説明

無線通信システム、無線通信制御装置、基地局、サービス規制制御方法、そのプログラムおよび記録媒体

【課題】モバイル端末の現在位置に応じて当該モバイル端末に対する通信サービスを制限する無線通信システムを提供する。
【解決手段】各通信エリアA,B,C内に位置するモバイル端末1〜5と無線通信を行う基地局1〜3と、各基地局1〜3に接続し、通信相手との無線通信動作を制御する無線通信制御装置例えばボタン電話装置10とからなり、ボタン電話装置10は、位置情報登録テーブル14bに設定した各モバイル端末1〜5の現在位置に基づき、通信エリアA,B,Cごとに各モバイル端末1〜5に対する通信サービスを規制するか否かをあらかじめ登録した規制条件登録テーブル14aを検索し、各モバイル端末1〜5の現在位置に応じて各モバイル端末に対する通信サービスを規制するか否かを判別する。なお、位置情報登録テーブル14bを、無線通信制御装置側ではなく、基地局側に備え、基地局側で通信サービスを規制するか否かを判別するようにしても良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システム、無線通信制御装置、基地局、サービス規制制御方法、サービス規制制御プログラムおよびプログラム記録媒体に関し、特に、本発明に係る無線通信制御装置として、公衆用モバイル端末の通信を制御する公衆網における電話交換装置や内線モバイル端末の通信を制御する構内網におけるPBX(Private Branch Exchange)システムやボタン電話装置に好適に適用することができる。
【背景技術】
【0002】
従来より、受付電話機のような固定端末に対して、提供する通信サービスを制限する機能、例えば、サービスクラス設定機能や発着信規制機能など、を付与することは、公知になっていたが、かかるサービス規制機能は、固定設置型の端末に対してあらかじめ端末固有に設定する機能であり、携帯端末のように移動性を有する端末に対して、場所を特定してサービスを制限するという機能は存在していなかった。
【0003】
しかし、近年、モバイル端末の急速な普及に伴い、種々の移動場所で自由に通信を行うことができる環境が整備されて利便性が大幅に向上してきている状況になってきたが、その反面として、例えば、電車内や劇場内等における着信音や通話等により、社会生活上の利害に反する場面も頻繁に生じるようになってきている。
【0004】
このため、特許文献1の特開2006−203507号公報「端末機能制限をなす移動端末および無線通信システム」のような提案がなされている。該特許文献1においては、移動した任意の場所で通信を行うことができるモバイル端末であっても、移動した場所(無線通信ゾーン)に応じて、あらかじめ設定しているサービス機能を制限するという操作をユーザが行うことによって該当するサービスの実施を規制するという仕組みを提案している。これにより、サービス規制を設定した当該特定のモバイル端末においては、例えば電車内や劇場内等においてあらかじめ設定したサービス例えば着信音の鳴動や通話を規制することを可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−203507号公報(第4−6頁)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記特許文献1に記載のようなモバイル端末に関するサービス規制の技術は、モバイル端末の所持者が、移動したエリアを意識して手動でサービス規制の設定操作を行うという仕組みであったため、モバイル端末の所持者に対する負担があるとともに、当該所持者が操作を忘れてしまうという問題もある。さらには、各モバイル端末側にサービス規制機能を搭載することになるので、各モバイル端末のコストが上昇するという問題もある。
【0007】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、モバイル端末の通信を制御する無線通信制御装置側またはモバイル端末と無線通信を行う基地局側に、モバイル端末が位置する場所に応じて、あらかじめ登録されたモバイル端末に対する通信サービスを規制するための仕組みを備えることにより、モバイル端末の現在位置に応じて当該モバイル端末に対する通信サービスを制限することを可能にする無線通信システム、無線通信制御装置、基地局、サービス規制制御方法、サービス規制制御プログラムおよびプログラム記録媒体を提供することを、その目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述の課題を解決するため、本発明による無線通信システムは、次のような特徴的な構成を採用している。
【0009】
(1)通信エリア内に位置しているモバイル端末と無線通信を行う基地局と、該基地局に接続し、通信相手との無線通信動作を制御する無線通信制御装置とからなる無線通信システムにおいて、前記無線通信制御装置は、前記モバイル端末が現在位置している前記基地局の前記通信エリアを位置情報として登録する位置情報登録テーブルと、各前記基地局の前記通信エリアごとに前記モバイル端末に対する通信サービスを規制するか否かをあらかじめ登録する規制条件登録テーブルとを、少なくとも備え、前記位置情報登録テーブルと前記規制条件登録テーブルとの登録内容に基づいて、前記モバイル端末の現在位置に応じて当該モバイル端末に対する通信サービスを規制するか否かを判別する無線通信システム。
【発明の効果】
【0010】
本発明の無線通信システム、無線通信制御装置、基地局、サービス規制制御方法、サービス規制制御プログラムおよびプログラム記録媒体によれば、モバイル端末の通信動作を制御するPBXシステムやボタン電話装置等の無線通信制御装置において、モバイル端末の現在位置を登録し、かつ、各モバイル端末の現在位置ごとに通信サービスを規制するか否かをあらかじめ登録することにより、または、通信エリア内に位置しているモバイル端末と無線通信を行う基地局において、当該通信エリア内に位置するモバイル端末に対する通信サービスを規制するか否かをあらかじめ登録することにより、各モバイル端末の現在位置に応じて通信サービスの提供を規制するか否かを判別して、通信サービスの規制を自動的に実施することができるので、以下のような効果を奏することができる。
【0011】
第1の効果として、電話操作を控えなければならない場所例えば会議室等に移動した場合、モバイル端末を所持する所持者自らが、所持するモバイル端末の電源をオフにしたり、マナーモードに変更したりする等の操作を行う必要がないので、操作の煩わしさを軽減することができる。
【0012】
第2の効果として、通信サービスの規制に関する制御をボタン電話装置等の無線通信制御装置側や基地局側で行うので、モバイル端末として特別なモバイル端末を用意することなく、汎用のモバイル端末をそのまま利用することが可能となり、端末コストの上昇を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明による無線通信システムのシステム構成の一例を示す構成図である。
【図2】図1に示す無線通信システムにおいてボタン電話装置に公衆網を介してモバイル端末向けの電話として外線着信した場合の動作の一例を説明するための説明図である。
【図3】図1に示す無線通信システムにおいてボタン電話装置に公衆網を介してモバイル端末向けの電話として外線着信した場合の動作の流れの一例を説明するためのシーケンス図である。
【図4】図1に示す無線通信システムにおいてボタン電話装置に位置登録されていないモバイル端末向けの外線着信があった場合の動作の流れの一例を説明するための説明図である。
【図5】本発明による無線通信システムのシステム構成の他の例を示す構成図である。
【図6】図5に示す無線通信システムにおいてボタン電話装置に公衆網を介してモバイル端末向けの電話として外線着信した場合の動作の流れの一例を説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明による無線通信システム、無線通信制御装置、基地局、サービス規制制御方法、サービス規制制御プログラムおよびプログラム記録媒体の好適な実施形態について添付図を参照して説明する。なお、以下の説明においては、本発明による無線通信システム、無線通信制御装置、基地局およびサービス規制制御方法について説明するが、かかるサービス規制制御方法をコンピュータにより実行可能なサービス規制制御プログラムとして実施するようにしても良いし、あるいは、サービス規制制御プログラムをコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録するようにしても良いことは言うまでもない。
