説明

炭化水素ガス処理

小型の処理組立体において炭化水素ガス・ストリームからより重質の炭化水素成分を回収するためのプロセス及び装置が開示される。ガス・ストリームは、冷却され、凝縮され、且つより低い圧力に膨張され、フィードとして処理組立体の内部の吸収手段に供給される。蒸留液体ストリームは、吸収手段から収集され、且つガス・ストリームを冷却しながらその揮発性成分をストリップ・アウトする処理組立体の内部の加熱及び物質移動手段の中に向けられる。蒸留ストリームは、加熱及び物質移動手段から収集され且つ少なくとも部分的にこれを凝縮するのに十分なだけ冷却されて、残留蒸気ストリームと凝縮されたストリームを形成する。フィードの量及び温度は、ストリッピングされた蒸留液体ストリーム中に所望の成分の大部分が回収される温度である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭化水素を含有するガスの分離のためのプロセス及び装置に関する。出願人らは、先の2009年6月11日に出願された米国特許仮出願第61/186,361号の米国法典第35巻119(e)に基づく優先権を主張する。出願人らはまた、2010年5月3日に出願された米国特許出願第12/772,472号の一部継続出願として、及び2010年3月31日に出願された米国特許出願第12/750,862号の一部継続出願として、及び2010年3月4日に出願された米国特許出願第12/717,394号の一部継続出願として、及び2010年1月19日に出願された米国特許出願第12/689,616号の一部継続出願として、及び2009年2月17日に出願された米国特許出願第12/372,604号の一部継続出願として米国法典第35巻120に基づく優先権を主張する。譲受人のS.M.E.products LP及びOrtloff
Engineers,Ltd.は、本出願の発明がなされた前に発効された共同研究協定の当事者であった。
【0002】
エチレン、エタン、プロピレン、プロパン、及び/又はより重質の炭化水素は、石炭、原油、ナフサ、オイルシェール、タールサンド、及び亜炭のような他の炭化水素材料から得られる天然ガス、精油所ガス、及び合成ガス・ストリームのような種々のガスから回収することができる。天然ガスは、普通は、多くの割合のメタンとエタンを有する、すなわち、メタンとエタンが共にガスの少なくとも50モルパーセントを構成する。ガスはまた、プロパン、ブタン、ペンタンなどのような比較的より少ない量のより重質の炭化水素、並びに水素、窒素、二酸化炭素、及び他のガスを含有する。
【0003】
本発明は、一般に、こうしたガス・ストリームからのエチレン、エタン、プロピレン、プロパン、及びより重質の炭化水素の回収に関係する。この発明に従って処理されることになるガス・ストリームの典型的な分析は、おおよそのモルパーセントで、90.3%がメタン、4.0%がエタン及び他のC成分、1.7%がプロパン及び他のC成分、0.3%がイソブタン、0.5%が標準ブタン、及び0.8%がペンタンであり、加えてその残りは窒素と二酸化炭素で構成されるであろう。硫黄を含有するガスもまた存在することがある。
【背景技術】
【0004】
歴史的に、天然ガスとその天然ガス液(NGL)構成物質との両方の価格の景気変動は、液体製品としてのエタン、エチレン、プロパン、プロピレン、及びより重質の成分の増分価値を時には減少させることもあった。これは、結果として、これらの製品のより効率的な回収を提供することができるプロセス、より少ない資本投資で効率的な回収を提供することができるプロセス、及び特定の成分の回収を広範囲にわたって変更するために容易に適合し又は調節することができるプロセスに対する需要をもたらした。これらの材料を分離するための利用可能なプロセスは、ガスの冷却及び冷蔵、吸油、及び冷蔵された油の吸油に基づくものを含む。加えて、処理されるガスを膨張させ且つ該ガスから熱を抽出しながら同時に電力を発生させる、経済的な装置が利用できることにより、低温のプロセスが普及してきた。ガス源の圧力、ガスのリッチネス(エタン、エチレン、及びより重質の炭化水素の含有量)、及び所望の最終製品に応じて、これらのプロセスの各々又はこれらの組み合わせが採用されてもよい。
【0005】
低温の膨張プロセスは、これが始動の容易さ、作動の融通性、良好な効率、安全性、及び良好な信頼性と共に最大の簡素さを提供することから、天然ガス液回収のために現在は一般に好ましい。米国特許第3,292,380号、第4,061,481号、第4,1
40,504号、第4,157,904号、第4,171,964号、第4,185,978号、第4,251,249号、第4,278,457号、第4,519,824号、第4,617,039号、第4,687,499号、第4,689,063号、第4,690,702号、第4,854,955号、第4,869,740号、第4,889,545号、第5,275,005号、第5,555,748号、第5,566,554号、第5,568,737号、第5,771,712号、第5,799,507号、第5,881,569号、第5,890,378号、第5,983,664号、第6,182,469号、第6,578,379号、第6,712,880号、第6,915,662号、第7,191,617号、第7,219,513号、米国再発行特許第33,408号、及び同時係属中の米国特許出願第11/430,412号、第11/839,693号、第11/971,491号、及び第12/206,230号は、該当するプロセスを説明する(しかし、幾つかの事例における本発明の詳細な説明は、挙げられた米国特許で説明されたものとは異なる処理条件に基づく)。
【0006】
典型的な低温の膨張回収プロセスにおいて、圧力の下でのフィード・ガス・ストリームが、該プロセスの他のストリーム及び/又はプロパン圧縮冷凍システムのような外部冷凍源との熱交換によって冷却される。ガスが冷却される際に、液体が凝縮され、且つ所望のC+成分のうちの幾つかを含有する高圧液体として1つ又は複数の分離器の中に収集される場合がある。ガスのリッチネスと生成された液体の量に応じて、高圧液体がより低い圧力に膨張し且つ分留される場合がある。液体の膨張の間に起こる気化が、結果としてストリームのさらなる冷却をもたらす。幾つかの条件の下で、膨張からもたらされる温度をさらに下げるために、膨張する前の高圧液体を予冷することが望ましい場合がある。液体と蒸気との混合物を含む膨張したストリームが、蒸留(脱メタン装置又は脱エタン装置)カラムの中で分留される。カラムの中で、塔底液体製品として所望のC成分、C成分、及びより重質の炭化水素成分からオーバーヘッド蒸気として残留メタン、窒素、及び他の揮発性ガスを分離するために、又は塔底液体製品として所望のC成分及びより重質の炭化水素成分からオーバーヘッド蒸気として残留メタン、C成分、窒素、及び他の揮発性ガスを分離するために、膨張冷却されたストリーム(単数又は複数)が蒸留される。
【0007】
フィード・ガスが完全には凝縮されない場合(典型的には完全には凝縮されない)、分縮から残っている蒸気を2つのストリームに分割することができる。蒸気の一方の部分が、仕事膨張マシン(work expansion machine)又はエンジン、若しくは膨張弁を通して、より低い圧力にされ、そこでストリームのさらなる冷却の結果として付加的な液体が凝縮される。膨張後の圧力は、蒸留カラムが作動される圧力と本質的に同じである。膨張から生じた、組み合わされた気相と液相が、フィードとしてカラムに供給される。
【0008】
蒸気の残りの部分は、他のプロセス・ストリーム、例えば、低温の分留塔のオーバーヘッドとの熱交換によって冷却されて実質的に凝縮される。高圧液体のうちの一部又はすべてが、冷却前にこの蒸気部分と組み合わされてもよい。結果として得られた、冷却されたストリームが、次いで、膨張弁のような適切な膨張デバイスを通して、脱メタン装置が作動される圧力に膨張される。膨張の間に液体の一部が蒸発して、ストリーム全体の冷却をもたらすであろう。フラッシュ膨張したストリームは、次いで、頂部フィードとして脱メタン装置に供給される。典型的に、フラッシュ膨張したストリームの蒸気部分と脱メタン装置のオーバーヘッド蒸気は、分留塔の上側の分離器区域において残留メタン製品ガスとして組み合わされる。代替的に、冷却され且つ膨張したストリームは、蒸気ストリームと液体ストリームを提供するために分離器に供給されてもよい。蒸気は、塔のオーバーヘッドと組み合わされ、液体は、カラム頂部フィードとしてカラムに供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第3,292,380号
【特許文献2】米国特許第4,061,481号
【特許文献3】米国特許第4,140,504号
【特許文献4】米国特許第4,157,904号
【特許文献5】米国特許第4,171,964号
【特許文献6】米国特許第4,185,978号
【特許文献7】米国特許第4,251,249号
【特許文献8】米国特許第4,278,457号
【特許文献9】米国特許第4,519,824号
【特許文献10】米国特許第4,617,039号
【特許文献11】米国特許第4,687,499号
【特許文献12】米国特許第4,689,063号
【特許文献13】米国特許第4,690,702号
【特許文献14】米国特許第4,854,955号
【特許文献15】米国特許第4,869,740号
【特許文献16】米国特許第4,889,545号
【特許文献17】米国特許第5,275,005号
【特許文献18】米国特許第5,555,748号
【特許文献19】米国特許第5,566,554号
【特許文献20】米国特許第5,568,737号
【特許文献21】米国特許第5,771,712号
【特許文献22】米国特許第5,799,507号
【特許文献23】米国特許第5,881,569号
【特許文献24】米国特許第5,890,378号
【特許文献25】米国特許第5,983,664号
【特許文献26】米国特許第6,182,469号
【特許文献27】米国特許第6,578,379号
【特許文献28】米国特許第6,712,880号
【特許文献29】米国特許第6,915,662号
【特許文献30】米国特許第7,191,617号
【特許文献31】米国特許第7,219,513号
【特許文献32】米国再発行特許第33,408号
【特許文献33】米国特許出願第11/430,412号
【特許文献34】米国特許出願第11/839,693号
【特許文献35】米国特許出願第11/971,491号
【特許文献36】米国特許出願第12/206,230号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
