説明

無機蛍光増白剤

本発明は、新規の無機増白剤、それらの製造方法、及び基材を増白するためのそれらの使用に関する。より具体的には、新規の無機増白剤は、それらが(i)350〜375nmの範囲内の吸収極大値;(ii)400nm付近での吸収バンドの急激な減少;(iii)少なくとも0.8のリン光の量子収率;及び(iv)415〜445nmの範囲内のリン光極大値を有すること特徴とする蛍光体である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規の無機増白剤、それらの製造方法、及び基材を増白するためのそれらの使用に関するものである。
【0002】
一般的に、蛍光増白剤は、溶液状態で又は基材へ塗布された状態で、紫外線を(例えば、約300〜430nmの日光から)吸収し、吸収されたエネルギーの大部分を約400〜500nmの青色蛍光として再放出する無色から僅かに色がついた有機化合物である。従って、日中、蛍光増白剤は、布、紙、又はプラスチックなどの白色の産業的基材において見られる美学的に好ましくない黄色みがかった色合いを補正することができる。更に、肉眼によって感知されない一部の日光のスペクトルが可視光へ変換されるので、材料の輝度は増大され、まぶしい白色が与えられる。
【0003】
黄色みがかった色合いを補正する1つの方法は、ウルトラマリン又はインディゴなどの青色色素を使用することである。青味付けによって、可視光スペクトルの長波長部分におけるサンプルの反射率が低下する。結果として、サンプルは、淡い白色の外観になるが、同時に、それは輝度を失い、その結果、それはより灰色に見える。対照的に、蛍光増白剤は、吸収によって主にUV光及び近可視光における反射率を低下させ;可視光波長で(大抵は435〜440nmに最大値を有する)、それらは、蛍光によって反射率を大幅に増加させる。増白剤は、補助的な放出供給源として作用する。
【0004】
典型的な蛍光増白剤は、π−π遷移が生じるπ電子発色団によって特徴付けられる。発色団は、リジッドでなければならず、それらの立体配座は、電子基底状態におけるのと第一励起状態におけるのとで僅かにだけ相違しているべきである。最もよく知られている蛍光増白剤としては、炭素環、例えば、ジスチリルベンゼン、ジスチリルビフェニル、ジビニルスチルベン;トリアジニルアミノスチルベン;スチルベニル−2H−トリアゾール、例えば、スチルベニル−2H−ナフト[1,2−d]トリアゾール及びビス(1,2,3−トリアゾール−2−イル)スチルベン;ベンゾオキサゾール、例えば、スチルベニルベンゾオキサゾール及びビス(ベンゾオキサゾール);フラン、ベンゾ[b]フラン、及びベンズイミダゾール、例えば、ビス(ベンゾ[b]フラン−2−イル)ビフェニル及びカチオン性ベンズイミダゾール;1,3−ジフェニル−2−ピラゾリン;クマリン;ナフタルイミド;ならびに1,3,5−トリアジン−2−イル誘導体が挙げられる。
【0005】
市販の蛍光増白剤は、具体的には、構造体、基材、及び適用様式に従って、製剤化される。容易に計量可能な非発塵性の形態:高破砕強度を有する自由流動性顆粒、溶液、又は濃縮分散液が好ましい。非イオノゲン性(nonionogenic)蛍光増白剤は、それらが無極性基材中に迅速かつ最適に分配することができるように、出来る限り微細に分割されなければならない。それらは、一般的に、粉末(例えば、プラスチック又はスピニングマス(spinning masses)用)として又は低粘性分散液(例えば、繊維産業用)として市販されている。顆粒強度、溶解、化学的安定性、粘度、保存安定性、又は菌の増殖を制御するために、製剤は、添加剤で最適化される。それらはまた、所定の適用におけるそれらの効率を改善するために、調色色素(toning dyes)及び助剤を含有することができる。
【0006】
数千個の蛍光増白剤製品が、100個を超える商標を伴って、世界中で市販されている:例えば、Blankophor(商標)(Bayer)、Hakkol(商標)(Showa Kayaku)、Hostalux(商標)(Clariant)、Kayaphor(商標)(Nippon Kayaku)、Leukophor(商標)(Clariant)、Optiblanc(商標)(3V)、Photine(商標)(Hickson&Welch)、Tinopal(商標)(Ciba Specialty Chemicals)、Ultraphor(商標)(BASF)、Uvitex(商標)(Ciba Specialty Chemicals)、Whitex(商標)(Sumitomo)、Belofor(商標)、calcofluor White(商標)、Eastobright(商標)、Enkantine(商標)、Heliophor(商標)、Mikephor(商標)、Ranipal(商標)、Rylux(商標)、Viophos(商標)、及びWobital(商標)。
