し、水素原子はこれらの間のブリッジとして作用する。水素結合は、イオン結合又は共有結合よりはるかに弱い。表面での濡れ基材の摩擦は、水素結合の程度に正比例する。天然由来の親水性ポリマーから成る材料は、水素結合に利用できる多数のヒドロキシル基を有するため、それは合成基材に比べるとより強いグリップ又は摩擦をもたらし、それは、水素結合のため遊離ヒドロキシル基を有さない。
【0073】
当業者は、合成繊維よりもむしろ天然由来の親水性繊維から成る材料、特に不織布材は、より大きい総吸収力、水性液体は繊維内によりしっかり保持されるため圧力を受けるとより大きい液体保持力、並びにより高い濡れ表面摩擦を有することを理解するであろう。これらの観測結果は、合成繊維よりもより多くの量の天然親水性繊維を有する天然親水性繊維と合成繊維との均質ブレンドから成る繊維性材料に関しても正しい。
【0074】
当業者であれば、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、アクリルなどの、合成繊維ベースであり、従って生来疎水性である繊維をより親水性に作用するように化学物質で処理できることも理解されるであろう。例えば、界面活性剤は、繊維が不織布に形成された後繊維の外側に適用することができ、又は界面活性剤は押出成形時に合成ポリマーに添加することができる。これらの工程で、合成疎水性繊維の表面張力を低減させることによって、より親水性の組成物を作製できるものの、こうした繊維は、レーヨン、綿、アセテートなど生来親水性の繊維が含有する機能性収着部位を依然として有さない。従って、これらの処理された合成親水性繊維が未処理合成親水性繊維に対してより多くの量の液体を吸収する能力を有する一方で、それらは水にしっかりと結合する又は水素結合により高い濡れ表面摩擦をもたらす能力が依然として不足している。逆に、生来親水性の繊維を処理して疎水性にできることを、当業者であれば理解するであろう。レーヨン繊維から構成される不織布の外側表面は、ワックス類、油類などでコーティングされてもよい。この処理により、生来親水性の繊維は、水に対するより低い親和性と、より低い濡れ表面摩擦とを有する。
【0075】
「摩擦係数」試験方法
濡れ環境での摩擦を評価するため、「摩擦係数」試験を使用し、組成を変えたダスターを試験する。この試験方法は、摩擦/剥離試験機型式225−1(19154米国ペンシルバニア州フィラデルフィア(Philadelphia)のスウィング・アルバート・インスツルメント社(Thwing-Albert Instrument Company)から)を使用する。この機器は、材料の静摩擦係数及び動摩擦係数の両方を測定するのに使用できる。ダスターの摩擦係数は数Uとしてとらえることができ、それは、物体を共に押す法線又は垂直の抵抗力Fnで除した摩擦の抵抗力Frに等しい。
【0076】
当業者であれば、実質的に平らな平滑面と接触している物体(又は固体)に抵抗力を加えた場合、この固体は、静摩擦による抵抗力が克服されるまで動かないことを、理解するであろう。動摩擦(又は抵抗力)は、静摩擦が一旦克服された後の一定した動きを制御する力である。
静摩擦、特に動摩擦は、特に表面が濡れた状態の時、表面で拭き取られるダスターの能力に影響を及ぼす。
【0077】
被試験試料材料の調製:
被試験ダスター試料を位置決めしダスターの長さと幅を求める。ダスターが縦方向に位置決めされた状態で横方向(取っ手が属する長さと垂直の方向)に平行に切断したダスターの外側縁部から2cmを取り除く。次に、切断がダスター幅に平行な方向の状態で試料を7cm幅に切断する。試験するダスター試料の寸法は、ダスターの実際の幅寸法だけ長い7cmである。この寸法は、異なるダスターに対して変わるが、典型的に約10〜20cmである。金属から構成される200gのスレッドは、その上及び底表面で2mm厚さの密な発泡体で覆われ、続いて防水のためにプラスチック積層体材料で更に覆われる。スレッド寸法は、幅6.5cm、長さ6.5cm、厚さ1.5cmである。スレッドの底部は、ダスター試料を取り付けるためのベルクロ(Velcro)フックを有する。幅6.5cm、長さ6.5cmのスレッドをダスター試料の中心の上方に注意深く置く。スレッドによりもたらされる単位面積当たりの圧力は、5g/cm2である。この圧力は、湿式洗浄で使用されるダスターにより加えられる典型的な圧力量をシミュレートする。
【0078】
試験表面の調製:
試験表面は窓に使用されるものなどの強化ガラスで作製される平滑なタイルである。ガラスタイルは、幅7.5cm、長さ30.5cm、厚さ0.5cmである。
【0079】
試験手順:
1.表示されたスレッド重量が200g(試験に使用されるスレッドの重量に相当する)になるまで「スレッド」ボタンを繰返し押す。
2.時間として20秒が表示されるまで、「試験時間」ボタンを繰返し押す。
3.「試験速度」ボタンを押して、スレッドの速度を1cm/秒に設定する(押圧速度、押圧試験、押圧戻りを確認するため)。
4.「戻る」スイッチを使用し、ロードセルを試験の開始点に置く。
5.20%IPAと脱イオン水から成る溶液を使用してガラスタイルを洗浄する。ペーパータオルで完全にスライドを拭く。続いて、脱イオン水を使用して洗浄し、ペーパータオルで完全に乾燥する。ダスターの標準のの実際の幅がガラスタイルの長さに平行に置かれるように第1試料をガラスタイルの上部に定置する。スレッドの背面はタイル試験表面の背面縁部の前約3.0cmに位置決めすべきである。スレッドとダスター試料をタイル経路の中心に、スレッド上のクランプがロードセル状のフックで一列に並ぶように、一列に並べる。次いで、「ゼロ」スイッチを押して、ロードセルをゼロに合わせる。
6.クランプを使用し試料と共にスレッドをロードセルに取り付ける。試料上に1度そっと押し下げ、それを表面に接触させる。
7.「試験」スイッチを押して試験を開始する。ロードセルが、スレッド及び試験試料を引き摺って左から右に移動する。開始位置にあるスレッドの後側縁部から終了位置にあるスレッドの前側縁部までを計測した、スレッドの移動距離は、約25cmである。
8.試験が完了したらロードセルを停止する、装置が静摩擦係数(ST)並びに動摩擦係数(KI)の測定値を表示する。乾式試料について動摩擦係数の測定値を記録する。
9.「戻る」スイッチを押して、スレッド及び試料を開始位置まで戻す。ロードセルからスレッドと試料を注意深く外す。20%IPA溶液でガラスタイル表面を再度洗浄し、ペーパータオルで磨いて乾燥する。
10.試験ダスター試料を注意深く取り除き、それを計量する。スレッドに再度取り付け、それを濡れ摩擦試験向けに調製する。ポンプスプレーボトル又はピペットを使用し、0.8mLの脱イオン水を直接ガラスタイルにスプレーする。溶液は、実験の開始時に試料基材をともなうスレッドが配置される領域の中心(左から右に測定した時タイルの縁部から約1cm、前方に測定した時タイルの背面縁部から4cm)に適用されるべきである。洗浄溶液は、幅が約5〜7cm(幅はスレッドの方向に垂直の長手方向寸法として画定される)、長さが5〜7cm(長さは動作中のスレッドの方向に平行の寸法として画定される)の領域を有する円又は楕円形状で適用されるべきである。スレッド及び試験試料を、洗浄溶液の真上に配置する。試料上に1度そっと押し下げ、溶液の一部を吸収させ、表面と接触させる。次いで、「試験」スイッチを押して試験を開始する。
11.再度試験が完了したらロードセルが停止し、装置が静摩擦及び動摩擦係数の測定値を表示する。「濡れ」試料について静摩擦係数及び動摩擦係数の測定値を記録する。
12.再び「戻る」スイッチを押して、スレッドを開始位置に戻す。試験試料をタイル表面から取り除き、それを計量し、吸収された溶液の量を求める。吸収性は、ダスター試料により吸収された溶液の量を用い、表面に適用された溶液の量で除し、100を乗することにより求められる。
13.20%のイソプロピルアルコール(以後IPA)を含む溶液を使用して試験タイルを洗浄し、ペーパータオルを使用してダスターがタイル上に残し得る全ての過剰の残留物を完全に拭き取る。この手順を3度繰返す。脱イオン水を用いて、タイルの上面を最後にもう一度拭取り、乾くまで磨く。
14.タイルを試験機器に再配置する。スレッドを取り、先の試験で残っているいかなる湿気をも拭き取って取り除く。ダスターの第2の試料を取り付ける。
15.工程4〜14を繰返し、試料1のダスターについて2度目の繰返しのデータとしての結果を記録する。
16.合計5回繰返すために、工程4〜14を更に3回繰返す。各結果の平均を計算し記録する(すなわち、「乾式」及び「湿式」COF)。
17.他の種類のダスター5つの試料を用い、材料の種類毎に全手順を繰返す。
【0080】
種々の種類のダスター構成(異なる不織布材料を使用した同じ設計を含む)を以前に議論した手順に従い試験する。試験した異なる材料の疎水性又は親水性の度合は変わるため、これらの材料の乾燥と濡れの両方の環境での硬い表面上で「滑べる」洗浄パッドの能力に及ぼす影響又は「動き」を評価することが可能である。試験される異なる試料は又、表面特性の観点でも異なっている。これらの材料のいくつかは、非常に円滑な外側表面を有し、試験表面と多くの接触をするが、他のものは繊維状束から成り、より不規則な表面接触をする。平滑な外側表面を有する基材材料により、硬質表面と接触している材料のより広い表面のため、より高い摩擦が生じると考えられている。
【0081】
以下の表2の図表は、試験したダスターを記載する。ダスターは、市販のダスターの比較例とこの発明に関する実施例を含む。
