説明

為替集中処理装置

【課題】各支店では、資金移動のための処理は殆ど人手により処理していたので、手間と時間がかかっていた。また、伝票の記票と処理において人手が入っているため、ミスの発生する可能性が大きかった。
【解決手段】各支店から受信した伝票データを格納するファイル装置8と、ファイル装置8の伝票データを処理する処理端末装置13を備え、処理端末装置13に、振込カード発行データを作成するカード発行データ作成処理部14と、資金移動条件を設定する資金移動条件処理部5と、伝票データの集計を行う集計処理部6と、資金移動のための資金移動伝票を作成する資金移動伝票作成処理部7を設け、処理端末装置13に振込カード発行機14を接続した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、銀行、その他の金融機関の各支店で発生した伝票データ(振込伝票等のデータ)をセンタで集中処理するシステムに利用される為替集中処理装置に関し、特に、前記センタにおいて、前記伝票データの集計処理、振込カードの自動発行処理、資金移動処理、資金移動伝票作成処理等の為替処理を集中して行う為替集中処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
以下、図15〜20に基づいて従来例を説明する。なお、以下の説明では、振込伝票等を単に「伝票」と記す。
【0003】
§1:為替処理の説明・・・図15参照
図15は従来の為替処理説明図である。従来、銀行、その他の金融機関においては各種の為替処理(給与振込処理、各種送金処理等)を行っていた。この為替処理は、銀行等の金融機関の各支店とセンタとの間のファクシミリ為替処理システムを利用し、次の(1) 〜(13)の手順により行われていた。
【0004】
(1) :先ず、センタでファクシミリ為替処理システムを起動する。この処理によりファクシミリ為替処理システムは通常運用状態になる。
【0005】
(2) :前記ファクシミリ為替処理システムが通常運用状態になると、センタでは、各支店からのファクシミリ(以下「FAX」と記す)による伝票集信処理を開始する。
【0006】
(3) :その後、各支店では伝票受け付け業務を開始する。そして、伝票(振込伝票)の受け付けを行い、受け付けた伝票を逐次センタへFAX送信する。
【0007】
(4) :前記伝票受け付け業務を行っている間、各支店では受け付けた伝票に対し、必要に応じて振込カードを手作業で発行する。
【0008】
(5) :各支店で伝票受け付け業務を行っている間、センタでは伝票集信処理を行う。そしてこの間、各支店からの伝票を逐次FAX受信する。
【0009】
(6) :センタでは、各支店からFAX受信した伝票(伝票のイメージデータ)を逐次処理する(伝票処理)。
【0010】
(7) :センタでは、各支店からの伝票集信処理が終了すると、各支店からFAX受信した伝票データの集計処理を行い、前記集計処理で集計した集計データを各支店にFAX送信する。
【0011】
(8) :支店では、センタからの集計データをFAX受信する。
【0012】
(9) :支店では、FAX受信した集計データを基に資金移動処理を行い、資金移動のための資金移動伝票を作成する。
【0013】
(10):支店では、前記(9) で作成した資金移動伝票の処理を行う。
【0014】
(11):支店では、前記(10)の処理が完了すると、センタに対して資金の移動を行う。
【0015】
(12):センタでは、支店からの資金の受け取りを行う。
【0016】
(13):センタでは、支店から受け取った資金と集計データとを比較し、間違いが無いかチェックする。
【0017】
§2:処理の詳細な説明・・・図16〜図20参照
図16は従来の集計データ例/資金移動管理台帳例、図17は従来の転記例1/転記例2、図18は従来の転記例3/転記例4、図19は従来の転記例5、図20は従来の資金移動伝票例である。以下、図16〜図20に基づいて前記(1) 〜(13)の処理の内、(8) の集計データ受信から(11)の資金の移動の各処理を詳細に説明する。
【0018】
(a) :前記(8) の支店で行う集計データ受信処理の説明
支店で行う(8) の集計データ受信処理では、図16のA図に示したフォーマットの集計データをFAX受信する。この集計データ例は、A1支店の受信データであり、種目、振込指定日、件数、金額の各項目がある。この場合、振込指定日は種目に応じて指定可能な日付が異なり、フリコミ(振込)の場合には当日のみ可能である。また、サキフリの場合には、翌1(翌日)〜翌3(翌日から3日間)までの日付が可能である。キウヨ(給与)の場合には、翌2〜翌3までの日付が可能である。
【0019】
(b) :支店では、当日、支店からFAX送信した伝票の集計内容と、センタからFAX送信された前記(a) の集計データの内容が一致するか否かを人手により確認する。
【0020】
(c) :支店では、図16のB図に示したフォーマットの資金移動管理台帳に、前記FAX受信した集計データを人手により転記する。転記する際には、集計データの振込指定日が、資金移動管理台帳の資金移動日付と同じとなるように転記する。このようにして転記した資金移動管理台帳例を図17〜図19に示す。
【0021】
図17のC図は転記例1、図17のD図は転記例2、図18のE図は転記例3、図18のF図は転記例4、図19のG図は転記例5である。なお、前記各転記例において、aは転記した欄、bは前日までに転記済みの欄、cは未転記(空白)欄(翌日以降に転記する欄)である。
【0022】
(d) :資金移動日が当日である資金移動管理台帳の合計欄を計算する。この場合、資金移動日が10/11であるから、図19のように資金移動金額(合計)を計算する。
【0023】
(e) :支店では、前記資金移動管理台帳を元に、図20に示したような資金移動伝票を作成し、担当印を押印する。更に確認の為に、管理者が確認し承認印を押印する。
【0024】
