説明

無線通信システム、無線通信装置、無線通信装置の制御方法、およびプログラム

【課題】サービス品質の維持と通信量の削減とを両立する。
【解決手段】無線通信システムは、更新されるデータを管理し、第2の無線通信装置との間の通信に関するパラメータに応じて前記データのデータ量を変更し、前記データを第2の通信装置へ送信する第1の無線通信装置と、前記第1の無線通信装置から前記データを受信し、前記データを処理する第2の無線通信装置と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信装置がデータを送受信する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されているように、ITS(Intelligent Transport Systems)では、無線通信を利用して、基地局(無線通信装置)と車載の無線通信装置との間で情報をやりとりする路車間通信を行っている。例えば、VICS(Vehicle Information and Communication System)では、車載の無線通信装置は、事故情報や渋滞情報を、インフラ側の基地局からダウンロードして定期的に更新している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許3673830号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載されたシステムでは、サービス品質の維持と通信量の削減とを両立することが困難であった。
【0005】
特許文献1に記載された技術は基地局(無線通信装置)が定期的にデータを送信するものである。しかしながら、基地局が、定期的にデータを送信する場合、同じ内容のデータを繰り返し送信することとなったり、内容は一部異なるが同じフォーマットのデータを繰り返し送信したりすることとなる。このため、車両の数や、データの送信頻度、またはデータ量が大きくなると、通信システム全体の通信量が増加してしまう。通信量が増加すると、限られた通信帯域が圧迫され、車両側でデータの受信に失敗することもある。
【0006】
通信量を低減するには、2回目からは基地局が、前回と今回との間の差分のデータを送信する方法が考えられるが、車両が移動している場合、移動速度や移動先の電波環境により、通信環境が悪化することがある。
【0007】
通信環境が悪化して車載の無線通信装置がデータの受信に失敗するとデータのずれが生じるが、基地局から車載の無線通信装置に差分のデータだけを送信し続けると、そのデータのずれを正常な状態にすることができない。これでは、サービス品質が低下してしまう。
【0008】
本発明は、通信環境が変化する無線通信装置間の通信において、サービス品質の維持と通信量の削減とを両立することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の無線通信システムは、更新されるデータを管理し、第2の無線通信装置との間の通信に関するパラメータに応じて前記データのデータ量を変更し、前記データを第2の通信装置へ送信する第1の無線通信装置と、前記第1の無線通信装置から前記データを受信し、前記データを処理する第2の無線通信装置と、を有する。
【0010】
本発明の無線通信装置は、通信相手との間の通信に関するパラメータに応じて、更新されるデータのデータ量を変更する変更手段と、前記変更手段により変更されたデータ量の前記データを前記通信相手へ送信する送信手段と、を有する。
【0011】
本発明の無線通信装置の制御方法は、更新されるデータを管理する第1の無線通信装置が、第2の無線通信装置との間の通信に関するパラメータに応じてデータのデータ量を変更し、前記データを第2の通信装置へ送信し、第2の無線通信装置が、前記第1の無線通信装置から前記データを受信し、前記データを処理する無線通信装置の制御方法である。
【0012】
本発明のプログラムは、コンピュータに、通信相手との間の通信に関するパラメータに応じて、更新されるデータのデータ量を変更する変更手順、及び前記変更手順で変更されたデータ量の前記データを前記通信相手へ送信する送信手順、を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、第1の無線通信装置は、通信品質に関するパラメータに応じて、データ量を変更してデータを送信するので、通信品質とデータ量とのバランスを図ることができ、サービス品質の維持とデータ量の削減とを両立できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施形態の無線通信システムの一構成例を示す全体図である。
【図2】(a)本発明の第1の実施形態のデータ取得要求に含まれる情報の一例を示す図である。(b)本発明の第1の実施形態のダウンロードデータに含まれる情報の一例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の路側機の動作の一例を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施形態の全データ送信処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第1の実施形態の差分データ送信処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施形態の車載通信装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第1の実施形態の無線通信システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【図8】本発明の第2の実施形態の無線通信システムの一構成例を示す全体図である。
