説明

潤滑剤用ポンプ装置

【課題】 カートリッジタンクの取り付け作業を容易にして操作性を向上させるとともに、潤滑ポンプにエアが混入する事態を防止して潤滑剤の供給を確実且つ円滑に行なうことができるようにする。
【解決手段】 流動状の潤滑剤が充填される容器本体2及び容器本体2に設けられ開口3が形成された取付口部4を備えたカートリッジタンク1と、カートリッジタンク1が着脱可能に取り付けられ取り付け時に取付口部4の開口端面5が接合する接合面22を有したアダプタ部21及び潤滑剤を吸引して吐出するポンプ部29を有した潤滑ポンプ20と、アダプタ部21に着脱可能に設けられ装着時にカートリッジタンク1を覆うカバー30とを備え、カートリッジタンク1の取付口部4に突出部10を設け、カバー30に、カバー30の装着時に突出部10を押圧して取付口部4の開口3の開口端面5をアダプタ部21の接合面22に押圧する押圧手段40を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工作機械や射出成形機等の産業機械等に潤滑等の目的で潤滑剤を供給する潤滑剤用ポンプ装置に係り、特に、潤滑剤が充填されたカートリッジタンクを、カートリッジタンク内の潤滑剤を吸引して吐出する潤滑ポンプに着脱可能に取り付けた潤滑剤用ポンプ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の潤滑剤用ポンプ装置としては、例えば、特許文献1(特開2009−63078号公報)に記載されたものが知られている。
図16に示すように、この潤滑剤用ポンプ装置Saは、流動状の潤滑剤が充填されるカートリッジタンク100と、カートリッジタンク100が着脱可能に取り付けられるアダプタ部111及びカートリッジタンク100内の潤滑剤を吸引して吐出するポンプ部112を有した潤滑ポンプ110と、アダプタ部111に着脱可能に設けられ装着時にカートリッジタンク100を覆うカバー130とを備えて構成されている。
【0003】
カートリッジタンク100は、潤滑剤が充填されるジャバラ筒状の容器本体101と、容器本体101に設けられ開口103が形成された取付口部102とを備えて構成されている。この取付口部102は、その外径が容器本体101の外径よりも小さく設定されており、その外周面に雄ネジ104が形成されている。
潤滑ポンプ110のアダプタ部111は、カートリッジタンク100の取り付け時に取付口部102の開口103の開口端面105が接合する接合面113と、接合面113に入口部114を有し潤滑剤をポンプ部112に導く導通路115とを備えて構成されている。また、接合面113は、一般面116から凹み形成された凹部117の底面で構成されている。この凹部117の側壁の内周面に取付口部102の雄ネジ104が螺合される雌ネジ118が形成されている。
【0004】
このカートリッジタンク100を潤滑ポンプ110に取り付けるときは、取付口部102の雄ネジ104を凹部117の雌ネジ118にねじ込んで、取付口部102の開口端面105をアダプタ部111の接合面113に接合させてカートリッジタンク100をアダプタ部111に取り付けることにより行なう。この状態では、取付口部102の開口103内に導通路115の入口部114が位置するようになる。その後、カバー130をアダプタ部111に装着する。
そして、この潤滑剤用ポンプ装置Saを作動させると、ポンプ部112によってカートリッジタンク100内の潤滑剤が吸引され、この吸引された潤滑剤が入口部114から導通路115を通ってポンプ部112内に入り、ポンプ部112から所望の位置に吐出される。
【0005】
しかしながら、この潤滑剤用ポンプ装置Saにおいては、カートリッジタンク100を潤滑ポンプ110に取り付ける際、カートリッジタンク100の取付口部102に形成された雄ネジ104を潤滑ポンプ110のアダプタ部111に形成された雌ネジ118にねじ込まなければならず、そのため、取り付け工数が多くなるので、取り付け作業が煩雑になり、それだけ、操作性が悪いという問題があった。
また、カートリッジタンク100の取り付け時に、取付口部102の雄ネジ104をアダプタ部111の雌ネジ118にねじ込む際、ねじ込むことを忘れたり、また、ねじ込んでも作業者がねじ込み具合を判断しにくく、そのため、ねじ込みがきつかったり、ねじ込みが緩かったりする事態が生じることがあった。即ち、ねじ込みがきついと、容器本体101がねじれて破損してしまうことがあり、また、ねじ込みがなかったり、ねじ込みが緩いと、取付口部102の開口端面105がアダプタ部111の接合面113に接合しない状態となって、装置Saの作動時にポンプ部112が潤滑剤のみならずエアも吸引してしまい、そのため、ポンプ部112側にエアが混入してしまう不具合が生じるという問題があった。
【0006】
このような問題を解消するため、取付口部102に雄ネジ104を形成せずに、取付口部102の開口端面105を接合面113に接合させてカートリッジタンク100をアダプタ部111に付設し、この状態で、カートリッジタンク100を押さえつけることにより、カートリッジタンク100を潤滑ポンプ110に取り付けることが考えられる。
【0007】
このような技術としては、従来、例えば、特許文献2(特開2003−340747号公報)に記載されたものが知られている。
図17に示すように、この潤滑剤用ポンプ装置Sbは、流動状の潤滑剤が充填されるカートリッジタンク200と、カートリッジタンク200が着脱可能に取り付けられるアダプタ部211及びカートリッジタンク200内の潤滑剤を吸引して吐出するポンプ部212を有した潤滑ポンプ210と、潤滑ポンプ210のアダプタ部211に設けられカートリッジタンク200を押えつけて保持するホルダー220とを備えて構成されている。
【0008】
カートリッジタンク200は、潤滑剤が充填される筒状の容器本体201と、容器本体201に設けられ開口203が形成された取付口部202とを備えて構成されている。この取付口部202は、その外径が容器本体201の外径よりも小さく設定されている。
潤滑ポンプ210のアダプタ部211は、カートリッジタンク200の取り付け時に取付口部202の開口203の開口端面204が接合する接合面213と、接合面213に入口部214を有し潤滑剤をポンプ部212に導く導通路215とを備えて構成されている。また、接合面213は、一般面216から凹み形成された凹部217の底面で構成されている。
ホルダー220は、一端部221がアダプタ部211に回動可能に設けられ他端部222がカートリッジタンク200の底部200aに当接する当接部223として構成される線状体で形成されている。
【0009】
このカートリッジタンク200を潤滑ポンプ210に取り付けるときは、取付口部202をアダプタ部211の凹部217に差し込んで、取付口部202の開口端面204をアダプタ部211の接合面213に接合させ、この状態で、ホルダー220を回動させて、その他端部222でカートリッジタンク200の底部200aを押圧して、取付口部202の開口端面204をアダプタ部211の接合面213に密着させることにより行なう。これにより、カートリッジタンク200をねじ込むことなくホルダー220の操作でアダプタ部211に装着できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2009−63078号公報
