説明

滑車溝インプラントならびに関連の方法および器具

滑車溝インプラントが、関節面と、反対側を向いた骨付着面とを有する本体を含み、関節面および骨付着面の各々は、本体の基端部と反対側の末端部との間に延びている。細長いチャネルが、関節面上に凹まされ、本体の両端部間に長手方向に延びる。細長い隆起部が、骨付着面から外方に突出し、かつ、本体の両端部間に長手方向に延びる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベアリング・インプラントを受けるために整形外科的関節の関節面を準備するための器具および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
人体は、膝関節、股関節、肩関節などの様々な可動の整形外科的関節を有する。これらの関節は、2つの骨の交差により形成される。各骨の交差する端部は、軟骨から構成された滑らかな関節面を有する。損傷、磨耗、関節炎、疾患、または他の原因の結果として、整形外科的関節の全てまたは一部を人工のインプラントで置き換えることが必要になる場合がある。この手技は、関節置換術または関節形成術と呼ばれる。例えば、人工膝関節全置換術は、大腿骨の末端部および脛骨の基端部の両方において関節面を切り取ること、すなわち切除することを含む。次に、大腿骨の末端部および脛骨の基端部に、相補的な人工インプラントが取り付けられる。関節の一部だけが損傷された場合、関節部分形成術を行うことができる。この手技においては、1つまたは複数の人工インプラントが、関節の一部だけと置き換わる。
【0003】
【特許文献1】米国特許出願番号第10/901,941号明細書
【特許文献2】米国特許第5,702,397号明細書
【特許文献3】米国特許出願番号第09/970,559号明細書
【特許文献4】米国特許出願番号第10/798,665号明細書
【発明の開示】
【0004】
関節置換術は、現在一般的に成功をおさめている普通の手技であるが、従来のインプラントおよび関連する取り付け技術には、かなりの短所がある。多くの関節置換術に関する1つの顕著な欠点は、患者の回復が長期化し、患者に苦痛を与えることである。例えば、従来の膝関節置換術は、大腿骨に界接する筋肉の一部を切断する、比較的大きな切開が行われる開放手術を必要とする。大腿骨および脛骨のそれぞれの端部を完全に露出させるために、大きな切開が行われる。
【0005】
従来の技術を用いて大腿骨および脛骨を切除し、インプラントを取り付けるときに、この露出が必要である。例えば、いくつかの従来の脛骨インプラントは、脛骨の切除された端面に直接ねじ込まれる。このようなねじの取り付けには、切除された端面の露出が必要である。さらに他の実施形態において、インプラントは、そこから突出している柱を有するように形成される。この柱は、脛骨および大腿骨の切除された端面上に形成されたソケット内に収容される。同様に、ソケットの形成、ソケットへの柱の挿入には、脛骨および大腿骨の切除された端面を実質的に完全に露出させることが必要である。
【0006】
一般に、手術がより侵襲性であるほど、患者の回復は、より多くの苦痛を伴い、困難で、時間がかかるものになる。これは、主として、種々の軟組織の切開および切除によって生成される、かなりの量の瘢痕組織に起因するものである。さらに、このような開放性および侵襲性の手術は、感染のリスクが高い。
【0007】
従来型の関節インプラントおよび取り付けのための関連する技術の別の問題点は、合わせ段階中に、異なるインプラントの合わせ、調整、および/または交換が困難になり得ることである。すなわち、インプラントには、異なるサイズ、形状、および構成のものがある。関節置換手技中、外科医は、最も良く適合し、位置決めされるものを決定するために、様々な異なるサイズのインプラントを試験することが多い。従来型インプラントは、装着中に、骨にねじ込まれ、または打ち込まれるため、異なる従来型インプラントの合わせ、調整、および/または交換は困難であり、骨に損傷を与えるおそれがある。同様に、磨耗したインプラントまたは損傷したインプラントを置き換えることは、困難であることが多い。
【0008】
したがって、切開の長さ、骨切除量、および/または軟組織への影響を最小にする、関節の関節面を準備し、そこにインプラントを取り付けるためのインプラントならびに関連する方法およびシステムが、必要とされる。同様に、インプラントのより容易な取り付け、位置決め、試験、および/または交換を可能にするインプラントならびに関連する方法およびシステムも必要とされる。
【0009】
本発明は、インプラントを受けるために整形外科的関節の関節面を準備するための方法および装置、整形外科的関節の関節面に取り付けるためのインプラント、インプラントを整形外科的関節の関節面に固定するためのアンカー・システム、ならびに関連する方法および器具に関する。本明細書および添付の特許請求の範囲で用いられるとき、「関節面(articulation surface)」および「自然関節面(natural articulation surface)」という用語は、整形外科的関節の一部を形成する骨の自然な関節面の全てと、磨耗、外傷、疾患、または自然な関節面の全てまたは一部を除去する他の原因の結果生成される、整形外科的関節の一部を形成する骨の関節磨耗面の全てと、を含むことを広く意図している。
【0010】
本発明のインプラント、アンカー・システム、器具、および方法は、本発明のインプラントの取り付けと組み合わせて用いることができ、あるいは従来の他のインプラント、アンカー・システム、器具および/または方法と別個にまたは組み合わせて用いることもできる。本発明のインプラント、アンカー・システム、器具、および方法は、インプラントを、ヒトまたは他の哺乳類における任意の整形外科的関節の実質的に任意の関節面上に取り付けるために使用できることが理解される。限定のためではなく例証として、本発明のインプラント、アンカー・システム、器具、および方法は、膝関節、足関節、股関節、肩関節、肘関節、橈骨手根関節、指節間関節、または他の関節の関節面の表面再加工(resurfacing)に関連して用いることができる。したがって、インプラントは、大腿骨、脛骨、上腕骨、橈骨、および尺骨の基端部および末端部上、肩甲骨、骨盤、足および手の中の骨の関節面上、ならびに他の骨の関節面上に取り付けることができる。同様に、本発明のインプラント、アンカー・システム、器具、および方法は、関節部分形成術または関節全置換術を容易にするのに用いることができる。
【0011】
1つの実施形態において、本発明のインプラント、アンカー・システム、器具、および/または方法は、侵襲性が低い手技を用いて、関節の関節面を準備し、その上にインプラントを取り付けることができるように設計されている。その結果、軟組織への損傷を減らし、感染リスクを最小にしながら、回復時間が著しく改善される。また、本発明の1つの実施形態において、インプラント、アンカー・システム、器具、および/または方法は、インプラントを関節面に配置した後に、インプラントを選択的に調整し、締め付け、および/または弛めることができるように設計されている。この能力により、最初の装着時に、インプラントの調整および合わせが非常に容易になり、またインプラントの置換が非常に容易になる。
【0012】
脛骨の基端部における関節面の準備、および脛骨の基端部における顆インプラントの取り付けに関連して使用される本発明のいくつか実施形態を以下に述べる。これらの実施形態は、例証として示すものにすぎず、当業者であれば、本明細書に提供される教示に基づいて、他の関節面上にインプラントを準備し、および/または取り付けるために、対応するインプラント、方法、および器具を使用できることが再度留意される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
ここで、添付の図面を参照して、本発明の種々の実施形態を説明する。これらの図面は、本発明の典型的な実施形態を示しているにすぎず、よって、その範囲を限定するものとみなすべきではないことが理解される。
【0014】
図1に、脛骨12の基端部10が示されている。基端部10は、各々が前側18と後側19との間に延びる外側14および内側16を有する。基端部10は、さらに、外側顆(lateral condyle)20および内側顆(medial condyle)21を含む。外側顆20は、基端方向に脛骨12の上関節面の外側小関節面(lateral facet)22で終わり、一方、内側顆21は、基端方向に脛骨12の上関節面の内側小関節面(medial facet)24で終わる。
【0015】
図1に示される脛骨12は左脚由来のものであるが、右脚の脛骨は相補的な形状を有しており、この具体例の方法および装置は、右脚にも等しく適用可能であることが理解される。さらに、この例の方法および装置は、主として脛骨12の内側顆21に関連して示される。この方法および装置は、外側顆20に関連しても使用できることが理解される。
【0016】
1つの実施形態において、内側顆21上への顆インプラントの取り付けを容易にするために、内側半月の後方部分を切除するのに、従来の関節鏡視下手技が用いられる。内側半月の後方部分が除去されると、一般に、約2cmから約6cmまでの間の範囲の垂直方向または水平方向の切開部が、内側半月の前側の上方に形成される。周囲組織を後退させた後、内側半月の前側が切除される。次いで、粗いやすりが、大腿骨の内側顆と脛骨12の内側顆21との間に挿入される。やすりを用いて、脛骨12の内側ファセット24上の関節軟骨を約1〜2mm除去する。半月および関節軟骨を除去することにより、脛骨12の内側小関節面24へのアクセスが向上する。
【0017】
図2に示されるように、トンネル400が、脛骨12の一部を通って形成される。トンネル400は、顆インプラントのために脛骨12を準備するために、および/または顆インプラントを脛骨12に固定するために用いることができる。トンネル400は、第1の端部402から、反対側の端部である第2の端部404まで延びる内面401を有する。第1の端部402は、脛骨12の基端部10の内側16上に形成される。第2の端部404は、脛骨12の内側小関節面24上に形成される。換言すれば、トンネル400の第2の端部404は、関節面の一区画上すなわち小関節面24上に形成され、一方、第1の端部は、関節面から離れるように離間配置された脛骨12上の位置にある。トンネル400は、所望の如何なるサイズにしてもよいが、1つの実施形態においては、トンネル400は、約5mmから約10mmまでの間の範囲の直径を有する。代替的な実施形態において、トンネル400の第1の端部402は、脛骨12の基端部10のいずれかの所望の位置に配置することができる。例えば、第1の端部402は、外側14または前側18に配置することができる。
【0018】
トンネル400は、典型的には、種々の異なるタイプのガイド組立体の1つまたは複数と組み合わせてドリルを用いて形成される。トンネル400を形成するための代替的な方法および技術が、2004年7月28日に出願された特許文献1に開示され、この特許は、特定した引用により本明細書に組み入れられる(以下、「’941出願})。
【0019】
上記に参照した方法および器具を用いて、トンネル400は、患者に対して侵襲性が低い手技によって形成することができる。トンネル400が形成されると、次に、内側小関節面24の切除、および/または切除された内側小関節面24上への顆インプラントの取り付けを助けるために、トンネル400が用いられる。さらに、トンネル400を用いることにより、侵襲性の低い手技を用いて内側小関節面24の切除、および顆インプラントの取り付けを行うこともできる。
【0020】
図3に示されるように、陥凹したポケット194が、内側小関節面24上に形成される。ポケット194は、トンネル400の第2の端部404と交差するように形成され、顆インプラントを受けるような形状が付けられる。ポケット194は、テンプレート、ガイド、ミル、やすり、およびそれらの組み合わせを含む、異なる種々の方法および器具を用いて形成され得ることが理解される。1つの実施形態において、ポケット194を形成する際に、トンネル400を用いることができる。代替的な実施形態においては、トンネル400とは関係なく、ポケット194を形成することができる。例えば、図4に示されるように、脛骨12は、最初に内側顆21を切除し、平坦な切除面234を形成することによって、顆インプラントを受けるように準備された。次に、やすりまたは他の器具を用いて、切除面234上に陥凹したポケット194が形成される。最後に、脛骨12の外側14からポケット194まで延びるトンネル400が形成される。この後者のアプローチにおいては、ポケット194を最初に形成し、続いてトンネル400を形成できることが理解される。切除された面234およびポケット194を形成する際に用い得る別の方法および手順が、’941出願に開示される。
【0021】
以下により詳細に説明されるように、骨アンカーが、トンネル400の第1の端部402内に固定される。骨アンカーは、トンネルを通過するために、ラインまたはファスナに必ず必要とされる開口部より大きい開口部を必要とする。したがって、骨の除去を制限するためにトンネル400が最小にされる場合、トンネル400の第1の端部402は、より大きいドリルで端ぐりされ、骨アンカーの適切な装着を可能にする。1つの実施形態において、トンネル400は、約4mmから8mmまでの間の範囲の直径を有するように座ぐりすることができる。さらに、他の寸法を用いることもできる。
【0022】
図5A〜図5Cに示されるのは、本発明の特徴を組み込む顆インプラント300の1つの実施形態である。「顆インプラント」という用語は、顆の全てまたは一部を置き換えることができるインプラントを含むことが広く意図されている。顆インプラントは、顆の関節面の全てまたは一部を置き換えることもできる。したがって、示される実施形態は、顆インプラントについての1つの通常のサイズおよび形状を示しているが、代替的な実施形態においては、顆インプラントは、脛骨のより多くを置き換えるためにより大きくすることができ、あるいは、脛骨の顆の一区画のみを置き換えるためにより小さくすることもできる。このような代案において、顆インプラントは、種々の異なる形状を有することができる。
【0023】
一般に、顆インプラント300は、上部関節面306と、対向する骨付着面(bone apposition surface)303とを有する。1つの実施形態において、上部関節面306は、対応する大腿骨顆部と嵌合するように、前後左右に連続的に湾曲する概ね凹状の輪郭を有する。代替的に、関節面306は、実質的に平坦にすることもできる。骨付着面303は、前後左右に連続的に湾曲し、ポケット194(図3および図4)に嵌合するように構成された概ね凸状の輪郭を有する。1つの実施形態において、関節面306は、骨付着面303に対して実質的に相補的である。骨付着面303の輪郭付けの結果として、インプラント300は、その長さおよび幅に沿って全体的に均一の厚さをもつ、薄型の形状を有するように形成することができる。この均一の厚さにより、インプラント300に均一の強度が与えられる。さらに、ポケット194内に嵌まるように、インプラント300を輪郭付けることによって、取り付けられたインプラント300の安定性が高まり、脛骨12に対するインプラントの望ましくない運動が防止される。
【0024】
代替的な実施形態において、骨付着面303は、実質的に平坦にすることができる。その結果、インプラント300を平坦な切除面234に直接取り付けることができる。しかしながら、この実施形態においては、関節面306を輪郭付けることにより、インプラント300の両端部が中間部より厚くなる。しかしながら、同様に、患者のサイズおよび置き換えられる骨の部分のサイズに応じて、インプラント300は、一連の異なるサイズおよび形状を有することができる。
