説明

潤滑剤組成物及び転がり軸受

【課題】適用箇所における耐摩耗性や耐久性、低トルク化をより向上させ得る潤滑剤組成物、並びに低トルクで、耐摩耗性や耐久性に優れ長寿命の転がり軸受を提供する。
【解決手段】基油に、特定のウレア化合物と、ベンジリデンソルビトール誘導体とを合計で10〜30質量%の割合で配合した潤滑剤組成物、並びに前記潤滑剤組成物を封入した転がり軸受。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種産業機械や各種モータ、自動車部品等に組み込まれる転がり軸受、並びに前記転がり軸受に好適な潤滑剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、各種産業機械や各種モータ、自動車部品に組み込まれる転がり軸受には、潤滑性を付与するためにグリースや潤滑油が使用されている。このうち、グリースは、軸受に密封できるという利点があり、転がり軸受では非常に広く使用されている。反面、潤滑油を供給する油潤滑方式に比べてグリースは流動性が悪いため、転送面への供給性が悪く、潤滑不足から種々の不具合を招く可能性がある。
【0003】
このような背景から、増ちょう剤と少量のゲル化剤とを併用することにより、せん断・熱が加えられたときに流動性が発現し、せん断・熱を取り除くと再硬化するグリース組成物が提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開昭58−219297号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のグリース組成物は、転がり軸受の回転時には、軸受転送面では増ちょう剤量が少なくなり発熱が抑えられ、軸受転送面から排出されたグリース組成物はせん断を受けることがないため硬化して漏洩や異物混入を防ぐことができる。しかし、軸受転送面から排出されたグリース組成物が再度軸受転送面に流入しないと、発熱は抑えられても、潤滑不足のために耐摩耗性や耐久性の向上には至らない。
【0006】
近年、各種産業機械や各種モータ、自動車部品に組み込まれる転がり軸受は、高速化が一層進んでおり、耐摩耗性や耐久性の更なる改善に加え、低トルク化が望まれている。そこで本発明は、適用箇所におけるこれらの特性をより向上させ得る潤滑剤組成物、並びに低トルクで、耐摩耗性や耐久性に優れ長寿命の転がり軸受を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は下記の潤滑剤組成物及び転がり軸受を提供する。
(1)基油に、下記一般式(1)または(2)で表されるウレア化合物と、ベンジリデンソルビトール誘導体とを合計で10〜30質量%の割合で配合したことを特徴とする潤滑剤組成物。
【0008】
【化2】

【0009】
〔(1)式中、C2m+1及びC2n+1は直鎖アルキル基であり、m+nは16〜36である。また、(2)式中、C2x+1及びC2y+1は直鎖アルキル基であり、x+yは20〜36である。〕
(2)基油がエステル油であることを特徴とする上記(1)記載の潤滑剤組成物。
(3)(ウレア化合物/ベンジリデンソルビトール誘導体)重量比が0.1〜1,0であることを特徴とする上記(1)または(2)記載の潤滑剤組成物。
(4)NSKグリースノイズテスターによるグリースノイズカウントの120秒値が50カウント以下であることを特徴とする上記(1)〜(3)の何れか1項に記載の潤滑剤組成物。
(5)内輪と外輪との間に複数の転動体を転動自在に保持し、かつ、上記(1)〜(4)の何れか1項に記載の潤滑剤組成物を封入したことを特徴とする転がり軸受。
【発明の効果】
【0010】
本発明の潤滑剤組成物は、せん断力が加わる状態では油状(降伏値を持たない)となり、せん断力が加わらない状態では固まってゲル状(降伏値の大きい状態)となる。そのため、転がり軸受に封入した場合、転送面から排出されても、保持器とシールとの隙間や転送面付近に存在する潤滑剤組成物スとの接触で生じる極く弱いせん断力により油状となり、転送面に再度供給され、潤滑不足による摩耗が抑えられて長寿命となり、低トルク化も図られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明に関して詳細に説明する。