【特許文献2】特開2003−340747号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献2記載の潤滑剤用ポンプ装置Sbにおいては、カートリッジタンク200の底部200aをホルダー220で押圧しているので、カートリッジタンク200が、例えば樹脂製でジャバラ筒状のものである場合、ホルダー220によってカートリッジタンク200に内圧が掛かってしまい、これにより、潤滑剤の油分が分離してしまう等、潤滑剤の供給に支障を与えるという問題があった。
【0012】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、カートリッジタンクの取り付け作業を容易にして操作性を向上させるとともに、潤滑ポンプにエアが混入する事態を防止して潤滑剤の供給を確実且つ円滑に行なうことができるようにした潤滑剤用ポンプ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
このような目的を達成するため、本発明の潤滑剤用ポンプ装置は、流動状の潤滑剤が充填されるカートリッジタンクを備え、該カートリッジタンクを、上記潤滑剤が充填される筒状の容器本体と、該容器本体に設けられ開口が形成された取付口部とを備えて構成し、上記カートリッジタンクが着脱可能に取り付けられるアダプタ部及び該カートリッジタンク内の潤滑剤を吸引して吐出するポンプ部を有した潤滑ポンプを備え、該潤滑ポンプのアダプタ部を、上記カートリッジタンクの取り付け時に上記取付口部の開口の開口端面が接合する接合面と、該接合面に入口部を有し潤滑剤を上記ポンプ部に導く導通路とを備えて構成し、上記アダプタ部に着脱可能に設けられ装着時に上記カートリッジタンクを覆うカバーを備え、上記アダプタ部及び上記カバーに該カバーを装着するための係合部及び被係合部を夫々設けた潤滑剤用ポンプ装置において、上記カートリッジタンクの取付口部に、突出部を設け、上記カバーに、該カバーの上記アダプタ部に対する装着時に上記突出部を押圧して上記取付口部の開口の開口端面を上記アダプタ部の接合面に押圧する押圧手段を設けた構成としている。
【0014】
これにより、カートリッジタンクを潤滑ポンプに取り付けるときは、カートリッジタンクを、その取付口部の開口端面をアダプタの接合面に接合させてアダプタ部に付設し、この状態で、カバーをカートリッジタンクに被せ、カバーの被係合部をアダプタ部の係合部に係合させて、カバーをアダプタ部に装着する。
【0015】
この場合、押圧手段により突出部が押圧され、これによって取付口部の開口端面がアダプタ部の接合面に押圧されて密着させられ、カートリッジタンクはアダプタ部に取り付けられる。そのため、カバーを装着するだけで、カートリッジタンクの取り付けを行なうことができるので、取り付け作業を容易に行なうことができ、それだけ、操作性を向上させることができる。
【0016】
そして、潤滑ポンプを作動させると、ポンプ部によってカートリッジタンク内の潤滑剤が吸引され、この吸引された潤滑剤が入口部から導通路を通ってポンプ部内に入り、ポンプ部から所望の位置に吐出される。この場合、潤滑剤はポンプ部によって吸引されるが、押圧手段により、取付口部の開口端面がアダプタの接合面に押圧されて密着させられているので、ポンプ部側にエアが混入する事態を防止することができる。また、押圧手段により突出部を押圧して取付口部の開口端面をアダプタ部の接合面に密着させているので、カートリッジタンクを押える力を一定とすることができ、そのため、従来のネジ式の場合と比較してねじ込みがきつかったり緩かったりすることがないので、ポンプ部側にエアが混入する不具合を解消することができるとともに、容器本体が破損する事態を防止することができる。
【0017】
また、カートリッジタンクが取り付けられた状態では、押圧手段によりカートリッジタンクの取付口部に設けた突出部を押圧するので、開口端面に近い部分を押圧することから押圧の安定が図られるとともに、容器本体を押圧しないので、容器本体がジャバラ筒状に形成されていても、これを押圧して内圧を生じさせることがなく、そのため、潤滑剤の油分が分離してしまう等の潤滑剤の供給に支障を与えることが防止され、潤滑剤の供給を確実且つ円滑に行なうことができる。
【0018】
そして、必要に応じ、上記突出部を、上記取付口部の基端部に該取付口部の外周面から突出して設けられ上記容器本体の外径よりも大きな外径を有するフランジで構成している。
これにより、フランジの外径は容器本体の外径より大きいので、カバーをアダプタ部に装着すると、カバーが確実にカートリッジタンクを覆うとともに、カバーに設けられた押圧手段によって突出部を確実に押圧することができ、そのため、カバーをアダプタ部に装着するだけで、容易に取付口部の開口端面をアダプタ部の接合面に密着させることができる。
【0019】
また、必要に応じ、上記フランジを、上記取付口部の基端部に着脱可能にした構成としている。
これにより、カートリッジタンクにフランジを取り付けて使用し、容器本体内の潤滑剤が無くなったならば、このカートリッジタンクからフランジを取り外して、このフランジを新たなカートリッジタンクに取り付けて使用することができる。即ち、フランジを再利用することができるので、製造コストを低減させることができる。また、フランジを取付口部の基端部に一体形成した場合と比較して、カートリッジタンクを比較的容易に製造することができる。
【0020】
更に、必要に応じ、上記取付口部の基端部外周に溝を形成し、上記フランジを、上記溝に嵌合する貫通孔と、外周縁から上記貫通孔に亘って形成され上記溝の直径と略同じ幅の切欠き部とを備えた板材で構成している。
これにより、フランジを取付口部の基端部に取り付けるときは、切欠き部から取付口部の溝に差し込んで貫通孔を溝に嵌合させることにより行なう。差し込むだけで取り付けることができるので、着脱を容易に行なうことができる。
【0021】
更にまた、必要に応じ、上記押圧手段を、上記カバーの内側面に形成され、上記アダプタ部の係合部に上記カバーの被係合部を係合させて該カバーを装着した際、上記フランジに当接して上記取付口部の開口の開口端面を上記アダプタ部の接合面に押圧する段差部で構成している。
これにより、カバーをアダプタ部に装着すると、カバーの段差部がフランジに当接するようになるので、容易且つ確実に取付口部の開口端面をアダプタ部の接合面に密着させることができる。また、カバーに段差部を形成するだけで押圧手段を構成することができるので、押圧手段を比較的簡易な構成とすることができる。
【0022】
そしてまた、必要に応じ、上記カートリッジタンクを、上記潤滑剤が充填され一端が閉塞される円筒状の容器本体と、該容器本体の他端側に設けられるとともに容器本体と同軸の開口が形成され上記容器本体の外径よりも小さい外径を有する円筒状の取付口部とを備えて構成し、上記アダプタ部を、上記カートリッジタンクの取付口部が挿通され底面が接合面として構成される凹部と、該凹部の外側に該凹部と同軸に設けられるリング状のリング壁とを備えて構成し、上記カバーを、一端が閉塞され他端に開放した開放口を有した円筒状に形成し、上記段差部を、上記他端より所定深さ位置の内周に沿って形成し、該他端から段差部に至る部位を上記アダプタ部のリング壁より大径且つ上記突出部のフランジより大径で該リング壁に遊嵌する遊嵌部として構成し、上記アダプタ部の係合部を該アダプタ部のリング壁の外周面に突設し、上記カバーの被係合部を該カバーの遊嵌部の内側面に突設し、係合部及び被係合部の何れか一方をリング壁及び遊嵌部の円周方向に沿う係合凹部を備えて形成し、係合部及び被係合部の何れか他方をリング壁及び遊嵌部の円周方向に沿い上記係合凹部に上記カバーの円周方向の回動によって係脱する係合凸部を備えて形成し、上記アダプタ部のリング壁を、所定間隔で上縁から切り欠いた複数の谷部と、該谷部間に形成され、上記カバーを被せたとき該カバーの被係合部が上記アダプタ部の係合部に対峙可能且つ該カバーの円周方向の回動によって係合可能な周方向長さを有する山部とを備えて構成し、上記突出部を構成するフランジを、上記アダプタ部のリング壁の外側に外縁が位置するとともに上記谷部に対応して設けられ該谷部にその底面から離間して没入し得る凸条部と、上記アダプタ部のリング壁の内側に外縁が位置するとともに上記山部に対応して設けられ上記カバーの被係合部が通過可能な凹条部とを備えて構成し、上記カバーの遊嵌部の内側面に、上記アダプタ部の係合部とは非干渉の位置であって被係合部を挟み上記係合部及び被係合部の脱時に上記フランジの被係合部に衝止する衝止突起を設けた構成としている。
