説明

無線通信システムおよび通信制御方法

【課題】希望波以外の成分が希望波に与える影響を考慮して無線接続先の選択のための特性値(受信電力等)を補正する。
【解決手段】第1無線基地局100と第2無線基地局200と移動局UEとを備える無線通信システム1において、移動局UEが第1受信特性値RSRPおよび第2受信特性値SINRを各電波について測定する。第1無線基地局100は、第1受信特性値RSRPに基づいて各移動局UEが接続すべき無線基地局を判定するとともに、第2受信特性値SINRに基づいて各移動局UEを第1移動局群Sと第2移動局群Sとに分類する。第1無線基地局100は、第2移動局群Sに属し第1無線基地局100に接続すべき移動局UEと、第1移動局群Sに属し第2無線基地局200に接続すべき移動局UEとの合計数が減少するように、第1受信特性値RSRPの差分値の分布に基づいて補正値Aを設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムおよび通信制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、送信電力(送信能力)が相異なる複数種の無線基地局(マクロ基地局、ピコ基地局、フェムト基地局、リモートラジオヘッド(Remote Radio Head)等)を重層的に設置したヘテロジーニアスネットワーク(Heterogeneous Network,HetNet)が提案されている。ヘテロジーニアスネットワークにおいては、送信電力の大きい基地局(例えばマクロ基地局)の方が、送信電力の小さい基地局(例えばピコ基地局)と比較して、セルサーチまたはハンドオーバの段階でユーザ装置の無線接続先として選択されやすい。したがって、送信電力の大きい基地局にユーザ装置からの接続が集中し、ひいては通信負荷が過大となる傾向がある。
【0003】
以上の問題を解消するために、例えば特許文献1には、無線通信システムの負荷、トラヒック量等のパラメータに応じて、移動局が受信する電力レベルを数値的に低減させるオフセット値(補正値)を変更することにより、通信セル境界を可変に制御する技術が開示されている。特許文献1の移動局は、オフセットされた電力レベル(受信電力)に基づいて接続先の基地局(マクロセル基地局,マイクロセル基地局)を選択する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−514367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、無線通信システムの負荷、トラヒック量等のパラメータに応じて、移動局が受信する電力レベルを数値的に低減させる補正値を変更する特許文献1の構成によると、雑音電力および他の無線基地局からの干渉等(すなわち、希望波以外の成分)が希望波に与える影響が無線接続先の選択に適切に反映されないので、ユーザ装置の無線接続先が適切に選択されない可能性がある。
【0006】
以上の事情を考慮して、本発明は、送信電力(送信能力)が相異なる複数種の無線基地局を含む無線通信システムにおいて、ユーザ装置(移動局)の無線接続先の選択がより適切となるように、希望波以外の成分が希望波に与える影響を考慮して、無線接続先の選択のための特性値(受信電力等)を補正することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る無線通信システムは、第1セルを形成する第1無線基地局と、前記第1セル内に前記第1セルよりも面積が小さい第2セルを各々が形成する複数の第2無線基地局と、前記第1セルおよび前記第2セルのうち移動局自身が在圏する在圏セルに対応する前記第1無線基地局および前記第2無線基地局の各々との間で電波を送受信して無線通信を実行可能な無線通信部を各々が備える複数の移動局とを備える無線通信システムであって、複数の前記移動局の各々は、当該移動局が在圏する第1セルおよび第2セルに対応する第1無線基地局および第2無線基地局の各々から送信される電波に関する第1受信特性値および第2受信特性値を前記各電波について測定する特性値測定部と、前記第1無線基地局および前記第2無線基地局の各々に対応する前記第1受信特性値および前記第2受信特性値を前記無線通信部を介して前記第1無線基地局に報告する特性値報告部とをさらに備え、前記第1無線基地局は、複数の前記移動局の各々について、当該移動局が報告した前記第1受信特性値および前記第2受信特性値の各々に対応する前記第1無線基地局および前記第2無線基地局のうち、前記第1受信特性値が最も良好である無線基地局を当該移動局が接続すべき無線基地局として判定する接続先判定部と、複数の前記移動局のうち、前記第1無線基地局に対応する前記第2受信特性値が前記第2無線基地局に対応する前記第2受信特性値よりも良好である移動局を第1移動局群に分類し、前記第2無線基地局に対応する前記第2受信特性値が前記第1無線基地局に対応する前記第2受信特性値よりも良好である移動局を第2移動局群に分類する移動局分類部と、前記第2移動局群内の移動局のうち、前記第1無線基地局に接続すべきと前記接続先判定部に判定される第1受信特性値を有する移動局の数が減少するように、前記第2移動局群内の移動局の各々が測定した、前記第1無線基地局に対応する前記第1受信特性値と前記第2無線基地局に対応する前記第1受信特性値との差分値の分布に基づいて、複数の前記移動局の各々が測定した前記第2無線基地局の各々に対応する前記第1受信特性値を補正する補正値を設定する補正値設定部と、前記補正値設定部で設定された前記補正値を複数の前記移動局に通知する補正値通知部とを備え、複数の前記移動局の各々は、前記第1無線基地局の前記補正値通知部から通知された前記補正値を用いて、前記特性値測定部で測定された前記第2無線基地局から送信される電波に関する前記第1受信特性値を補正する特性値補正部をさらに備え、前記第1無線基地局または複数の前記移動局の各々は、前記第1無線基地局に対応する前記第1受信特性値と前記補正値により補正された前記第2無線基地局に対応する第1受信特性値とのうち、最も良好な第1受信特性値に対応する無線基地局を当該移動局が接続すべき無線基地局として選択する接続先選択部を備える。
【0008】
「第1受信特性値」とは、移動局が受信しようとする電波(希望波)から算出される特性値であり、例えば、受信電力(Reference Signal Received Power)または受信品質(Reference Signal Received Quality)であり得る。一方、「第2受信特性値」とは、希望波と希望波以外の成分(例えば、希望波に対する雑音電力または干渉電力)とから算出される特性値であり、例えば、信号対干渉雑音比(Signal to Interference plus Noise Ratio)、信号対干渉比(Signal to Interference Ratio)、または信号対雑音比(Signal to Noise Ratio)であり得る。
以上の構成によれば、第2受信特性値により分類された第2移動局群内の移動局の各々が測定した、第1無線基地局に対応する第1受信特性値と第2無線基地局に対応する第1受信特性値との差分値の分布に基づいて設定された補正値により、移動局が接続すべき無線基地局の選択の際に用いられる第2無線基地局の第1受信特性値を補正するので、より良好な第2受信特性値を有する無線基地局が移動局の接続先として選択され易くなる。
【0009】
好ましくは、前記第1無線基地局の前記補正値設定部は、前記第2移動局群内の移動局のうち、前記第1無線基地局に接続すべきと前記接続先判定部に判定される第1受信特性値を有する移動局の数が最少となるように、複数の前記移動局の各々が測定した前記第2無線基地局の各々に対応する前記第1受信特性値を補正する前記補正値を設定する。
以上の構成によれば、第2無線基地局の第2受信特性値がより高い第2移動局群内の移動局のうち、第1無線基地局に接続すべきと接続先判定部に判定される第1受信特性値を有する移動局の数がより減少し得る。
【0010】
本発明に係る別の無線通信システムは、第1セルを形成する第1無線基地局と、前記第1セル内に前記第1セルよりも面積が小さい第2セルを各々が形成する複数の第2無線基地局と、前記第1セルおよび前記第2セルのうち移動局自身が在圏する在圏セルに対応する前記第1無線基地局および前記第2無線基地局の各々との間で電波を送受信して無線通信を実行可能な無線通信部を各々が備える複数の移動局とを備える無線通信システムであって、複数の前記移動局の各々は、当該移動局が在圏する第1セルおよび第2セルに対応する第1無線基地局および第2無線基地局の各々から送信される電波に関する第1受信特性値および第2受信特性値を前記各電波について測定する特性値測定部と、前記第1無線基地局および前記第2無線基地局の各々に対応する前記第1受信特性値および前記第2受信特性値を前記無線通信部を介して前記第1無線基地局に報告する特性値報告部とをさらに備え、前記第1無線基地局は、複数の前記移動局の各々について、当該移動局が報告した前記第1受信特性値および前記第2受信特性値の各々に対応する前記第1無線基地局および前記第2無線基地局のうち、前記第1受信特性値が最も良好である無線基地局を当該移動局が接続すべき無線基地局として判定する接続先判定部と、複数の前記移動局のうち、前記第1無線基地局に対応する前記第2受信特性値が前記第2無線基地局に対応する前記第2受信特性値よりも良好である移動局を第1移動局群に分類し、前記第2無線基地局に対応する前記第2受信特性値が前記第1無線基地局に対応する前記第2受信特性値よりも良好である移動局を第2移動局群に分類する移動局分類部と、前記第1移動局群内の移動局のうち、前記第2無線基地局に接続すべきと前記接続先判定部に判定される第1受信特性値を有する移動局の数が減少するように、前記第1移動局群内の移動局の各々が測定した、前記第1無線基地局に対応する前記第1受信特性値と前記第2無線基地局に対応する前記第1受信特性値との差分値の分布に基づいて、複数の前記移動局の各々が測定した前記第2無線基地局の各々に対応する前記第1受信特性値を補正する補正値を設定する補正値設定部と、前記補正値設定部で設定された前記補正値を複数の前記移動局に通知する補正値通知部とを備え、複数の前記移動局の各々は、前記第1無線基地局の前記補正値通知部から通知された前記補正値を用いて、前記特性値測定部で測定された前記第2無線基地局から送信される電波に関する前記第1受信特性値を補正する特性値補正部をさらに備え、前記第1無線基地局または複数の前記移動局の各々は、前記第1無線基地局に対応する前記第1受信特性値と前記補正値により補正された前記第2無線基地局に対応する第1受信特性値とのうち、最も良好な第1受信特性値に対応する無線基地局を当該移動局が接続すべき無線基地局として選択する接続先選択部を備える。
【0011】
以上の構成によれば、第2受信特性値により分類された第1移動局群内の移動局の各々が測定した、第1無線基地局に対応する第1受信特性値と第2無線基地局に対応する第1受信特性値との差分値の分布に基づいて設定された補正値により、移動局が接続すべき無線基地局の選択の際に用いられる第2無線基地局の第1受信特性値を補正するので、より良好な第2受信特性値を有する無線基地局が移動局の接続先として選択され易くなる。
【0012】
好ましくは、前記第1無線基地局の前記補正値設定部は、前記第1移動局群内の移動局のうち、前記第2無線基地局に接続すべきと前記接続先判定部に判定される第1受信特性値を有する移動局の数が最少となるように、複数の前記移動局の各々が測定した前記第2無線基地局の各々に対応する前記第1受信特性値を補正する前記補正値を設定する。
以上の構成によれば、第1無線基地局の第2受信特性値がより高い第1移動局群内の移動局のうち、第2無線基地局に接続すべきと接続先判定部に判定される第1受信特性値を有する移動局の数がより減少し得る。
【0013】
