説明

無線通信システム

【課題】 センター局装置Aと子局装置B、Cとが無線により通信する無線通信システムで、子局装置において効果的な通報を行う。
【解決手段】 センター局装置では、送信手段1が子局装置により加工すべき文字メッセージ情報を子局装置に対して無線により送信する。子局装置では、記憶手段が加工のために使用する情報を記憶し、取得手段26が加工のために使用する情報を取得し、受信手段21が文字メッセージ情報を受信し、加工手段が受信された文字メッセージ情報を記憶情報や取得情報を使用して加工し、報知手段23、24が加工により生成された文字メッセージ情報の内容を報知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センター局装置と子局装置とが無線により通信する無線通信システムなどに関し、特に、子局装置において効果的な通報を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、一般的な同報無線システムでは、行政機関にセンター局装置を設置し、行政管轄地区の屋外や施設内に複数の端末局装置を設置して、センター局装置から災害関連情報等の報知情報をこれら端末局装置へ同報無線送信し、各端末局装置で受信した報知情報をスピーカから拡声出力することが行われている。一般的な同報無線システムでは、センター局装置から複数の端末局装置へ報知情報を単一方向に無線送信することが行われていた。
また、同報無線システムに付随して備え付けられる文字伝送機能は、文字メッセージを、災害関連情報等の報知情報として、端末局装置へ同報無線送信する機能であり、通報済みの音声通報内容の再確認や、聴覚障害者へ向けた通報として利用される。具体的には、センター局装置では、扱者が報知する文字メッセージをテキスト入力することで文字情報を取得し、当該文字情報を無線送受信装置へ渡す。その後、センター局装置と端末局装置との間において同報無線回線を利用して、前記文字メッセージを配信する。また、リアルタイムに配信することもできる。
【0003】
文字伝送機能としては、例えば、センター局装置には、文字メッセージをテキスト入力して文字情報を送信する文字伝送装置を設置し、端末局装置には、文字情報を受信して文字メッセージ表示部へ表示する文字表示装置を設置する。そして、同報無線通信を利用して、センター局装置と端末局装置との間で文字情報の伝送を行うことにより、文字伝送機能が実現される。
また、同報無線システムに付随して備え付けられる音声合成機能は、センター局装置において、扱者が音声通報を実行する際に、扱者の通報内容を文章化したテキストデータとして入力すると、当該テキストデータをアナログ音声として読み上げる機能である。このような音声合成機能は、例えば、通報業務に不慣れな扱者が肉声によるアナウンス業務を代弁するようなときに使用する。
具体的には、音声合成機能を利用するに当たっては、扱者は、肉声による通報予定の内容を、予め文章として纏めたテキストデータを作成しておき、通報時、当該機能部に当該テキストデータを入力する。これにより、アナログ音声が合成出力される。
【0004】
また、同報無線システムに使用可能な音声合成装置は、特に、屋外或いは屋内の音声通報の聴話者が、通報内容を誤認識しない程度に聴話可能な高音質なアナログ音声を出力する必要がある。従来では、当該要求を満たすために、サーバ型で実現していたが、当該サーバ型においては高スペックなハードウエアを必要とするため高価となる。このため、音声合成装置は、センター局装置のみに設置されていた。
また、同報無線システムには、同報無線回線を利用したサブシステムを付加することがしばしば行われる。例えば、テレメータシステムを一例に挙げると、具体的には、センター局装置にテレメータ収集親局装置を設置し、端末局装置にテレメータ収集子局装置を設置し、テレメータ収集子局装置が取得したテレメータ情報を、同報無線回線を通して、テレメータ収集親局装置へ送信する。センター局装置では、取得したテレメータ情報が、災害を引き起こす要因と成り得る値である場合には、その旨を加味して拡声通報を実行し、これにより、事前に地域住民へ注意を促し、時には非難命令等の指示を発令することなどが、頻繁に行われている。
【0005】
図9には、デジタル同報無線システムの構成例を示してある。
なお、図9では、後述する本発明の実施例に係る図1に示されるのと概略的に同様な構成部については同一の符号を付して示してあるが、本発明を限定する意図は全く無い。
図9に示されるデジタル同報無線システムでは、センター局装置Eと、複数の端末局装置F1〜Fnと、複数の戸別受信機G1〜Gmを設けてある。
センター局装置Eには、制御部11や無線部12やアンテナ13を有して無線通信を行う基地局無線送受信装置1と、人により操作されて各種の指令などを受け付ける操作卓2と、人により操作されて文字メッセージの入力及び文字伝送の起動を行う文字伝送装置3と、人の肉声に代わって文字メッセージからアナログ音声を生成出力する音声合成装置91と、端末局装置F1〜Fnのテレメータ収集子局装置26に対するテレメータ情報の要求や当該テレメータ収集子局装置26からのテレメータ情報の収集を行うテレメータ収集親局装置4が備えられている。
【0006】
各端末局装置F1〜Fnには、制御部31や無線部32やアンテナ33を有して無線通信を行う端末局本体装置21と、端末局本体装置21と他の構成部23、24、26とを接続するインタフェースである接続ボックス22と、人に対して音声を出力するトランペットスピーカ23と、人に対して文字情報等の画像を表示する表示装置24と、外部情報を検出するテレメータ収集子局装置26が備えられている。
各戸別受信機G1〜Gmには、文字情報等の画像を表示する表示装置41が備えられている。
【0007】
【特許文献1】特許第3310387号公報
【非特許文献1】「市町村デジタル同報通信システム」、ARIB STD−T86、社団法人電波産業会
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記のようなデジタル同報無線システムでは、例えば、通報内容が同じである音声通報と文字通報を同時刻に通報するような場合には、通報開始に先立って、扱者が文字通報内容を文章化して、端末局装置F1〜Fnに接続した表示装置24へ表示可能な文字メッセージを作成する。その後、扱者が拡声通報を起動すると、肉声による音声通報と同時或いはほぼ同時に、又は、音声通報前或いは音声通報後に、前記予め作成しておいた文字メッセージを文字伝送機能で送出する。
しかしながら、このような構成では、デジタル同報無線システムが最も活用される緊急災害時等においては、前記した複雑な作業手順を実行する必要があるために、迅速な音声通報と文字通報の同時通報を実現することができないといった不具合があった。
