潜熱回収式熱源装置・浴室システム
【課題】設置箇所が新築の家屋であって3本の配管を敷設可能な場合、及び、設置箇所が既築の家屋であって既に設置されている2本の配管の他に配管を増設できない場合のどちらの場合にあっても、製造コストの低減が図れる状態で提供可能な潜熱回収式熱源装置を提供する。
【解決手段】戻側流路切換手段S1を戻側第2状態とした状態で、往側流路切換手段S2を往側第1状態又は往側第2状態に切換え、循環ポンプPJを働かせて、ドレンタンクD1に貯留されたドレンを浴槽往側接続部20c又は第2往側接続部30cから排出するドレン排出処理を実行可能に構成されている。
【解決手段】戻側流路切換手段S1を戻側第2状態とした状態で、往側流路切換手段S2を往側第1状態又は往側第2状態に切換え、循環ポンプPJを働かせて、ドレンタンクD1に貯留されたドレンを浴槽往側接続部20c又は第2往側接続部30cから排出するドレン排出処理を実行可能に構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、潜熱回収熱交換器を備えた加熱部において発生したドレンを貯留するドレンタンクと、一端側が浴槽に接続されて前記浴槽からの浴槽戻水を通流させる浴槽戻管路を接続する浴槽戻側接続部と、一端側が前記浴槽に接続されて前記浴槽への浴槽往水を通流させる浴槽往管路が接続される浴槽往側接続部と、前記浴槽戻水を、循環ポンプにて前記加熱部を経由して前記浴槽往管路に送るべく通流させる熱源装置内流路と、が設けられた潜熱回収式熱源装置、及び、その潜熱回収式熱源装置と、前記浴槽を備えた浴室とを備え、前記浴室内に排水箇所を備えた浴室システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、熱源装置の高効率化の需要を受けて、潜熱回収熱交換器を備えた加熱部が設けられた潜熱回収式熱源装置が採用されつつある。この潜熱回収式熱源装置においては、その運転に伴って潜熱回収熱交換器から発生するドレンの処理が問題となる。
潜熱回収熱交換器から発生するドレンは、ドレンタンクに一時的に貯留し、所定のタイミングで戸外へ排出する必要がある。この排出において、例えば、ドレンタンクからドレンをユニットバス内の浴槽近傍に設けられる排水箇所に導いて、その排水口を使用してドレンを戸外に排出することが提案されている。
このように、浴槽近傍に設けられている排水口を利用してドレンを排出する構造に関して、従来、新築の家屋を対象とする場合と、既築の家屋を対象とする場合との夫々の場合において、異なった構造が採用されてきた。
【0003】
新築の家屋を対象とする場合は、特許文献1に例示されるように、熱源装置に、浴槽戻管路、循環ポンプ、浴槽往管路を備えた風呂追焚系統と、この風呂追焚系統とは独立に、ドレンポンプを備えたドレン排出系統とを備えて、追焚とドレン排出処理との両方を可能とする。
この構造においては、図10に示すように、浴槽戻管路10、浴槽往管路20、及びドレン配管30を備えた、所謂、トリプルチューブが採用される。新築の場合、配管スペースに3本の配管を新たに設置する余裕があるためである。
【0004】
図10は、特許文献1に開示のシステムを追焚、ドレン排水に関してのみ注目して模式化した図面であり、熱源装置1bには、循環ポンプPJ及びドレンポンプPDが設けられる。さらに、熱源装置1bの制御装置Hには、ユニットバスに備えられるリモコンRからの運転信号が入力されるように構成されている。ここで、風呂追焚系統は例えばリモコンRからの追焚指令の入力時に、ドレン排出系統は、例えばドレンタンクD1の満杯状態が検知された時点で、夫々、働くこととなる。
【0005】
一方、既築の家屋を対象とする場合、特許文献2に例示されるように、熱源装置に、浴槽戻管路、循環ポンプ、浴槽往管路を備えた風呂追焚系統が接続されるが、ドレン処理を行うためのドレン排出系統は、図11に示すように、その配管の一部に、浴槽往管路20を利用する。
図9に示す既築の家屋を対象とする場合、基本的に、ドレン排出系統の設置は、熱源装置1aの交換のタイミングで行われるが、既設の熱源装置にはドレン排出系統が備えられていないため、既設の熱源装置において浴槽YSと熱源装置とを接続する配管系統は、浴槽戻管路10、浴槽往管路20の2本となっており、この2本のうちの一本をドレン排出系統に利用する必要がある。
そこで、図11に示すように、既築の家屋を対象とする場合は、循環ポンプPJが、ドレン排出用のポンプとしての機能を果たす。
【0006】
図11は、特許文献2に開示のシステムを追焚、ドレン排水に関してのみ注目して模式化した図面であり、熱源装置1cには、逆止弁S13、3方弁S11、循環ポンプPJが設けられる。一方、ユニットバスの浴室Y内には3方弁ユニットS12が設けられる。この3方弁ユニットS12は、熱源装置1cの制御装置Hからの指令に従って動作するのみならず、常時、このユニットS12の存在及びその切換え状態を示す信号を制御装置H側へ発信する構造とされている。
【0007】
さらに、熱源装置1cの制御装置Hには、ユニットバスに備えられるリモコンRからの運転信号が入力されるように構成されている。ここで、風呂追焚系統は例えばリモコンRからの追焚指令の入力時に、風呂追焚系統の一部を使用したドレン排出処理は、例えば、ドレンタンクD1の満杯状態が検知された時点で、夫々、実行されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−138527号公報
【特許文献2】特開2009−270798号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記新築の家屋を対象とする、図10に模式的に示す構造では、風呂追焚系統とドレン排出系統とが独立に設けられるため、ドレン排出時に、図11に模式的に示す構造では必要となる風呂追焚系統側のドレンパージが不要となる。さらに、ドレン排出系統が独立に設けられているため、ユニットバスに設けられる排水箇所35を利用するのみならず、雨樋等の、浴室Y内の排水箇所35以外の部位へドレンを排出することが可能となる。しかしながら、所謂、トリプルチューブを設置する必要があり、設置対象が新築家屋に限られる。また、循環ポンプPJの他に、独立にドレンポンプPDを熱源装置1bに備える必要がある。
【0010】
上記既築の家屋を対象とする、図11に模式的に示す構造では、循環ポンプPJのみで、追焚及びドレン排出処理が可能となるとともに、熱源装置とユニットバスの浴槽YSとの間に浴槽戻管路10と浴槽往管路20との2本しか配管を備えない家屋に対しても採用が可能となるが、ドレン排出処理に浴槽往管路20の一部を使用するため、ドレンパージが必要となるとともに、3方弁ユニットS12を浴室Y内に設置する必要がある。
【0011】
そして、夫々の構成において、採用される熱源装置の構成が異なるため、新築もしくは既築の両方において共通化した熱源装置を使用することができないという課題があった。
【0012】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、設置箇所が新築の家屋であって3本の配管を敷設可能な場合、及び、設置箇所が既築の家屋であって既に設置されている2本の配管の他に配管を増設できない場合のどちらの場合にあっても、製造コストの低減が図れる状態で設置可能な潜熱回収式熱源装置を提供すること、及び、それを備えた浴室システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するための本発明に係る潜熱回収式熱源装置は、潜熱回収熱交換器を備えた加熱部において発生したドレンを貯留するドレンタンクと、一端側が浴槽に接続されて前記浴槽からの浴槽戻水を通流させる浴槽戻管路を接続する浴槽戻側接続部と、一端側が前記浴槽に接続されて前記浴槽への浴槽往水を通流させる浴槽往管路が接続される浴槽往側接続部と、前記浴槽戻水を、循環ポンプにて前記加熱部を経由して前記浴槽往管路に送るべく通流させる熱源装置内流路と、が設けられたものであって、
その第1特徴構成は、前記熱源装置内流路における前記浴槽戻側接続部と前記循環ポンプとの間に、前記浴槽戻側接続部と前記循環ポンプとを接続する戻側第1状態と、前記ドレンタンクと前記循環ポンプとを接続する戻側第2状態とに択一的に切換自在な戻側流路切換手段が設けられ、
前記熱源装置内流路における前記循環ポンプと前記浴槽往側接続部との間に、前記循環ポンプと前記浴槽往側接続部とを接続する往側第1状態と、前記循環ポンプと前記浴槽往側接続部とは別の第2往側接続部とを接続する往側第2状態とに択一的に切換自在な往側流路切換手段が設けられ、
前記戻側流路切換手段を前記戻側第2状態とした状態で、前記往側流路切換手段を前記往側第1状態又は前記往側第2状態に切換え、前記循環ポンプを働かせて、前記ドレンタンクに貯留されたドレンを前記浴槽往側接続部又は前記第2往側接続部から排出するドレン排出処理を実行可能に構成されている点にある。
【0014】
すなわち、熱源装置内流路における浴槽戻側接続部と循環ポンプとの間に設けられる戻側流路切換手段を、ドレンタンクと循環ポンプとを接続する戻側第2状態とした状態で、熱源装置内流路における循環ポンプと浴槽往側接続部との間に設けられる往側流路切換手段を、循環ポンプと浴槽往側接続部とを接続する往側第1状態、又は、循環ポンプと浴槽往側接続部とは別の第2往側接続部とを接続する往側第2状態に切換えて、循環ポンプを働かせることによって、ドレンタンクに貯留されたドレンを浴槽往側接続部又は第2往側接続部から排出することができる。
【0015】
つまり、新築の家屋であって3本の配管を敷設可能な場合は、往側流路切換手段を往側第2状態に切換えて、ドレンを第2往側接続部に接続されるドレン配管を介して排出することとなり、既築の家屋であって2本の配管の他に配管を増設できない場合には、往側流路切換手段を往側第1状態に切換えて、ドレンを浴槽往側接続部に接続される浴槽往管路を介して排出することができるものであるから、設置箇所が新築の家屋であって3本の配管を敷設可能な場合、及び、設置箇所が既築の家屋であって既に設置されている2本の配管の他に配管を増設できない場合のどちらの場合にあっても、共通化された熱源装置が利用可能となり、製造コストの低減が図れる状態で提供可能な潜熱回収式熱源装置を実現することができるものとなる。
【0016】
要するに、本発明に係る潜熱回収式熱源装置の第1特徴構成によれば、設置箇所が新築の家屋であって3本の配管を敷設可能な場合、及び、設置箇所が既築の家屋であって既に設置されている2本の配管の他に配管を増設できない場合のどちらの場合にあっても、製造コストの低減が図れる状態で提供可能な潜熱回収式熱源装置を実現することができるものとなる。
【0017】
本発明に係る潜熱回収式熱源装置の第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、前記ドレン排出処理を実行した後、前記戻側流路切換手段から前記往側流路切換手段に到る流路に、ドレンとは異なる流体をドレンパージ水として流すドレンパージ処理を実行可能に構成されている点にある。
【0018】
すなわち、ドレン排出処理を実行した後に、戻側流路切換手段から往側流路切換手段に到る流路に関して、ドレンとは異なる流体をドレンパージ水として流すドレンパージ処理を実行することができるので、ドレン排出処理の実行後に、少なくとも戻側流路切換手段から往側流路切換手段に到る流路に残留したドレンをドレンパージ水にて押し流し、該流路外に排出することができる。
【0019】
つまり、戻側流路切換手段から往側流路切換手段に到る流路には、ドレン排出処理が終了した時点においてドレンが残留している虞があるが、この戻側流路切換手段から往側流路切換手段に到る流路には、浴槽への湯張りや追焚においても湯水が通流することになるため、ドレン排出処理を実行した後にドレンが残留したままであると、その後浴槽への湯張りや追焚が実行されたときにその残留ドレンが浴槽内に流出する虞がある。そこで、ドレン排出処理を実行した後には、戻側流路切換手段から往側流路切換手段に到る流路にドレンとは異なる流体をドレンパージ水として流すドレンパージ処理を実行することにより、残留ドレンを戻側流路切換手段から往側流路切換手段に到る流路内、実際には、例えば図1に示す新築家屋の場合には戻側流路切換手段から往側流路切換手段に到る流路内、また、例えば図6に示す既築家屋の場合には戻側流路切換手段から往側流路切換手段を経由して流路切換ユニットに到る流路内から排出し、残留ドレンが浴槽に流出しないようにすることができる。
すなわち、いずれの場合にも、戻側流路切換手段から往側流路切換手段に到る流路内には確実にドレンパージ水を流すドレンパージ処理を実行できるものとなる。
【0020】
要するに、本発明に係る潜熱回収式熱源装置の第2特徴構成によれば、上記第1特徴構成による作用効果に加えて、残留ドレンを戻側流路切換手段から往側流路切換手段に到る流路内から排出し、残留ドレンが浴槽に流出しないようにすることができる。
【0021】
本発明に係る潜熱回収式熱源装置の第3特徴構成は、上記第2特徴構成に加えて、外部より供給される給水を前記戻側流路切換手段を介して前記循環ポンプに供給可能に構成され、前記ドレンパージ処理時に、前記ドレンパージ水として、前記外部より供給される給水、又は、前記浴槽戻水を使用する点にある
【0022】
すなわち、外部より供給される給水を戻側流路切換手段を介して循環ポンプに供給可能に構成され、ドレンパージ処理時に、ドレンパージ水として、外部より供給される給水、又は、浴槽戻水を使用するものであるから、浴槽に湯水が存在する場合には、その湯水を利用して浴槽戻水でのパージが行えるものとなり、浴槽の湯水を有効利用して省資源化に資することができるものとなる。
【0023】
つまり、例えば浴槽に湯水が張られている状態においては、ドレンパージ水として浴槽戻水を使用できるので、これをドレンパージ水として利用し、浴槽に湯水が張られていない状態のときは、ドレンパージ水として浴槽戻水を使用することができないため、ドレンパージ水として外部より供給される給水を利用することにより、ドレンパージ処理を適正に実行できるものとしながら、浴槽の湯水を有効利用して省資源化に資することができる。
【0024】