(f) :承認印の承認された資金移動伝票のデータを、オペレータが端末を操作して入力する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
前記のような従来のものにおいては、次のような課題があった。
【0026】
(1) :各支店では、資金移動のための処理、特に前記(8) 〜(11)の処理は殆ど人手により処理していたので、手間と時間がかかっていた。また、伝票の記票と処理において人手が入っているため、ミスの発生する可能性が大きかった。
【0027】
(2) :各支店で行っている振込カードの発行と、センタで処理する伝票データとでは同じ内容が多いにも係わらず、支店とセンタとで別にデータの入力処理を行っており、2度手間であるばかりでなく、異なった入力を行ってしまう可能性があった。
【0028】
本発明はこのような従来の課題を解決し、センタにおいて、各支店から受信した伝票データを基に、伝票データの集計処理、資金移動処理、資金移動伝票作成処理等の為替処理を集中して行うことにより、従来各支店で行っていた為替処理を削減し、為替処理の効率化を図ることを目的とする。また、センタにおいて、処理済みの伝票データを使用して振込カードを自動的に発行することで、各支店での振込カード発行処理を無くし、オペレータの負担を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0029】
本発明は前記の目的を達成するため、次のように構成した。
図1は本発明の原理説明図である。本発明は前記の目的を達成するため、次のように構成した。
【0030】
(1) :金融機関の各支店で発生した伝票データをセンタで集中処理するシステムの前記センタに設置される為替集中処理装置であって、前記為替集中処理装置には、振込処理装置11と処理端末装置13と、振込カード15を発行するための振込カード発行機14を設けた。
【0031】
また、前記振込処理装置11には、ファイル装置8と、ホストへデータを送信するためのホスト送信部1と、ファイル装置8からデータを出力するためのデータ出力部2と、ファイル装置8に格納された各ファイルの制御を行うファイル制御部3を設け、前記処理端末装置13には、カード発行データ作成処理部4と、資金移動条件処理部5と、集計処理部6と、資金移動伝票作成処理部7を設けた。更に、前記ファイル装置8には、伝票データファイル29と、集計データファイル30と、資金移動条件データファイル31を設けた。
【0032】
また、前記為替集中処理装置を次のように構成した。
【0033】
(2) :金融機関の各支店で発生した伝票データをセンタで集中処理するシステムの前記センタに設置される為替集中処理装置であって、前記各支店から受信した伝票データを格納するファイル装置8と、ファイル装置8に格納された伝票データを各支店毎に集計して集計データを作成する集計処理手段と、前記各支店毎の集計データを基に各支店に対する資金移動処理を行い、資金移動のための資金移動伝票データを作成する資金移動伝票作成処理手段を備えている。
【0034】
(3) :前記(2) の為替集中処理装置において、集計処理手段は、各支店毎に集計データを作成する際、集計データの分類項目として、振込種目と、振込指定日と、取扱と、宛て先種別の各項目を設定し、前記項目別に分類して集計データを作成する機能を備えている。
【0035】
(4) :前記(2) の為替集中処理装置において、ファイル装置8の伝票データの中から、振込カード発行が必要な取引の伝票データを読み出し、前記伝票データを振込カード発行用のデータ形式に変換して振込カード発行データを作成するカード発行データ作成処理手段と、前記カード発行データ作成処理手段から出力されたデータを基に振込カードを発行する振込カード発行機14を備えている。
【0036】
(5) :前記(3) の為替集中処理装置において、カード発行データ作成処理手段は、前記伝票データに含まれている振込カード発行の要/不要情報を基に、振込カード発行が必要な取引か否かを判断する機能を備えている。
【0037】
(6) :金融機関の各支店で発生した伝票データをセンタで集中処理するシステムの前記センタに設置される為替集中処理装置であって、前記各支店から受信した伝票データを格納するファイル装置と、前記ファイル装置に格納された伝票データを各支店毎に集計して集計データを作成する集計処理手段と、各支店毎の集計データの作成の際、分類項目として、振込種目と、取扱と、宛て先種別の各項目を設定し、前記項目別に分類した集計データを作成する項目別集計手段と、前記各支店毎の集計データを基に各支店に対する資金移動処理を行い、資金移動のための資金移動伝票データを自動作成する資金移動伝票作成処理手段を備えていることを特徴とした為替集中処理装置。
【0038】
(7) :(6) の為替集中処理装置において、前記ファイル装置の伝票データの中から、振込カード発行が必要な取引の伝票データを読み出し、前記伝票データを振込カード発行用のデータ形式に変換して振込カード発行データを作成するカード発行データ作成処理手段と、前記カード発行データ作成処理手段から出力されたデータを基に振込カードを発行する振込カード発行機を備えていることを特徴とした為替集中処理装置。
【0039】
(8) :(7) の為替集中処理装置において、前記カード発行データ作成処理手段は、前記伝票データに含まれている振込カード発行の要/不要情報を基に、振込カード発行が必要な取引か否かを判断する機能を備えていることを特徴とした為替集中処理装置。
【0040】
(作用)
前記構成に基づく作用を図1に基づいて説明する。
【0041】
(a) :金融機関の各支店からFAX受信した伝票データは振込処理装置11に出力され、ファイル装置8の伝票データファイル29に格納される。また、受信した伝票データは、文字認識処理によりコードデータに変換され、伝票データファイル29に格納される。その後、前記ファイル装置8に格納された伝票データファイル29のデータは次のように処理される。
【0042】