また、緊急災害時等においては、普段から通報業務に手馴れた扱者が拡声通報を実行するとは限らないため、通報業務に不慣れな扱者でも容易に操作可能な通報手順を実現し且つ通報業務に不慣れな扱者でも音声明瞭度の高いアナウンス業務を実現することが必要であった。
【0009】
また、上記のような同報無線システムでは、センター局装置Eと端末局装置F1〜Fnとの間における拡声通報を行う無線回線a1、a2を、同時に1回線分しか開設することができず、音声通報と同時に他の通信を行うことができない。従来では、音声通報と文字通報を同時に実行する場合には、通報を行う扱者が予め通報内容をテキストデータとして作成し、その後、扱者は音声通報を実行し、音声通報とほぼ同時に或いは次の通報としてシーケンシャルに、文字通報を起動して送信することが行われていた。
また、頻繁に通報内容を変更して拡声通報を実行する必要がある状況においては、センター局装置Eが変化を検知する度に拡声通報を実行しなければならず、当該拡声通報と同時に文字メッセージによる通報を実行する場合には、更にその都度、扱者が文字メッセージを作成しなければならなかった。例えば、テレメータシステムのようなサブシステムを接続した場合に、端末局装置F1〜Fnに接続したテレメータ収集子局装置26が端末局装置近郊の河川の水位情報等を測定しているようなときには、雨量等により測定値が刻々変化する情報源に対応して、住民へ的確な情報の提供と指示を伝送する必要があるが、従来では、変化を検知する度に、センター局装置Eにおいて扱者が文字メッセージを作成して拡声通報を実行しなければならなかった。
【0010】
更に、音声通報や文字通報の各種通報は、地域住民毎に的確な通報内容で拡声通報する必要があり、各端末局装置F1〜Fnが管轄するエリア毎に通報内容が異なる場合がある。このような状況においては、従来では、異なる端末局装置F1〜Fnの数分だけ拡声通報を実行する必要があるが、無線回線を同時に1回線分しか開設することができないため、全ての端末局装置F1〜Fnへ拡声通報を実行して終了するまでに多くの時間を費やしてしまっていた。
また、例えば、防災無線システムでは、災害発生箇所における情報を迅速に収集し、対処方法の情報を即座に通報することが求められている。そして、同報無線システムにおいても、センター局装置Eから複数の端末局装置F1〜Fnへ向けた一方向の配信機能ばかりでなく、限られた無線回線を有効に利用することで、各端末局装置F1〜Fnが取得している情報を収集し、各地域住民に対して的確な通報を提供する機能が求められている。
【0011】
本発明は、このような従来の事情に鑑み為されたもので、センター局装置と子局装置(例えば、端末局装置や戸別受信機)とが無線により通信するに際して、子局装置において効果的な通報を行うことができる無線通信システムなどを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明に係る無線通信システムでは、センター局装置と子局装置とが無線により通信する構成において、次のような処理を行う。
すなわち、前記センター局装置では、送信手段が、前記子局装置により加工すべき文字メッセージ情報を前記子局装置に対して無線により送信する。
前記子局装置では、記憶手段と取得手段の一方又は両方を備える。前記記憶手段は、前記加工のために使用する情報を記憶する。前記取得手段は、前記加工のために使用する情報を取得する。
また、前記子局装置では、受信手段が、前記文字メッセージ情報を受信する。加工手段が、前記受信された文字メッセージ情報を、前記記憶手段に記憶された情報或いは前記取得手段により取得された情報の一方又は両方を使用して、加工する。報知手段が、前記加工により生成された文字メッセージ情報の内容を報知する。この報知は、音声或いは文字の一方又は両方で行われる。
従って、センター局装置から送信された文字メッセージ情報が子局装置により受信された後に当該子局装置により記憶や取得される情報を使用して加工され、当該加工された文字メッセージ情報の内容が報知されるため、子局装置において効果的な通報を行うことができる。具体的には、例えば、センター局装置から送信されるままの情報ではなく、子局装置において加工した情報を報知することができることから、様々な情報を子局装置の側で柔軟に生成して通報することができる。
【0013】
ここで、センター局装置から子局装置へ送信する加工すべき文字メッセージ情報の態様や、子局装置において当該文字メッセージ情報を加工する態様としては、種々なものが用いられてもよい。
一例として、追加すべき文字部分を穴埋めなどで有する文字メッセージ情報をセンター局装置が送信して、子局装置が当該文字メッセージ情報が有する追加すべき文字部分に文字を追加する加工を行うような態様を用いることができる。
他の一例として、センター局装置が子局装置へ加工の仕方を指示して、或いは、子局装置に加工の仕方を設定しておいて、これに基づいて、子局装置が受信した文字メッセージ情報を加工するような態様を用いることができる。
他の一例として、子局装置が番号などの識別情報と文字メッセージの内容との対応を記憶しておいて、センター局装置が子局装置へ識別情報を送信し、子局装置が受信した識別情報に対応する文字メッセージの内容の情報を生成する(つまり、識別情報を文字メッセージ情報へ加工する)ような態様を用いることができる。
【0014】
また、子局装置において加工のために使用する情報としては、種々な情報が用いられてもよく、例えば、固定的に設定された情報が用いられてもよく、或いは、時間の経過により変化するような情報(変数の情報)が用いられてもよい。
記憶手段としては、例えば、情報を記憶するメモリを用いて構成することができる。
取得手段としては、例えば、テレメータなどにより検出される情報を当該テレメータなどから取得する機能や、或いは、自ら情報を検出する機能を用いて構成することができる。
また、文字メッセージ情報の内容を音声で出力する手段としては、例えば、スピーカを用いて構成することができる。
また、文字メッセージ情報の内容を文字で出力する手段としては、例えば、表示画面を有する表示装置を用いて構成することができる。
【0015】
本発明に係る無線通信システムでは、一構成例として、次のような構成とした。
すなわち、前記子局装置では、音声合成手段が、前記生成された文字メッセージ情報の内容に対応したアナログ音声を音声合成により生成する。そして、前記報知手段は、前記生成されたアナログ音声を出力する。
従って、センター局装置から子局装置へ文字の情報を送信して、子局装置においてその文字或いは加工した文字に対応したアナログ音声を出力することができるため、例えば、アナログ音声の情報を無線通信する場合と比べて、通信量を低減させることができ、通信に要する時間や電力を低減させることができる。また、例えば、センター局装置から子局装置へ文字メッセージ情報を送信するだけで、子局装置では文字による通報と音声による通報の両方を行うことが可能である。