要するに、本発明に係る潜熱回収式熱源装置の第3特徴構成によれば、上記第1又は第2特徴構成による作用効果に加えて、ドレンパージ処理を適正に実行できるものとしながら、浴槽の湯水を有効利用して省資源化に資することができるものとなる。
【0025】
本発明に係る潜熱回収式熱源装置の第4特徴構成は、上記第1〜第3のいずれかの特徴構成に加えて、前記ドレン排出処理または前記ドレンパージ処理において、前記加熱部を作動させて、前記加熱部によりドレン又はドレンパージ水を加熱し、加熱された前記ドレン又は前記ドレンパージ水を前記浴槽往側接続部又は前記第2往側接続部から排出する点にある。
【0026】
すなわち、ドレン排出処理またはドレンパージ処理において、加熱部を作動させて、加熱部によりドレン又はドレンパージ水を加熱し、加熱されたドレン又はドレンパージ水を浴槽往側接続部又は第2往側接続部から排出するものであるから、加熱部による加熱を伴うことなく、ドレン処理を行った場合に低温となる配管部位に関して、加熱されたドレン又はドレンパージ水を流すことで、この部位の低温化を避けることができる。また、例えば冬季等においてドレン又はドレンパージ水が凍結の可能性のある温度になる虞がある場合であっても、ドレン又はドレンパージ水を凍結の虞のない温度に加熱して、ドレン又はドレンパージ水の凍結を防止することが可能となる。
【0027】
要するに、本発明に係る潜熱回収式熱源装置の第4特徴構成によれば、上記第1〜第3のいずれかの特徴構成による作用効果に加えて、ドレン又はドレンパージ水が流れる部位を加温しておくことが可能となる。さらに、例えば冬季等においてドレン又はドレンパージ水が凍結の可能性のある温度になる虞がある場合であっても、ドレン又はドレンパージ水が管路内で凍結することを抑止して適正にドレン排出処理又はドレンパージ処理を実行することができる。
【0028】
本発明に係る潜熱回収式熱源装置の第5特徴構成は、上記第2又は第3特徴構成に加えて、凍結予防用の温度検出手段を備え、前記温度検出手段により検出される温度が所定の凍結警戒温度より低い場合に、前記ドレンパージ処理を実行する点にある。
【0029】
すなわち、凍結予防用の温度検出手段を備え、温度検出手段により検出される温度が所定の凍結警戒温度より低い場合に、ドレンパージ処理を実行するものであるから、温度検出手段により検出される温度が所定の凍結警戒温度より低く、ドレンパージ水が凍結する虞があるような場合においては、ドレンパージ処理を実行して戻側流路切換手段から往側流路切換手段に到る流路からドレンパージ水を排出させることが可能となり、ドレンパージ水が凍結することを防止することが可能となる。
【0030】
要するに、本発明に係る潜熱回収式熱源装置の第5特徴構成によれば、上記第2又は第3特徴構成による作用効果に加えて、温度検出手段により検出される温度が所定の凍結警戒温度より低く、ドレンパージ水が凍結する虞があるような場合においても、ドレンパージ水が凍結することを防止することが可能となる。
【0031】
本発明に係る潜熱回収式熱源装置の第6特徴構成は、上記第1〜第5のいずれかの特徴構成に加えて、前記熱源装置内流路における前記浴槽戻側接続部と前記戻側流路切換手段との間の位置に、内部流路を通流状態と通流停止状態とに択一的に切換自在な通流切換手段が設けられ、前記ドレン排出処理または前記ドレンパージ処理において、前記通流切換手段を前記通流停止状態に切換える点にある。
【0032】
すなわち、熱源装置内流路における浴槽戻側接続部と戻側流路切換手段との間の位置に、内部流路を通流状態と通流停止状態とに択一的に切換自在に設けられた通流切換手段が、ドレン排出処理またはドレンパージ処理においては、その通流切換手段を通流停止状態に切換えるものであるから、ドレン排出処理またはドレンパージ処理の実行時において、ドレン又はドレンパージ水が浴槽戻側接続部から浴槽戻管路に逆流して浴槽に流出する状態となることを抑制するものとなり、適切にドレン排出処理またはドレンパージ処理を実行することができるものとなる。
【0033】
要するに、本発明に係る潜熱回収式熱源装置の第6特徴構成によれば、上記第1〜第5のいずれかの特徴構成による作用効果に加えて、ドレン排出処理またはドレンパージ処理の実行時において、ドレン又はドレンパージ水が浴槽戻側接続部から浴槽戻管路に逆流して浴槽に流出する状態となることを抑制し、適切にドレン排出処理またはドレンパージ処理を実行することができる。
【0034】
本発明に係る潜熱回収式熱源装置の第7特徴構成は、上記第1〜第6のいずれかの特徴構成に加えて、前記浴槽往管路を通流する流体を前記浴槽に供給するユニット第1状態と、前記浴槽往管路を通流する流体を排水箇所に排出するユニット第2状態とに切換自在に構成され、前記浴槽往管路の浴室内部位に設けられる流路切換ユニットからユニット接続情報を受付けるユニット接続情報受付手段を備え、
前記ユニット接続情報受付手段で、前記ユニット接続情報を受付けた場合には、前記往側流路切換手段を前記往側第1状態に固定するユニット有り状態に設定し、前記ユニット接続情報を受付けなかった場合には、前記往側流路切換手段を前記往側第1状態又は前記往側第2状態のいずれかに切換えるユニットなし状態に設定する自動設定手段を備えている点にある。
【0035】
すなわち、浴槽往管路を通流する流体を浴槽に供給するユニット第1状態と、浴槽往管路を通流する流体を排水箇所に排出するユニット第2状態とに切換自在に構成される流路切換ユニットからのユニット接続情報を受付けるユニット接続情報受付手段が設けられ、自動設定手段が、そのユニット接続情報受付手段がユニット接続情報を受付けた場合に、戻側流路切換手段を戻側第1状態に固定するユニット有り状態に設定し、ユニット接続情報を受付けなかった場合に、戻側流路切換手段を戻側第1状態又は戻側第2状態のいずれかに切換えるユニットなし状態に設定する。
【0036】
ところで、上述のように新築の家屋であって3本の配管を敷設可能な場合は、ドレン排出処理又はドレンパージ処理において、往側流路切換手段を往側第2状態に切換えて、ドレン又はドレンパージ水を第2往側接続部に接続されるドレン配管を介して排出するものであるから、浴槽往管路に流路切換ユニットを設ける必要がないが、既築の家屋であって2本の配管の他に配管を増設できない場合には、往側流路切換手段を往側第1状態に固定し浴槽往管路を風呂追焚系統とドレン排出系統とに共用するものとし、そして、流路切換ユニットを、浴槽往管路を風呂追焚系統として使用する場合にはユニット第1状態に切換え、浴槽往管路をドレン排出系統として使用する場合にはユニット第2状態に切換えることが必要となる。
【0037】
そして、往側流路切換手段は、上述のように流路切換ユニットが設けられる形態であれば往側第1状態に固定するユニット有り状態に設定し、流路切換ユニットが設けられない形態であれば往側第1状態又は往側第2状態のいずれかの状態に切換えるユニットなし状態に設定することになる。すなわち、流路切換ユニットが設けられる形態であるか設けられない形態であるかによって、往側流路切換手段の切換え制御を変更する必要がある。
【0038】
そして、流路切換ユニットが設けられる形態と設けられない形態とは、潜熱回収式熱源装置が設置された後には変更されないものであるため、設置作業者が潜熱回収式熱源装置の設置時において、上記のいずれの形態であるかを識別する情報を、予め熱源装置側で設定することが必要となるが、このような操作手順を採用すると、設置作業時の設定忘れや設定間違い等によって、流路切換ユニットが設けられる形態であるか流路切換ユニットが設けられない形態であるかを識別する情報の設定が適正に行われない虞がある。
そこで、上記の如く、自動設定手段が、そのユニット接続情報受付手段がユニット接続情報を受付けた場合に戻側流路切換手段を前記戻側第1状態に固定するユニット有り状態に設定し、ユニット接続情報を受付けなかった場合には、戻側流路切換手段を往側第1状態又は往側第2状態のいずれかの状態に切換えるユニットなし状態に設定するように構成することによって、設置作業時において、設置箇所が新築の家屋であって流路切換ユニットを設ける必要がない場合、及び、設置箇所が既築の家屋であって流路切換ユニットを設ける必要がある場合夫々における潜熱回収式熱源装置側の設定間違い等の発生を回避することが可能な潜熱回収式熱源装置を提供することができる。
【0039】
要するに、本発明に係る潜熱回収式熱源装置の第7特徴構成によれば、上記第1〜第6のいずれかの特徴構成による作用効果に加えて、設置作業時において、設置箇所が新築の家屋であって流路切換ユニットを設ける必要がない場合、及び、設置箇所が既築の家屋であって流路切換ユニットを設ける必要がある場合夫々における潜熱回収式熱源装置側の設定間違い等の発生を回避することが可能な潜熱回収式熱源装置を提供することができる。
【0040】
本発明に係る、上記第1〜第7の何れかの特徴構成を備えた潜熱回収式熱源装置と、前記浴槽を備えた浴室とを備え、前記浴室内に排水箇所を備えた浴室システムの第1特徴構成は、
前記浴槽戻側接続部と前記浴槽とを前記浴槽戻管路にて接続するとともに、前記浴槽往側接続部と前記浴槽とを前記浴槽往管路にて接続し、
前記第2往側接続部と前記排水箇所とを、前記浴槽戻管路、前記浴槽往管路とは異なるドレン用管路にて接続し、
前記ドレン排出処理時に、前記戻側流路切換手段を前記戻側第2状態に、前記往側流路切換手段を前記往側第2状態に切換え、前記循環ポンプを働かせて、前記ドレンタンクに貯留されたドレンを、前記ドレン用管路を介して前記排水箇所よりドレンを排出する点にある。
【0041】
すなわち、浴槽戻側接続部と前記浴槽とを浴槽戻管路にて接続するとともに、浴槽往側接続部と浴槽とを浴槽往管路にて接続し、第2往側接続部と排水箇所とを、浴槽戻管路、浴槽往管路とは異なるドレン用管路にて接続するように構成される場合、すなわち、新築の家屋であって3本の配管を敷設可能な場合においては、ドレン排出処理時に、戻側流路切換手段を戻側第2状態に、往側流路切換手段を往側第2状態に切換え、循環ポンプを働かせて、ドレンタンクに貯留されたドレンを、ドレン用管路を介して排水箇所よりドレンを排出することができるものとなる。
【0042】
本発明に係る浴室システムの第2特徴構成は、
前記浴槽戻側接続部と前記浴槽とを前記浴槽戻管路にて接続するとともに、前記浴槽往側接続部と前記浴槽とを前記浴槽往管路にて接続し、前記第2往側接続部を閉止し、
前記浴槽往管路を通流する流体を前記浴槽に供給するユニット第1状態と、前記浴槽往管路を通流する流体を前記排水箇所に排出するユニット第2状態とに切換自在に構成される流路切換ユニットを、前記浴槽往管路の浴室内部位に設け、
前記ドレン排出処理時に、前記戻側流路切換手段を前記戻側第2状態に、前記往側流路切換手段を前記往側第1状態に、さらに、前記流路切換ユニットをユニット第2状態に切換え、前記循環ポンプを働かせて、前記ドレンタンクに貯留されたドレンを前記浴槽往管路を介して前記排水箇所よりドレンを排出する点にある。
【0043】
すなわち、浴槽戻側接続部と浴槽とを浴槽戻管路にて接続するとともに、浴槽往側接続部と浴槽とを浴槽往管路にて接続し、第2往側接続部を閉止し、浴槽往管路を通流する流体を浴槽に供給するユニット第1状態と、浴槽往管路を通流する流体を排水箇所に排出するユニット第2状態とに切換自在に構成される流路切換ユニットを、浴槽往管路の浴室内部位に設けるように構成される場合、すなわち、既築の家屋であって2本の配管の他に配管を増設できない場合においては、ドレン排出処理時に、戻側流路切換手段を戻側第2状態に、往側流路切換手段を往側第1状態に、さらに、流路切換ユニットをユニット第2状態に切換え、循環ポンプを働かせて、ドレンタンクに貯留されたドレンを浴槽往管路を介して排水箇所よりドレンを排出することができるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】第1実施形態に係る浴室システムの構成図
【図2】制御装置の構成を説明する図
【図3】第1実施形態に係る処理と各部の状態との関係を示す表図
【図4】ドレン関連処理のフローチャート
【図5A】第1実施形態におけるドレン排出処理時の流路を示す図
【図5B】第1実施形態における給水パージ処理時の流路を示す図
【図5C】第1実施形態における浴槽水パージ処理時の流路を示す図
【図6】第2実施形態に係る浴室システムの構成図
【図7】第2実施形態に係る処理と各部の状態との関係を示す表図
【図8A】第2実施形態におけるドレン排出処理時の流路を示す図
【図8B】第2実施形態における給水パージ処理時の流路を示す図
【図8C】第2実施形態における浴槽水パージ処理時の流路を示す図
【図9】潜熱回収熱交換器を備えない従来の浴室システムの例を示す図
【図10】潜熱回収熱交換器を備える従来の浴室システムの第1の例を示す図
【図11】潜熱回収熱交換器を備える従来の浴室システムの第2の例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、本願の潜熱回収式熱源装置、この潜熱回収式熱源装置を使用する浴室システムについて説明する。
説明にあたっては、まず、本発明に係る潜熱回収式熱源装置について説明し、続いて、その潜熱回収式熱源装置の設置箇所が新築の家屋である場合(図1参照)、その潜熱回収式熱源装置の設置箇所が既築の家屋である場合(図6参照)の順に説明する。
ここで、新築の家屋にあっては、熱源装置と浴室との間に3本の配管を設置可能であり、既築の家屋にあっては、図9で説明したように、既に、熱源装置と浴室との間に2本の配管が設置されているため、これら2本の配管を有効に使用することが必要となる。
本願の潜熱回収式熱源装置は、その構造から、新築、既築の場合共、共通して使用することができる。
【0046】
図1、図6は、共に、本発明の浴室システムを示す例であるが、このシステムは、家屋の壁面等に備えられる潜熱回収式熱源装置1と、浴室Yに備えられる浴槽YSと、この浴槽YSの近傍で、浴室Y内に設けられる排水箇所である排水箇所35との間で成立し、この排水箇所35を使用して、ドレンの排水が可能なシステムとなる。従って、ドレン排水システムが構築されていると言える。
【0047】
図1、図6等には、流路切換手段として3方弁を示している。さらに、図5(図5A、図5B、図5C)、図8(図8A、図8B、図8C)では、システムに備える3方弁に関し、白抜きはその方向の流路が開であることを示し、黒塗りはその方向の流路が閉であることを示している。
