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無機成分の溶出方法、無機成分の分析方法、無機成分の溶出装置、および無機成分の分析装置
説明

無機成分の溶出方法、無機成分の分析方法、無機成分の溶出装置、および無機成分の分析装置

【課題】無機物を含む物質から、極めて短時間で多量の無機成分の溶出を可能とする無機成分の溶出方法、および前記溶出方法により溶出した無機成分の分析方法、ならびに無機成分の溶出装置を提供する。
【解決手段】本発明は、無機物を含む物質と水とを耐圧密閉容器に装入する装入ステップと(ステップS101)、前記耐圧密閉容器を75℃〜370℃に加温して、収容される水を飽和蒸気圧以上の高温高圧水にする加温ステップと(ステップS103)、前記加温ステップで生成した前記高温高圧水と前記無機物を含有する物質との接触により前記物質中の無機成分を前記高温高圧水中に溶出させる溶出ステップと(ステップS104)、を含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無機物を含有する物質からの無機成分の溶出方法、前記方法により溶出した無機成分の溶出量および溶出挙動を評価する無機成分の分析方法、無機成分の溶出装置、ならびに無機成分の分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球環境の保全意識の高まりから、鉄鋼スラグ、非鉄金属スラグ等を含む副産物、および石炭灰、ゴミ溶融スラグ、下水汚泥溶融スラグ等を含む産業廃棄物(以下、「副産物等」という)の有効利用、つまり、これらの各種副産物等をリサイクル資材として再利用することが検討されている。副産物等を路盤材などの土木建築用資材や環境修復材等として再利用する場合、雨水などの環境水への前記産業副産物からの含有元素の溶出量が規制値以下であることを予め確認しておくことが必要となる。
【0003】
副産物等、および建設発生土、残土、汚染土壌等を含む土壌(以下、「土壌」という)の含有元素(無機成分)の溶出量を判定する方法として、例えば、日本国内では、環境庁告示13号及び46号試験法(例えば、非特許文献1および2参照)、ならびに再生資源法(例えば、非特許文献3参照)がある。環境庁告示13号試験法は、試験対象の試料について、5mm未満の試料は有姿にて、それ以上のものは粉砕後、0.5〜5mmの形状のものを、塩酸または水酸化ナトリウム水溶液でpH5.8〜6.3に調整した純水で6時間平行振とうした後、遠心分離及び0.45μm孔径のメンブランフィルターでろ過して検液を調整後、含有元素を分析する。
【0004】
また、環境庁告示46号試験法は、試験対象の試料について、2mm未満の試料は有姿にて、それ以上のものは粉砕後、2mm以下の形状のものを、塩酸または水酸化ナトリウム水溶液でpH5.8〜6.3に調整した純水で6時間平行振とうした後、遠心分離及び0.45μm孔径のメンブランフィルターでろ過して検液を調整後、含有元素を分析する。
【0005】
再生資源法では、試料を20〜50mmに粉砕し、50mm以下となった試料を飽和炭酸水で24時間攪拌した後、10〜30分静置後遠心分離および0.45μm孔径のメンブランフィルターでろ過して検液を調整後、含有元素を分析する。これらの検液中に溶出された含有元素は、IPC質量分析法やイオンクロマトグラフィーなどの方法によって定量され、溶出量が求められている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】環境庁告示第13号(産業廃棄物に含まれる金属等の検定方法)
【非特許文献2】環境庁告示第46号(土壌の汚染に係る環境基準について)
【非特許文献3】再生資源法
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記非特許文献1〜3に記載の各調整方法では、分析に要する時間は、6〜24時間の試料の溶出時間に加え、固液分離時間(通常1〜2時間)および検液中の成分分析のための時間が必要となる。加えて、上記の調整方法では、試料からの成分の溶出量が極めて少量であるため、試料重量は50g、固液比10(液(ml)/固(g))と規定されており、試料量が多く、ハンドリングに難があった。
【0008】
一方、各種副産物等を、路盤材などの土木建築用資材や環境修復材等の用途に利材化された場合には、様々な環境下で長時間使用されることになるが、長時間の、時には過酷な環境下で、土壌や、各種副産物等、特に、スラグ、石炭灰などを加工した無機物を含む製品等から無機成分が、何時、どのように溶出されるかという溶出挙動を評価できる加速試験的な評価手法は提唱されていなかった。
【0009】
