説明

湿式多板クラッチ

【課題】半クラッチ領域におけるピストンストローク範囲を広くし、高精度な半クラッチ制御が可能な湿式多板クラッチを提供する。
【解決手段】クラッチドラム3に外側クラッチ板5の停止位置を規定する第1ストッパ部材13を取り付けると共に、第1ストッパ部材13との間で半クラッチバネ15を予荷重を与えた状態で保持するための第2ストッパ部材14を取り付ける。半クラッチバネ15は、ピストン7からの軸方向荷重を受けて撓み、外側クラッチ板5と内側クラッチ板6との間に働く圧接力をピストンストロークに対して比例的に変化させる。半クラッチバネ15に予荷重が付与されているので、ピストン7が外側クラッチ板5に接触すると共に、伝達トルクはステップ状に上昇し、その後ピストンストロークに対する伝達トルクの勾配を緩やかにでき、高精度な半クラッチ制御が可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は湿式多板クラッチ、特に半クラッチ状態を得るためのバネの取付構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、図5に示すような構造を備えた湿式多板クラッチが知られている。図5の上半分は解放時、下半分は締結時である。入力軸1と出力軸2とが同軸上に配置され、入力軸1にはクラッチドラム3が連結され、出力軸2にはクラッチハブ4が連結されている。なお、入力軸1と出力軸2とが逆であってもよい。クラッチドラム3の内周には複数の外側クラッチ板5がスプラインにより一体回転可能に係合されており、クラッチハブ4の外周には複数の内側クラッチ板6がスプラインにより一体回転可能に係合されている。外側クラッチ板5と内側クラッチ板6とは交互に配置されている。クラッチドラム3の内側には、外側クラッチ板5と内側クラッチ板6とに対して一方側より軸方向荷重を与えるピストン7が配置され、クラッチドラム3とピストン7との間に油圧室8が形成されている。クラッチドラム3の内周にはスナップリングよりなるストッパ部材9が取り付けられており、ストッパ部材9と終端側の外側クラッチ板(エンドプレート)5aとの間にはクッションバネ10が配置されている。ピストン7と、入力軸1に取り付けられたスプリングリテーナ11との間にリターンスプリング12が配置されている。
【0003】
上記構造の湿式多板クラッチにおいて、ピストン7と始端側の外側クラッチ板5bとの間には所定のクリアランスδが設けられている。油圧室8に油圧を供給すると、ピストン7はリターンスプリング12に抗して図5の左方向に移動し、クリアランスδ分だけ移動した後に外側クラッチ板5に接触する。その後、ピストン7は外側クラッチ板5と内側クラッチ板6とに対して軸方向荷重を付与し、両者の圧接力が増大するとともに、クッションバネ10が圧縮される。ストッパ部材9と外側クラッチ板(エンドプレート)5aとの間のクッションバネ10の撓み代がなくなると、外側クラッチ板5と内側クラッチ板6との間の圧接力が急上昇し、締結状態となる。
【0004】
図6は上記湿式多板クラッチのピストンストロークと伝達トルクとの関係を示す。ピストン7がストロークを開始してクリアランスδが0になる(S1)までの間、伝達トルクは0のままである。ピストン7が外側クラッチ板5に接触してクッションバネ10の圧縮を開始すると、伝達トルクはピストンストロークに応じて比例的に上昇する。伝達トルクが所定値T1を越えると(S2)、半クラッチ領域となり、伝達トルクをピストンストロークに比例して上昇させることができる。やがて、ピストン7が終端位置に到達すると(S3)、伝達トルクは急上昇して締結状態となる。
【0005】
上記湿式多板クラッチの場合、伝達トルクは0の状態から上昇するため、ピストンストロークに対する伝達トルクの勾配が急であり、半クラッチ領域に到達するまでの無駄なストロークが存在するとともに、有効なピストンストローク範囲ΔSが狭い。そのため、ピストン7が僅かでもストロークすると、伝達トルクが大きく変化し、高精度な半クラッチ制御ができないという欠点がある。また、解放時においてクッションバネ10が自由長になるため、寸法ばらつきがあり、解放時におけるクリアランスδにバラツキが生じる。その結果、クラッチの引きずりトルクが大きくなるという懸念がある。
【0006】
特許文献1には、摩擦係合要素を押圧するピストンの押圧面内に凹溝を設け、この凹溝内にウエーブスプリングを配置し、軸長を短縮しつつ係合時のショックを軽減するものが開示されている。しかしながら、ウエーブスプリングを使用しているため、摩擦係合要素を押圧する弾性力の範囲が小ストロークに限定され、十分な半クラッチ領域を確保できないという欠点がある。