【0048】
〔潜熱回収式熱源装置の構成〕
潜熱回収式熱源装置1は、設置箇所が新築の家屋である場合、及び、設置箇所が既築の家屋である場合共通に使用されるものであり、図1、図6に示すように、潜熱回収熱交換器K1を備えた加熱部Kにおいて発生したドレンを貯留するドレンタンクD1と、一端側が浴槽YSに接続されて前記浴槽YSからの浴槽戻水を通流させる浴槽戻管路10を接続する浴槽戻側接続部10cと、一端側が浴槽YSに接続されてYS浴槽への浴槽往水を通流させる浴槽往管路20が接続される浴槽往側接続部20cと、浴槽戻水を、循環ポンプPJにて加熱部Kを経由して浴槽往管路20に送るべく通流させる熱源装置内流路Jとを設けて構成されている。
【0049】
熱源装置内流路Jにおける浴槽戻側接続部10cと循環ポンプPJとの間には、浴槽戻側接続部10cと循環ポンプPJとを接続する戻側第1状態と、ドレンタンクD1と循環ポンプPJとを接続する戻側第2状態とに択一的に切換自在な戻側流路切換手段S1が設けられ、又、熱源装置内流路Jにおける循環ポンプPJと浴槽往側接続部20cとの間には、循環ポンプPJと浴槽往側接続部20cとを接続する往側第1状態と、循環ポンプPJと第2往側接続部30cとを接続する往側第2状態とに択一的に切換自在な往側流路切換手段S2が設けられている。
【0050】
また、一端が上水道等の給水源に接続された給水管40が設けられ、この給水管40には、上水等の供給水を供給する状態と供給しない状態とに切換えるとともに、供給する状態における通流量を調整する給水電磁弁S5が設けられている。給水管40の他端は、熱源装置内流路Jにおける戻側流路切換手段S1と浴槽戻側接続部10cとの間に接続されている。つまり、外部より供給される給水を戻側流路切換手段S1を介して循環ポンプPJに供給可能に構成されている。
【0051】
また、熱源装置内流路Jにおける浴槽戻側接続部10cと戻側流路切換手段S1との間の位置には、内部流路を通流状態と通流停止状態とに択一的に切換自在な通流切換手段S4が設けられている。
【0052】
潜熱回収式熱源装置1には、この潜熱回収式熱源装置1及び浴室システムを制御する制御手段としての制御装置Hが設けられている。この制御装置Hは、図2に示すように、後述する各処理を行うべく、湯張作動処理手段H01、追焚作動処理手段H02、凍結防止処理手段H1、ドレン排出処理手段H2、ドレンパージ処理手段H3、加熱部作動手段H4、浴槽水循環処理手段H5、給水処理手段H6、ユニット接続情報受付手段H7、及び、自動設定手段H8を備えて構成されている。
【0053】
図1、図2、及び、図6に示すように、上記湯張作動処理手段H01、追焚作動処理手段H02、凍結防止処理手段H1、ドレン排出処理手段H2、ドレンパージ処理手段H3は、加熱部作動手段H4、浴槽水循環処理手段H5、給水処理手段H6に対して、その動作指令を出力するように構成されている。凍結防止処理手段H1は、ドレンパージ処理手段H3に対しても動作指令を出力するように構成されている。ユニット接続情報受付手段H7は、自動設定手段H8に対して、必要な場合に設定指令を出力するように構成されている。
加熱部作動手段H4は、加熱部Kによる加熱を行うか否かの動作指令を、浴槽水循環処理手段H5は、循環ポンプPJを作動させるか否かの動作指令を、さらに、給水処理手段H6は、給水を行うか否かの動作指令を行うように構成されている。
従って、湯張作動処理手段H01、追焚作動処理手段H02、凍結防止処理手段H1、ドレン排出処理手段H2、ドレンパージ処理手段H3は、加熱部作動手段H4、浴槽水循環処理手段H5、給水処理手段H6を介して、戻側流路切換手段S1,往側流路切換手段S2、流通切換手段S4、給水電磁弁S5、加熱部K等を状態設定(制御)する。図3は、新築の家屋に適用した場合の各作動処理における状態設定を、図7は、既築の家屋に適用した場合の各作動処理における状態設定を示している。
【0054】
そして、制御装置Hには、前述のリモコンRとの間で情報を通信する制御用通信線TR、循環ポンプPJの作動を制御するための情報を通信する制御用通信線TP、戻側流路切換手段S1の作動を制御するための情報を通信する制御用通信線T1、往側流路切換手段S2の作動を制御するための情報を通信する制御用通信線T2、通流切換手段S4の作動を制御するための情報を通信する制御用通信線T4、及び、給水電磁弁S5の作動を制御するための情報を通信する制御用通信線T5が接続されている。また、ドレンタンクD1には、貯留されるドレンの水位を検出するドレン水位検出手段QWが備えられ、さらに、潜熱回収式熱源装置1の内部には、凍結予防用の温度検出手段QFが備えられており、ドレン水位検出手段QW及び温度検出手段QFの検出情報は、制御用通信線TW及びTFを介して制御装置Hに入力されるようになっている。
【0055】
この潜熱回収式熱源装置1に備える制御装置Hには、浴槽往管路20を通流する流体を浴槽YSに供給する第1状態と、浴槽往管路20を通流する流体を排水箇所35に排出する第2状態とに切換自在に構成されて、浴槽往管路20の浴室Y内の部位に設けられる流路切換ユニットS3からユニット接続情報を受付けるユニット接続情報受付手段H7を備えている。
尚、後述するように、この流路切換ユニットS3は、設置箇所が新築の家屋である場合においては設置されず、設置箇所が既築の家屋である場合においてのみ設置が必要となるものである。
【0056】
〔新築の家屋に適用した場合〕
次に、設置箇所が新築の家屋であって3本の配管を敷設可能な場合の浴室システムについて、図1に基づいて説明する。
浴室システムは、潜熱回収式熱源装置1と、浴槽YSを備えた浴室Yとを備え、浴室Y内に排水箇所35を備えて構成されている。また、浴室Y内には、後述する潜熱回収式熱源装置1の制御装置Hに接続され、運転の指令や設定温度情報の表示等を行うリモコンRが設けられている。
そして、この浴室システムにおいては、潜熱回収式熱源装置1における浴槽戻側接続部10cと浴槽YSとが、浴槽戻管路10にて接続されるとともに、浴槽往側接続部20cと浴槽YSとが浴槽往管路20にて接続され、第2往側接続部30cと排水箇所35とが、ドレン用管路30にて接続されている。即ち、新築の場合は、浴槽往側接続部20cと第2往側接続部30cとの両方が使用される。
【0057】
潜熱回収式熱源装置1に備える制御装置H(図2参照)は、ユニット接続情報受付手段H7によってユニット接続情報を受付けなかった場合には、設置箇所が新築の家屋である場合の形態に適合させるべく、自動設定手段H8によって往側流路切換手段S2を往側第1状態又は往側第2状態のいずれかに切換える流路切換ユニットなし状態に設定することになる。詳述すると、図6に示す既設住宅に、本発明の潜熱回収式熱源装置1を採用する場合、流路切換ユニットS3を浴室内に設置する必要があるが、この流路切換ユニットS3は、当該流路切換ユニットS3自体が、定期的に自己識別情報を制御装置Hに送る構造とされている。そこで、制御装置Hが自己識別情報を受信しているか否かに従って、流路切換ユニットS3が接続されているか否かを識別することができ、制御装置Hは、流路切換ユニットが接続されていないことを自動的に識別して、追焚や湯張りの実行時には往側流路切換手段S2を往側第1状態に切換え、ドレン排出処理及びドレンパージ処理においては往側流路切換手段S2を往側第2状態に切換える。
【0058】
潜熱回収式熱源装置1は、湯張作動処理手段H01、追焚作動処理手段H02を備えることにより、湯張作動処理手段H01、追焚作動処理手段H02が、図3の表に「湯張作動処理」「追焚作動処理」として示す如く、湯張りや追焚きのための加熱作動としてバーナBを燃焼させ、潜熱回収熱交換器K1及び顕熱熱交換器K2にて、熱源装置内循環路Jを通流する流体を加熱する。このとき、潜熱回収熱交換器K1において酸性のドレンが発生する。発生したドレンは、ドレン受けD3にて集められ、中和槽D2にて中和された後、ドレンタンクD1に貯留される。ここで、湯張りの場合は給水を伴うこととなり、追焚の場合は浴槽水の循環を伴うこととなる。
【0059】
ドレンタンクD1には、前述のようにドレン水位検出手段QWが設けられており、このドレン水位検出手段QWにて所定の高水位、例えばドレンタンクの満杯が検出されると、図4の#1に示すように、ドレンタンクD1内のドレンを外部に排出するドレン排出処理が実行されるようになっている。
ドレン排出処理においては、制御手段Hにおけるドレン排出処理手段H2が、図3の表に「ドレン排出処理」として示す如く、戻側流路切換手段S1を戻側第2状態とした状態で、往側流路切換手段S2を往側第2状態に切換え、循環ポンプPJを働かせて、ドレンタンクD1に貯留されたドレンを第2往側接続部30cから排出するように構成されている。尚、このとき、通流切換手段S4は通流停止状態とし、給水電磁弁S5は給水停止状態とするように制御されている。
つまり、ドレンタンクD1に貯留されたドレンは、図5Aに示すように、戻側流路切換手段S1、循環ポンプPJ、往側流路切換手段S2を経由して、ドレン用管路30から排水箇所35に排出される。
【0060】
そして、ドレン排出処理が実行された後には、図4の#2に示すように、戻側流路切換手段S1から往側流路切換手段S2に到る流路に、ドレンとは異なる流体をドレンパージ水として流すドレンパージ処理が実行されるようになっている。
ドレンパージ処理は、図3の表に「ドレンパージ処理」として示す如く、ドレンパージ水として、外部より供給される給水を使用する給水パージ、又は、浴槽戻水を使用する浴槽水パージのいずれかの形態にて実行される。尚、図示はしていないが、潜熱回収式熱源装置1には水位検出部が備えられており、浴槽YS内の浴槽水の水位がドレンパージを実行するに十分であるときには浴槽水パージを実行し、浴槽水がドレンパージを実行するには不十分又は全く無い場合には給水パージを実行するように構成されている。
【0061】
上記ドレンパージ処理の各形態での制御状態について図3に基づいて説明を加えると、給水パージの場合においては、制御手段Hにおけるドレンパージ処理手段H3が、戻側流路切換手段S1を戻側第1状態とし、往側流路切換手段S2を往側第2状態とし、通流切換手段S4を通流停止状態とし、循環ポンプPJを停止状態とし、そして、給水電磁弁S5を給水状態とすることになる。
また、浴槽水パージの場合においては、制御手段Hにおけるドレンパージ処理手段H3が、戻側流路切換手段S1を戻側第1状態とし、往側流路切換手段S2を往側第2状態とし、通流切換手段S4を通流状態とし、そして給水電磁弁S5を給水停止状態として循環ポンプPJを働かせることになる。
【0062】
このように、ドレン排出処理及びドレンパージ処理における給水パージ時においては、制御手段Hにおけるドレン排出処理手段H2又はドレンパージ処理手段H3は、通流切換手段S4を通流停止状態に切換えることになり、ドレンパージ処理における浴槽水パージ時においては、通流切換手段S4を通流状態に切換えることになる。これにより、ドレン排出処理及びドレンパージ処理において、ドレン又はドレンパージ水が、浴槽戻管路10を逆流して浴槽YSに流入しないように構成されている。
つまり、ドレンパージ処理における給水パージ時には、図5Bに示すように、外部より供給される給水を、戻側流路切換手段S1、循環ポンプPJ、往側流路切換手段S2を経由して、ドレン用管路30から排水箇所35に排出することになり、浴槽水パージ時には、図5Cに示すように、浴槽戻水を、戻側流路切換手段S1、循環ポンプPJ、往側流路切換手段S2を経由して、ドレン用管路30から排水箇所35に排出することになる。
【0063】
なお、制御手段Hにおける凍結防止処理手段H1は、温度検出手段QFにより検出される温度が所定の凍結警戒温度より低い場合には、ドレンパージ処理手段H3によりドレンパージ処理を実行可能なように構成されている。
さらに、制御手段Hにおける加熱部作動手段H4は、上記ドレン排出処理またはドレンパージ処理において加熱部Kを作動させて、加熱部Kによりドレン又はドレンパージ水を加熱することが可能なように構成され、ドレン排出処理手段H2又はドレンパージ処理手段H3は、加熱されたドレン又はドレンパージ水を第2往側接続部30cから排出させることが可能なように構成されている。
即ち、凍結防止を例に取ると、ドレン排出、ドレンパージで、凍結防止が可能と考えられる状況では、加熱部Kによる加熱を行うことなく、流水のみで凍結を防止することができ、さらに厳しい状況では、加熱を伴って温水を流すことで凍結を防止できる。
また、ドレンは低温状態で貯留されているため、ドレン排出処理で管路が冷える場合があるが、例えば、ドレンパージ処理で温水を流すことで、管路の加温を行うこともできる。
【0064】
〔既築の家屋に適用した場合〕
次に、設置箇所が既築の家屋であって既に設置されている2本の配管の他に配管を増設できない場合の浴室システムについて、図6に基づいて説明する。尚、潜熱回収式熱源装置1の構成は上記設置箇所が新築の家屋である場合と同一であるので、重複部分については同一符号を用いるとともにその説明を省略し、主に設置箇所が新築の家屋である場合と異なる部分について説明を加える。
【0065】
この形態の浴室システムにおいては、潜熱回収式熱源装置1における浴槽戻側接続部10cと浴槽YSとが浴槽戻管路10にて接続されるとともに、浴槽往側接続部20cと浴槽YSとが浴槽往管路20にて接続され、第2往側接続部30cが閉止され、第2往側接続部30cは使用しない。従って、既築の場合は、浴槽往側接続部20cのみが使用される。また、浴槽往管路20を通流する流体を浴槽YSに供給する第1状態と、浴槽往管路20を通流する流体を排水箇所35に排出する第2状態とに切換自在に構成される流路切換ユニットS3が、浴槽往管路20の浴室Y内部位に設けられている。また、ドレン排出時又はドレンパージ時にドレン又はドレンパージ水を通流させるドレン排出管32が、一端を流路切換ユニットS3に接続され且つ他端を排水箇所35に臨ませる状態で設けられている。
つまり、この形態においては、設置箇所が新築の家屋である場合において第2往側接続部30cに接続されていたドレン用管路30を備えず、潜熱回収式熱源装置と浴槽YSとの間には浴槽戻管路10と浴槽往管路20との2本の配管のみを備えるものとなる。
【0066】
