説明

炊飯水交換装置とそれを用いる炊飯システム

【課題】 予測できない焦げやべとつきの発生がなく、安定した品質のご飯を効率良く炊き上げることができる炊飯システムを提供することを課題とする。
【解決手段】 炊飯釜搬送経路の途上に、水を通し米を通さない分離蓋と;分離蓋と炊飯釜とが互いに離間した位置と、分離蓋と炊飯釜とが互いに接近し分離蓋によって炊飯釜の開口部の一部又は全部が覆われる位置との間で、炊飯釜と分離蓋とを相対的に移動させる移動装置と;開口部の一部又は全部が分離蓋によって覆われた状態で炊飯釜を傾斜させる傾斜装置とを備えてなる水抜装置を提供するとともに、そのような水抜装置に加えて、浸漬水が排除された炊飯釜に炊飯水を給水する給水装置を備えている炊飯水交換装置を提供し、さらには、そのような水抜装置及び/又は炊飯水交換装置を備えている炊飯システムを提供することによって上記の課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炊飯水交換装置とそれを用いる炊飯システムに関し、詳細には、搬送ラインを搬送されてくる炊飯釜から浸漬水を抜き取る水抜装置と、水を抜き取られた炊飯釜に新たに炊飯水を供給する給水装置とを備えた炊飯水交換装置、並びに、その炊飯水交換装置を用いる炊飯システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、コンビニエンスストアや給食産業などの隆盛に伴い、大量のご飯を効率良く炊飯し出荷することが求められている。この課題に答えるため、種々の自動炊飯システムが提案されており、その典型的なものとしては、例えば、特許文献1や特許文献2に開示されているような、多数の炊飯釜を搬送ラインに沿って順次搬送し、搬送ライン上で、水浸漬、炊飯、蒸らしなどの炊飯に必要な各工程を行うようにした炊飯システムがある。このような炊飯システムにおいては、多数の炊飯釜が順次搬送ラインを搬送されながら次々と炊飯されるので、大量のご飯を効率よく炊飯できるという利点がある。
【0003】
しかしながら、本発明者が経験したところによれば、これら従来の炊飯システムによって炊飯を行うと、炊飯条件や水量を適切に設定した場合でも、時として、炊飯釜によっては炊飯により焦げが生じたり、炊き上がったご飯にべちゃっとしたべとつきが感じられるという予測できない不都合が生じることがあった。このような予測できない焦げやべとつきの発生は、炊き上がるご飯の品質管理上好ましいものではない。
【特許文献1】特開平9−108104号公報
【特許文献2】特開2000−83815号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記のような従来の炊飯システムの問題点を解決するために為されたもので、予測できない焦げやべとつきの発生がなく、安定した品質のご飯を効率良く炊き上げることができる炊飯システムを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、従来の炊飯システムにおいて、時として、予想外の焦げやべとつきが発生する原因を究明すべく研究を重ねた結果、これら従来の炊飯システムにおいては、水浸漬工程が終了した炊飯釜が、そのまま炊飯工程に送られ、加熱炊飯を受けるようになっている点にその原因があるのではないかとの知見を得た。すなわち、従来の炊飯システムにおいては、洗米された米と所定量の浸漬水とが投入された炊飯釜は、所定時間水浸漬された後、そのまま炊飯工程に送られているのであるけれども、水浸漬工程において、浸漬水中には無視できない量の米澱粉が溶出しており、この溶出した米澱粉が炊飯釜底部に沈殿して焦げの原因となったり、炊き上がった飯粒の周囲に付着して、べとつきを生じさせているのではないかとの知見を得た。そしてこのような不都合を解消するためには、浸漬水を用いてそのまま炊飯するのではなく、浸漬水をいったん抜き取り、炊飯釜に新たに炊飯水を供給すれば良いとの発想のもとに、本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明は、炊飯釜搬送経路の途上に、水を通し米を通さない分離蓋と;分離蓋と炊飯釜とが互いに離間した位置と、分離蓋と炊飯釜とが互いに接近し分離蓋によって炊飯釜の開口部の一部又は全部が覆われる位置との間で、炊飯釜と分離蓋とを相対的に移動させる移動装置と;開口部の一部又は全部が分離蓋によって覆われた状態で炊飯釜を傾斜させる傾斜装置とを備えてなる水抜装置を提供するとともに、そのような水抜装置に加えて、浸漬水が排除された炊飯釜に炊飯水を給水する給水装置を備えている炊飯水交換装置を提供し、さらには、そのような水抜装置及び/又は炊飯水交換装置を備えている炊飯システムを提供することによって上記の課題を解決するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の水抜装置によれば、水浸漬工程を経て浸漬水を収容した炊飯釜から効率良く浸漬水を抜き取ることができる。また、本発明の炊飯水交換装置によれば、浸漬水を捨てて、新たな水を炊飯水として炊飯釜内に供給することができるので、浸漬水とは異なる炊飯水を用いて炊飯を行うことができる。このため、水浸漬工程で浸漬水中に無視できない量の米澱粉が溶出したとしても、それらの米澱粉は浸漬水とともに炊飯釜から抜き取られるので、炊飯時に焦げの原因となったり、炊き上がったご飯にべちゃっとしたべとつき感をもたらす恐れがない。さらには、本発明の水抜装置を備えた炊飯水交換装置によれば、浸漬水とは関わりなく、自由に炊飯水を選択できるという利点も得られる。また、本発明の炊飯水交換装置を備えた炊飯システムによれば、予測できない焦げやべとつきの発生が未然に防止できるので、炊飯の品質管理が容易となり、高品質のご飯を効率良く炊飯し、出荷できるという利点が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明が図示のものに限られないことは勿論である。
