説明

無線装置

【課題】衝撃を受ける前に、ドライブレコーダに記録した画像データを外部へ待避させる技術を提供する。
【解決手段】記憶部32は、車両に搭載された撮像装置10において撮像された画像データを記憶する。第2取得部34は、車両の存在位置に関する情報を取得する。生成部40は、取得した情報を送信する。受付部36は、他の無線装置からの情報を受信する。予測部42、決定部44は、受付部36において受信した情報と、第2取得部34において取得した情報とをもとに、車両に対する危険の発生を予測する。生成部40は、危険の発生が検知された場合に、記憶部32に記憶した画像データを送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信技術に関し、特に画像データを送信する無線装置に関する。
【背景技術】
【0002】
交差点の出会い頭の衝突事故を防止するために、路車間通信の検討がなされている。路車間通信では、路側機と車載器との間において交差点の状況に関する情報が通信される。路車間通信では、路側機の設置が必要になり、手間と費用が大きくなる。これに対して、車車間通信、つまり車載器間で情報を通信する形態であれば、路側機の設置が不要になる。その場合、例えば、GPS(Global Positioning System)等によって現在の位置情報をリアルタイムに検出し、その位置情報を車載器同士で交換しあうことによって、自車両および他車両がそれぞれ交差点へ進入するどの道路に位置するかを判断する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−202913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
衝突事故が発生した場合の原因究明を早期にするために、ドライブレコーダが車両に搭載される。ドライブレコーダは、事故発生時、急ブレーキ時などにおいて車両に衝撃が加わると、その前後の映像や音声などを自動的に記録するために、撮像機能、録画機能、録音機能等を有する。そのため、衝突事故の防止と、早期の原因究明とを目的とする場合、前述の車車間通信や路車間通信のための無線装置に加えて、ドライブレコーダが車両に搭載されるべきである。一方、ドライブレコーダは、耐衝撃性を高めて構成されているが、記録の重要性を考慮すると、衝撃を受ける前に、ドライブレコーダ外に記録を待避させておくことが望まれる。この場合、衝撃を受ける前に記録を待避させるためのタイミングを検出すること、ドライブレコーダ外に記録を待避させるための構成が必要とされる。
【0005】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、衝撃を受ける前に、ドライブレコーダに記録した画像データを外部へ待避させる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の無線装置は、車両に搭載された無線装置であって、車両に搭載された撮像装置において撮像された画像データを取得する第1取得部と、第1取得部において取得した画像データを記憶する記憶部と、車両の存在位置に関する情報を取得する第2取得部と、第2取得部において取得した情報を送信するとともに、他の無線装置からの情報を受信する通信部と、通信部において受信した情報と、第2取得部において取得した情報とをもとに、車両に対する危険の発生を予測する予測部と、予測部における予測の結果、危険の発生が検知された場合に、記憶部に記憶した画像データを通信部に送信させる制御部と、を備える。
【0007】
本発明の別の態様は、無線装置に関する。この装置は、車両に搭載された無線装置であって、車両に搭載された撮像装置において撮像された画像データを取得する第1取得部と、第1取得部において取得した画像データを記憶する記憶部と、車両の存在位置に関する情報を取得する第2取得部と、第2取得部において取得した情報を送信するとともに、他の無線装置からの情報を受信する通信部と、車両の衝突を検出する検出部と、検出部が衝突を検出した場合に、記憶部に記憶した画像データを通信部に送信させる制御部と、を備える。
【0008】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、衝撃を受ける前に、ドライブレコーダに記録した画像データを外部へ待避できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施例に係る端末装置の構成を示す図である。
【図2】図1の決定部に記憶されたテーブルのデータ構造を示す図である。
【図3】図1の送信装置における記憶手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明の変形例に係る処理部の構成を示す図である。