【0015】
また、本発明による無線通信制御装置としては、基地局や無線親局等のアクセスポイントを介して接続されたモバイル端末の通信を制御する制御装置であって、無線回線を介して接続されたモバイル端末に対して、登録されている通信サービスを提供する制御装置であれば、如何なる種類の制御装置であっても構わなく、例えば、公衆通信網の通信ノードを構成する電話交換装置であっても良いし、構内の専用通信網を構成するPBX(Private Branch Exchange)システムであっても良いし、あるいは、小規模の交換設備であるボタン電話装置であっても良い。
【0016】
(本発明の特徴)
本発明の実施形態の説明に先立って、本発明の特徴についてその概要をまず説明する。本発明は、モバイル端末の無線通信動作を制御する無線通信制御装置において、モバイル端末の現在位置情報に基づいて、当該モバイル端末について、あらかじめ登録されている1ないし複数のサービスの起動を制限し、あるいは、モバイル端末との無線通信を行う基地局において、当該基地局と無線通信を行うモバイル端末について、あらかじめ登録されている1ないし複数のサービスの起動を制限し、該当する通信サービスの提供を規制することを、その主要な特徴としている。つまり、本発明による無線通信制御装置は、モバイル端末が移動する場所ごとにサービスを規制すべき条件をサービス規制条件としてあらかじめ登録しておき、各モバイル端末からそれぞれが現在位置している場所を取得して、取得した各モバイル端末の現在位置に対応する前記サービス規制条件に基づいて、各モバイル端末のサービスを規制する、例えば、各モバイル端末の発着信サービスを規制することを、あるいは、モバイル端末との無線通信を行う基地局において、当該基地局と無線通信を行うモバイル端末について、各モバイル端末のサービスを規制する、例えば、各モバイル端末の発着信サービスを規制することを、主要な特徴としている。
【0017】
而して、本発明においては、サービス規制の対象となるモバイル端末としては、現状の端末のままであっても良く、当該モバイル端末を無線回線を介して接続する無線通信制御装置側または基地局側において、当該モバイル端末の現在位置に応じたサービス規制を自動的に実施することができ、モバイル端末の所持者に対する操作負担を軽減し、モバイル端末への機能付与に伴う端末コストの上昇も抑止することが可能になる。
【0018】
(本発明の第1の実施形態)
次に、本発明による無線通信システムのシステム構成の一例を、無線通信制御装置としてボタン電話装置を用いる場合を例にとって、まず、ボタン電話装置側つまり無線通信制御装置側においてサービス規制を行う場合について、その装置構成を、図1を用いて説明する。図1は、本発明による無線通信システムのシステム構成の一例を示す構成図であり、無線通信システムのメインの制御装置を構成する無線通信制御装置の一例として、ボタン電話装置内の装置構成の構成についても示している。
【0019】
図1に示すように、本発明による無線通信システムのメインの制御装置の一例であるボタン電話装置10は、モバイル端末の通信相手との無線通信動作を制御するための装置であり、当該ボタン電話装置10の無線通信エリア40として設定されている領域をカバーするために配置されている基地局1 21(カバー範囲は通信エリアA)、基地局2 22(カバー範囲は通信エリアB)、基地局3 23(カバー範囲は通信エリアC)それぞれを内線接続している。ここで、該無線通信エリア40は、当該無線通信エリア40内に位置しているモバイル端末それぞれに関する現在位置を基地局1 21、基地局2 22、基地局3 23それぞれから取得して、それぞれのモバイル端末の現在位置としてボタン電話装置10に登録している位置登録済みエリアとなっている。さらに、ボタン電話装置10は、公衆網50と外線接続されている。
【0020】
また、図1においては、基地局1 21がカバーする通信エリアA内には、現在、モバイル端末1 31、モバイル端末2 32が位置しており、基地局2 22がカバーする通信エリアB内には、現在、モバイル端末3 33、モバイル端末4 34が位置しており、基地局3 23がカバーする通信エリアC内には、現在、モバイル端末5 35が位置している例を示している。
【0021】
なお、以下の説明においては、基地局1 21、基地局2 22、基地局3 23、…のいずれかの基地局を示す場合、単に、基地局20と表現し、モバイル端末1 31、モバイル端末2 32、モバイル端末3 33、モバイル端末4 34、モバイル端末5 35、…のいずれかのモバイル端末を示す場合、単に、モバイル端末30と表現する場合がある。
【0022】
また、ボタン電話装置10は、無線通信エリア40に配置されている各基地局20(基地局1 21、基地局2 22、基地局3 23)と内線接続するための内線インタフェース部11と、無線回線を介して内線接続される各モバイル端末30(モバイル端末1 31、モバイル端末2 32、モバイル端末3 33、モバイル端末4 34、モバイル端末5 35、…)に対して提供する通信サービスの起動を制御するサービス起動制御部12と、公衆網50と外線接続するための外線インタフェース部13と、各種情報を記憶しているメモリ14と、を少なくとも含んで構成されている。
【0023】
ここで、本実施形態においては、各モバイル端末30に提供する通信サービスを規制するか否かの対象とする通信サービスとして、発信動作と着信動作との2つのいずれかまたは双方である場合を例にとって説明することにし、ボタン電話装置10のサービス起動制御部12は、発信動作、着信動作それぞれの通信サービスに関する制御を行うために、発信制御部12a、着信制御部12bを、少なくとも備えている。
【0024】
また、ボタン電話装置10のメモリ14には、各モバイル端末30が位置している場所に応じて各モバイル端末30に対して規制すべき通信サービスをサービス規制条件としてあらかじめ登録しているサービス規制条件登録テーブル14aと、各モバイル端末30が現在位置している位置情報を各モバイル端末30が存在する基地局20の通信エリアとして登録するための位置情報登録テーブル14bと、が少なくとも用意されている。
【0025】
なお、以下の説明においては、基地局1 21がカバーする通信エリアAは、モバイル端末1 31、モバイル端末2 32それぞれを所有する社員が業務を行っている職場Aであり、基地局2 22がカバーする通信エリアBは、モバイル端末3 33、モバイル端末4 34それぞれを所有する社員が業務を行っている職場Bであり、基地局3 23がカバーする通信エリアCは、各社員が共同で使用して打ち合わせ等を行うことができる会議室であるものとする。
【0026】
また、各通信可能エリア(基地局1 21がカバーする通信エリアA、基地局2 22がカバーする通信エリアB、基地局3 23がカバーする通信エリアC)以外の通信禁止エリア(例えば、廊下、エレベータ、トイレ等)においては、各モバイル端末30(モバイル端末1 31、モバイル端末2 32、モバイル端末3 33、モバイル端末4 34、モバイル端末5 35、…)は、着信動作のみならず、発信動作も行うことができないものとする。
【0027】
したがって、例えば、ボタン電話装置10の位置情報登録テーブル14bに現在位置が登録されているモバイル端末1 31を所持した社員が、当該モバイル端末1 31を携行して、通信エリアAから通信エリアCの会議室に移動した場合、サービス規制条件登録テーブル14aにモバイル端末1 31への着信動作はすべて拒否する旨があらかじめ登録されていると、ボタン電話装置10は、サービス起動制御部12の着信制御部12bにおいて、会議室の通信エリアCにモバイル端末1 31が移動していることを検出している限り、当該モバイル端末1 31に対する着信動作の起動を停止して、当該モバイル端末1 31への着信をすべて拒否するように動作する。
【0028】
あるいは、例えば、ボタン電話装置10の位置情報登録テーブル14bに現在位置が登録されているモバイル端末1 31を所持した社員が、当該モバイル端末1 31を携行して、各通信可能エリア(基地局1 21がカバーする通信エリアA、基地局2 22がカバーする通信エリアB、基地局3 23がカバーする通信エリアC)以外の通信禁止エリア(例えば、廊下、エレベータ、トイレ等)に移動した場合、サービス規制条件登録テーブル14aにモバイル端末1 31への着信動作のみならずモバイル端末1 31からの発信動作もすべて拒否する旨があらかじめ登録されていると、ボタン電話装置10は、サービス起動制御部12の発信制御部12aにおいて、廊下等の通信禁止エリアにモバイル端末1 31が移動していることを検出している限り、当該モバイル端末1 31からの発信動作の起動を停止して、当該モバイル端末1 31からの発信をすべて拒否するように動作する。
