説明

無線端末の消費電力を低減させる通信制御方法及びシステム

【課題】特に災害時のように無線通信システムの高輻輳状態時に、無線端末の待ち受け時間における消費電力をできる限り低減させると共に、基地局へ集中する無線リンクの接続数をできる限り低減させることができる通信制御方法及びシステムを提供する。
【解決手段】セッション制御装置は、無線端末毎に、着信を確認する確認時刻を保持している。第2の無線端末が、第2の基地局に対して無線リンクを接続し、セッション制御装置へ、第1の無線端末を宛先とするセッション確立要求を送信する。セッション制御装置は、第1の無線端末の確認時刻を含むセッション確立応答を、第2の無線端末へ返信する。そして、第2の無線端末は、無線リンクを切断状態又は休止状態にする。その後、第1の無線端末の確認時刻に達した時に、第1の無線端末が、第1の基地局に対して無線リンクを接続し、第2の無線端末が、第2の基地局に対して無線リンクを接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線端末間における発着信シーケンスの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンやタブレット端末のような高機能携帯端末が普及してきている。このような端末は、携帯電話網(3G)や、無線LAN(Local Area Network)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)のような様々な種類の通信インタフェースを使い分けることができる。様々な無線通信環境に対して通話やメッセージングを実現するために、これら端末には、双方向アプリケーションがインストールされる場合が多い(例えば引用文献1〜3参照)。
【0003】
これらアプリケーションは、少なくとも、アプリケーション毎に割り当てられたユーザ又は無線端末を識別可能な識別子(アプリケーション識別子と称す)と、端末のIPアドレスとを含む登録要求を、ネットワークに配置されたサーバへ送信する。登録要求を受信したサーバは、アプリケーション識別子及びIPアドレスを登録することによって、端末の位置登録処理を実行する。
【0004】
このような双方向アプリケーションに基づくセッションの確立によれば、発信側端末は、着信側端末のアプリケーション識別子及びIPアドレスを含むセッション確立要求を、サーバへ送信する。サーバは、セッション確立要求に含まれる情報によって、着信側端末を検索する。そして、サーバは、セッション確立要求を、着信側端末へプッシュ的に送信する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Skype、[online]、[平成23年8月11日検索]、インターネット<URL:http://www.skype.com/intl/ja/home/>
【非特許文献2】FaceTime、[online]、[平成23年8月11日検索]、インターネット<URL:http://www.apple.com/jp/iphone/features/facetime.html>
【非特許文献3】Google Talk、[online]、[平成23年8月11日検索]、インターネット<URL:http://www.google.com/talk/intl/ja/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のセッション確立方法によれば、無線端末は、サーバからのセッション確立要求を受信するために、常時、基地局との間の無線リンクを接続しておく必要がある。そのために、無線端末は、常に待ち受け状態を維持する必要があり、消費電力が大きくなるという問題がある。
【0007】
また、現在の無線通信システムによれば、基地局に接続可能な無線端末の数が制限されている。例えば、災害発生時などのように、多くの無線端末が一度に、1つの基地局に集中的に接続する場合がある。このような場合、従来の携帯電話機のような無線端末では、通信事業者網からの発信制御信号によって発信端末数を制御することができる。
【0008】
しかしながら、スマートフォンやタブレット端末のような高機能携帯端末では、通信事業者網から発信制御をすることができない。結果的に、災害発生時のような場合、1つの基地局に対して接続可能な無線端末の数が超過し、その後の無線端末は、基地局との間で無線リンクを接続することができない。
【0009】
そこで、本発明は、特に災害時のように無線通信システムの高輻輳状態時に、無線端末の待ち受け時間における消費電力をできる限り低減させると共に、基地局へ集中する無線リンクの接続数をできる限り低減させることができる通信制御方法及びシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、無線通信網の基地局に接続する複数の無線端末と、広域通信網に接続されたセッション制御装置とを有し、無線通信網及び広域通信網が相互接続されたシステムにおける通信制御方法であって、
セッション制御装置は、無線端末毎に、着信を確認する確認時刻を保持しており、
第2の無線端末が、第1の無線端末へ発信する際に、第2の基地局に対して無線リンクを接続する第1のステップ(S6)と、
第2の無線端末が、第2の基地局を介してセッション制御装置へ、第1の無線端末を宛先とするセッション確立要求を送信する第2のステップ(S7)と、
セッション制御装置が、第1の無線端末の確認時刻を含むセッション確立応答を、第2の基地局を介して、第2の無線端末へ返信する第3のステップ(S8)と、
第2の無線端末が、第2の基地局に対する無線リンクを切断状態又は休止状態にする第4のステップ(S9)と、