こうした分離プロセスの理想的な作動において、プロセスを出て行く残留ガスは、フィード・ガス中のメタンの実質的にすべてを含有し、より重質の炭化水素成分を本質的に含まず、脱メタン装置を出て行く塔底留分は、より重質の炭化水素成分の実質的にすべてを含有し、メタン又はそれ以上の揮発性成分を本質的に含まないであろう。実際には、しかしながら、従来の脱メタン装置は主としてストリッピング・カラムとして作動されるので、この理想的な状況は得られない。プロセスのメタン製品は、したがって、典型的には、どの精留ステップも受けなかった蒸気と共に、カラム頂部の分留段を出て行く蒸気を含む。頂部の液体フィードは、実質的な量のこれらの成分及びより重質の炭化水素成分を含有し、結果として脱メタン装置の頂部の分留段を出て行く蒸気中の対応する釣り合った量のC成分、C成分、及びより重質の炭化水素成分をもたらすので、C及びC+成分
の著しい損失が生じる。これらの望ましい成分の損失は、上昇する蒸気が、該蒸気からC成分、C成分、及びより重質の炭化水素成分を吸収することが可能なかなりの量の液体(還流)と接触することができる場合に、著しく減少させることができるであろう。
【0011】
近年では、炭化水素の分離のための好ましいプロセスは、上昇する蒸気の付加的な精留を提供するために上側の吸収器区域を用いる。上側の精留区域に対する還流ストリームを形成する1つの方法は、塔の下側部分において上昇する蒸気のサイドドロー(side draw)を用いることである。塔の下側の蒸気中のC成分が比較的高濃度であることから、上側の精留区域を出て行く低温の蒸気中で利用可能な冷凍のみをしばしば用いて、その圧力を上昇させずに、このサイドドロー・ストリーム中でかなりの量の液体を凝縮することができる。主として液体メタン及びエタンであるこの凝縮された液体は、次いで、上側の精留区域を通して上昇する蒸気からC成分、C成分、及びより重質の炭化水素成分を吸収し、これにより脱メタン装置から塔底液体製品中のこれらの価値ある成分を取り込むのに用いることができる。米国特許第7,191,617号は、このタイプのプロセスの例である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上記で説明された種々のステップをより効率よく行い且つより少ない部品数の装置を用いる新規な手段を採用する。これは、以前は個々の装置要素であったものを共通のハウジングの中に組み合わせて、これにより処理プラントに対して要求される土地利用空間を減少させ且つ設備の資本費用を減少させることによって達成される。驚いたことに、出願人らは、より小型の配置がまた、所与の回収レベルを達成するために要求される電力消費を著しく減少させ、これにより処理効率を増加させ且つ設備の操業費用を減少させることを見出した。加えて、より小型の配置はまた、伝統的なプラント設計の個々の装置要素を相互接続するのに用いられる配管の多くをなくし、資本費用をさらに減少させ、且つまた、関連したフランジ付き配管接続部をなくす。配管フランジは、炭化水素(温室効果ガスに寄与する揮発性有機化合物、VOCであり、且つまた大気中のオゾン生成の前駆体となる場合がある)の潜在的な漏出源であるので、これらのフランジをなくすことは、環境に害を及ぼすことがある大気への放出の可能性を減少させる。
【0013】
本発明によれば、C成分回収における損失のない状態で、脱メタン装置に対する還流ストリームのポンピングを必要とすることなく、99%を超えるC及びC+回収率が得られることが見出されている。本発明は、C成分の回収率が高い値から低い値に調節される場合にC及びC+成分の99%を超える回収率を維持することができるというさらなる利点を提供する。加えて、本発明は、同じ回収レベルを維持しながら従来技術と比べてより低いエネルギー要件でC成分(又はC成分)及びより重質の成分からのメタン(又はC成分)及びより軽質の成分の本質的に100%の分離を可能にする。本発明は、より低い圧力及びより温かい温度で適用可能ではあるが、−50°F[−46℃]以下のNGL回収カラムのオーバーヘッド温度を要求する条件の下で、400〜1500psia[2,758〜10,342kPa(a)]の範囲内又はそれ以上でフィード・ガスを処理するときに特に有利である。
【0014】
本発明のより良好な理解のために、以下の例及び図面への参照を行う。図面を参照すると以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】米国特許第7,191,617号に係る従来技術の天然ガス処理プラントの流れ図である。
【図2】本発明に係る天然ガス処理プラントの流れ図である。
【図3】天然ガス・ストリームへの本発明の適用の代替的手段を例証する流れ図である。
【図4】天然ガス・ストリームへの本発明の適用の代替的手段を例証する流れ図である。
【図5】天然ガス・ストリームへの本発明の適用の代替的手段を例証する流れ図である。
【図6】天然ガス・ストリームへの本発明の適用の代替的手段を例証する流れ図である。
【図7】天然ガス・ストリームへの本発明の適用の代替的手段を例証する流れ図である。
【図8】天然ガス・ストリームへの本発明の適用の代替的手段を例証する流れ図である。
【図9】天然ガス・ストリームへの本発明の適用の代替的手段を例証する流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
上記の図面の以下の解説において、代表的なプロセス条件に対して計算された流量をまとめた表が提供される。本明細書に出てくる表において、流量に対する値(モル/時)は、便宜のため最も近い整数へと端数処理されている。表に示されたストリーム全体の流量は、炭化水素でないすべての成分を含み、したがって、炭化水素成分に対するストリーム流量の合計よりも一般に大きい。示された温度は、最も近い温度へと端数処理されたおおよその値である。図に示されたプロセスを比較する目的で行われたプロセス設計の計算は、周囲からプロセスへの(又はプロセスから周囲への)熱の漏れがないという仮定に基づくことにも注意されたい。市販の断熱材の品質は、これを非常に妥当な仮定にし、且つ当業者によって典型的に作成されるものにする。
【0017】
便宜上、プロセス・パラメータは、伝統的なイギリス単位と国際単位系(SI)単位との両方で報告される。表で与えられたモル流量は、ポンドモル/時又はキログラムモル/時のどちらで解釈されてもよい。馬力(HP)及び/又は1000イギリス熱単位/時(MBTU/Hr)として報告されたエネルギー消費は、ポンドモル/時で表記されたモル流量に対応する。キロワット(kW)として報告されたエネルギー消費は、キログラムモル/時で表記されたモル流量に対応する。
【0018】
従来技術の説明
図1は、米国特許第7,191,617号に係る従来技術を用いて天然ガスからC+成分を回収するための処理プラントの設計を示すプロセス流れ図である。このプロセスのシミュレーションにおいて、入口ガスは、110°F[43℃]及び915psia[6,307kPa(a)]でストリーム31としてプラントに入る。入口ガスが、製品ストリームが規格を満たすことを妨げるであろう濃度の硫黄化合物を含有する場合、硫黄化合物は、フィード・ガスの適切な前処理によって除去される(例証されない)。加えて、低温条件下での水和物(氷)の生成を防止するために、フィード・ストリームは、普通は脱水される。この目的のために、典型的には固形乾燥剤が用いられている。
【0019】
フィード・ストリーム31は、2つの部分、すなわちストリーム32及び33に分けられる。ストリーム32は、熱交換器10の中で低温の残留ガス・ストリーム50aとの熱交換によって−32°F[−36℃]に冷却され、一方、ストリーム33は、熱交換器11の中で、50°F[10℃]の脱メタン装置リボイラ液体(ストリーム43)及び−36°F[−38℃]のサイドリボイラ液体(ストリーム42)との熱交換によって−18°F[−28℃]に冷却される。ストリーム32aとストリーム33aは、再び組み合わされてストリーム31aを形成し、該ストリーム31aは、−28°F[−33℃]及び893psia[6,155kPa(a)]で分離器12に入り、該分離器12で蒸気(
ストリーム34)が凝縮された液体(ストリーム35)から分離される。分離器の液体(ストリーム35)は、膨張弁17によって分留塔18の作動圧力(おおよそ401psia[2,765kPa(a)])に膨張され、ストリーム35aがカラムの中間よりも下のフィード点で分留塔18に供給される前に、ストリーム35aを−52°F[−46℃]に冷却する。
【0020】
分離器12からの蒸気(ストリーム34)は、2つのストリーム38及び39に分けられる。全蒸気の約32%を含有するストリーム38は、低温の残留ガス・ストリーム50と熱交換する関係性をもって熱交換器13を通過し、該熱交換器13で冷却されて実質的に凝縮する。結果として生じる実質的に凝縮された−130°F[−90℃]のストリーム38aが、次いで、膨張弁14を通して分留塔18の作動圧力にフラッシュ膨張される。膨張の間にストリームの一部が気化し、結果としてストリーム全体が冷却される。図1に例証されたプロセスにおいて、膨張弁14を出て行く膨張したストリーム38bは、−140°F[−96℃]の温度に達し、カラムの中間よりも上のフィード点で分留塔18に供給される。
【0021】
分離器12からの蒸気の残りの68%(ストリーム39)は、仕事膨張マシン15に入り、該マシン15で高圧フィードのこの部分から機械的エネルギーが抽出される。マシン15は、蒸気を実質的に等エントロピーで塔作動圧力に膨張させ、この仕事膨張は、膨張したストリーム39aをおよそ−94°F[−70℃]の温度に冷却する。典型的な市販の膨張器は、理想等エントロピー膨張において理論上利用可能な仕事の80〜85%のオーダーで回収することができる。回収された仕事は、例えば加熱された残留ガス・ストリーム(ストリーム50b)を再び圧縮するのに用いることができる遠心圧縮機(要素16のような)を駆動するのにしばしば用いられる。部分的に凝縮され膨張したストリーム39aは、その後、カラムの中間よりも下のフィード点でフィードとして分留塔18に供給される。
【0022】
塔18における脱メタン装置は、垂直方向に間隔をおいて配置された複数のトレイ、1つ又は複数の充填層、又はトレイと充填層との幾つかの組み合わせを収容する従来の蒸留カラムである。天然ガス処理プラントによくあるように、脱メタン装置塔は、2つの区域、すなわち、C成分、C成分、及びより重質の成分を凝縮し且つ吸収するために上昇する膨張したストリーム38b及び39aの蒸気部分と下降する低温の液体の間の必要な接触を提供するべくトレイ及び/又は充填層を収容する、上側の吸収(精留)区域18aと、下降する液体と上昇する蒸気との間の必要な接触を提供するべくトレイ及び/又は充填層を収容する、下側のストリッピング(脱メタン)区域18bとからなる。脱メタン区域18bはまた、カラムを上方に流れてメタン及びより軽質の成分の液体製品(ストリーム44)をストリッピングするストリッピング蒸気を提供するために、カラムを下方に流れる液体の一部を加熱し且つ蒸発させるリボイラを含む(前に説明されたリボイラ及びサイドリボイラのような)。液体製品ストリーム44は、塔底製品における質量ベースでメタンとエタンとの比率が0.010:1の典型的な規格に基づいて、塔の底部を74°F[23℃]で出る。
【0023】