【0029】
(第1の実施形態の動作の説明)
次に、図1に示す無線通信システムの動作について、図2、図3を参照しながらさらに詳細に説明する。ここに、図2は、図1に示す無線通信システムにおいてボタン電話装置10に公衆網50を介してモバイル端末1 31向けの電話として外線着信した場合の動作の一例を説明するための説明図であり、図3は、図1に示す無線通信システムにおいてボタン電話装置10に公衆網50を介してモバイル端末1 31向けの電話として外線着信した場合の動作の流れの一例を説明するためのシーケンス図である。
【0030】
ここで、外線からの着信相手となるモバイル端末1 31に関して、ボタン電話装置10のサービス規制条件登録テーブル14aには、図3のサービス規制条件登録テーブル14aに示すように、基地局1 21がカバーする通信エリアA(つまり職場A)においては、着信および発信機能のいずれも可能として登録されており、基地局2 22がカバーする通信エリアB(つまり職場B)においては、着信機能は可能とするものの、発信機能は不可能として登録されており、基地局3 23がカバーする通信エリアC(つまり会議室)においては、通信エリアBの場合とは逆に、着信機能は不可能とするものの、発信機能は可能として登録されているものとする。また、場所を移動中の通信禁止エリア(例えば、廊下、エレベータ、トイレ等)においては、図示していないが、着信および発信機能のいずれも不可能として登録されているものとする。
【0031】
さらに、図2、図3においては、外線からの着信相手となるモバイル端末1 31が位置している場所について、3つの場合を例として示している。つまり、(ケース1)としては、モバイル端末1 31が基地局1 21がカバーする通信エリアA(つまり職場A)に位置している場合に(つまり、ボタン電話装置10の位置情報登録テーブル14bには、基地局1と無線通信が可能な通信エリアAのゾーンに存在している旨が登録されている場合に)、外線着信があった場合を示している。
【0032】
また、(ケース2)としては、モバイル端末1 31が基地局1 21がカバーする通信エリアA(つまり職場A)から基地局3 23がカバーする通信エリアC(つまり会議室)へ廊下を移動している最中に(つまり、ボタン電話装置10の位置情報登録テーブル14bには、廊下、エレベータ、トイレ等の通信禁止エリアに存在している旨が登録されている場合に)、外線着信があった場合を示している。
【0033】
また、(ケース3)としては、モバイル端末1 31が基地局3 23がカバーする通信エリアC(つまり会議室)に位置している場合に(つまり、ボタン電話装置10の位置情報登録テーブル14bには、基地局3 23と無線通信が可能な通信エリアCのゾーンに存在している旨が登録されている場合に)、外線着信があった場合を示している。
【0034】
まず、(ケース1)として、モバイル端末1 31が基地局1 21がカバーする通信エリアA(つまり職場A)に位置している場合について、図2、図3を用いて説明する。
【0035】
図3に示すように、公衆網50からボタン電話装置10に対してモバイル端末1 31向けの外線着信があった場合(シーケンスSeq1)、図2に示すように、ボタン電話装置10は、サービス起動制御部12において、着信先のモバイル端末1 31の現在位置を抽出するために、メモリ14の位置情報登録テーブル14bを検索する。ここで、位置情報登録テーブル14bには、図3の(ケース1)における位置情報登録テーブル14bに示すように、モバイル端末1 31は、現在、基地局1 21がカバーする通信エリアA(つまり職場A)に位置している旨が登録されている。
【0036】
したがって、ボタン電話装置10のサービス起動制御部12は、図3において、着信先のモバイル端末1 31は、現在、基地局1 21がカバーする通信エリアA(つまり職場A)に存在していることを検出する(シーケンスSeq2)。
【0037】
そこで、サービス起動制御部12は、図2に示すように、着信先のモバイル端末1 31の現在位置である通信エリアA(つまり職場A)におけるサービス規制条件を調べるために、メモリ14のサービス規制条件登録テーブル14aを検索する。ここで、サービス規制条件登録テーブル14aには、図3の(ケース1)におけるサービス規制条件登録テーブル14aに示すように、モバイル端末1 31は、現在位置である通信エリアA(つまり職場A)においては、発信動作、着信動作のいずれも可能である旨が登録されている。
【0038】
したがって、ボタン電話装置10のサービス起動制御部12は、図3において、着信先のモバイル端末1 31に対する外線着信が可能である旨を検出する(シーケンスSeq3)。この結果、ボタン電話装置10のサービス起動制御部12は、着信先のモバイル端末1 31に対して外線着信を通知するために、当該モバイル端末1 31が位置している通信エリアAをカバーしている基地局1 21に対して着信通知を送信する(シーケンスSeq4)。該着信通知を受信した基地局1 21は、着信先のモバイル端末1 31に対して着信通知を送信し、着信音を鳴動させる(シーケンスSeq5)。以降、着信通知を受け取ったモバイル端末1 31の所持者が応答することにより、外線との間の通話が開始される状態になる。
【0039】
次に、(ケース2)として、モバイル端末1 31が基地局1 21がカバーする通信エリアA(つまり職場A)から基地局3 23がカバーする通信エリアC(つまり会議室)へ廊下を移動している最中にある場合について、図2、図3を用いて説明する。
【0040】
図2に示すように、モバイル端末1 31が通信エリアA(つまり職場A)から通信エリアC(つまり会議室)への廊下を移動している移動中の状態になると、ボタン電話装置10は、サービス起動制御部12において、現在、モバイル端末1 31が廊下に存在している旨を、メモリ14の位置情報登録テーブル14bに登録する。
【0041】
かかる状態において、図2に示すように、公衆網50からボタン電話装置10に対してモバイル端末1 31向けの外線着信があった場合、ボタン電話装置10のサービス起動制御部12は、着信先のモバイル端末1 31が現在廊下に位置していることをメモリ14の位置情報登録テーブル14bを検索して把握すると、当該モバイル端末1 31の現在位置である廊下におけるサービス規制条件を調べるために、メモリ14のサービス規制条件登録テーブル14aを検索する。ここで、サービス規制条件登録テーブル14aには、前述したように、モバイル端末1 31は、現在位置である廊下においては、通信禁止エリアとして、発信動作、着信動作のいずれも不可能である旨が登録されている。
【0042】
したがって、ボタン電話装置10のサービス起動制御部12は、外線着信を拒否する旨を、外線インタフェース部13を介して、公衆網50側に返送する。
【0043】
しかる後、廊下を移動中のモバイル端末1 31が、基地局3 23がカバーする通信エリアC(つまり会議室)まで移動すると(シーケンスSeq11)、図3に示すように、モバイル端末1 31から基地局3 23に対して、現在、通信エリアCに位置している旨を示すエリア変更通知が通知されてくる(シーケンスSeq12)。該エリア変更通知を受け取った基地局3 23は、ボタン電話装置10に対して、モバイル端末1 31の現在位置が基地局3 23がカバーする通信エリアC(つまり会議室)である旨を示すエリア変更通知を送信してくる(シーケンスSeq13)。
【0044】
該エリア変更通知を受け取ったボタン電話装置10は、サービス起動制御部12において、現在、モバイル端末1 31が存在している現在位置が、基地局3 23がカバーする通信エリアC(つまり会議室)であるものとしてメモリ14の位置情報登録テーブル14bに変更登録する(シーケンスSeq14)。
【0045】
次に、(ケース3)として、モバイル端末1 31が移動先の基地局3 23がカバーする通信エリアC(つまり会議室)に位置している場合について、図2、図3を用いて説明する。
【0046】
図3に示すように、公衆網50からボタン電話装置10に対してモバイル端末1 31向けの外線着信があった場合(シーケンスSeq21)、図2に示すように、ボタン電話装置10は、サービス起動制御部12において、着信先のモバイル端末1 31の現在位置を抽出するために、メモリ14の位置情報登録テーブル14bを検索する。ここで、位置情報登録テーブル14bには、図3の(ケース3)における位置情報登録テーブル14bに示すように、モバイル端末1 31は、現在、基地局3 23がカバーする通信エリアC(つまり会議室)に位置している旨が登録されている。
