説明

無線中継システム、中継装置および基地局装置

【課題】基地局装置でコネクション管理を集中制御し、かつ、中継装置を利用して無線リソース管理を分散制御する無線中継システムを得ること。
【解決手段】本発明にかかる無線中継システムは、コネクション管理を集中制御で実現する基地局装置1と、基地局装置1と端末装置3との通信を中継する中継装置2と、を含み、基地局装置1が中継装置2との間の無線リソース管理を行う無線中継システムであって、中継装置2が、基地局装置1と端末装置3との間で確立されているコネクションの情報を基地局装置1から取得し、得られたコネクション情報に基づいて端末装置3との間のデータ伝送を制御する仮想コネクション管理部21、を備え、仮想コネクション管理部21の制御により、中継装置2と端末装置3との間で前記コネクションを使用したデータ伝送を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中継装置を備える無線中継システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、無線通信システムでは、基地局装置(BS:Base Station)と端末装置(MS:Mobile Station)の間で電波に情報を乗せて伝送する。しかしながら、電波は長い通信距離や遮蔽物の影響によって減衰するため、電波の届かない不感地帯が存在する。そのため、従来は、基地局装置と端末装置の間に中継装置(RS:Relay Station)を置き、中継装置により電波を中継することで不感地帯を解消している。以下、中継装置を含む無線通信システムを無線中継システムと呼ぶ。
【0003】
また、WiMAXとしてサービスが開始されているIEEE802.16システム(下記非特許文献1)においても不感地帯の問題があり、その対策としてIEEE802.16j(Multihop Relay:MR)(下記非特許文献2)の標準化が進められている。MRシステムでは、基地局装置により集中制御を行う方法と、中継装置を含む複数の装置により分散制御を行う方法の2つのモードが規定されている。分散制御を行う具体的な方法については下記特許文献1に開示されている。
【0004】
たとえば、コネクション管理を基地局装置で集中制御(Normal CID Allocation(IEEE802.16j))する場合は、ネットワーク側のサービスとの関連付けが容易であり、コネクション管理手法の設計も容易となる。また、無線リソース管理を基地局装置と中継装置で分散制御(Distributed Scheduling(IEEE802.16j))する場合は、各無線リンクの電波伝搬特性に応じたリアルタイムで効率的な無線リソース管理を行うことができる。
【0005】
【非特許文献1】IEEE Std 802.16e-2005 Amendment2: Physical and Medium Access Control Layers for Combined Fixed and Mobile Operation in Licensed Bands 2005年
【非特許文献2】IEEE P802.16j/D3 Multihop Relay Specification 2008年
【特許文献1】特開2008−048422号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の技術によれば、コネクション管理を集中制御で行う場合は、基地局装置が中継装置および端末装置に対するコネクション管理を行い、中継装置は基地局装置と端末装置の間のコネクション管理に関与しない。そのため、中継装置は、たとえば、無線リソース管理を分散制御で行うような場合、コネクション毎に指定されるQoS(Quality of Service)を維持するために必要な情報が無く、コネクションを基本単位としたデータ伝送および無線リソース管理を実施することができない、という問題があった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、基地局装置でコネクション管理を集中制御し、かつ、中継装置を利用して無線リソース管理を分散制御する無線中継システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、コネクション管理を集中制御で実現する基地局装置と、基地局装置と端末装置との通信を中継する中継装置と、を含み、基地局装置が中継装置との間の無線リソース管理を行う無線中継システムであって、中継装置が、基地局装置と端末装置との間で確立されているコネクションの情報を基地局装置から取得し、コネクション情報に基づいて端末装置との間のデータ伝送を制御する仮想コネクション管理部、を備え、仮想コネクション管理部の制御により、中継装置と端末装置との間でコネクションを使用したデータ伝送を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、基地局装置でコネクション管理を集中制御する場合であっても、中継装置が、端末装置との間にコネクションを確立することなく、当該端末装置との間でデータ伝送を行うことができる、という効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に、本発明にかかる無線中継システムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0011】
実施の形態1.