【図5】図4の生成部に記憶されたテーブルのデータ構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明を具体的に説明する前に、概要を述べる。本発明の実施例は、車両に搭載された端末装置間においてデータ通信を実行する通信システムに関する。端末装置は、車両の速度や位置等の情報(以下、これらを「データ」という)を格納したパケット信号(以下、データが格納されたパケット信号を「データ」ということもある)を送信する。一方、端末装置は、他の端末装置によって送信されたパケット信号を受信するとともに、データをもとに、当該他の端末装置が搭載された他の車両の接近を認識する。ここでは、効率よく複数の端末装置へデータを受信させるために、送信としてブロードキャスト送信がなされるものとする。一方、車両にはドライブレコーダも搭載される。前述のごとく、衝突によって仮にドライブレコーダが故障する場合であっても、ドライブレコーダに記憶された画像データを保護するために、本実施例は、次の処理を実行する。
【0012】
実施例に係る端末装置は、自車両の位置を把握するとともに、他車両の位置および移動速度も把握する。また、端末装置は、所定の移動速度以上で、かつ自車両から所定の範囲を走行している他車両の存在を監視する。端末装置は、そのような他車両が存在しなければ、通常状態であると決定するが、そのような他車両が存在すれば、危険状態であると決定する。通常状態である場合、端末装置は、ドライブレコーダとして画像データを記憶する。一方、危険状態である場合、端末装置は、通常状態の場合の処理に加えて、既に記憶した画像データをブロードキャスト送信する。また、他の端末装置は、受信した画像データを記憶する。その結果、衝突前に画像データが他の端末装置へ待避される。
【0013】
図1は、本発明の実施例に係る端末装置100の構成を示す。端末装置100は、アンテナ14、RF部16、変復調部18、処理部20、制御部22を含む。また、処理部20は、第1取得部30、記憶部32、第2取得部34、受付部36、通知部38、生成部40、予測部42、決定部44を含む。なお、端末装置100には、撮像装置10、GPS装置12が接続される。ここで、端末装置100は、図示しない車両に搭載される。また、他の車両にも同様の端末装置が搭載されている。
【0014】
RF部16は、受信処理として、図示しない他の端末装置から報知されたパケット信号をアンテナ14にて受信する。RF部16は、アンテナ14を介して受信した無線周波数のパケット信号に対して周波数変換を実行し、ベースバンドのパケット信号を生成する。さらに、RF部16は、ベースバンドのパケット信号を変復調部18へ出力する。一般的に、ベースバンドのパケット信号は、同相成分と直交成分によって形成されるので、ふたつの信号線が示されるべきであるが、ここでは、図を明瞭にするためにひとつの信号線だけを示すものとする。また、RF部16には、LNA(Low Noise Amplifier)、ミキサ、AGC、A/D変換部も含まれる。
【0015】
RF部16は、送信処理として、変復調部18から入力したベースバンドのパケット信号に対して周波数変換を実行し、無線周波数のパケット信号を生成する。さらに、RF部16は、無線周波数のパケット信号をアンテナ14から報知する。また、RF部16には、PA(Power Amplifier)、ミキサ、D/A変換部も含まれる。ここで、パケット信号の送信は、IEEE802.11等の規格に準拠した無線LAN(Local Area Network)と同様に、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)と呼ばれるアクセス制御機能にしたがってなされる。
【0016】
変復調部18は、受信処理として、RF部16からのベースバンドのパケット信号を復調する。さらに、変復調部18は、復調した結果を処理部20へ出力する。一方、変復調部18は、送信処理として、処理部20からのデータを変調する。さらに、変復調部18は、変調した結果をベースバンドのパケット信号としてRF部16へ出力する。なお、OFDM変調方式に対応している場合、変復調部18は、受信処理としてFFT(Fast Fourier Transform)も実行し、送信処理としてIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)も実行する。
【0017】
