説明

滅菌用組成物

(i)少なくとも1つのモノ又はジアルデヒド、(ii)少なくとも1つのグリコール若しくはポリオール又はその誘導体、(iii)非イオン性の第一の界面活性剤、及び(iv)約30℃から50℃の範囲の曇り点を有する第二の界面活性剤を含む滅菌用組成物が開示される。また、(i)少なくとも1つのモノ又はジアルデヒド、(ii)少なくとも1つのグリコール若しくはポリオール又はその誘導体、(iii)非イオン性の第一の界面活性剤、及び(iv)第四級アンモニウム化合物である第二の界面活性剤を含む滅菌用組成物が開示される。本発明の組成物を調製する方法も開示される。本発明の組成物は、高圧、高温の条件下で低発泡性又は実質的に非発泡性であり、それによって、新しくより信頼性のある世代の自動内視鏡再処理機から最大限の利益を得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外科用器具、特に内視鏡外科用器具の滅菌で有用な組成物及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複雑な内視鏡外科用器具の洗浄及び滅菌は、清浄度及び殺菌安全性の再現性のある水準を達成することにおいて重大な問題がある。
【0003】
「鍵穴手術」で用いられる内視鏡器具が拡張されて、より多くの種類の従来の介入的手術をカバーしているので、新しい器具は構造がますます複雑になっており、したがって外科処置の間に維持するのがより困難である。
【0004】
残念なことに、現在の内視鏡洗浄剤は、より高い圧力の下で発泡する問題を抱える。外科用器具の構造の複雑性が進展したのと同様に、それを通して手術照明、器具、流体及び空気が手術界面へ供給される管系の小型化の増進の必要性も進展し、それは、洗浄効率と関連する問題を提示している。より高い圧力の下での洗浄は、洗浄能力の低下と関連する問題を抱え、それは、55℃という高い温度でのこれらの複雑な器具の機械的洗浄及び滅菌の必要性によってさらに複雑になった。
【0005】
洗浄処置をさらに複雑にするものは、手術界面から管に入る細菌及びウイルスが沈着するねばり強くて耐性のバイオフィルムの存在である。このことは、感染又は変質した傷から生検材料を得るために外科用器具を用いた場合が特にそうである。ここで、汚染は、細菌、細菌胞子、真菌類又はウイルスによって起こることがある。
【0006】
新しい高圧洗浄及び滅菌技術はバイオフィルムの除去率を増加させるが、内視鏡の循環系の複雑性は、用いる洗浄及び滅菌用製品中に通常見出される界面活性剤からの発泡につながる。再処理の間に生成する泡は、洗浄及びバイオフィルムの除去の深刻な妨害をもたらす。
【0007】
これまで、再処理の間に内視鏡管及びチャネル内で発生する高圧の下で、化学殺菌剤として有効であり発泡しない洗浄剤製品又は化学殺菌剤は開発されていない。
【0008】
国際公開第02/07789号明細書パンフレット(発明者RK Whiteley)に記載のものなど、適当な医療洗浄剤による前洗浄の後に通常用いられる既存のグルタルアルデヒド化学消毒剤は、内視鏡及び関連器具の所望レベルの消毒を達成する、重要、有効及び経済的な手段である。既存のグルタルアルデヒド化学組成物には、米国特許第4,748,279号明細書及び米国特許第6,525,101号明細書(発明者RK Whiteley)に記載のものが含まれる。しかし、これらの既存の界面活性組成物は、前記した限界を抱える。
【0009】
内視鏡的器具の再処理中の泡の存在は、化学洗浄及び消毒を阻害するので望ましくない。泡を形成する界面活性剤の傾向は、界面活性剤科学の明確な領域であり、R.Pashley&M.Karamanによる著書「応用コロイド&界面化学(Applied Colloid&Surface Chemistry)」(Wiley出版2004)に記載されている、物理化学及び界面挙動の観点から明示的に詳述されている課題である。
【0010】
界面活性剤による気泡が望ましくない場合、整然とした配置を破壊し、そのようにしてその物理的安定性を破壊する少量の第二の界面活性分子を組み込むことが可能であろう。このことは、特定の適用でしばしば適切である気泡の一時的な減少をもたらす。泡止め剤も作用が一時的であり、溶液を何度も再利用すると、生物の汚物(異物)の侵入のために次第に不活性になる。
【0011】
非発泡性と分類される界面活性剤(表面活性剤)は、空気/水界面に一様に詰めることができないので、安定した気泡を形成することができない。よく詰められた表面層へと空気/水界面に整列する界面活性剤分子というよりも、これらの界面活性剤は、空気/水界面に詰めるのが困難である大きな分枝鎖部分を通常有し、したがって、それらは空気/水界面にわたって不規則に置かれる傾向があり、したがって、物理的に安定した表面層を形成する能力を欠く。結果的に、これらの分子は、消毒剤、化学殺菌剤及び化学殺生物剤を製剤化するのに不適当である。
【0012】
気泡抑制のさらなる方法は、一次界面活性剤のそれと不和合性である、親水部への高電荷の界面活性剤の少量の添加である。ここでは、遊離の、よりイオン化された界面活性剤分子は、空気/水界面の位置をめぐって激しく競合し、それによって安定した空間界面界面活性剤配置の形成を阻止する。第二の界面活性剤は、空気/水及び油/水の界面張力の低下に、あるとしてもわずかしか寄与せず、この後者に関しては全く効果がない。気泡制御は、侵入する汚物によって一時的に容易に影響される。
