説明

無線基地局装置、移動端末装置、無線通信方法及び無線通信システム

【課題】協調マルチポイント送信(CoMP)、特に、DCS−CoMPを適用する場合において、移動端末装置における受信品質を向上させること。
【解決手段】本発明の無線通信方法は、無線基地局装置において、瞬時セル選択型協調マルチポイント送信を適用する際に、移動端末装置に送信する無線リソースでの送信電力を増加し、増加された送信電力を送信電力情報として移動端末装置に送信し、増加された送信電力で瞬時セル選択型協調マルチポイント送信することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線基地局装置、移動端末装置、無線通信方法及び無線通信システムに関し、特に、協調マルチポイント(CoMP)送受信を行う無線基地局装置、移動端末装置、無線通信方法及び無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)ネットワークにおいては、周波数利用効率の向上、データレートの向上を目的として、HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)やHSUPA(High Speed Uplink Packet Access)を採用することにより、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)をベースとしたシステムの特徴を最大限に引き出すことが行われている。このUMTSネットワークについては、更なる高速データレート、低遅延などを目的としてロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)が検討されている(非特許文献1)。
【0003】
第3世代のシステムは、概して5MHzの固定帯域を用いて、下り回線で最大2Mbps程度の伝送レートを実現できる。一方、LTE方式のシステムにおいては、1.4MHz〜20MHzの可変帯域を用いて、下り回線で最大300Mbps及び上り回線で75Mbps程度の伝送レートを実現できる。また、UMTSネットワークにおいては、更なる広帯域化及び高速化を目的として、LTEの後継のシステムも検討されている(例えば、LTEアドバンスト(LTE−A))。例えば、LTE−Aにおいては、LTE仕様の最大システム帯域である20MHzを、100MHz程度まで拡張することが予定されている。
【0004】
Rel-8 LTEシステムに対してさらにシステム性能を向上させるための有望な技術の一つとして、セル間直交化がある。Rel-10以降のLTEシステム(LTE−Aシステム)では、上下リンクとも直交マルチアクセスによりセル内の直交化が実現されている。すなわち、下りリンクでは、周波数領域において移動端末装置(User Equipment)間で直交化されている。しかしながら、セル間はW−CDMAと同様、1セル周波数繰り返しによる干渉ランダム化が基本である。3GPP(3rd Generation Partnership Project)では、セル間直交化を実現するための技術として、協調マルチポイント送受信(CoMP)が検討されている。CoMP送受信では、1つあるいは複数の移動端末装置(UE)に対して複数のセルが協調して送受信の信号処理を行う。具体的には、下りリンクでは、ジョイント送信(JT)や、瞬時セル選択(DCS)などが検討されている(Joint Processing(JP)−CoMP)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】3GPP, TR25.912 (V7.1.0), "Feasibility study for Evolved UTRA and UTRAN", Sept. 2006
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
無線通信システムにおいてDCS−CoMPを適用する場合には、複数セルのいずれか一つのセルから移動端末装置にデータ送信する。すなわち、DCS−CoMPでは、一つのセルの無線基地局装置からデータが送信されている間には、他のセルの無線基地局装置からはデータが送信されない。このように、DCS−CoMPを適用する場合には、単一セルからデータ送信されるため、移動端末装置(特に、セル端の移動端末装置)における受信品質が低下する恐れがある。
【0007】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、協調マルチポイント送信(CoMP)、特に、DCS−CoMPを適用する場合において、移動端末装置における受信品質を向上させることができる無線基地局装置、移動端末装置、無線通信方法及び無線通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の無線基地局装置は、瞬時セル選択型協調マルチポイント送信を適用する際に、移動端末装置に送信する無線リソースでの送信電力を増加する電力変更部と、増加された送信電力を送信電力情報として前記移動端末装置に送信すると共に、前記増加された送信電力で瞬時セル選択型協調マルチポイント送信する送信部と、を具備することを特徴とする。
【0009】
本発明の移動端末装置は、瞬時セル選択型協調マルチポイント送信を適用する際に、増加された送信電力を示す送信電力情報を受信する受信部と、瞬時セル選択型協調マルチポイント受信した信号を復調する復調部と、を具備することを特徴とする。
【0010】
本発明の無線通信方法は、無線基地局装置において、瞬時セル選択型協調マルチポイント送信を適用する際に、移動端末装置に送信する無線リソースでの送信電力を増加する工程と、増加された送信電力を送信電力情報として前記移動端末装置に送信する工程と、前記増加された送信電力で瞬時セル選択型協調マルチポイント送信する工程と、前記移動端末装置において、前記送信電力情報を受信する工程と、瞬時セル選択型協調マルチポイント受信した信号を復調する工程と、を具備することを特徴とする。
