説明

潜水用マスク、潜水マスク用表示装置の制御方法、制御プログラム及び記録媒体

【課題】 水中での吸光特性を考慮し、より自然な色で周囲状況(特に魚、海草、珊瑚、岩などの色)を観察可能とする。
【解決手段】 潜水マスク5は、画像を撮像するカメラ5Aを備え、コントローラ20は、ダイバーの現在位置周囲の水による太陽光の吸光特性を判別し、判別した吸光特性に対応させてカメラ5Aにより撮像した画像の色を補正し、色を補正した後の画像を透過形表示パネル21R、21Lに表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、潜水用マスク、潜水マスク用表示装置の制御方法、制御プログラムおよび記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の潜水マスクは、単に水中におけるダイバーの目を海水から保護するとともに、潜水時の視野を安全、確実に確保するために用いられていた。
また、潜水中の各種重要な潜水情報(例えば、潜水時間、現在水深、ボンベ残圧、方位、体内残留窒素量など)をダイバーに告知するための機能を備えた潜水マスクが提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平5−246383号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1記載の潜水用マスクは、潜水情報を提供する情報表示装置として機能しているに過ぎず、水中でのダイバーの周囲状況の視認性の向上という目的のために用いることはできない。
ところで、潜水時には、太陽光の水(海水、淡水および汽水)による吸収は、その波長により異なっており、水深が深くなるにつれて、赤色→橙色→黄色→緑色→青色→紫色の順に徐々に吸収されてゆく。例えば、陸上において太陽光下で鮮やかな赤色をした魚でも、ある水深においては、褐色に見えたりすることとなる。
そこで、本発明の目的は、水中での吸光特性を考慮し、より自然な色で周囲状況(特に魚、海草、珊瑚、岩などの色)を観察可能とする潜水用マスク、潜水マスク用表示装置の制御方法、制御プログラムおよび記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するため、潜水マスクは、画像を撮像するカメラ部と、ダイバーの現在位置周囲の水による太陽光の吸光特性を判別する吸光特性判別部と、判別した前記吸光特性に対応させて前記画像の色を補正する色補正部と、前記色を補正した後の画像を表示する表示部と、を備えたことを特徴としている。
上記構成によれば、カメラ部は、画像を撮像する。
これと並行して吸光特性判別部は、ダイバーの現在位置周囲の水による太陽光の吸光特性を判別する。色補正部は、判別した吸光特性に対応させて画像の色を補正する。
これらの結果、表示部は、色を補正した後の画像を表示する。
この場合において、前記吸光特性判別部は、周囲圧力を検出する圧力検出部と、前記周囲圧力に基づいて水深を算出する水深算出部と、を有し、前記色補正部は、水深に対応させて前記吸光特性を予め記憶する吸光特性記憶部を有し、前記水深算出部により算出された水深に対応する前記吸光特性を読み出し、前記画像の色を補正するようにしてもよい。
【0005】
また、前記吸光特性判別部は、前記カメラ部により撮像された画像に基づいてホワイトバランスを調整するホワイトバランス調整データを生成するホワイトバランス調整部を備え、前記色補正部は、前記ホワイトバランス調整データに基づいて前記画像の色を補正するようにしてもよい。
さらに、前記表示部は、透過形表示装置を備え、当該ダイバー周囲の景色に重ねて前記色を補正した後の画像を表示するようにしてもよい。
さらにまた、前記表示部は、反射形表示装置を備え、当該ダイバー周囲の景色に対応する前記色を補正した後の画像を表示するようにしてもよい。
【0006】
また、潜水マスク用表示装置の制御方法は、画像を撮像する撮像過程と、ダイバーの現在位置周囲の水による太陽光の吸光特性を判別する吸光特性判別過程と、判別した前記吸光特性に対応させて前記画像の色を補正する色補正過程と、前記色を補正した後の画像を表示する表示過程と、を備えたことを特徴としている。
また、画像を撮像するカメラ部と、撮像した前記画像を表示する表示部と、を備えた潜水マスクをコンピュータにより制御するための制御プログラムは、前記カメラ部に画像を撮像させ、ダイバーの現在位置周囲の水による太陽光の吸光特性を判別させ、判別させた前記吸光特性に対応させて前記画像の色を補正させ、前記表示部に前記色を補正した後の画像を表示させる、ことを特徴としている。
この場合において、周囲圧力を検出させ、前記周囲圧力に基づいて水深を算出させ、