【0013】
背景技術に関する上の議論は、本発明の事実関係を説明するために含まれている。それは、言及した文書又は他の材料が、この明細書の請求項のいずれか一項の優先権日付の時点で公開されていたか、公知であったか、共有される一般知識の一部であったことを認めるものととられてはならない。
【0014】
内視鏡表面を、好ましくは現在達成されているよりも高い水準に、効果的に洗浄及び滅菌する組成物の必要性がある。高温(約35℃〜55℃)及び高圧を含む、洗浄機−消毒器を循環する状態に存在する条件で有効であることが、組成物にとって望ましいであろう。詳細には、組成物は、55℃に達する温度及び高圧で、内視鏡機器内の流体及び空気及び/又は吸引が発生する狭いチャネル及び内腔を効果的に洗浄及び殺菌しなければならない。最も詳細には、洗浄及び滅菌処置の間、特に内視鏡手術機器及び器具を洗浄及び滅菌するときに、既存の組成物が遭遇する困難を克服するために、組成物はほとんど又は全く気泡を形成してはならない。
【発明の概要】
【0015】
本発明は、高圧条件下で実質的に非発泡性であり、それによって、新しくより信頼性のある世代の自動内視鏡再処理機から最大限の利益を得ることができる、新規泡制御系を有する新しい組成物を開示する。
【0016】
本発明の組成物は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第4,748,279号明細書及び米国特許第6,525,101号明細書に記載及び請求されている組成物の改良版である。上記のように、米国特許第4,748,279号明細書及び米国特許第6,525,101号明細書の組成物は、使用中に、特に高圧及び高温の下で発泡する。その結果、自動化された高温高圧力再処理において内視鏡手術機器及び器具を洗浄及び滅菌することに、これらの先行組成物はあまり適していない。
【0017】
米国特許第4,748,279号明細書及び米国特許第6,525,101号明細書の組成物は、約6から7.2のpHの脱塩水中に、モノ又はジアルデヒド、グリコール又はポリオール、界面活性剤及び緩衝液を含む。これらの組成物は発泡するが、そのことは、上記のように、一部の群の内視鏡機器を洗浄する場合に特定の欠点を有する。驚くべきことに、米国特許第4,748,279号明細書及び米国特許第6,525,101号明細書に記載のものなどの組成物に特別に選択した追加の界面活性剤を組み込むことによって、生成される気泡の量の劇的な低下があるということが今や発見された。
【0018】
一実施形態では、その中で特定の界面活性剤を使用することで、特定の範囲の曇り点を有する追加の界面活性剤を用いることが、生成される気泡の量を激減させることが見出された。別の実施形態では、第四級アンモニウム化合物を追加の界面活性剤として組み込むことが、生成される気泡の量を激減させることがわかった。
【0019】
本発明の組成物は、いくつかの極めて有用な特徴を実証する。最も重要なことに、それは、高圧洗浄動作(例えば、35℃を超える温度)の下でさえ非常に不安定な気泡を生成し、したがって高圧、高温型内視鏡洗浄機で問題なく使用することができる。これは、医療洗浄技術の大きな進歩である。
【0020】
本発明の組成物は優れた洗浄力を示し、それは、表面及び界面張力のかなり向上した低下のために、内視鏡及び無生物表面からの増加した医療汚物の除去も補完する。理論によって束縛されるものではないが、この向上した洗浄力は、増加した表面活性によると考えられる。
【0021】
同時に、他の市販のグルタルアルデヒド含有界面活性組成物と比較して、本発明の溶液からの少ない匂いの放出は、モノ/ジアルデヒド、界面活性剤及びグリコール若しくはポリオールの間の結合の増加によることが知られている。
【0022】
本発明の組成物は、内視鏡の向上した洗浄結果をもたらし、したがって、先行組成物におけるよりも高い水準の再処理を保証する。モノ又はジアルデヒドも安定である。溶液が内視鏡処理系の中で35から55℃の温度まで加熱される場合、これはプラスである。本発明の組成物の生物反応特性に関する試験結果は、米国特許第4,748,279号明細書及び同6,525,101号明細書に開示されるものなど、従来の界面活性剤系を使用する比較製剤と比較して、微生物による殺生物剤の取込みが増大することを強く示す。モノ又はジアルデヒド組成物の化学安定性は、殺菌効率又は洗浄効率を損なうことなしに15日を超える期間、加熱した滅菌用溶液が再循環することを可能にする。
【0023】
したがって、本発明の第一の実施形態によれば、
(i)少なくとも1つのモノ又はジアルデヒド、
(ii)少なくとも1つのグリコール若しくはポリオール又はその誘導体、
(iii)非イオン性の第一の界面活性剤、及び
(iv)約30℃から50℃の範囲の曇り点を有する第二の界面活性剤
を含む滅菌用組成物が提供される。
【0024】
本発明の第二の実施形態によれば、
(i)少なくとも1つのモノ又はジアルデヒド、
(ii)少なくとも1つのグリコール若しくはポリオール又はその誘導体、
(iii)非イオン性の第一の界面活性剤、及び
(iv)第四級アンモニウム化合物である第二の界面活性剤
を含む滅菌用組成物が提供される。
【0025】
本発明による組成物は、細菌、真菌類、ウイルス及び細菌胞子の除去に有効である。それらは、濃縮した形態で用いることもでき、又は使用前に溶媒で希釈することもできる。実用上、実質的に非発泡性であるので、本発明による組成物は、再使用できる手術用器具又は機器、特に内視鏡用途で用いるそれらの洗浄及び滅菌に理想的に適している。
