説明

炭水化物および組成物の新規な使用

【課題】炭水化物および組成物の新規な使用の提供
【解決手段】
本発明は、ゆっくり発酵したオリゴマー性もしくはポリマー性炭水化物を栄養的、栄養補助的および/もしくは医薬的に許容された組成物へと配合することによって対象の大腸全体において持続されまた調節された発酵を維持し得る成分をもたらすことを含む、大腸内の不均衡な発酵によって引き起こされる疾患および/もしくは障害を治療しそして/もしくは防ぐための組成物を製造するのに使用される炭水化物に関する。
本発明は対象の大腸全体における発酵を持続し調節するための活性成分としてゆっくり発酵した複合オリゴマーもしくはポリマー炭水化物を含む組成物にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野
本発明は不均衡な大腸発酵に起因する様々な疾患もしくは障害を治療及び予防するための組成物の製造におけるゆっくりと発酵させた炭水化物の新規な使用に関する。本発明はまた、ゆっくりと発酵した複合オリゴマーおよびポリマー炭水化物を含む組成物に関する。本発明は様々な栄養的、栄養補助的および医薬的な用途に使用される。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
人および動物の健康および快適さは、大腸発酵および胃腸管を通過しまた胃腸管に存在する微生物の機能性により肯定的もしくは否定的影響を受け得る。
【0003】
動物の腸腔は大きな環境との接触面を有する。小腸の主たる機能は食物から栄養分を吸収することである。最大限に栄養分を吸収するために、接触領域は広い必要がある。ヒトの腸全体の粘膜は200m2以上の領域にわたっている。約25トンの食物およびおよそ同じ量の飲物が一生の間に腸を通る。しかしながら、食餌用化合物に加えて、粘膜の表面は様々なバクテリア、ウイルス、寄生虫および菌類にさらされている。内腔を覆う単層の上皮であるため、それはまた身体への病原体にとって魅力的なゲートとなっている。腸管の状態は多くの病気(例えば感染病、アレルギーおよび癌)の重要な要因となっている。
【0004】
哺乳類の大腸は、哺乳類の健康にとって重要であるバクテリアの大量および多様な集団を含む。腸内において有益な微小植物は、未消化の炭水化物およびタンパク質のバクテリア発酵を経て宿主のためのエネルギーを回収して、短鎖脂肪酸を供給することができ、該脂肪酸はその後吸収される。有益と推定される属、ビフィズス菌および乳酸菌は、共に糖分解性であるが、潜在的に病原性種の成長にとって好ましくない状態を作り出すと考えられている。このため、ビフィズス菌および乳酸菌は、腸内において該微生物の数および乳酸生成発酵を増加させるために使用される様々なプロビオティック製品の成分である。その一方で、非吸収性炭水化物(オリゴ糖および多糖類)を含む様々な種類の食物および飲料組成物が開発された。これらはプレビオティック(prebiotic)と呼ばれそしてそれらは有益な微生物の利益になるように腸内の微生物の均衡を安定化すると考えられる。さらに、食物繊維の製品は便秘を治療するためにまた便通を促進するために使用されてきた。
【0005】
アシドーシスは大腸発酵を妨げる現象である。それは微生物の群落構造の変化によって、特に、多くの乳酸菌の数の著しい増加並びに大腸内の乳酸の蓄積によって特徴づけられる。大腸内の乳酸の蓄積の結果として、大腸粘膜の腐食が検出され得、それゆえに乳酸は潰瘍性大腸炎の危険性を増加させ得る。大腸内の乳酸の蓄積は血液から検出され得、そしてまた代謝性アシドーシスと呼ばれる状態を引き起こし得る。
【0006】
アシドーシスは、例えば大腸内の急速に発酵された炭水化物の過重負荷の結果起こる。炭水化物の大腸へのオーバーフローは、特に短腸症候群患者もしくは部分切除した小腸を持つ患者、例えば栄養分の吸収能力が非常に減少した人において検出される。これによって小腸の炎症を引き起こし、それによりビラ(villa)を短くしそして吸収能力を下げる状態は、アシドーシスを発生させる危険性を増加させる。セリアック病のような食物アレルギーもしくは劇症下痢は、アシドーシスを発生させる危険性を増加させる。さらにアシドーシスは、大量の乳酸菌の摂取後に、敏感な人において発生し得る。酵母もまたアシドーシスの発生の原因となり得る。乳酸はまた、乳糖不耐症患者において大腸内のバク
テリアによって大量に生産され、それゆえアシドーシスが発生しやすい状態になり得る。
【0007】
イヌリン(ベルギー国、テーネンのオラフティ社製ラフチリン(Raftiline)(登録商標))はげっ歯類における乳酸の蓄積という結果を示した(非特許文献1)。イヌリンは急速に発酵されたプレビオティックであるので、それは微生物の群落の均衡を崩しそして乳酸の蓄積を起こす状況へと導き得る。
【0008】
複合炭水化物はそれらの化学構造に依存して、異なった発酵をする。セルロースのようないくつかの複合炭水化物はヒトの腸において全く発酵しないが、一方いくつかの複合炭水化物、例えばでんぷんは急速に発酵する。ゆっくりと発酵した複合オリゴマーおよびポリマー炭水化物は非常に複雑な構造を持ちまた容易に発酵しない。
【0009】
ポリデキストロースはゆっくりと発酵した複合炭水化物である。それはグルコース、ソルビトールおよび高温でまた部分全真空での適した酸触媒のランダム重合によって合成された糖ポリマーである。“ポリデキストロース”という用語は、後に本文においてより詳細に定義されている。ポリデキストロースは増量剤としてまた低エネルギー成分として、糖および部分的に脂肪と置き換えて様々な種類の食品において幅広く使用されている。ポリデキストロースは小腸で消化もしくは吸収されることはなく、そして大部分は排泄物の状態で排出される。ポリデキストロースは焼いた食品、飲料、菓子類および冷凍の乳製品デザートを含む広範囲の食物に組み込まれている。
【0010】
腸管へのポリデキストロースは有益な効果は非特許文献2において述べられている。その研究はポリデキストロースが血液生化学指標の重要な効果を持たなかったことを示す。腸機能が著しく改善されまた腹部膨張、腹部けいれん、下痢もしくは低血糖症の症状はなかった。短鎖の脂肪酸の生産、特にブチレート、イソブチレートおよびアセテートの生産はポリデキストロースの消化と共に著しく増加した。ポリデキストロースの摂取は大便の嫌気性生物における著しい変化を引き起こした。乳酸菌およびビフィズス菌種が増加する一方、バクテロイド種は減少した。その研究はポリデキストロースの消化の仕組みと関係がなかった。
【0011】
低コレステロールダイエット、高コレステロールダイエットおよびポリデキストロースによって補われた高コレステロールダイエットを使った比較研究は、ポリデキストロースを含む食餌が大便のpHを著しく下げ、またインドールおよびp−クレゾールのようないくつかの発がん性物質の発生を減少させるということを示した(非特許文献3)。特許文献1はポリデキストロースを含む健康ドリンクを開示する;特許文献2は食物繊維としてポリデキストロースを含む飲物および食物を開示し、また特許文献3は腸の機能を促進するためのポリデキストロースを含む乳製品粉を開示する。
【0012】
上述された文書のいずれも、哺乳類の大腸中の不均衡な大腸発酵によって引き起こされるアシドーシスもしくは他の障害もしくは疾患の予防および治療へのポリデキストロースまたは他のゆっくりと発酵した複合オリゴマーもしくはポリマー炭水化物の効果を開示していない。
