説明

無線セルラー通信ネットワークのセル群の中から移動端末が位置するセルを決定することを可能にする方法

本発明は、無線セルラー通信ネットワークのセル群の中から、移動端末が位置するセル
を決定することを可能にする方法に関する。セル群中の各セルは基地局によって管理される。この方法は、セル群内に移動端末が存在することを検出するステップと、移動端末が少なくともセル群中のセルを管理する基地局の一部へデータを転送することを可能にするステップと、セル群中の1つのセルを管理する1つの基地局を通して移動端末からデータを受信するステップと、データが受信される際に通る基地局により管理されるセルを移動端末が位置するセルとして決定するステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線セルラー通信ネットワークのセル群の中から、移動端末が位置するセルを決定することを可能にする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の無線セルラー通信ネットワークは、1つ又は複数のセルを個々にカバーする多数の基地局から構成される。
【0003】
セルは、1つの基地局によってブロードキャストされる基準信号が、所定の閾値を超えて受信されるエリアである。基地局は、自身のセル内に位置する各移動端末に対して、セル内において一意である短い識別子を割り当てる。そのため、各基地局は、複数の移動端末を識別することができる。
【0004】
基地局の、隣接するセル同士は、異なる識別子を有する。各基地局は、自身が管理するセルの識別子を表す信号をブロードキャストし、それによって、移動端末が種々の基地局によって転送される信号を検出する際に、信号の発信源が不明確になる事態を回避する。
【0005】
移動端末は、1つのセルから別のセルへ移動するとき、その別のセルの信号を測定し、セルの識別子を読み取り、これをネットワークに知らせることができる。その後、ネットワークはハンドオーバの準備をすることができる。その結果、移動端末が送受信する信号は、移動端末が以前に位置していたセルを管理する基地局ではなく、新たに発見されたセルを管理する基地局によって搬送される。
【0006】
上述のハンドオーバメカニズムは、移動体支援ハンドオーバ(Mobile Assisted Handover)を意味するMAHOの名称で知られている。
【0007】
このメカニズムは、各基地局が隣接するセルの識別子のリストを、自身のセル内に位置する移動端末にブロードキャストすると、最適化される。
【0008】
当初、MAHOシステムは、主にマクロセル、すなわち数十km2をカバーする大きいセルから構成される第1世代の無線セルラー通信ネットワークのために開発された。
【0009】
セルのサイズが大きい場合には、基地局によって自身が管理するセル内においてブロードキャストされる隣接するセルのリストは、妥当なサイズを有する。移動端末は、これらの測定に集中することができ、重要なセルについてのみ結果を報告する。
【0010】
現在では、より小さいサイズのセルが導入されている。これらのセルは、マイクロセル、ピコセル、フェムトセルと呼ばれている。MAHOシステムは、これらのセルのためにも使用される。
【0011】
最近では、第3世代の無線セルラー通信ネットワークは、通常は階層セル構造(HCS)によって構築される。いくつかの周波数は、マクロセルが使用される高速移動端末専用であり、他のいくつかの周波数は、ピコセルが使用される低速移動端末及び/又は高データレート移動端末専用である。
【0012】
マイクロセル、ピコセル、フェムトセルは、互いに独立して家の中に設置されることができる基地局のセルである。例として、これらの基地局は、いつかの隣接するセルが存在するか否か、或いはセルが互いに重なり合うか否かを考慮することなく、家の居住者によって設置することができる。
【0013】
基地局をそのように組織化することなく設置することは、異なるセル識別子を隣接するセルに割り当てることを困難にする。
【0014】
ピコセル及びマイクロセルが同じ周波数を使用するとき、それらのセルは、通常、はるかに多くの個数の隣接セルに接しなければならない。隣接セルの個数が増加するにつれて、隣接セルのリストのサイズも増加する。隣接セルのリストのサイズのこのような増加によって無線資源が消費され、移動端末はより多くの信号を走査しなければならない。その結果、移動端末はより多くの電力を消費し、測定にはより長い時間を要する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
したがって、本発明の目的は、同一のセル識別子が割り当てられた隣接セル群の中から、移動端末がいずれのセル内に位置するのかを決定することを可能にする方法及びデバイスを提案することである。また、本発明は、隣接セルの識別子のリストのサイズを制限することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
その目的のために、本発明は、無線セルラー通信ネットワークのセル群の中から移動端末が位置するセルを決定することを可能にする方法に関する。この方法においては、セル群中の各セルは基地局によって管理され、
− セル群内に移動端末が存在することを検出するステップと、
− 移動端末が少なくともセル群中のセルを管理する基地局の一部へデータを転送することを可能にするステップと、
− セル群中の1つのセルを管理する1つの基地局を通して移動端末からデータを受信するステップと、
− データが受信される際に通る基地局により管理されるセルを移動端末が位置するセルとして決定するステップと、
を含むことを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、無線セルラー通信ネットワークのセル群の中から移動端末が位置するセルを決定することを可能にするためのデバイスにも関する。このデバイスにおいては、セル群中の各セルは基地局によって管理され、
− セル群内に移動端末が存在することを検出する手段と、
− 移動端末がセル群中のセルを管理する基地局の少なくとも一部へデータを転送することを可能にする手段と、
− セル群中の1つのセルを管理する1つの基地局を通して移動端末からデータを受信する手段と、
− データが受信される際に通る基地局により管理されるセルを移動端末が位置するセルとして決定する手段と、
を含むことを特徴とする。
【0018】
したがって、たとえセル群中のすべてのセルが同一のセル識別子を割り当てられていても、移動端末がセル群中のいずれのセル内に位置するのかを決定することが可能である。
【0019】
特定の特徴によれば、複数の基地局を通して移動端末からデータが受信され、データが受信される際に通る複数の基地局の中から、或る基準に従って1つの基地局を選択して、移動端末が位置するセルを管理する基地局とするステップをさらに含む。
【0020】
特定の特徴によれば、基地局は、データが受信される際に通る少なくとも1つの基地局の中から、負荷の低い基地局が選択される。
【0021】
したがって、移動端末からの/移動端末へのデータの転送に割り当てることができる容量は最大になり、ハンドオーバをシームレスに実現することができる。
【0022】
特定の特徴によれば、基地局は、データが受信される際に通る少なくとも1つの基地局の中から最良の無線品質を有するものが選択される。
【0023】
したがって、移動端末からの/移動端末へのデータの転送の無線品質は最大になり、ハンドオーバをシームレスに実現することができる。
【0024】
特定の特徴によれば、セル群中のセルを管理する各基地局は、基地局が管理するセルにおいて、同一のセルを識別する情報を表す信号を転送する。
【0025】
したがって、同一の識別子を隣接するセルに割り当てることができる。セルを識別する情報の数が削減されるので、隣接セルのリストのサイズが削減される。
【0026】
特定の特徴によれば、セル群中のセルを管理する各基地局はコントローラに関連付けられ、本方法はコントローラによって実行される。
【0027】
したがって、移動端末がセル群中のセルを管理する各基地局へデータを転送することを可能にする情報を、コントローラに集中させることができる。データの送信についての移動端末間の衝突を解消することができる。
【0028】
したがって、他の基地局には、セル群によって形成された仮想セルは、1つの単一仮想基地局によって制御されているように見える。仮想セル内にフェムト基地局を追加しても、他の基地局に影響を及ぼすことはない。無線セルラー通信ネットワークの動作は、多数のフェムト基地局の出現をより容易に処理することができる。
【0029】
特定の特徴によれば、移動端末は、セル群に属さない1つのセルを管理する別の基地局からのハンドオーバコマンドメッセージを受信することによって検出され、このメッセージは、セルを識別する情報を含み、セル群中の各セルにおいて転送される。
【0030】
したがって、別の基地局には、セル群が1つの仮想セルとして見える。別の基地局によって管理されるセルに隣接するセルの個数が削減される。別の基地局は、移動端末が多数の隣接フェムト基地局とのハンドオーバを実現するのを助けることができる。隣接フェムト基地局が無線セルラー通信ネットワークに追加されるときに、別の基地局を再構成する必要はない。
【0031】
したがって、移動端末は、別の基地局によって制御されるセルと、コントローラによって制御されるセル群中のセルの1つとの間を移動するときに、不通になることなしに効果的なハンドオーバを実現することができる。
【0032】
特定の特徴によれば、コントローラは、セル群中のセルを管理する基地局のセット(set)を決定し、移動端末に宛てたデータを、基地局のセット内の各基地局へ転送し、データが移動端末から受信される際に通る基地局は、基地局のセット内の1つの基地局である。
【0033】
したがって、移動端末は、自身が位置するセルが決定されるよりも前にデータを受信することができる。それゆえ、進行中の通信の中断は回避される。
【0034】
特定の特徴によれば、基地局のセットは、移動端末の識別子と、セル群中のセルを管理する各基地局の識別子との間の少なくとも1つの関連付けに従って決定され、基地局の識別子は、移動端末が基地局を通して関与した呼の確立が既に許可されている場合には、移動端末の識別子に関連付けられる。
【0035】
したがって、基地局のセットは、セル群における移動端末の過去の経験に従って決定される。
【0036】
セル群は広いエリアをカバーし得るので、移動端末はセル群中のセルの限られた部分内を移動する。移動端末による基地局を通した呼の開始は、その基地局が、基地局のセットに含まれる良好な候補であるか否かを判断する基準である。
【0037】
特定の特徴によれば、基地局の識別子が移動端末の識別子に関連付けられるときのタイムスタンプが記憶され、このタイムスタンプは、移動端末が基地局を通して通信を確立するたびに更新され、基地局のセットは、移動端末の識別子と、基地局の識別子と、タイムスタンプ値との間の少なくとも1つの関連付けに従って決定される。
【0038】
したがって、呼が以前に確立された際に通った基地局が、基地局のセットに含まれることを回避することが可能である。
【0039】
特定の特徴によれば、基地局のセットは、基地局によって送信される信号の送信電力に従ってさらに決定される。
【0040】
したがって、基地局のセットに含まれる基地局の個数を削減することができる。
【0041】
特定の特徴によれば、1つの基地局によって送信される信号の送信電力は、少なくとも1つの移動端末によって転送された信号がその基地局によって検出される場合には第1の値に等しく、移動端末によって転送された信号がその基地局によって検出されない場合には第1の値よりも低い第2の値に等しく、その基地局によって送信される信号の送信電力が、所与の期間よりも短い期間の間、第1の値に等しい場合には、その基地局は基地局のセットに含められる。
