説明

濃縮ミルクから泡立ちミルクおよびスチームミルクを生成するためのシステムおよび方法

濃縮ミルク供給源、水供給源および加圧空気供給源から泡立ちミルクを生成するための泡立ちミルクシステム。泡立ちミルクシステムは、濃縮ミルクのミルク取入れシステムと、水の水取入れシステムと、加圧空気の空気取入れシステムと、濃縮ミルク、水および加圧空気を混合する混合領域と、を含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、飲料システムに関し、特に飲料用に泡立ちミルクおよびスチームミルクを生成するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カプチーノおよびカフェラテなどの温かい飲料が益々普及している。ファーストフードレストランからコーヒーショップまで、商業ビジネスがこのような温かい飲料を客に提供している。温かい飲料は、大型レストランでは大量に作られるが、多くの客は入れ立ての飲料を好むようである。同様に、これらの客は、また温かい飲料に作りたての泡立ちミルクおよびスチームミルクを入れることも好む。泡立ちミルクおよびスチームミルクは、一般的に、客ごとに新たに作ると品質が上がる。しかし、現在の技術では、客の要求を満足するほど十分迅速または効率的に泡立ちミルクおよびスチームミルクを作ることができない。
【0003】
一般に、泡立ちミルクは、蒸気、ミルクおよび空気を使用して作ることができ、スチームミルクは蒸気とミルクのみを使用して作る。特に、蒸気、ミルクおよび/または空気を強制的に1つのベンチュリオリフィスに通すことができる。次に、蒸気、ミルクおよび/または空気は、1つのベンチュリオリフィスを通過するにつれて混合することができる。しかし、ミルク、蒸気および/または空気を十分に混合することができない。不十分な混合は、非効率を招き、その結果、ミルクの一部が泡に変化しない。さらに、蒸気、ミルクおよび/または空気を強制的に1つのベンチュリオリフィスに通すことによって泡立ちミルクまたはスチームミルクを作るには、非常に長い時間がかかる場合がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、望まれているのは、1人前ごとに個々の客に対して効率的、高品質および高速で泡立ちミルクまたはスチームミルクを作ることができる泡立ちミルクまたはスチームミルクのディスペンサである。しかし、この装置は、好ましくは使用し易く、保守し易く、費用の点で競争力がなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本発明は、濃縮ミルク供給源、水供給源および加圧空気供給源から泡立ちミルクを生成するための泡立ちミルクシステムを提供する。泡立ちミルクシステムは、濃縮ミルクのミルク取入れシステムと、水の水取入れシステムと、加圧空気の空気取入れシステムと、濃縮ミルク、水および加圧空気を混合する混合領域とを含むことができる。
【0006】
また、泡立ちミルクシステムは、濃縮ミルク、水および加圧空気の混合物を膨張させる膨張領域を含むことができる。泡立ちミルクシステムは、さらに、混合領域が濃縮ミルク、水、加圧空気および蒸気を混合し、膨張領域が濃縮ミルク、水、加圧空気および蒸気の混合物を膨張させるように、蒸気供給源を含むことができる。
【0007】
泡立ちミルクシステムは、所定の比率の濃縮ミルクおよび水を供給する比率制御システムを含むことができる。比率制御システムは、水供給源と接続する流量計を含むことができる。水取入れシステムは、水供給源および比率制御システムと接続する水弁を含むことができる。混合領域は、中空ノズルブロック内に配置された混合物ノズル本体を含むことができる。
【0008】
本明細書に記載したもう1つの実施形態は、濃縮ミルク供給源、水供給源および空気供給源からミルクを生成する濃縮ミルクシステムを提供することができる。このシステムは、濃縮ミルク、水および空気を混合するための混合領域と、濃縮ミルクを混合領域へと給送するポンプと、混合領域への水の流量を測定する流量計と、ポンプおよび流量計に接続して、所定の比率の濃縮ミルクと水を混合領域へと供給する比率制御システムと、を含むことができる。
【0009】
混合領域は、濃縮ミルク、水および空気の乱流混合を供給する。混合領域は、中空ノズルブロック内に配置された混合物ノズル本体を含むことができる。混合ノズル本体は、自身上に配置されたいくつかの突起と、突起の周囲に配置されたいくつかのオリフィス領域と、を含むことができる。
【0010】