【0016】
本発明に係る無線通信システムでは、一構成例として、次のような構成とした。
すなわち、前記子局装置では、折り返し送信手段が、前記生成された文字メッセージ情報の内容を前記センター局装置に対して無線により送信(折り返し送信)する。この送信は、音声或いは文字の一方又は両方で行われる。
前記センター局装置では、折り返し受信手段が前記折り返し送信された内容(音声或いは文字の一方又は両方)を受信し、折り返し出力手段が前記折り返し受信された内容(音声或いは文字の一方又は両方)を出力する。
従って、子局装置において生成された文字メッセージ情報の内容或いは生成後に出力された内容をセンター局装置へ折り返して送信して、センター局装置においてその内容を人により確認することや或いは予め設定された仕方で自動的に確認することなどができる。
【0017】
ここで、子局装置からセンター局装置へ折り返す情報としては、例えば、子局装置において生成された文字メッセージ情報の内容を音声で出力したものをマイクで集音した音声情報や、子局装置において生成された文字メッセージ情報の内容を音声へ変換したものであって出力される前のものを取得した音声情報や、子局装置において生成された文字メッセージ情報の内容を表す文字の情報などを用いることができる。
例えば、子局装置において音声で出力したものを集音して折り返す構成や、子局装置において文字で出力したものを撮影して折り返す構成では、実際に出力されたものを折り返すため、その検査の確実性を向上させることができる。
また、単一のセンター局装置に対して複数の子局装置が存在する場合には、例えば、2以上の子局装置から同時に折り返し情報を送信してもよく、或いは、グループ通信や送信権制御などを用いて、同一の時刻には単一の子局装置のみから折り返し情報を送信するようにしてもよい。
【0018】
本発明に係る無線通信システムでは、一構成例として、次のような構成とした。
すなわち、前記センター局装置から無線により送信される前記文字メッセージ情報は、複数の前記子局装置により受信される。
また、それぞれの前記子局装置の記憶手段に記憶される情報或いは取得手段により取得される情報は、当該それぞれの前記子局装置に固有な情報を含む。
従って、センター局装置から複数の子局装置へ同一の文字メッセージ情報を送信する場合においても、それぞれの子局装置ではそれぞれに固有な情報を使用して加工した情報が報知されるため、それぞれの子局装置において非常に効果的な通報を行うことができる。
【0019】
ここで、それぞれの子局装置に固有な情報としては、種々な情報が用いられてもよく、例えば、それぞれの子局装置の名称の情報や、それぞれの子局装置が管轄する地区の名称の情報や、それぞれの子局装置が管理する川などの対象の名称の情報や、それぞれの子局装置が設置された地域や場所に関する指示などの情報や、それぞれの子局装置に接続されたテレメータ装置或いは内蔵されたテレメータ機能などにより取得される情報などを用いることができる。
【0020】
本発明に係る無線通信方法では、センター局装置と子局装置とが無線により通信するに際して、次のような処理を行う。
すなわち、前記センター局装置は、文字メッセージ情報を前記子局装置に対して無線により送信する。
前記子局装置は、前記文字メッセージ情報を受信し、記憶された情報或いは取得された情報の一方又は両方を使用して前記受信した文字メッセージ情報を加工し、前記加工により生成した文字メッセージ情報の内容を報知する。
従って、子局装置において効果的な通報を行うことができる。
【0021】
本発明に係るセンター局装置では、子局装置と無線により通信する構成において、次のような処理を行う。
すなわち、送信手段が、前記子局装置による加工を指示する情報を含む文字メッセージ情報を、前記加工のために使用する情報を記憶する機能或いは取得する機能の一方又は両方を備えた前記子局装置に対して、無線により送信する。
従って、子局装置において効果的な通報を行うことが可能な文字メッセージ情報をセンター局装置から送信することができる。
ここで、文字メッセージ情報に含まれる子局装置による加工を指示する情報としては、種々な情報が用いられてもよく、例えば、加工をすべきことを示す情報や、或いは、加工の仕方を示す情報や、或いは、これら両方の情報などを用いることができる。
【0022】
本発明に係る子局装置では、センター局装置と無線により通信する構成において、次のような処理を行う。
すなわち、記憶手段が情報を記憶すること或いは取得手段が情報を取得することの一方又は両方を行い、受信手段が前記センター局装置から無線により送信される文字メッセージ情報を受信し、加工手段が前記受信された文字メッセージ情報を前記記憶手段に記憶された情報或いは前記取得手段により取得された情報の一方又は両方を使用して加工し、報知手段が前記加工により生成された文字メッセージ情報の内容を報知する。
従って、子局装置において、効果的な通報を行うことができる。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように、本発明に係る無線通信システムなどによると、センター局装置が、子局装置により加工すべき文字メッセージ情報を子局装置に対して無線により送信し、子局装置が、受信した文字メッセージ情報を記憶情報や取得情報を使用して加工し、当該加工により生成された文字メッセージ情報の内容を報知するようにしたため、子局装置において効果的な通報を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明に係る実施例を図面を参照して説明する。
本実施例では、市区町村などの防災に関する無線通信システムであるデジタル同報無線システムに本発明を適用した場合を示す。
本実施例に係るデジタル同報無線システムは、例えば、災害時に行政機関から住民に災害関連情報を報知する等の用途として用いられ、センター局装置から同報無線送信した報知情報を所定の場所に設置された複数の端末局装置などで受信して出力する。具体例として、60MHz帯(54〜70MHz)における市町村デジタル防災無線通信方式であるTDMA−TDD方式による防災行政用のデジタル同報無線システムにおいて、同報無線回線を利用してセンター局装置と端末局装置などとの間で文字情報や他の符号情報等による通報を行う機能や、文字情報や他の符号情報等から拡声通報用のアナログ音声を生成して出力する機能などを備える。
【0025】
本実施例に係るデジタル同報無線システムでは、例えば、災害が発生した時などに、行政機関から住民に対して災害関連の情報を一斉通報により報知することが行われる。具体的には、センター局装置に設置された操作卓や基地局無線送受信装置により、各地域における屋外や一般家庭や集会所や学校などに設置された端末局装置などに対して、災害に関する情報や、緊急指令の情報や、避難勧告の情報などを、通話による音声情報或いは文字情報等による非音声情報として送信して、住民へ情報を伝達する。