【0026】
したがって、本発明の第三の実施形態によれば、再使用できる手術用器具又は機器、補助的光ファイバー又は電子付属品からの手術汚物の破壊又は除去の方法が提供され、その方法は、手術用器具又は機器、補助的光ファイバー又は電子付属品を本発明の組成物で処理することを含む。
【0027】
本発明の組成物は、手術汚物を除去する優れた能力を有することが見い出された。
【0028】
本発明は、本発明の組成物を調製する方法にも関する。本発明の組成物は、モノ又はジアルデヒド、グリコール若しくはポリオール又はその誘導体、非イオン性の第一の界面活性剤、及び第二の界面活性剤を、任意選択で溶媒中で組み合わせることによって調製される。
【0029】
したがって、第四の実施形態によれば、第一又は第二の実施形態の滅菌用組成物を調製する方法が提供され、その方法は、前記少なくとも1つのモノ又はジアルデヒド、前記少なくとも1つのグリコール若しくはポリオール又はその誘導体、前記非イオン性の第一の界面活性剤、及び前記第二の界面活性剤を組み合わせることを含む。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】米国特許第4,748,279号明細書による対照組成物と比較した、実施例1で調製された本発明の組成物の、時間(秒)の関数としての40℃での泡高(%)のグラフである。
【図2】米国特許第4,748,279号明細書による対照組成物と比較した、実施例2で調製された本発明の組成物の、時間(秒)の関数としての40℃での泡高(%)のグラフである。
【図3】米国特許第4,748,279号明細書による対照組成物と比較した、実施例3で調製された本発明の組成物の、時間(秒)の関数としての40℃での泡高(%)のグラフである。
【図4】米国特許第4,748,279号明細書による対照組成物と比較した、実施例4で調製された本発明の組成物の、時間(秒)の関数としての40℃での泡高(%)のグラフである。
【図5】実施例6で調製された本発明の組成物の、時間(秒)の関数としての40℃での泡高(%)のグラフである。
【図6】実施例6で調製された本発明の組成物の、時間(秒)の関数としての室温での泡高(%)のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の組成物は、少なくとも1つのモノ又はジアルデヒドを含む。好ましくは、モノ又はジアルデヒドは、2個から12個の炭素原子を含有し、それらは、モノ、ジ若しくは共役アルキル、又は置換された若しくは無置換の芳香族でもよい。本発明の組成物で用いる好ましい脂肪族ジアルデヒドは、グルタルアルデヒドである。本発明の組成物で用いる好ましい芳香族ジアルデヒドは、オルトプタルアルデヒドである。
【0032】
本発明による即時利用可能な組成物では、好ましくはモノ又はジアルデヒドは、組成物の総重量の約0.1から3.5重量%の量で存在する。これらの即時利用可能な組成物は、手術用の器具及び機器の化学滅菌のために一般に用いられ、速くて効果的な消毒方法が必要とされる場合に有用である。それらは、産業の場面、例えば空調系及びダクトに適用することもできる。
【0033】
他の適用では、約3.5から30%の濃度のモノ又はジアルデヒドを有する本発明の組成物を調製することができる。本発明のこの濃縮組成物を、例えば水又は水及びアルコールの混合液で希釈して、組成物の総重量の約0.01から5.0重量%のモノ又はジアルデヒドを有する、希釈された組成物を形成することができる。この希釈された組成物は、医療消毒のために、例えばワンショット内視鏡洗浄機及びトンネル洗浄機、表面消毒、室内消毒並びに歯科及び獣医の衛生のために一般に用いられる。
【0034】
本発明の組成物は、細菌、真菌類、ウイルス及び細菌胞子によって汚染された生物汚物に対して有効である。上記のように、本発明の組成物の生物反応特性に関する試験結果は、米国特許第4,748,279号明細書及び同6,525,101号明細書に開示されるものなどの製剤と比較して、微生物による殺生物剤の取込みが増大することを示す。
【0035】
本発明の組成物は、少なくとも1つのグリコール若しくはポリオール又はその誘導体、例えばグリコールエーテル及びグリコールアセテート、或いはグリコール、ポリオール又はその誘導体の混合物を含む。組成物の他の成分に適合する任意のグリコール又はポリオールが、含まれてもよい。好ましくは、2〜10個の炭素原子、より好ましくは4〜10個の炭素原子を有する水溶性低分子量グリコール、及びそれらのエステルが用いられる。グリコールの部分置換でのエタノール及びイソプロパノールなどの低級アルカノールの使用も、相応な安定性を有する溶液を与える。しかし、低級アルカノールは望ましくない匂いを発生することがあり、また、状況によっては可燃性となることがあり、したがってより好ましくない。
【0036】
好ましくは、グリコール、ポリオール又はその誘導体は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジ、トリ若しくはテトラエチレングリコールのモノメチルエーテル、プロピレングリコール又はこれらの混合物から選択される。
【0037】
好ましい実施形態では、組成物の総重量中に、約0.5〜4.0モルのグリコール若しくはポリオール又はその誘導体から約1モルのグルタルアルデヒドが用いられる。別の好ましい実施形態では、組成物の総重量中に、約14モルのグリコール若しくはポリオール又はその誘導体から約1モルのオルトフタルアルデヒドが用いられる。