【0025】
図5Cに示されるように、インプラント300は、本体301と、インレー320とを含む。本体301は、上部関節面306と、反対側を向いた底面308とを有する。ポケット316は、底面308上で凹んでいる。ポケット316は、床部317と、その周囲の周りに立ち上がっている側壁318とにより境界付けられる。ステム304は、床部317から突出し、ポケット316に完全に取り囲まれている。本体301は、典型的には、クロム、コバルト、チタン等、およびそれらの合金のような金属からなるが、セラミック、プラスチック、または他の材料から作ることもできる。本体301は、異なる材料の層または区域からなることもできる。1つの実施形態において、本体301は、典型的には、約2mmから約10mmまでの間の範囲の最大厚を有する。脛骨顆が切除される量、あるいは磨耗した量に応じて、他の寸法を用いることもできる。
【0026】
インレー320は、ステム304を取り囲むように、本体301のポケット316に固定される。インレー320は、多孔質タンタルのような、多孔質の骨内方成長材料から成る。従来の他の多孔質の骨内方成長材料を用いることもできる。インレー320は、圧入、溶接、接着、焼結等のような従来技術を用いて、ポケット316内に固定される。インレー320は、ねじ、ファスナ、リベット等によって、本体301に機械的に結合することもできる。代替的な実施形態においては、ポケット316を排除することができ、種々の技術を用いて、インレー320を本体301の底面に固定することができる。インレー320は、露出された底面322を有し、これは、上記のように、アーチ形にすることができ、実質的に平坦にすることができ、またはいずれかの他の所望の形状を有することができる。この実施形態において、インレー320の底面322は、ベースプレート301の骨付着面303の実質的に全てを含む。
【0027】
単一のインレー320が配置された単一のポケット316を有するのとは対照的に、各々が別個のインレーを受けるように適合された複数のポケットを有するように、本体301を形成できることが理解される。例えば、底面414を有する本体412を含むインプラント410の代替的な実施形態が、図6Aおよび図6Bに示される。底面414は、周囲の側壁418により部分的に境界付けられ、中央ブリッジ420により分離される、2つのポケット416Aおよび416Bを有するように形成される。各々のポケット416Aおよび416Bは、対応するインレー422Aおよび422Bを受けるように適合される。この実施形態においては、骨付着面は、インレー422Aおよび422Bの底面のみならず、ブリッジ420の底面および周囲の側壁418も含む。
【0028】
同様に、インプラントのための本体424の代替的な実施形態が、図7に示される。本体は、3つの別個のポケット426A、426B、および426Cを備えた底面424を有する。ポケット426の各々は、別個のインレーを受けるように適合される。別個のポケット間に形成されたブリッジは、増強された構造上の支持をインプラントに与え、以下により詳細に説明されるように、可撓性のラインを取り付けることができる構造を提供する。
【0029】
さらに他の実施形態においては、多孔質の骨内方成長材料のインレーを排除できることが理解される。この実施形態において、顆インプラントは、単一の一体型部材を含む。例えば、顆インプラント428の代替的な実施形態が、図8に示される。インプラント428は、上部関節面306と、骨付着面としても機能する対向する底面430とを有する単一の一体型本体430として形成される。脛骨12へのインプラント428の確実な取り付けを容易にするために、底面430上に複数のスパイクが形成される。本明細書内の全ての実施形態において、インプラントの底面から突出している、スパイク、フィン、または他の形態の突起部を形成できることが理解される。このような突起部は、多孔質の骨内方成長インレーから分離していてもよく、または多孔質の骨内方成長インレーにより囲まれていてもよい。突起部は、多孔質の骨内方成長インレー上に形成することもできる。このような突起部は、脛骨内に貫入するか、あるいは脛骨上に形成されたスロット内に受けられ、インプラントの望ましくない動きを防止するのを助けることができる。
【0030】
1つの実施形態においては、インプラントを脛骨12に固定するために、可撓性のラインが使用される。本明細書および添付の特許請求の範囲において用いられる場合、「ライン」という用語は、ワイヤ、ケーブル、コード、縫合糸、編組ライン、それらの組み合わせ、または任意のタイプの可撓性フィラメントを含むように広く意図されている。ラインは、金属、合金、合成品、複合物、またはいずれかの他の所望の材料から作ることができる。本発明の1つの実施形態において、ラインは、約0.25mmから約5mmまでの間の範囲の直径を有するコバルト・クロム合金の編組糸を含み、この直径は、約0.5mmから約3mmまでの間の範囲がより一般的であり、約0.5mmから約2mmまでの間の範囲が最も一般的である。他の寸法を用いることもできる。ラインは、任意の所望の長さとすることができる。
【0031】
1つの実施形態において、ラインはまた、支持されていない長さ4cmのラインについて、そのラインが実質的に圧縮強さを有さないことによって規定することもできる。さらに他の実施形態においては、支持されていない長さ4cmのラインについて、0.25ニュートン(N)、1N、2N、5N、20N、または50Nの軸方向の圧縮荷重がかけられたときに、ラインが座屈により撓む。すなわち、異なる荷重下で撓む異なるラインを用いることができる。より硬いラインを用いることもできる。
【0032】
ラインは、静的であってもよく、または弾性的に伸縮可能であってもよいことも理解される。ラインが弾性的に伸縮可能である1つの実施形態において、ラインは、擬似弾性特性の形状記憶を有する材料からなることができる。このような材料の一例は、ニチノール(Nitinol)の名称で販売されているニッケル・チタン合金である。さらに他の実施形態においては、ラインのいくつかの区域を、コイルばね、またはゴム、あるいはバンジー型部材のようなばね部材と置き換えることができることが理解される。
【0033】
図5Bおよび図5Cに戻ると、第1の端部439および反対側の第2の端部440を有する細長いライン438が設けられる。第1の端部439は、滑らかで均一の直径を有し、これを維持するように封止された先端部441で終わる。第2の端部440は、拡大した角の丸いヘッド442で終わる。代替的な実施形態においては、第2の端部440は、第1の端部439と同じ形状を有することができ、あるいは任意の所望の形状の拡大ヘッドを有することもできる。
【0034】
本発明の1つの実施形態において、可撓性のライン438をインプラント300に接続するための手段が設けられる。限定のためではなく例証として、ステム304には、ねじ切りされたソケット312が設けられる。管状のリテーナ444が、ライン438上に摺動可能に配置される。リテーナ444は、1つまたは複数の螺旋状のねじ山446がその外面上に取り付けられた本体445を含む。ねじ山446は、ねじ切りされたソケット312と係合するように構成されている。チャネル448が、本体445を通って長手方向に延びる。チャネル448は、本体445の末端部に向けて細くなるので、本体445の末端部におけるチャネル448は、ライン438の直径より大きいが、ヘッド442の直径より小さい。チャネル448の基端部は拡大されており、多角形の横断面を有する。その結果、ライン438の第1の端部439は、末端方向から基端方向に本体445のチャネル448を貫通することができる。次いで、ヘッド442がチャネル448の細められた区域によって停止されるまで、リテーナ444を通して、ライン438を引っ張ることができる。次に、その基端部においてリテーナ444のチャネル448内に嵌まるように適合された自由端を有する管状のドライバ(図示せず)内の中央チャネルを通して、ライン438の第1の端部を前進させることができる。したがって、ドライバを用いて、リテーナ444をねじ切りされたソケット312にねじ込むことができ、これによりライン438がインプラント300に固定される。
【0035】
ラインをインプラントに接続するための手段の別の実施形態が、図6Bに示される。この実施形態においては、通路464が、ブリッジ420を通って延びる。通路464は、ブリッジ420の側壁上に形成された入口465と、ブリッジ420の底面上に形成された出口466とを有する。同様に、入口465から出口466に延びるにつれて、通路464も細くなる。ライン438は、第2の端部440上に形成された実質的に円筒形の拡大ヘッド442を有するように示される。ヘッド442は、通路464の細められた部分より大きい。ヘッド442は、ライン438上に圧着され、溶接され、または他の方法で形成されることが可能である。ヘッド442は、ライン438と一体形成されることもできる。組み立ての際に、ライン438の第1の端部439は、入口465から出口466まで通路464を通過する。ヘッド442が、細められた通路464内に捕捉され、確実に保持されるまで、ライン438が、通路464を通して前進させられる。次いで、インレー422Aおよび422Bをポケット416Aおよび416B内に配置することができる。さらに他の実施形態において、通路464を細くするのではなく、ヘッド442を楔形状にし、ヘッド442が通路464内に捕捉されるようにできることが理解される。
【0036】
ラインをインプラントに接続するための手段のさらに他の種々の実施形態が、図9〜図14に示される。具体的には、選択的に圧着し、ヘッド442をステム450内にキャッチすることができる、インプラント300に取り付けられたステム450が、図9に示される。1つの実施形態において、これは、ステム450に沿ってスロットを形成することによって達成することができる。図10に示されるように、フック452が、インプラント300の本体301の底面から突出するように形成される。ヘッド442を有するのとは対照的に、ループ454が、ライン438の第2の端部に形成される。ループ454は、フック452に巻き付けられる。次いで、インレー320が本体301の底面上に取り付けられ、ループ454がフック452から偶発的に摺動して外れるのを防止する。
【0037】
図11に示されるように、インプラント300を通って頂面306から底面308まで延びるように、チャネル456を形成することができる。チャネル456は、ライン438のヘッド442を受けるように、頂面306が拡大されているが、ヘッド442をチャネル456内に捕捉するように、底面308に向けて細くなっている。頂面306上のチャネル456への開口部は、大腿骨顆の望ましくない磨耗を防ぐように、丸みをつけることができる。他の実施形態においては、チャネル456の開口部を塞ぐために、栓をチャネル456に挿入することができる。さらに別の代案においては、頂面306上にチャネル456への開口部を形成する代わりに、インプラント300の側部から内方に延びる細められたスロットを形成することができる。
【0038】
図12に示されるように、ヘッド456を内部に捕捉するために、止めねじ458が、管状のステム459の側部にねじ込まれる。最後に、図13に示されるように、上述のようなねじ切りされたリテーナ444を有するのではなく、管状リテーナ460に、外方に突出する刺461を設けることができる。リテーナ460は、単に、上にねじ山または刺を有するソケット462内に押し込むことができるので、リテーナ460が内部に捕捉される。図13において、ライン438は、弾性的に伸縮可能なばね468を含むように示されることも留意される。ばね468は、インプラントに直接接続することができること、またはライン438に沿って配置できることが理解される。ばね468には、種々の異なる形状およびサイズがあり、ばね468を異なる材料から作ることもできる。以下により詳細に説明されるように、ばね468は、ライン438にかかる所望の張力を維持するのを助けるので、インプラントが所定位置に確実に保持される。
【0039】
図14に示される実施形態において、インプラント470は、底面472を備えた本体471を有する。離間配置された一対の突起部474Aおよび474Bが、底面472から突出する。通路475が、突起部474Aおよび474Bの各々を通って延びる。ライン438は、各通路475を通過するので、ライン438は、該ライン438の両端439および440が自由に配置された状態で、インプラント470に摺動可能に接続される。以下により詳細に説明されるように、この実施形態において、ライン438の両端439および440は、骨に別個に接続される。ライン438がインプラント470に摺動可能に接続されるので、この実施形態は、通路474を通過するとき、ライン438の一端にかけられた張力が強められるという点で、滑車のように働く。したがって、ライン438にかかる荷重を増加させることなく、より大きい力を用いて、インプラントを固定することができる。
【0040】
さらに、ライン438を離間配置された2つの位置でインプラント470に接続することによって、インプラントが、骨の上での望ましくない摺動または回転を防止するより安定した構成で固定される。他の実施形態においては、ライン438は、単一の突起部474のみに接続できることが理解される。第1のラインを突起部474Aに接続し、第2のラインを突起部474Bに接続することも可能であることが理解される。同様に、本明細書に開示される全ての実施形態において、本明細書に開示される方法のいずれかを用いて、2つまたはそれ以上の別個のラインをインプラントの各々に接続できることが理解される。ライン438をインプラントに固定することができる、さらに多数の他の方法が存在することも理解される。例えば、ラインは、溶接し、圧入し、またはボルト、リベット、もしくはクランプのような種々の異なる種類のファスナによって取り付けることが可能である。ラインが接続された、さらに他の顆インプラントの例も、’941出願に開示されている。
【0041】
顆インプラント300を脛骨12に固定するために用いられるアンカー組立体810の1つの実施形態が、図15に示される。アンカー組立体810は、ロック813と作動可能に接続する骨アンカー812を含む。以下により詳細に説明されるように、骨アンカー812が、第1のドライバ814によって選択的に配置され、ロック813が、第2のドライバ816によって選択的に配置される。
【0042】
図16を参照すると、骨アンカー812は、実質的に円筒形の形状を有する管状の本体818を含む。本体818は、各々が基端部822と反対側の末端部823との間に延びる、内面820および外面821を含む。末端部823は、細くなったノーズ824に向けてテーパー状になっている。多角形または他の任意の丸くない形状の横断面を有する外面を備えた係合ヘッド827が、基端部822に形成される。その結果、第1のドライバ814は、係合ヘッド827と接続して、骨アンカー812を選択的に回転させることができる。1つまたは複数の螺旋状のねじ山825が、外面821を取り囲み、外面821から半径方向外方に突出している。ねじ山825は、通常のものにすることができ、またはセルフタッピング式とすることもでき、係合ヘッド827の外周を越えて半径方向外方に延びる。代替的な実施形態において、ねじ山825は、隆起部、刺、または従来の骨アンカーに用いられる他の骨係合構造と置き換えることができる。骨アンカー825は、生体適合性金属、生体吸収性ポリマー、生体活性セラミック、またはいずれかの他の所望の材料から形成することができる。
【0043】
図17に示されるように、内面820は、骨アンカー812を通って長手方向に延びるチャネル826を境界付ける。基端方向から末端方向に延びている内面820は、ねじ付き部分828と、切頭円錐形状のテーパー部分830と、細められた円筒部分833とを含む。