ミルク取入れシステムは、蠕動ポンプを含むことができる。濃縮ミルクシステムは、混合領域への水の流れを開始または停止するように、水供給源および比率制御システムと接続する弁も含むことができる。比率制御システムは、制御回路を含むことができる。制御回路は、濃縮ミルクと水との間の所定の比率でプログラムすることができる。
【0011】
本明細書に記載した方法は、濃縮ミルク、水、空気および蒸気から泡立ちミルクを生成するための方法である。この方法は、空気に加圧するステップと、濃縮ミルク、水、空気および蒸気を混合領域内に流すステップと、泡立ちミルクを生成するために、濃縮ミルク、水、空気および蒸気の混合物を雰囲気圧まで減圧するステップと、を含むことができる。
【0012】
この方法はさらに、濃縮ミルクと水の流量を測定するステップと、水に対して所定の比率の濃縮ミルクが測定された場合に水の流れを停止するステップと、を含むことができる。減圧ステップは、濃縮ミルク、水、空気および蒸気の乱流混合を含むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
簡単に述べると、本発明は加圧ミルク、空気および蒸気をノズル本体の混合領域に注入する。ミルク、空気および蒸気は、1つまたは複数のオリフィス領域内で均質にかつ満遍なく混合され得る。次に、混合物は膨張領域へと進み、そこで混合物は雰囲気圧へと膨張する。その膨張によって、ミルクが泡立つ。次いで、泡立ちミルクがディフューザで収集され、カップに配量され得る。本発明は、蒸気およびミルクのみを泡立ちミルクシステムに導入することにより、スチームミルクの生成にも使用することができる。
【0014】
次に図面を参照すると、類似の参照番号はいくつかの図を通して類似の要素を示し、図1〜図3は、本明細書に記載した泡立ちミルクシステム100を示す。泡立ちミルクシステム100は、加圧ミルク取入れシステム110を含むことができる。加圧ミルク取入れシステム110は、加圧ミルクを全体として泡立ちミルクシステム100に供給することができる。加圧ミルク取入れシステム110はミルク供給部120、ミルクポンプ130、および複数のミルクホース140、150を含むことができる。ミルク取入れシステム110は、冷蔵した容器155内に配置することができる。冷蔵した容器110は、任意のタイプの標準的な冷蔵システムであってもよい。ミルク供給部120は、カートン、箱入り袋、または任意の他のタイプの保存器具など、任意のタイプの容器を含むことができる。ミルク自体はUHT(超高温)ミルクであってもよい。ミルクは、開封後は華氏約40度(摂氏4.4度)以下に維持することが好ましい。ミルクは、ミルク供給部120が空になるか、48時間ごとなどに交換することが好ましい。
【0015】
ミルクホース140、150は、ゴム、銅、ステンレス鋼、他のタイプの金属、プラスチック、および他のタイプの実質的に耐食性の材料から作成することができる。材料は食品銘柄であることが好ましい。ホース140、150は使い捨てであることが好ましい。任意の長さを使用できるが、ホース140、150は、ミルクがミルク供給部120から移動しなければならない長さを制限するために、可能な限り短いことが好ましい。
【0016】
第1のミルクホース140は、ミルク供給部120をミルクポンプ130に接続することができる。ミルクポンプ130はミルクを加圧し、計量することができる。ミルクは所望の流量により1平方インチ当たり約2ポンドと約40ポンド(psi)の間(1平方センチメートル当たり約0.14キログラムから約2.8キログラム(ksc)の間)で加圧することができる。この実施形態は、ミルクを約15psi(約1ksc)に加圧することができる。ミルクポンプ130は、ミルクをより良く計量するために蠕動ポンプであってもよい。蠕動ポンプの使用は、逆流の危険性を低下させ、したがって何らかの形でミルクが汚染される危険性を低下させるという利点も有する。ミルクを加圧し、計量する他の任意のタイプのポンプも本明細書で使用することができる。
【0017】
泡立ちミルクシステム100は、加圧空気取入れシステム160も含むことができる。加圧空気取入れシステム160は、加圧空気を泡立ちミルクシステム100に供給することができる。空気は、空気ポンプ170を使用して、所望の流量により約2psiと約40psiの間(約0.14から約2.8kscの間)に加圧することができる。この実施形態は、空気を約15psi(約1ksc)に加圧することができる。空気ポンプ170は、圧縮空気を供給する任意のポンプ設計であってよい。加圧空気は、空気ホース180を介して送出することができる。空気ホース180は、空気流中に全ての不純物を除去するためにマイクロフィルタ175または類似のタイプの器具を含むことができる。
【0018】