【図9】(a)本発明の第2の実施形態のアップロードリクエストに含まれる情報の一例を示す図である。(b)本発明の第2の実施形態のアップロードデータに含まれる情報の一例を示す図である。(c)本発明の第2の実施形態のアップロードデータに含まれる情報の一例を示す図である。(d)本発明の第2の実施形態のアップロードデータに含まれる情報の一例を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施形態の無線通信システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【図11】本発明の第3の実施形態の無線通信システムの一構成例を示す全体図である。
【図12】本発明の第3の実施形態の路側機の動作の一例を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第3の実施形態の車載通信装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図14】本発明の第3の実施形態の無線通信システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【図15】本発明の変形例の無線通信システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1の実施形態)
本発明を実施するための第1の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態の無線通信システム1の一構成例を示す全体図である。無線通信システム1は、例えば、VICSに使用される通信システムである。同図を参照すると、無線通信システム1は、路側機10、および車載通信装置20を有する。
【0016】
なお、本実施形態では、路側機10を1台設ける構成としているが、複数台設ける構成としてもよい。車載通信装置20についても、1台のみならず、複数台設ける構成としてもよい。
【0017】
路側機10は、無線通信装置を搭載し、車載通信装置20と無線通信を行う。例えば、VICSにおいては、路側機10と通信を行うサーバが設けられ、このサーバに接続された路側機が、サーバから受信した事故情報や渋滞情報を車載通信装置20に送信する。路側機10は、通信部101、および制御部102を有する。
【0018】
通信部101は、車載通信装置20との間でデータを送受信する。通信部101は、車載通信装置20からデータ取得要求を受信し、データ取得要求に応じて、車載通信装置20へダウンロードデータを送信する。そして、通信部101は、車載通信装置20からACKを受信する。
【0019】
ここで、データ取得要求は、車載通信装置20が路側機10に対してダウンロードデータの送信を要求するための情報である。ACKは、車載通信装置20が、ダウンロードデータの受信に成功したことを路側機10に通知するための情報である。
【0020】
データ取得要求に含まれる情報の一例を図2(a)に示す。同図(a)に示すように、データ取得要求には、「RSSI(Received Signal Strength Indicator:受信信号強度)値」、「移動速度」などを示す情報が含まれる。
【0021】
「RSSI値」は、車載通信装置20が測定した、ダウンロードデータの受信における受信信号強度の測定値である。RSSI値の単位は、例えば「dB(デシベル)」である。「移動速度」は、車載通信装置20が搭載された車両の移動速度である。「移動速度」の単位は、例えば、「km/h」である。
【0022】
ダウンロードデータに含まれる情報の一例を図2(b)に示す。同図(b)に示すように、ダウンロードデータには、「事故情報」、「渋滞情報」などが含まれる。これらの情報は、事故や渋滞の発生などに伴い、定期的に更新される。
【0023】
「事故情報」は、事故が生じている道路を特定するための情報である。「渋滞情報」は、渋滞が生じている道路を特定するための情報である。
【0024】
図1に戻り、制御部102は、通信部101を介してデータ取得要求を受信したとき、データ取得要求の送信元の車載通信装置20にダウンロードデータを送信し、ACKを受信したことがあるか否かを判断する。
【0025】
車載通信装置20からACKを1度も受信したことがない場合、制御部102は、送信すべきダウンロードデータを取得する。制御部102は、例えば、VICSを集中的に管理する他のサーバからダウンロードデータを受信する。もしくは、制御部102は、自身が有するデータや、通信部101が受信したデータに基づいてダウンロードデータを作成する。
【0026】
そして、制御部102は、取得したダウンロードデータの全データを車載通信装置20へ送信する。
【0027】
車載通信装置20からACKを受信したことがある場合、制御部102は、今回、送信すべきダウンロードデータを取得する。そして、制御部102は、車載通信装置20との間の通信に関するパラメータに応じて、ダウンロードデータの差分のデータと、全データのうち、いずれかを選択して送信する。
【0028】
通信に関するパラメータは、通信品質の指標となる指標値や、車載通信装置20の移動速度などである。この指標値は、例えば、RSSI値である。