【0042】
したがって、基地局のセットは、効果的なパラメータに従って決定される。基地局が移動端末を近時に検出した場合、このことは、移動端末がその基地局へ移動してきていることを意味すると共に、この移動端末がハンドオーバを必要とする移動端末であることの確率が高いことを意味する。それゆえ、その基地局は、基地局のセットに含まれるべきである。基地局が、長い間移動端末によって転送された信号を検出する場合、このことは、その基地局が、別の移動端末によって転送された信号を検出することを意味すると共に、移動端末がハンドオーバを必要としてその基地局のセルへ移動してきている確率は低いことを意味する。それゆえ、その基地局は基地局のセットに含まれるべきではない。
【0043】
特定の特徴によれば、基地局によって送信される信号の送信電力が、第2の値に等しい場合には、その基地局は基地局のセットから除去される。
【0044】
基地局がいずれの移動端末によって転送された信号も検出しない場合、このことは、移動端末がその基地局のセル内に位置していないことを意味する。それゆえ、その基地局は基地局のセットに含まれるべきではない。
【0045】
特定の特徴によれば、基地局のセットは、別の基地局によって管理されるセルと、セル群中の各セルとの間の移動確率に従って決定され、この移動確率の値は、別の基地局及びセル群中のセルから以前に実行されたハンドオーバ、及び/又は、ハンドオーバコマンドメッセージを転送した基地局によって管理されるセル及びセル群中のセルのロケーション情報に従って計算される。
【0046】
したがって、基地局のセットの決定は正確である。
【0047】
セットのサイズを最小にすることができるので、セット内のすべての基地局による移動端末に宛てたデータの同時送信に起因する能力低下を最小にすることができる。コントローラとコントローラによって制御される各基地局との間のシグナリングのレベルも最小にすることができる。
【0048】
特定の特徴によれば、基地局のセットは、セル群中のセルを管理する各基地局に対する移動端末のアクセス権に従って決定される。
【0049】
したがって、基地局のセットの決定は正確である。
【0050】
セットのサイズを最小にすることができるので、セット内のすべての基地局による移動端末に宛てたデータの同時送信に起因する能力低下を最小にすることができる。コントローラとコントローラによって制御される各基地局との間のシグナリングのレベルも最小にすることができる。
【0051】
特定の特徴によれば、少なくともセル群内において移動端末を一意に識別する利用可能な識別子を移動端末に割り当てることによって、移動端末は、セル群中のセルを管理する各基地局の少なくとも一部へデータを転送することが可能になる。
【0052】
したがって、基地局は、移動端末の異なる識別子で各データフローを識別するので、セル群内に存在する2つの異なる移動端末のデータフローを混同する可能性はない。
【0053】
特定の特徴によれば、
− 基地局のセット内の各基地局との間に移動端末のための接続をセットアップするステップと、
− アクセスゲートウェイとの間に移動端末のための接続をセットアップするステップと、
− ハンドオーバコマンドメッセージを転送した基地局へハンドオーバ応答メッセージを転送するステップと、
を実行することによって、移動端末は、セル群中のセルを管理する各基地局の少なくとも一部へデータを転送することが可能になる。
【0054】
特定の特徴によれば、データが基地局を通して移動端末から受信されるときに、コントローラは、少なくとも1つの移動確率の値を更新し、基地局のセット内の少なくとも1つの基地局との間で移動端末のための接続を解放し、その少なくとも1つの基地局は、データが移動端末から転送される際に通らない基地局である。
【0055】
したがって、接続は解放され、ネットワークのいくつかの資源を解放し、これらの資源は、他の移動端末に再割り当てすることができる。移動確率の値は、別の基地局によって管理されるセルとその基地局のセルとの間の移動の統計値をより良く反映する。これによって、他の移動端末のための基地局のセットを決定する正確度をより良くすることができる。
【0056】
特定の特徴によれば、コントローラは、移動端末から、移動端末が位置するセルを管理する基地局を通して、移動端末がアイドルモードに入っていくことを示すメッセージを受信し、少なくともメッセージが移動端末によって転送される際に通る基地局との間で、移動端末のための接続を解放し、アクセスゲートウェイとの間で、移動端末のための接続を解放し、移動端末に割り当てられていた識別子を、利用可能なものとして設定する。
【0057】
したがって、移動端末は、仮想セルにおいてアイドルモードにシームレスに入ることができる。移動端末及びアクセスゲートウェイが関係している限り、アイドルモードに入る手順は、移動端末が従来のセルにおいてアイドルモードに入るときと同じである。
【0058】
特定の特徴によれば、コントローラは、
− 移動端末が位置するセルを管理する基地局から、移動端末がセル群に属さないセルへ移動していることを示すメッセージを受信し、
− セル群に属さないセルを管理する基地局へ、ハンドオーバコマンドメッセージを転送し、
− 少なくとも移動端末がセル群に属さないセルへ移動していることを示すメッセージを転送した基地局との間で、移動端末のための接続を解放し、
− アクセスゲートウェイとの間で、移動端末のための接続を解放し、
− 移動端末に割り当てられていた識別子を、利用可能なものとして設定する。
【0059】
したがって、移動端末は、仮想セルとコントローラによって制御されるセル群に属さないセルとの間を移動するときに不通になることなく効果的なハンドオーバを実現することができる。移動端末、別のセルを制御する基地局、及びアクセスゲートウェイが関係している限り、ハンドオーバを実現する手順は変更されない。
【0060】
特定の特徴によれば、コントローラは、
− 移動端末が位置するセルを管理する基地局から、移動端末がセル群に属するセルへ移動していることを示すメッセージを受信し、
− セル群中のセルを管理する別の基地局のセットを決定し、
− 移動端末に宛てたデータを、別の基地局のセット内の各基地局へ転送し、
− 別の基地局のセット内の1つの基地局を通して、移動端末からデータを受信し、
− データが受信される際に通る基地局によって管理されるセルを、移動端末が位置するセルとして決定する。
【0061】
したがって、移動端末に宛てたデータは、別の基地局のセット内の各基地局を通してのみ転送される。この別の基地局のセットは、セル群中のセルを管理する基地局のセットよりも小さく決定することができる。バックホールネットワークの能力が節減される。
【0062】
特定の特徴によれば、移動端末は、セル群中のセルを管理する基地局からメッセージを受信することによって検出され、このメッセージは、移動端末がセル群中の1つのセルにおいてアクティブモードに入ることを示す情報を含む。
【0063】
したがって、移動端末が、同一のセル識別子を共有するセル群においてアクティブモードに入るとき、データがその移動端末から受信される際に通るセルは、その移動端末が位置するセルとして直接識別される。
【0064】
特定の特徴によれば、少なくともセル群内において移動端末を一意に識別する利用可能な識別子を移動端末に割り当てることによって、移動端末は、セル群中のセルを管理する基地局の少なくとも一部へデータを転送することが可能になる。
【0065】
したがって、移動端末のデータフローを、同一のセル識別子を共有するセル群中の或るセル内に位置する他の移動端末のデータフローと混同する可能性はない。
【0066】
特定の特徴によれば、
− メッセージを転送した基地局との間に移動端末のための接続をセットアップするステップと、
− アクセスゲートウェイとの間に移動端末のための接続をセットアップするステップと、
を実行することによって、移動端末は、セル群中のセルを管理する基地局の少なくとも一部へデータを転送することが可能になる。
【0067】
したがって、セル群中の1つのセルにおいて移動端末によって転送されたデータは、そのデータがあたかも従来のセルから来ているのと同じようにアクセスゲートウェイへルーティングすることができる。
【0068】
さらに別の態様によれば、本発明は、プログラマブルデバイス内に直接ロード可能なコンピュータプログラムであって、このコンピュータプログラムがプログラマブルデバイス上で実行されるときに、本発明による方法のステップを実施するための命令又はコード部を含む。
【0069】
コンピュータプログラムに関連する特徴及び利点は、本発明による方法及びデバイスに関連して上記で述べたものと同じであるので、ここでは繰り返さないことにする。
【0070】
本発明の特徴は、一例の実施形態の以下の説明を読むことによってより明らかになる。該説明は、添付図面を参照して作成されたものである。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明が実装された無線セルラー通信ネットワークのアーキテクチャを表す図である。
【図2】本発明によるコントローラのブロック図である。
【図3a】本発明の第1の実現形態によるコントローラによって実行されるアルゴリズムを示す図である。
【図3b】本発明の第1の実現形態によるコントローラによって実行されるアルゴリズムを示す図である。
【図4a】本発明の第2の実現形態によるコントローラによって実行されるアルゴリズムを示す図である。
【図4b】本発明の第2の実現形態によるコントローラによって実行されるアルゴリズムを示す図である。
【図4c】本発明の第2の実現形態によるコントローラによって実行されるアルゴリズムを示す図である。
【図5】本発明の第2の実現形態による基地局のセットを決定するためのコントローラによって実行されるアルゴリズムを示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0072】
図1は、本発明が実装された無線セルラー通信ネットワークのアーキテクチャを表す図である。
【0073】
セルラー通信ネットワークでは、アクセスゲートウェイAGWが、通信ネットワークを通して、複数の基地局BS20,BS30、及びコントローラCTRLに接続されている。通信ネットワークは、専用有線ネットワーク、若しくは公衆交換網のような公衆ネットワーク、若しくはIPベースのネットワーク、若しくは無線ネットワーク、若しくは非同期転送モードネットワーク、或いは上記に列挙したネットワークの組み合わせである。
【0074】
アクセスゲートウェイAGWは、リンクL20を通して基地局BS20に接続され、リンクL30を通して基地局BS30に接続され、リンクL10を通してコントローラCTRLに接続されている。
【0075】
通信ネットワークによって、基地局BS20,BS30、コントローラCTRLを互いに接続することも可能になり、基地局BS20,BS30、コントローラCTRLの間、又は基地局BS20,BS30、コントローラCTRLとアクセスゲートウェイAGWとの間のメッセージの転送及び情報の転送が可能になる。
【0076】
基地局BS20及びBS30は、それぞれが管理する少なくとも1つの各エリアAR20及びAR30を通して、信号又はメッセージを転送及び/又は受信することができる。エリアAR20及びAR30は、無線セルラー通信ネットワークではセルと呼ばれる。セルAR20は、セルAR20の近くに位置するセルARを識別する各識別子とは異なる識別子によって識別される。セルAR30は、エリアAR30の近くに位置するセルARを識別する各識別子とは異なる識別子によって識別される。