【0038】
本発明の組成物は、公知の発泡非イオン性界面活性剤のいずれかから選択することができる、第一の界面活性剤を含む。本発明の組成物で第一の界面活性剤として使用するのに適する界面活性剤の例には、アルキル(C〜C18)アルカノールのポリ(3〜16)エトキシレート、アルキル(C〜C14)フェノール並びにその硫酸及びリン酸エステルのポリ(3〜16)エトキシレート、重合鎖の上の小さなアルキル鎖の置換を有するか有しないエチレン及び/又はプロピレンオキシドのブロック重合体又はその混合物から誘導される市販界面活性剤、並びにアルキル(C〜C18)アミンオキシドが含まれる。本発明の組成物で使用するのに適する高発泡非イオン性界面活性剤の例は、アルキル(C〜C18)アミンオキシドである。非イオン性分子につき4から12モルのエチレンオキシドを含有する非イオン性界面活性剤が好ましい。第一の界面活性剤として特に好ましいものは、アルコール1モルにつき6モルのエチレンオキシドを含有する、ネオドール(Neodol) 91−6(商標)として市販されているC〜C11アルコールエトキシレートである。
【0039】
本発明による組成物は、第二の界面活性剤も含む。驚くべきことに、米国特許第4,748,279号明細書に開示のものなどの組成物へ、ある選択された界面活性剤を添加することが、実質的に気泡を有しない組成物をもたらすことがわかり、したがって、それは手術用機器及び器具、特に内視鏡用途で用いられるものの洗浄及び滅菌に非常に適していた。
【0040】
本発明の一実施形態では、第二の界面活性剤は、30℃から50℃の範囲、より好ましくは約35℃から45℃の範囲の曇り点を有する。この範囲の曇り点を有する第二の界面活性剤は、米国特許第4,748,279号明細書及び米国特許第6,525,101号明細書で開示されているような先行技術の製剤よりも顕著に低下した泡高を有し、より動的な泡不安定性を有する組成物をもたらす。
【0041】
この実施形態では、第二の界面活性剤は、好ましくは非イオン性である。より好ましくは、30℃から50℃の範囲の曇り点を有する第二の界面活性剤は、アルコール1モルにつき5モルのエチレンオキシドを含有するC〜C11アルコールエトキシレート、非イオン性アルコキシル化脂肪族アルコール、エトキシル化プロポキシル化C〜C10アルコール、分枝鎖塩素キャップエチレンオキシド又はポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体から選択される。
【0042】
本発明の第二の界面活性剤として使用するのに好ましい30℃から50℃の範囲の曇り点を有する市販界面活性剤の例は、ネオドール 91−5(商標)(Shell chemicals)C〜C11アルコールエトキシレート、プルラファック(Plurafac) LF 221(商標)(BASF)非イオン性アルコキシル化脂肪族アルコール、アンタロックス(Antarox) BL240(商標)(Rhodia)エトキシル化プロポキシル化C〜C10アルコール及びアンタロックス LF330(商標)(Rhodia)分枝鎖塩素キャップエチレンオキシド及びプルロニック(Pluronic) PE6200(BASF)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体である。アンタロックス LF330(商標)と同等の界面活性剤は、テリック(Teric) 165(商標)(Huntsman)である。
【0043】
本発明の別の実施形態では、第二の界面活性剤として第四級アンモニウム化合物を使用することが、本発明の組成物の泡高を顕著に減らすこともわかっている。第二の界面活性剤としての第四級アンモニウム化合物の使用は、米国特許第4,748,279号明細書及び米国特許第6,525,101号明細書で開示されているような先行技術の製剤よりも顕著に低下した泡高を有し、より動的な泡不安定性を有する組成物ももたらす。
【0044】
第四級アンモニウム化合物の窒素原子は、1つ又は複数のアルキル基及び1つ又は複数のフェニル基で好ましくは置換される。より好ましくは、第四級アンモニウム化合物の窒素原子は、1つ又は複数のメチル基、ベンジル基及びC〜C18アルキル基で置換される。この群の第二の界面活性剤のうち、アルキルC12〜C16ジメチルベンジルアミンハライドが好ましい。特に好ましい市販の第四級アンモニウム化合物は、ガルジカット(Gardiquat) 1450(商標)(Albright&Wilson)である。
【0045】
本発明の組成物は、30ダイン/cm未満の表面張力を一般的に有する。
【0046】
実質的に非発泡性であるだけでなく、本発明の組成物は保存後も透明であり、組成物が化学的に非常に安定であることを示す。他方、気泡の量を減少させるために旧来の泡止め組成物を米国特許第4,748,279号明細書及び米国特許第6,525,101号明細書の先行技術組成物に加えた場合、組成物は直ちに曇り、より高い温度高い圧の条件下で発泡を阻止するために必要とされるレベルでは不安定であることが見い出された。さらに、旧来の泡止め剤を用いることによる気泡抑制は、事実上一時的なものにすぎないことが見い出された。
【0047】
