説明

濁水処理装置

【課題】凝集剤の凝集作用を効果的に発揮させて、汚濁された洗浄水の水質の浄化処理を行うと共に、必要に応じて容易に移動させることができる濁水処理装置を提供する。
【解決手段】洗浄部20と、洗浄水を循環させて洗浄部20に貯水された洗浄水を攪拌する循環攪拌部40と、洗浄部20に貯水された洗浄水を任意に排出可能とする排出部30と、排出部30の下方に配置され、排出された洗浄水が流入し、凝集剤により凝集された汚濁成分を濾過する濾過部50と、循環攪拌部40を操作する操作部60と、洗浄部20と排出部30と循環攪拌部40と操作部60と濾過部50とが取り付けられて一体化すると共に、キャスター13が設けられることにより移動可能に形成される架台10とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、汚濁された洗浄水に凝集剤を加えて水質の浄化処理を行う濁水処理装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、汚濁された処理水(洗浄水)に凝集剤を加えて水質の浄化処理を行う濁水処理装置の技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
【0003】
特許文献1に記載の技術は、凝集剤を汚濁された処理水に混合するための凝集剤注入手段が設けられた凝集剤混合部と、凝集剤を汚濁された処理水に混合することにより生成されたフロックを(沈殿)分離処理するための沈殿槽と、凝集剤が混合された処理水を前記凝集剤混合部から前記沈殿槽へ移送するための送水手段と、前記凝集剤注入手段および前記送水手段の制御手段とが単一の架台に一体的に配置される。
【0004】
この構成によれば、前記濁水処理装置は、凝集剤の凝集作用を効果的に発揮させて、汚濁された洗浄水を(沈殿)分離処理(水質を浄化処理)できると共に、装置全体が一体的な構成として小型化されるので移動させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−073576号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術においては、濁水処理装置の小型化は未だ不十分であった。つまり、濁水処理装置を移動させるには、人力では困難であり、クレーン等の移動手段を用いて移動させる必要があった。したがって、前記濁水処理装置は、一旦設置すると、必要に応じて容易に移動させることができない点で不利であった。
【0007】
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、凝集剤の凝集作用を効果的に発揮させて、汚濁された洗浄水の水質の浄化処理を行うと共に、必要に応じて容易に移動させることができる濁水処理装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
即ち、請求項1においては、汚濁された洗浄水に凝集剤を加えて水質の浄化処理を行う濁水処理装置であって、被洗浄物を洗浄するための洗浄水を貯水する洗浄部と、前記洗浄部の下方に配置され、当該洗浄部の底部と側部とを連通する配管と、当該配管の途中に配置されるポンプとからなり、洗浄水を循環させて当該洗浄部に貯水された洗浄水を攪拌する循環攪拌部と、前記洗浄部に貯水された洗浄水を任意に排出可能とする排出部と、前記排出部の下方に配置され、排出された洗浄水が流入し、凝集剤により凝集された汚濁成分を濾過する濾過部と、前記洗浄部と前記排出部と前記循環攪拌部と前記操作部と前記濾過部とが取り付けられて一体化すると共に、移動手段が設けられることにより移動可能に形成される架台と、を具備するものである。
【0010】
請求項2においては、前記架台は、当該架台を手押しにより移動させる手押し部と、当該架台の高さを適宜に調整可能な高さ調整手段と、を具備するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0012】
請求項1においては、濁水処理装置は、凝集剤の凝集作用を効果的に発揮させて、汚濁された洗浄水の水質の浄化処理を行うと共に、必要に応じて容易に移動させることができる。
【0013】
請求項2においては、濁水処理装置は、必要に応じてさらに容易に移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第一実施形態に係る濁水処理装置を示す正面図。
【図2】同じく、平面図。
【図3】同じく、右側面図。
【図4】同じく、洗浄台を示す図。(a)平面図。(b)右側面図。
【図5】本発明の第二実施形態に係る濁水処理装置を示す正面図。
【図6】同じく、平面図。
【図7】同じく、右側面図。
【図8】本発明の第三実施形態に係る濁水処理装置を示す右側面図。
【図9】同じく、高さを低くした状態を示す右側面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下では、図1から図4を用いて、本発明の第一実施形態に係る濁水処理装置1について説明する。
【0016】
なお、本実施形態において、濁水処理装置1は、例えば工事現場において、構造物の外壁を水性塗料によりローラー塗装し、そのローラー塗装に用いられたローラーを洗浄した後の洗浄水(濁水)の水質の浄化処理を行う場合、つまり水性塗料の成分により汚濁された洗浄水の水質の浄化処理を行う場合に用いられるものとして説明する。
ここで、水性塗料とは、水で希釈できる塗料のこと、より詳細には分散媒として水、または水溶性有機溶剤を含む水が用いられている塗料であると規定する。
また、以下では、図中に示した矢印の方向に基づいて、前後方向、左右方向、および上下方向を規定する。
【0017】
濁水処理装置1は、(市販されて公知となっている)凝集剤を用いて、水性塗料により汚濁された洗浄水の水質の浄化処理を行う装置である。より詳細には、濁水処理装置1は、水性塗料により汚濁された洗浄水に凝集剤を投入し、その凝集剤を洗浄水と混合させ、凝集剤の凝集作用によりフロックを生成し、生成されたフロックをその洗浄水から分離させて清澄な水(水質が浄化処理された洗浄水)を生成する装置である。
【0018】
濁水処理装置1は、図1から図3に示すように、架台10に、洗浄部20と、排出部30と、循環攪拌部40と、濾過部50と、操作部60とが取り付けられて構成される。
【0019】
洗浄部20は、濁水処理装置1の主に上部に配置される。洗浄部20は、作業者が被洗浄物(本実施形態においては、図示せぬローラー)を洗浄する部位である。
なお、洗浄部20は、本発明に係る洗浄部の一実施形態である。
【0020】
洗浄部20には、洗浄槽21が設けられる。
【0021】
洗浄槽21は、洗浄部20の主たる構造体である。洗浄槽21は、上側が開口された略箱状に形成され、その上端部の外周は外側方向へ向けて縁部22が延設されて、正面視でいわゆるハット状に形成される。洗浄槽21内には、縁部22に設置された給水栓22aを介して水道水を給水することにより、ローラーを洗浄するための洗浄水を貯水することができる。なお、洗浄槽21の後側板の内面側には、ローラーを洗浄する際に必要となる洗浄水の水量を示すメモリ(不図示)が削成される。