【0082】
【表2】

【0083】
【表3】

【0084】
表3のデータは、現在市販されているダスター、比較例1、2、3及び4の全てが、静的及び重要なことに動的(表面全体にわたって拭き取られた試料の摩擦)との両方について0.65未満の濡れ摩擦係数測定値を有することを示す。又、これらのダスターの吸収効率も約70%未満である。いくらかの量の親水性繊維を含有する不織布を含む実施例1〜8を比較すると全てが静的及び重要なことに動的の両方に対して0.65を超える濡れ摩擦係数測定値を有する。実施例4を除いて、実施例のほとんどが同様に70%以上の吸収効率を有する。実施例4は、80%のポリエステルと20%のレーヨンを含む不織布ストリップを使用して構成される。レーヨン親水性繊維の低比率が増加摩擦を助長するが、材料の吸収性は合成ポリエステル繊維の高い比率のため限定される。実施例9は、外側ストリップ層として100%のポリプロピレンから構成される。それは、0.65未満の静的及び動的摩擦係数も示すが、更にいくらかの量の親水性繊維を有する利益を立証する。1つの実施形態では、親水性不織布層は、少なくとも約20%の親水性繊維、他の実施形態では少なくとも約25%の親水性繊維、他の実施形態では少なくとも約30%の親水性繊維、更に他の実施形態では少なくとも約35%の親水性繊維及び更に他の実施形態では少なくとも約50%の親水性繊維を含む。1つの実施形態は、少なくとも約0.65、他の実施形態では少なくとも約0.75及び他の実施形態では少なくとも約0.9の動的摩擦係数を含む。別の実施形態では、動的摩擦係数は少なくとも約0.65、他の実施形態では少なくとも約0.75、及び他の実施形態では少なくとも約0.9であり、吸収性は、少なくとも約35%、他の実施形態では少なくとも約45%及び他の実施形態では少なくとも約65%である。
【0085】
水性洗浄溶液及び処方:
洗浄及び光沢組成物は、エアゾール若しくは真空噴霧器などの連続流供給、又はトリガー、ポンプ噴霧器などにより供給されるものなどの不連続流により供給することができる。
【0086】
連続デリバリーシステムからの出力の測定値は、1)噴霧器に呼び水し、2)ボトルを予め計量し、3)デリバリー機構を10秒間押し込み、4)ボトルを再度計量し、及び5)前後の差を求めること、により測定される。次に、その数を10で除し、1秒当たりの供給量を求める。
【0087】
非連続デリバリーシステムからの出力の測定値は、1)噴霧器に呼び水し、2)ボトルを予め計量し、3)デリバリー機構を10回押し込み、4)ボトルを再度計量し、及び5)前後の差を求めること、により測定される。次に、その数を10で除し、スプレー当たりの供給量を求める。
【0088】
上記したようにS.C.ジョンソン社(Johnson company)は、近年スプレー溶液と組み合わせて使用される使い捨てダスターを市場に送り出している。スプレーボトルに取り付けられる噴霧器は低投与噴霧器であり、各スプレー当たり約0.15gをスプレーする。洗浄溶液は、多表面溶液として好適であると宣伝されている。包装には、製品が木材から電子機器、鏡を含むガラスまでの広い範囲の種類の表面に使用できることが記載されている。洗浄溶液をいくつかの分析技術を使用して分析した。最初の技術は、洗浄溶液内の固体%を求めることであった。この分析は、5個の異なる試料を異なるボトルから取り1つのバッチに組み合わせることにより行われた。このバッチのアリコート15gを取り、計量し、予め計量されたペトリ皿内に定置した。続いて、これを140℃の一定温度の部屋内に1週間定置した。次に、試料を取り除き、4時間の乾燥工程に先立ち同じ温度と湿度で平衡させた。その後、固体重量%を溶液の出発湿潤重量に基づく差により求めた。プレッジダスタープラス(Pledge Duster Plus)多表面洗浄溶液は、約2.0%の固形%を示す。比較の点として、同じ技術を使用して、別のS.C.ジョンソン(S.C. Johnson)製品を分析した。この製品は、洗浄及び塵取りを意図した「多表面」製品として販売されている。主な差は、この製品がスプレー当たり約0.9gを投与する高投与トリガー噴霧器を使用して分与されることである。この製品もペーパータオル又は吸収布と共に使用されると宣伝されている。453.6g(16オンス)トリガースプレーとして販売されているプレッジ(Pledge)多表面製品は、約0.35%の固体%を示す。プレッジダスタープラス(Pledge Duster Plus)溶液の1スプレー(2%固体を含む0.15g)とプレッジ(Pledge)多表面トリガー溶液の1スプレー(0.35%固体を含む0.9g)を比較すると、表面に分与される固体の量は各製品のスプレー当たりの固体0.003gとほぼ同じである。しかし、2つの製品の実際の化学組成の更なる分析は、化学的性質が全く異なっていることを示している。プレッジダスタープラス(Pledge Duster Plus)溶液は、エトキシル化非イオン性界面活性剤、シリコーン(約0.4%)及び約98%の水と共に溶媒として石油留出物を包含する。プレッジ(Pledge)多表面トリガー溶液は、エトキシル化非イオン性界面活性剤、無シリコーン及び約97%の水と共に溶媒としてイソプロピルアルコールとグリコールエーテルを包含する。
【0089】
2つの異なる化学的性質の簡単な比較を行った。各製品の1スプレーをガラス鏡表面に適用し、その寸法の四半分に折り畳んだペーパータオルで乾燥するまで拭き取った。2つの製品の最終結果をフィルム/ストリーキング及び汚れについて比較した。汚れの評価は、清浄なペーパータオルを用い清浄な領域の一部を磨くことにより行った。表面に適用された固体量が2つの溶液間でほぼ同じであるにもかかわらずプレッジダスタープラス(Pledge Duster Plus)システムの一部として使用された溶液は、プレッジ(Pledge)多表面トリガースプレーに使用された溶液と比較してフィルム/ストリーキング及び汚れの両方で明らかに悪い性能を示す。そのように表面に適用され吸収された固体の量は最終結果フィルム/ストリーキング及び汚れに影響を及ぼすことができる一方、、使用された化学的性質の種類は、より大きい影響とまではいかなくてもそれと全く同じだけの影響を及ぼすことができる。
【0090】
洗浄組成物:
木材から電子機器、ガラスまでの広い範囲の多表面ダスティング及び洗浄に使用される洗浄組成物は、上記したような固体%を使用して測定する時少ない量の不揮発性洗浄剤を含む。固体%の量は、多くて約1.0%、他の実施形態では多くて約0.75%、他の実施形態では多くて約0.5%及び他の実施形態では多くて約0.3%である。固体%の量は、洗浄溶液と組み合わせて使用されるダスターの種類により決定される。具体的には、ダスターがより高い比率の合成繊維、それゆえにより少ない吸収材とより少ない液体を保持する場合、他の実施形態では固体%は多くて約0.5%、他の実施形態では固体%は多くて約0.3%である。洗浄溶液中の固体%は重要であるが、表面に分与される溶液の量も重要である。噴霧器の使用は、制御された手段で表面に溶液を適用する便利な方法である。ダスターを用いた溶液の場合、分与される溶液の量は、洗浄ばかりではなくダスティングの観点からも重要である。洗浄の場合、溶液は典型的に直接表面に分与される。ダスティングの場合、溶液は多くの場合直接ダスターにスプレーされる。それゆえに、噴霧器の投与出力は、ダスターの構成に使用される材料の組成に高度に依存する。プレッジダスタープラス(Pledge Duster Plus)システムの場合、ダスターは合成繊維100%から構成されるので、このダスターを使用するために選択される噴霧器は作動噴霧器当たり0.15gの低投与であるため、ダスターは過度に急速に飽和されない。しかし、上記したようにこの低投与量噴霧器でさえプレッジダスタープラス(Pledge Duster Plus)組成物に使用される固体%及び化学物質の種類はフィルム/ストリーキング及びスマッジング問題がなお発生するようなものである。プレッジダスタープラス(Pledge Duster Plus)洗浄溶液に包含されるシリコーンは、フィルム/ストリーキング及びスマッジング問題をもたらす主要な成分の1つである。1つの実施形態では、多表面洗浄溶液は、本質的にシリコーンが存在しない、他の実施形態では最高約0.025%のシリコーン含有率を含み、他の実施形態では更に多く、最高約0.015%のシリコーン含有率を含む。多目的用途に使用される組成物中のシリコーン量の制限と組み合わせて低水準の固体を組み込むことでスプレー投与量を増加させる追加の自由度をもたらす。本明細書において投与機構は、当該技術分野において既知のいずれであってもよい。投与機構は、他の実施形態では噴霧器により達成される本明細書に用いられるスプレー機構の非限定的な例としては、ポンプ噴霧器、トリガー噴霧器及びエアゾールが挙げられる。スプレー作動当たりのより高い投与量は、それがトリガー指の疲れを減少させるため、特に広い領域表面の洗浄及びダスティングに利益になる。又、それは、ダスティングに加え洗浄利益をもたらすのを助け、それは汚れ及び軽い染みの効果的な除去に重要であり得る。スプレー投与量は、噴霧器作動当たり約0.15g〜1.0g、他の実施形態では約0.15g〜0.9g、更に他の実施形態では約0.25g〜約0.75gである。別の実施形態では、本明細書に使用される噴霧器に関連するスプレーパターンは、被処理表面に溶液の均等な適用範囲をもたらすように液体ができるだけ均等に分与されるほぼ円形パターンである。1つの実施形態では、噴霧器機構は、被処理表面上20.3cm(8インチ)の距離から作動時約7.6cm(3インチ)〜約35.6cm(14インチ)の直径、他の実施形態では約10.2cm(4インチ)〜約30.5cm(12インチ)を有するほぼ円形パターンを形成する。