【0011】
本発明の無線通信システムは、瞬時セル選択型協調マルチポイント送信を適用する際に、移動端末装置に送信する無線リソースでの送信電力を増加する電力変更部、及び増加された送信電力を送信電力情報として前記移動端末装置に送信すると共に、前記増加された送信電力で瞬時セル選択型協調マルチポイント送信する送信部を備える無線基地局装置と、前記送信電力情報を受信する受信部、及び瞬時セル選択型協調マルチポイント受信した信号を復調する復調部を備える移動端末装置と、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明においては、無線基地局装置が、瞬時セル選択型協調マルチポイント送信を適用する際に、移動端末装置に送信する無線リソースでの送信電力を増加し、増加された送信電力を送信電力情報として移動端末装置に送信するので、協調マルチポイント送信(CoMP)、特に、DCS−CoMPを適用する場合において、移動端末装置における受信品質をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】DCS−CoMPを説明するための図である。
【図2】本発明の無線通信方法における送信電力の変更を説明するための図である。
【図3】本発明の無線通信方法における送信電力の変更を説明するための図である。
【図4】本発明に係る無線通信方法の第1方法を説明するための図である。
【図5】本発明に係る無線通信方法の第2方法を説明するための図である。
【図6】無線通信システムの構成を説明するための図である。
【図7】無線基地局装置の全体構成の説明図である。
【図8】無線基地局装置による本発明の無線通信方法に対応した機能ブロック図である。
【図9】移動端末装置の全体構成の説明図である。
【図10】移動端末装置による本発明の無線通信方法に対応した機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
まず、下りリンクのCoMP送信について説明する。下りリンクのCoMP送信としては、Coordinated Scheduling/Coordinated Beamforming(CS/CB)と、Joint processingとがある。Coordinated Scheduling/Coordinated Beamformingは、1UEに対して1セルからのみ送信する方法であり、他セルからの干渉や他セルへの干渉を考慮して周波数/空間領域における無線リソースの割り当てを行う方法である。一方、Joint Processingは、プリコーディングを適用する複数セル同時送信であり、1UEに対して複数のセルから送信するJoint Transmissionと、図1に示すような、瞬時にセルを選択するDynamic Cell Selectionとがある。
【0015】
CoMP送信を実現する構成としては、無線基地局装置eNBと、この無線基地局装置eNBと光張り出し構成(光ファイバ)で接続された複数の遠隔無線装置(RRE:Remote Radio Equipment)とを含む構成(遠隔無線装置構成に基づく集中制御)がある。他にも、無線基地局装置eNBの構成(独立基地局構成に基づく自律分散制御)がある。本発明においては、上記いずれの構成にも適用することができる。
【0016】
集中制御においては、遠隔無線装置を無線基地局装置eNBで集中的に制御する。RRE構成では、複数のRREのベースバンド信号処理及び制御を行う無線基地局装置eNB(集中基地局)と各セルすなわちRREとの間が光ファイバを用いたベースバンド信号で接続されるため、セル間の無線リソース制御を集中基地局において一括して行うことができる。一方、自律分散制御においては、複数の無線基地局装置eNB(又はRRE)でそれぞれスケジューリングなどの無線リソース割り当て制御を行う。この場合、無線基地局装置間のX2インターフェースを利用することにより、必要に応じてタイミング情報やスケジューリングなどの無線リソース割り当て情報をいずれかの無線基地局装置に送信し、セル間の協調を行う。
【0017】
DCS−CoMPを適用する場合には、複数セルのいずれか一つのセルから、例えば、図1に示すいずれかのセルから同一の移動端末装置にデータ送信する。このように、DCS−CoMPを適用する場合には、単一セルからデータ送信される。すなわち、図2Aに示すように、一つのセルの無線基地局装置においては、移動端末装置に送信を行う無線リソースと、移動端末装置に送信を行わない無線リソース(図中の無送信リソース)とが存在する。このように単一セルからデータ送信されることにより、移動端末装置において、干渉成分が少なくなり、受信SIR(Signal to Interference Ratio)が高くなる。
【0018】
このように、DCS−CoMPにおいては、無線リソース単位で移動端末装置に送信を行わない無線リソースを設けて干渉を抑制している。このため、同じTTI(Transmission Time Interval)における送信電力を考えた場合、無送信の無線リソース分だけ余分に送信電力を使えることになる。本発明者らは、この点に着目し、図2Bに示すように、DCS−CoMP送信において、同じTTIで無送信の無線リソースの送信電力分を、移動端末装置に送信する無線リソースの送信電力に使うことにより、移動端末装置における受信品質をより向上させることができることを見出し本発明をするに至った。
【0019】
すなわち、本発明の骨子は、無線基地局装置において、瞬時セル選択型協調マルチポイント送信を適用する際に、移動端末装置に送信する無線リソースでの送信電力を増加し、増加された送信電力を送信電力情報として移動端末装置に送信することにより、CoMP、特に、DCS−CoMPを適用する場合において、移動端末装置における受信品質をより向上させることである。
