説明

無線通信システム、アクセス網、および方法

【課題】QoS情報処理を効率化するために、扱うQoS情報量を低減する。
【解決手段】ノード装置を介してIP網に接続される無線アクセス網システムを構成する無線基地局とパケット制御装置の少なくとも一方が、無線移動局から受信した第1の通信品質要求を上記無線移動局に予め保証された通信品質レベル情報で検証し、該無線移動局に保証された第2の通信品質要求に変換し、更に、該第2の通信品質要求を該無線アクセス網の通信リソースで許容可能な第3の通信品質要求に変換するためのQoS許可/受付制御機能と、無線移動局のノード装置間ハンドオーバに伴って、他の無線アクセス網に接続された他のノード装置から第2または第3の通信品質要求を受信した時、受信した通信品質要求を該無線アクセス網の通信リソースで許容可能な通信品質要求に変換する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無線通信システムに関し、特に、無線移動局の移動に伴ってノード装置間ハンドオーバが発生した時のQoS制御を容易にする無線通信システムおよびパケットフローの通信品質保証方法に関する。
【背景技術】
【0002】
3GPP2(3rd Generation Partnership Project 2)の寄書「Qualcomm、X31-20040607-018 R1、(2004年6月7日)」(非特許文献1)では、ハンドオーバにおいてQoS(Quality of Service、通信品質)を保障するシナリオが開示されている。上記文献の7ページのオプション3では、RAN(Radio Access Network)間のハンドオーバでPDSN(Packet Data Serving Node)がQoS情報を管理する案が開示されている。本案ではPDSNは、無線端末装置MS(Mobile Station)が要求したQoS(R QoS: Requested QoS)と、保証したQoS(G QoS: Granted QoS)を管理する。但し、PDSN間のハンドオーバの例は開示されていない。
【0003】
3GPP2(3rd Generation Partnership Project 2)の寄書「Nokia、X31-20040629-003、(2004年6月29日)」(非特許文献2)では、PDSN間ハンドオーバにおいて、PDSN間インタフェース(P−Pインタフェース)でQoS情報を送る最適化の余地があることが指摘されている(2ページ、31−33行)。但し、ハンドオーバにおけるQoS設定の具体例は開示されていない。
【0004】
3GPP2(3rd Generation Partnership Project 2)で標準化が行われている「X.P0011-D-004、 Rev0.5、(2005年11月)」(非特許文献3)では、無線システムにおけるQoSの設定方法が開示されている。本書Annex.Fでは、無線移動局MS( Mobile Station)がネットワークにQoSを要求してRANが許可するコールフローが開示されている。
【0005】
3GPP2(3rd Generation Partnership Project 2)で標準化が行われている「X.P0011-D-003、 Rev0.5、(2005年11月)」(非特許文献4)では、P−Pインタフェース(PDSN間インタフェース)を規定している。Chapter 4にP−Pインタフェースを用いたPDSN間ハンドオーバが開示されている。
【0006】
図1に本発明で前提となる無線通信システムを示す。
Pネットワーク1は、IP(Internet Protocol)のコアネットワークである。PDSN2、PDSN3は、それぞれIPネットワーク1とRAN(Radio Access Network)4、RAN5を接続するノード装置である。PDSN2、PDSN3は、それぞれハンドオーバの移動元(Source)と移動先(Target)となるため、以下の説明では、移動元のPDSNをsPDSN、移動先のPDSNをtPDSNと表すことにする。RAN4、RAN5は、それぞれRAN−PDSN間インタフェース(R−Pインタフェース)によって、PDSN2、PDSN3と接続される無線アクセスネットワークである。
【0007】
RAN4、RAN5は、移動端末(無線移動局)MS10の移動に伴って、それぞれハンドオーバの移動元(Source)と移動先(Target)となるため、移動元RANはsRAN、移動先RANはtRANと表す。PCF(Packet Control Function)6、PCF8は、それぞれRAN−PDSN間インタフェース(R−Pインタフェース)によって、PDSN2、PDSN3と接続されるパケット制御装置である。PCF6、PCF8も、それぞれハンドオーバの移動元(Source)と移動先(Target)となるので、移動元PCFはsPCF6、移動先PCFはtPCF8と表す。
【0008】
BS(Base Station)7、BS9は、それぞれPDSN2、PDSN3に接続される無線基地局である。BS7、BS9も、それぞれハンドオーバの移動元(Source)と移動先(Target)となるので、移動元BSはsBS7、移動先BSはtBS9と表す。
【0009】
AAA(Authentication, Authorization and Accounting)11は、PDSN2、PDSN3とIPネットワーク1を介して接続されたユーザ認証/課金サーバである。以下の説明では、MS10が、sPDSN2に接続されたBS7からtPDSN3に接続されたBS9に移動することによって、ノード装置(PDSN)間ハンドオーバが発生した場合を前提とする。
【0010】
MSとPDSNとの間には、通信のためPPP(Point to Point Protocol)セッションが設定される。MSは、1つのPPPセッション上に設定される複数の接続(コネクション)によって、PDSNと通信を行う。接続としては、主接続と補助接続とがある。主接続は、MSとPDSNとの間でPPP制御メッセージを通信するため、MS−PDSN間に必ず張られる1つの接続である。補助接続は、VoIP等のアプリケーション要求に応じて、主接続に追加して張られる接続である。MS−PDSN間には、必要に応じて複数の補助接続が設定される。
【0011】
図7は、PDSN間ハンドオーバの前後でQoSを保証するための従来技術から考えられるコールフローの1例を示す。
MS−PDSN間には、先ず、主接続を設定してから、MSで動作するアプリケーションの要求に応じて、補助接続のQoS設定が行われる。MS10は、sPDSN2との間で、主接続(Main SC: Main Service Connection)81の手順を実行する。主接続手順が完了すると、sPDSN2は、AAA11にMS10を認証するためのアクセス要求メッセージ82を送信し、AAA11からのアクセス承認メッセージ83を待つ。アクセス承認メッセージ83には、QoSユーザプロファイル(QOS User Profile)が付加される。QOS User Profileには、MSユーザがキャリアと交わす契約で決定されたQoSレベル、すなわち、MS10が使用可能なQoS(承認されたQoS)が規定されている。
【0012】
アクセス承認メッセージ83を受信したsPDSN2は、アクセス許可メッセージ(A11 Session Update Message)84によって、sRAN4(sBS7とsPCF6の何れかもしくは両方)にQOS User Profileを通知する。一方、MS10は、主接続手順が完了すると、sBS7に対して、QoS要求メッセージ85によって、補助接続のQoSを要求する。QoS要求メッセージ85には、MS10が要求するQoS(R QoS)が指定されている。
【0013】
QoS要求メッセージ85を受信したsRAN4は、QoS許可/受付制御(QoS authorization and Admission control)手順86を実行する。QoS許可/受付制御手順86では、R QoSとQOS User Profileとを比較し、R QoSが、MS10に承認されたQoSか否かが判定される。R QoSが、MS10に承認されたQoSであり、且つ、無線区間に帯域等の通信リソースが十分にある場合は、MS10に対して、R QoSを満たす無線リソースが割り当てられる。ここで、承認されたQoSとは、Q0SUser Profileで当該MSユーザに使用が保証されたQoSを意味している。以下の説明では、上記QoS許可/受付制御手順86でMSに実際に割り当てられたQoSを、G QoSと言う。
【0014】
sRAN4は、サービス接続メッセージ87によって、上記手順86で保証されたG QoSをMS10に通知する。MS10は、上記サービス接続メッセージ87に応答して、サービス接続完了メッセージ88をsRAN4に返送する。尚、上記手順86で、R QoSが、MS10に予め保証された承認QoSに違反していた場合、またはR QoSを満たす無線リソースが残っていない場合、sRAN4は、R QoSの割り当てを拒否する。この場合、sRAN4は、サービス接続メッセージ87に代えて、拒否メッセージをMS10に送信する。拒否メッセージが発行された場合は、図7に示すサービス接続メッセージ87の送信以降のシーケンスは実行されない。
【0015】
サービス接続完了メッセージ88を受信したsRAN4は、A11登録要求メッセージ89によって、G QoSとR QoSをsPDSN2に通知する。 sPDSN2は、A11登録要求メッセージ89に応答して、sRAN4にA11登録応答メッセージ90を返送する。一方、MS10は、MS10のIPアドレスと接続識別子との対応情報をTFT(Traffic Flow Template)として含むResvメッセージ91をsPDSN2に送る。sPDSN2は、Resvメッセージ91に応答して、確認応答メッセージ92をMS10に返送する。これによって、sPDSN2とMS10との間の補助接続93で、G QoSに従ったパケット通信が開始される。
【0016】
ここで、補助接続93での通信が開始された後に、MS10の移動に伴って、PDSN間ハンドオーバが起ったと仮定する。この場合、主接続81のハンドオーバを行った後、補助接続93のハンドオーバとG QoSの再割り当てが行われる。すなわち、sPDSN2とtPDSN3との間に、P−Pインタフェースで接続94が設定され、tPDSN3とMS10との間に、新たな主接続95が設定される。次に、sPDSN2からtPDSN3に、転送メッセージ96によって、QOS User Profileと、G QoSと、R QoSとが通知される。この後、無線区間でのメッセージ交換98により、MS10、tRAN5、tPDSN3の間でQoS設定が行われる。また、sPDSN2とtPDSN3との間にP−Pインタフェースで接続105が設定され、tPDSN3とMS10との間に補助接続106が設定される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0017】