水深に対応させて前記吸光特性を予め記憶させ、前記算出された水深に対応する前記吸光特性に基づいて前記画像の色を補正させるようにしてもよい。
また、前記カメラ部により撮像された画像に基づいてホワイトバランスを調整させて、ホワイトバランス調整データを生成させ、前記ホワイトバランス調整データに基づいて前記画像の色を補正させるようにしてもよい。
また、上記各制御プログラムをコンピュータ読取可能な記録媒体に記録してもよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、より自然な色で周囲状況(特に魚、海草、珊瑚、岩などの色)を観察可能とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
次に本発明の好適な実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、実施形態の潜水用マスク(ダイビングマスク)を用いる場合の潜水装備の使用態様図である。また図2は実施形態の潜水装備の概要構成説明図である。
潜水装備100は、大別すると、複数のボンベ1A、1Bを有するボンベユニット1と、切換バルブ・レギュレータ2と、水深・残圧計3と、リモコンユニット4と、カメラ5Aを備えた潜水用マスク5と、を備えている。
図2は実施形態の潜水用マスクの外観正面図である。また、図3は潜水用マスクの断端面図である。
潜水用マスク5は、図示しないストラップが取り付けられる本体フレーム5Bを有し、本体フレーム5Bの上部にカメラ5Aが配置されている。
本体フレーム5Bは、レンズフレーム5Cを備えており、このレンズフレーム5Cにより剛性レンズ5D、5Eが支持されている。
さらに本体フレーム5Bには、図3に示すように、半透明のラバーあるいはプラスチックでできた柔軟性を有するスカート部5Fが取り付けられている。
【0009】
さらにまた本体フレーム5Bの下部には、ダイバーの鼻部分を覆うノーズフレーム5Gが取り付けられている。
剛性レンズ5Dの裏面側には、透過形表示パネル21Rが配置され、剛性レンズ5Dの裏面側には、透過形表示パネル21Lが配置されている。
潜水用マスク5は、全体を制御するコントローラ20を備えており、ドライバ22は、コントローラ20の制御下で、透過形表示パネル21R、21Lを駆動する。
また、コントローラ20には、制御プログラムおよび制御データを予め記憶するROM23と、各種データを一時的に記憶するRAM24と、透過形表示パネル21R、21Lに表示すべき画像データを一時的に記憶するVRAM25と、が接続されている。
さらにコントローラ20には、リモコンユニット4と通信を行うための通信部26と、ユーザであるダイバーが各種操作を行う図示しない操作ボタンなどが設けられた操作部27と、が接続されている。
また、コントローラ20には、半導体圧力センサにより構成される圧力センサ28と、この圧力センサ28の検出出力信号を増幅するための増幅回路29と、増幅回路29の出力信号のアナログ/ディジタル変換を行い、コントローラ20に出力するA/D変換回路30と、が接続されている。
【0010】
図5は、リモコンユニットの概要構成ブロック図である。
リモコンユニット4は、図示しないROM、RAMを備え、リモコンユニット4全体を制御するMPU31と、ユーザであるダイバーが各種操作を行う操作部32と、操作状態などの各種情報を表示する表示部33と、潜水用マスク5の通信部26との間で通信を行う通信部34と、を備えて構成されている。
ここで、色補正の原理について説明する。
図6は、標準的な海水による太陽光線の吸光度と水深との関係を示す図である。また、図7は、水深15メートルにおける吸光度と色補正量の関係を説明する図である。
図6には、赤色の吸光度特性RE、橙色の吸光度特性OR、黄色の吸光度特性YE、緑色の吸光度特性GRおよび青色の吸光度特性BLを示している。
図6に示すように、波長の長い光ほど、低水深で吸光度が小さくなり、海水により多く吸収されていることがわかる。
具体的には、図7に示すように、水深15メートルにおいては、赤色光の吸光度=10、橙色光の吸光度=15、黄色光の吸光度=20、緑色光の吸光度=35、青色光の吸光度=50、紫色光の吸光度=20となっている。
上述の水深15メートルの例の場合、色補正量としては、例えば、以下のような設定とする。
【0011】
赤色光の色補正量=100%、橙色光の色補正量=100%、黄色光の色補正量=75%、緑色光の色補正量=42%、青色光の色補正量=30%、紫色光の色補正量=75%とする。
この色補正量データは、各水深毎(例えば、水深5メートル毎)に対応づけて予めROM23内に色補正テーブルとして記憶しておく。ここで、ROM23は、吸光特性記憶部として機能し、色補正テーブルは、吸光特性に相当している。
図8は実施形態の処理フローチャートである。