【0044】
図16に戻ると、示される実施形態において、ロック813は、コレットを含む。一般に、ロック813は、基端部836と、反対側の末端部838と、これらの間に延びるチャネル840とを有する。より具体的には、ロック813は、基端部836から第2の端部850まで延びる管状の本体846を含む。1つまたは複数の螺旋状のねじ山852が、本体846を取り囲み、本体846から半径方向外方に突出している。ねじ山852は、骨アンカー812のねじ付き部分828と係合するように構成される。本体846を通って延びるチャネル840の少なくとも一部は、多角形または他の非円形の横断面を有する内面847によって境界付けられ、ロック813を選択的に回転させるために、第2のドライバ816(図15)を内部に固定することができる。
【0045】
複数の可撓性フィンガ856が、本体846の第2の端部850から突出している。図18に示されるように、4つのフィンガ856が設けられ、各々のフィンガ856は、該フィンガ856の長手方向に沿って延びるスロット857によって分離される。代替的な実施形態においては、2つまたはそれ以上のフィンガ856を用いることができる。各フィンガ856の末端部は、半径方向内方にテーパー状にされる。
【0046】
図19に示されるように、作動中、ロック813は、骨アンカー812の基端部822内に部分的にねじ込まれる。この位置において、フィンガ856が撓んでいない場合には、ライン438は、チャネル826および840を貫通する。以下により詳細に説明されるように、ライン438を骨アンカーに対して固定することが望ましい場合、ロック813は、内部にしっかりと固定されるまで、骨アンカー812内にさらに前進される。その際、ロック813のフィンガ856は、骨アンカー812のテーパー状部分830を付勢し、これにより、フィンガ856が半径方向内方に細くなり、ライン438に確実に係合するようになる。この位置において、ライン438は、いずれの方向にも引っ張ることができない。しかしながら、単に骨アンカー812の中からロック813をねじ戻すことによって、フィンガ856が外方に撓むことが可能になり、ライン438が再び自由に移動できるようになる。
【0047】
図15を参照すると、第1のドライバ814は、基端部863および反対側の末端部864を有する管状のシャフト862を含む。ハンドル865が、基端部863に形成される。ライン438が第1のドライバ814を完全に貫通できるように、通路866が、シャフト862およびハンドル865を通って延びる。末端部864の通路866は、骨アンカー812の係合ヘッド827の外面に対して相補的な内面を有する。したがって、第1のドライバ814は、骨アンカー812と選択的に連結させることができ、骨アンカー812を選択的に回転させる。
【0048】
第2のドライバ816も、基端部868および対向する末端部870を有する管状シャフト867を含む。管状ハンドル872が、868の基端部に取り付けられる。したがって、ライン438がそこを通って完全に延びることができるように、通路874が、第2のドライバ816の長さを延びる。シャフト867の末端部870は、先端部875で終わる。先端部875は、ロック813の基端部836のチャネル840に対して相補的な形状を有する。したがって、第2のドライバ816は、ロック813と選択的に連結させることができ、ロック813を選択的に回転させる。
【0049】
図20を参照すると、顆インプラント300の取り付けを容易にするために、ライン438の第2の端部をインプラント300に接続した状態で、ライン438の第1の端部439が、トンネル400を通して第2の端部404(図3および図4)から第1の端部402まで通される。1つの実施形態において、このことは、器具を、トンネル400を通して第1の端部402から第2の端部404まで上向きに通すことによって達成される。次いで、この器具を用いて、ライン438の第1の端部439を掴み、トンネル400を通して該第1の端部439を下方に引っ張る。他の技術も用いられ得る。
【0050】
ライン438は、全てのたるみを除去するように、トンネル400を通して断続的に引っ張られる。たるみが除去された状態で、顆インプラント300が切除面234の上に摺動され、ポケット194内に嵌まる。顆インプラント300が比較的薄型のものであるので、顆インプラント300は、内側半月の上に最初に形成された比較的小さい切開部を容易に通過できることがここで留意される。このことは、固定のために骨内に埋め込まれる大きいステムを有するインプラントの配置を可能にするため、または、インプラントの少なくとも一部の上部を通してねじを下方に通すことによりインプラントの固定を可能にするためのアクセス空間を提供するために、より大きい切開を行う必要がある他の従来の手技とは対照的である。
【0051】
インプラント300が位置決めされると、ライン438上に骨アンカー812が送り込まれる。具体的には、図19を参照して上で説明されるように、ロック813が骨アンカー812に部分的に挿入された状態で、ライン438の第1の端部439が、骨アンカー812およびロック813のチャネル826および840を通して、末端方向から基端方向に通される。次いで、ライン438の第1の端部439が、第1のドライバ814の通路866を通して末端方向から基端方向に通されるので、第1のドライバ814は、骨アンカー812と取り外し可能に連結することができる。上記のステップは、種々の異なる順序で実行できることが理解される。例えば、骨アンカー812およびロック813が互いに接続される前に、ライン428を別個にこれらに通すことができる。
【0052】
次いで、第1のドライバ814を用いて、内部にロック813を有する骨アンカー812をトンネル400の第1の端部402にねじ込む。骨アンカー812は、基端部822が脛骨12内に入るまで前進される。1つの実施形態においては、最初に、第1の端部402においてトンネル400の内面にねじを切るために、タップ(図示せず)が用いられる。代替的に、骨アンカー812は、セルフタッピング式とすることができる。
【0053】
次に、ライン438に張力をかけるために、テンショナ(tensioner)878が用いられる。図21および図22に示されるように、テンショナ878は、基端部881および反対側の末端部882を有するフレーム880を含む。末端部882は、第1のドライバ814のハンドル865に取り外し可能に接続される。チャネル884が、フレーム880の一部の中に形成される。ねじ付きシャフト886が、チャンネル884内に回転可能に配置される。シャフト886の一部は、基端部881を越えて延び、該基端部881に接続されたハンドル888を有する。クランプ・アーム890が、チャンネル884内のねじ付きシャフト886上に取り付けられる。クランプ・アーム890は、ハンドル888の回転によるシャフト886の回転により、クランプ・アーム890が、回転方向に応じてシャフト886に沿って選択的に前進できるように取り付けられる。
【0054】
停止プレート892が、クランプ・アーム890上に配置される。偏心的に取り付けられたカム894が、クランプ・アーム890に回転可能に取り付けられ、停止プレート892に対してばね付勢される。ハンドル895が、カム894から突出する。ハンドル895を押し下げることにより、カム894が回転して、停止プレート892から遠ざかるように回転する。次に、ライン438を、カム894と停止プレート892との間に配置することができる。ハンドル895が解放されるとき、カム894は、停止プレート892に対してばね付勢され、ライン438がそれらの間に固定される。カム894が偏心的に取り付けられているので、第1のドライバ814の方向への、ライン438にかかる張力がより大きいほど、ライン438を所定位置に固定するために、カム894によってかけられる力が大きくなる。
【0055】
図23を参照すると、骨アンカー812が脛骨12に取り付けられると、ライン438の第1の端部439は、第2のドライバ816の通路874を通して、末端方向から基端方向に通される。次いで、第2のドライバ816の基端部870が、第1のドライバ814の通路866を通して、末端方向から基端方向に通される。末端方向の先端部875がロック813と連結するまで、第2のドライバ816が前進される。次に、テンショナ878が、第1のドライバ814のハンドル865と接続される。次いで、第2のドライバ816から延びているライン438は、上述のようなカム894によって、クランプ・アーム890に接続される。次いで、テンショナ878のハンドル888が回転され、クランプ・アーム890は、第2のドライバ816から遠ざかるように、ねじ付きシャフト886に沿って移動される。その際、ライン438に張力がかけられる。
【0056】
ライン438にかけられる張力を測定するために、変換器のような力測定装置をテンショナ878と連結することができる。そして、ライン438にかかる張力は、脛骨12に対してインプラント300を付勢するために用いられるのと同じ力である。ライン438に十分な力がかけられると、第2のドライバ872のハンドル872が回転され、これにより、ロック813が、骨アンカー812内のライン438を固定させる。1つの実施形態において、ライン438にかけられる張力は、約25ポンド(110N)から約300ポンド(1,335N)までの間の範囲にあり、約150ポンド(670N)から約250ポンド(1,110N)までの間の範囲が、より一般的である。他の力をかけることもできる。
【0057】
ロック813が所定位置に固定されると、テンショナ878、第2のドライバ816、および第1のドライバ814が除去される。本発明のこの実施形態の固有の特徴の1つは、外科医が、インプラントまたは関連したアンカー・システムに何らかの変更を加えたいと望む場合、単に第2のドライバ816を用いてロック813を弛めるだけで、所望の移動または調節を可能にできるという点である。次に、上記のプロセスを繰り返して、インプラント300を所定位置に再固定することができる。適切に配置され、固定されると、ライン438は、ロック813のすぐ近位で切断される。しかしながら、ライン438が切断された後でさえも、第1のドライバ814を用いて、骨アンカー812をトンネル400の第1の端部402に向けて後方に後退させることによって、さらなる張力をライン438にかけることができる。次いで、組織を閉じる手技が行われる。
【0058】
取り付けステップの多くは、変更することができ、または別の順番で実行できることが理解される。例えば、1つの方法において、顆インプラントにライン438を接続する前に、顆インプラントをポケット194内に配置することができる。図5に関して前に説明されたように、次に、リテーナ444を、トンネル400を通して第1の端部402から第2の端部404まで通し、次にそこでリテーナをインプラント300にねじ込み、これにより、ライン438がインプラント300に固定されるようにすることによって、ドライバを用いてライン438をインプラント300に固定することができる。
【0059】
本発明の1つの実施形態において、ライン438を骨アンカー812に固定するための手段も提供される。このような手段の1つの例は、ロック813を含む。代替的な実施形態において、ロック813は、種々の異なる形状を有することができ、または種々の異なる構造と置き換えることができる。例えば、任意の数の異なる楔、クリート、またはカムを骨アンカー812内に配置し、ライン438を、骨アンカー812を通して一方向に引っ張ることができるが、引き戻すことができないようにすることが可能である。さらに他の実施形態において、ライン438に張力がかけられると、ロックをライン438に圧着するか、または他の方法で固定することができる。ロックは、骨アンカー812を付勢し、ライン438が、骨アンカー812を通して引き戻されるのを防止する。用いることができる種々のロックの例は、1997年12月30日に発行された特許文献2および2001年10月3日に出願された特許文献3に開示されている。特許文献2および特許文献3に開示されている、関連したラインロック構造を有する骨アンカーが、特定した引用により本明細書に組み入れられる。
【0060】
さらに他の実施形態において、骨アンカー812は、種々の異なる形状を有することができることが理解される。例えば、図24Aおよび図24Bにおいて、それぞれ代替的な骨アンカー980Aおよび980Bが示される。異なる骨アンカー間の同様の要素は、同様の参照符号により識別される。骨アンカー980Aおよび980Bの各々は管状であり、そこを通って延びるチャネル826を有する。同様に、ねじ付き部分828およびテーパー状部分830(図17)が、各々のチャネル826内に形成される。骨アンカー812の多角形の係合ヘッド827とは対照的に、骨アンカー980Aは、基端部822に形成された角の丸い拡大したヘッド982を有する。ヘッド982は、ねじ山825の最大外径より大きい最大外径を有する。代替的な実施形態において、ねじ山825は、骨アンカー980Aの全長を延びることができる。骨アンカー980Aとドライバの係合を容易にするために、基端部822に多角形のソケット984が形成される。
【0061】
骨アンカー980Bは、螺旋状のねじ山825が完全に取り除かれている点を除いて、骨アンカー980Aに類似している。この実施形態においては、基端部822と末端部823との間に延びる外面821は、滑らかである。骨アンカー980Bは、骨トンネル内に摺動されるか、または楔止めされ、その長さに沿ったテーパーおよび/または拡大したヘッド982によって所定位置に保持されるように設計される。骨アンカー980Bの外側テーパーを増大させることによって、拡大したヘッド982を除去できることも理解される。骨アンカー980Bが骨にねじ込まれないので、ドライバと係合するために、基端部416のソケット430が、多角形である必要はなく、丸くすることができる。代替的な実施形態において、ドライバとの確実な係合を容易にするために、ヘッド982の内面または外面は、多角形または他の非円形の形状を有することができる。
【0062】
図14に関して前に説明されたようなインプラント470を取り付けるために用いられるシステムの1つの実施形態が、図25に示される。この実施形態においては、2つのトンネル400Aおよび400Bが、脛骨12の外側14から切除面234まで延びる。トンネル400Aおよび400Bは、平行に整列されるように、または任意の所望の角度を有するように形成することができる。
【0063】
インプラント470を脛骨12に固定するために、ライン438の第1の末端439が、第1の骨アンカー812A内のチャネル826を通して、基端方向から末端方向に通される。次いで、第1の端部439は、第1のトンネル400Aを上向きに通され、インプラント470上の通路475(図14)に通され、第2のトンネル400Bを下向きに通され、最後に、第2の骨アンカー812Bおよびロック813に通される。骨アンカー812Aおよび812Bを対応するトンネル400Aおよび400B内に押し進めるために、第1のドライバ814が用いられる。たるみを取り除くために、ライン438を、第2のトンネル400Bを通して下方に引っ張る。その際、ライン438の第2の端部440上の拡大したヘッド442は、第1の骨アンカー812Aの中に前進され、ここでヘッド442は、チャネル826のテーパー部分830(図17)内にしっかりと楔止めされる。ライン438の第2の端部440が、骨アンカー812Aに固定された状態で、図23に関して前に説明されたプロセスと同じプロセスを用いて、ライン438に張力をかけ、ロック813を用いてライン438を第2の骨アンカー812に固定する。
【0064】
