説明

無線通信において高度な位置決めを提供するための方法及びシステム

本明細書に開示された実施形態は、無線通信システムにおいて、改良された位置決め(例えば、到着時刻)測定及び有利な位置決めを提供するための方法及びシステムに関する。実施形態において、アクセスポイントは、対応するセクタ内でアクセス端末によって知られている予め定められた時間で、情報(例えばデータ)送信を、「知られている」("known")送信(又は「参照送信」」と置き換えることができる。アクセス端末は、受信された参照信号を、位置決め測定を実行するために用い、測定された情報を折り返し報告する。アクセスポイントは、例えば位置ベースのサービスを必要とするアクセス端末からの要求に応答して、オンデマンドで参照送信を送ることもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に無線通信に関する。より詳しくは、本明細書に開示された実施形態は、無線通信システムにおける、改良された到着時刻測定及び高度な位置決めを提供することに関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムは幅広く展開し、多数のユーザに、(例えば音声及びデータのような)様々なタイプの通信を提供する。このようなシステムは、符号分割多元接続(CDMA)、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、又はその他の多元接続技術に基づきうる。無線通信システムは、例えばIS−95、cdma2000、IS−856、W−CDMA、TD−SCDMA、及びその他の規格のような、1つ又は複数の規格を実現するように設計されることができる。
【0003】
存在検出サービス及びロケーションベースサービスは、無線通信において、長い間探求されてきた。救急サービス(例えば、E911コール)をサポートすることに加え、無線通信士は、例えば子供探知機、進路変更ナビゲーション、方向案内サービス、音声コンシェルジュ、ロードサイドアシスタンス、及び多数のその他のような、日常的な消費者及び企業ユーザをターゲットにした広範囲の新たなアプリケーションを提供するように努力している。従って、目標は、このようなアプリケーションを可能にする正確で信頼できる位置決めを提供することにある。
【発明の開示】
【詳細な説明】
【0004】
本明細書で開示される実施形態は、無線通信システムにおいて、高度な位置決めを提供するための方法及びシステムである。
【0005】
本明細書に開示されるアクセスポイント(AP)は、基地局トランシーバシステム(BTS)、アクセスネットワークトランシーバ(ANT)、モデムプールトランシーバ(MPT)、又はノードB(例えばW−CDMA型システムにおいて)等の機能を含みうる、及び/又は、実現しうる。セルは、APによってサービス提供されるカバレージエリアを称することができる。セルは更に、1つ又は複数のセクタを含みうる。簡略化及び明確化のために、「セクタ」という用語は、本明細書では、APによってサービス提供されるセル又はセルの区域のことを称するように用いられうる。更に、アクセスネットワークコントローラ(ANC)は、アクセス端末(AT)とコアネットワークとの間で、コアネットワーク(例えば、パケットデータネットワーク)とルートデータパケットとのインタフェースとなり、様々な無線アクセス及び(例えばソフトハンドオフのような)リンク維持機能を実行し、無線送信機及び受信機を制御する、等のように構成された無線システムの一部分を称することができる。ANCは、例えば第2、第3、又は第4世代の無線ネットワークにおいて見られるような、基地局コントローラ(BSC)の機能を含む、及び/又は、実現することができる。ANC及び1つ又は複数のAPは、アクセスネットワーク(AN)の一部を構成することができる。
【0006】
本明細書で説明されるアクセス端末(AT)は、無線電話、セルラー電話、ラップトップコンピュータ、マルチメディア無線デバイス、無線通信パーソナルコンピュータ(PC)カード、携帯情報端末(PDA)、外部又は内部モデム等を含む(が、これらに限定されない)様々なタイプのデバイスのことを称することができる。ATは、無線チャネル及び/又は(例えば、一例として光ファイバ又は同軸ケーブルの方法によって)有線チャネルを介して通信する任意のデータデバイスでありうる。ATは、例えばアクセスユニット、アクセスノード、加入者ユニット、モバイル局、モバイルデバイス、モバイルユニット、モバイル電話、モバイル、遠隔局、遠隔端末、遠隔ユニット、ユーザデバイス、ユーザ機器、ハンドヘルドデバイス等のような、様々な名称を有することができる。異なるATがシステムに組み込まれうる。ATは、移動式又は固定式であることができ、通信システム全体に分散されうる。ATは、順方向リンク及び/又は逆方向リンクを介して、所与の時間で1つ又は複数のAPと通信することができる。順方向リンク(又はダウンリンク)は、APからATへの送信を称し、逆方向リンク(又はアップリンク)は、ATからAPへの送信を称する。