潜熱回収式熱源装置1に備える制御装置Hは、ユニット接続情報受付手段H7によってユニット接続情報を受付けた場合には、設置箇所が既築の家屋である場合の形態に適合させるべく、自動設定手段によって往側流路切換手段S2を往側第1状態に固定するユニットあり状態に設定する。つまり、この形態では、流路切換ユニットS3が接続されるため、この接続を自動的に識別して、往側流路切換手段S2を往側第1状態に固定する。従って、既築の場合は、ドレン排出処理及びドレンパージ処理においても往側第2状態となることはない。ここで、流路切換ユニットS3も、制御手段Hにより状態設定される。
【0067】
この形態においては、ドレン排出処理(図4#1)として、制御手段Hにおけるドレン排出処理手段H2が、図7の表に「ドレン排出処理」として示す如く、戻側流路切換手段S1を戻側第2状態とした状態で、循環ポンプPJを働かせて、ドレンタンクD1に貯留されたドレンを浴槽往側接続部20cから排出するように構成されている。尚、このとき、流路切換ユニットS3はユニット第2状態とし、通流切換手段S4は通流停止状態とし、給水電磁弁S5は給水停止状態とするように制御されている。また、往側流路切換手段S2は、前述のように往側第1状態に固定されている。
つまり、ドレンタンクD1に貯留されたドレンは、図8Aに示すように、戻側流路切換手段S1、循環ポンプPJ、往側流路切換手段S2を経由して、浴槽往配管20を通流し、流路切換ユニットS3に接続されるドレン排出管32から排水箇所35に排出される。
【0068】
そして、ドレン排出処理が実行された後には、図4の#2に示すドレンパージ処理が、少なくとも戻側流路切換手段S1から往側流路切換手段S2に到る流路に、実際は、戻側流路切換手段S1から流路切換ユニットS3に到る流路に、ドレンとは異なる流体をドレンパージ水として流す状態で実行されるようになっている。
この形態におけるドレンパージ処理は、図7の表に「ドレンパージ処理」として示す如く、ドレンパージ水として、外部より供給される給水を使用する給水パージ、又は、浴槽戻水を使用する浴槽水パージのいずれかの形態にて実行される。尚、この形態においても、上記新築の家屋に適用した場合と同様に、浴槽YS内の浴槽水の水位がドレンパージを実行するに十分であるときには浴槽水パージを実行し、浴槽水がドレンパージを実行するには不十分又は全く無い場合には給水パージを実行するように構成されている。
【0069】
このドレンパージ処理の各形態での制御状態について図7に基づいて説明を加えると、給水パージの場合においては、制御手段Hにおけるドレンパージ処理手段H3が、戻側流路切換手段S1を戻側第1状態とし、往側流路切換手段S2を往側第1状態とし、流路切換ユニットS3をユニット第2状態とし、通流切換手段S4を通流停止状態とし、循環ポンプPJを停止状態とし、そして給水電磁弁S5を給水状態とすることになる。また、浴槽水パージの場合においては、制御手段Hにおけるドレンパージ処理手段H3が、戻側流路切換手段S1を戻側第1状態とし、往側流路切換手段S2を往側第1状態とし、流路切換ユニットS3をユニット第2状態とし、通流切換手段S4を通流状態とし、そして給水電磁弁S5を給水停止状態として循環ポンプPJを働かせることになる。
【0070】
このように、ドレン排出処理及びドレンパージ処理における給水パージ時においては、制御手段Hにおけるドレン排出処理手段H2又はドレンパージ処理手段H3は、通流切換手段S4を通流停止状態に切換えることになり、ドレンパージ処理における浴槽水パージ時においては、通流切換手段S4を通流状態に切換えることになる。これにより、ドレン排出処理及びドレンパージ処理において、ドレン又はドレンパージ水が、浴槽戻管路10を逆流して浴槽YSに流入しないように構成されている。
つまり、ドレンパージ処理における給水パージ時には、図8Bに示すように、外部より供給される給水を、戻側流路切換手段S1、循環ポンプPJ、往側流路切換手段S2を経由して、浴槽往配管20を通流させ、流路切換ユニットS3に接続されるドレン排出管32から排水箇所35に排出することになり、また、浴槽水パージ時には、図8Cに示すように、浴槽戻水を、戻側流路切換手段S1、循環ポンプPJ、往側流路切換手段S2を経由して、浴槽往配管20を通流させ、流路切換ユニットS3に接続されるドレン排出管32から排水箇所35に排出することになる。
【0071】
尚、この形態においても、制御手段Hにおける凍結防止処理手段H1は、温度検出手段QFにより検出される温度が所定の凍結警戒温度より低い場合には、ドレンパージ処理手段H3によりドレンパージ処理を実行させる。
さらに、制御手段Hにおける加熱部作動手段H4は、上記ドレン排出処理またはドレンパージ処理において加熱部Kを作動させて、加熱部Kによりドレン又はドレンパージ水を加熱可能に構成され、ドレン排出処理手段H2又はドレンパージ処理手段H3は、加熱されたドレン又はドレンパージ水を浴槽往側接続部20cから排出させるように構成されている。
【0072】
〔別実施形態〕
次に本発明の別実施形態を説明する。
(イ)上記実施形態においては、ドレン排出処理またはドレンパージ処理において、必要に応じて加熱部Kを作動させて、加熱部Kによりドレン又はドレンパージ水を加熱し、加熱されたドレン又はドレンパージ水を浴槽往側接続部20c又は第2往側接続部30cから排出可能とする構成を例示したが、このような構成に代えて、加熱部Kを働かせることなく、流水状態でのみ、凍結に対処するようにしてもよい。
【0073】
(ロ)上記実施形態においては、凍結予防用の温度検出手段QFを備え、温度検出手段QFにより検出される温度が所定の凍結警戒温度より低い場合に、ドレンパージ処理を実行する構成を例示したが、このような構成に代えて、またはこのような構成に加えて、凍結警戒温度より低くなる虞のある時期においては所定の時間間隔毎にドレンパージ処理を実行するように構成してもよい。
【0074】
(ハ)上記実施形態においては、熱源装置内流路Jにおける浴槽戻側接続部10cと戻側流路切換手段S1との間の位置に、内部流路を通流状態と通流停止状態とに択一的に切換自在な通流切換手段S4を設け、ドレン排出処理及びドレンパージ処理における給水パージ時において、その通流切換手段S4を通流停止状態に切換える構成を例示した。これは、湯張作動処理の実行時において、浴槽戻管路10及び浴槽往管路20の双方を使用して加熱した浴槽YSへの湯水の落としこみを行うために、浴槽戻側接続部10cから浴槽YSへ向かう方向の浴槽戻管路10内の流体の通流を許容するためであるが、このような構成に代えて、湯張作動処理の実行時の浴槽YSへの湯水の落としこみを浴槽往管路20のみを用いて行うものとし、通流切換手段S4に代えて浴槽YS側から浴槽戻側接続部10c側への通流のみを許容する逆止弁を設ける構成としてもよい。
【0075】
(ニ)上記実施形態においては、流路切換ユニットS3からユニット接続情報を受付けるユニット接続情報受付手段H7を備え、自動設定手段H8によってユニット有り状態又はユニットなし状態を設定する構成を例示したが、このような構成に限定されるものではない。つまり、ドレン排出処理又はドレンパージ処理の実行時には、その都度流路切換ユニットS3の存在の有無を確認し、流路切換ユニットS3が存在すれば往側流路切換手段S2を往側第1状態とし且つ流路切換ユニットをユニット第2状態とするように制御し、流路切換ユニットS3が存在しなければ往側流路切換手段S2を往側第2状態とするように制御するように構成してもよい。
【0076】
(ホ)上記実施形態においては、給水パージの実行時に循環ポンプPJを停止状態とする構成を例示したが、給水パージの実行時にも循環ポンプPJを作動させるように構成してもよい。すなわち、給水パージの実行時に循環ポンプPJを停止状態とした場合、インペラ等を備えて内部の構造が複雑な循環ポンプPJにおいては、給水が通流抵抗の低い部分を短絡して通流してしまい、循環ポンプPJ内部における給水が通流しない状態となる部分にドレンが残留することがある。そこで、循環ポンプPJ内部にドレンが残留する状態を回避するため、給水パージの実行時にも循環ポンプPJを作動させれば、循環ポンプPJ内に通流する流体を攪拌することとなり、循環ポンプPJ内部を良好に洗浄できるものとなる。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明によれば、設置箇所が新築の家屋であって3本の配管を敷設可能な場合、及び、設置箇所が既築の家屋であって既に設置されている2本の配管の他に配管を増設できない場合のどちらの場合にあっても、共通化された熱源装置を利用可能とすることによって、製造コストの低減を図ることが可能な潜熱回収式熱源装置を提供することが可能となる。
【符号の説明】
【0078】
1 潜熱回収式熱源装置
10 浴槽戻管路
20 浴槽往管路
30 ドレン排出管路
10c 浴槽戻側接続部
20c 浴槽往側接続部
30c 第2往側接続部
35 排水箇所
K 加熱部
K1 潜熱回収熱交換器
D1 ドレンタンク
PJ 循環ポンプ
J 熱源装置内循環路
S1 戻側流路切換手段
S2 往側流路切換手段
S4 通流切換手段
S5 給水電磁弁
H 制御装置
H7 ユニット接続情報受付手段
H8 自動設定手段
Y 浴室
YS 浴槽
QF 温度検出手段
QW ドレン水位検出手段
T1〜T5、TR、TF,TQ 制御用通信線
【技術分野】
【0001】
本発明は、潜熱回収熱交換器を備えた加熱部において発生したドレンを貯留するドレンタンクと、一端側が浴槽に接続されて前記浴槽からの浴槽戻水を通流させる浴槽戻管路を接続する浴槽戻側接続部と、一端側が前記浴槽に接続されて前記浴槽への浴槽往水を通流させる浴槽往管路が接続される浴槽往側接続部と、前記浴槽戻水を、循環ポンプにて前記加熱部を経由して前記浴槽往管路に送るべく通流させる熱源装置内流路と、が設けられた潜熱回収式熱源装置、及び、その潜熱回収式熱源装置と、前記浴槽を備えた浴室とを備え、前記浴室内に排水箇所を備えた浴室システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、熱源装置の高効率化の需要を受けて、潜熱回収熱交換器を備えた加熱部が設けられた潜熱回収式熱源装置が採用されつつある。この潜熱回収式熱源装置においては、その運転に伴って潜熱回収熱交換器から発生するドレンの処理が問題となる。
潜熱回収熱交換器から発生するドレンは、ドレンタンクに一時的に貯留し、所定のタイミングで戸外へ排出する必要がある。この排出において、例えば、ドレンタンクからドレンをユニットバス内の浴槽近傍に設けられる排水箇所に導いて、その排水口を使用してドレンを戸外に排出することが提案されている。
このように、浴槽近傍に設けられている排水口を利用してドレンを排出する構造に関して、従来、新築の家屋を対象とする場合と、既築の家屋を対象とする場合との夫々の場合において、異なった構造が採用されてきた。
【0003】
新築の家屋を対象とする場合は、特許文献1に例示されるように、熱源装置に、浴槽戻管路、循環ポンプ、浴槽往管路を備えた風呂追焚系統と、この風呂追焚系統とは独立に、ドレンポンプを備えたドレン排出系統とを備えて、追焚とドレン排出処理との両方を可能とする。
この構造においては、図10に示すように、浴槽戻管路10、浴槽往管路20、及びドレン配管30を備えた、所謂、トリプルチューブが採用される。新築の場合、配管スペースに3本の配管を新たに設置する余裕があるためである。
【0004】
図10は、特許文献1に開示のシステムを追焚、ドレン排水に関してのみ注目して模式化した図面であり、熱源装置1bには、循環ポンプPJ及びドレンポンプPDが設けられる。さらに、熱源装置1bの制御装置Hには、ユニットバスに備えられるリモコンRからの運転信号が入力されるように構成されている。ここで、風呂追焚系統は例えばリモコンRからの追焚指令の入力時に、ドレン排出系統は、例えばドレンタンクD1の満杯状態が検知された時点で、夫々、働くこととなる。
【0005】
一方、既築の家屋を対象とする場合、特許文献2に例示されるように、熱源装置に、浴槽戻管路、循環ポンプ、浴槽往管路を備えた風呂追焚系統が接続されるが、ドレン処理を行うためのドレン排出系統は、図11に示すように、その配管の一部に、浴槽往管路20を利用する。
図9に示す既築の家屋を対象とする場合、基本的に、ドレン排出系統の設置は、熱源装置1aの交換のタイミングで行われるが、既設の熱源装置にはドレン排出系統が備えられていないため、既設の熱源装置において浴槽YSと熱源装置とを接続する配管系統は、浴槽戻管路10、浴槽往管路20の2本となっており、この2本のうちの一本をドレン排出系統に利用する必要がある。
そこで、図11に示すように、既築の家屋を対象とする場合は、循環ポンプPJが、ドレン排出用のポンプとしての機能を果たす。
【0006】
図11は、特許文献2に開示のシステムを追焚、ドレン排水に関してのみ注目して模式化した図面であり、熱源装置1cには、逆止弁S13、3方弁S11、循環ポンプPJが設けられる。一方、ユニットバスの浴室Y内には3方弁ユニットS12が設けられる。この3方弁ユニットS12は、熱源装置1cの制御装置Hからの指令に従って動作するのみならず、常時、このユニットS12の存在及びその切換え状態を示す信号を制御装置H側へ発信する構造とされている。
【0007】
さらに、熱源装置1cの制御装置Hには、ユニットバスに備えられるリモコンRからの運転信号が入力されるように構成されている。ここで、風呂追焚系統は例えばリモコンRからの追焚指令の入力時に、風呂追焚系統の一部を使用したドレン排出処理は、例えば、ドレンタンクD1の満杯状態が検知された時点で、夫々、実行されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−138527号公報
【特許文献2】特開2009−270798号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記新築の家屋を対象とする、図10に模式的に示す構造では、風呂追焚系統とドレン排出系統とが独立に設けられるため、ドレン排出時に、図11に模式的に示す構造では必要となる風呂追焚系統側のドレンパージが不要となる。さらに、ドレン排出系統が独立に設けられているため、ユニットバスに設けられる排水箇所35を利用するのみならず、雨樋等の、浴室Y内の排水箇所35以外の部位へドレンを排出することが可能となる。しかしながら、所謂、トリプルチューブを設置する必要があり、設置対象が新築家屋に限られる。また、循環ポンプPJの他に、独立にドレンポンプPDを熱源装置1bに備える必要がある。