【0022】
このような構成の洗浄槽21において、作業者は、当該洗浄槽21内に貯水された洗浄水を用いて、水性塗料によるローラー塗装に用いられたローラーを洗浄することができる。これによって、洗浄槽21内に貯水された洗浄水は、ローラーから洗い落とされた水性塗料の成分により汚濁された洗浄水(濁水)となる。
なお、汚濁された洗浄水の水質の浄化処理を行う場合には、洗浄槽21内に貯水された(汚濁された)洗浄水に、凝集剤を投入することとなる。
【0023】
洗浄槽21には、循環用排出孔23と、循環用流入孔24・24と、濾過用排出孔26と、手摺25とが設けられる。
【0024】
洗浄槽21の循環用排出孔23は、図2に示すように、当該洗浄槽21の後側板の正面視で略中央に配置される。循環用排出孔23は、洗浄槽21の後側板を前後方向に貫通して形成される。循環用排出孔23は、後述するポンプ41に洗浄槽21内に貯水された洗浄水を流入させるための孔である。なお、循環用排出孔23の高さは、洗浄槽21に削成された前記メモリの高さよりも下方に位置するように形成される。
【0025】
洗浄槽21の循環用流入孔24・24は、図2に示すように、当該洗浄槽21の後側板の正面視で循環用排出孔23を中央に挟んで左右両側に配置される。循環用流入孔24・24は、洗浄槽21の後側板を前後方向に貫通して形成される。循環用流入孔24・24は、後述するポンプ41から送水された洗浄水が、洗浄槽21内に流入するための孔である。なお、循環用流入孔24・24の高さは、洗浄槽21に削成された前記メモリの高さよりも下方に位置するように形成される。
【0026】
洗浄槽21の濾過用排出孔26は、図2に示すように、当該洗浄槽21の底板の前部であって左右方向の略中央に配置される。濾過用排出孔26は、洗浄槽21の底板を上下方向に貫通して形成される。濾過用排出孔26は、洗浄槽21内に貯水された洗浄水を、当該洗浄槽21内から下方へ向けて排出するための孔である。なお、濾過用排出孔26の位置は、洗浄槽21の底板の最も低い位置であれば限定するものではない。
【0027】
手摺25は、洗浄槽21の縁部22の前端面に配置される。手摺25は、図2に示すように、平面視で後側が開放された略コの字状に形成される。手摺25の左右幅は、洗浄槽21の縁部22の左右幅と略同一に形成される。手摺25は、架台10を手押しにより移動させる時に、手で握るための部分であり、滑ることなく容易に把持して確実に架台10を移動させたり、支えたりするようにしている。ただし、手摺25は、どの位置からでも握れるように洗浄槽21の周囲に配置することも可能である。
なお、手摺25は、本発明に係る手押し部の一実施形態である。
【0028】
また、洗浄部20には、洗浄台27を設けることを可能としている。洗浄台27は、洗浄槽21内の底板に載置される。図4に示すように、洗浄台27の天板28は、線状部材を縦横交互に織り込んだ金網状であって、平面視で略正方形状に形成される。洗浄台27の天板28の四隅からは、脚部材29がそれぞれ下方へ向けて突設される。各脚部材29の下端面には、滑り止めとなるためのゴム片29aが固設される。洗浄台27の高さは、当該洗浄台27が洗浄槽21の底板に載置された状態で、当該洗浄槽21の循環用流入孔24・24の高さと略同一の高さとなるように形成される。なお、洗浄台27は着脱可能または固定可能に構成することができる。
【0029】
このような構成の洗浄台27において、作業者が洗浄槽21内でローラーを洗浄する際に、ローラーを当該洗浄台27の天板28に載置させた状態、つまり、当該洗浄槽21内に貯水された洗浄水の中で底板よりも浮かせて浸した状態でローラーを保持でき、循環用流入孔24・24からの水流を当て易くできる。更に、ローラーを金網状の天板28上に押し当てて回転させることで、ローラー内部に入り込んだ塗料を出し易くなり、洗浄作業が容易となる。
【0030】
排出部30は、濁水処理装置1の主に上下方向の略中央であって、洗浄部20の下方に配置される。排出部30は、洗浄部20の洗浄槽21内に貯水された洗浄水を任意に排出する部位である。
なお、排出部30は、本発明に係る排出部の一実施形態である。
【0031】
排出部30には、図3に示すように、排出バルブ32が設けられる。排出バルブ32の第一の開口部(上端)は、濾過用排出孔26と連通される。これによって、排出バルブ32は、洗浄槽21の底板に支持されると共に、当該洗浄槽21に連通されて、当該洗浄槽21内に貯水された洗浄水が排出バルブ32内に流入可能に構成される。排出バルブ32の排出口となる第二の開口部(下端)は、濾過部50の上方に配置されるとともに、下方へ臨んで開口される。
【0032】
排出バルブ32には、切り替えレバー34が設けられる。切り替えレバー34は、細長い平板状に形成される。切り替えレバー34の基端部は、排出バルブ32の内部で弁体(不図示)と連結される。切り替えレバー34は、その基端部を中心として前後方向に回動操作することができ、その回動操作により、前記弁体により排出バルブ32の内部の流通を開閉可能とする。
【0033】
このような構成の排出部30において、洗浄槽21から濾過用排出孔26を通じて、排出バルブ32に流入した洗浄水は、排出バルブ32の切り替えレバー34を「開」側に回動操作することによって、濾過部50へ排出されることとなる。他方、排出バルブ32の切り替えレバー34を「閉」側に回動操作することによって、洗浄水の濾過部50への排出が停止される。つまり、排出バルブ32は、切り替えレバー34の回動操作により当該排出バルブ32内の洗浄水(換言すれば、洗浄槽21内に貯水された洗浄水)を濾過部50へ排出するか否かを任意に変更することが可能となる。
【0034】
循環攪拌部40は、濁水処理装置1の主に下部に配置される。循環攪拌部40は、洗浄部20の洗浄槽21内に貯水された洗浄水を濁水処理装置1内に循環させると共に、洗浄水に投入された凝集剤を効率的に攪拌させる部位である。
なお、循環攪拌部40は、本発明に係る循環攪拌部の一実施形態である。
【0035】
循環攪拌部40には、ポンプ41と、第一ホース42と、第二ホース43・43とが設けられる。
【0036】
ポンプ41は、循環攪拌部40の主たる構造体である。ポンプ41は、洗浄槽21内に貯水された洗浄水を吸入して再び洗浄槽21内に吐出して、循環と攪拌を行うものである。ポンプ41は、電動モータ(不図示)により駆動され、当該電動モータは後述するダイヤルスイッチ62と接続され、当該ダイヤルスイッチ62のON・OFF操作に応じて駆動・停止を切り替え可能に構成される。
【0037】
第一ホース42および第二ホース43・43は、可撓性を有する細長い中空の管である。第一ホース42および第二ホース43・43は、その内部に洗浄水を送水するものである。
【0038】
ポンプ41の吸入側には、第一ホース42の一端(下端)が連通される。第一ホース42の他端(上端)は、洗浄槽21の循環用排出孔23と連通される。これにより、ポンプ41は、第一ホース42を介して洗浄槽21と連通される。また、ポンプ41の吐出側には、第二ホース43・43の一端(下端)が連通される。第二ホース43・43の他端(上端)は、循環用流入孔24・24に連通される。これにより、ポンプ41は、第二ホース43・43を介して洗浄槽21と連通される。