第1の無線端末の確認時刻に達した時に、第1の無線端末が、第1の基地局に対して無線リンクを接続すると共に、第2の無線端末が、第2の基地局に対して無線リンクを接続する第5のステップ(S10)と、
第1の無線端末が、第1の基地局を介してセッション制御装置へ、確認要求を送信する第6のステップ(S11)と
を有することを特徴とする。
【0011】
本発明の通信制御方法における他の実施形態によれば、
第1のステップ(S6)の前段について、
第1の無線端末が、第1の基地局に対して無線リンクを接続するステップ(S1)と、
第1の無線端末が、第1の基地局を介してセッション制御装置へ、登録要求を送信するステップ(S2)と、
セッション制御装置が、第1の無線端末の登録処理を実行すると共に、第1の無線端末の確認時刻を決定するステップ(S3)と、
セッション制御装置が、確認時刻を含む登録応答を、第1の基地局を介して第1の無線端末へ返信するステップ(S4)と、
第1の無線端末が、第1の基地局に対する無線リンクを切断状態又は休止状態にするステップ(S5)と
を有し、
第1の無線端末は、確認時刻に達した時に、第1の基地局に対して無線リンクを接続するように動作することも好ましい。
【0012】
本発明の通信制御方法における他の実施形態によれば、
セッション制御装置は、基地局全ての通信状態情報を収集しており、
第1の基地局の通信状態に応じて第1の無線端末の確認時刻を決定する
ことも好ましい。
【0013】
本発明の通信制御方法における他の実施形態によれば、
第6のステップ(S11)の後段として、
セッション制御装置が、第1の無線端末に対するセッション確立要求を既に受信しているか否かを確認する第7のステップと、
セッション制御装置が、第7のステップ(S12)で真と判定した場合、確認応答を、第1の基地局を介して第1の無線端末へ送信する第8のステップ(S13)と、
第1の無線端末が、第1の基地局を介してセッション制御装置へ、セッション確立要求を送信する第9のステップ(S14)と、
セッション制御装置が、セッション確立要求を、第2の基地局を介して第2の無線端末へ送信する第10のステップ(S15)と
を有することも好ましい。
【0014】
本発明の通信制御方法における他の実施形態によれば、
第6のステップ(S11)の後段として、
セッション制御装置が、第1の無線端末に対するセッション確立要求を既に受信しているか否かを確認する第7のステップ(S12)と、
セッション制御装置が、第7のステップで真と判定した場合、セッション確立要求を、第1の基地局を介して第1の無線端末へ送信する第8のステップ(S13)と、
第1の無線端末が、第1の基地局を介してセッション制御装置へ、セッション確立応答を送信する第9のステップ(S14)と、
セッション制御装置が、セッション確立応答を、第2の基地局を介して第2の無線端末へ送信する第10のステップ(S15)と
を有することも好ましい。
【0015】
本発明の通信制御方法における他の実施形態によれば、
第3のステップ(S8)について、セッション制御装置は、第1の基地局の通信状態に応じて確認時刻を更新し、第1の無線端末の当該確認時刻を含むセッション確立応答を、第2の基地局を介して、第2の無線端末へ返信し、
第6のステップ(S11)の後段として、
セッション制御装置が、第1の無線端末に対するセッション確立要求を既に受信しているか否かを確認する第7のステップ(S12)と、
セッション制御装置が、第7のステップで真と判定した場合、更新された第1の無線端末の確認時刻を含む確認応答を、第1の基地局を介して第1の無線端末へ返信する第8のステップ(S13)と、
第1の無線端末が、第1の基地局に対する無線リンクを切断状態又は休止状態にするステップと
を有することも好ましい。
【0016】
本発明の通信制御方法における他の実施形態によれば、
確認要求は、SIP Requestメソッド又はHTTP Requestメソッドであり、
確認応答は、SIP Responseメソッド又はHTTP Responseメソッドであり、
確認時刻は、SIP Responseメソッド又はHTTP ResponseメソッドにおけるReason phaseに含まれることも好ましい。
【0017】
本発明の通信制御方法における他の実施形態によれば、
無線端末は、アプリケーションをインストール可能な高機能端末であって、基地局との間の無線リンクの種類に関係なく、アプリケーションレベルで通話又はメッセージを交換することができる双方向アプリケーションがインストールされていることも好ましい。
【0018】
本発明の通信制御方法における他の実施形態によれば、
セッション制御装置は、複数のピア装置からなるP2P(Peer-to-Peer)ネットワークで構成されており、
第1の無線端末及び第2の無線端末と通信可能ないずれか1つのピア装置が、セッション制御装置として動作することも好ましい。
【0019】
本発明によれば、無線通信網の基地局に接続する複数の無線端末と、広域通信網に接続されたセッション制御装置とを有し、無線通信網及び広域通信網が相互接続された通信制御システムであって、
セッション制御装置は、
基地局全ての通信状態情報を収集管理する通信状態蓄積手段と、
無線端末から基地局を介して登録要求を受信し、登録処理を実行する登録処理手段と、
登録要求を受信した際に、基地局の通信状態に応じて確認時刻を決定する確認時刻決定手段と、
確認時刻を含む登録応答を、基地局を介して無線端末へ返信する登録応答返信手段と、
無線端末から基地局を介してセッション確立要求を受信した場合、確認時刻を含むセッション確立応答を当該無線端末へ返信するセッション確立制御手段と、
無線端末から基地局を介して確認要求を受信した場合、当該無線端末を宛先とするセッション確立要求を既に受信しているか否かを判定する着信判定手段と、