第1の骨アンカー812Aは、ライン438の第2の端部440が、第1のトンネル400Aを通して引き抜かれるのを防止する種々の代替的な構造と置き換えることができることが理解される。例えば、第1の骨アンカーは、単に、拡大したヘッド442を捕捉するが、トンネル400Aを通過するには大きすぎる拡大した座金を含むことができる。さらに他の実施形態においては、第1の骨アンカーは、単に、トンネル400A内に楔止めされるが、そこを貫通することができない拡大した管状の楔を含むことができる。さらに他の実施形態において、ライン438は、拡大したヘッド442なしで形成することが可能である。この実施形態においては、ロック813、または他の楔型もしくはロック型構造体を用いて、ライン438の第2の端部440を第1の骨アンカーに固定することができる。2つの別個のライン438がインプラントに接続されるとき、各々のラインは、対応するトンネルを通して拡張される。次いで、図23に関して説明されたプロセスが、別個のラインの各々について単独に行われる。
【0065】
ライン438およびアンカー組立体810は、インプラントを骨に固定するための手段の1つの実施形態である。しかしながら、他の固定技術を用い得ることが理解される。例えば、インプラントを骨に固定するための別のシステムが、特定した引用により本明細書に組み入れられる2004年3月11日に出願された特許文献4に開示される。
【0066】
対応する方法および器具と共に上述のインプラントおよびアンカー組立体を用いることによって、侵襲性が低い手技を用いて、インプラントを脛骨12に確実に取り付けることができることが理解される。さらに、インプラントは、該インプラントが脛骨の基端部上に配置された後に所定位置に固定されるだけなので、外科医は、適切な適合を決定しようと試みるとき、異なるサイズのインプラントを容易に交換することができる。同様に、アンカー組立体は、インプラントから遠く離れたトンネルの第1の端部を通して操作されるので、本発明のアンカー組立体は、外科医が、最初の位置決めの際に、インプラントの装着を容易に調整し、続いて、後日、交換が必要とされる場合にインプラントを除去することを可能にする。
【0067】
さらに、インプラントを固定するために可撓性のラインを用いる結果として、外科医は、手術の時点で、トンネルを形成するための、および骨アンカーを取り付けるための最良の位置を選択することができる。すなわち、外科医は、インプラントにより課される構造上の制限に基づいて、所定の位置にトンネルを形成することに制限されるものではない。さらに、ラインは、比較的小さくすることができるので、必要とされるトンネルのサイズを最小にすることができ、これにより、トンネルを形成するときに除去する必要がある骨の量が最小になる。磨耗したインプラント、または損傷したインプラントの交換も、ラインを切断することによって比較的容易に達成される。
【0068】
本発明のインプラント、アンカー組立体、組織準備用器具、および対応する方法の各々は、独立して固有の利点を提供するので、他の従来の装置および技術と共に、これらの種々の特徴を独立して用い得ることが理解される。例えば、1つの実施形態において、患者の膝により大きい切開を行い、従来の切除技術を用いて脛骨12の基端部を切除することができる。この実施形態において、脛骨12の切除前または切除後のいずれかに、トンネル400を形成することができる。脛骨が切除され、トンネルが形成されると、次に、上記の手法を用いて、顆インプラント300を固定することができる。別の代替においては、上述のように、トンネル400を形成し、脛骨を切除することができる。しかしながら、脛骨12が切除されると、従来の技術を用いて、従来のインプラントを脛骨12上に取り付けることができる。
【0069】
上述された実施形態は、顆インプラントを脛骨12上に取り付けることに関する。しかしながら、前に述べられたように、本発明を用いて、他のタイプのインプラントを他の関節面上に取り付け、同じ利点の1つまたは複数を達成することもできる。例えば、’941出願は、全脛骨インプラントおよびその取り付け方法も開示している。
【0070】
本発明の特徴は、大腿骨の末端部上に大腿骨インプラントを取り付けるために用いることもできる。異なる実施形態との間の同様の要素は、同様の参照符号により識別される。例えば、図26において、前側538と後側536との間に延びる内側540および外側542を有する大腿骨530の末端部532が示される。大腿骨530の末端部532は、外側顆535および内側顆537で終わり、それらの間に滑車溝539が配置される。
【0071】
ガイド・テンプレート900が、内側顆537上に取り付けられる。ガイド・テンプレートは、そこを通って延び、内側顆537の関節面の所定部分の上に緊密に適合するように構成された、細長い開口部902を境界付ける。開口部902は、骨が切除され、顆インプラントが取り付けられることになる領域を境界付ける。ガイド・テンプレートは、湾曲しており、種々の異なるサイズおよび形状で提供されるので、内側顆537上に適切に適合することができる。適切なサイズにされ、適合するガイド・テンプレート900が配置されると、ガイド・テンプレート900は、該ガイド・テンプレート900内の取り付け穴を通して、大腿骨530の内側にねじ込まれる離間配置されたねじ904によって、所定位置に固定される。
【0072】
1つの実施形態において、ガイド・テンプレートにより境界付けられる内側顆537の切除を容易にするために、ミリング・ヘッド906が用いられる。ミリング・ヘッド906は、実質的に砂時計の形状であり、一方の側から突出する細長いハンドル908と、他方の側から突出するステム909とを有する。ミリング・ヘッド906は、内側−外側の向きで開口部902内に配置され、ハンドル908が、大腿骨530の内側540から突出している。この方向において、ミリング・ヘッド906は、迅速に回転され、次に、開口部902内で前後方向に選択的に移動される。この動きは、開口部902を境界付けるガイド・テンプレート900の側部によって案内される。ミリング・ヘッド906は、ハンドル908およびステム909がガイド・テンプレート900に押し当たり、これにより、ミリング・ヘッド906がさらに骨の中に下降することが防止されるまで、開口部902内で境界付けられた骨を研削して除去する。
【0073】
ガイド・テンプレート900が前後方向に湾曲されるので、ミリング・ヘッド906によって形成されたミル加工されたポケットは、前後方向に外方にアーチ形になる。同様に、ミリング・ヘッド906は外側−内側方向に湾曲されているので、ミル加工されたポケットも、外側−内側方向に外方にアーチ形になる。したがって、ミリング・ヘッド906によって生成された陥凹したポケットは、前後左右にアーチ形になる。また、このポケットの形状は、実質的に均一の厚さおよび強度を有する薄型インプラントの形成を可能にする。さらに、ポケットの形成により、相補的な形状を有するインプラントのための安定したプラットホームが生成される。代替的な実施形態において、ミリング・ヘッド906は、種々の異なる形状を有することができることも理解される。
【0074】
図27および図28に示されるように、陥凹したポケットのための角の丸い端部を形成するために、やすり910を用いることができる。やすり910は、その端部に取り付けられた切削マウント913を有する細長いハンドル912を含む。切削マウント913は、凹状の切削面914を備えた実質的に半円形の横断面を有する。複数の切削歯915が切削面914上に形成される。複数のスロットが、切削マウントを通って延びており、これらを通して、骨片を除去することができる。インプラントを受けるように形成されたポケット上に角の丸い端部を形成するために、切削マウント913は、ガイド・テンプレート900の開口部902の両端内で往復運動されるように構成される。
【0075】
陥凹したポケットが完成すると、トンネル・ガイドを用いて、大腿骨530の外側542から陥凹したポケットまで延びるトンネル400を形成することができる。このようなトンネル・ガイドおよび対応する使用法の例が、’941出願に開示される。代替的に、陥凹したポケットで開始し、大腿骨の外側または内側まで延びるトンネル400が、穿孔される。トンネルが、外側または内側のどちらに存在するかはあまり重要ではないので、トンネル・ガイドは必要とされないが、所望であれば、依然としてトンネル・ガイドを使用することができる。このプロセスは、脛骨側においても用いることができる。
【0076】
トンネル400が形成されると、次に、大腿骨顆インプラント928が、陥凹したポケット内に配置される。図29および図30に示されるように、1つの実施形態において、大腿骨顆インプラント928が、反対側の位置する端部504と506との間に延びる第1の側部500および反対側の第2の側部502を有する細長い本体930を含む。本体920はまた、湾曲した関節面931および反対側の底面932を有する。1つの実施形態において、関節面931は、対向する側部500と502との間に延びる連続的な凸状の湾曲と、反対側に位置する端部504と506との間に延びる連続的な凸状の湾曲とを有することができる。
【0077】
一対のポケット934Aおよび934Bが、底面932上に形成され、ブリッジ935により分離されている。多孔質の骨内方成長材料でできたインレー936Aおよび936Bが、ポケット934Aおよび934Bの各々の中に配置される。ブリッジ935、ならびにインレー936Aおよび936Bは、骨付着面938を実質的に構成する。骨付着面938は、内側顆537上に形成された陥凹したポケットの形態に対して相補的な形状を有することができる。骨付着面938はまた、関節面931に対して相補的な形状を有することもできる。1つの実施形態において、骨付着面938は、反対側の側部500と502との間に延びる連続的な凹状の湾曲と、反対側の端部504と506との間に延びる連続的な凹状の湾曲とを有することができる。その結果、顆インプラントは、その長手方向に沿って実質的に均一の厚さを有することができる。
【0078】
ライン438が、ブリッジ935に接続されている。脛骨顆インプラント、およびライン438をそこに接続する方法に関して、前に説明された種々の代替物が大腿骨顆インプラント928に適用され得ることが理解される。
【0079】
最後に、図31を参照すると、アンカー組立体(図15)、ならびに図15〜図25に関して前に説明されたような器具および技術を用いて、大腿骨顆インプラント928が、大腿骨530に固定される。図15〜図25に関して前に説明されたものと同じ代替物を大腿骨顆インプラント928の取り付けに適用することもできる。例えば、内側顆537上の陥凹したポケットと交差する2つの別個のトンネルを大腿骨530上に形成することができる。インプラント928に摺動可能に接続された単一のライン438の両端は、別個のトンネルを貫通し、対応する骨アンカーと固定することができる。代替的に、各々のラインが別個のトンネル内に配置された、2つの別個の分離したライン438を、大腿骨顆インプラント928に接続することもできる。
【0080】
本発明は、滑車インプラントを大腿骨530上に取り付けるために用いることもできる。例えば、本発明の特徴を組み込むガイド・テンプレート950が、図32に示される。ガイド・テンプレート950は、滑車溝539の少なくとも一部の上に配置されるように、大腿骨530の末端部532上に取り付けられる。図33および図34に示されるように、ガイド・テンプレート950は、頂面954および反対側を向いた底面956を有する本体952を含む。本体952はまた、各々が対向する側部962と964との間に延びる、基端部958および対向する末端部960を有する。頂面954は、対向する端部958と960との間に延びる、凸状のアーチまたは曲線を有しており、底面956は、対向する端部958と960との間に延びる、凹状のアーチまたは曲線を有する。
【0081】
拡大した開口部966が、頂面954と底面956との間で本体952を貫通して延びている。滑車インプラントを受けるポケットを形成するように、開口部966が、除去されるべき骨を覆うように構成される。除去される骨の部分は、滑車溝539を形成する骨の全てまたは一部を含み、随意的には、さらに周囲の骨を含む。1つの実施形態において、開口部966は、約3cm2から約20cm2までの間の範囲の領域を有するか、または覆っており、約9cm2から約16cm2までの領域がより一般的である。他の寸法を用いることもできる。
【0082】
開口部966は、種々の異なる形状を有することができることが理解される。示される実施形態において、開口部966は、内面968によって境界付けられる。おそらく図32に最も良く示されるように、内面968は、実質的に平行に整列された、対向する端部958と960との間に延びる、実質的に直線の2つの側部区域972および974を含む。直線の基端区域970は、基端部958において側部区域972と974との間に延びている。アーチ形の末端区域976は、側部区域972および974と末端部960との間に延びる。末端区域976は、非対称のアーチ形である。したがって、開口部966は、非対称の形状を有する。この非対称は、大腿骨530の末端部932の不規則な解剖学的形状の結果である。代替的な実施形態において、前側区域970もアーチ形にすることができる。さらに他の実施形態においては、アーチ形にされた後側区域976は、対称形にすることができる。
【0083】
再び図34を参照すると、離間配置された3つの支持体978、979、および980が、本体952の底面956から下向きに突出している。支持体978および979は、末端部960に、または末端部960に向けて配置され、他方、支持体980は、基端部958に、または基端部958の方向に配置される。支持体978、979、および980は、本体952を大腿骨530から離して支持するように構成される。具体的には、図32に示されるように、支持体978が内側顆937に載り、支持体979が外側顆535に載り、支持体980が前側538に載る結果として、本体952は、例えば、滑車溝539内に、またはこれに隣接して支持される。
【0084】
滑車溝539を取り囲む領域は、不規則な形状を有しているので、3つの支持体978〜980の使用は、複数の異なるサイズおよび形状の大腿骨上に安定した方法で載るように容易に設計することができる安定したプラットホームを提供する。代替的な実施形態において、支持体は、本体952上の異なる位置に配置することができ、種々の異なるサイズおよび形状を有することができることが理解される。さらに、より少ない支持体、またはより多い支持体を用いることもできる。例えば、ガイド・テンプレート950は、2つの支持体を有するように設計され、2つの支持体および本体952の一部が、大腿骨930に直接載るようにすることができる。さらに他の実施形態においては、4つまたはそれ以上の支持体を、本体952から突出するように形成することができる。
【0085】
図32および図33に示されるように、細長い第1のガイド・レール982および細長い第2のガイド・レール984が、本体952の表面954から上向きに突出している。第1のガイド・レール982は、側部962から上向きに延び、第2のガイド・レール984は、側部964から上向きに延びる。ガイド・レール982および984は、実質的に平行に整列した状態で、反対側に位置する端部958と960との間に延び、頂面952の一部が、ガイド・レールの各々と開口部966との間に開放して露出されるように形成される。以下により詳細に説明されるように、頂面952のこの部分は、やすりと係合するように設計される。キャッチ986もまた、末端部960において頂面954から上向きに突出する。
【0086】