【0012】
〔潤滑剤組成物〕
本発明の潤滑剤組成物は、基油に、下記一般式(1)または(2)で表されるウレア化合物と、ベンジリデンソルビトール誘導体とを配合したものである。
【0013】
【化3】

【0014】
(1)式中、C2m+1及びC2n+1は直鎖アルキル基であり、m+nは16〜36である。また、(2)式中、C2x+1及びC2y+1は直鎖アルキル基であり、x+yは20〜36である。
【0015】
基油としては、ウレア化合物及びベンジリデンソルビトール誘導体との親和性が高く、これらを完全に溶解できることからエステル油が好ましい。エステル油としては、制限はないが、芳香族系三塩基酸または芳香族系四塩基酸と、分岐アルコールとの反応から得られる芳香族エステル油、一塩基酸と多価アルコールとの反応から得られるポリオールエステル油等を好適に挙げることができる。
【0016】
具体的には、芳香族エステル油としては、芳香族系三塩基酸と分岐アルコールとの反応から得られるエステル油としてピロメリット酸エステル油、トリメシン酸エステル油、具体的にはトリオクチルトリメリテートやトリデシルトリメリテート、芳香族系四塩基酸と分岐アルコールとの反応から得られるピロメリット酸エステル油、具体的にはテトラオクチルピロメリテート等が挙げられる。
【0017】
また、ポリオールエステル油としては、以下に示す多価アルコールと一塩基酸とを適宜組み合わせて反応させて得られるものが挙げられる。尚、一塩基酸は単独でもよいし、複数を用いてもよい。更に、多価アルコールと二塩基酸・一塩基酸の混合脂肪酸とのオリゴエステルであるコンプレックスエステルとして用いてもよい。多価アルコールとしては、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ネオペンチルグルコール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。一方、一塩基酸としては、主に炭素数4〜16の一価脂肪酸が用いられ、具体的には、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、エナント酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミステリン酸、パルミチン酸、牛脂脂肪酸、ステアリン酸、カプロレイン酸、パルミトレイン酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、エライジン酸、アスクレピン酸、バクセン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノイン酸、アビニン酸、リシノール酸等が挙げられる。
【0018】
上記のウレア化合物は、ジイソシアネートと、モノアミンとを反応させて得られる。ジイソシアネートとしては、一般式(1)で表されるウレア化合物ではヘキサメチレンジイソシアネートを、一般式(2)で表されるウレア化合物では4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネートを用いる。一方、モノアミンとしては、一般式(1)で表されるウレア化合物では直鎖のC2m+1を有する脂肪族アミン及び直鎖のC2n+1を有する脂肪族アミンを用い、一般式(2)で表されるウレア化合物では直鎖のC2x+1を有する脂肪族アミン及び直鎖のC2y+1を有する脂肪族アミンを用いる。尚、m+nは16〜36であり、x+yは20〜36であるが、炭素数が多いほど基油、特にエステル油との親和性が高く、好ましい。
【0019】
ベンジリデンソルビトール誘導体としては、ジベンジリデンソルビトール、ジトリリデンソルビトール、非対称のジアルキルベンジリデンソルビトール等を好適に挙げることができる。
【0020】