【非特許文献1】3GPP2(3rd Generation Partnership Project 2)の寄書「Qualcomm、X31-20040607-018 R1、(2004年6月7日)」
【非特許文献2】3GPP2(3rd Generation Partnership Project 2)の寄書「Nokia、X31-20040629-003、(2004年6月29日)」
【非特許文献3】3GPP2(3rd Generation Partnership Project 2)で標準化が行われている「X.P0011-D-004、 Rev0.5、(2005年11月)」
【非特許文献4】3GPP2(3rd Generation Partnership Project 2)で標準化が行われている「X.P0011-D-003、 Rev0.5、(2005年11月)」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
ハンドオーバの前後で、遅延要求が厳しい補助接続をシームレスに維持するためには、高速ハンドオーバが要求される。このため、PDSN間ハンドオーバにおいては、QoS情報処理の効率化が課題となる。PDSNは、それに接続される全ユーザのQoS情報(R QoS、G QoS、QOS User Profile)を管理する必要がある。例えば、大都市圏の通信を1台のPDSNでカバーした場合、極めて多数のユーザのQoS情報が1台のPDSNに集中してしまう。
【0019】
本発明の目的は、QoS情報処理を効率化するために、RAN機器やPDSNで扱うQoS情報量を低減することにある。
本発明の他の目的は、PDSN間ハンドオーバにおけるPDSN間のQoS情報転送を効率化することにある。
本発明の更に他の目的は、PDSN間ハンドオーバにおける移動先RAN(tRAN)でのQoS情報処理の効率化にある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記目的を達成するため、本発明は、それぞれ無線基地局とパケット制御装置とからなる複数の無線アクセス網と、上記各無線アクセス網をIP網に接続する複数のノード装置と、無線移動局毎に予め契約で保証された通信品質レベル情報を記憶した認証サーバとからなり、各無線アクセス網が、上記無線基地局と通信する無線移動局からの通信品質要求に応じて、上記パケット制御装置に接続されたノード装置と上記無線移動局との間のパケットフローの通信品質を保証する無線通信システムにおいて、
上記各無線アクセス網の無線基地局とパケット制御装置の少なくとも一方が、無線移動局から受信した第1の通信品質要求を上記認証サーバから入手した通信品質レベル情報で検証し、該無線移動局に保証された範囲の通信品質パラメータ群からなる第2の通信品質要求(RAA QoS:Requested And Authorized QoS)に変換し、更に、該第2の通信品質要求を該無線アクセス網の通信リソースで許容可能な第3の通信品質要求(G QoS)に変換し、該第3の通信品質要求に従って、上記無線移動局のパケットフローの通信品質を制御するための手段と、上記第2、第3の通信品質要求の少なくとも一方を上記パケット制御装置に接続されたノード装置に通知するための手段とを備え、
上記各ノード装置が、上記無線アクセス網から通知された通信品質要求を記憶しておき、通信中の無線移動局が他の無線アクセス網に移動した時、上記無線移動局と対応する第2、第3の通信品質要求の少なくとも一方をハンドオーバ先のノード装置に通知するための手段と、ハンドオーバ元の他のノード装置から無線移動局の通信品質要求を受信した時、受信した通信品質要求を該ノード装置に接続された無線アクセス網に通知するための手段とを備え、
上記各無線アクセス網の無線基地局とパケット制御装置の少なくとも一方が、上記ノード装置から上記通信品質要求を受信した時、受信した通信品質要求を該無線アクセス網の通信リソースで許容可能な通信品質要求に変換し、該通信品質要求に従って、移動してきた無線移動局のパケットフローの通信品質を制御することを特徴とする。
【0021】
ここで、上記第1の通信品質要求が、要求優先度の異なる複数セットの通信品質パラメータからなる場合、前記第2の通信品質要求は、上記複数セットの通信品質パラメータから無線移動局に保証された通信品質レベルに従って選択された上記第1の通信品質要求よりも少ないセット数の通信品質パラメータからなり、上記第3の通信品質要求は、上記第2の通信品質要求と同等、または更に少ないセット数の通信品質パラメータからなる。
【0022】
更に詳述すると、上記第3の通信品質要求の通信品質パラメータは、例えば、無線アクセス網における送信レート、伝送遅延、エラーレート、無線区間における受信信号の品質または干渉信号電力のうちの少なくとも1つを通信リソースとして、上記第3の通信品質要求から選択される。
【0023】
また、本発明の無線アクセス網システムは、無線基地局とパケット制御装置とからなり、上記パケット制御装置に接続されたノード装置を介してIP網に接続され、上記無線基地局とパケット制御装置の少なくとも一方が、
上記無線基地局に接続された無線移動局から受信した第1の通信品質要求に含まれる通信品質パラメータ群を上記IP網に接続された認証サーバから入手した上記無線移動局に予め保証された通信品質レベル情報で検証し、該無線移動局に保証された範囲の通信品質パラメータ群からなる第2の通信品質要求に変換し、更に、該第2の通信品質要求を該無線アクセス網の通信リソースで許容可能な第3の通信品質要求に変換するためのQoS許可/受付制御手段と、
上記第2、第3の通信品質要求の少なくとも一方を上記パケット制御装置に接続された上記ノード装置に通知するための手段と、
無線移動局のノード装置間ハンドオーバに伴って、他の無線アクセス網、または該他の無線アクセス網に接続された他のノード装置から第2または第3の通信品質要求を受信した時、受信した通信品質要求を該無線アクセス網の通信リソースで許容可能な通信品質要求に変換するQoS受付制御手段と、
上記QoS許可/受付制御手段で生成した第3の通信品質要求、または上記QoS受付制御手段で生成した通信品質要求に従って、上記無線基地局に接続された無線移動局のパケットフローの通信品質を制御するための手段とを備えたことを特徴とする。
【0024】
本発明による無線アクセス網システムの1つの特徴は、上記パケット制御装置が、上記QoS許可/受付制御手段で変換された第2の通信品質要求を記憶するための記憶装置と、上記無線基地局に接続された無線移動局にノード装置間ハンドオーバが発生した時、上記第2の通信品質要求をハンドオーバ先となる無線アクセス網のパケット制御装置に通知するための手段とを備えたことにある。この構成によれば、ノード装置を経由することなく、ハンドオーバ元の無線アクセス網からハンドオーバ先の無線アクセス網に第2の通信品質要求を通知できる。
【0025】
更に、本発明によるパケットフローの通信品質保証方法は、
各無線アクセス網の無線基地局とパケット制御装置の少なくとも一方が、無線移動局から受信した第1の通信品質要求を認証サーバから入手した通信品質レベル情報で検証し、該無線移動局に保証された範囲の通信品質パラメータ群からなる第2の通信品質要求に変換し、上記第2の通信品質要求を該無線アクセス網の通信リソースで許容可能な第3の通信品質要求に変換し、上記第2、第3の通信品質要求の少なくとも一方を上記パケット制御装置に接続されたノード装置に通知し、上記第3の通信品質要求に従って、上記無線移動局のパケットフローの通信品質を制御し、
上記各無線アクセス網に接続される各ノード装置が、無線アクセス網から通知された通信品質要求を記憶し、通信中の無線移動局が他の無線アクセス網に移動した時、上記無線移動局と対応する第2、第3の通信品質要求の少なくとも一方をハンドオーバ先のノード装置に通知し、他のノード装置から無線移動局の通信品質要求を受信した時、受信した通信品質要求を該ノード装置に接続された無線アクセス網に通知し、
上記各無線アクセス網の無線基地局とパケット制御装置の少なくとも一方が、上記ノード装置から受信した通信品質要求を該無線アクセス網の通信リソースで許容可能な通信品質要求に変換し、上記通信品質要求に従って、移動してきた無線移動局のパケットフローの通信品質を制御することを特徴とする。
【0026】
上記第1の通信品質要求は、例えば、要求優先度の異なる複数セットの通信品質パラメータからなる。この場合、上記各無線アクセス網の無線基地局とパケット制御装置の少なくとも一方が、上記第1の通信品質要求が示す複数セットの通信品質パラメータから、無線移動局に予め保証された通信品質レベル情報に従って、上記第1の通信品質要求から保証すべき通信品質パラメータセットを選択することによって、上記第1の通信品質要求よりも少ないセット数の通信品質パラメータからなる第2の通信品質要求を生成し、上記第2の通信品質要求から、通信品質パラメータのセット数が該第2の通信品質要求と同等、または更に少ない第3の通信品質要求を生成する。
【0027】
上記第1の通信品質要求は、フロー毎に要求優先度の異なる複数セットの通信品質パラメータで要求通信品質を定義していてもよい。この場合、上記各無線アクセス網の無線基地局とパケット制御装置の少なくとも一方が、無線移動局に予め保証された通信品質レベル情報に従って、上記第1の通信品質要求からフロー毎に保証すべき通信品質パラメータセットを選択することによって、前記第2の通信品質要求を生成し、上記第2の通信品質要求から、利用可能な通信リソースに応じて許容可能な通信品質パラメータセットを選択することによって、第3の通信品質要求を生成する。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、ノード装置間ハンドオーバが発生した時、ハンドオーバ元からハンドオーバ先へ転送すべき制御情報量が少なくなるため、ハンドオーバ先無線アクセス網における無線移動局のQoS制御が容易になり、通信リソースを有効利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】無線システム構成の1例を示す。
【図2】図1における無線基地局の構成例を示す。
【図3】図1におけるパケット制御装置の構成例を示す。
【図4】図1におけるトラヒック制御部の構成例を示す。
【図5】図1におけるノード装置の構成例を示す。
【図6】図1におけるAAAの構成例を示す。