蒸留蒸気の一部(ストリーム45)は、ストリッピング区域18bの上側領域から引き出される。このストリームは、次いで、−109°F[−78℃]から−134°F[−92℃]に冷却され、且つ脱メタン装置18の頂部を出る−139°F[−95℃]の低温の脱メタン装置オーバーヘッド・ストリーム41との熱交換によって熱交換器20の中で部分的に凝縮される(ストリーム45a)。低温の脱メタン装置オーバーヘッド・ストリームは、該ストリームがストリーム45の少なくとも一部を冷却し且つ凝縮する際に、−134°F[−92℃]に僅かに温められる(ストリーム41a)。
【0024】
還流分離器21における作動圧力(398psia[2,748kPa(a)])は、脱メタン装置18の作動圧力よりも僅かに低く維持される。これは、蒸留蒸気ストリーム45を熱交換器20に通してそこから還流分離器21の中に流す駆動力を提供し、該還流分離器21において、凝縮された液体(ストリーム47)が、あらゆる凝縮されていない蒸気(ストリーム46)から分離される。ストリーム46は、次いで、熱交換器20からの温められた脱メタン装置オーバーヘッド・ストリーム41aと組み合わされて、−134°F[−92℃]の低温の残留ガス・ストリーム50を形成する。
【0025】
還流分離器21からの液体ストリーム47は、脱メタン装置18の作動圧力よりも僅かに高い圧力にポンプ22によって高められ、ストリーム47aは、次いで、低温のカラム頂部フィード(還流)として脱メタン装置18に供給される。この低温の液体還流は、脱メタン装置18の吸収区域18aの上側の精留領域において上昇するC成分及びより重質の成分を吸収し且つ凝縮する。
【0026】
塔のオーバーヘッドを形成する蒸留蒸気ストリーム(ストリーム41)は、熱交換器20の中で前述のように蒸留ストリーム45への冷却を提供する際に温められ、次いで、ストリーム46と組み合わされて低温の残留ガス・ストリーム50を形成する。残留ガスは、熱交換器13の中を流入フィード・ガスに向流的に通過し、熱交換器13の中では−46°F[−44℃]まで加熱され(ストリーム50a)、熱交換器10の中を通過し、前述のように冷却を提供する際に熱交換器10の中では102°F[39℃]まで加熱される(ストリーム50b)。残留ガスは、次いで、二段階で再び圧縮される。第一段階は、膨張マシン15によって駆動される圧縮機16である。第二段階は、残留ガス(ストリーム50d)をセールスライン圧に圧縮する補助動力源によって駆動される圧縮機23である。吐出冷却器24の中で110°F[43℃]に冷却した後で、残留ガス・ストリーム50eは、ライン要件(普通は入口圧のオーダーの)を満たすのに十分な、915psia[6,307kPa(a)]でセールスガスのパイプラインに流れる。
【0027】
図1で例証されたプロセスに関するストリームの流量とエネルギー消費のまとめを、以下の表に記載する。
【表1】

【0028】
本発明の説明
図2は、本発明に係るプロセスの流れ図を例証する。図2で提示されたプロセスにおいて考慮されるフィード・ガス組成物及び条件は、図1のものと同じである。したがって、図2のプロセスは、本発明の利点を例証するために図1のプロセスと比較することができる。
【0029】
図2のプロセスのシミュレーションにおいて、入口ガスは、ストリーム31としてプラントに入り、且つ2つの部分、すなわちストリーム32及び33に分けられる。第1の部分、すなわちストリーム32は、処理組立体118の内部のフィード冷却区域118aの上側領域の熱交換手段に入る。この熱交換手段は、フィンアンドチューブ式熱交換器、プレート式熱交換器、ろう付アルミニウム式熱交換器、又は多管式熱交換器及び/又はマル
チサービス熱交換器を含む他のタイプの熱伝達デバイスからなってもよい。熱交換手段は、熱交換手段の1つの管を通して流れるストリーム32とフィード冷却区域118aの下側領域の熱交換手段の中で加熱されている処理組立体118の内部の凝縮区域118bからの残留ガス・ストリームとの間の熱交換を提供するように構成される。ストリーム32は、残留ガス・ストリームをさらに加熱する間に冷却され、ストリーム32aは熱交換手段を−30°F[−35℃]で出る。
【0030】
第2の部分、すなわちストリーム33は、処理組立体118の内部のストリッピング区域118eの加熱及び物質移動手段に入る。この加熱及び物質移動手段もまた、フィンアンドチューブ式熱交換器、プレート式熱交換器、ろう付アルミニウム式熱交換器、又は多管式熱交換器及び/又はマルチサービス熱交換器を含む他のタイプの熱伝達デバイスからなってもよい。加熱及び物質移動手段は、ストリーム33が蒸留液体ストリームを加熱しながら冷却され、ストリーム33aが加熱及び物質移動手段を出て行く前に該ストリーム33aを−42°F[−41℃]に冷却するように、加熱及び物質移動手段の1つの管を通して流れるストリーム33と処理組立体118の内部の吸収区域118dから下方に流れる蒸留液体ストリームとの間の熱交換を提供するように構成される。蒸留液体ストリームが加熱される際に、この一部が気化されて、残りの液体が加熱及び物質移動手段を通して下方に流れ続ける際に上昇する、ストリッピング蒸気を形成する。加熱及び物質移動手段は、該手段がメタン及びより軽質の成分の液体製品ストリーム44をストリッピングする気相と液相との間の物質移動を提供するようにも機能するように、ストリッピング蒸気と蒸留液体ストリームとの間の連続接触を提供する。
【0031】
ストリーム32a及び33aは、再び組み合わされてストリーム31aを形成し、該ストリーム31aは、処理組立体118の内部の分離器区域118fに34°F[37℃]及び900psia[6,203kPa(a)]で入り、そうするとすぐに、蒸気(ストリーム34)が、凝縮された液体(ストリーム35)から分離される。分離器区域118fは、処理組立体118の内部の2つの区域が異なる圧力で作動できるように、該分離器区域118fをストリッピング区域118eから分けるために、内部ヘッド又は他の手段を有する。
【0032】
分離器区域118fからの蒸気(ストリーム34)と液体(ストリーム35)は、各々2つのストリーム、すなわちそれぞれストリーム36及び39とストリーム37及び40に分けられる。蒸気全体の約31%を含有するストリーム36が、液体全体の約50%を含有するストリーム37と組み合わされ、組み合わされたストリーム38が処理組立体118の内部のフィード冷却区域118aの下側領域の熱交換手段に入る。この熱交換手段は、同様に、フィンアンドチューブ式熱交換器、プレート式熱交換器、ろう付アルミニウム式熱交換器、又は多管式熱交換器及び/又はマルチサービス熱交換器を含む他のタイプの熱伝達デバイスからなってもよい。熱交換手段は、ストリーム38が残留ガス・ストリームを加熱しながら冷却されて実質的に凝縮するように、熱交換手段の1つの管を通して流れるストリーム38と凝縮区域118bからの残留ガス・ストリームとの間の熱交換を提供するように構成される。
【0033】
結果として生じる実質的に凝縮された−128°F[−89℃]のストリーム38aは、次いで、膨張弁14を通して処理組立体118の内部の精留区域118c(吸収手段)及び吸収区域118d(別の吸収手段)の作動圧力(おおよそ402psia[2,772kPa(a)])にフラッシュ膨張される。膨張の間にストリームの一部が気化し、結果としてストリーム全体が冷却される場合がある。図2に例証されたプロセスにおいて、膨張弁14を出て行く膨張したストリーム38bは、−139°F[−95℃]の温度に達し、精留区域118cと吸収区域118dとの間の処理組立体118に供給される。
【0034】
分離器区域118fからの蒸気の残りの69%(ストリーム39)は、仕事膨張マシン15に入り、該マシン15で高圧フィードのこの部分から機械的エネルギーが抽出される。マシン15は、蒸気を実質的に等エントロピーで吸収区域118dの作動圧力に膨張させ、この仕事膨張は、膨張したストリーム39aをおよそ−100°F[−73℃]の温度に冷却する。部分的に凝縮され膨張したストリーム39aは、その後、処理組立体118の内部の吸収区域118dの下側領域にフィードとして供給されて、吸収区域118dの上側領域に供給される液体によって接触されることになる。分離器区域118fからの液体の残りの50%(ストリーム40)は、膨張弁17によって処理組立体118の内部のストリッピング区域118eの作動圧力に膨張され、ストリーム40aが−60°F[−51℃]に冷却される。ストリッピング区域118eの加熱及び物質移動手段は、膨張した液体ストリーム40aを2つの部分の間のストリッピング区域118eに導入することができるように、上側部分と下側部分で構成される。
【0035】
蒸留蒸気の一部(第1の蒸留蒸気ストリーム45)が、ストリッピング区域118eの上側領域から−95°F[−71℃]で引き出され、且つ処理組立体118の内部の凝縮区域118bの熱交換手段に向けられる。この熱交換手段は、同様に、フィンアンドチューブ式熱交換器、プレート式熱交換器、ろう付アルミニウム式熱交換器、又は多管式熱交換器及び/又はマルチサービス熱交換器を含む他のタイプの熱伝達デバイスからなってもよい。熱交換手段は、第2の蒸留蒸気ストリームが第1の蒸留蒸気ストリーム45を冷却する間に該第2の蒸留蒸気ストリームが加熱されるように、熱交換手段の1つの管を通して流れる第1の蒸留蒸気ストリーム45と処理組立体118の内部の精留区域118cから生じる第2の蒸留蒸気ストリームとの間の熱交換を提供するように構成される。ストリーム45は、−134°F[−92℃]に冷却され、且つ少なくとも部分的に凝縮され、その後、熱交換手段を出て、そのそれぞれの気相と液相に分離される。気相(もしあれば)は、熱交換手段を出る加熱された第2の蒸留蒸気ストリームと組み合わされて、前述のようにフィード冷却区域118aにおける冷却を提供する残留ガス・ストリームを形成する。液相(ストリーム48)は、重力流れによって低温のカラム頂部フィード(還流)として処理組立体118の内部の精留区域118cの上側領域に供給される。
【0036】
精留区域118cと吸収区域118dとの各々は、垂直方向に間隔をおいて配置された複数のトレイ、1つ又は複数の充填層、又はトレイと充填層との幾つかの組み合わせからなる吸収手段を収容する。精留区域118c及び吸収区域118dにおけるトレイ及び/又は充填層は、上昇する蒸気と下降する低温の液体との間の必要な接触を提供する。膨張したストリーム39aの液体の部分は、吸収区域118dから下降する液体と混ざり合い、組み合わされた液体は、ストリッピング区域118eの中に下方に流れ続ける。ストリッピング区域118eから生じるストリッピング蒸気は、膨張したストリーム39aの蒸気部分と組み合わされ且つ吸収区域118dを通して上昇し、下降する低温の液体と接触して凝縮し且つこれらの蒸気からC成分、C成分、及びより重質の成分のほとんどを吸収する。吸収区域118dから生じる蒸気は、膨張したストリーム38bのあらゆる蒸気部分と組み合わされ且つ精留区域118cを通して上昇し、下降する低温の液体(ストリーム48)と接触して凝縮し且つこれらの蒸気中に残っているC成分及びより重質の成分のほとんどを吸収する。膨張したストリーム38bの液体の部分は、精留区域118cから下降する液体と混ざり合い、組み合わされた液体は、吸収区域118dの中に下方に流れ続ける。