着信判定手段によって真と判定された場合、先に受信したセッション確立要求又は確認応答を、無線端末へ返信する確認応答返信手段と
を有し、
無線端末は、
基地局に対して無線リンクを接続状態/切断状態(又は休止状態)にする無線リンク接続制御手段と、
無線リンクの接続後、基地局を介してセッション制御装置へ、登録要求を送信する登録要求送信手段と、
セッション制御装置から基地局を介して登録応答を受信し、当該登録応答に含まれる確認時刻を取得する登録応答受信手段と、
無線リンクの接続後、基地局を介してセッション制御装置へ、確認要求を送信する確認要求送信手段と、
セッション制御装置から基地局を介して確認応答を受信し、当該確認応答に含まれる着信の有無及び/又は確認時刻を取得する確認応答受信手段と、
基地局を介してセッション制御装置へ、宛先の無線端末を指定したセッション確立要求を送信し、その後、セッション制御装置から基地局を介してセッション確立応答を受信し、当該セッション確立応答に含まれる確認時刻を取得するセッション確立制御手段と、
取得された確認時刻を、タイマに設定するタイマ手段と
を有し、
無線リンク接続制御手段は、確認時刻を取得した後、無線リンクを切断状態又は休止状態にし、タイマ手段がタイムアウトを発生した際に、無線リンクを接続する
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明の通信制御方法及びシステムによれば、特に災害時のように無線通信システムの高輻輳状態時に、無線端末の待ち受け時間における消費電力をできる限り低減させると共に、基地局へ集中する無線リンクの接続数をできる限り低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】無線端末の双方向アプリケーションを用いたシステムの構成図である。
【図2】本発明における登録処理を表すシーケンス図である。
【図3】本発明における発着信処理を表すシーケンス図である。
【図4】図3のシーケンスの後で実行される第1のシーケンス図である。
【図5】図3のシーケンスの後で実行される第2のシーケンス図である。
【図6】確認時刻が更新された場合のシーケンス図である。
【図7】本発明におけるセッション制御装置及び無線端末の機能構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下では、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0023】
図1は、無線端末の双方向アプリケーションを用いたシステムの構成図である。
【0024】
図1によれば、無線端末2は、スマートフォンのような高機能携帯端末であって、既存の双方向アプリケーションが予めインストールされている。双方向アプリケーションとしては、例えばSkype(登録商標)、Facetime(登録商標)、Google Talk(登録商標)がある(例えば非特許文献1〜3参照)。無線端末2は、基地局3との間で無線リンクを接続し、アクセスネットワークに接続する。例えば、無線リンクが無線LANである場合、基地局はアクセスポイントとなる。一般に、アクセスネットワークと、インターネットのような広域通信網とは相互接続されており、無線端末2は、アクセスネットワークを介してインターネットに接続することができる。
【0025】
また、図1によれば、アプリケーション同士の通話及びメッセージングを交換するためのセッション制御装置1が、インターネットに接続されている。セッション制御装置1は、無線端末2同士の間でセッションを確立するべく機能する。そのために、セッション制御装置1は、無線端末2のアプリケーション識別子及びIPアドレスを登録する。
【0026】
セッション制御装置1は、基地局全ての通信状態を収集管理している。通信状態としては、例えば当該基地局に対する無線端末の接続数であってもよいし、当該基地局に障害(例えば災害)が発生した旨の情報であってもよい。また、当該基地局における許容通信量に対する現通信量を表す通信負荷率や、最大処理量に対する現処理量を表す処理負荷率であってもよい。更に、当該基地局において発信規制が行われている場合に、発信規制率の情報であってもよい。尚、セッション制御装置1は、基地局の通信状態を、基地局から直接取得してもよいし、無線通信網内のサーバ又は無線端末から取得してもよい。
【0027】
セッション制御装置1は、SIP(Session Initiation Protocol)サーバであってもよいし、Webサーバであってもよい。また、セッション制御装置1は、その処理能力を高めるべく、複数のピア装置から構成されるP2P(Peer-to-Peer)ネットワークとして機能するものであってもよい。この場合、セッションを確立する無線端末に応じて、セッションを制御するピア装置が決定される。
【0028】
図2は、本発明における登録処理を表すシーケンス図である。
【0029】
(S1)最初に、無線端末2Aは、基地局3Aに対して無線リンクを接続する。無線リンクの接続には、無線端末の接続認証処理も含められ、アクセスネットワークに接続した状態である。無線端末2Aは、無線リンクの切断状態(Disconnected)から接続状態へ移行してもよいし、無線リンクの休止状態(Dormant)から接続状態へ移行してもよい。Dormant方式とは、データが送受信されていないときや電波状態が悪いときに、通信を休止状態にすることができる通信方式をいう。休止状態では、データを送受信しないが、ネットワークの接続状態は維持されている。休止状態の端末へ、リクエストを発信することによって、直ぐに通信を再開させることができる。再度、セッションを確立することなく、しかも無駄に通信回線を占有しないので、通信の効率化を図ることができる。ここで、無線リンクの接続状態にある無線端末の消費電力は、切断状態又は休止状態にある消費電力と比較して、高くなる。