本発明に係る別の無線通信システムは、第1セルを形成する第1無線基地局と、前記第1セル内に前記第1セルよりも面積が小さい第2セルを各々が形成する複数の第2無線基地局と、前記第1セルおよび前記第2セルのうち移動局自身が在圏する在圏セルに対応する前記第1無線基地局および前記第2無線基地局の各々との間で電波を送受信して無線通信を実行可能な無線通信部を各々が備える複数の移動局とを備える無線通信システムであって、複数の前記移動局の各々は、当該移動局が在圏する第1セルおよび第2セルに対応する第1無線基地局および第2無線基地局の各々から送信される電波に関する第1受信特性値および第2受信特性値を前記各電波について測定する特性値測定部と、前記第1無線基地局および前記第2無線基地局の各々に対応する前記第1受信特性値および前記第2受信特性値を前記無線通信部を介して前記第1無線基地局に報告する特性値報告部とをさらに備え、前記第1無線基地局は、複数の前記移動局の各々について、当該移動局が報告した前記第1受信特性値および前記第2受信特性値の各々に対応する前記第1無線基地局および前記第2無線基地局のうち、前記第1受信特性値が最も良好である無線基地局を当該移動局が接続すべき無線基地局として判定する接続先判定部と、複数の前記移動局のうち、前記第1無線基地局に対応する前記第2受信特性値が前記第2無線基地局に対応する前記第2受信特性値よりも良好である移動局を第1移動局群に分類し、前記第2無線基地局に対応する前記第2受信特性値が前記第1無線基地局に対応する前記第2受信特性値よりも良好である移動局を第2移動局群に分類する移動局分類部と、前記第2移動局群内の移動局のうち前記第1無線基地局に接続すべきと前記接続先判定部に判定される第1受信特性値を有する移動局と、前記第1移動局群内の移動局のうち前記第2無線基地局に接続すべきと前記接続先判定部に判定される第1受信特性値を有する移動局との合計数が減少するように、前記第2移動局群内の移動局の各々が測定した、前記第1無線基地局に対応する前記第1受信特性値と前記第2無線基地局に対応する前記第1受信特性値との差分値の分布と、前記第1移動局群内の移動局の各々が測定した、前記第1無線基地局に対応する前記第1受信特性値と前記第2無線基地局に対応する前記第1受信特性値との差分値の分布とに基づいて、複数の前記移動局の各々が測定した前記第2無線基地局の各々に対応する前記第1受信特性値を補正する補正値を設定する補正値設定部と、前記補正値設定部で設定された前記補正値を複数の前記移動局に通知する補正値通知部とを備え、複数の前記移動局の各々は、前記第1無線基地局の前記補正値通知部から通知された前記補正値を用いて、前記特性値測定部で測定された前記第2無線基地局から送信される電波に関する前記第1受信特性値を補正する特性値補正部をさらに備え、前記第1無線基地局または複数の前記移動局の各々は、前記第1無線基地局に対応する前記第1受信特性値と前記補正値により補正された前記第2無線基地局に対応する第1受信特性値とのうち、最も良好な第1受信特性値に対応する無線基地局を当該移動局が接続すべき無線基地局として選択する接続先選択部を備える。
【0014】
以上の構成によれば、第2受信特性値により分類された第2移動局群内の移動局の各々が測定した、第1無線基地局に対応する第1受信特性値と第2無線基地局に対応する第1受信特性値との差分値の分布と、第2受信特性値により分類された第1移動局群内の移動局の各々が測定した、第1無線基地局に対応する第1受信特性値と第2無線基地局に対応する第1受信特性値との差分値の分布とに基づいて設定された補正値により、移動局が接続すべき無線基地局の選択の際に用いられる第2無線基地局の第1受信特性値を補正するので、より良好な第2受信特性値を有する無線基地局が移動局の接続先として選択され易くなる。
【0015】
好ましくは、前記第1無線基地局の前記補正値設定部は、前記第2移動局群内の移動局のうち前記第1無線基地局に接続すべきと前記接続先判定部に判定される第1受信特性値を有する移動局と、前記第1移動局群内の移動局のうち前記第2無線基地局に接続すべきと前記接続先判定部に判定される第1受信特性値を有する移動局との合計数が最少となるように、複数の前記移動局の各々が測定した前記第2無線基地局の各々に対応する前記第1受信特性値を補正する前記補正値を設定する。
以上の構成によれば、第2無線基地局の第2受信特性値がより高い第2移動局群内の移動局のうち第1無線基地局に接続すべきと接続先判定部に判定される第1受信特性値を有する移動局の数と、第1無線基地局の第2受信特性値がより高い第1移動局群内の移動局のうち、第2無線基地局に接続すべきと接続先判定部に判定される第1受信特性値を有する移動局の数との総数がより減少し得る。
【0016】
より好ましくは、 所定の第1インターバル毎に、複数の前記移動局の各々が、前記第1受信特性値および前記第2受信特性値の測定および報告を実行し、前記第1無線基地局が、複数の前記移動局の各々が接続すべき無線基地局の判定、複数の前記移動局の分類、前記補正値の設定、および複数の前記移動局への前記補正値の通知を実行し、前記第1インターバルよりも短い所定の第2インターバル毎に、複数の前記移動局の各々が、前記第1受信特性値の測定、および、前記補正値を用いた、前記第2無線基地局からの前記電波に関する前記第1受信特性値の補正を実行し、前記第1無線基地局または複数の前記移動局の各々が、当該移動局が接続すべき無線基地局の選択を実行する。
以上の構成によれば、移動局が第2受信特性値の測定を実行する頻度が抑制されつつ、第2受信特性値に基づき設定された補正値に基づいて、第2無線基地局からの電波に関する第1受信特性の補正が実行される。したがって、第2受信特性値に基づいた無線接続先の選択と移動局の消費電力の抑制とが併せて実現され得る。
【0017】
本発明に係る無線基地局は、第1セルを形成する第1無線基地局と、前記第1セル内に前記第1セルよりも面積が小さい第2セルを各々が形成する複数の第2無線基地局と、前記第1セルおよび前記第2セルのうち移動局自身が在圏する在圏セルに対応する前記第1無線基地局および前記第2無線基地局の各々との間で電波を送受信して無線通信を実行可能な無線通信部と、当該移動局が在圏する第1セルおよび第2セルに対応する第1無線基地局および第2無線基地局の各々から送信される電波に関する第1受信特性値および第2受信特性値を前記各電波について測定する特性値測定部と、前記第1無線基地局および前記第2無線基地局の各々に対応する前記第1受信特性値および前記第2受信特性値を前記無線通信部を介して前記第1無線基地局に報告する特性値報告部と、を各々が備える複数の移動局とを備える無線通信システムにおける第1無線基地局であって、複数の前記移動局の各々について、当該移動局が報告した前記第1受信特性値および前記第2受信特性値の各々に対応する前記第1無線基地局および前記第2無線基地局のうち、前記第1受信特性値が最も良好である無線基地局を当該移動局が接続すべき無線基地局として判定する接続先判定部と、複数の前記移動局のうち、前記第1無線基地局に対応する前記第2受信特性値が前記第2無線基地局に対応する前記第2受信特性値よりも良好である移動局を第1移動局群に分類し、前記第2無線基地局に対応する前記第2受信特性値が前記第1無線基地局に対応する前記第2受信特性値よりも良好である移動局を第2移動局群に分類する移動局分類部と、前記第2移動局群内の移動局のうち、前記第1無線基地局に接続すべきと前記接続先判定部に判定される第1受信特性値を有する移動局の数が減少するように、前記第2移動局群内の移動局の各々が測定した、前記第1無線基地局に対応する前記第1受信特性値と前記第2無線基地局に対応する前記第1受信特性値との差分値の分布に基づいて、複数の前記移動局の各々が測定した前記第2無線基地局の各々に対応する前記第1受信特性値を補正する補正値を設定する補正値設定部と、前記補正値設定部で設定された前記補正値を複数の前記移動局に通知する補正値通知部とを備える。
【0018】
本発明に係る別の無線基地局は、第1セルを形成する第1無線基地局と、前記第1セル内に前記第1セルよりも面積が小さい第2セルを各々が形成する複数の第2無線基地局と、前記第1セルおよび前記第2セルのうち移動局自身が在圏する在圏セルに対応する前記第1無線基地局および前記第2無線基地局の各々との間で電波を送受信して無線通信を実行可能な無線通信部と、当該移動局が在圏する第1セルおよび第2セルに対応する第1無線基地局および第2無線基地局の各々から送信される電波に関する第1受信特性値および第2受信特性値を前記各電波について測定する特性値測定部と、前記第1無線基地局および前記第2無線基地局の各々に対応する前記第1受信特性値および前記第2受信特性値を前記無線通信部を介して前記第1無線基地局に報告する特性値報告部と、を各々が備える複数の移動局とを備える無線通信システムにおける第1無線基地局であって、複数の前記移動局の各々について、当該移動局が報告した前記第1受信特性値および前記第2受信特性値の各々に対応する前記第1無線基地局および前記第2無線基地局のうち、前記第1受信特性値が最も良好である無線基地局を当該移動局が接続すべき無線基地局として判定する接続先判定部と、複数の前記移動局のうち、前記第1無線基地局に対応する前記第2受信特性値が前記第2無線基地局に対応する前記第2受信特性値よりも良好である移動局を第1移動局群に分類し、前記第2無線基地局に対応する前記第2受信特性値が前記第1無線基地局に対応する前記第2受信特性値よりも良好である移動局を第2移動局群に分類する移動局分類部と、前記第1移動局群内の移動局のうち、前記第2無線基地局に接続すべきと前記接続先判定部に判定される第1受信特性値を有する移動局の数が減少するように、前記第1移動局群内の移動局の各々が測定した、前記第1無線基地局に対応する前記第1受信特性値と前記第2無線基地局に対応する前記第1受信特性値との差分値の分布に基づいて、複数の前記移動局の各々が測定した前記第2無線基地局の各々に対応する前記第1受信特性値を補正する補正値を設定する補正値設定部と、前記補正値設定部で設定された前記補正値を複数の前記移動局に通知する補正値通知部とを備える。
【0019】
本発明に係る別の無線基地局は、第1セルを形成する第1無線基地局と、前記第1セル内に前記第1セルよりも面積が小さい第2セルを各々が形成する複数の第2無線基地局と、前記第1セルおよび前記第2セルのうち移動局自身が在圏する在圏セルに対応する前記第1無線基地局および前記第2無線基地局の各々との間で電波を送受信して無線通信を実行可能な無線通信部と、当該移動局が在圏する第1セルおよび第2セルに対応する第1無線基地局および第2無線基地局の各々から送信される電波に関する第1受信特性値および第2受信特性値を前記各電波について測定する特性値測定部と、前記第1無線基地局および前記第2無線基地局の各々に対応する前記第1受信特性値および前記第2受信特性値を前記無線通信部を介して前記第1無線基地局に報告する特性値報告部と、を各々が備える複数の移動局とを備える無線通信システムにおける第1無線基地局であって、複数の前記移動局の各々について、当該移動局が報告した前記第1受信特性値および前記第2受信特性値の各々に対応する前記第1無線基地局および前記第2無線基地局のうち、前記第1受信特性値が最も良好である無線基地局を当該移動局が接続すべき無線基地局として判定する接続先判定部と、複数の前記移動局のうち、前記第1無線基地局に対応する前記第2受信特性値が前記第2無線基地局に対応する前記第2受信特性値よりも良好である移動局を第1移動局群に分類し、前記第2無線基地局に対応する前記第2受信特性値が前記第1無線基地局に対応する前記第2受信特性値よりも良好である移動局を第2移動局群に分類する移動局分類部と、前記第2移動局群内の移動局のうち前記第1無線基地局に接続すべきと前記接続先判定部に判定される第1受信特性値を有する移動局と、前記第1移動局群内の移動局のうち前記第2無線基地局に接続すべきと前記接続先判定部に判定される第1受信特性値を有する移動局との合計数が減少するように、前記第2移動局群内の移動局の各々が測定した、前記第1無線基地局に対応する前記第1受信特性値と前記第2無線基地局に対応する前記第1受信特性値との差分値の分布と、前記第1移動局群内の移動局の各々が測定した、前記第1無線基地局に対応する前記第1受信特性値と前記第2無線基地局に対応する前記第1受信特性値との差分値の分布とに基づいて、複数の前記移動局の各々が測定した前記第2無線基地局の各々に対応する前記第1受信特性値を補正する補正値を設定する補正値設定部と、前記補正値設定部で設定された前記補正値を複数の前記移動局に通知する補正値通知部とを備える。
【0020】