撮像装置10は、運転の履歴を記録するために、例えば、図示しない車両の先頭部分に設置される。撮像装置10は、所定の間隔で撮像を実行し、複数の画像データを生成する。なお、以下では、画像そのもの、あるいは画像のデジタルデータを区別せずに、「画像データ」という。複数の画像データによって動画像が形成されてもよい。撮像装置10は、画像データを第1取得部30へ順次出力する。第1取得部30は、撮像装置10からの画像データを順次取得する。つまり、第1取得部30は、車両に搭載された撮像装置10において撮像された画像データを取得する。記憶部32は、第1取得部30において取得した画像データを記憶する。記憶部32は、画像データとともに、記録時刻あるいは撮像時刻も記録する。撮像装置10、第1取得部30、記憶部32の構成はドライブレコーダに相当する。
【0018】
GPS装置12は、端末装置100が搭載された車両の存在位置を取得する。なお、存在位置は、緯度・経度によって示される。GPS装置12による存在位置の取得には公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。なお、GPS装置12の他にも、図示しないジャイロスコープ、車速センサ等が端末装置100が接続されてもよい。GPS装置12、ジャイロスコープ、車速センサ等によって、車両の進行方向、移動速度等が取得される。GPS装置12等は、車両の存在位置に関する情報、つまり前述のデータを第2取得部34へ出力する。第2取得部34は、GPS装置12から、車両の存在位置に関する情報を取得する。第2取得部34は、取得した情報を生成部40、通知部38、予測部42へ出力する。
【0019】
生成部40は、第2取得部34から、車両の存在位置に関する情報を受けつける。また、生成部40は、車両の存在位置に関する情報を格納するようにパケット信号を生成する。パケット信号には、本端末装置100を識別するための情報も含まれる。生成部40は、変復調部18、RF部16、アンテナ14を介して、パケット信号をブロードキャスト送信する。受付部36は、アンテナ14、RF部16、変復調部18を介して受信したパケット信号を受けつける。このパケット信号は、図示しない他の車両に搭載された端末装置からのパケット信号である。受付部36は、受けつけたパケット信号を通知部38へ出力する。
【0020】
通知部38は、第2取得部34から、自車両の存在位置に関する情報を受けつける。また、通知部38は、受付部36からのパケット信号を受けつけ、パケット信号に含まれた他の車両の存在位置に関する情報を抽出する。通知部38は、自車両の存在位置に関する情報と、他の車両の存在位置に関する情報とをもとに、自車両に対する他車両の接近等を検出し、図示しないモニタやスピーカを介して、運転者へ接近等を通知する。運転者が、他の車両の接近を認識することによって、衝突事故が防止される。なお、他の車両の接近をモニタにて通知する場合、通知部38は、カーナビゲーション装置によって表示される地図画像上に他の車両の画像を合成してもよい。
【0021】
予測部42は、受付部36において受信した情報を受けつけるとともに、第2取得部34において取得した情報も受けつける。予測部42は、これらの情報をもとに、自車両に対する危険の発生を予測する。具体的に説明すると、予測部42は、自車両と他の車両との距離を導出するとともに、当該他の車両の移動速度を導出する。予測部42は、他の車両ごとに、距離と移動速度とを導出する。予測部42は、距離と移動速度とに関する情報を決定部44へ決定部44へ出力する。なお、距離が近く、かつ移動速度の高い他の車両ほど、危険性が高いといえる。
【0022】
決定部44は、予測部42から、距離と移動速度とに関する情報を受けつける。決定部44は、距離と移動速度とに関する情報をもとに危険の発生を検知する。具体的に説明すると、決定部44は、危険の発生を検知するためのテーブルを予め記憶する。図2は、決定部44に記憶されたテーブルのデータ構造を示す。図示のごとく、距離欄200、移動速度欄202、状態欄204が含まれる。距離欄200には、自車両と他の車両との間の距離に対するしきい値が示されている。ここでは、しきい値を「A」とし、これは前述の所定の距離に相当する。また、移動速度欄202には、他の車両の移動速度に対するしきい値が示されている。ここでは、しきい値を「B」とする。状態欄204は、距離と移動速度との組合せに対応した状態が示されている。具体的に説明すると、距離がAより小さく、移動速度がB以上であれば、「危険状態」であるとされ、それ以外であれば、「通常状態」とされる。図1に戻る。
【0023】