【0030】
(S2)次に、無線端末2Aは、基地局3Aを介してセッション制御装置1へ、「登録要求」を送信する。登録要求には、双方向アプリケーションに基づいて、少なくとも当該無線端末のアプリケーション識別子と、当該無線端末のIPアドレスとが含まれる。また、登録要求に、基地局3Aの通信状態を含むものであってもよい。
【0031】
(S3)セッション制御装置1は、登録要求に含まれるアプリケーション識別子及びIPアドレスを取得し、当該端末について登録処理を実行する。具体的には、アプリケーション識別子及びIPアドレスが、セッション制御装置1の登録テーブルに登録される。
【0032】
また、セッション制御装置1は、基地局3Aの通信状態に応じて確認時刻(着信確認時刻)を決定する。通信状態とは、例えば基地局に接続された無線端末の数によって表される輻輳状態であってもよい。例えば、無線端末2が在圏するエリアで災害が発生した場合、その基地局3は、無線端末からの接続要求の集中によって高輻輳状態となる。
所定閾値以下の低輻輳状態 -> 確認時間間隔を初期値に設定する
所定閾値よりも高い高輻輳状態 -> 確認時間間隔を長く設定する
確認時刻は、現時刻に確認時間間隔を加算したものである。
確認時刻=現時刻+確認時間間隔
【0033】
セッション制御装置1は、登録テーブルとして、無線端末のアプリケーション識別子及びIPアドレスの組毎に、基地局の通信状態と、確認時刻と、着信情報とを記憶する。基地局の通信状態とは、当該無線端末と無線リンクを接続する基地局に基づく。確認時刻は、当該無線端末が次に無線リンクを接続する時刻である。着信情報とは、当該無線端末を宛先としたセッション確立要求を受信した否かの情報である。
【表1】

【0034】
(S4)セッション制御装置1は、確認時刻を含む登録応答を、基地局3Aを介して無線端末2Aへ返信する。無線端末2は、受信した登録応答から確認時刻を取得し、タイマ部に設定する。
【0035】
(S5)そして、無線端末2Aは、基地局3Aに対する無線リンクを切断状態又は休止状態にする。
【0036】
その後、確認時刻に達したとする。このとき、無線端末2Aは、基地局3Aに対して無線リンクを接続する。
【0037】
そして、無線端末2Aは、無線リンクの接続後、確認要求(着信確認要求)を、基地局3Aを介してセッション制御装置1へ送信する。確認要求には、無線端末を特定するべくアプリケーション識別子が含まれる。
【0038】
確認要求を受信したセッション制御装置1は、アプリケーション識別子から無線端末2Aを特定し、当該無線端末2Aに対する着信があったか否かを確認する。ここで、図2によれば、着信は無い。
【0039】
この場合、セッション制御装置1は、確認応答を、基地局3Aを介して無線端末2Aへ返信する。確認応答には、着信の有無と、次の確認時刻とが含まれる。図2によれば、確認応答には、「着信の無し」の情報が含まれる。
【0040】
確認応答を受信した無線端末2Aは、着信無しを知ることによって、基地局3Aとの間の無線リンクを切断状態又は休止状態にする。また、無線端末2Aは、次の確認時刻まで、無線リンクを接続しない。
【0041】
図3は、本発明における発着信処理を表すシーケンス図である。
【0042】
図3によれば、無線端末2Bが発信側となり、無線端末2Aが着信側となって、セッションを確立するシーケンスを表す。
【0043】
(S6)無線端末2Bは、無線端末2Aへ発信する際に、基地局3Bに対して無線リンクを接続する。
【0044】
(S7)無線端末2Bは、無線リンクの接続後、基地局3Bを介してセッション制御装置1へ、無線端末2Aを宛先とする「セッション確立要求」を送信する。セッション確立要求は、発信元となる無線端末2Bのアプリケーション識別子及びIPアドレスと共に、着信先となる無線端末2Aのアプリケーション識別子を含む。セッション制御装置1がSIPサーバである場合、無線端末2Bは、セッション確立要求として、SIP Inviteを送信する。
INVITE sip:bob@ezweb.ne.jp SIP/2.0
Via SIP/2.0/UDP pc33.ezweb.ne.jp; branch=z9hG4bKnashds8
MAX-Forwards: 70
To: Bob <sip:bob@ezweb.ne.jp>
From: Alice <sip:alice@ezweb.ne.jp>;tag=1928301774
Call-ID: a84b4c76e66710
CSeq: 314159 INVITE
Contact: <sip:alice@pc33.ezweb.ne.jp>
Content-Type: application/sdp
Content-Length: 142
【0045】
また、セッション制御装置1がWebサーバである場合、無線端末2Bは、セッション確立要求として、HTTP GET Requestを送信する。
GET / HTTP/1.1
Accept: image/gif, image/jpeg, */*
Accept-Language: ja
Accept-Encoding: gzip, deflate
User-Agent: Mozilla/4.0 (Compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1;)
Host: www.xxx.zzz
Connection: Keep-Alive
【0046】
(S8)セッション制御装置1は、無線端末2Aが登録テーブルに登録されているか否かを確認する。登録されている場合、セッション制御装置1は、S3で設定した無線端末2Aの確認時刻を含むセッション確立応答を、基地局3Bを介して無線端末2Bへ返信する。
【0047】