【0020】
ここで、無線リソースとは、同じTTIにおける例えば、RB(Resource Block)である。したがって、移動端末装置に送信する無線リソース及び移動端末装置に送信しない無線リソースは、例えば、同じTTIにおけるRBを意味する。なお、図2A及び図2B(図3A及び図3Bも同様)においては、移動端末装置に送信する無線リソース(RB)と移動端末装置に送信しない無線リソース(RB)とが交互に繰り返されている場合について説明しているが、本発明はこれに限定されず、複数の無線リソース(RB)にわたって移動端末装置に送信又は無送信であっても良い。
【0021】
本発明においては、図3Aに示すように、移動端末装置に送信を行う無線リソースと、移動端末装置に送信電力を低くする無線リソース(図中の送信電力減リソース)とが存在する場合には、図3Bに示すように、同じTTIで送信電力減の無線リソースの送信電力分を、移動端末装置に送信する無線リソースの送信電力に使うようにしても良い。なお、増加する送信電力は、無送信の無線リソースや送信電力減の無線リソースのすべての送信電力でも良く(図2Bでは2倍、図3Bでは1.5倍)、無送信の無線リソースや送信電力減の無線リソースの一部の送信電力(少なくとも一部の送信電力)でも良い。
【0022】
DCS−CoMP適用時において、送信電力を増加する旨の情報(送信電力情報)を無線基地局装置から移動端末装置に通知することが考えられる。この場合において、送信電力情報を通知する方法としては、ハイヤレイヤシグナリングで準静的に移動端末装置に送信する方法や、下り制御信号(DCI)動的に移動端末装置に送信する方法がある。
【0023】
DCIに送信電力情報を含める場合には、例えば、ビット情報をDCI(Downlink Control Information)に含めてダイナミックに通知する。移動端末装置は、例えば、テーブル(DCIに含まれるビット情報と送信電力増加分とが関連づけられたテーブル)を持っており、DCIで通知されたビット情報から送信電力増加分を認識する。この場合、送信電力増加分は、CoMP非適用時の数倍のように規定されても良く、具体的な増加量(dB)で規定されても良い。
【0024】
本発明において、DCS−CoMP適用時に送信電力を変更して送信される信号としては、PDSCH(Physical Downlink Shared Channel)信号及びDM−RS(Demodulation Reference Signal)などが挙げられる。
【0025】
移動端末装置は、DCS−CoMP適用時に、変更された送信電力で信号を受信する。このため、DCS−CoMP適用であるかどうかを認識する必要がある。CoMP適用であるかどうかを認識する方法としては、以下の2つの方法が挙げられる。
【0026】
(第1方法)
この方法は、移動端末装置基準でCoMP適用であるかどうかを認識する方法である。この方法においては、移動端末装置において、サービングセルから通知された隣接セルの受信電力をそれぞれ測定し、隣接セルの受信電力の測定結果からCoMP候補セルを判定する。移動端末装置は、このCoMP候補セルが協調セルになり得るとして、すべてのCoMP候補セルについてのフィードバック情報(CoMPモードのフィードバック情報)を無線基地局装置にフィードバックする。
【0027】
この方法について図4を用いて説明する。まず、サービングセルの無線基地局装置(eNB)から隣接セルの情報(隣接セル情報)が準静的に通知される(ST101)。次いで、移動端末装置は、隣接セル情報を用いてCoMP候補セルを特定する(ST102)。具体的には、移動端末装置は、サービングセルの信号の受信電力と、複数の隣接セルの信号の受信電力とを測定し、サービングセルの測定結果(受信電力)と隣接セルの測定結果(受信電力)との間の差分をそれぞれ算出し、その差分が所定の閾値以下になる隣接セルをCoMP候補セルと特定する。このように、CoMP候補セルが存在した時点で、移動端末装置はDCS−CoMPが適用されることを認識する。移動端末装置は、このCoMP候補セル情報をハイヤレイヤシグナリング又はPDCCHによりサービングセルの無線基地局装置に通知する(ST103)。
【0028】
次いで、移動端末装置は、特定したCoMP候補セルについて、それぞれフィードバック情報を生成する(ST104)。ここで、フィードバック情報とは、CQI(Channel Quality Indicator)、PMI(Precoding Matrix Indicator)、RI(Rank Indicator)などを意味する。移動端末装置は、このフィードバック情報をPUCCH(Physical Uplink Control Channel)によりサービングセルの無線基地局装置に通知する(ST105)。無線基地局装置は、DCS−CoMP適用時に、図2B又は図3Bに示すように送信電力を変更する(増加する)(ST106)。DCS−CoMP適用時に送信電力の変更を示す送信電力情報は、無線基地局装置から移動端末装置に、ハイヤレイヤシグナリング又は下り制御情報で通知される。
【0029】
図4においては、無線基地局装置における送信電力の変更がフィードバック情報の通知後になっているが、本発明はこれに限定されず、無線基地局装置における送信電力の変更がフィードバック情報の通知前であっても良い。
【0030】
(第2方法)
この方法は、無線基地局装置基準でCoMP適用であるかどうかを認識する方法である。この方法においては、移動端末装置において、サービングセルから通知された隣接セルの受信電力をそれぞれ測定し、隣接セルの受信電力の測定結果からCoMP候補セルを特定し、CoMP候補セルの情報を無線基地局装置に通知し、無線基地局装置がCoMP候補セルからCoMPセルを決定し、CoMPセルの情報を移動端末装置に通知する。移動端末装置は、このCoMPセルについてのフィードバック情報(CoMPモードのフィードバック情報)を無線基地局装置にフィードバックする。