図1は、無線中継システムの実施の形態1の構成例を示す図である。無線中継システムは、基地局装置(BS)1と、中継装置(RS)2と、端末装置(MS)3と、中継装置用コネクション4と、端末装置用コネクション5と、から構成される。基地局装置1は、中継装置2との間のコネクション管理、および端末装置3との間のコネクション管理を行い、また、中継装置2との間の無線リソース管理を行う。中継装置2は、端末装置用コネクション5を共有してデータ伝送を行い、また、基地局装置1と端末装置3との間のコネクション情報に基づいて端末装置3との間の無線リソース管理を行う。端末装置3は、中継装置2と通信を行う。中継装置用コネクション4は、仮想的に装置間を結ぶ通信経路であり、基地局装置1と中継装置2との間で確立されているコネクション(接続)を表す。端末装置用コネクション5は、同様に、仮想的に装置間を結ぶ通信経路であり、基地局装置1と端末装置3との間で確立されているコネクションを表す。
【0012】
また、基地局装置1は、コネクション管理部11と、無線リソース管理部12と、を備える。コネクション管理部11は、コネクションを集中管理し、基地局装置1と中継装置2の間に中継装置用コネクション4を、基地局装置1と端末装置3の間に端末装置用コネクション5を確立する。無線リソース管理部12は、コネクション管理部11からコネクション情報を取得し、基地局装置1と中継装置2の間の無線リソース管理を行う。
【0013】
また、中継装置2は、仮想コネクション管理部21と、無線リソース管理部22と、を備える。仮想コネクション管理部21は、端末装置用コネクション5の情報を基地局装置1と共有して保持する。また、端末装置3へデータを送信するときは、この端末装置用コネクション5を利用する。すなわち、中継装置2は、自装置と端末装置3の間にコネクション(接続)を確立した場合と同様の処理が可能となる。無線リソース管理部22は、仮想コネクション管理部21からコネクション情報を取得し、中継装置2と端末装置3の間の無線リソース管理を行う。なお、仮想コネクション管理部21がコネクション情報を取得する方法については、基地局装置1からの通知によって取得してもよいし、基地局装置1と端末装置3の間のコネクション確立メッセージから取得してもよい。
【0014】
つづいて、各装置の詳細構成について説明する。図2は、基地局装置1の構成例を示す図である。基地局装置1は、上記コネクション管理部11,無線リソース管理部12の他に、ネットワーク側インタフェース部13と、無線側インタフェース部14と、パケット処理部151と、PDU構築部152と、符号化部153と、変調部154と、信号処理部155と、信号処理部161と、復調部162と、復号化部163と、PDU処理部164と、パケット構築部165と、を備える。
【0015】
ネットワーク側インタフェース部13は、ネットワークとのインタフェースである。無線側インタフェース部14は、他装置との無線インタフェースである。パケット処理部151は、コネクション情報に基づいてパケットの分類や判別を行い、IPパケットの処理を行う。PDU構築部152は、MACヘッダ等を付与してMAC PDUの構築を行う。符号化部153は、送信するパケットを符号化する。変調部154は、送信するパケットを変調する。信号処理部155は、RF(Radio Frequency)信号に変換する処理を行う。信号処理部161は、受信したRF信号を周波数変換する処理を行う。復調部162は、変調されている受信パケットを復調する。復号化部163は、符号化されている受信パケットを復号する。PDU処理部164は、ヘッダに含まれる各種制御情報の抽出等、MAC PDUの受信処理を行う。パケット構築部165は、コネクション情報を用いてパケットの構築を行う。
【0016】
