無線ネットワーク問題を突き止める方法、装置、およびシステム
本発明の各実施形態は、無線ネットワーク問題を突き止めるための方法、装置、およびシステムを開示する。具体的には、ユーザ機器(UE)に無線ネットワーク問題が生じた場合、無線リソース制御(RRC)接続を再確立もしくは確立するときに、または前記RRC接続が確立された後に、前記UEとの間で前記RRC接続を確立したセルは、前記UEによって送信された無線ネットワーク問題情報を受信し、無線ネットワーク問題が生じているサーバ側またはセルに、前記問題情報を転送する。これにより、ネットワーク側は、UEに生じている無線ネットワーク問題を自動的に特定し突き止めることができ、ネットワークは自らを調整し最適化することができ、結果的にネットワークパフォーマンスを改善し、ユーザの要求を満たすことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2009年2月20日に中国特許庁に出願された「METHOD, APPARATUS, AND SYSTEM FOR DETECTING A RADIO NETWORK PROBLEM」と題した中国特許出願第200910078405.6号の優先権を主張するものであり、引用によって上記出願の全体が本明細書に組み込まれる。
本発明は、無線ネットワークの分野に関し、特に、無線ネットワーク問題を検出する方法、装置、およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザ機器(UE)が無線ネットワークにアクセスしている間に、例えば、無線リンク障害(Radio Link Failure, RLF)またはハンドオーバ障害(Hand Over Failure, HOF)、早すぎるハンドオーバ(Handover Too Early)、遅すぎるハンドオーバ(Handover Too Late)、ピンポンハンドオーバなど、様々な無線ネットワーク問題が生じることがある。
【0003】
RLFがUEで生じた場合、UEは指定時間内に無線リソース制御(Radio Resource Control, RRC)を再確立する。指定時間内の再確立が失敗した場合、UEは続いてRRC確立要求を開始することができる。UEがハンドオーバ命令を受信し、指定時間内にハンドオーバを実行できなかった場合、すなわちHOFが生じた場合、UEは指定時間内にRRC再確立手順を実行することができる。同様に、指定時間内の再確立が失敗した場合、UEは同様にRRC確立要求を開始することができる。また、RLFがUEで生じた場合、RLFが生じる前にUEがキャンプしていたセルを先行セル(P-セル)と呼び、他のセルを一様に新規セル(N-セル)と呼ぶ。一方、HOFがUEで生じた場合は、ハンドオーバの概念が関係するため、3種類のセル、すなわちソースセル(S-セル)、ターゲットセル(T-セル)、および他のセル(O-セル)がある。
【0004】
例えば、RLFがUEで生じた場合のRRC再確立または確立の手順が図1に示されている。この手順は以下のステップを含む。
1. RLFがUEで生じる。
2. UEはRRC接続の再確立または確立の手順を開始する。
【0005】
具体的には、UEはP-セルまたはN-セルでRRC接続再確立を実行することができる。あるいはRRC再確立が失敗した後、UEはP-セルまたはN-セルで後続のRRC確立手順を開始することができる。
【0006】
図2は、UEがハンドオーバを実行してHOFが生じた場合におけるRRC再確立または確立の手順の概略図である。この手順は以下のステップを含む。
1. ソースセル(S-セル)がUEに対し測定構成を実行する。
2. UEは対応する測定を実行する。
3. 測定の結果が設定した条件を満たしている場合、UEは測定報告をS-セルに報告する。
4. S-セルはUEによって報告された測定報告に従い、ターゲットセル(T-セル)にUEをハンドオーバすることを決定する。
5. S-セルはT-セルにハンドオーバ要求メッセージを送信する。
6. T-セルはS-セルにハンドオーバ応答メッセージを返信する。
7. S-セルはUEにハンドオーバ命令を送信する。
8. この場合、T-セルの無線信号が好ましくなければ、UEは指定時間内にT-セルにハンドオーバすることができない。
9. UE側のタイマセットが終了した後、HOFがUEで生じる。この場合、UEはRRC接続再確立手順を開始することができる。
【0007】
具体的には、UEは先行するハンドオーバのS-セルまたはT-セルまたはO-セル(O-セルはS-セルおよびT-セル以外のセルである)において、RRC接続再確立手順を実行することができ、あるいはRRC接続再確立が失敗した後、UEは後続のRRC接続確立手順を開始する。同様に、RRC接続確立手順をS-セル、T-セル、またはO-セルで実行することができる。
【0008】
先行技術における解決法によると、これらの無線ネットワーク問題を自動的に特定し検出することができる解決策が先行技術では得られない。したがって、早すぎるハンドオーバや遅すぎるハンドオーバといった様々な無線ネットワーク問題が、パラメータ設定に起因して生じる可能性があり、それによりUEで通話断絶(call drop)が生じ、ユーザ体験に影響が及ぶことがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
一態様では、本発明は無線ネットワーク問題を検出する方法を提供する。本方法は、無線ネットワーク問題がUEで生じた場合、UEによるRRC接続の再確立もしくは確立の手順で、またはRRC接続が確立された後に、UEによって送信された無線ネットワーク問題に関する問題情報を、UEとの間でRRC接続が確立されたセルによって受信する段階と、無線ネットワーク問題が生じたサーバまたはセルに問題情報を転送する段階とを有する。
【0010】
別の態様では、本発明は無線ネットワーク問題を検出する装置を提供する。本装置は、無線ネットワーク問題がUEで生じた場合、UEによるRRC接続の再確立もしくは確立の手順で、またはRRC接続が確立された後に、UEによって送信された無線ネットワーク問題に関する問題情報を受信し、無線ネットワーク問題が生じたサーバまたはセルに問題情報を転送するように構成された問題情報受信ユニットを具備する。
【0011】
別の態様では、本発明は無線ネットワーク問題を報告する方法を提供する。本方法は、無線ネットワーク問題がUEで生じ、UEによるRRC接続の再確立もしくは確立の手順で、またはRRC接続の確立後に、UEとの間でRRC接続が確立されたセルに対し、無線ネットワーク問題に関する問題情報を送信する段階を有する。問題情報は信号品質を含み、信号品質は参照信号受信電力(RSRP)および/または参照信号受信品質(RSRQ)を含む。
【0012】
さらに別の態様では、本発明はユーザ機器(UE)を提供する。UEは、無線ネットワーク問題がUEで生じた場合に、UEによるRRC接続の確立もしくは再確立の手順で、またはUEがRRC接続を確立した後に、RRC接続が確立されたセルに無線ネットワーク問題に関する問題情報を送信するように構成された送信ユニットを具備する。問題情報は信号品質を含み、信号品質は参照信号受信電力(RSRP)および/または参照信号受信品質(RSRQ)を含む。
【0013】
さらに別の態様では、本発明は無線ネットワークシステムを提供する。このシステムは、ネットワーク側の上記の装置と、上記のUEとを具備する。
【発明の効果】
【0014】
上記の技術的解決法により、無線ネットワーク問題がUEで生じた場合、UEによるRRC接続の再確立もしくは確立の手順で、またはUEがRRC接続を確立した後に、RRC接続が確立されたセルは、UEによって送信された無線ネットワーク問題に関する問題情報を受信し、無線ネットワーク問題が生じたサーバまたはセルへと転送する。この方法で、ネットワーク側は、UEで生じた無線ネットワーク問題を自動的に特定し検出することができ、それによりネットワークは自己調整および最適化を実行することができ、結果的にネットワークパフォーマンスを改善し、ユーザの使用要求を満たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】先行技術でのRLFがUEで生じた場合におけるRRC再確立または確立の手順の概略図である。
【図2】先行技術でのHOFがUEで生じた場合におけるRRC再確立または確立の手順の概略図である。
【図3】本発明の第1実施形態に従った方法の概略的流れ図である。
【図4】本発明の第2実施形態に従った装置の概略的構造図である。
【図5】本発明の第3実施形態に従ったシステムの概略的構造図である。
【図6】本発明の第4実施形態に従った特定の場合における信号相互作用の概略図である。
【図7】本発明の第5実施形態に従った特定の場合における信号相互作用の概略図である。
【図8】本発明の第6実施形態に従った特定の場合における信号相互作用の概略図である。
【図9】本発明の第7実施形態に従った特定の場合における信号相互作用の概略図である。
【図10】本発明の第8実施形態に従った特定の場合における信号相互作用の概略図である。
【図11】本発明の第9実施形態に従った特定の場合における信号相互作用の概略図である。
【図12】本発明の第10実施形態に従った特定の場合における信号相互作用の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態は、UEで生じた無線ネットワーク問題をネットワーク側が自動的に特定し検出することができるような、無線ネットワーク問題を検出する方法、装置、およびシステムを提供する。この方法により、ネットワークは自己調整および最適化を実行することができ、結果的にネットワークパフォーマンスを改善し、ユーザの使用要求を満たすことができる。
【0017】
本発明の一態様は、無線ネットワーク問題を検出する方法を提供する。この方法は以下のとおりである。無線ネットワーク問題がUEで生じた場合、ネットワーク側は、UEによるRRC接続の確立の手順で、またはRRC接続が確立された後に、UEによって送信された無線ネットワーク問題に関する問題情報を受信する。この方法により、ネットワーク側は、ネットワーク側にとってパラメータの最適化および無線ネットワーク問題の解決のための土台となる無線ネットワーク問題に関する問題情報を受信した後に、無線ネットワーク問題を検出することができる。
【0018】
以下では、添付の図面を参照して本発明の実施形態について詳述する。
【0019】
図3は、本発明の第1実施形態に従った無線ネットワーク問題を検出する方法の概略的流れ図である。本方法は以下の内容を含む。
31. UEによって送信された無線ネットワーク問題に関する問題情報を受信する。
【0020】
このステップでは、無線ネットワーク問題がUEで生じた場合、ネットワーク側は、UEによるRRC接続の確立の手順で、またはRRC接続が確立された後に、UEによって送信された無線ネットワーク問題に関する問題情報を受信する。ネットワーク側は、RRC接続が確立されたセル、または他のネットワークデバイスであってよい。
【0021】
無線ネットワーク問題は、無線リンク障害(RLF)問題、ハンドオーバ障害(HOF)問題、早すぎるハンドオーバ(Handover Too Early)、遅すぎるハンドオーバ(Handover Too Late)またはピンポンハンドオーバでありうる。
【0022】
より具体的には、問題情報は、RRC再確立もしくは確立の手順でRRC再確立メッセージもしくはRRC確立メッセージで送られることがあり、または、RRC再確立もしくは確立の手順が完了した後に他のメッセージで送られることがあり、例えば、問題情報はユーザ定義メッセージで送られることがある。
【0023】