本発明は、上記実情に鑑みて考案されたものであり、土壌や、スラグ、石炭灰などの無機物を含む物質から、極めて短時間で多量の無機成分の溶出を可能とする無機成分の溶出方法、前記溶出方法により溶出した無機成分の分析方法、無機成分の溶出装置、および無機成分の分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の無機成分の溶出方法は、無機物を含有する物質からの無機成分の溶出方法であって、前記無機物を含有する物質と水とを耐圧密閉容器に装入する装入ステップと、前記耐圧密閉容器を75℃〜370℃に加温して、収容される水を飽和蒸気圧以上の高温高圧水にする加温ステップと、前記加温ステップで生成した前記高温高圧水と前記無機物を含有する物質との接触により前記無機物を含有する物質中の無機成分を前記高温高圧水中に溶出させる溶出ステップと、を含むことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の無機成分の溶出方法は、無機物を含有する物質からの無機成分の溶出方法であって、前記無機物を含有する物質を耐圧密閉容器に装入する装入ステップと、高温高圧水供給手段により、前記耐圧密閉容器に75〜370℃、かつ飽和蒸気圧以上の高温高圧水を供給する供給ステップと、前記供給ステップにより、前記耐圧密閉容器に75℃〜370℃に調整した飽和蒸気圧以上の高温高圧水を所定量供給した後、前記耐圧密閉容器内の高温高圧状態を保持しながら、前記高温高圧水を前記耐圧密閉容器内に連続的に供給し、かつ貯留手段に排出させて前記無機物を含有する物質中の無機成分を前記高温高圧水中に溶出させる溶出ステップと、を含むことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の無機成分の分析方法は、無機物を含有する物質から高温高圧水に溶出した無機成分の分析方法であって、前記無機物を含有する物質と水とを耐圧密閉容器に装入する装入ステップと、前記耐圧密閉容器を75℃〜370℃に加温して、収容される水を飽和蒸気圧以上の高温高圧水にする加温ステップと、前記加温ステップで生成した前記高温高圧水と前記無機物を含有する物質との接触により前記物質中の無機成分を前記高温高圧水中に溶出させる溶出ステップと、前記耐圧密閉容器から前記高温高圧水を貯留手段に排出し、排出した高温高圧水を分取して、該高温高圧水中に溶出した無機成分の溶出量を分析する分析ステップと、を含むことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の無機成分の分析方法は、無機物を含有する物質から高温高圧水に溶出した無機成分の分析方法であって、前記無機物を含有する物質を耐圧密閉容器に装入する装入ステップと、高温高圧水供給手段により、前記耐圧密閉容器に75〜370℃、かつ飽和蒸気圧以上の高温高圧水を供給する供給ステップと、前記供給ステップにより、前記耐圧密閉容器に75℃〜370℃に調整した飽和蒸気圧以上の高温高圧水を所定量供給した後、前記耐圧密閉容器内の高温高圧状態を保持しながら、前記高温高圧水を前記耐圧密閉容器内に連続的に供給し、かつ排出させて前記無機物を含有する物質中の無機成分を前記高温高圧水中に溶出させる溶出ステップと、前記耐圧密閉容器から前記高温高圧水を貯留手段に排出し、排出した高温高圧水を分取して、該高温高圧水中に溶出した無機成分の溶出量を分析する分析ステップと、を含むことを特徴とする。
【0014】
また、本発明の無機成分の分析方法は、無機物を含有する物質からの高温高圧水に溶出した無機成分の分析方法であって、前記無機物を含有する物質を耐圧密閉容器に装入する装入ステップと、高温高圧水供給手段により、前記耐圧密閉容器に75〜370℃、かつ飽和蒸気圧以上の高温高圧水を供給する供給ステップと、前記供給ステップにより、前記耐圧密閉容器に75℃〜370℃に調整した飽和蒸気圧以上の高温高圧水を所定量供給した後、前記耐圧密閉容器内の高温高圧状態を保持しながら、前記高温高圧水を前記耐圧密閉容器内に連続的に供給し、かつ排出させて前記無機物を含有する物質中の無機成分を前記高温高圧水中に溶出させる溶出ステップと、前記耐圧密閉容器から貯留手段に排出される前記高温高圧水を所定間隔で分取する分取ステップと、前記分取ステップで分取した検液中の無機成分の溶出量を分析する分析ステップと、を含むことを特徴とする。
【0015】
また、本発明の無機成分の分析方法は、上記発明において、前記無機物を含有する物質は、鉄鋼スラグであることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の無機成分の分析方法は、上記発明において、前記無機物を含有する物質は、土壌であることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の無機成分の溶出装置は、無機物を含有する物質を収容する耐圧密閉容器と、前記耐圧密閉容器に、75〜370℃、かつ飽和蒸気圧以上の高温高圧水を供給する供給手段と、前記耐圧密閉容器を加温して、前記耐圧密閉容器内に供給された高温高圧水を所定の高温高圧状態に保持する加熱手段と、前記耐圧密閉容器内の高温高圧水を排出する排出手段と、前記耐圧密閉容器内に前記供給手段から前記高温高圧水を所定量供給した後、前記耐圧密閉容器内の高温高圧状態を保持しながら、前記供給手段と前記排出手段とにより前記高温高圧水を前記耐圧密閉容器内に連続的に供給し、かつ、排出させることにより前記無機物を含有する物質中の無機成分を前記高温高圧水中に溶出するよう制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の無機成分の分析装置は、無機物を含有する物質と水とを収容する耐圧密閉容器と、前記耐圧密閉容器を加温して前記耐圧密閉容器内の水を75〜370℃、かつ飽和蒸気圧以上の高温高圧水にする加熱手段と、前記耐圧密閉容器内の高温高圧水を貯留手段に排出する排出手段と、前記貯留手段に排出された高温高圧水中の無機成分の溶出量を分析する元素分析手段と、を備えることを特徴とする。
【0019】