図3は、中継装置2の構成例を示す図である。中継装置2は、上記仮想コネクション管理部21,無線リソース管理部22の他に、無線側インタフェース部24と、パケット処理部251と、PDU構築部252と、符号化部253と、変調部254と、信号処理部255と、信号処理部261と、復調部262と、復号化部263と、PDU処理部264と、パケット構築部265と、を備える。PDU処理部264は、ヘッダに含まれる各種制御情報の抽出等、MAC PDUの受信処理を行う。また、受信したデータの誤り情報および信用情報を無線リソース管理部22へ通知する。なお、無線側インタフェース部24、パケット処理部251〜信号処理部255、信号処理部261〜復号化部263、およびパケット構築部265の各構成は、対応する基地局装置1の各構成と同様の機能であるため、説明を省略する。
【0017】
図4は、端末装置3の構成例を示す図である。端末装置3は、コネクション管理部31と、ネットワーク側インタフェース部33と、無線側インタフェース部34と、パケット処理部351と、PDU構築部352と、符号化部353と、変調部354と、信号処理部355と、信号処理部361と、復調部362と、復号化部363と、PDU処理部364と、パケット構築部365と、を備える。なお、コネクション管理部31、ネットワーク側インタフェース部33、無線側インタフェース部34、パケット処理部351〜信号処理部355、および信号処理部361〜パケット構築部365の各構成は、対応する基地局装置1の各構成と同様の機能であるため、説明を省略する。
【0018】
つづいて、中継装置2を中継して基地局装置1から端末装置3へデータを送信する場合の各装置の動作について説明する。
【0019】
基地局装置1は、コネクション管理部11で中継装置用コネクション4と端末装置用コネクション5を確立し、それらのコネクション情報を保持していることを前提とする。まず、ネットワークインタフェース部13は、入力されたIPパケットをパケット処理部151に転送する。パケット処理部151は、コネクション管理部11からのコネクション情報に基づいて、パケットの分類や判別を行い、IPパケットの処理を行う。つぎに、無線リソース管理部12が、コネクションの種類やQoS情報、無線環境情報(CQI:Channel Quality Information)に基づいて無線リソースの割り当てを行い、その情報をコネクション管理部11とPDU構築部152に通知する。PDU構築部152は、コネクション管理部11と無線リソース管理部12から得られる上記各種情報に基づきMAC PDUの構築を行う。その後、符号化部153が符号化処理を実行し、変調部154が変調処理を実行し、信号処理部155が信号変換を行い、生成された信号を無線側インタフェース部14がアンテナを介して中継装置2へ向けて送信する。
【0020】
中継装置2は、基地局装置1が送信した信号を無線インタフェース部24で受信後、信号処理部261で受信RF信号を周波数変換する。その後、復調部262が復調処理を実行し、復号化部263が復号処理を実行する。また、PDU処理部264では、仮想コネクション管理部21が保持するコネクション情報に基づいてMAC PDUの受信処理を実行する。また、受信信号の誤り情報および信用情報を無線リソース管理部22へ通知する。パケット構築部265では、コネクション情報を用いてパケットの構築を行い、パケット処理部251に転送する。以上により、基地局装置1からのデータ受信処理を完了する。
【0021】
