説明

無線通信システムにおける方法及び装置

ビーム形成精度を改善するためにユーザ装置の第1の位置パラメータαを計算する方法と第1の基地局の装置が提供される。第1の基地局とユーザ装置は第2の基地局と共に多地点協調(CoMP)システムに含まれる。方法は、ユーザ装置から受信した信号を測定するステップと、測定した信号に基づき第1のパラメータα´を推定するステップと、第2の基地局で推定した、ユーザ装置の推定した第2の位置パラメータβに基づき、第2のパラメータ値α´´を取得するステップと、推定した第1のパラメータα´と、取得した第2のパラメータ値α´´に基づき第1の位置パラメータαを計算するステップと、を含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基地局内の方法及び装置に関する。本発明は、特に、多地点協調(CoMP)システム内のユーザ装置の第1の位置パラメータを計算するメカニズムに関する。
【背景技術】
【0002】
多地点協調(CoMP)は、セルのエッジでのスループットや、高いデータ・レートのカバレッジをさらに改良し、及び/又は、システム・スループットを増加させる、ロング・ターム・エボリューション(LTE)アドバンスの主要な特徴であり、下りリンクに関する第3世代パートナーシップ・プロジェクト(3GPP)のLTEアドバンスの要求条件を満たすことを目的としている。現在、上りリンクとは、ユーザ装置(UE)から基地局への通信を意味し、下りリンクとは、反対の方向、つまり、基地局からユーザ装置への通信を意味している。下りCoMP伝送は、複数の地理的に分散したアンテナ・サイトでの送信が動的に調整されるシステムを意味している。調整は、異なるサイト間の直接的な通信により分散して、或いは、中央の調整ノードにより実行される。調整された送信方法の例は、協調スケジューリング及び/又は協調ビーム形成と、ジョイント・プロセッシング/伝送の2つの主要なカテゴリを含んでいる。
【0003】
協調スケジューリング及び/又は協調ビーム形成
これは、例えば、受信信号品質をコヒーレントに又は非コヒーレントに改善するため、及び/又は、他のユーザ装置への干渉を能動的にキャンセルするために、単一ユーザ装置へのデータが、複数の送信ポイントから同時に送信されることが特徴であり、ユーザ・データが複数の協調送信ポイントにて使用できる様にしなければならないので、協調リンク及びバックホールに高い要求を課す。
【0004】
協調スケジューリング:協調スケジューリングは、CoMPへの最も簡単なアプローチであり、協調セット内のアタッチ・セル間の相互干渉を最小にする様に、ユーザ装置は、アタッチ・セルから受けるサービスについてスケジュールされる。これは、LTEのリリース8に既に存在するセル間干渉調整(ICIC)機能のある種の拡張とみなされる。これは、スケジュールに基づく解決策であるので、物理層のユーザ・データの送受信には変更がない。
【0005】
協調ビーム形成:協調セットの送信ポイントがアンテナ・アレイを備えていると、マルチ・アンテナのユーザ装置は、複数のデータ・ストリームを受信できる。ここで、複数のデータ・ストリームは、協調セットの複数の送信ポイント又は単一の送信ポイントから送信され得る。加えて、ビーム・グリッド(GOB:Grid−of−Beams)に基づく空間分割多重アクセス(SDMA)及び/又は複数ユーザ・ビーム形成は多くの注目を集めている。協調ビーム形成は、協調セットの総ての送信ポイントでアンテナ・アレイの送信チャネル相関行列を推定する必要があり、それは、上りリンクのサウンディング基準信号(SRS)により取得できる。
【0006】
ジョイント・プロセッシング/送信
ジョイント・プロセッシング/送信を含む協調送信法は、受信信号品質をコヒーレントに又は非コヒーレントに改善するため、及び/又は、他のユーザ装置への干渉を能動的にキャンセルするために、単一ユーザ装置へのデータが、複数の送信ポイントから同時に送信されることが特徴であり、ユーザ・データが複数の協調送信ポイントにて使用できる様にしなければならないので、協調リンク又はバックホールに高い要求を課す。
【0007】
幾つか実施形態によると、ジョイント・プロセッシング/送信は、複数の送信ポイントから実行され、コヒーレントな方法でプリコードされる。時分割複信(TDD)システムにおいて、上りリンクと下りリンクのチャネルの相互関係は、原理上、上りリンクのSRSの送信に基づき、ネットワーク側でこのCSIを捕捉するために使用され得る。その間、アナログ受信/送信チェインによる差を解決する必要がある。周波数分割複信(FDD)システムにおいて、下りリンク・チャネルに関するCSIは、各ユーザ装置から協調センタに明示的にフィードバックされなければならない。上りリンクでのこのフィードバックをサポートするために必要なビット・レートは、幾つかの要因、例えば、ユーザ装置の速度、周波数領域のチャネル選択性を非常に増加させ、困難な問題となる。
【0008】
下りリンクCoMPの実装
上述した異なるカテゴリのために、異なるデザインが考えられる。協調スケジューリングの場合、実際の下りリンク送信は、LTEのリリース8が無線干渉仕様への特別な影響がないと暗示する通りに正確に実行され得る。複数ストリームの下りリンク伝送を伴う協調ビーム形成の場合、協調ビーム形成はコードブックから取得されない適応的なビーム重みを利用するので、複数のユーザ装置の固有基準信号(DRS)が必要であり、DRSをpサポートする様に標準化され、複数のDRSはチャネル復調に使用されている。
【0009】
ジョイント送信の場合、2つの選択肢が可能である。ジョイント送信は、異なるセルに関連するかもしれないセル固有アンテナ・ポートの集合から生じるとみなすことができる。これは、LTEのリリース8の、1つより多いセルのアンテナ・ポートへの、コードブックに基づく複数アンテナ送信の一般化とみなすことができる。この場合、ユーザ装置のチャネル推定は、ジョイント送信に含まれるアンテナ・ポートそれぞれに関連するセル固有基準信号に依存する。しかしながら、ユーザ装置は、どの様に送信が実行されているか、つまり、ジョイント送信に含まれているアンテナ・ポートの正確なセットと、各アンテナ・ポートに適用されている送信重みを知る必要がある。