本発明に係る通信制御方法は、第1セルを形成する第1無線基地局と、前記第1セル内に前記第1セルよりも面積が小さい第2セルを各々が形成する複数の第2無線基地局と、前記第1セルおよび前記第2セルのうち移動局自身が在圏する在圏セルに対応する前記第1無線基地局および前記第2無線基地局の各々との間で電波を送受信して無線通信を実行可能な無線通信部を各々が備える複数の移動局とを備える無線通信システムにおける通信制御方法であって、複数の前記移動局の各々が、当該移動局が在圏する第1セルおよび第2セルに対応する第1無線基地局および第2無線基地局の各々から送信される電波に関する第1受信特性値および第2受信特性値を前記各電波について測定し、前記第1無線基地局および前記第2無線基地局の各々に対応する前記第1受信特性値および前記第2受信特性値を前記無線通信部を介して前記第1無線基地局に報告し、複数の前記移動局の各々について、当該移動局が報告した前記第1受信特性値および前記第2受信特性値の各々に対応する前記第1無線基地局および前記第2無線基地局のうち、前記第1受信特性値が最も良好である無線基地局を当該移動局が接続すべき無線基地局として判定し、複数の前記移動局のうち、前記第1無線基地局に対応する前記第2受信特性値が前記第2無線基地局に対応する前記第2受信特性値よりも良好である移動局を第1移動局群に分類し、前記第2無線基地局に対応する前記第2受信特性値が前記第1無線基地局に対応する前記第2受信特性値よりも良好である移動局を第2移動局群に分類し、前記第2移動局群内の移動局のうち、前記第1無線基地局に接続すべきと判定される第1受信特性値を有する移動局の数が減少するように、前記第2移動局群内の移動局の各々が測定した、前記第1無線基地局に対応する前記第1受信特性値と前記第2無線基地局に対応する前記第1受信特性値との差分値の分布に基づいて、複数の前記移動局の各々が測定した前記第2無線基地局の各々に対応する前記第1受信特性値を補正する補正値を設定し、設定された前記補正値を複数の前記移動局に通知し、複数の前記移動局の各々が、前記第1無線基地局から通知された前記補正値を用いて、測定された前記第2無線基地局から送信される電波に関する前記第1受信特性値を補正し、前記第1無線基地局に対応する前記第1受信特性値と前記補正値により補正された前記第2無線基地局に対応する第1受信特性値とのうち、最も良好な第1受信特性値に対応する無線基地局を当該移動局が接続すべき無線基地局として選択する。
【0021】
本発明に係る別の通信制御方法は、第1セルを形成する第1無線基地局と、前記第1セル内に前記第1セルよりも面積が小さい第2セルを各々が形成する複数の第2無線基地局と、前記第1セルおよび前記第2セルのうち移動局自身が在圏する在圏セルに対応する前記第1無線基地局および前記第2無線基地局の各々との間で電波を送受信して無線通信を実行可能な無線通信部を各々が備える複数の移動局とを備える無線通信システムにおける通信制御方法であって、複数の前記移動局の各々が、当該移動局が在圏する第1セルおよび第2セルに対応する第1無線基地局および第2無線基地局の各々から送信される電波に関する第1受信特性値および第2受信特性値を前記各電波について測定し、前記第1無線基地局および前記第2無線基地局の各々に対応する前記第1受信特性値および前記第2受信特性値を前記無線通信部を介して前記第1無線基地局に報告し、複数の前記移動局の各々について、当該移動局が報告した前記第1受信特性値および前記第2受信特性値の各々に対応する前記第1無線基地局および前記第2無線基地局のうち、前記第1受信特性値が最も良好である無線基地局を当該移動局が接続すべき無線基地局として判定し、複数の前記移動局のうち、前記第1無線基地局に対応する前記第2受信特性値が前記第2無線基地局に対応する前記第2受信特性値よりも良好である移動局を第1移動局群に分類し、前記第2無線基地局に対応する前記第2受信特性値が前記第1無線基地局に対応する前記第2受信特性値よりも良好である移動局を第2移動局群に分類し、前記第1移動局群内の移動局のうち、前記第2無線基地局に接続すべきと判定される第1受信特性値を有する移動局の数が減少するように、前記第1移動局群内の移動局の各々が測定した、前記第1無線基地局に対応する前記第1受信特性値と前記第2無線基地局に対応する前記第1受信特性値との差分値の分布に基づいて、複数の前記移動局の各々が測定した前記第2無線基地局の各々に対応する前記第1受信特性値を補正する補正値を設定し、設定された前記補正値を複数の前記移動局に通知し、複数の前記移動局の各々が、前記第1無線基地局から通知された前記補正値を用いて、測定された前記第2無線基地局から送信される電波に関する前記第1受信特性値を補正し、前記第1無線基地局に対応する前記第1受信特性値と前記補正値により補正された前記第2無線基地局に対応する第1受信特性値とのうち、最も良好な第1受信特性値に対応する無線基地局を当該移動局が接続すべき無線基地局として選択する。
【0022】
本発明に係る別の通信制御方法は、第1セルを形成する第1無線基地局と、前記第1セル内に前記第1セルよりも面積が小さい第2セルを各々が形成する複数の第2無線基地局と、前記第1セルおよび前記第2セルのうち移動局自身が在圏する在圏セルに対応する前記第1無線基地局および前記第2無線基地局の各々との間で電波を送受信して無線通信を実行可能な無線通信部を各々が備える複数の移動局とを備える無線通信システムにおける通信制御方法であって、複数の前記移動局の各々が、当該移動局が在圏する第1セルおよび第2セルに対応する第1無線基地局および第2無線基地局の各々から送信される電波に関する第1受信特性値および第2受信特性値を前記各電波について測定し、前記第1無線基地局および前記第2無線基地局の各々に対応する前記第1受信特性値および前記第2受信特性値を前記無線通信部を介して前記第1無線基地局に報告し、複数の前記移動局の各々について、当該移動局が報告した前記第1受信特性値および前記第2受信特性値の各々に対応する前記第1無線基地局および前記第2無線基地局のうち、前記第1受信特性値が最も良好である無線基地局を当該移動局が接続すべき無線基地局として判定し、複数の前記移動局のうち、前記第1無線基地局に対応する前記第2受信特性値が前記第2無線基地局に対応する前記第2受信特性値よりも良好である移動局を第1移動局群に分類し、前記第2無線基地局に対応する前記第2受信特性値が前記第1無線基地局に対応する前記第2受信特性値よりも良好である移動局を第2移動局群に分類し、前記第2移動局群内の移動局のうち前記第1無線基地局に接続すべきと判定される第1受信特性値を有する移動局と、前記第1移動局群内の移動局のうち前記第2無線基地局に接続すべきと判定される第1受信特性値を有する移動局との合計数が減少するように、前記第2移動局群内の移動局の各々が測定した、前記第1無線基地局に対応する前記第1受信特性値と前記第2無線基地局に対応する前記第1受信特性値との差分値の分布と、前記第1移動局群内の移動局の各々が測定した、前記第1無線基地局に対応する前記第1受信特性値と前記第2無線基地局に対応する前記第1受信特性値との差分値の分布とに基づいて、複数の前記移動局の各々が測定した前記第2無線基地局の各々に対応する前記第1受信特性値を補正する補正値を設定し、設定された前記補正値を複数の前記移動局に通知し、複数の前記移動局の各々が、前記第1無線基地局から通知された前記補正値を用いて、測定された前記第2無線基地局から送信される電波に関する前記第1受信特性値を補正し、前記第1無線基地局に対応する前記第1受信特性値と前記補正値により補正された前記第2無線基地局に対応する第1受信特性値とのうち、最も良好な第1受信特性値に対応する無線基地局を当該移動局が接続すべき無線基地局として選択する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態に係る無線通信システムを示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係るユーザ装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係るマクロ基地局の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態に係るピコ基地局の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施形態に係る接続先基地局の選択の説明図である。
【図6】複数のユーザ装置の各々における、マクロ基地局から送信される電波の受信電力とピコ基地局から送信される電波の受信電力との差分値の分布を示すグラフである。
【図7】第1実施形態の受信電力、信号対干渉雑音比、および接続先無線基地局の関係の一例を示す図である。
【図8】前記無線通信システムにおける受信電力の補正のシーケンス図である。
【図9】ユーザ装置と、受信電力の差分値と、接続先基地局とを対応付けるテーブルを示す図である。
【図10】ユーザ装置と、各無線基地局からの信号対干渉雑音比と、より大きな信号対干渉雑音比とを対応付けるテーブルを示す図である。
【図11】第1実施形態の補正値の設定の一例を示す図である。
【図12】前記補正の有無に応じたピコセルの範囲の変化を示す図である。
【図13】第2実施形態の受信電力、信号対干渉雑音比、および接続先無線基地局の関係の一例を示す図である。
【図14】第2実施形態の補正値の設定の一例を示す図である。
【図15】第3実施形態の補正値の設定の一例を示す図である。
【図16】セル間干渉コーディネーションの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
第1の実施形態
図1は、本発明の第1実施形態に係る無線通信システム1のブロック図である。無線通信システム1は、マクロ基地局(マクロeNodeB(evolved Node B))100と、ピコ基地局(ピコeNodeB)200と、ユーザ装置(User Equipment)UEとを備える。なお、説明の簡単のため1つのマクロ基地局100のみが図示されているが、無線通信システム1が複数のマクロ基地局100を含み得ることは当然に理解される。
【0025】
無線通信システム1内の各通信要素(マクロ基地局100、ピコ基地局200、ユーザ装置UE等)は所定の無線アクセス技術(Radio Access Technology)、例えばLTE(Long Term Evolution)に従って無線通信を行う。本実施形態では、無線通信システム1がLTEに従って動作する形態を例示して説明するが、本発明の技術的範囲を限定する趣旨ではない。本発明は、必要な設計上の変更を施した上で他の無線アクセス技術にも適用可能である。
【0026】
マクロ基地局100とピコ基地局200とは有線または無線にて相互に接続される。マクロ基地局100はマクロセルCmを形成する。マクロセルCm内には、N個(Nは自然数)のユーザ装置UE(UE,UE,…,UE)が存在する。図1では、便宜的に4つのユーザ装置UEが示されている。以下、マクロセルCm内にある任意の1つのユーザ装置UEを、添字nを用いて「UE」と示す場合がある。また、ユーザ装置UEに対応する要素等を示すために、その要素等の符号に添字nを付す場合がある。
【0027】
ピコ基地局200はピコセルCpを形成する。ピコセルCpは、そのピコセルCpを形成するピコ基地局200に接続されたマクロ基地局100が形成するマクロセルCm内に形成されるセルCである。1つのマクロセルCm内には、複数のピコセルCpが形成され得る。
【0028】
各基地局(マクロ基地局100,ピコ基地局200)は、その基地局自身のセルCに在圏するユーザ装置UEと無線通信が可能である。逆に言うと、ユーザ装置UEは、ユーザ装置UE自身が在圏するセルC(マクロセルCm,ピコセルCp)に対応する基地局(マクロ基地局100,ピコ基地局200)と無線通信が可能である。また、ユーザ装置UEは、各基地局から送信される無線信号の受信電力(Reference Signal Received Power, RSRP)に基づいて、無線接続先の基地局を選択可能である。例えば、ユーザ装置UEは、最も高い受信電力RSRPに対応する無線信号を送信する基地局を無線接続先の基地局として選択し得る。
【0029】
マクロ基地局100はピコ基地局200と比較して無線送信能力(最大送信電力,平均送信電力等)が高いので、より遠くに位置するユーザ装置UEと無線通信可能である。したがって、マクロセルCmはピコセルCpよりも面積が大きい。例えば、マクロセルCmは半径数百メートルから数十キロメートル程度の大きさであり、ピコセルCpは半径数メートルから数十メートル程度の大きさである。
【0030】
以上の説明から理解されるように、無線通信システム1内のマクロ基地局100およびピコ基地局200は、送信電力(送信能力)が相異なる複数種の無線基地局が重層的に設置されたヘテロジーニアスネットワーク(Heterogeneous Network,HetNet)を構成する(3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network; Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA); Further advancements for E-UTRA physical layer aspects (Release 9); 3GPP TR 36.814 V9.0.0 (2010-03); Section 9A, Heterogeneous Deploymentsを参照のこと)。
【0031】