【0047】
したがって、ボタン電話装置10のサービス起動制御部12は、図3において、着信先のモバイル端末1 31は、現在、基地局3 23がカバーする通信エリアC(つまり会議室)に存在していることを検出する(シーケンスSeq22)。
【0048】
そこで、サービス起動制御部12は、図2に示すように、着信先のモバイル端末1 31の現在位置である通信エリアC(つまり会議室)におけるサービス規制条件を調べるために、メモリ14のサービス規制条件登録テーブル14aを検索する。ここで、サービス規制条件登録テーブル14aには、図3の(ケース3)におけるサービス規制条件登録テーブル14aに示すように、モバイル端末1 31は、現在位置である通信エリアC(つまり会議室)においては、発信動作は可能であるものの、着信動作は不可能である旨が登録されている。
【0049】
したがって、ボタン電話装置10のサービス起動制御部12は、図3において、着信先のモバイル端末1 31に対する外線着信が不可能である旨を検出する(シーケンスSeq23)。この結果、ボタン電話装置10のサービス起動制御部12は、着信先のモバイル端末1 31に対する外線着信を拒否するために、当該モバイル端末1 31が位置している通信エリアCをカバーしている基地局3 23に対する着信通知の送信を抑止する(シーケンスSeq24)。さらに、ボタン電話装置10のサービス起動制御部12は、外線着信を拒否する旨を、外線インタフェース部13を介して、公衆網50側に返送する。
【0050】
なお、前述した図1ないし図3の実施形態の説明は、本発明の一例を示すものであって、本発明は、かかる場合に限るものではない。例えば、前述の説明においては、サービス規制条件登録テーブル14aには、モバイル端末が位置している通信エリア(場所)ごとに、各モバイル端末それぞれごとの、サービス規制条件を登録している例を示した。しかし、例えば、サービス規制条件登録テーブル14aには、通信エリア(場所)ごとのサービス規制条件を登録することとし、どのモバイル端末30が或る通信エリアに位置していても、当該通信エリアに位置する限り、すべてのモバイル端末に対して、共通に、当該通信リアにおける通信サービスの規制条件としてサービス規制条件登録テーブル14aに登録されている条件が適用されるようにしても良い。
【0051】
また、前述した(ケース2)においては、モバイル端末1 31が廊下に存在している場合は、いずれの基地局も、当該モバイル端末1 31からの無線信号を受信することができない通信圏外であるものとして扱うようにしても良い。かかる場合には、ボタン電話装置10のサービス起動制御部12において、モバイル端末1 31からの現在位置を示す情報が得られない場合であり、モバイル端末1 31は廊下やエレベータやトイレット等の通信圏外に存在しているものと看做して、通信圏外の旨を位置情報登録テーブル14bに登録するようにしても良い。
【0052】
あるいは、例えば、図1に示すモバイル端末5 35が位置している通信エリアCが、ボタン電話装置10が当該通信エリアCをカバーする基地局3 23と内線接続していても、当該通信エリアCに位置しているモバイル端末に対するサービス規制条件を登録する位置登録済みエリア40とは異なるエリアであったり、あるいは、ボタン電話装置10が内線接続されていない基地局3 23がカバーするエリアであったりする場合についても、同様であり、かかるモバイル端末5 35に対して着信があった場合には、ボタン電話装置10は、着信を拒否して、サービスを規制するようにしても良い。
【0053】
図4は、図1に示す無線通信システムにおいてボタン電話装置10に位置登録されていないモバイル端末5 35向けの外線着信があった場合の動作の流れの一例を説明するための説明図であり、図1の場合とは異なり、モバイル端末5 35が位置している通信エリアCは、ボタン電話装置10のサービス起動制御部12がサービスの対象とする通信エリアには該当していないエリアであって、当該通信エリアCに位置しているモバイル端末30の現在位置は位置情報登録テーブル14bに登録されていない場合を示している。
【0054】
図4の場合、公衆網50からボタン電話装置10に対してモバイル端末5 35向けの外線着信があった場合、ボタン電話装置10は、サービス起動制御部12において、着信先のモバイル端末5 35の現在位置を抽出するために、メモリ14の位置情報登録テーブル14bを検索する。ここで、位置情報登録テーブル14bには、前述のように、モバイル端末5 35の現在位置は登録されていない。したがって、ボタン電話装置10のサービス起動制御部12は、着信先のモバイル端末5 35は、当該ボタン電話装置10が取り扱う端末ではないものと看做して、外線着信を拒否する旨を、外線インタフェース部13を介して、公衆網50側に返送する。
【0055】
なお、各モバイル端末30からの発信動作のサービス規制についても着信動作の場合と同様であり、ボタン電話装置10のサービス起動制御部12において、メモリ14のサービス規制条件登録テーブル14aを参照することによって、外線発信しようとしているモバイル端末30が存在している通信エリア(場所)に応じて、発信動作を規制するか否かを決定している。
【0056】
つまり、モバイル端末30が発信を行う場合、当該モバイル端末30が位置する通信エリアをカバーする基地局20に対して、発信要求を送信してくる。該発信要求を受け取った基地局20は、ボタン電話装置10に対してモバイル端末30からの発信要求を送信する。
【0057】
モバイル端末30からの発信要求を基地局20から受け取ったボタン電話装置10は、サービス起動制御部12の発信制御部12aを起動して、該発信要求の送信元の基地局20の通信エリアつまり発信要求元のモバイル端末30が位置している通信エリアを位置情報登録テーブル14bから抽出する。次いで、抽出した通信エリアに基づいてサービス規制条件登録テーブル14aを検索することにより、発信要求元のモバイル端末30が発信することが可能な通信エリアに位置しているか否かを判別する。
【0058】
サービス起動制御部12の発信制御部12aは、サービス規制条件登録テーブル14aの参照結果として、発信要求元のモバイル端末30が発信することが可能な通信エリアに位置しているものと判別した場合は、外線インタフェース部13を介して、公衆網50に対して、発信信号を送信するとともに、発信要求元のモバイル端末30に対して呼出音送信信号(RBT:Ring-Back Tone)等を送信する。一方、発信要求元のモバイル端末30が発信することが不可能な通信エリアに位置しているものと判別した場合は、公衆網50に対して発信信号を送信することなく、発信要求元のモバイル端末30に対して、発信拒否信号や話中信号等を送信し、切断を促す。
【0059】
(第1の実施形態の効果の説明)
以上に詳細に説明したように、本実施形態によれば、モバイル端末30の通信動作を制御するボタン電話装置10等の無線通信制御装置において、各モバイル端末30の現在位置を登録し、かつ、各通信エリア内の各モバイル端末30に対する通信サービスを規制するか否かをあらかじめ登録することにより、各モバイル端末30の現在位置に応じて、通信サービスの提供を規制するか否かを判別して、通信サービスの規制を自動的に実施することができるので、以下のような効果が得られる。
【0060】
例えば、電話操作を控えなければならない場所例えば会議室等に移動した場合、モバイル端末30を所持する所持者自らが、所持するモバイル端末30の電源をオフにしたり、マナーモードに変更したりする等の操作を行う必要がないので、操作の煩わしさを軽減することができる。
【0061】
また、通信サービスの規制に関する制御をボタン電話装置10等の無線通信制御装置側で行うので、モバイル端末として特別なモバイル端末を用意することなく、汎用のモバイル端末をそのまま利用することが可能となり、端末コストの上昇を抑えることができる。
【0062】
(本発明の第2の実施形態)
次に、本発明による無線通信システムのシステム構成の他の例を、無線通信制御装置としてボタン電話装置を用いる場合を例にとって、第1の実施形態とは異なり、ボタン電話装置側つまり無線通信制御装置側ではなく、基地局側においてサービス規制を行う場合について、図5を用いて説明する。図5は、本発明による無線通信システムのシステム構成の他の例を示す構成図であり、サービス規制を行う基地局の構成例を、無線通信システムのメインの制御装置を構成する無線通信制御装置の一例であるボタン電話装置内の装置構成例とともに示している。