ベンジリデンソルビトール誘導体は、数質量%の添加量で基油をNLGI No.2〜No.3程度の硬さに増ちょうできる能力を備えている。また、せん断を受けた時に結晶粒子が分散して流動性を示し、せん断を受けない時には結晶粒子が凝集して流動性を示さなくなるという、流動−復元可逆性を有する。しかし、せん断の有無を繰り返すうちに短時間での構造復元が困難になり、軟化するようになる。そこで、この流動−復元可逆性が緩やかであるウレア化合物を併用することにより、ベンジリデンソルビトール流動体の結晶粒子がウレア化合物の結晶粒子を架橋して再凝集し易くなり、安定した流動−復元可逆性が得られるようになる。
【0021】
このような作用を効果的に得るために、ウレア化合物とベンジリデンソルビトール誘導体とを、(ベンジリデンソルビトール誘導体/ウレア化合物)重量比で0.1〜1.0となるように混合する。この混合比が0.1未満であると、ベンジリデンソルビトール誘導体の結晶粒子の凝集が起こり難く、せん断を受けない時に増ちょう剤網目構造の復元が遅くなり、適用箇所から漏洩しやすくなる。一方、この混合比が1を超えると、分散・凝集の可逆性が損なわれ、漏洩しやすくなる。
【0022】
また、ウレア化合物及びベンジリデンソルビトール誘導体は、共に増ちょう剤として機能する。そのため、両者の合計で、潤滑剤組成物全量の10〜30質量%を占めるように配合される。合計での配合量が10質量%未満では潤滑剤組成物が初期から柔らかすぎて適用箇所から漏洩しやすく、30質量%を超える流動性が低く適用箇所に十分な潤滑性を付与できない。
【0023】
本発明の潤滑剤組成物は、せん断力が加わる状態ではウレア化合物とベンジリデンソルビトール誘導体とからなる網目構造が切断され、ウレア化合物の結晶粒子及びベンジリデンソルビトール誘導体の結晶粒子が配向され著しい硬さ変化が起こり、油状となる。一方、せん断が加わらない状態では網目構造が復元してゲル状となる。従って、転がり軸受に封入した場合、作動時に一部の潤滑剤組成物は転送面から排出されても、保持器とシールとの隙間や転送面付近に存在する潤滑剤組成物と接触すると、極く弱いせん断力が加わり流動性が付与され、転送面に再度供給される。このように、潤滑剤組成物は、潤滑油に近い良好な流動性を有し、低トルクで、耐久性能が良好となる。また、シールに付着した潤滑剤組成物は、せん断力が加わらない状態となるため、ゲル状となり漏洩を防止することもできる。
【0024】
潤滑剤組成物には、その用途に応じて添加剤を配合することにより、各種性能を向上させることができる。例えば、揺動運動用転がり軸受の潤滑に使用する場合、アミン系、フェノール系、硫黄系、ジチオリン酸亜鉛、ジチオカルバミン酸亜鉛等の酸化防止剤;スルホン酸金属塩、エステル系、アミン系、ナフテン酸金属塩、コハク酸誘導体等の防錆剤;リン系、ジチオリン酸亜鉛、有機モリブデン等の極圧剤;脂肪酸、動植物油等の油性向上剤;ベンゾトリアゾール等の金属不活性化剤等をそれぞれ単独で、あるいは適宜組み合わせて添加することができる。尚、これら添加剤の添加量は、本発明の目的を損なわない範囲であれば特に制限されるものではない。
【0025】
[転がり軸受]
本発明はまた、上記の潤滑剤組成物を封入した転がり軸受を提供する。転がり軸受の種類や構造には制限がなく、例えば図1に断面図で示す玉軸受1を例示するが、内輪10と外輪11との間に、保持器12を介して複数の転動体である玉13を転動自在に保持し、内輪10と外輪11との間に上記の潤滑剤組成物Gを充填し、シール部材14で封止して構成される。
【0026】
本発明の転がり軸受は、上記したように、潤滑剤組成物の作用により、送面に再供給され、潤滑不足による摩耗が抑えられて長寿命となり、低トルク化も図られている。
【実施例】
【0027】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。
【0028】
(実施例1)