【0023】
これにより、カートリッジタンクを潤滑ポンプに取り付けるときは、フランジの凸条部がアダプタ部のリング壁の谷部に入り込むようにして、カートリッジタンクを、その取付口部の開口端面をアダプタ部の接合面に接合させてアダプタ部に付設し、この状態で、カバーを、その被係合部及び衝止突起がフランジの凹条部を通ってアダプタ部のリング壁の山部の外側に位置し且つカバーの被係合部がアダプタ部の係合部に対峙するように被せ、それからカバーを周方向に回転させてカバーの被係合部をアダプタ部の係合部に係合させて、カバーをアダプタ部に装着する。
【0024】
この場合、カートリッジタンクのフランジの凸条部がアダプタ部のリング壁の山部に載置された状態であっても、カバーを被せて取り付けることができる。即ち、この場合には、フランジの凸条部がリング壁の山部に載って、カートリッジタンクの取付口部の開口端面をアダプタ部の接合面に押圧することができないが、カバーを被せると、カバーの被係合部がフランジの凸条部に載り、あるいは、カバーの被係合部が係合部に載り、あるいはまた、カバーの段差部がフランジの凸条部に載る状態になり、この状態で、カバーを回転させることにより摩擦抵抗でフランジを周方向に回転させて、フランジの凸条部をアダプタ部のリング壁の谷部に入り込ませることができる。
【0025】
この状態で、カバーの被係合部がアダプタ部のリング壁の山部の外側に位置し且つカバーの被係合部がアダプタ部の係合部に対峙していれば、上記と同様に、カバーを周方向に回転させてカバーの被係合部をアダプタ部の係合部に係合させて、カバーをアダプタ部に装着する。
また、フランジの凸条部がアダプタ部のリング壁の谷部に入り込んでいても、カバーの被係合部がフランジの凸条部に載り、あるいは、カバーの被係合部が係合部に載る状態にあると、カバーの被係合部をアダプタ部の係合部に係合させることができない。しかしながら、この状態でも、更にカバーを回転させることによりカバーの被係合部をずらせて、カバーの被係合部をフランジの凹条部を通ってアダプタ部のリング壁の山部の外側に位置させることができ、これにより、カバーの被係合部をアダプタ部の係合部に対峙させることができる。これにより、上記と同様に、カバーを周方向に回転させてカバーの被係合部をアダプタ部の係合部に係合させ、カバーをアダプタ部に装着することができる。
この結果、カバーの被係合部がフランジの凸条部や係合部に載って干渉しても、カバーを回転によりずらして、正規の位置に位置させることができるので、最初から干渉しないようにアダプタ部のリング壁をフランジより大きくし、更に、カバーの遊嵌部を大きく形成しなくても良くなり、全体を小型に形成することができるようになるという効果を奏する。
【0026】
また、カートリッジタンクを潤滑ポンプから取り外すときは、カバーを回転させてカバーの被係合部のアダプタ部の係合部に対する係合を解除して外す。この場合、カバーには衝止突起があるので、回転時にフランジの凸条部側面に衝止する。そのため、カバーが回り過ぎて被係合部がフランジの凸条部の下側に入り込んでしまうことがなく、カバーの被係合部をフランジの凹条部に対応し、アダプタ部のリング壁の外側に位置させた状態にすることができ、確実にカバーを取り外すことができる。即ち、被係合部がフランジの凸条部の下側に入り込んでしまって、カバーを外すときにフランジを引っ掛けてカートリッジタンクごと取り外してしまう事態が防止される。その後、カートリッジタンクを外し、新たなカートリッジタンクに交換する。
【0027】
そして、また、必要に応じ、上記フランジ及び上記カバーの段差部の当接面を、互いに、下向きの傾斜面に形成した構成としている。
これにより、押圧手段による押圧力のベクトルがフランジの中心部側に向けられるようになるので、より一層確実に取付口部の開口端面をアダプタ部の接合面に密着させることができる。
【0028】
また、必要に応じ、上記押圧手段を、上記カバーの内側面に設けられ、上記アダプタ部の係合部に上記カバーの被係合部を係合させて該カバーを装着した際、上記フランジに弾接して上記取付口部の開口の開口端面を上記アダプタ部の接合面に押圧する弾性部材で構成している。
これにより、カバーをアダプタ部に装着すると、弾性部材がフランジに弾接して、この弾性部材の弾性力によってフランジを押圧するようになるので、容易且つ確実に取付口部の開口端面をアダプタ部の接合面に密着させることができる。
【0029】
更に、必要に応じ、上記弾性部材を、一端が上記カバーに固定され他端側が上記フランジに弾接する板バネで構成している。
これにより、カバーをアダプタ部に装着すると、板バネの他端側がフランジに弾接して、この板バネの弾性力によってフランジを押圧するようになるので、容易且つ確実に取付口部の開口端面をアダプタ部の接合面に密着させることができる。また、板バネを、その一端をカバーに固着するだけで構成することができるので、押圧手段を比較的容易に構成することができる。
【0030】
更にまた、必要に応じ、上記カバーの内側面に、上記フランジに対峙する対峙部を形成し、上記弾性部材を、一端が上記対峙部側に位置し、他端が上記フランジ側に当接するコイルスプリングで構成している。
これにより、カバーをアダプタ部に装着すると、コイルスプリングの一端が対峙部に当接し、他端がフランジに当接してコイルスプリングが圧縮され、このコイルスプリングの付勢力によってフランジが押圧されるようになるので、容易且つ確実に取付口部の開口端面をアダプタ部の接合面に密着させることができる。
【0031】
また、必要に応じ、上記カバーの内側面に、上記フランジに対峙する対峙部を形成し、上記弾性部材を、上記対峙部とフランジとの間に介装され上記カートリッジタンクが遊挿されるコイルスプリングで構成している。
これにより、カバーをアダプタ部に装着すると、コイルスプリングの一端側が対峙部に当接し、他端側がフランジに当接してコイルスプリングが圧縮され、このコイルスプリングの付勢力によってフランジが押圧されるようになるので、容易且つ確実に取付口部の開口端面をアダプタ部の接合面に密着させることができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明の潤滑剤用ポンプ装置によれば、カートリッジタンクを、その取付口部の開口端面をアダプタの接合面に接合させてアダプタ部に付設し、この状態で、カバーをカートリッジタンクに被せ、カバーの被係合部をアダプタ部の係合部に係合させて、カバーをアダプタ部に装着すると、押圧手段により、突出部が押圧され、これによって取付口部の開口端面がアダプタ部の接合面に押圧されて密着させられ、カートリッジタンクはアダプタ部に取り付けられる。そのため、カバーを取り付けるだけで、カートリッジタンクの取り付けを行なうことができるので、取り付け作業を容易に行なうことができ、それだけ、操作性を向上させることができる。