【特許文献1】特開2003−35325号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、半クラッチ領域におけるピストンストローク範囲を広くし、高精度な半クラッチ制御が可能な湿式多板クラッチを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明は、同軸上に配置されたクラッチドラム及びクラッチハブと、クラッチドラムに一体回転可能に係合された外側クラッチ板と、クラッチハブに一体回転可能に係合された内側クラッチ板と、外側クラッチ板と内側クラッチ板とに対して一方側より軸方向荷重を与えるピストンとを備えた湿式多板クラッチにおいて、上記クラッチドラムに取り付けられ、上記外側クラッチ板の他方側の停止位置を規定する第1ストッパ部材と、上記外側クラッチ板の他方側に配置され、ピストンからの軸方向荷重を受けて撓み、外側クラッチ板と内側クラッチ板との間に働く圧接力をピストンストロークに対して比例的に変化させる半クラッチバネと、上記クラッチドラムに取り付けられ、上記第1ストッパ部材との間で上記半クラッチバネを予荷重を与えた状態で保持するための第2ストッパ部材と、を備えたことを特徴とする湿式多板クラッチを提供する。
【0009】
ピストンがクリアランス分だけストロークすると、一方側の外側クラッチ板に当接し、外側クラッチ板を軸方向に押す。この軸方向荷重により、外側クラッチ板及び内側クラッチ板は軸方向に変位し、外側クラッチ板の他方側に設けられた半クラッチバネが撓み始める。半クラッチバネはクラッチドラムに予荷重を付与した状態でセットされているので、伝達トルクは0から上昇するのではなく、ステップ状に上昇する。つまり、ピストンが外側クラッチ板と内側クラッチ板とを圧接させた当初から所定の大きさの伝達トルクが発生するため、ピストンストロークに対する伝達トルクの勾配を緩やかにでき、高精度な半クラッチ制御が可能になる。ピストンがさらにストロークして外側クラッチ板の他方側を第1ストッパ部材に当接させて停止すると、それ以後は伝達トルクが急上昇し、締結状態になる。また、解放時において、半クラッチバネは第1ストッパ部材と第2ストッパ部材との間で保持されているので、半クラッチバネの自由長バラツキの影響を受けず、解放時のクリアランスのバラツキを小さくできる。
【0010】
外側クラッチ板の他方側にエンドプレートを設け、当該エンドプレートに、第1ストッパ部材の厚みよりも軸方向長が長くかつ半クラッチバネを押圧する凸部を設けるのが望ましい。この場合には、エンドプレートが外側クラッチ板と半クラッチバネの操作部材とを兼ねるので、部品数を削減でき、コンパクトに構成できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、半クラッチバネを予荷重を与えた状態でクラッチドラムに保持しているため、ピストンがストロークして外側クラッチ板と内側クラッチ板とを圧接させ、半クラッチバネの圧縮を開始した当初から、所定の大きさの伝達トルクが発生し、ピストンストロークに対する伝達トルクの変化率を小さくできる。そのため、高精度な半クラッチ制御が可能になる。また、解放時において半クラッチバネが自由状態にならず、解放時のクリアランスのバラツキを小さくできる。その結果、クラッチの引きずりトルクを小さくできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0013】
(第1実施形態)
図1は本発明にかかる湿式多板クラッチの第1 実施形態を示す。このクラッチAは、図5に示すクラッチとほぼ同様な構造を備えており、図5と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。図1の上半分は解放時、下半分は締結時である。
【0014】
クラッチドラム3の自由端側の内周部には、スナップリングよりなる第1ストッパ部材13と第2ストッパ部材14とが軸方向に間隔をあけて取り付けられている。両ストッパ部材13,14の間には、皿バネよりなる半クラッチバネ15とこの半クラッチバネ15を支えるワッシャ16とが配置されている。第1ストッパ部材13は、外側クラッチ板の他方側の停止位置を規定すると共に、ワッシャ16を支えるものであり、第2ストッパ部材14は、半クラッチバネ15の一端側を支えるものである。両ストッパ部材13,14の間に、半クラッチバネ15はある程度圧縮された状態で配置されており、半クラッチバネ15に対して予荷重が付与されている。外側クラッチ板5のうち、終端側の外側クラッチ板(エンドプレート)5aには、半クラッチバネ15方向へ突出する凸部5a1 が一体に形成されており、この凸部5a1 の高さは第1ストッパ部材13の厚みより大きい。
【0015】
上記構造の湿式多板クラッチAの作動について説明する。解放時において、ピストン7と始端側の外側クラッチ板5との間には所定のクリアランスδが設けられている。半クラッチバネ15の両端が一対のストッパ部材13,14によって位置規制されているため、クリアランスδのバラツキを小さくすることができる。つまり、解放状態においてクラッチの引きずりトルクを小さくすることができる。