【0077】
各基地局BS20及びBS30は、それぞれのセルAR20及びAR30において、自身が管理するセルARの識別子をブロードキャスト制御チャネル(Broadcast Control Channel)(BCCH)上で転送する。
【0078】
セルAR20及びAR30は異なる識別子を有する。そのため、移動端末MT或いは無線セルラー通信ネットワークの何らかの通信デバイスは、ブロードキャスト制御チャネルにおいて信号を検出することができ、移動端末MTが位置するセルARを一意に識別することが可能になる。
【0079】
図1では、明確にするために2つの基地局BS10及びBS20のみが示されているが、無線セルラー通信ネットワークは、より多くの数の基地局BSを含む。
【0080】
図1には、別のエリアAR10も示されている。エリアAR10は、基地局BS1〜BS5によってそれぞれ管理される複数のエリアAR1〜AR5から構成されている。エリアAR1〜AR5は、無線セルラー通信ネットワークではセルARと呼ばれる。
【0081】
基地局BS1は、自身が管理するセルAR1を通して信号又はメッセージを転送及び/又は受信する。基地局BS2は、自身が管理するセルAR2を通して信号又はメッセージを転送及び/又は受信する。基地局BS3は、自身が管理するセルAR3を通して信号又はメッセージを転送及び/又は受信する。基地局BS4は、自身が管理するセルAR4を通して信号又はメッセージを転送及び/又は受信する。基地局BS5は、自身が管理するセルAR5を通して信号又はメッセージを転送及び/又は受信する。
【0082】
エリアAR10を構成するセルAR1〜AR5は、同一の識別子を有する。その識別子は、エリアAR10の近くに位置するセルAR20又はセルAR30のようなセルARを識別する各識別子とは異なる。
【0083】
各基地局BS1〜BS5は、自身が管理するそれぞれのセルAR1〜AR5において、セルARの識別子をブロードキャスト制御チャネル(BCCH)上で転送する。
【0084】
図1では、明瞭にするために、5つの基地局BS1〜BS5及び5つのセルAR1〜AR5しか示されていないが、エリアAR10は、より多くの数のセルAR及び基地局BSを備える。
【0085】
図1では、各基地局BS1〜B5は1つのセルARのみを管理するように示されているが、本明細書では、各基地局BSは、より多くの数のセルARを管理する場合があることに留意されたい。
【0086】
セルAR1〜AR5は、限定ではなく例として、マイクロセル、ピコセル、或いはフェムトセルである。
【0087】
基地局BS1〜BS5は、限定ではなく例として、マイクロ基地局、ピコ基地局、或いはフェムト基地局である。
【0088】
各基地局BS1〜BS5は、コントローラCTRLによって制御される。
【0089】
コントローラCTRLは、基地局BS20及びBS30からは、エリアAR10を通して信号を転送及び/又は受信する基地局BSであるとみなされる。実際には以下で開示するように、コントローラCTRLは、基地局BS1〜BS5のそれぞれのセルAR1〜AR5を通して信号を転送及び/又は受信する基地局BS1〜BS5を制御する。それゆえ、コントローラCTRLは、基地局BS20及びBS30にとっては、仮想セルAR10を通して信号を転送及び/又は受信する仮想基地局BSである。
【0090】
移動端末MTが仮想セルAR10内に位置するとき、移動端末MTは、自身がいずれのセルAR1〜AR5内に位置するのかを、ブロードキャスト制御チャネルで転送されたセルAR1〜AR5の識別子を使用して識別することはできない。移動端末MTが仮想セルAR10に入っていくとき、移動端末MTは、自身がいずれのセルAR1〜AR5に入っていくのかを、ブロードキャスト制御チャネルで転送されたセルAR1〜AR5の識別子を使用して識別することはできない。すべてのセルAR1〜AR5は同一の識別子を共有するので、その識別子は仮想セルAR10の識別子であるとみなされる。
【0091】
コントローラCTRLは、通信ネットワークを通して基地局BS1〜BS5にリンクされている。通信ネットワークは、専用有線ネットワーク、若しくは公衆交換網のような公衆ネットワーク、若しくはIPベースのネットワーク、若しくは無線ネットワーク、若しくは非同期転送モードネットワーク、或いは上述したネットワークの組み合わせである。
【0092】
コントローラCTRLは、リンクL1を通して基地局BS1にリンクし、リンクL2を通して基地局BS2にリンクし、リンクL3を通して基地局BS3にリンクし、リンクL4を通して基地局BS4にリンクし、リンクL5を通して基地局BS5にリンクしている。
【0093】
各リンクL1〜L5は、必要であれば、仮想セルAR10内に含まれる移動端末MT毎に、専用の接続をセットアップすることを可能にする。
【0094】
ここで、明確にするために図1では1つの仮想セルAR10のみが示されているが、コントローラCTRLは、複数の仮想セルを有することができることに留意されたい。
【0095】
1つのコントローラCTRLのみが図1に示されているが、無線セルラー通信ネットワークは、より多くの数のコントローラCTRLを含むことができる。
【0096】
一変形では、コントローラデバイスCTRLは、基地局BS20の一部である。そして、基地局BS20は、他の基地局BS30及びアクセスゲートウェイAGWからは、2つのセルAR20及びAR10を制御する1つの基地局であるとみなされ、リンクL10及びL20は、1つのリンクL10であるように見える。
【0097】
図1には、4つの移動端末MT1〜MT4が示されている。移動端末MT1は、基地局BS20のセルAR20に位置し、コントローラCTRLによって制御される仮想セルAR10のセルAR1内へ移動している。
【0098】
移動端末MT2は、コントローラCTRLによって制御される仮想セルAR10のセルAR5からセルAR4へ移動している。
【0099】
移動端末MT3は、コントローラCTRLによって制御される仮想セルAR10のセルAR4から基地局BS30のセルAR30へ移動している。
【0100】
移動端末MT4は、コントローラCTRLによって制御される仮想セルAR10のセルAR2に位置し、アイドルモードからアクティブモードへ移行している。
【0101】
4つの移動端末MTのみが図1には示されているが、より多くの数の移動端末MTが無線セルラー通信ネットワーク内に存在することを理解されたい。
【0102】
移動端末MTは、セルAR内に位置するとき、自身が位置するか又は呼び出し通知メッセージを受信することができるセルARを管理する基地局BSを通して、通信を確立又は受信又は継続することができる。
【0103】
図2は、本発明によるコントローラのブロック図である。
【0104】
例えば、コントローラCTRLは、バス201によって互いに接続されるコンポーネント、及び図3a及び図3bに開示されるようなプログラムによって制御されるプロセッサ200に基づくアーキテクチャを有する。
【0105】
バス201は、プロセッサ200を、読み取り専用メモリROM202、ランダムアクセスメモリRAM203、及びネットワークインターフェース204に接続する。
【0106】
メモリ203は、変数、仮想セルAR10の隣接セルとして知られるセルAR20及びAR30のようなセルARを識別する情報、これらのセルARを管理する基地局BSの識別子、並びに、本発明の第1の実現形態による図3a及び図3bに開示するようなアルゴリズムに関連するプログラムの命令、又は、本発明の第2の実現形態による図4a〜図4c及び図5に開示するようなアルゴリズムに関連するプログラムの命令を収容するように意図されたレジスタを含む。
【0107】
プロセッサ200は、無線インターフェース204の動作を制御する。
【0108】
読み出し専用メモリ202は、本発明の第1の実現形態による図3a及び図3bに開示するようなアルゴリズムに関連するプログラムの命令、又は、本発明の第2の実現形態による図4a〜図4c及び図5に開示するようなアルゴリズムに関連するプログラムの命令を含む。これらの命令は、コントローラCTRLに電源が投入されると、ランダムアクセスメモリ203へ転送される。
【0109】
コントローラCTRLは、ネットワークインターフェース204を通して通信ネットワークに接続される。例として、ネットワークインターフェース204は、DSL(デジタル加入者線)モデム、ISDN(総合デジタル通信網)インターフェース等である。そのようなインターフェースを通して、コントローラCTRLは、無線セルラー通信ネットワークのアクセスゲートウェイAGW、及び基地局BS20,BS30,BS1〜BS5と情報を交換する。
【0110】
ネットワークインターフェース204は、コントローラCTRLと各基地局BS1〜BS5との間の通信リンクを確立する手段、及び仮想セルAR10内に位置する各移動端末MTとアクセスゲートウェイAGWとのデータパスを確立する手段を備えている。
【0111】
図3a及び図3bは、本発明の第1の実現形態によるコントローラによって実行されるアルゴリズムを示す。
【0112】
より正確には、本アルゴリズムは、コントローラCTRLのプロセッサ200によって実行される。
【0113】
ステップS300において、プロセッサ200は、ネットワークインターフェース204を通してメッセージを受信したという通知を受け取る。
【0114】
次のステップS301において、プロセッサ200は、受信されたメッセージがハンドオーバコマンドメッセージであるかチェックする。
【0115】
ハンドオーバコマンドメッセージは、基地局BSによって中継されるメッセージであって、基地局BSを通して遠隔の通信デバイスと現在通信中である移動端末MTが、別の基地局BSを通して通信を継続することを意図していることを示すメッセージである。ハンドオーバコマンドメッセージは、少なくとも、移動端末MTの識別子、通信が経由されて継続すべき基地局BSのセルAR、すなわちターゲットセルARの識別子、及び通信が現在経由されて進行している基地局BSのセルAR、すなわち起点セルARの識別子を含んでいる。
【0116】
メッセージがハンドオーバコマンドメッセージである場合、プロセッサ200はステップS302へ移る。メッセージがハンドオーバコマンドメッセージでない場合、プロセッサ200はステップS320へ移る。
【0117】
ステップS302において、プロセッサ200は、ハンドオーバコマンドメッセージ内に含まれているターゲットセルARの識別子が、コントローラCTRLによって管理される1つの仮想セルAR10を識別しているかチェックする。
【0118】
ハンドオーバコマンドメッセージ内に含まれているターゲットセルARの識別子が、コントローラCTRLによって管理される1つの仮想セルAR10を識別していない場合、プロセッサ200はステップS313へ移る。このようなことは、仮想セルAR10内に位置する移動端末MTがその仮想セルAR10を離れて別のセルAR内へ入ろうとしているときに起こる。
【0119】
ハンドオーバコマンドメッセージ内に含まれているターゲットセルARの識別子が、コントローラCTRLによって管理される1つの仮想セルAR10を識別している場合、プロセッサ200はステップS303へ移る。
【0120】
ステップS303において、プロセッサ200は、ステップS302において求められた仮想セルAR10の識別子が、起点セルARの識別子と同一であるかチェックする。起点セルARは、移動端末MTが離れようとしているセルARであり、ステップS300において受信されたメッセージを送信した基地局BSによって制御されている。
【0121】
セルAR10の識別子が起点セルARの識別子と同一でない場合、プロセッサ200はステップS304に移る。
【0122】