また、端末局装置などでは、文字表示装置或いは他の表示装置を接続し或いは内蔵し、センター局装置から受信した文字情報等を表示装置に表示する処理を行う。
また、端末局装置などでは、音声合成装置を接続し或いは内蔵し、センター局装置から受信した文字情報に基づいてアナログ音声を合成して出力する処理を行い、当該合成出力したアナログ音声を拡声出力する。
【0026】
また、センター局装置が送信した文字情報に限らず、端末局装置などでは、音声通報内容や文字表示内容としては、種々な情報が用いられてもよく、例えば、端末局装置などに固有の情報や、端末局装置などに接続されたテレメータ収集子局装置などにより取得したテレメータ情報などを用いることができる。
また、通信システムとしては、例えば、端末局装置が固定的に設置されるような固定系の通信システムに適用されてもよく、或いは、端末局装置が携帯電話のように移動可能な通信システムに適用されてもよい。なお、本実施例では、各端末局装置B1〜Bnはそれぞれの地域の場所に設置されており、各戸別受信機C1〜Cmは例えば市町村内の住居に戸別毎(世帯毎)に設置されている或いはそれぞれの人(所有者)により携帯されている。
また、一般に、基地局装置(本実施例では、センター局装置)から端末局装置などへの通信の方向を下りと言い、端末局装置などから基地局装置(本実施例では、センター局装置)への通信の方向を上りと言う。
【0027】
図1には、本実施例に係るデジタル同報無線システムの構成例を示してある。
本実施例に係るデジタル同報無線システムでは、センター局装置Aと、複数であるn個の端末局装置B1〜Bnと、複数であるm個の戸別受信機C1〜Cmを設けてある。なお、複数の端末局装置B1〜Bnの数nや、複数の戸別受信機C1〜Cmの数mとしては、それぞれ、種々な数が用いられてもよい。
また、図1には、センター局装置Aの通信領域D1や、端末局装置B1の通信領域D2や、端末局装置Bnの通信領域D3や、センター局装置Aと端末局装置B1との間の無線回線a1や、センター局装置Aと端末局装置Bnとの間の無線回線a2や、センター局装置Aと戸別受信機C1との間の無線回線a3を示してある。
また、本実施例では、各端末局装置B1〜Bnの構成や動作は同様であるため1個の端末局装置B1のみについて符号を付して構成を示してあり、また、各戸別受信機C1〜Cmの構成や動作は同様であるため1個の戸別受信機C1のみについて符号を付して構成を示してある。
また、本実施例では、主に、センター局装置Aと端末局装置B1〜Bnとの間で通信する場合について説明するが、例えば、端末局装置B1〜Bnと同様な構成や動作を戸別受信機C1〜Cmに適用することも可能である。
【0028】
センター局装置Aには、制御部11や無線部12やアンテナ13を有して無線通信を行う基地局無線送受信装置1と、人により操作されて各種の指令などを受け付ける操作卓2と、人により操作されて文字メッセージの入力及び文字伝送の起動を行う文字伝送装置3と、端末局装置B1〜Bnのテレメータ収集子局装置26に対するテレメータ情報の要求や当該テレメータ収集子局装置26からのテレメータ情報の収集を行うテレメータ収集親局装置4が備えられている。
ここで、本実施例では、文字伝送装置3は、基地局無線送受信装置1に接続しているが、例えば、操作卓2に接続してもよく、操作卓2を介して文字メッセージの入力及び文字伝送の起動を行ってもよい。また、文字伝送装置3の機能を操作卓2に含めて、同等の機能を実現してもよい。
また、本実施例では、テレメータ収集親局装置4は、基地局無線送受信装置1に接続しているが、例えば、操作卓2に接続してもよく、操作卓2を介してテレメータ情報の要求やテレメータ情報の収集を行ってもよい。また、テレメータ収集親局装置4の機能を操作卓2に含めて、同等の機能を実現してもよい。
【0029】
各端末局装置B1〜Bnには、制御部31や無線部32やアンテナ33を有して無線通信を行う端末局本体装置21と、端末局本体装置21と他の構成部23〜26とを接続するインタフェースである接続ボックス22と、人に対して音声を出力するトランペットスピーカ23と、人に対して文字情報等の画像を表示する表示装置24と、文字情報等からアナログ音声を生成して出力する音声合成装置25と、外部情報を検出するテレメータ収集子局装置26が備えられている。なお、音声合成装置25としては、例えば、LSI化されたものを用いると、小型化や低価格化が実現されて好ましい。
ここで、本実施例では、音声合成装置24を端末局装置本体21の外部装置として接続しているが、例えば、音声合成装置24と同等の機能を有する機能部を、端末局装置本体21の内部(例えば、端末局装置本体21内の制御部31の内部)に備えるような構成とすることもできる。
各戸別受信機C1〜Cmには、文字情報等の画像を表示する表示装置41と、音声合成機能を有する機能部42が備えられている。なお、音声合成機能としては、例えば、LSI化されたものを用いると、小型化や低価格化が実現されて好ましい。
【0030】
ここで、本実施例では、センター局装置Aに対して複数の端末局装置B1〜Bnや複数の戸別受信機C1〜Cmが直接的に無線回線a1〜a3を介して接続されるシステム構成を示すが、例えば、中継局装置を設けて、センター局装置Aと複数の端末局装置B1〜Bnや複数の戸別受信機C1〜Cmとが中継局装置を介して接続されるようなシステム構成が用いられてもよい。
また、本実施例のセンター局装置Aでは、例えば、文字メッセージをテキスト入力する構成が用いられてもよく、或いは、音声認識機能を導入して、扱者が読み上げる文章(音声)から通報用の文字メッセージを生成するような構成が用いられてもよい。つまり、本実施例のセンター局装置Aでは、文字入力であっても、音声入力であっても、入力に対応した文字情報を送信することができる。
【実施例1】
【0031】
本発明の第1実施例を説明する。
本実施例では、センター局装置Aの基地局無線送受信装置1が、端末局装置B1〜Bn及び戸別受信機C1〜Cmと無線回線a1〜a3を接続し、拡声通報の音声情報伝送に際して、アナログ音声を音声コーデックによりデジタル化した音声情報を直接的に無線回線で伝送するのではなく、音声情報の伝送として、アナログ音声を文字メッセージ化した文字情報で代用して伝送する。文字情報であれば、音声情報と比較して少ない情報量で伝送可能であるため、無線回線の有効利用を実現し、音声情報の実質伝送時間を短縮することが可能となる。また、伝送時間の短縮は、無線装置の消費電力の低減を図ることに繋がる。