まず、ユーザであるダイバーは、リモコンユニット4の操作部32を操作し、色補正を行うべき指示を入力する。これによりMPU31は、通信部34を介して、潜水用マスク5の通信部26に色補正指示コマンドを送信する。
これと並行してMPU31は、表示部33に色補正指示コマンドの送出および色補正処理を開始した旨の表示を行うこととなる。
【0012】
一方、潜水用マスク5のコントローラ20は、通信部26を介して色補正指示コマンドを受信すると、現在の水深を検出する(ステップS1)。すなわち、圧力センサ28の検出した圧力に基づいて水深を検出する。これと並行してコントローラ20は、カメラ5Aを制御し、周囲の画像を撮像することとなる。
具体的には、圧力センサ28は、周囲の圧力である水圧を検出して、検出出力信号を増幅回路29に出力する。増幅回路29は、検出出力信号を増幅してA/D変換回路30に出力する。A/D変換回路30は、増幅回路29の出力信号のアナログ/ディジタル変換を行い、圧力データとしてコントローラ20に出力する。
これによりコントローラ20は、圧力データを水深データに変換することとなる。
次にコントローラ20は、水深検出が終了したか否かを判別し(ステップS2)、水深検出が終了すると(ステップS2;Yes)、ROM23に記憶している色補正テーブルを参照し、現在の水深に対応する色補正量データを読み出す(ステップS3)。
次にコントローラ20は、色補正量データに対応させて、カメラ5Aが出力した画像データに色補正処理を施してVRAM25に書き込む(ステップS4)。
【0013】
続いてコントローラ20は、VRAM25の色補正後の画像データに対応する画像をドライバ22を介して、透過形表示パネル21R、21Lに表示させる(ステップS5)。
この結果、ダイバーの見る周囲の景色は、従来と比較してより自然な色合いで見えることとなる。すなわち、従来においては、太陽光の海水による吸収により、魚や珊瑚といった海中生物などが褐色に見えていたものを、本来の色鮮やかな色彩を帯びた魚や珊瑚として見ることが可能となり、よりダイビングの楽しみを向上させることができる。
以上の説明では、カメラ5Aの撮像画像の色補正を行った画像を、実際の景色に重畳して表示していたが、透過形表示パネル21R、21Lを水深に応じた色を有する色フィルタとして機能させても同様の効果を得ることが可能である。
また、以上の説明では、色補正を自動的に行う場合について説明したが、実際のダイビングでは、海水の透明度などの影響も受けるので、リモコンユニット4側あるいは潜水マスク5にマニュアル補正ボタンを設け、自動補正後の色を好みの色にさらに補正するように構成することも可能である。
【0014】
以上の実施形態は、水深に応じて色補正を行うものであったが、より正確な色補正を行うには、ホワイトバランス調整を行うのが好ましい。以下、ホワイトバランス調整を行う場合の実施形態の変形例について説明する。
この場合において、装置構成は、上記実施形態と同様であるので詳細な説明を省略する。
図9は実施形態の変形例の処理フローチャートである。
まず、ユーザであるダイバーは、リモコンユニット4の操作部32を操作し、色補正を行うべき指示を入力する。これによりMPU31は、通信部34を介して、潜水用マスク5の通信部26に色補正指示コマンドを送信する。
これと並行してMPU31は、表示部33に色補正指示コマンドの送出および色補正処理を開始した旨の表示を行うこととなる。
一方、潜水用マスク5のコントローラ20は、通信部26を介して色補正指示コマンドを受信すると、ホワイトバランス調整を行う(ステップS1)。すなわち、コントローラ20は、カメラ5Aを制御し、周囲の画像を撮像して、撮像画像のホワイトバランス調整を行うこととなる。
【0015】
ここで、ホワイトバランス調整の手法について説明する。
ホワイトバランス調整の手法としては、オートホワイトバランス調整およびセミオートホワイトバランス調整がある。
オートホワイトバランス調整は、カメラ5Aの撮像画像の一部あるいは全部、例えば、撮像画像の中央部分の色を全て混ぜ合わせると白になるように自動設定がなされる。具体的には、RGBで処理を行う場合、
R:G:B=255:255:255
の比率の時に白であるとすると、撮像画像の中央部分の色を全て混ぜ合わせた場合の色について、
R:G:B=173:125:218
の比率であったとすれば、R、G、Bのそれぞれの補正量CR、CG、CBは、以下のように設定する。
CR=255−173=82
CG=255−125=130
CB=255−218=37
【0016】
従って、実際には、撮像画像を
R:G:B=82:130:37
の値を有する色のフィルタで見た画像となるように色補正がなされることとなる。