【0033】
そして、潤滑ポンプを作動させると、潤滑剤はポンプ部によって吸引されるが、押圧手段により、取付口部の開口端面がアダプタの接合面に押圧されて密着させられるので、ポンプ部側にエアが混入する事態を防止することができる。また、押圧手段により突出部を押圧して取付口部の開口端面をアダプタ部の接合面に密着させているので、カートリッジタンクを押える力を一定とすることができ、そのため、従来のネジ式の場合と比較してねじ込みがきつかったり緩かったりすることがないので、ポンプ部側にエアが混入する不具合を解消することができるとともに、容器本体が破損する事態を防止することができる。
【0034】
また、カートリッジタンクが取り付けられた状態では、押圧手段によりカートリッジタンクの取付口部に設けた突出部を押圧するので、開口端面に近い部分を押圧することから押圧の安定が図られるとともに、容器本体を押圧しないので、容器本体がジャバラ筒状に形成されていても、これを押圧して内圧を生じさせることがなく、そのため、潤滑剤の油分が分離してしまう等の潤滑剤の供給に支障を与えることが防止され、潤滑剤の供給を確実且つ円滑に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の第一の実施の形態に係る潤滑剤用ポンプ装置を示す正面断面図である。
【図2】本発明の第一の実施の形態に係る潤滑剤用ポンプ装置を示す分解斜視図である。
【図3】本発明の第一の実施の形態に係るカートリッジタンクを示し、(a)は正面図、(b)は底面図である。
【図4】本発明の第一の実施の形態に係る突出部を示し、(a)は正面図、(b)は底面図である。
【図5】本発明の第一の実施の形態に係るアダプタ部を示し、(a)は正面図、(b)は正面断面図、(c)は平面図である。
【図6】本発明の第一の実施の形態に係るカバーを示し、(a)は正面図、(b)は要部側面図、(c)は底面図である。
【図7】本発明の第一の実施の形態に係る押圧手段を示す図であり、(a)は要部断面図、(b)は変形例を示す要部断面図である。
【図8】本発明の第一の実施の形態に係る覆栓を示す図である。
【図9】本発明の第一の実施の形態に係る覆栓をアダプタ部に取り付けるときの状態を示す図である。
【図10】本発明の第一の実施の形態に係る潤滑剤用ポンプ装置において、アダプタ部にカートリッジタンク及びカバーを装着するときの状態を示し、(a)はカバーの被係合部がアダプタ部の係合部に対峙した状態を示す平面断面図、(b)はカバーの被係合部がアダプタ部の係合部に係合した状態を示す平面断面図である。
【図11】本発明の第一の実施の形態に係る潤滑剤用ポンプ装置において、アダプタ部にカートリッジタンク及びカバーを装着するときの状態を示し、(a)はカバーの被係合部がアダプタ部の係合部に対峙した状態を示す正面図、(b)はカバーの被係合部がアダプタ部の係合部に係合した状態を示す正面図である。
【図12】本発明の第一の実施の形態に係る潤滑剤用ポンプ装置において、アダプタ部にカートリッジタンク及びカバーを装着するときの状態を示し、(a)はカートリッジタンクのフランジの凸条部がアダプタ部のリング壁の山部に載置された状態を示す平面図、(b)はカートリッジタンクのフランジの凸条部がアダプタ部のリング壁の山部に載置された状態でカバーの被係合部がフランジの凸条部に載った状態を示す正面図である。
【図13】本発明の第二の実施の形態に係る潤滑剤用ポンプ装置を示し、(a)は押圧手段により突出部を押圧した状態で示す正面断面図、(b)は要部拡大断面図である。
【図14】本発明の第三の実施の形態に係る潤滑剤用ポンプ装置を示し、(a)は押圧手段により突出部を押圧した状態で示す正面断面図、(b)は要部拡大断面図である。
【図15】本発明の第四の実施の形態に係る潤滑剤用ポンプ装置を示し、(a)は押圧手段により突出部を押圧した状態で示す正面断面図、(b)は要部拡大断面図である。
【図16】従来のネジ式の潤滑剤用ポンプ装置の一例を示す図である。
【図17】従来の差込式の潤滑剤用ポンプ装置の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施の形態に係る潤滑剤用ポンプ装置を説明する。
図1乃至図12には、本発明の第一の実施の形態に係る潤滑剤用ポンプ装置Sを示している。本発明の潤滑剤用ポンプ装置Sは、流動状の潤滑剤が充填されるカートリッジタンク1と、カートリッジタンク1が着脱可能に取り付けられる樹脂製のアダプタ部21及びカートリッジタンク1内の潤滑剤を吸引して吐出するポンプ部29を有した潤滑ポンプ20と、潤滑ポンプ20のアダプタ部21に着脱可能に設けられ装着時にカートリッジタンク1を覆うカバー30とを備えて構成されている。
【0037】
カートリッジタンク1は、図1乃至図3、図10乃至図12に示すように、潤滑剤が充填され一端が閉塞される円筒状の容器本体2と、容器本体2の他端側に設けられるとともに容器本体2と同軸の開口3が形成される円筒状の取付口部4とを備えて構成されている。
容器本体2は、透明若しくは半透明の樹脂製であり、ジャバラ筒状に形成されている。この容器本体2には、流動状の潤滑剤が充填されている。潤滑剤としては、主にグリスが用いられ、また、必要に応じ、粘度の低いやわらかい、例えばオイル等であっても良い。
取付口部4は、容器本体2の軸線を軸心として容器本体2から突出し、その外径が容器本体2の外径よりも小さく設定されており、その基端部4aの外周に溝6が形成されている。
【0038】
このカートリッジタンク1の取付口部4には突出部10が設けられている。この突出部10は、取付口部4の基端部4aに取付口部4の外周面から突出して設けられ容器本体2の外径よりも大きな外径を有するフランジ11で構成されている。このフランジ11は、図1,図2,図4,図10,図11及び図12に示すように、樹脂で成形され、溝6に嵌合する貫通孔12と、外周縁から貫通孔12に亘って形成され溝6の直径と略同じ幅の切欠き部13とを備えた略C字状の板材で構成されており、取付口部4の基端部4aに対して着脱可能に設けられている。
【0039】
潤滑ポンプ20のアダプタ部21は、図1,図2,図5,図10,図11及び図12に示すように、カートリッジタンク1の取り付け時に取付口部4の開口3の開口端面5が接合する接合面22と、接合面22に入口部23を有し潤滑剤をポンプ部29に導く導通路24とを備えて構成されている。この接合面22は、一般面25から凹み形成された凹部26の底面26aで構成されている。この凹部26は、取付口部4の先端部4b側が差し込まれて嵌合する大きさに形成されている。また、導通路24の入口部23は、接合面22に突設され内部に導通路24に通じる通孔23aが形成された管状に形成されている。この入口部23は、カートリッジタンク1の取り付け時に取付口部4の開口3から容器本体2内部に挿通される。
更に、凹部26の外側には、一般面25から立ち上がりカバー30の装着時にカバー30の後述の遊嵌部31の内側面に対峙し、凹部26と同軸に設けられるリング状のリング壁27が設けられている。
【0040】
カバー30は、図1,図2,図6,図10,図11及び図12に示すように、樹脂製で透明に形成され、一端30aが閉塞されて他端30bに開放口32を有した円筒状に形成されている。また、他端30bから後述の段差部41に至る部位は、アダプタ部21のリング壁27より大径且つ突出部10のフランジ11より大径でリング壁27に遊嵌する遊嵌部31として構成されている。このカバー30の開放口32の外径は、潤滑ポンプ20のアダプタ部21の外径と略同じ大きさに設定されている。