本発明はまた、本体952を大腿骨530に固定するための手段も含む。限定のためではなく例証として、離間配置された取り付け穴988が、本体952上に形成されるか、または本体952を通って延びる。ガイド・テンプレート950が所望の位置に配置されると、ねじ990または他のファスナを取り付け穴988に通し、ガイド・テンプレート950を大腿骨930に固定することができる。示される実施形態においては、ガイド・テンプレート950を固定するために、3つの取り付け穴およびねじが用いられている。しかしながら、先の実施形態におけるように、他の数のねじおよび取り付け穴、または他のタイプの固定技術を使用することもできる。さらに、取り付け穴988は、本体952上の種々の異なる位置に配置することができ、ねじを内部に受けるときに本体952をより良好に安定化させるように、種々の異なる方向を有することができる。同様に、取り付け穴988は、ねじ990が、関節面すなわち関節軟骨の外側の骨、または非機能性の周縁部上にのみ進入するように配置され、向けられる。
【0087】
図35を参照すると、ガイド・テンプレート950が所定位置に固定されると、開口部966により境界付けられる大腿骨932の一部の切除を容易にするために、やすり994が用いられる。図36〜図38に示されるように、やすり994は、各々が第1の端部1002と反対側の第2の端部1004との間に延びる頂面998および反対側を向いた底面1000を有する、細長いハンドル996を含む。ヘッド1006が、第2の端部1004に取り付けられる。ヘッド1006は、第1の端面1012と反対側を向いた第2の端面1014との間に延びる接触面1010を有する細長い摺動レスト1008を含む。
【0088】
切削マウント1016が、摺動レスト1008の接触面1010から突出している。切削マウント1016は、複数の切削歯1020によって形成される切削面1018を含む。(図38、図39、図41、図51、図52、および図58においては、説明を簡単にするために、切削歯1020が取り除かれていることが留意される。)複数のチャネル1022が、切削マウント1016を通して延び、やすり994によって切除される骨片の除去を容易にする。図37に示されるように、切削マウント1016は、各々が反対側の側部1028と1030との間に延びる基端部1024および反対側の末端部1026を有する。反対側の側部1028と1030との間の距離は、ガイド・テンプレート950の開口部966の幅と実質的に等しい。図39を参照すると、末端部1026は、実質的に直線であり、開口部966を境界付ける本体952の基端区域970に対して相補的である。同様に、基端部1024は、非対称的のアーチ形であり、開口部966を境界付ける本体952の末端区域976に対して相補的である。
【0089】
図37および図38に示されるように、切削面1018は、反対側の側部1028と1030との間の実質的に中央の位置において、基端部1024と末端部1026との間に延びる、角の丸い外方に突出している隆起部1032を含む。さらに、図36に示されるように、隆起部1032を含む切削面1018は、その長手方向軸に沿って、ハンドルから離れるにつれて湾曲する凹状のアーチ形に湾曲している。この図は、凹状のアーチを有し、その長手方向に沿って延びる頂点を有する隆起部1032も示している。
【0090】
図35に示されるような作業中、やすり994の切削マウント1016は、ガイド・テンプレート950の開口部966内に受けられるので、摺動レスト1008の反対側に位置する側面1012および1014は、それぞれガイド・レール984と982との間に、これらに隣接して配置される。開口部966の対向する端部の間の直線の経路において、ガイド・レール984、982と摺動レスト1008との間の相互作用が、切削マウント1016の動きを制限し、これを案内する。ハンドル996の第1の端部1002は、往復運動するドライバと連結され、開口部966内の切削マウント1016の迅速な往復運動を容易にする。開口部966により境界付けられる大腿骨530の部分に対して切削マウント1016の切削面1018を往復運動させることによって、骨は、やすりをかけることにより徐々に除去される。歯1020によって骨が徐々に除去されるに従って、摺動レスト1008の両端が開口部966の両側の本体952の頂面954に載るまで、切削マウント1016は、開口部996内で下降し続ける。
【0091】
摺動レスト1008が頂面954に達すると、骨は、所望の深さに除去されている。ここで、頂面954の湾曲により、摺動レスト1008が頂面954に沿って摺動するに従って、やすり994が、湾曲した経路内で移動することが留意される。次いで、図40に示されるように、やすり994が取り除かれ、陥凹したポケット942があらわになる。ポケット942は、その周囲の周りに立ち上がる包囲側壁946を有する床部944によって境界付けられる。ポケット942は、基端部953と反対側の末端部955との間に延びる対向する側部949および951を有する。
【0092】
切削マウント1016の形状のため、角が丸く細長いチャネル948は、滑車溝539が前に配置されていた場所と実質的に整合した状態で、床部944に沿って凹ませられる。すなわち、チャネル948は、反対側に位置する端部953と955との間に延びる。床部944は、対する端部953と955との間に延びる凸状の湾曲も有している。以下により詳細に説明されるように、陥凹したポケット942の形状により、実質的に均一の厚さを有する薄型滑車インプラントの形成が可能になる。さらに、ポケット942の形成は、相補的な形状を有するインプラントのための安定したプラットホームを形成する。
【0093】
1つの代替的な実施形態において、2つまたはそれ以上の異なるやすりを用いて、陥凹したポケット942を形成できることが理解される。例えば、単一のやすりを用いて骨材の全てを除去しようと試みる代わりに、最初により小さいやすりを用いて、陥凹したポケット942内にチャネル948を形成することができる。説明のための例として、前に説明されたような切削ヘッド1006および切削ヘッド1006Aが、それぞれ図41Aおよび図41Bに示される。切削ヘッド1006Aは、摺動レスト1008と、そこから突出する切削マウント1016Aとを含む。切削マウント1016Aは、切削面1018が隆起部1032の両側で切除されている以外は、切削マウント1016と実質的に同じである。その結果、最初に切削ヘッド1006Aを用いて、陥凹したポケット942のチャネル948を形成することができる。次いで、切削ヘッド1006を用いて骨の残りの部分を除去し、陥凹したポケット942を形成することができる。陥凹したポケット942の異なる部分を除去するために、任意の数の異なるやすりを構成できることが理解される。
【0094】
本発明の特徴を組み込むやすり1034の別の代替的な実施形態が、図42に示される。やすり1034は、前に説明されたようなハンドル996と、その端部に取り付けられた切削ヘッド1036とを含む。切削ヘッド1036は、複数の切削歯1042から構成される切削面1040を有する切削マウント1038を含む。切削面1040は、各々が反対側の側面1048と1050との間に延びる、基端部1044および反対側の末端部1046を有する。(説明を簡単にするために、切削歯1042は、切削面1040の中央部分にのみ示された。切削歯は、実際には、側面148と1050との間の表面1040の全てにわたって延びる。)1つの実施形態において、反対側の端部1048および1046は、約1.5cmから約6cmまでの範囲の長さを有し、約2cmから約4cmまでの間の範囲が、より一般的である。しかしながら、他の寸法を用いることもできる。対応する摺動レスト1052が、各々の側面1048および1050から外方に突出している。この実施形態においては、各々の摺動レスト1052は、実質的に円筒形状を有することなどによって、丸みがつけられている。
【0095】
切削面1040は、実質的に、共通の回転軸1056を中心として、基端部1044と末端部1046との間で湾曲する回転面を含む。勿論、回転面は、複数の歯1042から形成されるという事実のために、幾らかのばらつきを有する。1つの実施形態において、切削面1040は、300°より大きい角度にわたって、軸1056を中心として延びる。しかしながら、より一般的には、切削面1040は、約15°から約180°までの範囲の角度にわたって延びており、約25°から約100°までの間の範囲が、より一般的である。他の角度を用いることもできる。
【0096】
切削面1040はまた、側面1048と1050との間に延び、その長手方向に沿って回転軸1056と交差する面で見たとき、非直線の輪郭を有するものとしても示される。具体的には、切削面1040は、反対側の側面1048と1050との間の実質的に中央に、反対側の端部1044と1046との間を延びる、外方に突出している角の丸い隆起部1054を有する。陥凹したポケット942のチャネル948を形成するために、隆起部1054が用いられる。やすり1034を用いて、他のタイプのインプラントのための陥凹したポケットを形成することができ、こうした別の使用において、切削面1040の輪郭は、種々の異なる形状を有することができることが理解される。
【0097】
切削マウント1038をガイド・テンプレート950の開口部966内に配置できるようにやすり1034が構成されるので、やすり1034が往復運動されるとき、切削面1040は、骨表面に対して往復運動する。その結果、摺動レスト1052がガイド・テンプレート950の頂面954に当たるまで、切削面1040上の歯1042が、徐々に骨表面を切除する。このように、チャネル948を有する陥凹したポケット942を形成するために、やすり1034を用いることもできる。やすり1034の利点の1つは、切削面1040の固有の形状のため、切削面1040が、回転軸1056を中心とする任意の所望の角度で回転または配置され、依然として、同じ輪郭を有する陥凹したポケット942を生成できることである。その結果、やすり1034の操作者は、陥凹したポケット942の所望の形状を損なうことなく、最も都合のよい往復運動の方向に対して、ハンドル996の方向を選択的に配置する、または繰り返し配置することができる。
【0098】
やすりをかける際に、やすりが、典型的には、金属または他の剛性材料から形成されるガイド・テンプレート950のわずかな振動または動きを引き起こし得ることが留意される。その結果、この動きにより、典型的には、本体952と一体形成される支持体978および979が、関節面を磨耗させることがある。望ましくない磨耗を防ぐために、支持体978および979と関節面との間に可撓性パッドを配置することができる。他の実施形態においては、支持体978および979の全部または一部は、関節面に損傷を与えない可撓性材料から形成することができる。このような可撓性材料は、ポリマー材料またはゴム材料を含むことができる。以下により詳細に説明されるさらに他の実施形態においては、関節面の損傷を回避するために、やすりをかける際に、支持体を取り外すことができる。
【0099】
陥凹したポケット942が完成すると、やすりが取り外され、ポケット942から、大腿骨530の外側または内側のような関節面から離間配置された位置まで延びるように、トンネル400が形成される。’941出願に示される種々の実施形態において開示されるように、トンネル400の形成を容易にするために、心出しテンプレートおよびトンネル・ガイドと協働してガイド・テンプレートを用いることができる。代替的な実施形態においては、心出しテンプレートおよびトンネル・ガイドを排除できることも理解される。すなわち、トンネル400は、陥凹したポケット942で始まり、大腿骨530の外側または内側まで拡張することによって、ガイド・テンプレート950の除去後に穿孔することができる。トンネルが外側または内側上のどこに存在するかはあまり重要ではないので、トンネル・ガイドは必要とされないが、所望であれば、依然としてトンネル・ガイドを用いることもできる。
【0100】
トンネル400が形成されると、次に、滑車インプラントが、陥凹したポケット942内に固定される。本発明の特徴を組み込む滑車インプラント1064の1つの実施形態が、図43および図44に示される。滑車インプラント1064は、各々が周縁部1071まで延びる関節面1066および対する底面1070を有する本体1066を含む。本体1066は、各々が外側1076と内側1078との間に延びる、基端部1072および末端部1074を有するものとしてさらに定められる。関節面1068は、側部1076と1078との間の実質的に中央に、基端部1072と末端部1074との間に延びる細長いチャネル1080を有するように形成される。チャネル1080は、膝蓋骨が載る、表面再加工が施された滑車溝の少なくとも一部を形成する。
【0101】
1つの実施形態においては、図43Aに示されるように、関節面1068に対して実質的に直角に突出し、かつ、側部1076と1078との間に延びる想像上の第1の面から見て、チャネル1080は、凹状の湾曲を有する底部1081を有する。底部1081の凹状湾曲から側部1076および1078の各周縁部まで延びる表面1300および1302は、典型的には、凹状ではない。寧ろ、これらの表面は、典型的には、実質的に平坦であり、角の丸い底部1081を有する実質的にV形状の横断面を形成するか、または、実質的に凸状の湾曲を有する。表面1300および1302の凸状の湾曲は、同様の要素が同様の参照符号によって識別される、滑車インプラント1064Aを示す図43Bにさらに示されている。表面1300および1302の湾曲は、インプラント1064の長手方向に沿って変わり得る。すなわち、表面1300および1302は、図43Aおよび図43Bに示されるように、反対側の端部1072と1074との間の中央部分において凸状にすることができるが、表面1300および1302は、端部1072および1074の一方または両方における断面で見たとき、実質的に直線にすることができる。
【0102】
関節面1068は、反対側の端部1072と1074との間に延びる、滑らかで連続的な凸状の湾曲を有することも理解される。例えば、関節面1068および/または底面1070に対して実質的に直角に突出し、かつ対する端部1072と1074との間に延びる、想像上の第2の面から見た、本体1066の断面側面図が、図43Cに示されている。ここで、チャネル1080の底部1081は、その長手方向に沿って延びる凸状の湾曲を有することが示されている。
【0103】
底面1070上に形成されたポケット1082が、図44に示される。前に説明されたいずれかの技術を用いて、可撓性のライン438を滑車インプラント1064に固定できることが理解される。示される実施形態においては、柱1084が、ポケット1082の中から突出する。細くなった通路1086が、柱1084を通って延び、前に説明されたように可撓性のライン438を保持するように構成される。多孔質の骨内方成長材料のインレー1088が、ポケット1082に固定される。インレー1088は、上に形成された開口部1090を有し、そこを通って柱1084が延びる。
【0104】
図45に示されるように、底面1070およびインレー1088が組み合わされて、滑車インプラント1064の骨付着面1092を形成する。骨付着面1092は、大腿骨530上に形成された陥凹したポケット942の形状に対して相補的な形状を有する。骨付着面1092はまた、典型的には、関節面1068に対して相補的な形状も有する。具体的には、骨付着面1092は、側部1076と1078との間の実質的に中央に、基端部1072と末端部1074との間に延びる外方に突出する角の丸い隆起部1094を有するように形成される。側部1076と1078との間に延びる面から見たとき(図43Aおよび図43B)、隆起部1094は、凸状の湾曲を有する頂点1095で終わる。側部1076および1078まで延びる、隆起部1094の側面1304および1306は、典型的には、実質的に平坦であるか、または凹状の湾曲を有する。