第1の容器にて、42部のペンタエリスリトールエステル(PET)にヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)を4部添加して溶解し、70℃まで加熱した。第2の容器にて、45部のPETにオクチルアミン(CNH)を6部溶解した。そして、第1の容器に第2の容器の内容物を入れ、攪拌しながら徐々に昇温して140℃で30分保持してウレア化合物を合成した。次いで、第1の容器にジベンジリデンソルビトール(DBS)を3部添加し、十分に攪拌して混合した後、195℃まで昇温してウレア化合物とDBSとを完全に溶解させた。次いで、予め水冷したアルミニウム製バットに第1の容器の内容物を流し込み、バットを流水で冷却することでゲル状物を得た。そして、ゲル状物を3本ロールミルにかけて供試潤滑剤組成物を得た。
【0029】
(実施例2〜6)
表1に示す基油、ジイソシアネート、モノアミン及びベンジリデンソルビトール誘導体を用い、実施例1に準じて供試潤滑剤組成物を得た。
【0030】
(比較例1)
PET中で、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)とシクロへキシルアミン(CHA)とを反応させてウレア化合物を合成し、供試潤滑剤組成物を得た。
【0031】
(比較例2)
PETにDBSを添加して供試潤滑剤組成物を得た。
【0032】
(比較例3)
鉱油(MO)に、12ヒドロキシステアリン酸リチウム及びDBSを配合して供試潤滑剤組成物を得た。
【0033】
(比較例4)
MO中で、MDIとp−トルイジンとを反応させてウレア化合物を合成し、N−アシルアミノ酸ジアミドを添加して供試潤滑剤組成物を得た。
【0034】
(比較例5)
PET中で、HDIとCNHとを反応させてウレア化合物を合成し、供試潤滑剤組成物を得た。
【0035】
(比較例6)
PET中で、トリレンジイソシアネート(TDI)とCNHとを反応させてウレア化合物を合成し、DBSを添加して供試潤滑剤組成物を得た。
【0036】
上記の各供試潤滑剤組成物について、下記の評価を行なった。
【0037】
(1)せん断の有無と見かけ粘度との関係
実施例1の供試潤滑剤組成物と比較例1の供試潤滑剤組成物とを用い、初期の見かけ粘度(図中●)、せん断を1回受けた後の見かけ粘度(図中▲)、せん断を1回受け所定時間放置した後の見かけ粘度(図中■)、放置後更にせん断を受けたとき(せん断2回目)の見かけ粘度(図中◆)を測定した。図2に実施例1の供試潤滑剤組成物の測定結果を示すが、せん断を受けたときに油状となって流動性を示し、放置すると元の硬さのゲル状に戻る特性を有することがわかる。一方、図3に比較例1の供試潤滑剤組成物の測定結果を示すが、ウレア化合物のみを含むため、せん断を受けた時と放置時とで見かけ粘度の変化が少ない。
【0038】
(2)混和ちょう度、不混和ちょう度の評価
各供試潤滑剤組成物について、混和ちょう度(60W)と不混和ちょう度(0W)との差を求めた。結果を表1及び表2に示すが、50以上を合格とした。
【0039】
(3)流動−復元可逆性試験
各供試潤滑剤組成物を、自転−公転式攪拌機(せん断条件:自転1370r/min、公転1370r/min、3min)で攪拌して不混和ちょう度を測定した後、40℃で3時間放置して不混和ちょう度を測定するサイクルを4回繰り返した。結果を表1及び表2に示すが、1回目のせん断後の不混和ちょう度と、2〜4回のせん断後の各不混和ちょう度との差、並びに1回目の放置後の不混和ちょう度と、2〜4回目の放置後の各不混和ちょう度との差が、何れも±15以内であれば、良好な流動−復元可逆性を有すると見なすことができ、各実施例の供試潤滑剤組成物はこの基準を満足している。
【0040】
また、図4に、実施例1、比較例1及び比較例2の各供試潤滑剤組成物の測定結果をグラフ化して示すが、比較例1及び比較例2の供試潤滑剤組成物は、攪拌と放置とを繰り返すうちに、放置後の不混和ちょう度の上昇が大きく、流動−復元可逆性が低下している。
【0041】
(4)軸受トルク試験
非接触シール付きの単列深溝玉軸受(内径25mm、外径62mm、幅17mm)に各供試潤滑剤組成物を充填して供試軸受を作製した。そして、供試軸受を、回転数3000r/min、アキシアル荷重98N,ラジアル荷重98Nにて180秒間回転させた後、回転トルクを測定した。結果を表1及び表2に示すが、比較例1に対する相対値で示してある。このトルク相対値1.0未満を合格としたが、実施例の供試軸受は何れも前記基準を満たしている。
【0042】