【0039】
このような構成の循環攪拌部40において、洗浄槽21内に貯水された洗浄水に投入された凝集剤を効率的に攪拌させ、凝集剤の凝集作用を効果的に発揮させることができる。
具体的には、ポンプ41を駆動することによって、洗浄水が、洗浄槽21内から第一ホース42を介してポンプ41内に吸入され、当該ポンプ41の吐出側から第二ホース43・43を介して洗浄槽21内に流入する。
なお、洗浄水は、洗浄槽21の循環用流入孔24・24を通じて当該洗浄槽21内に流入することとなる。循環用流入孔24・24は、洗浄槽21の後側板を前後方向に貫通して形成されているので、洗浄槽21内に流入した洗浄水は、当該洗浄槽21内を先ず前方へ向けて流動する。そして、前方へ向けて流動する洗浄水は、洗浄槽21の前側板に衝突して流動方向が反転され、次に当該洗浄槽21内を後方へ向けて流動することとなる。したがって、ポンプ41が駆動されている状態において、洗浄槽21内に貯水された洗浄水は、(当該洗浄槽21の循環用排出孔23から排出されるまで、)当該洗浄槽21内を後方から前方、または前方から後方へと絶えず流動し、ひいては当該洗浄槽21内全体を絶えず循環することとなる。よって、洗浄槽21内に貯水された洗浄水に投入された凝集剤は、例えば作業者の手作業により攪拌する場合と比べて、効率よく攪拌することができ、凝集剤の凝集作用を効果的に発揮させることができる。
【0040】
以下に、循環攪拌部40による洗浄水の濁水処理装置1内の循環について説明する。
【0041】
循環攪拌部40のポンプ41が駆動すると、ポンプ41内の洗浄水は、第二ホース43・43を介して洗浄槽21内に流入する。他方、ポンプ41内の洗浄水が当該ポンプ41外へ排出されたことにより、洗浄槽21内に貯水された洗浄水が、第一ホース42を介して当該ポンプ41内に流入する。
このように、濁水処理装置1内の洗浄水は、循環攪拌部40(さらに詳細には、ポンプ41)により、ポンプ41から、第二ホース43・43、洗浄槽21、第一ホース42の順番に流入し、再びポンプ41に流入する。つまり、濁水処理装置1内の洗浄水は、当該濁水処理装置1内を循環することとなる。
【0042】
なお、ポンプ41が停止されると、ポンプ41内の洗浄水は、当該ポンプ41外へ送水されない。したがって、排出バルブ32内の洗浄水もポンプ41内に流入しない。つまり、濁水処理装置1内の洗浄水は、当該濁水処理装置1内を循環しないこととなる。
【0043】
濾過部50は、濁水処理装置1の主に下部であって、排出部30の排出バルブ32の下方、ポンプ41の前方に配置される。濾過部50は、凝集剤の作用により洗浄水中に生成されたフロックをその洗浄水から分離させる部位である。
なお、濾過部50は、本発明に係る濾過部の一実施形態である。
【0044】
濾過部50には、濾過容器51と、濾布52と、載置箱53と、排出バルブ54とが設けられる。
【0045】
濾過容器51は、上側が開口された略箱状に形成される。濾過容器51の前後・左右側板および底板は、それぞれ線状部材を縦横交互に織り込んだ金網状に形成される。濾過容器51は、図3に示すように、排出部30の排出バルブ32の下端(排出口)が濾過容器51内を臨んだ位置となるように配置される。これによって、排出バルブ32から排出された洗浄水は、濾過容器51内に上方から流入するように構成される。
【0046】
濾布52は、可撓性および透水性を有するシート状の濾材である。濾布52は、凝集剤の作用により洗浄水中に生成されたフロックをその洗浄水から分離するためのものである。濾布52は、濾過容器51の内側、つまり濾過容器51の前後・左右側板および底板の内面側を被覆して、交換可能に形成される。
【0047】
載置箱53は、上側が開口された略箱状に形成される。載置箱53の容量は、洗浄槽21内に貯水された洗浄水を収容できる容量としている。載置箱53の前後・左右幅は、濾過容器51の前後・左右幅よりも大きく形成される。載置箱53は、その底板の内面側に濾過容器51を載置している。載置箱53には、排出孔55が設けられる。排出孔55は、載置箱53の底板を上下方向に貫通して形成される。
【0048】
排出バルブ54は、側面視で略L字状に形成され、図示しないレバーを回動することにより閉鎖・連通可能に構成している。排出バルブ54の上端部は、開口されて、載置箱53の排出孔55に連通され、載置箱53の底板に支持される。また、排出バルブ54の前端部は、前方を臨んで開口される。これによって、排出バルブ54は、載置箱53に連通されて、当該載置箱53内に流入した洗浄水が排出孔55を通じて当該排出バルブ54内に流入し、レバーを「開」側に回動すると、当該排出バルブ54の前側の開口部から排出されることとなる。したがって、排出バルブ54の前側の開口部に、例えば排出ホース56を接続することで、当該排出バルブ54から排出される洗浄水を、当該排出ホース56を介して任意の場所に排出することができる。
【0049】
このような構成の濾過部50において、排出部30の排出バルブ32から、凝集剤の凝集作用により生成されたフロックを包含する洗浄水が排出されると、先ずその洗浄水は濾布52が被覆された濾過容器51内に流入する。そして、濾過容器51内に流入した洗浄水は、濾布52を通過することにより濾過されて、フロックが除去される。つまり、凝集剤の凝集作用により生成されたフロックを、その洗浄水から分離させて清澄な水(水質が浄化処理された洗浄水)を生成することができる。
次に、(水質が浄化処理された)洗浄水は、金網状に形成された濾過容器51の前後・左右側板および底板を通過して載置箱53内に流入する。そして、載置箱53内に流入した洗浄水は、載置箱53の排出孔55を通じて排出バルブ54内に流入し、レバーを「開」側に回動した状態では、当該排出バルブ54の前端部の開口部から当該排出バルブ54外、換言すれば濁水処理装置1外へと排出される。
【0050】
操作部60は、濁水処理装置1の主に上部であって、洗浄部20の前方に配置される。操作部60は、循環攪拌部40、より詳細にはポンプ41を操作する部位である。
なお、操作部60は、本発明に係る操作部の一実施形態である。
【0051】
操作部60には、スイッチボックス61と、ダイヤルスイッチ62とが設けられる。
【0052】
スイッチボックス61は、操作部60の主たる構造体である。スイッチボックス61は、略箱状に形成される。スイッチボックス61は、洗浄槽21の前方に配置される。
【0053】
ダイヤルスイッチ62は、回転式のスイッチである。ダイヤルスイッチ62は、ポンプ41の駆動の開始・停止を切り替えるものである。ダイヤルスイッチ62は、スイッチボックス61の前側板の外面側に取り付けられる。ダイヤルスイッチ62は、左右回りの回転操作(ON・OFF操作)により、ポンプ41の駆動の開始・停止を切り替えることができる。なお、ダイヤルスイッチ62には、図示せぬ電気配線が接続され、その電気配線はスイッチボックス61内に収納される。
【0054】
また、ダイヤルスイッチ62は、セルフタイマー機能を有する構成とすることができる。つまり、ダイヤルスイッチ62をON操作してポンプ41の駆動を開始させた後、所定時間経過するとセルフタイマー機能により当該ダイヤルスイッチ62が自動的にOFF操作され、ポンプ41の駆動を停止させることができる。