【0091】
水性組成物系
本明細書における水性組成物は、組成物の少なくとも50重量%の水、他の実施形態では組成物の約60重量%〜99.95重量%を含む。水に加え、水性組成物系は、高度に水溶性溶媒も含むことができる。「高度に水溶性」は、それは少なくとも30%(すなわち、100gの水/溶媒溶液中30gの溶媒)の蒸留水の溶解度を有する25℃での溶媒を意味する。高度に水溶性溶媒の例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール及びこれらの混合物が挙げられる。これらの溶媒は、そうでなければ活性が低い組成物に殺菌特性をもたらすために使用することができる。更にそれらは、香料の総量が非常に少ない組成物に特に有用であることができる。実質的に、高度に揮発性溶媒は、「浮力」をもたらし、香料の特性を強化することができる。高度に揮発性溶媒は、存在する場合、組成物の約0.25重量%〜約10重量%、他の実施形態では更に多く、約0.5重量%〜約5重量%、他の実施形態では最も多く、約0.5重量%〜約4重量%で典型的に存在する。そのような溶媒の例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール及びこれらの混合物が挙げられる。
【0092】
界面活性剤
発明の組成物は、所望により1つ以上の界面活性剤を含む。界面活性剤は、最も長い連続する炭素鎖中に約8個〜約18個の炭素原子を含む疎水性「末端」基と界面活性剤の類を非イオン性、双極性イオン性/両性、アニオン性又はカチオン性と定義する親水性先端基とから成る。1つの実施形態では、多表面洗浄溶液は、界面活性剤に起因する低水準の低残留物を含む。これらの界面活性剤は、洗浄溶液の約0.001重量%〜約0.75重量%、他の実施形態では更に多く、約0.01重量%〜約0.50重量%、他の実施形態では更に多く約0.05重量%〜約0.30重量%の界面活性剤の量で使用される。好適な界面活性剤がマカッチャンの第1巻:乳化剤及び洗剤(Emulsifiers and Detergents)、北米版(North American Ed.)、マカッチャン部門(McCutheon Division)、MCパブリッシング社(MC Publishing Co.)、2002年に記載されており、参照として本明細書に組み込まれる。
【0093】
1つの実施形態では、非イオン性界面活性剤が本発明の組成物に使用される。存在する場合、非イオン性界面活性剤は、組成物の約0.001重量%〜約0.5重量%を含む。他の実施形態では、水性組成物は、約0.005重量%〜約0.40重量%、更に多くの場合他の実施形態では約0.0075重量%〜約0.30重量%、更に他の実施形態では更に多く約0.01重量%〜約0.25重量%、他の実施形態では最も多く約0.025重量%〜約0.25重量%の非イオン性界面活性剤を含む。
【0094】
1つの実施形態では、本発明に使用される非イオン性界面活性剤の少なくとも1つはアルキル多糖である。そのような界面活性剤が、米国特許第4,565,647号、米国特許第5,776,872号、米国特許第5,883,062号及び米国特許第5,906,973号に開示されている。アルキル多糖類の中で、例としては、5又は6炭素糖環を含むもの、別の実施形態では6炭素糖環を含むもの、別の実施形態では6炭素糖環がブドウ糖、すなわちアルキルポリグルコシド類に由来するものが挙げられる。ポリグルコシドのアルキル部分は、脂肪、油、又は化学的に製造されたアルコールから得ることができ、糖部分は加水分解多糖類から得られる。アルキルポリグルコシド類は、脂肪族アルコールと相対的な親水性を画定する多数の糖単位を有するブドウ糖のような糖との縮合生成物から形成される。糖単位は、脂肪族アルコールとの反応前又は反応後のいずれかにおいて更にアルコキシル化されることができる。このようなアルキルポリグリコシドは、PCT国際公開特許WO 86/05199に詳細に記載されている。理論的には、アルキルポリグリコシドは、一般に分子的に均一な生成物ではないが、単糖類及び異なるオリゴ糖類の混合物とアルキル基との混合物を表す。グルコシド単位の平均数は、他の実施形態では約1.0〜約2.0、他の実施形態では更に多く、約1.2〜約1.8、他の実施形態では最も多く、約1.3〜約1.7である。アルキルポリグルコシド類(又しばしば「APG’s」と呼ばれる)は、それらが低残留物界面活性剤であるため、本発明の目的上、代表的な非イオン性物質である。APG鎖長内のアルキル置換基は、他の実施形態では約8〜約16の炭素原子を含有する飽和又は不飽和アルキル部分である。C8〜C16アルキルポリグルコシド類は、市販されている(例えば、フランス、セデックス(Cedex)7、75321パリ(Paris)、75クアイ・デ・オルセイ(Quai d'Orsay)のセピック社(Seppic Corporation)からのシムソル(Simusol)(登録商標)界面活性剤、並びにドイツ、ドュッセルドルフ(Dusseldorf)、ポストファック(Postfach)130164、D40551のコグニス社(Cognis Corporation)から入手可能なグルコポン(Glucopon)220(登録商標)、グルコポン(Glucopon)225(登録商標)、グルコポン(Glucopon)425(登録商標)、プランタレン(Plantaren)2000(登録商標)、プランタレン(Plantaren)2000N(登録商標)及びプランタレン2000NUP(Plantaren)(登録商標))。
【0095】
アルキルエトキシレート類は、本発明に好適な非イオン性界面活性剤の他の類を示す。本発明のアルキルエトキシレート類は、直鎖又は分枝鎖のいずれかであり、疎水性末端基内に約8〜約16個の炭素原子、及び親水性先端基内に約3〜約20個のエチレンオキシド単位を含有する。アルキルエトキシレートの例には、シェルコーポレーション(テキサス州ヒューストンのシェルプラザ(Shell Plaza)1、私書箱2463)により供給される、ネオドール91−6(Neodol 91-6)(登録商標)、ネオドール91−8(Neodol 91-8)(登録商標)、及びコンデアコーポレーション(Condea Corporation)(テキサス州ヒューストン、スレッドニードル(Threadneedle)900、私書箱19029)により供給される、アルフォニック810−60(Alfonic 810-60)(登録商標)が挙げられる。他の界面活性剤は、疎水性末端基内に約9〜約12個の炭素原子、及び親水性先端基内に約4〜約9個のエチレンオキシド単位を含むアルキルエトキシレート類である。これらの界面活性剤は、優れた洗浄の効果を提供し、本発明のコポリマーと相乗的に作用する。アルキルエトキシレートは、直鎖又は分枝鎖であることができる。分枝鎖アルキルエトキシレートの別例は、2−プロピル−1−ヘプタノールと2−ブチル−1−オクタノールのエチレンオキシド縮合物である。2−プロピル−1−ヘプチルE07は、ルテンゾール(Lutensol)商標名としてBASF社(BASF corporation)から入手できる。
【0096】
アミン酸化物類は、本発明に好適な非イオン性界面活性剤の他の類である。アミン酸化物類、特に疎水性末端基内に約10個〜約16個の炭素原子を含むものは、それらの強洗浄特性と低濃度で高水準の香料を溶解する能力のため利益になる。起こりうる泡立問題を軽減するのを助けるため、C10〜C16分枝状アミン酸化物を発明の組成物に使用することができる。本明細書に用いられる別の非イオン性洗剤界面活性剤は、一般にアルコールの疎水性アルキル鎖内に約8個〜約16個の炭素原子を含むアルコキシル化アルコール類である。典型的なアルコキシル化基は、プロポキシ基、又はプロポキシ基との組み合わせでアルキルエトキシプロポキシレートを生成するエトキシ基である。そのような化合物は、ローディア(Rhodia)(フランス、アウバービラーズセデックス(Aubervilliers Cedex)ルーデラハイエーコク(Rue de la Haie-Coq)40、F−93306)から商標名アンタロックス(Antarox)(登録商標)として市販され、及びシェルケミカル(Shell Chemical)から商標名ノニデット(Nonidet)(登録商標)として入手できる。
【0097】
又本発明に用いるのに好適なのは、フッ素化非イオン性界面活性剤である。1つの特に好適なフッ素化非イオン性界面活性剤は、フルオラッドF170(Fluorad F170)(3M社(3M Corporation)、米国ミネソタ州セントポール3Mセンター(3M Center))である。フルオラッドF170(Fluorad F170)は、次式を有する:
【0098】
【化1】

【0099】
又本発明に用いるのに好適なのは、シリコーン系界面活性剤である。界面活性剤のこれらの種類の1つの例は、ダウケミカル(Dow Chemical)(米国ミシガン州ミッドランド、スウェードロード(Swede Road)1691N.)から入手可能なシルウェットL7604(Silwet L7604)である。
【0100】