【0007】
しかし、上述の場合の全てにおいて、可能な限り少ない固有色(inherent color)と組み合わせて、可能な限り多くのUV光の吸収、最大の白色度を生じさせるための蛍光の強度、及び基材中における増白剤の分散性は、ますます増加する要求の全てを十分に満たすことが依然としてできていない。更に、異なる適用において蛍光増白剤に課せられた特定の要件をより良く満たす新規の化学的種類の蛍光増白剤についての定常的な要求が存在する。
【0008】
本発明によれば、驚くべきことに、選択された無機蛍光体を蛍光増白剤として使用すると、上述の要求をより十分に満たすことができるということが、今回、見出された。
【0009】
従って、本発明は、蛍光増白剤としての使用のための無機蛍光体に関し、該蛍光体は、以下を特徴とする:
(i)350〜375nmの範囲内の吸収極大値;
(ii)400nm付近での吸収バンドの急激な減少;
(iii)少なくとも0.8、好ましくは0.95のリン光の量子収率;及び
(iv)415〜445nmの範囲内のリン光極大値。
【0010】
用語「無機蛍光体」は、それらに作用しているエネルギーを吸収し、引き続いて、この吸収されたエネルギーを、熱放射を超過して、直ちに又は長期間にわたってのいずれかで、光として放射する、合成的に生成された結晶性化合物を指す。この光放射は発光として公知であり、これについて、励起エネルギーは、熱放射とは対照的に、最初、化合物の熱エネルギーに寄与しない。それは、少なくとも10−9秒の寿命を有する原子又は分子における励起状態から生じる。これは、励起と光放射との間で10−9秒のタイムスパンが存在することを意味している。励起の間及びその後約10−8秒までに生じる光放射は、蛍光と呼ばれ、一方、10−8秒より長く継続する光は、残光又はリン光として公知である。減衰時間は、輝度が、双曲線的及び指数関数的減衰についてそれぞれ、初期強度の1/10又は1/eへ減少する時間である。
【0011】
好適な無機蛍光体としては、硫化物及びセレン化物、例えば、硫化カドミウム及び硫セレン化カドミウム、アルカリ土類硫化物及び硫セレン化物;オキシスルフィド;酸素優勢蛍光体(oxygen-dominant phosphors)、例えば、アルミン酸塩、没食子酸塩、ケイ酸塩、ゲルマニウム酸塩、ハロリン酸塩及びリン酸塩、酸化物、ヒ酸塩、バナジン酸塩、ニオブ酸塩及びタンタル酸塩、硫酸塩、タングステン酸塩及びモリブデン酸塩;ハロゲン化物蛍光体、例えば、金属ハロゲン化物及びマンガン活性化ハロゲン化物蛍光体(manganese-activated halide phosphors)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0012】
更に、本発明の無機蛍光体は、好ましくは、0.01〜20μmの粒度分布を有する。粒度分布の測定は、粒子計数器(Coulterカウンター)を用いて、又はレーザーもしくは光ビーム散乱(Cilas)によって、行われ得る。フィッシャー数(Fisher number)は、平均粒径(フィッシャー・サブ・シーブ・サイズ(Fisher sub sieve size))の指標として広く使用されている。少なくとも100nm未満の寸法のナノ粒子が、特に好ましい。
【0013】
本発明の無機蛍光体粒子の形状は、好ましくは球状であるが、立方体又はラメラ形状を有する粒子も同様に好適である。蛍光体結晶の形態は、走査電子顕微鏡法によって評価することができる。
【0014】
比較的粗い蛍光体(例えば、D50>5μm)について、粒度分布は、ふるい残留物曲線(sieve residue curves)から測定された。
【0015】
また、本発明の無機蛍光体は、沈降速度、沈降密度又は他の沈降特性によって特徴付けられる。沈降流体中における沈降速度は、粒子のサイズ、形状、密度、及び表面電荷によってストークスの法則に従って測定することができる。蛍光体及びそれらのブレンドの沈降特性は、発光輝度及び発光色以外の、それらの適合性についての重要な基準である。沈降密度によって、沈降流体の一定の極性及び電解質濃度での個々の結晶の凝集の程度を判断することができる。低密度は、広範囲の凝集物形成を示す。本発明の無機蛍光体は、高濃度であっても、単分子増白剤分布を提供する。増白剤分子が凝集しないために、量子収率は低下せず、スペクトルは本質的に不変である。
【0016】
好ましい蛍光増白剤は、式(I):
【0017】
【化2】


[式中、
Aは、少なくとも1つのアルカリ土類金属及び/又は亜鉛であり;
Bは、アルミノケイ酸塩、アルミナオキサイド、酸化ケイ素、ホスフェート、及びハロゲンからなる群より選択される少なくとも1つのアニオンであり;
xは1〜10の整数であり、yは1〜5の整数であり、x及びyは、電荷の平衡が保たれるようなものであり;