好ましい実施形態では、本発明の組成物はグルタルアルデヒドをジアルデヒドとして含み、第一及び第二の界面活性剤は、組成物の総重量の約0.1から10重量%の合計量で存在する。別の好ましい実施形態では、本発明の組成物はオルトフタルアルデヒドをジアルデヒドとして含み、第一及び第二の界面活性剤は組成物の総重量の約0.1から30重量%の合計量で存在する。
【0048】
第二の界面活性剤は、第一の界面活性剤の0.5〜99.5重量%の範囲で存在することができる。好ましい一実施形態では、第一の界面活性剤と第二の界面活性剤との比は、約75:25の範囲にある。
【0049】
本発明の組成物は、所望の殺菌有効範囲内にpHを調節するために必要とされる緩衝液を、さらに含むことができる。グルタルアルデヒドを用いる好ましい実施形態では、pHは約4.0〜約9.0の範囲にある。オルトフタルアルデヒドを用いる別の好ましい実施形態では、pHは約6〜約8の範囲にある。これらのpH範囲は、殺胞子活性を保障するほか、組成物の異なる成分の適合性の問題を除去する。
【0050】
本発明の組成物では、カルボン酸又は誘導体化カルボン酸などの有機酸が、緩衝液として有用である。緩衝液として有用であり、一価金属と反応性の塩を形成する低分子量有機酸の例は、それらに限定されないが、ギ酸、酢酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、プロピオン酸、ヒドロキシ酢酸、アセト酢酸、アクリル酸、ヒドロキシメチルアクリル酸、メチルアクリル酸、安息香酸及びサリチル酸を含む、Cカルボン酸及びヒドロキシ有機酸である。誘導体化カルボン酸には、リン酸化及びスルフヒドリル化誘導体及びブロモスルファミン酸が含まれる。チオグリコール酸塩も、この点に関して活性である。
【0051】
特定の状況に適合させるために、有機酸の代わりに、又はそれと併用して単純無機酸の一価の塩を、例えば重炭酸塩、炭酸塩、リン酸塩及びケイ酸塩を用いることができる。特に好ましいリン酸塩は、リン酸ナトリウムである。
【0052】
本発明の滅菌用組成物は、少なくとも1つの溶媒を任意選択で含むことができる。組成物の他の成分に適合する任意の溶媒が含まれてもよい。例えば、溶媒は小さな極性溶媒であってもよい。
【0053】
好ましい実施形態では、本発明の組成物は、水、メタノール、エタノール、プロパノール及びイソプロパノール、有機酸及びヒドロキシ有機酸のC〜Cエステル、C〜Cケトン、4個から14個の炭素原子を含有するモノ、ジ及びトリグリコールエーテル及びそれらの分子変異体、フェノール、ベンジルアルコール、エチルフェノール、フェノキシエタノールなどの芳香族アルコール、並びに、ピリジン、ピロリドン及びそれらのC〜C12誘導体及び尿素などの窒素含有溶媒の任意の1つ又は複数から選択される少なくとも1つの溶媒を含んでいる。他の適する溶媒の例には、工業用洗浄剤、溶媒クレンザー、ペンキ除去剤並びにインク及びワニスリムーバーの製造で用いられるもののいずれかが含まれるが、それらはあまり腐食性及び有毒でなく、内視鏡の管及び有機成分などの医療装置に悪い影響を及ぼさない。
【0054】
本発明の組成物は、少なくとも1つのモノ又はジアルデヒド、少なくとも1つのグリコール若しくはポリオール又はその誘導体、或いはこれらの混合物、並びに第一及び第二の界面活性剤を組み合わせることによって調製される。好ましくは、第一及び第二の界面活性剤は、組成物の他の成分と組み合わせる前に同時に可溶化される。一般的に、少なくとも1つのポリオール又はグリコール並びに第一及び第二の界面活性剤を一緒に混合し、pHを所望の範囲に調節し、次に少なくとも1つのモノ又はジアルデヒドを混合液に加える。グルタルアルデヒドを用いる好ましい実施形態では、pHは約4から9の範囲に調節される。オルトフタルアルデヒドを用いる別の好ましい実施形態では、pHは約6から8の範囲に調節される。
【0055】
使用時、本発明による組成物は、即時利用可能な調製物から使用前に希釈されるより濃縮された製剤まで、様々な力価の活性殺生物剤、モノ又はジアルデヒドで調製することができる。
【0056】
化学滅菌のために一般に用いられる即時利用可能な組成物は、組成物の総重量の約0.1から3.5重量%のモノ又はジアルデヒドを好ましくは含有する。
【0057】
本発明の組成物は、濃縮した形態で調製し、次に使用時に希釈することができる。好ましい一実施形態では、濃縮された組成物は、組成物の総重量の約3.5から30重量%のグルタルアルデヒドを含む。別の好ましい実施形態では、濃縮された組成物は、組成物の総重量の約2.5から10重量%のオルトフタルアルデヒドを含む。
【0058】
特に好ましい実施形態では、組成物の総重量の約5重量%のオルトフタルアルデヒドを含む、濃縮された組成物が調製される。
【0059】
本発明の濃縮された組成物は、通常水、緩衝液又は水及びアルコールの混合液で使用時に希釈することができる。この希釈された組成物は、医療機器の消毒のために一般に用いられる。
【0060】
好ましい実施形態では、希釈された組成物は、組成物の総重量の約1.5から3.5重量%のグルタルアルデヒドを含む。
【0061】
別の好ましい実施形態では、希釈された組成物は、組成物の総重量の約0.01から約0.6重量%のオルトフタルアルデヒドを含む。さらに別の好ましい実施形態では、希釈された組成物は、組成物の総重量の約0.1から0.6重量%のオルトフタルアルデヒドを含む。
【0062】