【0013】
最新の機能的な食品(プレティック及びプロビオティックのようなもの)は、胃腸管内の乳酸発酵を刺激することを目的としており、現在まで腸の運動機能および吸収能力の調節、並びに病原菌と戦うのに重要な役割を果たす腸管内の微小植物の均衡の変調に焦点があてられていた。
【特許文献1】米国特許第5437880号明細書
【特許文献2】特許第2072842号明細書
【特許文献3】欧州特許第821885号明細書
【非特許文献1】Apajalahti,J.H.A,等.,Appl.En viron.Microbiol.,44巻,in Press
【非特許文献2】Jie,Z等.,Am.J.Clin.Nutr.72,p p1503−1509,2000
【非特許文献3】Endo,K.等.Bifidobacteria Mic roflora,Vol.10(1),53−64,1991
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、アシドーシスのような大腸内の不均衡な発酵によって引き起こされる障害もしくは疾患を予防しそして治療しそれによって哺乳類や他の動物のような対象の健康および快適さを促進するための都合がよくしかも有効な方法の必要性がある。
【0015】
機能的食物で使用するためにエネルギーの持続放出を与える能力を持つ化合物の必要性もまたある。いくつかの哺乳類は例えば短腸性症候群、食物アレルギーもしくは腸内の損傷を受けたビラ(villa)のゆえによって腸機能に問題を持つ。それにより、小腸における栄養分の吸収が衰えそして炎症性大腸疾患およびアシドーシスの危険性が増加する。このため不十分に機能する腸によって引き起こされる問題を緩和する簡単な方法の必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
腸管に対するポリデキストロースの有益な効果は既知であるが、しかし本発明の発明者等は今驚いたことに、ポリデキストロースは並びにいくつか他のゆっくりと発酵した複合オリゴマーおよびポリマー炭水化物対象の大腸全体における発酵を持続しそして調節するのに有効であるということを見出した。バクテリア発酵のためにエネルギーを持続放出し調節することによって、そのような炭水化物は乳酸の蓄積を防ぐ成分として働き、それゆえ不均衡な大腸発酵の発生を防ぎ得る。ゆっくりと発酵した複合オリゴマーおよびポリマー炭水化物は、敏感な人における乳酸菌の耐性を高めるため、並びに大腸内の乳糖不耐症、食物アレルギー、セリアック病もしくは炎症性疾患の処置を手助けするための組成物において使用され得ることもまた見出された。
【0017】
さらに、発明者等は、ゆっくり発酵した複合オリゴマーおよびポリマー炭水化物、特にポリデキストロースは、大腸内の乳酸の蓄積予防に有益な効果を持つことを見出した。彼らはまた、前記炭水化物およびポリオールが大腸内の乳酸の蓄積を予防するのに相乗的に有益な効果を持つことを見出した。
【0018】
大腸内の乳酸の蓄積予防に加えて、本発明の発明者等はゆっくりと発酵した複合オリゴマーおよびポリマー炭水化物は大腸内の基部に有益な効果を与えるということだけでなく、それらは大腸全体においてこれらの効果を与えることも見出した。有益な効果の中には、また腐敗発酵の減少および大腸全体においてpHの低下がある。ゆっくり発酵した複合オリゴマーやポリマー炭水化物は大腸全体においてブチレートの量を増加させる効果があることもまた見出した。ゆっくりと発酵した複合オリゴマーおよびポリマー炭水化物はさらに大腸全体において微生物の群落の均衡を保ちもしくは正常化するのに効果がある。
【0019】
本発明の好ましいゆっくり発酵した複合炭水化物はポリデキストロースである。ポリデキストロースが消費されると大腸からポリデキストロース由来の炭水化物の一部が排出されることが知られている。大腸内の繊維材料それ自体がそのシーアバルク(sheer bulk)によって大腸の機能を改善するということもまた知られている。しかしながら、ポリデキストロースの消化に関する従来技術の知識では、ポリデキストロースの消化が大腸全体にわたることを明らかにしなかった。発明者等は、ポリデキストロースは大腸全
体においてバクテリアを養うので、大腸の、特に有毒な化合物が蓄積する傾向がある末端部の大腸の疾患および/もしくは障害を治療および/もしくは予防するためのすでに記載されたプレビオティックとは異なる方法で使用され得るということを見出した。
【0020】
それゆえ、本発明は大腸内の乳酸の蓄積を有効に予防する方法を提供することにより腸管の全体の健康およびに快適さに貢献する。有益な効果は大腸全体における発酵で観察される。
【0021】
本発明の要約
それゆえ、大腸の健康状態を強化しまた改善するための方法および組成物を提供することが本発明の目的である。
【0022】
本発明の一つの局面は、不均衡な大腸発酵によって引き起こされる疾患および/もしくは障害を治療および/もしくは予防するため組成物の製造における有効成分としての炭水化物の使用である。本発明の組成物は、ゆっくり発酵した複合オリゴマーおよびポリマー炭水化物を栄養的、栄養補助的および/もしくは医薬的に許容される組成物へと配合することにより製造され、該炭水化物が大腸全体において発酵を持続し、また調節することに効果があるものである。好ましい炭水化物は大腸にエネルギーの持続放出を与えるのに有効である。
【0023】
本発明のもう一つの局面は、大腸全体において乳酸の蓄積を予防するための組成物の製造における前記炭水化物の使用である。
【0024】
乳酸の蓄積なしに大腸全体においてpHを低下させるために配合の製法における前記炭水化物の使用は本発明のさらなる局面である。
【0025】
さらに、大腸全体において腐敗発酵を減少させるための組成物の製造における前記炭水化物の使用は本発明の別の局面である。腐敗発酵は大量の有毒化合物および枝分かれしている揮発性脂肪酸(VFAs)を導くタンパク質の崩壊がベースとなっている。枝分かれしている揮発性脂肪酸(VFAs)はそのような望ましくない発酵のバイオマーカーとして使用され得る。
【0026】
大腸全体においてブチレートの量を増加させるための組成物の製造における前記炭水化物の使用は本発明のさらなる別の局面である。
【0027】
プロビオティック乳酸菌の耐性を高める組成物の製造は本発明のさらなる別の局面である。
【0028】
乳糖不耐症の処置を促進するための組成物の製造における前記炭水化物の使用は本発明のさらなる特徴である。
【0029】
本発明のさらなる局面は、食物アレルギーの処置を促進するための組成物の製造における前記炭水化物の使用に関する。
【0030】
さらに本発明のさらなる局面は、セリアック病患者の影響の処置を促進するための組成物の製造における前記炭水化物の使用に関する。
【0031】
さらに、本発明のさらなる局面は、大腸内の炎症性疾患の危険性を減らすための組成物の製造における前記炭水化物の使用に関する。
【0032】
不均衡な大腸発酵に苦しむもしくはその危険性にさらされているヒト並びに動物の治療上のもしくは予防上の治療法のための方法もまた本発明は提供する。前記方法は、ゆっくり発酵した複合オリゴマーもしくはポリマー炭水化物を対象の大腸全体における発酵を持続しそして調節するのに有効な量で前記対象に投与されたことを含む。
【0033】
本発明のさらなる局面は、大腸全体において乳酸の蓄積を防止するのに有効である量で炭水化物を投与された方法である。