【図7】PDSN間ハンドオーバにおける従来のコールフローの1例を示すシーケンス図である。
【図8】PDSN間ハンドオーバにおける本発明のコールフローの第1実施例を示すシーケンス図である。
【図9】PDSN間ハンドオーバにおける本発明のコールフローの第2実施例を示すシーケンス図である。
【図10】PDSN間ハンドオーバにおける本発明のコールフローの第3実施例を示すシーケンス図である。
【図11】PDSN間ハンドオーバにおける本発明のコールフローの第4実施例を示すシーケンス図である。
【図12】PDSN間ハンドオーバにおける本発明のコールフローの第5実施例を示すシーケンス図である。
【図13】R QoS情報のフォーマットの1例を示す。
【図14】G QoS情報のフォーマットの1例を示す。
【図15】QOS User Profileのフォーマットの1例を示す。
【図16】QOS User Profileのフォーマットの他の例を示す。
【図17】PDSNの記憶部が備えるQoS情報テーブルの1例を示す。
【図18】BSまたはPCFの記憶部が備えるQoS情報テーブルの1例を示す。
【図19】AAAの記憶部が備えるQOS情報テーブルの1例を示す。
【図20】本発明によるRAA QoSのパラメータ情報選択処理の1実施例を示すフローチャートである。
【図21】本発明によるRAA QoSのパラメータ情報選択処理の他の実施例を示すフローチャート。
【図22】RAA QoS情報のフォーマットの1例を示す。
【図23】移動先のRANで実行される受付制御手順の1実施例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下の実施例では、無線基地局BSとパケット制御装置PCFの双方に、QoS要求の処理機能とQoS制御機能を備えているが、QoS要求の処理機能は、BSとPCFの何れか一方にのみに設けてもよい。
【0031】
図2は、本発明の無線基地局BS7の1例を示す。
BS7は、MS10のアクセスポイントとなる無線基地局である。ネットワークインタフェース(NW IF)25は、PCF6に接続するためのネットワークとのインタフェースである。ベースバンド処理部BB24は、送受信信号のベースバンド処理、送信信号の変調、受信信号の同期捕捉および復調を行う。中間周波数処理部IF23は、中間周波数IF(Intermediate Frequency)の信号処理を行う。
【0032】
IF23は、BB24から入力されるベースバンド信号をDA(Digital to Analog )変換した後、中間周波数に変換し、無線周波数処理部RF22に出力する。また、IF23は、RF22から入力される信号をAD(Analog to Digital)変換してBB24に出力する。RF(無線部)22は、無線周波数RF(Radio Frequency)の信号処理を行う。RF22は、IF23から入力された信号を、無線周波数にアップコンバートし、送信電力を増幅した後、MS10に送信するためにアンテナ21に出力する。また、RF22は、アンテナ21から入力されたMS10からの無線信号を中間周波数にダウンコンバートして、IF23へ出力する。
【0033】
制御部27は、BS7全体の管理機能を有する。BS7とPCF6間では、A8、A9パケットで情報が伝送される。A8、A9パケットは、制御情報を格納するヘッダ部と、伝送情報を格納するペイロード部とからなる。RANの制御情報は、A9パケットのペイロード部に設定して伝送される。また、MS10の送受信情報は、A8パケットのペイロード部に設定して伝送される。
【0034】
制御部27は、無線伝送単位およびPCF6との間で送受信するA8、A9パケットの組み立て、分解、廃棄等と、タイマ26を用いた無線伝送単位の送信タイミング制御と、記憶部28の情報管理を行う。また、制御部27は、後述するQOS User Profileに基づくR QoSからRAA QoSへの変換と、通信リソースの状態に応じたRAA QoSからG QoSへの変換とを含むQoS情報処理を行い、G QoSに従って各移動端末のQoS制御を行う。記憶部28は、送受信データと、QoS情報を含む管理情報を保持する。タイマ26は、時刻に拠り増加するカウンタである。
【0035】
図3は、本発明のパケット制御装置PCF(Packet Control Function)6の1例を示す。
PCF6は、A8またはA9パケットを作成し、BS7に送信する。また、PCF6は、BS7からA8またはA9パケットを受信する。PCF6とPDSN2間では、A10、A11パケットで情報が伝送される。A10、A11パケットは、制御情報を格納するヘッダ部と、伝送情報を格納するペイロード部とからなる。RANの制御情報は、A11パケットのペイロード部に設定して伝送される。また、MS10の送受信情報は、A10パケットのペイロード部に設定して伝送される。
【0036】
PCF6は、例えば、BS7から受信したA8パケット、A9パケットのヘッダを書き替えて、それぞれA10パケット、A11パケットに変換する。また、PDSN2から受信したA10パケット、A11パケットのヘッダを書き替えて、それぞれA8パケット、A9パケットに変換する。PCF6は、A10もしくはA11パケットを作成し、PDSN2に送信する。
【0037】
NW IF30は、PCF8に接続するためのネットワークインタフェース、NW IF31は、BS7に接続するためのネットワークインタフェース、NW IF36は、PDSN2に接続するためのネットワークインタフェースである。SW32、35は、信号を交換するスイッチである。制御部33は、PCF6全体の管理の他に、QOS User Profileに基づくR QoSからRAA QoSへの変換と、通信リソースの状態に応じたRAA QoSからG QoSへの変換とを含むQoS情報処理を行う。TC(Traffic Controller)34は、A8、A10パケットの組み立て、分解、送受信を行うトラヒック制御部である。
【0038】
図4は、本発明のトラヒック制御部TC34の1例を示す。
記憶部37は、送受信パケットデータと、PCF6の制御部33が指定したQoS情報を含む管理情報を保持する。CPU38は、記憶部37に保持された情報の管理、A9、A11パケットの組み立て、分解、廃棄、QoS情報に従ったパケットのフロー制御等のパケット送受信管理を行う。タイマ39は、時刻に拠り増加するカウンタである。
【0039】
図5は、本発明のノード装置PDSN2の1例を示す。
PDSN2は、IPネットワーク(IP network)1からIPパケットを受信する。PDSN2は、A10パケットまたはA11パケットを作成して、PCF6に送信すると共に、PCF6から、A10パケットまたはA11パケットを受信する。PDSN2は、IPパケットを作成して、IPネットワーク1へ送信する。NW IF46は、PCF6に接続するためのネットワークとのネットワークインタフェース、NW IF47は、IPネットワーク1に接続するためのネットワークインタフェース、NW IF48は、他のPDSNに接続するためのネットワークインタフェースである。
【0040】
記憶部42は、送受信するIPパケット、A10/A11パケット、QoS情報を含む管理情報を保持する。制御部43は、記憶部42に保持された情報の管理、A10/A11パケットおよびIPパケットの組み立て、分解、廃棄等のパケット送受信管理、QoS情報処理を行う。UIF44は、ユーザインタフェースであり、タイマ45は、時刻に拠り増加するカウンタである。
【0041】
図6は、本発明の課金/認証サーバであるAAA(Authentication, Authorization and Accounting)11の1例を示す。
従来、課金認証プロトコルとしてRADIUS(Remote Authentication Dial In User Service)が知られている。RADIUSは、IETF(Internet Engineering Task Force)で標準化されている。また、RFC2139には、Network Access Serverと課金サーバ間での課金情報の伝送プロトコルについて記載されている。
【0042】
AAA11は、例えば、RADIUSに従って、認証や課金のための処理を行う。NW IF51は、IPネットワーク1に接続するネットワークインタフェースである。記憶部52は、後で詳述するUser QoS Profileを含む管理情報を記憶する。制御部53は、記憶部52の記憶された情報の管理、IPパケット送受信の制御、認証および課金処理を行う。UIF54は、ユーザインタフェースであり、無線事業者は、このUIF54を用いて、例えば、ユーザとの契約に基づくUser QoS Profile情報の記憶部53への追加と、User QoS Profileの編集を行う。タイマ55は、時刻に拠り増加するカウンタであり、AAA11は、タイマ55によって、課金開始時刻および課金終了時刻を計測し、時間に応じた課金を行う。
【0043】
次に、図8を参照して、MS10の移動に伴ってPDSN間ハンドオーバが発生した時、sRANからtRANに、MS10の削減されたQoS情報を通知することによって、tRANにおけるQoS情報処理(G QoSの割り当て)を簡略化した本発明によるコールフローの第1実施例について説明する。
MS10が、QoS要求メッセージ85で補助接続のQoS(R QoS)を要求するまでの制御シーケンスは、図7と同様であり、ここでの説明は省略する。
【0044】
MS10がtRANに移動する前の状態で、sRAN4(sBSまたはsPCF)は、QoS許可/受付制御手順140において、QOS User Profile を参照し、MS10が要求したQoS(R QOS)が示すパラメータ群から許可可能なQoSパラメータ群を選択し、RAA QOS(Requested And Authorized QoS)としてメモリに記憶する。
【0045】
R QOSは、図13を参照して詳述するように、1つまたは複数のフローについての要求QoSを指定しており、要求QoSは、フロー毎に複数レベルの要求QoSを示す複数のQoSパラメータセットで定義されている。また、QOS User Profileは、図15、図16を参照して詳述するように、R QOSに含まれるQoS定義項目(優先度、ピーク時の伝送レート、許容最大遅延、合計帯域など)の少なくとも一部について、各MSユーザに契約によってに承認された閾値レベルを示している。
【0046】