また、本発明の無機成分の分析装置は、無機物を含有する物質を収容する耐圧密閉容器と、前記耐圧密閉容器に、75〜370℃、かつ飽和蒸気圧以上の高温高圧水を供給する供給手段と、前記耐圧密閉容器を加温して、前記耐圧密閉容器内に供給された高温高圧水を所定の高温高圧状態に保持する加熱手段と、前記耐圧密閉容器内の高温高圧水を排出する排出手段と、前記耐圧密閉容器内に前記供給手段から前記高温高圧水を所定量供給した後、前記耐圧密閉容器内の高温高圧状態を保持しながら、前記供給手段と前記排水手段とにより前記高温高圧水を前記耐圧密閉容器内に連続的に供給し、かつ、排出させることにより前記無機物を含有する物質中の無機成分を前記高温高圧水中に溶出させるよう制御する制御手段と、前記貯留手段に排出された高温高圧水中の無機成分の溶出量を分析する元素分析手段と、を備えることを特徴とする。
【0020】
また、本発明の無機成分の分析装置は、上記発明において、前記貯留手段に排出される高温高圧水を所定間隔で分取する検液分取手段を備え、前記元素分析手段は、前記検液分取手段が分取した高温高圧水を分析することを特徴とする。
【0021】
また、本発明の無機成分の分析装置は、上記発明において、前記無機物を含有する物質は、鉄鋼スラグであることを特徴とする。
【0022】
また、本発明の無機成分の分析装置は、上記発明において、前記無機物を含有する物質は、土壌であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、土壌や、スラグ、石灰灰等の無機物を含む物質を少量、高温高圧水で短時間処理するだけで、分析可能な量の無機物を溶出させることが可能となる。さらに、該物質から高温高圧水に溶出した無機成分の溶出量を経時的に分析することにより、該物質からの無機成分の長期間にわたる溶出挙動を評価し把握することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1に係る無機成分の分析装置の断面図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態1に係る無機成分の分析処理のフローチャートである。
【図3】図3は、水温と飽和水蒸気圧の関係を示す図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態2に係る無機成分の分析装置の断面図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態2に係る無機成分の分析処理のフローチャートである。
【図6】図6は、本発明の実施の形態2の変形例1に係る無機成分の分析装置の断面図である。
【図7】図7は、本発明の実施の形態2の変形例1に係る無機成分の分析処理のフローチャートである。
【図8】図8は、本発明の実施の形態2の変形例2に係る無機成分の分析装置の断面図である。
【図9】図9は、150〜290℃に調整した高温高圧水でフロー処理を行った場合のホウ素の溶出率積算値と処理時間との関係を示す図である。
【図10】図10は、高温高圧水のフロー処理を行った場合のホウ素とカルシウムの溶出率と処理時間との関係を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面を参照しながら本発明に係る無機成分の溶出方法、無機成分の分析方法、無機成分の溶出装置、および無機成分の分析装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0026】
水を液体状態のまま高温高圧状態、いわゆる亜臨界状態にすると、イオン積が増大し、大きな加水分解作用を持つことはよく知られている。さらにまた、高温高圧水を固体材料と接触させた場合、水または温水で処理するよりも固体材料内部へのより大きい浸透性が期待できる。
【0027】
本発明は、路盤材などの土木建築用資材や環境修復材(以下、路盤材等という)として再利用される鉄鋼スラグや土壌などの無機物を含有する物質に高温高圧水を作用させることにより、前記物質から高温高圧水中に無機成分を迅速に溶出させ、溶出した無機成分を分析することにより、環境への影響や、前記物質を路盤材等に使用した場合の性能を評価できると考え本発明を考案するに至った。
【0028】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る無機成分の分析装置100の断面図である。分析装置100は、検体となる鉄鋼スラグ等の無機物を含有する物質と水とを収容する耐圧密閉容器1と、耐圧密閉容器1を加熱し、内部の水を高温高圧水にする加熱用ヒーター2と、高温高圧水での処理後、耐圧密閉容器1内の高温高圧水を排出する処理水排出ライン8と、処理水排出ライン8から排出された高温高圧水中の無機成分の溶出量を分析する元素分析装置6と、各部を制御する制御部7と、を備える。本実施の形態1では、鉄鋼スラグを検体とした場合について説明する。
【0029】
耐圧密閉容器1は、無機成分の溶出量の分析する検体となる鉄鋼スラグと、前記鉄鋼スラグから無機成分を溶出させるための高温高圧水となる水を容器内に収容するための開閉自在の蓋(図示せず)を有する。耐圧密閉容器1は、本実施の形態1にかかる高温高圧水処理を行うために、0.5〜40Mpa程度の圧力に耐える構造を有するものとする。さらに、収容された高温高圧水に加えられた圧力を逃さない程度に密閉される構造を有する。
【0030】
耐圧密閉容器1に装入する鉄鋼スラグと水と装入比は、鉄鋼スラグを高温高圧水で処理することにより、鉄鋼スラグから高温高圧水に溶出する無機成分が飽和せず溶出できる量比、たとえば、水を鉄鋼スラグの3倍以上、好ましくは5倍量以上装入することが望ましい。