【0034】
本発明のさらなる局面は、乳酸の蓄積なしに大腸全体においてpHを低下するのに有効な量で前記炭水化物を投与された方法である。
【0035】
本発明のさらなる特徴は、乳酸の蓄積なしに大腸全体において腐敗発酵を減らすのに有効な量で前記炭水化物が投与された方法である。
【0036】
本発明のさらなる局面は、大腸内全体で腐敗発酵を減らすのにさらに有効な量で前記炭水化物が投与されまた/もしくは大腸全体においてブチレートの量を増加させるのにさらに有効な量で前記炭水化物が投与された方法である。
【0037】
さらに本発明のさらなる局面はプロビオティック乳酸菌の耐性を高めるのに有効な量で前記炭水化物が投与された方法である。
【0038】
さらに、本発明のさらなる局面は乳糖不耐症、食物アレルギーおよび/もしくはセリアック病の処置を促進するのに有効な量で前記炭水化物を投与された方法である。
【0039】
さらに、本発明のさらなる局面は、大腸内の炎症性疾患の危険性を減らすのに有効な量で前記炭水化物を投与された方法である。
【0040】
本発明の方法はいくつかの態様をとりうる。本発明の様々な局面のさらなる対象、利点および特徴は、その好ましい態様の下記の記載から明らかになるだろう。
【0041】
図面の簡単な説明
図1は4段階大腸発酵シュミレーターにおける揮発性脂肪酸の生産量をグラフで示す。
図2は大腸内の枝分かれしている揮発性脂肪酸の濃度をグラフで示す。
図3は大腸内の枝分かれしている揮発性脂肪酸の割合に対するブチレートの濃度をグラフで示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
発明の詳細な説明
本発明の発明者等は、ゆっくり発酵した複合オリゴマーもしくはポリマー炭水化物の投与は大腸発酵が不均衡になるのを多大に防ぐということを驚くことに発見した。ゆっくり発酵した炭水化物は大腸全体においてエネルギーの持続放出を与え、消化管内の微生物群落の移動を引き起こし、また大腸発酵の肯定的影響を伴って微生物の成長を高め、従って、全ての生産された乳酸をさらに発酵させる。
【0043】
本発明は、不均衡な大腸発酵によって引き起こされる疾患および/もしくは障害を治療および/もしくは予防するための組成物の製造におけるゆっくり発酵した複合オリゴマーもしくはポリマー炭水化物の使用に関する。本発明のゆっくり発酵した複合オリゴマーもしくはポリマー炭水化物は、栄養的、栄養補助的もしくは医薬的に許容される組成物へと配合される。炭水化物は哺乳類の快適さにいくつかの有益な効果を持つ哺乳類の大腸全体における発酵を持続しそして調節するのに効果がある。本発明は炭水化物の肯定的な影響
が大腸全体において得られるので、特に有効である。
【0044】
哺乳類の大腸のビラ(villa)は栄養分に対する過敏症もしくは炎症によって短くされまたは損傷を受けうる。ビラ(villa)が適正に機能しない場合、大腸内の吸収が妨げされ、大腸内の発酵エネルギーの使い過ぎを引き起こしえる。これは不均衡な発酵を引き起こしまた障害および疾患を引き起こしえる。本発明は大腸全体において持続され、そして調節された発酵をもたらすため、不均衡な大腸発酵によって引き起こされる障害および疾患の治療および予防に使用され得る。
【0045】
用語“不均衡な”発酵とは発酵が大腸内で妨げられることを意味する。大腸内のバクテリアにとって利用可能なエネルギーは大腸に沿って均等に分配されず、その結果、乳酸のような発酵からの代謝産物が局部に例外的に多量でもしくは低量で存在する。炭水化物発酵微生物の成長は不均衡なエネルギーの利用可能性によって過度であったり存在しなかったり変化しえる。
【0046】
不均衡な発酵は、調節不能の乳酸の蓄積によって、アシドーシス、炎症、アレルギー、セリアック病、骨粗鬆症等のような様々な疾患もしくは障害を引き起こしうる。それはまた下痢を引き起こし得る。しかしながら、下痢はまたウイルスもしくは食中毒にような多くの他の兆候によっても引き起こされ得る。本発明は不均衡な発酵によって引き起こされるそれらの疾患および障害だけに関するものである。
【0047】
本発明中の“持続した”という用語は、大腸細胞にエネルギーが継続的に供給され大腸内全体で長期間の間均等に該細胞を養うことを意味する。炭水化物は大腸内でゆっくりとそして継続的に発酵されるので本発明の炭水化物の肯定的効果が得られる。従って微生物および大腸細胞は安定的にエネルギーを得、そして大腸の一部においてだけでなく大腸全体において十分に機能を果たす。微生物へ供給される炭水化物エネルギーが適切である場合、タンパク質の崩壊なしにまた調節されそして均衡を保つ状態で発酵が適正に機能を果たす。これによって不均衡な発酵によって引き起こされる障害もしくは疾患は緩和されもしくは予防される。微生物が適正に維持しない場合、他のエネルギー源(例えばタンパク質)が使用され、不均衡な発酵が引き起こされうることが見出された。さらに例えば大腸の基部において過度のエネルギーが放出される場合、発酵の増幅が得られ、はじめは有益な効果を持ちうるがしかし大腸内の後の段階で不均衡さを起こす。
【0048】
本発明の“調節された”という用語は、大腸細胞にとって利用できるエネルギーの量の大きな変化なしにエネルギーが大腸全体において均等に放出されることを意味する。
【0049】
“大腸細胞”という用語は、哺乳類の大腸内の上皮および免疫細胞を意味する。
【0050】
“栄養補助的”という用語は、栄養補助的効果および/もしくは味の満足を与えるだけでなく、消費者に対して治療的効果(もしくは他の有益な)効果をもたらす能力もまたある組成物を意味する。“医薬的”および“栄養的”という用語は一般的にこれらの用語に適用される意味を持つ。
【0051】
本発明の“ゆっくり発酵した”という用語は、炭水化物が胃腸管中の微生物によって急速に利用されず、またそれゆえ大腸の末端部にさえ大量の発酵可能な炭水化物が発酵されない状態で残留するということを意味する。ゆっくりとした発酵によって、本発明の炭水化物は大腸全体において微生物にエネルギーの持続放出を与える。対照的に、急速に発酵した化合物は大腸の基端部にエネルギーの増幅を与えそして大腸の末端部に到達する前に完全に発酵する。
【0052】
本発明の“複合炭水化物”という用語は発酵という視点から複雑である炭水化物の化学構造を持つ化合物を意味する。その複雑性は分解するために異なった種類の酵素を必要とする異なった型の化学結合を持つ炭水化物によって引き起こされうる。複合炭水化物はまた大腸内に豊富に存在しない微生物による発酵を必要とするかもしれない。複雑性は分子内の立体障害性もしくは難溶解性、結晶化度、粒度等のような物理化学の特性によるかもしれない。本発明中で有用な複合炭水化物は下記により詳細に述べられている。
【0053】
本発明のゆっくり発酵した複合オリゴマーもしくはポリマー炭水化物は、大腸内にエネルギーの持続放出をもたらしそしてそれゆえまた本発明において“持続放出炭水化物”と呼ばれる。
【0054】
本発明においては、複合持続放出炭水化物は大腸全体において乳酸の蓄積を防ぐために使用される。乳酸の蓄積は不均衡な大腸発酵の一つの症状である。大腸における乳酸の蓄積は該酸が大腸内の微生物によって発酵されないことを示している。さらに乳酸を新陳代謝させるバクテリアはアシドーシスによって抑制される。乳酸は腸のバクテリア(最も低いpKa値)によって生産される最も強い酸である。それゆえ、乳酸の蓄積は蓄積の増大および大腸の基部におけるpHの急速すぎる低下を導く。乳酸を更に新陳代謝させるバクテリアが低pHの結果殺された場合、急性アシドーシスを導く。