【0037】
処理組立体118の内部のストリッピング区域118eの加熱及び物質移動手段から下方に流れる蒸留液体は、メタン及びより軽質の成分をストリッピングされている。結果として生じる液体製品(ストリーム44)は、ストリッピング区域118eの下側領域を出て、処理組立体118を74°F[23℃]で出て行く。精留区域118cから生じる第2の蒸留蒸気ストリームは、前述のようにストリーム45への冷却を提供する際に凝縮区
域118bにおいて温められる。温められた第2の蒸留蒸気ストリームは、前述のように冷却された第1の蒸留蒸気ストリーム45から分離されたあらゆる蒸気と組み合わされる。結果として生じる残留ガス・ストリームは、前述のようにストリーム32及び38への冷却を提供する際にフィード冷却区域118aにおいて加熱され、そうするとすぐに残留ガス・ストリーム50は、処理組立体118を104°F[40℃]で出て行く。残留ガス・ストリームは、次いで、膨張マシン15によって駆動される圧縮機16と、補助動力源によって駆動される圧縮機23との二段階で再び圧縮される。吐出冷却器24の中で110°F[43℃]に冷却された後で、残留ガス・ストリーム50cは、ライン要件を満たすのに十分な(普通は入口圧のオーダーの)915psia[6,307kPa(a)]でセールス・ガス・パイプラインに流れる。
【0038】
図2に例証されたプロセスに関するストリームの流量とエネルギー消費のまとめを、以下の表に記載する。
【表2】

【0039】
表1と表2の比較は、従来技術と比べて、本発明が、本質的に同じエタン回収率(従来技術の85.00%に対し85.03%)を維持し、プロパン回収率を99.11%から99.16%に僅かに改善し、且つ本質的に同じブタン+回収率(従来技術の99.99%に対し99.98%)を維持することを示す。しかしながら、表1及と表2のさらなる比較は、従来技術よりも著しく少ない電力を用いて製品の収率が達成されたことを示す。回収効率(単位電力あたりの回収されるエタンの量によって定義される)の点で、本発明は、従来技術の図1のプロセスを上回る5%よりも大きい改善を表す。
【0040】
本発明によって提供される、従来技術の図1のプロセスを上回る回収効率の改善は、主として2つの因子に起因する。第1に、フィード冷却区域118a及び凝縮区域118bの熱交換手段と、処理組立体118の内部のストリッピング区域118eの加熱及び物質移動手段との小型の配置は、従来の処理プラントにおいて見られる配管を相互接続することによって課される圧力低下をなくす。結果は、圧縮機16に流れる残留ガスが、従来技術と比べて本発明ではより高い圧力にあるということであり、そのため、圧縮機23に入る残留ガスは著しくより高い圧力にあり、これにより残留ガスをパイプライン圧力に戻すために本発明によって要求される電力を減少させる。
【0041】
第2に、結果として生じる蒸気が液体と接触し且つその揮発性成分をストリッピングすることを可能にしながら吸収区域118dを出て行く蒸留液体を同時に加熱するためにストリッピング区域118eの加熱及び物質移動手段を用いることは、外部リボイラを備えた従来の蒸留カラムを用いることよりも効率的である。揮発性成分は、連続的に液体の外にストリッピングされ、ストリッピング蒸気中の揮発性成分の濃度がより速く低下し、これにより本発明に対するストリッピング効率を改善する。
【0042】
本発明は、処理効率の増加に加えて従来技術を上回る2つの他の利点を与える。第1に、本発明の処理組立体118の小型の配置は、従来技術における8つの個別の装置要素(図1の熱交換器10、11、13、及び20、分離器12、還流分離器21、還流ポンプ22、及び分留塔18)を単一の装置要素(図2の処理組立体118)に置き換える。これは、従来技術のもの以上に、土地利用空間要件を減少させ、相互接続する配管をなくし、且つ還流ポンプによって消費される電力をなくし、本発明を使用する処理プラントの資本費用及び操業費用を減少させる。第2に、相互接続する配管をなくすことは、本発明を使用する処理プラントが、従来技術と比べて遥かに少ないフランジ付き接続部を有し、プラントにおける潜在的な漏出源の数を減少させることを意味する。炭化水素は揮発性有機化合物(VOC)であり、そのうちの幾つかは温室効果ガスとして分類され、且つそのうちの幾つかは大気中のオゾン生成の前駆体となる場合があり、これは、本発明が、環境に害を及ぼすことがある大気中への放出の可能性を減少させることを意味する。
【0043】
他の実施形態
図2に示された本発明の実施形態に関して前述したように、第1の蒸留蒸気ストリーム45が部分的に凝縮され、結果として生じる凝縮は、処理組立体118の精留区域118cを通して上昇する蒸気から価値あるC成分及びより重質の成分を吸収するのに用いられる。しかしながら、本発明は、この実施形態に限定されない。例えば、他の設計考慮事項が、蒸気の一部又は凝縮が処理組立体118の精留区域118c及び/又は吸収区域118dをバイパスするべきであることを示す事例において、これらの蒸気の一部のみをこのように取り扱うこと又は凝縮の一部のみを吸収剤として用いることが有利な場合がある。幾つかの状況は、凝縮区域118bの第1の蒸留蒸気ストリーム45の分縮ではなく全凝縮が好ましい可能性がある。他の状況は、第1の蒸留蒸気ストリーム45が部分蒸気サイドドローではなくストリッピング区域118eからの全蒸気サイドドローとなることが好ましい可能性がある。凝縮区域118bにおける第1の蒸留蒸気ストリーム45の部分冷却を提供するために、フィード・ガス・ストリームの組成に応じて、外部冷凍を用いる
ことが有利な場合があることにも注目されたい。
【0044】
フィード・ガスがよりリーンである場合、ストリーム35において分離された液体の量は、図2、図4、図6、及び図8に示された膨張したストリーム39aと膨張した液体ストリーム40aとの間のストリッピング区域118eにおける付加的な物質移動域が正当化されないほど十分に小さい場合がある。こうした事例において、ストリッピング区域118eの加熱及び物質移動手段は、単一区域として構成されてもよく、膨張した液体ストリーム40aは、図3、図5、図7、及び図9に示すように物質移動手段よりも上で導入される。幾つかの状況は、膨張した液体ストリーム40aを膨張したストリーム39aと組み合わせて、その後、組み合わされたストリームを単一フィードとして吸収区域118dの下側領域に供給することが好ましい可能性がある。幾つかの状況は、液体ストリーム35のすべてをストリーム40を介して直接にストリッピング区域118eに供給すること、又は液体ストリーム35のすべてをストリーム37を介してストリーム36と組み合わせることが好ましい可能性がある。前者の事例では、ストリーム37(図2〜図9の点線によって示されるように)における流れは存在せず、分離器区域118f(図2〜図5)又は分離器12(図6〜図9)からのストリーム36における蒸気のみがストリーム38に流れる。後者の事例では、ストリーム40に対する膨張デバイス(膨張弁17のような)は必要とされない(図3、図5、図7、及び図9の点線によって示されるように)。
【0045】
幾つかの状況において、冷却されたフィード・ストリーム31aを分離するために、処理組立体118における分離器区域118fを含むことではなく外部分離器容器を用いることが有利な場合がある。図6〜図9に示すように、分離器12は、冷却されたフィード・ストリーム31aを蒸気ストリーム34と液体ストリーム35に分離するのに用いることができる。
【0046】
幾つかの状況は、フィード冷却区域118aの下側領域の熱交換手段に流れるストリーム38を形成するために、蒸気ストリーム34の第1の部分(ストリーム36)の代わりに冷却された第2の部分(図2〜図9のストリーム33a)を用いることが好ましい可能性がある。こうした事例において、冷却された第1の部分(ストリーム32a)のみが、分離器区域118f(図2〜図5)又は分離器12(図6〜図9)に供給され、結果として生じるすべての蒸気ストリーム34が、仕事膨張マシン15に供給される。
【0047】
フィード・ガス中のより重質の炭化水素の量とフィード・ガス圧力に応じて、図3及び図5の分離器区域118f又は図7及び図9の分離器12に入る冷却されたフィード・ストリーム31aは、如何なる液体をも含有しない可能性がある(これがその露点を上回るため、又はこれがそのクリコンデンバールを上回るため)。こうした事例において、ストリーム35及び37中に液体は存在せず(点線によって示されるように)、そのため、ストリーム36における分離器区域118fからの蒸気(図3及び図5)のみ又はストリーム36における分離器12からの蒸気(図7及び図9)のみがストリーム38に流れて、精留区域118cと吸収区域118dとの間の処理組立体118に供給される膨張し実質的に凝縮されたストリーム38bとなる。こうした状況において、処理組立体118における分離器区域118f(図3及び図5)又は分離器12(図7及び図9)は要求されなくてもよい。
【0048】
フィード・ガス条件、プラント規模、利用可能な装置、又は他の因子は、作業膨張マシン15の排除又は代替的な膨張デバイス(膨張弁のような)との置換えが実行可能であることを示す可能性がある。個々のストリームの膨張は特定の膨張デバイスで示されるが、適宜、代替的な膨張手段が採用されてもよい。例えば、条件は、フィード・ストリームの実質的に凝縮された部分(ストリーム38a)の仕事膨張を保証する可能性がある。
【0049】
本発明によれば、蒸留蒸気ストリーム及び液体ストリームからの入口ガスに利用可能な冷却を補足するために、特に、リッチ入口ガスの事例において、外部冷凍の使用が採用されてもよい。こうした事例において、加熱及び物質移動手段は、図2〜図5の点線によって示されるように分離器区域118f(又は冷却されたフィード・ストリーム31aが液体を含まないときの事例においては収集手段)の中に含まれてもよく、又は加熱及び物質移動手段は、図6〜図9の点線によって示されるように分離器12の中に含まれてもよい。この加熱及び物質移動手段は、フィンアンドチューブ式熱交換器、プレート式熱交換器、ろう付アルミニウム式熱交換器、又は多管式熱交換器及び/又はマルチサービス熱交換器を含む他のタイプの熱伝達デバイスからなってもよい。加熱及び物質移動手段は、冷媒が蒸気をさらに冷却し且つ付加的な液体に凝縮し、下降してストリーム35において除去される液体の部分となるように、加熱及び物質移動手段の1つの管を通して流れる冷媒ストリーム(例えばプロパン)と上方に流れるストリーム31aの蒸気部分との間の熱交換を提供するように構成される。代替的に、従来のガスチラー(単数又は複数)は、ストリーム31aが分離器区域118f(図2〜図5)又は分離器12(図6〜図9)に入る前にストリーム32a、ストリーム33a、及び/又はストリーム31aを冷媒で冷却するのに用いることができる。
【0050】