【0063】
図5に示すように、図1の場合と同様、本発明による無線通信システムのメインの制御装置の一例であるボタン電話装置10Aは、モバイル端末の通信相手との無線通信動作を制御するための装置であり、当該ボタン電話装置10Aの無線通信エリア40として設定されている領域をカバーするために配置されている基地局1 21A(カバー範囲は通信エリアA)、基地局2 22A(カバー範囲は通信エリアB)、基地局3 23A(カバー範囲は通信エリアC)それぞれを内線接続している。ここで、該無線通信エリア40は、図1の場合と同様、当該無線通信エリア40内に位置しているモバイル端末それぞれに関する現在位置を基地局1 21A、基地局2 22A、基地局3 23Aそれぞれから取得して、それぞれのモバイル端末の現在位置としてボタン電話装置10Aに登録している位置登録済みエリアとなっている。さらに、ボタン電話装置10Aは、公衆網50と外線接続されている。
【0064】
また、図5においては、図1の場合と同様、基地局1 21Aがカバーする通信エリアA内には、現在、モバイル端末1 31、モバイル端末2 32が位置しており、基地局2 22Aがカバーする通信エリアB内には、現在、モバイル端末3 33、モバイル端末4 34が位置しており、基地局3 23Aがカバーする通信エリアC内には、現在、モバイル端末5 35が位置している例を示している。
【0065】
なお、以下の説明においては、基地局1 21A、基地局2 22A、基地局3 23A、…のいずれかの基地局を示す場合、単に、基地局20と表現し、モバイル端末1 31、モバイル端末2 32、モバイル端末3 33、モバイル端末4 34、モバイル端末5 35、…のいずれかのモバイル端末を示す場合、単に、モバイル端末30と表現する場合がある。
【0066】
また、ボタン電話装置10Aは、図1の場合と同様、無線通信エリア40に配置されている各基地局20(基地局1 21A、基地局2 22A、基地局3 23A)と内線接続するための内線インタフェース部11と、無線回線を介して内線接続される各モバイル端末30(モバイル端末1 31、モバイル端末2 32、モバイル端末3 33、モバイル端末4 34、モバイル端末5 35、…)に対して提供するサービスの起動を制御するサービス起動制御部12Aと、公衆網50と外線接続するための外線インタフェース部13と、各種情報を記憶しているメモリ14Aと、を少なくとも含んで構成されている。
【0067】
ここで、本実施形態においては、各モバイル端末30に提供する通信サービスとして発信動作と着信動作との2つのいずれかまたは双方である場合を例にとって説明することにし、ボタン電話装置10Aのサービス起動制御部12Aは、それぞれのサービスに関する起動制御を行うために、発信制御部12Aa、着信制御部12Abを、少なくとも備えている。しかし、本実施形態においては、図1の場合におけるサービス規制動作とは異なり、基地局20がカバーする通信エリアに位置している限り、モバイル端末30に対する通信サービスの規制を行うことはない。
【0068】
また、ボタン電話装置10Aのメモリ14Aには、各モバイル端末30が現在位置している位置情報を各モバイル端末30が存在する通信エリアとして記憶するための位置情報登録テーブル14bが少なくとも用意されている。ただし、図1の場合とは異なり、各モバイル端末30が位置している場所に応じて各モバイル端末30に対して規制すべきサービスをサービス規制条件としてあらかじめ登録しているサービス規制条件登録テーブル14aは、ボタン電話装置10Aのメモリ14A内には、設けられていない。
【0069】
一方、各基地局20側には、それぞれの通信エリアに位置している各モバイル端末30に対して通信サービスを規制するか否かを示すサービス規制条件をあらかじめ登録しているサービス規制条件登録テーブルが用意されていて、図1の場合とは異なり、各基地局20側にて、それぞれの場所に応じて各モバイル端末30に対する通信サービスの規制を行うか否かを制御するように構成している。
【0070】
つまり、図5に示すように、通信エリアAをカバーする基地局1 21Aには、当該通信エリアAに現在位置しているモバイル端末30に対して通信サービスを規制するか否かをあらかじめ登録しているサービス規制条件登録テーブル21Aaが用意されており、本実施形態においては、当該通信エリアAに位置するすべてのモバイル端末30について、着信動作、発信動作のいずれも可能である旨が、該サービス規制条件登録テーブル21Aaに登録されている。
【0071】
また、通信エリアBをカバーする基地局2 22Aには、当該通信エリアBに現在位置しているモバイル端末30に対して通信サービスを規制するか否かをあらかじめ登録しているサービス規制条件登録テーブル22Aaが用意されており、本実施形態においては、当該通信エリアBに位置するすべてのモバイル端末30について、着信動作は可能であるものの、発信動作は不可能である旨が、該サービス規制条件登録テーブル22Aaに登録されている。
【0072】
また、通信エリアCをカバーする基地局3 23Aには、当該通信エリアCに現在位置しているモバイル端末30に対して通信サービスを規制するか否かをあらかじめ登録しているサービス規制条件登録テーブル23Aaが用意されており、本実施形態においては、当該通信エリアCに位置するすべてのモバイル端末30について、通信エリアBの場合とは逆に、発信動作は可能であるものの、着信動作は不可能である旨が、該サービス規制条件登録テーブル23Aaに登録されている。
【0073】
(第2の実施形態の動作の説明)
次に、図5に示す無線通信システムの動作について、図6を参照しながら詳細に説明する。ここに、図6は、図5に示す無線通信システムにおいてボタン電話装置10Aに公衆網50を介してモバイル端末1 31向けの電話として外線着信した場合の動作の流れの一例を説明するためのシーケンス図である。
【0074】
ここで、図6においては、外線からの着信相手となるモバイル端末1 31が位置している場所について、3つの場合を例として示している。つまり、(ケース1A)としては、モバイル端末1 31が基地局1 21がカバーする通信エリアAに位置している場合に(つまり、ボタン電話装置10Aの位置情報登録テーブル14bには、基地局1 21Aと無線通信が可能な通信エリアAのゾーンに存在している旨が登録されている場合に)、外線着信があった場合を示している。
【0075】
また、(ケース2A)としては、モバイル端末1 31が基地局1 21Aがカバーする通信エリアAから基地局3 23Aがカバーする通信エリアCへ移動している最中に(つまり、ボタン電話装置10の位置情報登録テーブル14bには、通信エリアが登録されていない通信圏外に存在している場合に)、外線着信があった場合を示している。
【0076】
また、(ケース3A)としては、モバイル端末1 31が基地局3 23Aがカバーする通信エリアC(つまり会議室)に位置している場合に(つまり、ボタン電話装置10Aの位置情報登録テーブル14bには、基地局3 23Aと無線通信が可能な通信エリアCのゾーンに存在している旨が登録されている場合に)、外線着信があった場合を示している。
【0077】
まず、(ケース1A)として、モバイル端末1 31が基地局1 21Aがカバーする通信エリアA(つまり職場A)に位置している場合について、図6を用いて説明する。
【0078】
図6に示すように、公衆網50からボタン電話装置10Aに対してモバイル端末1 31向けの外線着信があった場合(シーケンスSeq31)、ボタン電話装置10Aは、サービス起動制御部12Aにおいて、着信先のモバイル端末1 31の現在位置を抽出するために、メモリ14Aの位置情報登録テーブル14bを検索する。ここで、位置情報登録テーブル14bには、図6の(ケース1A)における位置情報登録テーブル14bに示すように、モバイル端末1 31は、現在、基地局1 21Aがカバーする通信エリアAに位置している旨が登録されている。
【0079】
したがって、ボタン電話装置10Aのサービス起動制御部12Aは、着信先のモバイル端末1 31は、現在、基地局1 21Aがカバーする通信エリアAに存在していることを検出する(シーケンスSeq32)。
【0080】
そこで、サービス起動制御部12Aは、着信先のモバイル端末1 31の現在位置である通信エリアAをカバーする基地局1 21Aに対して着信通知を送信する(シーケンスSeq33)。
【0081】