【0016】
油圧室8に油圧を供給すると、ピストン7はリターンスプリング12に抗して図1の左方向に移動し、クリアランスδ分だけ移動した後に始端側の外側クラッチ板5bに接触する。ピストン7から外側クラッチ板5と内側クラッチ板6とに対して軸方向荷重が伝えられると、エンドプレート5aの凸部5a1 がワッシャ16を押し、半クラッチバネ15が撓み始める。半クラッチバネ15には予荷重が与えられているので、外側クラッチ板5と内側クラッチ板6との間の伝達トルクは予荷重に相当する値からステップ状に上昇し始める。伝達トルクはピストンストロークに比例して増加する。やがて、エンドプレート5aが第1ストッパ部材13に当接すると、外側クラッチ板5の軸方向動きが停止するので、外側クラッチ板5と内側クラッチ板6との間の圧接力が急上昇し、締結状態となる。締結状態において、図1の下半分に示すように、半クラッチバネ15の撓み代が多少でも残っているのが望ましい。
【0017】
図2は湿式多板クラッチAのピストンストロークと伝達トルクとの関係を示す。ピストン7がストロークを開始してクリアランスδが0になるまでの間、伝達トルクは0のままである。クリアランスδが消滅し、外側クラッチ板5の凸部5a1 がワッシャ16を押して半クラッチバネ15を圧縮しはじめると、伝達トルクはステップ状に上昇し、予荷重に相当する伝達トルクが発生する(S4)。この時の伝達トルクT1を、半クラッチ領域の下限値又はそれよりやや低い値に設定するのがよい。さらにピストン7をストロークさせると、伝達トルクはピストンストロークに比例して上昇し、この比例領域を半クラッチ領域とすることで、円滑なすべり制御を実施できる。やがて、エンドプレート5aが第1ストッパ部材13に当接すると(S5)、外側クラッチ板5の軸方向動きが停止するので、外側クラッチ板5と内側クラッチ板6との間の圧接力が急上昇し、締結状態となる。
【0018】
上記のように、本湿式多板クラッチAの場合、ピストン7が外側クラッチ板5と接触すると共に伝達トルクは0から変化するのではなく、予荷重に相当する伝達トルクからステップ状に上昇するため、ピストンストロークに対する伝達トルクの勾配を緩やかにでき、半クラッチ領域におけるピストンストローク範囲ΔSを広げることができ、高精度な半クラッチ制御が可能になる。解放時において、半クラッチバネ15は第1ストッパ部材13と第2ストッパ部材14との間で保持されているので、解放時のクリアランスが半クラッチバネ15の自由長バラツキの影響を受けない。そのため、クラッチの引きずりトルクを小さくできる。さらにクラッチの締結状態は、半クラッチバネの撓み代がなくなった状態ではなく、エンドプレート5aが第1ストッパ部材13に当接した状態に設定できるので、締結位置も正確に設定できる。
【0019】
(第2実施形態)
図3は本発明にかかる湿式多板クラッチの第2実施形態を示す。図1と共通する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。この実施形態の湿式多板クラッチBでは、半クラッチバネとして皿ばねではなく、コイルスプリング20とスプリングリテーナ21とを使用したものである。スプリングリテーナ21の内径部は軸方向に屈曲しているため、コイルスプリング20のばね長を確保することができる。なお、コイルスプリング10は1個ではなく周方向に複数個配置されている。この実施形態の場合も、第1実施形態と同様の作用効果を得ることができると共に、半クラッチ領域のピストンストロークをより長く確保できるという利点がある。
【0020】
(第3実施形態)
図4は本発明にかかる湿式多板クラッチの第3実施形態を示す。図1と共通する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。この実施形態の湿式多板クラッチCでは、クラッチドラムをフロント部材30とセンタ部材31とリヤ部材32とで構成し、フロント部材30とセンタ部材31とをスプライン嵌合させるとともに、スナップリング33で抜け止めしている。センタ部材31とリヤ部材32とは溶接固定され、リヤ部材32は出力軸2上に相対回転自在に配置された第2出力軸34にスプラインにより結合されている。なお、入力軸1と出力軸2との関係は逆でもよい。
【0021】