図1の例によれば、移動端末MT1は、セルAR20から仮想セルAR10へ移動している。
【0123】
セルAR10の識別子が起点セルARの識別子と同一である場合、プロセッサ200はステップS316へ移る。
【0124】
ステップS304において、プロセッサ200は、ステップS300において受信されたハンドオーバコマンドメッセージを送信した基地局BS、すなわち基地局BS20を通して遠隔の通信デバイスと現在通信中であり、仮想セルAR10内に含まれるセルAR1〜AR5を管理する1つの基地局BS1〜BS5を通して通信の継続を意図している移動端末MT1のための、セル無線ネットワーク一時識別子C−RNTIを決定する。
【0125】
C−RNTIは、仮想セルAR10内の移動端末MT1を、仮想セルAR10内に位置する他の移動端末MT2、MT3、及びMT4から一意に識別する。
【0126】
次のステップS305において、プロセッサ200は、移動端末MT1のための無線ベアラパラメータを決定する。無線ベアラパラメータは、限定ではなく例として、最小及び/若しくは平均及び/若しくは最大のデータレート、レイテンシー遅延、及び/又はデータエラーレートのようなサービス品質のレベルに関連する。
【0127】
次のステップS306において、プロセッサ200は、移動端末MT1について、仮想セルAR10内に含まれるセルAR1〜AR5をそれぞれ管理する基地局BS1〜BS5の中から、移動端末MT1のための基地局BSのセット(set)を決定する。
【0128】
この基地局BSのセットは、好ましくは、移動元セルAR20及びセルAR1〜AR5から以前に実行されたハンドオーバから求められる移動確率、且つ/又は、プロセッサ200が隣接セルARを求めることを可能にするロケーション情報に従って決定される。
【0129】
図1の例によれば、移動端末MT1は、セルAR20から仮想セルAR10へ移動している。セルAR1及びAR4はセルAR20に近いので、移動端末MT1がセルAR1及びAR4に入っていく確率は、移動端末MT1がセルAR2、AR3、及びAR5に入っていく確率よりも高い。プロセッサ200によって決定された基地局BSのセットは、基地局BS1及びBS4を含む。
【0130】
ここで、一変形では、基地局BSのセットは、仮想セルAR10に含まれるセルAR1〜AR5をそれぞれ管理するすべての基地局BS1〜BS5を含むことに留意されたい。
【0131】
ここで、基地局BSのセットは、過負荷(overloaded)でない基地局BSのセットにさらに削減されることに留意されたい。
【0132】
例として、基地局BSのセルAR内にすでに位置している移動端末MTの個数又は基地局BSによって転送される若しくは転送されると予想される情報の量が所定のしきい値を超えているときに、基地局BSは過負荷となる。
【0133】
本発明の別の実施態様では、基地局BSのセットは、移動端末MTがアクセス権を保持する基地局BSのセットにさらに削減される。限定ではなく例として、決定された基地局BSのセットは、移動端末MTの所有者によって所有される基地局BSのみを含む。
【0134】
さらに別の例として、決定された基地局BSのセットは、移動端末MTの所有者によって所有されていない基地局BSではあるが、所与のしきい値以上であるアクセス権を割り当てられた移動端末MTに対してアクセスが開放されている基地局BSも含む。
【0135】
次のステップS307において、プロセッサ200は、移動端末MT1と、ステップS306において求められた基地局BSのセット内の各基地局BSとの間に、専用化された接続をセットアップする。
【0136】
プロセッサ200は、移動端末MT1と基地局BS1との間に、リンクL1上での専用化された接続をセットアップする。また、移動端末MT1と基地局BS4との間に、リンクL4上での専用化された接続をセットアップする。
【0137】
そのステップにおいて、基地局BSのセット内の各基地局BSは、移動端末MTに割り当てられたC−RNTIの通知を受ける。そして、そのC−RNTIについて、自身が管理するセルARを介して移動端末MTにより転送されるデータのためのアップリンク資源を自律的にスケジューリングする。
【0138】
次のステップS308において、プロセッサ200は、ステップS300において受信されたメッセージを送信した基地局BSへのハンドオーバ応答メッセージの転送を指示する。図1の例によれば、プロセッサ200は、ステップS300において受信されたハンドオーバコマンドメッセージを送信した基地局BS、すなわち基地局BS20へハンドオーバ応答メッセージを転送するように指示する。
【0139】
ハンドオーバ応答メッセージは、ハンドオーバコマンドメッセージへの肯定応答に相当する。
【0140】
同じステップにおいて、プロセッサ200は、フラグHOをヌル値に設定する。フラグHOの値は、移動端末MT1のターゲットセルARを識別しているか否かを表す。
【0141】
次のステップS309において、プロセッサ200は、ハンドオーバに関与する移動端末MTに専用化されたタイマTを起動する。
【0142】
次のステップS310において、プロセッサ200は、移動端末MT1に専用化されたデータパスが、リンクL10を通してコントローラCTRLとアクセスゲートウェイAGWとの間にすでに存在するかチェックする。
【0143】
移動端末MT1に専用化されたデータパスが、コントローラCTRLとアクセスゲートウェイAGWとの間に既に存在する場合、プロセッサ200はステップS311へ移る。そのようなことは、コントローラCTRLが複数の異なる仮想セルARを制御しており、移動端末MTが或る他の仮想セルARから仮想セルAR10へ移動しているときに生じる。そのようなときには、2つのC−RNTIが、移動端末MTに連続して割り当てられている。第1のC−RNTIは、ステップS300においてメッセージを受信する以前に、移動端末MTが他の仮想セルARに入ったときに、又は移動端末MTが他の仮想セルARにおいてアクティブになったときに割り当てられたものである。第2のC−RNTIは、移動端末MTが仮想セルAR10に入ったことを通知するハンドオーバコマンドメッセージを受信した後に、ステップS304において割り当てられたものである。
【0144】
移動端末MTのためのデータパスが、コントローラCTRLとアクセスゲートウェイAGWとの間にまだ存在していない場合、プロセッサ200はステップS312へ移る。
【0145】
ステップS311において、プロセッサ200は、第1のC−RNTIを、他の割り当てに利用可能なものとして設定する。その後、1つのC−RNTIのみが、移動端末MTに割り当てられる。一変形では、第1のC−RNTIは、ハンドオーバが完全に完了し且つデータがステップS330において移動端末から受信された後にのみ、利用可能なものとして設定される。
【0146】
その後、プロセッサ200はステップS300へ戻り、新しいメッセージの受信を待つ。
【0147】
ステップS312において、プロセッサ200は、移動端末MT1に専用化されたデータパスを、コントローラCTRLとアクセスゲートウェイAGWとの間に確立するように指示する。データパスは、仮想セルAR10内に位置する各移動端末MTについて確立される。
【0148】
その後、プロセッサ200はステップS300へ戻り、新しいメッセージの受信を待つ。
【0149】
ステップS313において、プロセッサ200は、ステップS300において受信されたメッセージ内に含まれているターゲットセルARの識別子を使用して、移動端末MTが入っていくセルARを管理する基地局BSを識別する。
【0150】
図1の例によれば、移動端末MT3は、仮想セルAR10からセルAR30へ移動している。その後、プロセッサ200は、基地局BS30を識別する。
【0151】
次のステップS314において、プロセッサ200は、ステップS313において識別された基地局BS30へハンドオーバコマンドメッセージを転送するように指示する。
【0152】
その後、プロセッサ200はステップS300へ戻り、新しいメッセージの受信を待つ。
【0153】
次のステップS316において、プロセッサ200は、ハンドオーバに関与する移動端末MTのために、仮想セルAR10に含まれるセルAR1〜AR5をそれぞれ管理する基地局BS1〜BS5の中から基地局BSのセットを決定する。
【0154】
図1の例によれば、ハンドオーバは、仮想セルAR10内の移動端末MT2に必要とされる。移動端末MT2は、セルAR5からセルAR4へ移動している。
【0155】
移動端末MTがエリアAR10内に位置するとき、基地局BS1〜BS5は、同一の共通信号、すなわちセルARの同一の識別子を表す信号を転送する。そのため、移動端末MTは、ブロードキャスト制御チャネルにおいて転送されたセルAR1〜AR5の識別子を使用して、移動端末MTがいずれのセルAR1〜AR5内に位置するのかを識別することはできない。
【0156】
本発明によれば、データを表す信号の電力レベル及び共通信号の電力レベルを監視することによって、移動端末MTについてハンドオーバの実行が必要であるか否かを区別することが可能である。
【0157】
移動端末MT2が基地局BS5から離れていくとき、基地局BS5により転送されて移動端末MT2により受信される共通信号の電力レベルは減少する。また、基地局BS5により転送及び/又は受信されるデータ信号の電力レベルも減少する。
【0158】
移動端末MT2が基地局BS4に近づいていくとき、すなわちセルAR4に入っていくとき、基地局BS4により転送されて移動端末MT2により受信される共通信号の電力レベルは増加する。また、移動端末MT2が基地局BS5を通して遠隔の通信デバイスとの通信にまだ関与しているので、基地局BS5により転送及び/又は受信されるデータ信号の電力レベルは減少する。
【0159】
それゆえ、移動端末MT2についてハンドオーバの実行が必要であるか否かを判断するために、共通信号の電力レベルの変動とデータ信号の電力レベルの変動との差異を使用することができる。
【0160】
移動端末MT2についてハンドオーバの実行が必要であるとき、メッセージがコントローラCTRLへ転送される。
【0161】
セルAR1〜AR5の識別子は同一であるので、コントローラCTRLは、移動端末MT2がセルAR5からセルAR4へ移動しているのか、或いはセルAR5からセルAR3へ移動しているのかを判断することはできない。
【0162】
セルAR3及びAR4はセルAR5に近いので、移動端末MT2がセルAR3及びAR4に入っていく確率は、移動端末MT2がセルAR1及びAR2に入っていく確率よりも高い。プロセッサ200によって決定される基地局BSのセットは、基地局BS3及びBS4を含む。
【0163】
ここで、一変形では、基地局BSのセットは、仮想セルAR10に含まれるセルAR1〜AR5をそれぞれ管理するすべての基地局BS1〜BS5を含むことに留意されたい。
【0164】
ここで、基地局BSのセットは、過負荷でない基地局BSのセットにさらに削減されることに留意されたい。
【0165】
例として、基地局BSのセルARにすでに位置する移動端末MTの個数又は基地局BSによって転送される若しくは転送されると予想される情報の量が所定のしきい値を超えているときに、基地局BSは過負荷となる。
【0166】
本発明の別の実施態様では、基地局BSのセットは、移動端末MTがアクセス権を保持する基地局BSのセットにさらに削減される。限定ではなく例として、決定された基地局BSのセットは、移動端末MTの所有者によって所有される基地局BSのみを含む。
【0167】
さらに別の例として、決定された基地局BSのセットは、移動端末MTの所有者によって所有されていない基地局BSではあるが、所与のしきい値以上であるアクセス権を割り当てられた移動端末MTに対してアクセスが開放されている基地局BSも含む。