【0029】
例えば、制御部102は、下記の3つの条件を満たすか否かをそれぞれ判断する。
【0030】
1つ目の条件は、路側機10が測定したRSSI値(指標値)が所定の閾値(例えば、−80dB)を下回ったことである。路側機10が測定するRSSI値は、例えば、車載通信装置20から受信したデータ取得要求またはACKを乗せた信号の強度である。複数回、RSSI値を測定した場合、路側機10は、最新のRSSI値、もしくは所定期間のRSSI値の統計量(平均値等)を比較に用いる。
【0031】
なお、路側機10は、データ取得要求またはACKを乗せた信号のRSS値に限らず、車載通信装置20から受信した信号であれば、車載通信装置20から定期的に送信されるビーコン信号など、いずれの信号であっても、その信号のRSSI値と閾値とを比較することができる。
【0032】
2つ目の条件は、車載通信装置20が測定したRSSI値(指標値)が所定の閾値(例えば、−80dB)を下回ったことである。
【0033】
3つ目の条件は、車載通信装置20の移動速度が所定の閾値(例えば、30km/h)を上回ったことである。
【0034】
路側機10、車載通信装置20が測定するRSSI値についての閾値は、それぞれ異なる値としてもよい。また、路側機10は、3つの条件の全てを判断しているが、いずれか1つ以上の条件についてのみ判断する構成としてもよい。
【0035】
さらに、路側機10、車載通信装置20は、移動速度、RSSI値を取得しているが、通信に関するパラメータであれば、他のパラメータを取得する構成であってもよい。
【0036】
路側機10または車載通信装置20が取得したRSSI値が閾値を下回った場合、若しくは移動速度が閾値を上回った場合、制御部102は、前回送信したダウンロードデータと、今回送信する予定のダウンロードデータとの差分のデータを車載通信装置20へ送信する。
【0037】
3つの条件をいずれも満たしていない場合、即ち、RSSI値がいずれも閾値以下で移動速度が閾値以上である場合、制御部102は、差分のデータでなく、全データを含むダウンロードデータをそのまま送信する。
【0038】
ここで、差分のデータとは、データ自体の差分ではなく、前回と比較して変化した値を示す項目に関して、その変化後の値を示す情報のみを含むデータである。
【0039】
具体的には、例えば、図2(b)が、1回目に送信されたダウンロードデータの全データであり、図2(c)が、2回目に送信する予定で作成されたダウンロードデータの全データであるとする。
【0040】
図2(b)に示すように、1回目のダウンロードデータにおいて、事故情報は「A1」、渋滞情報は「B1」であり、図2(c)に示すように、2回目のダウンロードデータにおいて、事故情報は「A1」、渋滞情報は「B2」である。
【0041】
1回目と2回目のダウンロードデータを比較すると、事故情報の内容は同じで、渋滞情報の内容が異なる。上記のいずれかの条件が満たされた場合、路側機10は、図2(d)に示すように、全データのうち、事故情報を含まず、渋滞情報を含むダウンロードデータ、即ち差分のデータを送信する。
【0042】
次に、図1を参照して、車載通信装置20の構成について説明する。車載通信装置20は、車両に搭載され、その車両が走行中に路側機10と無線通信が可能な装置である。車載通信装置20は、例えば、VICSにおいてクライアントとして動作する。
【0043】
車載通信装置20は、通信部201、および制御部202を有する。通信部201は、車載通信装置20へデータ取得要求を送信する。そして、通信部201は、車載通信装置20からダウンロードデータを受信する。通信部201は、ダウンロードデータ」の受信に成功したとき、車載通信装置20へACKを送信する。
【0044】
制御部202は、車載通信装置20が搭載された車両の移動速度を取得する。例えば、車載通信装置20は、車速センサーを有し、その車速センサーを使用して車両の移動速度を測定する。あるいは、車載通信装置20は、車両に搭載の他の装置から移動速度を受信する。
【0045】
また、制御部202は、路側機10から受信したダウンロードデータを乗せた信号について、RSSI値を測定する。
【0046】
なお、制御部202は、ダウンロードデータを乗せた信号に限らず、路側機10から受信した信号であれば、いずれの信号であっても、その信号のRSSI値をデータ取得要求に格納できる。
【0047】
そして、ダウンロードデータを取得する必要のある場合に、制御部202は、測定した移動速度、およびRSSI値を示す情報を含むデータ取得要求を作成する。例えば、制御部202は、定期的にデータ取得要求を作成する。または、制御部202は、ユーザの操作や、ダウンロードデータを処理するアプリケーションが起動したときに、データ取得要求を作成する。
【0048】
制御部202は、作成したデータ取得要求を、通信部201を介して路側機10へ送信する。
【0049】
図3を参照して、路側機10の動作について説明する。同図は、路側機10の動作の一例を示すフローチャートである。この動作は、路側機10が起動したときに開始する。
【0050】
路側機10は、データ取得要求を車載通信装置20から受信したか否かを判断する(ステップS1)。データ取得要求を受信したのであれば(ステップS1:YES)、路側機10は、全データ送信完了フラグがONであるか否かを判断する(ステップS2)。
【0051】