【0105】
隆起部1094は、典型的には、チャネル1080と位置合わせされるので、滑車インプラント1064は、実質的に均一の厚さを有することができる。例えば、1つの実施形態において、骨付着面1092は、関節面1068に対して実質的に相補的にすることができるので、インプラント1064は、表面1068と1092との間で、実質的に均一の厚さを有する。均一の厚さを有する滑車インプラント1064を形成することによって、厚さを最小にすることができ、インプラント1064を取り付けるために除去する必要がある骨の量を最小にすることもできる。他の実施形態において、インプラント1064は、周縁部1071に沿ってわずかにテーパー状にすることができる。したがって、周縁部1071から少なくとも2mm内側に入った全ての位置において、本体1066は、30%、20%、またはより一般的には15%より多く変わらない、骨付着面1092と関節面1068との間に延びる厚さを有する。他の百分率を用いることもできる。実際の厚さは、所望のインプラントによって決まり、典型的には、約3mmから約10mmまでの範囲である。
【0106】
隆起部1094はまた、陥凹したポケット942上に形成されたチャネル948内に相補的に受けられるようにも構成されている。したがって、骨付着面1092は、反対側の端部1072と1074との間に延びる、連続的な凹状の湾曲を有することもできる。例えば、図43Cに示されるような想像上の第2の面から見たとき、隆起部1094の頂点1095は、反対側に位置する端部1072と1074との間の凹状の湾曲内に延びる。
【0107】
上述のような骨付着面1092の形状は、骨付着面1092についての複雑な三次元形態をもたらす。この骨付着面1092についての三次元形態、およびポケット942の床部における相補的な構造は、骨付着面1092をポケット942内に噛み合わせるのを助け、インプラント1064と大腿骨530との間の望ましくない剪断を最小にするか、または防止する。ポケット942を形成することができる固有の方法のために、骨付着面1092は、多くの従来のインプラントにおいて必要とされる階段状の肩部またはコーナー部をもたない滑らかな表面を有するように形成されることができる。本明細書に開示される他のインプラントと同じように、インプラント1064に変更を加えることもできる。例えば、スパイクまたは他の形態の突起部は、骨付着面1092から突出するように形成することができる。
【0108】
インプラント1064は、ポケット942内に嵌まるように構成されるので、インプラント1064は、典型的に非対称の形状を有する外周を有する。1つの実施形態において、インプラント1064の関節面1068は、重心位置を有する。関節面1068は、重心位置から周縁部まで延びる最大半径と、重心位置から周縁部まで延びる最小半径とを有し、この最小半径は、最大半径の70%以上であり、より一般的には、最大半径の80%以上である。他の寸法を用いることもできる。インプラント300に関して前に説明されたような代替物は、インプラント1064にも適用可能であることも理解される。
【0109】
図46を参照すると、滑車インプラント1064が、アンカー組立体810(図15)、ならびに、図15〜図25に関して前に説明された器具および技術を用いて、大腿骨530の陥凹したポケット942内に固定される。図15〜図25に関して前に説明されたものと同様の代替物は、滑車インプラント1064の取り付けにも適用可能である。例えば、陥凹したポケット942と交差する2つの別個のトンネルを大腿骨530上に形成することができる。滑車インプラント1064に摺動可能に接続された単一のライン438の両端は、別個のトンネルを通り、対応する骨アンカーと固定することが可能である。代替的に、2つの別個の分離したライン438を、滑車インプラント1064に接続することができ、各々のラインは、別個のトンネル内に配置される。同様に、引用により前に本明細書に組み入れられた特許文献4に開示されるように、インプラント1064を大腿骨530に固定するために、他の手段を用いることもできる。
【0110】
図46にも示されるような1つの実施形態において、滑車インプラント1064Aが、外側顆535および内側顆537の頂部にわたって延びる、大腿骨530上に形成されたポケット1314内に固定される。すなわち、顆535および537は、各々がその長手方向に沿って延びる凸状の隆起部1310および1312を有する。滑車溝539が、隆起部1310と1312との間に形成され、隆起部1310および1312の各々まで延びる凹状の湾曲を有する。ポケット1314は、該ポケット1314の周囲の一部が、隆起部1310および1312の頂点を越えてそれぞれ大腿骨の外側540および内側542に向けて延びるように形成される。図43Bに示される滑車インプラント1064Aに関して前に説明され、示されたように、骨付着面1094の表面1304および1306の各々は、凹状の湾曲を有する。この湾曲は、隆起部1310および1312、および/または、その上に形成されたポケット1314の湾曲に対して相補的であるので、滑車インプラント1064Aは、大腿骨530の形態に合致する形状を有する。同様に、表面1300および表面1302は、表面1304および表面1306の湾曲に対して相補的な凸状の湾曲を有する。この形状により、大腿骨530への正確な適合を提供しながら骨の除去を減少するために、インプラント1064Aを、均一の最小厚を有するように形成することが可能になる。
【0111】
通常の膝の屈曲の際に、膝蓋骨から延びる大腿四頭筋腱が、滑車溝539内およびその周りに乗る。大腿四頭筋腱を、滑車インプラントと大腿骨との間に形成されたいずれかの不規則な段の上で繰り返し摺動させることが、軟組織への刺激を引き起こし、関節可動域を損なわせる。滑車インプラント1064Aを大きくし、該滑車インプラント1064Aがポケット1314内の隆起部1310および1312の一部を覆って延びるようにすることによって、滑車インプラント1064Aの周囲と大腿骨530との間に形成される界面が、滑車溝539からさらに遠ざかるように移動される。その結果、滑車インプラント1064Aと大腿骨530との間の界面の上で隆起する大腿四頭筋腱は少なくなり、それにより、何らかの軟組織への刺激が生じる可能性が最小化する。
【0112】
滑車インプラント1064を受けるためのポケット942を形成するために用いることができるガイド・テンプレート1100の代替的な実施形態が、図47に示される。ガイド・テンプレート950と1100との間の同様の要素は、同様の参照符号によって識別される。支持体が本体と一体形成されたものとして示されるガイド・テンプレート950とは対照的に、ガイド・テンプレート1100は、モジュラー式テンプレートを含む。具体的には、ガイド・テンプレート1100は、基部1102と、該基部1102に取り外し可能に接続されたマウント1104とを含む。
【0113】
基部1102は、基端部958から突出する支持体980を有する、前に説明されたような本体952を含む。第1のガイド・レール982は排除されているが、第2のガイド・レール984は、依然として、側部964において頂面952から上向きに突出している。以下により詳細に説明されるように、3つの取り付け穴988が側部964上に形成され、1つの取り付け穴988が末端部960に形成される。連結穴1103(図49)も、末端部960の本体952上、または末端部960寄りの本体952上に形成される。
【0114】
図49に示されるように、マウント1104は、正面1108および背面1110を有するブレース1106を含む。正面1108は、本体952の末端区域976に対して相補的な輪郭を有する。支持体978および979が、正面1108から前方および下方に突出している。フランジ1112も、ブレース1106から外に突出し、そこを通る連結穴1114を有する。図47および図48に示されるように、支持体978および979が本体952の下方に延びるように、マウント1104の正面1108を本体952の末端区域976に対して配置することによって、マウント1104が、基部1102と取り外し可能に連結される。この位置において、連結穴1103と1114が、位置合わせされる。基部1102とマウント1104を互いに選択的に固定するように、ハンドル1116のねじ切りされた先端部1118が、連結穴1103および1114にねじ込まれる。基部1102とマウント1104を互いに選択的に固定するために、任意の数の代替的な固定技術を使用できることが理解される。
【0115】
上記の組み立てられた形状において、ガイド・テンプレート1100が、図32に関して前に説明されたものと実質的に同じ向きで、大腿骨530の末端部の上に配置される。すなわち、支持体978および979は、大腿骨530の関節面のすぐ上に配置されるので、ガイド・テンプレート1100は、その上にしっかりと支持される。次いで、ガイド・テンプレート1100を大腿骨530の上に固定するために、複数のガイド・スリーブおよびねじ、または他のファスナが用いられる。具体的には、図50に示されるように、インプラント1100は、各々の取り付け穴988のための管状のガイド・スリーブ1120も含む。各々のガイド・スリーブ1120は、第1の端部1124および反対側の第2の端部1126を有する管状のステム1122を含む。通路1128が、反対側の端部1124と1126との間を、ステム1122を通って中央に延びる。円形のフランジ1130が、第1の端部1124を取り囲み、該第1の端部1124から半径方向外方に突出する。各々のガイド・スリーブ1120は、第2の端部1126が、対応する取り付け穴988内に受けられ、これを通って摺動することができるように構成される。フランジ1130は、取り付け穴988より大きく、よって、停止部として機能する。
【0116】
各ねじ990は、第1の端部1134および対向する第2の端部1136を有する細長いシャフト1132を含む。ねじ山1138が、第2の端部上に形成され、拡大したヘッド1139が、第1の端部1134に形成される。示される実施形態においては、拡大したヘッド1139は、第1の端部1134を取り囲み、かつ、該第1の端部1134から半径方向外方に突出するフランジ1140を含む。係合ヘッド1142は、フランジ1140の上方に延び、ねじ990の選択的な回転のためにドライバを係合ヘッド1142に接続することができるように、多角形または非円形の断面を有する。ねじ990の拡大したヘッド1139は、種々の異なる形状にできることが理解される。例えば、拡大したヘッド1139は、ソケット、スロット、または他のタイプのドライバと係合するための他の係合面を備えるように形成することができる。各々のねじ990は、第2の端部1136が、ガイド・スリーブ1120の対応する通路1128内に受けられ、これを通って摺動できるように構成される。拡大したヘッド1139は、通路1128より大きいものであり、よって、停止部として機能する。
【0117】
ガイド・テンプレート1100の取り付けの際、基部1102に固定されたマウント1104を備えたガイド・テンプレート1100は、図32に示されるのと同様の向きで大腿骨530の末端部上に配置されるので、開口部966は、滑車溝539の少なくとも一部の上に配置される。ガイド・テンプレートを大腿骨530の上に配置される前または後のいずれかに、各々のガイド・スリーブ1120が、対応する取り付け穴988内に配置される。前に説明されたように、支持体978〜980は、大腿骨530を押し付け、本体952を、大腿骨530から離れるように、よって関節面から離れるように浮かせる。支持体980は、関節軟骨から少し離れるが、滑車溝と位置合わせされた状態で、大腿骨530に対して配置される。この位置において、各ガイド・スリーブ1120は、各ガイド・スリーブ1120の第2の端部1126が大腿骨530に当接するように、対応する取り付け穴988を通して前進させられる。ここで、取り付け穴988は、ガイド・スリーブ1120およびそれを貫通するねじ990が、関節面の近くであるが関節面に接していない場所か、または関節面の外周の周りで大腿骨530と交差するように、配置され、方向付けられることが留意される。いずれにしても、取り付け穴988は、膝関節の通常の使用の際に、ガイド・スリーブ1120およびねじ990によって引き起こされる如何なる磨耗または損傷も、関節面の磨耗または動作に悪影響を与えないように配置される。
【0118】
さらに、取り付け穴988は、これに沿って各ねじ990が延びるように意図される中心の長手方向軸線989を有する。取り付け穴988は、互いに対して異なる角度に向けられるので、取り付け穴998内に配置されたガイド・スリーブ1120を通して、ねじ990を大腿骨530にねじ込むだけで、ガイド・テンプレート1100が、所定位置に固定される。すなわち、ねじ990が、ガイド・テンプレート1100を大腿骨530に押し当てて直接付勢する必要はない。ねじ990のオフセット角、よってガイド・スリーブ1120のオフセット角のため、ガイド・テンプレート1100を所定位置に固定するために、ねじ990が、単にガイド・スリーブ1120を固定するだけで十分である。
【0119】
ガイド・スリーブ1120が適切に配置されると、ねじ990は、ガイド・スリーブ1120を通って下方に通され、大腿骨530にねじ込まれる。フランジ1140が各ガイド・スリーブ1120の第1の端部を付勢し、これにより、各ガイド・スリーブ1120が大腿骨530に確実に取り付けられるまで、ねじ990が前進させられる。ガイド・スリーブ1120のフランジ1130は、取り付け穴988に界接する本体952を付勢する必要がないことが留意される。フランジ1130は、主として、ガイド・テンプレート1100の配置の際に、ガイド・スリーブ1120が取り付け穴988を通って落ちるのを防ぐように機能し、代替的な実施形態においては、フランジ1130を排除することができる。
【0120】
一部には、ガイド・スリーブ1120は、ねじ990のためのガイドとして機能する。すなわち、支持体978〜980の結果として、取り付け穴988の底部は、大腿部530の上方に離間配置される。この構成は、本体952に妨害されることなく、ガイド・テンプレート1100の適切な適合を保証するのに役立つ。しかしながら、取り付け穴988と大腿骨530との間との間隔のために、ねじ990が取り付け穴988から大腿骨530に進められるに従って、ねじ990が、対応する取り付け穴998の各々の中心長手方向軸線からずれてくる可能性がある。このずれが、ガイド・テンプレート1100に対するねじ990の結合を引き起こし、このことが、ガイド・テンプレート1100の望ましくない位置ずれ、または不適切な固定を引き起こすことがある。取り付け穴988から大腿骨530まで、またはその近くまで延びるガイド・スリーブ1120を用いることによって、ガイドスリープ1120が、各ねじ990の適切な方向および位置合わせの維持を助ける。
【0121】
ねじ990の全てが所定位置に固定され、ガイド・スリーブ1120が所定位置に固定されると、ガイド・テンプレート1100が所定位置に固定される。この位置において、図50に示されるように、マウント1160が、基部1102から取り除かれる。このことは、ハンドル1116を回転させて、先端部1118を本体952からねじ戻すことによって達成される(図48)。次いで、依然としてマウント1160に固定されているハンドル1116を用いて、マウント1160を取り除くことができる。その結果、支持体978および979が、ここで大腿骨530の関節面から取り除かれ、本体952の末端部960が、関節面の上方に自由に浮くようになる。また、本体952は、ねじ990およびガイド・スリーブ1120を傾斜配置することによって、この浮いた向きにロックされる。モジュラー式ガイド・テンプレート1100を用いることによって、この方法は、支持体を用いることによって、支持体を用いてガイド・テンプレート1100の適切な配置を容易にするが、やすりをかける前に、関節面の機能部分に直接接触する如何なる構造体も除去するので、関節面が損傷を受けない。