加圧ミルクおよび加圧空気は、結集されて混合され得る。加圧ミルク取入れシステム110および加圧空気取入れシステム160は、第2のミルクホース150および空気ホース180を介してホースコネクタで接合することができる。ホースコネクタ185は、3つのホース取付具190、200、210を含むことができる。任意のタイプの三方弁を使用することができる。ミルクホース150は、ミルクポンプ130の出力部と第1のホース取付具190を接続することができる。空気ホース180は、空気ポンプ170の出力部と第2のホース取付具200を接続することができる。加圧空気および加圧ミルクは、ホースコネクタ185内で結集されて1つの流れとなり、その混合物が第3のホース取付具210を通って排出されるようになっている。
【0019】
上述したように、ホースコネクタ185、ミルクホース150、および空気ホース180は、銅、ステンレス鋼、他のタイプの金属、プラスチック、ゴム、および他のタイプの実質的に耐食性の材料から作成することができる。これらの要素は、洗浄を容易にできるように着脱式であってもよい。ホース取付具190、200、210および本明細書に記載した他の接続部は、隙間蓄積を防止するために返しを付けることができ、研磨面を含むことができる。ホース150、180は使い捨てであることが好ましい。ホース150、180の長さは、可能な限り短いことが好ましい。
【0020】
混合物ホース220は、ホースコネクタ185をノズル本体240の混合物取入れ部230に接続し、ミルクと空気の混合物を搬送することができる。混合物ホース220は、上述したように、銅、ステンレス鋼、他のタイプの金属、プラスチック、ゴム、または他のタイプの実質的に耐食性の材料から作成することができる。ホース220は、使い捨てで、可能な限り短い長さであることが好ましい。混合物ホース220は、混合物ホース220を混合物取入れ部230に取り付けることによって、ノズル本体240に取り付けることができる。別の方法としては、混合物ホース220を混合物取入れ部230内に固定するクランプ機構または任意の他の方法を使用することができる。
【0021】
ノズル本体240は、実質的に中空のブロック状構造であってもよい。ノズル本体240は、ステンレス鋼、アルミニウム、プラスチック、または任意の他の実質的に耐食性の材料から作成することができる。ノズル本体240は、内壁250および外壁260を含むことができる。内壁250は、以下でさらに詳細に説明するように、混合領域310を画定することができる。混合領域310は、実質的に円錐形の形状であってもよい。
【0022】
混合物取入れ部230は、ノズル本体240を通過して混合領域310へと至る。混合物取入れ部230は、ノズル本体内で内壁250と外壁260の間の中空領域でよく、これによって混合物ホース220をノズル本体240内に嵌めることができ、ミルクと空気の混合物を混合領域310へと渡すことができる。混合物取入れ部230は、また、インサート、または混合物ホース220が混合物を混合領域310へと送り込めるようにする任意の他の手段を含むこともできる。混合物取入れ部230は、返し付きコネクタを含むことができる。本発明は、混合領域310の前に加圧空気とミルクを予め混合することに制限されない。ミルクと空気とが混合領域310に一緒に入ってもよいし、または別々に入ってもよい。
【0023】
泡立ちミルクシステム100は、また、蒸気を混合領域310に供給する加圧蒸気取入れシステム235を含むことができる。蒸気取入れシステム235は、蒸気発生器270、蒸気ホース280および蒸気取入れ部290を含むことができる。蒸気発生器270は、熱交換器、ボイラ、または加圧蒸気を生成する任意の他の器具であってもよい。この実施形態の蒸気は、約40psi(約2.8ksc)程度まで加圧することができる。圧力は、必要な泡生成率によりこれより高くてもまたは低くてもよい。蒸気ホース280は、加圧蒸気を蒸気発生器270から蒸気取入れ部290へと移送するために使用することができる。蒸気ホース280は、上述したように、銅、ステンレス鋼、他のタイプの金属、プラスチック、ゴム、または他のタイプの実質的に耐食性の材料から作成することができる。蒸気ホース280は、クランプ機構または任意の他のまたは類似の接合方法によって蒸気ホース280を蒸気取入れ部290内に嵌めることによってノズル本体240に取り付けることができる。
【0024】
蒸気取入れ部290は、ノズル本体240を通過することができる。蒸気取入れ部290は、内壁250と外壁260の間におけるノズル本体240内の中空領域でよく、これによって蒸気ホース280をノズル本体240内に嵌めることができ、蒸気が混合領域310へと進むことができる。蒸気取入れ部290は、返し付きコネクタを含むことができる。加圧蒸気は、また、混合領域310に入る前に、加圧ミルクおよび/または空気と予め混合することもできる。