ピコセルCpがマクロセルCmの内部に重層的に形成される(オーバレイされる)ことを考慮すると、ユーザ装置UEがピコセルCp内に在圏する場合、そのユーザ装置UEは、そのピコセルCpを形成するピコ基地局200と、そのピコセルCpを包含するマクロセルCmを形成するマクロ基地局100との双方から電波(無線信号)を受信することが可能であると理解できる。
【0032】
なお、各基地局とユーザ装置UEとの間の無線通信の方式は任意である。例えば、ダウンリンクではOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)が採用され、アップリンクではSC−FDMA(Single-Carrier Frequency Division Multiple Access)が採用されてもよい。
【0033】
図2は、本発明の第1実施形態に係るユーザ装置UEの構成を示すブロック図である。ユーザ装置UEは無線通信部310と制御部330と記憶部350を備える。なお、音声・映像等を出力する出力装置およびユーザからの指示を受け付ける入力装置等の図示は、便宜的に省略されている。
【0034】
無線通信部310は、基地局(マクロ基地局100,ピコ基地局200)と無線通信を実行するための要素であり、送受信アンテナ312と、基地局から電波を受信して電気信号に変換する受信回路と、音声信号等の電気信号を電波に変換して送信する送信回路とを含む。また、無線通信部310は、ユーザ装置UEが在圏するマクロセルCmを形成するマクロ基地局100から、補正値Aおよび接続先情報Iを受信するとともに、当該マクロ基地局100に対して、マクロ基地局100から受信した電波についての受信電力RSRP及び信号対干渉雑音比SINR並びにピコ基地局から受信した電波についての受信電力RSRP及び信号対干渉雑音比SINRを送信する(詳細は後述される)。
記憶部350は、マクロ基地局100から受信した補正値Aおよびその他の情報を記憶する記憶媒体であり、例えばRAM(Random Access Memory)であってよい。
【0035】
以下、簡単のため、マクロ基地局100から受信した電波についての受信電力RSRP及び信号対干渉雑音比SINRを、それぞれ「マクロ受信電力RSRP」及び「マクロ信号対干渉雑音比SINR」と称する場合があり、ピコ基地局から受信した電波についての受信電力RSRP及び信号対干渉雑音比SINRを、それぞれ「ピコ受信電力RSRP」および「ピコ信号対干渉雑音比SINR」と称する場合がある。また、単に符号のみ(すなわち、RSRP,SINR,RSRP,およびSINR)を用いて、以上の各受信電力および各信号対干渉雑音比を示す場合がある。
【0036】
制御部330は、特性値測定部332、解析用特性値報告部334、特性値補正部336、接続用特性値報告部338、および接続部340を要素として内包する。制御部330ならびに制御部330に内包される特性値測定部332、解析用特性値報告部334、特性値補正部336、接続用特性値報告部338、および接続部340は、ユーザ装置UE内の図示しないCPU(Central Processing Unit)が、記憶部350に記憶されたコンピュータプログラムを実行し、そのコンピュータプログラムに従って機能することにより実現される機能ブロックであり得る。制御部330の動作の詳細は後述される。
【0037】
図3は、本発明の第1実施形態に係るマクロ基地局100の構成を示すブロック図である。マクロ基地局100は、無線通信部110と基地局通信部120と制御部130とを備える。
【0038】
無線通信部110は、ユーザ装置UEと無線接続して無線通信を実行するための要素であり、送受信アンテナ112と、ユーザ装置UEから電波を受信して電気信号に変換する受信回路と、音声信号等の電気信号を電波に変換して送信する送信回路とを含む。また、無線通信部110は、マクロ基地局100が形成するマクロセルCmに在圏するユーザ装置UEに対して、補正値Aおよび接続先情報Iを送信するとともに、マクロ基地局100が形成するマクロセルCmに在圏するユーザ装置UEから、マクロ基地局100から受信した電波についての受信電力RSRP及び信号対干渉雑音比SINR並びにピコ基地局から受信した電波についての受信電力RSRP及び信号対干渉雑音比SINRを受信する(詳細は後述される)。
【0039】
基地局通信部120は、他の基地局(マクロ基地局100,ピコ基地局200)と通信を実行するための要素であり、他の基地局との間で電気信号を送受信する。マクロ基地局100が他の基地局と無線にて通信を行う場合は、無線通信部110が基地局通信部120を兼ね得ることは当然に理解される。
【0040】
制御部130は、解析用接続先判定部132、ユーザ装置分類部134、補正値設定部136、補正値通知部138、および接続先選択部140を要素として内包する。制御部130ならびに制御部130に内包される解析用接続先判定部132、ユーザ装置分類部134、補正値設定部136、補正値通知部138、および接続先選択部140は、マクロ基地局100内の図示しないCPUが、図示しない記憶部に記憶されたコンピュータプログラムを実行し、そのコンピュータプログラムに従って機能することにより実現される機能ブロックであり得る。制御部130の動作の詳細は後述される。
【0041】
図4は、本発明の実施形態に係るピコ基地局200の構成を示すブロック図である。ピコ基地局200は、無線通信部210と基地局通信部220と制御部230とを備える。
無線通信部210は、ユーザ装置UEと無線通信を実行するための要素であり、送受信アンテナ212と、ユーザ装置UEから電波を受信して電気信号に変換する受信回路と、音声信号等の電気信号を電波に変換して送信する送信回路とを含む。
基地局通信部220は、ピコ基地局200自身が接続されるマクロ基地局100と通信を実行するための要素であり、マクロ基地局100との間で電気信号を送受信する。なお、ピコ基地局200がマクロ基地局100と無線にて通信する場合には、無線通信部210が基地局通信部220を兼ねてもよい。
【0042】
ピコ基地局200は、マクロ基地局100が送信した情報(例えば、補正値Aまたは接続先情報I等)を受信してユーザ装置UEに転送でき、ユーザ装置UEが送信した情報(RSRPMn,SINRMn,RSRPPn,およびSINRPn等)を受信してマクロ基地局100に転送できる。具体的には、ピコ基地局200の基地局通信部220がマクロ基地局100の基地局通信部120から受信した電気信号を、制御部230が無線通信部210に供給する。無線通信部210は、供給された電気信号を電波に変換してユーザ装置UEに対して送信する。また、ピコ基地局200の無線通信部210が受信・変換して得た電気信号を、制御部230が基地局通信部220に供給する。基地局通信部220は、供給された電気信号をマクロ基地局100に対して送信する。以上の構成により、ユーザ装置UEがピコ基地局200に近接しているためマクロ基地局100との無線通信が困難である場合でも、ユーザ装置UEとマクロ基地局100との間で必要な情報を送受信することが可能となる。
なお、ピコ基地局200の制御部230は、ピコ基地局200内の図示しないCPUが、図示しない記憶部に記憶されたコンピュータプログラムを実行し、そのコンピュータプログラムに従って機能することにより実現される機能ブロックであり得る。
【0043】
図5を参照して、受信電力RSRPに基づく無線接続先の選択の概略を説明する。図5に示すように、ユーザ装置UEは、マクロ基地局100およびピコ基地局200から電波を受信する。ユーザ装置UEの特性値測定部332は、受信された各電波について、マクロ受信電力RSRPおよびピコ受信電力RSRPを測定する。図示の通り、各電波の受信電力(RSRP,RSRP)は各基地局から遠ざかるほど低下する。
【0044】
以下、説明のため、マクロ基地局100が配置される位置を位置L0、ピコ基地局200が配置される位置を位置L3とし、マクロ受信電力RSRPとピコ受信電力RSRPとが等しい位置を位置L2とする。ユーザ装置UEは、位置L2よりもマクロ基地局100に近い位置Luに位置すると想定する。
【0045】
図5に示す通り、位置Luにおいては、マクロ受信電力RSRPの方がピコ受信電力RSRPよりも大きい。したがって、単に受信電力の大きい電波を送信した基地局にユーザ装置UEが無線接続する技術によれば、位置Luに位置するユーザ装置UEはマクロ基地局100と無線接続すべきであると、マクロ基地局100等のネットワーク側の装置またはユーザ装置UE自身によって判定される。
【0046】
しかしながら、単に受信電力の大きい電波を送信した基地局にユーザ装置UEが無線接続する技術には、以下のような問題がある。
【0047】
図6は、複数のユーザ装置UEの各々について算出されたマクロ受信電力RSRPとピコ受信電力RSRPとの差分値Δ(=RSRP−RSRP)の分布を示すグラフである。横軸はRSRPとRSRPとの差分値Δをデシベル(dB)で示す。縦軸はユーザ装置UEの個数を相対値で示す。
【0048】
複数のユーザ装置UEは、信号対干渉雑音比SINRに基づいて、集合Sと集合Sとに分類される。集合Sは、マクロ信号対干渉雑音比SINRがピコ信号対干渉雑音比SINRを上回るユーザ装置UEの集合である。集合Sは、ピコ信号対干渉雑音比SINRがマクロ信号対干渉雑音比SINRを上回るユーザ装置UEの集合である。
概略的には、図示されるように、集合Sに属するユーザ装置UEにおける受信電力RSRPの差分値Δの方が、集合Sに属するユーザ装置UEにおける受信電力RSRPの差分値Δを上回る傾向にある。換言すると、概略的には、ユーザ装置UEにおける受信電力RSRPおよび信号対干渉雑音比SINRには相関関係が認められる。しかしながら、個々のユーザ装置UEについて見た場合には、必ずしも、受信電力RSRPが高いほど信号対干渉雑音比SINRも高いわけではない。以下、図7を参照して具体的に説明する。
【0049】
図7は、ユーザ装置UEにおける信号対干渉雑音比SINRと、そのユーザ装置UEの接続先基地局との関係の説明図である。受信電力RSRPの差分値Δが正(Δ>0)のユーザ装置UEの集合を集合Rとし、差分値Δが負(Δ<0)のユーザ装置UEの集合を集合Rとする。
差分値Δが正(Δ>0)であればマクロ受信電力RSRPMnがピコ受信電力RSRPPnを上回るから、単純な受信電力RSRP基準によれば、集合Rに含まれるユーザ装置UEはマクロ基地局100に接続すべきと判定される。他方、差分値Δが負(Δ<0)であればピコ受信電力RSRPPnがマクロ受信電力RSRPMnを上回るから、単純な受信電力RSRP基準によれば、集合Rに含まれるユーザ装置UEはピコ基地局200に接続すべきと判定される。
【0050】
図7に示されるように、集合S内のユーザ装置UEは全てが集合Rに含まれる。すなわち、受信電力RSRPに基づく接続先選択の結果、集合S内の全てのユーザ装置UEが、信号対干渉雑音比SINRがより高いマクロ基地局100に接続すべきと判定される。
他方、集合S内のユーザ装置UEは、集合Rに含まれる部分集合Fと集合Rに含まれる部分集合Dとに分かれてしまう。すなわち、受信電力RSRPに基づく接続先選択の結果、集合S内の一部のユーザ装置UE(部分集合F内のユーザ装置UE)は信号対干渉雑音比SINRがより高いピコ基地局200に接続すべきと判定されるが、集合S内の他の一部のユーザ装置UE(部分集合D内のユーザ装置UE)は信号対干渉雑音比SINRがより低いマクロ基地局100に接続すべきと判定されてしまう。
【0051】
電波の信号対干渉雑音比SINRが低い場合、たとえ受信電力RSRPが高くてもユーザ装置UEにおける受信品質は低下するから、電波の信号対干渉雑音比SINRがより低い基地局に接続されるユーザ装置UEの個数が多いことは、ユーザ装置UEのユーザの利便性および無線通信システム1全体の通信品質の観点等から考えて適当でない場合がある。
他方、電波の信号対干渉雑音比SINRの測定(特に、SINR測定に必要な干渉電力の測定)は、ユーザ装置UEへの処理負荷が高いため、ユーザ装置UEが常に電波の信号対干渉雑音比SINRを測定して無線接続先を選択することは、ユーザ装置の消費電力の低減および処理速度の向上等の面から問題がある場合がある。
【0052】
以上の事情に鑑み、本実施形態では、ユーザ装置UEの無線接続先として信号対干渉雑音比SINRのより高い基地局が選択されるように、ユーザ装置UEの無線接続先の選択の際に利用される受信電力RSRPを、信号対干渉雑音比SINRを考慮した補正値Aにより補正する。
【0053】
図8を参照して、第1実施形態の補正値Aの設定およびユーザ装置UEの接続先基地局の選択について説明する。