【0007】
人又は物の場所を無線で位置決めすることは、多数の方法で達成されうる。距離を計算する間接的な方法として、信号の移動時間を用いる到着時間(TOA)測定は、一般に、ネットワークベースの多数の方法に関連する。例えば、いくつかの無線通信において、位置決めサービスは、パイロット信号のTOA測定(例えば、パイロットの最も早いパス)を必要とする。
【0008】
図1は、以下でより詳しく説明するように、開示された様々な実施形態及び局面が実現されうる、多くのユーザをサポートするように構成された無線通信システム100を示す。一例として、システム100は、セル102a乃至102gを含む複数のセル102に通信を提供し、各セルは対応するAP104(例えばAP104a乃至104g)によってサービス提供される。各セルは更に、1つ又は複数のセクタに区切られることができる。AT106a乃至106kを含む様々なAT106は、システム全体に分散される。各AT106は、例えばATがアクティブであるか、及びソフトハンドオフ状態にあるかによって、順方向リンク及び/又は逆方向リンクを介して、所与の時間で1つ又は複数のAP104と通信することができる。
【0009】
図1において、実線の矢印は、APからATへの情報(例えばデータ)送信を示しうる。破線の矢印は、以下で更に説明するように、ATがAPから、パイロット及びその他のシグナリング/参照記号を受信しているが、データ送信はされていないということを示しうる。明確化及び簡略化のために、逆方向リンク通信は、図1には明示されていない。
【0010】
(例えば、2005年7月の“cdma2000 High Rate Packet Data Air Interface Specification”3GP2 C.S0024−A、バージョン2で明示され、本明細書では“1xEV−DO”(又は“IS−856”)と称される)高レートパケットデータ(HRPD)システムにおいて、例えば、順方向リンク上での送信はフレームのシーケンスに区切られ、各フレームは更に、タイムスロット(例えば、各々が1.667ミリ秒の持続時間を有する16のスロット)に分割される。各スロットは、複数の時分割多重化チャネルを含む。
【0011】
一例として、図2は、例えば1xEV−DO型システムで用いられるような、順方向リンクスロット構成200を示す。タイムスロット200は2つのハーフスロットに分けられ、各ハーフスロットは、パイロットチャネル210、順方向媒体アクセス制御(MAC)チャネル220、及び順方向トラヒック(又は制御)チャネル230のチャネル割当を有する。パイロットチャネル210は、順方向リンク上のチャネル状態を(例えば、信号対雑音及び干渉比(SINR)測定の方法によって)推定することに加えて、初期補足、位相復元、タイミング復元、無線結合のために、(例えば、図1のAT106のような)ATによって用いられるパイロット信号(一般にパイロットとも称される)を搬送する。MACチャネル220は、(順方向及び逆方向リンクに関する、チャネル構成、周波数、出力、変調、符号化の詳細を提供する)物理層を介して受信及び送信するために用いられる手順を記述する。(例えば、本明細書で「BCMCS仕様書」(“BCMCS Specification”)として参照された、2005年7月の“cdma2000 High Rate Broadcast-Multicast Packet Data Air interface Specification”3GP2 C.S0054−0、バージョン2.0で明示されたように)、トラヒックチャネル230は、例えば特定のAT(又はユーザ)に特有のユニキャストデータ、又はブロードキャスト/マルチキャストデータのような情報又はデータを、(例えば、物理層パケットによって)ユーザのグループに搬送しうる。トラヒックチャネル230は、制御メッセージを搬送するためにも用いられうる。更に、パイロットチャネル210、MACチャネル220、及びトラヒックチャネル230は、タイムスロット200内で時分割多重化される。トラヒックチャネル230上にトラヒックが無い場合、パイロットチャネル210及びMACチャネル220を含む、アイドルスロットが送られうる。アイドルスロットの送信は、順方向リンク上での他のセルへの干渉を低減することに役立つ。
【0012】
図2に示されたように、パイロットチャネル210は、(時間において連続的であることと反対に)ディスクリートなバーストで送信され、従って、限られた電力しか有さない。例えばいくつかのシステムにおいて、パイロットチャネル210は、特定のデジタルパターン(例えば、全てゼロ)からなる96のチップを備えることができる。MACチャネル220は64のチップを備えることができ、各ハーフスロットは1024のチップを備えることができる。従って、このようなシステムにおいて、利用可能な順方向リンク電力のうち少しの部分(例えば96/1024)しか、パイロットチャネルに割り当てられない。その結果、このようなパイロットチャネルに基づくTOA測定は、(例えば、特に順方向リンクチャネル状態が悪い場合、)誤りを受けやすく、従って、位置決めに関する正確さ及び信頼性を危うくする。そのため、位置決めを補助するために、強力で明確な信号が必要である。