フィード・ガスの温度及びリッチネスと液体製品ストリーム44において回収されるべきC成分の量に応じて、ストリッピング区域118eを出て行く液体が製品規格を満たすためにストリーム33から利用可能な十分な加熱が存在しない場合がある。こうした事例において、ストリッピング区域118eの加熱及び物質移動手段は、図2〜図9の点線によって示されるように熱媒体による補助加熱を提供するための設備を含んでもよい。代替的に、補助加熱を提供するためにストリッピング区域118eの下側領域に別の加熱及び物質移動手段を含めることができ、又はストリーム33は、ストリッピング区域118eの加熱及び物質移動手段に供給される前に熱媒体で加熱することができる。
【0051】
フィード冷却区域118aの上側領域及び下側領域の及び/又は凝縮区域118bの熱交換手段に対して選択された熱伝達デバイスのタイプに応じて、単一の多管式熱伝達デバイス及び/又はマルチサービス熱伝達デバイスにおけるこれらの熱交換手段を組み合わせることが可能な場合がある。こうした事例において、多管式熱伝達デバイス及び/又はマルチサービス熱伝達デバイスは、所望の冷却及び加熱を成し遂げるために、ストリーム32、ストリーム38、ストリーム45、冷却されたストリーム45から分離されたあらゆる蒸気、及び第2の蒸留蒸気ストリームを分散させ、分離し、及び収集するのに適切な手段を含むであろう。
【0052】
幾つかの状況は、ストリッピング区域118eの上側領域における付加的な物質移動を提供することが好ましい可能性がある。こうした事例において、物質移動手段は、膨張したストリーム39aが吸収区域118dの下側領域に入る場所よりも下に且つ冷却された第2の部分33aがストリッピング区域118eの加熱及び物質移動手段を出て行く場所よりも上に位置付けることができる。
【0053】
本発明の図2〜図5の実施形態に対するやや好ましい選択肢は、冷却された第1の部分32aに対する分離器容器と、冷却された第2の部分33aに対する分離器容器とを提供すること、分離器容器の中で分離された蒸気ストリームを組み合わせて蒸気ストリーム34を形成すること、及び分離器容器の中で分離された液体ストリームを組み合わせて液体ストリーム35を形成することである。本発明に対する別のやや好ましい選択肢は、フィード冷却区域118aの内部の個別の熱交換手段におけるストリーム37を冷却すること(ストリーム37をストリーム36と組み合わせて、組み合わされたストリーム38を形成することではなく)、冷却されたストリームを個別の膨張デバイスの中で膨張させること、及び膨張したストリームを吸収区域118dの中間領域に供給することである。
【0054】
幾つかの状況において、特により低いレベルのC成分回収率が望ましいときに、ストリッピング区域118eの上側領域に対する還流を提供することが有利な場合がある。こうした事例において、凝縮区域118bの熱交換手段を出て行く冷却されたストリーム45の液相を、2つの部分、すなわちストリーム48とストリーム49に分割することができる。第1の蒸留蒸気ストリーム45が引き出される前に処理組立体118のこの区域における蒸留蒸気を部分的に精留することができるように、ストリーム48は、その頂部フィードとして精留区域118cに供給され、一方、ストリーム49は、ストリッピング区域118eの上側領域に供給される。幾つかの事例において、ストリーム48及び49の重力流れが適切である場合があり(図2、図3、図6、及び図7)、一方、他の事例において、還流ポンプ22による液相(ストリーム47)のポンピングが望ましい場合がある(図4、図5、図8、及び図9)。ストリーム48とストリーム49との間で分割される液相の相対的な量は、ガス圧、フィード・ガス組成、所望のC成分回収レベル、及び利用可能な馬力の量を含む幾つかの因子に依存するであろう。最適な分割は、一般に、本発明の特定の用途に対する特定の状況を評価せずに予測することはできない。幾つかの状況は、すべての液相を頂部フィードとして精留区域118cにストリーム48で供給し、且つ、ストリーム49に対する点線によって示されるように、ストリッピング区域118eの上側領域にストリーム49で供給しないことが好ましい可能性がある。
【0055】
分割される蒸気フィードの各分岐において見られるフィードの相対的な量は、ガス圧、フィード・ガス組成、フィードから経済的に抽出することができる熱の量、及び利用可能な馬力の量を含む幾つかの因子に依存するであろうことが認識されるであろう。吸収区域118dよりも上のさらなるフィードは、膨張器から取り戻されるパワーを減少させながら回収率を増加させ、これにより再圧縮の馬力要件を増加させる可能性がある。吸収区域118dよりも下のフィードを増加させることは、馬力消費を低減するが、製品回収率も低減する可能性がある。
【0056】
本発明は、プロセスを作動させるために要求されるユーティリティ消費量あたりのC成分、C成分、及びより重質の炭化水素成分の又はC成分及びより重質の炭化水素成分の改善された回収を提供する。プロセスを作動させるために要求されるユーティリティ消費の改善は、圧縮又は再圧縮のための低減された電力要件、外部冷凍のための低減された電力要件、補助加熱のための低減されたエネルギー要件、塔リボイリングのための低減されたエネルギー要件、又はこれらの組み合わせの形態で現れる可能性がある。
【0057】
本発明の好ましい実施形態であると思われる事物が説明されているが、例えば以下の請求項によって定義される場合の本発明の精神から逸脱することなく本発明を種々の条件、フィードのタイプ、又は他の要件に適合させるために、他の及びさらなる修正がこれに加えられてもよいことを当業者は認識するであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メタン、C成分、C成分、及びより重質の炭化水素成分を含有するガス・ストリームを、揮発性残留ガス留分と、前記C成分、C成分、及びより重質の炭化水素成分又は前記C成分及びより重質の炭化水素成分の大部分を含有する比較的低揮発性の留分とに分離するためのプロセスであって、
(1)前記ガス・ストリームが第1の部分と第2の部分に分けられ、
(2)前記第1の部分が冷却され、
(3)前記第2の部分が冷却され、
(4)前記冷却された第1の部分が前記冷却された第2の部分と組み合わされて、冷却されたガス・ストリームを形成し、
(5)前記冷却されたガス・ストリームが第1ストリームと第2ストリームに分けられ、
(6)前記第1のストリームが冷却されて前記第1のストリームの実質的にすべてが凝縮し、且つその後、より低い圧力に膨張され、それにより前記第1のストリームがさらに冷却され、
(7)前記膨張し冷却された第1のストリームが処理組立体の中に収容された第1吸収手段と第2吸収手段との間にフィードとして供給され、前記第1の吸収手段は前記第2の吸収手段よりも上に位置付けられ、
(8)前記第2のストリームが前記より低い圧力に膨張され、且つボトムフィードとして前記第2の吸収手段に供給され、
(9)蒸留液体ストリームが、前記第2の吸収手段の下側領域から収集され、且つ前記処理組立体の中に収容された加熱及び物質移動手段の中で加熱され、これにより前記蒸留液体ストリームからより揮発性の成分を同時にストリッピングしながら前記ステップ(3)の冷却の少なくとも一部を供給し、且つその後、加熱され且つストリッピングされた前記蒸留液体ストリームを前記処理組立体から前記比較的低揮発性の留分として吐出し、
(10)第1の蒸留蒸気ストリームが、前記加熱及び物質移動手段の上側領域から収集され、且つ前記第1の蒸留蒸気ストリームの少なくとも一部を凝縮するのに十分なだけ冷却され、これにより凝縮されたストリームと前記第1の蒸留蒸気ストリームが冷却された後に残るあらゆる凝縮されていない蒸気を含有する残留蒸気ストリームとを形成し、
(11)前記凝縮されたストリームの少なくとも一部が、頂部フィードとして前記第1の吸収手段に供給され、
(12)第2の蒸留蒸気ストリームが、前記第1の吸収手段の上側領域から収集され、且つ加熱され、
(13)前記加熱された第2の蒸留蒸気ストリームが、あらゆる前記残留蒸気ストリームと組み合わされて、組み合わされた蒸気ストリームを形成し、
(14)前記組み合わされた蒸気ストリームが加熱され、その後、前記加熱され組み合わされた蒸気ストリームが前記処理組立体から前記揮発性残留ガス留分として吐出され、
(15)前記第2の蒸留蒸気ストリームと前記組み合わされた蒸気ストリームとの前記加熱が、前記処理組立体の中に収容された1つ又は複数の熱交換手段の中で達成され、これにより前記ステップ(2)、前記ステップ(6)、及び前記ステップ(10)の冷却の少なくとも一部を供給し、
(16)前記第1吸収手段及び前記第2吸収手段への前記フィード・ストリームの量及び温度が、前記第1の吸収手段の前記上側領域の温度を前記比較的低揮発性の留分中の成分の大部分が回収される温度に維持するのに有効である、
プロセス。
【請求項2】
メタン、C成分、C成分、及びより重質の炭化水素成分を含有するガス・ストリームを、揮発性残留ガス留分と、前記C成分、C成分及びより重質の炭化水素成分又は前記C成分及びより重質の炭化水素成分の大部分を含有する比較的低揮発性の留分とに
分離するためのプロセスであって、
(1)前記ガス・ストリームが第1の部分と第2の部分に分けられ、
(2)前記第1の部分が冷却され、
(3)前記第2の部分が冷却され、
(4)前記冷却された第1の部分が、前記冷却された第2の部分と組み合わされて、部分的に凝縮されたガス・ストリームを形成し、
(5)前記部分的に凝縮されたガス・ストリームが、分離手段に供給され、且つ前記第1の分離手段の中で分離されて、蒸気ストリームと少なくとも1つの液体ストリームとを提供し、
(6)前記蒸気ストリームが第1ストリームと第2ストリームに分けられ、
(7)前記第1のストリームが冷却されて前記第1のストリームの実質的にすべてが凝縮し、且つその後、より低い圧力に膨張され、それにより前記第1のストリームがさらに冷却され、
(8)前記膨張し冷却された第1のストリームが処理組立体の中に収容された第1吸収手段と第2吸収手段との間にフィードとして供給され、前記第1の吸収手段は前記第2の吸収手段よりも上に位置付けられ、
(9)前記第2のストリームが前記より低い圧力に膨張され、且つボトムフィードとして前記第2の吸収手段に供給され、
(10)蒸留液体ストリームが、前記第2の吸収手段の下側領域から収集され、且つ前記処理組立体の中に収容された加熱及び物質移動手段の中で加熱され、これにより前記蒸留液体ストリームからより揮発性の成分を同時にストリッピングしながら前記ステップ(3)の冷却の少なくとも一部を供給し、且つその後、加熱され且つストリッピングされた前記蒸留液体ストリームを前記処理組立体から前記比較的低揮発性の留分として吐出し、
(11)前記少なくとも1つの液体ストリームの少なくとも一部が、前記より低い圧力に膨張され、前記第2の吸収手段よりも下で且つ前記加熱及び物質移動手段よりも上でフィードとして前記処理組立体に供給され、