【0055】
なお、本実施形態において、操作部60に設けられるスイッチは、回転式のスイッチであるダイヤルスイッチ62を用いる構成としたが、この構成に限定するものではない。例えば、プッシュ式のスイッチ等の任意の形式のスイッチを用いることができる。
【0056】
架台10は、細長い複数のパイプ状部材により枠組みされ、主に濁水処理装置1の外枠として形成される。架台10は、洗浄部20と、排出部30と、循環攪拌部40と、濾過部50と、操作部60とが取り付けられるものである。
より詳細には、架台10には、パイプ状部材である4本の縦パイプ11が、それぞれ長手方向を上下方向へ向けて立設される。4本の縦パイプ11は、図1に示すように、平面視で洗浄部20の洗浄槽21の四隅に配置されて、それぞれが所定間隔をあけて配置される。4本の縦パイプ11の下部には、当該4本の縦パイプ11のうち前後・左右方向に隣り合う縦パイプ11との間に横パイプ12が横設され、当該前後・左右方向に隣り合う縦パイプ11同士が連結される。
【0057】
架台10には、キャスター13が設けられる。
【0058】
架台10のキャスター13は、4本の縦パイプ11の下端部に、それぞれ取り付けられる。キャスター13は、架台10が当該架台10が設置された床面上を方向自在に移動可能とするものである。つまり、架台10は、洗浄部20の手摺25を用いて手押しにより方向自在に移動させることができる。
なお、キャスター13は、本発明に係る移動手段の一実施形態である。
【0059】
なお、また、キャスター13を含めた4本の縦パイプ11の高さは、例えば1.0M程度に設定される。この構成によれば、作業者の腰の位置近傍に洗浄部20の洗浄槽21が配置されることとなり、作業者が洗浄槽21内に貯水された洗浄水を用いてローラーを洗浄し易い位置であると共に、洗浄槽21の手摺25を用いて架台10を手押しにより移動させ易い位置となる。
【0060】
次に、架台10に対する洗浄部20と、排出部30と、循環攪拌部40と、濾過部50と、操作部60との取り付け構成について、さらに詳細に説明する。
【0061】
洗浄部20においては、主たる構造体である洗浄槽21が、架台10の4本の縦パイプ11に載置される。より詳細には、洗浄槽21は、当該洗浄槽21の縁部22の下面側に、架台10の4本の縦パイプ11の上端部が当接して固定される。洗浄槽21の上端部の前後・左右方向の長さは、架台10の4本の縦パイプ11のうち前後・左右に隣り合うように配置された当該縦パイプ11の前後・左右方向の間隔と略同一となるように形成される。このような構成により、洗浄部20は、架台10に取り付けられている。
なお、架台10の4本の縦パイプ11は、それぞれ上端部で、洗浄槽21を介して当該4本の縦パイプ11同士が連結されることによって、剛性が高められている。
【0062】
排出部30においては、主たる構造体である排出バルブ32が、洗浄槽21の底板に支持される。このような構成により、排出部30は、洗浄部20(さらに詳細には、洗浄槽21)を介して架台10に取り付けられている。
【0063】
循環攪拌部40においては、主たる構造体であるポンプ41が、洗浄部20の下方に配置される。ポンプ41は、架台10の横パイプ12上に図示せぬ取り付けステー等を介して固定される。このような構成により、循環攪拌部40は、架台10に取り付けられている。
【0064】
濾過部50においては、主たる構造体である濾過容器51と載置箱53とが、排出部30の排出バルブ32の下方であって、循環攪拌部40のポンプ41の前方に配置される。載置箱53は、架台10の横パイプ12上に固定される。濾過容器51は、載置箱53に載置される。このような構成により、濾過部50は、架台10に取り付けられている。
【0065】
操作部60においては、主たる構造体であるスイッチボックス61が、洗浄部20の洗浄槽21の前側板の外面側に固定される。このような構成により、操作部60は、洗浄部20(さらに詳細には、洗浄槽21)を介して架台10に取り付けられている。
【0066】
このように、濁水処理装置1においては、洗浄部20と、排出部30と、循環攪拌部40と、濾過部50と、操作部60とが架台10に取り付けられて、当該架台10と一体化するように構成される。また、前述したように、架台10はキャスター13が取り付けられ、当該架台10が設置された床面上を手押しにより方向自在に移動可能とされる。つまり、濁水処理装置1は、クレーン等の移動手段を用いることなく、人力で容易に移動させることができる。したがって、例えば工事現場において、構造物の外壁を水性塗料によりローラー塗装し、そのローラー塗装に用いられたローラーを洗浄した後の洗浄水の水質の浄化処理を行った場合には、異なる工事現場へと当該濁水処理装置1を容易に移動させることができる。
【0067】
次に、このような構成の濁水処理装置1を使用した濁水の水質の浄化処理手順(方法)について説明する。
【0068】
先ず、排出部30の排出バルブ32が「閉」側に切り替えレバー34を回動操作した状態で、操作部60のダイヤルスイッチ62をON操作することにより、循環攪拌部40のポンプ41の駆動を開始させる。そして、洗浄部20の洗浄槽21内に貯水された、(水性塗料により汚濁された)洗浄水に凝集剤を投入する。これにより、洗浄水が濁水処理装置1内を循環すると共に、洗浄槽21内に貯水された洗浄水に投入された凝集剤が攪拌され、凝集剤が洗浄水と混合されることとなる。
次に、凝集剤と洗浄水が十分に混合され、凝集剤の凝集作用によりフロックが生成されたならば、操作部60のダイヤルスイッチ62をOFF操作することにより、循環攪拌部40のポンプ41の駆動を停止させる。そして、排出部30の排出バルブ32が「開」側に切り替えレバー34を回動操作する。これにより、洗浄槽21内に貯水され、生成されたフロックを含有した洗浄水が排出バルブ32から濾過容器51内へ向けて排出される。濾過容器51内へ排出された洗浄水は、濾布52を通過することにより濾過されて、フロックが除去される。つまり、凝集剤により生成されたフロックをその洗浄水から分離させて清澄な水(水質が浄化処理された洗浄水)を生成することができるのである。
【0069】
以上のように、濁水処理装置1は、汚濁された洗浄水に凝集剤を加えて水質の浄化処理を行う濁水処理装置であって、ローラー(被洗浄物)を洗浄するための洗浄水を貯水する洗浄部20と、前記洗浄部20の下方に配置され、当該洗浄部20の底板(底部)と後側板(側部)とを連通する第一ホース42および第二ホース43・43(配管)と、当該第一ホース42および第二ホース43・43(配管)の途中に配置されるポンプ41とからなり、洗浄水を循環させて当該洗浄部20に貯水された洗浄水を攪拌する循環攪拌部40と、前記洗浄部20に貯水された洗浄水を任意に排出可能とする排出部30と、前記排出部30の下方に配置され、排出された洗浄水が流入し、凝集剤により凝集された汚濁成分を濾過する濾過部50と、前記循環攪拌部40を操作する操作部60と、前記洗浄部20と前記排出部30と前記循環攪拌部40と前記操作部60と前記濾過部50とが取り付けられて一体化すると共に、キャスター13(移動手段)が設けられることにより移動可能に形成される架台10と、を具備するものである。