エンドプレート5aとセンタ部材31の側壁(第1ストッパ部材)31aとの間にはリング状の荷重伝達部材35が配置されており、荷重伝達部材35にはセンタ部材31の側壁31aの孔31bを貫通する凸部35aが形成されている。凸部35aの突出長はセンタ部材31の側壁31aの厚みより大きい。リヤ部材32には、半クラッチバネを構成するコイルスプリング36の一端側を支えるスプリングリテーナ(第2ストッパ部材)37が支持されており、コイルスプリング36の他端側はセンタ部材31の側壁31aの外側に配置されたワッシャ38で支持されている。ワッシャ38の内径部はリヤ部材32の外周面に摺動自在に嵌合している。コイルスプリング36は予荷重が付与された状態、つまりある程度圧縮された状態でスプリングリテーナ37とワッシャ38との間に配置されている。荷重伝達部材35の凸部35aはワッシャ38に当接している。この実施形態では、エンドプレート5aとは別に荷重伝達部材35を設けたが、エンドプレート5aで荷重伝達部材35を兼ねることもできる。
【0022】
本実施形態に係る湿式多板クラッチCの場合も、解放時にはピストン7はリターンスプリング12によって外側クラッチ板5とクリアランスδをあけて離れており、荷重伝達部材35の凸部35aは半クラッチバネ36の一端側を支えるワッシャ38によって押し戻されている。荷重伝達部材35の左側面はセンタ部材31の側壁31aと離れている。
【0023】
油圧室8に油圧を供給すると、ピストン7はリターンスプリング12に抗して図4の左方向に移動し、クリアランスδ分だけ移動した後に始端側の外側クラッチ板5bに接触する。ピストン7から外側クラッチ板5と内側クラッチ板6とに対して軸方向荷重が伝えられると、荷重伝達部材35の凸部35aがワッシャ38を押し、半クラッチバネ36を圧縮させる。半クラッチバネ36には予荷重が与えられているので、外側クラッチ板5と内側クラッチ板6との間に働く伝達トルクは図2と同様な特性で変化する。やがて、荷重伝達部材35がセンタ部材31の側壁31aに当接すると、外側クラッチ板5の軸方向動きが停止するので、外側クラッチ板5と内側クラッチ板6との間の圧接力が急上昇し、締結状態となる。
【0024】
本実施形態の場合、入力軸1と第2出力軸34とがクラッチドラムを介して連結されているので、解放状態では出力軸2と第2出力軸34とが相対回転可能であり、締結状態では出力軸2と第2出力軸34とが一体回転する。半クラッチバネ36がクラッチドラムの外部に配置されているので、クラッチドラムを小型化できるという利点がある。
【0025】
上記実施例では、クラッチドラムが回転軸(入力軸又は出力軸)に連結された湿式多板クラッチについて説明したが、本発明はクラッチドラムがケース等の固定部に設けられたクラッチ、つまりブレーキ装置にもそのまま適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明にかかる湿式多板クラッチの第1実施形態の断面図である。
【図2】図1に示す湿式多板クラッチのピストンストローク−伝達トルクの特性図である。
【図3】本発明にかかる湿式多板クラッチの第2実施形態の断面図である。
【図4】本発明にかかる湿式多板クラッチの第3実施形態の断面図である。
【図5】従来の湿式多板クラッチの一例の断面図である。
【図6】図5に示す湿式多板クラッチのピストンストローク−伝達トルクの特性図である。
【符号の説明】
【0027】
1 入力軸
2 出力軸
3 クラッチドラム
4 クラッチハブ
5 外側クラッチ板
5a エンドプレート
5a1 凸部
6 内側クラッチ板
7 ピストン
13 第1ストッパ部材
14 第2ストッパ部材
15 半クラッチバネ
16 ワッシャ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同軸上に配置されたクラッチドラム及びクラッチハブと、クラッチドラムに一体回転可能に係合された外側クラッチ板と、クラッチハブに一体回転可能に係合された内側クラッチ板と、外側クラッチ板と内側クラッチ板とに対して一方側より軸方向荷重を与えるピストンとを備えた湿式多板クラッチにおいて、
上記クラッチドラムに取り付けられ、上記外側クラッチ板の他方側の停止位置を規定する第1ストッパ部材と、
上記外側クラッチ板の他方側に配置され、ピストンからの軸方向荷重を受けて撓み、外側クラッチ板と内側クラッチ板との間に働く圧接力をピストンストロークに対して比例的に変化させる半クラッチバネと、
上記クラッチドラムに取り付けられ、上記第1ストッパ部材との間で上記半クラッチバネを予荷重を与えた状態で保持するための第2ストッパ部材と、を備えたことを特徴とする湿式多板クラッチ。
【請求項2】
上記外側クラッチ板の他方側にエンドプレートが設けられ、当該エンドプレートに、第1ストッパ部材の厚みよりも軸方向長が長くかつ上記半クラッチバネを押圧する凸部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の湿式多板クラッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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