【0031】
加熱用ヒーター2は、耐圧密閉容器1を収容するための開閉自在な蓋(図示せず)と、加熱用ヒーター2内の温度を検出する温度センサー9と、を備える。加熱用ヒーター2は、耐圧密閉容器1内に装入した水を高温高圧水にするために、耐圧密閉容器1を所定温度、たとえば、75〜370℃に加熱する。耐圧密閉容器1内には空気が混在するため、耐圧密閉容器1内の鉄鋼スラグは、加熱用ヒーター2による加熱により飽和蒸気圧以上の高温高圧水と接触することとなる。実施の形態1に係る加熱用ヒーター2は、耐熱密閉容器1を収容する構造としているが、耐熱密閉容器1内の水を高温高圧水にすることが可能であれば、耐熱密閉容器1自体に加熱手段を付加したものでもよい。
【0032】
処理水排出ライン8は、処理水排出ライン8の開閉および耐圧密閉容器1内の高温高圧水の排出量を調整する圧力調整弁3と、排出された高温高圧水を貯留する貯留容器4と、を備える。
【0033】
元素分析装置6は、処理水排出ライン8により耐圧密閉容器1から排出され、貯留容器4に一旦貯留された高温高圧水を、電磁弁5を介して一部分取し、高温高圧水中の無機成分の溶出量を分析する。元素分析装置6は、検液中の元素の含有量を測定できる機能を有していれば、特に規定するものではないが、検液中の無機成分の高感度分析法であるICP発光分析法や原子吸光法、ICP質量分析法などが好適である。
【0034】
制御部7は、上記各部と電気的に接続され、各部の処理および動作を制御する。制御部7は、加熱用ヒーター2を制御して高温高圧水を精製し、耐圧密閉容器1内の鉄鋼スラグと高温高圧水とを所定時間接触させた後、耐圧密閉容器1内から高温高圧水を排出するよう制御する。高温高圧水の排出は、圧力調整弁3により排出量を調整しながら、貯留容器4に高温高圧水を排出させる。
【0035】
次に、図2を参照して、鉄鋼スラグから溶出した無機成分の分析処理を行う際のフローについて説明する。図2は、本実施の形態1に係る無機成分の分析処理のフローチャートである。
【0036】
まず、耐圧密閉容器1に、一定粒度以下に粉砕した鉄鋼スラグと水とを装入する(ステップS101)。鉄鋼スラグの粒径は細かいほど高温高圧水との接触面積を増大させ、鉄鋼スラグから高温高圧水への無機成分の溶出が促進される。処理時間を短縮し、スラグ内部からも無機成分を溶出させるためには粒径が10mm以下のものを用いるのが好ましい。鉄鋼スラグと水との装入質量比は、1:3以上、好ましくは1:5以上である。
【0037】
続いて、耐圧密閉容器1を加熱用ヒーター2内に収容し、処理水排出ライン8と接続する(ステップS102)。
【0038】
接続の後、制御部7は、加熱用ヒーター2を昇温して、耐熱密閉容器1内の水を75〜370℃、かつ飽和蒸気圧以上の高温高圧水にするよう制御する(ステップS103)。所定温度における水の飽和蒸気圧の算出方法は、公知の方法や値を用いればよい。図3は、下記式(2)および(3)で示すWagner式により算出した、水温と水蒸気圧との関係を示す図である。図3によれば、水の飽和水蒸気圧はたとえば150℃では0.48MPa、300℃では8.6MPaとなる。これより上記所定温度における水の飽和蒸気圧以上とは、たとえば150℃では0.48MPa以上、300℃では8.6MPa以上となる。
【0039】
ln(p×[kPa]Pc)=(Aτ+Bτ1.5+Cτ+Dτ)/(T/Tc) ・・・
(1)
τ=1−T[K]/Tc ・・・ (2)
上記式(1)および(2)において、A=−7.76451、B=1.45838、C=−2.7758、D=−1.23303、Tc=647.3K、Pc=22120kPA(使用範囲275K〜647.3K)である。
【0040】
耐圧密閉容器1内の水を所定の高温高圧水とした後、所定時間、鉄鋼スラグを高温高圧水と接触させて、鉄鋼スラグから高温高圧水に無機成分を溶出させる(ステップS104)。
所定時間溶出させた後、制御部7は、圧力調整弁3を調整して耐圧密閉容器1から高温高圧水を貯留容器4に排出させる(ステップS105)。
【0041】
高温高圧水の排出後、制御部7は、電磁弁5の制御により、貯留容器4内に貯留する検液である高温高圧水、または常温常圧となった溶出水を元素分析装置6に送液し、送液された検液中の無機成分の溶出量を元素分析装置6により分析する(ステップS106)。鉄鋼スラグなどの無機物を含有する物質から高温高圧水に溶出する無機成分として、Ca、B、P、S、Li、Cr、Mo、V、Ni、As、Se、Cd、Pb、Si、Mn、Mg、Na、K、NH、NO、SO、SO、PO、F、Cl、BrおよびHgが本発明により分析可能であることが判明している。
【0042】
本実施の形態1の無機成分の分析装置によれば、イオン積が高い高温高圧水により、鉄鋼スラグ中の無機成分を短時間で高温高圧水に溶出することができるので、鉄鋼スラグを路盤材等に使用した場合の環境への影響を迅速に評価することが可能となる。また、本実施の形態1では、鉄鋼スラグから溶出した無機成分の分析について説明したが、鉄鋼スラグにかえて、土壌、石炭灰、非鉄金属スラグ(銅スラグ、フェロニッケルスラグ等)、ゴミ溶融スラグおよび/または下水汚泥溶融スラグ等を耐圧密閉容器1内に水とともに装入し、同様の処理を行うことで、土壌、石炭灰、非鉄金属スラグ(銅スラグ、フェロニッケルスラグ等)、ゴミ溶融スラグおよび/または下水汚泥溶融スラグ等から溶出する無機成分について分析することが可能である。
【0043】
(実施の形態2)