セミオートホワイトバランス調整は、カメラ5Aにより白の被写体(例えば、白いプラスチック板など)を撮像し、撮像画像中の被写体の色が白くなるようにオートホワイトバランス調整と同様の補正を行うものである。この手法によれば、オートホワイトバランス調整と比較してより理想的なホワイトバランス調整をおこなうことができる。白の被写体としては、上述したように潜水マスク5とは別体のものを用いても良いが、潜水マスク5により小型の被写体を支持しつつ、収納可能な収納部材を設け、ホワイトバランス調整時にユーザであるダイバーが被写体をカメラ5Aの前から所定距離離間した位置に引き出せるような構成としても良い。
【0017】
次にコントローラ20は、ホワイトバランス調整が終了したか否かを判別する(ステップS12)。
ステップS12の判別において、ホワイトバランス調整が終了していない場合には、コントローラ20は待機状態となる。
ステップS12の判別において、ホワイトバランス調整が終了した場合には、コントローラ20は、ホワイトバランス調整に対応する色補正量に対応させて、カメラ5Aが出力した画像データに色補正処理を施してVRAM25に書き込む(ステップS4)。
続いてコントローラ20は、VRAM25の色補正後の画像データに対応する画像をドライバ22を介して、透過形表示パネル21R、21Lに表示させる(ステップS5)。
この結果、上記実施形態と同様に、ダイバーの見る周囲の景色は、従来と比較してより自然な色合いで見えることとなる。すなわち、従来においては、太陽光の海水による吸収により、魚や珊瑚といった海中生物などが褐色に見えていたものを、本来の色鮮やかな色彩を帯びた魚や珊瑚として見ることが可能となり、よりダイビングの楽しみを向上させることができる。
【0018】
以上の説明においては、ホワイトバランス調整をRGBで行う場合について説明したが、他の画像の色補正における通常の処理を行うように構成することも可能である。他の処理としては、例えば画像のヒストグラムを作成し、ヒストグラムが地上における画像と同様になるように補正したり、ガンマ調整を行ったり、色温度調整を行うように構成することも可能である。
以上の各実施形態の説明においては、表示パネル21R、21Lとして透過形表示パネルを用いていたが、反射形の表示パネルを用いるようにしてもよい。この場合には、例えば、電源が切れた場合などには、外界を見ることができなくなってしまうので、潜水マスク5から表示パネル部分のみを水中においても着脱可能とするのが好ましい。
以上の説明においては、カメラが1台の場合について説明したが、所定の視差を有するように2台のカメラを設け、各表示パネル21R、21Lに対応する画像を表示するようにすれば、立体感を低減させることなく表示させることが可能である。特に反射型の表示パネルを用いる場合に効果的である。
【0019】
以上の説明においては、表示パネル21R、21Lの具体的な例については説明しなかったが、(透明あるいは反射型)液晶ディスプレイパネル、有機ELディスプレイパネルなどが考えられる。
以上の説明においては、通信部の通信方式については言及しなかったが、超音波や光を用いた無線通信や、有線通信を行うように構成することも可能である。
以上の説明では、表示パネルが二つの場合について説明したが、一つの場合や、3つ以上の複数の表示パネルを備えるように構成することも可能である。
以上の説明においては、潜水用マスク5を制御するための制御プログラムが予めROMに記憶されている場合について説明したが、各種磁気ディスク、光ディスク、メモリカードなどの記録媒体に制御用プログラムをあらかじめ記録し、これらの記録媒体から通信部を介して読み込み、インストールするように構成することも可能である。また、通信部をインターネット、LANなどのネットワークに接続し、ネットワークを介して制御用プログラムをダウンロードし、インストールして実行するように構成することも可能である。このように構成することにより、ソフトウェア的により高機能の色補正処理制御を行えるようにしたりすることが可能となる。
以上の説明においては、潜水用マスクを例として説明したが、画像を撮像するカメラ部と、ダイバーの現在位置周囲の水による太陽光の吸光特性を判別する吸光特性判別部と、判別した前記吸光特性に対応させて前記画像の色を補正する色補正部と、前記色を補正した後の画像を表示する表示部と、を構成するに際し、色補正部や表示部等を水中カメラのファインダ部に適用したり、ダイバーズ用情報処理装置(ダイブコンピュータ)の表示部に適用するなど、水中で使用する機材の表示部、色補正部等として構成することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施形態の潜水用マスク(ダイビングマスク)を用いる場合の潜水装備の使用態様図である。
【図2】実施形態の潜水装備の概要構成説明図である。
【図3】潜水用マスクの断端面図である。