【0055】
好ましい態様では、持続放出炭水化物は乳酸の蓄積なしに哺乳類の大腸全体においてpHを低下させるのに有効である。pHの低下は一般的に大腸に有益な効果をもたらす。本発明は、大腸中で否定的効果を一方でもたらしうる乳酸の蓄積を引き起こすことなしにpHの低下を可能とする。それゆえ、病原体の攻撃による感染の危険性が減少しそしてミネラルの吸収が改善され、さらに骨粗鬆を減らす。
【0056】
別の好ましい態様では、有効な量の持続放出炭水化物が組成物を製造するために使用され、該組成物において該持続放出炭水化物はさらに哺乳類の大腸全体において腐敗およびその代謝産物を減らすのに有効である。このようにして、癌を発症させうる有毒物質の形成を大腸内において減少させる。
【0057】
過多の量である場合に有害でありうる有毒化合物および生体アミンは腐敗発酵の結果起こる。枝分かれしている揮発性脂肪酸は腐敗発酵の存在を示している。通常の枝分かれしている揮発性脂肪酸はイソブチレート、イソバレレートおよび2−メチルブチレートである。基質である炭水化物が大腸の基部においてすでに消耗されている場合、容易に消化されたプレビオティックな物質は腐敗発酵を促進し、急速にバクテリアの数が増加しうる。プレビオティックな物質が大腸内で消耗される場合、大腸末端部のバクテリアはエネルギー源としてタンパク質を利用し始める。腐敗発酵は例えば大腸癌の危険性を増やすことによって消化管に否定的影響をもたらすと考えられている。本発明による持続放出炭水化物の使用によって枝分かれしている揮発性脂肪酸の量の減少は、もたらされた大腸内の健康を促進する、均衡のとれたバクテリアの新陳代謝を示している。
【0058】
本発明の別の好ましい態様では、持続放出炭水化物は、該持続放出炭水化物の量がさらに大腸全体においてブチレートの量を増やすのに有効であるところの組成物を製造するのに使用される。ブチレートは細胞の成長および分化を調節する大腸細胞にとって重要なエネルギー源であるのでそれ自体腸にとって有益であると考えられる。ブチレートはまた大腸癌の危険性を減らすという意味で興味深い揮発性脂肪酸である。
【0059】
本発明の別の好ましい態様では、組成物中の持続放出炭水化物は大腸全体において腐敗発酵を減らしまたブチレートの量を増加させる両方に効果があり、これによって二重の利益が一つの組成物から得られる。
【0060】
プロビオティック乳酸菌の耐性は本発明による持続放出炭水化物の使用により高まる。持続放出炭水化物はまた乳糖不耐症の処置を促進するために使用される。それゆえ、乳酸菌によって生産された乳酸は乳酸の蓄積を抑制するので害はない。本発明による持続放出炭水化物の使用はまた、哺乳類におけるセリアック病の影響のように食物アレルギーによって直面する問題を減らす。それゆえ、本発明は、本発明を使用しないとダイエットを制限するところの障害もしくは疾患を持つ哺乳類にとって均衡のとれたダイエットを可能にする。
【0061】
本発明はまた哺乳類の大腸内の炎症性疾患の危険性を減らすのに有効である。
【0062】
本発明の他の好ましい態様では、持続放出炭水化物は該炭水化物の量が大腸全体において微生物の群落の均衡を保ちもしくは正常化するのにさらに有効であるところの組成物を製造するために使用される。そのような組成物は患者の回復を促進するので特に腸管の抗生物質の治療もしくは他の障害の後に有益である。
【0063】
本発明のゆっくり発酵した複合オリゴマーもしくはポリマー炭水化物は消化管の微生物によって容易に利用されない炭水化物である。適切な複合オリゴマー性またポリマー性炭水化物は複雑な化学構造を持つ。本発明中において有用なゆっくり発酵した炭水化物は、例えば大便のバクテリアを用いたバッチ発酵の中で見込のある炭水化物を選別することにより選択されうる。前記バクテリアによってゆっくり発酵される炭水化物は本発明中で可能性により有用である可能性がある。可能性により選別された炭水化物が持続放出性を持つかどうか確かめるために、当該の炭水化物はその後下記により詳細に述べられる大腸シュミレーションに付される。
【0064】
本発明の好ましい態様では、前記炭水化物は糖ポリマーである。本発明の糖ポリマーは、腸内の酵素の消化に抵抗を示し、またポリデキストロースに関して本発明中に後述されている出発材料として一つもしくはそれ以上の糖を使用する方法のいずれによっても製造される糖ポリマーである。“糖ポリマー”という用語はポリデキストロースを含むが、しかしまた重縮合反応においてグルコースの代わりに他の糖質が使用される他の食品に許容される製品を含む。従って、例えば、前記用語は糖アルコールの存在下での糖の重合からの生成物、並びにその精製品を含む。それはまた水素化糖ポリマーを含む。
【0065】
本発明の別の好ましい態様では、炭水化物はキサンタン、アルギン酸塩および/もしくはキシロオリゴマー(xylooligomer)もしくはこれらの誘導体のようなゆっくり発酵した炭水化物を含む。
【0066】
キサンタンは、第二番目のグルコース残基ごとのC3に結合する三糖の側鎖を持つU−(1−>4)−D−Glc(1−>4)−β−D−Glc(セルロース)主鎖から成る陰イオンのバクテリアの多糖である。側鎖は、ピルビン化末端のマンノース単位の約60%がピルピン化しており、かつ中央部のマンノース部分の約90%がC6においてO−アセチル群に置換されている、U−D−Man−(1−>4)−U−D−GlcA−(1−>2)−6−O−アセチル−α−D−Man−(1−>β−D−Man−(1−>4)−β−D−GlcA−(1−>2)−アルファ−D−Man−(1−>である。それは2マンノースの側鎖および1グルコングルクロン酸基の側鎖を持つ。
【0067】
キサンタンガムは、元来ルタバガ植物から分離されたバクテリア、カントモナスカンパストリス(Xanthomonas campestris)の発酵によって生産される体外多糖である。それは水に溶かされて低濃度で濃い粘性の溶液を作るクリーム色の粉末である。キサンタンは幅広い温度の範囲内で安定したままであり、また乾燥すると強い皮
膜を形成する。
【0068】
アルギン酸は、β−(1−>4)−結合したD−マンヌロン酸(M)およびα−(1−>4)−結合したL−グルロン酸(G)残基を含む茶色の海草(渇藻類、主に昆布)において天然で見つかる線状の分岐していないポリマーである。これらの残基はエピマー(重合後酵素的にL−グルロン酸に変化するD−マンヌロン酸残基)でありまたC5においてのみ異なるけれども、それらはたいへん異なる構造を持つ。D−マンヌロン酸はそれらの間で二重エクアトリアル結合を持つ41でありそしてL−グルロン酸はそれらの間で二重アキシアル結合を持つ14 である。バクテリアのアルギン酸塩は追加的にD−マンヌロン酸残基の2位および/もしくは3位でO−アセチル化される。バクテリアのO−アセチラーゼは藻類のアルギン酸塩のO−アセチル化に使用され得、それによりそれらの水結合性は増加する。
【0069】
アルギン酸塩は、ランダムなコポリマーではなく、その供給源である藻によれば、類似しまたそれぞれが異なった立体配座の優先挙動および作用を持つ厳密に交互性の(例えばMMMMMM,GGGGGG,GMGMGMGM)のブロックから成る。それらは用途に適するため幅広い範囲平均分子量(50ないし100000残基)で製造されうる。