【0031】
この方法について図5を用いて説明する。まず、サービングセルの無線基地局装置(eNB)から隣接セルの情報(隣接セル情報)が準静的に通知される(ST201)。次いで、移動端末装置は、隣接セル情報を用いてCoMP候補セルを特定する(ST202)。具体的には、移動端末装置は、サービングセルの信号の受信電力と、複数の隣接セルの信号の受信電力とを測定し、サービングセルの測定結果(受信電力)と隣接セルの測定結果(受信電力)との間の差分をそれぞれ算出し、その差分が所定の閾値以下になる隣接セルをCoMP候補セルと特定する。移動端末装置は、このCoMP候補セル情報をハイヤレイヤシグナリング又はPDCCHによりサービングセルの無線基地局装置に通知する(ST203)。
【0032】
次いで、無線基地局装置は、通知されたCoMP候補セルの情報からCoMPセルを決定する(ST204)。そして、無線基地局装置は、CoMPセルの情報(CoMPセル情報)を移動端末装置に準静的に通知する(ST205)。このように、CoMPセルが通知された時点で、移動端末装置はDCS−CoMPが適用されることを認識する。次いで、移動端末装置は、通知されたCoMPセルについて、フィードバック情報を生成する(ST206)。ここで、フィードバック情報とは、CQI、PMI、RIなどを意味する。移動端末装置は、このフィードバック情報をPUCCHによりサービングセルの無線基地局装置に通知する(ST207)。無線基地局装置は、DCS−CoMP適用時に、図2B又は図3Bに示すように送信電力を変更する(増加する)(ST208)。DCS−CoMP適用時に送信電力の変更を示す送信電力情報は、無線基地局装置から移動端末装置に、ハイヤレイヤシグナリング又は下り制御情報で通知される。
【0033】
図5においては、無線基地局装置における送信電力の変更がフィードバック情報の通知後になっているが、本発明はこれに限定されず、無線基地局装置における送信電力の変更がフィードバック情報の通知前であっても良い。
【0034】
このように、本発明においては、DCS−CoMP適用時に移動端末装置に送信する無線リソースでの送信電力を増加する。このため、無線リソース(RB)単位で無送信又は送信電力減とすることで干渉を減少させると共に、信号送信時に送信電力を増加させるので、移動端末装置において、より受信品質を向上させることが可能となる。
【0035】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。ここでは、LTE−Aシステムに対応する無線基地局装置及び移動端末装置を用いる場合について説明する。
【0036】
図6を参照しながら、本発明の一実施の形態に係る移動端末装置(UE:User Equipment)10及び無線基地局装置(eNodeB)20を有する無線通信システム1について説明する。図6は、本発明に係る移動端末装置10及び無線基地局装置20を有する無線通信システム1の構成を説明するための図である。なお、図6に示す無線通信システム1は、例えば、LTEシステム又はSUPER 3Gが包含されるシステムである。また、この移動通信システム1は、IMT−Advancedと呼ばれても良いし、4Gと呼ばれても良い。
【0037】
図6に示すように、無線通信システム1は、無線基地局装置20A,20Bと、この無線基地局装置20A,20Bと通信する複数の移動端末装置10A,10Bとを含んで構成されている。無線基地局装置20A,20Bは、それぞれ上位局装置30と接続され、この上位局装置30は、コアネットワーク40と接続される。移動端末装置10A,10Bは、セルC1において無線基地局装置20Aと通信を行っており、セルC2において無線基地局装置20Bと通信を行っている。なお、上位局装置30には、例えば、アクセスゲートウェイ装置、無線ネットワークコントローラ(RNC)、モビリティマネジメントエンティティ(MME)などが含まれるが、これに限定されるものではない。
【0038】
各移動端末装置(10A,10B)は、同一の構成、機能、状態を有するので、以下においては、特段の断りがない限り移動端末装置10として説明を進める。また、説明の便宜上、無線基地局装置20A,20Bと無線通信するのは移動端末装置10であるものとして説明するが、より一般的には移動端末装置も固定端末装置も含むユーザ装置(UE)でよい。
【0039】
無線通信システム1においては、無線アクセス方式として、下りリンクについてはOFDMA(直交周波数分割多元接続)が、上りリンクについてはSC−FDMA(シングルキャリア−周波数分割多元接続)が適用される。OFDMAは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各サブキャリアにデータをマッピングして通信を行うマルチキャリア伝送方式である。SC−FDMAは、システム帯域を端末毎に1つ又は連続したリソースブロックからなる帯域に分割し、複数の端末が互いに異なる帯域を用いることで、端末間の干渉を低減するシングルキャリア伝送方式である。
【0040】
ここで、LTEシステムにおける通信チャネルについて説明する。下りリンクの通信チャネルは、移動端末装置10A,10Bで共有される下りデータチャネルとしてのPDSCHと、下りL1/L2制御チャネル(PDCCH、PCFICH、PHICH)とを有する。PDSCHにより、送信データ及び上位制御情報が伝送される。PDCCHにより、PDSCHおよびPUSCHのスケジューリング情報等が伝送される。PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)により、PDCCHに用いるOFDMシンボル数が伝送される。PHICH(Physical Hybrid-ARQ Indicator Channel)により、PUSCHに対するHARQのACK/NACKが伝送される。