各ユーザ装置UEの特性値測定部332が、そのユーザ装置UEが在圏するマクロセルCmを形成するマクロ基地局100から受信した電波の受信電力RSRPMnおよび信号対干渉雑音比SINRMn、並びにそのユーザ装置UEが在圏するピコセルCpを形成するピコ基地局200から受信した電波の受信電力RSRPPnおよび信号対干渉雑音比SINRPnを測定する(ステップS100)。測定されたマクロ受信電力RSRPMn、マクロ信号対干渉雑音比SINRMn、ピコ受信電力RSRPPn、およびピコ信号対干渉雑音比SINRPnは、解析用特性値報告部334に供給される。解析用特性値報告部334は、供給されたマクロ受信電力RSRPMn、マクロ信号対干渉雑音比SINRMn、ピコ受信電力RSRPPn、およびピコ信号対干渉雑音比SINRPnを無線通信部310を介してマクロ基地局100に報告(送信)する(ステップS110)。
【0054】
マクロ基地局100の無線通信部110が、報告されたマクロ受信電力RSRPMn、マクロ信号対干渉雑音比SINRMn、ピコ受信電力RSRPPn、およびピコ信号対干渉雑音比SINRPnを各ユーザ装置UEから受信して制御部130に供給する。マクロセルCm内にはN個のユーザ装置UEが存在するから、それぞれN個のマクロ受信電力RSRP、マクロ信号対干渉雑音比SINR、ピコ受信電力RSRP、およびピコ信号対干渉雑音比SINRが制御部130に供給されることが理解される。
【0055】
制御部130の解析用接続先判定部132が、無線通信部110から供給されたマクロ受信電力RSRPMnおよびピコ受信電力RSRPPnのうち、最も高い受信電力RSRPに対応する無線基地局(すなわち、受信電力RSRPが最も良好である無線基地局)を各ユーザ装置UEの接続先基地局として判定する(ステップS120)。具体的には、解析用接続先判定部132は、N個のユーザ装置UEの各々について、ユーザ装置UEと、ユーザ装置UEにおけるマクロ受信電力RSRPMnとピコ受信電力RSRPPnとの差分値Δ(= RSRPMn−RSRPPn)と、差分値Δから判定されたユーザ装置UEが接続すべき無線基地局とを対応付けたテーブルT(図9)を作成する。マクロ基地局100に接続すべきユーザ装置UEの集合Rおよびピコ基地局200に接続すべきユーザ装置UEの集合Rが、テーブルTの参照により提供されることは、当然に理解される。
なお、ステップS120にて判定された接続先基地局は、ステップS140における補正値Aの設定のために使用される仮想的な接続先基地局であり、後のステップS230にて選択される実際の接続先基地局とは必ずしも一致しない。
【0056】
制御部130のユーザ装置分類部134が、無線通信部110から供給されたマクロ信号対干渉雑音比SINRおよびピコ信号対干渉雑音比SINRに基づいて、複数のユーザ装置UEのうち、マクロ信号対干渉雑音比SINRMnがピコ信号対干渉雑音比SINRPnよりも大きい(すなわち、良好である)ユーザ装置UEを集合Sに分類し、ピコ信号対干渉雑音比SINRPnがマクロ信号対干渉雑音比SINRMnよりも大きいユーザ装置UEを集合Sに分類する(ステップS130)。具体的には、ユーザ装置分類部134は、N個のユーザ装置UEの各々について、ユーザ装置UEと、マクロ信号対干渉雑音比SINRMnと、ピコ信号対干渉雑音比SINRPnと、より大きな信号対干渉雑音比SINRとを対応付けたテーブルT(図10)を作成する。前述の集合Sおよび集合SがテーブルTの参照により提供されることは、当然に理解される。
なお、ステップS120とステップS130は、順次に実行されてもよく、並列的に実行されてもよい。
【0057】
次いで、制御部130の補正値設定部136が、解析用接続先判定部132から供給されたテーブルTとユーザ装置分類部134から供給されたテーブルTとに基づいて、マクロ基地局100に接続すべきユーザ装置UEの集合Rとピコ信号対干渉雑音比SINRの方が高いユーザ装置UEの集合Sとの積集合D(D=R∩S)に含まれるユーザ装置UEの個数が減少するように、補正値Aを設定する(ステップS140)。なお、集合Dに含まれるユーザ装置UEの個数が最少となるように補正値Aを設定してもよい。
【0058】
補正値Aは、集合Sにおけるマクロ受信電力RSRPとピコ受信電力RSRPとの差分値Δの分布に基づいて設定される。例えば、図11に示されるように、集合Dの占める面積がより小さくなるように補正値Aが設定される。補正値Aの設定は任意の手順により実行され得るが、例えば、複数設定された仮の補正値の各々について補正後の集合Dに含まれるユーザ装置UEの個数を算出し、補正前の集合Dに含まれるユーザ装置UEの個数よりも補正後の集合Dに含まれるユーザ装置UEの個数が減少する仮の補正値を正式な補正値Aとして採用してもよい。正式な補正値Aの候補となる複数の仮の補正値が存在する場合には、集合Dに含まれるユーザ装置UEの個数が最少となる補正値Aを採用すると好適である。その他、実験から得られたアルゴリズムを用いて補正値Aの設定が実行されてもよい。
補正値通知部138は、補正値設定部136により設定された補正値Aを無線通信部110を介して複数のユーザ装置UEの各々に通知(送信)する(ステップS150)。マクロ基地局100から通知された補正値Aは、ユーザ装置UEの無線通信部310に受信されて記憶部350に供給され記憶される。
【0059】
各ユーザ装置UEの特性値測定部332は、在圏セルC(Cm,Cp)に対応するマクロ受信電力RSRPMnおよびピコ受信電力RSRPPnを測定する(ステップS200)。
測定されたピコ受信電力RSRPPnは特性値補正部336に供給される。特性値補正部336は、マクロ基地局100から通知され記憶部350に記憶された補正値Aを読み出して用いて、供給されたピコ受信電力RSRPPnを補正し、補正後のピコ受信電力RSRPPn’(RSRPPn’=RSRPPn+A)を得る(ステップS210)。補正後のピコ受信電力RSRPPn’は接続用特性値報告部338に供給される。他方、測定されたマクロ受信電力RSRPMnは直接的に接続用特性値報告部338に供給される。
すなわち、ユーザ装置UEにおけるピコ受信電力RSRPPnのみが補正値Aによりオフセットされて補正後のピコ受信電力RSRPPn’となる。
【0060】
接続用特性値報告部338は、供給されたマクロ受信電力RSRPMnおよび補正後のピコ受信電力RSRPPn’を無線通信部310を介してマクロ基地局100に報告(送信)する(ステップS220)。報告されたマクロ受信電力RSRPMnおよび補正後のピコ受信電力RSRPPn’は制御部130の接続先選択部140に供給される。
【0061】
マクロ基地局100の接続先選択部140は、各ユーザ装置UEについて、供給されたマクロ受信電力RSRPMnおよび補正後のピコ受信電力RSRPPn’のうち、最も大きい(すなわち、最も良好な)受信電力RSRPに対応する無線基地局を、そのユーザ装置UEが接続すべき無線基地局として選択する(ステップS230)。そして、接続先選択部140は、各ユーザ装置UEについて選択された接続先の無線基地局を示す接続先情報Iを、無線通信部310を介してそのユーザ装置UEに通知する(ステップS240)。
【0062】
マクロ基地局100から通知された接続先情報Iは、ユーザ装置UEの無線通信部310に受信されて制御部330の接続部340に供給される。接続部340は、供給された接続先情報Iに基づいて無線接続を実行する(ステップS250)。すなわち、接続先情報Iが示す無線基地局にユーザ装置UEが既に無線接続している場合には、そのユーザ装置UEはその無線接続を維持する。一方、接続先情報Iが示す無線基地局にユーザ装置UEが無線接続していない場合には、そのユーザ装置UEはその示された無線基地局へのハンドオーバを実行する。
【0063】
以上のようにして、ユーザ装置UEに補正値Aが設定され(ステップS100〜S150)、ユーザ装置UEが接続すべき無線基地局が選択される(ステップS200〜S250)。なお、以上では、説明の簡単のため、補正値Aの設定と無線接続先の選択とが一連に説明されたが、補正値Aの設定および無線接続先の選択は相異なる頻度にて実行され得る。
例えば、所定の第1インターバル毎(例えば1秒毎)に補正値Aの設定(ステップS100〜S150)が実行され、第1インターバルよりも短い所定の第2インターバル毎(例えば1ミリ秒毎)に無線接続先の選択(ステップS200〜S250)が実行され得る。以上の構成によれば、ユーザ装置UEの制御部330に対する負荷が高い信号対干渉雑音比SINRの測定頻度が抑制されつつ、補正値Aの設定に信号対干渉雑音比SINRが考慮されることとなる。
【0064】
以上に説明した補正値Aの設定および補正値Aに基づく無線接続先の選択の結果、マクロ基地局100に接続されていた複数のユーザ装置UEの一部が、ピコ基地局200にハンドオーバされる(ピコセルCpにオフロードされる)。具体的には、図5に示すように、ピコ受信電力RSRPが補正される前には、位置L3(ピコ基地局200が配置される位置)と位置L2(ピコ受信電力RSRPとマクロ受信電力RSRPとが一致する位置)との間に存在するユーザ装置UEのみがピコ基地局200に無線接続されていたが、ピコ受信電力RSRPが補正された後には、位置L3と位置L1(補正後のピコ受信電力RSRP’とマクロ受信電力RSRPとが一致する位置)との間に存在するユーザ装置UEがピコ基地局200に無線接続される。すなわち、補正値Aによる補正により、位置L1と位置L2との間に位置するユーザ装置UEが、マクロ基地局100からピコ基地局200へとハンドオーバされる。
【0065】
以上の説明から理解されるように、ユーザ装置UEの特性値補正部336によるピコ受信電力RSRPの補正(補正値Aによる増加)は、各ユーザ装置UEにおけるピコ受信電力RSRPを擬似的に上昇させることで、ピコ基地局200が形成するピコセルCpの範囲を拡張させるように作用する。
【0066】
図12は、補正値Aによる補正の有無に応じたピコセルCpの範囲の変化を示した図であり、図5に対応している。補正無しの場合(図12(A))、位置L3に配置された不図示のピコ基地局200が形成するピコセルCpは、マクロ受信電力RSRPをピコ受信電力RSRPが上回る範囲(位置L2を境界上の点として含む範囲)を有するから、ユーザ装置UEの位置する位置Lu(位置L2よりもマクロ基地局100寄り)はピコセルCpの範囲外である。一方、補正ありの場合(図12(B))、ピコセルCpは、マクロ受信電力RSRPを補正後のピコ受信電力RSRP’が上回る範囲(位置L1を境界上の点として含む範囲)を有するから、ユーザ装置UEの位置する位置Lu(位置L1よりもピコ基地局200寄り)はピコセルCpの範囲内となる。以上に示したように、補正値Aを用いた補正により、ピコセルCpの範囲が拡大する。
【0067】
また、補正値Aによる補正によりマクロ基地局100からピコ基地局200へとハンドオーバされるのは、図11の太枠で示された範囲内のユーザ装置UEである。図7と図11との対比から理解されるように、補正の前後において、集合D(D=R∩S)に含まれるユーザ装置UEの個数が減少し、集合F(F=R∩S)に含まれるユーザ装置UEの個数が増加したことが理解される。
【0068】
以上に説明した実施の形態によれば、信号対干渉雑音比SINRを考慮して設定された補正値Aにより、ユーザ装置UEの無線接続先の選択の際に利用されるピコ受信電力RSRPが補正されるので、より信号対干渉雑音比SINRの高い(すなわち、より受信品質の良好な)無線基地局がユーザ装置UEの接続先基地局として選択され易くなる。
【0069】
第2の実施形態
本発明の第2実施形態を以下に説明する。以下に例示する各態様において、作用や機能が第1実施形態と同等である要素については、以上の説明で参照した符号を流用して各々の説明を適宜に省略する。
【0070】
図13は、第2実施形態のユーザ装置UEにおける信号対干渉雑音比SINRと、そのユーザ装置UEの接続先基地局との関係の説明図である。第1実施形態と同様に、マクロ受信電力RSRPとピコ受信電力RSRPとの差分値Δが正(Δ>0)のユーザ装置UEの集合を集合Rとし、差分値Δが負(Δ<0)のユーザ装置UEの集合を集合Rとする。
【0071】
第1実施形態の図7の差分値Δの分布とは異なり、図13では、集合S内のユーザ装置UEは全てが集合Rに含まれる。すなわち、受信電力RSRPに基づく接続先選択の結果、集合S内の全てのユーザ装置UEが、信号対干渉雑音比SINRがより高いピコ基地局200に接続すべきと判定される。
他方、集合S内のユーザ装置UEは、集合Rに含まれる部分集合Fと集合Rに含まれる部分集合Dとに分かれてしまう。すなわち、受信電力RSRPに基づく接続先選択の結果、集合S内の一部のユーザ装置UE(部分集合F内のユーザ装置UE)は信号対干渉雑音比SINRがより高いマクロ基地局100に接続すべきと判定されるが、集合S内の他の一部のユーザ装置UE(部分集合D内のユーザ装置UE)は信号対干渉雑音比SINRがより低いピコ基地局200に接続すべきと判定されてしまう。
