説明

炊飯器

【課題】うす暗い室内であっても内釜に水がどのくらい入っているのかがわかり、高齢者でも簡単に炊飯作業ができる炊飯器を提供することを目的とする。
【解決手段】米と水を入れる内釜1の内側に少なくとも2つの電極2を配置し、この電極2間の抵抗値変化を測定することによって水量を検知するものである。これによって、炊飯時に米と水を加えられたときに水に浸かっている部分の電極2間の抵抗値変化で水量を検知できるので、うす暗い室内であっても内釜1に水がどのくらい入っているのかがはっきりとわかり、高齢者でも簡単に炊飯作業ができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内釜の水量を検知するようにした炊飯器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、炊飯器は、内釜の水位を見やすくするために、内釜に水位線を直接刻印したり、インクにより目盛りを印刷したりするものがあった(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平2−36815号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記従来の構成では、うす暗い室内では、水位線や目盛りに合わせて水を加える場合、どこまで水が入っているのかが見づらいものであった。特に、高齢者の場合には視力も衰えているために、大変な作業となっていた。
【0004】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、うす暗い室内であっても内釜に水がどのくらい入っているのかがわかり、高齢者でも簡単に炊飯作業ができる炊飯器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記従来の課題を解決するために、本発明の炊飯器は、米と水を入れる内釜の内側に少なくとも2つの電極を配置し、この電極間の抵抗値変化を測定することによって水量を検知するものである。
【0006】
これによって、炊飯時に米と水を加えられたときに水に浸かっている部分の電極間の抵抗値変化で水量を検知できるので、うす暗い室内であっても内釜に水がどのくらい入っているのかがはっきりとわかり、高齢者でも簡単に炊飯作業ができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の炊飯器は、炊飯する際に水がどこの位置まで入っているかがはっきりとわかり、高齢者でも簡単に炊飯作業ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
第1の発明は、米と水を入れる内釜の内側に少なくとも2つの電極を配置し、この電極間の抵抗値変化を測定することによって水量を検知する炊飯器とすることにより、炊飯時に米と水を加えられたときに水に浸かっている部分の電極間の抵抗値変化で水量を検知できるので、うす暗い室内であっても内釜に水がどのくらい入っているのかがはっきりとわかり、高齢者でも簡単に炊飯作業ができる。
【0009】
第2の発明は、特に、第1の発明において、電極は、その構造を櫛形とし、これを一対組み合わせて水量を検知する電極を構成することにより、抵抗値変化をより正確に捉えることができるために、より正確に水量を検知することができる。
【0010】
第3の発明は、特に、第1の発明において、一方の電極は基準電極として、内釜の上から下方まで延びており、他の電極は、炊飯の合数に合わせた水量の位置に合数電極として複数設置したことにより、確実に合数に合わせた水量を検知することができるものである。
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0012】
(実施の形態1)
図1〜図3は、本発明の実施の形態1における炊飯器を示している。
【0013】
図1に示すように、本実施の形態における炊飯器は、米と水を入れる内釜1の内側に少なくとも2つの電極2を平行して縦方向に配置し、この電極2間の抵抗値変化を測定することによって水量を検知するものである。電極2間の抵抗値変化を測定する手段については図示していないが、電気的に容易に実施することができるものであり、別に設けた表示手段により適宜検知結果を表示させることもできる。
【0014】
図2は、実際に炊飯する場合の状態を示しており、内釜1の水が電極2の間に入り込み、電極2と水面3で囲まれた水−電極間領域4を形成している。
【0015】
以上のように構成された炊飯器について、以下その動作、作用について説明する。
【0016】
実際の炊飯時に米と水が加えられたときに、内釜1の内側に形成された電極2と水面3に囲まれた水−電極間領域4が形成されることは、既述したとおりである。ここで、電極2間には所定の電圧が印可されており、電極2が水に浸漬されていない場合は、抵抗値はほぼ無限大となるため電流は流れない。電極2間が水に浸漬された場合、水に触れている部分に応じて電極間抵抗5が変化する。あらかじめ、図3のように、抵抗値と合数の関係を調べておくことによって、最適な水量が入っているかどうかを簡単に確認することができる。このとき合数と抵抗値の関係は、電極2の間隔、印可する電圧、電極抵抗などによって定めればよい。