【0009】
図1は、本発明の炊飯水交換装置の一例を示す正面図である。図1において、1は本発明の炊飯水交換装置であり、2は蓋取装置、3は水抜装置、4は給水装置、5は添加材供給装置、6はナラシ装置、7は蓋着装置である。本例の炊飯水交換装置1においては、これらの装置が、搬送経路の上流側からこの順に配置されている。8はローラーコンベア、9はプラスチックコンベア、10は炊飯釜、11は炊飯釜10の蓋である。本明細書において、搬送経路の上流側とは、ローラーコンベア8やプラスチックコンベア9などの搬送装置によって、炊飯釜10が搬送されてくる上流側をいい、図1においては炊飯釜10は図中右側から左側に向かって搬送されるので、図中右側が上流側ということになる。なお、炊飯釜10を搬送する搬送装置としては、ローラーコンベア8やプラスチックコンベア9に限られるものではなく、ローラーコンベア8の代わりに、チェーンコンベアやプラスチックコンベア若しくはベルトコンベアなどを用いても良く、プラスチックコンベア9の代わりに、チェーンコンベアやローラーコンベア若しくはベルトコンベアなどを用いても良い。
【0010】
図1において、炊飯釜10が、搬送経路の上流側に配置されている図示しない浸漬ラインを経て、内部に米と浸漬水とを収容し、蓋11がされた状態で、蓋取装置2の位置まで搬送されてくると、位置検知装置12が作動して、炊飯釜10を蓋取装置2の所定位置に停止させる。炊飯釜10が蓋取装置2の所定位置に停止すると、蓋取装置2の可動部203が下降し、その下方端に取り付けられている蓋チャック204が蓋11を把持する。蓋チャック204が蓋11を把持する機構に特段の制限はなく、蓋11を持ち上げ、所定位置まで搬送することができる限りどのような機構を採用しても良い。例えば、蓋11が磁性体である場合には、蓋チャック204に電磁石を用い、電磁石が発生する磁力によって蓋11を吸着、把持するようにしても良いし、蓋チャック204の内部を真空に引き、その負圧によって蓋11を吸引し、把持するようにしても良い。蓋11の一部をつかむことにより蓋11を把持する機械的な把持機構を採用しても良いことは勿論である。
【0011】
蓋チャック204が蓋11を把持すると、可動部203は、図中矢印で示すように上昇位置(A)まで上昇し、さらに、水平方向に所定位置(B)まで移動する。その所定位置(B)で、可動部203は下降し、蓋11を蓋搬送装置13の上に載置した後、蓋チャック204による蓋11の把持を解除する。蓋搬送装置13の上に載置された蓋11は、後述する蓋着装置7へと、矢印水平方向に搬送される。蓋取装置2は、以上のような動作を繰り返し、順次搬送されてくる炊飯釜10の蓋11を自動的に取り、蓋搬送装置13へと搬送する。
【0012】
蓋11が取られ、上部が開放された炊飯釜10は、次に、水抜装置3へと搬送される。炊飯釜10が水抜装置3の所定位置まで搬送されてくると、位置検知装置12が作動して、炊飯釜10を停止させる。
【0013】
図2は、水抜装置3だけを取り出して拡大した正面図であり、図3はその側面図である。図2及び図3において、301、301は、中央にリング状部材311を介して連結された一対の回転枠であり、回転枠301、301のそれぞれには回転軸302、302が取り付けられている。回転軸302、302は、図示しない軸受によって水平軸のまわりに回転自在に軸支されている。このため、図示しない駆動源からの動力によって回転軸302を回転させることにより、回転枠301、301を、中央のリング状部材311ともども、水平軸の回りに傾斜させ、回転することができる。303は、回転枠301、301のそれぞれに各2本ずつ取り付けられた伸縮軸であり、304は、回転枠301、301のそれぞれに各1本ずつ取り付けられた駆動軸、305は各駆動軸304、304をそれぞれ上下方向に駆動するシリンダである。306、306は一対の昇降板であり、各昇降板306には、2本の伸縮軸303、303及び1本の駆動軸304の下端が固定されている。シリンダ305、305を図示しない流体源からの作動流体によって同期して作動させ、駆動軸304、304を上下させると、昇降板306、306は、伸縮軸303、303とともに上下動するようになっている。駆動軸304、304を上下させる駆動機構としては、シリンダ305に限られず、電動モーターと歯車機構とを組み合わせたものであっても良い。
【0014】
307は、一対の昇降板306、306の各々に2個ずつ取り付けられた炊飯釜固定爪である。308、308、308・・・は、取付部材を介して伸縮軸303、303に支持されている回転自在の複数のガイドローラーである。309は分離蓋であり、複数の支持部材310を介して回転枠301のリング部材311に取り付けられている。なお、312は排水受である。
【0015】