つぎに、中継装置2では、端末装置3へデータを転送する処理を実施する。まず、パケット処理部251が、仮想コネクション管理部21からのコネクション情報に基づいてパケットの分類や判別を行い、IPパケットの処理を行う。仮想コネクション管理部21は、上記の取得方法により得た基地局装置1と端末装置3との間のコネクション情報、QoS情報、無線環境情報を、無線リソース管理部22へ通知する。無線リソース管理部22は、コネクション情報、QoS情報、無線環境情報、および上記PDU処理部264から得られる情報に基づいて無線リソースの割り当てを行い、その情報を仮想コネクション管理部21とPDU構築部252に通知する。PDU構築部252は、仮想コネクション管理部21と無線リソース管理部22から得られる上記各種情報に基づき、MAC PDUの構築を行う。その後、符号化部253が符号化処理を実行し、変調部254が変調処理を実行し、信号処理部255が信号変換を行い、生成された信号を無線側インタフェース部24がアンテナを介して端末装置3へ向けて送信する。このとき、中継装置2は、基地局装置1と端末装置3の間で確立されている端末装置用コネクション5を利用して送信を行う。
【0022】
なお、本実施の形態では、中継装置2が、受信データからパケットを構築して転送する場合を説明したが、上記処理に限定するものではない。たとえば、中継装置2でPDU処理を行い、転送することも可能である。また、中継装置2で復号化までの処理を行い、再符号化後に転送することも可能である。また、コネクション管理を集中制御し、かつ、無線リソース管理を分散制御する無線中継システムであれば、IEEE802.16jで規定する無線中継システム以外においても適用可能である。
【0023】
つぎに、端末装置3は、中継装置2が転送した信号を無線インタフェース部34で受信後、信号処理部361で受信RF信号を周波数変換する。その後、復調部362が復調処理を実行し、復号化部363が復号処理を実行する。PDU処理部364では、コネクション管理部31が保持するコネクション情報に基づいてMAC PDUの受信処理を行う。パケット構築部365では、コネクション情報を用いてパケットの構築を行い、ネットワーク側インタフェース部32へ転送する。ネットワーク側インタフェース部32は、ネットワークまたはアプリケーションへデータを転送する。以上により、中継装置2を中継して基地局装置1から端末装置3へデータを送信する場合の、転送処理が完了する。
【0024】
上記のように、分散制御により無線リソース管理を行う場合、中継装置2は、基地局装置1と端末装置3との間に確立されるコネクションの情報が必要となる。そこで、本実施の形態では、基地局装置1が集中制御によりコネクション管理を行う場合であっても、中継装置2が、端末装置用コネクション5の情報を共有することにより、端末装置3との間に仮想的なコネクションを確立することとした。これにより、中継装置2による無線リソース管理が可能となる。
【0025】
なお、上記基地局装置1から端末装置3へデータを送信する場合については、基地局装置1がデータを受信する動作が説明されていないが、基地局装置1がデータを受信する動作は、上記端末装置3がデータを受信する動作と同様である。また、端末装置3がデータを送信する動作についても説明されていないが、端末装置3がデータを送信する動作は、基地局装置1がデータを送信する動作と同様である。
【0026】
以上説明したように、本実施の形態では、中継装置が、基地局装置と端末装置との間のコネクションおよびそのコネクション情報を、基地局装置と共有することとした。これにより、基地局装置でコネクション管理を集中制御する場合であっても、中継装置は、端末装置との間にコネクションを確立することなく、当該端末装置との間でデータ伝送を行うことができる。また、中継装置を利用して無線リソース管理を分散制御することができる。
【0027】
なお、無線中継システムの例として、IEEE802.16jにおけるMRシステムを用いたが、他の無線中継システムにおいても適用可能である。
【0028】
また、基地局装置、中継装置および端末装置の構成について説明したが、この構成に限定するものではなく、複数の中継装置を経由するマルチホップ中継システムやマルチユーザ中継システムにおいても適用可能である。
【0029】
実施の形態2.