本実施の形態2にかかる無機成分の分析方法および分析装置は、鉄鋼スラグ等の無機物を含有する物質と高温高圧水との接触処理を、高温高圧水を直接耐圧密閉容器に連続的に供給しながら、排出するフロー処理とする。本実施の形態2は、耐圧密閉容器1内への鉄鋼スラグ等の被検体の装入量を実施の形態1より大きくすることができ、また、高温高圧水の鉄鋼スラグ等の被検体に対する供給比を大きくすることが出来るので、高温高圧水中への無機成分の溶出量をより大きくすることができる。
【0044】
図4は、本発明の実施の形態2に係る無機成分の分析装置200の断面図である。以下、図4を参照して、実施の形態1にかかる分析装置100と異なる部分のみ説明する。
【0045】
図4に示すように、分析装置200は、高温高圧水供給ライン14をさらに備える。
【0046】
高温高圧水供給ライン14は、水を貯水する貯水槽10と、供給される水を高温高圧水に変換するコイル13と、コイル13を加熱して高温高圧水を生成させる加熱用ヒーター2と、コイル13を介して耐圧密閉容器1に高温高圧水を送液する送液ポンプ11と、耐圧密閉容器1内の圧力を調整する圧力調整弁12とを備える。
【0047】
コイル13は、耐圧密閉容器1を加熱する加熱用ヒーター2内に収容され、送液ポンプ11によりコイル13に送液された水は、コイル13を循環している間に加熱され、所定の高温高圧水に変換される。送液ポンプ11は、所定の高温高圧水を、コイル13を介して耐圧密閉容器1内に供給するために、所望する圧力以上の最大使用圧力を有するものを使用する。なお、本実施の形態2では、1の加熱用ヒーター2でコイル13と耐圧密閉容器1とを加熱しているが、別々の加熱源を備えていてもよい。
【0048】
制御部27は、各部の処理および動作を制御するとともに、高温高圧水供給ライン14により耐圧密閉容器1内に高温高圧水を所定量供給した後、耐圧密閉容器1内の高温高圧状態を保持しながら、高温高圧水供給ライン14と処理水排水ライン8とにより高温高圧水を耐圧密閉容器1内に連続的に供給しながら、排出するよう制御する。該制御部27の制御のもと、耐圧密閉容器1に高温高圧水を連続供給することにより、検体となる物質から高温高圧水により多くの無機成分を溶出することが可能となる。
【0049】
次に、図5を参照して、実施の形態2に係る無機成分の分析処理を行う際のフローについて説明する。図5は、本実施の形態2に係る無機成分の分析処理のフローチャートである。
【0050】
まず、耐圧密閉容器1に、検体となる一定粒度以下に粉砕した鉄鋼スラグを装入する(ステップS201)。実施の形態2では、耐圧密閉容器1内に検体のみを装入し、高温高圧水を連続的に供給・排出する処理とするため、耐圧密閉容器1内への検体の初期装入量を実施の形態1より大きくすることが可能となる。
【0051】
続いて、耐圧密閉容器1を加熱用ヒーター2内に収容し、高温高圧水供給ライン14および処理水排出ライン8と接続する(ステップS202)。
【0052】
接続の後、制御部27は、加熱用ヒーター2を昇温して、耐熱密閉容器1およびコイル13の温度を75〜370℃の所定温度に調整する(ステップS203)。
【0053】
耐圧密閉容器1およびコイル13の温度を調整後、高温高圧水供給ライン14により耐圧密閉容器1内に高温高圧水を所定量供給する(ステップS204)。貯留槽10に貯留された水は、送液ポンプ11および圧力調整弁12によりコイル13に送液され、所定温度に調整されたコイル13内を循環することにより高温高圧水に変換された後、耐圧密閉容器1内に供給される。
【0054】
制御部27は、高温高圧水供給ライン14により耐圧密閉容器1内に高温高圧水を所定量供給した後、高温高圧水供給ライン14により耐圧密閉容器1内に高温高圧水を続けて供給しつつ、処理水排水ライン8の圧力調整弁3を調整して耐圧密閉容器1から高温高圧水を貯留容器4に排出するよう制御する。制御部27は、圧力調整弁12および圧力調整弁3を調整制御することにより、耐圧密閉容器1内の圧力と温度を保持して、収容する検体である鉄鋼スラグを所定時間高温高圧水処理しながら(ステップS205)、耐圧密閉容器1から高温高圧水を排出する(ステップS206)。
【0055】
所定時間高温高圧水処理を行った後、制御部27は、耐圧密閉容器1への高温高圧水の供給を停止するとともに、耐圧密閉容器1内の高温高圧水を排出するよう制御する。制御部27は、送液ポンプ11を停止し、圧力調整弁12を閉処理した後、圧力調整弁3を調整して耐圧密閉容器1内の高温高圧水を貯留容器4に排出する。
【0056】
高温高圧水の排出後、制御部27は、電磁弁5の制御により、貯留容器4内に貯留する検液である高温高圧水、または常温常圧となった溶出水を元素分析装置6に送液し、送液された検液中の無機成分の溶出量を元素分析装置6により分析する(ステップS207)。
【0057】
本実施の形態2の無機成分の分析装置によれば、高温高圧水を耐圧密閉容器1に連続的に供給でき、かつ供給する高温高圧水と装入する検体との比を大きくすることができるため、検体から高温高圧水に無機成分がより多く溶出することが期待できる。本実施の形態2では、鉄鋼スラグから溶出した無機成分の分析について説明したが、鉄鋼スラグにかえて、土壌、石炭灰、非鉄金属スラグ(銅スラグ、フェロニッケルスラグ等)、ゴミ溶融スラグおよび/または下水汚泥溶融スラグ等の無機物を含有する物質を耐圧密閉容器1内に水とともに装入し、同様の処理を行うことで、土壌、石炭灰、非鉄金属スラグ(銅スラグ、フェロニッケルスラグ等)、ゴミ溶融スラグおよび/または下水汚泥溶融スラグ等から溶出する無機成分についての分析も行うことが可能である。