図4は、図2のA−A断面図である。今、破線で示す炊飯釜10がプラスチックコンベア9、9によって矢印方向に搬送されてくると、炊飯釜10の側面が複数のガイドローラー308、308、308・・・に当接し、炊飯釜10は搬送方向に向かって左右方向の位置を規制されることとなる。なお、複数のガイドローラー308、308、308・・・のうち、最も上流側に位置するガイドローラー308は、若干外側に位置しており、炊飯釜10の進入を容易なものとしている。複数のガイドローラー308、308、308・・・の全体若しくは一部を、プラスチックコンベア9、9の搬送方向と直角方向に移動可能に保持し、炊飯釜10の搬送方向に向かって左右方向の位置の調整に利用したり、炊飯釜10の形状や大きさの変更などに対応するようにしても良い。
【0016】
炊飯釜10がガイドローラー308、308、308・・・によって搬送方向に向かって左右方向の位置を規制された状態で所定位置まで到達すると、位置検知装置12が動作し、炊飯釜10は停止する。このとき、炊飯釜固定爪307、307、307、307は、昇降板306、306と共に上昇したときに、ちょうど炊飯釜10の周辺部と若干の間隙をもって対向する位置に来るように配置されている。なお、例えば、図5に示すように、炊飯釜固定爪307、307の上端を外側に傾斜させ、炊飯釜固定爪307、307が昇降板306、306と共に上昇した時に、炊飯釜固定爪307、307による炊飯釜10の固定がよりスムースに行えるようにしたり、炊飯釜固定爪307、307を弾性部材309、309を介して支持することにより、炊飯釜固定爪307、307による炊飯釜10の固定をより確実で位置ずれのないものとしたりすることも適宜行うことができる。さらには、炊飯釜固定爪307、307を炊飯釜10に対して移動させる移動手段を設け、昇降板306、306が所定位置まで上昇した段階で、炊飯釜固定爪307、307を炊飯釜10に対して接近させて、炊飯釜10を所定位置に固定するようにしても良い。
【0017】
図6は、図2のB−B断面図である。この図に見られるように、一対の回転枠301、301の中央部には、リング部材311があり、このリング部材311に、複数の支持部材310を介して、分離蓋309が取り付けられている。分離蓋309の垂直方向の取付位置は、複数の支持部材310を長さの異なるものと交換したり、ネジ機構やシリンダ機構、ラック機構などによって、複数の支持部材310のリング部材311よりも下方に突出する長さを変えることによって、調整可能としても良い。
【0018】
次に、本発明の水抜装置3の動作を説明する。上述したとおり、複数のガイドローラー308、308、308・・・に案内されて炊飯釜10が水抜装置3の所定位置まで到達すると、図2に示すとおり、位置検知装置12が作動して、炊飯釜10を停止させる。炊飯釜10が停止すると、シリンダ305、305が作動し、駆動軸304、304を上昇させることによって、駆動軸304、304の下端に固定された一対の昇降板306、306を上昇させる。昇降板306、306は、図3に示すとおり、プラスチックコンベア9、9よりも外側に位置しているので、プラスチックコンベア9、9と接触することなく上昇し、やがて炊飯釜10の底面と接し、そのまま炊飯釜10を図7に示す所定の上昇位置まで上昇させる。この状態で、一対の昇降板306、306のそれぞれに配置された炊飯釜固定爪307、307、307、307は、炊飯釜10の四方の周囲と当接若しくは若干の間隙をもって対向し、炊飯釜10を固定する。
【0019】
図8は、炊飯釜10が所定の上昇位置にあるときの分離蓋309と炊飯釜10との位置関係を示す断面図であり、図9は、図8の円で囲まれた部分の部分拡大図である。図8、図9に示すとおり、炊飯釜10が所定の上昇位置に到達したときに、分離蓋309は、炊飯釜10の内側にあり、炊飯釜10の内周面と当接しており、炊飯釜10の上部開口部の全体を覆った状態にある。分離蓋309は、水を通過させ、米を通過させない分離蓋本体313と、その周縁の柔軟性を有する縁部314と、分離蓋本体313と縁部314とを上下から挟んで固定する環状押さえ部材315、315とからなり、柔軟性を有する縁部314によって、炊飯釜10の内周面と密に当接することができるようになっている。316は米の層であり、317は浸漬水の層である。
【0020】
分離蓋本体313の構造や材料に特段の制限はなく、水を通過させ、米を通過させないで、水と米とを分離することができるものであれば、どのような材料を用いたどのような構造のものであっても良い。典型的には、ステンレス等の金属線や合成樹脂線などで構成された網状部材が用いられるけれども、網状部材以外にも、金属やプラスチック板に多数の孔を開けた多孔板や、織布などを用いることもできる。また、柔軟性のある縁部314を構成する部材としては、典型的にはゴムが用いられるけれども、軟質樹脂などを用いるようにしても良い。
【0021】