【図4】潜水用マスクの制御系の概要構成ブロック図である。
【図5】リモコンユニットの概要構成ブロック図である。
【図6】標準的な海水による太陽光線の吸光度と水深との関係を示す図である。
【図7】水深15メートルにおける吸光度と色補正量の関係を説明する図である。
【図8】実施形態の処理フローチャートである。
【図9】実施形態の変形例の処理フローチャートである。
【符号の説明】
【0021】
1…ダイブコンピュータ、5…潜水マスク、5A…カメラ、5B…本体フレーム、5C…レンズフレーム、5D、5E…剛性レンズ、5F…スカート部、5G…ノーズフレーム5G、21R、21L…透過形表示パネル、22…ドライバ、23…ROM、24…RAM、25…VRAM、26…通信部、27…操作部、28…圧力センサ、29…増幅回路、30…A/D変換回路、31…MPU、32…操作部、33…表示部、34…通信部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を撮像するカメラ部と、
ダイバーの現在位置周囲の水による太陽光の吸光特性を判別する吸光特性判別部と、
判別した前記吸光特性に対応させて前記画像の色を補正する色補正部と、
前記色を補正した後の画像を表示する表示部と、
を備えたことを特徴とする潜水マスク。
【請求項2】
請求項1記載の潜水マスクにおいて、
前記吸光特性判別部は、周囲圧力を検出する圧力検出部と、前記周囲圧力に基づいて水深を算出する水深算出部と、を有し、
前記色補正部は、水深に対応させて前記吸光特性を予め記憶する吸光特性記憶部を有し、前記水深算出部により算出された水深に対応する前記吸光特性を読み出し、前記画像の色を補正する、
ことを特徴とする潜水マスク。
【請求項3】
請求項1記載の潜水マスクにおいて、
前記吸光特性判別部は、前記カメラ部により撮像された画像に基づいてホワイトバランスを調整するホワイトバランス調整データを生成するホワイトバランス調整部を備え、
前記色補正部は、前記ホワイトバランス調整データに基づいて前記画像の色を補正すること特徴とする潜水マスク。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の潜水マスクにおいて、
前記表示部は、透過形表示装置を備え、当該ダイバー周囲の景色に重ねて前記色を補正した後の画像を表示することを特徴とする潜水マスク。
【請求項5】
請求項1または請求項2記載の潜水マスクにおいて、
前記表示部は、反射形表示装置を備え、当該ダイバー周囲の景色に対応する前記色を補正した後の画像を表示することを特徴とする潜水マスク。
【請求項6】
画像を撮像する撮像過程と、
ダイバーの現在位置周囲の水による太陽光の吸光特性を判別する吸光特性判別過程と、
判別した前記吸光特性に対応させて前記画像の色を補正する色補正過程と、
前記色を補正した後の画像を表示する表示過程と、
を備えたことを特徴とする潜水マスク用表示装置の制御方法。
【請求項7】
画像を撮像するカメラ部と、撮像した前記画像を表示する表示部と、を備えた潜水マスクをコンピュータにより制御するための制御プログラムにおいて、
前記カメラ部に画像を撮像させ、
ダイバーの現在位置周囲の水による太陽光の吸光特性を判別させ、
判別させた前記吸光特性に対応させて前記画像の色を補正させ、
前記表示部に前記色を補正した後の画像を表示させる、
ことを特徴とする制御プログラム。
【請求項8】
請求項7記載の制御プログラムにおいて、
周囲圧力を検出させ、
前記周囲圧力に基づいて水深を算出させ、
水深に対応させて前記吸光特性を予め記憶させ、
前記算出された水深に対応する前記吸光特性に基づいて前記画像の色を補正させる、
ことを特徴とする制御プログラム。
【請求項9】
請求項7記載の制御プログラムにおいて、
前記カメラ部により撮像された画像に基づいてホワイトバランスを調整させて、ホワイトバランス調整データを生成させ、
前記ホワイトバランス調整データに基づいて前記画像の色を補正させること特徴とする制御プログラム。
【請求項10】
請求項7ないし請求項9のいずれかに記載の制御プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読取可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2005−231488(P2005−231488A)
【公開日】平成17年9月2日(2005.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−42887(P2004−42887)
【出願日】平成16年2月19日(2004.2.19)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】