セッション制御装置1がSIPサーバである場合、セッション制御装置1は、セッション確立応答としてのSIP Responseを、無線端末2Bへ返信する。この場合、SIP Responseは、182 Queuedである。また、確認時刻の情報として、SIP ResponseのReason phraseに、"Expected waiting time is 15 minutes"(15分後に再接続)を含む。
SIP/2.0 182 Queued "Expected waiting time is 15 minutes"
Via: SIP/2.0/UDP pc33.ezweb.ne.jp; branch=z9hG4bKnashds8; received=192.0.2.1
To: Bob <sip:bob@ezweb.ne.jp>
From: Alice <sip:alice@ezweb.ne.jp>;tag=1928301774
Call-ID: a84b4c76e66710
CSeq: 314159 INVITE
Content-Length: 0
【0048】
また、セッション確立応答として、以下のようなSIP Responseであってもよい。この場合、SIP Responseは、480 Temporarily Unavailableである。
SIP/2.0 480 Temporarily Unavailable "Expected waiting time is 15 minutes"
Via: SIP/2.0/UDP pc33.ezweb.ne.jp; branch=z9hG4bKnashds8; received=192.0.2.1
To: Bob <sip:bob@ezweb.ne.jp>
From: Alice <sip:alice@ezweb.ne.jp>;tag=1928301774
Call-ID: a84b4c76e66710
CSeq: 314159 INVITE
Content-Length: 0
【0049】
更に、セッション制御装置1がWebサーバである場合、セッション制御装置1は、セッション制御装置1は、セッション確立応答としてのHTTP Responseを、無線端末2Bへ返信する。この場合、HTTP
Responseは、503 Service Unavailableである。また、確認時刻の情報として、HTTP ResponseのReason phraseに、"Expected waiting time is 15 minutes"(15分後に再接続)を含む。
HTTP/1.1 503 Service Unavailable "Expected waiting time is 15 minutes"
Date: Sun, 11 Jan 2004 16:06:23 GMT
Server: Apache/1.3.22 (Unix) (Red-Hat/Linux)
Content-Length: 0
【0050】
(S9)そして、無線端末2Bは、基地局3Bに対する無線リンクを切断状態又は休止状態にする。
【0051】
(S10)その後、確認時刻に達した時に、無線端末2Aが、基地局3Aに対して無線リンクを接続すると共に、無線端末2Bが、基地局3Bに対して無線リンクを接続する。これによって、発信側の無線端末2Bと、着信側の無線端末2Aとの両方が、無線リンクに接続された状態となる。
【0052】
図4は、図3のシーケンスの後で実行される第1のシーケンス図である。
【0053】
(S11)無線端末2Aは、基地局3Aを介してセッション制御装置1へ、確認要求(着信確認要求)を送信する。確認要求は、無線端末2Aのアプリケーション識別子を含む。
【0054】
(S12)セッション制御装置1は、無線端末2Bに対するセッション確立要求を既に受信しているか否かを確認する。図4によれば、図3のS7によって無線端末2Bに対するセッション確立要求を既に受信している。
【0055】
(S13)セッション制御装置1は、S12で真と判定した場合、セッション確立要求を基地局3Aを介して無線端末2Aへ送信する。セッション確立要求には、発信元の無線端末のアプリケーション識別子及びIPアドレスも含まれる。
【0056】
その後、無線端末2Aは、セッション確立応答を、基地局3Aを介してセッション制御装置1へ送信する。セッション確立応答には、無線端末2Bとセッションを確立を許可する場合には肯定応答(OK)を、セッションを確立を許可しない場合には否定応答(NG)を含む。セッション制御装置1が、SIPサーバである場合、セッション確立応答としてのSIP Response (200 OK)は、例えば以下のようになる。尚、CSeqに、セッション確立要求としてのINVITEが含められている。
SIP/2.0 200 OK
Via: xxxx
To: Bob <sip:bob@ezweb.ne.jp>
From: Alice <sip:alice@ezweb.ne.jp>;tag=1928301774
Call-ID: a84b4c76e66710
CSeq: 314159 INVITE
Contact: <sip:bob@192.0.2.4>
Content-Type: application/sdp
Content-Length: 131
【0057】
セッション制御装置1は、無線端末2Aから受信したセッション確立応答を、基地局3Bを介して無線端末2Bへ送信する。
【0058】
これによって、セッション確立応答が肯定応答(OK)である場合、無線端末2Aと無線端末2Bとの間でセッションが確立される。
【0059】
図5は、図3のシーケンスの後で実行される第2のシーケンス図である。
【0060】
(S11)無線端末2Aは、無線リンクの接続後、基地局3Aを介してセッション制御装置1へ、確認要求を送信する。確認要求は、無線端末2Aのアプリケーション識別子を含む。