【0025】
上述したように、ノズル本体の内壁250は、混合領域310を画定することができる。内壁250および混合領域310はテーパ状にすることができ、これによってノズルインサート300をこれに嵌めることができる。ノズル本体240は、ステンレス鋼、アルミニウム、プラスチック、または任意の他の実質的に耐食性の材料で作成することができる。ノズルインサート300は、インサート300をノズル本体240の内部に嵌めることができるように、混合領域310と類似の方法でテーパ状にすることができる。ノズルインサート300は中実であってもよいし、または中空であってもよい。
【0026】
ノズルインサート300は、ツイストロック機構を使用するか、ねじ機構か、または当技術分野で周知の任意の他の取り付け手段によって、ノズル本体240内にロックすることができる。例えば、ねじ機構は、ノズル本体240のねじ付き通路内にねじ込まれるノズルインサート300の上端に取り付けたねじを含むことができる。
【0027】
ノズルインサート300を挿入すると、ノズル本体240の内壁250とノズルインサート300の間に環状領域を生成することができる。環状領域は、ミルク、空気および蒸気の混合領域310を画定する。混合領域310内では、システムの効率を上げるように、ミルクと空気と蒸気が均質に混合される。図2および図3に示すように、ノズルインサート300は、また、ミルクと空気と蒸気の混合を補助するいくつかの突起320を含むことができる。突起320は、ノズルインサート300がノズル本体240内に配置されると、ノズル本体240の内壁250と接触することができる。突起320間の空間がいくつかのオリフィス領域330を生成することができる。混合領域310内で突起320を使用すると、その中の流体乱流を促進することができる。この流体乱流は、自身を通過するミルクと空気と蒸気の混合を強化することができる。しかし、十分な混合が達成される限り、乱流は必要ない。ノズル本体240およびノズルインサート300を使用する代わりに、混合領域310は、自身内の要素の混合を促進する任意の都合のよい形状を取ることができる。例えば、標準的なスチーミングノズルを使用することもできる。
【0028】
例示としての実施形態では、ノズル本体240は、長さが約3インチ(約7.6センチメートル)で、略円筒形の形状であってもよい。ノズルインサート300は、また、略円筒形の形状で、長さが約1インチ(約2.5センチメートル)で、基部の直径が約0.6インチ(約1.5センチメートル)であってもよい。ノズル本体240の内壁250およびノズルインサート300は、約10.5度の角度でテーパ状にすることができる。ノズルインサート300は、約0.8インチ(2センチメートル)の長さだけテーパ状にし、残りの長さはテーパ状でなくてもよい。例示としての実施形態は、混合領域310内に約2列の突起320で、列ごとに約16個の突起320を含むことができる。突起320は、高さが約0.029インチ(約0.7ミリメートル)、幅が約0.06インチ(1.5ミリメートル)であってもよい。列は、約1/3インチ(約0.85センチメートル)離れていてもよい。ミルクと空気と蒸気の混合を強化するように、任意の数の突起320、突起320の列、または突起320のサイズであってもよい。さらに、任意の寸法を使用することができる。ノズル本体240およびノズルインサート300は、本明細書で使用するために十分な空間を生成できる任意のサイズにすることができ、任意の角度でテーパ状にすることができる。
【0029】
混合領域310に隣接して、膨張領域340があってもよい。膨張領域340は、ノズル240の内壁250とノズルインサート300の間の環状領域が広がり始まるか、終了する位置に配置することができる。膨張領域340は、雰囲気圧であってもよいし、またはほぼ雰囲気圧であってもよい。加圧されたミルクと空気と蒸気の混合物が混合領域310から膨張領域340へと到達すると、混合物は、混合物の圧力がほぼ雰囲気圧へと低下するにつれて膨張し始める。この膨張は、圧力が低下するにつれ、ミルクと空気と蒸気の混合物を泡立たせる。
【0030】