【0070】
このような構成により、濁水処理装置1は、凝集剤の凝集作用を効果的に発揮させて、汚濁された洗浄水の水質の浄化処理を行うと共に、必要に応じて容易に移動させることができる。
【0071】
以下では、図5から図7を用いて、本発明の第二実施形態に係る濁水処理装置100について説明する。
なお、第一実施形態に係る濁水処理装置1と同一の部材に関しては、図面において同一の符号を付することで、その説明を省略する。
【0072】
濁水処理装置100は、図5から図7に示すように、架台10に、洗浄部120と、排出部130と、循環攪拌部140と、濾過部50と、操作部60とが取り付けられて構成される。
【0073】
洗浄部120は、濁水処理装置100の主に上部に配置される。洗浄部120は、作業者が被洗浄物(本実施形態においては、図示せぬローラー)を洗浄する部位である。
なお、洗浄部120は、本発明に係る洗浄部の一実施形態である。
【0074】
洗浄部120には、洗浄槽121が設けられる。
【0075】
洗浄槽121は、洗浄部120の主たる構造体である。洗浄槽121は、上側が開口された略箱状に形成され、その上端部の外周は外側方向へ向けて縁部22が延設されて、正面視でいわゆるハット状に形成される。洗浄槽121内には、ローラーを洗浄するための洗浄水を貯水することができる。なお、洗浄槽121の後側板の内面側には、ローラーを洗浄する際に必要となる洗浄水の水量を示すメモリ(不図示)が削成される。
【0076】
このような構成の洗浄槽121において、作業者は、当該洗浄槽121内に貯水された洗浄水を用いて、水性塗料によるローラー塗装に用いられたローラーを洗浄することができる。これによって、洗浄槽121内に貯水された洗浄水は、ローラーから洗い落とされた水性塗料の成分により汚濁された洗浄水(濁水)となる。
なお、汚濁された洗浄水の水質の浄化処理を行う場合には、洗浄槽121内に貯水された(汚濁された)洗浄水に、凝集剤を投入することとなる。
【0077】
洗浄槽121には、排出孔123と、流入孔124と、手摺25とが設けられる。
【0078】
洗浄槽121の排出孔123は、図6に示すように、当該洗浄槽121の底板の前部であって左右方向の略中央に配置される。排出孔123は、洗浄槽121の底板を上下方向に貫通して形成される。排出孔123は、洗浄槽121内に貯水された洗浄水を、当該洗浄槽121内から下方へ向けて排出するための孔である。なお、排出孔123の位置は、洗浄槽121の底板の最も低い位置であれば限定するものではない。
【0079】
洗浄槽121の流入孔124は、図6に示すように、当該洗浄槽121の後側板の正面視で略中央に配置される。流入孔124は、洗浄槽121の後側板を前後方向に貫通して形成される。流入孔124は、後述するポンプ141から送水された洗浄水が、洗浄槽121内に流入するための孔である。なお、流入孔124の高さは、洗浄槽121に削成された前記メモリの高さよりも下方に位置するように形成される。
【0080】
排出部130は、濁水処理装置100の主に上下方向の略中央であって、洗浄部120の下方に配置される。排出部130は、洗浄部120の洗浄槽121内に貯水された洗浄水を選択的に任意の排出口から排出する部位である。
なお、排出部130は、本発明に係る排出部の一実施形態である。
【0081】
排出部130には、図7に示すように、分岐管31と、排出バルブ132と、排出管33とが設けられる。
【0082】
分岐管31は、前記排出孔123と後述する循環攪拌部140の第一ホース142の上端との間に配設される。分岐管31は、側面視で略T字状に形成されたパイプで構成され、第一の開口部(上端)は排出孔123と連通される。これによって、分岐管31は、洗浄槽121の底板に支持されると共に、当該洗浄槽121に連通されて、当該洗浄槽121内に貯水された洗浄水が排出孔123を通じて分岐管31内に流入可能に構成される。分岐管31の第二の開口部(下端)は第一ホース142の一端(上端)と連通され、第三の開口部(上下中途部の側部)は排出バルブ132の一端と連通される。
【0083】
排出バルブ132は、排出管33と分岐管31との間に配設される。排出バルブ132には、切り替えレバー134が設けられる。切り替えレバー134は、細長い平板状に形成される。切り替えレバー134の基端部(図7における上端部)は、内部で弁体(不図示)と連結される。切り替えレバー134は、その基端部を中心として前後方向に回動操作することができ、その回動操作により、前記弁体により内部の流通を開閉可能とする。ただし、排出バルブ132および分岐管31は、一体的に構成した三方切換バルブで構成することもできる。
【0084】
排出管33は、排出バルブ132の前方に配設される。排出管33の一端には、排出バルブ132の他端が連通される。排出管33は、側面視で略L字状に形成され、排出管33の他端が下方に向けて取り付けられる。排出管33の他端は、濾過部50の上方に配置される。
【0085】
このような構成の排出部130において、排出バルブ132の切り替えレバー134を「開」側に回動操作することによって、排出管33と分岐管31との間が連通される。そして、洗浄槽121内に貯水された洗浄水は、排出孔123を通じて、分岐管31、排出バルブ132、排出管33を介して濾過部50へ排出されることとなる。他方、排出バルブ132の切り替えレバー134を「閉」側に回動操作することによって、排出管33と分岐管31の間が閉じられる。そして、洗浄槽121内に貯水された洗浄水は、排出孔123を通じて、分岐管31を介して第一ホース142(後述する循環攪拌部140)側へ流れることが可能となる。
つまり、排出バルブ132の切り替えレバー134の回動操作により当該排出バルブ132内の洗浄水(換言すれば、洗浄槽121内に貯水された洗浄水)を濾過部50へ排出するか、循環攪拌部140で循環させるかを任意に選択的に変更することが可能となる。
【0086】
循環攪拌部140は、濁水処理装置100の主に下部に配置される。循環攪拌部140は、洗浄部120の洗浄槽121内に貯水された洗浄水を濁水処理装置100内に循環させると共に、洗浄水に投入された凝集剤を効率的に攪拌させる部位である。
なお、循環攪拌部140は、本発明に係る循環攪拌部の一実施形態である。
【0087】
循環攪拌部140には、ポンプ141と、第一ホース142と、第二ホース143とが設けられる。
【0088】
ポンプ141は、循環攪拌部140の主たる構造体である。ポンプ141は、洗浄槽121内に貯水された洗浄水を吸入して再び洗浄槽121内に吐出して、循環と攪拌を行うものである。ポンプ141は、電動モータ(不図示)により駆動され、当該電動モータは後述するダイヤルスイッチ62と接続され、当該ダイヤルスイッチ62のON・OFF操作に応じて駆動・停止を切り替え可能に構成される。
【0089】
第一ホース142および第二ホース143は、可撓性を有する細長い中空の管である。第一ホース142および第二ホース143は、その内部に洗浄水を送水するものである。
【0090】