ここで、全データ送信完了フラグは、路側機10が、車載通信装置20への、全データを含むダウンロードデータの送信に成功したか否かを示すフラグである。初期状態においては、OFFが設定されており、路側機10がダウンロードデータの送信に対するACKを最初に受信したときにONが設定される。
【0052】
全データ送信完了フラグがONであれば(ステップS2:YES)、路側機10は、自身が測定したRSSI値が閾値を下回るか否かを判断する(ステップS3)。
【0053】
ステップS3においてRSSI値が閾値以上であれば(ステップS3:NO)、路側機10は、車載通信装置20が測定したRSSI値が閾値を下回るか否かを判断する(ステップS4)。
【0054】
ステップS4においてRSSI値が閾値以上であれば(ステップS4:NO)、路側機10は、車両の移動速度が閾値を上回るか否かを判断する(ステップS5)。
【0055】
全データ送信完了フラグがOFFである場合(ステップS2:NO)、または移動速度が閾値以下である場合(ステップS5:NO)、路側機10は、全データ送信処理を実行する(ステップS6)。
【0056】
路側機10が測定したRSSI値が閾値を下回る場合(ステップS3:YES)、車載通信装置20が測定したRSSI値が閾値を下回る場合(ステップS4:YES)、または移動速度が閾値を上回る場合(ステップS5:YES)、路側機10は、差分データ送信処理を実行する(ステップS7)。ステップS6またはS7の後、路側機10はステップS1に戻る。
【0057】
図4は、全データ送信処理を示すフローチャートである。路側機10は、全データを含むダウンロードデータを送信する(ステップS61)。
【0058】
路側機10は、ダウンロードデータを送信してから一定期間内にACKを受信したか否かを判断する(ステップS62)。
【0059】
一定期間内にACKを受信したのであれば(ステップS62:YES)、路側機10は、全データ送信完了フラグをONにする(ステップS63)。そして、路側機10は、送信したダウンロードデータを差分元データとして保存する(ステップS64)。
【0060】
一定期間内にACKを受信しなかった場合(ステップS62:NO)、またはステップS64の後、路側機10は、全データ送信処理を終了する。
【0061】
なお、路側機10は、ACKを受信しなかったとき、全データ送信処理を終了しているが、ACKを受信するまで、複数回、データ送信を繰り返してもよい。
【0062】
図5は、差分データ送信処理を示すフローチャートである。路側機10は、今回送信する予定のデータと、差分元データとの間の差分のデータのみを含むダウンロードデータを送信する(ステップS71)。
【0063】
路側機10は、ダウンロードデータを送信してから一定期間内にACKを受信したか否かを判断する(ステップS72)。
【0064】
一定期間内にACKを受信したのであれば(ステップS72:YES)、路側機10は、送信したダウンロードデータに基づいて差分元データを更新する(ステップS73)。
【0065】
一定期間内にACKを受信しなかった場合(ステップS72:NO)、またはステップS73の後、路側機10は、差分データ送信処理を終了する。
【0066】
なお、路側機10は、データ送信を1回行ってからACKを受信しなかったとき、差分データ送信処理を終了しているが、ACKを受信するまで、複数回、データ送信を繰り返してもよい。
【0067】
図6を参照して、車載通信装置20の動作について説明する。同図は、車載通信装置20の動作の一例を示すフローチャートである。この動作は、車載通信装置20においてダウンロードデータの受信の必要が生じた場合に開始する。例えば、ダウンロードデータを受信すべき時刻になった場合、またはユーザにより、ダウンロードデータの受信のための操作がなされた場合、もしくはダウンロードデータを処理するアプリケーションが起動した場合に、ダウンロードデータの受信の必要が生じる。
【0068】
車載通信装置20は、測定したRSSI値、移動速度を示す情報を含むデータ取得要求を路側機10へ送信する(ステップT1)。
【0069】
車載通信装置20は、データ取得要求の送信後、一定期間内に路側機10からダウンロードデータの受信に成功したか否かを判断する(ステップT2)。
【0070】
一定期間内にダウンロードデータの受信に成功したのであれば(ステップT2:YES)、車載通信装置20は、路側機10へACKを送信する(ステップT3)。
【0071】
ダウンロードデータの受信に失敗した場合(ステップT2:NO)、またはステップT3の後、車載通信装置20は、動作を終了する。
【0072】
次に、図7を参照して、無線通信システム1全体の動作について説明する。同図は、無線通信システム1の動作の一例を示すシーケンス図である。
【0073】
ダウンロードデータが一度も送受信されていない場合について考える。車載通信装置20は、ダウンロードデータを取得する必要が生じたとき、路側機10へデータ取得要求を送信する(ステップU1)。
【0074】
路側機10は、一度もダウンロードデータを送信していないので、全データを含むダウンロードデータを車載通信装置20へ送信する(ステップU2)。車載通信装置20は、ダウンロードデータの受信に成功したとき、ACKを路側機10へ送信する(ステップU3)。
【0075】
そして、車載通信装置20は、ダウンロードデータを取得する必要が生じたとき、路側機10へ再度、データ取得要求を送信する(ステップU4)。
【0076】