(12)第1の蒸留蒸気ストリームが、前記加熱及び物質移動手段の上側領域から収集され、且つ前記第1の蒸留蒸気ストリームの少なくとも一部を凝縮するのに十分なだけ冷却され、これにより凝縮されたストリームと前記第1の蒸留蒸気ストリームが冷却された後に残るあらゆる凝縮されていない蒸気を含有する残留蒸気ストリームとを形成し、
(13)前記凝縮されたストリームの少なくとも一部が、頂部フィードとして前記第1の吸収手段に供給され、
(14)第2の蒸留蒸気ストリームが、前記第1の吸収手段の上側領域から収集され、且つ加熱され、
(15)前記加熱された第2の蒸留蒸気ストリームが、あらゆる前記残留蒸気ストリームと組み合わされて、組み合わされた蒸気ストリームを形成し、
(16)前記組み合わされた蒸気ストリームが加熱され、その後、前記加熱され組み合わされた蒸気ストリームが前記処理組立体から前記揮発性残留ガス留分として吐出され、
(17)前記第2の蒸留蒸気ストリームと前記組み合わされた蒸気ストリームとの前記加熱が、前記処理組立体の中に収容された1つ又は複数の熱交換手段の中で達成され、これにより前記ステップ(2)、前記ステップ(7)、及び前記ステップ(12)の冷却の少なくとも一部を供給し、
(18)前記第1吸収手段及び前記第2吸収手段への前記フィード・ストリームの量及び温度が、前記第1の吸収手段の前記上側領域の温度を前記比較的低揮発性の留分中の成分の大部分が回収される温度に維持するのに有効である、
プロセス。
【請求項3】
メタン、C成分、C成分、及びより重質の炭化水素成分を含有するガス・ストリームを、揮発性残留ガス留分と、前記C成分、C成分及びより重質の炭化水素成分又は前記C成分及びより重質の炭化水素成分の大部分を含有する比較的低揮発性の留分とに
分離するためのプロセスであって、
(1)前記ガス・ストリームが第1の部分と第2の部分に分けられ、
(2)前記第1の部分が冷却され、
(3)前記第2の部分が冷却され、
(4)前記冷却された第1の部分が、前記冷却された第2の部分と組み合わされて、部分的に凝縮されたガス・ストリームを形成し、
(5)前記部分的に凝縮されたガス・ストリームが、分離手段に供給され、且つ前記第1の分離手段の中で分離されて、蒸気ストリームと少なくとも1つの液体ストリームとを提供し、
(6)前記蒸気ストリームが第1ストリームと第2ストリームに分けられ、
(7)前記第1のストリームが、前記少なくとも1つの液体ストリームの少なくとも一部と組み合わされて、組み合わされたストリームを形成し、
(8)前記組み合わされたストリームが冷却されて、前記組み合わされたストリームの実質的にすべてが凝縮し、且つその後、より低い圧力に膨張され、それにより前記組み合わされたストリームがさらに冷却され、
(9)前記膨張し冷却され組み合わされたストリームが処理組立体の中に収容された第1吸収手段と第2吸収手段との間にフィードとして供給され、前記第1の吸収手段は前記第2の吸収手段よりも上に位置付けられ、
(10)前記第2のストリームが前記より低い圧力に膨張され、且つボトムフィードとして前記第2の吸収手段に供給され、
(11)蒸留液体ストリームが、前記第2の吸収手段の下側領域から収集され、且つ前記処理組立体の中に収容された加熱及び物質移動手段の中で加熱され、これにより前記蒸留液体ストリームからより揮発性の成分を同時にストリッピングしながら前記ステップ(3)の冷却の少なくとも一部を供給し、且つその後、加熱され且つストリッピングされた前記蒸留液体ストリームを前記処理組立体から前記比較的低揮発性の留分として吐出し、
(12)前記少なくとも1つの液体ストリームのあらゆる残りの部分が前記より低い圧力に膨張され、前記第2の吸収手段よりも下で且つ前記加熱及び物質移動手段よりも上でフィードとして前記処理組立体に供給され、
(13)第1の蒸留蒸気ストリームが、前記加熱及び物質移動手段の上側領域から収集され、且つ前記第1の蒸留蒸気ストリームの少なくとも一部を凝縮するのに十分なだけ冷却され、これにより凝縮されたストリームと前記第1の蒸留蒸気ストリームが冷却された後に残るあらゆる凝縮されていない蒸気を含有する残留蒸気ストリームとを形成し、
(14)前記凝縮されたストリームの少なくとも一部が、頂部フィードとして前記第1の吸収手段に供給され、
(15)第2の蒸留蒸気ストリームが、前記第1の吸収手段の上側領域から収集され、且つ加熱され、
(16)前記加熱された第2の蒸留蒸気ストリームが、あらゆる前記残留蒸気ストリームと組み合わされて、組み合わされた蒸気ストリームを形成し、
(17)前記組み合わされた蒸気ストリームが加熱され、その後、前記加熱され組み合わされた蒸気ストリームが前記処理組立体から前記揮発性残留ガス留分として吐出され、
(18)前記第2の蒸留蒸気ストリームと前記組み合わされた蒸気ストリームとの前記加熱が、前記処理組立体の中に収容された1つ又は複数の熱交換手段の中で達成され、これにより前記ステップ(2)、前記ステップ(8)、及び前記ステップ(13)の冷却の少なくとも一部を供給し、
(19)前記第1吸収手段及び前記第2吸収手段への前記フィード・ストリームの量及び温度が、前記第1の吸収手段の前記上側領域の温度を前記比較的低揮発性の留分中の成分の大部分が回収される温度に維持するのに有効である、
プロセス。
【請求項4】
前記分離手段が前記処理組立体の中に収容される、請求項2に記載のプロセス。
【請求項5】
前記分離手段が前記処理組立体の中に収容される、請求項3に記載のプロセス。
【請求項6】
(1)前記加熱及び物質移動手段が上側領域及び下側領域に配置され、
(2)前記少なくとも1つの液体ストリームの前記膨張した少なくとも一部が、前記処理組立体に供給されて、前記加熱及び物質移動手段の前記上側領域と前記下側領域との間に入る、請求項2に記載のプロセス。
【請求項7】
(1)前記加熱及び物質移動手段が上側領域及び下側領域に配置され、
(2)前記少なくとも1つの液体ストリームの前記膨張したあらゆる残りの部分が、前記処理組立体に供給されて、前記加熱及び物質移動手段の前記上側領域と前記下側領域との間に入る、請求項3に記載のプロセス。
【請求項8】
(1)前記加熱及び物質移動手段が上側領域及び下側領域に配置され、
(2)前記少なくとも1つの液体ストリームの前記膨張した少なくとも一部が、前記処理組立体に供給されて、前記加熱及び物質移動手段の前記上側領域と前記下側領域との間に入る、請求項4に記載のプロセス。
【請求項9】
(1)前記加熱及び物質移動手段が上側領域及び下側領域に配置され、
(2)前記少なくとも1つの液体ストリームの前記膨張したあらゆる残りの部分が、前記処理組立体に供給されて、前記加熱及び物質移動手段の前記上側領域と前記下側領域との間に入る、請求項5に記載のプロセス。
【請求項10】
(1)前記処理組立体の中に収集手段が収容され、
(2)前記収集手段の内部に付加的な加熱及び物質移動手段が含まれ、前記付加的な加熱及び物質移動手段が、外部冷凍媒体のための1つ又は複数の管路を含み、
(3)前記冷却されたガス・ストリームが、前記収集手段に供給され、且つ前記外部冷凍媒体によってさらに冷却されるべき前記付加的な加熱及び物質移動手段に向けられ、
(4)前記さらに冷却されたガス・ストリームが、前記第1ストリームと前記第2ストリームに分けられる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項11】
(1)前記分離手段の内部に付加的な加熱及び物質移動手段が含まれ、前記付加的な加熱及び物質移動手段が、外部冷凍媒体のための1つ又は複数の管路を含み、
(2)前記蒸気ストリームが、前記外部冷凍媒体によって冷却されるべき前記付加的な加熱及び物質移動手段に向けられて、付加的な凝縮を形成し、
(3)前記付加的な凝縮が、その中で分離される前記少なくとも1つの液体ストリームの一部となる、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7、請求項8、又は請求項9に記載のプロセス。
【請求項12】
(1)前記凝縮されたストリームが、少なくとも第1の還流ストリームと第2の還流ストリームに分けられ、
(2)前記第1の還流ストリームが、前記頂部フィードとして前記第1の吸収手段に供給され、
(3)前記第2の還流ストリームが、前記第2の吸収手段よりも下で且つ前記加熱及び物質移動手段よりも上でフィードとして前記処理組立体に供給される、請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7、請求項8、請求項9、又は請求項10に記載のプロセス。
【請求項13】
(1)前記凝縮されたストリームが、少なくとも第1の還流ストリームと第2の還流ストリームに分けられ、
(2)前記第1の還流ストリームが、前記頂部フィードとして前記第1の吸収手段に供給され、
(3)前記第2の還流ストリームが、前記第2の吸収手段よりも下で且つ前記加熱及び物質移動手段よりも上でフィードとして前記処理組立体に供給される、請求項11に記載のプロセス。
【請求項14】
前記加熱及び物質移動手段が、前記蒸留液体ストリームからの前記より揮発性の成分の前記ストリッピングのために前記第2の部分によって供給される加熱を補足する外部熱媒体のための1つ又は複数の管路を含む、請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7、請求項8、請求項9、又は請求項10に記載のプロセス。
【請求項15】
前記加熱及び物質移動手段が、前記蒸留液体ストリームからの前記より揮発性の成分の前記ストリッピングのために前記第2の部分によって供給される加熱を補足する外部熱媒体のための1つ又は複数の管路を含む、請求項11に記載のプロセス。
【請求項16】
前記加熱及び物質移動手段が、前記蒸留液体ストリームからの前記より揮発性の成分の前記ストリッピングのために前記第2の部分によって供給される加熱を補足する外部熱媒体のための1つ又は複数の管路を含む、請求項12に記載のプロセス。
【請求項17】
前記加熱及び物質移動手段が、前記蒸留液体ストリームからの前記より揮発性の成分の前記ストリッピングのために前記第2の部分によって供給される加熱を補足する外部熱媒体のための1つ又は複数の管路を含む、請求項13に記載のプロセス。
【請求項18】
メタン、C成分、C成分、及びより重質の炭化水素成分を含有するガス・ストリームを、揮発性残留ガス留分と、前記C成分、C成分及びより重質の炭化水素成分又は前記C成分及びより重質の炭化水素成分の大部分を含有する比較的低揮発性の留分とに分離するための装置であって、
(1)前記ガス・ストリームを第1の部分と第2の部分に分けるための第1の分ける手段と、
(2)前記第1の部分を受け入れ且つ前記第1の部分を冷却するために処理組立体の中に収容され且つ前記第1の分ける手段に接続された熱交換手段と、
(3)前記第2の部分を受け入れ且つ前記第2の部分を冷却するために前記処理組立体の中に収容され且つ前記第1の分ける手段に接続された加熱及び物質移動手段と、
(4)前記冷却された第1の部分と前記冷却された第2の部分を受け入れ且つ冷却されたガス・ストリームを形成するために前記熱交換手段と前記加熱及び物質移動手段に接続された第1の組み合わせる手段と、