次に、ディフューザ350を使用して泡を収集する。ディフューザ350は、膨張領域340からの泡を制御して、収集し、泡をカップまたはマグカップ380へと配量するために使用することができる。ディフューザ350は、ディフューザインサート360および注ぎ口370を含むことができる。ディフューザインサート360は、円筒形の形状で、泡を注ぎ口370へと漏斗で集めるためにテーパ状にすることができる。ディフューザ350は、ステンレス鋼、アルミニウム、プラスチック、または任意の他の実質的に耐食性の材料で作成することができる。使用者が泡を収集し、カップまたはマグカップ380へと配量できるようにする任意のタイプのディフューザシステムが考えられる。
【0031】
ディフューザインサート360とノズル本体240の底部は、一緒にねじ締結されるように、ねじ山を切ることができる。ディフューザインサート360は、また、ノズル本体240にスナップ嵌めするか、当技術分野で周知の任意の他の手段で接続することができる。注ぎ口370は、ねじ山を切ってディフューザインサート360の底部にねじ込むか、ディフューザインサート360の底部分にスナップ嵌めするか、当技術分野で周知の任意の他の方法でディフューザインサート360に接続することができる。
【0032】
例示としての実施形態は、1人分ごとに約8オンス(約236.6ミリリットル)の泡を生成することができる。約12オンス(約355ミリリットル)および16オンス(約473ミリリットル)を含め、任意の他の1人分のサイズを使用することができる。泡は、加圧ミルクを約0.375オンス/秒(約11ミリリットル/秒)で約8秒、加圧空気を約15psi(約1ksc)で約8秒、および加圧蒸気を約15psi(約1ksc)で約8秒、混合領域310に供給することによって、約0.375オンス/秒(約11ミリリットル/秒)の率で生成することができる。ミルクの温度は華氏約155度(摂氏約68.3度)程度であってもよい。ノズル本体240の温度は、華氏約212度(摂氏約100度)に到達することがある。ここでは、所望の泡を生成するために必要な任意のサイズ、寸法、使用条件、および流量を使用することができる。
【0033】
泡立ちミルクシステム100は、また、カフェラテおよび他の温かい飲料のためにスチームミルクを生成するために使用することができる。泡立ちミルクシステム100は、泡立ちミルクの生成に使用されるので、スチームミルクを生成するのにも実質的に同じ方法で使用することができる。スチームミルクは、ミルクと蒸気を泡立ちミルクシステム100に導入するだけで生成することができる。それ故、加圧空気取入れシステム160は使用されない。加圧ミルク取入れシステム110からのミルクおよび加圧蒸気取入れシステム235からの蒸気を混合領域310に導入し、膨張領域340内で膨張させ、ディフューザ350で収集して、マグカップまたはカップ380に配量し、所望のスチームミルクを生成することができる。この実施形態は、ミルクを約15psi(約1ksc)に、蒸気を約40psi(約2.8ksc)に加圧して、毎秒約6オンス(毎秒約177.4ミリリットル)の率でスチームミルクを生成することができる。しかし、類似のまたは異なるスチームミルク生成速度に対応するために、任意の圧力を使用することができる。
【0034】
泡立ちミルクシステム100は、また、衛生システム500を含むことができる。衛生システム500は、給湯器510を含むことができる。給湯器510は、コーヒー抽出機(coffee brewer)(図示せず)であってもよいし、または類似のタイプの装置の温水保存タンクであってもよい。給湯器510は、温水ホース520を介して空気ホース180に接続することができる。衛生弁530は温水ホース520を開閉することができる。衛生弁530は、電磁弁であってもよいし、または類似のタイプの装置であってもよい。T字継手540または類似のタイプの装置が、空気ホース180と温水ホース520を接合することができる。1つまたは複数の逆止弁550を、T字継手540のいずれかの側に配置して、逆流を防止することができる。
【0035】
ミルクシステム100を洗浄するために、衛生弁530を開放して、温水を温水源510から温水ホース520および逆止弁550を通して流すことができる。温水は、ホースコネクタ185、混合物ホース220、およびノズル本体240へと送出される。内部サービス部が全て少なくとも華氏約190度(摂氏約87.8度)の温度に到達するのを確保するために、十分な量の水を送出する。この洗浄サイクルは、冷蔵容器155の外側、または非冷蔵要素に接続する全ての要素が洗浄され、衛生的に保つことを確保する。洗浄サイクルは、約2時間程度ごとに繰り返すことが好ましい。
【0036】
衛生面は、ミルクホース140、150および混合物ホース220を使い捨てにすることによって、さらに改善される。それ故、ホース140、150、220は、ほぼ毎日交換することができる。同様に、ホースコネクタ185およびノズル本体240のノズルインサート300は、ほぼ毎日外して、衛生的にすることができる。さらに、本明細書で使用するコネクタは、隙間蓄積を防止するために返しを付けることができる。それ故、ミルクシステム100は、迅速かつ容易な洗浄および衛生化を提供する。