【0168】
次のステップS317において、プロセッサ200は、基地局BSのセット内の各基地局BSとの間に接続をセットアップする。
【0169】
プロセッサ200は、移動端末MT2と基地局BS3との間に、リンクL3上での専用化された接続をセットアップする。また、移動端末MT2と基地局BS4との間に、リンクL4上での専用化された接続をセットアップする。
【0170】
次のステップS318において、プロセッサ200は、ステップS300において受信されたメッセージを送信した基地局BSへハンドオーバ応答メッセージを転送するように指示する。図1の例によれば、プロセッサ200は、ステップS300において受信されたハンドオーバコマンドメッセージを送信した基地局BS、すなわち基地局BS5へハンドオーバ応答メッセージを転送するように指示する。
【0171】
ハンドオーバ応答メッセージは、ハンドオーバコマンドメッセージへの肯定応答に対応する。
【0172】
同じステップにおいて、プロセッサ200は、フラグHOをヌル値に設定する。
【0173】
次のステップS319において、プロセッサ200は、ハンドオーバに関与する移動端末MTに専用化されたタイマTを起動する。
【0174】
その後、プロセッサ200はステップS300へ戻り、新しいメッセージの受信を待つ。
【0175】
ステップS320において、プロセッサ200は、受信されたメッセージが仮想セルAR10内に位置する移動端末MTへ転送されるデータを含むかチェックする。
【0176】
受信されたメッセージが移動端末MTへ転送されるデータを含む場合、プロセッサ200はステップS321へ移る。そうでない場合、プロセッサ200は、図3bのステップS330へ移る。
【0177】
ステップS321において、プロセッサ200は、移動端末MTに専用化された接続を通して、移動端末MTのための基地局BSのセットにおいて識別される各基地局BSへ、データを転送するように指示する。
【0178】
その後、プロセッサ200はステップS300へ戻り、新しいメッセージの受信を待つ。
【0179】
例として、データは移動端末MT1のためのものである。プロセッサ200は、移動端末MT1に専用化された接続を通して、移動端末MT1のための基地局BSのセットにおいて識別される基地局BS1及びBS4へ、データを転送するように指示する。
【0180】
図3bのステップS330において、プロセッサ200は、メッセージが基地局BS1〜BS5を通して移動端末MTにより転送されたデータを含むかチェックする。
【0181】
メッセージが或る移動端末MTによって転送されたデータを含む場合、プロセッサ200はステップS331へ移る。そうでない場合、プロセッサ200はステップS340へ移る。
【0182】
ステップS311において、プロセッサ200は、データを転送した移動端末MTに専用化されたデータパスを通して、アクセスゲートウェイAGWへデータを転送するように指示する。
【0183】
移動端末MT1がデータを転送した移動端末MTである場合、プロセッサ200は、メッセージを転送した基地局BS1を識別可能であるので、移動端末MT1がいずれのセルAR内に位置するのかを決定することができる。
【0184】
移動端末MT2がデータを転送した移動端末である場合、プロセッサ200は、メッセージを転送した基地局BS4を識別可能であるので、移動端末MT2がいずれのセルAR内に位置するのかを決定することができる。
【0185】
次のステップS332において、プロセッサ200は、ハンドオーバに関与する移動端末MTに専用化されたタイマTが満了しているかチェックする。
【0186】
ハンドオーバに関与する移動端末MTに専用化されたタイマTが満了していない場合、プロセッサ200はステップS339へ移り、データを含むメッセージが移動端末MTによって転送される際に通る基地局BSの識別子を記憶する。
【0187】
その後、プロセッサ200はステップS300へ戻り、新しいメッセージの受信を待つ。
【0188】
ハンドオーバに関与する移動端末MTに専用化されたタイマTが満了している場合、プロセッサ200はステップS333へ移る。
【0189】
ここで、別の実現形態では、本アルゴリズムは、ステップS309、S319、S332、及びS339を含まないことに留意されたい。
【0190】
次のステップS333において、プロセッサ200は、フラグHOの値がヌル値に等しいかチェックする。
【0191】
フラグHOの値がヌル値に等しい場合、プロセッサ200はステップS334へ移る。フラグHOの値が1に等しい場合、プロセッサ200はステップS300へ戻り、新しいメッセージの受信を待つ。
【0192】
ステップS334において、プロセッサ200は、或る基準に従って、ステップS339において識別子が記憶された基地局の中から1つの基地局BSを選択する。
【0193】
本発明の一実施態様では、プロセッサ200は、移動端末MTからのデータを転送した基地局BSの中から、最初にメッセージを転送した基地局BSを選択する。
【0194】
本発明の別の実施態様では、プロセッサ200は、移動端末MTからのデータを転送した基地局BSの中から、最良の無線品質が報告されたメッセージを転送した基地局BSを選択する。
【0195】
本発明のさらに別の実施態様では、プロセッサ200は、移動端末MTからのデータを転送した基地局BSの中から、負荷が低い旨のメッセージを転送した基地局BSを選択する。
【0196】
ここで、本アルゴリズムがステップS309、S319、S322、及びS339を含まないとき、プロセッサは、ステップS334を実行しないことに留意されたい。このようなときに、複数の基地局BSがメッセージを転送する場合、メッセージを転送した最初の基地局BSが、移動端末MTが位置するセルARを管理する基地局BSとして決定される。
【0197】
ステップS335において、プロセッサ200は、データを含むメッセージが移動端末MTによって転送された際に通った基地局BSのセルARと、起点基地局BSのセルARとの間でのハンドオーバに関連する移動確率を更新する。
【0198】
移動端末MT1がデータを転送する移動端末MTである場合、プロセッサ200は、セルAR20とAR1との間でのハンドオーバに関連する移動確率を更新する。
【0199】
移動端末MT2がデータを転送する移動端末MTである場合、プロセッサ200は、セルAR4とAR5との間でのハンドオーバに関連する移動確率を更新する。
【0200】
次のステップS336において、プロセッサ200は、データを転送する移動端末MTのための基地局BSのセットを、メッセージを転送した基地局BSに限定する。
【0201】
移動端末MT1がデータを転送する移動端末MTである場合、プロセッサ200は、移動端末MT1のための基地局BSのセットを基地局BS1に限定する。
【0202】
移動端末MT2がデータを転送する移動端末MTである場合、プロセッサ200は、移動端末MT2のための基地局BSのセットを基地局BS4に限定する。
【0203】
次にステップS337において、プロセッサ200は、データを転送する移動端末MTのための基地局BSのセットにもはや含まれない1つ又は複数の基地局BSと、データを転送する移動端末MTとの間の専用化された各接続を解放する。
【0204】
移動端末MT1がデータを転送する移動端末MTである場合、プロセッサ200は、移動端末MT1と基地局BS4との間のリンクL4上での専用化された接続を解放する。
【0205】
移動端末MT2がデータを転送する移動端末MTである場合、プロセッサ200は、移動端末MT2と基地局BS3との間のリンクL3上での専用化された接続を解放する。
【0206】
次のステップS338において、プロセッサ200は、フラグHOの値を値1に設定する。
【0207】
その後、プロセッサ200はステップS300へ戻り、新しいメッセージの受信を待つ。
【0208】
ステップS340において、プロセッサ200は、受信されたメッセージが、仮想セルAR10内に含まれる移動端末MTがアクティブモードに入ることを示す情報を含むかチェックする。
【0209】
移動端末MTは、無線セルラー通信ネットワークを通して遠隔の通信デバイスとの間で通信を確立しようとしているときにアクティブとなる。
【0210】
受信されたメッセージが、仮想セルAR10内に含まれる移動端末MTがアクティブモードに入ることを示す情報を含む場合、プロセッサ200はステップS341へ移る。そうでない場合、プロセッサ200はステップS350へ移る。
【0211】
例として、図1の移動端末MT4は、基地局BS2のセルAR2内でアクティブになる。
【0212】
ステップS341において、プロセッサ200は、移動端末MT4のためのセル無線ネットワーク一時識別子C−RNTIを決定する。
【0213】
次のステップS342において、プロセッサ200は、移動端末MT4のための無線ベアラパラメータを決定する。
【0214】
次のステップS343において、プロセッサ200は、移動端末MT4とメッセージを転送した基地局BS2との間にリンクL2上での専用化された接続をセットアップする。
【0215】
次のステップS344において、プロセッサ200は、移動端末MT1に専用化されたデータパスを、コントローラCTRLとアクセスゲートウェイAGWとの間に確立するように指示する。
【0216】
その後、プロセッサ200はステップS300へ戻り、新しいメッセージの受信を待
つ。
【0217】
ステップS350において、プロセッサ200は、受信されたメッセージがハンドオーバ応答メッセージであるかチェックする。
【0218】
受信されたメッセージがハンドオーバ応答メッセージである場合、プロセッサ200はステップS351へ移る。そうでない場合、プロセッサ200はステップS355へ移る。
【0219】
ステップS355において、プロセッサ200は、受信されたメッセージが、仮想セルAR10内に位置する移動端末MTがアイドルモードに入ることを示す情報を含むかチェックする。
【0220】
移動端末MTは、無線セルラー通信ネットワークを通した遠隔の通信デバイスとのいずれの通信にも関与していないとき、アイドルとなる。
【0221】
受信されたメッセージが、仮想セルAR10内に位置する移動端末MTがアイドルモードに入ることを示す情報を含む場合、プロセッサ200はステップS352へ移る。そうでない場合、プロセッサ200はステップS300へ戻り、新しいメッセージの受信を待つ。
【0222】
図1によれば、移動端末MT3は、セルAR4からセルAR30へ移動している。基地局BS30は、図3aのステップS314においてコントローラCTRLにより転送されたハンドオーバコマンドメッセージに応答して、ハンドオーバ応答メッセージを転送する。
【0223】
次のステップS351において、プロセッサ200は、ハンドオーバ応答メッセージが転送される移動端末MT、すなわち移動端末MT3を識別する。或いは、アイドルモードに入る移動端末MTを識別する。プロセッサ200は、受信されたメッセージ内に含まれる古いC−RNTIを読み出すことによって移動端末MTを識別する。次に、プロセッサ200は、同じステップにおいて、ハンドオーバコマンドメッセージを移動端末MTへ転送するように指示する。このハンドオーバコマンドメッセージは、ターゲットセルARにハンドオーバするように移動端末MTに通知すると共に、新しいC−RNTIを含んでいる。新しいC−RNTIは、ステップS300において受信されたメッセージを送信した基地局BSにより割り当てられたものであり、受信されたハンドオーバ応答メッセージ内に含まれている。この時点において、移動端末MTは、ターゲットセルAR内におけるそのC−RNTIについて、ターゲットセルARを介してデータを送信するためのアップリンク資源が許可されていることを検出することができる。