ユーロピウムの含有量が、0.01〜1モルパーセントである]に適合するものである。
【0018】
特に好ましい増白剤は、式(I)
[式中、
Aは、バリウム、マグネシウム、カルシウム及び/又はストロンチウムからなる群より選択される少なくとも1つのアルカリ土類金属であり;
Bは、Al10174−、Al16276−、PO3−、及びハロゲンからなる群より選択される少なくとも1つのアニオンであり;
ユーロピウムの含有量は、0.1〜0.5モルパーセントである]に適合するものである。
【0019】
式(I)の好ましい増白剤は、BaMgAl1017:Eu、BaMgAl1627:Eu、及びSrCa(POCl:Eu又は(SrBaCa)(POCl:Euである。
【0020】
本発明は、更に、式(I)の増白剤を製造するための方法を提供し、これは、反応が1100〜1600℃の温度において、好ましくはN及び/又はH、例えば、90%N及び10%H、又は代替的には95%N及び5%Hの存在下で、行われることを特徴とする。
【0021】
本発明はまた、本発明の式(I)の増白剤及び非イオン性又はイオン性テンサイド(tenside)を含有する増白剤調製物を提供する。好ましいのはポリグリコールエーテルである。
【0022】
非発光性塩が更に存在することができる。
【0023】
本発明の無機蛍光体は、布、洗剤、及び製紙産業において蛍光増白剤として使用することができ、プラスチックにも添加される。適用様式及び性能要件は両方とも、基材ごとに大きく相違するが、5つの共通する基本原則がある:
(1)本発明の蛍光増白剤は、それらの励起及びリン光範囲において基材が非常に強力には吸収しない場合にのみ、白色度を効率的に改善することができる。不十分な「基礎の白色」を有する物体、例えば、無漂白の布又は不十分に洗浄された物品は、高濃度の本発明の蛍光増白剤を用いたとしても高度の白色度までは増白することができない。
(2)増白剤は、それらが基材中に単分子的に分散される場合にのみ、効率的に作用する。これは、蛍光体の沈降特性に依存するだけでなく、基材タイプ及び適用様式にも依存する。
(3)ホワイトニング効果は、飽和限界までの蛍光体濃度と共に増加する。この理由のために、蛍光体の適用される濃度は、低く維持されなければならない:基材に対して約0.002〜0.2重量%、又は色素の通常の濃度のおよそ10分の1。
【0024】
本発明の一般式(I)の蛍光体は、種々の基材についての蛍光増白剤である。特に好ましい基材は、天然セルロースから構成されるもの、例えば、綿、紙及び木材(微細分散液中)、又は再生セルロース、羊毛もしくは合成ポリアミドから構成される材料である。光学的に増白される材料は、広範囲の加工段階(例えば、原料、中間物品、又は最終物品)において、ならびに広範囲の加工形態(例えば、繊維、糸、織物(wovens)、ループ形成された編物(formed-loop knits)、ウェブ(webs)、及びフィルムなど)において存在することができる。
【0025】
本発明の化合物はまた、それらに洗濯洗剤を添加させることが出来る。使用される固体及び液体の洗濯洗剤は、先行技術に対応する通常の成分を含有することができる。
【0026】
本発明の化合物は、更に、合成樹脂及び合成樹脂縮合物前駆体(precondensates)と組み合わせての繊維材料の樹脂仕上げの間に適用することができる。合成樹脂の架橋は、広いpH範囲にわたって、特にpH1〜pH10にわたって、従来の方法で行うことができる。
【0027】
本発明の化合物は、更に、布材料の日焼け防止指数を高めるために使用することができる。布材料の日焼け防止指数を高めるためのジアミンスチルベンジスルホン酸誘導体の使用は公知であり、例えばEP-A 728 749に記載されている。
【0028】
布材料の日焼け防止指数を高めるために、布材料は、本発明の化合物で直接処理することができ、又は、使用される洗濯洗剤が本発明の化合物を含有する場合には、通常の家庭での洗濯プロセスの一部として、その効果が達成される。
【0029】
本発明の式(I)の増白剤は、製紙において紙原料(例えば、セルロース、化学及び機械パルプ)を増白するため、及び製紙産業において通常使用されるコーティング組成物を増白するため、具体的には、特に着色されたものを除く無着色の紙材料及びコーティング組成物を増白するために、好適である。特に好ましいのは、微細孔インクジェット媒体(microporous inkjet media)中の蛍光増白剤として、本発明の式(I)の蛍光体を使用することである。
【0030】
本発明の式(I)の増白剤は、リソグラフ印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷、インタリオ印刷、デジタル印刷(インクジェット/電子写真)及びパッド印刷プロセスにおける使用のための印刷用インク(溶媒ベースの、水ベースの、エネルギー硬化性の(UV及びEB)インク及びトナー)中に好ましくは含有される。