決定部44は、図2に示したテーブルを参照しながら、距離と移動速度とに関する情報から、通常状態であるか、あるいは危険状態であるかを決定する。通常状態である場合、決定部44は、処理を終了する。一方、危険状態である場合、つまり危険の発生が検知された場合に、決定部44は、記憶部32に記憶した画像データを送信するように、生成部40に指示する。生成部40は、決定部44からの指示を受けつけると、記憶部32から画像データを抽出する。生成部40は、抽出した画像データの解像度を低下させ、これを格納するようにパケット信号を生成する。例えば、記憶部32に記憶する際の第1解像度と、パケット信号に格納する際の第2解像度が予め定められており、生成部40は、パケット信号に格納する際に、ひとつの画像データの解像度を第1解像度から第2解像度へ変換する。なお、第1解像度は、第2解像度よりも高いものとする。
【0024】
画像データの解像度の変換には公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。画像データを格納すべきパケット信号の数を低減するために、画像データの解像度を低下させることによって、画像データのデータ量が低下される。また、パケット信号には、他の端末装置100に対して画像データを記憶させるための指示が含まれている。パケット信号は、存在位置に関する情報等が含まれたパケット信号と同様にブロードキャスト送信される。他の端末装置100は、パケット信号を受信し、パケット信号から、画像データを記憶させるための指示を抽出する。他の端末装置100は、指示を抽出すると、パケット信号に格納された画像データを記憶部32に記憶する。
【0025】
この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0026】
以上の構成による端末装置100の動作を説明する。図3は、端末装置100における記憶手順を示すフローチャートである。記憶部32は、画像データを記憶する(S10)。決定部44によって、現在の状態が危険状態であることが検出されると(S12のY)、生成部40、変復調部18、RF部16は、画像データを送信する(S14)。一方、決定部44によって、現在の状態が危険状態であることが検出されなければ(S12のN)、処理は終了される。
【0027】
次に、本発明の変形例を説明する。本発明の変形例は、実施例と同様に、パケット信号を送受信するとともに、ドライブレコーダとして画像データを記憶する端末装置が含まれた通信システムに関する。実施例に係る送信装置では、記憶した画像データをパケット信号に格納する際に、画像データの解像度が変換されている。つまり、記憶するか、あるいは送信するかによって、解像度が決定される。変形例に係る送信装置は、画像データを送信する際、自車両の周囲に存在する他の車両の数に応じて画像データの解像度を決定する。例えば、自車両の周囲に存在する他の車両の数が多いほど、解像度が低くなるように設定される。車両の数が多いほど、トラヒックが大きくなっているので、画像データを格納したパケット信号の数は、少ない方が好ましい。そのような場合に、送信装置は、画像データの解像度を低くすることによって、パケット信号の数を少なくする。変形例に係る端末装置100は、図1と同様のタイプである。そのため、ここでは、差異を中心に説明する。
【0028】
図4は、本発明の変形例に係る処理部20の構成を示す。処理部20では、図1の処理部20に対して、計測部46が追加される。計測部46は、受付部36において受信した情報を受けつけるとともに、第2取得部34において取得した情報も受けつける。計測部46は、これらの情報をもとに、自車両から一定範囲内に存在する他の車両の数を計測する。ここで、一定範囲は、例えば、前述のしきい値「A」よりも大きな値になるように規定され、本端末装置100と直接通信が可能な範囲になるように規定される。計測部46は、決定部44において危険状態が検出されるタイミングとは関係なく、他の車両の数を定期的に計測する。計測部46は、計測した他の車両の数を生成部40へ出力する。
【0029】
生成部40は、計測部46から他の車両の数を受けつける。また、生成部40は、決定部44からの指示を受けつけると、前述のごとく、記憶部32から画像データを抽出する。生成部40は、他の車両の数と解像度とを対応づけたテーブルを予め記憶する。図5は、生成部40に記憶されたテーブルのデータ構造を示す。図示のごとく、台数欄210、解像度欄212が含まれる。台数欄210には、他の車両の数に対する条件が示されている。ここでは、しきい値として「C1」と「C2」とが示されており、C1>C2である。また、C1以上の場合(以下、「第1条件」という)、C1より少なく、かつC2以上の場合(以下、「第2条件」という)、C2より少ない場合(以下、「第3条件」という)の3つの条件が規定される。なお、第1条件は、他の車両の数が最も多い場合に相当し、第3条件は、他の車両の数が最も少ない場合に相当する。
【0030】