プロピレンオキシドとプロピレングリコールとの縮合によって形成される疎水性塩基とエチレンオキシドとの縮合生成物も又、本明細書で用いるのに好適である。他の実施形態では、これらの化合物の疎水性部分は、約1500〜約1800の分子量を有し、非水溶性を示す。この疎水性部分へのポリオキシエチレン(すなわちエトキシレート)の付加は、全体として分子の水溶性を増加させる傾向にあり、製品の液体特性は、ポリオキシエチレン含有率が縮合生成物の総重量の約50%である点まで保持され、それは、約40モルまでのエチレンオキシドを有する縮合物に相当する。この種の化合物の例としては、BASFにより市販のある種のプルロニック(Pluronic)(登録商標)界面活性剤が挙げられる。化学的にそのような界面活性剤は、構造(EO)x(PO)y(EO)z又は(PO)x(EO)y(PO)zを有し、式中、x、y及びzは、約1〜約100、他の実施形態では約3〜約50である。プルロニック(Pluronic)(登録商標)界面活性剤は、良好な湿潤界面活性剤であることが知られている。プルロニック(Pluronic)(登録商標)界面活性剤の説明及び濡れ特性を含むその特性は、BASFから入手可能な表題「BASFパフォーマンスケミカルズ(BASF Performance Chemicals)プルロニック(Pluronic)(登録商標)及びテトロニック(Tetronic)(登録商標)界面活性剤」のパンフレットに見出すことができる。
【0101】
他の好適な非イオン性界面活性剤としては、アルキルフェノール類のポリエチレンオキシド縮合物、例えば、アルキルフェノールの1モル当たりエチレンオキシドの約10〜約25モルに等しい量で存在するエチレンオキシドを有する、直鎖又は分枝鎖構成のいずれかに約6個から約12個の炭素原子を含有するアルキル基を有するアルキルフェノール類の縮合生成物が挙げられる。そのような化合物中のアルキル置換基は、オリゴマープロピレン、ジイソブチレン、又はイソオクタン、n−オクタン、イソノナン若しくはn−ノナンのその他の源に由来することができる。用いることができるその他の非イオン性界面活性剤には、糖のような天然の供給源から得られるものが挙げられ、更にC8〜C16N−アルキルグルコースアミド界面活性剤が挙げられる。
【0102】
双極性界面活性剤は、本発明の文脈内の界面活性剤の第2類を示す。存在する場合、双極性界面活性剤は、組成物の約0.001重量%〜約0.50重量%を含む。双極性界面活性剤は、幅広いpH範囲にわたって、同一分子上にカチオン性基とアニオン性基との両者を含有する。典型的なカチオン性基は四級アンモニウム基であるが、スルホニウム基やホスホニウム基などその他の正電荷を持つ基を使用することもできる。スルフェート、ホスフェート類など他の基も使用できるが、典型的なアニオン基は、カルボキシレート類及びスルホネート類であり、他の実施形態では、スルホネート類である。これらの洗剤のうちいくつかの一般的な例は、米国特許第2,082,275号、米国特許第2,702,279号及び米国特許第2,255,082号の特許文献に記載されている。
【0103】
いくつかの双極性界面活性剤の一般式は、
R−N+(R2)(R3)(R4)X-
(式中、Rは、疎水基であり、R2及びR3は、結合し、Nと環状構造を形成することができるC1〜4アルキルヒドロキシアルキル又は他の置換アルキル基であり、R4は、カチオン性窒素を親水性アニオン基に結合する部分及び典型的に1個〜4個の炭素原子を含有するアルキレン、ヒドロキシアルキレン又はポリアルコキシアルキレであり、並びにXは、親水基、多くの場合他の実施形態ではスルホネート基である)である。例示の疎水基Rは、約6個〜約20個の炭素原子、他の実施形態では多くて約18個の炭素原を含有するアルキル基である。疎水性部分は、不飽和部位及び/又は置換基及び/又はアリール基、アミド基、エステル等などの連結基を所望により包含することができる。「簡単な」双極性界面活性剤の具体的な例は、マッキンタイヤ社(McIntyre Company)(米国、60466イリノイ州ユニバーシティパーク(University Park)、ガバナーズハイウエイ(Governors Highway)24601)から商標名マッカム(Mackam)(登録商標)として入手可能な3−(N−ドデシル−N,N−ジメチル)−2−ヒドロキシプロパン−1−スルホネート(ラウリルヒドロキシスルタイン)である。
【0104】
R−C(O)−N(R2)−(CR32n−N(R22+−(CR32n−SO3-
式中、Rは、炭化水素、例えば約6個〜約20個、他の実施形態では約18個まで、多くの場合他の実施形態では約16個までの炭素原子を含有するアルキル基であり、それぞれ(R2)は、水素(アミド窒素に結合させる場合)、短鎖アルキル又は約1個〜約4個の炭素原子を含有する置換アルキルのいずれかであり、他の実施形態ではメチル、エチル、プロピル、ヒドロキシ置換エチル、プロピル及びこれらの混合物、多くの場合他の実施形態ではメチルから成る群から選択される基であり、それぞれ(R3)は、水素及びヒドロキシル基から成る群から選択され、並びにnは、任意の(CR32)部分内に約1個を超えるのヒドロキシ基を有することなく、約1〜約4、他の実施形態では更に多く、約2又は約3、他の実施形態では最も多く約3の数である。R基は直鎖又は分枝鎖、飽和又は不飽和であることができる。R2基も、環状構造を形成するように結合することができる。この種の界面活性剤は、商標名マッカム(Mackam)50−SB(登録商標)としてマッキンタイヤ(McIntyre)から入手可能であるC12〜14アクリルアミドプロピレン(ヒドロキシプロピレン)スルホベタインである。
【0105】
R−N(R12+−(CR22n−COO-
式中、Rは、例えば約6個〜約20個、他の実施形態では約18個まで、他の実施形態では更に多く、約16個までの炭素原子を含有するアルキル基であり、それぞれ(R1)は、短鎖アルキル又は約1個〜約4個の炭素原子を含有する置換アルキルであり、他の実施形態ではメチル、エチル、プロピル、ヒドロキシ置換エチル、プロピル及びこれらの混合物、より多くの場合他の実施形態ではメチルから成る群から選択される基であり、(R2)は、水素及びヒドロキシル基から成る群から選択され、並びにnは、約1〜約4、他の実施形態では約1の数である。この種の代表的な低残留物界面活性剤は、アルブライト&ウイルソン(Albright & Wilson)により製造されるエンピゲン(Empigen)BB(登録商標)、ココジメチルベタインである。
【0106】
他の実施形態では、これらのベタイン界面活性剤は一般式:
R−C(O)−N(R2)−(CR32n−N(R22+−(CR32n−COO-
式中、Rは、炭化水素、例えば約6個〜約20個、他の実施形態では約18個まで、多くの場合他の実施形態では約16個までの炭素原子を含有するアルキル基であり、それぞれ(R2)は、水素(アミド窒素に結合させる場合)、短鎖アルキル又は約1個〜約4個の炭素原子を含有する置換アルキルのいずれかであり、他の実施形態ではメチル、エチル、プロピル、ヒドロキシ置換エチル、プロピル及びこれらの混合物、多くの場合他の実施形態ではメチルから成る群から選択される基であり、それぞれ(R3)は、水素及びヒドロキシル基から成る群から選択され、並びにnは、任意の(CR32)部分内に約1個を超えるのヒドロキシ基を有することなく、約1〜約4、他の実施形態では更に多く、約2又は約3、他の実施形態では最も多く約3の数である。R基は直鎖又は分枝鎖、飽和又は不飽和であることができる。R2基も、環状構造を形成するように結合することができる。この種の界面活性剤は、マッキンタイヤ(McIntyre)により製造される商標名マッカム(Mackam)35HP(登録商標)、ココアミドプロピルベタインである。
【0107】
R−C(O)−(CH2n−N(R1)−(CH2x−COO-
式中、R−C(O)−は、約C5〜約C15プレ疎水性脂肪族アシル部分であり、各nは、約1〜約3、各R1は、他の実施形態では水素又はC1〜C2アルキル若しくはヒドロキシアルキル基、及びxは、約1又は約2である。そのような界面活性剤は、商標名リウォテリックAM(Rewoteric AM)(登録商標)としてゴールドシュミットケミカル(Goldschmidt chemical)から塩形態で入手できる。その他の好適な低残留性界面活性剤の例には、ココイルアミドエチレンアミン−N−(メチル)アセテート、ココイルアミドエチレンアミン−N−(ヒドロキシエチル)アセテート、ココイルアミドプロピレンアミン−N−(ヒドロキシエチル)アセテート、及び類縁体、並びにこれらの混合物が挙げられる。その他の好適な両性界面活性剤は、ドデシルβ−アラニン、N−アルキルタウリン(例えば米国特許第2,658,072号の教示に従って、ドデシルアミンをイセチオン酸ナトリウムと反応させることにより調製されるもの)、N−高級アルキルアスパラギン酸(例えば米国特許第2,438,091号の教示に従って製造されるもの)、並びに商標名「ミラノール(Miranol)(登録商標)」として販売され、米国特許第2,528,378号に記載されている製品のような界面活性剤によって表される。
【0108】