【0058】
さらに、本実施の形態2の変形例1として、図6に示す無機成分の分析装置300が例示される。図6は、本発明の実施の形態2の変形例1に係る無機成分の分析装置300の断面図である。
【0059】
変形例1にかかる分析装置300は、高温高圧水供給ライン14にかえて、温水供給ライン24を備える。温水供給ライン24は、コイル13にかえて貯水槽10を加熱する加熱用ヒーター15と、加熱用ヒーター15の温度を検出する温度センサー16とを備える。
【0060】
次に、図7を参照して、実施の形態2の変形例1に係る無機成分の分析処理を行う際のフローについて説明する。図7は、本実施の形態2の変形例1に係る無機成分の分析処理のフローチャートである。
【0061】
まず、耐圧密閉容器1に、検体となる一定粒度以下に粉砕した鉄鋼スラグを装入する(ステップS301)。続いて、耐圧密閉容器1を加熱用ヒーター2内に収容し、温水供給ライン24および処理水排出ライン6と接続する(ステップS302)。
【0062】
接続の後、制御部37は、加熱用ヒーター2を昇温して、耐熱密閉容器1およびコイル13の温度を75〜370℃の所定温度に調整するとともに、加熱用ヒーター15により貯水槽10内に収容される水の温度を所定温度(75〜100℃)に調整する(ステップS303)。
【0063】
耐圧密閉容器1および貯水槽10の温度を調整後、温水供給ライン24により耐圧密閉容器1内に貯水槽10内の温水を所定量供給する(ステップS304)。制御部27は、温水供給後、耐圧密閉容器1内の圧力および温度が所定値以下の場合は、所定の高温高圧水となるまで放置し、所定の高温高圧状態となった後、温水供給ライン24により耐圧密閉容器1内に温水をさらに供給しつつ、処理水排水ライン8の圧力調整弁3を調整して耐圧密閉容器1から高温高圧水を貯留容器4に排出するよう制御する(ステップS305)。
【0064】
変形例1にかかる分析装置300は、加熱用ヒーター15により貯水槽10内の水をあらかじめ75〜100℃程度に加温し、所定温度まで加温された貯留槽10内の水を、送液ポンプ11および圧力調整弁12を介して、加熱用ヒーター2により所定温度に調整された耐圧密閉容器1に所定量供給する。温水供給ライン24から連続的に供給する温水量を耐圧密閉容器1内の高温高圧水量に対し小さく設定することで、所定の高温高圧条件と供給する温水との温度および圧力差がある場合でも、耐圧密閉容器1内の高温高圧状態を保持して、無機成分の溶出処理を行うことができる。
【0065】
さらにまた、本実施の形態2の変形例2として、図8に示す無機成分の分析装置400が例示される。図8は、本発明の実施の形態2の変形例2に係る無機成分の分析装置400の断面図である。
【0066】
変形例2にかかる分析装置400の処理水排出ライン28は、貯留容器4にかえてフラクションコレクター17を備える。フラクションコレクター17は、圧力調整弁3を介して耐圧密閉容器1から排出された高温高圧水を所定間隔で分取する機能を有する。
【0067】
フラクションコレクター17により分取された高温高圧水は、元素分析装置6で分析される。
【0068】
変形例2では、フラクションコレクター17により耐圧密閉容器1から排出された高温高圧水を分取し、分取した検体について経時的に無機成分の溶出量を分析できるため、溶出した無機成分の溶出挙動を把握することが可能となる。また、含有元素の存在形態や存在状態、試料形状に応じた溶出プロファイルを得ることもでき、無機材料の高度評価が可能になる。さらに、分析装置400により検体から溶出した無機成分の溶出挙動を事前に把握することで、分析装置400内にさらにイオンクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィーなどの分離機構を付与して、各無機成分を分取することも可能となる。
【実施例】
【0069】
(実施例1)
耐圧密閉容器内に粒径を2mm以下に調整した鉄鋼スラグ2gと、スラグの3倍量の純水6mlを収容し、耐圧密閉容器を密閉した後、25〜300℃に調整したエアオーブン内で6時間保持した(耐圧密閉容器内は飽和蒸気圧以上)。所定時間後、耐圧密閉容器をエアオーブンから取り出し、放冷し、耐圧密閉容器内の水を5Bのろ紙にてろ過し、ろ液を25mlに希釈後、蛍光検出(B−クロムトロープ酸錯体)/高速液体クロマトグラフ法でホウ素を定量し、処理前の鉄鋼スラグ中のホウ素含有量に対する高温高圧水に溶出した割合を、溶出率として求めた。結果を表1に示す。
【0070】
【表1】

【0071】
表1に示すように、処理温度が増大するほど抽出率も増大し、従来の溶出評価法(25℃、6時間平行振とう、0.1Mpa)では10%程度の抽出率しか得られなかったものが、200℃(1.7Mpa)では30%以上に達し、300℃までは加熱温度を上げても抽出量はほぼ一定であった。なお、各温度で処理時間を変化させて抽出率を調査したところ、25℃(0.1Mpa)では抽出率(飽和)10%に達するのに約1時間、75℃(0.16Mpa)では抽出率(飽和)17%に達するのに約20分、95℃(0.16Mpa)では抽出率(飽和)20%に達するのに約5分であった。この結果から、従来(25℃、0.1Mpa)での処理と比較し、75℃で1/3、95℃では1/10未満の時間で無機成分(ホウ素)の溶出が可能となる。
【0072】