【0041】
上りリンクの通信チャネルは、各移動端末装置で共有される上りデータチャネルとしてのPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)と、上りリンクの制御チャネルであるPUCCH(Physical Uplink Control Channel)とを有する。このPUSCHにより、送信データや上位制御情報が伝送される。また、PUCCHにより、下りリンクのチャネル品質情報(CQI)、ACK/NACKなどが伝送される。
【0042】
上記構成を有する無線通信システムにおいて、無線基地局装置で、DCS−CoMP送信を適用する際に、移動端末装置に送信する無線リソースでの送信電力を増加し、増加された送信電力を送信電力情報として移動端末装置に送信すると共に、増加された送信電力でDCS−CoMP送信する。一方、移動端末装置においては、増加された送信電力を示す送信電力情報を受信し、DCS−CoMP受信した信号を復調する。
【0043】
図7を参照しながら、本実施の形態に係る無線基地局装置の全体構成について説明する。なお、無線基地局装置20A,20Bは、同様な構成であるため、無線基地局装置20として説明する。また、移動端末装置10A,10Bも、同様な構成であるため、移動端末装置10として説明する。無線基地局装置20は、送受信アンテナ201と、アンプ部202と、送受信部(通知部)203と、ベースバンド信号処理部204と、呼処理部205と、伝送路インターフェース206とを備えている。下りリンクにより無線基地局装置20から移動端末装置に送信される送信データは、上位局装置30から伝送路インターフェース206を介してベースバンド信号処理部204に入力される。
【0044】
ベースバンド信号処理部204において、下りデータチャネルの信号は、PDCPレイヤの処理、送信データの分割・結合、RLC(Radio Link Control)再送制御の送信処理などのRLCレイヤの送信処理、MAC(Medium Access Control)再送制御、例えば、HARQの送信処理、スケジューリング、伝送フォーマット選択、チャネル符号化、逆高速フーリエ変換(IFFT)処理、プリコーディング処理が行われる。また、下りリンク制御チャネルである物理下りリンク制御チャネルの信号に関しても、チャネル符号化や逆高速フーリエ変換などの送信処理が行われる。
【0045】
また、ベースバンド信号処理部204は、報知チャネルにより、同一セルに接続する移動端末装置10に対して、各移動端末装置10が無線基地局装置20との無線通信するための制御情報を通知する。当該セルにおける通信のための情報には、例えば、上りリンク又は下りリンクにおけるシステム帯域幅や、PRACH(Physical Random Access Channel)におけるランダムアクセスプリアンブルの信号を生成するためのルート系列の識別情報(Root Sequence Index)などが含まれる。
【0046】
送受信部203は、ベースバンド信号処理部204から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換する。アンプ部202は周波数変換された無線周波数信号を増幅して送受信アンテナ201へ出力する。なお、送受信部203は、CoMP候補セル情報を受信する受信部、並びに送信電力情報、CoMPセル情報、隣接セル情報を送信すると共に、送信信号をCoMP送信する送信部を構成する。
【0047】
一方、上りリンクにより移動端末装置10から無線基地局装置20に送信される信号については、送受信アンテナ201で受信された無線周波数信号がアンプ部202で増幅され、送受信部203で周波数変換されてベースバンド信号に変換され、ベースバンド信号処理部204に入力される。
【0048】
ベースバンド信号処理部204は、上りリンクで受信したベースバンド信号に含まれる送信データに対して、FFT処理、IDFT処理、誤り訂正復号、MAC再送制御の受信処理、RLCレイヤ、PDCPレイヤの受信処理を行う。復号された信号は伝送路インターフェース206を介して上位局装置30に転送される。
【0049】
呼処理部205は、通信チャネルの設定や解放等の呼処理や、無線基地局装置20の状態管理や、無線リソースの管理を行う。
【0050】
図8を参照して、無線基地局装置20の機能ブロックについて説明する。図8の各機能ブロックは、主にベースバンド処理部の処理内容である。また、図8に示す機能ブロックは、本発明を説明するために簡略化したものであり、ベースバンド処理部において通常備える構成は備えるものとする。
【0051】
図8に示すように、無線基地局装置20は、CoMPセル決定部211と、送信電力変更部212と、送信電力情報生成部213と、下り制御信号生成部214と、送受信部203とを有している。この無線基地局装置20は、DCS−CoMP送信を適用する際に、移動端末装置に送信する無線リソースでの送信電力を増加し、増加された送信電力を送信電力情報として移動端末装置に送信すると共に、増加された送信電力でDCS−CoMP送信する。
【0052】
CoMPセル決定部211は、移動端末装置から通知されたCoMP候補セル情報に基づいてCoMPセルを決定する(第2方法)。CoMPセル決定部211は、決定したCoMPセルの情報(CoMP情報)を送受信部203に出力する。CoMP候補セル情報(CoMP候補セル番号)からCoMPセルを決定する基準については特に制限はない。
【0053】