また、特定の実施手順では、無線ネットワーク問題がRLF問題である場合、RLFに関する問題情報は、複数の情報、すなわち、エラー原因の情報、RLFの場合におけるS-セルの識別情報、RLFの場合におけるS-セルの追跡領域(TA)の識別情報、UEの識別情報、およびRLFが生じた時間からRRC再確立または確立が成功した時間までの時間情報のうちの1つまたは複数を含むことができる。無線ネットワーク問題がHOF問題である場合、HOFに関する問題情報は、複数の情報、すなわち、エラー原因の情報、HOFの場合におけるS-セルおよびT-セルの両方の識別情報、HOFの場合におけるS-セルの追跡領域(TA)の識別情報、UEの識別情報、およびハンドオーバ命令が受信された時間からRRC再確立または確立が成功した時間までの時間情報のうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0024】
ステップ31が実行された後、ネットワーク側はUEで生じた無線ネットワーク問題を自動的に特定し、検出することができ、それによりネットワークは自己調整および最適化を実行することができ、結果的にネットワークパフォーマンスを改善し、ユーザの使用要求を満たすことができる。
【0025】
また、ネットワークが問題情報を受信した後、ステップ32をさらに実行することができる。
32. 受信済み問題情報に従って問題分析を実行し、無線ネットワーク問題を解決するためパラメータを最適化する。
【0026】
特定の実施手順では、ネットワーク側がUEとの間でRRC接続が確立されたセルであり、無線ネットワーク問題が当該セルで生じた場合、当該セルは受信済み問題情報に対して問題分析を直接実行し、無線ネットワーク問題を解決するためパラメータを最適化する。
【0027】
ネットワーク側はまた、受信済み問題情報を、UEとの間でRRC接続が確立されたセルを介して、無線ネットワーク問題が生じたセルに転送することができ、無線ネットワーク問題が生じたセルは、受信済み問題情報に対して問題分析を実行し、無線ネットワーク問題を解決するためパラメータを最適化する。特定の実施態様では、受信済み問題情報は、無線ネットワーク問題が生じたセルに対し、基地局間インタフェースを介して、またはネットワーク要素の移転を介して転送でき、この場合にネットワーク要素は、中核ネットワークにおける移動性管理エンティティ(mobility management entity, MME)、要素管理システム(EMS)、またはネットワーク管理システム(NMS)であってよい。
【0028】
また、ネットワーク側は受信済み問題情報を、RRC接続が確立されたセルを介して特別なサーバにアップロードすることができ、次いでサーバは受信済み問題情報に対する分析および処理を実行する。この方法では、問題を集中的に分析し処理することができる。具体的には、集中的な分析および処理のために、受信済み問題情報はサウスバウンドインタフェース(southbound interface, Itf-S)を介して要素管理システム(EMS)に転送でき、または受信済み問題情報はノースバウンドインタフェース(northbound interface, Itf-N)を介してネットワーク管理システム(NMS)サーバに転送できる。
【0029】
特定の実施態様では、ネットワーク側はUEで生じた異なる無線ネットワーク問題に応じて異なる処理モードを採用することができる。具体的には、無線ネットワーク問題がUEで生じ、無線リンク障害(RLF)であるとき、UEとの間でRRC接続が確立されたセルがRLFの生じたP-セルである場合、P-セルは受信済み問題情報に対して問題分析を直接実行し、無線ネットワーク問題を解決するためパラメータを最適化することができる。
【0030】
UEとの間でRRC接続が確立されたセルがN-セルである場合、N-セルは、RLFが生じたP-セルに受信済み問題情報を送信することができる。例えば、N-セルは、基地局間インタフェースを介して、またはネットワーク要素の移転を介して、RLFが生じたP-セルに受信済み問題情報を転送することができる。P-セルは、受信済み問題情報に対して問題分析を実行し、無線ネットワーク問題を解決するためパラメータを最適化する。
【0031】
無線ネットワーク問題がUEで生じ、ハンドオーバ障害(HOF)であるとき、UEとの間でRRC接続が確立されたセルがRLFの生じたS-セルまたはHOFが生じたP-セルである場合、S-セルまたはP-セルは受信済み問題情報に対して問題分析を直接実行し、無線ネットワーク問題を解決するためパラメータを最適化することができる。
【0032】
あるいは、UEとの間でRRC接続が確立されたセルがT-セルである場合、T-セルは、HOFが生じたS-セルに受信済み問題情報を転送し、S-セルは受信済み問題情報に対して問題分析を実行し、無線ネットワーク問題を解決するためパラメータを最適化する。
【0033】
あるいは、UEとの間でRRC接続が確立されたセルがO-セルである場合、O-セルは、HOFが生じたS-セルまたはHOFが生じたT-セルに受信済み問題情報を転送し、S-セルまたはT-セルは受信済み問題情報に対して問題分析を実行し、無線ネットワーク問題を解決するためパラメータを最適化する。
【0034】
より具体的には、ネットワーク側がUEから受信する無線ネットワーク問題に関する問題情報は、旧/ソースセルの周波数、物理セル識別子(physical cell identity, PCI)、セルグローバル識別子(cell global identity, CGI)、IP、公衆陸上移動ネットワーク(PLMN)ID、および信号品質(例えば、参照信号受信電力(RSRP)、参照信号受信品質(RSRQ))などの情報をさらに含むことができる。N-セル/T-セルのアクセス制御基地局は、これまでの情報に従って、新規セル隣接関係を追加すること、またはX2インタフェースの確立を引き起こすことができ、その結果、カバレッジの弱さに起因する無線ネットワーク問題(例えば、RLF)を解決することができる。
【0035】
この実施形態は、ネットワーク側によって無線ネットワーク問題を検出する方法を提供し、ネットワーク問題情報に従ってネットワーク問題を解決する方法をさらに提供する。この実施形態で提供される技術的解決法を使用することによって、ネットワークは時間内にUEで生じたネットワーク問題を検出し、問題情報に対する問題分析を実行し、問題の原因を発見し、無線ネットワーク問題を解決するためパラメータを最適化することができる。
【0036】
本発明の第2実施形態は、無線ネットワーク問題を検出するネットワーク側の装置を提供する。図4は、本発明の第2実施形態に従った装置の概略的構造図である。図4に示されているように、この装置は問題情報受信ユニット41を含む。
【0037】
問題情報受信ユニット41は、無線ネットワーク問題がUEで生じた場合に、UEによるRRC接続の確立の手順で、またはRRC接続が確立された後に、UEによって送信された無線ネットワーク問題に関する問題情報を受信するように構成される。具体的な受信方法については、第1実施形態の説明を参照されたい。
【0038】
また、装置は、問題情報受信ユニットによって受信された問題情報に従って問題分析を実行し、無線ネットワーク問題を解決するためパラメータを最適化するように構成された問題処理ユニット42をさらに含むことができる。具体的な分析および処理の方法は、第1実施形態で説明している。
【0039】
この実施形態に従って無線ネットワーク問題を検出するネットワーク側の装置は、時間内にUEで生じた無線ネットワーク問題を検出し、ネットワーク側にとって無線ネットワーク問題を解決するための土台となる無線ネットワーク問題に関する問題情報を把握することができる。この方法で、ネットワーク側はさらに問題分析を実行し、無線ネットワーク問題を解決するためパラメータを最適化することができる。
【0040】
本発明の第3実施形態は、無線ネットワーク問題を検出するシステムを提供する。図5は、本発明の第3実施形態に従ったシステムの概略的構造図である。このシステムは、無線ネットワーク問題がUEで生じた場合に、RRC接続の確立の手順で、またはRRC接続が確立された後に、UEによって送信された無線ネットワーク問題に関する問題情報を受信するように構成されたネットワーク側51を含む。
【0041】
また、ネットワーク51は、受信済み問題情報に従って問題分析を実行し、無線ネットワーク問題を解決するためパラメータを最適化するようにさらに構成される。具体的な問題分析および処理の方法については、第1実施形態の方法の説明を参照されたい。
【0042】
この実施形態に従って無線ネットワーク問題を検出するシステムを使用して、ネットワークは、時間内にUEで生じた無線ネットワーク問題を検出し、ネットワーク側にとって無線ネットワーク問題を解決するための土台となる無線ネットワーク問題に関する問題情報を把握することができる。この方法で、ネットワーク側は問題分析を実行し、無線ネットワーク問題を解決するためパラメータを最適化することができる。
【0043】
留意すべきは、本発明の各種実施形態で提供した上記の装置およびシステムにおいて、各ユニットは機能論理に従ってのみ分割されているということである。しかしながら、ユニットが対応する機能を実施できる限り、分割はこれに限定されない。また、各機能ユニットの固有の名前は、区別を容易とするためのものに過ぎず、本発明の保護範囲を限定することを意図していない。
【0044】
以下では、無線ネットワーク問題を検出する方法について、特定の場合を挙げて詳述する。図6は、本発明の第4実施形態に従った特定の場合における信号相互作用の概略図である。この手順は以下の内容を含む。
1. RLFまたはHOFがUEで生じる。
2. RRC再確立が失敗した後にUEによって実行されるRRC再確立またはRRC確立の手順において、UEとの間でRRC接続が確立されたセルが、UEによって送信されたRLFまたはHOFに関する問題情報を受信する。
【0045】
問題情報は、RRC確立メッセージ(RRC接続要求)、RRC再確立メッセージ(RRC接続再確立)で、またはUEがRRC接続を確立した後に拡張されたメッセージで送ることができる。
【0046】
特定の実施手順では、RLFが生じた場合、UEとの間でRRC接続が確立されたセルは、P-セルおよびN-セルを含み、HOFが生じた場合、UEとの間でRRC接続が確立されたセルは、S-セル、T-セル、およびO-セルを含む。
3. UEとの間でRRC接続が確立されたセルは、RLFまたはHOFに関する問題情報をサーバに転送する。
【0047】
上記のステップ1〜3において、ネットワーク側は無線ネットワーク問題を検出する。さらに、問題情報に従ってサーバによって問題分析およびパラメータ最適化を実行する手順は、以下のステップを含む。
4. サーバは、問題分析を実行し、例えば、一定の時間内に測定された問題情報に従って問題分析を実行する。
5. 問題を解決するため問題分析の結果に従ってセルパラメータを調整する。
【0048】
この方法により、本発明の第4実施形態で提供される技術的解決法を使用して、ネットワーク側は、UEで生じた無線ネットワーク問題を自動的に特定し検出することができ、それによりネットワークは自己調整および最適化を実行することができ、結果的にネットワークパフォーマンスを改善し、ユーザの使用要求を満たすことができる。
【0049】
第5実施形態は、RLFがUEで生じた後の解決例である。この実施形態では、問題情報を受信したセルは、パラメータ最適化の目的を達成するため問題分析を直接実行することができる。図7は、本発明の第5実施形態に従った特定の場合における信号相互作用の概略図である。図7に示されているように、RLFがUEで生じた場合のRRC再確立または確立の手順は、以下の内容を含む。
1. RLFがUEで生じる。
2. P-セルが、UEによって報告されたRLFに関する問題情報を受信し、この場合にRLFに関する問題情報は、RRC確立もしくは再確立メッセージで送ることができ、またはRRC接続が確立された後に拡張されたメッセージで送ることができる。