アニオン性界面活性剤も本発明の組成物内に使用するのに好適である。本明細書におけるアニオン性界面活性剤は、典型的に約8個〜約18個の炭素原子を含む疎水性鎖、他の実施形態では約8個〜約16個の炭素原を含み、典型的にはサルフェート、スルホネート又はカルボキシレート親水性先端基を含む。存在する場合、アニオン性界面活性剤の量は、他の実施形態では約0.005%〜約0.10%、他の実施形態では更に多く、約0.0075%〜約0.05%、他の実施形態では最も多く、約0.01%〜約0.03%である。アニオン性界面活性剤は、多くの場合「調色」効果により良好な表面最終結果の外観をもたらすのを助けるのに有用である。調色効果により、それは視覚表面のかすみが少ないことによる最終結果の外観の向上を意味する。理論により限定されるものでないが、調色効果は、組成物中の水性要素が蒸発する時に発生する界面活性剤系の凝集システムを解体することにより得られると考えられる。1つの調色作用界面活性剤は、アルコールエトキシレート類が本発明の組成物中に主な界面活性剤として使用される時最も有用である。調色作用界面活性剤としては、商標名バイオ−タージ(Bio-Terge)PAS−8(登録商標)としてステパン(Stepan)から市販のスルホン酸オクチル(米国、60093イリノイ州ノースフィールド(Northfield)ウェストフロンテージロード(West Frontage Road)22)が挙げられる。本発明に利益のある別の顕著な「調色」界面活性剤は、ルビスコル(Luviskol)CS−1であり、BASF(ドイツ、ルドイッヒシャーフェン(Ludwigshafen)67056)から購入することができる。存在する場合、ルビスコル(Luviskol)CS−1は、他の実施形態では主な界面活性剤(単数又は複数)に対して約1:20〜約1:1の重量比で使用される。
【0109】
本発明の組成物に好適であるアニオン性界面活性剤の他の非限定的な例としては、C8〜C18スルホン酸パラフィン類(ドイツ、フランクフルト(Frankfurt)、アクチエンゲゼルシャフト(Aktiengesellschaft)D−6230のヘキスト(Hoechst)からのホスタパー(Hostapur)SAS(登録商標))、C10〜C14直鎖又は分枝鎖アルキルベンゼンスルホン酸、C9〜C15アルキルエトキシカルボン酸塩洗剤界面活性剤(テキサス州ヒューストン、シェルプラザ(Shell Plaza)私書箱2463のシェルケミカル社(Shell Chemical Corporation)から入手可能なネオドックス(Neodox)(登録商標))、C10〜14アルキルサルフェート類及びエトキシサルフェート類(例えばステパン(Stepan)からのステパノールAM(Stepanol AM)(登録商標))が挙げられる。本発明の組成物に使用することができる他の重要なアニオンとしては、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム又はカリウム、ここでアルキル基は、約9個〜約15個の炭素原子を含み、特に米国特許第2,220,099号及び米国特許第2,477,383号に記載される種類のものが挙げられる。
【0110】
親水性ポリマー:
1つの実施形態では、水性組成物は、1つ以上の親水性ポリマーを含む。親水性ポリマーは、本発明の親水性ダスター及び水性組成物と良好に機能する。例示のポリマーは、強湿潤濡れ特性と汚れ凝集特性を有する。更に、ポリマー直接性は、それが湿潤及び洗浄利益を長びかせるので利益となる。親水性ポリマーの他の重要な特徴は、乾燥時に残留物がないことである。これらのポリマーを含む組成物は、表面でより均一に乾燥し、全くストリーク、フィルム又はかすみをもたらさない外観になるように手助けする。存在する場合、親水性ポリマーは、他の実施形態では水性組成物の約0.0001重量%〜0.25重量%、他の実施形態では更に多く、水性組成物の約0.005重量%〜0.15重量%、及び他の実施形態では最も多く、水性組成物の約0.01重量%〜0.10重量%の範囲の量で存在する。親水性ポリマーとしては、少なくとも約1%、他の実施形態では更に多く、少なくとも約5%、他の実施形態では更に多く、少なくとも約10%、他の実施形態では更に多く、更に少なくとも約15%、及び他の実施形態では最も多く、少なくとも20%の水溶性を有するホモポリマー及びコポリマーが挙げられる。好適な親水性ポリマーの非限定の類としては、ポリカルボキシレート類、ポリビニルピロリドン類、ポリグリコール類、多糖類、ポリビニルアルコール類、ポリサルフォネート類、ポリアミンオキシド類、ポリ−両性/双極性イオン類及びこれらの混合物が挙げられる。これらの物質は、米国特許第6,340,663号及び米国特許第6,716,805号に記載されており、参照として本明細書に組み込む。
【0111】
ポリカルボキシレート類は、少なくとも1,000g/モルの分子量を有するポリマー及びコポリマーである。それらはペンダントカルボキシレート官能基を含むエチレン性不飽和モノマーを出発とし、その後当該技術分野において既知の技術を使用して重合される。1つの実施形態では、ポリカルボキシレート類は、アクリレート、メタクリレート、アルキルアクリレート、アクリルアミド、アルキルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ブタジエン、スチレン、無水マレイン酸などの他のモノマーに共有結合されるアクリレート又はメタクリレートモノマー類を含む。ポリスチレン−アクリルコポリマー類が、本発明の特に有用なポリカルボキシレート類である。これらは商標名アルコスパース(Alcosperse)としてナショナルスターチ(National Starch)により販売されており、米国特許出願第2005/0096239A1(申請2004年10月5日、バーナバス(Barnabas)ら)に更に詳述されている。ポリビニルピロリドン類としては、ポリビニルピロリドン、四級化されたピロリドン誘導体類(インターナショナル・スペシャルティ・プロダクツ(International Specialty Products)からのガフクァット(Gafquat)755Nなどの)並びにポリビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート(ISPから入手可能)及びポリビニルピロリドン/アクリレート(BASFから入手可能)などのピロリドンを含有するコポリマーが挙げられる。ポリグリコール類としては、エチレングリコールを含むホモ及びヘテロポリマー類、プロピレングリコールを含む他の官能部分を含むランダム及びブロックコポリマー類が挙げられる。ポリエチレングリコールポリマーの代表的な分子量は、1,000g/モル〜約5,000,000g/モル、他の実施形態では更に多く約2,000g/モル〜約1,000,000g/モルである。多糖類ポリマーは、糖化学に基づくものであり、これらには、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、キサンタンガム、グアーガム、カチオン修飾グアーガム、イナゴマメゴムなどが挙げられる。ポリビニルアルコールポリマーは、その後加水分解されるポリビニルアセテートに由来するものである。加水分解度は、他の実施形態では少なくとも80%、他の実施形態では更に多く、少なくとも90%である。
【0112】
スルホネート基を含有するポリマーは有用であり、カルボキシレート基によく似たスルホネート官能基はポリマーの親水性を増加させ、良好な湿潤特性をもたらす。望ましいポリスルホネートポリマーの例としては、ポリビニルスルホネート及び実施形態では更に、モノマー−ポリマーダジャック(Monomer-Polymer Dajac)(19053ペンシルベニア州フィスタービル(Feasterville)、バスルトンパイク(Bustleton Pike)1675)により販売されるものなどのポリスチレンスルホネートが挙げられる。典型的な式は、次のとおりである。
−[CH(C64SO3Na)−CH2n−CH(C65)−CH2
式中、nは、スチレンモノマーの重合度を示す。典型的な分子量は、約10,000〜約7,000,000、他の実施形態では約50,000〜約1,000,000である。
【0113】
関心の他の親水性ポリマーは、アミンオキシド部分を組み込む。アミンオキシド基の部分正電荷は、ポリマーが表面により良好に付着するのを助け、それによりより長い恒久の湿潤特性を促進すると考えられる。アミンオキシド部分は、メラミン、木材、ガラス、繊維ガラス及び一般に消費者の家庭で見られる他のダスティング表面などの硬質表面とも水素結合することができる。ポリマー固定がより良好な湿潤を促進する限り、より高分子量材料が考慮される。分子量の増加は、アミンオキシド系ポリマーの効率と効果を改善する。1つの実施形態では、この発明のポリマーは、少なくとも1つのN−オキシド基を含有する1つ以上のモノマー単位を有する。前記ポリマーを形成する前記モノマーの少なくとも約10%、他の実施形態では少なくとも約50%、他の実施形態では更に多く、少なくとも約90%がアミンオキシド基を含有する。本明細書に使用されるアミンオキシドポリマーの平均分子量は、約2,000〜約500,000、他の実施形態では約5,000〜約250,000、及び他の実施形態では更に多く、約7,500〜約200,000である。
【0114】
1つの実施形態では、本発明のダスターと組み合わせて使用されるポリマーは、両性又は双極性イオンである。選択的に官能基を選ぶことにより、ポリマーは、表面に対して(ポリマーのカチオン性部分から)独立であることができ、更に表面の親水性修飾及び改善された湿潤(ポリマーのアニオン性部分から)をもたらす。この文脈で特に関心のポリマーは、出願WO 2004/083354号、WO 01/05920号及びWO 01/05921に記載されたものであり、参照として本明細書に組み込む。1つの実施形態では、ポリマーは、式:
【0115】
【化2】

のモノマーに由来し、式中、
1は水素原子、メチル基又はエチル基であり;