第1実施形態と同様、電波の信号対干渉雑音比SINRがより低い基地局に接続されるユーザ装置UEの個数が多いことは、ユーザ装置UEのユーザの利便性および無線通信システム1全体の通信品質の観点等から考えて適当でない。
【0072】
したがって、第2実施形態では、制御部130の補正値設定部136が、解析用接続先判定部132から供給されたテーブルTとユーザ装置分類部134から供給されたテーブルTとに基づいて、ピコ基地局200に接続すべきユーザ装置UEの集合Rとマクロ信号対干渉雑音比SINRの方が高いユーザ装置UEの集合Sとの積集合D(D=R∩S)に含まれるユーザ装置UEの個数が減少するように、補正値Aを設定する(ステップS140)。なお、集合Dに含まれるユーザ装置UEの個数が最少となるように補正値Aを設定してもよい。
【0073】
補正値Aは、集合Sにおけるマクロ受信電力RSRPとピコ受信電力RSRPとの差分値Δの分布に基づいて設定される。例えば、図14に示されるように、集合Dの占める面積がより小さくなるように補正値Aが設定される。図14の例では、補正値Aは負の値(−5dB)に設定される。補正値Aの設定は任意の手順により実行され得るが、第1実施形態と同様に、複数設定された仮の補正値の各々について補正後の集合Dに含まれるユーザ装置UEの個数を算出し、補正の前後で集合Dに含まれるユーザ装置UEの個数が減少する仮の補正値を正式な補正値Aとして採用してもよい。正式な補正値Aの候補となる複数の仮の補正値が存在する場合には、集合Dに含まれるユーザ装置UEの個数が最少となる補正値Aを採用すると好適である。その他、実験から得られたアルゴリズムを用いて補正値Aの設定が実行されてもよい。
【0074】
以上の補正値Aの設定および補正値Aに基づく無線接続先の選択の結果、ピコ基地局200に接続されていた複数のユーザ装置UEの一部が、マクロ基地局100にハンドオーバされる。
以上に説明した実施の形態によれば第1実施形態と同様の作用および効果が奏される。
【0075】
第3の実施形態
第1実施形態では集合Dに含まれるユーザ装置UEの個数を減少させるように補正値Aを設定し、第2実施形態では集合Dに含まれるユーザ装置UEの個数を減少させるように補正値Aを設定した。しかしながら、集合Dおよび集合Dのいずれの集合に含まれるユーザ装置UEも、信号対干渉雑音比SINRがより低い無線基地局に接続されてしまうことには変わりない。そこで、第3実施形態では、信号対干渉雑音比SINRがより低い無線基地局に接続されるユーザ装置UEの総数を減少させるように補正値Aを設定する。
【0076】
具体的には、第3実施形態におけるマクロ基地局100の補正値設定部136は、解析用接続先判定部132から供給されたテーブルTとユーザ装置分類部134から供給されたテーブルTとに基づいて、マクロ基地局100に接続すべきユーザ装置UEの集合Rとピコ信号対干渉雑音比SINRの方が高いユーザ装置UEの集合Sとの積集合D(D=R∩S)に含まれるユーザ装置UEの個数と、ピコ基地局200に接続すべきユーザ装置UEの集合Rとマクロ信号対干渉雑音比SINRの方が高いユーザ装置UEの集合Sとの積集合D(D=R∩S)に含まれるユーザ装置UEの個数との合計数(すなわち、集合Dと集合Dとの和集合D(D=D∪D)に含まれるユーザ装置の個数)が減少するように、補正値Aを設定する(ステップS140)。なお、集合Dに含まれるユーザ装置UEの個数が最少となるように補正値Aを設定してもよい。
【0077】
補正値Aは、集合Sにおけるマクロ受信電力RSRPとピコ受信電力RSRPとの差分値Δの分布と、集合Sにおけるマクロ受信電力RSRPとピコ受信電力RSRPとの差分値Δの分布とに基づいて設定される。例えば、図15に示されるように、集合Dの占める面積と集合Dの占める面積との和がより小さくなるように補正値Aが設定される。補正値Aの設定は任意の手順により実行され得るが、第1実施形態および第2実施形態と同様に、複数設定された仮の補正値の各々について補正後の集合Dに含まれるユーザ装置UEの個数を算出し、補正の前後で集合Dに含まれるユーザ装置UEの個数が減少する仮の補正値を正式な補正値Aとして採用してもよい。正式な補正値Aの候補となる複数の仮の補正値が存在する場合には、集合Dに含まれるユーザ装置UEの個数が最少となる補正値Aを採用すると好適である。その他、実験から得られたアルゴリズムを用いて補正値Aの設定が実行されてもよい。
【0078】
以上に説明した実施の形態によれば、第1実施形態及び第2実施形態と同様の作用及び効果が奏される。また、補正値Aが増大するにつれて、集合Dのユーザ装置UEの個数が減少するとともに集合Dのユーザ装置UEの個数が増大することを考慮すると、集合Dのユーザ装置UEの個数のみ又は集合Dのユーザ装置UEの個数のみに基づいて補正値Aを設定する構成と比較して、集合Dのユーザ装置UEの個数と集合Dのユーザ装置UEの個数とのトレードオフに基づいたより適切な補正値Aの設定が可能となる。したがって、信号対干渉雑音比SINRがより高い無線基地局に接続されるユーザ装置UEの数をより増大させることが可能である。
【0079】
変形例
以上の実施の形態は多様に変形される。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は相互に矛盾しない限り適宜に併合され得る。
【0080】
(1)変形例1
任意の干渉制御技術を、以上の実施の形態と組み合わせることが可能である。例えば、図16に示すセル間干渉コーディネーション(enhanced Inter-Cell Interference Coordination,eICIC)を以上の各実施形態と組み合わせることが可能である。eICICとは、ヘテロジーニアスネットワークにおけるセル干渉制御技術の一種であり、相異なる送信電力(送信能力)を有する基地局間において、相異なる無線資源(時間、周波数等)を用いることにより、各基地局が送信する電波同士の干渉を抑制する技術である。例えば、図16の例示では、送信電力が相対的に大きいマクロ基地局100が周期的に電波の送信を停止することで、ピコ基地局200から送信される電波に対する干渉を抑制する。
【0081】
以上のeICICと本発明の各実施形態とを組み合わせ得る。すなわち、マクロ基地局100から送信された電波の受信電力RSRPと、マクロ基地局100が電波の送信を停止している際にピコ基地局200から送信された電波の受信電力RSRPとの比較に基づいてユーザ装置UEの接続先基地局を選択するeICICにおいて、マクロ基地局100から送信された電波の信号対干渉雑音比SINRおよびマクロ基地局100が電波の送信を停止している際にピコ基地局200から送信された電波の信号対干渉雑音比SINRを用いて、以上の実施形態と同様に補正値Aを設定し得る。
【0082】
以上の組み合わせによれば、各基地局から送信される電波同士の干渉がeICICにより抑制されつつ、本発明の各実施形態による適切な補正値の設定(すなわち、ユーザ装置UEの無線接続先の適切な選択)が実現される。したがって、無線資源のより公平かつより効率的な利用が実現される。また、eICICを適用すると、受信電力RSRPと信号対干渉雑音比SINRとが相関しない可能性(図6)が増大する。以上の組合せによれば、そのような場合であっても、信号対干渉雑音比SINRに基づいて補正値Aが適切に設定される。
【0083】
(2)変形例2
以上の実施の形態では、ユーザ装置UEが接続すべき無線基地局を選択する際の直接的な基準となる電波の受信特性は受信電力(RSRP)であったが、受信品質(Reference Signal Received Quality, RSRQ)等が基準となる電波の受信特性として採用されても良い。すなわち、接続先基地局を選択する際の直接的な基準となる電波の受信特性(すなわち、マクロ基地局100の解析用接続先判定部132および接続先選択部140にて使用される受信特性)は、ユーザ装置UEにおいて、干渉電力の測定等の高負荷処理を伴わずに、基地局毎に測定または算出が可能な電波の受信特性であればよい。
また、以上の実施の形態では、信号対干渉雑音比(SINR)を考慮して補正値Aを設定することで、希望波以外の成分が希望波に与える影響を加味した補正値の設定(ひいては、無線接続先)の選択を実現したが、例えば、信号対干渉比(SIR)または信号対雑音比(SNR)が補正値Aの設定の際に考慮されてもよい。すなわち、例えば、信号対干渉比(SIR)または信号対雑音比(SNR)に基づいてユーザ装置UEが分類されてもよい。
【0084】
(3)変形例3
以上の実施の形態では、値が大きいほど受信状態が良好であることを示す特性値である受信電力RSRPが採用されたが、値が小さいほど受信状態が良好であることを示す特性値が採用されてもよい。例えば、受信電力を示す値の逆数を特性値としてもよい。以上の場合では、より小さい特性値に対応する無線基地局がユーザ装置UEの無線接続先として解析用接続先判定部132および接続先選択部140に判定または選択される。
【0085】
(4)変形例4
以上の実施の形態では、マクロ基地局100よりも送信能力の低い基地局としてピコ基地局200が例示されたが、マイクロ基地局、ナノ基地局、フェムト基地局、リモートラジオヘッド等が送信能力の低い基地局として採用されてもよい。
特に、無線通信システム1の要素として、相異なる送信能力を有する複数の基地局の組合せ(例えば、マクロ基地局、ピコ基地局、およびフェムト基地局の組合せ)が採用されてもよい。その場合、各基地局の送信能力に応じて補正値Aが個別に定められてもよい(例えば、ピコ基地局用に定められた補正値A1が、フェムト基地局用に定められた補正値A2と相違する)とより好適である。
【0086】
(5)変形例5
以上の実施の形態では、ユーザ装置UEの接続用特性値報告部338から報告された受信電力RSRP(RSRPMn,RSRPPn’)に基づいて、マクロ基地局100の接続先選択部140がそのユーザ装置UEの接続先となる無線基地局を選択したが、ユーザ装置UEの制御部330内に設けられた接続先選択部が、ユーザ装置UE自身が取得した受信電力RSRP(RSRPMn,RSRPPn’)に基づいて接続先となる無線基地局を選択してもよい。
【0087】
(6)変形例6
ユーザ装置UEは、各基地局(マクロ基地局100,ピコ基地局200)と無線通信が可能な任意の装置である。ユーザ装置UEは、例えばフィーチャーフォンまたはスマートフォン等の携帯電話端末でもよく、デスクトップ型パーソナルコンピュータでもよく、ノート型パーソナルコンピュータでもよく、UMPC(Ultra-Mobile Personal Computer)でもよく、携帯用ゲーム機でもよく、その他の無線端末でもよい。
【0088】
(7)変形例7
無線通信システム1内の各要素(マクロ基地局100、ピコ基地局200、ユーザ装置UE)においてCPUが実行する各機能は、CPUの代わりに、ハードウェアで実行してもよいし、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)、DSP(Digital Signal Processor)等のプログラマブルロジックデバイスで実行してもよい。
【符号の説明】
【0089】
1……無線通信システム、100……マクロ基地局、110……無線通信部、112……送受信アンテナ、120……基地局通信部、130……制御部、132……解析用接続先判定部、134……ユーザ装置分類部、136……補正値設定部、138……補正値通知部、140……接続先選択部、200……ピコ基地局、210……無線通信部、212……送受信アンテナ、220……基地局通信部、230……制御部、310……無線通信部、312……送受信アンテナ、330……制御部、332……特性値測定部、334……解析用特性値報告部、336……特性値補正部、338……接続用特性値報告部、340……接続部、350……記憶部、A……補正値、C……セル、Cm……マクロセル、Cp……ピコセル、I……接続先情報、L(0,1,2,3,u)……位置、RSRP……受信電力、RSRP……マクロ受信電力、RSRP……ピコ受信電力、SINR……信号対干渉雑音比、SINR……マクロ信号対干渉雑音比、SINR……ピコ信号対干渉雑音比、T,T……テーブル、UE……ユーザ装置、Δ……差分値。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1セルを形成する第1無線基地局と、
前記第1セル内に前記第1セルよりも面積が小さい第2セルを各々が形成する複数の第2無線基地局と、
前記第1セルおよび前記第2セルのうち移動局自身が在圏する在圏セルに対応する前記第1無線基地局および前記第2無線基地局の各々との間で電波を送受信して無線通信を実行可能な無線通信部を各々が備える複数の移動局と
を備える無線通信システムであって、
複数の前記移動局の各々は、