図8の例においては、炊飯釜10は、内側に段差があり、分離蓋309は、その段差の若干下方まで炊飯釜10内に進入している。分離蓋309の進入位置は、もっと浅くすることも可能であるが、炊飯釜10の内側に段差がある場合には、後述するように炊飯釜10を傾斜させて水抜きを行うと、段差部分に米粒が溜まる傾向があるので、分離蓋309は炊飯釜10の内側の段差よりも下方まで進入させた方が良い。また、分離蓋309を炊飯釜10の内部に進入させないで、炊飯釜10の上部開口部を上側から覆うように配置することも可能であるけれども、そのような状態で炊飯釜10を傾斜させて水抜きを行うと、炊飯釜10の内部の上端近傍まで米粒が付着し、後の給水作業に支障が生じるので好ましくない。したがって、分離蓋309は、炊飯釜10の内側にある程度進入させた方が良く、その進入長さは、好ましくは、炊飯釜10の内側上端から1cm以上、より好ましくは2cm以上である。
【0022】
図7に示すように、炊飯釜10を所定位置まで上昇させ、炊飯釜10の内部に分離蓋309を進入させて炊飯釜10の内周面と当接させ、炊飯釜10の上部開口部を覆った状態で、図示しない駆動源を駆動して、一対の回転枠301、301を回転軸302、302の回りに回転させ、炊飯釜10を図10、図11に示すように傾斜させる。このように、炊飯釜10が、分離蓋309によって上部開口部を覆われた状態で、水平軸である回転軸302の周囲に回転して傾斜すると、炊飯釜10内の浸漬水は、分離蓋309の分離蓋本体313を通過して、直下に設けられている排水受312内に落下する。なお、炊飯釜10を回転軸302の回りに回転させる角度αとしては、炊飯釜10内の浸漬水が排出される限り、特段の制限はないけれども、炊飯釜10の側壁が底面に対してほぼ直角に立ち上がっていることを考えると、少なくとも90度以上であるのが好ましい。また、炊飯釜10を回転軸302の回りに180度まで回転させ、上下反転させてしまうと、分離蓋309に付着する米粒の量が増え、好ましくない。よって、炊飯釜10を回転させる角度αは最大でも180度を超えないのが好ましく、より好ましくは、角度αは120度以下が良い。また、炊飯釜10を一旦90度を超えて回転させた後、再び、90度未満の回転角にまで戻し、その位置で若干の時間をおいて残った浸漬水を炊飯釜10の下側になった部分に集め、再び90度を超えて回転させて、浸漬水を排水し、抜き取るようにしても良い。
【0023】
浸漬水の抜き取りが終了すると、炊飯釜10を水平に戻し、シリンダ305、305を駆動して、一対の昇降板306、306を下降させる。炊飯釜10を水平に戻した時点で、若しくは、昇降板306、306を下降させつつある時点で、分離蓋309若しくは回転枠301、301全体に軽い振動を与え、分離蓋309に付着した米を炊飯釜10内に落下させるようにしても良い。そのための加振機は、適宜の場所に設けることができる。昇降板306、306が所定位置まで下降し、炊飯釜10が再びプラスチックコンベア9、9上に載置されると、プラスチックコンベア9、9は移動を再開し、炊飯釜10を次の工程へと搬送する。
【0024】
なお、以上の例においては、分離蓋309によって、炊飯釜10の開口部の全体を覆う場合について説明したが、分離蓋309が炊飯釜10の開口部の全部を覆う必要は必ずしもない。例えば、図12に示すように、炊飯釜10を傾斜させたときに上側になる部分には、分離蓋309を設けないようにして、分離蓋309を、円形から円弧と弦とで囲まれる部分を除いた形状としても良い。この場合、当然のことながら、炊飯釜10の開口部の一部だけが分離蓋309によって覆われることになる。
【0025】
図13は、本発明の水抜装置3の他の例を示す図であり、図14は、そのA−A断面図である。この例においては、プラスチックコンベア9、9の代わりに、ローラーコンベア8が炊飯釜10の搬送装置として用いられている点が、これまで説明した水抜装置3とは異なっている。搬送装置としてローラーコンベア8を用いても、図14に示すとおり、一対の昇降板306、306の形状を変えることによって、炊飯釜10を所定の上昇位置まで持ち上げることが可能である。すなわち、一対の昇降板306、306は、その両翼がローラーコンベア8の回転ローラー間に張り出す形状を有しており、これにより、下降時には、ローラーコンベア8の搬送面よりも下方で待機状態にあり、上昇時には、ローラーコンベア8の回転ローラーの間を通り、回転ローラーと接触することなく、炊飯釜10の底面に当接し、炊飯釜10を持ち上げることができる。
【0026】
図15は、本発明の水抜装置3の更に他の例を示す図である。この例の水抜装置3においても、炊飯釜10の搬送装置としてローラーコンベア8が使用されている点では、図13、図14で説明した例と同じである。ただし、この図15に示した例においては、炊飯釜10が分離蓋309に向かって上昇するのではなく、分離蓋309が、シリンダ305、305を作動させることによって、炊飯釜10に向かって下降し、炊飯釜10の開口部を覆うように構成されている点において、これまでの例とは異なっている。
【0027】
図15において、301はこれまでと同様に回転枠であり、302はその回転軸である。回転枠301からは、支持柱317、317が下方に向かって延びており、支持柱317、317の下端は、ローラー支持板318に連結されている。支持板318は、炊飯釜10が所定位置に停止したときに炊飯釜10の下に位置するローラーコンベア8の複数の回転ローラーを支えている。したがって、図示しない駆動源からの動力によって回転軸302を回転させ、回転枠301を回転、傾斜させると、支持板318によって支持されている複数の回転ローラーも、回転軸302の回りに共に回転することになる。
【0028】