【0050】
特定の実施手順では、RLFに関する問題情報を説明するために、以下のパラメータの任意の組み合わせをRRC確立もしくは再確立メッセージで、または拡張メッセージで送ることができる。
(A)エラー原因の情報、例えばRLFまたはHOF。
(B)RLFがUEで生じたときの、P-セルおよび/またはN-セルの識別子。この実施形態では、識別子はP-セルおよび/またはO-セルの関連識別子、例えば、周波数、物理セル識別子(PCI)、セルグローバル識別子(CGI)、PLMN ID、信号品質(RSRP、RSRQ)などの識別情報である。
(C)RLFがUEで生じた場合におけるサービングセルの追跡領域(TA)の識別情報。
(D)UEの固有の識別情報、例えば、セル無線ネットワーク仮識別子(cell-radio network temporary identity, C-RNTI)、仮移動加入者識別子(temporary mobile subscriber identity, TMSI)、および国際移動加入者識別子(international mobile subscriber identity, IMSI)。このパラメータに従ってUE関連のコンテキストを見つけることができ、それによりUEのコンテキストを分析して問題をより優れた形で解決することができる。
(E)RLFがUEで生じた時間からRRCの確立または再確立が成功した時間までの時間情報。このパラメータに従って、ネットワーク問題の原因が推論されうる。例えば、時間値が小さい場合、問題は不適切なパラメータ設定に起因する早すぎるハンドオーバ(Handover Too Early)または遅すぎるハンドオーバ(Handover Too Late)であると推論することができ、時間値が大きい場合、問題はカバレッジホールによるものと推論できる。
【0051】
上記のステップ1〜2において、ネットワーク側は無線ネットワーク問題を検出する。さらに、問題情報に従いP-セルによって実行された分析およびパラメータ最適化の処理はステップ3を含む。
3. P-セルは、ステップ2でフィードバックされた問題情報に従い問題分析を実行し、例えば、長期測定が直接実行され、分析を実行することで問題の根本原因を見つけ、次いで問題を解決するためセルパラメータ最適化を実行する。
【0052】
同様に、本発明の第6実施形態で提供される技術的解決法を使用して、ネットワーク側は、UEで生じた無線ネットワーク問題を自動的に特定し検出することができ、それによりネットワークは自己調整および最適化を実行することができ、結果的にネットワークパフォーマンスを改善し、ユーザの使用要求を満たすことができる。
【0053】
第6実施形態もまた、RLFがUEで生じた後の解決例である。この実施形態は、以下の点で第5実施形態と異なる。この実施形態では、RLFがUEで生じた後、RRC再確立または確立の手順がN-セルで実行される。図8は、第6実施形態に従った特定の場合における信号相互作用の概略図である。この手順は以下の内容を含む。
1. RLFがUEで生じる。
2. N-セルが、UEによって報告されたRLFに関する問題情報を受信し、この場合にRLFに関する問題情報は、RRC確立もしくは再確立メッセージで送ることができ、またはUEがRRC接続を確立した後に拡張されたメッセージで送ることができる。
【0054】
特定の実施手順では、RRC確立もしくは再確立メッセージまたは拡張メッセージで送られるパラメータ情報は、本発明の第5実施形態におけるパラメータ情報と同じである。
3. N-セルは、RLFが生じたP-セルに問題情報を転送する。特定の実施手順では、P-セルの識別子は、UEによって報告されたRLFに関する問題情報で送られたセル識別情報に従って発見できる。
【0055】
上記のステップ1〜3において、ネットワークは無線ネットワーク問題を検出する。さらに、問題情報に従いP-セルによって実行される分析およびパラメータ最適化の処理は、以下を含む。
4. P-セルは、ステップ3でフィードバックされた問題情報に従い問題分析を実行し、例えば、長期測定が実行され、分析を実行することで問題の根本原因を見つけ、次いで問題を解決するためパラメータ最適化を実行する。
【0056】
同様に、本発明の第6実施形態で提供される技術的解決法を使用して、ネットワーク側は、UEで生じた無線ネットワーク問題を自動的に特定し検出することができ、それによりネットワークは自己調整および最適化を実行することができ、結果的にネットワークパフォーマンスを改善し、ユーザの使用要求を満たすことができる。
【0057】
第7実施形態は、HOFがUEで生じた後の解決例である。第7実施形態では、問題情報を受信したセルは、パラメータ最適化の目的を達成するため問題分析を直接実行することができる。図9は、本発明の第7実施形態に従った特定の場合における信号相互作用の概略図である。図9に示されているように、HOFがUEで生じた場合にRRC再確立または確立の手順がS-セルで実行され、当該手順は以下の内容を含む。
1. HOFがUEで生じる。
2. S-セルが、UEによって報告されたHOFに関する問題情報を受信し、この場合にHOFに関する問題情報は、RRC確立もしくは再確立メッセージで送ることができ、またはUEがRRC接続を確立した後に拡張されたメッセージで送ることができる。
【0058】
特定の実施手順では、HOFに関する以下の問題情報を説明するために以下のパラメータをRRC確立もしくは再確立メッセージで、または拡張メッセージで送ることができる。
(A)エラー原因の情報。
(B)HOFがUEで生じた場合におけるS-セルおよびT-セルの識別情報、例えば周波数、物理セル識別子(Physical Cell Identity, PCI)、セルグローバル識別子(Cell Global Identity, CGI)、IP、PLMN ID、および信号品質(RSRP、RSRQ)。
(C)HOFがUEで生じた場合におけるS-セルの追跡領域(Tracking Area, TA)の識別情報。
(D)UEの固有の識別子、例えばC-RNTI、TMSI、またはIMSI。
(E)UEがハンドオーバ命令を受信した時間からRRCの確立または再確立が成功した時間までの時間情報。
【0059】
上記のステップ1〜2において、ネットワークは無線ネットワーク問題を検出する。さらに、問題情報に従いS-セルによって実行される分析およびパラメータ最適化の処理は、以下を含む。
3. S-セルは、ステップ2でフィードバックされた問題情報に従い問題分析を実行し、例えば、長期測定が実行され、分析を実行することで問題の根本原因を見つけ、次いで問題を解決するためパラメータ最適化を実行する。
【0060】
同様に、本発明の第7実施形態で提供される技術的解決法を使用して、ネットワーク側は、UEで生じた無線ネットワーク問題を自動的に特定し検出することができ、それによりネットワークは自己調整および最適化を実行することができ、結果的にネットワークパフォーマンスを改善し、ユーザの使用要求を満たすことができる。
【0061】
第8実施形態もまた、HOFがUEで生じた後の解決例である。第8実施形態は、以下の点で第7実施形態と異なる。第8実施形態では、HOFがUEで生じた後、RRC再確立または確立の手順がT-セルで実行される。図10は、第8実施形態に従った特定の場合における信号相互作用の概略図である。この手順は以下の内容を含む。
1. HOFがUEで生じる。
2. T-セルが、UEによって報告されたHOFに関する問題情報を受信し、この場合にHOFに関する問題情報は、確立もしくは再確立メッセージで送ることができ、またはUEがRRC接続を確立した後に拡張されたメッセージで送ることができる。
【0062】
確立もしくは再確立メッセージまたは拡張メッセージで送られるパラメータ情報は、本発明の第7実施形態におけるパラメータ情報と同じである。
3. T-セルは、HOFが生じたS-セルに問題情報を転送する。特定の実施態様では、UEによって報告されたHOFに関する問題情報で送られたセル識別情報に従って、S-セルの識別情報が取得される。
【0063】
上記のステップ1〜3において、ネットワークは無線ネットワーク問題を検出する。さらに、問題情報に従いS-セルによって実行される分析およびパラメータ最適化の手順は、以下を含む。
4. S-セルは、ステップ3でフィードバックされた問題情報に従い問題分析を実行し、例えば、長期測定が実行され、分析を実行することで問題の根本原因を見つけ、次いで問題を解決するためパラメータ最適化を実行する。
【0064】
特定の実施手順では、T-セルとS-セルとの間のメッセージは、既存のUE CONTEXT RELEASEメッセージまたは新規のユーザ定義メッセージを介して転送されうる。
【0065】
同様に、本発明の第8実施形態で提供される技術的解決法を使用して、ネットワーク側は、UEで生じた無線ネットワーク問題を自動的に特定し検出することができ、それによりネットワークは自己調整および最適化を実行することができ、結果的にネットワークパフォーマンスを改善し、ユーザの使用要求を満たすことができる。
【0066】
第9実施形態もまた、HOFがUEで生じた後の解決例である。HOFが生じた後、RRC再確立または確立の手順がT-セルで実行される。この第9実施形態は、以下の点で第8実施形態と異なる。この第9実施形態では、T-セルは対応する問題分析および処理を直接実行する。図11は、本発明の第9実施形態に従った特定の場合における信号相互作用の概略図である。この手順は以下の内容を含む。
1. HOFがUEで生じる。
2. T-セルが、UEによって報告されたHOFに関する問題情報を受信し、この場合にHOFに関する問題情報は、RRC確立もしくは再確立メッセージで送ることができ、またはUEがRRC接続を確立した後に拡張されたメッセージで送ることができる。
【0067】
RRC確立もしくは再確立メッセージまたは拡張メッセージで送られるパラメータ情報は、本発明の第7実施形態におけるパラメータ情報と同じである。
【0068】
上記のステップ1〜2において、ネットワーク側は無線ネットワーク問題を検出する。さらに、問題情報に従いT-セルによって実行される分析およびパラメータ最適化の手順は、以下を含む。
3. T-セルは、ステップ2でフィードバックされた問題情報に従い問題分析を実行し、例えば、長期測定が実行され、分析を実行することで問題の根本原因を見つけ、次いで問題を解決するためパラメータ最適化を実行する。
【0069】
同様に、本発明の第9実施形態で提供される技術的解決法を使用して、ネットワークは、UEで生じた無線ネットワーク問題を自動的に特定し検出することができ、それによりネットワークは自己調整および最適化を実行することができ、結果的にネットワークパフォーマンスを改善し、ユーザの使用要求を満たすことができる。
【0070】
第10実施形態もまた、HOFがUEで生じた後の解決例である。第10実施形態は、以下の点で第9実施形態と異なる。第10実施形態では、HOFが生じた後、RRC再確立または確立の手順がO-セルで実行される。図12は、第10実施形態に従った特定の場合における信号相互作用の概略図である。この手順は以下の内容を含む。
1. HOFがUEで生じる。
2. O-セルが、UEによって報告されたHOFに関する問題情報を受信し、この場合にHOFに関する問題情報は、RRC確立もしくは再確立メッセージで送ることができ、またはUEがRRC接続を確立した後に拡張されたメッセージで送ることができる。
【0071】
RRC確立もしくは再確立メッセージまたは拡張メッセージで送られるパラメータ情報は、本発明の第7実施形態におけるパラメータ情報と同じである。
3. O-セルは、HOFが生じたS-セルまたはT-セルに問題情報を転送する。特定の実施手順では、UEによって報告されたHOFに関する問題情報で送られたセル識別情報に従って、S-セルまたはT-セルの識別情報が取得されうる。