【0037】
別の方法としては、泡立ちミルクシステム100は、また、図4に示す洗浄ブロック接合器390を含むことができる。洗浄ブロック接合器390は、ホースコネクタ185を置換することができる。洗浄ブロック接合器390は、4つのホース取付具400、410、420、430を含むことができる。最初の3つの取付具400、410、420は、ホースコネクタ185に関して上述した方法で、ミルクホース150、空気ホース180および混合物ホース220に接続することができる。4番目の取付具430は、洗浄水ホース(図示せず)に接続することができる。温水が強制的に洗浄水ホースを通って洗浄ブロック接合器390に入り、泡立ちミルクシステム100を殺菌する。温水は、混合物ホース220、混合物取入れ部230、混合領域310、膨張領域340、およびディフューザ350を通って進み、上述したように、泡立ちミルクシステム100を殺菌することができる。次に、システム100は全体として、上述したように、スチームミルクおよび泡を生成するために再配列することができる。
【0038】
図5は、代替実施形態の濃縮ミルクシステム600を示す。濃縮ミルクシステム600は、加圧ミルク取入れシステム110、ミルクポンプ130、加圧空気取入れシステム160、ホースコネクタ185、ノズル本体240、加圧蒸気取入れシステム235、衛生システム500、およびほぼ上述した通りの泡立ちミルクシステム100の他の構成要素を使用することができる。しかし、ミルク供給源120を濃縮ミルク供給源610と置換することができる。
【0039】
濃縮ミルクシステム600は、水取入れシステム620を有することができる。水取入れシステム620は、濃縮ミルク供給源610からの濃縮ミルクを希釈するように水を供給することができる。水取入れシステム620は、水道水温度などの比較的低温の水を供給することができる。水取入れシステム620は、水取入れ部630、水ホース640、および水弁650を含むことができる。水ホース640は、水弁650を介して水取入れ部630をノズル本体240に接続することができる。水ホース640は銅、ステンレス鋼、他のタイプの金属、プラスチック、ゴム、または他のタイプの実質的に耐食性の材料から作成することができる。水ホース640は、上述した混合物取入れ部230と類似のもう1つの混合物取入れ部660によってノズル本体240に取り付けることができる。クランプ機構または水ホース640を固定する任意の他の方法を使用することができる。水弁640は、従来通りの設計であってもよい。
【0040】
濃縮ミルクシステム600は、また、比率制御システム700を含むことができる。比率制御システム700は、水と濃縮ミルクを適切な比率でノズル本体240に供給する。比率制御システム700は、制御回路710を含むことができる。制御回路710は、マイクロプロセッサをベースにしたものであってもよいが、任意のタイプの従来通りの制御システムを使用することもできる。制御回路710は、ミルクポンプ130に接続することができる。
【0041】
比率制御システム700は、流量計720を含むことができる。流量計720は、従来通りの設計であってよい。流量計720は、水ホース640の周囲に配置され、ノズル本体240へと流れる水の量を測定することができる。流量計720および水弁650は、制御回路710に接続することができる。制御回路710は、水弁650を適切な時にオンおよびオフに切り換える。
【0042】
使用時には、水取入れシステム620からの水、濃縮ミルク供給源610からのミルク、加圧空気取入れシステム160からの加圧空気および/または加圧蒸気取入れシステム235からの蒸気が、ノズル本体240の混合領域310内で混合する。空気および/または蒸気によって生成された乱流は、濃縮ミルクを希釈水と混合する原動力を提供する。比率制御システム700は、濃縮ミルクと水の所定の比率でプログラムすることができる。それ故、制御回路710は、流量計720に指示された通りに水弁650をオンおよびオフに切り換えて、所定の比率を提供する。別の方法としては、ミルクポンプ130の出力を監視し、制御回路710が流量計720からのフィードバックに基づいて水の流量を調節することができる閉ループ制御システムも使用することができる。濃縮ミルクと水の任意の比率を使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本明細書に記載した泡立ちミルクシステムの概略図である。