文字情報を受信した端末局装置B1〜Bn及び戸別受信機C1〜Cmは、当該文字情報から文字メッセージ化された音声情報を取り出す機能を有する音声合成装置25を用いて、拡声通報用のアナログ音声を得る。
【0032】
このような同報通信の処理の一例を示す。
図2には、本例のデジタル同報無線システムにおいて、文字伝送に用いられるデータフォーマットの一例を示してある。
本例の文字伝送データフォーマット51は、扱者の操作或いはセンター局装置A内の操作卓2に組み込まれている自動プログラム送出装置等による自動操作により、センター局装置Aの文字伝送装置3或いは操作卓2で作成される。
本例の文字伝送データフォーマット51は、(異メーカ間)共通情報部61と、文字制御情報部62と、文字データ部63から構成されている。
【0033】
具体的には、共通制御部61は、文字伝送電文のヘッダ情報である。
文字制御情報部62は、本実施例では、文字データ部63の内容について、端末局装置B1〜Bnなどで処理すべき内容を入力するエリアであり、例えば、文字メッセージを音声情報へ変換するための加工情報或いは拡声出力の制御情報を入力する。又は、文字制御情報部62には、例えば、文字情報をそのまま文字表示用の情報へ変換するための加工情報や、或いは、表示装置への表示方法を明記した制御情報などを入力することも可能である。
文字データ部63は、文字メッセージ本体である。
これらの各詳細情報61〜63を文字伝送データフォーマット51に入力した文字情報を、センター局装置Aから無線回線を通して複数の端末局装置B1〜Bnなどへ送信する。
【0034】
図3には、本例のデジタル同報無線システムにおいて、センター局装置Aの側から端末局装置B1〜Bnなどへ拡声通報を行う一連の処理の一例を示してある。
初めに、センター局装置Aで、扱者或いはセンター局装置A内の自動プログラム送出装置等が、拡声通報の内容を文章化した文字メッセージを作成する。なお、扱者による文字メッセージの作成としては、例えば、直接的に扱者によりキー入力を行って作成する方法や、或いは、このようなキー入力ではなく、音声認識装置を用いて扱者が音声にして読み上げた文章から自動的に文字メッセージを作成して、扱者の操作を軽減する方法があるが、ここでは、文字メッセージが文字伝送装置3へ入力されるとする。
【0035】
文字伝送装置3は、文字メッセージを入力すると、当該文字メッセージに、アナログ音声を音声合成装置で合成するために必要な制御情報や、表示装置へ表示するために必要な制御情報を付加した文字情報を作成する。本例では、このような制御情報の付加処理を、文字伝送装置3により行ったが、例えば、通報を起動する扱者が手動により制御情報を付加してもよい。
文字情報が作成された後、センター局装置Aの操作卓2は、同局内の基地局無線送受信装置1に対して拡声通報を起動する旨の電文を出力し、センター局装置Aと端末局装置B1〜Bnなどとの間で無線回線a1〜a3を開設する。この無線回線a1〜a3により、センター局装置Aから端末局装置B1〜Bnや戸別受信機C1〜Cmへ文字情報を送信する。なお、この情報通信では、図3に示されるように、PCH通報開始指示や、FACCH番号通知や、下りCAC(例えば、BCCH、PCH、SCCH)の信号や、TCH(本例では、文字情報)の信号や、PCH切断指示の信号が通信される。
これにより、端末局装置B1〜Bn及び戸別受信機C1〜Cmは、受信機能によりセンター局装置Aからの文字情報を受信する。
【0036】
端末局装置B1〜Bnでは、文字情報の受信後に、受信した文字情報から文字メッセージ本体と音声合成に必要な制御情報を抽出し、音声合成装置25へ受け渡す。音声合成装置25は、受け取ったデータからアナログ音声を合成出力してトランペットスピーカ23から音声出力する。また、戸別受信機C1〜Cmにおいても、同様な動作が行われる。
また、端末局装置B1〜Bnなどでは、上記のように受信した文字情報から拡声通報用のアナログ音声を合成して出力する処理と共に、例えば、受信した文字情報を用いて、文字表示用の文字通報メッセージを出力する処理を行う。
【0037】
このように、音声通報と文字通報が同時に実行される場合には、例えば、音声通報メッセージと文字通報メッセージとが同じ文面で構成される必要があるが、通常、音声通報メッセージと文字通報メッセージとでは文体が異なることが多い。
そこで、センター局装置Aでは、例えば、文字通報に適した文字メッセージを送信するとともに、音声通報時には当該文字メッセージを音声通報用に最適に出力可能なように文章を変更する旨の制御情報を付加してもよく、或いは、音声通報に適した文字メッセージを送信するとともに、文字通報時には当該文字メッセージを文字通報用に最適に出力可能なように文章を変更する旨の制御情報を付加してもよい。
【0038】
端末局装置B1〜Bnなどでは、文字メッセージと制御情報を含む文字情報を受信した場合には、当該制御情報に従って、当該文字メッセージを表示装置24、41に最適に出力可能なように加工する処理を加えることや、或いは、当該文字メッセージを音声通報に最適な文章に加工して音声合成装置25へ送信することを行う。
このようにして、本例では、文字通報と音声通報とが同時に実行可能となる。このため、センター局装置Aの扱者は、音声通報と文字通報とを実行する場合においても、文字通報の操作処理のみを実行するだけでよく、これにより、扱者の操作が容易となり、且つ、扱者の技量に左右されない音声明瞭度のよい高品質な拡声通報を提供することが可能となる。
【0039】
以上のように、本例のデジタル同報無線システムでは、センター局装置Aと複数の端末局装置B1〜Bnなどとを無線接続して、或いは、センター局装置Aと複数の端末局装置B1〜Bnなどとを中継局装置を介して無線接続して、センター局装置Aから同報送信した報知情報を端末局装置B1〜Bnなどが受信して出力するに際して、次のような構成とした。
すなわち、センター局装置Aの側ではなく、端末局装置B1〜Bnなどの側に音声合成機能を有する装置を接続し或いは音声合成機能を有する機能部を実装し、そして、センター局装置Aでは文字情報を送信し、端末局装置B1〜Bnなどでは当該文字情報を受信して当該文字情報を表示装置に出力可能な情報へ変換して出力するとともに当該文字情報からアナログ音声を生成して出力する。
【0040】
従って、本例のデジタル同報無線システムでは、センター局装置Aにおいて扱者が文字メッセージ(例えば、テキストデータ)を作成するだけで、端末局装置B1〜Bnなどの側で音声通報を出力すること或いは音声通報と文字通報を同時に出力することができるため、音声や文字の拡声通報に際して、無線回線の使用率を大幅に低減させることができ、これにより、伝送時間の短縮化や、通信量の削減による消費電力の低減化が可能であり、無線回線の有効利用を図ることができる。また、センター局装置Aでは、例えば、文字通報と音声通報との同時通報を実行するような場合においても、扱者が操作に費やす起動手順が容易となり且つ扱者が直接的に肉声による通報を行う必要がないため、アナウンス業務に不慣れな扱者によっても、通報内容を容易に作成して、音声明瞭度の高い音声通報を誤りなく通報することが可能になる。このように、防災時等における効果は非常に大きい。
【実施例2】
【0041】
本発明の第2実施例を説明する。
本例のデジタル同報無線システムでは、音声通報或いは文字通報に先立ち、センター局装置Aにおいて作成される文字伝送データフォーマット51に、次のような情報を追加する。
すなわち、本例の文字伝送データフォーマット51では、文字データ部63に文字メッセージを入力する場合に、一例として、当該文字メッセージの文章内に、各端末局装置B1〜Bn或いは各戸別受信機C1〜Cmが追記して入力すべき情報部が存在する旨を追記する。又は、他の一例として、センター局装置Aでは、文字データ部63の文字メッセージに対して各端末局装置B1〜Bn或いは各戸別受信機C1〜Cmが追加処理等を実行すべき事項を記載した加工情報或いは制御情報を文字制御情報部62へ入力して、端末局装置B1〜Bnなどへ送信する。端末局装置B1〜Bnなどでは、受信した文字情報に含まれる前記情報部又は前記加工情報或いは前記制御情報を元に、文字メッセージを変更して音声通報或いは文字通報を出力すること、或いは、必要な情報の取得処理を実行してから文字メッセージを変更して音声通報或いは文字通報を出力することを行う。
【0042】
このような同報通信の処理の一例を示す。
図4には、本例のデジタル同報無線システムにおいて、文字伝送に用いられる文字メッセージ71の一例として、「こちらは、(情報部b1)です。ただいま、(情報部b2)の水位が(情報部b3)に達しました。(情報部b4)地区のみなさんは、(情報部b5)」というメッセージを示してある。
この文字メッセージ71は、扱者の操作或いはセンター局装置A内の操作卓2に組み込まれている自動プログラム送出装置等による自動操作により、センター局装置Aの文字伝送装置3或いは操作卓2で作成される。
図4に示される文字メッセージ71の内容では、各端末局装置B1〜Bnなどに固有に設定された情報や、河川の水位を監視するテレメータシステムの情報を拡声通報に使用する例を示してある。
【0043】
具体的には、本例の文字メッセージ71には、文章内の各箇所に追加で情報を入力する必要があるエリア(情報部)b1〜b5が設けられている。
情報部b1と情報部b2と情報部b4は、端末局装置B1〜Bnなどに固有な情報(端末局固有情報)を入力するエリアであり、それぞれ、端末局装置B1〜Bnなどの名称(端末局名称)の情報を入力するために指定したエリア、河川の名称の情報を入力するために指定したエリア、管轄地区の名称の情報を入力するために指定したエリアである。
情報部b3は、テレメータ収集子局装置26により検出された情報(本例では、水位情報)を端末局装置B1〜Bn側で入力するために指定したエリアである。
情報部b5は、定型文章の情報を入力するために指定したエリアである。本例では、頻繁に利用される定型文章は予め端末局装置B1〜Bnなどに登録しておき、センター局装置Aからの指示(例えば、定型文章を識別する番号等)に従って、或いは、端末局装置B1〜Bnが収集したテレメータ情報等に応じて、情報部b5に入力する定型文章を判断する。
【0044】
図5には、各端末局装置B1〜Bnなどのメモリに設定されて記憶されたメッセージテーブル(端末局メッセージテーブル)の一例を示してある。
本例の端末局メッセージテーブルでは、情報部b1に入力すべき固有情報1である「防災A、B局」という文字情報や、情報部b2に入力すべき固有情報2である「C川」という文字情報や、情報部b4に入力すべき固有情報3である「D町」という文字情報や、情報部b3に入力すべき端末局テレメータ情報1を取得するテレメータ収集子局装置26を特定する「C川E地点水位計」という識別情報や、或いは、端末局テレメータ情報2に対応した「C川F地点水位計」という識別情報や、情報部b5に入力すべき端末局定型文章情報(1)である「河川には近づかないでください。」という文字情報や、或いは、他の定型文章情報(2)である「G集会所へ集合してください。」という文字情報や、他の定型文章情報(3)である「早急に避難してください。」という文字情報などが設定されている。
【0045】
図6には、本例のデジタル同報無線システムにおいて、センター局装置Aの側から端末局装置B1〜Bnなどへ拡声通報を行う一連の処理の一例を示してある。
初めに、センター局装置Aにおいて、扱者が或いはセンター局装置A内の自動プログラム送出装置等が、図4に示されるような拡声通報内容を文章化した文字メッセージ71を作成する。文字メッセージ71は、文字情報として、無線回線を通して端末局装置B1〜Bnなどへ送信される。端末局装置B1〜Bnなどは、当該文字情報から文字メッセージ71を受信し、その後、直ぐに音声出力或いは文字出力を実行するのではなく、一旦受信した文字情報を解析して、当該端末局装置B1〜Bnなどで追加すべき情報の有無或いはテレメータ収集子局装置26等の外部装置からテレメータ情報等を取得して追加しなければならない情報の有無を解析する。この解析により、このような処理が必要になった場合には、端末局装置B1〜Bnなどは、拡声通報前に追加すべき情報を付加する処理を行う。
【0046】
本例では、各端末局装置B1〜Bnなどは、それぞれに設定された自局の端末局メッセージテーブル81をメモリに保存しておき、例えば、端末局固有情報1と称する端末局名称や、テレメータ収集子局装置26が測定した水位量であるテレメータ情報1や、当該テレメータ情報1から判断して決定する住民への指示情報(定型文章)などを文字メッセージ71中の各情報部b1〜b5に付加する。これらの端末局装置B1〜Bnなどによる付加情報は、各端末局装置B1〜Bnなどが管轄するエリア毎に異なるため、センター局装置Aによる1回の拡声通報で、各端末局装置B1〜Bnなど毎に最適な通報内容に変更して拡声通報することができる。
【0047】
このような変更が容易に可能になった背景として、例えば、アナログ音声による通報では各端末局装置B1〜Bnなどにおける変更が困難であった音声通報内容を、端末局装置B1〜Bnなどへ文字メッセージとして伝送するようにした点がある。一旦文字メッセージで作成したことにより、通報内容を端末局装置B1〜Bnなどでデータ処理することが可能となった。
これを応用して、例えば、ある特定箇所の端末局装置B1〜Bnなどへのみ、頻繁に通報内容が変わるメッセージを拡声通報する場合に、無線回線の有効利用を図ることが可能である。一例として、端末局装置B1〜Bnなどではテレメータ収集子局装置26が取得したテレメータ情報等をセンター局装置Aからの通報の一部分に使用して拡声通報を行うことが可能であるため、センター局装置Aでは1回の拡声通報を行うだけでよく、当該一部分の内容が頻繁に変更しても、テレメータ情報等のみを端末局装置B1〜Bnなどの側で変更すればよい。これにより、センター局装置Aでは、変更が発生する度に端末局装置B1〜Bnなどへ向けた拡声通報を行うようなことが不要となる。
【0048】
また、例えば、センター局装置Aでは、拡声通報の通報内容を直接的に伝送するのではなく、その通報内容を代替する番号等の符号のみを送信し、端末局装置B1〜Bnなどでは、端末局メッセージテーブル81に予め符号と対応する通報内容を保存しておいて、センター局装置Aから受信した符号に応じて自局が通報すべき通報内容を選択するような構成も可能であり、これにより、無線回線に伝送するデータ量を削減することができる。
これらのように、伝送するデータ量を削減することで、無線装置の消費電力の低減を図ることができる。
【0049】
また、本例のような構成では、例えば、センター局装置Aが運用停止となり、センター局装置Aから端末局装置B1〜Bnなどへの拡声通報が不能な状態となった場合においても、縮退機能として、端末局装置B1〜Bnなどが、自局に保存している端末局メッセージテーブル81の情報や、自局に接続しているテレメータ収集子局装置26からのテレメータ情報や、或いは他の情報により、自局が管轄するエリアに対して音声通報による自動通報を行うことが可能となる。一例として、センター局装置Aから端末局装置B1〜Bnなどへ図4に示されるような文字メッセージ71を1回送れば、端末局装置B1〜Bnなどでは、センター局装置Aからの指示或いは当該端末局装置B1〜Bnなどに設定された内容に従った通報タイミングや通報回数などの通報態様を用いて、複数回の通報を行うことが可能であり、通報の度にテレメータ情報等の部分を更新することが可能である。
端末局装置B1〜Bnなどでは、自局放送においても、扱者の技量に左右されない音声明瞭度のよい、高品質な音声通報が可能となる。
【0050】
なお、テレメータの情報としては、種々なものが用いられてもよく、例えば、水位、風量、光化学スモッグ、地震、積雪、降雨、監視カメラによる監視結果、などに関する情報を用いることができる。また、例えば、端末局装置B1〜Bnなどからセンター局装置Aへテレメータ情報等の値を送信し、センター局装置Aが受信した値に基づいてそれに関する閾値やいずれの地域の端末局装置B1〜Bnなどへ通報を行うかなどを決定するようなことも可能である。
【0051】
以上のように、本例のデジタル同報無線システムでは、センター局装置Aは、端末局装置B1〜Bnなどへ同報送信する報知情報に、端末局装置B1〜Bnなどが保有する固有情報や端末局装置B1〜Bnなどが外部接続機器等から取得する情報を付加すべき旨を記載しておき、端末局装置B1〜Bnなどは、受信した文字情報にセンター局装置Aから指示された情報を付加して通報内容に反映させて、通報を出力する。本例では、センター局装置Aが文字による報知メッセージのテンプレートのデータを送信し、端末局装置B1〜Bnなどが、自己が有する固有情報やテレメータ情報等をテンプレートに付加して、これにより作成したメッセージを音声や文字により通報出力する。
【0052】
例えば、センター局装置Aでは、端末局装置B1〜Bnなどへ通報する文字情報に、端末局装置B1〜Bnなどの側で情報を付加すべきことを示す情報と、付加すべき情報を取得するための制御情報を付加し、端末局装置B1〜Bnなどでは、当該文字情報を受信して、当該文字情報の中に端末局装置B1〜Bnなどで付加すべき情報が存在する場合には、その情報を付加した後に拡声出力する。
また、センター局装置Aでは、端末局装置B1〜Bnなどに設置したテレメータシステム等の外部装置を起動するための制御情報を文字情報に付加して送信し、端末局装置B1〜Bnなどでは、当該文字情報を受信して、当該文字情報の中に端末局装置B1〜Bnなどによりテレメータシステム等の外部装置を起動して測定すべきことを示す制御情報が存在する場合には、当該テレメータシステム等の外部装置を起動して測定結果を取得し、取得した測定結果を文字情報に追加して拡声出力する。
【0053】
従って、本例のデジタル同報無線システムでは、端末局装置B1〜Bnなどを単位とする固有情報や、或いは端末局装置B1〜Bnなどが取得した外部情報を、通報内容に応じて付加することにより、各端末局装置B1〜Bnなどの個々が管轄する地域の住民に最適な通報内容を提供することができ、各地域毎に的確な通報内容とすることができる。また、頻繁に特定の箇所の情報が変化するような通報の場合には、無線回線を使用しないで端末局装置B1〜Bnなどが独自に通報を繰り返して行うようなことも可能であり、高機能な通信システムを実現することができる。
【実施例3】
【0054】
本発明の第3実施例を説明する。
本例のデジタル同報無線システムでは、音声による拡声通報を文字伝送による通報で代用したことで未使用となった空き無線スロットに着目し、このような空き無線スロットを使用した通信を行う。具体的には、端末局装置B1〜Bnなどとセンター局装置Aとの間に音声データの送信が可能な無線回線を確立して、端末局装置B1〜Bnなどが拡声通報した音声情報などをセンター局装置Aへ折り返して送信することで、センター局装置Aでは受信したこの拡声通報の内容を聴話することを可能とした。
【0055】
このようなデジタル同報無線システムの処理の一例を示す。
図7(a)、(b)、(c)には、本例のデジタル同報無線システムにおいて、センター局装置Aの基地局無線送受信装置1と端末局装置B1〜Bnなどとの間で行われる無線通信で使用される無線回線スロットの使用状況の一例を示してある。
図7(a)にはアイドル状態における1フレーム分の無線回線スロットの使用状況を示してあり、図7(b)にはセンター局装置Aから端末局装置B1〜Bnなどへ文字伝送を行っているときにおける1フレーム分の無線回線スロットの使用状況を示してあり、図7(c)には端末局装置B1〜Bnなどが拡声通報中にセンター局装置Aへ音声通報などを折り返し送信しているときにおける1フレーム分の無線回線スロットの使用状況を示してある。
【0056】
本例では、図7(a)に示されるように、1フレーム中には、センター局装置Aから端末局装置B1〜Bnなどへの下り回線の制御スロットとして使用されるスロット0(下り制御チャネル)と、端末局装置B1〜Bnなどからセンター局装置Aへの上り回線の制御スロットとして使用されるスロット3(上り制御チャネル)と、通信スロット1、2、4、5が設けられる。これにより、音声通報時や文字伝送等の非音声通信時に用いられる通信スロットとして使用されるスロット1、2、4、5の中から音声通報や文字伝送に必要なスロット数を割り当てて、無線通信を行う。