(b) :振込カード発行機14で振込カードを発行する場合は、処理端末装置13のカード発行データ作成処理部4がデータ出力部2を介してファイル装置8から伝票データの中で振込カード発行が必要な伝票データを順次読み出す。読み出した伝票データは、振込カード発行機14に送信するデータ形式に変換され、振込カード発行機14に送信する。そして、振込カード発行機14で振込カードを発行する。
【0043】
前記振込カード発行処理では、伝票データに含まれている振込カード発行の要/不要情報を基に、振込カード発行が必要な取引か否かを判断し、振込カードの発行が必要な取引に対してのみ振込カードを発行する。
【0044】
(c) :資金移動条件処理部5が資金移動条件データの設定/変更処理を行う場合は、データ出力部2を介してファイル装置8から資金移動条件データファイル31のデータを読み出す。そして、読み出した資金移動条件データは、オペレータによる変更処理が行われた後に、ファイル制御部3を介してファイル装置8の資金移動条件データファイル31に格納される。
【0045】
(d) :集計処理部6が集計処理を行う場合は、データ出力部2を介して伝票データファイル29の伝票データの内、処理済みの伝票データを逐次読み出し、集計処理を行う。集計処理が終了したら、ファイル制御部3を介して集計データファイル30に格納する。
【0046】
前記集計処理は各支店毎に集計データを作成するが、この場合、集計データの分類項目として、振込種目と、振込指定日と、取扱と、宛て先種別の各項目を設定し、前記項目別に分類して集計データを作成する。
【0047】
(e) :資金移動伝票作成処理部7が、資金移動処理及び資金移動伝票作成処理を行う場合には、データ出力部2を介して、集計データファイル30と、資金移動条件データファイル31のデータを読み出し、各支店毎に資金移動処理を行い、資金移動のための資金移動伝票(送信可能な資金移動伝票の電文データ)を作成する。作成した資金移動伝票はファイル制御部3を介してファイル装置8に格納する。前記のようにして作成された資金移動伝票は、ホスト送信部1を介してホストへFAX送信される。
【0048】
(f) :以上のようにして、各支店毎の資金移動伝票(電文データ)をセンタで自動的に作成し各支店へ伝送することで、各支店で行う為替処理を削減し、作業の負担を軽減することができる。また、処理済みの伝票データを使用して振込カードを自動的に発行することで、各支店側の振込カード発行作業を軽減することができる。
【発明の効果】
【0049】
(1) :伝票データに付随して発生する資金移動処理をセンタ側で行うので、従来行っていた支店での付け替えの為の伝票の作成及び処理を無くすことができる。このため、資金移動処理を簡便に、かつ間違いなく行うことができる。
【0050】
(2) :センタで伝票データの送信、及び振込カードの発行を連動して行うため、支店での伝票データの送信、及び振込カード発行のための処理が不要になり、効率的に為替処理を行うことができる。また、センタで一括して為替処理を行うことにより、実際の振込データと、振込カードの内容が異なるという間違いの発生を無くすことができる。
【0051】
(3) :各支店に対する資金移動のための資金移動伝票をセンタで自動的に作成することができるので、従来各支店で行っていた資金移動のための処理、及びセンタでの付け替えられた金額のチェックを行う必要が無くなる。このため、例えば、1支店当たり、5分〜10分の処理時間の短縮が可能になる。また、作業ミスの発生を防ぐことができる。
【0052】
(4) :センタで処理した伝票データを基に振込カードを自動的に発行し、支店での振込カードの発行を行わなくて良くなるため、例えば、振込カード1枚当たり、約30秒の処理の効率化が図れる。また、振込データと発行する振込カードの内容の不一致の発生を無くすことができる。
【0053】
(5) :センタにおいて、各支店から受信した伝票データを基に、伝票データの集計処理、資金移動処理、資金移動伝票作成処理等の為替処理を集中して行うことにより、従来各支店で行っていた為替処理を削減し、為替処理の効率化を図ることができる。また、センタにおいて、処理済みの伝票データを使用して振込カードを自動的に発行することで、各支店での振込カード発行処理を無くし、オペレータの負担を軽減することができる。
【0054】
前記効果の他、各請求項に対応して次のような効果がある。
【0055】
(6) :為替集中処理装置にファイル装置と、ファイル装置の伝票データを各支店毎に集計して集計データを作成する集計処理手段と、各支店毎の集計データを基に各支店に対する資金移動処理を行い、資金移動のための資金移動伝票データを作成する資金移動伝票作成処理手段を備えている。
【0056】
従って、伝票データに付随して発生する資金移動処理を、センタの集計処理手段、資金移動伝票作成処理手段等により行うので、従来行っていた支店での付け替えの為の伝票の作成、及び処理を無くすことができる。このため、資金移動処理を簡便に、かつ間違いなく行うことができる。また、従来各支店で行っていた為替処理を削減することで、為替処理の効率化を図ることができる。
【0057】
(7) :集計処理手段は、各支店毎に集計データを作成する際、集計データの分類項目として、振込種目と、振込指定日と、取扱と、宛て先種別の各項目を設定し、前記項目別に分類して集計データを作成する機能を備えている。従って、センタにおいて、従来各支店で行っていた全ての分類項目毎の集計処理ができるから、各支店での為替処理を削減することができ、為替処理の効率化を図ることができる。
【0058】
(8) :ファイル装置の伝票データの中から振込カード発行が必要な取引の伝票データを読み出し、振込カード発行データを作成するカード発行データ作成処理手段と、前記カード発行データ作成処理手段から出力されたデータを基に振込カードを発行する振込カード発行機を備えている。
【0059】
従って、支店での振込カード発行のための処理が不要になり、効率的に為替処理を行うことができる。また、センタで一括して処理することにより、実際の振込データと振込カードの内容が異なるという間違いの発生を無くすことができる。