ポンプ141の吸入側には、第一ホース142の一端(下端)が連通される。第一ホース142の他端(上端)は、分岐管31の第二の開口部(下端)と連通される。これにより、ポンプ141は、第一ホース142、分岐管31を介して洗浄槽121と連通される。また、ポンプ141の吐出側には、第二ホース143の一端(下端)が連通される。第二ホース143の他端は、洗浄槽121の流入孔124に取り付け部材24aを介して連通される。これにより、ポンプ141は、第二ホース143を介して洗浄槽121と連通される。
【0091】
このような構成の循環攪拌部140において、洗浄槽121内に貯水された洗浄水に投入された凝集剤を効率的に攪拌させ、凝集剤の凝集作用を効果的に発揮させることができる。
具体的には、ポンプ141を駆動することによって、洗浄水が、洗浄槽121内から第一ホース142を介してポンプ141内に吸入され、当該ポンプ141の吐出側から第二ホース143を介して洗浄槽121内に流入する。
なお、洗浄水は、洗浄槽121の流入孔124を通じて当該洗浄槽121内に流入することとなる。流入孔124は、洗浄槽121の後側板を前後方向に貫通して形成されているので、洗浄槽121内に流入した洗浄水は、当該洗浄槽121内を先ず前方へ向けて流動する。そして、前方へ向けて流動する洗浄水は、洗浄槽121の前側板に衝突して流動方向が反転され、次に当該洗浄槽121内を後方へ向けて流動することとなる。したがって、ポンプ141が駆動されている状態において、洗浄槽121内に貯水された洗浄水は、(当該洗浄槽121の排出孔123から排出されるまで、)当該洗浄槽121内を後方から前方、または前方から後方へと絶えず流動し、ひいては当該洗浄槽121内全体を絶えず循環することとなる。よって、洗浄槽121内に貯水された洗浄水に投入された凝集剤は、例えば作業者の手作業により攪拌する場合と比べて、効率よく攪拌することができ、凝集剤の凝集作用を効果的に発揮させることができる。
【0092】
以下に、循環攪拌部140による洗浄水の濁水処理装置100内の循環について説明する。
【0093】
先ず、排出部130の排出バルブ132の切り替えレバー134が「閉」側に回動操作されている場合について説明する。
【0094】
かかる場合、排出部130の排出管33側に洗浄水が流れなくなり、洗浄部120の洗浄槽121と、循環攪拌部140の第一ホース142と、ポンプ141と、第二ホース143と、洗浄部120の洗浄槽121とが、連通されている。
そして、循環攪拌部140のポンプ141が駆動すると、ポンプ141内の洗浄水は、第二ホース143を介して洗浄槽121内に流入する。他方、ポンプ141内の洗浄水が当該ポンプ141外へ排出されたことにより、排出バルブ132内の洗浄水が、分岐管31を通じて第一ホース142を介して当該ポンプ141内に流入する。また、排出バルブ132内の洗浄水が当該排出バルブ132外へ排出されたことにより、洗浄槽121内に貯水された洗浄水が、排出孔123を通じて排出バルブ132内に流入する。
このように、濁水処理装置100内の洗浄水は、循環攪拌部140(さらに詳細には、ポンプ141)により、ポンプ141から、第二ホース143、洗浄槽121、排出バルブ132、第一ホース142の順番に流入し、再びポンプ141に流入する。つまり、濁水処理装置100内の洗浄水は、当該濁水処理装置100内を循環することとなる。
【0095】
なお、ポンプ141が停止されると、ポンプ141内の洗浄水は、当該ポンプ141外へ送水されない。したがって、排出バルブ132内の洗浄水もポンプ141内に流入しない。つまり、濁水処理装置100内の洗浄水は、当該濁水処理装置100内を循環しないこととなる。
【0096】
次に、排出部130の排出バルブ132の切り替えレバー134が「開」側に回動操作されている場合について説明する。
【0097】
かかる場合、洗浄部120の洗浄槽121と、排出部130の排出管33とが排出バルブ132を介して連通されている。
そして、洗浄槽121内に貯水された洗浄水は、排出孔123を通じて分岐管31を介して排出バルブ132内に流入し、排出管33より外へ排出される。なお、ポンプ141が停止されている場合には、洗浄槽121内に貯水された全ての洗浄水は、排出管33より外へ排出される。他方、ポンプ141が駆動されている場合には、洗浄槽121内に貯水された洗浄水のうちの一部の洗浄水が濁水処理装置100内を循環して、その循環した洗浄水が洗浄槽121内を攪拌する。また、残りの洗浄水は、排出バルブ132へ流れて排出管33より外へ排出されることとなる。
なお、排出管33より外へ排出された洗浄水は、濾過部50へと流入する。
【0098】
濾過部50は、濁水処理装置100の主に下部であって、排出部130の排出管33の下方、ポンプ141の前方に配置される。濾過部50は、凝集剤の作用により洗浄水中に生成されたフロックをその洗浄水から分離させる部位である。
なお、濾過部50は、本発明に係る濾過部の一実施形態である。
【0099】
濾過部50には、濾過容器51と、濾布52と、載置箱53と、排出バルブ54とが設けられる。
【0100】
濾過容器51は、上側が開口された略箱状に形成される。濾過容器51の前後・左右側板および底板は、それぞれ線状部材を縦横交互に織り込んだ金網状に形成される。濾過容器51は、図7に示すように、排出部130の排出管33の下端(排出口)が濾過容器51内を臨んだ位置となるように配置される。これによって、排出管33から排出された洗浄水は、濾過容器51内に上方から流入するように構成される。
【0101】
濾布52は、可撓性および透水性を有するシート状の濾材である。濾布52は、凝集剤の作用により洗浄水中に生成されたフロックをその洗浄水から分離するためのものである。濾布52は、濾過容器51の内側、つまり濾過容器51の前後・左右側板および底板の内面側を被覆して、交換可能に形成される。
【0102】
載置箱53は、上側が開口された略箱状に形成される。載置箱53の容量は、洗浄槽121内に貯水された洗浄水を収容できる容量としている。載置箱53の前後・左右幅は、濾過容器51の前後・左右幅よりも大きく形成される。載置箱53は、その底板の内面側に濾過容器51を載置している。載置箱53には、排出孔55が設けられる。排出孔55は、載置箱53の底板を上下方向に貫通して形成される。
【0103】
排出バルブ54は、側面視で略L字状に形成され、図示しないレバーを回動することにより閉鎖・連通可能に構成している。排出バルブ54の上端部は、開口されて、載置箱53の排出孔55に連通され、載置箱53の底板に支持される。また、排出バルブ54の前端部は、前方を臨んで開口される。これによって、排出バルブ54は、載置箱53に連通されて、当該載置箱53内に流入した洗浄水が排出孔55を通じて当該排出バルブ54内に流入し、レバーを「開」側に回動すると、当該排出バルブ54の前側の開口部から排出されることとなる。したがって、排出バルブ54の前側の開口部に、例えば排出ホース56を接続することで、当該排出バルブ54から排出される洗浄水を、当該排出ホース56を介して任意の場所に排出することができる。
【0104】