【0061】
(S12)セッション制御装置1は、無線端末2Aに対するセッション確立要求を既に受信しているか否かを確認する。
【0062】
(S13)セッション制御装置1は、S12で真と判定した場合、確認応答(着信有り、無線端末2Bのアプリケーション識別子及びIPアドレス)を、基地局3Aを介して無線端末2Aへ送信する。
【0063】
(S14)無線端末2Aは、基地局3Aを介してセッション制御装置1へ、セッション確立要求を送信する。セッション確立要求は、発信元の無線端末2Aのアプリケーション識別子及びIPアドレスと、着信先の無線端末2Bのアプリケーション識別子及びIPアドレスとを含む。
【0064】
(S15)セッション制御装置1は、セッション確立要求を、基地局3Bを介して無線端末2Bへ送信する。
【0065】
その後、無線端末2Bは、基地局3Bを介してセッション制御装置1へ、セッション確立応答を送信する。セッション確立応答は、無線端末2Aとセッションの確立を許可する場合には肯定応答(OK)を、セッションの確立を許可しない場合には否定応答(NG)を含む。
【0066】
セッション制御装置1は、セッション確立応答を、基地局3Aを介して無線端末2Aへ転送する。
【0067】
これによって、セッション確立応答が肯定応答(OK)だった場合、無線端末2Aと無線端末2Bとの間でセッションが確立される。
【0068】
図6は、確認時刻が更新された場合のシーケンス図である。
【0069】
図3のS8について、セッション制御装置1は、基地局3Aの通信状態に応じて確認時刻を更新するものであってもよい。そして、無線端末2Aの当該確認時刻を含むセッション確立応答を、基地局3Bを介して、無線端末2Bへ返信する。但し、確認時刻を更新することによって、無線端末2Aが無線リンクに接続する時間帯と、無線端末2Bが無線リンクに接続する時間帯とが一致しなくなる。
【0070】
図6によれば、セッション制御装置1は、無線端末2Aに対するセッション確立要求を既に受信しているか否かを確認する(S12)。ここで、真と判定された場合、更新された無線端末2Aの確認時刻を含む確認応答を、基地局3Aを介して無線端末2Aへ返信する(S13)。そして、無線端末2Aは、更新された確認時刻をタイマ部に新たに設定し、基地局3Aに対する無線リンクを切断状態又は休止状態にする。その後、確認時刻に達した際に、無線端末2Aは、無線リンクを接続する。
【0071】
図7は、本発明におけるセッション制御装置及び無線端末の機能構成図である。
【0072】
セッション制御装置1は、通信インタフェース部10と、通信状態蓄積部11と、登録処理部12と、確認時刻決定部13と、登録応答返信部14と、セッション確立制御部15と、着信判定部16と、確認応答返信部17と、登録テーブル18とを有する。これら機能構成部は、セッション制御装置に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムを実行することによって実現される。
【0073】
通信状態蓄積部11は、基地局全ての通信状態情報を収集管理する。通信状態情報は、確認時刻決定部13によって参照される。
【0074】
登録処理部12は、無線端末2から基地局3を介して登録要求を受信し、登録処理を実行する。登録要求には、無線端末2のアプリケーション識別子及びIPアドレスが含まれている。
【0075】
確認時刻決定部13は、登録要求を受信した際に、基地局3の通信状態に応じて確認時刻を決定する。例えば基地局3が高輻輳状態にある場合、確認時刻は比較的長く設定される。確認時刻は、登録応答返信部14及びセッション確立制御部15へ出力される。また、確認時刻は、無線端末のアプリケーション識別子及びIPアドレスと合わせて、登録テーブル18に登録される。
【0076】
登録テーブル18は、無線端末のアプリケーション識別子及びIPアドレスの組毎に、基地局の通信状態と、確認時刻とを対応付けて記憶する。
【0077】
登録応答返信部14は、確認時刻を含む登録応答を、基地局3を介して無線端末2へ返信する。
【0078】
セッション確立制御部15は、無線端末2から基地局3を介してセッション確立要求を受信した場合、確認時刻を含むセッション確立応答を当該無線端末2へ返信する。
【0079】
着信判定部16は、無線端末2から基地局3を介して確認要求を受信した場合、当該無線端末を宛先とするセッション確立要求を既に受信しているか否かを判定する。判定結果は、確認応答返信部17へ出力される。
【0080】
確認応答返信部17は、着信判定部16によって真と判定された場合、登録テーブル18を参照し、先に受信したセッション確立要求を含む確認応答を、無線端末2へ返信する。
【0081】
無線端末2は、無線通信部20と、無線リンク接続制御部21と、登録要求送信部22と、登録応答受信部23と、確認要求送信部24と、確認応答受信部25と、セッション確立制御部26と、タイマ部27と、データ通信部28とを有する。これら機能構成部は、無線端末に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムを実行することによって実現される。
【0082】
無線リンク接続制御部21は、基地局3に対して無線リンクを接続状態/切断状態(又は休止状態)にする。また、無線リンク接続制御部21は、確認時刻を取得した後(タイマ部に確認時刻を設定した後)、無線リンクを切断状態又は休止状態とするべく制御する。更に、無線リンク接続制御部21は、タイマ部27がタイムアウトを発生した際に、無線リンクを接続するべく制御する。
【0083】
登録要求送信部22は、無線リンクの接続後、基地局3を介してセッション制御装置1へ、登録要求を送信する。
【0084】