(5)軸受漏洩試験
非接触シール付きの単列深溝玉軸受(内径25mm、外径62mm、幅17mm)に各供試潤滑剤組成物を充填して供試軸受を作製した。そして、供試軸受を、回転数10000r/min、アキシアル荷重98N,ラジアル荷重98Nにて20時間連続回転させ、初期重量との差からグリース漏洩率を求めた。結果を表1に示すが、グリース漏洩率6質量%以下を合格とした。実施例の供試軸受は、何れも前記基準を満たしている。
【0043】
また、実施例1に従い、(ベンジリデンソルビトール誘導体/ウレア化合物)重量比を変えて供試潤滑剤組成物を調製し、同様にしてグリース漏洩率を求めた。結果を図5に示すが、(ベンジリデンソルビトール誘導体/ウレア化合物)重量比が1の供試軸受に対する相対値で示してある。同図から、(ベンジリデンソルビトール誘導体/ウレア化合物)重量比が0.1〜1.0の範囲であればグリース漏洩を極力抑え得ることがわかる。
【0044】
(6)グリースノイズ試験
非接触シール付きの単列深溝玉軸受(内径15mm、外径35mm、幅11mm)に各供試潤滑剤組成物を充填して供試軸受を作製した。そして、供試軸受を、回転数1800r/min、アキシアル荷重29.4Nにて120秒間回転させた後、NSKグリースノイズテスターを用い、軸受ラジアル方向の振動による規定値以上のパスル値を計測した。結果を表1及び表2に示すが、このグリースノイズカウントの120秒値が50カウント以下を合格とした。実施例の供試軸受は、何れも前記基準を満たしている。
【0045】
【表1】

【0046】
【表2】

【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の転がり軸受の一例である玉軸受を示す断面図である。
【図2】実施例1の供試潤滑剤組成物におけるせん断応力と見かけ粘度との関係を示すグラフである。
【図3】比較例1の供試潤滑剤組成物におけるせん断応力と見かけ粘度との関係を示すグラフである。
【図4】実施例における(3)流動−復元可逆性試験の結果を示すグラフである。
【図5】実施例で得られた(ベンジリデンソルビトール誘導体/ウレア化合物)重量比とグリース漏洩率との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0048】
1 玉軸受
10 内輪
11 外輪
12 保持器
13 玉
14 シール部材
G 潤滑剤組成物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基油に、下記一般式(1)または(2)で表されるウレア化合物と、ベンジリデンソルビトール誘導体とを合計で10〜30質量%の割合で配合したことを特徴とする潤滑剤組成物。
【化1】

〔(1)式中、C2m+1及びC2n+1は直鎖アルキル基であり、m+nは16〜36である。また、(2)式中、C2x+1及びC2y+1は直鎖アルキル基であり、x+yは20〜36である。〕
【請求項2】
基油がエステル油であることを特徴とする請求項1記載の潤滑剤組成物。
【請求項3】
(ウレア化合物/ベンジリデンソルビトール誘導体)重量比が0.1〜1,0であることを特徴とする請求項1または2記載の潤滑剤組成物。
【請求項4】
NSKグリースノイズテスターによるグリースノイズカウントの120秒値が50カウント以下であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の潤滑剤組成物。
【請求項5】
内輪と外輪との間に複数の転動体を転動自在に保持し、かつ、請求項1〜4の何れか1項に記載の潤滑剤組成物を封入したことを特徴とする転がり軸受。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−280476(P2008−280476A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−127727(P2007−127727)
【出願日】平成19年5月14日(2007.5.14)
【出願人】(000004204)日本精工株式会社 (8,378)
【Fターム(参考)】