【0010】
コードブックに基づかないビーム形成において、協調セットの各サイトは、ビーム形成ベクタを生成するために上りリンクSRSに基づくチャネル情報を必要とする。ビーム形成の精度は、下りリンクCoMP性能と直接関係する。しかし、実際の下りリンクCoMPシステムにおいて、ビーム形成精度は、幾つかの困難な問題に直面する。
【0011】
協調セットの異なるユーザ装置から異なるサイトへの異なるリンク品質。典型的に、CoMPシステムのユーザ装置の位置は、CoMPのスケジューリング戦略と、恐らくユーザ装置と異なるサイト間の異なる距離を得る幾何学的な構造に依存する。さらに、上りリンクのパワー制御と上りリンクのタイミング・アドバンスは、サイトの1つのみ、例えば、最も近いサイトにより調整される。異なる上りリンク伝送品質は、ビーム形成精度に影響を与える。
【0012】
よって、ユーザ装置から見ると、異なる上りリンク伝送品質の観点から、協調セットに2種類のサイトが存在する。一方は、"弱い"サイトとして参照する、ユーザ装置から比較的遠くにあるサイトであり、他方は、"強い"サイトとして参照する、ユーザ装置から比較的近くにあるサイトである。
【0013】
上記分析に基づき、下りリンクCoMP性能は、ある程度、弱いサイトにより影響を受け、制限され、ビーム形成精度を劣化させる可能性がある。弱いサイトのビーム形成精度を改良すると、例えば、複数ユーザ・ビーム形成システムの干渉を減らし、単一ユーザ・ビーム形成システムの信号パワーを増加させるといった、下りリンクCoMP性能の全体を改善できる。
【0014】
周波数分割複信(FDD)及び時分割複信(TDD)のコードブックに基づかないビーム形成のための様々な戦略が存在する。TDDにおいて、チャネル依存性は、チャネル行列分解による短期間ビーム形成の利益のために利用される。FDDでは、情報は、パスの損失と個々の帯域のチャネル依存性が無いことによる長期フェージングで制限されることを暗示している。しかし、FDD及びTDDの両方のための一般的な方法は、チャネルる依存性を利用できるか否かに拘らず、空間情報、例えば、到来方向(DoA)を利用することである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
この様に、例えば、改良した精度で到来方向又は距離を決定することによる、基地局に対するユーザ装置の位置の決定には問題がある。
【0016】
よって、本発明の目的は、上記欠点の少なくとも幾つかを防ぎ、無線通信システムの性能を改善するメカニズムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の第1の態様によると、目的は基地局での方法により達成される。本方法は、多地点協調(CoMP)通信システムのビーム形成精度を改良するために、ユーザ装置の第1の位置パラメータαを計算することを目的とする。通信システムは、第1の基地局と、ユーザ装置と、第2の基地局と、を有している。本方法は、ユーザ装置から受信した信号を測定するステップを含む。測定した信号に基づき、第1のパラメータ値α´が推定される。さらに、第2の基地局で推定した、ユーザ装置の推定した第2の位置パラメータβに基づき、第2のパラメータ値α´´が取得される。加えて、推定した第1のパラメータ値α´と、取得した第2のパラメータ値α´´に基づき第1の位置パラメータαが計算される。
【0018】
本発明の第2の態様によると、目的は、多地点協調(CoMP)通信システムのビーム形成精度を改良するために、ユーザ装置の第1の位置パラメータαを計算する、基地局内の装置により達成される。通信システムは、第1の基地局と、ユーザ装置と、第2の基地局と、を有している。本装置は、測定ユニットを備えている。測定ユニットは、ユーザ装置から受信した信号の測定を実行する様に構成されている。さらに、本装置は、推定ユニットを備えている。推定ユニットは、測定した信号に基づき、第1のパラメータ値α´を推定する様に構成されている。さらに、本装置は、取得ユニットを備えている。取得ユニットは、第2の基地局で推定した、ユーザ装置の推定した第2の位置パラメータβに基づき、第2のパラメータ値α´´を取得する様に構成されている。さらに、本装置は、計算ユニットを備えている。計算ユニットは、推定した第1のパラメータ値α´と、取得した第2のパラメータ値α´´に基づき第1の位置パラメータαを計算する様に構成されている。
【0019】
本解決法により、到来方向の推定を改良することで、多地点協調システムのビーム形成精度を改良することができる。多地点協調システム内の基地局ノード間の既知の地理的関係を使用することで、本方法は、FDD及びTDDの両環境において、柔軟に簡易に適用でき、かつ、容易に実行でき、よって、強固で信頼のある性能を達成する。本方法及び装置は、基地局の分類に、例えば、受信信号対雑音比(SNR)の様な物理的測定値の柔軟な選択を提供する。本発明の方法及び装置によると、到来方向の推定は、到来方向の改良された推定を相互に達成するために協調して動作する多くの利用可能な基地局ノードを使用することで改良され、よって、ビーム形成精度も改良される。さらに、本方法及び装置は、既知のCoMPの幾何構造の複数のサイトが送信した信号を使用することで、協調セットの1つ以上のサイトのDoD推定精度を改良することに適用できる。この様に、無線通信システムの性能が改善される。
【0020】
本発明の他の目的、利点及び新規な特徴は、本発明の以下の詳細な記載により明らかになる。
【0021】
本発明の例示的な実施形態を示す添付の図を参照して本発明について詳細に説明する
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の方法及び装置に適用できる例示的な通信システムを示すブロック図。