登録応答受信部23は、セッション制御装置1から基地局3を介して登録応答を受信し、当該登録応答に含まれる確認時刻を取得する。その確認時刻は、タイマ部27に設定される。
【0085】
確認要求送信部24は、無線リンクの接続後、基地局3を介してセッション制御装置1へ、確認要求を送信する。
【0086】
確認応答受信部25は、セッション制御装置1から基地局3を介して確認応答を受信し、当該確認応答に含まれる着信の有無及び/又は確認時刻を取得する。その確認時刻は、タイマ部27に設定される。着信有りの場合、確認応答受信部25は、セッション確立要求部26へ、セッションを確立するべく指示する。
【0087】
セッション確立制御部26は、基地局を介してセッション制御装置1へ、宛先の無線端末を指定したセッション確立要求を送信する。また、セッション確立制御部26は、セッション制御装置1から基地局3を介してセッション確立応答を受信し、当該セッション確立応答に含まれる確認時刻を取得する。その確認時刻は、タイマ部27に設定される。
【0088】
タイマ部27は、取得された確認時刻を、タイマに設定する。そして、タイマ部27は、タイムアウトした際に、無線リンク接続制御部21へ、タイムアウトした旨を通知する。
【0089】
以上、詳細に説明したように、本発明の通信制御方法及びシステムによれば、特に災害時のように無線通信システムの高輻輳状態時に、無線端末の待ち受け時間における消費電力をできる限り低減させると共に、基地局へ集中する無線リンクの接続数をできる限り低減させることができる。
【0090】
前述した本発明の種々の実施形態について、本発明の技術思想及び見地の範囲の種々の変更、修正及び省略は、当業者によれば容易に行うことができる。前述の説明はあくまで例であって、何ら制約しようとするものではない。本発明は、特許請求の範囲及びその均等物として限定するものにのみ制約される。
【符号の説明】
【0091】
1 セッション制御装置
11 通信状態蓄積部
12 登録処理部
13 確認時刻決定部
14 登録応答返信部
15 セッション確立制御部
16 着信判定部
17 確認応答返信部
18 登録テーブル
2 無線端末
20 無線通信部
21 無線リンク接続制御部
22 登録要求送信部
23 登録応答受信部
24 確認要求送信部
25 確認応答受信部
26 セッション確立制御部
27 タイマ部
28 データ通信部
3 基地局

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信網の基地局に接続する複数の無線端末と、広域通信網に接続されたセッション制御装置とを有し、無線通信網及び広域通信網が相互接続されたシステムにおける通信制御方法であって、
前記セッション制御装置は、無線端末毎に、着信を確認する確認時刻を保持しており、
第2の無線端末が、第1の無線端末へ発信する際に、第2の基地局に対して無線リンクを接続する第1のステップと、
第2の無線端末が、第2の基地局を介して前記セッション制御装置へ、第1の無線端末を宛先とするセッション確立要求を送信する第2のステップと、
前記セッション制御装置が、第1の無線端末の前記確認時刻を含むセッション確立応答を、第2の基地局を介して、第2の無線端末へ返信する第3のステップと、
第2の無線端末が、第2の基地局に対する無線リンクを切断状態又は休止状態にする第4のステップと、
第1の無線端末の前記確認時刻に達した時に、第1の無線端末が、第1の基地局に対して無線リンクを接続すると共に、第2の無線端末が、第2の基地局に対して無線リンクを接続する第5のステップと、
第1の無線端末が、第1の基地局を介して前記セッション制御装置へ、確認要求を送信する第6のステップと
を有することを特徴とする通信制御方法。
【請求項2】
第1のステップの前段について、
第1の無線端末が、第1の基地局に対して無線リンクを接続するステップと、
第1の無線端末が、第1の基地局を介して前記セッション制御装置へ、登録要求を送信するステップと、
前記セッション制御装置が、第1の無線端末の登録処理を実行すると共に、第1の無線端末の確認時刻を決定するステップと、
前記セッション制御装置が、前記確認時刻を含む登録応答を、第1の基地局を介して第1の無線端末へ返信するステップと、
第1の無線端末が、第1の基地局に対する無線リンクを切断状態又は休止状態にするステップと
を有し、
第1の無線端末は、前記確認時刻に達した時に、第1の基地局に対して無線リンクを接続するように動作することを特徴とする請求項1に記載の通信制御方法。
【請求項3】
前記セッション制御装置は、基地局全ての通信状態情報を収集しており、
第1の基地局の通信状態に応じて第1の無線端末の確認時刻を決定する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の通信制御方法。
【請求項4】
第6のステップの後段として、
前記セッション制御装置が、第1の無線端末に対するセッション確立要求を既に受信しているか否かを確認する第7のステップと、
前記セッション制御装置が、第7のステップで真と判定した場合、確認応答を、第1の基地局を介して第1の無線端末へ送信する第8のステップと、
第1の無線端末が、第1の基地局を介して前記セッション制御装置へ、セッション確立要求を送信する第9のステップと、
前記セッション制御装置が、前記セッション確立要求を、第2の基地局を介して第2の無線端末へ送信する第10のステップと
を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の通信制御方法。
【請求項5】
第6のステップの後段として、
前記セッション制御装置が、第1の無線端末に対するセッション確立要求を既に受信しているか否かを確認する第7のステップと、