当該移動局が在圏する第1セルおよび第2セルに対応する第1無線基地局および第2無線基地局の各々から送信される電波に関する第1受信特性値および第2受信特性値を前記各電波について測定する特性値測定部と、
前記第1無線基地局および前記第2無線基地局の各々に対応する前記第1受信特性値および前記第2受信特性値を前記無線通信部を介して前記第1無線基地局に報告する特性値報告部とをさらに備え、
前記第1無線基地局は、
複数の前記移動局の各々について、当該移動局が報告した前記第1受信特性値および前記第2受信特性値の各々に対応する前記第1無線基地局および前記第2無線基地局のうち、前記第1受信特性値が最も良好である無線基地局を当該移動局が接続すべき無線基地局として判定する接続先判定部と、
複数の前記移動局のうち、前記第1無線基地局に対応する前記第2受信特性値が前記第2無線基地局に対応する前記第2受信特性値よりも良好である移動局を第1移動局群に分類し、前記第2無線基地局に対応する前記第2受信特性値が前記第1無線基地局に対応する前記第2受信特性値よりも良好である移動局を第2移動局群に分類する移動局分類部と、
前記第2移動局群内の移動局のうち、前記第1無線基地局に接続すべきと前記接続先判定部に判定される第1受信特性値を有する移動局の数が減少するように、前記第2移動局群内の移動局の各々が測定した、前記第1無線基地局に対応する前記第1受信特性値と前記第2無線基地局に対応する前記第1受信特性値との差分値の分布に基づいて、複数の前記移動局の各々が測定した前記第2無線基地局の各々に対応する前記第1受信特性値を補正する補正値を設定する補正値設定部と、
前記補正値設定部で設定された前記補正値を複数の前記移動局に通知する補正値通知部とを備え、
複数の前記移動局の各々は、
前記第1無線基地局の前記補正値通知部から通知された前記補正値を用いて、前記特性値測定部で測定された前記第2無線基地局から送信される電波に関する前記第1受信特性値を補正する特性値補正部をさらに備え、
前記第1無線基地局または複数の前記移動局の各々は、
前記第1無線基地局に対応する前記第1受信特性値と前記補正値により補正された前記第2無線基地局に対応する第1受信特性値とのうち、最も良好な第1受信特性値に対応する無線基地局を当該移動局が接続すべき無線基地局として選択する接続先選択部を備える
無線通信システム。
【請求項2】
前記第1無線基地局の前記補正値設定部は、前記第2移動局群内の移動局のうち、前記第1無線基地局に接続すべきと前記接続先判定部に判定される第1受信特性値を有する移動局の数が最少となるように、複数の前記移動局の各々が測定した前記第2無線基地局の各々に対応する前記第1受信特性値を補正する前記補正値を設定する
請求項1の無線通信システム。
【請求項3】
第1セルを形成する第1無線基地局と、
前記第1セル内に前記第1セルよりも面積が小さい第2セルを各々が形成する複数の第2無線基地局と、
前記第1セルおよび前記第2セルのうち移動局自身が在圏する在圏セルに対応する前記第1無線基地局および前記第2無線基地局の各々との間で電波を送受信して無線通信を実行可能な無線通信部を各々が備える複数の移動局と
を備える無線通信システムであって、
複数の前記移動局の各々は、
当該移動局が在圏する第1セルおよび第2セルに対応する第1無線基地局および第2無線基地局の各々から送信される電波に関する第1受信特性値および第2受信特性値を前記各電波について測定する特性値測定部と、
前記第1無線基地局および前記第2無線基地局の各々に対応する前記第1受信特性値および前記第2受信特性値を前記無線通信部を介して前記第1無線基地局に報告する特性値報告部とをさらに備え、
前記第1無線基地局は、
複数の前記移動局の各々について、当該移動局が報告した前記第1受信特性値および前記第2受信特性値の各々に対応する前記第1無線基地局および前記第2無線基地局のうち、前記第1受信特性値が最も良好である無線基地局を当該移動局が接続すべき無線基地局として判定する接続先判定部と、
複数の前記移動局のうち、前記第1無線基地局に対応する前記第2受信特性値が前記第2無線基地局に対応する前記第2受信特性値よりも良好である移動局を第1移動局群に分類し、前記第2無線基地局に対応する前記第2受信特性値が前記第1無線基地局に対応する前記第2受信特性値よりも良好である移動局を第2移動局群に分類する移動局分類部と、
前記第1移動局群内の移動局のうち、前記第2無線基地局に接続すべきと前記接続先判定部に判定される第1受信特性値を有する移動局の数が減少するように、前記第1移動局群内の移動局の各々が測定した、前記第1無線基地局に対応する前記第1受信特性値と前記第2無線基地局に対応する前記第1受信特性値との差分値の分布に基づいて、複数の前記移動局の各々が測定した前記第2無線基地局の各々に対応する前記第1受信特性値を補正する補正値を設定する補正値設定部と、
前記補正値設定部で設定された前記補正値を複数の前記移動局に通知する補正値通知部とを備え、
複数の前記移動局の各々は、
前記第1無線基地局の前記補正値通知部から通知された前記補正値を用いて、前記特性値測定部で測定された前記第2無線基地局から送信される電波に関する前記第1受信特性値を補正する特性値補正部をさらに備え、
前記第1無線基地局または複数の前記移動局の各々は、
前記第1無線基地局に対応する前記第1受信特性値と前記補正値により補正された前記第2無線基地局に対応する第1受信特性値とのうち、最も良好な第1受信特性値に対応する無線基地局を当該移動局が接続すべき無線基地局として選択する接続先選択部を備える
無線通信システム。
【請求項4】
前記第1無線基地局の前記補正値設定部は、前記第1移動局群内の移動局のうち、前記第2無線基地局に接続すべきと前記接続先判定部に判定される第1受信特性値を有する移動局の数が最少となるように、複数の前記移動局の各々が測定した前記第2無線基地局の各々に対応する前記第1受信特性値を補正する前記補正値を設定する
請求項3の無線通信システム。
【請求項5】
第1セルを形成する第1無線基地局と、
前記第1セル内に前記第1セルよりも面積が小さい第2セルを各々が形成する複数の第2無線基地局と、
前記第1セルおよび前記第2セルのうち移動局自身が在圏する在圏セルに対応する前記第1無線基地局および前記第2無線基地局の各々との間で電波を送受信して無線通信を実行可能な無線通信部を各々が備える複数の移動局と
を備える無線通信システムであって、
複数の前記移動局の各々は、
当該移動局が在圏する第1セルおよび第2セルに対応する第1無線基地局および第2無線基地局の各々から送信される電波に関する第1受信特性値および第2受信特性値を前記各電波について測定する特性値測定部と、
前記第1無線基地局および前記第2無線基地局の各々に対応する前記第1受信特性値および前記第2受信特性値を前記無線通信部を介して前記第1無線基地局に報告する特性値報告部とをさらに備え、
前記第1無線基地局は、
複数の前記移動局の各々について、当該移動局が報告した前記第1受信特性値および前記第2受信特性値の各々に対応する前記第1無線基地局および前記第2無線基地局のうち、前記第1受信特性値が最も良好である無線基地局を当該移動局が接続すべき無線基地局として判定する接続先判定部と、
複数の前記移動局のうち、前記第1無線基地局に対応する前記第2受信特性値が前記第2無線基地局に対応する前記第2受信特性値よりも良好である移動局を第1移動局群に分類し、前記第2無線基地局に対応する前記第2受信特性値が前記第1無線基地局に対応する前記第2受信特性値よりも良好である移動局を第2移動局群に分類する移動局分類部と、
前記第2移動局群内の移動局のうち前記第1無線基地局に接続すべきと前記接続先判定部に判定される第1受信特性値を有する移動局と、前記第1移動局群内の移動局のうち前記第2無線基地局に接続すべきと前記接続先判定部に判定される第1受信特性値を有する移動局との合計数が減少するように、前記第2移動局群内の移動局の各々が測定した、前記第1無線基地局に対応する前記第1受信特性値と前記第2無線基地局に対応する前記第1受信特性値との差分値の分布と、前記第1移動局群内の移動局の各々が測定した、前記第1無線基地局に対応する前記第1受信特性値と前記第2無線基地局に対応する前記第1受信特性値との差分値の分布とに基づいて、複数の前記移動局の各々が測定した前記第2無線基地局の各々に対応する前記第1受信特性値を補正する補正値を設定する補正値設定部と、
前記補正値設定部で設定された前記補正値を複数の前記移動局に通知する補正値通知部とを備え、
複数の前記移動局の各々は、
前記第1無線基地局の前記補正値通知部から通知された前記補正値を用いて、前記特性値測定部で測定された前記第2無線基地局から送信される電波に関する前記第1受信特性値を補正する特性値補正部をさらに備え、
前記第1無線基地局または複数の前記移動局の各々は、
前記第1無線基地局に対応する前記第1受信特性値と前記補正値により補正された前記第2無線基地局に対応する第1受信特性値とのうち、最も良好な第1受信特性値に対応する無線基地局を当該移動局が接続すべき無線基地局として選択する接続先選択部を備える
無線通信システム。
【請求項6】
前記第1無線基地局の前記補正値設定部は、前記第2移動局群内の移動局のうち前記第1無線基地局に接続すべきと前記接続先判定部に判定される第1受信特性値を有する移動局と、前記第1移動局群内の移動局のうち前記第2無線基地局に接続すべきと前記接続先判定部に判定される第1受信特性値を有する移動局との合計数が最少となるように、複数の前記移動局の各々が測定した前記第2無線基地局の各々に対応する前記第1受信特性値を補正する前記補正値を設定する
請求項5の無線通信システム。
【請求項7】
所定の第1インターバル毎に、
複数の前記移動局の各々が、前記第1受信特性値および前記第2受信特性値の測定および報告を実行し、前記第1無線基地局が、複数の前記移動局の各々が接続すべき無線基地局の判定、複数の前記移動局の分類、前記補正値の設定、および複数の前記移動局への前記補正値の通知を実行し、
前記第1インターバルよりも短い所定の第2インターバル毎に、
複数の前記移動局の各々が、前記第1受信特性値の測定、および、前記補正値を用いた、前記第2無線基地局からの前記電波に関する前記第1受信特性値の補正を実行し、前記第1無線基地局または複数の前記移動局の各々が、当該移動局が接続すべき無線基地局の選択を実行する
請求項1から6のいずれか1項に記載の無線通信システム。
【請求項8】
第1セルを形成する第1無線基地局と、
前記第1セル内に前記第1セルよりも面積が小さい第2セルを各々が形成する複数の第2無線基地局と、
前記第1セルおよび前記第2セルのうち移動局自身が在圏する在圏セルに対応する前記第1無線基地局および前記第2無線基地局の各々との間で電波を送受信して無線通信を実行可能な無線通信部と、当該移動局が在圏する第1セルおよび第2セルに対応する第1無線基地局および第2無線基地局の各々から送信される電波に関する第1受信特性値および第2受信特性値を前記各電波について測定する特性値測定部と、前記第1無線基地局および前記第2無線基地局の各々に対応する前記第1受信特性値および前記第2受信特性値を前記無線通信部を介して前記第1無線基地局に報告する特性値報告部と、を各々が備える複数の移動局と
を備える無線通信システムにおける第1無線基地局であって、
複数の前記移動局の各々について、当該移動局が報告した前記第1受信特性値および前記第2受信特性値の各々に対応する前記第1無線基地局および前記第2無線基地局のうち、前記第1受信特性値が最も良好である無線基地局を当該移動局が接続すべき無線基地局として判定する接続先判定部と、
複数の前記移動局のうち、前記第1無線基地局に対応する前記第2受信特性値が前記第2無線基地局に対応する前記第2受信特性値よりも良好である移動局を第1移動局群に分類し、前記第2無線基地局に対応する前記第2受信特性値が前記第1無線基地局に対応する前記第2受信特性値よりも良好である移動局を第2移動局群に分類する移動局分類部と、
前記第2移動局群内の移動局のうち、前記第1無線基地局に接続すべきと前記接続先判定部に判定される第1受信特性値を有する移動局の数が減少するように、前記第2移動局群内の移動局の各々が測定した、前記第1無線基地局に対応する前記第1受信特性値と前記第2無線基地局に対応する前記第1受信特性値との差分値の分布に基づいて、複数の前記移動局の各々が測定した前記第2無線基地局の各々に対応する前記第1受信特性値を補正する補正値を設定する補正値設定部と、
前記補正値設定部で設定された前記補正値を複数の前記移動局に通知する補正値通知部とを備える
無線基地局。
【請求項9】
第1セルを形成する第1無線基地局と、
前記第1セル内に前記第1セルよりも面積が小さい第2セルを各々が形成する複数の第2無線基地局と、