【0122】
マウント1160が取り除かれると、図51および52に示されるようなやすり1146が、ガイド・テンプレート1100の本体952上に配置されて、開口部966に界接する大腿骨530の部分を選択的に切除し、これにより、図40に示されるような陥凹したポケット942が形成される。やすり1146がハンドル996と、摺動レスト1008および切削マウント1016を含むヘッド1006とを含むという点で、やすり1146は、やすり994と実質的に同じである。しかしながら、やすり994とは対照的に、ハンドル996は、ヘッド1006の中央に取り付けられず、使用の際により便利なように、その側部寄りに取り付けられる。さらに、細長いスロット1148が、ハンドル996と位置合わせされた状態で、ヘッド1006上に形成される。使用の際に、切削マウント1016は、開口部996内に配置されるので、ガイド・レール984は、スロット1148内に受けられる。したがって、陥凹したポケット942を形成する際に、ガイド・レール984とスロット1148との相互作用は、やすり1146の往復運動のためのガイドとして機能する。ポケット942が形成されると、やすり1146およびガイド・テンプレート1100が取り除かれる。次いで、図46に関して前に説明されたように、インプラント1064が、ポケット942内に配置される。
【0123】
前に説明された本発明の他の利点に加えて、上記の装置およびプロセスは、従来技術に優る他の改善点を有する。例えば、本発明のガイド・テンプレートおよびやすりを用いることによって、浅く正確なポケットを形成し、最小限の骨の除去によりインプラントを受けることができる。正確なポケットは、インプラントとポケッとの間の改善された適合をもたらす。骨の除去を最小限にすることによって、手技が簡単化され、骨への外傷が最小になり、より多くの骨が残され、このことは、インプラントの交換、または関節全置換術を行うことが必要な、その後の手技を著しく簡単化する。さらに、このプロセスは、容易に取り付け、調整することができる、より小さく薄型のインプラントを可能にする。
【0124】
本発明の特徴を組み込むガイド・テンプレート1160の別の代替的な実施形態が、図53に示される。滑車インプラント1064を受けるためのポケット942を形成するために、ガイド・テンプレート1160が用いられる。ガイド・テンプレート1100と1160との間の同様の要素は、同様の参照符号により識別される。ガイド・テンプレート1160もまた、基部1162と、該基部1162に取り外し可能に接続されたマウント1164とを含むモジュラー式テンプレートである。
【0125】
図54および図55に示されるように、基部1162は、概ね円形またはリング状の形状を有する本体1166を含む。より具体的には、本体1166は、基端部958と対向する末端部960との間に延びる側部962および964を有する。本体1166はまた、頂面954および反対側を向いた底面956も有する。本体1166は、表面954と956との間に延びる開口部966を境界付ける内面1168を有する。側部962および964の頂面954は、端部958と960との間に延びる実質的に凸状の湾曲を有する。同様に、側部962および964の底面958は、端部958と960との間に延びる実質的に凹状の湾曲を有する。この実施形態においては、第1のガイド・レール982および第2のガイド・レール984(図32)の両方が排除されたことが留意される。
【0126】
本体1166は、典型的には、サイズを最小にするように最小の厚さを有し、よって、組織内への挿入が簡単化される。しかしながら、代替的な実施形態において、頂面954および底面956の全てまたは一部は、本体1166の厚さを増大させることによって、実質的に平坦にすることができる。
【0127】
支持体1170が、基端部958から突出している。テンプレート1100の支持体980とは対照的に、支持体1170は、そこを通って延びる取り付け穴988を有する。2つの他の取り付け穴988も、側部964上に形成される。前に説明されたように、1つの実施形態において、各々の取り付け穴988は、本体1166を骨の上に浮かせる位置に支持するように、他のものとは異なる角度に向けられた中心長手方向軸線を有する。基部1162とマウント1164との間の取り外し可能な連結を容易にするために、連結穴1103も側部964上に形成される。
【0128】
マウント1164は、概ねアーチ状のL形状の形状を有するブレース1172を含む。ブレース1172は、各々が基端部1178と反対側の末端部1180との間に延びる、頂面1174および対する底面1176を有する。ブレース1172はまた、両者とも表面1174と1176との間に延びる、内側縁部1182および反対側の外側縁部1184を有する。細長いガイド・レール1186が、内側縁部1182に沿って、またはこれに隣接して、底面1176から突出する。離間配置された支持体1188および1189も、末端部1180の底面1176から突出している。
【0129】
必須ではないが、示されている実施形態において、支持体1188が、ガイド・レール1186の末端部から突出している。ガイド・レール1186、ならびに支持体1188および1189の各々は、ブレース1172の外側縁部1184から内方に離間配置された外側面1192を有する。したがって、外側面1192と外側縁部1184との間に延びる底面1176の一部が、レスト面1194を形成する。取り付け穴1196が、末端部1180の支持体1188の間の位置で、末端部1180のブレース1172を貫通して延びている。連結穴1114は、基端部1170のブレース1172を貫通して延びる。
【0130】
図56を参照すると、組み立てられた形状のマウント1164が、基部1162上に配置され、連結穴1103および1114が位置合わせされ、支持体1188および1189が、基部1162の末端部960に配置される。より具体的には、ガイド・レール1186ならびに支持体1188および1189の外側面1192が、基部1162の内側面1168に対して配置され、マウント1164のレスト面1194(図55)が、基部1162の頂面954上に配置される。外側面1192および内側面1168は、典型的には、相補的な形状を有するように形成されるので、マウント1164と基部1162との間で精密公差の嵌合が形成される。
【0131】
支持体978および979が、少なくとも部分的に、基部1102によって境界付けられる開口部966の外側に配置されるガイド・テンプレート1100(図48)とは対照的に、ガイド・テンプレート1160において、支持体1188および1189が、基部1162によって境界付けられる開口部966内に完全に配置される。さらに対照的に、取り付け穴1196は、基部1162ではなくマウント1164上に形成され、開口部966の外側にあるのではなく、該開口部966と位置合わせされるように配置される。代替的な実施形態においては、基部1102への取り付けのために、2つまたはそれ以上のマウントを形成することができ、各々のマウントは、別個の支持体を有することが理解される。
【0132】
上記の組み立てられた形状においては、連結穴1103および1114に通すことによって、マウント1164および基部1162を互いに取り外し可能に保持するために、図48のハンドル1116のようなハンドルが用いられる。組み立てられたガイド・テンプレート1160が、図32のガイド・テンプレート950と実質的に同じ向きで、大腿骨530上に配置される。具体的には、支持体1170が関節軟骨の周縁部上または関節軟骨のすぐ外側の骨に載るように、基部1162の開口部966が、滑車溝539の上に配置される。支持体1170は、滑車溝539と位置合わせされた状態になるように配置される。支持体1188および1189は、それぞれ外側顆535および内側顆537に載る。
【0133】
上記の取り付けられた位置において、ガイド・テンプレート1160を大腿骨530に固定するように、ねじ990または他のファスナが、取り付け穴988および1196に通される。取り付け穴988および1196の各々と共に、ガイド・スリーブ1120(図50)を用い得ることが理解される。この形状において、ガイド・テンプレート1160は、支持体1170、1188および1189によって、ならびにねじ990または他のファスナによって、大腿骨530上に支持される。取り付け穴および関連するねじまたはファスナは、マウント1164および基部1162を大腿骨530に固定するための手段を構成することが留意される。他の取り外し可能なアンカーおよび固定技術を用いることもできる。
【0134】
図57を参照すると、やすりをかける前にマウント1104を取り除くガイド・テンプレート1100とは対照的に、最初のやすりかけの際に、または開口部966により境界付けられる骨の除去の際に、マウント1164が、ガイド・テンプレート1160の基部1162上に保持される。1つの実施形態においては、図51に関して前に説明されたように、やすり1146を用いて、ガイド・テンプレート1100の開口部966内に境界付けられる骨を除去することができる。やすり1146は、基端部958と末端部960との間に延びる軸線に沿って往復運動するように設計される。本発明の特徴を組み込むやすり1200の代替的な実施形態が、図57に示される。やすり1200は、反対側に位置する側部964と966との間に延びる軸線に沿って往復運動をするように設計される。状況に応じて、やすりについての異なる向きが、さらに使いやすいこともある。
【0135】
図58に示されるように、やすり1200は、端部上にヘッド1204が取り付けられたハンドル1202を含む。ヘッド1204は、摺動レスト1206および切削マウント1207を含む。摺動レスト1206は、基部1162の頂面954上に乗るように設計された底面1208を有する。ハンドル1202は、該ハンドル1202とヘッド1204との間に肩部1201を形成するように、底面1208から後退している。肩部1210の形成により、摺動レスト1206が基部1162上に乗っているとき、ハンドル1202の底面がブレース1172の頂面1174に乗ることが可能になる。ここで、ねじ990が取り付け穴1196に挿入されると、ハンドル1116がやすり1200を妨害しないように、ハンドル1116を連結穴1103および1114から一時的に取り外すことができることが留意される。
【0136】
切削マウント1207は、基端部1218と反対側に位置する末端部1220との間に延びる、反対側の側部1214および1216を備えた切削面1212を有する。切削面は、図37に示される歯1020のような、複数の歯から構成される。やすり1200の運動の向きのため、対する側部1214と1216との間に延びる隆起部1222が、その上に形成される。隆起部1222は、その長手方向に沿った頂点を有し、凸状に湾曲した横断面を有する。これに加えて、隆起部1222の側部は、隆起部1222の基端側および末端側において、凹状の湾曲になるように傾斜している。
【0137】
やすり1200を開口部966内で左右に往復運動させ、やすり1200を基端部958と末端部960との間で前進させることによって、図40に示されるような陥凹したポケット942が、実質的に形成される。代替的な実施形態においては、やすり1200は、往復運動する必要はないが、小さい円形のパターンで動かすことができ、あるいは、骨の除去を容易にするために他の動きをすることができる。同様に、やすり1200は、ミル、または骨を除去するための他の装置と置き換えることもできる。陥凹したポケット942の形成を完成させるために、マウント1164が基部1162から取り外される。次に、マウント1164で覆われた部分の骨を除去するために、やすり、ミル、または他の構造体が用いられる。このように、最初のやすりかけの際に関節軟骨に乗っている支持体1188および1189によって、あるいは、マウント1164の取り付け穴1196を貫通するねじ990によって前に生じた可能性がある関節軟骨の如何なる損傷も、関節軟骨のその部分が除去されるので、無関係になる。前に説明されたように、陥凹したポケット942が完成すると、基部1162が取り除かれ、インプラント1064が内部に固定される。
【0138】
本発明のいくつかの異なる実施形態が、上記に述べられる。’941出願において、他の実施形態も開示されている。異なる実施形態の異なる特徴を混合し、適合させて、本発明の範囲内の種々の他の実施形態を生み出すことができることが理解される。制限ではなく、例証として、骨付着面上にある多孔質の骨内方成長材料のインレーを用いて、またはこれを用いずに、各々の異なるインプラントを作ることができ、異なるインプラントの各々は、1つまたは複数の異なる方法で接続される1つまたは複数のラインを有することができ、異なるインプラントの各々は、一体化された本体または2つまたはそれ以上の別個の部品として作ることができる。例えば、各々のインプラントは、骨に取り付けられた金属トレーと、該トレーに取り付けられたプラスチック製ベアリング・プレートとを含むことができる。異なる実施形態のための異なる方法ステップも混合され適合されて、他の技術と共に用い得ることも同様に理解される。例えば、任意の関節の任意のタイプの関節面を切除するために、固定されているか、または取り外し可能な、支持体978〜980のような支持体を有するガイド・テンプレートを用いることができる。最後に、本明細書に記載されたインプラントは、例証のためのものにすぎず、制限のためのものではないことが再び留意される。本発明は、他の整形外科的関節の関節面の表面再加工と関連して用いることもできる。
【0139】
最後に、上記の実施形態は、主として、インプラントを切除された関節面上に取り付けることについて説明している。しかしながら、時として、自然関節面のかなりの部分が磨り減っているか、さもなければ、外科的切除以外の他の事象によって除去されているので、依然として自然関節面として機能している磨耗面の切除を必要としないこともある。これらの場合、最小限の関節面の外科的切除により、または関節面の外科的切除なしで、磨耗した自然関節面上にインプラントを直接取り付けることができると考えられる。
【0140】
本発明は、その精神または本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態で具現化することができる。記載された実施形態は、全ての点において、制限としてではなく、単に例証として考えられるべきである。したがって、本発明の範囲は、前記の説明によってではなく、添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲と均等の意味および範囲内に入る全ての変更が、その範囲内に含まれるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0141】
【図1】脛骨の基端部の斜視図である。
【図2】トンネルが上に形成された、図1に示される脛骨の斜視図である。
【図3】陥凹したポケットが上に形成された、図4に示される脛骨の斜視図である。
【図4】上にポケットを形成する前に平坦な切除面が最初に形成された、図1に示される脛骨の斜視図である。
【図5A】顆インプラントの上面斜視図である。
【図5B】図5Aで示される顆インプラントの底面斜視図である。
【図5C】図5Bに示される顆インプラントの分解斜視図である。
【図6A】2つのポケットを有する顆インプラントの、代替的な実施形態の分解斜視図である。