ボタン電話装置10Aからモバイル端末1 31向けの着信通知を受け取った基地局1 21Aは、当該基地局1 21Aがカバーする通信エリアAにおけるサービス規制条件を調べるために、サービス規制条件登録テーブル21Aaを検索する。ここで、サービス規制条件登録テーブル21Aaには、図6の(ケース1A)におけるサービス規制条件登録テーブル21Aaに示すように、通信エリアAにおいては、当該通信エリアAに存在するすべてのモバイル端末30が発信動作、着信動作のいずれも可能である旨が登録されている。
【0082】
したがって、基地局1 21Aは、着信先のモバイル端末1 31に対する外線着信が可能である旨を検出する(シーケンスSeq34)。この結果、基地局1 21Aは、着信先のモバイル端末1 31に対して着信通知を送信し、着信音を鳴動させる(シーケンスSeq35)。以降、着信通知を受け取ったモバイル端末1 31の所持者が応答することにより、外線との間の通話が開始される状態になる。
【0083】
次に、(ケース2A)として、モバイル端末1 31が基地局1 21Aがカバーする通信エリアAから基地局3 23がカバーする通信エリアCへ通信圏外を移動している最中にある場合について、図6を用いて説明する。
【0084】
モバイル端末1 31が通信エリアA(つまり職場A)から通信エリアC(つまり会議室)への通信圏外を移動している移動中の状態になると、ボタン電話装置10Aは、サービス起動制御部12Aにおいて、現在、モバイル端末1 31が通信エリアAから移動してしまい、いずれの基地局からも現在位置が通知されてこない通信圏外に存在している旨を、メモリ14Aの位置情報登録テーブル14bに登録する。
【0085】
かかる状態において、公衆網50からボタン電話装置10Aに対してモバイル端末1 31向けの外線着信があった場合、ボタン電話装置10Aのサービス起動制御部12Aは、着信先のモバイル端末1 31が現在通信圏外に位置していることをメモリ14Aの位置情報登録テーブル14bを検索して把握する。したがって、ボタン電話装置10Aのサービス起動制御部12Aは、外線着信を拒否する旨を、外線インタフェース部13を介して、公衆網50側に返送する。
【0086】
しかる後、移動中のモバイル端末1 31が、基地局3 23Aがカバーする通信エリアCまで移動すると(シーケンスSeq41)、モバイル端末1 31から基地局3 23Aに対して、現在、通信エリアCに位置している旨を示すエリア変更通知が通知されてくる(シーケンスSeq42)。該エリア変更通知を受け取った基地局3 23Aは、ボタン電話装置10Aに対して、モバイル端末1 31の現在位置が基地局3 23Aがカバーする通信エリアCである旨を示すエリア変更通知を送信してくる(シーケンスSeq43)。
【0087】
該エリア変更通知を受け取ったボタン電話装置10Aは、サービス起動制御部12Aにおいて、現在、モバイル端末1 31が存在している現在位置が、基地局3 23Aがカバーする通信エリアCであるものとしてメモリ14Aの位置情報登録テーブル14bに変更登録する(シーケンスSeq44)。
【0088】
次に、(ケース3A)として、モバイル端末1 31が移動先の基地局3 23Aがカバーする通信エリアC(つまり会議室)に位置している場合について、図6を用いて説明する。
【0089】
図6に示すように、公衆網50からボタン電話装置10Aに対してモバイル端末1 31向けの外線着信があった場合(シーケンスSeq51)、ボタン電話装置10Aは、サービス起動制御部12Aにおいて、着信先のモバイル端末1 31の現在位置を抽出するために、メモリ14Aの位置情報登録テーブル14bを検索する。ここで、位置情報登録テーブル14bには、図6の(ケース3A)における位置情報登録テーブル14bに示すように、モバイル端末1 31は、現在、基地局3 23Aがカバーする通信エリアC(つまり会議室)に位置している旨が登録されている。
【0090】
したがって、ボタン電話装置10のサービス起動制御部12は、着信先のモバイル端末1 31は、現在、基地局3 23Aがカバーする通信エリアCに存在していることを検出する(シーケンスSeq52)。
【0091】
そこで、サービス起動制御部12Aは、着信先のモバイル端末1 31の現在位置である通信エリアCをカバーする基地局3 23Aに対して着信通知を送信する(シーケンスSeq53)。
【0092】
ボタン電話装置10Aからモバイル端末1 31向けの着信通知を受け取った基地局3 23Aは、当該基地局3 23Aがカバーする通信エリアCにおけるサービス規制条件を調べるために、サービス規制条件登録テーブル23Aaを検索する。ここで、サービス規制条件登録テーブル23Aaには、図6の(ケース3A)におけるサービス規制条件登録テーブル23Aaに示すように、通信エリアCにおいては、当該通信エリアCに存在するすべてのモバイル端末30について、発信動作は可能であるものの、着信動作は不可能である旨が登録されている。
【0093】
したがって、基地局3 23Aは、着信先のモバイル端末1 31に対する外線着信が不可能である旨を検出する(シーケンスSeq54)。この結果、基地局3 23Aは、着信先のモバイル端末1 31に対する外線着信を拒否するために、当該モバイル端末1 31に対する着信通知の送信を抑止する(シーケンスSeq55)。さらに、基地局3 23Aは、着信先のモバイル端末1 31に対する着信通知を送信してきたボタン電話装置10Aに対して、着信拒否する旨を返送する。基地局3 23Aから該着信拒否の通知を受け取ったボタン電話装置10Aのサービス起動制御部12Aは、外線着信を拒否する旨を、外線インタフェース部13を介して、公衆網50側に返送する。
【0094】
なお、前述した図5、図6の実施形態の説明は、本発明の一例を示すものであって、本発明は、かかる場合に限るものではない。例えば、前述の説明においては、各基地局20に用意しているサービス規制条件登録テーブル21Aa,22Aa,23Aaには、前述の第1の実施形態における図1の場合とは異なり、どのモバイル端末30であっても、それぞれの通信エリアA,B,Cに位置する場合、すべてのモバイル端末30について、共通に、各通信リアA,B,Cそれぞれをカバーする各基地局20のサービス規制条件登録テーブル21Aa,22Aa,23Aaに登録されているサービス規制条件が適用される場合について説明した。
【0095】
しかし、場合によっては、図1の場合と同様、各基地局20のサービス規制条件登録テーブル21Aa,22Aa,23Aaには、それぞれの通信エリアA,B,Cごと、かつ、各モバイル端末30ごとに、異なるサービス規制条件を登録するようにしても良い。つまり、各モバイル端末30が位置している通信エリア(場所)ごとに、各モバイル端末30それぞれごとの、サービス規制条件を登録するようにしても良い。
【0096】
また、(ケース2A)においては、廊下を移動中のモバイル端末1 31は、通信圏外にあるものとして説明したが、第1の実施形態の場合と同様、通信禁止エリアに存在しているものとして検知されるようにして処理することにしても良い。
【0097】
なお、各モバイル端末30からの発信動作のサービス規制についても、着信動作の場合と同様であり、モバイル端末30それぞれが位置する通信エリアをカバーする基地局20において、当該基地局20に用意されているサービス規制条件登録テーブル21Aa,22Aa,23Aaを参照することによって、外線発信しようとしているモバイル端末30が存在している通信エリア(場所)に応じて、発信動作を規制するか否かを決定している。
【0098】
つまり、モバイル端末30が発信を行う場合、当該モバイル端末30が位置する通信エリアをカバーする基地局20に対して、発信要求(つまり通話チャンネル割り当て要求)を送信してくる。該発信要求を受け取った基地局20は、当該基地局20のサービス規制条件登録テーブルを参照することにより、発信要求元のモバイル端末30が発信することが可能か否かを判別する。
【0099】
基地局20は、該サービス規制条件登録テーブルの参照結果として、発信要求元のモバイル端末30が発信することが可能な通信エリアに位置しているものと判別した場合は、該モバイル端末30に対して通話チャンネルの割り当てを行い、かつ、呼出音送信信号(RBT:Ring-Back Tone)等を送信するとともに、ボタン電話装置10Aに対してモバイル端末30からの発信要求を送信する。一方、発信要求元のモバイル端末30が発信することが不可能な通信エリアに位置しているものと判別した場合は、ボタン電話装置10Aに対してモバイル端末30からの発信要求を送信することなく、発信要求元のモバイル端末30に対して、発信拒否信号や話中信号等を送信し、切断を促す。
【0100】
(第2の実施形態の効果の説明)