【0070】
“デザイナー”アルギン酸塩はバクテリアのエピメラーゼを使用した藻類のアルギン酸塩中におけるα−(1−>4)−結合したL−グルロン酸残基へのβ−(1−>4)−結合したD−マンヌロン酸残基の5−エピマー化によって発生され得る。利用できる天然代用物は露出した養殖板(より多くの昆布の強さを与えるG)もしくは保護された入り江(より多くのM)からの海藻を収穫することである。
【0071】
特に好ましい本発明の糖ポリマーはポリデキストロースである。ここで使用されるような“ポリデキストロース”という用語は、胃内の酵素による消化に抵抗するグルコースの低カロリーポリマーである。前記用語は、グルコース、マルトース、グルコースのオリゴマーもしくはでんぷんの水解物、もしくはモノカルボン酸、ジカルボン酸およびポリカルボン酸を含む酸例えばルイス酸、無機もしくは有機酸の存在下で重縮合反応における加熱処理によって重合されたでんぷんから製造されたグルコースのポリマー生成物を含み、例えば下記の米国特許第:2436967号、2719179号、4965354号、3766165号、5051500号、5424418号、5378491号、5645647号もしくは5773604号明細書(その全容が参照によりここに組み込まれている)に記載されている製造される生成物を含むがそれらに制限されない。
【0072】
ポリデキストロースという用語はまた米国特許第3766165号明細書に記載の反応においてのように、糖アルコール、例えばポリオールの存在下でグルコース、マルトース、グルコースのオリゴマーもしくは上記のでんぷん水解物の重縮合によって製造されるグルコースのポリマー生成物を含む。その上、ポリデキストロースという用語は、以下の何れかも全て含むがそれらに限定されない従来技術で記述される技術によって精製されたグルコースポリマーを含む。(a)米国特許第5667593号および第5645647号明細書(双方の内容は参照によりここに組み込まれている)に記載されているように、グルコースポリマーに関連する酸の何れかの該酸への塩基の添加による中性化、もしくはポリデキストロースの濃縮水溶液を吸収剤樹脂、弱塩基性イオン交換樹脂、II型強塩基性イオン交換樹脂、塩基性イオン交換樹脂を含む混合ベッド樹脂又はカチオン交換樹脂を通過することによる中性化;もしくは(b)活性炭もしくは木炭とポリデキストロースを接触させることによる、スラリーにすることによる、固体吸着剤のベッドを通過させることによる、もしくは塩化ナトリウム、過酸化水素等を用いて漂白することによる脱色;(c)UF、RO(逆浸透圧)、サイズ排除等のようなモレキュラーシーブ法;(d)もしくは酵素的に処理されたポリデキストロースもしくは(e)その他の従来技術で既知であり認
知された技術。
【0073】
その上、ポリデキストロースという用語は、ここで使用されているように、当業者に知られている技術によって製造される水素化されたもしくは還元されたポリグルコースを含む、水素化ポリデキストロースを含む。前記技術のいくつかは、内容が参照によりここに組み込まれている米国特許第:5601863号、5620871号および5424418号明細書に記述されている。
【0074】
ポリデキストロースはダニスコ社、スタンリー社およびシンドンバン社のような会社から商業的に入手できる。
【0075】
本発明の好ましい様態ではポリデキストロースは水素化されたポリデキストロースである。使用されたポリデキストロースは精製されていることが好ましい。それはカラムクロマトグラフィー、HPLC等を含むクロマトグラフィーのような、当業者に既知である慣用の技術を使用して十分に精製される。
【0076】
特に栄養補助的および医薬的使用のために、使用されるポリデキストロースは少なくとも80%純粋であり、例えば少なくともおよそ80%の不純物が取り除かれるのが好ましい。それはより好ましくは少なくとも85%純粋もしくはより好ましくは少なくとも90%純粋である。ポリデキストロースは、非水素化ポリデキストロース、水素化ポリデキストロース、又は精製された非水素化ポリデキストロースもしくは水素化ポリデキストロース、又はそれらの混合物である。
【0077】
本発明のひとつの態様では、共に大腸全体において発酵を持続しそして調節するのに有効であるゆっくり発酵した炭水化物の用量を少なくとも一つの栄養的、栄養補助的もしくは医薬的に許容される担体および/もしくはビヒクルと混合することにより製造される。
【0078】
前記担体もしくはビヒクルは、それぞれの産業において使用されまた当該炭水化物と相溶性の慣用の化合物の何れでもでありうる。担体は固体、液体もしくは半流動体でありうる。前記固体は食用及び医学製品に従来使用される望ましい物理的形状のいずれを持ち得る。担体は炭水化物に関して不活性でありえ、またそれはそれ自体の有益な効果を持ちうる。一般的に炭水化物は基材と共にもしくは基材を持たないで医薬的、栄養補助的もしくは栄養的製剤にそのまま含まれる。しかしながら、いくつかの場合において、炭水化物の大腸に入る前の消化を防ぐために腸溶性の被覆剤のような被覆剤を炭水化物上に施す。
【0079】
組成物を与えるために本発明のポリデキストロースと混合される好ましい担体もしくはビヒクルはポリオールである。“ポリオール”という用語は、ソルビトールおよびマンニトールのようなヘキシトール、及びキシリトールのようなペンチトールを意味する。前記用語はエリトリトールのようなC4−多価アルコール又はラクチトールもしくはマルチトールのようなC12−多価アルコールをも含む。本発明のポリオールは好ましくはラクチトール、キシリトール、マルチトール、ソルビトール、イソマルトを含む群から選択される。本発明において最も好ましいポリオールはラクチトールである。ポリオールのポリデキストロースに対する質量比率は好ましくは1:10ないし10:1、より好ましくは1:5ないし5:1の範囲である。
【0080】
本発明の一つの好ましい態様においては、ポリオールが大腸全体において乳酸の蓄積を相乗的に防ぐのに有効であるような方法で選択される。
【0081】
本発明の製造において有用な別の担体もしくはビヒクルは乳糖、カルシウムおよび他のミネラル、ビタミン、糖および経口投与可能な組成物に一般的に含まれる他の成分のよう
な食用および/もしくは栄養的な成分である。
【0082】
本発明の組成物は、好ましくは精製されたポリデキストロース、およびラクチトール、ソルビトールキシリトールおよびイソマルトから成る群から選択されるポリオールを含む。
【0083】
ゆっくり発酵した炭水化物は単独でもしくはポリオールと共に相乗的に有効な量で、対象の大腸内の乳酸の蓄積を予防するのに有効な量で対象に投与される。ここで使用されるように対象という用語は動物、特に哺乳類、しかしまた家禽および同様の方法で機能する腸を持つ他の動物も指す。好ましい動物は、人、ペット動物(犬、猫、げっ歯類、鳥)、家畜、(馬、豚、牛、羊、家禽)、実験動物、動物園の動物および上述された動物とように類似の腸管を持つ他の動物を含むがそれらに限られない。家禽の場合、“大腸”という用語は盲腸の意味で理解されるべきである。好ましい家禽はメンドリ、七面鳥、キジ、ガチョウ等を含む。
【0084】
本発明の哺乳類は、より好ましくは離乳時期の若い哺乳類、乳痂を患う若い哺乳類、抗生物質で治療された哺乳類、乳糖に敏感な哺乳類、セリアック病を患う哺乳類、食物アレルギーを患う哺乳類および/もしくは高齢の哺乳類である。本発明による組成物は不均衡な発酵の危険性を持つこれらの哺乳類の障害および疾患の症状を緩和するのに有効である。