【0041】
また、図1,図2,図5,図6,図10,図11及び図12に示すように、アダプタ部21及びカバー30には、カバー30を装着するための係合部28及び被係合部33が夫々設けられている。この係合部28及び被係合部33は、カバー30の開放口縁部32aをアダプタ部21の一般面25に当接させた状態で、カバー30をその軸線を中心に回転させることによりアダプタ部21の係合部28がカバー30の被係合部33に係合するように構成されている。
アダプタ部21の係合部28は、アダプタ部21のリング壁27の外周面27cに等角度間隔で3つ突設され、カバー30の被係合部33は、カバー30の遊嵌部31の内側面に等角度間隔で3つ突設されている。係合部28及び被係合部33の何れか一方(実施の形態では係合部28)はリング壁27及び遊嵌部31の円周方向に沿う係合凹部28dを備えて形成され、係合部28及び被係合部33の何れか他方(実施の形態では被係合部33)はリング壁27及び遊嵌部31の円周方向に沿い係合凹部28dにカバー30の円周方向の回動によって係脱する係合凸部33aを備えて形成されている。
【0042】
詳しくは、係合部28は、図5(a)に示すように、アダプタ部21のリング壁27の外周面27cに付設され周方向に直交する方向に延びて被係合部33の先端が衝止する衝止突部28aと、衝止突部28aの上端から周方向に延びて所定長さに形成される矩形状の爪部28bと、爪部28bの先端側に切欠き形成される鉤穴部28cとを備えて構成され、爪部28bと一般面25との間に係合凹部28dを形成している。
被係合部33は、カバー30の他端30b側の遊嵌部31の内側面に付設され係合部28の爪部28bと一般面25との間の係合凹部28dに挿通されて係合される矩形状の係合凸部33aと、係合凸部33aに突設され係合凹部28dへの係合時に鉤穴部28cに係合される鉤部33bとを備えて構成されている。
【0043】
また、図1,図2,図6,図7(a),図11及び図12に示すように、カバー30には、カバー30のアダプタ部21に対する装着時に突出部10を押圧して取付口部4の開口3の開口端面5をアダプタ部21の接合面22に押圧する押圧手段40が設けられている。この押圧手段40は、カバー30の内側面に形成され、アダプタ部21の係合部28にカバー30の被係合部33を係合させてカバー30を装着した際、フランジ11に当接して取付口部4の開口3の開口端面5をアダプタ部21の接合面22に押圧する段差部41で構成されている。段差部41は、他端30bより所定深さ位置の内周に沿って形成されており、他端30bから段差部41に至る部位は、アダプタ部21のリング壁27より大径且つ突出部10のフランジ11より大径でリング壁27に遊嵌する遊嵌部31として構成されている。尚、図7(b)に示すように、この段差部41及びフランジ11の当接面42を、互いに、下向きの傾斜面に形成することができる。
【0044】
更に、図2及び図5に示すように、アダプタ部21のリング壁27は、所定間隔で上縁から切り欠いた複数の谷部27aと、谷部27a間に形成され、カバー30を被せたときカバー30の被係合部33がアダプタ部21の係合部28に対峙可能且つカバー30の円周方向の回動によって係合可能な周方向長さを有する山部27bとを備えて構成されている。
一方、図2及び図4に示すように、突出部10を構成するフランジ11は、アダプタ部21のリング壁27の外側に外縁が位置するとともに谷部27aに対応して設けられこの谷部27aにその底面から離間して没入し得る凸条部15と、アダプタ部21のリング壁27の内側に外縁が位置するとともに山部27bに対応して設けられカバー30の被係合部33が通過可能な凹条部16とを備えて構成されている。
また、カバー30の遊嵌部31の内側面には、アダプタ部21の係合部28とは非干渉の位置であって被係合部33を挟む位置に、係合部28及び被係合部33の脱時にフランジ11の被係合部33に衝止する一対の衝止突起39が設けられている。
【0045】
図10(b)に示すように、アダプタ部21のリング壁27の外周の半径をRa,カバー30の遊嵌部31の内周の半径をCa、フランジ11の外縁が位置する円の半径をFaとしたとき、Ra<Fa<Caなる関係に設定し、(Ca−Ra)の隙間範囲に、アダプタ部21の係合部28,カバー30の被係合部33及び衝止突起39が臨むようにしている。そのため、カバー30の遊嵌部31を大きく形成しなくても良くなり、全体を小型に形成することができる。
【0046】
また、図1,図2,図8及び図9に示すように、本第一の実施の形態におけるカートリッジタンク1には、その取付口部4の開口3を覆う樹脂製の覆栓50が設けられている。
この覆栓50には、アダプタ部21の入口部23が取付口部4の開口3に挿入された時、入口部23によって切断される薄肉の切断溝51が形成されている。この切断溝51は、円周溝52と縦溝53とで構成されている。円周溝52は、アダプタ部21の入口部23の口径よりも大きな径の円形状に形成されており、縦溝53は、円周溝52の中心及び円周溝52間に亘って十字状に4本形成されている。この円周溝52と縦溝53とで囲繞される部分には、4つの片部54が形成されている。
【0047】
また、円周溝52の外側には外周部55が形成されている。本実施の形態においては、この外周部55の表面が取付口部4の開口端面5として構成されている。この外周部55(開口端面5)には、アダプタ部21の凹部26の底面26a(接合面22)に当接する円形の突条56が設けられている。
【0048】
更にまた、この覆栓50には、切断溝51が切断されたとき、4つの片部54を夫々支持するヒンジ57が設けられている。このヒンジ57は、片部54と外周部55との間に設けられており、このヒンジ57を介して片部54と外周部55とを接続している。
【0049】
従って、この第一の実施の形態に係る潤滑剤用ポンプ装置Sにおいて、カートリッジタンク1を潤滑ポンプ20に取り付けるときは、先ず、カートリッジタンク1に突出部10としてのフランジ11を取り付け、次に、フランジ11が取り付けられたカートリッジタンク1を、その取付口部4の開口端面5をアダプタ部21の接合面22に接合させてアダプタ部21に付設する。
【0050】
詳しくは、フランジ11を取付口部4の基端部4aに取り付けるときは、切欠き部13から取付口部4の溝6に差し込んで貫通孔12を溝6に嵌合させることにより行なう。差し込むだけで取り付けることができるので、着脱を容易に行なうことができる。
次に、容器本体2を逆さにして取付口部4を下側にする。このとき、取付口部4の開口3は覆栓50によって被覆されており、この覆栓50が潤滑剤を受け止めるので、粘度の低いやわらかい潤滑剤を使用した場合でも、潤滑剤が取付口部4から漏れることを防止できる。
【0051】
そして、取付口部4をアダプタ部21の凹部26に挿入してアダプタ部21に付設する。この場合、図10(a)に示すように、フランジ11の凸条部15がアダプタ部21のリング壁27の谷部27aに入り込むようにして、カートリッジタンク1を、その取付口部4の開口端面5をアダプタ部21の接合面22に接合させてアダプタ部21に付設する。このとき、接合面22に突設された入口部23が覆栓50の表面と接触し、更に挿入すると、入口部23によって覆栓50の中心から縦溝53が切断され、4つの片部54が入口部23によって覆栓50の中心を頂点として持ち上げられるようになる。これにより、円周溝52が切断され、片部54が容器本体2内に入り込むようになる。切断溝51が切断されると、入口部23が取付口部4の開口3に挿通される。