【0013】
本明細書に開示された実施形態は、無線通信システムにおいて、改良された到着時刻測定及び高度な位置決めを提供することに関する。
【0014】
実施形態において、APは、APによってサービス提供されるセクタ内でATに知られている予め定められた時間で、通常の情報(例えばデータ)送信を、(本明細書で「参照送信」と称される)「知られている」("known")送信と置き換えることができる。ATは、受信した参照送信を、位置決め(例えば、TOA及び/又はその他の位置決め測定)を補助する又は容易にするために用いることができる。APは、例えば(位置決めベースのサービスを必要としうる)ATからの要求に応答して、オンデマンドで参照送信を送ることもできる。
【0015】
いくつかの実施形態において、参照送信は、時分割多重化形式で、パイロット信号及び参照信号を有するタイムスロットを含みうる。他の実施形態において、参照送信は、符号分割多重化形式で、パイロット信号及び参照信号を有するタイムスロットを含みうる。参照信号は、タイムスロット全体がほぼパイロットに占められることができるように、パイロットと類似又は実質上同一であることができ、そのため、TOA及びその他の位置決め測定のための強力な信号を提供する。参照信号は、パイロットと異なることもあり、例えば、位置決めにおいて、パイロットを補助するようにも構成されうる。以下の説明は、更なる実施形態及び実施例を提供する。
【0016】
本明細書に開示される「参照信号」という用語は、(例えば、情報又はデータを搬送しないため)変調されておらず、受信するATに知られている任意の信号を含みうる。例えば、参照信号は、受信するATに予め「知られている」デジタルパターン(例えば、記号シーケンス)を備えることができ、そのためATは、参照信号を復号する必要がない。(例えば、セクタに特有のユニークなオフセットを備える準ランダム(PN)コードを用いて広げられる)参照信号は、ユニークなセクタIDを搬送しうる。参照信号は、実質的に、セクタに利用可能な最大電力(又は「全セクタ電力」)で送信されうる。いくつかの実施形態において、参照信号は、(例えば、トラヒックチャネル全体を占めるように)スペクトラム拡散信号又はその他の広帯域信号でありうる。本明細書に開示される「参照送信」は、参照信号を含む順方向リンク送信を称することができる。更に、「位置決め測定」という用語は、TOA、到達時間差(TDOA)、到来角(AOA)、改良型順方向リンク三辺測量(AFLT)、高度な観測時間差(EOID)、及びその他を含む(が、これらに限定されない)位置決めに関連する測定を、幅広く称することができる。
【0017】
様々な局面、特徴、及び実施形態が、以下でより詳細に説明される。
【0018】
図3Aは、いくつかの開示された実施形態を実現するために用いられうるタイムスロット300を含む参照送信の実施形態を示す。タイムスロット300は、各々が、パイロットチャネル310、MACチャネル320、及びトラヒックチャネル330を、時分割多重化形式で有する2つのハーフスロットで示される。パイロットチャネル310は、パイロットを搬送する。パイロットチャネル310及びMACチャネル320は、例えば、実質的に、図2の実施形態に関して上述されたようであることができる。トラヒックチャネル330は、データの代わりに参照信号を搬送する。
【0019】
いくつかの実施形態において、参照信号は、図3Bのタイムスロット350が示すように、パイロットと類似又は実質的に同一でありうる。結果として、図中の斜線部によって図示されるように、スロット350全体はほぼパイロットによって占められ、この期間中、セクタ全体の総電力がパイロット送信に当てられる。この強力なパイロットによって、受信するATは、より正確で信頼性のあるTOA及びその他の位置決め測定を実行することができるようになる。このような「パイロットスロット」のタイミング及びシグナリングは、例えば、1xEV−DO型システムにおいて(例えば、BCMCS明細書内で明示されたように)、ブロードキャスト/マルチキャストチャネル構成に準拠しうる。更に、このような「パイロットスロット」の実現は、既存のネットワーク基礎構成及びデバイスに、最低限の変化しか課さない。
【0020】