【0060】
(9) :カード発行データ作成処理手段は、伝票データに含まれている振込カード発行の要/不要情報を基に、振込カード発行が必要な取引か否かを判断する機能を備えている。従って、各支店で発生する伝票データに振込カード発行の要/不要情報を含めておけば、センタ側で振込カードの発行が必要か否かを簡単に判断することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0061】
以下、発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、振込伝票を単に「伝票」と記す。
【0062】
§1:ファクシミリ為替処理システムの説明・・・図2参照
図2はシステム構成図である。例えば、銀行で使用されているファクシミリ為替処理システムは、各銀行A、B、C・・・毎にセンタと複数の支店間をFAX通信回線で結び、更に各銀行のセンタを介して各銀行間がFAX通信回線で結ばれたシステムである。
【0063】
例えば銀行Aでは、銀行Aの各支店A1、A2、A3・・・とAセンタ間でFAX送受信可能であり、このFAX送受信によりセンタにおいて為替集中処理を行うように構成されている。また、銀行Aと同様に、銀行B、銀行Cについても、各支店とセンタ間でFAX送受信可能であり、このFAX送受信によりセンタにおいて為替集中処理を行うように構成されている。
【0064】
この場合、図示の(a) (図示実線矢印)は銀行Aの各支店からAセンタへ伝票をFAX送信する処理を示し、(b) はAセンタで各支店からFAX送信された伝票を処理することを示し、(c) (図示点線矢印)はAセンタで伝票処理したデータを、銀行B、銀行Cへ送信する処理を示す。このようなデータの流れにより、各支店から伝票データをFAXでセンタへ送信し、センタにおいて為替集中処理(伝票等の集中処理)を行うシステムが構築されている。
【0065】
§2:センタに設置される為替集中管理装置の説明・・・図3参照
図3は為替集中処理装置のブロック図である。運用時には、前記各銀行のセンタに為替集中処理装置が設置される。この為替集中処理装置は、ホスト10に接続された振込処理装置11と、前記振込処理装置11に接続された処理端末装置13、及びFAX12等で構成される。
【0066】
そして振込処理装置11には、認識部20と、受信メモリ21と、ディスク装置26と、ファイル入力部22と、業務処理部23と、ファィル検索部24と、ファィル更新部25と、通信制御部28が設けてある。また、処理端末13には、複数の処理端末1、2・・・nと、前記処理端末nに接続された振込カード発行機14が設けてある。前記各部の機能等は次の通りである。
【0067】
(1) :振込処理装置11は、例えばサーバーにより構成され、処理端末装置13からの指示により各種振込処理等を行うものである。なお、この振込処理装置11にはディスプレイ装置を備えていない。
【0068】
(2) :FAX12は、各支店から送信された伝票データ等をFAX受信するものである。なお、FAX12で受信した伝票のイメージデータは振込処理装置11へ出力する。
【0069】
(3) :認識部20は、文字認識を行うOCRで構成され、受信メモリ21に格納されたイメージデータ(FAX受信した伝票のイメージデータ)を読み出して文字認識処理を行い、コードデータ(文字のコードデータ)に変換するものである。
【0070】
(4) :受信メモリ21は、FAX12から出力された伝票のイメージデータを格納するメモリである。
【0071】
(5) :ディスク装置26は、ディスクファィル27を備えており、このディスクファィル27に、イメージデータ、コードデータ、及び処理ステイタスの各データを格納する伝票データファイル29と、集計データを格納する集計データファイル30と、資金移動条件データを格納する資金移動条件データファイル31が設けてある。
【0072】
(6) :ファイル入力部22は、受信メモリ21に格納されたイメージデータと、認識部20で認識した結果のコードデータをディスクファィル27に格納する処理を行うものである。
【0073】
(7) :業務処理部23は、処理端末13からの指示により、振込処理装置11内の各種処理を行うものである。例えば、伝票データファイルや、処理ステイタスの受け渡し、伝票データの集計処理など、各種処理を行うものである。また、業務処理部23は、送信待ちの伝票データファイルをホスト10に逐次送信する処理も行う。
【0074】
(8) :ファィル検索部24は、業務処理部23から未処理、処理済み等の伝票データの検索を指示された時、ディスクファィル27を検索して、検索結果のデータを業務処理部23へ渡す処理を行うものである。
【0075】
(9) :ファィル更新部25は、業務処理部23からの指示により処理済みの伝票データでディスクファィル27のデータを更新するものである。
【0076】
(10):通信制御部28は、業務処理部23からの指示によりホスト10との間の通信制御を行うものである。
【0077】
(11):処理端末装置13は複数の処理端末1、2・・・nを備えており、例えば、ディスプレイ装置を備えたパーソナルコンピュータで構成される。この処理端末装置13は、振込処理装置11から転送された伝票のイメージデータ、コードデータの表示や、編集処理等を行うものである。なお、編集後の伝票データは振込処理装置11においてディスクファィル27に格納される。
【0078】
(12):振込カード発行機14は、処理端末装置13からの指示により、振込カード15にデータを書き込んで振込カードを発行するものである。
【0079】
§3:為替処理の説明・・・図4参照
図4は為替処理説明図である。銀行等の金融機関では、各支店とセンタ間でFAX通信を行うことにより、次のようにして為替処理を行う。なお、(1) 〜(13)は為替処理手順を示す。
【0080】
(1) :先ず、センタでファクシミリ為替処理システムを起動する。この処理によりファクシミリ為替処理システムは通常運用状態になる。
【0081】