【0052】
入口部23が取付口部4の開口3に挿通された状態で、更にカートリッジタンク1を凹部26に挿入していくと、覆栓50の外周部55の表面(開口端面5)に設けられた円形の突条56が、接合面22に当接するようになる。このとき、この突条56によって、開口端面5と接合面22とは略線接触で当接するようになる。この場合、開口端面5と接合面22とを面接触で当接させた場合と比較して、接触場所に掛かる圧力が大きくなり、そのため、シール性が良くなる。
【0053】
この状態では、入口部23と容器本体2内とが連通されるようになり、容器本体2内に充填されている潤滑剤が入口部23の通孔23aを通過して流出し導通路24を通って潤滑ポンプ20に供給可能になる。
また、このとき、片部54はヒンジ57によって支持されているので、片部54はヒンジ57を介して外周部55に接続され、片部54が覆栓50から離脱させられて容器本体2内の潤滑剤を遊動することを防止することができる。これにより、片部54が潤滑剤を遊動して入口部23を塞ぐことを防止でき、そのため、確実に潤滑剤を潤滑ポンプ20に供給できるようになる。
【0054】
また、カートリッジタンク1の取付口部4をアダプタ部21の凹部26に挿入して付設するので、カートリッジタンク1を仮支持することができ、そのため、カバー30を装着しやすくなるとともに、カバー30の装着時にカートリッジタンク1をずれにくくすることができる。
【0055】
この状態で、図10(a)及び図11(a)に示すように、カバー30を、その被係合部33及び衝止突起39がフランジ11の凹条部16を通ってアダプタ部21のリング壁27の山部27bの外側に位置し且つカバー30の被係合部33がアダプタ部21の係合部28に対峙するように被せ、それから、図10(b)及び図11(b)に示すように、カバー30を周方向に回転させてカバー30の被係合部33をアダプタ部21の係合部28に係合させて、カバー30をアダプタ部21に装着する。
詳しくは、カバー30をカートリッジタンク1に被せて、カバー30の開放口縁部32aをアダプタ部21の一般面25に当接させ、この状態で、カバー30をその軸線を中心に回転させる。カバー30を回転させると、カバー30の係合凸部33aがアダプタ部21の爪部28bと一般面25との間の係合凹部28dに挿通され、係合凸部33aの先端が衝止突部28aに衝止するとともに、鉤部33bが鉤穴部28cに係合するようになる。即ち、爪部28b及び係合凸部33aによってカバー30がその軸線方向に移動することを防止し、鉤部33b及び鉤穴部28cによってカバー30の回転を係止するので、カバー30をアダプタ部21に確実に装着することができる。
【0056】
この場合、図12(a)及び図12(b)に示すように、カートリッジタンク1のフランジ11の凸条部15がアダプタ部21のリング壁27の山部27bに載置された状態であっても、カートリッジタンク1をカバー30を被せて取り付けることができる。即ち、この場合には、フランジ11の凸条部15がリング壁27の山部27bに載って、カートリッジタンク1の取付口部4の開口端面5をアダプタ部21の接合面22に押圧することができないが、カバー30を被せると、カバー30の被係合部33がフランジ11の凸条部15に載り(図12(b)に示す状態)、あるいは、カバー30の被係合部33が係合部28に載り(図示せず)、あるいはまた、カバー30の段差部41がフランジ11の凸条部15に載る状態(図示せず)になり、この状態で、カバー30を回転させることにより、図10(a)に示すように、摩擦抵抗でフランジ11を周方向に回転させて、フランジ11の凸条部15をアダプタ部21のリング壁27の谷部27aに入り込ませることができる。
【0057】
この状態で、カバー30の被係合部33がアダプタ部21のリング壁27の山部27bの外側に位置し且つカバー30の被係合部33がアダプタ部21の係合部28に対峙すれば良いが、フランジ11の凸条部15がアダプタ部21のリング壁27の谷部27aに入り込んでも、カバー30の被係合部33がフランジ11の凸条部15に載り(図示せず)、あるいは、カバー30の被係合部33が係合部28に載る状態(図示せず)にあると、カバー30の被係合部33をアダプタ部21の係合部28に係合させることができない。
しかしながら、この状態でも、更にカバー30を回転させることによりカバー30の被係合部33をずらせて、図10(a)及び図11(a)に示すように、カバー30の被係合部33をフランジ11の凹条部16を通ってアダプタ部21のリング壁27の山部27bの外側に位置させ且つカバー30の被係合部33をアダプタ部21の係合部28に対峙させることができ、これにより、図10(b)及び図11(b)に示すように、カバー30を周方向に回転させて被係合部33を係合部28に係合させて、カバー30をアダプタ部21に装着することができる。
この結果、カバー30の被係合部33がフランジ11の凸条部15やアダプタ部21の係合部28に載って干渉しても、カバー30を回転によりずらして、正規の位置に位置させることができるので、最初から干渉しないようにアダプタ部21のリング壁27をフランジ11より大きくし、更に、カバー30の遊嵌部31を大きく形成しなくても良くなり、その結果、全体を小型に形成することができるようになるという効果を奏する。
【0058】
カバー30をアダプタ部21に装着すると、フランジ11の外径はカートリッジタンク1の容器本体2の外径より大きいので、カバー30が確実にカートリッジタンク1を覆うとともに、カバー30に設けられた押圧手段40としての段差部41が突出部10としてのフランジ11に当接して押圧するようになる。フランジ11が押圧されると、取付口部4が押えつけられて、取付口部4の開口端面5がアダプタ部21の接合面22に密着させられる。
【0059】
このとき、図7(b)に示すように、段差部41及びフランジ11の当接面42が、互いに下向きの傾斜面に形成されている場合には、段差部41による押圧力のベクトルがフランジ11の中心部側に向けられるようになるので、より一層確実に取付口部4の開口端面5をアダプタ部21の接合面22に密着させることができる。
【0060】
この場合、押圧手段40により突出部10が押圧され、これによって取付口部4の開口端面5がアダプタ部21の接合面22に押圧されて密着させられ、カートリッジタンク1はアダプタ部21に取り付けられるので、カバー30を装着するだけで、カートリッジタンク1の取り付けを行なうことができ、そのため、取り付け作業を容易に行なうことができ、それだけ、操作性を向上させることができる。
【0061】
また、カバー30をアダプタ部21に装着すると、カバー30の段差部41がフランジ11に当接するようになるので、容易且つ確実に取付口部4の開口端面5をアダプタ部21の接合面22に密着させることができる。また、カバー30に段差部41を形成するだけで押圧手段40を構成することができるので、押圧手段40を比較的簡易な構成とすることができる。
【0062】
そして、カートリッジタンク1をアダプタ部21に取り付けた状態で潤滑ポンプ20を作動させる。潤滑ポンプ20を作動させると、ポンプ部29によってカートリッジタンク1内の潤滑剤が吸引され、この吸引された潤滑剤が入口部23から導通路24を通ってポンプ部29内に入り、ポンプ部29から所望の位置に吐出される。この場合、潤滑剤はポンプ部29によって吸引されるが、押圧手段40により、取付口部4の開口端面5がアダプタ部21の接合面22に押圧されて密着させられているので、ポンプ部29側にエアが混入する事態を防止することができる。また、押圧手段40により突出部10を押圧して取付口部4の開口端面5をアダプタ部21の接合面22に密着させているので、カートリッジタンク1を押える力を一定とすることができ、そのため、従来のネジ式の場合と比較してねじ込みがきつかったり緩かったりすることがないので、ポンプ部29側にエアが混入する不具合を解消することができるとともに、容器本体2が破損する事態を防止することができる。