【0224】
次のステップS352において、プロセッサ200は、移動端末MT3と基地局BSのセット内に含まれる1つ又は複数の基地局BSとの間の移動端末MT3に専用化された各接続を解放するように指示する。或いは、プロセッサ200は、アイドルモードに入る移動端末MTと、その移動端末MTのための基地局BSのセット内に含まれる1つ又は複数の基地局BSとの間の、その移動端末MTに専用化された各接続を解放するように指示する。
【0225】
次のステップS353において、プロセッサ200は、コントローラCTRLとアクセスゲートウェイAGWとの間の、移動端末MT3に専用化されたデータパスを解放するように指示する。或いは、コントローラCTRLとアクセスゲートウェイAGWとの間の、アイドルモードに入る移動端末MTに専用化されたデータパスを解放するように指示する。
【0226】
次のステップS354において、プロセッサ200は、移動端末MT3或いはアイドルモードに入る移動端末MTに割り当てられていたC−RNTIを、利用可能なものとして設定する。
【0227】
その後、プロセッサ200はステップS300へ戻り、新しいメッセージの受信を待つ。
【0228】
図4a〜図4cは、本発明の第2の実現形態によるコントローラによって実行されるアルゴリズムを示す。
【0229】
より正確には、本アルゴリズムは、コントローラCTRLのプロセッサ200によって実行される。
【0230】
ステップS400において、プロセッサ200は、ネットワークインターフェース204を通してメッセージを受信したという通知を受ける。
【0231】
次のステップS401において、プロセッサ200は、図3aのステップS301において開示したように、受信されたメッセージがハンドオーバコマンドメッセージを表すかチェックする。
【0232】
ハンドオーバコマンドメッセージは、少なくとも、移動端末MTの一時移動局識別情報TMSI及びメッセージが転送される際に通る基地局BSの識別子を含む。
【0233】
TMSIは、所与のエリア内の移動端末MTの移動を管理する移動管理エンティティMMEによって移動端末MTに割り当てられる。
【0234】
TMSIによって、移動管理エンティティMMEは、自身が移動の管理を担当する他のすべての移動端末の中からその移動端末MTを識別することが可能になる。
【0235】
仮想セル又はセル群AR10内では、同一のセルを識別する情報を表す同一の信号が転送される。C−RNTIは、仮想セル又はセル群AR10内に位置する他の移動端末MT2、MT3、及びMT4から、移動端末MT1を一意に識別する。
【0236】
メッセージがハンドオーバコマンドメッセージである場合、プロセッサ200はステップS402へ移る。メッセージがハンドオーバコマンドメッセージでない場合、プロセッサ200はステップS440へ移る。
【0237】
ステップS402において、プロセッサ200は、ハンドオーバコマンドメッセージ内に含まれるターゲットセルARの識別子が、コントローラCTRLによって管理される1つの仮想セルAR10を識別するかチェックする。
【0238】
ハンドオーバコマンドメッセージ内に含まれるターゲットセルARの識別子が、コントローラCTRLによって管理される1つの仮想セルAR10を識別しない場合、プロセッサ200はステップS430へ移る。ハンドオーバコマンドメッセージ内に含まれるターゲットセルARの識別子が、コントローラCTRLによって管理される1つの仮想セルAR10を識別する場合、プロセッサ200はステップS403へ移る。
【0239】
ステップS403において、プロセッサ200は、ステップS402において求められた仮想セルAR10の識別子が、起点セルARの識別子と同じであるかチェックする。
【0240】
セルAR10の識別子が起点セルARの識別子と同じでない場合、プロセッサ200はステップS404へ移る。
【0241】
セルAR10の識別子が起点セルARの識別子と同じである場合、プロセッサ200はステップS420へ移る。
【0242】
ステップS404において、プロセッサ200は、ステップS400において受信されたハンドオーバコマンドメッセージを送信した基地局BSを通して遠隔の通信デバイスと現在通信中である移動端末MTのためのセル無線ネットワーク一時識別子C−RNTIを決定する。
【0243】
次のステップS405において、プロセッサ200は、図3aのステップS305において開示したように、移動端末MTのための無線ベアラパラメータを決定する。
【0244】
次のステップS406において、プロセッサ200は、移動端末MTについて、仮想セルAR10内に含まれるセルAR1〜AR5をそれぞれ管理する基地局BS1〜BS5の中から基地局BSのセットを決定する。
【0245】
基地局BSのセットは、図5に開示するようなアルゴリズムに従って決定される。
【0246】
ステップS407において、プロセッサ200は、決定された基地局BSのセットが空であるかチェックする。基地局BSのセットが空である場合、プロセッサ200はステップS408へ移り、移動端末MTへハンドオーバ失敗メッセージを転送するように指示する。すなわち、ハンドオーバ要求を拒否する。そうでない場合、プロセッサ200はステップS409へ移る。
【0247】
ステップS409〜S414は、ステップS307〜S312と同一である。これらのステップは、これ以上説明しないことにする。
【0248】
ステップS413〜S414の後、プロセッサ200はステップS400に戻り、新しいメッセージの受信を待つ。
【0249】
ステップS430において、プロセッサ200は、ステップS400において受信されたメッセージ内に含まれるターゲットセルARの識別子を使用して、移動端末MTが入っていくセルARを管理する基地局BSを識別する。
【0250】
次のステップS431において、プロセッサ200は、ステップS430において識別された基地局BSへハンドオーバコマンドメッセージを転送するように指示する。
【0251】
ステップS431の後、プロセッサ200はステップS400へ戻り、新しいメッセージの受信を待つ。
【0252】
ステップS420において、プロセッサ200は、仮想セルAR10内に含まれるセルAR1〜AR5をそれぞれ管理する基地局BS1〜BS5の中から、仮想端末MTのための基地局BSのセットを決定する。
【0253】
基地局BSのセットは、図5に開示するようなアルゴリズムに従って決定される。
【0254】
ステップS421において、プロセッサ200は、決定された基地局BSのセットが空であるかチェックする。基地局BSのセットが空である場合、プロセッサ200はステップS422へ移り、移動端末MTへハンドオーバ失敗メッセージを転送するように指示する。すなわち、ハンドオーバ要求を拒否する。その後、プロセッサ200はステップS400に戻り、新しいメッセージの受信を待つ。
【0255】
決定された基地局BSのセットが空でない場合、プロセッサ200はステップS423へ移る。
【0256】
ステップS423〜S425は、ステップS317〜S319と同一である。これらのステップは、これ以上説明しないことにする。
【0257】
ステップS425の後、プロセッサ200はステップS400に戻り、新しいメッセージの受信を待つ。
【0258】
図4bのステップS440において、プロセッサ200は、受信されたメッセージが仮想セルAR10内に位置する移動端末MTへ転送されるデータを含むかチェックする。
【0259】
受信されたメッセージが移動端末MTへ転送されるデータを含む場合、プロセッサ200はステップS441へ移る。そうでない場合、プロセッサ200はステップS450へ移る。
【0260】
ステップS441において、プロセッサ200は、移動端末MTに専用化された接続を通して、移動端末MTのための基地局BSのセットにおいて識別される各基地局BSへデータを転送するように指示する。
【0261】
ステップS442の後、プロセッサ200はステップS400に戻り、新しいメッセージの受信を待つ。
【0262】
ステップS450において、プロセッサ200は、メッセージが基地局BS1〜BS5を通して移動端末MTにより転送されたデータを含むかチェックする。
【0263】
メッセージが移動端末MTによって転送されたデータを含む場合、プロセッサ200はステップS451へ移る。そうでない場合、プロセッサ200はステップS460へ移る。
【0264】
ステップS451〜S459は、ステップS331〜S339と同一である。これらのステップは、これ以上説明しないことにする。
【0265】
ステップS458又はS459の後、プロセッサ200はステップS400へ戻り、新しいメッセージの受信を待つ。
【0266】
ステップS460において、プロセッサ200は、タイマTが満了しており且つデータが基地局BS1〜BS5を通して移動端末MTにより転送されていないかチェックする。
【0267】
タイマTが満了しており且つデータが基地局BS1〜BS5を通して移動端末MTにより転送されていない場合、プロセッサ200はステップS461へ移る。そうでない場合、プロセッサ200はステップS470へ移る。
【0268】
ステップS461において、プロセッサ200は、移動端末MTに割り当てられた基地局BSのセットが、図5の基地局BSのセットを決定するためのアルゴリズムによって決定されたサブセットS2に等しいかチェックする。
【0269】
移動端末MTに割り当てられた基地局BSのセットがサブセットS2に等しい場合、プロセッサ200はステップS462へ移る。そうでない場合、プロセッサ200はステップS463へ移る。
【0270】
ステップS463において、プロセッサ200は、移動端末MTへハンドオーバ失敗メッセージを転送するように指示する。すなわち、ハンドオーバ要求を拒否し、RAM203からサブセットS1を削除する。
【0271】
ステップS462において、プロセッサ200は、移動端末MTに割り当てられた基地局BSのセットを、図5のアルゴリズムによって決定されたサブセットS1に設定し、RAM203からサブセットS2を削除する。
【0272】
ステップS464において、プロセッサ200は、セルAR10の識別子が起点セルARの識別子と同じであるかチェックする。
【0273】
セルAR10の識別子が起点セルARの識別子と同じでない場合、プロセッサ200はステップS407へ移る。
【0274】
セルAR10の識別子が起点セルARの識別子と同じである場合、プロセッサ200はステップS421へ移る。
【0275】
図4cのステップS470において、プロセッサ200は、受信されたメッセージが、仮想セルAR10内に含まれる移動端末MTがアクティブモードに入ることを示す情報を含むかチェックする。
【0276】
移動端末MTは、無線セルラー通信ネットワークを通して遠隔の通信デバイスとの通信を確立しようとしているときにアクティブモードに入る。
【0277】
このメッセージは、少なくとも、メッセージが転送される際に通る基地局BSの識別子及び移動端末MTのTMSIを含む。
【0278】
受信されたメッセージが、仮想セルAR10内に含まれる移動端末MTがアクティブモードに入ることを示す情報を含む場合、プロセッサ200はステップS471へ移る。そうでない場合、プロセッサ200はステップS484へ移る。
【0279】
ステップS471において、プロセッサ200は、メッセージが転送される際に通る基地局BSの識別子とTMSIとの関連付けがRAMメモリ203内に存在するかチェックする。
【0280】
メッセージが転送される際に通る基地局BSの識別子とTMSIとの関連付けが存在する場合、プロセッサ200はステップS472へ移り、基地局BSの識別子とTMSIとの関連付けのタイムスタンプの値を更新する。その後、プロセッサ200はステップS473へ移る。