実施の形態1では、基地局装置と端末装置の間のコネクションおよびそのコネクション情報を、中継装置と端末装置の間のデータ伝送に利用する。しかしながら、基地局装置および中継装置に、同一のQoS情報が与えられると、たとえば、最大遅延量が保証されない可能性がある。詳細には、基地局装置の無線リソース管理部では、上位装置から指示されたQoSを保証するように無線リソースが割り当てられ、中継装置の無線リソース管理部においても、同様のQoSを保証するように無線リソースが割り当てられるため、各リンク(各装置が通信を行う区間)ではQoSが保証されていても、基地局装置と端末装置の間ではQoSが保証されない(最大遅延量が2倍になる)可能性がある。本実施の形態では、システム全体としてQoSを保証する無線中継システムについて説明する。
【0030】
図5は、本発明にかかる無線中継システムの実施の形態2の構成例を示す図である。本実施の形態の無線中継システムは、基地局装置1aと、中継装置2aと、端末装置3と、中継装置用コネクション4と、端末装置用コネクション5と、上位装置6と、から構成される。
【0031】
基地局装置1aは、コネクション管理部11a内に、さらにスケジューリング情報生成部111を備える点が実施の形態1と異なる。スケジューリング情報生成部111は、上位装置6からQoS情報とスケジューリング情報の生成に必要な比率情報とを取得し、QoS情報と比率情報に基づいてスケジューリング情報を生成する。ここで、スケジューリング情報とは、QoS情報で規定する各項目の値に、各装置に分配された比率を乗じた値をいう。その他の構成および機能については実施の形態1と同様のため、説明を省略する。
【0032】
中継装置2aは、仮想コネクション管理部21a内に、さらにスケジューリング情報生成部211を備える点が実施の形態1と異なる。スケジューリング情報生成部211は、基地局装置1aからQoS情報とスケジューリング情報の生成に必要な比率情報とを取得し、QoS情報と比率情報に基づいてスケジューリング情報を生成する。その他の構成および機能については実施の形態1と同様のため、説明を省略する。
【0033】
上位装置6は、基地局装置1aの上位装置に相当する通信装置であり、本無線中継システムにおいてQoS情報を管理する。また、スケジューリング情報の生成に必要な比率情報を、各装置から通知される無線品質等の情報に基づいて決定する。
【0034】
つづいて、スケジューリング情報生成部の具体的な動作について説明する。たとえば、QoS情報の1つである最大遅延量Dを、基地局装置1aと中継装置2aにおいて、a対bの比率で分配する場合を想定する。基地局装置1aのスケジューリング情報生成部111は、上位装置から通知されたQoS情報(最大遅延量D)と比率情報(a対b)に基づいて、自装置のスケジューリング情報(「遅延量D1」とする)を、
「D1=(D×a/(a+b))」
として計算し決定する。同様に、中継装置2aのスケジューリング情報生成部211は、スケジューリング情報(「遅延量D2」とする)を、
「D2=(D×b/(a+b))」
として計算し決定する。このように、各装置が、分配された比率に基づいて遅延量(スケジューリング情報)を決定することで、基地局装置1aから端末装置3までの最大遅延量を「D1+D2=D」とすることが可能となる。
【0035】
ここで、上記基地局装置1aと中継装置2aの遅延の比率情報であるa対bは、各装置におけるリンクの無線伝搬距離や無線環境状態、無線品質、システムトラヒック分配率等のパラメータによって変化する値である。また、QoS情報は最大遅延量Dに限らず、平均遅延量や遅延ジッタなど、リンク毎に加算されるQoS情報については、上記同様、リンク毎にaとbを決定する。これにより、システム全体としてQoSを保証することが可能となる。一方、リンク毎に加算されないQoS情報、たとえば、最低スループット、最大バーストサイズなどについては、各装置で分配するための比率を決定する必要は無く、QoS情報をそのままスケジューリング情報とする。
【0036】
上位装置6は、QoS情報とスケジューリング情報生成時に必要な比率情報とを基地局装置1aへ通知する。また、基地局装置1aは、QoS情報とスケジューリング情報生成時の比率情報を中継装置2aへ転送する。なお、本実施の形態では、基地局装置1aが、自装置と中継装置2aの比率情報を決定することとしてもよい。この場合は、上位装置6から得られる上記パラメータに基づいて比率情報を決定し、中継装置2aへ通知する。また、上位装置6から得られるパラメータに基づいて、基地局装置1aと中継装置2aのそれぞれが、自装置の比率情報を決定することとしてもよい。
【0037】
以上説明したように、本実施の形態では、QoS情報と上記比率情報に基づいて各装置におけるスケジューリング情報を生成し、各装置がスケジューリング情報とコネクション情報に基づいて無線リソースを割り当てることとした。これにより、無線中継システム全体としてQoSを保証することができる。
【0038】