【0072】
上記のステップ1〜3において、ネットワーク側は無線ネットワーク問題を検出する。さらに、問題情報に従いS-セルまたはT-セルによって実行される分析およびパラメータ最適化の処理は、以下を含む。
4. S-セルまたはT-セルは、ステップ3でフィードバックされた問題情報に従い問題分析を実行し、例えば、長期測定が実行され、分析を実行することで問題の根本原因を見つけ、次いで問題を解決するためパラメータ最適化を実行する。
【0073】
本発明の第10実施形態で提供される技術的解決法を使用して、ネットワーク側は、UEで生じた無線ネットワーク問題を自動的に特定し検出することができ、それによりネットワークは自己調整および最適化を実行することができ、結果的にネットワークパフォーマンスを改善し、ユーザの使用要求を満たすことができる。
【0074】
当業者は、上記の各種実施形態で提供された方法におけるステップの全部または一部が、プログラムによる命令を受けるハードウェアによって実行できることを理解できよう。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体、例えば読み取り専用メモリ、磁気ディスクおよびコンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)に保存できる。
【0075】
結論として、本発明の実施形態に従った無線ネットワーク問題を検出する方法、装置、およびシステムを使用することにより、ネットワーク側は、UEで生じた無線ネットワーク問題を自動的に特定し検出することができ、それによりネットワークは自己調整および最適化を実行することができ、結果的にネットワークパフォーマンスを改善し、ユーザの使用要求を満たすことができる。
【0076】
上記の説明は、本発明の例示的な実施形態に過ぎず、本発明の範囲を限定することを意図していない。本発明の趣旨および原理から逸脱することなく行われるいかなる変更、同等の置き換え、または改善も、本発明の保護範囲内にある。したがって、本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲に依拠する。
【符号の説明】
【0077】
41 問題情報受信ユニット
42 問題処理ユニット
51 ネットワーク側
【技術分野】
【0001】
本出願は、2009年2月20日に中国特許庁に出願された「METHOD, APPARATUS, AND SYSTEM FOR DETECTING A RADIO NETWORK PROBLEM」と題した中国特許出願第200910078405.6号の優先権を主張するものであり、引用によって上記出願の全体が本明細書に組み込まれる。
本発明は、無線ネットワークの分野に関し、特に、無線ネットワーク問題を検出する方法、装置、およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザ機器(UE)が無線ネットワークにアクセスしている間に、例えば、無線リンク障害(Radio Link Failure, RLF)またはハンドオーバ障害(Hand Over Failure, HOF)、早すぎるハンドオーバ(Handover Too Early)、遅すぎるハンドオーバ(Handover Too Late)、ピンポンハンドオーバなど、様々な無線ネットワーク問題が生じることがある。
【0003】
RLFがUEで生じた場合、UEは指定時間内に無線リソース制御(Radio Resource Control, RRC)を再確立する。指定時間内の再確立が失敗した場合、UEは続いてRRC確立要求を開始することができる。UEがハンドオーバ命令を受信し、指定時間内にハンドオーバを実行できなかった場合、すなわちHOFが生じた場合、UEは指定時間内にRRC再確立手順を実行することができる。同様に、指定時間内の再確立が失敗した場合、UEは同様にRRC確立要求を開始することができる。また、RLFがUEで生じた場合、RLFが生じる前にUEがキャンプしていたセルを先行セル(P-セル)と呼び、他のセルを一様に新規セル(N-セル)と呼ぶ。一方、HOFがUEで生じた場合は、ハンドオーバの概念が関係するため、3種類のセル、すなわちソースセル(S-セル)、ターゲットセル(T-セル)、および他のセル(O-セル)がある。
【0004】
例えば、RLFがUEで生じた場合のRRC再確立または確立の手順が図1に示されている。この手順は以下のステップを含む。
1. RLFがUEで生じる。
2. UEはRRC接続の再確立または確立の手順を開始する。
【0005】
具体的には、UEはP-セルまたはN-セルでRRC接続再確立を実行することができる。あるいはRRC再確立が失敗した後、UEはP-セルまたはN-セルで後続のRRC確立手順を開始することができる。
【0006】
図2は、UEがハンドオーバを実行してHOFが生じた場合におけるRRC再確立または確立の手順の概略図である。この手順は以下のステップを含む。
1. ソースセル(S-セル)がUEに対し測定構成を実行する。
2. UEは対応する測定を実行する。
3. 測定の結果が設定した条件を満たしている場合、UEは測定報告をS-セルに報告する。
4. S-セルはUEによって報告された測定報告に従い、ターゲットセル(T-セル)にUEをハンドオーバすることを決定する。
5. S-セルはT-セルにハンドオーバ要求メッセージを送信する。
6. T-セルはS-セルにハンドオーバ応答メッセージを返信する。
7. S-セルはUEにハンドオーバ命令を送信する。
8. この場合、T-セルの無線信号が好ましくなければ、UEは指定時間内にT-セルにハンドオーバすることができない。
9. UE側のタイマセットが終了した後、HOFがUEで生じる。この場合、UEはRRC接続再確立手順を開始することができる。
【0007】
具体的には、UEは先行するハンドオーバのS-セルまたはT-セルまたはO-セル(O-セルはS-セルおよびT-セル以外のセルである)において、RRC接続再確立手順を実行することができ、あるいはRRC接続再確立が失敗した後、UEは後続のRRC接続確立手順を開始する。同様に、RRC接続確立手順をS-セル、T-セル、またはO-セルで実行することができる。
【0008】
先行技術における解決法によると、これらの無線ネットワーク問題を自動的に特定し検出することができる解決策が先行技術では得られない。したがって、早すぎるハンドオーバや遅すぎるハンドオーバといった様々な無線ネットワーク問題が、パラメータ設定に起因して生じる可能性があり、それによりUEで通話断絶(call drop)が生じ、ユーザ体験に影響が及ぶことがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
一態様では、本発明は無線ネットワーク問題を検出する方法を提供する。本方法は、無線ネットワーク問題がUEで生じた場合、UEによるRRC接続の再確立もしくは確立の手順で、またはRRC接続が確立された後に、UEによって送信された無線ネットワーク問題に関する問題情報を、UEとの間でRRC接続が確立されたセルによって受信する段階と、無線ネットワーク問題が生じたサーバまたはセルに問題情報を転送する段階とを有する。
【0010】
別の態様では、本発明は無線ネットワーク問題を検出する装置を提供する。本装置は、無線ネットワーク問題がUEで生じた場合、UEによるRRC接続の再確立もしくは確立の手順で、またはRRC接続が確立された後に、UEによって送信された無線ネットワーク問題に関する問題情報を受信し、無線ネットワーク問題が生じたサーバまたはセルに問題情報を転送するように構成された問題情報受信ユニットを具備する。
【0011】
別の態様では、本発明は無線ネットワーク問題を報告する方法を提供する。本方法は、無線ネットワーク問題がUEで生じ、UEによるRRC接続の再確立もしくは確立の手順で、またはRRC接続の確立後に、UEとの間でRRC接続が確立されたセルに対し、無線ネットワーク問題に関する問題情報を送信する段階を有する。問題情報は信号品質を含み、信号品質は参照信号受信電力(RSRP)および/または参照信号受信品質(RSRQ)を含む。
【0012】
さらに別の態様では、本発明はユーザ機器(UE)を提供する。UEは、無線ネットワーク問題がUEで生じた場合に、UEによるRRC接続の確立もしくは再確立の手順で、またはUEがRRC接続を確立した後に、RRC接続が確立されたセルに無線ネットワーク問題に関する問題情報を送信するように構成された送信ユニットを具備する。問題情報は信号品質を含み、信号品質は参照信号受信電力(RSRP)および/または参照信号受信品質(RSRQ)を含む。
【0013】
さらに別の態様では、本発明は無線ネットワークシステムを提供する。このシステムは、ネットワーク側の上記の装置と、上記のUEとを具備する。
【発明の効果】
【0014】
上記の技術的解決法により、無線ネットワーク問題がUEで生じた場合、UEによるRRC接続の再確立もしくは確立の手順で、またはUEがRRC接続を確立した後に、RRC接続が確立されたセルは、UEによって送信された無線ネットワーク問題に関する問題情報を受信し、無線ネットワーク問題が生じたサーバまたはセルへと転送する。この方法で、ネットワーク側は、UEで生じた無線ネットワーク問題を自動的に特定し検出することができ、それによりネットワークは自己調整および最適化を実行することができ、結果的にネットワークパフォーマンスを改善し、ユーザの使用要求を満たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】先行技術でのRLFがUEで生じた場合におけるRRC再確立または確立の手順の概略図である。
【図2】先行技術でのHOFがUEで生じた場合におけるRRC再確立または確立の手順の概略図である。
【図3】本発明の第1実施形態に従った方法の概略的流れ図である。
【図4】本発明の第2実施形態に従った装置の概略的構造図である。
【図5】本発明の第3実施形態に従ったシステムの概略的構造図である。
【図6】本発明の第4実施形態に従った特定の場合における信号相互作用の概略図である。
【図7】本発明の第5実施形態に従った特定の場合における信号相互作用の概略図である。
【図8】本発明の第6実施形態に従った特定の場合における信号相互作用の概略図である。
【図9】本発明の第7実施形態に従った特定の場合における信号相互作用の概略図である。
【図10】本発明の第8実施形態に従った特定の場合における信号相互作用の概略図である。
【図11】本発明の第9実施形態に従った特定の場合における信号相互作用の概略図である。
【図12】本発明の第10実施形態に従った特定の場合における信号相互作用の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態は、UEで生じた無線ネットワーク問題をネットワーク側が自動的に特定し検出することができるような、無線ネットワーク問題を検出する方法、装置、およびシステムを提供する。この方法により、ネットワークは自己調整および最適化を実行することができ、結果的にネットワークパフォーマンスを改善し、ユーザの使用要求を満たすことができる。
【0017】
本発明の一態様は、無線ネットワーク問題を検出する方法を提供する。この方法は以下のとおりである。無線ネットワーク問題がUEで生じた場合、ネットワーク側は、UEによるRRC接続の確立の手順で、またはRRC接続が確立された後に、UEによって送信された無線ネットワーク問題に関する問題情報を受信する。この方法により、ネットワーク側は、ネットワーク側にとってパラメータの最適化および無線ネットワーク問題の解決のための土台となる無線ネットワーク問題に関する問題情報を受信した後に、無線ネットワーク問題を検出することができる。
【0018】