前記セッション制御装置が、第7のステップで真と判定した場合、前記セッション確立要求を、第1の基地局を介して第1の無線端末へ送信する第8のステップと、
第1の無線端末が、第1の基地局を介して前記セッション制御装置へ、セッション確立応答を送信する第9のステップと、
前記セッション制御装置が、前記セッション確立応答を、第2の基地局を介して第2の無線端末へ送信する第10のステップと
を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の通信制御方法。
【請求項6】
第3のステップについて、前記セッション制御装置は、第1の基地局の通信状態に応じて確認時刻を更新し、第1の無線端末の当該確認時刻を含むセッション確立応答を、第2の基地局を介して、第2の無線端末へ返信し、
第6のステップの後段として、
前記セッション制御装置が、第1の無線端末に対するセッション確立要求を既に受信しているか否かを確認する第7のステップと、
前記セッション制御装置が、第7のステップで真と判定した場合、更新された第1の無線端末の前記確認時刻を含む確認応答を、第1の基地局を介して第1の無線端末へ返信する第8のステップと、
第1の無線端末が、第1の基地局に対する無線リンクを切断状態又は休止状態にするステップと
を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の通信制御方法。
【請求項7】
前記確認要求は、SIP Requestメソッド又はHTTP Requestメソッドであり、
前記確認応答は、SIP Responseメソッド又はHTTP Responseメソッドであり、
前記確認時刻は、SIP Responseメソッド又はHTTP ResponseメソッドにおけるReason phaseに含まれる
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の通信制御方法。
【請求項8】
前記無線端末は、アプリケーションをインストール可能な高機能端末であって、基地局との間の無線リンクの種類に関係なく、アプリケーションレベルで通話又はメッセージを交換することができる双方向アプリケーションがインストールされていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の通信制御方法。
【請求項9】
前記セッション制御装置は、複数のピア装置からなるP2P(Peer-to-Peer)ネットワークで構成されており、
第1の無線端末及び第2の無線端末と通信可能ないずれか1つのピア装置が、前記セッション制御装置として動作する
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の通信制御方法。
【請求項10】
無線通信網の基地局に接続する複数の無線端末と、広域通信網に接続されたセッション制御装置とを有し、無線通信網及び広域通信網が相互接続された通信制御システムであって、
前記セッション制御装置は、
基地局全ての通信状態情報を収集管理する通信状態蓄積手段と、
前記無線端末から前記基地局を介して登録要求を受信し、登録処理を実行する登録処理手段と、
前記登録要求を受信した際に、前記基地局の通信状態に応じて確認時刻を決定する確認時刻決定手段と、
前記確認時刻を含む登録応答を、前記基地局を介して前記無線端末へ返信する登録応答返信手段と、
前記無線端末から前記基地局を介してセッション確立要求を受信した場合、前記確認時刻を含むセッション確立応答を当該無線端末へ返信するセッション確立制御手段と、
前記無線端末から前記基地局を介して前記確認要求を受信した場合、当該無線端末を宛先とするセッション確立要求を既に受信しているか否かを判定する着信判定手段と、
前記着信判定手段によって真と判定された場合、先に受信したセッション確立要求又は確認応答を、前記無線端末へ返信する確認応答返信手段と
を有し、
前記無線端末は、
基地局に対して無線リンクを接続状態/切断状態(又は休止状態)にする無線リンク接続制御手段と、
前記無線リンクの接続後、前記基地局を介して前記セッション制御装置へ、登録要求を送信する登録要求送信手段と、
前記セッション制御装置から前記基地局を介して前記登録応答を受信し、当該登録応答に含まれる確認時刻を取得する登録応答受信手段と、
前記無線リンクの接続後、前記基地局を介して前記セッション制御装置へ、確認要求を送信する確認要求送信手段と、
前記セッション制御装置から前記基地局を介して前記確認応答を受信し、当該確認応答に含まれる着信の有無及び/又は確認時刻を取得する確認応答受信手段と、
前記基地局を介して前記セッション制御装置へ、宛先の無線端末を指定したセッション確立要求を送信し、その後、前記セッション制御装置から前記基地局を介してセッション確立応答を受信し、当該セッション確立応答に含まれる確認時刻を取得するセッション確立制御手段と、
取得された前記確認時刻を、タイマに設定するタイマ手段と
を有し、
前記無線リンク接続制御手段は、前記確認時刻を取得した後、前記無線リンクを切断状態又は休止状態にし、前記タイマ手段がタイムアウトを発生した際に、前記無線リンクを接続する
ことを特徴とする通信制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−46274(P2013−46274A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−183352(P2011−183352)
【出願日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WINDOWS
2.EZweb
3.UNIX
4.Linux
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】