送信電力変更部212は、DCS−CoMP適用時に、送信電力情報に基づいて、CoMP移動端末装置に対して送信する送信電力を変更する。例えば、送信電力変更部212は、DCS−CoMP適用時に、送信電力情報に基づいて、例えば、図2B又は図3Bに示すような送信電力に変更する。送信電力情報は、送信電力情報生成部213から出力される。
【0054】
送信電力情報生成部213は、送信電力をどの程度に変更するか(増加分)の情報(送信電力情報)を生成する。送信電力増加分は、CoMP非適用時の数倍のように規定されても良く、具体的な増加量(dB)で規定されても良い。送信電力情報生成部213は、送信電力情報を送信電力変更部212に出力する。また、送信電力情報生成部213は、第1方法の場合において、送信電力情報を送受信部203に出力し、第2方法の場合において、送信電力情報を下り制御信号生成部214に出力する。
【0055】
下り制御信号生成部214は、送信電力情報をDCIに含めて下り制御信号を生成する。下り制御信号生成部214は、第2方法においては、例えば、送信電力情報を示すビットをDCIに含めて下り制御信号を生成する。また、下り制御信号生成部214は、生成した下り制御信号(PDCCH信号)を送受信部203に出力する。
【0056】
送受信部203は、CRS、DM−RS、CSI−RS及び下り制御信号をリソースにマッピングして下りリンク信号として移動端末装置10に送信する。なお、下りリンク信号については、上記信号の他に下りリンク信号として通常送信する信号も含まれる。送受信部203は、第1方法においては、送信電力情報をハイヤレイヤシグナリングで準静的に移動端末装置に送信する。また、送受信部203は、第2方法においては、送信電力情報を下り制御信号で動的に移動端末装置に送信する。
【0057】
次に、図9を参照しながら、本実施の形態に係る移動端末装置の全体構成について説明する。LTE端末もLTE−A端末もハードウエアの主要部構成は同じであるので、区別せずに説明する。移動端末装置10は、送受信アンテナ101と、アンプ部102と、送受信部(受信部)103と、ベースバンド信号処理部104と、アプリケーション部105とを備えている。この移動端末装置は、DCS−CoMP送信を適用する際に、増加された送信電力を示す送信電力情報を受信し、DCS−CoMP受信した信号を復調する。
【0058】
下りリンクのデータについては、送受信アンテナ101で受信された無線周波数信号がアンプ部102で増幅され、送受信部103で周波数変換されてベースバンド信号に変換される。このベースバンド信号は、ベースバンド信号処理部104でFFT処理や、誤り訂正復号、再送制御の受信処理等がなされる。この下りリンクのデータの内、下りリンクの送信データは、アプリケーション部105に転送される。アプリケーション部105は、物理レイヤやMACレイヤより上位のレイヤに関する処理等を行う。また、下りリンクのデータの内、報知情報も、アプリケーション部105に転送される。
【0059】
一方、上りリンクの送信データは、アプリケーション部105からベースバンド信号処理部104に入力される。ベースバンド信号処理部104においては、マッピング処理、再送制御(HARQ)の送信処理や、チャネル符号化、DFT処理、IFFT処理を行う。送受信部103は、ベースバンド信号処理部104から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換する。その後、アンプ部102で増幅されて送受信アンテナ101より送信される。
【0060】
図10を参照して、移動端末装置10の機能ブロックについて説明する。図10の各機能ブロックは、主にベースバンド処理部の処理内容である。また、図10に示す機能ブロックは、本発明を説明するために簡略化したものであり、ベースバンド処理部において通常備える構成は備えるものとする。
【0061】
図10に示すように、移動端末装置10は、送受信部103と、取得部111と、フィードバック情報生成部112と、ユーザデータ復調部113と、受信電力測定部114と、CoMPセル判定部115と、を有している。
【0062】
送受信部103は、無線基地局装置20から送信された下り制御信号(PDCCH信号)などを受信すると共にデータチャネル信号(PDSCH信号:ユーザデータ)を受信する。送受信部103は、下り制御信号及びハイヤレイヤシグナリングされた送信電力情報を取得部111に出力する。また、送受信部103は、ユーザデータ及びDM−RSをユーザデータ復調部113に出力すると共に、CRS及びCSI−RSをフィードバック情報生成部112に出力する。また、送受信部103は、無線基地局装置からの隣接セル情報やCoMPセル情報をハイヤレイヤシグナリングで受信する受信部、及びCoMP候補セル情報をハイヤレイヤシグナリング又はPDCCHにより送信する送信部である。また、送受信部103は、サービングセルのフィードバック情報と、CoMPセル又はCoMP候補セルのフィードバック情報とを無線基地局装置に送信する。
【0063】
取得部111は、送信電力情報が下り制御信号で送信される場合、送受信部103が受信した下り制御信号を解析して送信電力情報を取得する。また、取得部111は、送信電力情報がハイヤレイヤシグナリングで送信される場合、送受信部103がハイヤレイヤシグナリングで受信した送信電力情報を取得する。取得部111は、例えば、DCIに含まれるビット情報と送信電力増加分とが関連づけられたテーブルを有しており、このテーブルを参照し、下り制御信号のDCIに含まれる送信電力情報を示すビットから送信電力の増加分を求める。
【0064】