路側機10は、上記のいずれかの条件を満たすか否かを判断する(ステップU5)。いずれかの条件を満たす場合(ステップU5:YES)、路側機10は、前回と今回との差分のデータを含むダウンロードデータを移動体通信装置20へ送信する(ステップU6)。車載通信装置20は、ダウンロードデータの受信に成功したとき、ACKを路側機10へ送信する(ステップU7)。
【0077】
いずれの条件も満たさない場合(ステップU5:NO)、路側機10は、全データを含むダウンロードデータを移動体通院装置20へ送信する(ステップU8)。車載通信装置20は、ダウンロードデータの受信に成功したとき、ACKを路側機10へ送信する(ステップU9)。
【0078】
なお、本実施形態では、路側機10が、データ取得要求に応じて、ダウンロードデータを送信する構成としている。しかし、路側機10、車載通信装置20は、データ取得要求を送受信せず、路側機10が定期的にダウンロードデータを送信する構成としてもよい。また、路側機10が定期的にダウンロードデータを送信する構成において、ダウンロードデータの送信時刻になったとき、またはデータ取得要求を受信したとき、路側機10がダウンロードデータを送信する構成としてもよい。
【0079】
本実施形態では、路側機10が、全データ、差分データのいずれかを選択して送信する構成としている。しかし、差分データのデータ量を複数の段階に設定し、路側機10は、RSSI値や移動速度に応じて、3段階以上のデータ量の中から、いずれかのデータ量を選択して送信する構成としてもよい。
【0080】
本実施形態の路側機10が本発明の第1の無線通信装置に該当し、本実施形態の車載通信装置20が本発明の第2の無線通信装置に該当する。また、本実施形態のRSS値および移動速度は、本発明のパラメータの一例である。
【0081】
以上説明したように、第1の無線通信装置は、通信品質に関するパラメータに応じて、データ量を変更してデータを送信するので、通信品質とデータ量とのバランスを図ることができ、サービス品質の維持とデータ量の削減とを両立できる。
【0082】
詳細には、移動速度が閾値より大きい場合、またはRSSI値が閾値より小さい場合、すなわち通信品質が比較的高ければ、第1の無線通信装置が差分のデータを送信するので、無線通信システムはデータ量を削減できる。そして、第1の無線通信装置は差分のデータを送信し続けるのではなく、移動速度が閾値以下であり、RSSI値が閾値以上である場合、すなわち通信品質が比較的高い場合、全データを送信する。
【0083】
このため、第2の無線通信装置が差分データの受信に失敗して、ずれが生じたとしても、その後に第1の無線通信装置が全データを送受信することで、ずれが補正される。この結果、無線通信システムは、サービス品質を維持できる。
【0084】
さらに、パラメータを移動速度とすることで、第2の無線通信装置が移動体通信装置である場合に、本発明を適用できる。
【0085】
(第2の実施形態)
図8〜図10を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。図8は、本実施形態の無線通信システム1aの一構成例を示す全体図である。本実施形態の無線通信システム1aは、車載通信装置20が路側機10へアップロードデータを送信する点で、第1の実施形態の構成と異なる。なお、本実施形態の無線通信システムについて、図1で説明した構成と同様な構成の詳細な説明を省略し、第1の実施形態と異なる点について詳しく説明する。
【0086】
路側機10は、アップロードデータを取得する必要が生じたときに、路側機10が測定したRSSI値を含むデータ取得要求を車載通信装置20へ送信する。
【0087】
具体的には、例えば、路側機10は定期的にデータ取得要求を送信する。または、路側機10は、路側機10および車載通信装置20以外の他の通信装置から、アップロードデータの要求を受信したとき、データ取得要求を送信する。
【0088】
車載通信装置20は、データ取得要求に応じてアップロードデータを路側機10へ送信する。2回目以降のアップロードデータの送信において、車載通信装置20は、第1の実施形態と同様の3つの条件について判断する。即ち、車載通信装置20は、路側機10または車載通信装置20が測定したRSSI値が閾値を下回るか否かと、移動速度が閾値を上回るか否かについて判断する。
【0089】
いずれかの条件を満たす場合、車載通信装置20は、前回と今回との間の差分のデータを含むアップロードデータを路側機10へ送信する。3つの条件をいずれも満たしていない場合、車載通信装置20は、全データを含むアップロードデータを路側機10へ送信する。
【0090】
そして、路側機10は、アップロードデータの受信に成功したとき、ACKを車載通信装置20へ送信する。
【0091】
本実施形態のデータ取得要求に含まれる情報の一例を図9(a)に示す。同図(a)に示すように、データ取得要求には、路側機10が測定した「RSSI値」を示す情報が含まれる。
【0092】
アップロードデータに含まれる情報を図9(b)に示す。同図に示すように、アップロードデータには、「位置情報」、「診断情報」などが含まれる。
【0093】
「位置情報」は、車両の現在位置を示す情報である。例えば、車載通信装置がGPS(Global Positioning System)を搭載し、このGPSを使用することで位置情報を取得する。「診断情報」は、車載通信装置20が、車内の状態(バスの乗車人数など)を診断した結果を示す情報である。
【0094】
本実施形態の路側機10の動作の詳細は、ダウンロードデータでなくアップロードデータを受信する以外は、図6で説明した第1の実施形態の車載通信装置20の動作と同様である。
【0095】