その他の実施形態において、参照信号は、パイロットと異なりうる。参照送信のタイミング及びシグナリングは、例えば、1xEV−DO型システムにおいて(例えば、BCMCS仕様書内で明示されたように)、ブロードキャスト/マルチキャスト構成に準拠しうる。例えば、1つの実施形態において、参照信号が、全て1を有する記号シーケンスを備えうるのに対し、パイロットは、全てゼロを有する記号シーケンスを備えうる。別の実施形態において、参照信号が、IS−95型システムで用いられるパイロット記号を備えうるのに対し、パイロットは、1xEV−DO型システムで用いられるパイロット記号を備えうる。また別の実施形態において、パイロットは、特定の記号シーケンスを備えうるのに対し、参照信号は、逆方向に構成されたシーケンスを備えうる。代替実施形態において、知られているデータパケットは、例えば、(BCMCS仕様書で明確にされたように)1xEV−DO型システムでのブロードキャスト/マルチキャストチャネル構成及びシグナリングを用いて、参照信号として送信されることができる。受信するATは、(より弱い)パイロットを探索し、TOAを推定し(及び/又は、その他の位置決め測定を実行し)、測定された情報を折り返し報告するためにこの参照信号を用いることができる。
【0021】
実施形態において、参照送信は、予め定められたスケジュールに従い(例えば、規則的又は周期的に)、APによって実行されうる。そのため、知られている時間には、対応するセクタ内のATは、TOA及び/又はその他の位置決め測定を実行する準備ができており、測定された情報を折り返し報告しうる。
【0022】
実施形態において、APは、例えば(位置ベースのサービスを必要としうる)ATからの要求を受信する場合、オンデマンドで参照送信を行うことができる。
【0023】
実施形態において、APは、ネットワークリソースを有効に用いるために、参照送信に、アイドルスロットを用いる(例えば、図3Bの実施形態に関して上述したように、アイドルスロットを実質的にパイロットで一杯にする)ことができる。例えば、このようなタイムスロットに関連するシグナリングは、受信するATに、トラヒックチャネルによって搬送された参照信号を示すことができ、そのため、ATは、TOA及び/又はその他の位置決め測定を実行することができる。
【0024】
図3A乃至3Bは、時分割多重化形式において、パイロットとともに参照信号を送信することのいくつかの例を提供する。その他のシステムでは、(例えば、本明細書で“CDMA2000 1x”と称される、例えば、2005年9月の“Physical Layer Standard for cdma2000 Spectrum Systems”3GP2 C.S0002−Dバージョン2.0で明示されたように、又は、本明細書で“IS−95”と称される、“Mobile Station-Base Station Compatibility Standard for Wideband Spread Spectrum Cellular Systems”ANSI/TIA/EIA−95−B−99で明示されたような)参照信号は、以下に説明するように、符号分割多重化形式のパイロットとともに送信されうる。
【0025】
図4Aは、例えばIS−95型又はCDMA2000 1x型システムにおけるような、順方向リンク構成の実施形態を、時間対セクタ電力使用量の形式で示す。パイロットチャネル410、同期チャネル420、ページングチャネル430、及びトラヒックチャネル440を含む順方向リンクチャネルは、各々が総セクタ電力のうち一定の部分を用いて、符号分割多重化形式で送信される。例えば、パイロットチャネル410は、PTX(最大)と示した最大セクタ電力のうち、およそ15乃至20%を割り当てられうる。パイロットを(例えば位置決め目的のために)増加するために、以下で説明する図4Bに示されたように、トラヒックチャネル440に割り当てられた電力のうちいくらか、又は全てが、参照信号を(情報送信の代わりに)特定の期間内に送信するために用いられうる。
【0026】
図示及び明確さのために、図4Bは、トラヒックチャネル440に割り当てられた電力が、実質的に、タイムスロット450において、参照信号460を送信するために当てられうる実施形態を示す。例えば、このようなことは、APが参照送信を、予め定められたスケジュールに従って(例えば、規則的又は周期的に)対応するATへ送り、そのため知られている時間には、位置決め測定を実行する準備がされており、測定された情報を折り返し報告しうるという状況で起こる。いくつかの実施形態において、参照信号は、パイロットと類似又は実質的に同一でありうる。その結果、タイムスロット450全体はほとんどパイロットで占められ、そのため、位置決め測定のための強力な信号を提供することができる。その他の実施形態において、上述したように、参照信号はパイロットと異なることもある。
【0027】
代替実施形態において、トラヒックチャネル440に割り当てられた電力のうち一部が、タイムスロット450において、参照信号460を送信するために用いられうる。例えば、このようなことは、APが、例えば対応するセクタ内の(位置決めサービスを必要とする)1つ又は複数のATからの要求に応答して、オンデマンドで参照送信を実行するという状況で起こる。
【0028】
(上記のような)オンデマンドの、又は予め定められたスケジュールに従う参照送信を、情報送信と置き換えることに加えて、制御チャネル(例えばプレアンブル)又は既存の(又は知られている)信号が、位置決めにおいて、パイロットを補助するために用いられることができる。例えば、いくつかのシステムにおいて、制御チャネルは、規則的又は周期的に送信されうる。制御チャネルのプレアンブルは、受信するATに(例えば最初のセットアップ後に)知られ、そのため、(例えば、参照信号に関して上述された様式で)位置決めにおいてパイロットを補助するために用いられる。