このような構成の濾過部50において、排出部130の排出バルブ132の排出管33から、凝集剤の凝集作用により生成されたフロックを包含する洗浄水が排出されると、先ずその洗浄水は濾布52が被覆された濾過容器51内に流入する。そして、濾過容器51内に流入した洗浄水は、濾布52を通過することにより濾過されて、フロックが除去される。つまり、凝集剤の凝集作用により生成されたフロックを、その洗浄水から分離させて清澄な水(水質が浄化処理された洗浄水)を生成することができる。
次に、(水質が浄化処理された)洗浄水は、金網状に形成された濾過容器51の前後・左右側板および底板を通過して載置箱53内に流入する。そして、載置箱53内に流入した洗浄水は、載置箱53の排出孔55を通じて排出バルブ54内に流入し、レバーを「開」側に回動した状態では、当該排出バルブ54の前端部の開口部から当該排出バルブ54外、換言すれば濁水処理装置100外へと排出される。
【0105】
操作部60は、濁水処理装置100の主に上部であって、洗浄部120の前方に配置される。操作部60は、循環攪拌部140、より詳細にはポンプ141を操作する部位である。
なお、操作部60は、本発明に係る操作部の一実施形態である。
【0106】
操作部60には、スイッチボックス61と、ダイヤルスイッチ62とが設けられる。
【0107】
スイッチボックス61は、操作部60の主たる構造体である。スイッチボックス61は、略箱状に形成される。スイッチボックス61は、洗浄槽121の前側板の外面側に取り付けられる。
【0108】
ダイヤルスイッチ62は、回転式のスイッチである。ダイヤルスイッチ62は、ポンプ141の駆動の開始・停止を切り替えるものである。ダイヤルスイッチ62は、スイッチボックス61の前側板の外面側に取り付けられる。ダイヤルスイッチ62は、左右回りの回転操作(ON・OFF操作)により、ポンプ141の駆動の開始・停止を切り替えることができる。なお、ダイヤルスイッチ62には、図示せぬ電気配線が接続され、その電気配線はスイッチボックス61内に収納される。
【0109】
また、ダイヤルスイッチ62は、セルフタイマー機能を有する構成とすることができる。つまり、ダイヤルスイッチ62をON操作してポンプ141の駆動を開始させた後、所定時間経過するとセルフタイマー機能により当該ダイヤルスイッチ62が自動的にOFF操作され、ポンプ141の駆動を停止させることができる。
【0110】
架台10は、細長い複数のパイプ状部材により枠組みされ、主に濁水処理装置100の外枠として形成される。架台10は、洗浄部120と、排出部130と、循環攪拌部140と、濾過部50と、操作部60とが取り付けられるものである。
より詳細には、架台10には、パイプ状部材である4本の縦パイプ11が、それぞれ長手方向を上下方向へ向けて立設される。4本の縦パイプ11は、図5に示すように、平面視で洗浄部120の洗浄槽121の四隅に配置されて、それぞれが所定間隔をあけて配置される。4本の縦パイプ11の下部には、当該4本の縦パイプ11のうち前後・左右方向に隣り合う縦パイプ11との間に横パイプ12が横設され、当該前後・左右方向に隣り合う縦パイプ11同士が連結される。
【0111】
架台10には、キャスター13が設けられる。
【0112】
架台10のキャスター13は、4本の縦パイプ11の下端部に、それぞれ取り付けられる。キャスター13は、架台10が当該架台10が設置された床面上を方向自在に移動可能とするものである。つまり、架台10は、洗浄部120の手摺25を用いて手押しにより方向自在に移動させることができる。
なお、キャスター13は、本発明に係る移動手段の一実施形態である。
【0113】
なお、また、キャスター13を含めた4本の縦パイプ11の高さは、例えば1.0M程度に設定される。この構成によれば、作業者の腰の位置近傍に洗浄部120の洗浄槽121が配置されることとなり、作業者が洗浄槽121内に貯水された洗浄水を用いてローラーを洗浄し易い位置であると共に、洗浄槽121の手摺25を用いて架台10を手押しにより移動させ易い位置となる。
【0114】
なお、本発明に係る第三実施形態として、図8および図9に示すように、架台10の4本の縦パイプ11は、それぞれ上側縦パイプ11aと下側縦パイプ11bとを摺動自在に連結して形成することにより、長手方向の長さを変更自在な構成とすることができる。より詳細には、上側縦パイプ11aの外径を下側縦パイプ11bの内径よりも若干小さく形成することにより、上側縦パイプ11aが下側縦パイプ11b内を摺動自在に内接させると共に、上側縦パイプ11aと下側縦パイプ11bとを止めネジ17により任意の位置で固定する構成とするものである。つまり、4本の縦パイプ11の長手方向、つまり上下方向の長さを、作業者の身長に合わせて任意の長さに調整することができ、ひいては架台10の高さを任意の高さに調整することができる。
【0115】
したがって、例えば、当初設定された架台10の高さが作業者に対して作業し難い高さであれば、作業者は、作業し易い位置に架台10の高さを調整することができる。また、作業者は、架台10(濁水処理装置100)を手押しにより移動させる場合に、洗浄槽121の手摺25を手押しにより移動させ易い位置に高さを調整することができる。なお、図5においては、架台10の高さを図7に示す架台10(図8における右側の二点鎖線部分)の高さよりも高く調整している。つまり、濁水処理装置100を使用する作業者の使い勝手に応じて、架台10の高さを調整して、ひいては濁水処理装置100の高さを調整することができる。
【0116】
また、架台10の高さを低く調整することにより濁水処理装置100全体をコンパクト化することができる。より詳細には、図9に示すように、濾過部50の濾過容器51を載置箱53から取り外し、洗浄部120の洗浄槽121の底板に載置する。さらに、循環攪拌部140の第一ホース142および第二ホース143を取り外す。そして、架台10の上側縦パイプ11aを下側縦パイプ11b内に最大限に挿入することにより、架台10の高さを図7に示す架台10(図9における右側の二点鎖線部分)の高さよりも大幅に低く調整することができる。このような構成により、濁水処理装置100は、装置全体をコンパクト化することができる。したがって、濁水処理装置100をトラック等の搬送手段により工事現場に移動し易くなり、また倉庫等の収納場所に収納し易くなる。
なお、摺動自在に連結される上側縦パイプ11aと下側縦パイプ11bと止めネジ17とは、本発明に係る高さ調整手段の一実施形態である。
【0117】
次に、架台10に対する洗浄部120と、排出部130と、循環攪拌部140と、濾過部50と、操作部60との取り付け構成について、さらに詳細に説明する。
【0118】
洗浄部120においては、主たる構造体である洗浄槽121が、架台10の4本の縦パイプ11に載置される。より詳細には、洗浄槽121は、当該洗浄槽121の縁部22の下面側に、架台10の4本の縦パイプ11の上端部が当接して固定される。洗浄槽121の上端部の前後・左右方向の長さは、架台10の4本の縦パイプ11のうち前後・左右に隣り合うように配置された当該縦パイプ11の前後・左右方向の間隔と略同一となるように形成される。このような構成により、洗浄部120は、架台10に取り付けられている。
なお、架台10の4本の縦パイプ11は、それぞれ上端部で、洗浄槽121を介して当該4本の縦パイプ11同士が連結されることによって、剛性が高められている。