【0085】
本発明による組成物は好ましくは経口投与可能な製剤の形で製造される。ゆっくり発酵した炭水化物は、有効な薬用量のゆっくり発酵した炭水化物および食用の担体もしくはビヒクルを含む成分で対象に経口投与される。好ましい担体は炭水化物に相乗的効果を持つポリオールである。
【0086】
本発明の炭水化物は好ましくは対象の大腸全体において発酵を持続しそして調節するのに有効な量で食品に加えられ、そして該炭水化物が含まれる食物が対象に投与される。本発明ではまた、前記炭水化物及びポリオールは、該炭水化物とポリオールが含まれる食料が哺乳類に投与された場合、該哺乳類の大腸全体において乳酸の蓄積を防ぐために相乗的に有効な量で、炭水化物およびポリオールは食品に添加され得る。
【0087】
本発明の別の好ましい態様では、前記炭水化物およびポリオールは該炭水化物とポリオールを含む食料が対象に投与された場合、対象の大腸内で腐敗発酵を減らすために相乗的に有効な量で食品に添加される。
【0088】
本発明の好ましい製品は栄養的な酸っぱい食品(もしくは飼料製品)である。炭水化物の利点がその後特に効果的に得られるので、本発明の組成物は特に酸乳をベースとした製品において好ましい。好ましい製品はヨーグルト、赤ちゃん用調乳、酸乳、凝乳、粉乳、クラウト(crout)(ザウアークラウト)である。ソーセージおよびミートボールのような肉製品に本発明の炭水化物が加えられることがまた好ましい。さらに、持続放出炭水化物は健康ドリンクもしくは抗生物質後の緩和剤のような飲料において有益な効果を有する。
【0089】
前記組成物は医薬的、治療的、栄養的もしくは栄養補助的に許容される組成物を製造するための標準的な手順に従って製造されうる。従って、ゆっくり発酵した炭水化物は、担体と例えばポリオールと混合され、そしてさらに乾燥、半乾燥もしくは液体生成物に加工され得る。ゆっくり発酵した炭水化物はおよびポリオールは、顆粒化されて顆粒を与え、該顆粒はそれ自体がもしくは他の一般のビヒクルおよび補助剤と共に錠剤に圧縮されうるか、もしくは対象へ経口で投与された食物もしくは飼料に加えられる。ゆっくり発酵され
る炭水化物は単独でもしくはポリオールと共にカプセル、錠剤、丸薬等に従来技術で既知である方法によって調合され得る。その組成物はまた、チューインガムもしくはチューイングタブレット、粉末、スプレー、シロップ、糖代用品、キャンディーもしくは菓子乳製品、冷凍乳製食品、ペットフード、動物用飼料等に調合される。
【0090】
好ましい製剤はチョコレートおよびアイスクリームのような乳製品を含む菓子およびデザートである。さらに、本発明はチューインガムを噛む場合、多くの人が指摘するガスがたまることを軽減するために使用され得る。ベビーフードにおいておよび乳痂を軽減する製剤においていくつかの有益な利点が入手できる。
【0091】
本発明の好ましい態様では、ポリデキストロースは、ポリデキストロースを含んだ食品が哺乳類に投与された場合哺乳類の大腸内の乳酸の蓄積を防ぐのに有効な量で、食品に加えられる。食品は容易に消費されそして簡単な方法で入手される組成物の効果を与える。
【0092】
ポリデキストロースは大きさ、質感、口あたりおよび高カロリーの甘味料の機能的属性を与えるよう開発された成分である。ポリデキストロースの従来技術に対する重要なポイントはグラムにつき1カロリーというそのカロリー値である。従ってそれはダイエット食品においてカロリーを減らす増量剤として幅広く使用されている。
【0093】
炭水化物の単独でのもしくはポリオールと共に相乗有効量での投与の時期は重要ではなく、そして個々の必要性に応じて摂取され得る。ヒトにとって有効なポリデキストロースの量はおよそ1gないし100g/日、個々の違いを考慮して好ましくは5gないし50g/日である。しかしながら、食物および飼料の摂取および消化に関し規則的な日常的使用が推奨され、ポリデキストロースは毎日の食餌の0.1ないし10%、好ましくは1ないし5%、最も好ましいのは2ないし3%を占めるべきである。
【実施例1】
【0094】
以下の限定しない実施例は本発明の発明を説明する。
実施例1 ゆっくり発酵した複合炭水化物の選別
次の複合炭水化物:ポリデキストロース、キサンタン、アルギン酸塩、キシロオリゴマー(xylooligomer)、でんぷん、イヌリン、ペクチン、オリゴフルクトースおよびガラクトースを大便のバクテリアによる発酵においてそれらの特性につき選別した。水性および結晶性の化合物の両方が使用された。
【0095】
3ないし4名のドナーからの大便をプールしそして還元剤と一緒にpH7においてホスフェート緩衝剤5部分で薄めた。混合物を37℃で1時間嫌気的に攪拌しそして固形の微粒子を取り除くために濾過した。25mlの濾過液および0.25gの試験すべきそれぞれの炭水化物を混合し、そして24時間攪拌しながら(120rpm)37℃で嫌気的に培養した。気体発生およびpHを植菌後1,2,3,4,12および24時間後に測定し、そして微生物は植菌後12および24時間後に測定した。
【0096】
気体発生および微生物のゆっくりとした増加並びにゆっくりしたpHの減少は、ポリデキストロース、キサンタン、アルギン酸塩およびキシロオリゴマー(xylooligomer)が大便のバクテリアによりゆっくり発酵されたことを示した。でんぷん、イヌリン、ペクチン、オリゴフルクトースおよびオリゴガラクトースは大便のバクテリアにより急速に発酵されたが、それは試験の早い段階におけるが多い量の気体およびpHの急速な減少によって示された。結晶性の炭水化物は水性のものよりゆっくりと発酵された。
【実施例2】
【0097】
実施例2 持続放出の特性の選別
ポリデキストロース(ダニスコ社製リテッセ(Litesse)(登録商標)ウルトラ(Ultra)(登録商標))とイヌリン(オラフティ社製ラフチリン(Raftiline)(登録商標))、二つの既知のプレビオティック物質は、大腸全体において消化管の微生物の群落に対するそれらの効果について大腸シュミレーターにおいて比較された。ポリデキストロースはゆっくり発酵された炭水化物であり、そしてイヌリンは急速に発酵された。5人の健康なヒトドナーから新しい大便のサンプルが嫌気性の状態でプールされ、0.9%の嫌気性塩化ナトリウム緩衝剤の中で薄められた。大便の懸濁液は次に4段階の動的大腸発酵シュミレーターの容器に加えられた。コンピューター制御によるシュミレーターは、それぞれ管につながれた4つの個別の嫌気性容器から成り、このようにより低い腸の嫌気性状態における消化管の内容物の通路および発酵を再現した。シュミレーション装置は大腸の異なる部分の異なるプレビオティック物質の発酵パターンに関する詳細な情報を与えた。
【0098】
発酵シュミレーションの間、ポリデキストロースおよびイヌリンの一定量をそれぞれ試験プレビオティック物質の培養溶液に周期又は断続的に加えられそしてシステムの第一番目の容器(大腸の基部)に加えられ、容器の内容物は3時間サイクルでシュミレーターの中で前に移動(大腸のより末端部分へ)した。シュミレーションは48時間継続された。pHの変化は実験の間チェックされた。実験の完了後、おのおのの段階のサンプルは冷凍されそして後の分析のために保存された。異なる揮発性脂肪酸の濃度および消化の度合は試験された成分の発酵パターンを決定するためにサンプルから測定された。通常の栄養分を再現した培養溶液の質量で計算された2質量%のポリデキストロースと1質量%のイヌリンが研究に使用された。