2、R3、R4、R5及びR6は、同じであるか又は異なり、直鎖又は分枝のC1〜C6のアルキル基、ヒドロキシアルキル基又はアミノアルキル基であり;
mは0〜10の整数であり;
nは、1〜6の整数であり、
Zは−−C(O)O−基又は−−C(O)NH−−基、又は酸素原子を表し;
Aは(CH2p基を表し、pは1〜6の整数であり;
Bは、1つ以上のヘテロ原子又はヘテロ基によって任意選択的に中断され、1つ以上のヒドロキシル基又はアミノ基で任意選択的に置換された、直鎖又は分枝のC2〜C12ポリメチレン鎖を表し;
同じ又は異なるXは、対イオンを表す。
【0116】
1つの実施形態では、発明のダスターと組み合わせて使用されるポリマーは、次式を有する:
【0117】
【化3】

式中、xは、0〜50モル%、他の実施形態では0〜30モル%の平均値を有し、yは、10〜95モル%、他の実施形態では20〜80モル%の平均値を有し、zは、3〜80モル%、他の実施形態では10〜70モル%の平均値を有し及びy:zの比率は、他の実施形態では約4:1〜1:2である。これらの種類のポリマーは、ローディア(Rhodia)から市販されている。
【0118】
他の親水性ポリマーは、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)モノマーに基づく。このモノマーは、アニオン性モノマーと共重合し双極性イオンコポリマーをもたらすことができる。以下のコポリマーが例示される:DADMAC/アクリル酸/アクリルアミドコポリマー;DADMAC/マレイン酸コポリマー;DADMAC/スルホン酸コポリマー;DADMAC/酸性モノマーのモル比は、60:40〜5:95、他の実施形態では50:50〜10:90である。1つの実施形態では、発明の湿式ダスターと組み合わせて使用される親水性ポリマーは、次の構造を有する:
【0119】
【化4】

上記ポリマーは、メルクワット(Merquat)商標名としてナルコ(Nalco)から入手できる。
【0120】
有機洗浄溶媒
有機洗浄溶媒は、本発明のダスターと組み合わせて使用される水性組成物に有用な補助剤である。これらの溶媒は、本明細書における水性組成物の表面張力特性を低下させ、それにより表面の濡れと洗浄を助け、それゆえにそれらは表面残留物をもたらすことなく強化された汚れ及び汚損除去をもたらすのを助ける。又、有機洗浄溶媒は、洗浄用具と洗浄表面との間の摩擦を操作するのに有利に使用できる。それゆえに、溶媒又は溶媒の混合物は、本発明の組成物の任意の構成成分である。存在する場合、有機洗浄溶媒は、約0.25%から約20%、他の実施形態では約0.50%〜約10%、他の実施形態では約0.75%〜約5%の量である。有機洗浄溶媒は、一般に表面に見られるような汚れ除去を手助けする助剤である。そのような溶媒は、結合された末端C3〜C6炭化水素を有し、1〜3個のエチレングリコール又はプロピレングリコール部分を形成し、適度な疎水性及び他の実施形態では表面活性をもたらす。エチレングリコール化学に基づく市販の有機洗浄溶媒の例としては、モノ−エチレングリコールn−ヘキシルエーテル(ダウケミカル(Dow Chemical)から入手可能なヘキシルセロソルブ(Hexyl Cellosolve)(登録商標))が挙げられる。プロピレングリコール化学に基づく市販の有機洗浄溶媒の例としては、プロピル及びブチルアルコールのジ−及びトリ−プロピレングリコール誘導体類が挙げられ、リオンデル(Lyondell)(19073、ペンシルバニア州ニュートンスクウェア(Newtown Square)ウェストチェスターパイク(West Chester Pike)3801)並びに商標名アルコソルブ(Arcosolv)(登録商標)及びダワノール(Dowanol)(登録商標)としてダウケミカル(Dow Chemical)(ミシガン州ミッドランド(Midland)、スウィードロード(Swede Road)1691 N.)から入手できる。1つの実施形態では、溶媒は、モノ−プロピレングリコールモノ−プロピルエーテル、ジ−プロピレングリコールモノ−プロピルエーテル、モノ−プロピレングリコールモノ−ブチルエーテル、ジ−プロピレングリコールモノ−プロピルエーテル、ジ−プロピレングリコールモノ−ブチルエーテル;トリ−プロピレングリコールモノ−ブチルエーテル;エチレングリコールモノ−ブチルエーテル;ジエチレングリコールモノ−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−ヘキシルエーテル及びジ−エチレングリコールモノ−ヘキシルエーテル及びこれらの混合物から選択される。「ブチル」は、ノーマルブチル、イソブチル、及び第三ブチル基を含む。モノ−プロピレングリコール及びモノ−プロピレングリコールモノ−ブチルエーテルは、例示の洗浄溶媒であり、商標名ダワノール(Dowanol)DPnP(登録商標)及びダワノール(Dowanol)DPnB(登録商標)として入手できる。ジ−プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテルは、商標名アルコソルブ(Arcosolv)PTB(登録商標)としてライオンデル(Lyondell)から市販されている。
【0121】
泡抑制剤
本明細書における組成物は、所望により泡抑制剤を含む。1つの実施形態では、泡抑制剤は、約0.001%〜約0.20%の量でC10〜C20脂肪酸、C10〜C20分枝状脂肪酸、C12〜C18アルコール又はC12〜C18分枝状アルコールから成ることができる。1つの実施形態では、泡抑制剤は、ストリーキング、スマッジング及びビルドアップに関連する問題を回避するために低い量の1つ以上のシリコーンポリマーを含み、シリコーンポリマーの量は、他の実施形態では水性組成物の約0.0001重量%〜約0.010重量%、他の実施形態では更に多く、水性組成物の約0.0003重量%〜約0.007重量%に保持される。本明細書に用いられて好適なシリコーン泡抑制剤としては、全てのシリコーン及びシリカ−シリコーン混合物が挙げられる。シリコーン類は、一般にアルキル化ポリシロキサン物質によって表すことができるが、シリカは、通常はシリカエアロゲル及びキセロゲル及び様々な種類の疎水性シリカ類によって例示される細かく分割された形態で使用される。工業的慣習では、用語「シリコーン」とは、シロキサン単位及び種々のヒドロカルビル基を含有する、種々の相対的に高分子量のポリマーを包含する総称となっている。実際に、シリコーン化合物は当該技術分野で広く記載されており、例えば、米国特許US 4,076,648;US 4,021,365;US 4,749,740;US 4,983,316及び欧州特許EP 150,872;EP 217,501;及びEP 499,364(これらの特許は全て本明細書に参考として組み込まれる)を参照。トリメチルシリル末端ブロック単位及び25℃で5×10-52/s〜0.1m2/s、すなわち40〜1500の範囲のn値を有するポリジメチルシロキサン類などのポリジオルガノシロキサン類もそれらの入手しやすさ及び比較的低いコストのため考慮される。
【0122】
本明細書に用いられる好適なシリコーン化合物は、GE、ローデイア(Rhodia)及びダウ・コーニング(Dow Corning)を含む種々の企業から市販されている。本明細書に用いられるシリコーン化合物の例は、全てがダウ・コーニング(Dow Corning)から市販されているDC1410、シリコーンDB(登録商標)100及びシリコーンエマルション2−3597(登録商標)である。
【0123】
香料及び他の補助剤
香料は任意の構成成分である。本明細書で使用する時、香料はそれらの主として嗅覚寄与のため付加され、多くの場合エタノールなどの揮発性有機溶媒の使用により称賛される香料の構成成分を含む。香料構成成分は、芳香油類、テルペン類、セスキテルペン類、無水物類、樹脂状物質類、樹脂類、コンクリート類等などの天然産物及び/又は炭化水素類、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、エーテル類、酸類、アセタール類、ケタール類、ニトリル類等などの合成香料構成成分であることができ、飽和及び不飽和化合物、脂肪族、カルボキシル(carboxyclic)及び複素環式化合物を含む。本明細書で有用な香料は、米国特許第5,108,660号に詳細に記載されており、参照として本明細書に組み込む。
【0124】