以下では、添付の図面を参照して本発明の実施形態について詳述する。
【0019】
図3は、本発明の第1実施形態に従った無線ネットワーク問題を検出する方法の概略的流れ図である。本方法は以下の内容を含む。
31. UEによって送信された無線ネットワーク問題に関する問題情報を受信する。
【0020】
このステップでは、無線ネットワーク問題がUEで生じた場合、ネットワーク側は、UEによるRRC接続の確立の手順で、またはRRC接続が確立された後に、UEによって送信された無線ネットワーク問題に関する問題情報を受信する。ネットワーク側は、RRC接続が確立されたセル、または他のネットワークデバイスであってよい。
【0021】
無線ネットワーク問題は、無線リンク障害(RLF)問題、ハンドオーバ障害(HOF)問題、早すぎるハンドオーバ(Handover Too Early)、遅すぎるハンドオーバ(Handover Too Late)またはピンポンハンドオーバでありうる。
【0022】
より具体的には、問題情報は、RRC再確立もしくは確立の手順でRRC再確立メッセージもしくはRRC確立メッセージで送られることがあり、または、RRC再確立もしくは確立の手順が完了した後に他のメッセージで送られることがあり、例えば、問題情報はユーザ定義メッセージで送られることがある。
【0023】
また、特定の実施手順では、無線ネットワーク問題がRLF問題である場合、RLFに関する問題情報は、複数の情報、すなわち、エラー原因の情報、RLFの場合におけるS-セルの識別情報、RLFの場合におけるS-セルの追跡領域(TA)の識別情報、UEの識別情報、およびRLFが生じた時間からRRC再確立または確立が成功した時間までの時間情報のうちの1つまたは複数を含むことができる。無線ネットワーク問題がHOF問題である場合、HOFに関する問題情報は、複数の情報、すなわち、エラー原因の情報、HOFの場合におけるS-セルおよびT-セルの両方の識別情報、HOFの場合におけるS-セルの追跡領域(TA)の識別情報、UEの識別情報、およびハンドオーバ命令が受信された時間からRRC再確立または確立が成功した時間までの時間情報のうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0024】
ステップ31が実行された後、ネットワーク側はUEで生じた無線ネットワーク問題を自動的に特定し、検出することができ、それによりネットワークは自己調整および最適化を実行することができ、結果的にネットワークパフォーマンスを改善し、ユーザの使用要求を満たすことができる。
【0025】
また、ネットワークが問題情報を受信した後、ステップ32をさらに実行することができる。
32. 受信済み問題情報に従って問題分析を実行し、無線ネットワーク問題を解決するためパラメータを最適化する。
【0026】
特定の実施手順では、ネットワーク側がUEとの間でRRC接続が確立されたセルであり、無線ネットワーク問題が当該セルで生じた場合、当該セルは受信済み問題情報に対して問題分析を直接実行し、無線ネットワーク問題を解決するためパラメータを最適化する。
【0027】
ネットワーク側はまた、受信済み問題情報を、UEとの間でRRC接続が確立されたセルを介して、無線ネットワーク問題が生じたセルに転送することができ、無線ネットワーク問題が生じたセルは、受信済み問題情報に対して問題分析を実行し、無線ネットワーク問題を解決するためパラメータを最適化する。特定の実施態様では、受信済み問題情報は、無線ネットワーク問題が生じたセルに対し、基地局間インタフェースを介して、またはネットワーク要素の移転を介して転送でき、この場合にネットワーク要素は、中核ネットワークにおける移動性管理エンティティ(mobility management entity, MME)、要素管理システム(EMS)、またはネットワーク管理システム(NMS)であってよい。
【0028】
また、ネットワーク側は受信済み問題情報を、RRC接続が確立されたセルを介して特別なサーバにアップロードすることができ、次いでサーバは受信済み問題情報に対する分析および処理を実行する。この方法では、問題を集中的に分析し処理することができる。具体的には、集中的な分析および処理のために、受信済み問題情報はサウスバウンドインタフェース(southbound interface, Itf-S)を介して要素管理システム(EMS)に転送でき、または受信済み問題情報はノースバウンドインタフェース(northbound interface, Itf-N)を介してネットワーク管理システム(NMS)サーバに転送できる。
【0029】
特定の実施態様では、ネットワーク側はUEで生じた異なる無線ネットワーク問題に応じて異なる処理モードを採用することができる。具体的には、無線ネットワーク問題がUEで生じ、無線リンク障害(RLF)であるとき、UEとの間でRRC接続が確立されたセルがRLFの生じたP-セルである場合、P-セルは受信済み問題情報に対して問題分析を直接実行し、無線ネットワーク問題を解決するためパラメータを最適化することができる。
【0030】
UEとの間でRRC接続が確立されたセルがN-セルである場合、N-セルは、RLFが生じたP-セルに受信済み問題情報を送信することができる。例えば、N-セルは、基地局間インタフェースを介して、またはネットワーク要素の移転を介して、RLFが生じたP-セルに受信済み問題情報を転送することができる。P-セルは、受信済み問題情報に対して問題分析を実行し、無線ネットワーク問題を解決するためパラメータを最適化する。
【0031】
無線ネットワーク問題がUEで生じ、ハンドオーバ障害(HOF)であるとき、UEとの間でRRC接続が確立されたセルがRLFの生じたS-セルまたはHOFが生じたP-セルである場合、S-セルまたはP-セルは受信済み問題情報に対して問題分析を直接実行し、無線ネットワーク問題を解決するためパラメータを最適化することができる。
【0032】
あるいは、UEとの間でRRC接続が確立されたセルがT-セルである場合、T-セルは、HOFが生じたS-セルに受信済み問題情報を転送し、S-セルは受信済み問題情報に対して問題分析を実行し、無線ネットワーク問題を解決するためパラメータを最適化する。
【0033】
あるいは、UEとの間でRRC接続が確立されたセルがO-セルである場合、O-セルは、HOFが生じたS-セルまたはHOFが生じたT-セルに受信済み問題情報を転送し、S-セルまたはT-セルは受信済み問題情報に対して問題分析を実行し、無線ネットワーク問題を解決するためパラメータを最適化する。
【0034】
より具体的には、ネットワーク側がUEから受信する無線ネットワーク問題に関する問題情報は、旧/ソースセルの周波数、物理セル識別子(physical cell identity, PCI)、セルグローバル識別子(cell global identity, CGI)、IP、公衆陸上移動ネットワーク(PLMN)ID、および信号品質(例えば、参照信号受信電力(RSRP)、参照信号受信品質(RSRQ))などの情報をさらに含むことができる。N-セル/T-セルのアクセス制御基地局は、これまでの情報に従って、新規セル隣接関係を追加すること、またはX2インタフェースの確立を引き起こすことができ、その結果、カバレッジの弱さに起因する無線ネットワーク問題(例えば、RLF)を解決することができる。
【0035】
この実施形態は、ネットワーク側によって無線ネットワーク問題を検出する方法を提供し、ネットワーク問題情報に従ってネットワーク問題を解決する方法をさらに提供する。この実施形態で提供される技術的解決法を使用することによって、ネットワークは時間内にUEで生じたネットワーク問題を検出し、問題情報に対する問題分析を実行し、問題の原因を発見し、無線ネットワーク問題を解決するためパラメータを最適化することができる。
【0036】
本発明の第2実施形態は、無線ネットワーク問題を検出するネットワーク側の装置を提供する。図4は、本発明の第2実施形態に従った装置の概略的構造図である。図4に示されているように、この装置は問題情報受信ユニット41を含む。
【0037】
問題情報受信ユニット41は、無線ネットワーク問題がUEで生じた場合に、UEによるRRC接続の確立の手順で、またはRRC接続が確立された後に、UEによって送信された無線ネットワーク問題に関する問題情報を受信するように構成される。具体的な受信方法については、第1実施形態の説明を参照されたい。
【0038】
また、装置は、問題情報受信ユニットによって受信された問題情報に従って問題分析を実行し、無線ネットワーク問題を解決するためパラメータを最適化するように構成された問題処理ユニット42をさらに含むことができる。具体的な分析および処理の方法は、第1実施形態で説明している。
【0039】
この実施形態に従って無線ネットワーク問題を検出するネットワーク側の装置は、時間内にUEで生じた無線ネットワーク問題を検出し、ネットワーク側にとって無線ネットワーク問題を解決するための土台となる無線ネットワーク問題に関する問題情報を把握することができる。この方法で、ネットワーク側はさらに問題分析を実行し、無線ネットワーク問題を解決するためパラメータを最適化することができる。
【0040】
本発明の第3実施形態は、無線ネットワーク問題を検出するシステムを提供する。図5は、本発明の第3実施形態に従ったシステムの概略的構造図である。このシステムは、無線ネットワーク問題がUEで生じた場合に、RRC接続の確立の手順で、またはRRC接続が確立された後に、UEによって送信された無線ネットワーク問題に関する問題情報を受信するように構成されたネットワーク側51を含む。
【0041】
また、ネットワーク51は、受信済み問題情報に従って問題分析を実行し、無線ネットワーク問題を解決するためパラメータを最適化するようにさらに構成される。具体的な問題分析および処理の方法については、第1実施形態の方法の説明を参照されたい。
【0042】
この実施形態に従って無線ネットワーク問題を検出するシステムを使用して、ネットワークは、時間内にUEで生じた無線ネットワーク問題を検出し、ネットワーク側にとって無線ネットワーク問題を解決するための土台となる無線ネットワーク問題に関する問題情報を把握することができる。この方法で、ネットワーク側は問題分析を実行し、無線ネットワーク問題を解決するためパラメータを最適化することができる。
【0043】
留意すべきは、本発明の各種実施形態で提供した上記の装置およびシステムにおいて、各ユニットは機能論理に従ってのみ分割されているということである。しかしながら、ユニットが対応する機能を実施できる限り、分割はこれに限定されない。また、各機能ユニットの固有の名前は、区別を容易とするためのものに過ぎず、本発明の保護範囲を限定することを意図していない。
【0044】
以下では、無線ネットワーク問題を検出する方法について、特定の場合を挙げて詳述する。図6は、本発明の第4実施形態に従った特定の場合における信号相互作用の概略図である。この手順は以下の内容を含む。
1. RLFまたはHOFがUEで生じる。
2. RRC再確立が失敗した後にUEによって実行されるRRC再確立またはRRC確立の手順において、UEとの間でRRC接続が確立されたセルが、UEによって送信されたRLFまたはHOFに関する問題情報を受信する。
【0045】
問題情報は、RRC確立メッセージ(RRC接続要求)、RRC再確立メッセージ(RRC接続再確立)で、またはUEがRRC接続を確立した後に拡張されたメッセージで送ることができる。
【0046】
特定の実施手順では、RLFが生じた場合、UEとの間でRRC接続が確立されたセルは、P-セルおよびN-セルを含み、HOFが生じた場合、UEとの間でRRC接続が確立されたセルは、S-セル、T-セル、およびO-セルを含む。
3. UEとの間でRRC接続が確立されたセルは、RLFまたはHOFに関する問題情報をサーバに転送する。