sRAN4は、上記Q0S許可/受付制御手順140において、R QoSで指定されたQoSパラメータセットをQOS User Profileと比較し、QOS User Profileに適合しないQoSパラメータセットは除外し、R QoSをQOS User Profileに適合したQoSパラメータセット群からなるRAA QoS(Requested And Authorized QoS)に変換する。sRAN4は、現在の無線および有線の通信リソースの状態に基いて、上記RAA QoSが示すQoSパラメータセット群を検証し、sRAN4で保証できるQoSパラメータセットを選択して、MS10にQoSの割り当てを行う。以下、sRAN4またはtRANがMS10に実際に割り当てたQoS(sRAN4がまたはtRANがMSに保証したQoSパラメータセットで定義されたQoS)をG QoSと言う。
【0047】
sRAN4は、サービス接続メッセージ87によって、G QoSをMS10に通知する。MS10は、サービス接続メッセージ87に応答して、sRAN4にサービス接続完了メッセージ88を返送する。sRAN4は、A11登録要求メッセージ141によって、sPDSN2にQoS情報(本実施例では、G QoSとRAA QoS)を通知する。
【0048】
例えば、sRAN4の構成要素となるsBS7とsPCF6のうち、sBS7が、QoS許可/受付制御手順140を実行し、RAA QoSを記憶部28に記憶した場合、sBS7の制御部27が、記憶部28からRAA QoSを読み出し、RAA QoSとG QoSとを含むQoS情報通知メッセージを作成して、NW IF25からsPCF6に送信する。上記QoS情報通知メッセージは、sPCF6のNW IF31で受信され、制御部33で解析され、制御部33によって、G QoSとRAA QoSを含むA11登録要求メッセージ141が作成される。
【0049】
sPCF6の制御部33は、A11登録要求メッセージ141をNW IF36からsPDSN2に送信する。上記A11登録要求メッセージ141は、sPDSN2のNW IF46で受信され、制御部43によって解析される。sPDSN2の制御部43は、A11登録要求メッセージ141に含まれるG QoSとRAA QoSを記憶部42に記憶し、sRAN4にA11登録応答メッセージ90を送る。
【0050】
MS10は、MS10のIPアドレスと接続識別子との対応関係を示すResvメッセージ91をsPDSN2に送る。sPDSN2は、上記Resvメッセージ91に応答して、確認応答メッセージ92をMS10に返送する。これによって、sPDSN2とMS10との間の補助接続93の設定が完了し、MS10は、補助接続93を通してQoS(G QoS)保証された通信が可能となる。
【0051】
補助接続93による通信開始後に、MS10の移動によってPDSN間ハンドオーバが起こったと仮定する。ハンドオーバの発生は、例えば、tRANで検出し、tPDSNを経てsPDSNに通知できる。sPDSN2は、QOS User Profile、G QoS、RAA QoSを含む転送メッセージ142をtPDSN3に送信する。この場合、sPDSN2の制御部43は、例えば、記憶部42に記憶されたQOS User Profile、G QoS、RAA QoSを読み出し、上記転送メッセージ142を作成する。このメッセージ142は、NW IF48からtPDSN3に送信される。
【0052】
tPDSN3は、アクセス許可メッセージ143によって、QOS User Profile、G QoS、RAA QoSをtRAN5に転送する。tPDSN3の制御部43は、NW IF48で受信した転送メッセージ142を解析し、転送メッセージ142に含まれるQOS User Profile、G QoS、RAA QoSを記憶部42に記憶する。tPDSN3の制御部43は、QOS User Profile、G QoS、RAA QoSを含むアクセス許可メッセージ143を作成し、該アクセス許可メッセージ143をNW IF46からtPCF8に送信する。
【0053】
tPCF8の制御部33は、NW IF36から受信した転送メッセージ143を解析し、該メッセージ143に含まれるQOS User Profile、G QoS、RAA QoSを記憶部37に記憶する。tPCF8の制御部33は、QOS User Profile、G QoS、RAA QoSを含むQoS情報通知メッセージを作成し、NW IF31からtBS9に送信する。tBS9の制御部27は、NW IF7で受信したQoS情報通知メッセージを解析し、QoS情報通知メッセージに含まれるQOS User Profile、G QoS、RAA QoSを記憶部28に記憶する。
【0054】
tRAN5は、QoS受付制御手順144において、tPDSN3から転送メッセージ143で通知されたRAA QoSが示すQoSパラメータセット群を現在の通信リソースの状態に基いて検証し、保証可能なQoSパラメータセットを選択し、MS10に、保証されたQoSパラメータセットで定義されたQoSをG QoSとして割り当てる。すなわち、tRAN5の通信リソースに、RAA QoSが要求する複数レベルのQoSのうちの何れかで、新たな接続を収容できる余裕があれば、tRAN5は、G QoSの割り当てを行う。RAA QoSに含まれるいずれのレベルをも満足させるだけの通信リソースの余裕がなければ、RAA QoSでのG QoSの割り当ては行わず、MS10に要求拒否メッセージを送る。
【0055】
QoS許可/受付制御手順140を実行したtRAN4側で既に承認済みとなっているため、tRAN5は、QoS受付制御手順144では、RAA QoSがMS10に承認されたQoSであることを確認するためのRAA QoSとQOS User Profileとの比較処理を省略できる。tRAN5は、RAA QoSとMS10に割り当てたG QoSとを含むA11登録要求メッセージ145をtPDSN3に送る。tPDSN3は、A11登録要求メッセージ145に応答して、tRAN5にA11登録応答メッセージ100を返送する。
【0056】
tRAN5は、サービス接続メッセージ101によって、受付制御手順144で保証されたQoS(G QoS)をMS10に送る。MS10は、サービス接続メッセージ101に応答して、tRAN5にサービス接続完了メッセージ102を返送する。以下、ハンドオーバ前と同様に、MS10、tRAN5、tPDSN3の間でQoS設定が行われ、sPDSN2からtPDSN3を経由してMS10まで、補助接続106が設定される。
【0057】
本実施例によれば、上述したように、QoS受付制御手順144で、QOS User Profileを用いた処理が不要となる。従って、sPDSN2からtPDSN3に送信されるメッセージ142では、実施例で示したQoS User Profile、G QoS、RAA QoSのうち、RAA QoSを含む何れか1つまたは2つのパラメータのみを転送し、他のパラメータを省略しても良い。
【0058】
本実施例では、sRAN4は、R QoSに含まれるQoSパラメータセット群の中から、QoS User Profileに基いて、MSユーザに許可できるQoSパラメータセット群をRAA QoSとして選択して、sPDSN2に記憶する。この場合、sPDSNは、ユーザに許可できない不要なQoSパラメータ情報を記憶対象から除外できるため、メモリの記憶容量を節約できる。
【0059】
また、本実施例では、QoS受付制御手順144を実行するtRAN5側(tBS9またはtPCF8)でも、tPDSN3から受信したRAA QoS情報を記憶する必要があるが、tRAN5がtPDSN3から受信したRAA QoSは、MS10へのG QoSの割当てには不要となるQoSパラメータが既に除外された状態となっているため、メモリの記憶容量を節約できる。また、QoS受付制御手順144では、sRAN側で認証済みのQoSパラメータ情報を含むRAA QoSに基いて、MS10へG QoSの割当てを実行できるため、QoS User Profileに基くQoS認証処理を省略して、QoS割当てを短時間で完了できる。
【0060】
更に、本実施例によれば、sRANからsPSDNへの送信メッセージ141のペイロードが、R QoSに代えて、RAA QoSを含んでいる。同様に、sPSDNからtPSDNへの送信メッセージ142と、tPSDNからtRANへの送信メッセージ143のペイロードにも、RAA QoSが設定されている。これらのメッセージは、R QoSの送信メッセージに比較して、ペイロード長を短くできるため、有線ネットワーク内での通信リソースを節約できる。
【0061】
図9は、PDSN間ハンドオーバが発生した時に実行される本発明によるコールフローの第2実施例の通信シーケンスを示す。本実施例では、sPDSNがQoS情報を削減し、PDSNを介してtRANに、削減されたQoS情報を通知することによって、tRANにおけるQoS情報の処理(G QoSの割り当て)を簡略化したことを特徴としている。
【0062】
sRAN4は、A11登録要求メッセージ89によって、MS10に割り当てたQoS(G QoS)と要求されたQoS(R QoS)をsPDSN2に通知する。sPDSN2は、A11登録要求メッセージ89に応答して、sRAN4にA11登録応答メッセージ90を返送する。sPDSN2が上記A11登録応答メッセージ90を送るまでのシーケンスは、図7と同様である。
【0063】
本実施例では、sPDSN2が、RAA QoSのパラメータ情報選択146で、QOS User Profileを参照して、R QoSをRAA QoSに変換し、これを記憶部に保持する。RAA QoSのパラメータ情報選択146から後のシーケンスは、図8と同様である。tRAN5(tBS9またはtPCF8)は、QoS受付制御手順144において、tPDSN3から転送メッセージ143で通知されたRAA QoSが示すQoSパラメータセット群を現在の無線および有線の通信リソースの状態に基いて検証し、保証可能なQoSパラメータセットを選択して、MS10にG QoSを割り当てる。
【0064】
本実施例によれば、第1実施例と同様、sPDSNは、ユーザに許可できない不要なQoSパラメータ情報を記憶対象から除外し、RAA QoSを記憶すればよいため、メモリの記憶容量を節約できる。また、QoS受付制御手順144を実行するtRAN5側(tBS9またはtPCF8)でも、tRAN5がtPDSN3から受信したRAA QoSが、MS10へのG QoSの割当てには不要となるQoSパラメータを既に除外した状態となっているため、メモリの記憶容量を節約できる。
【0065】
また、QoS受付制御手順144では、QoS User Profileに基くQoS認証処理を省略して、QoS割当てを短時間で完了できる。更に、移動したMS10のQoS情報をsRAN4からsPDSNに通知する時、sPSDNからtPSDNへの送信メッセージ142と、tPSDNからtRANへの送信メッセージ143のペイロード長を短くできるため、有線ネットワーク内での通信リソースを節約できる。
【0066】