なお、本実施の形態では、スケジューリング情報生成部を基地局装置と中継装置のそれぞれが備える場合について説明したが、基地局装置で自装置と中継装置のスケジューリング情報を生成し、中継装置のスケジューリング情報を中継装置へ通知することとしてもよい。また、上位装置でスケジューリング情報を生成して基地局装置へ通知することとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0039】
以上のように、本発明にかかる無線中継システムは、基地局装置と端末装置との間の通信を中継する中継装置を備えた無線中継システムに有用であり、特に、当該システムにおいて、コネクション管理および無線リソース管理を行う場合に適している。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】実施の形態1の無線中継システムの構成例を示す図である。
【図2】基地局装置の構成例を示す図である。
【図3】中継装置の構成例を示す図である。
【図4】端末装置の構成例を示す図である。
【図5】実施の形態2の無線中継システムの構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0041】
1,1a 基地局装置
2,2a 中継装置
3 端末装置
4 中継装置用コネクション
5 端末装置用コネクション
6 上位装置
11,11a,31 コネクション管理部
12,22 無線リソース管理部
13,33 ネットワーク側インタフェース部
14,24,34 無線側インタフェース部
21,21a 仮想コネクション管理部
111,211 スケジューリング情報生成部
151,251,351 パケット処理部
152,252,352 PDU構築部
153,253,353 符号化部
154,254,354 変調部
155,255,355 信号処理部
161,261,361 信号処理部
162,262,362 復調部
163,263,363 復号化部
164,264,364 PDU処理部
165,265,365 パケット構築部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクション管理を集中制御で実現する基地局装置と、当該基地局装置と端末装置との通信を中継する中継装置と、を含み、当該基地局装置が当該中継装置との間の無線リソース管理を行う無線中継システムであって、
前記中継装置が、
前記基地局装置と前記端末装置との間で確立されているコネクションの情報を当該基地局装置から取得し、当該コネクション情報に基づいて前記端末装置との間のデータ伝送を制御する仮想コネクション管理部、
を備え、
前記仮想コネクション管理部の制御により、前記中継装置と前記端末装置との間で前記コネクションを使用したデータ伝送を行うことを特徴とする無線中継システム。
【請求項2】
前記中継装置が、
前記コネクション情報に基づいて前記端末装置との間の無線リソース管理を行う無線リソース管理部、
をさらに備え、
前記基地局装置と前記中継装置により無線リソース管理の分散制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の無線中継システム。
【請求項3】
前記基地局装置、および前記中継装置の無線リソース管理部は、当該基地局装置と前記端末装置との間で所定のQoSを保証するように、前記無線リソース管理を行うことを特徴とする請求項2に記載の無線中継システム。
【請求項4】
コネクション管理を集中制御で実現する基地局装置と、端末装置との間の通信を中継する中継装置であって、
前記基地局装置と前記端末装置との間で確立されているコネクションの情報を当該基地局装置から取得し、当該コネクション情報に基づいて前記端末装置との間のデータ伝送を制御する仮想コネクション管理部、
を備え、
前記仮想コネクション管理部の制御により、前記端末装置との間で前記コネクションを使用したデータ伝送を行うことを特徴とする中継装置。
【請求項5】
前記コネクション情報に基づいて前記端末装置との間の無線リソース管理を行う無線リソース管理部、
をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の中継装置。
【請求項6】
前記無線リソース管理部は、前記基地局装置と前記端末装置との間で所定のQoSを保証するように、前記無線リソース管理を行うことを特徴とする請求項5に記載の中継装置。
【請求項7】
自装置と端末装置との通信を中継する請求項4または5に記載の中継装置とともに無線中継システムを構成し、コネクション管理を集中制御で行い、かつ、当該中継装置との間の無線リソース管理を行う基地局装置であって、
自装置と前記端末装置との間で所定のQoSを保証するように、前記無線リソース管理を行うことを特徴とする基地局装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−11203(P2010−11203A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−169267(P2008−169267)
【出願日】平成20年6月27日(2008.6.27)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】