前記第1セルおよび前記第2セルのうち移動局自身が在圏する在圏セルに対応する前記第1無線基地局および前記第2無線基地局の各々との間で電波を送受信して無線通信を実行可能な無線通信部と、当該移動局が在圏する第1セルおよび第2セルに対応する第1無線基地局および第2無線基地局の各々から送信される電波に関する第1受信特性値および第2受信特性値を前記各電波について測定する特性値測定部と、前記第1無線基地局および前記第2無線基地局の各々に対応する前記第1受信特性値および前記第2受信特性値を前記無線通信部を介して前記第1無線基地局に報告する特性値報告部と、を各々が備える複数の移動局と
を備える無線通信システムにおける第1無線基地局であって、
複数の前記移動局の各々について、当該移動局が報告した前記第1受信特性値および前記第2受信特性値の各々に対応する前記第1無線基地局および前記第2無線基地局のうち、前記第1受信特性値が最も良好である無線基地局を当該移動局が接続すべき無線基地局として判定する接続先判定部と、
複数の前記移動局のうち、前記第1無線基地局に対応する前記第2受信特性値が前記第2無線基地局に対応する前記第2受信特性値よりも良好である移動局を第1移動局群に分類し、前記第2無線基地局に対応する前記第2受信特性値が前記第1無線基地局に対応する前記第2受信特性値よりも良好である移動局を第2移動局群に分類する移動局分類部と、
前記第1移動局群内の移動局のうち、前記第2無線基地局に接続すべきと前記接続先判定部に判定される第1受信特性値を有する移動局の数が減少するように、前記第1移動局群内の移動局の各々が測定した、前記第1無線基地局に対応する前記第1受信特性値と前記第2無線基地局に対応する前記第1受信特性値との差分値の分布に基づいて、複数の前記移動局の各々が測定した前記第2無線基地局の各々に対応する前記第1受信特性値を補正する補正値を設定する補正値設定部と、
前記補正値設定部で設定された前記補正値を複数の前記移動局に通知する補正値通知部とを備える
無線基地局。
【請求項10】
第1セルを形成する第1無線基地局と、
前記第1セル内に前記第1セルよりも面積が小さい第2セルを各々が形成する複数の第2無線基地局と、
前記第1セルおよび前記第2セルのうち移動局自身が在圏する在圏セルに対応する前記第1無線基地局および前記第2無線基地局の各々との間で電波を送受信して無線通信を実行可能な無線通信部と、当該移動局が在圏する第1セルおよび第2セルに対応する第1無線基地局および第2無線基地局の各々から送信される電波に関する第1受信特性値および第2受信特性値を前記各電波について測定する特性値測定部と、前記第1無線基地局および前記第2無線基地局の各々に対応する前記第1受信特性値および前記第2受信特性値を前記無線通信部を介して前記第1無線基地局に報告する特性値報告部と、を各々が備える複数の移動局と
を備える無線通信システムにおける第1無線基地局であって、
複数の前記移動局の各々について、当該移動局が報告した前記第1受信特性値および前記第2受信特性値の各々に対応する前記第1無線基地局および前記第2無線基地局のうち、前記第1受信特性値が最も良好である無線基地局を当該移動局が接続すべき無線基地局として判定する接続先判定部と、
複数の前記移動局のうち、前記第1無線基地局に対応する前記第2受信特性値が前記第2無線基地局に対応する前記第2受信特性値よりも良好である移動局を第1移動局群に分類し、前記第2無線基地局に対応する前記第2受信特性値が前記第1無線基地局に対応する前記第2受信特性値よりも良好である移動局を第2移動局群に分類する移動局分類部と、
前記第2移動局群内の移動局のうち前記第1無線基地局に接続すべきと前記接続先判定部に判定される第1受信特性値を有する移動局と、前記第1移動局群内の移動局のうち前記第2無線基地局に接続すべきと前記接続先判定部に判定される第1受信特性値を有する移動局との合計数が減少するように、前記第2移動局群内の移動局の各々が測定した、前記第1無線基地局に対応する前記第1受信特性値と前記第2無線基地局に対応する前記第1受信特性値との差分値の分布と、前記第1移動局群内の移動局の各々が測定した、前記第1無線基地局に対応する前記第1受信特性値と前記第2無線基地局に対応する前記第1受信特性値との差分値の分布とに基づいて、複数の前記移動局の各々が測定した前記第2無線基地局の各々に対応する前記第1受信特性値を補正する補正値を設定する補正値設定部と、
前記補正値設定部で設定された前記補正値を複数の前記移動局に通知する補正値通知部とを備える
無線基地局。
【請求項11】
第1セルを形成する第1無線基地局と、
前記第1セル内に前記第1セルよりも面積が小さい第2セルを各々が形成する複数の第2無線基地局と、
前記第1セルおよび前記第2セルのうち移動局自身が在圏する在圏セルに対応する前記第1無線基地局および前記第2無線基地局の各々との間で電波を送受信して無線通信を実行可能な無線通信部を各々が備える複数の移動局と
を備える無線通信システムにおける通信制御方法であって、
複数の前記移動局の各々が、当該移動局が在圏する第1セルおよび第2セルに対応する第1無線基地局および第2無線基地局の各々から送信される電波に関する第1受信特性値および第2受信特性値を前記各電波について測定し、前記第1無線基地局および前記第2無線基地局の各々に対応する前記第1受信特性値および前記第2受信特性値を前記無線通信部を介して前記第1無線基地局に報告し、
複数の前記移動局の各々について、当該移動局が報告した前記第1受信特性値および前記第2受信特性値の各々に対応する前記第1無線基地局および前記第2無線基地局のうち、前記第1受信特性値が最も良好である無線基地局を当該移動局が接続すべき無線基地局として判定し、
複数の前記移動局のうち、前記第1無線基地局に対応する前記第2受信特性値が前記第2無線基地局に対応する前記第2受信特性値よりも良好である移動局を第1移動局群に分類し、前記第2無線基地局に対応する前記第2受信特性値が前記第1無線基地局に対応する前記第2受信特性値よりも良好である移動局を第2移動局群に分類し、
前記第2移動局群内の移動局のうち、前記第1無線基地局に接続すべきと判定される第1受信特性値を有する移動局の数が減少するように、前記第2移動局群内の移動局の各々が測定した、前記第1無線基地局に対応する前記第1受信特性値と前記第2無線基地局に対応する前記第1受信特性値との差分値の分布に基づいて、複数の前記移動局の各々が測定した前記第2無線基地局の各々に対応する前記第1受信特性値を補正する補正値を設定し、
設定された前記補正値を複数の前記移動局に通知し、
複数の前記移動局の各々が、前記第1無線基地局から通知された前記補正値を用いて、測定された前記第2無線基地局から送信される電波に関する前記第1受信特性値を補正し、
前記第1無線基地局に対応する前記第1受信特性値と前記補正値により補正された前記第2無線基地局に対応する第1受信特性値とのうち、最も良好な第1受信特性値に対応する無線基地局を当該移動局が接続すべき無線基地局として選択する
通信制御方法。
【請求項12】
第1セルを形成する第1無線基地局と、
前記第1セル内に前記第1セルよりも面積が小さい第2セルを各々が形成する複数の第2無線基地局と、
前記第1セルおよび前記第2セルのうち移動局自身が在圏する在圏セルに対応する前記第1無線基地局および前記第2無線基地局の各々との間で電波を送受信して無線通信を実行可能な無線通信部を各々が備える複数の移動局と
を備える無線通信システムにおける通信制御方法であって、
複数の前記移動局の各々が、当該移動局が在圏する第1セルおよび第2セルに対応する第1無線基地局および第2無線基地局の各々から送信される電波に関する第1受信特性値および第2受信特性値を前記各電波について測定し、前記第1無線基地局および前記第2無線基地局の各々に対応する前記第1受信特性値および前記第2受信特性値を前記無線通信部を介して前記第1無線基地局に報告し、
複数の前記移動局の各々について、当該移動局が報告した前記第1受信特性値および前記第2受信特性値の各々に対応する前記第1無線基地局および前記第2無線基地局のうち、前記第1受信特性値が最も良好である無線基地局を当該移動局が接続すべき無線基地局として判定し、
複数の前記移動局のうち、前記第1無線基地局に対応する前記第2受信特性値が前記第2無線基地局に対応する前記第2受信特性値よりも良好である移動局を第1移動局群に分類し、前記第2無線基地局に対応する前記第2受信特性値が前記第1無線基地局に対応する前記第2受信特性値よりも良好である移動局を第2移動局群に分類し、
前記第1移動局群内の移動局のうち、前記第2無線基地局に接続すべきと判定される第1受信特性値を有する移動局の数が減少するように、前記第1移動局群内の移動局の各々が測定した、前記第1無線基地局に対応する前記第1受信特性値と前記第2無線基地局に対応する前記第1受信特性値との差分値の分布に基づいて、複数の前記移動局の各々が測定した前記第2無線基地局の各々に対応する前記第1受信特性値を補正する補正値を設定し、
設定された前記補正値を複数の前記移動局に通知し、
複数の前記移動局の各々が、前記第1無線基地局から通知された前記補正値を用いて、測定された前記第2無線基地局から送信される電波に関する前記第1受信特性値を補正し、
前記第1無線基地局に対応する前記第1受信特性値と前記補正値により補正された前記第2無線基地局に対応する第1受信特性値とのうち、最も良好な第1受信特性値に対応する無線基地局を当該移動局が接続すべき無線基地局として選択する
通信制御方法。
【請求項13】
第1セルを形成する第1無線基地局と、
前記第1セル内に前記第1セルよりも面積が小さい第2セルを各々が形成する複数の第2無線基地局と、
前記第1セルおよび前記第2セルのうち移動局自身が在圏する在圏セルに対応する前記第1無線基地局および前記第2無線基地局の各々との間で電波を送受信して無線通信を実行可能な無線通信部を各々が備える複数の移動局と
を備える無線通信システムにおける通信制御方法であって、
複数の前記移動局の各々が、当該移動局が在圏する第1セルおよび第2セルに対応する第1無線基地局および第2無線基地局の各々から送信される電波に関する第1受信特性値および第2受信特性値を前記各電波について測定し、前記第1無線基地局および前記第2無線基地局の各々に対応する前記第1受信特性値および前記第2受信特性値を前記無線通信部を介して前記第1無線基地局に報告し、
複数の前記移動局の各々について、当該移動局が報告した前記第1受信特性値および前記第2受信特性値の各々に対応する前記第1無線基地局および前記第2無線基地局のうち、前記第1受信特性値が最も良好である無線基地局を当該移動局が接続すべき無線基地局として判定し、
複数の前記移動局のうち、前記第1無線基地局に対応する前記第2受信特性値が前記第2無線基地局に対応する前記第2受信特性値よりも良好である移動局を第1移動局群に分類し、前記第2無線基地局に対応する前記第2受信特性値が前記第1無線基地局に対応する前記第2受信特性値よりも良好である移動局を第2移動局群に分類し、
前記第2移動局群内の移動局のうち前記第1無線基地局に接続すべきと判定される第1受信特性値を有する移動局と、前記第1移動局群内の移動局のうち前記第2無線基地局に接続すべきと判定される第1受信特性値を有する移動局との合計数が減少するように、前記第2移動局群内の移動局の各々が測定した、前記第1無線基地局に対応する前記第1受信特性値と前記第2無線基地局に対応する前記第1受信特性値との差分値の分布と、前記第1移動局群内の移動局の各々が測定した、前記第1無線基地局に対応する前記第1受信特性値と前記第2無線基地局に対応する前記第1受信特性値との差分値の分布とに基づいて、複数の前記移動局の各々が測定した前記第2無線基地局の各々に対応する前記第1受信特性値を補正する補正値を設定し、
設定された前記補正値を複数の前記移動局に通知し、
複数の前記移動局の各々が、前記第1無線基地局から通知された前記補正値を用いて、測定された前記第2無線基地局から送信される電波に関する前記第1受信特性値を補正し、
前記第1無線基地局に対応する前記第1受信特性値と前記補正値により補正された前記第2無線基地局に対応する第1受信特性値とのうち、最も良好な第1受信特性値に対応する無線基地局を当該移動局が接続すべき無線基地局として選択する
通信制御方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−42321(P2013−42321A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−177428(P2011−177428)
【出願日】平成23年8月15日(2011.8.15)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】