この図15に示す水抜装置3の動作を説明すると、まず、蓋のない炊飯釜10がローラーコンベア8によって搬送され、ガイドローラー308、308・・・に導かれながら所定位置までくると、位置検知装置12が作動して、炊飯釜10を停止させる。炊飯釜10が停止すると、シリンダ305、305が作動し、支持部材310、310を伸ばし、分離蓋309を炊飯釜10に向かって下降させる。分離蓋309が所定位置まで下降し、炊飯釜10の開口部を覆うと、図示しない駆動源からの動力によって回転軸302が回転し、炊飯釜10を含め、回転枠301に支持されている全ての部材が回転し、傾斜する。これにより、炊飯釜10内の浸漬水は、下方に設けられている排水受312内に落下し、水抜きが行われることとなる。なお、炊飯釜10内に進入して炊飯釜10の内周面と当接している分離蓋309によって、回転枠301の傾斜時にも炊飯釜10を支えておくことが可能であるが、分離蓋309の下降時に、図示しない炊飯釜固定爪を同時に下降させ、その固定爪によって炊飯釜を支持するようにしても良い。
【0029】
上記の説明では、炊飯釜10は上昇せず、分離蓋309だけが炊飯釜10に向かって下降するが、分離蓋309の下降とともに、炊飯釜10を上昇させても良い。また、分離蓋309は下降させず、炊飯釜10だけをローラーコンベア8の回転ローラーともども分離蓋に向かって上昇させるようにしても良い。このように、本発明の水抜装置3においては、炊飯釜10と分離蓋309とは、両者が互いに離間した位置と、両者が互いに接近し分離蓋309によって炊飯釜10の開口部の一部又は全部が覆われる位置との間で、炊飯釜10と分離蓋309とが相対的に移動すれば良く、炊飯釜10若しくは分離蓋309のどちらを移動させても良いし、両者を移動させても良い。
【0030】
次に図1に戻って、水抜装置3によって浸漬水を抜かれた炊飯釜10は、続いて給水装置4へと搬送される。炊飯釜10が給水装置4の所定位置に到達すると、位置検知装置12が作動して、炊飯釜10を停止させる。図16は、給水装置4の拡大図である。図16において、401は主給水器であり、402は電磁弁、403は副給水器、404は副給水器403のノズルである。図17は、副給水器403を下から見た図であり、この図から見て取れるとおり、副給水器403は、扇形をしており、その扇形の円弧の曲率は、炊飯釜10の内周面の円弧の曲率とほぼ同じである。そして、副給水器403の扇形の円弧の先端部分には、複数のノズル404が、千鳥状に配置されている。
【0031】
水抜きの終了した炊飯釜10を給水装置4の所定位置に停止させ、電磁部弁402を開いて副給水器403に炊飯水を供給すると、その炊飯水は、複数のノズル404から放出され、炊飯釜10の内周面の上部に当たり、その部分を洗い流しながら、炊飯釜10内へと注ぎ込まれることになる。したがって、先行する水抜き工程において、炊飯釜10を傾斜させたことによって、浸漬済みの米粒が炊飯釜10の内周面上部に付着していたとしても、副給水器403の複数のノズル404から放出される炊飯水によって洗い流され、炊飯釜10内に落下するので、米粒の無駄を防止できるとともに、米粒の炊飯釜への焼き付きを防止することができる。
【0032】
図示の例において、副給水器403のノズル404は、搬送されてくる炊飯釜10の上端よりも若干高い位置にあるので、炊飯釜10の搬送時に副給水器403の高さを上下させる必要はない。しかしながら、副給水器403にその上下位置や水平位置を調節できる機構を設けても良いことは勿論である。
【0033】
給水装置4による給水は以下のように行われる。すなわち、炊飯釜10が所定位置に到達し停止すると、給水装置4の下方に設置された図示しない計量装置によって、ローラーコンベア8上に位置する炊飯釜10の重量が計量される。次に、電磁弁402、402が作動し、主給水器401と副給水器403の両者から炊飯水が炊飯釜10内へと供給される。このとき、副給水器403からの炊飯水によって炊飯釜10の内周面上部に付着している米粒が洗い落とされることは上述したとおりである。主給水器401及び副給水器403からの炊飯水の給水中も、図示しない計量装置は計量を続け、当初計量した水抜きされた炊飯釜10の重量を基準に給水による重量増加を求め、給水量を測定している。給水による炊飯釜10の重量増加、すなわち、給水量が所定値に近づくと、まず副給水器403からの給水が停止され、同時に、主給水器401からの給水量が絞られて、炊飯釜10の重量増加が所定値に到達した時点で、すなわち、炊飯釜10への給水量が所定量に到達した時点で、主給水器401からの給水も停止される。
【0034】
通常、必要な炊飯水の殆どは、主給水器401からの給水によってまかなわれ、副給水器403からの給水量は比較的少量に留まる場合が多いけれども、必要があれば、副給水器403からの給水によって、必要な炊飯水の全量をまかなうようにしても良い。なお、上記の例では、炊飯釜10の重量増加を計量することによって給水量を測定しているが、主給水器401及び副給水器403のそれぞれに流量計を取付け、給水された炊飯水の量を直接測るようにしてもよい。
【0035】
以上のように、水抜装置3によって浸漬水が抜かれた炊飯釜10に、給水装置4によって新たな水を炊飯水として供給することによって、炊飯水の交換が完了する。したがって、本発明の炊飯水交換装置は、水抜装置3と給水装置4とを最小限の構成ユニットとして備えているものである。
【0036】