フィードバック情報生成部112は、無線基地局装置から通知されたCoMPセル情報に含まれるCoMPセルのフィードバック情報、あるいは、CoMPセル判定部115で判定されたCoMP候補セル情報に含まれるCoMP候補セルのフィードバック情報と、サービングセルのフィードバック情報と、を生成する。このフィードバック情報は、参照信号(CSI−RS(Channel State Information−Reference Signal)やCRS(Cell−Specific Reference Signal))を用いてチャネル推定し、そのチャネル推定値を用いてCQI、PMI、RIを求めることにより生成される。フィードバック情報生成部112は、フィードバック情報を送受信部103に出力され、PUCCHで無線基地局装置に送信される。
【0065】
ユーザデータ復調部113は、送受信部103を介して受信したユーザデータを復調する。このとき、ユーザデータ復調部113は、ユーザ固有のDM−RSを用いてユーザデータを復調する。ユーザデータ復調部113は、DCS−CoMP適用を示す情報(モード情報)により、無線リソース(RB)単位で異なるセルからのユーザデータを復調する。なお、モード情報は、CoMPセル判定部115の判定結果によりCoMPセル判定部115から出力されても良く、無線基地局装置から通知されても良い。
【0066】
受信電力測定部114は、無線基地局装置から通知された隣接セル情報を用いて、サービングセルの信号の受信電力と、複数の隣接セルの信号の受信電力とを測定する。受信電力測定部114は、受信電力の測定結果をCoMPセル判定部115に出力する。
【0067】
CoMPセル判定部115は、サービングセルの測定結果(受信電力)と隣接セルの測定結果(受信電力)との間の差分をそれぞれ算出し、その差分値と所定の閾値とを比較し、差分値が所定の閾値以下になる隣接セルをCoMP候補セルと判定する。CoMPセル判定部115は、CoMP候補セルの情報を送受信部103に出力する。また、CoMPセル判定部115は、第1方法においては、CoMP候補セルが存在した時点で、DCS−CoMPが適用されることを認識する。また、CoMPセル判定部115は、第2方法においては、CoMPセルが通知された時点で、DCS−CoMPが適用されることを認識する。CoMPセル判定部115は、DCS−CoMPが適用されることを認識したときに、DCS−CoMP適用を示すモード情報をユーザデータ復調部113に出力する。
【0068】
なお、受信電力測定部114において、サービングセルの信号の受信電力と、複数の隣接セルの信号の受信電力とを測定し、さらにサービングセルの測定結果(受信電力)と隣接セルの測定結果(受信電力)との間の差分をそれぞれ算出し、CoMPセル判定部115において、その差分値と所定の閾値とを比較し、差分値が所定の閾値以下になる隣接セルをCoMP候補セルと判定しても良い。
【0069】
このように、本発明に係る無線通信システムにおいては、無線基地局装置が、DCS−CoMP送信を適用する際に、移動端末装置に送信する無線リソースでの送信電力を増加し、増加された送信電力を送信電力情報として移動端末装置に送信するので、CoMP、特に、DCS−CoMPを適用する場合において、移動端末装置における受信品質をより向上させることができる。
【0070】
次に、本発明に係る無線通信方法について説明する。
【0071】
(第1方法)
まず、サービングセルの無線基地局装置(eNB)から隣接セルの情報(隣接セル情報)が準静的に通知される。次いで、移動端末装置のCoMPセル判定部115において、隣接セル情報を用いてCoMP候補セルを特定する。具体的には、移動端末装置は、受信電力測定部114において、サービングセルの信号の受信電力と、複数の隣接セルの信号の受信電力とを測定し、CoMPセル判定部115において、サービングセルの測定結果(受信電力)と隣接セルの測定結果(受信電力)との間の差分をそれぞれ算出し、その差分が所定の閾値以下になる隣接セルをCoMP候補セルと特定する。移動端末装置は、このCoMP候補セル情報をハイヤレイヤシグナリング又はPDCCHによりサービングセルの無線基地局装置に通知する。
【0072】
次いで、移動端末装置は、フィードバック情報生成部112において、特定したCoMP候補セルについて、それぞれフィードバック情報(CQI、PMI、RI)(CoMPモードのフィードバック情報)を生成する。移動端末装置は、このフィードバック情報をPUCCHによりサービングセルの無線基地局装置に通知する。無線基地局装置は、送信電力変更部212において、DCS−CoMP適用時に、図2B又は図3Bに示すように送信電力を変更する(増加する)。DCS−CoMP適用時に送信電力の変更を示す送信電力情報は、無線基地局装置から移動端末装置に、ハイヤレイヤシグナリング又は下り制御情報で通知される。
【0073】
(第2方法)
まず、サービングセルの無線基地局装置(eNB)から隣接セルの情報(隣接セル情報)が準静的に通知される。次いで、移動端末装置のCoMPセル判定部115において、隣接セル情報を用いてCoMP候補セルを特定する。具体的には、移動端末装置は、受信電力測定部114において、サービングセルの信号の受信電力と、複数の隣接セルの信号の受信電力とを測定し、CoMPセル判定部115において、サービングセルの測定結果(受信電力)と隣接セルの測定結果(受信電力)との間の差分をそれぞれ算出し、その差分が所定の閾値以下になる隣接セルをCoMP候補セルと特定する。移動端末装置は、このCoMP候補セル情報をハイヤレイヤシグナリング又はPDCCHによりサービングセルの無線基地局装置に通知する。
【0074】
次いで、無線基地局装置は、CoMPセル決定部211において、通知されたCoMP候補セルの情報からCoMPセルを決定する。そして、無線基地局装置は、CoMPセルの情報(CoMPセル情報)を移動端末装置に準静的に通知する。次いで、移動端末装置は、フィードバック情報生成部112において、通知されたCoMPセルについて、フィードバック情報(CQI、PMI、RI)(CoMPモードのフィードバック情報)を生成する。移動端末装置は、このフィードバック情報をPUCCHによりサービングセルの無線基地局装置に通知する。無線基地局装置は、DCS−CoMP適用時に、図2B又は図3Bに示すように送信電力を変更する(増加する)。DCS−CoMP適用時に送信電力の変更を示す送信電力情報は、無線基地局装置から移動端末装置に、ハイヤレイヤシグナリング又は下り制御情報で通知される。