【0029】
図5は、いくつかの開示された(上記のような)実施形態を実現するために用いられうる処理500のフロー図を示す。ステップ510は、パイロット信号及び、アクセス端末に知られている記号のシーケンスを備える参照信号を生成する。ステップ520は、パイロット信号及び参照信号を、タイムスロット内で送信する。
【0030】
処理500において、上述したように、パイロット信号及び参照信号は、時分割多重化形式又は符号分割多重化形式で送信されることができる。いくつかの実施形態において、参照信号は、パイロット信号と類似又は実質的に同一でありうる。他の実施形態において、参照信号は、パイロット信号と異なり、例えば、上述されたように、位置決め(例えば、TOA及びその他の位置決め測定)においてパイロット信号を補助するように構成されうる。更に、マルチキャリア無線通信システムにおいて、タイムスロットは、キャリア(いくつか、全て、又は組み合わせ)のサブセット上で送信されうる。
【0031】
図6は、いくつかの開示された(上記のような)実施形態を実現するために用いられうる処理600のフロー図を示す。処理600はステップ610で始まる。ステップ620は、(予め定められたスケジュールに基づいて、)APによってサービス提供されるセクタ内のATへの参照送信を実行する時間かを判定する。ステップ620の結果が“YES”であれば、ステップ630が後続し、パイロット信号及び参照信号を生成する。ステップ640は、パイロット信号及び参照信号を、(例えば、上記のような時分割多重化形式又は符号分割多重化形式で)タイムスロット内で送信する。
【0032】
処理600において、もしステップ620の結果が“NO”であれば、ステップ650が後続し、ATからのロケーションベースのサービスに対する要求があるかを判定する。ステップ650の結果が“YES”であれば、処理600はステップ630に戻る。ステップ650の結果が“NO”であれば、ステップ660が後続し、情報(例えばデータ)送信を続行する。プロセス600は、その後ステップ620に戻る。
【0033】
図7は、いくつかの開示された実施形態を実現するために用いられうる処理700のフロー図を示す。ステップ710は、タイムスロット内で、パイロット信号及び参照信号を(例えば、時分割多重化形式又は符号分割多重化形式で)受信する。ステップ730は、パイロット信号及び参照信号に基づいて、位置決め測定を実行する。
【0034】
処理700は、パイロット信号を探索することを更に含む。いくつかの例において、参照信号は、パイロット信号と類似又は実質的に同一であり、位置決め測定のための強力なパイロットを効果的に提供することができる。他の例において、受信するATは、参照信号を、(より弱い)パイロットを探索するために用いることができ、TOAを推定(及び/又は他の位置決め測定を実行)し、測定された情報を折り返し報告する。
【0035】
図8は、いくつかの開示された(上記のような)実施形態を実現するために用いられうる処理800のフロー図を示す。処理800はステップ810で始まる。ステップ820は、パイロット信号を搬送するパイロットチャネル及び参照チャネルを有するタイムスロットを(例えば、上記のように時分割多重化形式で)受信する。ステップ830は、トラヒックチャネルが参照信号を搬送するかを判定する。もしステップ830の結果が“YES”ならば、ステップ840が後続し、パイロット信号及び参照信号に基づいて位置決め(例えばTOA)測定を実行する。その後、処理800はステップ20に戻る。もしステップ830の結果が“NO”ならば、ステップ850が後続し、トラヒックチャネルを続行する(例えば、トラヒックチャネルによって搬送されるデータパケットを復号する)。処理800は、その後ステップ820に戻る。
【0036】
図9は、いくつかの開示された(上記のような)実施形態を実現するために用いられうる装置900のブロック図を示す。一例として、装置900は、パイロット信号及び、(例えば1つ又は複数の受信するATに)知られている記号のシーケンスを備える参照信号を生成するように構成された、参照生成ユニット(又はモジュール)910、及び、パイロット信号及び参照信号を、タイムスロット内で、送信するように構成された送信ユニット930を含むことができる。マルチキャリアシステムでは、送信ユニット930は更に、キャリアのサブセットでタイムスロットを送信するように構成されうる。
【0037】
装置900は、パイロット信号及び参照信号を、(例えば上記のような時分割多重化形式又は符号分割多重化形式で)タイムスロットに多重化するように構成された多重化ユニット920を含むことができる。装置900は更に、様々なユニットの動作を、制御及び/又は調整するように構成された処理ユニット(又はコントローラ)940を含みうる。