【図2A】空間領域における2次元推定誤差領域を示すブロック図。
【図2B】空間領域における、2つの完全に重なる2次元推定誤差領域を示すブロック図。
【図2C】空間領域における、2つの部分的に重なる2次元推定誤差領域を示すブロック図。
【図2D】空間領域における、2つの重ならない2次元推定誤差領域を示すブロック図。
【図3A】2つの基地局を含む通信システムの例示的な実施形態を示すブロック図。
【図3B】3つの基地局を含む通信システムの例示的な実施形態を示すブロック図。
【図4】本方法の幾つかの実施形態に含まれる方法ステップ及びシグナリングを示す、ブロック図とシグナリング方法の結合図。
【図5】基地局での本方法の実施形態を示すフローチャート。
【図6】基地局装置の実施形態を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明は、以下に記述する実施形態で実現され得る基地局での方法及び装置として定義される。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で実現でき、ここで記載する実施形態は、それらの開示により当業者に発明の範囲を正しく伝えるためのものであり、実施形態に限定するものではない。
【0024】
本発明のさらなる他の目的及び特徴は、添付の図面を参照しての以下の詳細な記述から明らかになる。しかしながら、図は説明を目的とするものであり、添付の特許請求の範囲により規定される発明を限定するものではないことを理解すべきである。さらに、図は、明記しない限り、ここで説明する構造を概念的に示すことを目的とするものであり、必ずしもそのスケールを示していないことを理解すべきである。
【0025】
図1は、例えば、任意の幾つかの可能な選択肢を述べると、LTE、LTEアドバンス、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)、発展型UMTS地上無線アクセス・ネットワーク(E−UTRAN)、GSM(登録商標)/EDGE(Global System for Mobile communications/Enhanced Data rate for GSM Evolution)、広帯域符号分割多重アクセス(WCDMA)、3GPP WCDMAシステム、WiMax(Worldwide Interoperability for Microwave Access)又はUMB(Ultra Mobile Broadband)の様な技術に基づく、多地点協調(CoMP)通信システム100を示している。
【0026】
図示するCoMP通信システム100は、第1の基地局110と、第2の基地局120と、ユーザ装置130と、を備えている。ユーザ装置130は、基地局110及び120と無線で通信する様に構成されている。
【0027】
図1は、本発明の方法と含まれる機能の一般的な概要を提供することを目的としている。
【0028】
以下、本発明の方法及び装置を、例えば、E−UTRANの様なLTEシステムへの特定の参照と共に詳細に説明する。この様に、ここではより良い理解と読み易さのために、CoMP通信システム100が主にE−UTRANネットワークであるものとして記述し、例示する。しかしながら、対応する概念を他のCoMP通信システム100に適用可能であることは、当業者には明らかである。
【0029】
基地局110、120は、例えば、使用している無線アクセス技術及び用語に応じて、例えば、ノードB、発展型ノードB(eNB又はeノードB)、基地送受信局、アクセスポイント基地局、基地局ルータ、セル内のユーザ装置130と通信できる他のネットワーク・ユニットとも呼ばれ得る。以下では、本発明の方法及び装置の理解を容易にするために、基地局110、120のために、用語"基地局"を使用する。
【0030】
ユーザ装置130は、例えば、無線通信端末、移動セルフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、無線プラットフォーム、ラップトップ・コンピュータ、コンピュータ又は基地局110、120と無線で通信できる任意の他の種類の装置を示している。
【0031】
基地局110、120は、各セル内の無線リソース管理を制御する。また、基地局110、120は、外部ARQ(自動再送要求)により、基地局110、120とユーザ装置130との信頼できる通信リンクを確立することに責任を負う。
【0032】
本方法及び装置の基本的な考え方は、既知のCoMPの幾何構造の複数サイトで受信する信号を使用することで、協調セットの1つ以上のサイトのために、ユーザ装置130の位置、ユーザ装置の位置パラメータ、及び/又は、到来方向(DoA)の推定精度を改良することである。
【0033】
幾つかの実施形態によると、強いサイトの到来方向精度は、強いサイト内において相互に改善できる。幾つかの実施形態によると、弱いサイトの到来方向精度は、強いサイトによって改善できる。
【0034】
ジョイント伝送に関し少なくとも簡潔に述べると、ジョイント伝送は、ユーザ装置130の特定のアンテナ・ポート、例えば、アンテナ・ポート5から生じるとみなすことができる。伝送は、セル固有アンテナ・ポートに基づくジョイント伝送と同じ物理的なアンテナ集合から行われ、これは、ユーザ装置130は、伝送にどの物理的アンテナの集合が含まれていると、その様な各アンテナに適用されたアンテナ重みを正確に知る必要が無いことを暗示する。現在のアンテナ・ポート5の伝送は空間多重をサポートし、幾つかの実施形態によるとCoMPシステム100でより大きな利点を得ることができる。
【0035】
コードブックに基づかない下りリンク・ビーム形成は、CoMPシステム100に良く適用でき、ビーム形成及び空間多重の組み合わせという利点を有する。複数のユーザ固有基準信号(DRS)が使用され得る。ビームは、協調セット間又は内の干渉回避と、隣接/現協調セットのユーザ装置130への信号漏えいを低減させる様に柔軟に設計され得る。ジョイント伝送のためのアンテナ・ポート5に基づく下りリンクのビーム形成は、少ない下りリンク信号オーバヘッドを伴うより柔軟な調整と、無線干渉仕様への限られた影響を可能にする。ジョイント伝送の物理アンテナ集合と各アンテナに適用するアンテナ重みを知る必要はなく、下りリンクCoMPの実装は大変簡略化できる。