本発明による組成物は、器具消毒、例えば器具噴霧洗浄機(例えばトンネル洗浄機)、表面消毒、室内滅菌並びに歯科及び獣医の衛生で用いることができる。加熱条件下で器具の自動再処理で用いられる本発明の好ましい組成物は、組成物の総重量の0.1から1重量%のオルトフタルアルデヒドを含む組成物を、濃縮物1部に水又はアルコール、又はその混合物100部の量で希釈することによって調製する。低温自動再処理用途の場合、好ましくは、このオルトフタルアルデヒド組成物は、組成物の総重量の約0.5重量%のオルトフタルアルデヒドを含むように希釈される。
【実施例】
【0063】
以下の実施例は、本発明のいくつかの好ましい実施形態を例示する。しかし、以下の実施例は例示だけが目的であり、上述の本発明の大部分を制限するものととられるべきではないことを理解すべきである。
【0064】
実施例1〜4の組成物は、それぞれ米国特許第4,748,276号明細書で開示される製剤に基づくが、米国特許第4,748,276号明細書で用いられているものに、界面活性剤の品質及び型を変更した。変更は、実質的に非発泡性の生成物を提供する、in−situ気泡制御の新しく実際的な機構を提供する。
【0065】
実施例1
記載の都合のよい順序で、以下の成分を混合する。
脱イオン水 91.9g
ネオドール 9−16(商標)(Shell) 0.50g
プルラファック LF−221(商標)(BASF) 0.40g
トリエチレングリコール 3.80g
緩衝液、色素をプラスする
6.3〜6.5にpHを調節する
50%医療グレードグルタルアルデヒド 4.5g
【0066】
本発明のこの組成物の泡高を、100%ネオドール 91−6(商標)を用いる組成物(米国特許第4,748,279号明細書で開示される先行技術組成物と同等)の泡高と比較した。この組成物(ネオドール 91−6(商標)/プルラック(Plurac) LF221(商標))で得られた泡高を、米国特許第4,748,279号明細書で開示される組成物で得られたそれと比較した。結果を、図1に示す。
【0067】
見てわかるように、米国特許第4,748,279号明細書で開示される組成物(ネオドール 91−6(商標)を含む)に0.4%のプルラファック LF−221(商標)を加えた場合に、プルラファック LF−221(商標)を加えない組成物と比較して、泡高の劇的な低下がある。
【0068】
本発明の組成物の表面張力は、28.1ダインcm−1であった。先行技術組成物の表面張力は、28ダインcm−1であった。
【0069】
実施例2
0.5%界面活性剤濃度が20%ネオドール 91−6(商標)及び80%アンタロックス LF330(商標)(Rhodia)で構成されたこと以外は、実施例1と同じ組成物を調製した。
【0070】
この組成物の泡高を、100%ネオドール 91−6(商標)を用いる組成物(米国特許第4,748,279号明細書で開示される先行技術組成物と同等)の泡高と比較した。この組成物(ネオドール 91−6(商標)/アンタロックス LF330(商標))で得られた泡高を、米国特許第4,748,279号明細書で開示される組成物で得られたそれと比較した。結果を、図2に示す。
【0071】
見てわかるように、0.5%界面活性剤濃度が20%ネオドール 91−6(商標)及び80%アンタロックス LF330(商標)で構成された場合、先行技術組成物と比較して本発明の組成物の泡高は非常に速く低下した。
【0072】
本発明の組成物の表面張力は、22.4ダインcm−1であった。先行技術組成物の表面張力は、28ダインcm−1であった。
【0073】
実施例3
0.5%界面活性剤濃度が20%ネオドール 91−6(商標)及び80%アンタロックス BL240(商標)(Rhodia)で構成されたこと以外は、実施例1と同じ組成物を調製した。
【0074】
この組成物の泡高を、100%ネオドール 91−6(商標)を用いる組成物(米国特許第4,748,279号明細書で開示される先行技術組成物と同等)の泡高と比較した。この組成物(ネオドール 91−6(商標)/アンタロックス BL240(商標))で得られた泡高を、米国特許第4,748,279号明細書で開示される組成物で得られたそれと比較した。結果を、図3に示す。
【0075】
見てわかるように、0.5%界面活性剤濃度が20%ネオドール 91−6(商標)及び80%アンタロックス LF240(商標)で構成された場合、先行技術組成物と比較して本発明の組成物の泡高は劇的に低下した。
【0076】
本発明の組成物の表面張力は、29.0ダインcm−1であった。先行技術組成物の表面張力は、28ダインcm−1であった。
【0077】
実施例4
0.5%界面活性剤濃度が80%ネオドール 91−6(商標)及び20%ガルジカット 1450(商標)(Albright&Wilson)で構成されたこと以外は、実施例1と同じ組成物を調製した。
【0078】
この組成物の泡高を、100%ネオドール 91−6(商標)を用いる組成物(米国特許第4,748,279号明細書で開示される先行技術組成物と同等)の泡高と比較した。この組成物(ネオドール 91−6(商標)/ガルジカット 1450(商標))で得られた泡高を、米国特許第4,748,279号明細書で開示される組成物で得られたそれと比較した。結果を、図4に示す。
【0079】
見てわかるように、0.5%界面活性剤濃度が80%ネオドール 91−6(商標)及び20%ガルジカット 1450(商標)で構成された場合、先行技術組成物と比較して本発明の組成物の泡高は劇的に低下した。
【0080】
本発明の組成物の表面張力は、28.1ダインcm−1であった。先行技術組成物の表面張力は、28ダインcm−1であった。