以上に詳細に説明したように、本実施形態によれば、ボタン電話装置10A等の無線通信制御装置は、現状の場合と同様、各モバイル端末30の現在位置を登録し、モバイル端末30の発着信があった際に、対象のモバイル端末3が現在存在している通信エリアをカバーする基地局20との間で発着信動作に関する制御を行い、一方、各モバイル端末30に対してサービス規制を行うか否かを制御する動作は、ボタン電話装置10等の無線通信制御装置側ではなく、各モバイル端末30と無線通信を行う各基地局20側で実施するようにしているので、現状のボタン電話装置等の無線通信制御装置をそのまま用いても、第1の実施形態と全く同様の効果が得られる。
【0101】
なお、第2の実施形態においては、例えば発信動作を不許可に設定した前述のようなサービス規制条件登録テーブルを備えた基地局20を、会社等内の人の目が届かない場所に設置するようにすれば、メインの制御装置であるボタン電話装置10A等の無線通信制御装置の機能を既存の機能から何ら変えることなく、会社内等においてモバイル端末30を使って隠れて発信する私用電話などを防止することができる。
【0102】
しかも、モバイル端末30は、最も近傍に設置されていて電波状態が最良の基地局20(つまり当該モバイル端末30が位置する通信エリアをカバーしている基地局20)に対して、発信の際に発信要求(つまりチャンネル割当要求)を送信してくるので、サービス規制条件登録テーブルに当該通信エリアからの発信が不可能な旨を登録した発信拒否用の基地局20を設置した場所においてのみ、該場所に位置するモバイル端末30からの発信を規制することが可能になる。
【0103】
以上、本発明の好適実施例の構成を説明した。しかし、斯かる実施例は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではないことに留意されたい。本発明の要旨を逸脱することなく、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であることが、当業者には容易に理解できよう。例えば、本発明の実施態様は、課題を解決するための手段における構成(1)に加えて、次のような構成として表現できる。
(2)通信エリア内に位置しているモバイル端末と無線通信を行う基地局と、該基地局に接続し、通信相手との無線通信動作を制御する無線通信制御装置とからなる無線通信システムにおいて、前記基地局は、当該基地局がカバーする前記通信エリアに位置する前記モバイル端末に対する通信サービスを規制するか否かをあらかじめ登録する規制条件登録テーブルを少なくとも備え、前記規制条件登録テーブルの登録内容に基づいて、前記モバイル端末の現在位置に応じて当該モバイル端末に対する通信サービスを規制するか否かを判別する無線通信システム。
(3)前記無線通信制御装置または前記基地局に備えられている前記規制条件登録テーブルは、前記通信エリアごとに、あるいは、前記通信エリアごとかつ各前記モバイル端末ごとに、それぞれの前記通信エリアに位置している前記モバイル端末に対する通信サービスを規制するか否かを登録している上記(1)または(2)の無線通信システム。
(4)前記無線通信制御装置または前記基地局に備えられている前記規制条件登録テーブルに規制対象として登録される前記通信サービスとして、前記モバイル端末に対する着信動作、前記モバイル端末からの発信動作のいずれかを少なくとも含む上記(1)ないし(3)のいずれかの無線通信システム。
(5)前記無線通信制御装置は、公衆網における電話交換装置、構内に設置されるPBX(Private Branch Exchange)システムまたはボタン電話装置のいずれかである上記(1)ないし(4)のいずれかの無線通信システム。
(6)通信エリア内に位置しているモバイル端末と無線通信を行う基地局に接続し、通信相手との無線通信動作を制御する無線通信制御装置であって、前記モバイル端末が現在位置している前記基地局の前記通信エリアを位置情報として登録する位置情報登録テーブルと、各前記基地局の前記通信エリアごとに前記モバイル端末に対する通信サービスを規制するか否かをあらかじめ登録する規制条件登録テーブルとを、少なくとも備え、前記位置情報登録テーブルと前記規制条件登録テーブルとの登録内容に基づいて、前記モバイル端末の現在位置に応じて当該モバイル端末に対する通信サービスを規制するか否かを判別する無線通信制御装置。
(7)前記規制条件登録テーブルは、前記通信エリアごとに、あるいは、前記通信エリアごとかつ各前記モバイル端末ごとに、それぞれの前記通信エリアに位置している前記モバイル端末に対する通信サービスを規制するか否かを登録している上記(6)の無線通信制御装置。
(8)前記規制条件登録テーブルに規制対象として登録される前記通信サービスとして、前記モバイル端末に対する着信動作、前記モバイル端末からの発信動作のいずれかを少なくとも含む上記(6)または(7)の無線通信制御装置。
(9)当該無線通信制御装置は、公衆網における電話交換装置、構内に設置されるPBX(Private Branch Exchange)システムまたはボタン電話装置のいずれかである上記(6)ないし(8)のいずれかの無線通信制御装置。
(10)通信エリア内に位置しているモバイル端末と無線通信を行う基地局であって、当該基地局がカバーする通信エリアに位置する前記モバイル端末に対する通信サービスを規制するか否かをあらかじめ登録する規制条件登録テーブルを少なくとも備え、前記規制条件登録テーブルの登録内容に基づいて、前記モバイル端末の現在位置に応じて当該モバイル端末に対する通信サービスを規制するか否かを判別する基地局。
(11)前記規制条件登録テーブルは、当該基地局の前記通信エリアに位置している前記モバイル端末に対する通信サービスを規制するか否かを、あるいは、当該基地局の前記通信エリアに位置している各前記モバイル端末ごとに、それぞれの前記モバイル端末に対する通信サービスを規制するか否かを、登録している上記(10)の基地局。
(12)前記規制条件登録テーブルに規制対象として登録される前記通信サービスとして、前記モバイル端末に対する着信動作、前記モバイル端末からの発信動作のいずれかを少なくとも含む上記(10)または(11)の基地局。
(13)通信エリア内に位置しているモバイル端末と無線通信を行う基地局と、該基地局に接続し、通信相手との無線通信動作を制御する無線通信制御装置とからなる無線通信システムにおけるサービス規制制御方法であって、前記無線通信制御装置が、前記モバイル端末が現在位置している位置情報とあらかじめ設定した各前記基地局の前記通信エリアごとのサービス規制条件とに基づいて、前記モバイル端末の現在位置に応じて当該モバイル端末に対する通信サービスを規制するか否かを判別するサービス規制制御方法。
(14)通信エリア内に位置しているモバイル端末と無線通信を行う基地局と、該基地局に接続し、通信相手との無線通信動作を制御する無線通信制御装置とからなる無線通信システムにおけるサービス規制制御方法であって、前記基地局が、当該基地局がカバーする前記通信エリアにおけるサービス規制条件としてあらかじめ設定した条件に基づいて、前記モバイル端末の現在位置に応じて当該モバイル端末に対する通信サービスを規制するか否かを判別するサービス規制制御方法。
(15)前記無線通信制御装置または前記基地局にあらかじめ設定する前記サービス規制条件として、前記通信エリアごとに、あるいは、前記通信エリアごとかつ各前記モバイル端末ごとに、それぞれの前記通信エリアに位置している前記モバイル端末に対する通信サービスを規制するか否かを設定している上記(13)または(14)のサービス規制制御方法。
(16)前記サービス規制条件として設定される前記通信サービスとして、前記モバイル端末に対する着信動作、前記モバイル端末からの発信動作のいずれかを少なくとも含む上記(13)ないし(15)のいずれかのサービス規制制御方法。
(17)上記(13)ないし(16)のいずれかのサービス規制制御方法を、コンピュータにより実行可能なプログラムとして実施しているサービス規制制御プログラム。
(18)上記(17)のサービス規制制御プログラムを、コンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録しているプログラム記録媒体。
【符号の説明】
【0104】
10 ボタン電話装置
10A ボタン電話装置
11 内線インタフェース部
12 サービス起動制御部
12A サービス起動制御部
12a 発信制御部
12Aa 発信制御部
12b 着信制御部
12Ab 着信制御部
13 外線インタフェース部
14 メモリ
14A メモリ
14a サービス規制条件登録テーブル