【図6B】ラインが接続された、図6Aに示されるインプラントの底面斜視図である。
【図7】3つのポケットを有する顆インプラントの、別の代替的な実施形態の底面斜視図である。
【図8】スパイクが上に形成された、一体型顆インプラントの斜視図である。
【図9】圧着によってインプラントに取り付けられたワイヤを示す側断面図である。
【図10】フックの周りに巻き付けることによってインプラントに取り付けられたワイヤを示す、側断面図である。
【図11】インプラント内の細められた開口部を通すことによってインプラントに取り付けられたワイヤを示す、側断面図である。
【図12】止めねじによってインプラントに取り付けられたワイヤを示す、側断面図である。
【図13】有刺リテーナによってインプラントに取り付けられたワイヤを示す、側断面図である。
【図14】ラインが摺動可能に接続されたインプラントの、代替的な実施形態の底面斜視図である。
【図15】顆インプラントを脛骨に固定するための、アンカー組立体の分解図である。
【図16】骨アンカーおよびロックを含む、図15に示されるアンカー組立体の拡大斜視図である。
【図17】図16に示される骨アンカーの側断面図である。
【図18】図16に示されるロックの正面図である。
【図19】そこを通って延びているラインを有する、図16に示される組み立てられたアンカー組立体の側断面図である。
【図20】脛骨に取り付けられた図19のアンカー組立体を用いて脛骨に取り付けられたインプラントの斜視図である。
【図21】テンショナの正面図である。
【図22】図21に示されるテンショナの側面図である。
【図23】図20に示される取り付けられたアンカー組立体と連結された、図21および図22に示されるテンショナの斜視図である。
【図24A】骨アンカーの代替的な実施形態の斜視図である。
【図24B】骨アンカーの代替的な実施形態の斜視図である。
【図25】図14に示されるインプラントを脛骨に固定するために用いられるシステムの斜視図である。
【図26】大腿骨の内側顆上に取り付けられたガイド・テンプレート、およびガイド・テンプレートの開口部内に配置されたミリング・ヘッドの斜視図である。
【図27】図26に示されるガイド・テンプレートと共に選択的に用いられるやすりの斜視図である。
【図28】図26のガイド・テンプレートと共に用いられる、図46に示されるやすりの斜視図である。
【図29】大腿骨顆インプラントの上面斜視図である。
【図30】ラインが接続された、図29に示される大腿骨顆インプラントの底面斜視図である。
【図31】図29に示される大腿骨顆インプラントを大腿骨に固定するために用いられる、図23に示されるシステムの斜視図である。
【図32】大腿骨の末端部上に取り付けられたガイド・テンプレートの斜視図である。
【図33】図32に示されるガイド・テンプレートの上面斜視図である。
【図34】図32に示されるガイド・テンプレートの底面斜視図である。
【図35】図32に示されるガイド・テンプレート上に取り付けられたやすりの斜視図である。
【図36】図35に示されるやすりの側面図である。
【図37】図35に示されるやすりの底面平面図である。
【図38】図35に示されるやすりの背面図である。
【図39】図35に示されるやすりおよびガイド・テンプレートの底面平面図である。
【図40】やすりによって形成された陥凹したポケットを有する、図35に示される大腿骨の斜視図である。
【図41A】図36に示されるやすりのための切削マウントの背面斜視図である。
【図41B】図41Aに示される切削マウントの代替的な実施形態の背面斜視図である。
【図42】やすりの代替的な実施形態である。
【図43】滑車溝インプラントの上面斜視図である。
【図43A】断面線43A−43Aに沿って取られた、図43に示される滑車溝インプラントの側断面図である。
【図43B】周縁部の周りに増大した湾曲を有する、図43Aに示される滑車溝インプラントの代替的な実施形態の側断面図である。
【図43C】断面線43C−43Cに沿って取られた、図43に示される滑車溝インプラントの側断面図である。
【図44】分解された状態の、図43に示される滑車溝インプラントの背面斜視図である。
【図45】ラインが接続された、図43に示される滑車溝インプラントの背面斜視図である。
【図46】図43に示されるインプラントがポケット内に取り付けられた状態の、図40に示される大腿骨の斜視図である。
【図47】図32に示されるガイド・テンプレートの代替的な実施形態の上面斜視図である。
【図48】図47に示されるガイド・テンプレートの底面斜視図である。
【図49】図47に示されるガイド・テンプレートの分解された図である。
【図50】ガイド・スリーブおよびねじを有する、図46に示されるガイド・テンプレートの基部の斜視図である。
【図51】やすりが上に取り付けられた、図50に示される基部の平面図である。
【図52】図51に示される基部およびやすりの底面図である。
【図53】ガイド・テンプレートの別の代替的な実施形態の上面斜視図である。
【図54】分解された状態の、図53に示されるガイド・テンプレートの上面斜視図である。
【図55】分解された状態の、図53に示されるガイド・テンプレートの底面斜視図である。
【図56】図53に示されるガイド・テンプレートの底面斜視図である。
【図57】代替的な実施形態のやすりを有する、図53に示されるガイド・テンプレートの斜視図である。
【図58】図57に示されるやすりの斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
滑車溝インプラントであって、
関節面と反対側を向いた骨付着面とを有する本体であって、前記関節面および前記骨付着面の各々は、前記本体の外側と内側との間に延びており、かつ、該本体の基端部と反対側の末端部との間にも延びている、本体を備え、
前記関節面の少なくとも一部は、前記本体の前記基端部と前記反対側の末端部との間に少なくとも部分的に長手方向に延びる細長いチャネルを形成し、前記チャネルを形成する該関節面の少なくとも一部は、該関節面に対して実質的に直角に突出し、かつ、該本体の該基端部と該反対側の末端部との間に延びる想像上の第1の面から見たときに、凸状の湾曲を有しており、
前記骨付着面の少なくとも一部は、前記本体の前記基端部と前記反対側の末端部との間に少なくとも部分的に長手方向に延びる外方に突出する細長い隆起部を形成し、前記隆起部を形成する該骨付着面の少なくとも一部は、前記想像上の第1の面から見たときに、凹状の湾曲を有し、該隆起部を形成する該骨付着面の少なくとも一部は、該骨付着面に対して実質的に直角に突出し、かつ、該本体の前記外側と前記内側との間に延びる想像上の第2の面から見たときに、凸状の湾曲を有し、該骨付着面はまた、前記想像上の第2の面から見たときに、該隆起部と該外側との間に配置された凹状の湾曲と、該想像上の第2の面から見たときに、該隆起部と該内側との間に配置された凹状の湾曲とを有する、
ことを特徴とする滑車溝インプラント。
【請求項2】
前記細長い隆起部は、前記細長いチャネルと位置合わせされ、かつ、該細長いチャネルに対して相補的な形状を有することを特徴とする請求項1に記載の滑車溝インプラント。
【請求項3】
前記本体は、前記細長い隆起部と該細長い隆起部の長手方向に沿った前記細長いチャネルとの間に実質的に一定の厚さを有することを特徴とする請求項2に記載の滑車溝インプラント。
【請求項4】
前記細長い隆起部および前記細長いチャネルの両方が、前記本体の前記基端部と前記末端部との間に延びることを特徴とする請求項2に記載の滑車溝インプラント。
【請求項5】
前記チャネルを形成する前記関節面の少なくとも一部は、前記想像上の第2の面から見たときに、凹状の湾曲を有し、前記関節面はまた、該想像上の第2の面から見たときに、該チャネルと前記外側との間に配置された凸状の湾曲と、該想像上の第2の面から見たときに、前記隆起部と前記内側との間に配置された凸状の湾曲とを有することを特徴とする請求項1に記載の滑車溝インプラント。
【請求項6】
前記骨付着面は、前記関節面に対して実質的に相補的な形状を有することを特徴とする請求項1に記載の滑車溝インプラント。
【請求項7】
前記本体は周縁部を有し、前記周縁部から少なくとも2mm内側に入った全ての位置において、該本体は、20%を超えて変動しない、前記骨付着面と前記関節面との間に延びる厚さを有することを特徴とする請求項1に記載の滑車溝インプラント。
【請求項8】
前記骨付着面は、上に形成された階段状の肩部を有さないことを特徴とする請求項1に記載の滑車溝インプラント。
【請求項9】
前記関節面は重心位置を有し、かつ、周縁部まで延びており、該関節面は、前記重心位置から前記周縁部まで延びている最大半径と、該重心位置から該周縁部まで延びている最小半径とを有し、前記最小半径は、前記最大半径の80%を下回らないことを特徴とする請求項1に記載の滑車溝インプラント。
【請求項10】
前記本体は、非対称形状をもつ外周を有することを特徴とする請求項1に記載の滑車溝インプラント。
【請求項11】
前記本体は、
前記関節面および反対側を向いた底面を有するベアリング・プレートであって、ポケットが、ベアリング・プレートの前記底面に形成されている、ベアリング・プレートと、
前記ポケットに固定された、多孔質の骨内方成長材料のインレーと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の滑車溝インプラント。
【請求項12】
前記本体を大腿骨に固定するための手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の滑車溝インプラント。
【請求項13】
前記固定するための手段は、前記本体に連結され、かつ、該本体から延びている第1のラインを含むことを特徴とする請求項12に記載の滑車溝インプラント。
【請求項14】
前記本体は、その一部を通って延びている通路を有し、前記第1のラインは、前記通路に摺動可能に配置されることによって、該本体と連結されることを特徴とする請求項13に記載の滑車溝インプラント。
【請求項15】
前記本体は、その一部を通って延びている通路を有し、前記第1のラインは、そこに形成された拡大したヘッドを備えた第1の端部を有し、前記拡大したヘッドは、前記通路に保持されていることを特徴とする請求項13に記載の滑車溝インプラント。
【請求項16】
前記本体の前記骨付着側に形成されたソケットをさらに備え、前記第1のラインの一部は、前記ソケットに配置されていることを特徴とする請求項13に記載の滑車溝インプラント。
【請求項17】
前記本体と連結され、かつ、該本体から延びている第2のラインをさらに備えることを特徴とする請求項13に記載の滑車溝インプラント。
【請求項18】
前記第1のラインは可撓性であることを特徴とする請求項13に記載の滑車溝インプラント。
【請求項19】
前記第1のラインは、実質的に軸方向の圧縮強さを有さないことを特徴とする請求項13に記載の滑車溝インプラント。
【請求項20】
前記第1のラインは、支持されていない長さ4cmの前記第1のラインについて、軸方向に4ニュートンの圧縮荷重が該第1のラインにかけられたときに、該第1のラインが座屈によって撓むような特性を有することを特徴とする請求項13に記載の滑車溝インプラント。
【請求項21】
骨アンカーと、
前記第1のラインの一部を前記骨アンカーに固定するための手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項13に記載の滑車溝インプラント。
【請求項22】
前記骨アンカーは、1つまたは複数のねじ山または刺がその外面に形成された、管状の本体を含むことを特徴とする請求項21に記載の滑車溝インプラント。
【請求項23】
前記骨アンカーは、該骨アンカーを通って延びるチャネルを境界付けている内面を有し、前記第1のラインの一部は、前記チャネルを通って延びていることを特徴とする請求項21に記載の滑車溝インプラント。
【請求項24】
前記第1のラインの一部を前記骨アンカーに固定するための前記手段は、該骨アンカーの前記チャネルに少なくとも部分的に配置されたロックを含み、前記ロックは、該骨アンカーの該チャネルの前記第1のラインを付勢して、該第1のラインを内部に固定することを特徴とする請求項21に記載の滑車溝インプラント。
【請求項25】
前記ロックは、前記骨アンカーの前記チャネルに少なくとも部分的に配置され、かつ、前記第1のラインを取り囲んでいるコレットを含み、前記コレットは、該コレットが該骨アンカーの該チャネルに前進させられるとき、前記第1のラインと係合するように半径方向内方に細くなる複数の可撓性フィンガを有することを特徴とする請求項24に記載の滑車溝インプラント。
【請求項26】
前記コレットは、前記骨アンカーとねじ係合されることを特徴とする請求項25に記載の滑車溝インプラント。
【請求項27】
各々が第1の端部と対する第2の端部との間に延びる、頂面および反対側を向いた底面を有する細長いハンドルと、
前記ハンドルの前記第2の端部に配置され、かつ、切削面を形成する複数の歯を含む、切削マウントと、
を備え、前記切削面の少なくとも一部は、前記ハンドルの前記底面より下方に突出しており、かつ、第1の端部と対する第2の端部との間に延びる実質的に一定の凸状回転面を有しており、前記回転面は、前記対する端部間に延びている中央隆起部を有していることを特徴とするやすり。
【請求項28】
前記回転面は、少なくとも60°の角度を超えて延びることを特徴とする請求項27に記載のやすり。
【請求項29】
前記回転面は、少なくとも100°の角度を超えて延びることを特徴とする請求項27に記載のやすり。
【請求項30】
前記切削面は、対する側部間に延び、角の丸い摺動レストが、各側部から突出していることを特徴とする請求項27に記載のやすり。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24A】
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【図24B】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41A】
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【図41B】
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【図42】
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【図43】
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【図43A】
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【図43B】
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【図43C】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【公表番号】特表2008−528110(P2008−528110A)
【公表日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−552278(P2007−552278)
【出願日】平成18年1月20日(2006.1.20)
【国際出願番号】PCT/US2006/001973
【国際公開番号】WO2006/078864
【国際公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【出願人】(504048124)メディシンロッジ インコーポレイテッド (7)
【出願人】(503322582)ジンマー テクノロジー,インコーポレイティド (6)
【Fターム(参考)】