【0038】
装置900は、AP(例えば図1のAP106)、又はその他のネットワーク基礎構成要素において実現されうる。
【0039】
図10は、いくつかの開示された(上記のような)実施形態を実現するために用いられうる装置1000のブロック図を示す。一例として、装置1000は、パイロット信号及び参照信号を、(例えば上記のような時分割多重化形式又は符号分割多重化形式で)タイムスロット内で受信するように構成された受信ユニット1010、及び、パイロット信号及び参照信号に基づいて位置決め(例えばTOA)測定を実行するように構成された測定ユニット1030を含むことができる。装置1000は更に、パイロット信号を探索するように構成された探索ユニット1020を含みうる。装置1000は、様々なユニットの動作を、制御及び/又は調整するように構成された処理ユニット(又はコントローラ)1040も含みうる。
【0040】
装置1000は、AT又はその他の通信デバイスにおいて実現されることができる。
【0041】
本明細書に開示された(例えば上述したような)実施形態は、無線通信において、位置決めを高度にするためのいくつかの実施形態を提供する。他の実施形態及び実現もある。
【0042】
本明細書に開示された実施形態は、マルチキャリア無線通信システムに適用されうる。例えば、参照送信は、いくつかの、全ての、又は任意のキャリアの組み合わせで送られることができる。
【0043】
図9乃至10及びその他の実施形態の様々なユニット/モジュールは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせにおいて実現されうる。ハードウェアによる実現形態において、様々なユニットが、1つ又は複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理デバイス(DSFDs)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ、マイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、プログラマブル論理デバイス(PLD)、その他の電子工学的ユニット、又はこれらの組み合わせによって実現されうる。ソフトウェアによる実現形態において、様々なユニットが、本明細書に開示される機能を実行するモジュール(例えば、手順、関数等)によって実現されうる。ソフトウェアコードは、メモリユニットに記憶され、プロセッサ(又は処理ユニット)によって実行されうる。メモリユニットは、プロセッサの内部又は外部に実装されることができ、どちらの場合においても、様々な当該技術の手段を経由して、プロセッサと接続され通信可能となることができる。
【0044】
当業者は、情報及び信号が、あらゆる種類の異なる技術を用いて示されうることを理解するであろう。例えば、上記にわたって参照されたデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、記号、及びチップは、電圧、電流、電磁波、磁場又は磁粒子、光場又は光粒子、又はこれらの任意の組み合わせによって示されうる。
【0045】
当業者は更に、本明細書に開示された実施例に関連して記載された、実例となる様々な論理ブロック、モジュール、回路、及びアルゴリズムが、電子工学的ハードウェア、コンピュータソフトウェア、又はこれらの組み合わせとして実現されることをよく理解するであろう。ハードウェアとソフトウェアの相互置換性を明確に説明するために、様々な実例となる構成要素、ブロック、モジュール、回路、及びステップが、それらの機能観点から一般的に説明された。このような機能が、ハードウェアとして実現されるかソフトウェアとして実現されるかは、システム全体に課された設計制約及び特定のアプリケーションによる。当業者は、各特定のアプリケーションのために上述した機能を様々な方法で実装することができるが、このような実現の決定は、本発明の範囲から逸脱させるものとして解釈されてはならない。
【0046】
本明細書で開示された実施形態に関連して記述された様々な例示的論理ブロック、モジュール、及び回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)あるいはその他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートあるいはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェア部品、又は上述された機能を実現するために設計された上記何れかの組み合わせを用いて実現又は実行されうる。汎用プロセッサとしてマイクロプロセッサを用いることが可能であるが、代わりに、従来技術によるプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、あるいは状態機器を用いることも可能である。プロセッサは、たとえばDSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアに接続された1つ又は複数のマイクロプロセッサ、又はこのような任意の構成である計算デバイスの組み合わせとして実現することも可能である。