【0281】
メッセージが転送される際に通る基地局BSの識別子とTMSIとの関連付けが存在しない場合、プロセッサ200はステップS473へ移る。
【0282】
ステップS473において、プロセッサ200は、通信の確立が無線セルラー通信ネットワークによって受け付けられるかチェックする。通信の確立が受け付けられる場合、プロセッサ200はステップS476へ移る。そうでない場合、プロセッサ200はステップS474へ移る。
【0283】
ステップS474において、プロセッサ200は、通信の確立の拒否を知らせるメッセージを移動端末MTへ転送するように指示する。
【0284】
次のステップS475において、プロセッサ200は、メッセージが受信された際に通った基地局BSの識別子とTMSIとの関連付けを、基地局BSの識別子とTMSIとの関連付けのタイムスタンプと共に、RAMメモリ203から削除する。
【0285】
その後、プロセッサはステップS400へ戻る。
【0286】
ステップS476において、メッセージが受信された際に通った基地局BSの識別子とTMSIとがまだ記憶されていない場合、プロセッサ300は、メッセージが受信された際に通った基地局BSの識別子とTMSIとの関連付けをRAMメモリ203内に記憶する。また、プロセッサ200は、タイムスタンプがない場合には、基地局BSの識別子とTMSIとの関連付けのタイムスタンプも記憶し、タイムスタンプが既にある場合には、タイムスタンプを更新する。
【0287】
次のステップS477において、プロセッサ200は、基地局BSの識別子とTMSIとの関連付けの個数が所定の値よりも大きいかチェックする。
【0288】
基地局BSの識別子とTMSIとの関連付けの個数が所定の値よりも大きい場合、プロセッサ200はステップS478へ移る。そうでない場合、プロセッサ200はステップS479へ移る。
【0289】
ステップS478において、プロセッサ200は、RAMメモリ203内に記憶されたタイムスタンプの中で最も古いタイムスタンプを有する、基地局BSの識別子とTMSIとの関連付けをRAMメモリ203から削除する。同じステップにおいて、プロセッサ200は、最も古いタイムスタンプを削除し、ステップS479へ移る。
【0290】
ステップS479〜S482は、ステップS341〜S344とそれぞれ同一である。これらのステップは、これ以上説明しないことにする。
【0291】
ステップS482の後、プロセッサ200は、ステップS300へ戻り、新しいメッセージの受信を待つ。
【0292】
ステップS484において、プロセッサ200は、受信されたメッセージが基地局再接続であるかチェックする。
【0293】
本発明によれば、基地局BSが移動端末MTによって転送されたいかなる信号も検出しないとき、又は基地局BSが移動端末MTによって所定のしきい値よりも低い送信電力で転送された信号を検出しないとき、基地局BSは非アクティブモードに入る。非アクティブモードにおいて、基地局BSは、ダウンリンクチャネルで送信される信号の送信電力を第1の所定の値(例えばヌル値)に低減し、自身をコントローラCTRLから接続解除する。接続解除が行われるとき、基地局BSは接続解除メッセージをコントローラCTRLへ送信する。
【0294】
非アクティブモードの基地局BSが、移動端末MTによって転送された信号を検出するとき、又は非アクティブモードの基地局BSによって検出された信号が所定のしきい値よりも高い電力レベルを有するとき、基地局BSはアクティブモードに入る。アクティブモードにおいて、基地局BSは、ダウンリンクチャネルで送信される信号の送信電力を第2の所定の値に増加させ、自身をコントローラCTRLに接続する。接続が行われるとき、基地局BSは再接続メッセージをコントローラCTRLへ送信する。
【0295】
受信されたメッセージが基地局再接続メッセージである場合、プロセッサ200はステップS485へ移る。そうでない場合、プロセッサ200はステップS488へ移る。
【0296】
ステップS485において、プロセッサ200は、受信されたメッセージを送信した基地局BSがアクティブであることを示す情報をRAMメモリ203内に記憶する。
【0297】
次のステップS486において、プロセッサ200は、再接続メッセージの受信のタイムスタンプを、受信されたメッセージを送信した基地局BSがアクティブであることを示す情報と組み合わせてRAMメモリ203内に記憶する。
【0298】
その後、プロセッサ200はステップS400へ戻る。
【0299】
ステップS488において、プロセッサ200は、受信されたメッセージが基地局接続解除メッセージであるかチェックする。
【0300】
受信されたメッセージが基地局接続解除メッセージである場合、プロセッサ200はステップS489へ移る。そうでない場合、プロセッサ200はステップS490へ移る。
【0301】
ステップS489において、プロセッサ200は、受信されたメッセージを送信した基地局BSがアクティブでないことを示す情報をRAMメモリ203内に記憶する。
【0302】
その後、プロセッサ200はステップS400へ戻る。
【0303】
ステップS490において、プロセッサ200は、受信されたメッセージがハンドオーバ応答メッセージであるかチェックする。
【0304】
受信されたメッセージがハンドオーバ応答メッセージである場合、プロセッサ200はステップS491へ移る。そうでない場合、プロセッサ200はステップS492へ移る。
【0305】
ステップS491〜S495は、ステップS351〜S355とそれぞれ同一である。これらのステップは、これ以上説明しないことにする。
【0306】
ステップS495又はS494の後、プロセッサ200はステップS400へ戻り、新しいメッセージの受信を待つ。
【0307】
図5は、本発明の第2の実現態様による基地局のセットを決定するためにコントローラによって実行されるアルゴリズムを示す。
【0308】
より正確には、本アルゴリズムは、コントローラCTRLのプロセッサ200によって実行される。
【0309】
ステップS500において、プロセッサ200は、ステップS400において受信されたメッセージ内に含まれるTMSIを読み出す。
【0310】
次のステップS501において、プロセッサ200は、その受信されたメッセージ内に含まれるTMSIと基地局BSの識別子とのすべての関連付けを、RAMメモリ203から読み出す。
【0311】
次のステップS502において、プロセッサ200は、ステップS501において読み出された基地局BSの識別子を含む、基地局BSのサブセットS1を形成する。また、プロセッサ200は、RAMメモリ203にある基地局BSの空のサブセットS2を初期化する。一変形では、サブセットS1は、ステップS501において読み出された基地局BSのセット内において、サブセット選択ステップS306に従って決定される。
【0312】
次のステップS503において、プロセッサ200は、サブセットS1が空であるかチェックする。サブセットS1が空である場合、プロセッサ200はステップS504へ移る。そうでない場合、プロセッサ200はステップS505へ移る。
【0313】
ステップS504において、プロセッサ200は、基地局BSの空のセットを、基地局BSのセットとして決定する。
【0314】
ステップS505において、プロセッサ200は、サブセットS1内の基地局BSの識別子を1つ選択する。
【0315】
次のステップS506において、プロセッサ200は、受信されたメッセージ内に含まれるTMSIと選択された基地局BSの識別子との関連付けの有効期限が切れているかチェックする。そのために、プロセッサ200は、受信されたメッセージ内に含まれるTMSIと選択された基地局BSの識別子との関連付けのタイムスタンプが所与の日付よりも新しいかチェックする。所与の日付は、現在の日付から所定の期間(例えば2ヶ月)を引いたものである。
【0316】
受信されたメッセージ内に含まれるTMSIと選択された基地局BSの識別子との関連付けの有効期限が切れている場合、プロセッサ200はステップS507へ移る。そうでない場合、プロセッサ200はステップS509へ移る。
【0317】
ステップS507において、プロセッサ200は、TMSIと選択された基地局BSの識別子との関連付けを、TMSIと基地局BSの識別子との関連付けのタイムスタンプと共に、RAMメモリ203から削除する。
【0318】
その後、プロセッサ200はステップS508へ移る。
【0319】
ステップS509において、プロセッサ200は、識別子が選択された基地局BSがアクティブであるかチェックする。
【0320】
識別子が選択された基地局BSがアクティブである場合、プロセッサ200はステップS510へ移る。そうでない場合、プロセッサ200はステップS508へ移る。
【0321】
ステップS508において、プロセッサ200は、選択された基地局BSの識別子をサブセットS1から除去し、ステップS512へ移る。
【0322】
ステップS510において、プロセッサ200は、ステップ505において識別子が選択された基地局BSが近時にアクティブであったかチェックする。そのため、プロセッサ200は、ステップS496において記憶された基地局BSの再接続に関連付けられたタイムスタンプが所与の値よりも新しいかチェックする。この所与の値は、現在の時計の値から所定の期間(例えば数秒)を引いたものである。
【0323】
基地局BSが近時にアクティブであった場合、プロセッサ200はステップS511へ移り、その基地局BSの識別子をサブセットS2に加える。その後、プロセッサ200はステップS512へ移る。
【0324】
基地局BSが近時にアクティブにされていなかった場合、プロセッサ200はステップS512へ移る。
【0325】
ステップS512において、プロセッサ200は、サブセットS1内のすべての基地局BSがステップS505において選択されたかチェックする。サブセットS1内のすべての基地局BSが選択された場合、プロセッサ200はステップS513へ移り、そうでない場合、プロセッサ200はステップS505へ移る。
【0326】
ステップS513において、プロセッサ200は、サブセットS2が空であるかチェックする。サブセットS2が空である場合、プロセッサ200はステップS514へ移る。そうでない場合、プロセッサ200はステップS515へ移る。
【0327】
ステップS514において、プロセッサ200は、サブセットS1を基地局BSのセットとして決定し、RAMメモリ203からサブセットS2を削除する。
【0328】
ステップS515において、プロセッサ200は、サブセットS2を基地局BSのセットとして決定し、サブセットS1をRAM203内に記憶する。
【0329】
当然ながら、多数の変更を、本発明の範囲から逸脱することなく、上述の本発明の実施形態に対して行うことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線セルラー通信ネットワークのセル群の中から移動端末が位置するセルを決定することを可能にする方法であって、前記セル群中の各セルは基地局によって管理され、
− 前記セル群内に前記移動端末が存在することを検出するステップと、
− 前記移動端末が少なくとも前記セル群中のセルを管理する基地局のセットへデータを転送することを可能にするステップと、
− 前記セル群中の1つのセルを管理する1つの基地局を通して前記移動端末からデータを受信するステップと、
− 前記データが受信される際に通る基地局により管理されるセルを前記移動端末が位置するセルとして決定するステップと、
を含むことを特徴とする、無線セルラー通信ネットワークのセル群の中から移動端末が位置するセルを決定することを可能にする方法。