一方、水の臨界点である374℃、22.1Mpaを超えると水の誘電率が大きく低下し、イオン性物質の溶解が困難となる。また、処理温度も臨界点近傍では、装置構成に大掛かりな設備を要するとともにエネルギーの面で負荷を与えることになるため、実用的には370℃以下の高温高圧水での処理とすることが好ましい。
【0073】
以上により、無機物を含有する物質からの無機成分の高温高圧水への溶出は、75〜370℃で行うことが好ましく、無機物を含有する物質を、前記温度範囲、かつ飽和蒸気圧以上の高温高圧水で処理することにより、無機成分を迅速に高温高圧水に溶出させることが可能となる。
【0074】
(実施例2)
耐圧密閉容器内に粒径を2mm以下に調整した鉄鋼スラグ5gを収容する。スラグを収容した耐圧密閉容器を加熱用オーブン内で150〜290℃に加熱し、耐圧密閉容器を、高温高圧水を供給する高温高圧水供給ラインと高温高圧水を排出する排出ラインと接続する。ライン接続の後、高温高圧水供給ラインにより、耐圧密閉容器内に150〜290℃、18Mpaの高温高圧水を0.6ml/minで通液する。耐圧密閉容器の前後に設置した圧力調整弁で耐圧密閉容器内の圧力および温度を調整しながら、排出ラインから排出される高温高圧水をフラクションコレクターで10分毎に分取する。分取した検液について、無機成分の溶出量を元素分析装置により分析した。元素分析装置としてICP発光分析法を用いた場合には、検体を、ネブライザーを介して霧状としてから高温のプラズマ中に導入し、各元素固有の波長における発光強度を測定した。発光強度は、各元素の標準溶液を合成して作成した検量線を用いて、各元素量に換算した。結果を図9に示す。
【0075】
図9は、150〜290℃、飽和蒸気圧の高温高圧水でフロー処理を行った場合のホウ素の溶出率積算値と処理時間の関係を示す図である。図9に示すように、高温高圧水の温度および圧力条件が大きいほど無機成分(ホウ素)の溶出量が大きくなることがわかる。また、高温高圧水をフロー処理とすることで、高温高圧水への溶出量が飽和することがない。
【0076】
さらに、図10に、高温高圧水のフロー処理を行った場合のホウ素とカルシウムの溶出率と処理時間との関係を示す。高温高圧水は250℃、18Mpa、温水の供給を0.6ml/minで行った。
【0077】
図10に示すように、鉄鋼スラグを高温高圧水で処理した場合、ホウ素とカルシウムでは溶出率が異なるだけでなく、溶出挙動も異なるものである。ホウ素のように溶出率が極大値を有している場合は、高温高圧水による溶出条件を種々変更することにより、他の溶出成分との分離・抽出を行うことが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0078】
以上のように、本発明の無機成分の分析方法および分析装置は、土壌や、製鋼スラグなどの各種副産物等をリサイクルする際の環境への影響やリサイクルした場合の性能を確認する上で非常に有効である。
【符号の説明】
【0079】
1 耐圧密閉容器
2、15 加熱用ヒーター
3、12 圧力調整弁
4 貯留容器
5 電磁弁
6 元素分析装置
7、27、37 制御部
8、28 処理水排出ライン
9、16 温度センサー
10 貯水槽
11 送液ポンプ
13 コイル
14 高温高圧水供給ライン
17 フラクションコレクター
24 温水供給ライン
100、200、300、400 分析装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無機物を含有する物質からの無機成分の溶出方法であって、
前記無機物を含有する物質と水とを耐圧密閉容器に装入する装入ステップと、
前記耐圧密閉容器を75℃〜370℃に加温して、収容される水を飽和蒸気圧以上の高温高圧水にする加温ステップと、
前記加温ステップで生成した前記高温高圧水と前記無機物を含有する物質との接触により前記無機物を含有する物質中の無機成分を前記高温高圧水中に溶出させる溶出ステップと、
を含むことを特徴とする無機成分の溶出方法。
【請求項2】
無機物を含有する物質からの無機成分の溶出方法であって、
前記無機物を含有する物質を耐圧密閉容器に装入する装入ステップと、
高温高圧水供給手段により、前記耐圧密閉容器に75〜370℃、かつ飽和蒸気圧以上の高温高圧水を供給する供給ステップと、
前記供給ステップにより、前記耐圧密閉容器に75℃〜370℃に調整した飽和蒸気圧以上の高温高圧水を所定量供給した後、前記耐圧密閉容器内の高温高圧状態を保持しながら、前記高温高圧水を前記耐圧密閉容器内に連続的に供給し、かつ排出させて前記無機物を含有する物質中の無機成分を前記高温高圧水中に溶出させる溶出ステップと、
を含むことを特徴とする無機成分の溶出方法。
【請求項3】
無機物を含有する物質から高温高圧水に溶出した無機成分の分析方法であって、
前記無機物を含有する物質と水とを耐圧密閉容器に装入する装入ステップと、
前記耐圧密閉容器を75℃〜370℃に加温して、収容される水を飽和蒸気圧以上の高温高圧水にする加温ステップと、
前記加温ステップで生成した前記高温高圧水と前記無機物を含有する物質との接触により無機物を含有する物質中の無機成分を前記高温高圧水中に溶出させる溶出ステップと、
前記耐圧密閉容器から前記高温高圧水を貯留手段に排出し、排出した高温高圧水を分取して、該高温高圧水中に溶出した無機成分の溶出量を分析する分析ステップと、
を含むことを特徴とする無機成分の分析方法。
【請求項4】
無機物を含有する物質から高温高圧水に溶出した無機成分の分析方法であって、