【0047】
本明細書で開示された実施形態に関連して記述された方法やアルゴリズムのステップは、ハードウェアによって直接的に、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって、又は、これらの組み合わせによって具現化される。ソフトウェアモジュールは、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読取専用メモリ(ROM)、電気的にプログラム可能なROM(EPROM)、電気的消去可能ROM(EEPROM)、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD−ROM、あるいは当該技術分野で知られているその他の形式の記憶媒体に収納されうる。典型的な記憶媒体は、プロセッサがそこから情報を読み取り、またそこに情報を書き込むことができるようにプロセッサに結合される。又は、記憶媒体はプロセッサに統合されうる。このプロセッサと記憶媒体は、ASIC内に存在することができる。ASICは、AT内に存在することもできる。あるいはこのプロセッサと記憶媒体は、AT内のディスクリート部品として存在することができる。
【0048】
開示された実施形態における上記記載は、当業者をして、本発明の製造又は利用を可能とするために提供される。これらの実施形態への様々な変形例もまた、当業者に対しては明らかであって、本明細書で定義された一般的原理は、本発明の主旨又は範囲から逸脱することなくその他の実施形態に適用されうる。従って、本発明は、本明細書に開示された実施例に限定することは意図されておらず、本明細書に開示された原理及び新規特徴と整合が取れた最も広い範囲と一致するように意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】図1は、無線通信システムの実施形態を示す。
【図2】図2は、IS−856型システムにおける、順方向リンクスロット構成の実施形態を示す。
【図3A】図3Aは、参照送信のための順方向リンクスロット構成の実施形態を示す。
【図3B】図3Bは、参照送信のための順方向リンクスロット構成の実施形態を示す。
【図4A】図4Aは、IS−95型システムにおける順方向リンク構成の実施形態を示す。
【図4B】図4Bは、参照送信のための順方向リンク構成の実施形態を示す。
【図5】図5は、開示された実施形態のいくつかを実現するために用いられうる、処理のフロー図を示す。
【図6】図6は、開示された実施形態のいくつかを実現するために用いられうる、処理のフロー図を示す。
【図7】図7は、開示された実施形態のいくつかを実現するために用いられうる、処理のフロー図を示す。
【図8】図8は、開示された実施形態のいくつかを実現するために用いられうる、処理のフロー図を示す。
【図9】図9は、開示された実施形態のいくつかが実現されうる装置のブロック図を示す。
【図10】図10は、開示された実施形態のいくつかが実現されうる装置のブロック図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信の方法であって、
パイロット信号と、アクセス端末に知られている記号のシーケンスを備える参照信号とを生成することと、
前記パイロット信号と前記参照信号とを前記タイムスロット内で送信することと
を備える方法。
【請求項2】
前記パイロット信号と前記参照信号とを、タイムスロット内で時分割多重化することを更に備える請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記タイムスロットは、トラヒックチャネルを用いて時分割多重化されたパイロットチャネルを含み、前記パイロットチャネルは前記パイロット信号を搬送し、前記トラヒックチャネルは前記参照信号を搬送する請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記参照信号が、前記トラヒックチャネルを実質的に占有している請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記参照信号を、最大電力で送信することを更に備える請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記パイロット信号と前記参照信号とを、前記タイムスロット内で符号分割多重化することを更に備える請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記参照信号は、前記パイロット信号と実質的に同一である請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記参照信号はセクタIDを含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記参照信号は、予め定められたスケジュールに従って送信される請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記参照信号は、前記アクセス端末からの要求に応答して送信される請求項1に記載の方法。