(2) :その後、センタで伝票集信処理を開始する。
【0082】
(3) :支店では伝票受付を開始し、順次伝票の受け付けを行う。
【0083】
(4) :そして、前記受け付けた伝票を逐次センタへFAX送信する。
【0084】
(5) :前記のように各支店での伝票受付が開始されると、センタでは伝票集信処理を開始し、各支店からの伝票を逐次FAX受信する。
【0085】
(6) :この時センタでは伝票処理を開始し、為替集中処理装置により前記FAX受信した伝票データを逐次処理する。この伝票処理では、(a) 伝票データ(イメージデータ)の文字認識処理、(b) 伝票データ(認識後のコードデータ)のホストへの送信処理、(c) 振込カードの発行処理等を行う。
【0086】
(7) :センタでは、伝票データを全て処理し終わると(1日の伝票集信処理終了時)、前記伝票データの集計処理を行い集計データを作成する。そして、資金移動条件の設定/変更処理を行うと共に、前記集計データを基に資金移動処理を行う。
【0087】
(8) :センタでは、前記集計データを基に各支店毎に資金移動伝票(各支店へ送信可能な電文データ)を作成する。
【0088】
(9) :センタでは、前記作成した資金移動伝票を宛て先別(各支店毎)にFAX送信する。
【0089】
(10):支店では、センタから送信された資金移動伝票のFAX受信を行う。
【0090】
(11):支店では、前記(10)の処理で受信した資金移動伝票により、センタに対して資金の移動を行う。
【0091】
(12):センタでは、支店からの資金を受け取る。
【0092】
(13):センタでは、支店から受け取った資金と集計データとを比較し、間違いが無いかチェックする。
【0093】
§4:為替集中処理装置の動作説明
前記為替集中処理装置の動作は次の通りである。
【0094】
(1) :銀行の各支店からFAX12で受信した伝票データ(振込伝票のイメージデータ)は、振込処理装置11に出力され、受信メモリ21に格納される。その後振込処理装置11では、認識部20が受信メモリ21のイメージデータを読み出して文字認識を行いコードデータに変換する。そして、ファイル入力部22は、受信メモリ21のイメージデータ及び認識部20で変換したコードデータを伝票データファイル29に格納する。
【0095】
(2) :処理端末装置13では、オペレータによって伝票データ処理が選択されると、振込処理装置11から未処理の伝票データを読み出し、イメージデータ、及び認識部20で認識したコードデータをディスプレイ装置の画面に表示する。また、必要に応じて認識部20で認識した結果のコードデータの修正を行う。
【0096】
そして、伝票処理が終了した時点で、伝票データファイル29に格納されている処理ステイタスを処理済みに更新し振込処理装置11に送出する。この時振込処理装置11では、伝票データファイル29の処理ステイタスを処理済みに更新する。
【0097】
(3) :業務処理部23は、処理端末13で処理された伝票データを受け取り、その処理ステイタスが送信待ちの時は、通信制御部28に指示してホスト10に前記伝票データを送信すると共に、ファイル更新部25を介して伝票データファイル29の伝票データを更新する。
【0098】
(4) :処理端末装置13は、オペレータにより資金移動条件の設定/変更処理が選択されると、資金移動条件データファイル31から資金移動条件データを読み出し、内容をディスプレイ装置の画面上に表示する。また、オペレータは必要に応じて資金移動条件の設定/更新処理を行う。そして、設定/更新処理が終了したら、処理端末装置13から振込処理装置11へ前記処理済みの資金移動条件データを送信する。振込処理装置11は、前記処理済みの資金移動条件データにより資金移動条件データファイル31を更新する。
【0099】
(5) :処理端末装置13は、オペレータにより集計データ作成指示が選択されると、振込処理装置11に集計の指示コマンドを送信する。業務処理部23は、処理端末装置13から前記集計の指示コマンドを受け取ると、ファイル検索部24を通して伝票データファイル29の中から処理ステイタスが処理済みの伝票データを順次読み出し、集計処理を行う。そして、前記集計処理が終了すると、ファイル更新部25を通して集計データファイル30の集計データを更新する。
【0100】
(6) :処理端末装置13は、オペレータにより資金移動伝票作成処理が選択されると、振込処理装置11から集計データファイル30の集計データと、資金移動条件データファイル31の資金移動条件データを読み出し、資金移動処理を行って資金移動伝票(各支店へ送信可能な電文データ)を作成する。
【0101】
すなわち、前記資金移動条件データに従い、前記集計データを編集して資金移動伝票を作成する。作成した資金移動伝票は送信待ちの処理ステイタスとして振込処理装置11に送出する。その後、振込処理装置11では前記資金移動伝票をホスト10へ送信する。
【0102】
§5:フローチャートによる為替集中処理の説明・・・図5参照
図5はセンタ側の処理フローチャートである。以下、図5に基づいて為替集中処理を説明する。なお、S1〜S8は各処理ステップを示す。
【0103】
S1:先ず各支店毎に、支店で発生した伝票データをセンタへFAX送信する。
【0104】
S2:センタでは、各支店からの伝票データをFAX受信する。そして、受信した伝票データ(イメージデータ)を振込処理装置11へ送り、振込処理装置11で受信メモリ21に格納する。
【0105】
S3:振込処理装置11では、認識部20が受信メモリ21に格納されたイメージデータ(伝票データ)を読み出して文字認識処理を行い、コードデータ(文字のコードデータ)に変換する。
【0106】
S4:前記認識処理が終了すると、ファイル入力部22は、受信メモリ21に格納されたイメージデータ(認識対象のデータ)と、前記認識処理により変換されたコードデータを伝票データファイル29に格納する。また、ファイル入力部22は、前記コードデータに関して、伝票データファイル29の処理ステイタスを認識済みにする。