14b 位置情報登録テーブル
20 基地局
21 基地局1
21A 基地局1
21Aa サービス規制条件登録テーブル
22 基地局2
22A 基地局2
22Aa サービス規制条件登録テーブル
23 基地局3
23A 基地局3
23Aa サービス規制条件登録テーブル
30 モバイル端末
31 モバイル端末1
32 モバイル端末2
33 モバイル端末3
34 モバイル端末4
35 モバイル端末5
40 無線通信エリア(位置登録済みエリア)
50 公衆網

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信エリア内に位置しているモバイル端末と無線通信を行う基地局と、該基地局に接続し、通信相手との無線通信動作を制御する無線通信制御装置とからなる無線通信システムにおいて、前記無線通信制御装置は、前記モバイル端末が現在位置している前記基地局の前記通信エリアを位置情報として登録する位置情報登録テーブルと、各前記基地局の前記通信エリアごとに前記モバイル端末に対する通信サービスを規制するか否かをあらかじめ登録する規制条件登録テーブルとを、少なくとも備え、前記位置情報登録テーブルと前記規制条件登録テーブルとの登録内容に基づいて、前記モバイル端末の現在位置に応じて当該モバイル端末に対する通信サービスを規制するか否かを判別することを特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
通信エリア内に位置しているモバイル端末と無線通信を行う基地局と、該基地局に接続し、通信相手との無線通信動作を制御する無線通信制御装置とからなる無線通信システムにおいて、前記基地局は、当該基地局がカバーする前記通信エリアに位置する前記モバイル端末に対する通信サービスを規制するか否かをあらかじめ登録する規制条件登録テーブルを少なくとも備え、前記規制条件登録テーブルの登録内容に基づいて、前記モバイル端末の現在位置に応じて当該モバイル端末に対する通信サービスを規制するか否かを判別することを特徴とする無線通信システム。
【請求項3】
前記無線通信制御装置または前記基地局に備えられている前記規制条件登録テーブルは、前記通信エリアごとに、あるいは、前記通信エリアごとかつ各前記モバイル端末ごとに、それぞれの前記通信エリアに位置している前記モバイル端末に対する通信サービスを規制するか否かを登録していることを特徴とする請求項1または2に記載の無線通信システム。
【請求項4】
前記無線通信制御装置または前記基地局に備えられている前記規制条件登録テーブルに規制対象として登録される前記通信サービスとして、前記モバイル端末に対する着信動作、前記モバイル端末からの発信動作のいずれかを少なくとも含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の無線通信システム。
【請求項5】
前記無線通信制御装置は、公衆網における電話交換装置、構内に設置されるPBX(Private Branch Exchange)システムまたはボタン電話装置のいずれかであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の無線通信システム。
【請求項6】
通信エリア内に位置しているモバイル端末と無線通信を行う基地局に接続し、通信相手との無線通信動作を制御する無線通信制御装置であって、前記モバイル端末が現在位置している前記基地局の前記通信エリアを位置情報として登録する位置情報登録テーブルと、各前記基地局の前記通信エリアごとに前記モバイル端末に対する通信サービスを規制するか否かをあらかじめ登録する規制条件登録テーブルとを、少なくとも備え、前記位置情報登録テーブルと前記規制条件登録テーブルとの登録内容に基づいて、前記モバイル端末の現在位置に応じて当該モバイル端末に対する通信サービスを規制するか否かを判別することを特徴とする無線通信制御装置。
【請求項7】
前記規制条件登録テーブルは、前記通信エリアごとに、あるいは、前記通信エリアごとかつ各前記モバイル端末ごとに、それぞれの前記通信エリアに位置している前記モバイル端末に対する通信サービスを規制するか否かを登録していることを特徴とする請求項6に記載の無線通信制御装置。
【請求項8】
前記規制条件登録テーブルに規制対象として登録される前記通信サービスとして、前記モバイル端末に対する着信動作、前記モバイル端末からの発信動作のいずれかを少なくとも含むことを特徴とする請求項6または7に記載の無線通信制御装置。
【請求項9】
当該無線通信制御装置は、公衆網における電話交換装置、構内に設置されるPBX(Private Branch Exchange)システムまたはボタン電話装置のいずれかであることを特徴とする請求項6ないし8のいずれかに記載の無線通信制御装置。
【請求項10】
通信エリア内に位置しているモバイル端末と無線通信を行う基地局であって、当該基地局がカバーする通信エリアに位置する前記モバイル端末に対する通信サービスを規制するか否かをあらかじめ登録する規制条件登録テーブルを少なくとも備え、前記規制条件登録テーブルの登録内容に基づいて、前記モバイル端末の現在位置に応じて当該モバイル端末に対する通信サービスを規制するか否かを判別することを特徴とする基地局。
【請求項11】
前記規制条件登録テーブルは、当該基地局の前記通信エリアに位置している前記モバイル端末に対する通信サービスを規制するか否かを、あるいは、当該基地局の前記通信エリアに位置している各前記モバイル端末ごとに、それぞれの前記モバイル端末に対する通信サービスを規制するか否かを、登録していることを特徴とする請求項10に記載の基地局。
【請求項12】
前記規制条件登録テーブルに規制対象として登録される前記通信サービスとして、前記モバイル端末に対する着信動作、前記モバイル端末からの発信動作のいずれかを少なくとも含むことを特徴とする請求項10または11に記載の基地局。
【請求項13】
通信エリア内に位置しているモバイル端末と無線通信を行う基地局と、該基地局に接続し、通信相手との無線通信動作を制御する無線通信制御装置とからなる無線通信システムにおけるサービス規制制御方法であって、前記無線通信制御装置が、前記モバイル端末が現在位置している位置情報とあらかじめ設定した各前記基地局の前記通信エリアごとのサービス規制条件とに基づいて、前記モバイル端末の現在位置に応じて当該モバイル端末に対する通信サービスを規制するか否かを判別することを特徴とするサービス規制制御方法。
【請求項14】
通信エリア内に位置しているモバイル端末と無線通信を行う基地局と、該基地局に接続し、通信相手との無線通信動作を制御する無線通信制御装置とからなる無線通信システムにおけるサービス規制制御方法であって、前記基地局が、当該基地局がカバーする前記通信エリアにおけるサービス規制条件としてあらかじめ設定した条件に基づいて、前記モバイル端末の現在位置に応じて当該モバイル端末に対する通信サービスを規制するか否かを判別することを特徴とするサービス規制制御方法。
【請求項15】
前記無線通信制御装置または前記基地局にあらかじめ設定する前記サービス規制条件として、前記通信エリアごとに、あるいは、前記通信エリアごとかつ各前記モバイル端末ごとに、それぞれの前記通信エリアに位置している前記モバイル端末に対する通信サービスを規制するか否かを設定していることを特徴とする請求項13または14に記載のサービス規制制御方法。
【請求項16】
前記サービス規制条件として設定される前記通信サービスとして、前記モバイル端末に対する着信動作、前記モバイル端末からの発信動作のいずれかを少なくとも含むことを特徴とする請求項13ないし15のいずれかに記載のサービス規制制御方法。
【請求項17】
請求項13ないし16のいずれかに記載のサービス規制制御方法を、コンピュータにより実行可能なプログラムとして実施していることを特徴とするサービス規制制御プログラム。
【請求項18】
請求項17に記載のサービス規制制御プログラムを、コンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録していることを特徴とするプログラム記録媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2011−114617(P2011−114617A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−269631(P2009−269631)
【出願日】平成21年11月27日(2009.11.27)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】