【0099】
VFA−分析のために、100μlのサンプル溶液、100μlのISTD−溶液(20mMピバル酸)、300μlの水および飽和したシュウ酸溶液が混合されそして4℃で60分間静置した。サンプルはその後最大速度で5分間遠心分離機にかけられ、1μlの上澄液がガスクロマトグラフィーに注入された。サンプルに残留しているイヌリンの量は、シュミレーション前後のピーク面積を比較することによるサイズ排除クロマトグラフィーによって決定された。サンプルに残留しているポリデキストロースの量は、高いpHの陰イオン・クロマトグラフィーを使用することにより決定されそして電気化学探知機によって検出された。
【0100】
二回の試験的実験における揮発性脂肪酸の生成物は図1に表された。ポリデキストロースの発酵(PDX)は、主に酢酸、プロピオン酸および酪酸の生成物を結果として生じた。酪酸の割合は大腸シュミレーションの結合部分へ向かうにつれ増加した。ポリデキストロースの大部分は研究の終了まで発酵されないまま残った。反対に、イヌリンの発酵は第一番目の容器の中ですでに完了していた。発酵パターンもまた異なっていた。乳酸の生成物がイヌリン試験の第一段階の後すでにはっきりしていて、そして大腸シュミレーションの末端部分に向かうにつれ濃度が高くなった。ポリデキストロース試験の中で乳酸の蓄積が全く見られず優れた持続放出を示していた。
【実施例3】
【0101】
実施例3 ポリデキストロースの効果
バクテリア発酵におけるポリデキストロースの効果が健康なヒトを含めた臨床試験において研究された。
【0102】
1日の服用量10gのポリデキストロースを摂取し、そして0、3および6週間後に得られ大便のサンプルからバクテリア発酵の変化を測定した。サンプルは揮発性脂肪酸の測定前に−20℃で保存された。揮発性脂肪酸の測定は実施例1において説明されたように行われた。枝分かれしている揮発性脂肪酸の濃度は研究の間減少(図2)したが、しかし
ブチレートの濃度は枝分かれしているの揮発性脂肪酸(VFAs)の減少している割合(図3)と関連し付随して増加した。
【0103】
ポリデキストロースはヒトにおける腐敗発酵を増やさなかった。事実、枝分かれしているVFAsが減少しそしてブチレートの生産は増加し、ポリデキストロースが大腸全体において有効な、乳酸を生成しない炭水化物であるという実施例1の大腸シュミレーションの結果を裏付けていた。ポリデキストロースは、持続放出されたエネルギーを大腸に与える均衡のとれた発酵を促進するプレビオティック物質であると考えられる。
【実施例4】
【0104】
実施例4 ヨーグルト製品
0.70%のペクチン(グリンスドテッド ペクチン(Grindsted Pectin) YF310)と1.0%の結晶性ラクチトールを乾式混合し、そして80ないし85℃に加熱された11.0%の水に溶かした。50.0%のラズベリー(冷凍)、18.80%のポリデキストロース(ダニスコ クルター アメリカ社(Danisco Cultor America Inc.)製リテッセ(Litesse)(登録商標)ウルトラ(Ultra)(登録商標))および17.80%の結晶性ラクチトールを沸騰するまで加熱し、そしてその後十分かき混ぜながらペクチンとラクチトールの混合物を加した。カルシウムの懸濁液を50%の熱水にカルシウム塩(カルシウム乳酸塩5H2O)0.296%を溶かすことにより作り、そしてその後十分かき混ぜながら前記果物のマスに加えた。混合物はその後望ましい内容物に到達するまで蒸発した。pHはクエン酸ナトリウムを使用して、3.9に調節し、そして防腐剤(K−ソルビン酸塩 20%W/V、0.25%)を加えた。充填するために混合物は40℃の温度まで冷やされた。混合物は15ないし20%の最終投与量でヨーグルトに添加された。1日につき一個ないし二個のヨーグルトの摂取は胃腸内にガスがたまったりもしくは乳酸の蓄積を示したりすることなしに均衡のとれたそして健康的な腸の機能をもたらした。百分率は新生の状態の質量基準で計算された。
【実施例5】
【0105】
実施例5 赤ちゃん用ミルクの配合物
乳タンパク質を含む標準的な赤ちゃん用ミルク配合物を、蒸留水に溶解されたポリデキストロースの2.5質量%と混合した。混合物は均一になるまで攪拌しそして2dlパッケージに満たさしそして夜泣きおよび乳痂を減らすためのベビーフードを与えるために殺菌した。
【実施例6】
【0106】
実施例6 ソーセージ
フランクフルトソーセージを、ソーセージのマスの質量に対して10質量%の投与量のポリデキストロース(ダニスコ社製リテッセ(Litesse)(登録商標)II)を詰めるより先に前記マスに混ぜたことを除いて標準的ソーセージのレシピにしたがって製造した。結果として生じたソーセージは程良い堅さおよび味を持ちそしてそれらは敏感な胃を持つ人々によって摂取されるのに適していた。
【実施例7】
【0107】
実施例7 医薬製剤
ポリデキストロース(ダニスコ社製リテッセ(Litesse)(登録商標)ウルトラ(Ultra)(登録商標))とラクチトール一水和物(ダニスコ社製)を含む錠剤を、ポリデキストロースと一緒にラクチトールを顆粒化することによって製造した。結果として生じた微粒子はマグネシウムステアリン酸塩と混合されそしてアシドーシスの予防において使用するための錠剤に圧縮された。
【実施例8】
【0108】
実施例8 抗生物質後の飲物
抗生物質の摂取後、胃の障害を緩和するための組成物を60%の顆粒状の乳酸菌と40%のアルギン酸塩との混合によって製造した。摂取前に、組成物はグラス一杯の水に混ぜた。
【実施例9】
【0109】
実施例9 ココアの飲料
ラクチトール一水和物(200g)、脂肪分のないミルクパウダー(70g)、低脂肪ココアパウダー(12g)およびポリデキストロース(100g)の組成物を、乾燥形態の成分を混合することにより製造した。使用するため、組成物はあたたかい健康ドリンクを与えるために熱水(700g)に混合した。
【0110】
特に示されない限り、百分率は質量パーセントである。さらに与えられた質量は乾燥状態の質量であり、すなわち、存在しうる媒体の質量を除いたものであった。
【0111】
上記の好ましい態様および実施例は本発明の範囲および精神を説明するために与えられている。これらの態様および実施例は、他の態様および実施例を当業者に明らかにするだろう。これらの他の態様および実施例は発明の意図の範囲内にある。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】4段階大腸発酵シュミレーターにおける揮発性脂肪酸の生産量をグラフで示す。
【図2】大腸内の枝分かれしている揮発性脂肪酸の濃度をグラフで示す。
【図3】大腸内の枝分かれしている揮発性脂肪酸の割合に対するブチレートの濃度をグラフで示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゆっくり発酵された複合オリゴマー性又はポリマー性炭水化物を、栄養的に、栄養補助的におよび/もしくは医薬的に許容される組成物へと配合することにより、対象の大腸全体において持続されたおよび調節された発酵の維持を可能にする組成物を提供することを含む、大腸での不均衡な発酵により引き起こされる疾患および/もしくは障害を治療および/もしくは予防するための組成物の製造における炭水化物の使用。
【請求項2】
前記炭水化物が糖ポリマーであり、該炭水化物は大腸全体におけるエネルギーの持続放出をもたらすことにおいて有効である請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記炭水化物が糖ポリマー、好ましくはポリデキストロースである請求項1に記載の使用。
【請求項4】
前記炭水化物が大腸全体における乳酸の蓄積の予防において有効である請求項1又は2に記載の使用。
【請求項5】
前記炭水化物が、乳酸の蓄積を伴わずに、大腸全体におけるpHの減少において有効である請求項1又は2に記載の使用。
【請求項6】
前記炭水化物が、更に大腸全体における腐敗発酵の減少において有効である請求項1ないし5の何れか一項に記載の使用。
【請求項7】
前記炭水化物が、更に大腸全体におけるブチレートの量の増加において有効である請求項1ないし6の何れか一項に記載の使用。
【請求項8】
前記炭水化物が、哺乳類のプロビオティック(probiotic)乳酸菌の耐性を高めることにおいて有効である請求項1ないし3の何れか一項に記載の使用。
【請求項9】
前記炭水化物が、哺乳類における乳糖不耐症の処置の促進において有効である請求項1ないし3の何れか一項に記載の使用。
【請求項10】
前記炭水化物が、哺乳類の食物アレルギーの処置の促進において有効である請求項1ないし3の何れか一項に記載の使用。
【請求項11】
前記炭水化物が、哺乳類のセリアック病の処置の促進において有効である請求項1ないし3の何れか一項に記載の使用。
【請求項12】
前記炭水化物が、大腸内の炎症性疾患のリスクの減少において有効である請求項1ないし3の何れか一項に記載の使用。
【請求項13】
前記炭水化物が、更に大腸全体における微生物群落のバランス維持もしくは正常化において有効である請求項1ないし3の何れか一項に記載の使用。
【請求項14】
前記炭水化物が、少なくとも一種の栄養的に、栄養補助的におよび/もしくは医薬的に許容される担体および/もしくはビヒクルに混合されることに有効である請求項1ないし3の何れか一項に記載の使用。
【請求項15】
前記担体および/もしくはビヒクルがポリオールを含む請求項14記載の使用。
【請求項16】
前記炭水化物および前記ポリオールが、大腸全体において乳酸の蓄積を相乗的に防止するのに有効である請求項15記載の使用。
【請求項17】
前記ポリオールは、ラクチトール、キシリトール、マルチトール、ソルビトール、イソマルトから成る群から選択される請求項15もしくは16記載の使用。
【請求項18】
前記ポリオールがラクチトールである請求項17記載の使用。
【請求項19】
前記対象がヒト、ペット動物、家畜、実験動物、動物園の動物から成る群から選択される請求項1ないし18の何れか一項に記載の使用。
【請求項20】
前記対象が乳離期の若い哺乳類、乳痂を患う若い哺乳類、抗生物質の治療を受ける哺乳類、乳糖に過敏である哺乳類、セリアック病を患う哺乳類、食物アレルギーを患う哺乳類および高齢化した哺乳類から成る群から選択される請求項19記載の使用。
【請求項21】
前記炭水化物が経口投与された組成物に組み入れられる請求項1ないし20の何れか一項に記載の使用。
【請求項22】
前記組成物が乾燥、半乾燥もしくは液体食品、錠剤、丸薬、チューイングガムもしくはチューイングタブレット、粉末、スプレー、シロップ、砂糖代用品、キャンディーもしくは菓子、乳製品、冷凍乳製品、肉製品、健康飲料、ベビーフード、ペットフ
ード、動物飼料および同様なものから成る群から選択される経口投与製剤の形で製造される請求項1ないし21の何れか一項に記載の使用。
【請求項23】
前記製剤が酸味の食料もしくは飼料製品、好ましくは酸乳製品である請求項22記載の使用。
【請求項24】
前記製剤がヨーグルト、赤ちゃん用調乳、酸乳、凝乳、粉乳、クラウト(ザウアークラウト)である請求項22記載の使用。
【請求項25】
前記ポリデキストロースが水素化ポリデキストロースである請求項3記載の使用。
【請求項26】
前記ポリデキストロースが精製されている請求項3記載の使用。
【請求項27】
前記ポリデキストロースが、非水素化ポリデキストロース、水素化ポリデキストロース、又は精製を受けた非水素化ポリデキストロースもしくは水素化ポリデキストロース又はその混合物である請求項25もしくは26記載の使用。
【請求項28】
前記炭水化物がキサンタン、アルギン酸塩、キシロオリゴマーから選択される請求項1記載の使用。
【請求項29】
ポリデキストロースに対するポリオールの質量比率が1:10ないし10:1、好ましくは1:5ないし5:1の範囲である請求項15記載の使用。
【請求項30】
前記炭水化物は、該炭水化物を含む食料が哺乳類に投与された場合に該哺乳類の大腸全体において発酵を持続しそして調節するために有効な量で、食料に添加される請求項21もしくは22記載の使用。
【請求項31】
前記炭水化物及びポリオールは、該炭水化物とポリオールを含む食料が哺乳類に投与された場合に該哺乳類の大腸全体において乳酸の蓄積を防ぐために相乗的に有効な量で、食料に添加される請求項21記載の使用。
【請求項32】
前記炭水化物及びポリオールは、該炭水化物とポリオールを含む食料が哺乳類に投与された場合に該哺乳類の大腸全体において腐敗発酵を減少させるために相乗的に有効な量で、食料に加えられる請求項21記載の使用。
【請求項33】
対象の大腸全体において発酵を持続しそして調節するための有効成分として、ゆっくりと発酵した複合オリゴマーもしくはポリマー炭水化物を含む組成物。
【請求項34】
前記炭水化物が糖ポリマーであり、前記炭水化物が大腸全体におけるエネルギーの持続放出をもたらすのに有効である請求項33記載の組成物。
【請求項35】
前記炭化水素が糖ポリマーであり、好ましくはポリデキストロースである請求項33もしくは34記載の組成物。
【請求項36】
前記炭水化物が大腸全体において乳酸の蓄積の防止に有効である請求項33もしくは34記載の組成物。
【請求項37】
ポリデキストロースおよびポリオールを含み、該ポリオールが大腸全体において乳酸の蓄積の相乗的な防止をもたらす請求項35記載の組成物。
【請求項38】
前記ポリデキストロースが精製されたポリデキストロースであり、前記ポリオールがラクチトール、ソルビトール、マルチトール、キシリトールおよびイソマルトから成る群から選択される請求項37記載の組成物。
【請求項39】
栄養食品もしくは栄養飼料製品、栄養補助食品もしくは飼料製品もしくは医薬製剤である請求項33ないし38記載の組成物。
【請求項40】
乳製品を含む乾燥、半乾燥もしくは液体食品もしくは飼料製品の形態である請求項33ないし39記載の組成物。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2006−512295(P2006−512295A)
【公表日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−537176(P2004−537176)
【出願日】平成15年9月16日(2003.9.16)
【国際出願番号】PCT/FI2003/000674
【国際公開番号】WO2004/026316
【国際公開日】平成16年4月1日(2004.4.1)
【出願人】(397060588)ダニスコ エイ/エス (67)
【Fターム(参考)】