【0010】
上記既築の家屋を対象とする、図11に模式的に示す構造では、循環ポンプPJのみで、追焚及びドレン排出処理が可能となるとともに、熱源装置とユニットバスの浴槽YSとの間に浴槽戻管路10と浴槽往管路20との2本しか配管を備えない家屋に対しても採用が可能となるが、ドレン排出処理に浴槽往管路20の一部を使用するため、ドレンパージが必要となるとともに、3方弁ユニットS12を浴室Y内に設置する必要がある。
【0011】
そして、夫々の構成において、採用される熱源装置の構成が異なるため、新築もしくは既築の両方において共通化した熱源装置を使用することができないという課題があった。
【0012】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、設置箇所が新築の家屋であって3本の配管を敷設可能な場合、及び、設置箇所が既築の家屋であって既に設置されている2本の配管の他に配管を増設できない場合のどちらの場合にあっても、製造コストの低減が図れる状態で設置可能な潜熱回収式熱源装置を提供すること、及び、それを備えた浴室システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するための本発明に係る潜熱回収式熱源装置は、潜熱回収熱交換器を備えた加熱部において発生したドレンを貯留するドレンタンクと、一端側が浴槽に接続されて前記浴槽からの浴槽戻水を通流させる浴槽戻管路を接続する浴槽戻側接続部と、一端側が前記浴槽に接続されて前記浴槽への浴槽往水を通流させる浴槽往管路が接続される浴槽往側接続部と、前記浴槽戻水を、循環ポンプにて前記加熱部を経由して前記浴槽往管路に送るべく通流させる熱源装置内流路と、が設けられたものであって、
その第1特徴構成は、前記熱源装置内流路における前記浴槽戻側接続部と前記循環ポンプとの間に、前記浴槽戻側接続部と前記循環ポンプとを接続する戻側第1状態と、前記ドレンタンクと前記循環ポンプとを接続する戻側第2状態とに択一的に切換自在な戻側流路切換手段が設けられ、
前記熱源装置内流路における前記循環ポンプと前記浴槽往側接続部との間に、前記循環ポンプと前記浴槽往側接続部とを接続する往側第1状態と、前記循環ポンプと前記浴槽往側接続部とは別の第2往側接続部とを接続する往側第2状態とに択一的に切換自在な往側流路切換手段が設けられ、
前記戻側流路切換手段を前記戻側第2状態とした状態で、前記往側流路切換手段を前記往側第1状態又は前記往側第2状態に切換え、前記循環ポンプを働かせて、前記ドレンタンクに貯留されたドレンを前記浴槽往側接続部又は前記第2往側接続部から排出するドレン排出処理を実行可能に構成されている点にある。
【0014】
すなわち、熱源装置内流路における浴槽戻側接続部と循環ポンプとの間に設けられる戻側流路切換手段を、ドレンタンクと循環ポンプとを接続する戻側第2状態とした状態で、熱源装置内流路における循環ポンプと浴槽往側接続部との間に設けられる往側流路切換手段を、循環ポンプと浴槽往側接続部とを接続する往側第1状態、又は、循環ポンプと浴槽往側接続部とは別の第2往側接続部とを接続する往側第2状態に切換えて、循環ポンプを働かせることによって、ドレンタンクに貯留されたドレンを浴槽往側接続部又は第2往側接続部から排出することができる。
【0015】
つまり、新築の家屋であって3本の配管を敷設可能な場合は、往側流路切換手段を往側第2状態に切換えて、ドレンを第2往側接続部に接続されるドレン配管を介して排出することとなり、既築の家屋であって2本の配管の他に配管を増設できない場合には、往側流路切換手段を往側第1状態に切換えて、ドレンを浴槽往側接続部に接続される浴槽往管路を介して排出することができるものであるから、設置箇所が新築の家屋であって3本の配管を敷設可能な場合、及び、設置箇所が既築の家屋であって既に設置されている2本の配管の他に配管を増設できない場合のどちらの場合にあっても、共通化された熱源装置が利用可能となり、製造コストの低減が図れる状態で提供可能な潜熱回収式熱源装置を実現することができるものとなる。
【0016】
要するに、本発明に係る潜熱回収式熱源装置の第1特徴構成によれば、設置箇所が新築の家屋であって3本の配管を敷設可能な場合、及び、設置箇所が既築の家屋であって既に設置されている2本の配管の他に配管を増設できない場合のどちらの場合にあっても、製造コストの低減が図れる状態で提供可能な潜熱回収式熱源装置を実現することができるものとなる。
【0017】
本発明に係る潜熱回収式熱源装置の第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、前記ドレン排出処理を実行した後、前記戻側流路切換手段から前記往側流路切換手段に到る流路に、ドレンとは異なる流体をドレンパージ水として流すドレンパージ処理を実行可能に構成されている点にある。
【0018】
すなわち、ドレン排出処理を実行した後に、戻側流路切換手段から往側流路切換手段に到る流路に関して、ドレンとは異なる流体をドレンパージ水として流すドレンパージ処理を実行することができるので、ドレン排出処理の実行後に、少なくとも戻側流路切換手段から往側流路切換手段に到る流路に残留したドレンをドレンパージ水にて押し流し、該流路外に排出することができる。
【0019】
つまり、戻側流路切換手段から往側流路切換手段に到る流路には、ドレン排出処理が終了した時点においてドレンが残留している虞があるが、この戻側流路切換手段から往側流路切換手段に到る流路には、浴槽への湯張りや追焚においても湯水が通流することになるため、ドレン排出処理を実行した後にドレンが残留したままであると、その後浴槽への湯張りや追焚が実行されたときにその残留ドレンが浴槽内に流出する虞がある。そこで、ドレン排出処理を実行した後には、戻側流路切換手段から往側流路切換手段に到る流路にドレンとは異なる流体をドレンパージ水として流すドレンパージ処理を実行することにより、残留ドレンを戻側流路切換手段から往側流路切換手段に到る流路内、実際には、例えば図1に示す新築家屋の場合には戻側流路切換手段から往側流路切換手段に到る流路内、また、例えば図6に示す既築家屋の場合には戻側流路切換手段から往側流路切換手段を経由して流路切換ユニットに到る流路内から排出し、残留ドレンが浴槽に流出しないようにすることができる。
すなわち、いずれの場合にも、戻側流路切換手段から往側流路切換手段に到る流路内には確実にドレンパージ水を流すドレンパージ処理を実行できるものとなる。
【0020】
要するに、本発明に係る潜熱回収式熱源装置の第2特徴構成によれば、上記第1特徴構成による作用効果に加えて、残留ドレンを戻側流路切換手段から往側流路切換手段に到る流路内から排出し、残留ドレンが浴槽に流出しないようにすることができる。
【0021】
本発明に係る潜熱回収式熱源装置の第3特徴構成は、上記第2特徴構成に加えて、外部より供給される給水を前記戻側流路切換手段を介して前記循環ポンプに供給可能に構成され、前記ドレンパージ処理時に、前記ドレンパージ水として、前記外部より供給される給水、又は、前記浴槽戻水を使用する点にある
【0022】
すなわち、外部より供給される給水を戻側流路切換手段を介して循環ポンプに供給可能に構成され、ドレンパージ処理時に、ドレンパージ水として、外部より供給される給水、又は、浴槽戻水を使用するものであるから、浴槽に湯水が存在する場合には、その湯水を利用して浴槽戻水でのパージが行えるものとなり、浴槽の湯水を有効利用して省資源化に資することができるものとなる。
【0023】
つまり、例えば浴槽に湯水が張られている状態においては、ドレンパージ水として浴槽戻水を使用できるので、これをドレンパージ水として利用し、浴槽に湯水が張られていない状態のときは、ドレンパージ水として浴槽戻水を使用することができないため、ドレンパージ水として外部より供給される給水を利用することにより、ドレンパージ処理を適正に実行できるものとしながら、浴槽の湯水を有効利用して省資源化に資することができる。
【0024】
要するに、本発明に係る潜熱回収式熱源装置の第3特徴構成によれば、上記第1又は第2特徴構成による作用効果に加えて、ドレンパージ処理を適正に実行できるものとしながら、浴槽の湯水を有効利用して省資源化に資することができるものとなる。
【0025】
本発明に係る潜熱回収式熱源装置の第4特徴構成は、上記第1〜第3のいずれかの特徴構成に加えて、前記ドレン排出処理または前記ドレンパージ処理において、前記加熱部を作動させて、前記加熱部によりドレン又はドレンパージ水を加熱し、加熱された前記ドレン又は前記ドレンパージ水を前記浴槽往側接続部又は前記第2往側接続部から排出する点にある。
【0026】
すなわち、ドレン排出処理またはドレンパージ処理において、加熱部を作動させて、加熱部によりドレン又はドレンパージ水を加熱し、加熱されたドレン又はドレンパージ水を浴槽往側接続部又は第2往側接続部から排出するものであるから、加熱部による加熱を伴うことなく、ドレン処理を行った場合に低温となる配管部位に関して、加熱されたドレン又はドレンパージ水を流すことで、この部位の低温化を避けることができる。また、例えば冬季等においてドレン又はドレンパージ水が凍結の可能性のある温度になる虞がある場合であっても、ドレン又はドレンパージ水を凍結の虞のない温度に加熱して、ドレン又はドレンパージ水の凍結を防止することが可能となる。
【0027】
要するに、本発明に係る潜熱回収式熱源装置の第4特徴構成によれば、上記第1〜第3のいずれかの特徴構成による作用効果に加えて、ドレン又はドレンパージ水が流れる部位を加温しておくことが可能となる。さらに、例えば冬季等においてドレン又はドレンパージ水が凍結の可能性のある温度になる虞がある場合であっても、ドレン又はドレンパージ水が管路内で凍結することを抑止して適正にドレン排出処理又はドレンパージ処理を実行することができる。
【0028】
本発明に係る潜熱回収式熱源装置の第5特徴構成は、上記第2又は第3特徴構成に加えて、凍結予防用の温度検出手段を備え、前記温度検出手段により検出される温度が所定の凍結警戒温度より低い場合に、前記ドレンパージ処理を実行する点にある。
【0029】
すなわち、凍結予防用の温度検出手段を備え、温度検出手段により検出される温度が所定の凍結警戒温度より低い場合に、ドレンパージ処理を実行するものであるから、温度検出手段により検出される温度が所定の凍結警戒温度より低く、ドレンパージ水が凍結する虞があるような場合においては、ドレンパージ処理を実行して戻側流路切換手段から往側流路切換手段に到る流路からドレンパージ水を排出させることが可能となり、ドレンパージ水が凍結することを防止することが可能となる。
【0030】
要するに、本発明に係る潜熱回収式熱源装置の第5特徴構成によれば、上記第2又は第3特徴構成による作用効果に加えて、温度検出手段により検出される温度が所定の凍結警戒温度より低く、ドレンパージ水が凍結する虞があるような場合においても、ドレンパージ水が凍結することを防止することが可能となる。
【0031】
本発明に係る潜熱回収式熱源装置の第6特徴構成は、上記第1〜第5のいずれかの特徴構成に加えて、前記熱源装置内流路における前記浴槽戻側接続部と前記戻側流路切換手段との間の位置に、内部流路を通流状態と通流停止状態とに択一的に切換自在な通流切換手段が設けられ、前記ドレン排出処理または前記ドレンパージ処理において、前記通流切換手段を前記通流停止状態に切換える点にある。
【0032】
すなわち、熱源装置内流路における浴槽戻側接続部と戻側流路切換手段との間の位置に、内部流路を通流状態と通流停止状態とに択一的に切換自在に設けられた通流切換手段が、ドレン排出処理またはドレンパージ処理においては、その通流切換手段を通流停止状態に切換えるものであるから、ドレン排出処理またはドレンパージ処理の実行時において、ドレン又はドレンパージ水が浴槽戻側接続部から浴槽戻管路に逆流して浴槽に流出する状態となることを抑制するものとなり、適切にドレン排出処理またはドレンパージ処理を実行することができるものとなる。
【0033】
要するに、本発明に係る潜熱回収式熱源装置の第6特徴構成によれば、上記第1〜第5のいずれかの特徴構成による作用効果に加えて、ドレン排出処理またはドレンパージ処理の実行時において、ドレン又はドレンパージ水が浴槽戻側接続部から浴槽戻管路に逆流して浴槽に流出する状態となることを抑制し、適切にドレン排出処理またはドレンパージ処理を実行することができる。
【0034】
本発明に係る潜熱回収式熱源装置の第7特徴構成は、上記第1〜第6のいずれかの特徴構成に加えて、前記浴槽往管路を通流する流体を前記浴槽に供給するユニット第1状態と、前記浴槽往管路を通流する流体を排水箇所に排出するユニット第2状態とに切換自在に構成され、前記浴槽往管路の浴室内部位に設けられる流路切換ユニットからユニット接続情報を受付けるユニット接続情報受付手段を備え、
前記ユニット接続情報受付手段で、前記ユニット接続情報を受付けた場合には、前記往側流路切換手段を前記往側第1状態に固定するユニット有り状態に設定し、前記ユニット接続情報を受付けなかった場合には、前記往側流路切換手段を前記往側第1状態又は前記往側第2状態のいずれかに切換えるユニットなし状態に設定する自動設定手段を備えている点にある。
【0035】
すなわち、浴槽往管路を通流する流体を浴槽に供給するユニット第1状態と、浴槽往管路を通流する流体を排水箇所に排出するユニット第2状態とに切換自在に構成される流路切換ユニットからのユニット接続情報を受付けるユニット接続情報受付手段が設けられ、自動設定手段が、そのユニット接続情報受付手段がユニット接続情報を受付けた場合に、戻側流路切換手段を戻側第1状態に固定するユニット有り状態に設定し、ユニット接続情報を受付けなかった場合に、戻側流路切換手段を戻側第1状態又は戻側第2状態のいずれかに切換えるユニットなし状態に設定する。
【0036】