本明細書における水性組成物は、他の添加剤及び付加剤も含むことができる。緩衝剤は、pH安定性を付与し、一方フィルミング/ストリーキング問題につながらないように包含することができる。緩衝剤は、他の実施形態では水性組成物の約0.001重量%〜約0.10重量%の量で存在する。アルカリ性緩衝剤は、他の実施形態ではアンモニウム、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン(cylcohexane)、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−ジメチル−2−メチル−1−プロパノール、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム及びこれらの混合物から成る群から選択される。中性pH緩衝剤は、他の実施形態ではアミノ酸類及びイミダゾールから選択される。酸性緩衝剤は、他の実施形態では酢酸、ヒドロキシ酢酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、グルタル酸及びこれらの混合物から成る群から選択される。組成物は、防腐剤及び抗菌剤も組み込むことができる。カチオン性防腐剤類及び抗菌剤類は、他の実施形態ではジ−オクチルジメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、C12〜C16アルキルベンジルアンモニウムクロライド及びそれらの誘導体類、クロルヘキシジンジグルコネート、クロルヘキシジンジアセテート、ポリヘキサメチレンビグアニド塩酸塩及びこれらの混合物から成る群から選択される。非イオン性防腐剤類及び抗菌剤類は、他の実施形態では2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1−3−ジオール、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、n−ブチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−4−メチル−2−イソチアゾリン−3−オン、4−メチル−2−イソチアゾリン−3−オン、グルタルアルデヒド、フェノキシエタノール及びこれらの混合物から成る群から選択される。泡抑制剤は、組成物、特に予め濡らされた拭き取り用品に浸透した組成物の泡立特性を制限するために使用することができる。本明細書における組成物は、着色剤類、乳白剤類、染料類、酵素類、キレート剤類(chelants)、ビルダー類及びその類が挙げられるが、これらに限定されない他の補助剤も含むことができる。
【0125】
技術性能比較:
最適化された湿式ダスター設計と組み合わせて使用される最適化洗浄及びダスティング溶液の利益を実証するため一連の技術性能試験を行った。性能試験は、これがフィルム/ストリーキング及びスマッジングの応力事例を表すため、ガラス表面上で行った。試験には、50.8cm(20インチ)×76.2cm(30インチ)構造鏡(55403ミネソタ州ミネアポリス(Minneapolis)のターゲット社(Target Corporation)から購入した試験表面ID425458−U)を使用する。洗浄溶液の範囲は、スプレー当たり0.15g〜0.9gの投与範囲の異なる種類の噴霧器を使用して試験する。これらの洗浄溶液は、100%の合成繊維から成るダスター及び50%を超える親水性繊維から成るダスターを含むいくつかの異なる種類のダスターを使用して試験する。
【0126】
各ダスターを適切な取っ手に取り付ける。試験は、50RH及び22℃(72°F)の一定湿度及び温度環境で行う。
【0127】
各試験は、先ず試験噴霧器を使用し試験溶液の4回のスプレーで試験ダスターを下塗することにより行う。下塗は、ダスターに直接4回スプレーをスプレーし、ダスターを予め飽和することにより行う。例えば、スプレー当たり0.15gを投与する噴霧器を使用する場合、ダスターは、4×0.15g又は0.6gの溶液で下塗する。ダスターを下塗後、試験鏡の表面に同じ溶液と噴霧器を使用して更に4回スプレーする。各スプレーを鏡表面全体にわたって広げ均一に被覆する。次にスプレーされた鏡は、予め下塗したダスターを使用し左右の動き8ストロークで拭き取り、乾燥させた。続いて、表面を約15分間放置する。鏡は、0〜4の尺度を使用してフィルム/ストリーキングについて等級分けされる、ここで0はフィルム/ストリークがなく、1は僅かにフィルム/ストリークを認めることができ、2は中ぐらいにフィルム/ストリークを認めることができ、3はフィルム/ストリークを認めることができ、4は非常に目に付くフィルム/ストリークである。等級分けは、フィルム/ストリークを目立たせるため室内灯を切り、蛍光灯を使用することにより行う。フィルム/ストリークの等級分け後、洗浄された鏡の一部を折り畳んだペーパータオルを使用し、長さが約15.2〜20.3cm(6〜8インチ)及び幅が10.1〜15.2cm(4〜6インチ)にて上下に10ストロークして安定した圧力を加えることにより磨く。その後、磨かれた領域を同じ照明方法を使用して磨かれた領域と磨かれていない領域を比較することによりスマッジングについて等級分けする。スマッジングの尺度も0〜4で、0はスマッジングがなく、1は僅かにスマッジングを認めることができ、2は中ぐらいにスマッジングを認めることができ、3はスマッジングを認めることができ、4は非常に目立つスマッジングである。条件毎に少なくとも4回の繰返しを行い、フィルム/ストリーク及びスマッジングの平均等級を記録する。全体的な性能指標は、フィルム/ストリークとスマッジング等級を一緒に1つの重み付けされた等級に平均することにより条件毎に求める。
【0128】
洗浄及びダスティング組成物−実施例1:
非イオン性界面活性剤1−0.15%
非イオン補助界面活性剤2−0.01%
プロピレングリコールブチルエーテル溶媒−1.4%
エタノール溶媒−2.5%
親水性ポリマー−0.025%
ダウ・コーニング(Dow Corning)AF泡抑制剤−0.003%
防腐剤−0.01%
香料−0.1%
固体%−0.2
【0129】
親水性不織布を使用した湿式ダスター−実施例1:
取っ手−1層30gsm合成二成分スルーエア+1層20gsm合成二成分スパンボンドを保持するポケットを形成するのに使用される取り付け層
吸収性コア−200gsmエアレイドコア幅55mm幅×長さ150mm
28gsmのセルロースティッシュと17gsmのスパンボンドポリプロピレン積層体を含むアールストロム(Ahlstrom)材料45gsmの親水性不織布−10層を6mm幅のストリップに切断し、層当たり26ストリップを形成する、6層は一重シールを使用して固着され、4層は二重シールを使用して固着される。
【0130】
麻くず繊維−存在せず
比較例溶液1
454.6g(16オンス)トリガースプレーボトルで販売されているプレッジ(Pledge)多表面洗浄及び塵溶液
【0131】
比較例溶液2
907.2g(32オンス)ボトルで販売されているウィンデックスガラスクリーナー
【0132】
比較例溶液3
22.7g(0.8オンス)ボトル単位でキットの一部として販売されているプレッジダスタープラス(Pledge Duster Plus)洗浄及び塵溶液
【0133】
比較例ダスター1
3層の取り付け具を形成するための20gsmの合成二成分スパンボンド層+約10gの繊維束の形態で使用される50:50のポリエチレン:ポリエステル二成分麻くず繊維から構成されるプレッジダスタープラス(Pledge Duster Plus)。他の不織布は洗浄側に存在しない。
【0134】
【表4】

【0135】
単一ダスタースターターキット及び詰め替え
1つの実施形態では、本発明は、ダスターに適合する取っ手と所定量のダスター(1〜10)を含むスターターキットに関し、各ダスターは、親水性不織布層、束繊維及びダスター取っ手拭き取り部に近接して配置されるコアを含み、スターターキットは水性洗浄溶液を収納する分離した容器も含み、前記容器は、所望によりダスター取っ手に取り外し可能に取り付けられ、溶液容器は、他の実施形態では水性洗浄溶液を投与する手段を含む。ダスター取っ手の取り付け部は、他の実施形態では取っ手の拭き取り部の基部に対して70°〜160°の角度を形成し、繊維束は、他の実施形態ではポリエステル「麻くず」繊維であり、親水性不織布層は、約25%以上のセルロース繊維を含み、複数個のストリップに切断される。ダスターコアは、他の実施形態では切断されない。親水性不織布層、束繊維及びコアの互いに対する代表的な配列をダスターパッド実施例1〜5に記載する。別の実施形態では、スターターキットダスターには束繊維がなく、更にダスター構造は、ダスターパッド実施例6に記載されたものと同様である。上記したスターターキットは、他の実施形態ではシステム詰め替えと一緒に市場に出され販売される。1つの実施形態では、溶液を含む溶液詰め替え容器は、詰め替え容器が他の実施形態ではスターターキットに準備されたものよりも大容量の水性洗浄溶液を収納するようにもたらされる。詰め替え容器は、他の実施形態ではスプレー機構を備えていない。代わりに、消費者は、絵及び/又は言葉を用いて詰め替え容器の内容物の一部をスターターキットに備えられたスプレーボトル容器に分与するように指示される。所望により、ダスターの詰め替えも、詰め替えシステムのダスターの数が他の実施形態ではスターターキットに備えられたものより大きくなるように提供される。ダスターの詰め替え容器包装は、所望により1つ以上の取っ手を含む。更なる実施形態では、発明に記載されたダスターは、溶液が全くない単独商品として販売されることになっており、溶液は、ダスターの全くない単独品目として販売される。
【0136】
湿式ダスター及び関連する化学スプレーには使用の取扱説明が提供される。最高の結果を得るために、存在する場合、繊維束層が先ず乾式ダスティング向けに使用される。束繊維に蓄積された塵は、その後他の実施形態では、所望によりダスターを振盪することにより湿式ダスティング及び洗浄前に廃棄領域に出される。このことが、親水性不織布層の潜在的な汚染を最小にする。湿式ダスティングの場合、ダスターは、それを湿らせるのに十分な水性化学溶液で1〜5回スプレーされる。スプレーの回数は、作動スプレー容量と被塵表面の量に依存し、ダスターの継続した湿潤が必要に応じて行われる。湿式洗浄の場合、表面を直接スプレーする。ガラス表面の場合、ユーザーは、清浄なダスターで始めるように指示される。次に、スプレー後、乾燥するまで表面を拭き取る、一度表面が乾燥したら、所望により追加の拭き取りが、ガラス表面に残るリントを最小限にするのを助ける。ひとたびガラス表面が清浄された後、使用した同じダスターを、ダスティングに継続して使用することができる。所望により、水性スプレー溶液は他のダスターシステムと共に使用することができ、ダスターは別の洗浄及びダスティング溶液と組み合わせて使用することができることを説明した指示及び広告が更に提供される。ダスターが単独商品として販売される1つの実施形態では、消費者がダスターに普通の水を使用するように教示する取扱説明が提供される。1つの例では、取扱説明は、ユーザーに湿式ダスターを流れる水の蛇口の下に定置し、湿った状態を絞り、緩やかに振盪し、それを元のように毛羽立たせるように教示する。所望により、取扱説明は、湿式ダスティングに普通の水の取り扱い方と洗浄のためのガラス及び多表面スプレーの取り扱い方を説明する。