【0107】
S5:処理端末装置13は、前記処理ステイタスが認識済みになっているコードデータを読み出して、認識誤りを修正する。そして、修正後のデータにより伝票データファイル29のデータを更新する。
【0108】
S6:前記S5の処理終了後、センタの為替集中処理装置は、伝票データ(コードデータ)の送信処理、振込カード発行処理等を次のようにして行う。
【0109】
(1) :伝票データ(コードデータ)の送信処理
振込処理装置11は、処理端末装置13からの指示により、処理ステイタスが送信待ちになっている伝票データファイル29の伝票データ(コードデータ)をホスト10へ送信する。この場合、業務処理部23がファイル検索部24を介して伝票データファイル29のデータを読み出し、通信制御部28に依頼してホスト10へ送信する。そして、ホスト10は、受信したデータを、他の銀行、或いは自銀行の他の支店等の指定された宛て先に送信する。
【0110】
(2) :振込カード発行処理
振込カードを発行する場合は、振込カード発行機14に接続された処理端末nが、業務処理部23に指示して伝票データファイル29の伝票データの中で、振込カードの発行が必要な取引の伝票データを順次読み出す。そして処理端末nは、読み出した伝票データを基に振込カード発行機14に送出するデータフォーマットにデータ変換し、振込カード発行データを作成する。
【0111】
そして作成した振込カード発行データを振込カード発行機14へ送出する。前記振込カード発行データを受け取った振込カード発行機14は、振込カードに前記データを書き込んで振込カードを発行する。なお、振込カードは、顧客が自動取引装置(ATM等)を使用して振込を行う場合に使用するカードである。
【0112】
S7:前記のようにして1日の伝票集信処理が終了すると、伝票データの集計処理、資金移動条件設定/変更処理、資金移動伝票の作成処理等を行う。この場合、処理端末装置13から振込処理装置11に指示して集計対象の伝票データを読み出し、伝票データの集計を行う。そして集計データは、振込処理装置11に指示して集計データファイル30に格納しておく。
【0113】
この場合、集計データには、振込種目、振込指定日、取扱、宛先種別の項目を設け、これらの項目別に分類して集計する。なお、宛先種別による分類とは、振込の宛て先金融機関、支店と為替データの発生した金融機関、支店とを比較し、(a) :宛て先金融機関≠発信元金融機関の場合を他銀行とし、(b) :宛て先金融機関=発信元金融機関、かつ宛て先支店=発信元支店の場合を自店とし、(c) :宛て先金融機関=発信元金融機関、かつ宛て先支店≠発信元支店の場合を僚店とする分類である。
【0114】
また、資金移動条件設定/変更処理を行う場合は、処理端末装置13は、業務処理部23に指示してディスクファイル27に格納されている資金移動条件データを読み出し、内容をディスプレイ装置の画面に表示する。そして、必要に応じて資金移動条件の設定変更を行う。この処理が終了すると、業務処理部23に依頼して資金移動条件データを資金移動条件データファイル31に格納する。
【0115】
更に、資金移動伝票を作成する場合は、処理端末装置13から振込処理装置11へ指示を出して、集計データファイル30から集計データを読み出すと共に、資金移動条件データファイル31から資金移動条件データを読み出す。そして、前記データを基に、各支店等の宛て先別に資金移動伝票(電文データ)を作成する。
【0116】
S8:前記作成した資金移動伝票は、振込処理装置11に指示してホスト10へ送信する。なお、ホスト10では受信した資金移動伝票を宛て先別に各支店等へ送信する。
【0117】
以上説明したように、各支店に対する資金移動のための資金移動伝票をセンタで自動的に作成することができるので、従来各支店で行っていた資金移動のための処理、及びセンタでの付け替えられた金額のチェックを行う必要が無くなる。このため、例えば、1支店当たり、5分〜10分の処理時間の短縮が可能になる。また、作業ミスの発生を防ぐことができる。
【0118】
更に、センタで処理した伝票データを基に振込カードを自動的に発行し、支店での振込カードの発行を行わなくて良くなるため、例えば、振込カード1枚当たり、約30秒の処理の効率化が図れる。また、振込データと発行する振込カードの内容の不一致の発生を無くすことができる。
【0119】
§6:集計処理、及び資金移動処理の説明・・・図6参照
図6は集計処理、及び資金移動処理フローチャートである。以下、図6に基づいて、センタで行う集計処理、及び資金移動処理を説明する。なお、S21〜S36は各処理ステップを示す。
【0120】
センタで伝票処理が終了すると(S21)、オペレータが処理端末装置13のいずれかの処理端末で集計処理を起動する(S22)。そして、前記処理端末から振込処理装置11に集計データ作成指示が送出され、振込処理装置11で集計データが作成される(S23)。
【0121】
その後、オペレータが処理端末で資金移動伝票作成処理を起動し(S24)、振込処理装置11から資金移動条件データを読み込む(S25)。そして、処理端末のオペレータは、資金移動条件データが設定済みか否かを判断する(S30)。その結果、資金移動条件データが設定されていない場合は、ディスプレイ装置の画面に資金移動条件未設定のメッセージを表示する(S26)。
【0122】
次に、オペレータが処理端末で、資金移動条件設定処理を起動し(S27)、資金移動条件設定処理を行い、処理を終了する(S28)。そして、処理端末から振込処理装置11に資金移動条件データを送出すると、振込処理装置11では、該当する資金移動条件データファイル31を更新し(S29)、前記S24の処理から繰り返して行う。
【0123】
また、前記S30の処理で、資金移動条件データが設定済みと判断した場合は、集計データが作成済みか否かを判断する(S31)。その結果、集計データが作成済みでなければ、処理端末の画面に集計データ未作成のメッセージを表示し(S32)、前記S22の処理から繰り返して行う。しかし、前記S31の処理で、集計データが作成済みと判断した場合は、対象支店番号に1を設定(最初の支店番号=1を設定)し(S33)、資金移動伝票作成処理(詳細は後述する)を行う(S34)。