解像度欄212には、各条件に対応した解像度が示されている。ここでは、解像度として「D1」、「D2」、「D3」が規定されており、D1<D2<D3である。つまり、他の車両の数が大きくなるほど、解像度が小さくされる。図4に戻る。生成部40は、図5に示されたテーブルを参照しながら、受けつけた他の車両の数をもとに、解像度を特定する。また、生成部40は、特定した解像度になるように、抽出した画像データの解像度を低下させる。つまり、生成部40は、計測部46において計測した他の車両の数をもとに、記憶部32に記憶した画像データの解像度を低下させる。
【0031】
本発明の実施例によれば、現在の状態が危険状態であることを検出すれば、既に記憶した画像データを他の端末装置へブロードキャスト送信するので、衝撃を受ける前に、記憶した画像データを外部へ待避できる。また、衝撃を受ける前に、記憶した画像データが外部へ待避されるので、衝突によって記憶部が故障した場合であっても、運転記録を取得できる。また、衝突によって記憶部が故障した場合であっても、運転記録が取得されるので、事故原因を解明できる。また、衝撃を受けたことによってではなく、存在位置の情報によって危険の発生が予測されるので、衝撃を受ける前に、記憶した画像データを送信できる。
【0032】
また、存在位置に関する情報を報知している通信システムにおいて、画像データを報知するだけであるので、構成の追加を抑制できる。また、構成の追加が抑制されるので、処理量の増加を抑制できる。また、記憶した画像データを送信する前に、画像データの解像度を低下させるので、トラヒックの増加を抑制できる。また、記憶した画像データを送信する前に、画像データの解像度を低下させるので、高品質な画像データを記憶できる。また、周囲の端末装置の数に応じて解像度を変化させるので、画像データを送信しても、パケット信号の衝突確率の増加を抑制できる。また、周囲の端末装置の数が少なければ、解像度を高くするので、高品質な画像データを報知できる。
【0033】
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0034】
本発明の実施例において、決定部44は、危険の発生を検知した場合に、記憶部32に記憶した画像データを送信するように、生成部40に指示する。しかしながらこれに限らず例えば、実際の衝突を検出した場合に、画像データを送信してもよい。その場合、車両には、車両の衝突を検出するためのセンサが備えられ、決定部44は、センサにおいて車両の衝突が検出された場合に、記憶部32に記憶した画像データを送信するように、生成部40に指示する。本変形例によれば、不要なデータの送信を低減できる。
【符号の説明】
【0035】
10 撮像装置、 12 GPS装置、 14 アンテナ、 16 RF部、 18 変復調部、 20 処理部、 22 制御部、 30 第1取得部、 32 記憶部、 34 第2取得部、 36 受付部、 38 通知部、 40 生成部、 42 予測部、 44 決定部、 46 計測部、 100 端末装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載された無線装置であって、
車両に搭載された撮像装置において撮像された画像データを取得する第1取得部と、
前記第1取得部において取得した画像データを記憶する記憶部と、
車両の存在位置に関する情報を取得する第2取得部と、
前記第2取得部において取得した情報を送信するとともに、他の無線装置からの情報を受信する通信部と、
前記通信部において受信した情報と、前記第2取得部において取得した情報とをもとに、車両に対する危険の発生を予測する予測部と、
前記予測部における予測の結果、危険の発生が検知された場合に、前記記憶部に記憶した画像データを前記通信部に送信させる制御部と、
を備えることを特徴とする無線装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記記憶部に記憶した画像データの解像度を低下させてから、前記通信部に送信させることを特徴とする請求項1に記載の無線装置。
【請求項3】
前記通信部において受信した情報と、前記第2取得部において取得した情報とをもとに、車両から一定範囲内に存在する他の車両の数を計測する計測部をさらに備え、
前記制御部は、前記計測部において計測した他の車両の数に応じて、前記記憶部に記憶した画像データの解像度を低下させることを特徴とする請求項2に記載の無線装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−13801(P2011−13801A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−155601(P2009−155601)
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】