【請求項11】
多重キャリアのサブセット上で、前記タイムスロットを送信することを更に備える請求項1に記載の方法。
【請求項12】
キャリア波で送信される通信構成であって、
パイロット信号を搬送するパイロットチャネルと、
アクセス端末に知られている記号のシーケンスを備える参照信号を搬送するトラヒックチャネルと
を備える通信構成。
【請求項13】
前記パイロットチャネルは、前記トラヒックチャネルを用いて時分割多重化される請求項12に記載の通信構成。
【請求項14】
前記参照信号は、前記パイロット信号と実質的に同一である請求項12に記載の通信構成。
【請求項15】
前記参照信号はセクタ識別子を含む請求項12に記載の通信構成。
【請求項16】
無線通信に適用される装置であって、
パイロット信号と、アクセス端末によって知られている記号のシーケンスを備える参照信号とを生成する手段と、
前記参照信号と前記パイロット信号とを、タイムスロット内で送信する手段と
を備える装置。
【請求項17】
時分割多重化形式か符号分割多重化形式かのうち1つで、前記パイロット信号と前記参照信号とを、前記タイムスロット内で多重化することを更に備える請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記タイムスロットは、パイロットチャネルとトラヒックチャネルとを含み、前記パイロットチャネルは前記パイロット信号を搬送し、前記トラヒックチャネルは前記参照信号を搬送する請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記参照信号は、予め定められたスケジュールに従って送信される請求項16に記載の装置。
【請求項20】
前記参照信号は、前記アクセス端末からの要求に応答して送信される請求項16に記載の装置。
【請求項21】
前記送信する手段は、前記タイムスロットを、多重キャリアのサブセットで送信するように更に構成された請求項16に記載の装置。
【請求項22】
無線通信の方法であって、
パイロット信号と、受信機に知られている記号のシーケンスを備える参照信号とを受信することと、
前記パイロット信号と前記参照信号とに基づいて、位置決め測定を実行することと
を備える方法。
【請求項23】
前記タイムスロットは、トラヒックチャネルを用いて時分割多重化されたパイロットチャネルを含み、前記パイロットチャネルは前記パイロット信号を搬送し、前記トラヒックチャネルは前記参照信号を搬送する請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記トラヒックチャネルによって搬送された前記参照信号を識別することを更に備える請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記パイロット信号と前記参照信号とが、前記タイムスロット内で符号分割多重化される請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記パイロット信号を探索することを更に備える請求項22に記載の方法。
【請求項27】
前記パイロット信号を探索することは、前記受信された参照信号に基づく請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記参照信号は、前記パイロット信号と実質的に同一である請求項22に記載の方法。
【請求項29】
無線通信のための装置であって、
パイロットチャネルとトラヒックチャネルとを有するタイムスロットを受信する手段と、
前記パイロット信号と前記参照信号とに基づいて、位置決め測定を実行する手段と
を備える装置。
【請求項30】
前記パイロット信号を探索する手段を更に備える請求項29に記載の装置。
【請求項31】
無線通信の方法であって、
パイロット信号と、制御チャネルの一部とを受信することと、
前記パイロット信号と前記制御チャネルの一部とに基づいて、位置決め測定を実行することと
を備える方法。
【請求項32】
前記制御チャネルの一部は、プレアンブルを含む請求項31に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2009−521192(P2009−521192A)
【公表日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−547682(P2008−547682)
【出願日】平成18年12月12日(2006.12.12)
【国際出願番号】PCT/US2006/061901
【国際公開番号】WO2007/120326
【国際公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】