上述した図8、図9の実施例では、MS10に移動先となるtRAN5が、tPDSN3からRAA QoSを受信しているが、sRAN4からtRAN5にRAA QoSを直接的に通知するようにしても良い。
【0067】
図10は、PDSN間ハンドオーバが発生した時に実行される本発明によるコールフローの第3実施例の通信シーケンスを示す。本実施例では、PCF間に通信インタフェースが存在し、この通信インタフェースを介して、RAN間で制御メッセージ70を送受信できる場合に適用される。tPDSN3を経由して主接続95が確立されるまでのシーケンスは、図8と同様である。
本実施例は、PDSN間ハンドオーバが発生した時、RAN間転送メッセージ70によって、sRAN4からtRAN5に直接的にRAA QoSを通知することを特徴としている。
【0068】
例えば、sRAN4側で、sBS7がQoS許可/受付制御手順140を実行し、RAA QoSをsBS7の記憶部28に記憶したと仮定する。この場合、sBS7の制御部27が、記憶部28からRAA QoSを読み出し、RAA QoS通知メッセージを作成して、NW IF25からsPCF6に送信する。
【0069】
上記RAA QoS通知メッセージは、sPCF6のNW IF31で受信され、制御部33が、受信メッセージを解析して、RAA QoSを含むRAN間の制御メッセージ70を作成する。sPCF6の制御部33は、上記制御メッセージ70をNW IF30からtPCF8に送信する。
【0070】
tPCF8の制御部33は、NW IF30から制御メッセージ70を受信すると、受信メッセージ70からRAA QoSを抽出し、RAA QoS通知メッセージを作成して、NW IF31からtBS9に送信する。tBS9の制御部27は、受信したRAA QoS通知メッセージを解析し、受信メッセージが示すRAA QoSを記憶部28に記憶する。受付制御144以降のシーケンスは、図8と同様である。
【0071】
tBS9は、QoS受付制御手順144において、tPCF8からRAA QoS通知メッセージで通知されたRAA QoSが示すQoSパラメータセット群を現在の通信リソースの状態に基いて検証し、保証可能なQoSパラメータセットを選択して、MS10にG QoSを割り当てる。
【0072】
本実施例によれば、第1実施例と同様、sPDSNは、ユーザに許可できない不要なQoSパラメータ情報を記憶対象から除外し、RAA QoSを記憶すればよいため、メモリの記憶容量を節約できる。また、受付制御手順144を実行するtBS9でも、受信したRAA QoSが、MS10へのG QoSの割当てには不要となるQoSパラメータを既に除外した状態となっているため、メモリの記憶容量を節約できる。また、QoS受付制御手順144では、QoS User Profileに基くQoS認証処理を省略して、QoS割当てを短時間で完了できる。
【0073】
図11は、PDSN間ハンドオーバが発生した時に実行される本発明によるコールフローの第4実施例の通信シーケンスを示す。tPDSN3を経由して主接続95が確立されるまでのシーケンスは、図8と同様である。
補助接続93での通信開始後に、MS10にPDSN間ハンドオーバが起こったと仮定する。本実施例では、sPDSN2からtPDSN3に、転送メッセージ148によってRAA QoSを通知する。tPDSN3は、上記RAA QoSをアクセス許可メッセージ149によってtRAN5に通知する。
【0074】
上記RAA QoSは、sRAN側で実行したQoS許可/受付制御手順140によって、QOS User Profileを適用して既に承認済みであることが保証されているため、sPDSN2からtPDSN3に、tRAN側でMS10の要求QoSを承認するためのQOS User Profileを送る必要は無い。また、tRAN5で実行するQoS受付制御144では、上記RAA QoSがMS10に承認されたQoSであることを確認するためのRAA QoSとQOS User Profileとの比較処理を省略できる。
【0075】
tRAN5(tBS9またはtPCF8)は、QoS受付制御手順144において、tPDSN3から転送メッセージ143で通知されたRAA QoSが示すQoSパラメータセット群を現在の無線、有線の通信リソースの状態に基いて検証し、保証可能なQoSパラメータセットを選択して、MS10にG QoSを割り当てる。
【0076】
本実施例によれば、第1実施例と同様、sPDSNは、ユーザに許可できない不要なQoSパラメータ情報を記憶対象から除外し、RAA QoSを記憶すればよいため、メモリの記憶容量を節約できる。また、QoS受付制御手順144を実行するtRAN5側(tBS9またはtPCF8)でも、tRAN5がtPDSN3から受信したRAA QoSが、MS10へのG QoSの割当てには不要となるQoSパラメータを既に除外した状態となっているため、メモリの記憶容量を節約できる。また、QoS受付制御手順144では、QoS User Profileに基くQoS認証処理を省略して、QoS割当てを短時間で完了できる。更に、MS10のQoS情報を通知するメッセージ141、148、149のペイロード長を短くできるため、有線ネットワーク内での通信リソースを節約できる。
【0077】
図12は、PDSN間ハンドオーバが発生した時に実行される本発明によるコールフローの第5実施例の通信シーケンスを示す。補助接続93での通信開始後に、MS10のPDSN間ハンドオーバが起こった場合、tPDSN3を経由して主接続95が確立される迄のシーケンスは、図8と同様である。但し、本実施例では、補助接続93の確立過程で、sRANからsPDSN2に、A11登録要求メッセージ141によってG QoSが通知されている。
【0078】
本実施例では、sPDSN2からtPDSN3に、転送メッセージ150によってG QoSを通知する。tPDSN3は、アクセス許可メッセージ151によって、G QoSをtRAN5に通知する。
sRAN側で実行したQoS許可/受付制御手順86によって、上記G QoSが既に承認済みであることが保証されているため、sPDSN2やtPDSN3は、tRAN5にQOS User Profileを送信する必要は無い。また、tRAN5では、QoS受付制御手順152で、G QoSの内容がMS10に承認できるQoSか否かを確認する必要はない。
【0079】
tRAN5(tBS9またはtPCF8)は、QoS受付制御手順152において、tPDSN3からアクセス許可メッセージ151で通知されたG QoSのパラメータセット群を現在の無線および有線の通信リソースの状態に基いて検証し、保証可能なQoSパラメータセットを選択して、MS10にG QoSを割り当てる。
【0080】
本実施例では、sPDSN2は、情報量が削減されたG QoSを記憶すればよいため、メモリ容量を節約できる。tRAN5(tBS9またはtPCF8)も、G QoSを記憶すればよく、ユーザに許可できない不要なQoSパラメータ情報を記憶する必要が無いため、メモリ容量が節約できる。また、QoS受付制御手順152では、QoS User Profileに基くQoS認証処理を省略して、QoS割当てを短時間で完了できる。更に、MS10のQoS情報を通知するメッセージ89、150、151のペイロード長を短くできるため、有線ネットワーク内での通信リソースを節約できる。
【0081】
図11、図12に示した実施例では、sPDSN2からtPDSN3へのQoS情報通知メッセージ148または150が、情報量の削減されたRAA QoSまたはG QoSのみを含んでいるため、転送情報量、及びシステムにおける処理量を低減することができ、結果的に高速なハンドオーバを実現できる。
【0082】
sPDSN2からtPDSN3に、RAA QoSまたはG QoSを送った場合でも、sPDSNが、転送メッセージ148、150とは別のメッセージで、tPDSNにQOS User Profileを送るようにしても良い。このようにすれば、ハンドオーバ後のMS10が新たなQoSフロー設定を要求した時、MS10のQOS User ProfileをtPDSNからtRANに直ちに供給できる。
【0083】
図13は、QoS要求メッセージ85に含まれるR QoSのフォーマットの1例を示す。
ユーザID(User ID)159は、MS10のユーザ識別子、フロー数(Num Flow)160は、MS10がQoSを要求するフロー(補助接続)の数nを示している。Num Flow160の後には、フロー毎の要求QoSを示すn個のフローエントリが、R QoS(Flow ID=1)161〜R QoS(Flow ID=n)163として含まれる。ここで、R QoS(Flow ID=1)のフローエントリは、フローID=1をもつフローについて、MS10が要求したQoSの内容を定義した情報ブロック158からなる。他のエントリも同様の情報ブロックからなっている。
【0084】
情報ブロック158は、この情報ブロック158のQoS定義が適用されるフローの識別子を示すフローID164と、複数のQoSパラメータエントリ(R QoSパラメータセット)167〜169と、情報ブロック158に含まれるQoSパラメータエントリの個数mを示すセット数(Num Set)166と、長さ(Length)165とからなっている。長さ(Length)165は、それに続くNum Set166とQoSパラメータエントリ167〜169の長さを示している。これらのパラメータエントリ167〜169は、それぞれセットID(Set ID)を有し、要求優先度順に配列されている。
【0085】
各QoSパラメータエントリは、例えば、情報ブロック157に示すように、QoSパラメータエントリの長さを示すSet Length170と、QoSパラメータエントリの識別子となるセットID(Set ID)157と、会話、ストリーミング等のトラヒック種別を示すトラヒッククラス(Traffic class)172と、無線リソースの割り当て優先度を示す優先度(Priority)173と、ピーク時の伝送レートを示すピークレート(Peak rate)174と、フローに許容される最大遅延値を示す最大遅延(Max latency)175と、フローに許容されるデータロスレートの最大値を示す最大ロスレート(Max loss rate)176と、フローに許容されるジッタの最大値を示す最大ジッタ(max jitter)177を指定している。
【0086】
図14は、G QoSのフォーマットの1例を示す。