【0047】
上記のステップ1〜3において、ネットワーク側は無線ネットワーク問題を検出する。さらに、問題情報に従ってサーバによって問題分析およびパラメータ最適化を実行する手順は、以下のステップを含む。
4. サーバは、問題分析を実行し、例えば、一定の時間内に測定された問題情報に従って問題分析を実行する。
5. 問題を解決するため問題分析の結果に従ってセルパラメータを調整する。
【0048】
この方法により、本発明の第4実施形態で提供される技術的解決法を使用して、ネットワーク側は、UEで生じた無線ネットワーク問題を自動的に特定し検出することができ、それによりネットワークは自己調整および最適化を実行することができ、結果的にネットワークパフォーマンスを改善し、ユーザの使用要求を満たすことができる。
【0049】
第5実施形態は、RLFがUEで生じた後の解決例である。この実施形態では、問題情報を受信したセルは、パラメータ最適化の目的を達成するため問題分析を直接実行することができる。図7は、本発明の第5実施形態に従った特定の場合における信号相互作用の概略図である。図7に示されているように、RLFがUEで生じた場合のRRC再確立または確立の手順は、以下の内容を含む。
1. RLFがUEで生じる。
2. P-セルが、UEによって報告されたRLFに関する問題情報を受信し、この場合にRLFに関する問題情報は、RRC確立もしくは再確立メッセージで送ることができ、またはRRC接続が確立された後に拡張されたメッセージで送ることができる。
【0050】
特定の実施手順では、RLFに関する問題情報を説明するために、以下のパラメータの任意の組み合わせをRRC確立もしくは再確立メッセージで、または拡張メッセージで送ることができる。
(A)エラー原因の情報、例えばRLFまたはHOF。
(B)RLFがUEで生じたときの、P-セルおよび/またはN-セルの識別子。この実施形態では、識別子はP-セルおよび/またはO-セルの関連識別子、例えば、周波数、物理セル識別子(PCI)、セルグローバル識別子(CGI)、PLMN ID、信号品質(RSRP、RSRQ)などの識別情報である。
(C)RLFがUEで生じた場合におけるサービングセルの追跡領域(TA)の識別情報。
(D)UEの固有の識別情報、例えば、セル無線ネットワーク仮識別子(cell-radio network temporary identity, C-RNTI)、仮移動加入者識別子(temporary mobile subscriber identity, TMSI)、および国際移動加入者識別子(international mobile subscriber identity, IMSI)。このパラメータに従ってUE関連のコンテキストを見つけることができ、それによりUEのコンテキストを分析して問題をより優れた形で解決することができる。
(E)RLFがUEで生じた時間からRRCの確立または再確立が成功した時間までの時間情報。このパラメータに従って、ネットワーク問題の原因が推論されうる。例えば、時間値が小さい場合、問題は不適切なパラメータ設定に起因する早すぎるハンドオーバ(Handover Too Early)または遅すぎるハンドオーバ(Handover Too Late)であると推論することができ、時間値が大きい場合、問題はカバレッジホールによるものと推論できる。
【0051】
上記のステップ1〜2において、ネットワーク側は無線ネットワーク問題を検出する。さらに、問題情報に従いP-セルによって実行された分析およびパラメータ最適化の処理はステップ3を含む。
3. P-セルは、ステップ2でフィードバックされた問題情報に従い問題分析を実行し、例えば、長期測定が直接実行され、分析を実行することで問題の根本原因を見つけ、次いで問題を解決するためセルパラメータ最適化を実行する。
【0052】
同様に、本発明の第6実施形態で提供される技術的解決法を使用して、ネットワーク側は、UEで生じた無線ネットワーク問題を自動的に特定し検出することができ、それによりネットワークは自己調整および最適化を実行することができ、結果的にネットワークパフォーマンスを改善し、ユーザの使用要求を満たすことができる。
【0053】
第6実施形態もまた、RLFがUEで生じた後の解決例である。この実施形態は、以下の点で第5実施形態と異なる。この実施形態では、RLFがUEで生じた後、RRC再確立または確立の手順がN-セルで実行される。図8は、第6実施形態に従った特定の場合における信号相互作用の概略図である。この手順は以下の内容を含む。
1. RLFがUEで生じる。
2. N-セルが、UEによって報告されたRLFに関する問題情報を受信し、この場合にRLFに関する問題情報は、RRC確立もしくは再確立メッセージで送ることができ、またはUEがRRC接続を確立した後に拡張されたメッセージで送ることができる。
【0054】
特定の実施手順では、RRC確立もしくは再確立メッセージまたは拡張メッセージで送られるパラメータ情報は、本発明の第5実施形態におけるパラメータ情報と同じである。
3. N-セルは、RLFが生じたP-セルに問題情報を転送する。特定の実施手順では、P-セルの識別子は、UEによって報告されたRLFに関する問題情報で送られたセル識別情報に従って発見できる。
【0055】
上記のステップ1〜3において、ネットワークは無線ネットワーク問題を検出する。さらに、問題情報に従いP-セルによって実行される分析およびパラメータ最適化の処理は、以下を含む。
4. P-セルは、ステップ3でフィードバックされた問題情報に従い問題分析を実行し、例えば、長期測定が実行され、分析を実行することで問題の根本原因を見つけ、次いで問題を解決するためパラメータ最適化を実行する。
【0056】
同様に、本発明の第6実施形態で提供される技術的解決法を使用して、ネットワーク側は、UEで生じた無線ネットワーク問題を自動的に特定し検出することができ、それによりネットワークは自己調整および最適化を実行することができ、結果的にネットワークパフォーマンスを改善し、ユーザの使用要求を満たすことができる。
【0057】
第7実施形態は、HOFがUEで生じた後の解決例である。第7実施形態では、問題情報を受信したセルは、パラメータ最適化の目的を達成するため問題分析を直接実行することができる。図9は、本発明の第7実施形態に従った特定の場合における信号相互作用の概略図である。図9に示されているように、HOFがUEで生じた場合にRRC再確立または確立の手順がS-セルで実行され、当該手順は以下の内容を含む。
1. HOFがUEで生じる。
2. S-セルが、UEによって報告されたHOFに関する問題情報を受信し、この場合にHOFに関する問題情報は、RRC確立もしくは再確立メッセージで送ることができ、またはUEがRRC接続を確立した後に拡張されたメッセージで送ることができる。
【0058】
特定の実施手順では、HOFに関する以下の問題情報を説明するために以下のパラメータをRRC確立もしくは再確立メッセージで、または拡張メッセージで送ることができる。
(A)エラー原因の情報。
(B)HOFがUEで生じた場合におけるS-セルおよびT-セルの識別情報、例えば周波数、物理セル識別子(Physical Cell Identity, PCI)、セルグローバル識別子(Cell Global Identity, CGI)、IP、PLMN ID、および信号品質(RSRP、RSRQ)。
(C)HOFがUEで生じた場合におけるS-セルの追跡領域(Tracking Area, TA)の識別情報。
(D)UEの固有の識別子、例えばC-RNTI、TMSI、またはIMSI。
(E)UEがハンドオーバ命令を受信した時間からRRCの確立または再確立が成功した時間までの時間情報。
【0059】
上記のステップ1〜2において、ネットワークは無線ネットワーク問題を検出する。さらに、問題情報に従いS-セルによって実行される分析およびパラメータ最適化の処理は、以下を含む。
3. S-セルは、ステップ2でフィードバックされた問題情報に従い問題分析を実行し、例えば、長期測定が実行され、分析を実行することで問題の根本原因を見つけ、次いで問題を解決するためパラメータ最適化を実行する。
【0060】
同様に、本発明の第7実施形態で提供される技術的解決法を使用して、ネットワーク側は、UEで生じた無線ネットワーク問題を自動的に特定し検出することができ、それによりネットワークは自己調整および最適化を実行することができ、結果的にネットワークパフォーマンスを改善し、ユーザの使用要求を満たすことができる。
【0061】
第8実施形態もまた、HOFがUEで生じた後の解決例である。第8実施形態は、以下の点で第7実施形態と異なる。第8実施形態では、HOFがUEで生じた後、RRC再確立または確立の手順がT-セルで実行される。図10は、第8実施形態に従った特定の場合における信号相互作用の概略図である。この手順は以下の内容を含む。
1. HOFがUEで生じる。
2. T-セルが、UEによって報告されたHOFに関する問題情報を受信し、この場合にHOFに関する問題情報は、確立もしくは再確立メッセージで送ることができ、またはUEがRRC接続を確立した後に拡張されたメッセージで送ることができる。
【0062】
確立もしくは再確立メッセージまたは拡張メッセージで送られるパラメータ情報は、本発明の第7実施形態におけるパラメータ情報と同じである。
3. T-セルは、HOFが生じたS-セルに問題情報を転送する。特定の実施態様では、UEによって報告されたHOFに関する問題情報で送られたセル識別情報に従って、S-セルの識別情報が取得される。
【0063】
上記のステップ1〜3において、ネットワークは無線ネットワーク問題を検出する。さらに、問題情報に従いS-セルによって実行される分析およびパラメータ最適化の手順は、以下を含む。
4. S-セルは、ステップ3でフィードバックされた問題情報に従い問題分析を実行し、例えば、長期測定が実行され、分析を実行することで問題の根本原因を見つけ、次いで問題を解決するためパラメータ最適化を実行する。
【0064】
特定の実施手順では、T-セルとS-セルとの間のメッセージは、既存のUE CONTEXT RELEASEメッセージまたは新規のユーザ定義メッセージを介して転送されうる。
【0065】
同様に、本発明の第8実施形態で提供される技術的解決法を使用して、ネットワーク側は、UEで生じた無線ネットワーク問題を自動的に特定し検出することができ、それによりネットワークは自己調整および最適化を実行することができ、結果的にネットワークパフォーマンスを改善し、ユーザの使用要求を満たすことができる。
【0066】
第9実施形態もまた、HOFがUEで生じた後の解決例である。HOFが生じた後、RRC再確立または確立の手順がT-セルで実行される。この第9実施形態は、以下の点で第8実施形態と異なる。この第9実施形態では、T-セルは対応する問題分析および処理を直接実行する。図11は、本発明の第9実施形態に従った特定の場合における信号相互作用の概略図である。この手順は以下の内容を含む。
1. HOFがUEで生じる。
2. T-セルが、UEによって報告されたHOFに関する問題情報を受信し、この場合にHOFに関する問題情報は、RRC確立もしくは再確立メッセージで送ることができ、またはUEがRRC接続を確立した後に拡張されたメッセージで送ることができる。
【0067】
RRC確立もしくは再確立メッセージまたは拡張メッセージで送られるパラメータ情報は、本発明の第7実施形態におけるパラメータ情報と同じである。
【0068】
上記のステップ1〜2において、ネットワーク側は無線ネットワーク問題を検出する。さらに、問題情報に従いT-セルによって実行される分析およびパラメータ最適化の手順は、以下を含む。
3. T-セルは、ステップ2でフィードバックされた問題情報に従い問題分析を実行し、例えば、長期測定が実行され、分析を実行することで問題の根本原因を見つけ、次いで問題を解決するためパラメータ最適化を実行する。