【0124】
前記S34の処理終了後、対象支店番号を+1(支店番号をインクリメント)し(S35)、全支店の処理が終了するまで(S36)、前記S34の処理から繰り返して行う。このようにして全支店の処理が終了すると、全ての処理を終了とする。
【0125】
§7:資金移動伝票作成処理の説明・・・図7参照
図7は資金移動伝票作成処理フローチャートである。以下、図7に基づいて資金移動伝票作成処理(前記S34の詳細な処理)を説明する。なお、S41〜S47は各処理ステップを示す。
【0126】
先ず、処理端末で資金移動伝票作成処理が起動されると、振込処理装置11から処理対象支店の集計データを読み込む(S42)。そして、前記集計データと資金移動条件データを基に、センタから支店と、支店からセンタへ移動する資金の件数と金額を計算し(S43)、センタから支店へ移動する金額が0円か否かを判断する(S44)。
【0127】
その結果、センタから支店へ移動する金額が0円でなければ、資金移動伝票を作成し、振込処理装置11にホスト送信待ちとして格納する(S45)。この場合、送信待ちとして格納された資金移動伝票は、その後、振込処理装置11によりホスト10へ送信される。なお、前記資金移動伝票は、紙に印刷したデータではなく、コードデータのみの電文データである。
【0128】
また、センタから支店へ移動する金額が0円の場合は、前記S45の処理は行わない。次に、支店からセンタへの移動金額が0円か否かを判断し(S46)、0円でなければ、資金移動伝票を作成し、振込処理装置11にホスト送信待ちとして格納する(S47)。また、支店からセンタへ移動する金額が0円の場合は、前記S47の処理は行わない。以上の処理が完了すると、資金移動伝票の作成処理を終了する。
【0129】
§8:振込依頼書例の説明・・・図8、図9参照
図8は振込依頼書例1、図9は振込依頼書例2である。銀行の支店において顧客が振込を行う場合、振込依頼書に必要事項を記入する。この場合に使用する振込依頼書として、例えば図8に示した振込依頼書例1がある。前記振込依頼書例1には、振込指定日、取扱、金額の外、依頼人及び受取人の情報等を記入する欄が設けてある。なお、この振込依頼書例1は通常の振込にのみ使用するものである。
【0130】
また、図9に示した振込依頼書例2は、振込依頼書の一部に、振込カード発行要の欄を設け、マーク欄にマークすることで振込カードの発行が必要であることを示す振込依頼書例である。ところで、振込カードの発行は、振込を行う全ての伝票に対して行うのではなく、振込を行うエンドユーザの内、エンドユーザが必要とする場合にのみ発行すれば良い。
【0131】
この為、振込のみを行うか、振込を行い、かつ振込カードの発行も行うかを判別する手段が必要になる。そこで、図9に示したように、振込依頼書の一部に、振込カード発行要のマーク欄を設け、振込の外に振込カードの発行が必要な場合には、前記マーク欄にマークを付けることで処理を行う。
【0132】
前記の振込依頼書例2を使用して振込を行った場合、その伝票データは支店からセンタへFAX送信される。従って、センタでは前記伝票データをFAX受信すると、前記マーク欄にマークがあれば振込カードの発行を要すると判断し、前記マーク欄にマークが無ければ、振込カードの発行は必要ないと判断する。そして、センタでは、振込カードが必要な場合には、伝票データの情報を基に、振込カードを自動的に発行する。
【0133】
§9:振込兼振込カード発行依頼書例の説明・・・図10参照
図10は振込兼振込カード発行依頼書例である。図示の振込兼振込カード発行依頼書例は、1枚の依頼書で振込依頼と振込カード発行依頼を同時に記入できるようにした依頼書例である。
【0134】
この振込兼振込カード発行依頼書例は、依頼書のコード番号が0201であり、前記振込依頼書例1、2の依頼書コード番号0101と異なっており、このコード番号により区別できるようになっている。すなわち、通常の振込依頼書の外に、振込兼振込カード発行依頼書を別に作成しておき、振込カードの発行が必要な場合は、振込兼振込カード発行依頼書を使用して処理する。
【0135】
このようにすれば、各支店で顧客が各支店には、振込兼振込カード発行依頼書を使用して依頼をした場合には、その伝票データをセンタにFAX送信すると、センタではFAX受信した伝票データの前記依頼書コード番号から振込カードの発行が必要であることを判断できる。従って、前記伝票データにより振込カードを自動的に発行することができる。
【0136】
§10:集計データフォーマット例の説明・・・図11、図12参照
図11は集計データフォーマット例1、図12は集計データフォーマット例2である。前記集計データは、図11、或いは図12に示したフォーマットにより集計されるが、これらのデータフォーマットは実質的に同じ内容である。
【0137】
図示のように、集計データフォーマット例1、例2において、Aは支店、Bは振込種目、Cは振込指定日、Dは取扱、Eは宛先種別、Fは件数、金額の各欄である。そして、集計の分類は、前記Aの支店、Bの振込種目、Cの振込指定日、Dの取扱、Eの宛先種別の各項目であり、支店からセンタへFAX送信した伝票データの内容に応じて件数、金額欄へ集計する。
【0138】
この場合、宛先種別による分類は、振込の宛て先金融機関、支店と為替データの発生した金融機関、支店とを比較し、a:宛て先金融機関≠発信元金融機関の場合を他行とし、b:宛て先金融機関=発信元金融機関、かつ宛て先支店=発信元支店の場合を自店とし、c:宛て先金融機関=発信元金融機関、かつ宛て先支店≠発信元支店の場合を僚店とする分類である。
【0139】
なお、前記Bの振込種目には、フリコミ、サキフリ、キウヨ、キウヨ2、シリタテ0円、ソウキン、トリタテ、フワタリ、セイキウ、サキセイ、サキツケ、ウナソウ、コクソウの各分類項目がある。
【0140】
§11:資金移動条件データフォーマット例の説明・・・図13参照