G QoSは、要求元MS10のユーザ識別子を示すUser ID179と、後続するフローエントリの個数nを示すNum Flow180と、n個のフローエントリ181〜183とからなる。各フローエントリは、ブロック178に示すように、フロー識別子を示すFlow ID184と、QoSパラメータセットを特定するセットID(Set ID)185とからなる。Flow ID184とセットID(Set ID)185の値によって、MS10は、図13で説明したR QoSが指定する各フローにおいて、QoSパラメータセット(パラメータエントリ)167〜169の中のどれが割り当てられたかが判る。
【0087】
図15は、QOS User Profileのフォーマットの1例を示す。
QOS User Profile は、MSユーザの識別子を示すUser ID191と、契約によって当該ユーザに承認されたSet IDのリストを示す承認Set ID(Authorized Set ID)192と、当該ユーザに承認された優先度を示す承認優先度(Authorized Priority)193と、当該ユーザに承認された通信帯域(伝送レート)の合計値を示す承認合計帯域(Authorized Aggregate BW)194とを示している。
【0088】
図16は、QOS User Profileのフォーマットの他の1例を示す。
ここに示したQOS User Profile は、MS10のユーザ識別子を示すUser ID200、契約によって当該ユーザに承認されたSet IDのリストを示す承認Set ID (Authorized Set ID)201、当該ユーザに承認されたtraffic classを示す承認Traffic class(Authorized Traffic class)202、当該ユーザに承認された優先度を示す承認優先度(Authorized Priority)203、当該ユーザに承認されたPeak rateを示す承認Peak rate(Authorized Peak rate)204、当該ユーザに承認されたMax latencyを示す承認Max latency(Authorized Max latency)205、当該ユーザに承認されたMax loss rateを示す承認Max loss rate(Authorized Max loss rate)206、当該ユーザに承認されたMax jitterを示す承認Max jitter(Authorized Max jitter)207、承認総帯域(Authorized Aggregate BW)194とを示している。
【0089】
図17は、PDSN2、3が記憶部42に保持するQoS情報テーブル(PDSNテーブル)のエントリの1例を示す。
PDSNテーブルには、MSユーザの識別子を示すUser ID210と対応して、User QoS Profile211と、RAA QoS212と、G QoS213とを示す複数のエントリが登録される。
【0090】
User QoS Profile211は、図15または図16に示したQoS User ProfileからUser ID200を除いた内容となっている。RAA QoS212は、User QoS Profileに基づくRAA QoSのパラメータ情報選択処理によって、R QoSの情報量を削減したものである。User QoS Profileに基づくRAA QoSのパラメータセット選択処理については、図20、図21を参照して後で詳述する。G QoS213は、RANがMSユーザに実際に割り当てたQoSであって、図14に示したG QoSからUser ID179を除いた内容となっている。
【0091】
図18は、BSの記憶部28、またはPCFの記憶部37が保持するQoS情報テーブル(BS/PCFテーブル)のエントリの1例を示す。
BS/PCFテーブルも、図17に示したPDSNテーブルと同様、User ID215と対応して、MSユーザのUser QoS Profile216と、RAA QoS217と、G QoS218とを示している。User QoS Profile216の内容は、図17のUser QoS Profile211と同様である。
【0092】
図19は、AAA11が記憶部52に保持するQoS情報のテーブル(AAAテーブル)のエントリの1例を示す。AAAテーブルには、MSユーザの識別子を示すUser ID220と対応して、User QoS Profile221を示する複数のエントリが登録されている。User QoS Profile221の内容は、図17のUser QoS Profile211と同様である。
【0093】
図22は、RAA QoSのフォーマットの1例を示す。
RAA QoSは、User QoS Profileに基づくRAA QoSパラメータセットの選択処理によって、図13に示したR QoSから、User QoS Profileに適合しないQoSパラメータセット(パラメータエントリ)を削減した内容となっている。
【0094】
RAA QoSは、R QoSと同様、ユーザID(User ID)259と、フロー数(Num Flow)260と、フロー毎のQoSを示す複数のフローエントリ、RAA QoS(Flow ID=1)261〜RAA QoS(Flow ID=n)263からなる。各フローエントリは、例えば、RAA QoS(Flow ID=1)のエントリに付随して示すように、QoSの内容を定義する情報ブロック258からなる。
【0095】
情報ブロック258は、R QoSの情報ブロック158と同様、情報ブロック258のQoS定義が適用されるフローの識別子を示すフローID264と、複数のQoSパラメータエントリ(RAA QoSパラメータセット)267〜269と、情報ブロック258に含まれるQoSパラメータエントリの個数hを示すセット数(Num Set)266と、長さ(Length)265とからなっている。これらのエントリ267〜269は、要求順位を示すセットID(Set ID)の順に配列されている。RAA QoSの各フローエントリに含まれるQoSパラメータエントリ(RAA QoSパラメータセット)の個数hは、R QoSの各フローエントリに含まれるQoSパラメータエントリ(R QoSパラメータセット)の個数m以下となる。RAA QoSパラメータ情報選択処理において、QoS User Profileを適用してR QoSのパラメータセット群の中からQoS User Profileに適合しないQoSパラメータセットを削除するためである。
【0096】
R QoSと同様、各QoSパラメータエントリは、例えば、情報ブロック257に示すように、エントリの長さを示すSet Length270、エントリの識別子となるセットID(Set ID)257と、トラヒック種別を示すトラヒッククラス(Traffic class)272と、無線リソースの割り当て優先度を示す優先度(Priority)273と、ピーク時の伝送レートを示すピークレート(Peak rate)274と、フローに許容される最大遅延値を示す最大遅延(Max latency)275と、フローに許容される最大のデータロスレートの値を示す最大ロスレート(Max loss rate)276と、フローに許容されるジッタの最大値を示す最大ジッタ(max jitter)277とを指定している。
【0097】
図20は、ハンドオーバ元となるBS7、PCF6、またはPDSN2が、QoS許可/受付制御手順140または86で実行するRAA QoSのパラメータ情報選択(QoS許可)処理の1実施例を示すフローチャートである。
本実施例のRAA QoSパラメータ情報選択処理では、図15に示したQoS User Profileを適用して、MS10が要求した図13のR QoSのパラメータセット群の中から、QoS User Profileに適合しないQoSパラメータセットを削除する。これによって、R QoSは、QoS User Profileで承認されたQoSパラメータセットのみを残したRAA QOSに変換される。
【0098】
ここでは、BSの記憶部28(または、PCFの記憶部37、PDSNの記憶部42)が、QOS User Profileを保持しているものとする。この場合、BSの制御部27(またはPCFの制御部33、PDSNの制御部43)が、以下手順で、R QoSのフローエントリ毎に、全てのQoSパラメータセットをQOS User Profileと照合し、R QoSからQOS User Profileに適合したQoSパラメータセット(RAA QoSパラメータセット)を選択する。
【0099】
制御部27は、Step0で、R QoSのUser ID159と、Num Flow160が示す全フロー数nと、各フローに対応するNum Set166が示すQoSパラメータエントリの個数mを検出する。また、制御部27は、記憶部28のQoSテーブル(図18のBS/PCFテーブル)に確保されたRAA QoS217(またはRAA QoS212)の記憶エリアに、図22に示したRAA QoSのUser ID259とNum Flow260の値を書き込む。
【0100】
制御部27は、Step1で、フローエントリを特定するためのインデックスJの値を「1」に設定し、RAA QoS217(またはRAA QoS212)の第1RAA QoSエントリにFlow ID264、Length265、Num Set ID267の値を書き込む。Step2で、制御部27は、パラメータエントリを特定するためのインデックスIの値を「1」に設定する。
【0101】
制御部27は、Step3で、R QoSのFlow ID=J、Set ID=Iに対応する情報ブロック157のSet ID171の値が、QOS User ProfileのAuthorized Set ID192で指定された範囲内か否かを判定し、指定範囲内であればStep4に進み、そうでなければ、Step 8でFlow ID=J、Set ID=Iに対応するR QoS情報を廃棄する。Step 8では、QoSテーブルのRAA QoS217(またはRAA QoS212)へのQoS情報の書込みは行われないが、Num Set266の値がデクリメント(−1)され、Length265の値が、現在値からSet Length170分を減算した値に書き換えられる。
【0102】
例えば、情報ブロック157のSet ID171の値が「3」で、QOS User ProfileのAuthorized Set ID192で、値「1、2、3、4、5、6、7、8」が指定されていた場合、Set ID171は、Authorized Set ID192の指定範囲内となるため、フローチャートシーケンスはStep4に進む。
【0103】