なお、先行する水抜き工程においては、炊飯釜10は、その上流側を下にして傾斜させられることによって、水抜きが行われていたので、給水装置4における扇形の副給水器403は、米粒が付着している可能性の高い炊飯釜10の上流側の内周面上部に炊飯水を当てるように配置されている。水抜き工程における傾斜方向が逆であれば、給水装置4における副給水器403の扇形の位置も逆となり、炊飯釜10の下流側の内周面上部に炊飯水を当てるように配置することになる。このように、本発明の炊飯水交換装置においては、水抜装置3において炊飯釜10を傾斜させたときに下側になる炊飯釜10の開口部の内周面上部に、副給水器403のノズルからの水、すなわち、炊飯水が当たるように、水抜装置3と副給水器403、つまりは、水抜装置3と給水装置4とが配置されている。
【0037】
図18は、副給水器403の他の例を示し、図17と同様に、副給水器403を下側から見た図である。ただし、炊飯釜10は省略してある。図18に示すように、この例の副給水器403においては、ノズル404は、扇形の先端部分に設けられた円弧状の連続した一つのノズルとして形成されている。
【0038】
図19は、副給水器403の更に他の例を示し、この例においては、副給水器403は単一のノズル404を備えたパイプ状に形成されており、回転軸405の回りに回転可能になっている。これにより、ノズル404が単一であっても、炊飯釜10の内周面上部の所定範囲、必要な場合には全周を走査して、必要な部分に水を当てることが可能となる。このような単一のノズル404を備えたパイプ状の副給水器403は、2個、若しくはそれ以上の個数設け、それぞれによって必要な走査範囲を分割して担当するようにしても良い。なお、ノズル404の回転軌跡が炊飯釜10の内周面に沿ったものであることは言うまでもない。
【0039】
再び図1に戻って、炊飯水の給水が終了した炊飯釜10は、次に、添加材供給装置5へと搬送される。炊飯釜10が添加材供給装置5の所定位置まで到達すると、位置検知装置12が作動して、炊飯釜10を停止させる。炊飯釜10の上方には、複数の添加材供給手段14、14、14・・・が配置されており、これら添加材供給手段14、14、14・・・から、例えば、醤油、塩、酢、その他の調味料、だし、具材、エキスなど、米に混ぜご飯に炊き上げるさまざまな添加材の1種若しくは2種以上が炊飯釜10内に添加される。
【0040】
添加材が添加された炊飯釜10は、続いてナラシ装置6へと搬送され、ナラシ装置6の所定位置に到達すると、これまでと同様に、位置検知装置12が作動して、炊飯釜10を停止させる。15は撹拌バーであり、炊飯釜10が停止すると、この撹拌バー15が下降し、炊飯釜10内で回転して、炊飯釜10内を撹拌して、ナラスこととなる。
【0041】
ナラシ工程が終了すると、炊飯釜10は、続いて蓋着装置7へと搬送される。炊飯釜10が蓋着装置の所定位置に到達すると、位置検知装置12が作動し、炊飯釜10を停止させる。炊飯釜10が所定位置に停止すると、上方から、蓋11を把持した可動部203が下降してきて、蓋11を炊飯釜10の所定位置に載置した後、蓋チャック204を解除して、炊飯釜10に蓋11を装着する。なお、可動部204と蓋チャック203とは、蓋搬送装置13によって搬送されてくる蓋11を、順次、(C)の位置で持ち上げ、水平に(D)の位置まで移動させ、次に、下降して炊飯釜10の所定位置に載置するという動作を繰り返すものであり、この動作は、基本的に先に説明した蓋取装置2における動作の逆の動作であるので、これ以上の説明は省略する。
【0042】
以上で、水浸漬工程を終えた炊飯釜10から、蓋をとり、浸漬水を抜き取って、代わりに新たな水を炊飯水として加え、必要な添加材を添加し、ナラシを行い、蓋をして、次の工程である炊飯工程へと送り出すという一連の操作が終了する。なお、添加材供給装置5やナラシ装置6は、不要であればなくても良く、また、仮に存在していたとしても使用しなくても良い。また、蓋取操作は、水浸漬工程から搬送されてくる炊飯釜10に蓋11がされていなければ行う必要はなく、また、蓋着操作は、後の工程に送り出す際に、蓋11が不要であれば行う必要はない。
【0043】
また、以上の説明では、炊飯釜10は搬送装置によって常に一定方向に搬送され、その搬送経路上の異なる位置に順次配置された蓋取装置、水抜装置、給水装置、添加材供給装置、ナラシ装置、蓋着装置によって、蓋取り、水抜き、給水、添加材添加、ナラシ、蓋着という各操作が行われるようになっていたが、上記の各操作は、必ずしも搬送経路の異なる位置で行われる必要はなく、また、炊飯釜10の搬送も、常に一定方向である必要もない。すなわち、上記各操作の1若しくは2以上の操作を搬送経路上の同じ位置で行うようにしても良い。例えば、水抜装置3と給水装置4とを組み合わせ、搬送経路の同じ場所で水抜きと給水とを行うようにしても良い。また、蓋取り操作と蓋着操作とを搬送経路上の同じ位置で行うようにしても良い。更には、水抜き操作や給水操作と同じ位置で、添加材の添加やナラシ操作も行うようにしても良い。
【0044】