【0017】
このように、内釜の電極間の抵抗値変化を測定することによって水量を検知することにより、炊飯時に米と水を加えられたときに水に浸かっている部分の電極間の抵抗値変化で水量を検知できるので、うす暗い室内であっても内釜に水がどのくらい入っているのかがはっきりとわかり、高齢者でも簡単に炊飯作業ができる。したがって、誰でもが簡単に炊飯に最適な水量を得ることができ、炊飯の失敗をなくすことができる。
【0018】
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2における炊飯器の内釜の電極部分を示している。実施の形態1と基本的に同一であるのでその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
【0019】
図に示すように、本実施の形態における炊飯器は、電極2の構造を櫛形とし、これを櫛刃が互いにかみ合うように一対組み合わせて水量を検知する電極を構成するものである。
【0020】
以上のように構成された電極に関して、以下その動作、作用を説明する。
【0021】
内釜1に所定の米と水が加えられたときに、所定の水量を入れた場合、水面3が電極2上にできる。このとき電極2と水面3で囲まれた水−電極間領域4で、櫛形の電極での抵抗値は、抵抗値R1、R2、R3、R4で検知される。すなわち、合数による抵抗値変化を大きくすることができる。
【0022】
このように、電極の構造を櫛形とし、これを一対組み合わせて水量を検知する電極を構成することにより、抵抗値変化をより正確に捉えることができるために、合数に合わせた水量を正確に検知することができる。
【0023】
(実施の形態3)
図5は、本発明の実施の形態3における炊飯器の内釜の電極部分を示している。実施の形態1と基本的に同一であるのでその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
【0024】
図に示すように、本実施の形態における炊飯器は、一方の電極2は基準電極6として、内釜1の上から下方まで延びており、他の電極2は、炊飯の合数に合わせた水量の位置に合数電極7a〜7dを複数設置している。基準電極6と合数電極7a〜7dの形状は図示したものに限られるものではない。
【0025】
以上のように構成された電極に関して、以下その動作、作用を説明する。
【0026】
内釜1に所定の合数の米と水が加えられたときに、炊飯器本体でその合数をセットすることによって、加えられる水量を決める。次に、合数にあった水量を入れるために基準電極6と各合数ごとの合数電極7a〜7dの間に電流が流れたときに水を入れるのを止めれば最適水量に水を加えることができるものである。
【0027】
このように、基準電極6と合数電極7a〜7dにより、確実に合数に合わせた水量を検知することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0028】
以上のように、本発明にかかる炊飯器は、炊飯する際に水がどこの位置まで入っているかがはっきりとわかり、高齢者でも簡単に炊飯作業ができるので、一般家庭あるいは業務用として間違いのない最適水量で炊飯することができる用途に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施の形態1における炊飯器の内釜を示す外観斜視図
【図2】同炊飯器における電極部の水位状態を示した拡大正面図
【図3】同炊飯器における合数−抵抗値の相関図
【図4】本発明の実施の形態2における炊飯器の電極部の水位状態を示した拡大正面図
【図5】本発明の実施の形態3における炊飯器の電極部を示した拡大正面図
【符号の説明】
【0030】
1 内釜
2 電極
3 水面
4 水−電極間領域
5 電極間抵抗
6 基準電極
7a〜7d 合数電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
米と水を入れる内釜の内側に少なくとも2つの電極を配置し、この電極間の抵抗値変化を測定することによって水量を検知する炊飯器。
【請求項2】
電極は、その構造を櫛形とし、これを一対組み合わせて水量を検知する電極を構成する請求項1に記載の炊飯器。
【請求項3】
一方の電極は基準電極として、内釜の上から下方まで延びており、他の電極は、炊飯の合数に合わせた水量の位置に合数電極として複数設置した請求項1に記載の炊飯器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−29210(P2007−29210A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−213671(P2005−213671)
【出願日】平成17年7月25日(2005.7.25)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】