【0063】
また、カートリッジタンク1が取り付けられた状態では、押圧手段40によりカートリッジタンク1の取付口部4に設けた突出部10を押圧するので、開口端面5に近い部分を押圧することから押圧の安定が図られるとともに、容器本体2を押圧しないので、容器本体2がジャバラ筒状に形成されていても、これを押圧して内圧を生じさせることがなく、そのため、潤滑剤の油分が分離しまう等の潤滑剤の供給に支障を与えることが防止され、潤滑剤の供給を確実且つ円滑に行なうことができる。
【0064】
その後、容器本体2内の潤滑剤が無くなったならば、カートリッジタンク1の交換を行なう。この場合、カートリッジタンク1を潤滑ポンプ20から取り外すが、このときは、先ず、カバー30を回転させてカバー30の被係合部33のアダプタ部21の係合部28に対する係合を解除して外す。この場合、カバー30には衝止突起39があるので、回転時にフランジ11の凸条部15の側面に衝止する。そのため、カバー30が回り過ぎて被係合部33がフランジ11の凸条部15の下側に入り込んでしまうことがなく、図11(a)に示すように、カバー30の被係合部33をフランジ11の凹条部16に対応し、アダプタ部21のリング壁27の外側に位置させた状態にすることができ、確実にカバー30を取り外すことができる。即ち、被係合部33がフランジ11の凸条部15の下側に入り込んでしまって、カバー30を外すときにフランジ11を引っ掛けてカートリッジタンク1ごと取り外してしまう事態が防止される。その後、カートリッジタンク1を外し、新たなカートリッジタンク1に交換する。
【0065】
この際には、使用済みのカートリッジタンク1からフランジ11を取り外して、このフランジ11を新たなカートリッジタンク1に取り付けて使用する。即ち、フランジ11を再利用することができるので、製造コストを低減させることができる。また、フランジ11を取付口部4の基端部4aに一体形成した場合と比較して、カートリッジタンク1を比較的容易に製造することができる。
【0066】
図13には、本発明の第二の実施の形態に係る潤滑剤用ポンプ装置Sを示している。本第二の実施の形態に係る潤滑剤用ポンプ装置Sは、第一の実施の形態とは、押圧手段40の構成が異なっている。
押圧手段40は、カバー30の遊嵌部31の内側面に設けられ、アダプタ部21の係合部28にカバー30の被係合部33を係合させてカバー30を装着した際、フランジ11に弾接して取付口部4の開口3の開口端面5をアダプタ部21の接合面22に押圧する弾性部材43で構成されている。この弾性部材43は、一端44aがカバー30に固定され他端44b側がフランジ11に弾接する板バネ44で構成されている。
【0067】
これにより、カバー30をアダプタ部21に装着すると、板バネ44の他端44b側がフランジ11に弾接して、この板バネ44の弾性力によってフランジ11を押圧するようになる。そのため、容易且つ確実に取付口部4の開口端面5をアダプタ部21の接合面22に密着させることができる。また、板バネ44を、その一端44aをカバー30に固着するだけで構成することができるので、押圧手段40を比較的容易に構成することができる。
その他の構成,作用,効果は上記第一の実施の形態と同様である。
【0068】
図14には、本発明の第三の実施の形態に係る潤滑剤用ポンプ装置Sを示している。本第三の実施の形態に係る潤滑剤用ポンプ装置Sは、第二の実施の形態の弾性部材43の構成を異ならせたものである。
第三の実施の形態に係る潤滑剤用ポンプ装置Sにおいて、カバー30は、その遊嵌部31の内側面にフランジ11に対峙する対峙部34が形成されている。この対峙部34は、フランジ11に対峙する対峙面34aと、対峙面34aから凹む凹所34bとで構成されている。この対峙部34は、カバー30の周方向に沿って等間隔で複数設けられている。
また、フランジ11の上面には、カバー30の回転によってカバー30と同方向に回転可能且つフランジ11に摺接可能な板状のリング14が設けられている。
そして、弾性部材43は、一端45aが対峙部34側に位置し、他端45bがフランジ11側に当接するコイルスプリング45で構成されている。
【0069】
これにより、カバー30をアダプタ部21に装着すると、コイルスプリング45の一端45aが対峙部34の凹所34bに挿入されて凹所34bの底面に当接し、他端45bがリング14に当接してコイルスプリング45が圧縮される。この状態で、カバー30を、その軸線を中心に回転させて被係合部33をアダプタ部21の係合部28に係合させようとすると、カバー30の回転に伴ってリング14も同方向に回転するようになるので、コイルスプリング45も同様に移動するようになり、そのため、カバー30を回転させてもコイルスプリング45の付勢力によってリング14及びフランジ11を確実に押圧することができるので、容易且つ確実に取付口部4の開口端面5をアダプタ部21の接合面22に密着させることができる。
その他の構成,作用,効果は、上記第二の実施の形態と同様である。
【0070】
図15には、本発明の第四の実施の形態に係る潤滑剤用ポンプ装置Sを示している。本第四の実施の形態に係る潤滑剤用ポンプ装置Sは、第二及び第三の実施の形態の弾性部材43の構成を異ならせたものである。
第四の実施の形態に係る潤滑剤用ポンプ装置Sにおいて、カバー30は、その遊嵌部31の内側面にフランジ11に対峙する対峙部35が形成されている。この対峙部35は、フランジ11に対峙する対峙面35aを有して構成されている。
そして、弾性部材43は、対峙部35とフランジ11との間に介装されカートリッジタンク1が遊挿されるコイルスプリング46で構成されている。このコイルスプリング46は、フランジ11の外径より僅かに小さい外径を有している。
【0071】
これにより、カバー30をアダプタ部21に装着すると、コイルスプリング46の一端46a側が対峙面35aに当接し、他端46b側がフランジ11に当接してコイルスプリング46が圧縮される。このコイルスプリング46はフランジ11の外径と略同じ大きさの径を有しているので、カバー30を、その軸線を中心に回転させて被係合部33をアダプタ部21の係合部28に係合させようとしてもコイルスプリング46の一端46a側は確実にカバー30の対峙面35aに当接するようになり、そのため、コイルスプリング46の付勢力によってフランジ11を確実に押圧することができるので、容易且つ確実に取付口部4の開口端面5をアダプタ部21の接合面22に密着させることができる。
【0072】
尚、上記実施の形態において、容器本体2をジャバラ筒状に形成したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、円筒状等どのような形状に形成しても良く、適宜変更して差支えない。
また、上記実施の形態において、カートリッジタンク1を、取付口部4の外径よりも容器本体2の外径を大きく形成したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、取付口部4の外径と容器本体2の外径とが同じに形成された、所謂寸胴タイプであっても良く、適宜変更して差支えない。
【0073】