また、上記の蓋取装置、水抜装置、給水装置、添加材供給装置、ナラシ装置、蓋着装置は、必ずしもこの順で搬送装置の上流側から下流側に向かって並んでいる必要はなく、これらの装置のうちの1又は2以上の装置の位置が、逆転していても良い。その場合には、炊飯釜10が、順次所定の装置に搬送されるように、搬送装置は適宜その搬送方向を逆転することが必要となる。ただし、その場合であっても、炊飯釜10は、水抜装置3で水抜き操作が行われる前に給水装置4に搬送されることはなく、搬送方向の逆転も含めた炊飯釜10の搬送経路としてみた場合、給水装置4は、必然的に、水抜装置3よりも上流側でない位置に位置することとなる。なお、上流側でない位置とは、給水装置4が水抜装置3と搬送経路の同じ位置にある場合を含むものである。
【0045】
同様に、炊飯釜10は、その蓋が取られる前に水抜装置3に搬送されることはないから、本発明の炊飯水交換装置は、炊飯釜10の搬送経路として水抜装置3よりも下流側でない位置に、炊飯釜の蓋を取る蓋取装置2を備えることとなる。また、同様に、給水前に炊飯釜10に蓋をすることもないから、本発明の炊飯水交換装置は、炊飯釜10の搬送経路として給水装置4よりも上流側でない位置に炊飯釜10に蓋を装着する蓋着装置7を備えることとなる。以下、添加材供給装置やナラシ装置についても同様で、本発明の炊飯水交換装置は、炊飯釜の搬送経路として蓋着装置よりも下流側でない位置に、炊飯釜内に添加材を供給する添加材供給装置及び/又は炊飯釜内を撹拌するナラシ装置を備えることとなる。
【0046】
以上のような水抜装置又は炊飯水交換装置は、適宜、炊飯システムに組み込みむことができる。図20に、本発明の炊飯水交換装置を組み込んだ炊飯システムの一例を示す。図において、2〜7は、それぞれ先に説明した蓋取装置2、水抜装置3、給水装置4、添加材供給装置5、ナラシ装置6、蓋着装置7である。蓋着装置7によって蓋11を装着された炊飯釜10は、搬送装置によって炊飯ライン16へと搬送され、炊飯される。炊飯が終了した炊飯釜10は、次いで、蒸らしライン17へと搬送され、そこで所定時間の蒸らし工程を経たのちに、蓋取装置18に搬送され、蓋が取られる。蓋が取られた炊飯釜は、炊飯釜反転装置19で反転され、内部の炊き上がったご飯を搬送装置上に放出する。搬送装置上に放出されたご飯は、米飯撹拌装置20、冷却装置21を経て、計量装置22によって所定量ずつ出荷用容器に充填され、積み上げ装置23を経て出荷される。
【0047】
一方、内部のご飯を放出した炊飯釜10は、搬送装置24によって炊飯釜洗浄装置に搬送され、そこで洗浄されたあと、計量装置26へと搬送される。計量装置26においては、洗浄済みの空の炊飯釜に、図示しない洗米機で洗米された米が供給され、続いて、浸漬水が供給される。浸漬水の供給量は、計量装置26によって炊飯釜10の重量増加を計量することによって測定される。すなわち、洗米された米が供給された炊飯釜10の重量を計量装置26によってまず計量し、次に、この値を基準にして、浸漬水の供給による炊飯釜10の重量増加を求め、その重量増加から浸漬水の給水量を測定するようになっている。炊飯釜10に所定量の浸漬水が供給されたことが検知されると、浸漬水の供給は停止される。
【0048】
他方、蓋取装置18によって取られた蓋は、洗浄装置27によって洗浄されたあと、蓋搬送装置28を経て、蓋着装置29へと搬送され、そこで、洗米済みの米と浸漬水とが供給された炊飯釜10に装着される。蓋が装着された炊飯釜10は、続いて浸漬ライン30へと搬送され、そこで所定時間の浸漬工程が行われる。浸漬工程を経た炊飯釜10が、再び蓋取装置2を経て、水抜装置3、給水装置4等に搬送されることは、既に述べたとおりである。
【0049】
このような本発明の炊飯システムによれば、浸漬水を抜き取り、新たな水を炊飯水として炊飯が行えるので、炊き上がったご飯に予測できない焦げや、べちゃっとしたべとつきが発生することがなく、高品質のご飯を効率良く炊飯することができる。なお、このような本発明の炊飯システムにおいては、浸漬水を抜き取る必要がない場合には、水抜装置3、給水装置4を作動させないでおくことも勿論可能である。その場合には、浸漬工程を経た炊飯釜10は、必要に応じて、添加材供給装置5によって添加材が供給され、ナラシ装置6で撹拌された後、蓋着装置7を経て、炊飯工程へと搬送されることとなる。また、本発明の炊飯システムにおいては、炊飯釜10の計量は、浸漬水を供給する場所にある計量装置26と、給水装置4に備えられた計量装置との2つの計量装置によって行うことができるので、仮に、計量装置26が故障した場合でも、給水装置4に備えられた計量装置によって正確な計量給水が可能であるという利点がある。
【0050】
以上の説明は、水平断面形状が円形である炊飯釜10についてのものであるけれども、本発明が対象とする炊飯釜は、水平断面形状が円形のものに限られない。水平断面形状が、四角形のものであっても、長方形のものであっても、長円のものであっても、角の丸い四角形や長方形のものであっても良い。但し、その場合、分離蓋の形状や、炊飯釜固定爪の配置形態や、副給水器の形状などを、使用する炊飯釜の形状に合わせて変更することはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0051】
以上説明したように、本発明の水抜装置によれば、自動的かつ容易に炊飯釜から溶出米澱粉を含んだ浸漬水を抜き取ることができる。また、本発明の炊飯水交換装置及びそれを用いる炊飯システムによれば、自動的かつ容易に、浸漬水を抜き取り、新たに給水した水を炊飯水として炊飯を行うことができる。したがって、炊き上がったご飯に予想外の焦げが生じたり、べちゃっとしたべとつきが発生することが防止され、ご飯の品質管理が容易になるとともに、安定した品質のご飯を大量に供給することができるものである。品質の良いご飯を、大量に安定して供給することが求められている炊飯業界にとって、本発明の有用性は極めて高いものである。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の炊飯水交換装置の一例を示す側面図である。