【0081】
実施例5
表1に示すように、本発明の組成物を調製した。表1の組成物は濃縮された形態であり、通常は使用前に希釈される。
【0082】
【表1】

【0083】
表1の組成物の物理特性を、表2に示す。
【表2】

【0084】
実施例6
本発明の即時利用可能な組成物は、実施例5の濃縮組成物の適当な重量をとり、それらをpH8リン酸ナトリウム緩衝液で所与の容量に希釈することによって調製した。組成物を、表3に示す。
【0085】
【表3】

【0086】
表3の組成物の物理的特性を、表4に示す。
【表4】

【0087】
実施例6の即時利用可能な各組成物の泡高の百分率は、時間の関数として測定した。図5は、即時利用可能な製剤MK−13−93B、MK−13−108(2)、MK−13−109(5)の各々の、40℃における泡高百分率を示す。図6は、製剤MK−13−93B、MK−13−108(2)、MK−13−109(5)の各々の、室温における泡高百分率を示す。
【0088】
実施例7
本発明の組成物は、実施例6の組成物の適当な重量をとり、それらを水で希釈することによって約0.3%オルトフタルアルデヒドを得ることによって調製した。各組成物中のオルトフタルアルデヒドの濃度を、表5に示す。本発明のこれらの希釈された組成物の殺菌特性を、ほぼ同量のオルトフタルアルデヒドを含む市販の滅菌用溶液、Cidex OPA(Johnson&Johnson社の製品)のそれらと比較した。組成物は、枯草菌ATCC19659に対して試験した。結果を、表6及び7に示す。表6は、生存生物体の数(cfu/ml)を示し、表7は、試験した各試料のログ換算を示す。
【0089】
【表5】

【0090】
【表6】

【0091】
【表7】

【0092】
見てわかるように、本発明の組成物、MK−13−93B、MK−13−108(2)、MK−13−109(希釈されたもの)の全ては、1時間後に市販の組成物よりはるかに優れた殺生物率を有する。
【0093】
実施例8
約0.3%のオルトフタルアルデヒドを含む本発明の希釈された組成物を調製し、「懸濁液試験」を用いてマイコバクテリウム・テラエ(Mycobacterium terrae)に対する殺菌特性を試験した。2つの市販溶液、Metricide OPA(Metrex Research社)及びCidex OPA(Johnson&Johnson社)、並びに1つの内部作業対照溶液(本明細書ではMM_OPAと称する)も、同じ「懸濁液試験」を用いてマイコバクテリウム・テラエに対して試験した。Metricide OPA、Cidex OPA及びMM_OPAも、約0.3%のオルトフタルアルデヒドを含有していた。本発明の組成物の結果を、3つの比較製品、Metricide OPA、Cidex OPA及びMM_OPAのものと比較した。結果を、以下の表8及び9に示す。
【0094】
見てわかるように(表8及び9を参照)、本発明の組成物MK−13−93B、MK−13−108(2)、MK−13−109(5)(0.3%希釈溶液)の全ては、3分後に好ましい結果を達成し、組成物MK−13−108(2)は、比較製品のいずれよりもはるかに優れた殺生物率を3分後に達成した。表8及び9は、生存生物体の数(cfu/ml)及び試験した各試料のログ換算を記載する。
【0095】
【表8】

【0096】
【表9】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)少なくとも1つのモノ又はジアルデヒド、
(ii)少なくとも1つのグリコール若しくはポリオール又はその誘導体、
(iii)非イオン性の第一の界面活性剤、及び
(iv)約30℃から50℃の範囲の曇り点を有する第二の界面活性剤
を含む滅菌用組成物。
【請求項2】
第二の界面活性剤の曇り点が約35℃から45℃の範囲である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
第二の界面活性剤が非イオン性である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
第二の界面活性剤が、アルコール1モルにつき5モルのエチレンオキシドを含有するC〜C11アルコールエトキシレート、非イオン性アルコキシル化脂肪族アルコール、エトキシル化プロポキシル化C〜C10アルコール、分枝鎖塩素キャップエチレンオキシド、及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体からなる群から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
(i)少なくとも1つのモノ又はジアルデヒド、
(ii)少なくとも1つのグリコール若しくはポリオール又はその誘導体、
(iii)非イオン性の第一の界面活性剤、及び
(iv)第四級アンモニウム化合物である第二の界面活性剤
を含む滅菌用組成物。
【請求項6】
第二の界面活性剤がアルキルC12〜C16ジメチルベンジルアミンハライドである、請求項5に記載の滅菌用組成物。
【請求項7】
第一の界面活性剤がアルコール1モルにつき4から12モルのエチレンオキシドを含有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
第一の界面活性剤が、アルコール1モルにつき6モルのエチレンオキシドを含有するC〜C11アルコールエトキシレートである、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