【0075】
上記実施の形態においては、送信電力情報を下り制御信号のDCIに含める場合について説明しているが、本発明はこれに限定されず、送信電力情報を他のチャネル信号に含めて通知する場合にも同様に適用することができる。
【0076】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0077】
1 無線通信システム
10A,10B 移動端末装置
20A,20B 無線基地局装置
30 上位局装置
40 コアネットワーク
101 送受信アンテナ
102 アンプ部
103 送受信部(受信部)
104 ベースバンド信号処理部
105 アプリケーション部
111 取得部
112 フィードバック情報生成部
113 ユーザデータ復調部(復調部)
114 受信電力測定部
115 CoMPセル判定部
201 送受信アンテナ
202 アンプ部
203 送受信部(通知部)
204 ベースバンド信号処理部
205 呼処理部
206 伝送路インターフェース
211 CoMPセル決定部
212 送信電力変更部
213 送信電力情報生成部
214 下り制御信号生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
瞬時セル選択型協調マルチポイント送信を適用する際に、移動端末装置に送信する無線リソースでの送信電力を増加する電力変更部と、増加された送信電力を送信電力情報として前記移動端末装置に送信すると共に、前記増加された送信電力で瞬時セル選択型協調マルチポイント送信する送信部と、を具備することを特徴とする無線基地局装置。
【請求項2】
前記電力変更部は、移動端末装置に送信しない又は送信電力を減じた無線リソース分の送信電力分を、移動端末装置に送信する無線リソースに増加することを特徴とする請求項1記載の無線基地局装置。
【請求項3】
移動端末装置からのCoMP候補セル情報からCoMPセルを決定する決定部を具備し、前記送信部は、前記CoMPセルの情報を前記移動端末装置に送信することを特徴とする請求項1記載の無線基地局装置。
【請求項4】
前記送信電力情報は、ハイヤレイヤシグナリングで移動端末装置に送信されることを特徴とする請求項1記載の無線基地局装置。
【請求項5】
前記送信電力情報は、下り制御信号(DCI)で送信されることを特徴とする請求項1記載の無線基地局装置。
【請求項6】
瞬時セル選択型協調マルチポイント送信を適用する際に、増加された送信電力を示す送信電力情報を受信する受信部と、瞬時セル選択型協調マルチポイント受信した信号を復調する復調部と、を具備することを特徴とする移動端末装置。
【請求項7】
サービングセルから通知された隣接セルの受信電力を測定する測定部と、前記隣接セルの受信電力の測定結果からCoMP候補セルを判定する判定部と、を具備することを特徴とする請求項6記載の移動端末装置。
【請求項8】
前記受信部は、前記無線基地局装置からのCoMPセルの情報を受信することを特徴とする請求項6記載の移動端末装置。
【請求項9】
前記CoMPセル又は前記CoMP候補セルのフィードバック情報を生成する生成部を具備することを特徴とする請求項7又は請求項8記載の移動端末装置。
【請求項10】
無線基地局装置において、瞬時セル選択型協調マルチポイント送信を適用する際に、移動端末装置に送信する無線リソースでの送信電力を増加する工程と、増加された送信電力を送信電力情報として前記移動端末装置に送信する工程と、前記増加された送信電力で瞬時セル選択型協調マルチポイント送信する工程と、前記移動端末装置において、前記送信電力情報を受信する工程と、瞬時セル選択型協調マルチポイント受信した信号を復調する工程と、を具備することを特徴とする無線通信方法。
【請求項11】
瞬時セル選択型協調マルチポイント送信を適用する際に、移動端末装置に送信する無線リソースでの送信電力を増加する電力変更部、及び増加された送信電力を送信電力情報として前記移動端末装置に送信すると共に、前記増加された送信電力で瞬時セル選択型協調マルチポイント送信する送信部を備える無線基地局装置と、
前記送信電力情報を受信する受信部、及び瞬時セル選択型協調マルチポイント受信した信号を復調する復調部を備える移動端末装置と、
を具備することを特徴とする無線通信システム。
【請求項12】
前記電力変更部は、移動端末装置に送信しない又は送信電力を減じた無線リソース分の送信電力分を、移動端末装置に送信する無線リソースに増加することを特徴とする請求項11記載の無線通信システム。
【請求項13】
前記無線基地局装置は、移動端末装置からのCoMP候補セル情報からCoMPセルを決定する決定部を具備し、前記送信部は、前記CoMPセルの情報を前記移動端末装置に送信することを特徴とする請求項11記載の無線通信システム。
【請求項14】
前記移動端末装置は、サービングセルから通知された隣接セルの受信電力を測定する測定部と、前記隣接セルの受信電力の測定結果からCoMP候補セルを判定する判定部と、を具備することを特徴とする請求項11記載の無線通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−239019(P2012−239019A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−106413(P2011−106413)
【出願日】平成23年5月11日(2011.5.11)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】