【0137】
2つのダスタースターターキット及び詰め替え
所望により、1つ以上のキットが分離した乾式及び湿式ダスター向けに販売及び市場に出されている。これは、粘着性を強化する性能及び組み合わされた湿式/乾式ダスターを使用する繊維束への疎水性コーティングが限定される時、最適な乾式及び湿式ダスティングをもたらす。これは、好ましくない影響により水性溶液がコーティングを乾式ダスター上に存在させるためである。別個の乾式ダスターの使用は、ダスターの繊維束含有量と関連するコーティングを増加させる柔軟性を最大にする。従って、1つの実施形態では、1つ目が特に乾式ダスティング向けに設計され、2つ目が特に湿式ダスティング向けに設計される2つの別個のダスターが、市場で販売される。代表的な乾式ダスターが、既にスウィッファー(Swiffer)ブランドとして市販されている。1つの実施形態では、湿式ダスターは、吸収性コアと組み合わせ麻くず繊維を除いた複数個の親水性不織布ストリップから構成される。この設計の例を図6に示す。乾式及び湿式ダスターは、単一スターターキットに組み合わされ、一緒に束にされ又は別個のスターターキットで販売され、最適なダスティング性能について一緒に宣伝される場合がある。他の実施形態では、湿式ダスターのスターターキットは、図3に示されるものなどの追加の取り外し可能なアダプターを有することができる。使用のための取扱説明は、湿式側は洗浄溶液と共に使用し、一方、乾式側は最適性能のため乾燥を保持すべきことを説明している。取扱説明は、乾式又は湿式ダスターのいずれか一方が廃棄され、それに対して他方は、塵取り若しくは洗浄にまだ使用できる又は能力を有すると思われる場合、再使用されることも説明している。
【0138】
一体型ダスタースターターキット及び詰め替え:
最適な乾式及び湿式ダスティングをもたらす別の実施形態は、図13のダスターパッド実施例9として示されるものなどの一体型ダスターである。スターターキット及び詰め替えは、「単一ダスタースターターキット及び詰め替え」に関する項で上記したものと類似している。重要な差は、使用のための取扱説明が、湿式側が過度に飽和した場合、最適な性能のために乾式側が乾燥したままである必要があるので、ダスター全体を取り替えるべきであることを説明していることである。穿孔が付加され、それにより乾式及び/又は湿式部分が互いからはがすことが可能な場合、取扱説明は、「2つのダスタースターターキット及び詰め替えシステム」に対して使用されたものに従って更に修正される。
【0139】
予め濡らされたダスタースターターキット及び詰め替え:
所望により、キット及び詰め替えは、ダスターを予め濡らして販売することができる。この実施形態では、濡らされたダスターは、再密閉可能なポーチ、容器又はタブ内に包含することができる。別の実施形態では、スターターキットは、パッケージ化された予め濡らされたダスターを取っ手と一緒にカートン内に定置して販売される。他の実施形態では、乾式ダスターがスターターキットに付加され、乾式及び湿式ダスティングをもたらす。所望により、取っ手は、予め濡らされたダスターでただ単に束にされてもい。
【0140】
本明細書に開示されている寸法及び値は、列挙した正確な数値に厳しく限定されるものとして理解すべきではない。それよりむしろ、特に規定がない限り、こうした各寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することを意図している。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0141】
本明細書を通じて与えられるあらゆる最大数の限定は、あらゆる低い数値の限定を、あたかもそのような低い数値の限定がここにはっきりと表現されているかのように含むと理解されなければならない。本明細書を通じて与えられる全ての最小数値限定は、それより大きい全ての数値限定を、こうしたそれより大きい数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように包含する。本明細書を通じて与えられる全ての数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内にある、全てのより狭い数値範囲を、こうしたそれより狭い数値範囲が本明細書に明確に記載されているかのように包含する。
【0142】
特に指定がない限り、本明細書の明細、実施例、及び請求の範囲における全ての部、比、及び百分率は重量基準であり、全ての数値限定は、当該技術分野により提供される通常の程度の精度で使用される。
【0143】
指定した場合を除き、冠詞「a」、「an」及び「the」は、「1つ以上の」を意味する。発明を実施するための形態で記載した全ての文献は、関連した部分を参照として本明細書に組み込む。全ての文献の記載は、それが本発明に関する先行技術であることを承認すると解釈すべきでない。本明細書における用語のいずれかの意味又は定義が、参照することにより組み込まれる文献における用語のいずれかの意味又は定義と対立する範囲においては、本明細書においてその用語に付与した意味又は定義を適用するものとする。
【0144】
本発明の特定の諸実施形態を図示し、記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることは当業者には自明であろう。従って、本発明の範囲内にある、かようなすべての変更及び修正を、付加された許請求の範囲で包含するものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダスターパッドであって、
a)被洗浄表面に接触可能な親水性不織布繊維を含む少なくとも1つの層(F)と、
b)取っ手(A)に取り付け可能な少なくとも1つの不織布層(C)と、を含み、
前記少なくとも1つの層(F)が、少なくとも1つの自由端を備えることを特徴とする、ダスターパッド。
【請求項2】
前記ダスターパッドが、脱イオン水を使用したガラス上で少なくとも0.75の濡れ動摩擦係数を有する、請求項1に記載のダスターパッド。
【請求項3】
前記少なくとも1つの層(F)が、少なくとも20%の親水性繊維を含む、請求項1及び2に記載のダスターパッド。
【請求項4】
少なくとも1つの吸収性コア(H)を更に含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のダスターパッド。
【請求項5】
前記少なくとも1つの層(F)が、一重シール(G)を使用して固着され、前記一重シール(G)が、連続又は不連続である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のダスターパッド。
【請求項6】
前記少なくとも1つの層(F)が、1つ以上の組の千鳥状連続又は不連続二重シール(B)を使用して更に固着される、請求項1〜5のいずれか一項に記載のダスターパッド。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載のダスターパッドと、
洗浄溶液と、を含むキット。
【請求項8】
前記洗浄溶液が、前記洗浄溶液の最大限0.5重量%の固形分を有する、請求項7に記載のキット。
【請求項9】
前記ダスターパッドが、予め濡らされる、請求項7及び8に記載のキット。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図5A】
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【図6】
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【図6A】
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【図7】
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【図8】
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【図8A】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【公表番号】特表2010−500087(P2010−500087A)
【公表日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−523412(P2009−523412)
【出願日】平成19年8月6日(2007.8.6)
【国際出願番号】PCT/IB2007/053096
【国際公開番号】WO2008/018010
【国際公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】