ところで、上述のように新築の家屋であって3本の配管を敷設可能な場合は、ドレン排出処理又はドレンパージ処理において、往側流路切換手段を往側第2状態に切換えて、ドレン又はドレンパージ水を第2往側接続部に接続されるドレン配管を介して排出するものであるから、浴槽往管路に流路切換ユニットを設ける必要がないが、既築の家屋であって2本の配管の他に配管を増設できない場合には、往側流路切換手段を往側第1状態に固定し浴槽往管路を風呂追焚系統とドレン排出系統とに共用するものとし、そして、流路切換ユニットを、浴槽往管路を風呂追焚系統として使用する場合にはユニット第1状態に切換え、浴槽往管路をドレン排出系統として使用する場合にはユニット第2状態に切換えることが必要となる。
【0037】
そして、往側流路切換手段は、上述のように流路切換ユニットが設けられる形態であれば往側第1状態に固定するユニット有り状態に設定し、流路切換ユニットが設けられない形態であれば往側第1状態又は往側第2状態のいずれかの状態に切換えるユニットなし状態に設定することになる。すなわち、流路切換ユニットが設けられる形態であるか設けられない形態であるかによって、往側流路切換手段の切換え制御を変更する必要がある。
【0038】
そして、流路切換ユニットが設けられる形態と設けられない形態とは、潜熱回収式熱源装置が設置された後には変更されないものであるため、設置作業者が潜熱回収式熱源装置の設置時において、上記のいずれの形態であるかを識別する情報を、予め熱源装置側で設定することが必要となるが、このような操作手順を採用すると、設置作業時の設定忘れや設定間違い等によって、流路切換ユニットが設けられる形態であるか流路切換ユニットが設けられない形態であるかを識別する情報の設定が適正に行われない虞がある。
そこで、上記の如く、自動設定手段が、そのユニット接続情報受付手段がユニット接続情報を受付けた場合に戻側流路切換手段を前記戻側第1状態に固定するユニット有り状態に設定し、ユニット接続情報を受付けなかった場合には、戻側流路切換手段を往側第1状態又は往側第2状態のいずれかの状態に切換えるユニットなし状態に設定するように構成することによって、設置作業時において、設置箇所が新築の家屋であって流路切換ユニットを設ける必要がない場合、及び、設置箇所が既築の家屋であって流路切換ユニットを設ける必要がある場合夫々における潜熱回収式熱源装置側の設定間違い等の発生を回避することが可能な潜熱回収式熱源装置を提供することができる。
【0039】
要するに、本発明に係る潜熱回収式熱源装置の第7特徴構成によれば、上記第1〜第6のいずれかの特徴構成による作用効果に加えて、設置作業時において、設置箇所が新築の家屋であって流路切換ユニットを設ける必要がない場合、及び、設置箇所が既築の家屋であって流路切換ユニットを設ける必要がある場合夫々における潜熱回収式熱源装置側の設定間違い等の発生を回避することが可能な潜熱回収式熱源装置を提供することができる。
【0040】
本発明に係る、上記第1〜第7の何れかの特徴構成を備えた潜熱回収式熱源装置と、前記浴槽を備えた浴室とを備え、前記浴室内に排水箇所を備えた浴室システムの第1特徴構成は、
前記浴槽戻側接続部と前記浴槽とを前記浴槽戻管路にて接続するとともに、前記浴槽往側接続部と前記浴槽とを前記浴槽往管路にて接続し、
前記第2往側接続部と前記排水箇所とを、前記浴槽戻管路、前記浴槽往管路とは異なるドレン用管路にて接続し、
前記ドレン排出処理時に、前記戻側流路切換手段を前記戻側第2状態に、前記往側流路切換手段を前記往側第2状態に切換え、前記循環ポンプを働かせて、前記ドレンタンクに貯留されたドレンを、前記ドレン用管路を介して前記排水箇所よりドレンを排出する点にある。
【0041】
すなわち、浴槽戻側接続部と前記浴槽とを浴槽戻管路にて接続するとともに、浴槽往側接続部と浴槽とを浴槽往管路にて接続し、第2往側接続部と排水箇所とを、浴槽戻管路、浴槽往管路とは異なるドレン用管路にて接続するように構成される場合、すなわち、新築の家屋であって3本の配管を敷設可能な場合においては、ドレン排出処理時に、戻側流路切換手段を戻側第2状態に、往側流路切換手段を往側第2状態に切換え、循環ポンプを働かせて、ドレンタンクに貯留されたドレンを、ドレン用管路を介して排水箇所よりドレンを排出することができるものとなる。
【0042】
本発明に係る浴室システムの第2特徴構成は、
前記浴槽戻側接続部と前記浴槽とを前記浴槽戻管路にて接続するとともに、前記浴槽往側接続部と前記浴槽とを前記浴槽往管路にて接続し、前記第2往側接続部を閉止し、
前記浴槽往管路を通流する流体を前記浴槽に供給するユニット第1状態と、前記浴槽往管路を通流する流体を前記排水箇所に排出するユニット第2状態とに切換自在に構成される流路切換ユニットを、前記浴槽往管路の浴室内部位に設け、
前記ドレン排出処理時に、前記戻側流路切換手段を前記戻側第2状態に、前記往側流路切換手段を前記往側第1状態に、さらに、前記流路切換ユニットをユニット第2状態に切換え、前記循環ポンプを働かせて、前記ドレンタンクに貯留されたドレンを前記浴槽往管路を介して前記排水箇所よりドレンを排出する点にある。
【0043】
すなわち、浴槽戻側接続部と浴槽とを浴槽戻管路にて接続するとともに、浴槽往側接続部と浴槽とを浴槽往管路にて接続し、第2往側接続部を閉止し、浴槽往管路を通流する流体を浴槽に供給するユニット第1状態と、浴槽往管路を通流する流体を排水箇所に排出するユニット第2状態とに切換自在に構成される流路切換ユニットを、浴槽往管路の浴室内部位に設けるように構成される場合、すなわち、既築の家屋であって2本の配管の他に配管を増設できない場合においては、ドレン排出処理時に、戻側流路切換手段を戻側第2状態に、往側流路切換手段を往側第1状態に、さらに、流路切換ユニットをユニット第2状態に切換え、循環ポンプを働かせて、ドレンタンクに貯留されたドレンを浴槽往管路を介して排水箇所よりドレンを排出することができるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】第1実施形態に係る浴室システムの構成図
【図2】制御装置の構成を説明する図
【図3】第1実施形態に係る処理と各部の状態との関係を示す表図
【図4】ドレン関連処理のフローチャート
【図5A】第1実施形態におけるドレン排出処理時の流路を示す図
【図5B】第1実施形態における給水パージ処理時の流路を示す図
【図5C】第1実施形態における浴槽水パージ処理時の流路を示す図
【図6】第2実施形態に係る浴室システムの構成図
【図7】第2実施形態に係る処理と各部の状態との関係を示す表図
【図8A】第2実施形態におけるドレン排出処理時の流路を示す図
【図8B】第2実施形態における給水パージ処理時の流路を示す図
【図8C】第2実施形態における浴槽水パージ処理時の流路を示す図
【図9】潜熱回収熱交換器を備えない従来の浴室システムの例を示す図
【図10】潜熱回収熱交換器を備える従来の浴室システムの第1の例を示す図
【図11】潜熱回収熱交換器を備える従来の浴室システムの第2の例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、本願の潜熱回収式熱源装置、この潜熱回収式熱源装置を使用する浴室システムについて説明する。
説明にあたっては、まず、本発明に係る潜熱回収式熱源装置について説明し、続いて、その潜熱回収式熱源装置の設置箇所が新築の家屋である場合(図1参照)、その潜熱回収式熱源装置の設置箇所が既築の家屋である場合(図6参照)の順に説明する。
ここで、新築の家屋にあっては、熱源装置と浴室との間に3本の配管を設置可能であり、既築の家屋にあっては、図9で説明したように、既に、熱源装置と浴室との間に2本の配管が設置されているため、これら2本の配管を有効に使用することが必要となる。
本願の潜熱回収式熱源装置は、その構造から、新築、既築の場合共、共通して使用することができる。
【0046】
図1、図6は、共に、本発明の浴室システムを示す例であるが、このシステムは、家屋の壁面等に備えられる潜熱回収式熱源装置1と、浴室Yに備えられる浴槽YSと、この浴槽YSの近傍で、浴室Y内に設けられる排水箇所である排水箇所35との間で成立し、この排水箇所35を使用して、ドレンの排水が可能なシステムとなる。従って、ドレン排水システムが構築されていると言える。
【0047】
図1、図6等には、流路切換手段として3方弁を示している。さらに、図5(図5A、図5B、図5C)、図8(図8A、図8B、図8C)では、システムに備える3方弁に関し、白抜きはその方向の流路が開であることを示し、黒塗りはその方向の流路が閉であることを示している。
【0048】
〔潜熱回収式熱源装置の構成〕
潜熱回収式熱源装置1は、設置箇所が新築の家屋である場合、及び、設置箇所が既築の家屋である場合共通に使用されるものであり、図1、図6に示すように、潜熱回収熱交換器K1を備えた加熱部Kにおいて発生したドレンを貯留するドレンタンクD1と、一端側が浴槽YSに接続されて前記浴槽YSからの浴槽戻水を通流させる浴槽戻管路10を接続する浴槽戻側接続部10cと、一端側が浴槽YSに接続されてYS浴槽への浴槽往水を通流させる浴槽往管路20が接続される浴槽往側接続部20cと、浴槽戻水を、循環ポンプPJにて加熱部Kを経由して浴槽往管路20に送るべく通流させる熱源装置内流路Jとを設けて構成されている。
【0049】
熱源装置内流路Jにおける浴槽戻側接続部10cと循環ポンプPJとの間には、浴槽戻側接続部10cと循環ポンプPJとを接続する戻側第1状態と、ドレンタンクD1と循環ポンプPJとを接続する戻側第2状態とに択一的に切換自在な戻側流路切換手段S1が設けられ、又、熱源装置内流路Jにおける循環ポンプPJと浴槽往側接続部20cとの間には、循環ポンプPJと浴槽往側接続部20cとを接続する往側第1状態と、循環ポンプPJと第2往側接続部30cとを接続する往側第2状態とに択一的に切換自在な往側流路切換手段S2が設けられている。
【0050】
また、一端が上水道等の給水源に接続された給水管40が設けられ、この給水管40には、上水等の供給水を供給する状態と供給しない状態とに切換えるとともに、供給する状態における通流量を調整する給水電磁弁S5が設けられている。給水管40の他端は、熱源装置内流路Jにおける戻側流路切換手段S1と浴槽戻側接続部10cとの間に接続されている。つまり、外部より供給される給水を戻側流路切換手段S1を介して循環ポンプPJに供給可能に構成されている。
【0051】
また、熱源装置内流路Jにおける浴槽戻側接続部10cと戻側流路切換手段S1との間の位置には、内部流路を通流状態と通流停止状態とに択一的に切換自在な通流切換手段S4が設けられている。
【0052】
潜熱回収式熱源装置1には、この潜熱回収式熱源装置1及び浴室システムを制御する制御手段としての制御装置Hが設けられている。この制御装置Hは、図2に示すように、後述する各処理を行うべく、湯張作動処理手段H01、追焚作動処理手段H02、凍結防止処理手段H1、ドレン排出処理手段H2、ドレンパージ処理手段H3、加熱部作動手段H4、浴槽水循環処理手段H5、給水処理手段H6、ユニット接続情報受付手段H7、及び、自動設定手段H8を備えて構成されている。
【0053】
図1、図2、及び、図6に示すように、上記湯張作動処理手段H01、追焚作動処理手段H02、凍結防止処理手段H1、ドレン排出処理手段H2、ドレンパージ処理手段H3は、加熱部作動手段H4、浴槽水循環処理手段H5、給水処理手段H6に対して、その動作指令を出力するように構成されている。凍結防止処理手段H1は、ドレンパージ処理手段H3に対しても動作指令を出力するように構成されている。ユニット接続情報受付手段H7は、自動設定手段H8に対して、必要な場合に設定指令を出力するように構成されている。
加熱部作動手段H4は、加熱部Kによる加熱を行うか否かの動作指令を、浴槽水循環処理手段H5は、循環ポンプPJを作動させるか否かの動作指令を、さらに、給水処理手段H6は、給水を行うか否かの動作指令を行うように構成されている。
従って、湯張作動処理手段H01、追焚作動処理手段H02、凍結防止処理手段H1、ドレン排出処理手段H2、ドレンパージ処理手段H3は、加熱部作動手段H4、浴槽水循環処理手段H5、給水処理手段H6を介して、戻側流路切換手段S1,往側流路切換手段S2、流通切換手段S4、給水電磁弁S5、加熱部K等を状態設定(制御)する。図3は、新築の家屋に適用した場合の各作動処理における状態設定を、図7は、既築の家屋に適用した場合の各作動処理における状態設定を示している。
【0054】
そして、制御装置Hには、前述のリモコンRとの間で情報を通信する制御用通信線TR、循環ポンプPJの作動を制御するための情報を通信する制御用通信線TP、戻側流路切換手段S1の作動を制御するための情報を通信する制御用通信線T1、往側流路切換手段S2の作動を制御するための情報を通信する制御用通信線T2、通流切換手段S4の作動を制御するための情報を通信する制御用通信線T4、及び、給水電磁弁S5の作動を制御するための情報を通信する制御用通信線T5が接続されている。また、ドレンタンクD1には、貯留されるドレンの水位を検出するドレン水位検出手段QWが備えられ、さらに、潜熱回収式熱源装置1の内部には、凍結予防用の温度検出手段QFが備えられており、ドレン水位検出手段QW及び温度検出手段QFの検出情報は、制御用通信線TW及びTFを介して制御装置Hに入力されるようになっている。
【0055】
この潜熱回収式熱源装置1に備える制御装置Hには、浴槽往管路20を通流する流体を浴槽YSに供給する第1状態と、浴槽往管路20を通流する流体を排水箇所35に排出する第2状態とに切換自在に構成されて、浴槽往管路20の浴室Y内の部位に設けられる流路切換ユニットS3からユニット接続情報を受付けるユニット接続情報受付手段H7を備えている。
尚、後述するように、この流路切換ユニットS3は、設置箇所が新築の家屋である場合においては設置されず、設置箇所が既築の家屋である場合においてのみ設置が必要となるものである。
【0056】
〔新築の家屋に適用した場合〕
次に、設置箇所が新築の家屋であって3本の配管を敷設可能な場合の浴室システムについて、図1に基づいて説明する。
浴室システムは、潜熱回収式熱源装置1と、浴槽YSを備えた浴室Yとを備え、浴室Y内に排水箇所35を備えて構成されている。また、浴室Y内には、後述する潜熱回収式熱源装置1の制御装置Hに接続され、運転の指令や設定温度情報の表示等を行うリモコンRが設けられている。
そして、この浴室システムにおいては、潜熱回収式熱源装置1における浴槽戻側接続部10cと浴槽YSとが、浴槽戻管路10にて接続されるとともに、浴槽往側接続部20cと浴槽YSとが浴槽往管路20にて接続され、第2往側接続部30cと排水箇所35とが、ドレン用管路30にて接続されている。即ち、新築の場合は、浴槽往側接続部20cと第2往側接続部30cとの両方が使用される。