【0031】
公知のコーティング組成物中のバインダーとしては、ブタジエン−スチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン、アクリル酸エステル、エチレン−塩化ビニルもしくはエチレン−酢酸ビニルのコポリマーに基づくか、又はポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリ酢酸ビニルもしくはポリウレタンなどのホモポリマーに基づく、ポリマー分散液が挙げられる。好ましいバインダーは、スチレン−アクリル酸ブチル又はスチレンブタジエン−アクリル酸共重合体からなる。さらなるポリマーラテックスは、例えば、米国特許第3,265,654号に記載されている。
【0032】
コーティング組成物は、通常、ケイ酸アルミニウム、例えば、チャイナクレイ及びカオリン、また硫酸バリウム、サテンホワイト、二酸化チタン又は炭酸カルシウム(チョーク)を使用して着色される。
【0033】
本発明のコーティング組成物は、好ましくは、5〜70重量%の白色顔料を含有する。バインダーは、好ましくは、ポリマー化合物の固形分が1〜30重量%、好ましくは5〜25重量%の白色顔料を含むような量で使用される。本発明の増白剤の量は、増白剤が、白色顔料に対して、0.005〜1重量%、特に0.01〜0.55重量%の量で存在するように決定される。
【0034】
本発明のコーティング組成物は、10〜100℃、好ましくは20〜80℃の温度で、任意の順序で、成分を混合することによって調製することができる。成分は、更に、コーティング組成物のレオロジー特性(例えば、粘度又は保水力)を調節するために使用することができる通常の助剤を含む。このような助剤は、例えば、天然バインダー、例えば、デンプン、カゼイン、タンパク質又はゼラチン、セルロースエーテル、例えば、カルボキシアルキルセルロース又はヒドロキシアルキルセルロース、アルギン酸、アルギン酸塩、ポリエチレンオキシド又はポリエチレンオキシドアルキルエーテル、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ホルムアルデヒドと尿素もしくはメラミンとの水溶性縮合物、ポリホスフェート又はポリアクリル酸塩である。
【0035】
本発明の式(I)の増白剤は、最終コーティング組成物又はコーティング組成物の成分の1つのいずれかへ混合される。
【0036】
本発明のコーティング組成物は、紙、木材、フィルム、例えば、セルロース、三酢酸セルロース、布材料などをコーティングするために使用することができる。特に好ましいのは、紙及び厚紙ならびにまた写真用紙への適用である。
【0037】
コーティング組成物は、任意の従来の方法によって、例えば、エアーナイフ、コーティングブレード、ブラシ、ロール、ドクター、又はロッドを使用して、基材へ塗布することができ、次いで、コーティングは、例えば、赤外線乾燥機及び/又は熱風乾燥機を使用して、70〜200℃、好ましくは90〜130℃の範囲の基材表面温度で、3〜6重量%の残存含水率まで、乾燥される。
【0038】
本発明のコーティング組成物は、全表面に渡っての蛍光増白剤の最適な分布及び付随する白色度の増加について、ならびにまた高い耐光性について注目に値するコーティングを提供する。
【0039】
実施例
分析方法
クロマトグラフ法(薄層クロマトグラフィーにおけるリン光発光スポットの解釈、又はHPLCにおけるUV吸収ピークの解釈)は、蛍光増白剤の相当に迅速かつ確実な同定を可能にする。同一の方法を、リン光性又は非リン光性副生成物の観点から、蛍光増白剤の純度の定性的及び定量的な特徴づけのために使用することができる。活性物質の含有量は、溶液中の消光度(吸光度)
【0040】
【数1】

【0041】
の測光によって測定される。吸収極大値の波長及び高さの両方が、溶媒に依存する。適用浴(application baths)中の蛍光増白剤の濃度は、較正された標準物質に対する比較リン光測定によって定量的にモニタリングすることができる。基材上の蛍光増白剤は、反射率測定によって直接測定することができる。あるいはまた、蛍光増白剤は、好適な溶媒で抽出され、溶液中で測定することができる;プラスチックの場合、これは、基材を溶解することを伴う。
【0042】
ホワイトニング効果の評価