図13は資金移動条件データフォーマット例である。資金移動条件データフォーマットは、前記集計データフォーマットと類似した内容となっている。すなわち、資金移動条件データのフォーマットにおいて、Bは振込種目、Cは振込指定日、Dは取扱、Eは宛先種別、Gは条件の各欄である。そして、前記条件の欄には、(a) 、(b) 、(c) の各条件を記入するようになっている。前記条件の(a) はセンタから支店へ資金の移動を行うことを示し、(b) は支店からセンタへ資金の移動を行うことを示し、(c) は資金の移動対象外を示す。
【0141】
なお、前記の例では、(振込種目、振込指定日、取扱、宛先種別)の組み合わせが、(フリコミ、当日、電信、他行)及び(フリコミ、当日、電信、自店)の集計データは、条件が(a) なので、センタから支店への資金移動を行う対象である。
【0142】
また、(フリコミ、当日、電信、僚店)及び(フリコミ、当日、文書、他行)の集計データは、条件が(b) なので、支店からセンタへの資金の移動を行う対象である。更に、(フリコミ、当日、文書、自店)及び(フリコミ、当日、文書、僚店)の集計データは、条件が(c) なので、資金の移動を行う対象外である。
【0143】
ところで、前記のように資金移動伝票を作成する場合、集計データの各欄(フィールド)に対応する、資金移動条件に前記(a) が設定されていた場合は、センタから支店への資金移動とし、(b) が設定されていた場合は、支店からセンタへの資金移動として、移動する件数、金額の合計を計算する。
【0144】
§12:資金移動伝票フォーマット例の説明・・・図14参照
図14は資金移動伝票フォーマット例である。資金移動伝票(電文データ)には、受信金庫・店、発信金庫・店、取扱日、種目、金額、番号・受取人、依頼人等の各種情報欄が設けてあり、これらの各欄に必要な情報を書き込んで資金移動伝票を作成する。この場合、(a) の「種目」の欄は、資金移動の方向によって異なる。資金移動の方向がセンタから支店の場合にはツケカエとし、支店からセンタの場合はセイキウとする。
【図面の簡単な説明】
【0145】
【図1】本発明の原理説明図である。
【図2】実施の形態におけるシステム構成図である。
【図3】実施の形態における為替集中処理装置のブロック図である。
【図4】実施の形態における為替処理説明図である。
【図5】実施の形態におけるセンタ側の処理フローチャートである。
【図6】実施の形態における集計処理、及び資金移動処理フローチャートである。
【図7】実施の形態における資金移動伝票作成処理フローチャートである。
【図8】実施の形態における振込依頼書例1である。
【図9】実施の形態における振込依頼書例2である。
【図10】実施の形態における振込兼振込カード発行依頼書例である。
【図11】実施の形態における集計データフォーマット例1である。
【図12】実施の形態における集計データフォーマット例2である。
【図13】実施の形態における資金移動条件データフォーマット例である。
【図14】実施の形態における資金移動伝票フォーマット例である。
【図15】従来の為替処理説明図である。
【図16】従来の集計データ例/資金移動管理台帳例である。
【図17】従来の転記例1/転記例2である。
【図18】従来の転記例3/転記例4である。
【図19】従来の転記例5である。
【図20】従来の資金移動伝票例である。
【符号の説明】
【0146】
1 ホスト送信部
2 データ出力部
3 ファイル制御部
4 カード発行データ作成処理部
5 資金移動条件処理部
6 集計処理部
7 資金移動伝票作成処理部
10 ホスト
11 振込処理装置
12 FAX
13 処理端末装置
14 振込カード発行機
15 振込カード
20 認識部
21 受信メモリ
22 ファイル入力部
23 業務処理部
24 ファイル検索部
25 ファイル更新部
26 ディスク装置
27 ディスクファイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金融機関の各支店で発生した伝票データをセンタで集中処理するシステムの前記センタに設置される為替集中処理装置であって、
前記各支店から受信した伝票データを格納するファイル装置と、
前記ファイル装置に格納された伝票データを各支店毎に集計して集計データを作成する集計処理手段と、
各支店毎の集計データの作成の際、分類項目として、振込種目と、取扱と、宛て先種別の各項目を設定し、前記項目別に分類した集計データを作成する項目別集計手段と、
前記各支店毎の集計データを基に各支店に対する資金移動処理を行い、資金移動のための資金移動伝票データを自動作成する資金移動伝票作成処理手段を備えていることを特徴とした為替集中処理装置。
【請求項2】
前記ファイル装置の伝票データの中から、振込カード発行が必要な取引の伝票データを読み出し、前記伝票データを振込カード発行用のデータ形式に変換して振込カード発行データを作成するカード発行データ作成処理手段と、前記カード発行データ作成処理手段から出力されたデータを基に振込カードを発行する振込カード発行機を備えていることを特徴とした請求項1記載の為替集中処理装置。
【請求項3】
前記カード発行データ作成処理手段は、前記伝票データに含まれている振込カード発行の要/不要情報を基に、振込カード発行が必要な取引か否かを判断する機能を備えていることを特徴とした請求項2記載の為替集中処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2007−52802(P2007−52802A)
【公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−270533(P2006−270533)
【出願日】平成18年10月2日(2006.10.2)
【分割の表示】特願平7−301151の分割
【原出願日】平成7年11月20日(1995.11.20)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】