モノ又はジアルデヒドが2個から12個の炭素原子を含有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
モノ又はジアルデヒドがモノ、ジ若しくは共役アルキル又は芳香族である、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
ジアルデヒドがグルタルアルデヒド又はオルトフタルアルデヒドである、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
グルタルアルデヒドをジアルデヒドとして含み、第一及び第二の界面活性剤が、組成物の総重量の約0.1から10重量%の合計量で存在する、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
オルトフタルアルデヒドをジアルデヒドとして含み、第一及び第二の界面活性剤が、組成物の総重量の約0.1から30重量%の合計量で存在する、請求項11に記載の組成物。
【請求項14】
組成物の総重量の3.5から30重量%のグルタルアルデヒド又は組成物の総重量の2.5から10重量%のオルトフタルアルデヒドを含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
組成物の総重量の1.5から3.5重量%のグルタルアルデヒド又は組成物の総重量の0.1から0.6重量%のオルトフタルアルデヒドを含むように水、緩衝液又は水及びアルコールの混合液で希釈された、請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
グリコールが2個から10個の炭素原子を含有する、請求項1〜15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
グリコール又はその誘導体が、トリエチレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジ、トリ若しくはテトラエチレングリコールのモノメチルエーテル、プロピレングリコール又はこれらの混合物から選択される、請求項1〜16のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
約1モルのグルタルアルデヒドに対して約0.5から4.0モルのグリコール又はポリオールを含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項19】
約1モルのオルトフタルアルデヒドに対して約14モルのグリコール又はポリオールを含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項20】
さらに溶媒を含む、請求項1〜19のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項21】
ジアルデヒドがグルタルアルデヒドであり、約4.0から約9.0のpHを有する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項22】
ジアルデヒドがオルトフタルアルデヒドであり、約6から約8のpHを有する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項23】
約30ダイン/cm未満の表面張力を有する、請求項1〜22のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項24】
前記少なくとも1つのモノ又はジアルデヒド、前記少なくとも1つのグリコール若しくはポリオール又はその誘導体、前記非イオン性の第一の界面活性剤、及び前記第二の界面活性剤を組み合わせることを含む、請求項1〜23のいずれか一項に記載の滅菌用組成物を調製する方法。
【請求項25】
再使用できる手術用器具又は機器、補助的光ファイバー又は電子付属品からの手術汚物の破壊及び又は除去の方法であって、手術用器具、補助的光ファイバー又は電子付属品を請求項1〜23のいずれか一項に記載の組成物で処理することを含む方法。
【請求項26】
手術用器具又は機器が、内視鏡手術器具又は内視鏡手術機器である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
再処理手術器具の化学滅菌、補助的医療装置で使用する器具の消毒及び/又は表面の消毒のための、請求項1〜23のいずれか一項に記載の組成物の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−522217(P2010−522217A)
【公表日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−500025(P2010−500025)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【国際出願番号】PCT/AU2008/000436
【国際公開番号】WO2008/116271
【国際公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【出願人】(509268624)ホワイトリー コーポレイション ピーティーワイ リミテッド (1)
【Fターム(参考)】