制御部27は、Step4で、上記情報ブロック157のPriority173の値がQOS User ProfileのAuthorized Priority193の指定範囲内か否かを判定し、指定範囲内であれば、Step5に進み、QoSテーブルのRAA QoS217(またはRAA QoS212)に、Flow ID=J、Set ID=Iに対応する情報ブロック157の内容を書き込む。Priority173の値が指定範囲内に含まれていなければ、制御部27はStep8を実行する。例えば、Priorityが優先度の低い順に0〜15のランクを有し、Priority173が「10」で、Authorized Priority193が「0〜8」を指定していた場合、制御部27は、要求Priority173が許容範囲外と判定して、Step8を実行する。
【0104】
制御部27は、Step 5またはStep8を実行した後、Step6で、パラメータエントリ用のインデックスIの値をインクリメント(+1)し、Step7で、Iの値をR QoSエントリ個数mと比較する。Iの値がm以下であればStep3に戻り、R QoSの第Jフローエントリの次パラメータエントリを判定対象として、上述した処理を繰り返す。
【0105】
Step7でIの値がmを超えた場合、制御部27は、Step9でフローエントリ用のインデックスJの値をインクリメント(+1)し、Step10でJの値をR QoSのフローエントリ数nと比較する。Jの値がn以下であれば、Step2に戻る。これによって、判定対象となるフローエントリを替えて、最初のパラメータエントリから上述した処理が繰り返される。Step10でパラメータJの値がnを超えた時点で、RAA QoSパラメータ選択処理が終了する。
【0106】
図21は、ハンドオーバ元となるBS7、PCF6、またはPDSN2で実行するRAA QoSパラメータ選択(QoS許可)処理の他の実施例を示すフローチャートである。
本実施例では、図16に示したQoS User Profileを適用して、MS10が要求した図13のR QoSがRAA QOSに変換される。
【0107】
ここでも、BSの記憶部28(またはPCFの記憶部37、PDSNの記憶部42)が、QOS User Profileを保持しているものとする。この場合、BSの制御部27(またはPCFの制御部33、PDSNの制御部43)が、以下手順で、R QoSのフローエントリ毎に、全てのQoSパラメータセットをQOS User Profileと照合し、R QoSからQOS User Profileに適合したRAA QoSパラメータセットを選択する。
【0108】
Step11〜Step13での処理内容は、図20のStep0〜Step2と同一であり、説明を省略する。制御部27は、Step14で、R QoSのFlow ID=J、Set ID=Iに対応する情報ブロック157のSet Id171の値が、QOS User ProfileのAuthorized Set ID201で指定された範囲内か否かを判定し、指定範囲内であれば、Step15に進み、そうでなければ、Step22で、Flow ID=J、Set ID=Iに対応するQoS情報の廃棄し、QoSテーブルNum Set266の値をデクリメント(−1)し、Length265の値をSet Length170分を減算した値に書き換える。
【0109】
Step15では、制御部27は、上記情報ブロック157のTraffic class172の値が、QOS User ProfileのAuthorized Traffic class202で指定された範囲内か否かを判定し、指定範囲内であればStep16に進み、そうでなければ、Step22を実行する。例えば、R QoSのTraffic class172がInteractive classを指定し、QOS User ProfileのAuthorized Traffic class202がBackground classとStreaming classとを指定していた場合、制御部27は、Traffic class172が指定範囲外と判断して、Step22を実行する。
【0110】
Step16では、制御部27は、上記情報ブロック157のPriority173の値が、QOS User ProfileのAuthorized Priority203で指定された範囲内か否かを判定し、指定範囲内であればStep17に進み、そうでなければStep22を実行する。
【0111】
Step17では、制御部27は、上記情報ブロック157のPeak rate174の値が、QOS User ProfileのAuthorized Peak rate204で指定された範囲内か否かを判定し、指定範囲内であればStep18に進み、そうでなければStep22を実行する。
【0112】
Step18では、制御部27は、上記情報ブロック157のMax latency175の値が、QOS User ProfileのAuthorized Max latency205で指定された範囲内か否かを判定し、指定範囲内であればStep19に進み、そうでなければStep22を実行する。例えば、R QoSのMax latency175が20ms、Authorized Max latency205が10ms以上となっていた場合、Max latency175が指定範囲内となるため、Step19が実行される。
Step19では、制御部27は、R QoSのFlow ID=J、Set ID=Iに対応する情報ブロック157のMax loss rate176の値が、QOS User ProfileのAuthorized Max loss rate206で指定された範囲内か否かを判定し、指定範囲内であればStep20に進み、そうでなければStep22を実行する。例えば、Max loss rate176が「10〜6」を指定し、authorized Max loss rate206が「10〜4」を指定していた場合、Max loss rate176が指定範囲内となるため、Step20が実行される。
【0113】
Step20では、制御部27は、上記情報ブロック157のMax jitter177の値が、QOS User ProfileのAuthorized Max jitter207で指定された範囲内か否かを判定し、指定範囲内であればStep21に進み、そうでなければStep22を実行する。例えば、Max jitter177の値が2msで、Authorized Max jitter207で5ms以下と指定されていた場合、Max jitter177は指定範囲内となるため、Step21が実行される。
【0114】
Step21では、制御部27は、QoSテーブルのRAA QoS217(またはRAA QoS212)にFlow ID=J、Set ID=Iに対応する情報ブロック157の内容を書き込む。
制御部27は、Step21またはStep22を実行した後、Step23〜Step26を実行する。これらのステップは、図20のStep7〜Step10と同様であり、ここでの説明は省略する。
【0115】
図23は、tRANがQoS受付制御手順144で実行するRAA QoS判定処理の1実施例を示すフローチャートである。
RAA QoS判定処理を実行するtRANは、tBS、tPCFの少なくとも一方であり、システム構成に依って、tBS、tPCFのどちらが実行しても良い。ここでは、tBS(またはtPCF)が、RAA QoS判定処理(受付制御手順144)を実行する場合について説明する。QoS許可/受付制御手順140、86でも、これと同様のRAA QoS判定処理によって、MSへのG QoSの割り当てが行われる。
【0116】
RAA QoS判定処理を実行する前に、tBSは、記憶部28に形成された図18で示したQoSテーブルに、User ID215と、User QoS Profile216と、図22に示したフォーマットをもつRAA QoS217とを記憶しているものと仮定する。この時点では、QoSテーブルのG QoS218は空の状態にある。BSの制御部27は、以下の手順で、RAA QoSのフローエントリ毎に、RAA QoSパラメータセットを検査する。
【0117】
制御部27は、先ず、Step30で、RAA QoSから、User ID259をもつRAA QoSのNum Flow260が示す全フロー数nと、各フローに対応するNum Set266が示すQoSパラメータエントリの個数hを抽出し、QoSテーブルのG QoS218用のエリアにUser ID179とNum Flow180の値を書き込む。制御部27は、Step31で、フローエントリを特定するためのインデックスJの値を1に設定し、Step32で、パラメータエントリを特定するためのインデックスIの値を1に設定する。
【0118】
制御部27は、Step33で、RAA QoSのFlow ID=J、Set ID=Iに対応する情報ブロック257が示すPeak rate274がtRANで保証できる(サービス可能)か否かを判定する。この場合、制御部27は、例えば、制御情報として得られる無線区間の状態情報から、Peak rate274を十分保証可能か否かを判断する。無線区間の状態情報は、tBS(またはMS)で測定される受信信号の品質、干渉信号電力、通信データレート、エラーレートなど、tBSとMSとの間の通信チャネルにおけるQoSを反映するものであればよい。また、例えば、BSの記憶部28に、無線区間で達成可能なピークレートを予め保持しておき、これ参照してPeak rate274が保証可能か否かを判断しても良い。RAA QoSが要求するPeak rate274が保証可能であればStep34に進み、不可能ならStep37を実行する。
【0119】
Step34では、制御部27は、上記情報ブロック257が示すMax latency275がtRANで保証できる(サービス可能)か否かを判定する。制御部27は、例えば、記憶部28に形成される送受信バッファの容量を参照して、必要なMax latency275が十分保証可能かを否かを判断する。保証可能な最大遅延を予め記憶部28に保持しておき、これを参照してMax latency275を実現できるか否かを判断しても良い。Max latency275が保証可能であればStep35に進み、そうでなければStep37を実行する。
【0120】
Step35では、制御部27は、上記情報ブロック257のMax loss rate276がtRANで保証できる(サービス可能)か否かを判定する。この判定は、例えば、制御情報として得られる無線区間の状態情報を参照して行う。記憶部28に最大損失率を予め保持しておき、これを参照してMax loss rate276が保証可能か否かを判断しても良い。Max loss rate276を保証可能ならStep36に進み、そうでなければStep37を実行する。
【0121】
Step36では、制御部27は、Flow ID=Jのフローに対して、Set ID=Iと対応するRAA QoSパラメータセットを受け付ける。この場合、制御部27は、フローエントリ用のインデクスJの値と、パラメータエントリ用のインデクスIの値を、それぞれG QoS(Flow ID J)のFlow ID184、Set ID185として書き込む。