本実施形態の車載通信装置20の動作の詳細は、ダウンロードデータでなくアップロードデータを送信する以外は、図3で説明した第1の実施形態の路側機10の動作と同様である。
【0096】
次に、図10を参照して、無線通信システム1a全体の動作について説明する。同図は、無線通信システム1aの動作の一例を示すシーケンス図である。
【0097】
アップロードデータが一度も送受信されていない場合について考える。路側機10は、アップロードデータを取得する必要が生じたとき、車載通信装置20へデータ取得要求を送信する(ステップU11)。
【0098】
車載通信装置20は、一度もアップロードデータを送信していないので、全データを含むアップロードデータを路側機10へ送信する(ステップU12)。路側機10は、アップロードデータの受信に成功したとき、ACKを車載通信装置20へ送信する(ステップU13)。
【0099】
そして、路側機10は、アップロードデータを取得する必要が生じたとき、車載通信装置20へ再度、データ取得要求を送信する(ステップU14)。
【0100】
車載通信装置20は、上記のいずれかの条件を満たすか否かを判断する(ステップU15)。いずれかの条件を満たす場合(ステップU15:YES)、車載通信装置20は、前回と今回との差分のデータを含むダウンロードデータを路側機10へ送信する(ステップU16)。路側機10は、アップロードデータの受信に成功したとき、ACKを車載通信装置20へ送信する(ステップU17)。
【0101】
いずれの条件も満たさない場合(ステップU15:NO)、路側機10は、全データを含むダウンロードデータを移動体通院装置20へ送信する(ステップU18)。路側機10は、アップロードデータの受信に成功したとき、ACKを車載通信装置20へ送信する(ステップU19)。
【0102】
なお、本実施形態では、無線通信システムは、アップロードデータのみを送受信する構成としているが、アップロードデータに加えて、第1の実施形態と同様の手順でダウンロードデータも送受信する構成としてもよい。
【0103】
また、本実施形態では、路側機が差分のデータを送信するか否かを判断する構成としている。しかし、路側機と通信するサーバや、サーバと路側機との間の通信を中継するノードのいずれかが、差分のデータを送信するか否かを判断する構成とすることもできる。
【0104】
第1の実施形態では、路側機10が第1の無線通信装置、車載通信装置20が第2の無線通信装置に該当したが、本実施形態では、データの送信方向が逆なので、路側機10が第2の無線通信装置、車載通信装置20が第1の無線通信装置に該当する。
【0105】
以上説明したように、本実施形態によれば、無線通信システムは、アップロード時においてサービス品質の維持とデータ量の削減とを両立できる。
【0106】
特に、アップロードデータは、診断情報を含むので、路側機が個々の車内の状態に基づいて、きめ細かなサービスを利用者に提供することで、無線通信システムは、更にサービス品質を向上することができる。
【0107】
(第3の実施形態)
図11〜図14を参照して、本発明の第3の実施形態について説明する。図11は、本実施形態の無線通信システム1bの一構成例を示す全体図である。本実施形態の無線通信システム1bは、路側機10が、車載通信装置20からのデータ量変更通知に応じて、差分のデータを送信する点で第1の実施形態の構成と異なる。なお、本実施形態の無線通信システムについて、図1で説明した構成と同様な構成の詳細な説明を省略し、第1の実施形態と異なる点について詳しく説明する。
【0108】
車載通信装置20は、RSSI値および車両の移動速度を測定し、RSSI値が閾値を下回った場合、または移動速度が閾値を上回った場合に、データ量変更通知を路側機10へ送信する。
【0109】
データ量変更通知は、車載通信装置20が、路側機10に対し、全データでなく、差分のデータを含むダウンロードデータを送信すべきことを通知するための情報である。
【0110】
路側機10は、定期的にダウンロードデータを車載通信装置20へ送信する。ダウンロードデータの送信時刻において、路側機10は、前回ダウンロードデータを送信した後に、データ量変更通知を受信した場合、前回と今回との差分のデータを含むダウンロードデータを送信する。前回ダウンロードデータを送信した後に、データ量変更通知を受信しなかった場合、路側機10は、全データを含むダウンロードデータを送信する。
【0111】
車載通信装置20は、ダウンロードデータの受信に成功したとき、ACKを路側機10へ送信する。
【0112】
図12を参照して、路側機10の動作について説明する。同図は、本実施形態の路側機10の動作の一例を示すフローチャートである。この動作は、路側機10が起動したときに開始する。
【0113】
路側機10は、現時刻がダウンロードデータの送信時刻であるか否かを判断する(ステップS31)。ダウンロードデータの送信時刻であれば(ステップS331:YES)、路側機10は、全データ送信完了フラグがONであるか否か、すなわち最初のACKを受信したか否かを判断する(ステップS32)。
【0114】
全データ送信完了フラグがONであれば(ステップS32:YES)、路側機10は、自身が測定したRSSI値が閾値を下回るか否かを判断する(ステップS33)。
【0115】
RSSI値が閾値以上であれば(ステップS33:NO)、路側機10は、前回ダウンロードデータを送信してから現時刻までに、車載通信装置20からデータ量変更通知を受信したか否かを判断する(ステップS34)。
【0116】