【0069】
同様に、本発明の第9実施形態で提供される技術的解決法を使用して、ネットワークは、UEで生じた無線ネットワーク問題を自動的に特定し検出することができ、それによりネットワークは自己調整および最適化を実行することができ、結果的にネットワークパフォーマンスを改善し、ユーザの使用要求を満たすことができる。
【0070】
第10実施形態もまた、HOFがUEで生じた後の解決例である。第10実施形態は、以下の点で第9実施形態と異なる。第10実施形態では、HOFが生じた後、RRC再確立または確立の手順がO-セルで実行される。図12は、第10実施形態に従った特定の場合における信号相互作用の概略図である。この手順は以下の内容を含む。
1. HOFがUEで生じる。
2. O-セルが、UEによって報告されたHOFに関する問題情報を受信し、この場合にHOFに関する問題情報は、RRC確立もしくは再確立メッセージで送ることができ、またはUEがRRC接続を確立した後に拡張されたメッセージで送ることができる。
【0071】
RRC確立もしくは再確立メッセージまたは拡張メッセージで送られるパラメータ情報は、本発明の第7実施形態におけるパラメータ情報と同じである。
3. O-セルは、HOFが生じたS-セルまたはT-セルに問題情報を転送する。特定の実施手順では、UEによって報告されたHOFに関する問題情報で送られたセル識別情報に従って、S-セルまたはT-セルの識別情報が取得されうる。
【0072】
上記のステップ1〜3において、ネットワーク側は無線ネットワーク問題を検出する。さらに、問題情報に従いS-セルまたはT-セルによって実行される分析およびパラメータ最適化の処理は、以下を含む。
4. S-セルまたはT-セルは、ステップ3でフィードバックされた問題情報に従い問題分析を実行し、例えば、長期測定が実行され、分析を実行することで問題の根本原因を見つけ、次いで問題を解決するためパラメータ最適化を実行する。
【0073】
本発明の第10実施形態で提供される技術的解決法を使用して、ネットワーク側は、UEで生じた無線ネットワーク問題を自動的に特定し検出することができ、それによりネットワークは自己調整および最適化を実行することができ、結果的にネットワークパフォーマンスを改善し、ユーザの使用要求を満たすことができる。
【0074】
当業者は、上記の各種実施形態で提供された方法におけるステップの全部または一部が、プログラムによる命令を受けるハードウェアによって実行できることを理解できよう。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体、例えば読み取り専用メモリ、磁気ディスクおよびコンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)に保存できる。
【0075】
結論として、本発明の実施形態に従った無線ネットワーク問題を検出する方法、装置、およびシステムを使用することにより、ネットワーク側は、UEで生じた無線ネットワーク問題を自動的に特定し検出することができ、それによりネットワークは自己調整および最適化を実行することができ、結果的にネットワークパフォーマンスを改善し、ユーザの使用要求を満たすことができる。
【0076】
上記の説明は、本発明の例示的な実施形態に過ぎず、本発明の範囲を限定することを意図していない。本発明の趣旨および原理から逸脱することなく行われるいかなる変更、同等の置き換え、または改善も、本発明の保護範囲内にある。したがって、本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲に依拠する。
【符号の説明】
【0077】
41 問題情報受信ユニット
42 問題処理ユニット
51 ネットワーク側
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線ネットワーク問題を検出する方法であって、無線ネットワーク問題がユーザ機器(UE)で生じた場合に、
前記UEによる無線リソース制御(RRC)接続の再確立もしくは確立の手順で、または前記RRC接続が確立された後、前記UEによって送信された前記無線ネットワーク問題に関する問題情報を、前記UEとの間で前記RRC接続が確立されたセルによって受信する段階と、
前記無線ネットワーク問題が生じたサーバまたはセルに前記問題情報を転送する段階と
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記無線ネットワーク問題が生じた前記サーバまたは前記セルによって、前記問題情報に従って問題分析を実行する段階と、
前記無線ネットワーク問題を解決するためパラメータ最適化を実行する段階と
をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記サーバに前記問題情報を転送する段階が、
サウスバウンドインタフェース(Itf−S)を介して要素管理システム(EMS)に前記問題情報を転送する段階と、
ノースバウンドインタフェース(Itf−N)を介してネットワーク管理システム(NMS)サーバに前記問題情報を転送する段階と
を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記無線ネットワーク問題が無線リンク障害(RLF)問題である場合、前記UEとの間で前記RRC接続が確立されたセルは、新規セル(N−セル)であり、前記無線ネットワーク問題が生じた前記セルは、前記RLFが前記UEで生じた先行セル(P−セル)であることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記無線ネットワーク問題がハンドオーバ障害(HOF)問題である場合、
前記UEとの間で前記RRC接続が確立されたセルは、ターゲットセル(T−セル)であり、前記無線ネットワーク問題が生じた前記セルは、前記HOFが前記UEで生じたソースセル(S−セル)であるか、または、
前記UEとの間で前記RRC接続が確立された前記セルは、他のセル(O−セル)であり、前記無線ネットワーク問題が生じた前記セルは、前記HOFが前記UEで生じたS−セルまたはT−セルあることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項6】
前記無線ネットワーク問題が生じた前記セルに前記問題情報を転送する段階が、
基地局間インタフェースを介して、またはネットワーク要素の移転を介して、前記無線ネットワーク問題が生じた前記セルに前記問題情報を送信する段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記無線ネットワーク問題に関する前記問題情報が、RRC再確立もしくは確立メッセージ、またはRRC接続が確立された後に拡張されたメッセージのうちのいずれか1つで送られることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記無線ネットワーク問題が無線リンク障害(RLF)問題である場合、前記RLFに関する問題情報は、エラー原因の情報、前記RLFが生じた前記セルおよび/または前記UEとの間で前記RRC接続が確立された前記セルの識別情報、前記RLFが生じた場合におけるサービングセルの追跡領域(TA)の識別情報、前記UEの識別情報、前記RLFが生じた時間からRRC再確立または確立が成功した時間までの時間情報のうちの1つまたは複数を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記無線ネットワーク問題がハンドオーバ障害(HOF)問題である場合、前記HOFに関する問題情報は、エラー原因の情報、前記HOFが生じた場合におけるソースセル(S−セル)およびターゲットセル(T−セル)の両方の識別情報、前記UEとの間で前記RRC接続が確立された前記セルの識別情報、前記HOFが生じた場合における前記S−セルの追跡領域(TA)の識別情報、前記UEの識別情報、ハンドオーバ命令が受信された時間からRRC再確立または確立が成功した時間までの時間情報のうちの1つまたは複数を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記HOFに関する前記問題情報が、ハンドオーバ命令が受信された時間から前記RRC再確立または確立が成功した時間までの前記時間情報を含む場合、前記HOFがパラメータ設定またはカバレッジホールに起因して生じたと判断する段階か、または、
前記RLFに関する前記問題情報が、前記RLFが生じた時間から前記RRC再確立または確立が成功した時間までの前記時間情報を含む場合、前記RLFがパラメータ設定またはカバレッジホールに起因して生じたと判断する段階か
をさらに有することを特徴とする請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
前記セルの前記識別情報が信号品質を含むことを特徴とする請求項8または9に記載の方法。
【請求項12】
無線ネットワーク問題を報告する方法であって、
無線ネットワーク問題がユーザ機器(UE)で生じる段階と、
前記UEによる無線リソース制御(RRC)接続の確立もしくは再確立の手順で、または前記RRC接続を確立した後に、前記UEとの間で前記RRC接続が確立されたセルに、前記無線ネットワーク問題に関する問題情報を前記UEによって送信する段階と
を有し、
前記問題情報は信号品質を含み、
前記信号品質は参照信号受信電力(RSRP)および/または参照信号受信品質(RSRQ)を含むことを特徴とする方法。
【請求項13】
前記無線ネットワーク問題が無線リンク障害問題である場合、前記RLF問題に関する前記問題情報は、前記RLFのエラー原因の情報、および/または、前記RLFが生じた時間から前記RRC再確立もしくは確立が成功した時間までの時間情報を含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記無線ネットワーク問題がHOF問題である場合、前記HOF問題に関する前記問題情報は、ハンドオーバ命令が受信された時間から前記RRC再確立または確立が成功した時間までの時間情報を含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記UEによってRRC接続を確立した前記セルに前記無線ネットワーク問題に関する前記問題情報を前記送信する段階が、
RRC再確立メッセージ、RRC確立メッセージ、またはRRC接続が確立された後に拡張されたメッセージを介して、無線ネットワーク問題に関する前記問題情報を前記UEによって送信する段階を含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項16】
無線ネットワーク問題を検出するネットワーク装置であって、
無線ネットワーク問題がユーザ機器(UE)で生じた場合、前記UEによる無線リソース制御(RRC)接続の再確立もしくは確立の手順で、または前記RRC接続が確立された後に、前記UEによって送信された前記無線ネットワーク問題に関する問題情報を受信し、前記無線ネットワーク問題が生じたサーバまたはセルに前記問題情報を転送するように構成された問題情報受信ユニットを具備することを特徴とするネットワーク装置。
【請求項17】
前記問題情報受信ユニットによって受信された前記問題情報に従って問題分析を実行し、前記無線ネットワーク問題を解決するためパラメータ最適化を実行するように構成された問題処理ユニットをさらに具備することを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項18】