【0036】
図2Aは、到来方向推定及び距離測定に関連する空間領域の2次元推定誤差領域を示している。
【0037】
誤差領域の幅及び広さは、角度及び距離の誤差に対応する。誤差領域の大きさは、各サイトでの受信信号対雑音比(SNR)で決定される。一般的に、受信SNRが高い程、到来方向推定精度及び距離測定精度が高くなり、よって、誤差領域は小さくなる。
【0038】
よって、CoMPシステム100においては、通常、弱いサイトは、低い受信SNRにより大きな推定誤差領域を有し、強いサイトは、高い受信SNRにより小さな推定誤差領域を有している。協調サイトによる誤差領域間の関係は、各サイトの不確実な領域を減らすことで、到来方向推定を改良できる。例えば、2つのサイトに関する2つの領域についての3つの場合を、それぞれ、図2B、2C及び2Dに示す。
【0039】
図2Bは、空間領域において完全に重なる2つの2次元誤差領域を有する第1の場合を示している。
【0040】
サイト110に対応する誤差領域1は、サイト120に対応する誤差領域2内に完全に含まれており、サイト120及び110の到来方向推定を良くする。
【0041】
図2Cは、空間領域において部分的に重なる2つの2次元誤差領域を有する第2の場合を示している。
【0042】
2つの誤差領域が部分的に重なると、不確実な領域が減少するので、サイト120及び110の到来方向推定を良くする。
【0043】
図2Dは、空間領域において重ならない2つの2次元誤差領域を有する第3の場合を示している。
【0044】
2つの誤差領域が全く重ならないのは、恐らく測定においてノイズが多すぎるからである。少なくとも1つのサイト110、120は、通信システム100内において信頼するには弱すぎるかもしれない。
【0045】
これは、なぜ協調サイト110、120が到来方向精度を改良するために互いにアシストし、CoMPシステム100の2つのサイト110、120より多いサイトに等しく適用され得るかを説明している。既知のCoMP幾何構造で、以下の関係が存在する。あるサイト110、120に関する各誤差領域は、サイト110、120の位置、到来方向、及び、ユーザ装置とサイト110、120の距離に依存する。誤差領域間の相互関係はシステム100の各サイト110、120の相対位置に依存し、これら誤差領域が重なるか否かを検査できる。各サイト110、120の不確実な領域を減少でき、これは、改良された推定精度をもたらす。
【0046】
図3Aは、2つの基地局110、120を有するCoMP通信システム100の例示的な実施形態を示している。
【0047】
図3Aにおいて、サイト110は強いサイトであり、ユーザ装置130とサイト110との距離L1が、まず、例えば、上りリンクのタイミング・アドバンス又はパス・ゲインに基づき測定され得る。続いて、弱いサイト120での追加の到来方向推定が、システム100の既知の幾何学構造と強いサイト110での到来方向推定を使用して計算され得る。システム100の幾何構造、つまり、距離L12並びに角度θ及びγが既知であるものとする。さらに、各サイト110、120で到来方向α及びβの推定を実行したものとする。この場合、
【0048】
【数1】

を求める。
【0049】
最後に、サイト110で推定した推定到来方向α´と上記計算したα´´を重み付けして以下の通り結合する。
α=a・α´+b・α´´ (2)
ここで、幾つかの実施形態によると、a+b=1であり、aは第1サイト110の第1の重み係数であり、bは第2サイト120の第2の重み係数である。第1及び第2の重み係数a、bは、タイミング・アドバンス、パス損失、受信信号対雑音比、又は、任意の同様の便利な測定値の様な、上りリンク・チャネル情報を使用して決定され得る。到来方向値のα´以外に、基地局110とユーザ装置130との距離L1が推定される。
【0050】
図3Bは、3つの基地局110、120、140を含む通信システム100の例示的な実施形態を示している。サイト120及び140は、強いサイトであり、サイト110は弱いサイトである。図3Aを用いて説明した計算と同様に、弱いサイト110での追加の到来方向の推定が、強いサイト120及び140の到来方向の推定を用いて以下の様に計算され得る。
【0051】
【数2】

ここで、L1は、サイト120及びサイト140に基づき以下の様に計算され得る。
【0052】
【数3】

【0053】
この様に、図3Aに示した実施形態に関する例とは異なり、距離L1を個別に推定する必要はない。式(4)を式(3)に代入することで、到来方向の推定α´´は、システム100の幾何構造、つまり、{ψ,δ,θ,L12,L14}とサイト120及び140の既知の到来方向の推定、つまり、{β,ω}のみに依存することが分かる。よって、協調セットの利用可能なサイト110、120、140が多くなると、各サイト110、120、140の到来方向の推定は、他の到来方向の推定と、CoMPシステム100の既知の幾何構造を使用することで、改善され得る。この場合、距離の測定は必要ではないかもしれない。最後に、推定α´及びα´´を重み付けして以下の通り結合する。
α=a・α´+b・α´´ (5)
ここで、a+b=1であり、aはサイト110の重み係数であり、bはサイト140の重み係数である。到来方向の推定は、反復法により改善され、そこでは、サイト110、120、140の到来方向の推定は、式(3)〜(5)により他のサイト110、120、140の到来方向の推定を用いて改善され、よって、他の実施形態によると、他のサイト110、120、140の推定を改善するために使用され得る。
【0054】