【0119】
排出部130においては、主たる構造体である排出バルブ132が、洗浄槽121の底板に支持される。このような構成により、排出部130は、洗浄部120(さらに詳細には、洗浄槽121)を介して架台10に取り付けられている。
【0120】
循環攪拌部140においては、主たる構造体であるポンプ141が、排出部130の排出バルブ132の下方に配置される。ポンプ141は、架台10の横パイプ12上に図示せぬ取り付けステー等を介して固定される。このような構成により、循環攪拌部140は、架台10に取り付けられている。
【0121】
濾過部50においては、主たる構造体である濾過容器51と載置箱53とが、排出部130の排出バルブ132の下方であって、循環攪拌部140のポンプ141の前方に配置される。載置箱53は、架台10の横パイプ12上に固定される。濾過容器51は、載置箱53に載置される。このような構成により、濾過部50は、架台10に取り付けられている。
【0122】
操作部60においては、主たる構造体であるスイッチボックス61が、洗浄部120の洗浄槽121の前側板の外面側に固定される。このような構成により、操作部60は、洗浄部120(さらに詳細には、洗浄槽121)を介して架台10に取り付けられている。
【0123】
このように、濁水処理装置100においては、洗浄部120と、排出部130と、循環攪拌部140と、濾過部50と、操作部60とが架台10に取り付けられて、当該架台10と一体化するように構成される。また、前述したように、架台10はキャスター13が取り付けられ、当該架台10が設置された床面上を手押しにより方向自在に移動可能とされる。つまり、濁水処理装置100は、クレーン等の移動手段を用いることなく、人力で容易に移動させることができる。したがって、例えば工事現場において、構造物の外壁を水性塗料によりローラー塗装し、そのローラー塗装に用いられたローラーを洗浄した後の洗浄水の水質の浄化処理を行った場合には、異なる工事現場へと当該濁水処理装置100を容易に移動させることができる。
【0124】
次に、このような構成の濁水処理装置100を使用した濁水の水質の浄化処理手順(方法)について説明する。
【0125】
先ず、排出部130の排出バルブ132が「閉」側に切り替えレバー134を回動操作した状態で、洗浄部120の洗浄槽121内に貯水された、(水性塗料により汚濁された)洗浄水に凝集剤を投入する。そして、操作部60のダイヤルスイッチ62をON操作することにより、循環攪拌部140のポンプ141の駆動を開始させる。これにより、洗浄水が濁水処理装置100内を循環すると共に、洗浄槽121内に貯水された洗浄水に投入された凝集剤が攪拌され、凝集剤が洗浄水と混合されることとなる。
次に、凝集剤と洗浄水が十分に混合され、凝集剤の凝集作用によりフロックが生成されたならば、操作部60のダイヤルスイッチ62をOFF操作することにより、循環攪拌部140のポンプ141の駆動を停止させる。そして、排出部130の排出バルブ132が「開」側に切り替えレバー134を回動操作する。これにより、洗浄槽121内に貯水され、生成されたフロックを含有した洗浄水が排出バルブ132から濾過容器51内へ向けて排出される。濾過容器51内へ排出された洗浄水は、濾布52を通過することにより濾過されて、フロックが除去される。つまり、凝集剤により生成されたフロックをその洗浄水から分離させて清澄な水(水質が浄化処理された洗浄水)を生成することができるのである。
【0126】
以上のように、濁水処理装置100は、汚濁された洗浄水に凝集剤を加えて水質の浄化処理を行う濁水処理装置であって、ローラー(被洗浄物)を洗浄するための洗浄水を貯水する洗浄部120と、前記洗浄部120の下方に配置され、当該洗浄部120の底板(底部)と後側板(側部)とを連通する第一ホース142および第二ホース143(配管)と、当該第一ホース142および第二ホース143(配管)の途中に配置されるポンプ141とからなり、洗浄水を循環させて当該洗浄部120に貯水された洗浄水を攪拌する循環攪拌部140と、前記循環攪拌部140の途中部より分岐させて排出バルブ132(開閉部材)を接続し、前記洗浄部120に貯水された洗浄水を選択的に排出可能とする排出部130と、前記排出部130の下方に配置され、排出された洗浄水が流入し、凝集剤により凝集された汚濁成分を濾過する濾過部50と、前記循環攪拌部140を操作する操作部60と、前記洗浄部120と前記排出部130と前記循環攪拌部140と前記操作部60と前記濾過部50とが取り付けられて一体化すると共に、キャスター13(移動手段)が設けられることにより移動可能に形成される架台10と、を具備するものである。
【0127】
このような構成により、濁水処理装置100は、凝集剤の凝集作用を効果的に発揮させて、汚濁された洗浄水の水質の浄化処理を行うと共に、必要に応じて容易に移動させることができる。
【0128】
また、濁水処理装置100は、前記架台10は、当該架台10を手押しにより移動させる手摺25(手押し部)と、当該架台10の高さを適宜に調整可能な上側縦パイプ11aと下側縦パイプ11bと止めネジ17(高さ調整手段)と、を具備するものである。
【0129】
このような構成により、濁水処理装置100は、必要に応じてさらに容易に移動させることができる。
【符号の説明】
【0130】
1 濁水処理装置
10 架台
11a 上側縦パイプ
11b 下側縦パイプ
13 キャスター
17 止めネジ
20 洗浄部
25 手摺
30 排出部
40 循環攪拌部
41 ポンプ
42 第一ホース
43 第二ホース
50 濾過部
60 操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚濁された洗浄水に凝集剤を加えて水質の浄化処理を行う濁水処理装置であって、
被洗浄物を洗浄するための洗浄水を貯水する洗浄部と、
前記洗浄部の下方に配置され、当該洗浄部の底部と側部とを連通する配管と、当該配管の途中に配置されるポンプとからなり、洗浄水を循環させて当該洗浄部に貯水された洗浄水を攪拌する循環攪拌部と、
前記洗浄部に貯水された洗浄水を任意に排出可能とする排出部と、
前記排出部の下方に配置され、排出された洗浄水が流入し、凝集剤により凝集された汚濁成分を濾過する濾過部と、
前記洗浄部と前記排出部と前記循環攪拌部と前記操作部と前記濾過部とが取り付けられて一体化すると共に、移動手段が設けられることにより移動可能に形成される架台と、
を具備する濁水処理装置。
【請求項2】
前記架台は、当該架台を手押しにより移動させる手押し部と、当該架台の高さを適宜に調整可能な高さ調整手段と、
を具備する請求項1に記載の濁水処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−157844(P2012−157844A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−21183(P2011−21183)
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【出願人】(502031751)株式会社ダイワサービス (3)
【Fターム(参考)】