【図2】本発明の水抜装置の一例を示す正面図である。
【図3】本発明の水抜装置の一例を示す側面図である。
【図4】図2のA−A断面図である。
【図5】炊飯釜固定爪の一例を示す図である。
【図6】図2のB−B断面図である。
【図7】本発明の水抜装置の動作を説明する図である。
【図8】分離蓋と炊飯釜との位置関係を示す断面図である。
【図9】図8の部分拡大図である。
【図10】本発明の水抜装置の動作を説明する図である。
【図11】本発明の水抜装置の動作を説明する図である。
【図12】分離蓋の他の例を示す図である。
【図13】本発明の水抜装置の他の例を示す図である。
【図14】図13のA−A断面図である。
【図15】本発明の水抜装置の更に他の例を示す図である・
【図16】給水装置の拡大図である。
【図17】副給水器の一例を示す図である。
【図18】副給水器の他の例を示す図である。
【図19】副給水器の更に他の例を示す図である。
【図20】本発明の炊飯システムの一例を示す配置図である。
【符号の説明】
【0053】
1 炊飯水交換装置
2 蓋取装置
3 水抜装置
4 給水装置
5 添加材供給装置
6 ナラシ装置
7 蓋着装置
8 ローラーコンベア
9 プラスチックチェーン
10 炊飯釜
11 蓋
12 位置検知装置
13 蓋搬送装置
301 回転枠
302 回転軸
303 伸縮軸
304 駆動軸
305 シリンダ
306 昇降板
307 炊飯釜固定爪
308 ガイドローラー
309 分離蓋
310 支持部材
311 リング部材
312 排水受
313 分離蓋本体
313 縁部
α 回転角度


【特許請求の範囲】
【請求項1】
炊飯釜搬送経路の途上に、水を通し米を通さない分離蓋と;分離蓋と炊飯釜とが互いに離間した位置と、分離蓋と炊飯釜とが互いに接近し分離蓋によって炊飯釜の開口部の一部又は全部が覆われる位置との間で、炊飯釜と分離蓋とを相対的に移動させる移動装置と;開口部の一部又は全部が分離蓋によって覆われた状態で炊飯釜を傾斜させる傾斜装置とを備えてなる水抜装置。
【請求項2】
傾斜装置が、炊飯釜を水平軸の回りに回転させる装置であり、その回転角度が90度以上、180度未満である請求項1記載の水抜装置。
【請求項3】
分離蓋が、周囲の一部又は全部に柔軟性を有する縁部を備えており、その柔軟性を有する縁部を炊飯釜開口部の内周面の一部又は全周に当接させることによって、炊飯釜の開口部を覆うものである請求項1又は2記載の水抜装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の水抜装置と、炊飯釜の搬送経路として、水抜装置よりも上流側でない位置に、炊飯釜に炊飯水を給水する給水装置を備えている炊飯水交換装置。
【請求項5】
給水装置が、炊飯釜の開口部の内周面上部の少なくとも一部に水を当てることができる1又は複数のノズルを備え、その1又は複数のノズルから、必要な炊飯水の一部若しくは全部を炊飯釜内に給水するものである請求項4記載の炊飯水交換装置。
【請求項6】
複数のノズルが炊飯釜の開口部の内周面上部に沿った位置に配置されている請求項5記載の炊飯水交換装置。
【請求項7】
1又は複数のノズルが炊飯釜の開口部の内周面上部に沿って移動可能に設けられている請求項5記載の炊飯水交換装置。
【請求項8】
水抜装置において炊飯釜を傾斜させたときに下側になる炊飯釜開口部の内周面上部に、給水装置の1又は複数のノズルからの水が当たるように、水抜装置と給水装置とが配置されている請求項5ないし7のいずれかに記載の炊飯水交換装置。
【請求項9】
給水装置が、炊飯釜の開口部の内周面上部の少なくとも一部に水を当てることができる1又は複数のノズルとは別に、炊飯水給水ノズルを備えており、かつ、炊飯釜への給水量を計量する計量装置を備えている請求項5ないし8のいずれかに記載の炊飯水交換装置。
【請求項10】
炊飯釜の搬送経路として水抜装置よりも下流側でない位置に、炊飯釜の蓋を取る蓋取装置を備え、かつ、炊飯釜の搬送経路として給水装置よりも上流側でない位置に炊飯釜に蓋を装着する蓋着装置とを備えている請求項4ないし9のいずれかに記載の炊飯水交換装置。
【請求項11】
蓋取装置と蓋着装置とが炊飯釜搬送経路の異なる位置にあり、蓋取装置から蓋着装置へと蓋を搬送する蓋搬送装置を、炊飯釜搬送装置とは別に備えている請求項10記載の炊飯水交換装置。
【請求項12】
炊飯釜の搬送経路として蓋着装置よりも下流側でない位置に、炊飯釜内に添加材を供給する添加材供給装置及び/又は炊飯釜内を撹拌するナラシ装置を備えている請求項10又は11記載の炊飯水交換装置。
【請求項13】
請求項1ないし3のいずれかに記載の水抜装置又は請求項4ないし12のいずれかに記載の炊飯水交換装置を備えている炊飯システム。
【請求項14】
水浸漬ラインと炊飯ラインとの間に、搬送されてくる炊飯釜から浸漬水を抜き取る水抜装置と、炊飯釜に炊飯水を給水する給水装置とを備えている炊飯システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate