説明

炭素数6〜8の芳香族炭化水素の製造方法

【課題】本発明は、重質油であるLCOからベンゼン、トルエン、C8芳香族炭化水素といったBTXなどのC6〜8芳香族炭化水素を経済的に製造する方法を提供することを課題とする。
【解決手段】LCOを含む原料を水素存在下で金属担持触媒と接触させ、水素化片側核水添により、これに含まれるナフタレン又はアルキルナフタレンをテトラリン又はアルキルテトラリンに変換し、更にテトラリン又はアルキルテトラリンをある水素化条件の下で金属担持酸型ゼオライト触媒と接触させ、水素化開環反応、水素化脱アルキル化反応、トランスアルキル化反応により、炭素数6〜8の芳香族炭化水素を製造する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、石油精製工程で生成する重質油、特に、アルキルベンゼン、インダン、インデン、アルキルインダン、アルキルインデン、ナフタレン、アルキルナフタレンを含む重質油から、ポリマー及び他の石油化学合成のための非常に重要な石油化学原料である炭素数6〜8の芳香族炭化水素(例えばベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、またはキシレン(以下、「BTX」と称する))を製造する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、原油は常圧蒸留、減圧蒸留され、沸点により様々な成分に分けられ、各種用途に使われるが、そのうちナフサと呼ばれる中間沸点成分を、高温熱分解、あるいは、接触改質により、ガソリン基材とともにBTXを製造するルートが最も主要である。ベンゼンは、水素添加反応により主要ポリマーであるナイロンのモノマー、カプロラクタムの原料であるシクロヘキサンに使われる他、その他ポリマーのモノマー原料、ファインケミカル原料として、その需要は近年伸びている。一方、キシレンは更にパラキシレンに変換され、同じく主要ポリマーであるポリエステルのモノマー、テレフタル酸の原料に使われ、この需要についてもアジアを中心として旺盛である。またトルエンは、ガソリン基材、溶剤としてだけでなく、不均化工程でベンゼン、及びキシレンを製造するための重要な原料である。このように増大するBTXの需要に対応する為のナフサは、年々益々ひっ迫してきており現在石油精製の課題の1つとなっている。
【0003】
BTX増産方法として、1つは先のナフサの改質工程で発生する重質油のうち炭素数9以上の芳香族炭化水素(以下、「C9以上の芳香族炭化水素」と称する場合もある。また、「炭素数nの芳香族炭化水素」を「Cn芳香族炭化水素」と称する場合もある)を原料として主にゼオライト触媒を使ったトランスアルキル化反応により、ベンゼン、或いは、キシレンを製造する方法があるが、一般にゼオライト触媒の被毒となるインダン、アルキルインダン、インデン、アルキルインデン、ナフタレン、アルキルナフタレンを含んでいるため、触媒活性劣化防止の観点から、従来は事前に蒸留分離により炭素数10以上の芳香族炭化水素を除去し、炭素数9の芳香族炭化水素のみを原料として使用していた。故に依然として、炭素数10以上の重質油は溶剤、或いは、重油といった価値の低い燃料油としての用途しかない。
【0004】
もう1つのBTX増産の方法としては、先の原油の処理量を上げる方法が挙げられるが、それに伴い重質油成分が増大する。重質油成分は一般的にFCCと呼ばれる流動式接触分解により主にガソリン基材にアップグレードして有効成分として回収しているが、その反応収率は約40〜50%と低く、残りは、沸点の低い順に、炭素数3〜4のガス、接触分解軽油(Light Cycle Oil) (LCO)、接触分解重油Heavy Cycle Oil)(HCO)、及び残さ(CSO)が発生し、LCO、HCO、CSOは、依然、溶剤、或いは、重油といった価値の低い燃料油としての用途しかない。
【0005】
従って、以上のような重質油から、より多くのベンゼン、トルエン、キシレンが回収できれば、新たなるBTX供給源となり、重質油の新たなる有効活用を図ることができる。
下表はFCCで発生する重質油の1つ、LCOの組成の一例であるが、FCCで発生するLCOは、ナフタレン及びアルキルナフタレンの2環芳香族炭化水素を最も多く含有しており、その他、アルキルベンゼン、インダン、アルキルインダン、インデン、アルキルインデン、などの単環芳香族炭化水素を含有している。
【0006】
【表1】

【0007】
上記LCOの有効活用の例としては、例えば特許文献1に挙げられるようにディーゼル燃料油へ変換する例がある。ディーゼル油に要求される品質としては、セタン価を低下原因させる、或いはディーゼル車に燃料として使用された際に廃ガス中に含まれる大気汚染物質PMの発生原因とされている、単環及び2環以上の芳香族炭化水素の含有量が低いことが好ましく、従って、この場合、強い水素化活性金属を担持した触媒を用いて、徹底的に水素化核水添を行い、上記芳香族炭化水素をデカリンやアルキルデカリン、更にはナフテンパラフィン等の軽質成分に変換させて残存芳香族炭化水素濃度を低減させることが目的である。
【0008】
尚、当該LCOから、ディーゼル油等の輸送用燃料油よりも更に付加価値の高いBTXを製造する方法として、特許文献6に2段の反応工程を経て製造する方法が開示されている。これは水素化活性の非常に強い金属担持触媒を充填した1段目反応工程にてナフタレン及びアルキルナフタレンの片側を水素化核水添してテトラリン及びアルキルテトラリンに変換した後、2段目の反応工程にて水素化活性が比較的弱い金属を担持したゼオライト触媒により、片側ナフテン環の水素化開環反応、水素化脱アルキル化反応、トランスアルキル化反応によりBTXを製造する方法である。しかし特許文献2に記載された2段目の反応工程の実施例においては、供給原料に10重量%のテトラリンを含ませて反応させた例が示されているが、ほとんどのテトラリンが転化してもBTX収率はわずかに1.5重量%しか増加しておらず、BTXへの選択率は決して満足できるレベルでない。
【0009】
ところで特許文献3に記載されているとおり、ナフタレンおよびアルキルナフタレンはゼオライト細孔内へ容易に吸着しコーキングし易くゼオライト触媒の被毒物として知られているが、酸型ゼオライト触媒を使用する第2反応工程への供給原料中のナフタレンおよびアルキルナフタレンの濃度を低く抑えるべく、1段目の反応工程でのナフタレン、アルキルナフタレンのワンパス転化率を100重量%近くにする必要がある。しかし、これは1段目反応工程において、高温・高圧の反応条件という大きな負荷を強いられる以外に、過度な核水添反応により、生成したテトラリンやアルキルテトラリン、あるいはLCOにもともと含まれるアルキル芳香族炭化水素の単環芳香族炭化水素のリングロスが大きくなり、全体としてBTX収率低下や水素消費量増大につながり非経済的である。
【0010】
以上より、全体BTX収率を高くするべく、2段目反応工程にテトラリン、アルキルテトラリンなどの単環芳香族炭化水素濃度ができるだけ高い中間油を供給させるためには、1段目反応工程において、LCOに含まれるナフタレンおよびアルキルナフタレンの片側核水添反応を過度に進めすぎて、生成したテトラリン、アルキルテトラリン、あるいは、同じく原料に含まれるアルキルベンゼンなどのような単環芳香族炭化水素のリングロスをできるだけ抑えるため、1段目反応条件を調整し、ナフタレンおよびアルキルナフタレンの転化率の最適化を行うことが好ましいが、2段目反応工程供給原料に未反応のナフタレンおよびアルキルナフタレンが多く残存しても、触媒劣化が少なく、高い転化率および高い選択率でテトラリン及びアルキルテトラリンをBTXに変換する技術についてはこれまでに明らかにされていない。
【特許文献1】特開平9−225304号公報(第2頁)
【特許文献2】特開2007−154151号公報
【特許文献3】特開平10−045640号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、テトラリンおよびアルキルテトラリンを相当量含む供給原料からベンゼン、トルエン、C8芳香族炭化水素といったBTXなどのC6〜8芳香族炭化水素を経済的に製造する方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題は、LCOを含む原料を水素存在下で金属担持触媒と接触させ、片側核水添により、これに含まれるナフタレン又はアルキルナフタレンをテトラリン又はアルキルテトラリンに変換し、更にテトラリン又はアルキルテトラリンをある水素化条件の下で金属担持酸型ゼオライト触媒と接触させて、水素化開環反応、水素化脱アルキル化反応、トランスアルキル化反応により炭素数6〜8の芳香族炭化水素を効率的に製造することで解決し得る。
【0013】
すなわち本発明は下記の構成からなる。
【0014】
テトラリンおよびアルキルテトラリンを合計濃度15重量%以上含む供給原料油を、水素存在下で、1,000NL−H/kg−Feed以上の水素対供給原料油比率の条件のもと、水素化活性金属を担持する酸型ゼオライト触媒と接触させることを特徴とする炭素数6〜8の芳香族炭化水素の製造方法。
【発明の効果】
【0015】
本発明により、ナフタレン又はアルキルナフタレンを含有してなる重質油を水素存在下で、酸型触媒と接触させてBTXを製造する方法により、重質油から価値のあるBTXを経済的に製造することが出来るようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明で用いる供給原料油は、テトラリン又はアルキルテトラリンを含むものである。そのような供給原料油としては、例えば重質油を水素存在下で金属担持触媒と接触させて、FCC工程で発生するLCO、接触改質で発生する炭素数10以上の芳香族炭化水素油などの前記重質油に含まれるナフタレンおよびアルキルナフタレンの片側核水添反応を行った生成油を好ましく用いる。特に供給原料油中にテトラリン及びアルキルテトラリンが15重量%以上、好ましくは20重量%以上含まれるのが好ましい。またナフタレン及びアルキルナフタレンを1重量%以上、あるいは5重量%以上、更には10重量%以上含有する原料油を好ましく用いることができる。
【0017】
本発明において、ナフタレンおよびアルキルナフタレンを多く含有する前述の重質油を、まず、水素存在下で水素化活性金属担持触媒と接触させる前処理を行い、テトラリンおよびアルキルテトラリン濃度が高い生成油を得て、これを供給原料油とする。この供給原料油としては例えば特許文献6に記載の第1段目反応で得られた物と同じであってよい。以下、その前処理について詳述する。
【0018】
まずLCOなどの重質油を、水素存在下で金属担持触媒と接触させて、主にナフタレンに代表される2環以上の芳香族炭化水素の核水添反応を行い単環化を行う。この段階で例えばナフタレンは下式で示されるようにテトラリンに変換される。アルキルナフタレンは同様にアルキルテトラリンに変換される。
【0019】
【化1】

【0020】
本前処理工程において用いられる水素化活性金属担持触媒は、酸化アルミニウム(アルミナ)に代表される酸化物、アモルファスなシリカ・アルミナ、あるいはゼオライトなどの一般的に表面積の大きいものを担体として選び、水素化活性を有した金属を担持したものが使用される。
【0021】
触媒に担持する水素化活性金属としては、白金、パラジウム、レニウム、ニッケル、コバルト、モリブテン、タングステン等が好ましく用いられる。担持する金属により好ましい担持量が異なるのは言うまでもない。例えば、モリブテンの場合は、触媒全体に対して0.5〜30重量%であり、より好ましくは10〜20重量%であり、ニッケルの場合は、0.5〜10重量%が好ましく用いられる。
【0022】
ここでは核水添反応が過度に進みすぎないよう、テトラリン、アルキルテトラリン、アルキルベンゼンといった単環芳香族炭化水素の収率が最大となる反応条件で行われることが好ましく、一般には、反応温度は200〜450℃、圧力は大気圧から10MPa−G、反応の接触時間を表す重量時間空間速度(WHSV)は0.1〜10hr−1、水素対供給原料油の比率は100〜2000N−m/mの範囲で行われ、ここで用いられる触媒の種類に応じて、最適な反応条件を決めるのが好ましい。
【0023】
尚、使用する重質油原料のうち硫化物、窒素化合物を含む原料を使用する場合、これら硫化物、窒素化合物は、上記前処理工程での反応により水素化分解されて硫化水素やアンモニアといったガスに転化され、セパレータや脱気蒸留塔などの気液分離設備で分離する方法により除去するといった、原料油を精製する効果もある。
【0024】
上記前処理工程で得られた処理油は、単環芳香族炭化水素の収率が最大となるよう、核水添反応が過度に進みすぎない条件で得ることが好ましいため、未反応のナフタレンおよびアルキルナフタレンをいくらか含んでいるが、これを供給原料油として、水素存在下で水素化活性金属を担持した酸型ゼオライト触媒と接触させて、テトラリン及びアルキルテトラリンの水素化開環反応を行うことができる。この開環反応によりアルキルベンゼンに転化する途中、オレフィンのアルキル基を有するアルキルベンゼン(以後、オレフィンアルキルベンゼンとする)となり、その後、更に水素化されてパラフィンのアルキル基を有するアルキルベンゼン(以後、パラフィンアルキルベンゼンとする)、そして最後は炭素数2以上の側鎖アルキル基に対して脱アルキル化反応によりメチル基芳香族炭化水素に変換される。更には、これらメチル基芳香族炭化水素は、同時に起こるトランスメチル化反応により、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン、ペンタメチルベンゼンといったメチル基の多い芳香族炭化水素についてもBTXに転化しさせることができる。
【0025】
上記反応の応用例として、例えばベンゼン及び/又はトルエンを上記供給原料油と混合して、反応させることにより、BTXの収率を向上させたり、製品中のベンゼン、トルエン、キシレンの内訳を変えることも一つの実施態様である。この際のベンゼン及び/又はトルエンの混合量は中間油100重量部に対し、0〜100重量部であることが好ましく、原料油の組成、BTX収率の最大化、あるいは所望する製品中のBTXの内訳に応じて、この混合比率を変えることが好ましい。
【0026】
上記水素化開環反応は、例えばテトラリンであるならば、下式のように開環して、エチルスチレンとなり、その後更に水素化されて、ジエチルベンゼンに変換され、更に脱アルキル化してエチルベンゼン或いはベンゼンになる経緯を辿る。ここで、水素対供給原料油比率が小さい、水素供給が不十分な条件では、テトラリン又はアルキルテトラリンの一部は、開環した後水素化されず、エチルスチレンのようなオレフィンアルキルベンゼンのまま生成油中に残る。
【0027】
【化2】

【0028】
このオレフィンアルキルベンゼンは、またリサイクルすればアルキルベンゼンとなり、最後にはBTXに変換することが可能であるが、循環量が増えることから、設備も大きくなり、用役使用量も増加するため、経済的でなくなる。また、オレフィンアルキルベンゼンが生成油中に多く残ると、そのまま多量化して触媒表面へのコーキングを引き起こし、触媒劣化につながる。
【0029】
以上から、本発明において、テトラリン又はアルキルテトラリンを多く含んだ供給原料を使用し、水素対供給原料油比率を大きくとれば、途中のオレフィンアルキルベンゼンや炭素数2以上のアルキル基を持ったアルキル芳香族炭化水素などの反応中間体の生成を抑え、BTXをワンパスで高収率で効率的に製造することができる。水素対供給原料油比率については、1,000NL−H/kg−Feed以上、好ましくは1,300NL−H/kg−Feed以上に設定すれば、その効果は大きくなる。
【0030】
上記テトラリンおよびアルキルテトラリンの片側ナフテン環水素化開環反応、水素化脱アルキル化反応、トランスアルキル化反応に使用される触媒としては水素化活性金属を担持する酸型ゼオライト触媒を好ましく上げることが出来る。
【0031】
酸型ゼオライトとして本発明に利用できるゼオライトとしては12員酸素環以上の細孔を有するゼオライトが好ましく、12員酸素環の細孔を有するゼオライトとしては、モルデナイト型ゼオライト(例えば、特公平2−31006号公報第4−5頁の実施例1、特開昭55−126529号公報第5頁の例11参照)が好ましい。また、ゼオライトとしては、天然品、合成品何れでも使用できるが、好ましくは、合成ゼオライトである。又、同じゼオライト構造であっても、その組成、特に、シリカ/アルミナモル比(SiO/Al モル比)、或いは、ゼオライト結晶子の大きさ等によってもその触媒性能は大きく変化する。
【0032】
ゼオライトを構成するシリカ/アルミナモル比の好ましい範囲は、ゼオライト構造にも依存しているが、例えば、合成モルデナイト型ゼオライトであれば、好ましいシリカ/アルミナモル比は10〜50、より好ましくは12〜35である。これらゼオライトのシリカ/アルミナモル比は、ゼオライト合成時の組成比を制御することによって、達成できる。更には、ゼオライト構造を構成するアルミニウムを塩酸等の酸水溶液、或いは、アルミニウムキレート剤、例えば、エチレンジアミン4酢酸(EDTA)等を用いて除去することにより、ゼオライトのシリカ/アルミナモル比を増加させることが出来る。又、逆に、アルミニウムイオンを含む水溶液、例えば、硝酸アルミニウム水溶液、アルミン酸ソーダ水溶液等で処理(例えば浸漬などの方法で処理)することによりゼオライト構造の中にアルミニウムを導入しゼオライトのシリカ/アルミナモル比を増加させ好ましいシリカ/アルミナモル比にすることも可能である。シリカ/アルミナモル比の測定は、原子吸光法、蛍光X線回折法、ICP(誘導結合プラズマ)発光分光法等で容易に知ることが出来る。
【0033】
ゼオライトの結晶子の大きさは、ゼオライトの合成条件である反応混合物組成比、結晶化温度、結晶化時間、撹拌速度等を調整することによって、ある程度、変化させることが出来る。或いは、ゼオライト結晶化における反応混合物中に界面活性剤、有機塩基その他添加剤を加えることによっても、ある程度、結晶子を変化させることが出来る。例えば、具体的事例として、合成モルデナイトを合成する段階で、有機塩基、例えば、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイドを共存させることにより、結晶子を約0.5ミクロンから約0.1ミクロン前後にまで小さくすることが出来る。ゼオライトの結晶子サイズは、電界放射型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)等の装置で容易に知ることが可能である。結晶子サイズが小さくなると、かかるゼオライトから調製した酸型触媒の触媒活性は高くなる。特に、結晶子の小さいゼオライトを利用することは、好ましい。モルデナイト型ゼオライトの結晶子サイズは主に0.5ミクロン以下が好ましく、主に0.2ミクロン以下がより好ましい。ベータ型ゼオライトの結晶子サイズは主に0.2ミクロン以下が好ましい。CFI型ゼオライトの結晶子サイズは短軸で主に0.2ミクロン以下であることが好ましい。ここで言う「主に」とは、結晶子サイズを測定するために行った、10万倍の倍率のFE−SEM観察図でゼオライト結晶子の8割以上がその範囲にあることを言う。
【0034】
かかるゼオライトを適宜、選択して触媒として利用する。
【0035】
合成ゼオライトは、一般に粉末であるので、使用に当たっては、成型することが好ましい。成型法には、圧縮成型法、転動法、押出法等が例として挙げられるが、より好ましくは、押出法である。押出法では、合成ゼオライト粉末にアルミナゾル、アルミナゲル、ベントナイト、カオリン等のバインダー及び必要に応じて、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、スパン、ツインなどの界面活性剤が成型助剤として添加され、混練りされる。必要によっては、ニーダーなどの機械が使用される。更には、触媒に添加する金属によっては、ゼオライト成型時にアルミナ、チタニア等の金属酸化物を加え、触媒に添加する金属の担持量を増加させたり、分散性を向上させたりする。混練りされた混練り物は、スクリーンから押し出される。工業的には、例えば、エクストリューダーと呼ばれる押出機が使用される。スクリーンから押し出された混練り物はヌードル状物となる。使用するスクリーン径により成形体の大きさが決定される。スクリーン径としては、好ましくは0.2〜1.5mmφが用いられる。スクリーンから押し出されたヌードル状成形体は、角を丸めるために、マルメライザーにより処理されるのが好ましい。このようにして成型された成型体は、50〜250℃で乾燥される。乾燥後、成形強度を向上させる為、250〜600℃、好ましくは350〜600℃で焼成される。
【0036】
このようにして調製された成形体は、固体酸性を付与するためのイオン交換処理が行われる。固体酸性を付与する方法としては、アンモニウムイオンを含む化合物(例えば、NHCl、NH NO、(NH SO 等)でイオン交換処理し、ゼオライトのイオン交換サイトにNHイオンを導入し、しかる後、乾燥、焼成により、水素イオンに変換する方法、或いは、直接、酸を含む化合物(例えば、HCl、HNO、H PO等)で、ゼオライトのイオン交換サイトに水素イオンを導入する方法もあるが、後者は、ゼオライト構造を破壊する恐れがあるので、好ましくは前者、即ち、アンモニウムイオンを含む化合物でイオン交換処理される。或いは、2価、3価金属イオンをゼオライトイオン交換サイトに導入することによってもゼオライトに固体酸性を付与することが出来る。2価金属イオンとしては、アルカリ土類金属イオンであるMg2+、Ca2+ 、Sr2+ 、Ba2+ を例として挙げることが出来る。3価金属イオンとしては、希土類金属イオンであるCe3+、La3+ 等を例として挙げることが出来る。2価及び/又は3価金属イオンを導入する方法とアンモニウムイオン或いは直接水素イオンを導入する方法と組み合わせて用いることもできるし、より好ましい時もある。イオン交換処理は通常水溶液で、バッチ法或いは流通法で行われる。処理温度は、室温から100℃で行われるのが通常である。
【0037】
このようにしてイオン交換処理された後、金属、好ましくは水素化活性金属が担持される。触媒反応系に水素を存在させ、金属、好ましくは水素化活性金属を担持することにより、触媒の経時劣化を防止することが出来る。水素化活性金属としては、白金、パラジウム、レニウム、ニッケル、コバルト、モリブテン等が好ましく用いられる。担持する金属により好ましい担持量が異なるのは言うまでもない。例えば、白金の場合は、触媒全体に対して0.005〜0.5重量%であり、より好ましくは0.01〜0.3重量%である。パラジウムの場合は、0.05〜1重量%が好ましく用いられる。レニウムの場合には好ましい担持量は0.01〜5.0重量%であり、より好ましくは0.1〜2重量%である。
【0038】
本発明では供給原料油中に被毒物として高濃度に含まれるナフタレン、アルキルナフタレンへの耐性を上げながら、高い転化率で且つ高い選択率でテトラリンおよびアルキルテトラリンをBTXに変換するために、前述の水素対原料供給比率条件を大きくとるものである。さらに、反応操作圧力を上げたり、或いは、触媒と供給原料油との反応接触時間を表す重量空間速度(WHSV)を小さくしたりすることが好ましいが、このようなより過酷な反応条件下においても、単環芳香族炭化水素のアロマ環部分のリングロスを小さく抑えるべく、前記水素化活性金属の種類を適宜選択し担持量を調整し水素化活性が過度に強すぎないようにすることも好ましい。
【0039】
これら金属の担持法は、白金、パラジウム、レニウム等の水素化活性金属のうちいずれか少なくとも一つ(ここでいう金属は、金属原子である必要はなく、化合物の形態であってもよい)を含む溶液、一般には、水溶液に触媒を浸漬し、担持される。白金成分としては、塩化白金酸、塩化白金酸アンモニウム等が、パラジウム成分としては、酢酸パラジウム、アセチルアセトンパラジウム、塩化パラジウム、硝酸パラジウム等が、レニウム成分としては、過レニウム酸、過レニウムアンモニウム等が利用される。
【0040】
このようにして調製された触媒は、50〜250℃で30分以上乾燥され、使用に先立って、350〜600℃で30分以上焼成される。
【0041】
以上、述べたようにして調製された触媒は、従来知られている種々の反応操作に準じて行うことが出来る。反応方式は、固定床、移動床、流動床何れの方法も用いられるが、操作の容易さから固定床反応方式が、特に好ましく、反応温度は200〜500℃、好ましくは、250〜450℃である。反応操作圧力は4MPa−G以上であることが好ましく、なかでも4.0〜20.0MPa−Gがより好ましい。重量時間空間速度(WHSV)は0.5〜1.5hr−1が好ましい。
【0042】
上記方法により得られたBTXを含む生成油は、通常蒸留分離により製品BTXを回収することができるが、蒸留分離以外に吸着分離や晶析分離技術等で回収することもできる。
【0043】
生成油からBTX含む製品油を分離回収した残り未反応成分、例えば、テトラリン、アルキルテトラリン、インダン、アルキルインダン、インデン、アルキルインデン、炭素数2以上のアルキル基1つ以上もつ芳香族炭化水素、メチル基を3つ以上もつメチル基芳香族を含む残油については、BTXの回収率をあげるため、再びリサクイクルすることが好ましい。
【0044】
上記分離回収したBTXを含む製品油は単に化学品原料への用途ばかりでない。当該製品油は、セタン価低下原因成分のテトラリン及びアルキルテトラリン濃度が低く、またオクタン価の高いBTX濃度が高くなっているので、当該製品油から蒸留によりセタン価の高い軽油留分、或いは、オクタン価の高いガソリン留分を回収することが可能である。そのため、本発明の製造方法により製造され、分離回収されたC6〜8芳香族炭化水素は、ガソリン、灯油、軽油用途にも好ましく用いることができる。
【実施例】
【0045】
(モルデナイト型ゼオライト−Iの合成)
固形苛性ソーダ(NaOH含量96.0重量%、HO含量4.0重量%、株式会社カーク)48.8グラム、アルミン酸ソーダ溶液(Al含量18.5重量%、NaOH含量26.1重量%、HO含量55.4重量%、住友化学工業株式会社)835.2グラム、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液(TEAOH含量20重量%、HO含量80重量%、三洋化成工業株式会社)2208グラムを蒸留水958グラムに加え、均一な溶液とした。この混合液に含水ケイ酸(SiO含量91.6重量%、Al含量0.33重量%、NaOH含量0.27重量%、ニップシールVN−3、日本シリカ工業株式会社)2620グラムを徐々に加え、均一なスラリー状水性反応混合物を調製した。この反応混合物の組成比(モル比)は次のとおりであった。
SiO/Al:25
OH/SiO:0.245
TEAOH/SiO:0.075
O/SiO:30
【0046】
反応混合物は、10L容のオートクレーブに入れ密閉し、その後250rpmで撹拌しながら160℃で7日間反応させた。反応終了後、蒸留水で5回水洗、濾過を繰り返し、約120℃で一晩乾燥した。
【0047】
得られた生成物を、Cu管球、Kα線を用いるX線回折装置で測定した結果を、得られたゼオライトはモルデナイト型ゼオライトであることがわかった。
【0048】
このモルデナイトゼオライトのシリカ/アルミナモル比は蛍光X線回折分析の結果、21.3であった。
【0049】
FE−SEM観察を倍率10万倍で行った結果、結晶子は、約0.1ミクロンのものが8割以上(8割以上が0.1±0.01ミクロン)であることがわかった。
【0050】
(モルデナイト型ゼオライト−IIの合成)
固形苛性ソーダ(NaOH含量96.0重量%、HO含量4.0重量%、株式会社カーク)21.3グラム、酒石酸粉末(酒石酸含量99.7重量%、HO含量0.3重量%、株式会社カーク)21.3グラムを蒸留水586.8グラムに溶解した。この溶液にアルミン酸ソーダ溶液(Al含量18.5重量%、NaOH含量26.1重量%、HO含量55.4重量%、住友化学工業株式会社)29.2グラムを加え、均一な溶液とした。この混合液に含水ケイ酸(SiO含量91.6重量%、Al含量0.33重量%、NaOH含量0.27重量%、ニップシールVN−3、日本シリカ工業株式会社)111.5グラムを撹拌しながら徐々に加え、均一なスラリー状水性反応混合物を調製した。この反応混合物の組成比(モル比)は次のとおりであった。
SiO/Al:30
OH/SiO:0.5
A/Al:2.5(A:酒石酸塩)
O/SiO:20
【0051】
反応混合物は、1L容のオートクレーブに入れ密閉し、その後250rpmで撹拌しながら160℃で72時間反応させた。反応終了後、蒸留水で5回水洗、濾過を繰り返し、約120℃で一晩乾燥した。
【0052】
得られた生成物を、Cu管球、Kα線を用いるX線回折装置で測定した結果、得られたゼオライトはモルデナイト型ゼオライトであることがわかった。
【0053】
このモルデナイトゼオライトのシリカ/アルミナモル比は蛍光X線回折分析の結果、18.6であった。
【0054】
FE−SEM観察を倍率10万倍で行った結果、結晶子サイズは約0.5ミクロンのものが8割以上(8割以上が0.5±0.01ミクロン)であることがわかった。
【0055】
実施例1
次に合成されたモルデナイト型ゼオライト−IIを絶対乾燥基準(500℃、20分間焼成した時の灼熱減量から計算)で20グラム、擬ベーマイト構造を有する含水アルミナ(住友化学工業株式会社製)を絶対乾燥基準で10グラム、アルミナゾル(Al含量10重量%、日産化学工業株式会社製)を45グラム加え、充分混合した。その後、120℃の乾燥器に入れ、粘土状の水分になるまで、乾燥した。その混練り物を1.2mmφの穴を有するスクリーンを通して押出した。押出し成形物を、120℃で一晩乾燥し、次いで、350℃から徐々に540℃に昇温し、540℃で2時間焼成した。このモルデナイト型ゼオライト成型体20グラムを10重量%のNHCl水溶液80mlと80℃、1時間接触させた。その後、純水で洗浄し、再び10重量%のNHCl水溶液80mlと80℃、1時間接触させた。この操作を8回繰り返し、純水でバッチ的に6回水洗した。このアンモニウム交換したモルデナイト型ゼオライト−I成型体の乾燥品20グラムを、Reとして80ミリグラム含む過レニウム酸水溶液40ml中に室温で浸漬し、2時間放置した。30分毎に撹拌した。その後、液を切り、120℃で一晩乾燥した。触媒反応の使用に先立って、540℃、2時間焼成し、残型ゼオライト触媒Aとした。触媒Aに担持されたReをICP発光分光分析で分析した結果、触媒Aに担持されているレニウムはReとして2010重量ppmであった。
【0056】
反応テストに使用する供給原料油の組成を表2に示す。
【0057】
【表2】

【0058】
上記原料は、単環芳香族炭化水素のロスを最小限に抑えた条件でLCOを核水添処理したものを想定し、テトラリン、ナフタレン、インダンの試薬を混合したモデル原料である。このうち原料Aを水素流通下で触媒Aを20g充填した反応器に供給して触媒接触反応させ、反応生成ガスおよび反応生成液をFID検出器付きガスクロマトグラフで分析し、排ガス流量および単位時間当たりの反応液重量の測定値から、各成分の反応収率を求めた。以下、表3に反応条件、および、反応成績を示す。
【0059】
【表3】

【0060】
注)
* BTX収率(重量%)=ヘ゛ンセ゛ン、トルエン、C8芳香族炭化水素の反応収率の合計(重量%)
**BTX選択率(モル%)= BTX生成モル量(mol/h)/転化したテトラリンのモル量(mol/h)×100
【0061】
上記テストから水素対供給原料比率条件が高くなると、中間生成物であるエチルスチレンのようなオレフィンアルキル芳香族炭化水素の生成が少なくなり、BTXへの収率および選択率が高くなることが解る。
【0062】
実施例2
次にナフタレン含有原料である表2の原料BあるいはCを、実施例1と同様、水素流通下で触媒Aを20g充填した反応器に供給して触媒接触反応させ、反応生成ガスおよび反応生成液をFID検出器付きガスクロマトグラフで分析し、排ガス流量および単位時間当たりの反応液重量の測定値から、各成分の反応収率を求めた。以下表4に反応条件、および、反応成績を示す。
【0063】
【表4】

【0064】
***BTX選択率(モル%)= BTX生成モル量(mol/h)/転化したテトラリンおよびインタ゛ン類のモル量(mol/h)×100
【0065】
上記テストより、触媒被毒物であるナフタレン含有原料においても、水素対供給原料比率条件を高くすると、中間生成物であるエチルスチレンのようなオレフィンアルキル芳香族炭化水素の生成が少なくなり、BTXへの収率および選択率が高くなることが解る。
【0066】
実施例3
次に合成されたモルデナイト型ゼオライト−Iを絶対乾燥基準(500℃、20分間焼成した時の灼熱減量から計算)で20グラム、擬ベーマイト構造を有する含水アルミナ(住友化学工業株式会社製)を絶対乾燥基準で10グラム、アルミナゾル(Al含量10重量%、日産化学工業株式会社製)を45グラム加え、充分混合した。その後、120℃の乾燥器に入れ、粘土状の水分になるまで、乾燥した。その混練り物を1.2mmφの穴を有するスクリーンを通して押出した。押出し成形物を、120℃で一晩乾燥し、次いで、350℃から徐々に540℃に昇温し、540℃で2時間焼成した。このモルデナイト型ゼオライト成型体20グラムを10重量%のNHCl水溶液80mlと80℃、1時間接触させた。その後、純水で洗浄し、再び10重量%のNHCl水溶液80mlと80℃、1時間接触させた。この操作を8回繰り返し、純水でバッチ的に6回水洗した。このアンモニウム交換したモルデナイト型ゼオライト−I成型体の乾燥品20グラムを、Reとして80ミリグラム含む過レニウム酸水溶液40ml中に室温で浸漬し、2時間放置した。30分毎に撹拌した。その後、液を切り、120℃で一晩乾燥した。触媒反応の使用に先立って、540℃、2時間焼成し、酸型ゼオライト触媒Bとした。触媒Bに担持されたReをICP発光分光分析で分析した結果、触媒Bに担持されているレニウムはReとして2010重量ppmであった。
【0067】
ナフタレンの他にインダン類を含有してなる表2の原料Bを水素流通下で、触媒Aを20g充填した反応器、および触媒Bを20g充填した反応器に、それぞれ供給して図1記載の条件で触媒接触反応させ、400時間ほどの寿命テストを行った。反応生成ガスおよび反応生成液をFID検出器付きガスクロマトグラフで分析し、排ガス流量および単位時間当たりの反応液重量の測定値から、各成分の反応収率を求めた。結果を図1に示す。
図1から、酸型モルデナイトゼオライト−Iからなる触媒Bのほうが、活性および触媒劣化においても優れていることが解る。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明を実施するのに好ましい酸型ゼオライト触媒を使った寿命テストの結果を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テトラリンおよびアルキルテトラリンを合計濃度15重量%以上含む供給原料油を、水素存在下で、1,000NL−H/kg−Feed以上の水素対供給原料油比率の条件のもと、水素化活性金属を担持する酸型ゼオライト触媒と接触させることを特徴とする炭素数6〜8の芳香族炭化水素の製造方法。
【請求項2】
反応圧力条件を4MPa−G以上に保つことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の炭素数6〜8の芳香族炭化水素製造方法。
【請求項3】
供給原料油を水素化活性金属を担持する酸型ゼオライト触媒と重量時間空間速度(WHSV)0.5〜1.5Hr−1で接触させることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の炭素数6〜8の芳香族炭化水素の製造方法。
【請求項4】
原料油にナフタレンおよびアルキルナフタレンを合計1重量%以上含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の炭素数6〜8の芳香族炭化水素の製造方法。
【請求項5】
原料油にナフタレンおよびアルキルナフタレンを合計5重量%以上含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の炭素数6〜8の芳香族炭化水素の製造方法。
【請求項6】
原料油にナフタレンまたはアルキルナフタレンを合計10重量%以上含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の炭素数6〜8の芳香族炭化水素の製造方法。
【請求項7】
酸型ゼオライト触媒に担持される水素化活性金属が、白金、パラジウム、レニウム、ニッケル、コバルト、モリブテン、のうち少なくとも1つである、請求項1〜6のいずれか一項記載の炭素数6〜8の芳香族炭化水素の製造方法。
【請求項8】
水素化活性金属がレニウムを含有するものである請求項1〜7のいずれか一項記載の炭素数6〜8の芳香族炭化水素の製造方法。
【請求項9】
酸型ゼオライト触媒がシリカ/アルミナモル比が10〜50で、且つ結晶子サイズが主に0.5ミクロン以下であるモルデナイト型ゼオライトを含有するものであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項記載の炭素数6〜8の芳香族炭化水素の製造方法。
【請求項10】
上記原料油の一部または全部が、水素存在下で水素化活性金属担持触媒と接触させて、ナフタレンおよび/またはアルキルナフタレンを片側核水添反応によりテトラリンおよびまたはアルキルテトラリンに変換させる反応工程から得られることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかの炭素数6〜8の芳香族炭化水素の製造方法。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2009−235247(P2009−235247A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−83414(P2008−83414)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】