前記無機物を含有する物質を耐圧密閉容器に装入する装入ステップと、
高温高圧水供給手段により、前記耐圧密閉容器に75〜370℃、かつ飽和蒸気圧以上の高温高圧水を供給する供給ステップと、
前記供給ステップにより、前記耐圧密閉容器に75℃〜370℃に調整した飽和蒸気圧以上の高温高圧水を所定量供給した後、前記耐圧密閉容器内の高温高圧状態を保持しながら、前記高温高圧水を前記耐圧密閉容器内に連続的に供給し、かつ排出させて前記無機物を含有する物質中の無機成分を前記高温高圧水中に溶出させる溶出ステップと、
前記耐圧密閉容器から前記高温高圧水を貯留手段に排出し、排出した高温高圧水を分取して、該高温高圧水中に溶出した無機成分の溶出量を分析する分析ステップと、
を含むことを特徴とする無機成分の分析方法。
【請求項5】
無機物を含有する物質からの高温高圧水に溶出した無機成分の分析方法であって、
前記無機物を含有する物質を耐圧密閉容器に装入する装入ステップと、
高温高圧水供給手段により、前記耐圧密閉容器に75〜370℃、かつ飽和蒸気圧以上の高温高圧水を供給する供給ステップと、
前記供給ステップにより、前記耐圧密閉容器に75℃〜370℃に調整した飽和蒸気圧以上の高温高圧水を所定量供給した後、前記耐圧密閉容器内の高温高圧状態を保持しながら、前記高温高圧水を前記耐圧密閉容器内に連続的に供給し、かつ排出させて前記無機物を含有する物質中の無機成分を前記高温高圧水中に溶出させる溶出ステップと、
前記耐圧密閉容器から貯留手段に排出される前記高温高圧水を所定間隔で分取する分取ステップと、
前記分取ステップで分取した検液中の無機成分の溶出量を分析する分析ステップと、
を含むことを特徴とする無機成分の分析方法。
【請求項6】
前記無機物を含有する物質は、鉄鋼スラグであることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一つに記載の無機成分の分析方法。
【請求項7】
前記無機物を含有する物質は、土壌であることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一つに記載の無機成分の分析方法。
【請求項8】
無機物を含有する物質を収容する耐圧密閉容器と、
前記耐圧密閉容器に、75〜370℃、かつ飽和蒸気圧以上の高温高圧水を供給する供給手段と、
前記耐圧密閉容器を加温して、前記耐圧密閉容器内に供給された高温高圧水を所定の高温高圧状態に保持する加熱手段と、
前記耐圧密閉容器内の高温高圧水を排出する排出手段と、
前記耐圧密閉容器内に前記供給手段から前記高温高圧水を所定量供給した後、前記耐圧密閉容器内の高温高圧状態を保持しながら、前記供給手段と前記排出手段とにより前記高温高圧水を前記耐圧密閉容器内に連続的に供給し、かつ、排出させることにより前記無機物を含有する物質中の無機成分を前記高温高圧水中に溶出するよう制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする無機成分の溶出装置。
【請求項9】
無機物を含有する物質と水とを収容する耐圧密閉容器と、
前記耐圧密閉容器を加温して前記耐圧密閉容器内の水を75〜370℃、かつ飽和蒸気圧以上の高温高圧水にする加熱手段と、
前記耐圧密閉容器内の高温高圧水を貯留手段に排出する排出手段と、
前記排出手段により前記貯留手段に排出された高温高圧水中の無機成分の溶出量を分析する元素分析手段と、
を備えることを特徴とする無機成分の分析装置。
【請求項10】
無機物を含有する物質を収容する耐圧密閉容器と、
前記耐圧密閉容器に、75〜370℃、かつ飽和蒸気圧以上の高温高圧水を供給する供給手段と、
前記耐圧密閉容器を加温して、前記耐圧密閉容器内に供給された高温高圧水を所定の高温高圧状態に保持する加熱手段と、
前記耐圧密閉容器内の高温高圧水を貯留手段に排出する排出手段と、
前記耐圧密閉容器内に前記供給手段から前記高温高圧水を所定量供給した後、前記耐圧密閉容器内の高温高圧状態を保持しながら、前記供給手段と前記排出手段とにより前記高温高圧水を前記耐圧密閉容器内に連続的に供給し、かつ、排出させることにより前記無機物を含有する物質中の無機成分を前記高温高圧水中に溶出させるよう制御する制御手段と、
前記貯留手段に排出された高温高圧水中の無機成分の溶出量を分析する元素分析手段と、
を備えることを特徴とする無機成分の分析装置。
【請求項11】
前記貯留手段に排出される高温高圧水を所定間隔で分取する検液分取手段を備え、
前記元素分析手段は、前記検液分取手段が分取した高温高圧水を分析することを特徴とする請求項10に記載の無機成分の分析装置。
【請求項12】
前記無機物を含有する物質は、鉄鋼スラグであることを特徴とする請求項9〜11のいずれか一つに記載の無機成分の分析装置。
【請求項13】
前記無機物を含有する物質は、土壌であることを特徴とする請求項9〜11のいずれか一つに記載の無機成分の分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−247694(P2011−247694A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−119734(P2010−119734)
【出願日】平成22年5月25日(2010.5.25)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【出願人】(304036743)国立大学法人宇都宮大学 (209)
【Fターム(参考)】