(5)前記冷却されたガス・ストリームを受け入れ且つ前記冷却されたガス・ストリームを第1ストリームと第2ストリームに分けるために前記第1の組み合わせる手段に接続された第2の分ける手段と、
(6)前記熱交換手段が、前記第1のストリームを受け入れ且つ実質的に前記第1のストリームを凝縮するのに十分なだけ前記第1のストリームを冷却するために前記第2の分ける手段にさらに接続され、
(7)前記実質的に凝縮された第1のストリームを受け入れ且つ前記実質的に凝縮された第1のストリームをより低い圧力に膨張させるために前記熱交換手段に接続された第1の膨張手段と、
(8)前記膨張し冷却された第1のストリームを前記第1吸収手段と前記第2吸収手段との間でそれへのフィードとして受け入れるために前記処理組立体の中に収容され且つ前記第1の膨張手段に接続された第1吸収手段及び第2吸収手段であって、前記第1の吸収手段が前記第2の吸収手段よりも上に位置付けられる、第1及び第2吸収手段と、
(9)前記第2のストリームを受け入れ且つ前記第2のストリームをより低い前記圧力
に膨張させるために前記第2の分ける手段に接続された第2の膨張手段であって、前記膨張した第2のストリームを前記第2の吸収手段へのボトムフィードとして供給するために前記第2の吸収手段にさらに接続された、第2の膨張手段と、
(10)前記第2の吸収手段の下側領域から蒸留液体ストリームを受け入れるために前記処理組立体の中に収容され且つ前記第2の吸収手段に接続された液体収集手段と、
(11)前記加熱及び物質移動手段は、前記液体収集手段にさらに接続されて、前記蒸留液体ストリームを受け入れ且つ前記蒸留液体ストリームを加熱し、これにより前記蒸留液体ストリームからより揮発性の成分を同時にストリッピングしながら前記ステップ(3)の冷却の少なくとも一部を供給し、且つその後、加熱され且つストリッピングされた前記蒸留液体ストリームを前記処理組立体から前記比較的低揮発性の留分として吐出し、
(12)前記加熱及び物質移動手段の上側領域から第1の蒸留蒸気ストリームを受け入れるために前記処理組立体の中に収容され且つ前記加熱及び物質移動手段に接続された第1の蒸気収集手段と、
(13)前記熱交換手段が、前記第1の蒸留蒸気ストリームを受け入れ且つ前記第1の蒸留蒸気ストリームの少なくとも一部を凝縮するのに十分なだけ前記第1の蒸留蒸気ストリームを冷却するために前記第1の蒸気収集手段にさらに接続され、これにより、凝縮されたストリームと、前記第1の蒸留蒸気ストリームが冷却された後に残るあらゆる凝縮されていない蒸気を含有する残留蒸気ストリームとを形成し、
(14)前記第1の吸収手段が、前記凝縮されたストリームの少なくとも一部を前記分離手段への頂部フィードとして受け入れるために前記熱交換手段にさらに接続され、
(15)前記処理組立体の中に収容され且つ前記第1の吸収手段の上側領域から第2の蒸留蒸気ストリームを受け入れるために前記第1の吸収手段に接続された第2の蒸気収集手段と、
(16)前記熱交換手段が、前記第2の蒸気収集手段にさらに接続されて、前記第2の蒸留蒸気ストリームを受け入れ且つ前記第2の蒸留蒸気ストリームを加熱し、これにより前記ステップ(13)の冷却の少なくとも一部を供給し、
(17)前記加熱された第2の蒸留蒸気ストリームとあらゆる前記残留蒸気ストリームを受け入れ且つ組み合わされた蒸気ストリームを形成するために前記熱交換手段に接続された第2の組み合わせる手段と、
(18)前記熱交換手段が、前記第2の組み合わせる手段にさらに接続されて、前記組み合わされた蒸気ストリームを受け入れ且つ前記組み合わされた蒸気ストリームを加熱し、これにより前記ステップ(2)及び前記ステップ(6)の冷却の少なくとも一部を供給し、且つその後、前記処理組立体からの前記加熱され組み合わされた蒸気ストリームを前記揮発性残留ガス留分として吐出し、
(19)前記第1の吸収手段の前記上側領域の温度を前記比較的低揮発性の留分中の成分の大部分が回収される温度に維持するために前記第1吸収手段及び前記第2吸収手段への前記フィード・ストリームの量及び温度を調節するように適合された制御手段と、
を備える装置。
【請求項19】
メタン、C成分、C成分、及びより重質の炭化水素成分を含有するガス・ストリームを、揮発性残留ガス留分と、前記C成分、C成分及びより重質の炭化水素成分又は前記C成分及びより重質の炭化水素成分の大部分を含有する比較的低揮発性の留分とに分離するための装置であって、
(1)前記ガス・ストリームを第1の部分と第2の部分に分けるための第1の分ける手段と、
(2)前記第1の部分を受け入れ且つ前記第1の部分を冷却するために処理組立体の中に収容され且つ前記第1の分ける手段に接続された熱交換手段と、
(3)前記第2の部分を受け入れ且つ前記第2の部分を冷却するために前記処理組立体の中に収容され且つ前記第1の分ける手段に接続された加熱及び物質移動手段と、
(4)前記冷却された第1の部分と前記冷却された第2の部分を受け入れ且つ部分的に
凝縮されたガス・ストリームを形成するために前記熱交換手段と前記加熱及び物質移動手段に接続された第1の組み合わせる手段と、
(5)前記部分的に凝縮されたガス・ストリームを受け入れ且つ前記部分的に凝縮されたガス・ストリームを蒸気ストリームと少なくとも1つの液体ストリームに分離するために前記第1の組み合わせる手段に接続された分離手段と、
(6)前記蒸気ストリームを受け入れ且つこれを第1ストリームと第2ストリームに分けるために前記分離手段に接続された第2の分ける手段と、
(7)前記熱交換手段が、前記第1のストリームを受け入れ且つ実質的に前記第1のストリームを凝縮するのに十分なだけ前記第1のストリームを冷却するために前記第2の分ける手段にさらに接続され、
(8)前記実質的に凝縮された第1のストリームを受け入れ且つ前記実質的に凝縮された第1のストリームをより低い圧力に膨張させるために前記熱交換手段に接続された第1の膨張手段と、
(9)前記膨張し冷却された第1のストリームを前記第1吸収手段と前記第2吸収手段との間でそれへのフィードとして受け入れるために前記処理組立体の中に収容され且つ前記第1の膨張手段に接続された第1吸収手段及び第2吸収手段であって、前記第1の吸収手段が前記第2の吸収手段よりも上に位置付けられる、第1及び第2吸収手段と、
(10)前記第2のストリームを受け入れ且つ前記第2のストリームをより低い前記圧力に膨張させるために前記第2の分ける手段に接続された第2の膨張手段であって、前記膨張した第2のストリームを前記第2の吸収手段へのボトムフィードとして供給するために前記第2の吸収手段にさらに接続された、第2の膨張手段と、
(11)前記第2の吸収手段の下側領域から蒸留液体ストリームを受け入れるために前記処理組立体の中に収容され且つ前記第2の吸収手段に接続された液体収集手段と、
(12)前記加熱及び物質移動手段は、前記液体収集手段にさらに接続されて、前記蒸留液体ストリームを受け入れ且つ前記蒸留液体ストリームを加熱し、これにより前記蒸留液体ストリームからより揮発性の成分を同時にストリッピングしながら前記ステップ(3)の冷却の少なくとも一部を供給し、且つその後、加熱され且つストリッピングされた前記蒸留液体ストリームを前記処理組立体から前記比較的低揮発性の留分として吐出し、
(13)前記少なくとも1つの液体ストリームの少なくとも一部を受け入れ且つこれをより低い前記圧力に膨張させるために前記分離手段に接続された第3の膨張手段であって、前記第3の膨張手段は、前記第2の吸収手段よりも下の且つ前記加熱及び物質移動手段よりも上で前記膨張した液体ストリームをそれへのフィードとして供給するために前記処理組立体にさらに接続された、第3の膨張手段と、
(14)前記加熱及び物質移動手段の上側領域から第1の蒸留蒸気ストリームを受け入れるために前記処理組立体の中に収容され且つ前記加熱及び物質移動手段に接続された第1の蒸気収集手段と、
(15)前記熱交換手段が、前記第1の蒸留蒸気ストリームを受け入れ且つ前記第1の蒸留蒸気ストリームの少なくとも一部を凝縮するのに十分なだけ前記第1の蒸留蒸気ストリームを冷却するために前記第1の蒸気収集手段にさらに接続され、これにより、凝縮されたストリームと、前記第1の蒸留蒸気ストリームが冷却された後に残るあらゆる凝縮されていない蒸気を含有する残留蒸気ストリームとを形成し、
(16)前記第1の吸収手段が、前記凝縮されたストリームの少なくとも一部を前記第2の分離手段への頂部フィードとして受け入れるために前記熱交換手段にさらに接続され、
(17)前記処理組立体の中に収容され且つ前記第1の吸収手段の上側領域から第2の蒸留蒸気ストリームを受け入れるために前記第1の吸収手段に接続された第2の蒸気収集手段と、
(18)前記熱交換手段が、前記第2の蒸気収集手段にさらに接続されて、前記第2の蒸留蒸気ストリームを受け入れ且つ前記第2の蒸留蒸気ストリームを加熱し、これにより前記ステップ(15)の冷却の少なくとも一部を供給し、
(19)前記加熱された第2の蒸留蒸気ストリームとあらゆる前記残留蒸気ストリームを受け入れ且つ組み合わされた蒸気ストリームを形成するために前記熱交換手段に接続された第2の組み合わせる手段と、
(20)前記熱交換手段が、前記第2の組み合わせる手段にさらに接続されて、前記組み合わされた蒸気ストリームを受け入れ且つ前記組み合わされた蒸気ストリームを加熱し、これにより前記ステップ(2)及び前記ステップ(7)の冷却の少なくとも一部を供給し、且つその後、前記処理組立体からの前記加熱され組み合わされた蒸気ストリームを前記揮発性残留ガス留分として吐出し、
(21)前記第1の吸収手段の前記上側領域の温度を前記比較的低揮発性の留分中の成分の大部分が回収される温度に維持するために前記第1吸収手段及び前記第2吸収手段への前記フィード・ストリームの量及び温度を調節するように適合された制御手段と、
を備える装置。
【請求項20】
メタン、C成分、C成分、及びより重質の炭化水素成分を含有するガス・ストリームを、揮発性残留ガス留分と、前記C成分、C成分及びより重質の炭化水素成分又は前記C成分及びより重質の炭化水素成分の大部分を含有する比較的低揮発性の留分とに分離するための装置であって、
(1)前記ガス・ストリームを第1の部分と第2の部分に分けるための第1の分ける手段と、
(2)前記第1の部分を受け入れ且つ前記第1の部分を冷却するために処理組立体の中に収容され且つ前記第1の分ける手段に接続された熱交換手段と、
(3)前記第2の部分を受け入れ且つ前記第2の部分を冷却するために前記処理組立体の中に収容され且つ前記第1の分ける手段に接続された加熱及び物質移動手段と、
(4)前記冷却された第1の部分と前記冷却された第2の部分を受け入れ且つ部分的に凝縮されたガス・ストリームを形成するために前記熱交換手段と前記加熱及び物質移動手段に接続された第1の組み合わせる手段と、
(5)前記部分的に凝縮されたガス・ストリームを受け入れ且つ前記部分的に凝縮されたガス・ストリームを蒸気ストリームと少なくとも1つの液体ストリームに分離するために前記第1の組み合わせる手段に接続された分離手段と、