図4は、本方法の幾つかの実施形態に含まれる幾つかの方法ステップと、A〜Gで示すシグナリングを示している。本方法の可能な実施形態を複数の方法ステップA〜Fで記述する。方法ステップA〜Gは、列挙するのとは別の順番で実行され得る。また、記述する実施形態による方法ステップの幾つかは、オプションであり、幾つかの実施形態のみに含まれる。
【0055】
ステップA
ユーザ装置130は信号を送信する。信号は、幾つかの実施形態によると、複数の基地局110、120にブロードキャスト及び/又はマルチキャストされ得る。信号は、幾つかの例として、上りリンクのサウンディング基準信号(SRS)、上りリンクのタイミング・アドバンス、パス損失及び/又は信号強度の様な、情報を含み得る。
【0056】
ステップB
ユーザ装置の信号を、第1の基地局110が受信する。ユーザ装置130から受信した信号に基づき測定が行われる。この様に、第1の基地局110に関する第1の重み係数aが決定され得る。重み係数aは、上りリンクのサウンディング基準信号の信号対雑音比、上りリンクのタイミング・アドバンス及び/又はパス損失の推定といった基準のいずれかにより異なり得る。
【0057】
第1の基地局110は、よって、強い又は弱いサイトに分類され得る。強いサイトは、高い受信信号対雑音比、短い上りリンクのタイミング・アドバンス、或いは、低いパス損失を有するサイトであり、そうでなければ弱いサイトである。加えて、強いサイトは小さな誤差領域を意味するが、弱いサイトは大きな誤差領域を意味する。異なる実施形態において、オプションのパス損失閾値があらかじめ決定され、強いサイトと弱いサイトの分類の境界を形成する。
【0058】
ステップC
第1のパラメータ値α´が、ユーザ装置130から受信した測定された信号に基づき推定される。第1のパラメータ値α´は、例えば、到来方向値であり、例えば、到来角(AOA)、到来時間差(TDOA)、到来周波数差(FDOA)又は他の同様の関連する技術に基づき、任意の方法で推定され得る。
【0059】
ステップD
ユーザ装置の信号を、第2の基地局120が受信する。ユーザ装置130から受信した信号に基づき測定が行われる。この様に、第2の基地局120に関する第2の重み係数bが決定され得る。第2の重み係数bは、上りリンクのサウンディング基準信号の信号対雑音比、上りリンクのタイミング・アドバンス及び/又はパス損失の推定といった基準のいずれかにより異なり得る。
【0060】
第2の基地局120は、よって、強い又は弱いサイトに分類され得る。強いサイトは、高い受信信号対雑音比、短い上りリンクのタイミング・アドバンス、或いは、低いパス損失を有するサイトであり、そうでなければ弱いサイトである。加えて、強いサイトは小さな誤差領域を意味するが、弱いサイトは大きな誤差領域を意味する。異なる実施形態において、オプションのパス損失閾値があらかじめ決定され、強いサイトと弱いサイトの分類の境界を形成する。
【0061】
ステップE
パラメータ値βが、ユーザ装置130から受信した測定された信号に基づき推定される。パラメータ値βは、例えば、到来方向値であり、例えば、到来角(AOA)、到来時間差(TDOA)、到来周波数差(FDOA)又は他の同様の関連する技術に基づき、任意の方法で推定され得る。
【0062】
ステップF
幾つかの実施形態によると、推定したパラメータ値βは、第1の基地局110に送信される。第1の基地局110は、第2に基地局120から推定したパラメータ値βを受信し、第2のパラメータ値α´´を計算するための基礎として推定したパラメータ値βを使用する。
【0063】
しかしながら、他の実施形態によると、第2のパラメータ値α´´は推定したパラメータ値βに基づき第2の基地局120が計算する。他の実施形態によると、その後、第2のパラメータ値α´´は第1の基地局110に提供される。
【0064】
ステップG
推定した第1のパラメータ値α´と、取得した第2のパラメータ値´´に基づき、第1の位置パラメータαが計算される。
【0065】
幾つかの実施形態によると、ステップB及びステップDで決定した第1の重み係数a及び第2の重み係数bが、それぞれ、第1の位置パラメータαの計算を行うために使用され得る。重み係数a及びbは、幾つかの実施形態によるとa+b=1となる様に計算され、
α=a・α´+b・α´´
である。
【0066】
図5は、第1の基地局110で実行される方法ステップ501〜506の実施形態を示すフローチャートである。方法ステップ510〜506は、ユーザ装置130の第1の位置パラメータαを計算することを目的としている。第1の基地局110とユーザ装置130は、第2の基地局120と共に通信システム100に含まれる。通信システム100は、例えば、LTE無線ネットワークであり、第1の基地局110、第2の基地局120は、例えば、幾つかの実施形態によると、発展型ノードB、eNBであり得る。通信システム100は、多地点協調(CoMP)システムであり、本方法は、ビーム形成精度を改良するために使用される。
【0067】
ユーザ装置130の第1の位置パラメータαは、幾つかの実施形態によると、ユーザ装置130から受信した信号の到来方向、又は、第1の基地局110とユーザ装置130との距離のいずれかであり得る。
【0068】
ユーザ装置130の第1の位置パラメータαを近似的に計算するために、本方法は、複数の方法ステップ501から506を有する。
【0069】
しかしながら、記載した方法ステップの幾つかはオプションであり、幾つかの実施形態にのみ含まれる。さらに、方法ステップ501〜506は異なる時間順序で実行でき、それらの幾つか、例えば、ステップ502及びステップ503は、同時に又は異なる時間順序で実行され得る。本方法は、以下のステップを含み得る。
【0070】
ステップ501
ユーザ装置130から受信した信号の測定を実行する。測定は、上りリンクのサウンディング基準信号の信号対雑音比、上りリンクのタイミング・アドバンス及び/又はパス損失の推定といった基準のいずれかにより実行され得る。
【0071】
ステップ502
測定した信号に基づき、第1のパラメータ値α´が推定される。