【0057】
潜熱回収式熱源装置1に備える制御装置H(図2参照)は、ユニット接続情報受付手段H7によってユニット接続情報を受付けなかった場合には、設置箇所が新築の家屋である場合の形態に適合させるべく、自動設定手段H8によって往側流路切換手段S2を往側第1状態又は往側第2状態のいずれかに切換える流路切換ユニットなし状態に設定することになる。詳述すると、図6に示す既設住宅に、本発明の潜熱回収式熱源装置1を採用する場合、流路切換ユニットS3を浴室内に設置する必要があるが、この流路切換ユニットS3は、当該流路切換ユニットS3自体が、定期的に自己識別情報を制御装置Hに送る構造とされている。そこで、制御装置Hが自己識別情報を受信しているか否かに従って、流路切換ユニットS3が接続されているか否かを識別することができ、制御装置Hは、流路切換ユニットが接続されていないことを自動的に識別して、追焚や湯張りの実行時には往側流路切換手段S2を往側第1状態に切換え、ドレン排出処理及びドレンパージ処理においては往側流路切換手段S2を往側第2状態に切換える。
【0058】
潜熱回収式熱源装置1は、湯張作動処理手段H01、追焚作動処理手段H02を備えることにより、湯張作動処理手段H01、追焚作動処理手段H02が、図3の表に「湯張作動処理」「追焚作動処理」として示す如く、湯張りや追焚きのための加熱作動としてバーナBを燃焼させ、潜熱回収熱交換器K1及び顕熱熱交換器K2にて、熱源装置内循環路Jを通流する流体を加熱する。このとき、潜熱回収熱交換器K1において酸性のドレンが発生する。発生したドレンは、ドレン受けD3にて集められ、中和槽D2にて中和された後、ドレンタンクD1に貯留される。ここで、湯張りの場合は給水を伴うこととなり、追焚の場合は浴槽水の循環を伴うこととなる。
【0059】
ドレンタンクD1には、前述のようにドレン水位検出手段QWが設けられており、このドレン水位検出手段QWにて所定の高水位、例えばドレンタンクの満杯が検出されると、図4の#1に示すように、ドレンタンクD1内のドレンを外部に排出するドレン排出処理が実行されるようになっている。
ドレン排出処理においては、制御手段Hにおけるドレン排出処理手段H2が、図3の表に「ドレン排出処理」として示す如く、戻側流路切換手段S1を戻側第2状態とした状態で、往側流路切換手段S2を往側第2状態に切換え、循環ポンプPJを働かせて、ドレンタンクD1に貯留されたドレンを第2往側接続部30cから排出するように構成されている。尚、このとき、通流切換手段S4は通流停止状態とし、給水電磁弁S5は給水停止状態とするように制御されている。
つまり、ドレンタンクD1に貯留されたドレンは、図5Aに示すように、戻側流路切換手段S1、循環ポンプPJ、往側流路切換手段S2を経由して、ドレン用管路30から排水箇所35に排出される。
【0060】
そして、ドレン排出処理が実行された後には、図4の#2に示すように、戻側流路切換手段S1から往側流路切換手段S2に到る流路に、ドレンとは異なる流体をドレンパージ水として流すドレンパージ処理が実行されるようになっている。
ドレンパージ処理は、図3の表に「ドレンパージ処理」として示す如く、ドレンパージ水として、外部より供給される給水を使用する給水パージ、又は、浴槽戻水を使用する浴槽水パージのいずれかの形態にて実行される。尚、図示はしていないが、潜熱回収式熱源装置1には水位検出部が備えられており、浴槽YS内の浴槽水の水位がドレンパージを実行するに十分であるときには浴槽水パージを実行し、浴槽水がドレンパージを実行するには不十分又は全く無い場合には給水パージを実行するように構成されている。
【0061】
上記ドレンパージ処理の各形態での制御状態について図3に基づいて説明を加えると、給水パージの場合においては、制御手段Hにおけるドレンパージ処理手段H3が、戻側流路切換手段S1を戻側第1状態とし、往側流路切換手段S2を往側第2状態とし、通流切換手段S4を通流停止状態とし、循環ポンプPJを停止状態とし、そして、給水電磁弁S5を給水状態とすることになる。
また、浴槽水パージの場合においては、制御手段Hにおけるドレンパージ処理手段H3が、戻側流路切換手段S1を戻側第1状態とし、往側流路切換手段S2を往側第2状態とし、通流切換手段S4を通流状態とし、そして給水電磁弁S5を給水停止状態として循環ポンプPJを働かせることになる。
【0062】
このように、ドレン排出処理及びドレンパージ処理における給水パージ時においては、制御手段Hにおけるドレン排出処理手段H2又はドレンパージ処理手段H3は、通流切換手段S4を通流停止状態に切換えることになり、ドレンパージ処理における浴槽水パージ時においては、通流切換手段S4を通流状態に切換えることになる。これにより、ドレン排出処理及びドレンパージ処理において、ドレン又はドレンパージ水が、浴槽戻管路10を逆流して浴槽YSに流入しないように構成されている。
つまり、ドレンパージ処理における給水パージ時には、図5Bに示すように、外部より供給される給水を、戻側流路切換手段S1、循環ポンプPJ、往側流路切換手段S2を経由して、ドレン用管路30から排水箇所35に排出することになり、浴槽水パージ時には、図5Cに示すように、浴槽戻水を、戻側流路切換手段S1、循環ポンプPJ、往側流路切換手段S2を経由して、ドレン用管路30から排水箇所35に排出することになる。
【0063】
なお、制御手段Hにおける凍結防止処理手段H1は、温度検出手段QFにより検出される温度が所定の凍結警戒温度より低い場合には、ドレンパージ処理手段H3によりドレンパージ処理を実行可能なように構成されている。
さらに、制御手段Hにおける加熱部作動手段H4は、上記ドレン排出処理またはドレンパージ処理において加熱部Kを作動させて、加熱部Kによりドレン又はドレンパージ水を加熱することが可能なように構成され、ドレン排出処理手段H2又はドレンパージ処理手段H3は、加熱されたドレン又はドレンパージ水を第2往側接続部30cから排出させることが可能なように構成されている。
即ち、凍結防止を例に取ると、ドレン排出、ドレンパージで、凍結防止が可能と考えられる状況では、加熱部Kによる加熱を行うことなく、流水のみで凍結を防止することができ、さらに厳しい状況では、加熱を伴って温水を流すことで凍結を防止できる。
また、ドレンは低温状態で貯留されているため、ドレン排出処理で管路が冷える場合があるが、例えば、ドレンパージ処理で温水を流すことで、管路の加温を行うこともできる。
【0064】
〔既築の家屋に適用した場合〕
次に、設置箇所が既築の家屋であって既に設置されている2本の配管の他に配管を増設できない場合の浴室システムについて、図6に基づいて説明する。尚、潜熱回収式熱源装置1の構成は上記設置箇所が新築の家屋である場合と同一であるので、重複部分については同一符号を用いるとともにその説明を省略し、主に設置箇所が新築の家屋である場合と異なる部分について説明を加える。
【0065】
この形態の浴室システムにおいては、潜熱回収式熱源装置1における浴槽戻側接続部10cと浴槽YSとが浴槽戻管路10にて接続されるとともに、浴槽往側接続部20cと浴槽YSとが浴槽往管路20にて接続され、第2往側接続部30cが閉止され、第2往側接続部30cは使用しない。従って、既築の場合は、浴槽往側接続部20cのみが使用される。また、浴槽往管路20を通流する流体を浴槽YSに供給する第1状態と、浴槽往管路20を通流する流体を排水箇所35に排出する第2状態とに切換自在に構成される流路切換ユニットS3が、浴槽往管路20の浴室Y内部位に設けられている。また、ドレン排出時又はドレンパージ時にドレン又はドレンパージ水を通流させるドレン排出管32が、一端を流路切換ユニットS3に接続され且つ他端を排水箇所35に臨ませる状態で設けられている。
つまり、この形態においては、設置箇所が新築の家屋である場合において第2往側接続部30cに接続されていたドレン用管路30を備えず、潜熱回収式熱源装置と浴槽YSとの間には浴槽戻管路10と浴槽往管路20との2本の配管のみを備えるものとなる。
【0066】
潜熱回収式熱源装置1に備える制御装置Hは、ユニット接続情報受付手段H7によってユニット接続情報を受付けた場合には、設置箇所が既築の家屋である場合の形態に適合させるべく、自動設定手段によって往側流路切換手段S2を往側第1状態に固定するユニットあり状態に設定する。つまり、この形態では、流路切換ユニットS3が接続されるため、この接続を自動的に識別して、往側流路切換手段S2を往側第1状態に固定する。従って、既築の場合は、ドレン排出処理及びドレンパージ処理においても往側第2状態となることはない。ここで、流路切換ユニットS3も、制御手段Hにより状態設定される。
【0067】
この形態においては、ドレン排出処理(図4#1)として、制御手段Hにおけるドレン排出処理手段H2が、図7の表に「ドレン排出処理」として示す如く、戻側流路切換手段S1を戻側第2状態とした状態で、循環ポンプPJを働かせて、ドレンタンクD1に貯留されたドレンを浴槽往側接続部20cから排出するように構成されている。尚、このとき、流路切換ユニットS3はユニット第2状態とし、通流切換手段S4は通流停止状態とし、給水電磁弁S5は給水停止状態とするように制御されている。また、往側流路切換手段S2は、前述のように往側第1状態に固定されている。
つまり、ドレンタンクD1に貯留されたドレンは、図8Aに示すように、戻側流路切換手段S1、循環ポンプPJ、往側流路切換手段S2を経由して、浴槽往配管20を通流し、流路切換ユニットS3に接続されるドレン排出管32から排水箇所35に排出される。
【0068】
そして、ドレン排出処理が実行された後には、図4の#2に示すドレンパージ処理が、少なくとも戻側流路切換手段S1から往側流路切換手段S2に到る流路に、実際は、戻側流路切換手段S1から流路切換ユニットS3に到る流路に、ドレンとは異なる流体をドレンパージ水として流す状態で実行されるようになっている。
この形態におけるドレンパージ処理は、図7の表に「ドレンパージ処理」として示す如く、ドレンパージ水として、外部より供給される給水を使用する給水パージ、又は、浴槽戻水を使用する浴槽水パージのいずれかの形態にて実行される。尚、この形態においても、上記新築の家屋に適用した場合と同様に、浴槽YS内の浴槽水の水位がドレンパージを実行するに十分であるときには浴槽水パージを実行し、浴槽水がドレンパージを実行するには不十分又は全く無い場合には給水パージを実行するように構成されている。
【0069】
このドレンパージ処理の各形態での制御状態について図7に基づいて説明を加えると、給水パージの場合においては、制御手段Hにおけるドレンパージ処理手段H3が、戻側流路切換手段S1を戻側第1状態とし、往側流路切換手段S2を往側第1状態とし、流路切換ユニットS3をユニット第2状態とし、通流切換手段S4を通流停止状態とし、循環ポンプPJを停止状態とし、そして給水電磁弁S5を給水状態とすることになる。また、浴槽水パージの場合においては、制御手段Hにおけるドレンパージ処理手段H3が、戻側流路切換手段S1を戻側第1状態とし、往側流路切換手段S2を往側第1状態とし、流路切換ユニットS3をユニット第2状態とし、通流切換手段S4を通流状態とし、そして給水電磁弁S5を給水停止状態として循環ポンプPJを働かせることになる。
【0070】
このように、ドレン排出処理及びドレンパージ処理における給水パージ時においては、制御手段Hにおけるドレン排出処理手段H2又はドレンパージ処理手段H3は、通流切換手段S4を通流停止状態に切換えることになり、ドレンパージ処理における浴槽水パージ時においては、通流切換手段S4を通流状態に切換えることになる。これにより、ドレン排出処理及びドレンパージ処理において、ドレン又はドレンパージ水が、浴槽戻管路10を逆流して浴槽YSに流入しないように構成されている。
つまり、ドレンパージ処理における給水パージ時には、図8Bに示すように、外部より供給される給水を、戻側流路切換手段S1、循環ポンプPJ、往側流路切換手段S2を経由して、浴槽往配管20を通流させ、流路切換ユニットS3に接続されるドレン排出管32から排水箇所35に排出することになり、また、浴槽水パージ時には、図8Cに示すように、浴槽戻水を、戻側流路切換手段S1、循環ポンプPJ、往側流路切換手段S2を経由して、浴槽往配管20を通流させ、流路切換ユニットS3に接続されるドレン排出管32から排水箇所35に排出することになる。
【0071】
尚、この形態においても、制御手段Hにおける凍結防止処理手段H1は、温度検出手段QFにより検出される温度が所定の凍結警戒温度より低い場合には、ドレンパージ処理手段H3によりドレンパージ処理を実行させる。
さらに、制御手段Hにおける加熱部作動手段H4は、上記ドレン排出処理またはドレンパージ処理において加熱部Kを作動させて、加熱部Kによりドレン又はドレンパージ水を加熱可能に構成され、ドレン排出処理手段H2又はドレンパージ処理手段H3は、加熱されたドレン又はドレンパージ水を浴槽往側接続部20cから排出させるように構成されている。
【0072】
〔別実施形態〕
次に本発明の別実施形態を説明する。
(イ)上記実施形態においては、ドレン排出処理またはドレンパージ処理において、必要に応じて加熱部Kを作動させて、加熱部Kによりドレン又はドレンパージ水を加熱し、加熱されたドレン又はドレンパージ水を浴槽往側接続部20c又は第2往側接続部30cから排出可能とする構成を例示したが、このような構成に代えて、加熱部Kを働かせることなく、流水状態でのみ、凍結に対処するようにしてもよい。
【0073】
(ロ)上記実施形態においては、凍結予防用の温度検出手段QFを備え、温度検出手段QFにより検出される温度が所定の凍結警戒温度より低い場合に、ドレンパージ処理を実行する構成を例示したが、このような構成に代えて、またはこのような構成に加えて、凍結警戒温度より低くなる虞のある時期においては所定の時間間隔毎にドレンパージ処理を実行するように構成してもよい。
【0074】