【0122】
制御部27は、この後、Step40で、フローエントリ用のインデックスJの値をインクリメントし、Step41で、インデクスJの値をフロー数nと比較する。Jがn以下であれば、制御部27は、Step32に戻って、パラメータエントリのインデクスIの値を初期値1に戻し、新たなFlow ID=Jをもつフローエントリの最初の情報ブロック257について、上述した判定を繰り返す。Step41で、Jがnを超えた場合、制御部27は、このRAA QoS判定処理を終了する。
【0123】
Set ID=Iに対応する情報ブロック257で、Peak rate、Max latency、Max loss rateの何れかで保証不可能となった場合、制御部27は、Step37で、パラメータエントリ用のインデックスIの値をインクリメント(+1)し、Step38で、Iの値をパラメータエントリ数hと比較する。インデックスIの値がh以下であればStep33に戻り、同一フローエントリの次のパラメータエントリについて、上述した判定を繰り返す。
【0124】
Step38で、インデックスIの値がhを超えた場合、RAA QoSのFlow ID=Jのフローには、許可できるパラメータセットが無かったことになる。この場合、制御部27は、Step39で、Flow ID=Jのフローについては、RAA QoSを拒否し、G QoSへのRAA QoSパラメータの割当てを省略して、Step40に進む。
【0125】
上記フローチャートから明らかなように、MSの移動先となったtRAN(tBSまたはtPCF)では、移動元のsRANから通知されたRAA QoSに基づいて、MS10へのQoSの割り当て(G QoS)を行う。この場合、RAA QoSは、MSが最初に送信したR QoSよりもパラメータセットの数が少ないため、MSへのQoSの割り当て処理時間を短縮できる。尚、特定フローについてQoS拒否が発生した場合、制御部27からMS10に、QoSを保証できなかったフローのFlow IDを通知するようにしてもよい。
【0126】
上記実施例では、3種類のQoSパラメータについて、保証可能か否かを判定したが、判定対象となるQoSパラメータは、実施例以外のものであってもよい。例えば、R QoSまたはRAA QoSで、Max jitter177の要求値を指定する代わりに、jitter発生の許容可否をフラグ情報で指定するようにしても良い。この場合、QoSUser Profileには、jitter無しの通信の可否を示す情報も登録しておく。
【産業上の利用可能性】
【0127】
本発明は、移動体無線ネットワークに適用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ無線基地局とパケット制御装置とからなる複数の無線アクセス網と、上記各無線アクセス網をIP網に接続する複数のノード装置と、無線移動局毎に予め契約で保証された通信品質レベル情報を記憶した認証サーバとからなり、各無線アクセス網が、上記無線基地局と通信する無線移動局からの第1の通信品質要求に応じて、上記パケット制御装置に接続されたノード装置と上記無線移動局との間のパケットフローの通信品質を保証する無線通信システムであって、
上記各無線アクセス網の無線基地局とパケット制御装置の少なくとも一方が、
無線移動局が送信する上記第1の通信品質要求と上記通信品質レベル情報に基づき変換した該無線移動局に保証された範囲の通信品質パラメータ群からなる第2の通信品質要求を、該無線アクセス網の通信リソースで許容可能な第3の通信品質要求に変換する手段と、
該第3の通信品質要求に従って、上記無線移動局のパケットフローの通信品質を制御するための手段と、
上記第2通信品質要求を上記パケット制御装置に接続されたノード装置と、他の上記無線アクセス網に通知するための手段と、を備え、
上記他の無線アクセス網の無線基地局とパケット制御装置の少なくとも一方が、上記無線アクセス網から直接、上記第2の通信品質要求を受信した時、受信した上記第2の通信品質要求を該無線アクセス網の通信リソースで許容可能な第4の通信品質要求に変換し、該第4の通信品質要求に従って、移動してきた無線移動局のパケットフローの通信品質を制御する
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の無線通信システムにおいて、
前記第1の通信品質要求が、要求優先度の異なる複数セットの通信品質パラメータからなり、前記第2の通信品質要求が、上記複数セットの通信品質パラメータから前記保証された通信品質レベル情報に従って選択された上記第1の通信品質要求よりも少ないセット数の通信品質パラメータからなり、前記第3の通信品質要求が、上記第2の通信品質要求と同等、または更に少ないセット数の通信品質パラメータからなる
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項3】
請求項1に記載の無線通信システムにおいて、
前記各無線アクセス網の無線基地局とパケット制御装置の少なくとも一方が、無線アクセス網における送信レート、伝送遅延、エラーレート、無線区間における受信信号の品質または干渉信号電力のうちの少なくとも1つを前記通信リソースとして、前記無線移動局に許容可能な通信品質パラメータ群を選択する
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項4】
無線基地局とパケット制御装置とからなる無線アクセス網であって、
上記無線基地局と上記パケット制御装置の少なくとも一方が、
上記無線基地局と通信する無線移動局から受信した第1の通信品質要求を、当該無線移動局に予め保証された通信品質レベル情報で検証し、該無線移動局に保証された範囲の通信品質パラメータ群からなる第2の通信品質要求に変換して記憶する手段と、
上記無線アクセス網を介して通信中の上記無線移動局が、他の無線アクセス網に移動した時、上記無線移動局に対応する上記第2の通信品質要求を、ハンドオーバ先の上記他の無線アクセス網に直接通知するための手段と、
上記他の無線アクセス網から直接、上記他の無線アクセス網を構成する他の無線基地局と通信する他の無線移動局に保証された範囲の通信品質パラメータ群からなる第2の通信品質要求を受信する手段と、を備え、
受信した当該第2の通信品質要求を、当該無線アクセス網の通信リソースで許容可能な第4の通信品質要求に変換し、該第4の通信品質要求に従って、移動してきた上記他の無線移動局のパケットフローの通信品質を制御する
ことを特徴とする無線アクセス網。
【請求項5】
それぞれ無線基地局とパケット制御装置とからなる複数の無線アクセス網と、上記各無線アクセス網をIP網に接続する複数のノード装置と、無線移動局毎に予め契約で保証された通信品質レベル情報を記憶した認証サーバとからなる無線通信システムにおけるパケットフローの通信品質保証方法であって、
上記各無線アクセス網の無線基地局とパケット制御装置の少なくとも一方が、無線移動局の送信する第1の通信品質要求と上記通信品質レベル情報に基づき変換した該無線移動局に保証された範囲の通信品質パラメータ群からなる第2の通信品質要求を、該無線アクセス網の通信リソースで許容可能な第3の通信品質要求に変換し、
上記第2の通信品質要求を上記パケット制御装置に接続されたノード装置と、他の上記無線アクセス網に通知し、上記第3の通信品質要求に従って、上記無線移動局のパケットフローの通信品質を制御し、
他の上記無線アクセス網の無線基地局とパケット制御装置の少なくとも一方が、上記無線アクセス網から直接受信した上記第2の通信品質要求を、該無線アクセス網の通信リソースで許容可能な第4の通信品質要求に変換し、上記第4の通信品質要求に従って、移動してきた無線移動局のパケットフローの通信品質を制御する
ことを特徴とするパケットフローの通信品質保証方法。
【請求項6】
請求項5に記載のパケットフローの通信品質保証方法において、
前記第1の通信品質要求が、要求優先度の異なる複数セットの通信品質パラメータからなり、
前記各無線アクセス網の無線基地局とパケット制御装置の少なくとも一方が、上記第1の通信品質要求が示す複数セットの通信品質パラメータから、前記通信品質レベル情報で保証された範囲の通信品質パラメータセットを選択して、上記第1の通信品質要求よりも少ないセット数の通信品質パラメータからなる前記第2の通信品質要求を生成し、上記第2の通信品質要求から、通信品質パラメータのセット数が該第2の通信品質要求と同等、または更に少ない前記第3の通信品質要求を生成することを特徴とするパケットフローの通信品質保証方法。
【請求項7】
請求項5に記載のパケットフローの通信品質保証方法において、
前記第1の通信品質要求が、フロー毎に要求優先度の異なる複数セットの通信品質パラメータで要求通信品質を定義しており、
前記各無線アクセス網の無線基地局とパケット制御装置の少なくとも一方が、前記無線移動局に予め保証された通信品質レベル情報に従って、上記第1の通信品質要求からフロー毎に保証すべき通信品質パラメータセットを選択することによって、前記第2の通信品質要求を生成し、上記第2の通信品質要求から、利用可能な通信リソースに応じて許容可能な通信品質パラメータセットを選択することによって、前記第3の通信品質要求を生成することを特徴するパケットフローの通信品質保証方法。
【請求項8】
請求項5〜請求項7の何れかに記載のパケットフローの通信品質保証方法において、
前記各無線アクセス網の無線基地局とパケット制御装置の少なくとも一方が、無線アクセス網における送信レート、伝送遅延、エラーレート、無線区間における受信信号の品質または干渉信号電力のうちの少なくとも1つを前記通信リソースとして、前記第2の通信品質要求または前記ノード装置から受信した前記第2の通信品質要求から通信品質パラメータを選択し、前記無線移動局に許容可能な前記第4の通信品質要求を生成することを特徴とするパケットフローの通信品質保証方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2012−109985(P2012−109985A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−268532(P2011−268532)
【出願日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【分割の表示】特願2007−520007(P2007−520007)の分割
【原出願日】平成17年6月10日(2005.6.10)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】