【0072】
ステップ503
このステップはオプションであり、幾つかの実施形態でのみ実行される。
【0073】
幾つかの実施形態によると、ユーザ装置130からの測定した信号に基づき、第1の基地局110に関連する第1の重み係数aが決定され得る。
【0074】
第1の重み係数aは、ユーザ装置130から受信した、上記測定した信号に基づき、上りリンクのサウンディング基準信号の信号対雑音比、上りリンクのタイミング・アドバンス、パス損失の推定といった基準のいずれかにより決定され得る。
【0075】
ステップ504
第2のパラメータ値α´´が取得される。第2のパラメータ値α´´は、第2の基地局120で推定した、ユーザ装置130の推定した第2の位置パラメータβに基づく。
【0076】
幾つかの実施形態によると、第2のパラメータ値α´´は、第2の基地局120から受信される。この様に、これらの実施形態によると、第2のパラメータ値α´´は、第2の基地局120で計算され、結果が第1の基地局110に送信され得る。
【0077】
しかしながら、幾つかの実施形態によると、第2のパラメータ値α´´の取得は、第2の基地局120から、第2の基地局120が推定した、第2の位置パラメータβを受信するステップと、受信した第2の位置パラメータβと、第1の基地局110と第2の基地局120との間の既知の幾何的な関係とに基づき第2のパラメータ値α´´を計算するステップを含んでいる。この様に、幾つかの実施形態によると、第2のパラメータ値α´´は、第1の基地局110に送信される、第2の基地局130で実行した測定結果に基づき、第1の基地局110で計算され得る。
【0078】
ステップ505
このステップはオプションであり、幾つかの実施形態でのみ実行される。
【0079】
幾つかの実施形態によると、第2の基地局120に関連する第2の重み係数bが取得され得る。
【0080】
ステップ506
第1の位置パラメータαが計算される。第1の位置パラメータαの計算は、推定した第1のパラメータ値α´及び取得した第2のパラメータ値α´´に基づく。
【0081】
幾つかの実施形態によると、ユーザ装置の位置パラメータαは、以下の式に示す様に、第1の重み係数aを推定した第1のパラメータ値α´で乗じ、第2の重み係数bを取得した第2のパラメータ値α´´で乗じて合計することにより求められる。
α=a・α´+b・α´´
【0082】
図6は、第1の基地局110内の装置600を示している。装置600は、ユーザ装置130の第1の位置パラメータαを計算するために、方法ステップ501〜506の幾つか又は総てを実行する様に構成されている。
【0083】
第1の基地局110及びユーザ装置130は、第2の基地局120と共に通信システム100に含まれる。幾つかの実施形態によると、通信システム100は、例えば、LTE無線ネットワークであり、第1の基地局110、第2の基地局120は、発展型ノードB、eNBであり得る。通信システム100は、多地点協調(CoMP)システムであり、本方法は、ビーム形成精度を改善するために利用される。
【0084】
幾つかの実施形態によると、ユーザ装置130の第1の位置パラメータαは、ユーザ装置130から受信する信号の到来方向、又は、第1の基地局110とユーザ装置130との距離である。
【0085】
方法ステップ501〜506を正確に実行するために、基地局の装置600は、測定ユニット610の様な複数のユニットを備えている。測定ユニット610は、ユーザ装置130から受信した信号の測定を実行する様に構成される。さらに、基地局の装置600は、推定ユニット620を備えている。推定ユニット620は、測定した信号に基づき、第1のパラメータ値α´を推定する様に構成される。さらに、基地局の装置600は、取得ユニット640を備えている。取得ユニット640は、第2の基地局120で推定した、ユーザ装置130の推定した第2の位置パラメータβに基づき、第2のパラメータ値α´´を推定する様に構成される。さらに、基地局の装置600は、計算ユニット660も備えている。計算ユニット660は、推定した第1のパラメータ値α´と取得した第2のパラメータ値α´´に基づき、第1の位置パラメータαを計算する様に構成される。よって、測定ユニット610、推定ユニット620、決定ユニット630、取得ユニット640、計算ユニット660は受信信号プロセッサを備えている。
【0086】
幾つかの実施形態によると、基地局の装置600は、受信機605を備えている。幾つかの実施形態によると、受信機605は、ユーザ装置130から信号を受信する様に構成される。
【0087】
さらに、装置600は、決定ユニット630を含み得る。決定ユニット630は、ユーザ装置130からの信号の測定に基づき、第1の基地局110に関連する第1の重み係数aを決定する様に構成される。
【0088】
幾つかの実施形態によると、基地局の装置600は、オプションの第2の取得ユニット650を含み得る。第2の取得ユニット650は、第2の基地局120に関連する第2の重み係数bを取得する様に構成される。
【0089】
オプションとして、装置600は、さらに、処理ユニット670を含み得る。処理ユニット670は、例えば、中央処理ユニット(CPU)、プロセッサ、マイクロプロセッサ、又は、命令を解釈して実行する他の処理ロジックで代表され得る。処理ユニット670は、呼処理制御、ユーザ・インタフェース制御等の、デバイス制御機能及びデータ・バッファリングを含むデータの入力、出力及び処理を実行できる。
【0090】
さらに、装置600は、送信機680を含み得る。幾つかの実施形態によると、送信機680は、信号を無線で送信する様に構成される。
【0091】
基地局110及び/又は基地局の装置600の内部電子部品は、方法ステップ501〜506による本方法を理解するために必ずしも必要ではなく、明確化のため図6では省略している。
【0092】