(ハ)上記実施形態においては、熱源装置内流路Jにおける浴槽戻側接続部10cと戻側流路切換手段S1との間の位置に、内部流路を通流状態と通流停止状態とに択一的に切換自在な通流切換手段S4を設け、ドレン排出処理及びドレンパージ処理における給水パージ時において、その通流切換手段S4を通流停止状態に切換える構成を例示した。これは、湯張作動処理の実行時において、浴槽戻管路10及び浴槽往管路20の双方を使用して加熱した浴槽YSへの湯水の落としこみを行うために、浴槽戻側接続部10cから浴槽YSへ向かう方向の浴槽戻管路10内の流体の通流を許容するためであるが、このような構成に代えて、湯張作動処理の実行時の浴槽YSへの湯水の落としこみを浴槽往管路20のみを用いて行うものとし、通流切換手段S4に代えて浴槽YS側から浴槽戻側接続部10c側への通流のみを許容する逆止弁を設ける構成としてもよい。
【0075】
(ニ)上記実施形態においては、流路切換ユニットS3からユニット接続情報を受付けるユニット接続情報受付手段H7を備え、自動設定手段H8によってユニット有り状態又はユニットなし状態を設定する構成を例示したが、このような構成に限定されるものではない。つまり、ドレン排出処理又はドレンパージ処理の実行時には、その都度流路切換ユニットS3の存在の有無を確認し、流路切換ユニットS3が存在すれば往側流路切換手段S2を往側第1状態とし且つ流路切換ユニットをユニット第2状態とするように制御し、流路切換ユニットS3が存在しなければ往側流路切換手段S2を往側第2状態とするように制御するように構成してもよい。
【0076】
(ホ)上記実施形態においては、給水パージの実行時に循環ポンプPJを停止状態とする構成を例示したが、給水パージの実行時にも循環ポンプPJを作動させるように構成してもよい。すなわち、給水パージの実行時に循環ポンプPJを停止状態とした場合、インペラ等を備えて内部の構造が複雑な循環ポンプPJにおいては、給水が通流抵抗の低い部分を短絡して通流してしまい、循環ポンプPJ内部における給水が通流しない状態となる部分にドレンが残留することがある。そこで、循環ポンプPJ内部にドレンが残留する状態を回避するため、給水パージの実行時にも循環ポンプPJを作動させれば、循環ポンプPJ内に通流する流体を攪拌することとなり、循環ポンプPJ内部を良好に洗浄できるものとなる。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明によれば、設置箇所が新築の家屋であって3本の配管を敷設可能な場合、及び、設置箇所が既築の家屋であって既に設置されている2本の配管の他に配管を増設できない場合のどちらの場合にあっても、共通化された熱源装置を利用可能とすることによって、製造コストの低減を図ることが可能な潜熱回収式熱源装置を提供することが可能となる。
【符号の説明】
【0078】
1 潜熱回収式熱源装置
10 浴槽戻管路
20 浴槽往管路
30 ドレン排出管路
10c 浴槽戻側接続部
20c 浴槽往側接続部
30c 第2往側接続部
35 排水箇所
K 加熱部
K1 潜熱回収熱交換器
D1 ドレンタンク
PJ 循環ポンプ
J 熱源装置内循環路
S1 戻側流路切換手段
S2 往側流路切換手段
S4 通流切換手段
S5 給水電磁弁
H 制御装置
H7 ユニット接続情報受付手段
H8 自動設定手段
Y 浴室
YS 浴槽
QF 温度検出手段
QW ドレン水位検出手段
T1〜T5、TR、TF,TQ 制御用通信線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
潜熱回収熱交換器を備えた加熱部において発生したドレンを貯留するドレンタンクと、一端側が浴槽に接続されて前記浴槽からの浴槽戻水を通流させる浴槽戻管路を接続する浴槽戻側接続部と、一端側が前記浴槽に接続されて前記浴槽への浴槽往水を通流させる浴槽往管路が接続される浴槽往側接続部と、
前記浴槽戻水を、循環ポンプにて前記加熱部を経由して前記浴槽往管路に送るべく通流させる熱源装置内流路と、が設けられた潜熱回収式熱源装置であって、
前記熱源装置内流路における前記浴槽戻側接続部と前記循環ポンプとの間に、前記浴槽戻側接続部と前記循環ポンプとを接続する戻側第1状態と、前記ドレンタンクと前記循環ポンプとを接続する戻側第2状態とに択一的に切換自在な戻側流路切換手段が設けられ、
前記熱源装置内流路における前記循環ポンプと前記浴槽往側接続部との間に、前記循環ポンプと前記浴槽往側接続部とを接続する往側第1状態と、前記循環ポンプと前記浴槽往側接続部とは別の第2往側接続部とを接続する往側第2状態とに択一的に切換自在な往側流路切換手段が設けられ、
前記戻側流路切換手段を前記戻側第2状態とした状態で、前記往側流路切換手段を前記
往側第1状態又は前記往側第2状態に切換え、前記循環ポンプを働かせて、前記ドレンタンクに貯留されたドレンを前記浴槽往側接続部又は前記第2往側接続部から排出するドレン排出処理を実行可能に構成されている潜熱回収式熱源装置。
【請求項2】
前記ドレン排出処理を実行した後、前記戻側流路切換手段から前記往側流路切換手段に到る流路に、ドレンとは異なる流体をドレンパージ水として流すドレンパージ処理を実行可能に構成されている請求項1記載の潜熱回収式熱源装置。
【請求項3】
外部より供給される給水を前記戻側流路切換手段を介して前記循環ポンプに供給可能に構成され、
前記ドレンパージ処理時に、前記ドレンパージ水として、前記外部より供給される給水、又は、前記浴槽戻水を使用する請求項2記載の潜熱回収式熱源装置。
【請求項4】
前記ドレン排出処理または前記ドレンパージ処理において、前記加熱部を作動させて、前記加熱部によりドレン又はドレンパージ水を加熱し、加熱された前記ドレン又は前記ドレンパージ水を前記浴槽往側接続部又は前記第2往側接続部から排出する請求項1〜3の何れか一項記載の潜熱回収式熱源装置。
【請求項5】
凍結予防用の温度検出手段を備え、前記温度検出手段により検出される温度が所定の凍結警戒温度より低い場合に、前記ドレンパージ処理を実行する請求項2又は3記載の潜熱回収式熱源装置。
【請求項6】
前記熱源装置内流路における前記浴槽戻側接続部と前記戻側流路切換手段との間の位置に、内部流路を通流状態と通流停止状態とに択一的に切換自在な通流切換手段が設けられ、
前記ドレン排出処理または前記ドレンパージ処理において、前記通流切換手段を前記通流停止状態に切換える請求項1〜5のいずれか一項に記載の潜熱回収式熱源装置。
【請求項7】
前記浴槽往管路を通流する流体を前記浴槽に供給するユニット第1状態と、前記浴槽往管路を通流する流体を排水箇所に排出するユニット第2状態とに切換自在に構成され、前記浴槽往管路の浴室内部位に設けられる流路切換ユニットからユニット接続情報を受付けるユニット接続情報受付手段を備え、
前記ユニット接続情報受付手段で、前記ユニット接続情報を受付けた場合には、前記戻側流路切換手段を前記戻側第1状態に固定するユニット有り状態に設定し、前記ユニット接続情報を受付けなかった場合には、前記往側流路切換手段を前記往側第1状態又は前記往側第2状態のいずれかに切換えるユニットなし状態に設定する自動設定手段を備えた請求項1〜6の何れか一項記載の熱回収式熱源装置。
【請求項8】
請求項1〜7の何れか一項記載の潜熱回収式熱源装置と、前記浴槽を備えた浴室とを備え、前記浴室内に排水箇所を備えた浴室システムであって、
前記浴槽戻側接続部と前記浴槽とを前記浴槽戻管路にて接続するとともに、前記浴槽往側接続部と前記浴槽とを前記浴槽往管路にて接続し、
前記第2往側接続部と前記排水箇所とを、前記浴槽戻管路、前記浴槽往管路とは異なるドレン用管路にて接続し、
前記ドレン排出処理時に、前記戻側流路切換手段を前記戻側第2状態に、前記往側流路切換手段を前記往側第2状態に切換え、前記循環ポンプを働かせて、前記ドレンタンクに貯留されたドレンを、前記ドレン用管路を介して前記排水箇所に排出する浴室システム。
【請求項9】
請求項1〜7の何れか一項記載の潜熱回収式熱源装置と、前記浴槽を備えた浴室とを備え、前記浴室内に排水箇所を備えた浴室システムであって、
前記浴槽戻側接続部と前記浴槽とを前記浴槽戻管路にて接続するとともに、前記浴槽往側接続部と前記浴槽とを前記浴槽往管路にて接続し、前記第2往側接続部を閉止し、
前記浴槽往管路を通流する流体を前記浴槽に供給するユニット第1状態と、前記浴槽往管路を通流する流体を前記排水箇所に排出するユニット第2状態とに切換自在に構成される流路切換ユニットを、前記浴槽往管路の浴室内部位に設け、
前記ドレン排出処理時に、前記戻側流路切換手段を前記戻側第2状態に、前記往側流路切換手段を前記往側第1状態に、さらに、前記流路切換ユニットをユニット第2状態に切換え、前記循環ポンプを働かせて、前記ドレンタンクに貯留されたドレンを、前記浴槽往管路を介して前記排水箇所に排出する浴室システム。
【請求項1】
潜熱回収熱交換器を備えた加熱部において発生したドレンを貯留するドレンタンクと、一端側が浴槽に接続されて前記浴槽からの浴槽戻水を通流させる浴槽戻管路を接続する浴槽戻側接続部と、一端側が前記浴槽に接続されて前記浴槽への浴槽往水を通流させる浴槽往管路が接続される浴槽往側接続部と、
前記浴槽戻水を、循環ポンプにて前記加熱部を経由して前記浴槽往管路に送るべく通流させる熱源装置内流路と、が設けられた潜熱回収式熱源装置であって、
前記熱源装置内流路における前記浴槽戻側接続部と前記循環ポンプとの間に、前記浴槽戻側接続部と前記循環ポンプとを接続する戻側第1状態と、前記ドレンタンクと前記循環ポンプとを接続する戻側第2状態とに択一的に切換自在な戻側流路切換手段が設けられ、
前記熱源装置内流路における前記循環ポンプと前記浴槽往側接続部との間に、前記循環ポンプと前記浴槽往側接続部とを接続する往側第1状態と、前記循環ポンプと前記浴槽往側接続部とは別の第2往側接続部とを接続する往側第2状態とに択一的に切換自在な往側流路切換手段が設けられ、
前記戻側流路切換手段を前記戻側第2状態とした状態で、前記往側流路切換手段を前記
往側第1状態又は前記往側第2状態に切換え、前記循環ポンプを働かせて、前記ドレンタンクに貯留されたドレンを前記浴槽往側接続部又は前記第2往側接続部から排出するドレン排出処理を実行可能に構成されている潜熱回収式熱源装置。
【請求項2】
前記ドレン排出処理を実行した後、前記戻側流路切換手段から前記往側流路切換手段に到る流路に、ドレンとは異なる流体をドレンパージ水として流すドレンパージ処理を実行可能に構成されている請求項1記載の潜熱回収式熱源装置。
【請求項3】
外部より供給される給水を前記戻側流路切換手段を介して前記循環ポンプに供給可能に構成され、
前記ドレンパージ処理時に、前記ドレンパージ水として、前記外部より供給される給水、又は、前記浴槽戻水を使用する請求項2記載の潜熱回収式熱源装置。
【請求項4】
前記ドレン排出処理または前記ドレンパージ処理において、前記加熱部を作動させて、前記加熱部によりドレン又はドレンパージ水を加熱し、加熱された前記ドレン又は前記ドレンパージ水を前記浴槽往側接続部又は前記第2往側接続部から排出する請求項1〜3の何れか一項記載の潜熱回収式熱源装置。
【請求項5】
凍結予防用の温度検出手段を備え、前記温度検出手段により検出される温度が所定の凍結警戒温度より低い場合に、前記ドレンパージ処理を実行する請求項2又は3記載の潜熱回収式熱源装置。
【請求項6】
前記熱源装置内流路における前記浴槽戻側接続部と前記戻側流路切換手段との間の位置に、内部流路を通流状態と通流停止状態とに択一的に切換自在な通流切換手段が設けられ、
前記ドレン排出処理または前記ドレンパージ処理において、前記通流切換手段を前記通流停止状態に切換える請求項1〜5のいずれか一項に記載の潜熱回収式熱源装置。
【請求項7】
前記浴槽往管路を通流する流体を前記浴槽に供給するユニット第1状態と、前記浴槽往管路を通流する流体を排水箇所に排出するユニット第2状態とに切換自在に構成され、前記浴槽往管路の浴室内部位に設けられる流路切換ユニットからユニット接続情報を受付けるユニット接続情報受付手段を備え、
前記ユニット接続情報受付手段で、前記ユニット接続情報を受付けた場合には、前記戻側流路切換手段を前記戻側第1状態に固定するユニット有り状態に設定し、前記ユニット接続情報を受付けなかった場合には、前記往側流路切換手段を前記往側第1状態又は前記往側第2状態のいずれかに切換えるユニットなし状態に設定する自動設定手段を備えた請求項1〜6の何れか一項記載の熱回収式熱源装置。
【請求項8】
請求項1〜7の何れか一項記載の潜熱回収式熱源装置と、前記浴槽を備えた浴室とを備え、前記浴室内に排水箇所を備えた浴室システムであって、
前記浴槽戻側接続部と前記浴槽とを前記浴槽戻管路にて接続するとともに、前記浴槽往側接続部と前記浴槽とを前記浴槽往管路にて接続し、
前記第2往側接続部と前記排水箇所とを、前記浴槽戻管路、前記浴槽往管路とは異なるドレン用管路にて接続し、
前記ドレン排出処理時に、前記戻側流路切換手段を前記戻側第2状態に、前記往側流路切換手段を前記往側第2状態に切換え、前記循環ポンプを働かせて、前記ドレンタンクに貯留されたドレンを、前記ドレン用管路を介して前記排水箇所に排出する浴室システム。
【請求項9】
請求項1〜7の何れか一項記載の潜熱回収式熱源装置と、前記浴槽を備えた浴室とを備え、前記浴室内に排水箇所を備えた浴室システムであって、
前記浴槽戻側接続部と前記浴槽とを前記浴槽戻管路にて接続するとともに、前記浴槽往側接続部と前記浴槽とを前記浴槽往管路にて接続し、前記第2往側接続部を閉止し、
前記浴槽往管路を通流する流体を前記浴槽に供給するユニット第1状態と、前記浴槽往管路を通流する流体を前記排水箇所に排出するユニット第2状態とに切換自在に構成される流路切換ユニットを、前記浴槽往管路の浴室内部位に設け、
前記ドレン排出処理時に、前記戻側流路切換手段を前記戻側第2状態に、前記往側流路切換手段を前記往側第1状態に、さらに、前記流路切換ユニットをユニット第2状態に切換え、前記循環ポンプを働かせて、前記ドレンタンクに貯留されたドレンを、前記浴槽往管路を介して前記排水箇所に排出する浴室システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−93056(P2012−93056A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−242572(P2010−242572)
【出願日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【Fターム(参考)】
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