無線ネットワーク問題がユーザ機器(UE)で生じた場合、前記UEよる無線リソース制御(RRC)接続の確立もしくは再確立の手順で、または前記RRC接続が確立された後に、前記UEとの間で前記RRC接続が確立されたセルに、無線ネットワーク問題に関する問題情報を送信するように構成された送信ユニットを具備し、
前記問題情報は信号品質を含み、
前記信号品質は参照信号受信電力(RSRP)および/または参照信号受信品質(RSRQ)を含むことを特徴とするユーザ機器。
【請求項19】
前記無線ネットワーク問題が無線リンク障害(RLF)問題である場合、前記送信ユニットによって送信される前記RLF問題に関する問題情報は、前記RLFのエラー原因の情報、および/または、前記RLFが生じた時間から前記RRC再確立もしくは確立が成功した時間までの時間情報を含むことを特徴とする請求項18に記載のユーザ機器。
【請求項20】
前記無線ネットワーク問題がハンドオーバ障害(HOF)問題である場合、前記送信ユニットによって送信される前記HOF問題に関する問題情報は、ハンドオーバ命令が受信された時間から前記RRC再確立または確立が成功した時間までの時間情報を含むことを特徴とする請求項18に記載のユーザ機器。
【請求項21】
請求項16ないし17のいずれか一項に記載のネットワーク装置と、
請求項18ないし20のいずれか一項に記載のユーザ機器と
を具備することを特徴とする無線ネットワークシステム。
【請求項1】
無線ネットワーク問題を検出する方法であって、無線ネットワーク問題がユーザ機器(UE)で生じた場合に、
前記UEによる無線リソース制御(RRC)接続の再確立もしくは確立の手順で、または前記RRC接続が確立された後、前記UEによって送信された前記無線ネットワーク問題に関する問題情報を、前記UEとの間で前記RRC接続が確立されたセルによって受信する段階と、
前記無線ネットワーク問題が生じたサーバまたはセルに前記問題情報を転送する段階と
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記無線ネットワーク問題が生じた前記サーバまたは前記セルによって、前記問題情報に従って問題分析を実行する段階と、
前記無線ネットワーク問題を解決するためパラメータ最適化を実行する段階と
をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記サーバに前記問題情報を転送する段階が、
サウスバウンドインタフェース(Itf−S)を介して要素管理システム(EMS)に前記問題情報を転送する段階と、
ノースバウンドインタフェース(Itf−N)を介してネットワーク管理システム(NMS)サーバに前記問題情報を転送する段階と
を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記無線ネットワーク問題が無線リンク障害(RLF)問題である場合、前記UEとの間で前記RRC接続が確立されたセルは、新規セル(N−セル)であり、前記無線ネットワーク問題が生じた前記セルは、前記RLFが前記UEで生じた先行セル(P−セル)であることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記無線ネットワーク問題がハンドオーバ障害(HOF)問題である場合、
前記UEとの間で前記RRC接続が確立されたセルは、ターゲットセル(T−セル)であり、前記無線ネットワーク問題が生じた前記セルは、前記HOFが前記UEで生じたソースセル(S−セル)であるか、または、
前記UEとの間で前記RRC接続が確立された前記セルは、他のセル(O−セル)であり、前記無線ネットワーク問題が生じた前記セルは、前記HOFが前記UEで生じたS−セルまたはT−セルあることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項6】
前記無線ネットワーク問題が生じた前記セルに前記問題情報を転送する段階が、
基地局間インタフェースを介して、またはネットワーク要素の移転を介して、前記無線ネットワーク問題が生じた前記セルに前記問題情報を送信する段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記無線ネットワーク問題に関する前記問題情報が、RRC再確立もしくは確立メッセージ、またはRRC接続が確立された後に拡張されたメッセージのうちのいずれか1つで送られることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記無線ネットワーク問題が無線リンク障害(RLF)問題である場合、前記RLFに関する問題情報は、エラー原因の情報、前記RLFが生じた前記セルおよび/または前記UEとの間で前記RRC接続が確立された前記セルの識別情報、前記RLFが生じた場合におけるサービングセルの追跡領域(TA)の識別情報、前記UEの識別情報、前記RLFが生じた時間からRRC再確立または確立が成功した時間までの時間情報のうちの1つまたは複数を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記無線ネットワーク問題がハンドオーバ障害(HOF)問題である場合、前記HOFに関する問題情報は、エラー原因の情報、前記HOFが生じた場合におけるソースセル(S−セル)およびターゲットセル(T−セル)の両方の識別情報、前記UEとの間で前記RRC接続が確立された前記セルの識別情報、前記HOFが生じた場合における前記S−セルの追跡領域(TA)の識別情報、前記UEの識別情報、ハンドオーバ命令が受信された時間からRRC再確立または確立が成功した時間までの時間情報のうちの1つまたは複数を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記HOFに関する前記問題情報が、ハンドオーバ命令が受信された時間から前記RRC再確立または確立が成功した時間までの前記時間情報を含む場合、前記HOFがパラメータ設定またはカバレッジホールに起因して生じたと判断する段階か、または、
前記RLFに関する前記問題情報が、前記RLFが生じた時間から前記RRC再確立または確立が成功した時間までの前記時間情報を含む場合、前記RLFがパラメータ設定またはカバレッジホールに起因して生じたと判断する段階か
をさらに有することを特徴とする請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
前記セルの前記識別情報が信号品質を含むことを特徴とする請求項8または9に記載の方法。
【請求項12】
無線ネットワーク問題を報告する方法であって、
無線ネットワーク問題がユーザ機器(UE)で生じる段階と、
前記UEによる無線リソース制御(RRC)接続の確立もしくは再確立の手順で、または前記RRC接続を確立した後に、前記UEとの間で前記RRC接続が確立されたセルに、前記無線ネットワーク問題に関する問題情報を前記UEによって送信する段階と
を有し、
前記問題情報は信号品質を含み、
前記信号品質は参照信号受信電力(RSRP)および/または参照信号受信品質(RSRQ)を含むことを特徴とする方法。
【請求項13】
前記無線ネットワーク問題が無線リンク障害問題である場合、前記RLF問題に関する前記問題情報は、前記RLFのエラー原因の情報、および/または、前記RLFが生じた時間から前記RRC再確立もしくは確立が成功した時間までの時間情報を含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記無線ネットワーク問題がHOF問題である場合、前記HOF問題に関する前記問題情報は、ハンドオーバ命令が受信された時間から前記RRC再確立または確立が成功した時間までの時間情報を含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記UEによってRRC接続を確立した前記セルに前記無線ネットワーク問題に関する前記問題情報を前記送信する段階が、
RRC再確立メッセージ、RRC確立メッセージ、またはRRC接続が確立された後に拡張されたメッセージを介して、無線ネットワーク問題に関する前記問題情報を前記UEによって送信する段階を含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項16】
無線ネットワーク問題を検出するネットワーク装置であって、
無線ネットワーク問題がユーザ機器(UE)で生じた場合、前記UEによる無線リソース制御(RRC)接続の再確立もしくは確立の手順で、または前記RRC接続が確立された後に、前記UEによって送信された前記無線ネットワーク問題に関する問題情報を受信し、前記無線ネットワーク問題が生じたサーバまたはセルに前記問題情報を転送するように構成された問題情報受信ユニットを具備することを特徴とするネットワーク装置。
【請求項17】
前記問題情報受信ユニットによって受信された前記問題情報に従って問題分析を実行し、前記無線ネットワーク問題を解決するためパラメータ最適化を実行するように構成された問題処理ユニットをさらに具備することを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項18】
無線ネットワーク問題がユーザ機器(UE)で生じた場合、前記UEよる無線リソース制御(RRC)接続の確立もしくは再確立の手順で、または前記RRC接続が確立された後に、前記UEとの間で前記RRC接続が確立されたセルに、無線ネットワーク問題に関する問題情報を送信するように構成された送信ユニットを具備し、
前記問題情報は信号品質を含み、
前記信号品質は参照信号受信電力(RSRP)および/または参照信号受信品質(RSRQ)を含むことを特徴とするユーザ機器。
【請求項19】
前記無線ネットワーク問題が無線リンク障害(RLF)問題である場合、前記送信ユニットによって送信される前記RLF問題に関する問題情報は、前記RLFのエラー原因の情報、および/または、前記RLFが生じた時間から前記RRC再確立もしくは確立が成功した時間までの時間情報を含むことを特徴とする請求項18に記載のユーザ機器。
【請求項20】
前記無線ネットワーク問題がハンドオーバ障害(HOF)問題である場合、前記送信ユニットによって送信される前記HOF問題に関する問題情報は、ハンドオーバ命令が受信された時間から前記RRC再確立または確立が成功した時間までの時間情報を含むことを特徴とする請求項18に記載のユーザ機器。
【請求項21】
請求項16ないし17のいずれか一項に記載のネットワーク装置と、
請求項18ないし20のいずれか一項に記載のユーザ機器と
を具備することを特徴とする無線ネットワークシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2012−518923(P2012−518923A)
【公表日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−550410(P2011−550410)
【出願日】平成22年2月11日(2010.2.11)
【国際出願番号】PCT/CN2010/070639
【国際公開番号】WO2010/094236
【国際公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(504277388)▲ホア▼▲ウェイ▼技術有限公司 (220)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月11日(2010.2.11)
【国際出願番号】PCT/CN2010/070639
【国際公開番号】WO2010/094236
【国際公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(504277388)▲ホア▼▲ウェイ▼技術有限公司 (220)
【Fターム(参考)】
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