基地局110の装置600内の、上記ユニット605〜680の幾つかは、個別の論理エンティティとみなされるが、物理的に分かれたエンティティである必要はない。一例を述べると、受信機ユニット605及び送信機ユニット680は、アンテナ経由で、出力する無線周波数信号を送信する送信機と、到来する無線周波数信号を受信する受信機をそれぞれ含む同じ物理的なユニット、つまり、送受信機内に含める、或いは、共置することができる。第1の基地局110とユーザ装置130間で送信される無線周波数信号は、トラフィック信号と、例えば、他のパーティと音声通信呼を確立して維持するために使用される、到来する呼のためのページング信号/メッセージや、リモートのユーザ装置と、SMS、電子メール、MMSメッセージの様なデータを送信及び/又は受信するための制御信号を含み得る。
【0093】
第1の基地局110の方法ステップ501〜506は、本方法ステップ501〜506の機能を実行するためのコンピュータ・プログラム・コードにより、第1の基地局110の1つ以上のプロセッサ670で実行され得る。第1の基地局110で方法ステップ501〜506実行するための命令を含むコンピュータ・プログラムは、処理ユニット670にロードされ、チャネル品質表示値を調整する、ユーザ装置130の第1の位置パラメータαを計算できる。
【0094】
例えば、処理ユニット670にロードされると、本解決法による本方法ステップを実行するコンピュータ・プログラム・コードを担持する、有形のデータ担持体の形式で、上記コンピュータ・プログラムは提供される。有形のデータ担持体は、例えば、CD−ROMディスク、メモリスティック、光記録デバイス、磁気記録デバイス、或いは、装置が読み出すことのできるデータを保持し保存できるディスク又はテープといった、他の適切な物理的及び有形媒体であり得る。コンピュータ・プログラム・コードは、サーバにプログラム・コードとして提供され、例えば、インターネット又はイントラネット接続経由で、リモートから第1の基地局110にダウンローとされ得る。
【0095】
さらに、方法ステップ501〜506の少なくとも幾つかを実行するための命令を含むコンピュータ・プログラムは、第1の基地局110の処理ユニット670で実行されると、ユーザ装置130の第1の位置パラメータαを計算するために、第1の基地局110で上記方法を実行するために使用され得る。
【0096】
目的の信号レベルと背景ノイズ及び妨害信号のレベルの比である、信号対雑音及び干渉比を記述する際、理解を容易するために、一例として用語SNRを常に使用していた。比が高くなると、背景ノイズによる妨害は少なくなる。しかし、信号対雑音比(S/N)、信号対雑音及び干渉比(SNIR)、信号対雑音及び干渉比(SIR)、信号対干渉及び雑音比(SINR)、干渉対信号比(ISR)の様な、同じ又は同様の比を示すために使用される他の頭字語も存在する。これらの同様の比は、本明細書におけるSNRに含まれる。
【0097】
"含む"及ぶ"備えている"は、"少なくとも含む"と、限定しないものとして解釈される。本発明は、上記の好ましい実施形態に限定されない。種々の置換、修正及び均等が利用され得る。よって、上記実施形態は、添付の特許請求の範囲で規定される本発明の範囲を限定するものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基地局と、ユーザ装置と、第2の基地局と、を有する多地点協調(CoMP)通信システムでビーム形成精度を改良するために、前記ユーザ装置の第1の位置パラメータ(α)を計算する前記第1の基地局での方法であって、
前記ユーザ装置から受信した信号を測定するステップと、
前記測定した信号に基づき、第1のパラメータ値(α´)を推定するステップと、
前記第2の基地局で推定した、前記ユーザ装置の推定した第2の位置パラメータ(β)に基づき、第2のパラメータ値(α´´)を取得するステップと、
前記推定した第1のパラメータ値(α´)と前記取得した第2のパラメータ値(α´´)に基づき、前記第1の位置パラメータ(α)を計算するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記ユーザ装置からの前記測定した信号に基づき、前記第1の基地局に関する第1の重み係数(a)を決定するステップと、
前記第2の基地局に関する第2の重み係数(b)を取得するステップと、
をさらに含み、
前記ユーザ装置の前記第1の位置パラメータ(α)を計算する前記ステップは、
α=a・α´+b・α´´
と、
前記第1の重み係数(a)を前記推定した前記第1のパラメータ値(α´)で乗じるステップと、
前記第2の重み係数(b)を前記取得した前記第2のパラメータ値(α´´)で乗じるステップと、
前記2つの合計を加算するステップと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の重み係数(a)を決定する前記ステップは、
上りリンクのサウンディング基準信号の受信信号対雑音比、上りリンクのタイミング・アドバンス、パス損失の推定値のいずれかの基準により、前記ユーザ装置から受信した、前記測定した信号に基づき実行される、
ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の重み係数(a)と前記第2の重み係数(b)の合計は1であり、前記第1の重み係数(a)と前記第2の重み係数(b)との間の関係は、受信信号対雑音比が高くなると、上りリンクのタイミング・アドバンスが短くなると、或いは、パス損失が低くなると、重み係数(a、b)は高くなり、受信信号対雑音比が低くなると、上りリンクのタイミング・アドバンスが長くなると、或いは、パス損失が高くなると、重み係数(a、b)は低くなる、
ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ユーザ装置の前記第1の位置パラメータ(α)は、前記ユーザ装置から受信した信号の到来方向、或いは、前記第1の基地局と前記ユーザ装置との間の距離である、
ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記第2のパラメータ値(α´´)を取得する前記ステップは、前記第2の基地局から前記第2のパラメータ値(α´´)を受信するステップを含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記第2のパラメータ値(α´´)を取得する前記ステップは、
前記第2の基地局から、前記第2の基地局で推定した、前記推定した第2の位置パラメータ(β)を受信するステップと、
前記受信した、前記推定した第2の位置パラメータ(β)と、前記第1の基地局と前記第2の基地局との間の既知の幾何学的な関係とに基づき、前記第2のパラメータ値(α´´)を計算するステップと、
を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記ユーザ装置の前記第1の位置パラメータ(α)は、前記ユーザ装置から受信した信号の到来方向、或いは、前記第1の基地局と前記ユーザ装置との間の距離である、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第2のパラメータ値(α´´)を取得する前記ステップは、前記第2の基地局から前記第2のパラメータ値(α´´)を受信するステップを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第2のパラメータ値(α´´)を取得する前記ステップは、
前記第2の基地局から、前記第2の基地局で推定した、前記推定した第2の位置パラメータ(β)を受信するステップと、
前記受信した、前記推定した第2の位置パラメータ(β)と、前記第1の基地局と前記第2の基地局との間の既知の幾何学的な関係とに基づき、前記第2のパラメータ値(α´´)を計算するステップと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
多地点協調(CoMP)通信システムでビーム形成精度を改良するために、ユーザ装置の第1の位置パラメータ(α)を計算する様に構成された基地局であって、
送信機と、
受信機と、
前記受信機が受信した信号を処理する受信信号プロセッサと、
を備えており、
前記受信信号プロセッサは、
前記ユーザ装置から受信した信号の測定を実行する様に構成された測定ユニットと、
前記測定した信号に基づき、第1のパラメータ値(α´)を推定する様に構成された推定ユニットと、
第2の基地局で推定した、前記ユーザ装置の推定した第2の位置パラメータ(β)に基づき、第2のパラメータ値(α´´)を取得する様に構成された第1の取得ユニットと、
前記推定した第1のパラメータ値(α´)と前記取得した第2のパラメータ値(α´´)に基づき、前記第1の位置パラメータ(α)を計算する様に構成された計算ユニットと、
を備えていることを特徴とする基地局。
【請求項12】
前記第2のパラメータ値(α´´)を取得する様に構成された前記第1の取得ユニットは、
前記第2の基地局から、前記第2の基地局で推定した、前記推定した第2の位置パラメータ(β)を受信し、前記受信した、前記推定した第2の位置パラメータ(β)と、前記第1の基地局と前記第2の基地局との間の既知の幾何学的な関係とに基づき、前記第2のパラメータ値(α´´)を計算することを特徴とする請求項11に記載の基地局。
【請求項13】
前記ユーザ装置の前記第1の位置パラメータ(α)は、前記ユーザ装置から受信した信号の到来方向、或いは、前記第1の基地局と前記ユーザ装置との間の距離である、
ことを特徴とする請求項11に記載の基地局。
【請求項14】
前記受信信号プロセッサは、
前記ユーザ装置からの前記測定した信号に基づき、前記第1の基地局に関する第1の重み係数(a)を決定する様に構成された決定ユニットと、
前記第2の基地局に関する第2の重み係数(b)を取得する様に構成された第2の取得ユニットと、
をさらに備えており、
前記計算ユニットは、
α=a・α´+b・α´´
と、前記第1の重み係数(a)を前記推定した前記第1のパラメータ値(α´)で乗じ、前記第2の重み係数(b)を前記取得した前記第2のパラメータ値(α´´)で乗じ、前記2つの合計を加算することにより、前記ユーザ装置の前記第1の位置パラメータ(α)を計算する様にさらに構成されている、
ことを特徴とする請求項11に記載の基地局。
【請求項15】
前記決定ユニットは、
上りリンクのサウンディング基準信号の受信信号対雑音比、上りリンクのタイミング・アドバンス、パス損失の推定値のいずれかの基準により、前記ユーザ装置から受信した、前記測定した信号に基づき、前記第1の重み係数(a)を決定する、
ことを特徴とする請求項14に記載の基地局。
【請求項16】
前記第1の重み係数(a)と前記第2の重み係数(b)の合計は1であり、前記第1の重み係数(a)と前記第2の重み係数(b)との間の関係は、受信信号対雑音比が高くなると、上りリンクのタイミング・アドバンスが短くなると、或いは、パス損失が低くなると、重み係数(a、b)は高くなり、受信信号対雑音比が低くなると、上りリンクのタイミング・アドバンスが長くなると、或いは、パス損失が高くなると、重み係数(a、b)は低くなる、
ことを特徴とする請求項15に記載の基地局。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図2C】
image rotate

【図2D】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2013−520073(P2013−520073A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−552846(P2012−552846)
【出願日】平成22年2月11日(2010.2.11)
【国際出願番号】PCT/US2010/023857
【国際公開番号】WO2011/099970
【国際公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】