尚また、上記実施の形態において、取付口部4に覆栓50を設けて取付口部4の開口端面5を覆栓50の外周部55の表面で構成したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、覆栓50を設けなくても良く、適宜変更して差支えない。この場合、取付口部4の開口端面5は、取付口部4の開口3の開口縁部で構成される。
また、上記実施の形態において、接合面22を凹部26の底面26aで構成したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、一般面25の一部で構成しても良く、適宜変更して差支えない。
【符号の説明】
【0074】
S 潤滑剤用ポンプ装置
1 カートリッジタンク
2 容器本体
3 開口
4 取付口部
5 開口端面
6 溝
10 突出部
11 フランジ
12 貫通孔
13 切欠き部
14 リング
15 凸条部
16 凹条部
20 潤滑ポンプ
21 アダプタ部
22 接合面
23 入口部
24 導通路
25 一般面
26 凹部
27 リング壁
27a 谷部
27b 山部
27c 外周面
28 係合部
28d 係合凹部
29 ポンプ部
30 カバー
30a 一端
30b 他端
31 遊嵌部
32 開放口
33 被係合部
33a 係合凸部
34 対峙部
35 対峙部
39 衝止突起
40 押圧手段
41 段差部
42 当接面
43 弾性部材
44 板バネ
45 コイルスプリング
46 コイルスプリング
50 覆栓
51 切断溝
52 円周溝
53 縦溝
54 片部
55 外周部
56 突条
57 ヒンジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流動状の潤滑剤が充填されるカートリッジタンクを備え、該カートリッジタンクを、上記潤滑剤が充填される筒状の容器本体と、該容器本体に設けられ開口が形成された取付口部とを備えて構成し、
上記カートリッジタンクが着脱可能に取り付けられるアダプタ部及び該カートリッジタンク内の潤滑剤を吸引して吐出するポンプ部を有した潤滑ポンプを備え、該潤滑ポンプのアダプタ部を、上記カートリッジタンクの取り付け時に上記取付口部の開口の開口端面が接合する接合面と、該接合面に入口部を有し潤滑剤を上記ポンプ部に導く導通路とを備えて構成し、
上記アダプタ部に着脱可能に設けられ装着時に上記カートリッジタンクを覆うカバーを備え、
上記アダプタ部及び上記カバーに該カバーを装着するための係合部及び被係合部を夫々設けた潤滑剤用ポンプ装置において、
上記カートリッジタンクの取付口部に、突出部を設け、
上記カバーに、該カバーの上記アダプタ部に対する装着時に上記突出部を押圧して上記取付口部の開口の開口端面を上記アダプタ部の接合面に押圧する押圧手段を設けたことを特徴とする潤滑剤用ポンプ装置。
【請求項2】
上記突出部を、上記取付口部の基端部に該取付口部の外周面から突出して設けられ上記容器本体の外径よりも大きな外径を有するフランジで構成したことを特徴とする請求項1記載の潤滑剤用ポンプ装置。
【請求項3】
上記フランジを、上記取付口部の基端部に着脱可能にしたことを特徴とする請求項2記載の潤滑剤用ポンプ装置。
【請求項4】
上記取付口部の基端部外周に溝を形成し、上記フランジを、上記溝に嵌合する貫通孔と、外周縁から上記貫通孔に亘って形成され上記溝の直径と略同じ幅の切欠き部とを備えた板材で構成したことを特徴とする請求項3記載の潤滑剤用ポンプ装置。
【請求項5】
上記押圧手段を、上記カバーの内側面に形成され、上記アダプタ部の係合部に上記カバーの被係合部を係合させて該カバーを装着した際、上記フランジに当接して上記取付口部の開口の開口端面を上記アダプタ部の接合面に押圧する段差部で構成したことを特徴とする請求項2乃至4何れかに記載の潤滑剤用ポンプ装置。
【請求項6】
上記カートリッジタンクを、上記潤滑剤が充填され一端が閉塞される円筒状の容器本体と、該容器本体の他端側に設けられるとともに容器本体と同軸の開口が形成され上記容器本体の外径よりも小さい外径を有する円筒状の取付口部とを備えて構成し、
上記アダプタ部を、上記カートリッジタンクの取付口部が挿通され底面が接合面として構成される凹部と、該凹部の外側に該凹部と同軸に設けられるリング状のリング壁とを備えて構成し、
上記カバーを、一端が閉塞され他端に開放した開放口を有した円筒状に形成し、上記段差部を、上記他端より所定深さ位置の内周に沿って形成し、該他端から段差部に至る部位を上記アダプタ部のリング壁より大径且つ上記突出部のフランジより大径で該リング壁に遊嵌する遊嵌部として構成し、
上記アダプタ部の係合部を該アダプタ部のリング壁の外周面に突設し、上記カバーの被係合部を該カバーの遊嵌部の内側面に突設し、係合部及び被係合部の何れか一方をリング壁及び遊嵌部の円周方向に沿う係合凹部を備えて形成し、係合部及び被係合部の何れか他方をリング壁及び遊嵌部の円周方向に沿い上記係合凹部に上記カバーの円周方向の回動によって係脱する係合凸部を備えて形成し、
上記アダプタ部のリング壁を、所定間隔で上縁から切り欠いた複数の谷部と、該谷部間に形成され、上記カバーを被せたとき該カバーの被係合部が上記アダプタ部の係合部に対峙可能且つ該カバーの円周方向の回動によって係合可能な周方向長さを有する山部とを備えて構成し、
上記突出部を構成するフランジを、上記アダプタ部のリング壁の外側に外縁が位置するとともに上記谷部に対応して設けられ該谷部にその底面から離間して没入し得る凸条部と、上記アダプタ部のリング壁の内側に外縁が位置するとともに上記山部に対応して設けられ上記カバーの被係合部が通過可能な凹条部とを備えて構成し、
上記カバーの遊嵌部の内側面に、上記アダプタ部の係合部とは非干渉の位置であって被係合部を挟み上記係合部及び被係合部の脱時に上記フランジの被係合部に衝止する衝止突起を設けたことを特徴とする請求項5記載の潤滑剤用ポンプ装置。
【請求項7】
上記フランジ及び上記カバーの段差部の当接面を、互いに、下向きの傾斜面に形成した
ことを特徴とする請求項5または6記載の潤滑剤用ポンプ装置。
【請求項8】
上記押圧手段を、上記カバーの内側面に設けられ、上記アダプタ部の係合部に上記カバーの被係合部を係合させて該カバーを装着した際、上記フランジに弾接して上記取付口部の開口の開口端面を上記アダプタ部の接合面に押圧する弾性部材で構成したことを特徴とする請求項2乃至4何れかに記載の潤滑剤用ポンプ装置。
【請求項9】
上記弾性部材を、一端が上記カバーに固定され他端側が上記フランジに弾接する板バネで構成したことを特徴とする請求項8記載の潤滑剤用ポンプ装置。
【請求項10】
上記カバーの内側面に、上記フランジに対峙する対峙部を形成し、
上記弾性部材を、一端が上記対峙部側に位置し、他端が上記フランジ側に当接するコイルスプリングで構成したことを特徴とする請求項8記載の潤滑剤用ポンプ装置。
【請求項11】
上記カバーの内側面に、上記フランジに対峙する対峙部を形成し、
上記弾性部材を、上記対峙部とフランジとの間に介装され上記カートリッジタンクが遊挿されるコイルスプリングで構成したことを特徴とする請求項8記載の潤滑剤用ポンプ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−72806(P2012−72806A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−216843(P2010−216843)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(591231926)リューベ株式会社 (25)
【Fターム(参考)】