(6)前記蒸気ストリームを受け入れ且つこれを第1ストリームと第2ストリームに分けるために前記分離手段に接続された第2の分ける手段と、
(7)前記第1のストリームと前記少なくとも1つの液体ストリームの少なくとも一部を受け入れ且つ組み合わされたストリームを形成するために前記第2の分ける手段と前記分離手段に接続された第2の組み合わせる手段と、
(8)前記熱交換手段が、前記組み合わされたストリームを受け入れ且つ実質的に前記組み合わされたストリームを凝縮するのに十分なだけ前記組み合わされたストリームを冷却するために前記第2の組み合わせる手段にさらに接続され、
(9)前記実質的に凝縮され組み合わされたストリームを受け入れ且つ前記実質的に凝縮され組み合わされたストリームをより低い圧力に膨張させるために前記熱交換手段に接続された第1の膨張手段と、
(10)前記膨張し冷却され組み合わされたストリームを前記第1吸収手段と前記第2吸収手段との間でそれへのフィードとして受け入れるために前記処理組立体の中に収容され且つ前記第1の膨張手段に接続された第1吸収手段及び第2吸収手段であって、前記第1の吸収手段が前記第2の吸収手段よりも上に位置付けられる、第1及び第2吸収手段と、
(11)前記第2のストリームを受け入れ且つ前記第2のストリームをより低い前記圧力に膨張させるために前記第2の分ける手段に接続された第2の膨張手段であって、前記膨張した第2のストリームを前記第2の吸収手段へのボトムフィードとして供給するために前記第2の吸収手段にさらに接続された、第2の膨張手段と、
(12)前記第2の吸収手段の下側領域から蒸留液体ストリームを受け入れるために前
記処理組立体の中に収容され且つ前記第2の吸収手段に接続された液体収集手段と、
(13)前記加熱及び物質移動手段は、前記液体収集手段にさらに接続されて、前記蒸留液体ストリームを受け入れ且つ前記蒸留液体ストリームを加熱し、これにより前記蒸留液体ストリームからより揮発性の成分を同時にストリッピングしながら前記ステップ(3)の冷却の少なくとも一部を供給し、且つその後、加熱され且つストリッピングされた前記蒸留液体ストリームを前記処理組立体から前記比較的低揮発性の留分として吐出し、
(14)前記少なくとも1つの液体ストリームのあらゆる残りの部分を受け入れ且つこれをより低い前記圧力に膨張させるために前記分離手段に接続された第3の膨張手段であって、前記第3の膨張手段は、前記第2の吸収手段よりも下の且つ前記加熱及び物質移動手段よりも上で前記膨張した液体ストリームをそれへのフィードとして供給するために前記処理組立体にさらに接続された、第3の膨張手段と、
(15)前記加熱及び物質移動手段の上側領域から第1の蒸留蒸気ストリームを受け入れるために前記処理組立体の中に収容され且つ前記加熱及び物質移動手段に接続された第1の蒸気収集手段と、
(16)前記熱交換手段が、前記第1の蒸留蒸気ストリームを受け入れ且つ前記第1の蒸留蒸気ストリームの少なくとも一部を凝縮するのに十分なだけ前記第1の蒸留蒸気ストリームを冷却するために前記第1の蒸気収集手段にさらに接続され、これにより、凝縮されたストリームと、前記第1の蒸留蒸気ストリームが冷却された後に残るあらゆる凝縮されていない蒸気を含有する残留蒸気ストリームとを形成し、
(17)前記第1の吸収手段が、前記凝縮されたストリームの少なくとも一部を前記第2の分離手段への頂部フィードとして受け入れるために前記熱交換手段にさらに接続され、
(18)前記処理組立体の中に収容され且つ前記第1の吸収手段の上側領域から第2の蒸留蒸気ストリームを受け入れるために前記第1の吸収手段に接続された第2の蒸気収集手段と、
(19)前記熱交換手段が、前記第2の蒸気収集手段にさらに接続されて、前記第2の蒸留蒸気ストリームを受け入れ且つ前記第2の蒸留蒸気ストリームを加熱し、これにより前記ステップ(16)の冷却の少なくとも一部を供給し、
(20)前記加熱された第2の蒸留蒸気ストリームとあらゆる前記残留蒸気ストリームを受け入れ且つ組み合わされた蒸気ストリームを形成するために前記熱交換手段に接続された第3の組み合わせる手段と、
(21)前記熱交換手段が、前記第3の組み合わせる手段にさらに接続されて、前記組み合わされた蒸気ストリームを受け入れ且つ前記組み合わされた蒸気ストリームを加熱し、これにより前記ステップ(2)及び前記ステップ(8)の冷却の少なくとも一部を供給し、且つその後、前記処理組立体からの前記加熱され組み合わされた蒸気ストリームを前記揮発性残留ガス留分として吐出し、
(22)前記第1の吸収手段の前記上側領域の温度を前記比較的低揮発性の留分中の成分の大部分が回収される温度に維持するために前記第1吸収手段及び前記第2吸収手段への前記フィード・ストリームの量及び温度を調節するように適合された制御手段と、
を備える装置。
【請求項21】
前記分離手段が前記処理組立体の中に収容される、請求項19に記載の装置。
【請求項22】
前記分離手段が前記処理組立体の中に収容される、請求項20に記載の装置。
【請求項23】
(1)前記加熱及び物質移動手段が上側領域及び下側領域に配置され、
(2)前記処理組立体が、前記膨張した液体ストリームを受け入れ且つ前記膨張した液体ストリームを前記加熱及び物質移動手段の前記上側領域と前記下側領域との間に向けるために前記第3の膨張手段に接続される、
請求項19に記載の装置。
【請求項24】
(1)前記加熱及び物質移動手段が上側領域及び下側領域に配置され、
(2)前記処理組立体が、前記膨張した液体ストリームを受け入れ且つ前記膨張した液体ストリームを前記加熱及び物質移動手段の前記上側領域と前記下側領域との間に向けるために前記第3の膨張手段に接続される、
請求項20に記載の装置。
【請求項25】
(1)前記加熱及び物質移動手段が上側領域及び下側領域に配置され、
(2)前記処理組立体が、前記膨張した液体ストリームを受け入れ且つ前記膨張した液体ストリームを前記加熱及び物質移動手段の前記上側領域と前記下側領域との間に向けるために前記第3の膨張手段に接続される、
請求項21に記載の装置。
【請求項26】
(1)前記加熱及び物質移動手段が上側領域及び下側領域に配置され、
(2)前記処理組立体が、前記膨張した液体ストリームを受け入れ且つ前記膨張した液体ストリームを前記加熱及び物質移動手段の前記上側領域と前記下側領域との間に向けるために前記第3の膨張手段に接続される、
請求項22に記載の装置。
【請求項27】
(1)前記処理組立体の中に収集手段が収容され、
(2)前記収集手段の内部に付加的な加熱及び物質移動手段が含まれ、前記付加的な加熱及び物質移動手段が、外部冷凍媒体のための1つ又は複数の管路を含み、
(3)前記収集手段が、前記冷却されたガス・ストリームを受け入れ且つ前記冷却されたガス・ストリームを前記外部冷凍媒体によってさらに冷却されるべき前記付加的な加熱及び物質移動手段に向けるために前記第1の組み合わせる手段に接続され、
(4)前記第2の分ける手段が、前記さらに冷却されたガス・ストリームを受け入れ且つこれを前記第1ストリームと前記第2ストリームに分けるために前記収集手段に接続されるように適合される、
請求項18に記載の装置。
【請求項28】
(1)前記分離手段の内部に付加的な加熱及び物質移動手段が含まれ、前記付加的な加熱及び物質移動手段が、外部冷凍媒体のための1つ又は複数の管路を含み、
(2)前記蒸気ストリームが、前記外部冷凍媒体によって冷却されるべき前記付加的な加熱及び物質移動手段に向けられて、付加的な凝縮を形成し、
(3)前記付加的な凝縮が、その中で分離される前記少なくとも1つの液体ストリームの一部となる、請求項19、請求項20、請求項21、請求項22、請求項23、請求項24、請求項25、又は請求項26に記載の装置。
【請求項29】
(1)第3の分ける手段が、前記凝縮されたストリームを受け入れ且つ前記凝縮されたストリームを少なくとも第1の還流ストリームと第2の還流ストリームに分けるために前記熱交換手段に接続され、
(2)前記第1の吸収手段が、前記第1の還流ストリームを前記第3の分ける手段への前記頂部フィードとして受け入れるために前記第3の分ける手段に接続されるように適合され、
(3)前記加熱及び物質移動手段が、前記第2の還流ストリームを前記第3の分ける手段への頂部フィードとして受け入れるために前記第3の分ける手段に接続されるように適合される、
請求項18、請求項19、請求項20、請求項21、請求項22、請求項23、請求項24、請求項25、請求項26、又は請求項27に記載の装置。
【請求項30】
(1)第3の分ける手段が、前記凝縮されたストリームを受け入れ且つ前記凝縮されたストリームを少なくとも第1の還流ストリームと第2の還流ストリームに分けるために前記熱交換手段に接続され、
(2)前記第1の吸収手段が、前記第1の還流ストリームを前記第3の分ける手段への前記頂部フィードとして受け入れるために前記第3の分ける手段に接続されるように適合され、
(3)前記加熱及び物質移動手段が、前記第2の還流ストリームを前記第3の分ける手段への頂部フィードとして受け入れるために前記第3の分ける手段に接続されるように適合される、
請求項28に記載の装置。
【請求項31】
前記加熱及び物質移動手段が、前記蒸留液体ストリームからの前記より揮発性の成分の前記ストリッピングのために前記第2の部分によって供給される加熱を補足する外部加熱媒体のための1つ又は複数の管路を含む、請求項18、請求項19、請求項20、請求項21、請求項22、請求項23、請求項24、請求項25、請求項26、又は請求項27に記載の装置。
【請求項32】
前記加熱及び物質移動手段が、前記蒸留液体ストリームからの前記より揮発性の成分の前記ストリッピングのために前記第2の部分によって供給される加熱を補足する外部加熱媒体のための1つ又は複数の管路を含む、請求項28に記載の装置。
【請求項33】
前記加熱及び物質移動手段が、前記蒸留液体ストリームからの前記より揮発性の成分の前記ストリッピングのために前記第2の部分によって供給される加熱を補足する外部加熱媒体のための1つ又は複数の管路を含む、請求項29に記載の装置。
【請求項34】
前記加熱及び物質移動手段が、前記蒸留液体ストリームからの前記より揮発性の成分の前記ストリッピングのために前記第2の部分によって供給される加熱を補足する外部加熱媒体のための1つ又は複数の管路を含む、請求項30に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2012−529623(P2012−529623A)
【公表日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−514971(P2012−514971)
【出願日】平成22年5月17日(2010.5.17)
【国際出願番号】PCT/US2010/035121
【国際公開番号】WO2010/144217
【国際公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(505320850)オートロフ・エンジニアーズ・リミテッド (23)
【出願人】(511199804)エス.エム.イー. プロダクツ・エルピー (8)
【Fターム(参考)】