【請求項2】
複数の基地局を通して前記移動端末からデータが受信され、
該データが受信される際に通る前記複数の基地局の中から、或る基準に従って1つの基地局を選択して、前記移動端末が位置するセルを管理する基地局とするステップをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記セル群中のセルを管理する各基地局は、該基地局が管理するセルにおいて、同一のセルを識別する情報を表す信号を転送することを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記セル群中のセルを管理する各基地局はコントローラに関連付けられ、
該方法は前記コントローラによって実行されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記移動端末は、前記セル群に属さない1つのセルを管理する別の基地局からのハンドオーバコマンドメッセージを受信することによって検出され、
該メッセージは、前記セルを識別する情報を含み、前記セル群中の各セルにおいて転送されることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
− 前記セル群中のセルを管理する基地局のセットを決定するステップと、
− 前記移動端末に宛てたデータを、前記基地局のセット内の各基地局へ転送するステップと、
をさらに含み、
データが前記移動端末から受信される際に通る基地局は、前記基地局のセット内の1つの基地局であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記基地局のセットは、前記移動端末の識別子と、前記セル群中のセルを管理する各基地局の識別子との間の少なくとも1つの関連付けに従って決定され、
基地局の識別子は、前記移動端末が前記基地局を通して関与した呼の確立が既に許可されている場合には、前記移動端末の前記識別子に関連付けられることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記基地局の前記識別子が前記移動端末の前記識別子に関連付けられるときのタイムスタンプが記憶され、
該タイムスタンプは、前記移動端末が前記基地局を通して通信を確立するたびに更新され、
前記基地局のセットは、前記移動端末の前記識別子と、前記基地局の前記識別子と、前記タイムスタンプ値との間の少なくとも1つの関連付けに従って決定されることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記基地局のセットは、前記基地局によって送信される信号の送信電力に従ってさらに決定されることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
1つの基地局によって送信される信号の前記送信電力は、少なくとも1つの移動端末によって転送された信号が該基地局によって検出される場合には第1の値に等しく、移動端末によって転送された信号が該基地局によって検出されない場合には前記第1の値よりも低い第2の値に等しく、
該基地局によって送信される信号の該送信電力が、所与の期間よりも短い期間の間、前記第1の値に等しい場合には、該基地局は前記基地局のセットに含められることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記基地局によって送信される信号の前記送信電力が、前記第2の値に等しい場合には、該基地局は前記基地局のセットから除去されることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記基地局のセットは、前記別の基地局によって管理されるセルと、前記セル群中の各セルとの間の移動確率に従って決定され、
該移動確率の値は、前記別の基地局及び前記セル群中のセルから以前に実行されたハンドオーバ、及び/又は、前記ハンドオーバコマンドメッセージを転送した前記別の基地局によって管理されるセル及び前記セル群中のセルのロケーション情報に従って計算されることを特徴とする、請求項6〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記基地局のセットは、前記セル群中のセルを管理する各基地局に対する前記移動端末のアクセス権に従って決定されることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
少なくとも前記セル群内において前記移動端末を一意に識別する利用可能な識別子を前記移動端末に割り当てることによって、
前記移動端末は、前記セル群中のセルを管理する各基地局の少なくとも一部へデータを転送することが可能になることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
− 前記基地局のセット内の各基地局との間に前記移動端末のための接続をセットアップするステップと、
− アクセスゲートウェイとの間に前記移動端末のための接続をセットアップするステップと、
− 前記ハンドオーバコマンドメッセージを転送した前記基地局へハンドオーバ応答メッセージを転送するステップと、
を実行することによって、
前記移動端末は、前記セル群中のセルを管理する各基地局の少なくとも一部へデータを転送することが可能になることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
データが前記基地局を通して前記移動端末から受信されるときに、
− 少なくとも1つの移動確率の値を更新するステップと、
− 前記基地局のセット内の少なくとも1つの基地局との間で、前記移動端末のための前記接続を解放するステップであって、該少なくとも1つの基地局は、データが前記移動端末から受信される際に通らない基地局である、ステップと、
をさらに含むことを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
− 前記移動端末から、前記移動端末が位置するセルを管理する基地局を通して、前記移動端末がアイドルモードに入っていくことを示すメッセージを受信するステップと、
− 少なくとも前記メッセージが前記移動端末によって転送される際に通る基地局との間で、前記移動端末のための前記接続を解放するステップと、
− 前記アクセスゲートウェイとの間で、前記移動端末のための前記接続を解放するステップと、
− 前記移動端末に割り当てられていた前記識別子を、利用可能なものとして設定するステップと、
をさらに含むことを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
− 前記移動端末が位置するセルを管理する基地局から、前記移動端末が前記セル群に属さないセルへ移動していることを示すメッセージを受信するステップと、
− 前記セル群に属さないセルを管理する基地局へ、ハンドオーバコマンドメッセージを転送するステップと、
− 少なくとも前記移動端末が前記セル群に属さないセルへ移動していることを示す前記メッセージを転送した前記基地局との間で、前記移動端末のための前記接続を解放するステップと、
− 前記アクセスゲートウェイとの間で、前記移動端末のための前記接続を解放するステップと、
− 前記移動端末に割り当てられていた前記識別子を、利用可能なものとして設定するステップと、
をさらに含むことを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
− 前記移動端末が位置するセルを管理する基地局から、前記移動端末が前記セル群に属するセルへ移動していることを示すメッセージを受信するステップと、
− 前記セル群中のセルを管理する別の基地局のセットを決定するステップと、
− 前記移動端末に宛てたデータを、前記別の基地局のセット内の各基地局へ転送するステップと、
− 前記別の基地局のセット内の1つの基地局を通して、前記移動端末から他のデータを受信するステップと、
− 前記他のデータが受信される際に通る基地局によって管理されるセルを、前記移動端末が位置するセルとして決定するステップと、
をさらに含むことを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記移動端末は、前記セル群中のセルを管理する基地局からメッセージを受信することによって検出され、
該メッセージは、前記移動端末が前記セル群中の1つのセルにおいてアクティブモードに入ることを示す情報を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
少なくとも前記セル群内において前記移動端末を一意に識別する利用可能な識別子を前記移動端末に割り当てることによって、
前記移動端末は、前記セル群中のセルを管理する基地局の少なくとも一部へデータを転送することが可能になることを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記メッセージを転送した前記基地局との間に前記移動端末のための接続をセットアップするステップと、
前記アクセスゲートウェイとの間に前記移動端末のための接続をセットアップするステップと
を実行することによって、
前記移動端末は、前記セル群中のセルを管理する基地局の少なくとも一部へデータを転送することが可能になることを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
無線セルラー通信ネットワークのセル群の中から移動端末が位置するセルを決定することを可能にするためのデバイスであって、前記セル群中の各セルは基地局によって管理され、
− 前記セル群内に前記移動端末が存在することを検出する手段と、
− 前記移動端末が前記セル群中のセルを管理する基地局の少なくとも一部へデータを転送することを可能にする手段と、
− 前記セル群中の1つのセルを管理する1つの基地局を通して前記移動端末からデータを受信する手段と、
− 前記データが受信される際に通る基地局により管理されるセルを前記移動端末が位置するセルとして決定する手段と、
を含むことを特徴とする、無線セルラー通信ネットワークのセル群の中から移動端末が位置するセルを決定することを可能にするためのデバイス。
【請求項24】
プログラマブルデバイス内に直接ロード可能なコンピュータプログラムであって、該コンピュータプログラムがプログラマブルデバイス上で実行されるときに、請求項1〜22のいずれか一項に記載の方法における前記ステップを実施するための命令又はコード部を含む、コンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−529792(P2010−529792A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−511495(P2010−511495)
【出願日】平成19年8月20日(2007.8.20)
【国際出願番号】PCT/EP2007/007335
【国際公開番号】WO2008/151655
【国際公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(503163527)ミツビシ・エレクトリック・アールアンドディー・センター・ヨーロッパ・ビーヴィ (175)
【氏名又は名称原語表記】MITSUBISHI ELECTRIC R&D CENTRE EUROPE B.V.
【住所又は居所原語表記】Capronilaan 46, 1119 NS Schiphol Rijk, The Netherlands
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】