ホワイトニングは、目視又は機器(比色分析による)のいずれかで評価することができる。評価される量は、白色度及び色調である。UV光及び可視光範囲内の入射光のスペクトル分布に特別な注意を払われなければならいが、これは、白色度に対する増白剤の蛍光寄与を制御するためである。目視による評価は、散光(diffuse daylight)中においてリファレンスと比較することによって行われる。十分に規定された白色値を有する段階からなるホワイトスケール(例えば、Ciba-Geigyコットン又はプラクチックホワイトスケール)を使用することができる。機器による評価については、分光光度計が好ましい;しかし、スリー−フィルター器(three-filter instruments)もまた使用することができる。得られる比色分析値は、機器及びその瞬間の状態(主として、サンプル照射条件)に依存し、好適な方法によって制御されなければならない。機器の影響は、6504 Kの相関色温度を有する日光を示す、標準イルミネーションD65への変換によって排除することができる。次いで、これらの比色分析データから、適切な式を用いて、白色度及び色調値を計算することができる。現在使用されている一群の白色度式は、G. Wyszecki, W. S. Stiles: Color Science, Concepts and Methods, Quantitative Data and Formulas, J. Wiley & Sons, New York - London - Sydney 1967において見ることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蛍光増白剤としての使用のための無機蛍光体であって、該蛍光体が、以下:
(i)350〜375nmの範囲内の吸収極大値;
(ii)400nm付近での吸収バンドの急激な減少;
(iii)少なくとも0.8、好ましくは0.95のリン光の量子収率;及び
(iv)415〜445nmの範囲内のリン光極大値
を特徴とする、無機蛍光体。
【請求項2】
該蛍光体が、硫化物及びセレン化物、好ましくは、硫化カドミウム及び硫セレン化カドミウム、アルカリ土類硫化物及び硫セレン化物;オキシスルフィド;酸素優勢蛍光体、好ましくは、アルミン酸塩、没食子酸塩、ケイ酸塩、ゲルマニウム酸塩、ハロリン酸塩及びリン酸塩、酸化物、ヒ酸塩、バナジン酸塩、ニオブ酸塩及びタンタル酸塩、硫酸塩、タングステン酸塩及びモリブデン酸塩;ならびに、ハロゲン化物蛍光体、好ましくは、金属ハロゲン化物及びマンガン活性化ハロゲン化物蛍光体からなる群より選択される、請求項1記載の無機蛍光体。
【請求項3】
該蛍光体が式(I)
【化1】


[式中、
Aは、少なくとも1つのアルカリ土類金属及び/又は亜鉛であり;
Bは、アルミノケイ酸塩、アルミナオキサイド、酸化ケイ素、ホスフェート及びハロゲンからなる群より選択される少なくとも1つのアニオンであり;
xは1〜10の整数であり、yは1〜5の整数であり、x及びyは、電荷の平衡が保たれるようなものであり;
ユーロピウムの含有量が、0.01〜1モルパーセントである]
に適合する、請求項1又は2記載の無機蛍光体。
【請求項4】
Aが、バリウム、マグネシウム、カルシウム及び/又はストロンチウムからなる群より選択される少なくとも1つのアルカリ土類金属であり;
Bが、Al10174−、Al16276−、PO3−、及びハロゲンからなる群より選択される少なくとも1つのアニオンであり;
ユーロピウムの含有量が、0.1〜0.5モルパーセントである、
請求項3記載の無機蛍光体。
【請求項5】
該蛍光体が、BaMgAl1017:Eu、BaMgAl1627:Eu、及びSrCa(POCl:Eu又は(SrBaCa)(POCl:Euからなる群より選択される、請求項3記載の無機蛍光体。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項記載の少なくとも1つの化合物及び少なくとも1つの非イオン性又はイオン性テンサイドを含む、増白剤調製物。
【請求項7】
(i)5〜70重量%の白色顔料、及び(ii)該白色顔料に対して0.005〜1重量%の請求項1〜5のいずれか1項記載の無機蛍光体を含む、コーティング組成物。
【請求項8】
請求項1〜5のいずれか1項記載の無機蛍光体で、ポリアミド、セルロース、紙、又は洗濯洗剤を増白することを含む、方法。

【公表番号】特表2009−534490(P2009−534490A)
【公表日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−505844(P2009−505844)
【出願日】平成19年4月10日(2007.4.10)
【国際出願番号】PCT/EP2007/053439
【国際公開番号】WO2007/118813
【国際公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(508120547)チバ ホールディング インコーポレーテッド (81)
【氏名又は名称原語表記】CIBA HOLDING INC.
【Fターム(参考)】