全データ送信完了フラグがOFFである場合(ステップS32:NO)、またはデータ量変更通知を受信しなかった場合(ステップS34:NO)、路側機10は、全データ送信処理を実行する(ステップS35)。本実施形態の全データ送信処理は、図4で示した第1の実施形態の全データ送信処理と同様である。
【0117】
路側機10が測定したRSSI値が閾値を下回る場合(ステップS33:YES)、またはデータ量変更通知を受信した場合(ステップS34:YES)、路側機10は、差分データ送信処理を実行する(ステップS36)。本実施形態の全データ送信処理は、図5で示した第1の実施形態の全データ送信処理と同様である。ステップS35、またはS36の後、路側機10は、ステップS31に戻る。
【0118】
図13を参照して、車載通信装置20の動作について説明する。同図は、車載通信装置20の動作の一例を示すフローチャートである。この動作は、車載通信装置20がダウンロードデータを受信すべき時刻になったときに開始する。
【0119】
車載通信装置20は、路側機10からのダウンロードデータの受信に成功したか否かを判断する(ステップT31)。
【0120】
ダウンロードデータの受信に成功したのであれば(ステップT31:YES)、車載通信装置20は、路側機10へACKを送信する(ステップT32)。
【0121】
ダウンロードデータの受信に失敗した場合(ステップT32:NO)、またはステップT33の後、車載通信装置20は、ダウンロードデータを乗せた信号について測定したRSSI値が閾値を下回るか否かを判断する(ステップT33)。
【0122】
RSSI値が閾値以上であれば(ステップT33:NO)、車載通信装置20は、車両の移動速度が閾値を上回るか否かを判断する(ステップT34)。
【0123】
RSSI値が閾値を下回る場合(ステップT33:YES)、または移動速度が閾値を上回る場合(ステップT34:YES)、車載通信装置20は、データ量変更通知を路側機10へ送信する(ステップT35)。
【0124】
移動速度が閾値以下である場合(ステップT34:NO)、またはステップT35の後、車載通信装置20は動作を終了する。
【0125】
次に、図14を参照して、無線通信システム1b全体の動作について説明する。同図は、無線通信システム1bの動作の一例を示すシーケンス図である。
【0126】
ダウンロードデータが一度も送受信されていない場合について考える。路側機10は、ダウンロードデータを送信する時刻になったとき、全データを含むダウンロードデータを移動体通院装置20へ送信する(ステップU31)。車載通信装置20は、ダウンロードデータの受信に成功したとき、ACKを路側機10へ送信する(ステップU32)。
【0127】
車載通信装置20は、RSSI値が閾値を下回る場合、または移動速度が閾値を上回る場合、データ量変更通知を送信する(ステップU33)。
【0128】
車載通信装置20は、次のダウンロードデータを送信する時刻に、所定の条件を満たしたか否かを判断する(ステップU34)。例えば、車載通信装置20は、データ量変更通知を受信したとき、または路側機10が測定したRSSI値が閾値を下回ったときのいずれかの条件を満たすか否かを判断する。
【0129】
いずれかの条件を満たす場合(ステップU34:YES)、路側機10は、前回と今回との差分のデータのみを含むダウンロードデータを移動体通院装置20へ送信する(ステップU35)。車載通信装置20は、ダウンロードデータの受信に成功したとき、ACKを路側機10へ送信する(ステップU36)。
【0130】
いずれの条件も満たさない場合(ステップU35:NO)、路側機10は、全データを含むダウンロードデータを移動体通院装置20へ送信する(ステップU37)。車載通信装置20は、ダウンロードデータの受信に成功したとき、ACKを路側機10へ送信する(ステップU38)。
【0131】
なお、本実施形態では、各無線通信装置が、ダウンロード時にデータ量変更通知を送受信する構成としているが、図15に示すように、アップロード時にデータ量変更通知を送受信する構成としてもよいのは勿論である。
【0132】
また、車載通信装置20は、差分のデータを送信すべきときのみ、データ量変更通知を送信する構成としているが、全データを送信すべきときのみデータ量変更通知を送信する構成としてもよい。また、車載通信装置20は、全データから差分のデータへ、または差分のデータから全データへ、データ量を切り替えるべき時に、データ量変更通知を送信する構成とすることもできる。
【0133】
以上説明したように、本実施形態によれば、路側機でなく、路線機に代わって車載通信装置がデータ量を変更すべきか否かを判断するので、路側機の負担が軽減される。
【0134】
図3〜図7、図10〜図12、図14〜図17に示したフローチャート、シーケンス図の全部または一部は、コンピュータプログラムを実行することにより実現することができる。
【符号の説明】
【0135】
1、1a、1b 無線通信システム
10 路側機
20 車載通信装置
101 通信部
102 制御部
201 通信部
202 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
更新されるデータを管理し、第2の無線通信装置との間の通信に関するパラメータに応じて前記データのデータ量を変更し、前記データを第2の通信装置へ送信する第1の無線通信装置と、
前記第1の無線通信装置から前記データを受信し、前記データを処理する第2の無線通信装置と、
を有する無線通信システム。
【請求項2】