【図2】ノズルブロックを断面図で示した混合ノズルインサートの平面図である。
【図3】ノズルインサートおよび突起の斜視図である。
【図4】洗浄ブロック接合部の代替実施形態の斜視図である。
【図5】本明細書に記載した泡立ちミルクシステムの代替実施形態の概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
濃縮ミルク供給源、水供給源および加圧空気供給源から泡立ちミルクを生成するための泡立ちミルクシステムであって、
前記濃縮ミルクのミルク取入れシステムと、
前記水の水取入れシステムと、
前記加圧空気の空気取入れシステムと、
前記濃縮ミルク、前記水および前記加圧空気を混合する混合領域と、を備える泡立ちミルクシステム。
【請求項2】
前記濃縮ミルク、前記水および前記加圧空気の混合物を膨張させる膨張領域をさらに備える、請求項1に記載の泡立ちミルクシステム。
【請求項3】
蒸気源をさらに備え、
前記混合領域が、前記濃縮ミルク、前記水、前記加圧空気および前記蒸気を混合させ、
前記膨張領域が、前記濃縮ミルク、前記水、前記加圧空気および前記蒸気の混合物を膨張させる、請求項2に記載の泡立ちミルクシステム。
【請求項4】
所定の比率の濃縮ミルクおよび水を供給する比率制御システムをさらに備える、請求項1に記載の泡立ちミルクシステム。
【請求項5】
前記比率制御システムが、前記水供給源と連通する流量計を備える、請求項4に記載の泡立ちミルクシステム。
【請求項6】
前記水取入れシステムが、前記水供給源および前記比率制御システムと接続する水弁を備える、請求項4に記載の泡立ちミルクシステム。
【請求項7】
前記混合領域が、中空ノズルブロック内に配置された混合物ノズル本体を備える、請求項1に記載の濃縮ミルクシステム。
【請求項8】
濃縮ミルク供給源、水供給源および空気供給源からミルクを生成するための濃縮ミルクシステムであって、
前記濃縮ミルク、前記水および前記空気を混合するための混合領域と、
前記濃縮ミルクを前記混合領域に給送するポンプと、
前記混合領域への前記水の流量を測定する流量計と、
前記ポンプおよび前記流量計と接続して、所定の比率の濃縮ミルクと水を前記混合領域へと供給する比率制御システムと、を備える濃縮ミルクシステム。
【請求項9】
前記ミルク取入れシステムが、蠕動ポンプを備える、請求項8に記載の濃縮ミルクシステム。
【請求項10】
前記混合領域が、中空ノズルブロックを備える、請求項8に記載の濃縮ミルクシステム。
【請求項11】
前記混合領域への水の流れを開始または停止するように、前記水供給源および前記比率制御システムと接続する弁をさらに備える、請求項8に記載の濃縮ミルクシステム。
【請求項12】
前記比率制御システムが、制御回路を備え、
前記制御回路が、前記濃縮ミルクと前記水の間の前記所定の比率をプログラムで制御可能である、請求項8に記載の濃縮ミルクシステム。
【請求項13】
濃縮ミルク、水、空気および蒸気から泡立ちミルクを生成するための方法であって、
前記空気を加圧するステップと、
前記濃縮ミルク、水、前記空気および前記蒸気を混合領域内に流すステップと、
前記泡立ちミルクを生成するために、前記濃縮ミルク、水、空気および蒸気の混合物を雰囲気圧へと減圧するステップと、を含む方法。
【請求項14】
前記濃縮ミルクおよび前記水の流量を測定するステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
水に対して所定の比率の濃縮ミルクが測定された場合に、前記水の流れを停止するステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記減圧するステップが、前記濃縮ミルク、水、空気および蒸気を乱流で混合するステップを含む、請求項13に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−527995(P2008−527995A)
【公表日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−552117(P2007−552117)
【出願日】平成17年11月10日(2005.11.10)
【国際出願番号】PCT/US2005/040576
【国際公開番号】WO2006/078339
【国際公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【出願人】(391026058)ザ・コカ−コーラ・カンパニー (238)
【氏名又は名称原語表記】THE COCA−COLA COMPANY
【Fターム(参考)】