前記第1の無線通信装置はサーバに接続される装置であり、前記第2の無線通信装置はクライアントである、請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項3】
前記第1の無線通信装置は、前記第2の通信装置との間の通信における通信品質の指標となる指標値に応じて前記データのデータ量を変更する、請求項2に記載の無線通信システム。
【請求項4】
前記第2の無線通信装置は、前記第1の無線通信装置が送信する信号の受信信号強度を測定し、
前記第1の無線通信装置は、前記受信信号強度を前記指標値とする、請求項3に記載の無線通信システム。
【請求項5】
前記第2の無線通信装置は、測定した前記受信信号強度に応じて前記データのデータ量の変更を要求する変更要求を前記第1の無線通信装置へ送信し、
前記第1の無線通信装置は、前記変更要求に応じて前記データのデータ量を変更する、請求項4に記載の無線通信システム。
【請求項6】
前記第2の無線通信装置は、測定した前記受信信号強度を前記第1の無線通信装置へ送信し、
前記第1の無線通信装置は、前記第2の無線通信装置から受信した前記受信信号強度に応じて前記データのデータ量を変更する、請求項4に記載の無線通信システム。
【請求項7】
前記第1の無線通信装置は、前記第2の無線通信装置が送信する信号の受信信号強度を測定し、前記受信信号強度を前記指標値とする、請求項3乃至6のいずれか1項に記載の無線通信システム。
【請求項8】
前記第2の無線通信装置は、移動体通信装置であり、自身の移動速度を取得し、
前記第1の無線通信装置は、前記移動速度に応じて前記データのデータ量を変更する、請求項2に記載の無線通信システム。
【請求項9】
前記第2の無線通信装置は、取得した前記移動速度に応じて前記データのデータ量の変更を要求する変更要求を前記第1の無線通信装置へ送信し、
前記第1の無線通信装置は、前記変更要求に応じて前記データのデータ量を変更する、請求項7に記載の無線通信システム。
【請求項10】
前記第2の無線通信装置はサーバに接続された装置であり、前記第1の無線通信装置はクライアントである、請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項11】
前記第1の無線通信装置は、前記第2の通信装置との間の通信における通信品質の指標となる指標値に応じて前記データのデータ量を変更する、請求項10に記載の無線通信システム。
【請求項12】
前記第2の無線通信装置は、前記第1の無線通信装置が送信する信号の受信信号強度を測定し、
前記第1の無線通信装置は、前記受信信号強度を前記指標値とする、請求項11に記載の無線通信システム。
【請求項13】
前記第2の無線通信装置は、測定した前記受信信号強度に応じて前記データのデータ量の変更を要求する変更要求を前記第1の無線通信装置へ送信し、
前記第1の無線通信装置は、前記変更要求に応じて前記データのデータ量を変更する、請求項12に記載の無線通信システム。
【請求項14】
前記第2の無線通信装置は、測定した前記受信信号強度を前記第1の無線通信装置へ送信し、
前記第1の無線通信装置は、前記第2の無線通信装置から受信した前記受信信号強度に応じて前記データのデータ量を変更する、請求項12に記載の無線通信システム。
【請求項15】
前記第1の無線通信装置は、前記第2の無線通信装置が送信する信号の受信信号強度を測定し、前記受信信号強度を前記指標値とする、請求項11乃至14のいずれか1項に記載の無線通信システム。
【請求項16】
前記第2の無線通信装置は、移動体通信装置であり、自身の移動速度を取得し、
前記第1の無線通信装置は、前記移動速度に応じて前記データのデータ量を変更する、請求項10に記載の無線通信システム。
【請求項17】
前記第1の無線通信装置は、前記パラメータが通信環境の悪化を示唆する値であれば、前記データ量を削減する、請求項1乃至16のいずれか1項に記載の無線通信システム。
【請求項18】
前記第1の無線通信装置は、前記パラメータに応じて前記データの全部、又は前記データの一部を選択し、選択した前記データを前記第2の無線通信装置へ送信する、請求項1乃至16のいずれか1項に記載の無線通信システム。
【請求項19】
通信相手との間の通信に関するパラメータに応じて、更新されるデータのデータ量を変更する変更手段と、
前記変更手段により変更されたデータ量の前記データを前記通信相手へ送信する送信手段と、
を有する無線通信装置。
【請求項20】
更新されるデータを管理する第1の無線通信装置が、第2の無線通信装置との間の通信に関するパラメータに応じてデータのデータ量を変更し、前記データを第2の通信装置へ送信し、
第2の無線通信装置が、前記第1の無線通信装置から前記データを受信し、前記データを処理する、無線通信装置の制御方法。
【請求項21】
コンピュータに、
通信相手との間の通信に関するパラメータに応じて、更新されるデータのデータ量を変更する変更手順、及び
前記変更手順で変更されたデータ量の前記データを前記通信相手へ送信する送信手順、
を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−44794(P2011−44794A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−190096(P2009−190096)
【出願日】平成21年8月19日(2009.8.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】