本例では、図7(b)に示されるように、センター局装置Aが端末局装置B1〜Bnなどへ文字伝送を行うために使用される通信スロットとして、スロット1、2、4、5(下り通信チャネル)を割り当てている。
また、図7(c)に示されるように、端末局装置B1〜Bnなどが拡声通報中に音声出力などをセンター局装置Aへ折り返し送信するために使用される通信スロットとして、スロット1、2、4、5(上り通信チャネル)を割り当てている。
【0057】
図8には、センター局装置Aと端末局装置B1〜Bnとの間で無線回線を開設する手順の一例を示してある。
文字伝送時には、初めに、センター局装置Aから端末局装置B1〜Bnなどへ通常の文字伝送一括呼び出し処理を行って、無線回線を接続する。この状態において、文字情報を伝送後、無線回線を一旦終了する。
次に、例えば端末局装置B1〜Bnなどが拡声通報中となる前までに、センター局装置Aから端末局装置B1〜Bnなどへ通常の呼び出し処理を行って、無線回線を接続する。このような処理を行うことで、センター局装置Aでは、端末局装置B1〜Bnなどが拡声通報中であるときに自局の音声通報などを折り返してセンター局装置Aへ送信することが可能な無線チャネルを開設することができる。
【0058】
このようにして、本例のセンター局装置Aの側では、例えば基地局無線送受信装置1の機能により、端末局装置B1〜Bnなどが拡声通報中の音声情報などをスロット1、2、4、5を利用して音声伝送することに応じて、当該端末局装置B1〜Bnなどが拡声通報中の音声通報をリアルタイムに聴話することができる。この場合、本例では、端末局装置B1〜Bnなどが拡声通報した音声情報について無線回線による折り返し伝送処理のために多少の遅延が発生する可能性はあるが、センター局装置Aへほぼリアルタイムに伝送することが可能である。
また、例えば、拡声通報中の音声通報などをセンター局装置Aへ送信するための無線回線の確立に、デジタル同報無線システムにおけるグループ通信機能や送信権制御機能を利用することもでき、一例として、センター局装置Aでは、端末局装置B1〜Bnなどについての複数のグループの中でいずれのグループの通報内容を聴話するかを送信権制御により選択することが可能である。同様に、センター局装置Aでは、複数の端末局装置B1〜Bnなどへ拡声通報する場合に、これら複数の端末局装置B1〜Bnの中から拡声通報を折り返して聴話する端末局装置を選択して聴話することが可能である。
【0059】
このように、本例のデジタル同報無線システムでは、センター局装置Aと端末局装置B1〜Bnなどとの間に音声情報などを通信するための上り無線チャネルを開設して、端末局装置B1〜Bnなどが、自局で拡声通報中に、未使用の無線回線を利用して、拡声通報中の音声通報などを折り返してセンター局装置Aへ送信することで、センター局装置Aでは受信した音声通報などをスピーカ等に出力して聴話することができる。
なお、本例では、端末局装置B1〜Bnなどが拡声通報中に音声通報などの内容をリアルタイムにセンター局装置Aへ折り返し送信して、これをセンター局装置Aで聴話する場合を示したが、例えば、同様な手順を用いて、端末局装置B1〜Bnなどが、拡声通報を実行する前或いは実行した後に、音声合成装置を起動してアナログ音声を出力して、このアナログ音声を拡声出力すること無しに、この拡声出力予定或いは拡声出力済みの音声情報などをセンター局装置Aへ折り返し送信するようなことも可能である。このような手順を用いると、センター局装置Aでは、端末局装置B1〜Bnなどが拡声通報を実行する前或いは拡声通報を実行した後に、音声通報の正常性を確認することが可能である。
【0060】
以上のように、本例のデジタル同報無線システムでは、センター局装置Aから文字データのみを送信することによって拡声通報中に空き(未使用)となったスロットを使用して、任意の端末局装置B1〜Bnなどが生成して拡声出力しているアナログ音声などをセンター局装置Aへ送信し、センター局装置Aにおいて当該アナログ音声などを聴話する。センター局装置Aでは、例えば、端末局装置B1〜Bnなどが拡声出力している通報内容をリアルタイムに聴話することや、或いは、端末局装置B1〜Bnなどが拡声出力を予定している通報内容を通報開始前に聴話することや、或いは、端末局装置B1〜Bnなどが拡声出力を完了した通報内容を通報終了後に聴話することが可能である。
【0061】
従って、センター局装置Aから端末局装置B1〜Bnなどへ文字情報で送信した通報内容が、端末局装置B1〜Bnなどへ正常に送信されたか否か、端末局装置B1〜Bnなどで正常に加工されたか否か、端末局装置B1〜Bnなどで正常にアナログ音声化されたか否か、端末局装置B1〜Bnなどで正常に音声出力されたか否かなどを、センター局装置Aの側で確認することや保障することができる。
【0062】
ここで、端末局装置B1〜Bnなどからセンター局装置Aへ折り返す情報としては、例えば、トランペットスピーカ23からの拡声出力をマイクで集音して折り返してもよく、或いは、拡声出力がトランペットスピーカ23から出力される前にその音声を折り返してもよく、或いは、加工された文字情報を折り返してもよい。一例として、端末局装置B1〜Bnなどにマイクを接続し或いは内蔵し、拡声出力中のアナログ音声を集音して、当該集音したアナログ音声をセンター局装置Aへ送信することにより、センター局装置Aではリアルタイムで音声通報を聴話することが可能である。また、端末局装置B1〜Bnなどにマイクを接続等せずに、端末局装置B1〜Bnなどで生成したアナログ音声を直接的に上り回線へ折り返し送信してもよい。
また、例えば、予めセンター局装置Aから端末局装置B1〜Bnなどへ文字情報を送信しておき、当該端末局装置B1〜Bnなどにおいて、通報前に、受信した文字情報から正常なアナログ音声を出力することが可能であるか否かを確認するために、折り返し送信するようなことも可能である。
【0063】
また、センター局装置Aでは、例えば、文字情報であれば全ての端末局装置B1〜Bnなどから折り返し情報が返ってきても照合が可能であるが、リアルタイムでアナログ音声が返ってくるような場合には、人が聴話するときや回線容量が限られるようなときには、1局(或いは、数局)しか聴話することができないため、代表局のみについて聴話する構成とすることができる。例えば、折り返し送信を行う端末局装置B1〜Bnなどを予め決定しておくことや、ランダムに決定することや、各端末局装置B1〜Bnに付された番号順などの所定の順番で決定することなどができる。また、代表局としては、一例として、センター局装置Aからの文字情報の加工の度合いが低いもの或いは高いものなどを用いることもできる。
また、本例では、図8に示されるように、センター局装置Aから端末局装置B1〜Bnなどへの通信と、端末局装置B1〜Bnなどからセンター局装置Aへの通信とで、異なる通信回線を開設したが、例えば、センター局装置Aと端末局装置B1〜Bnとの間で送受が可能な両方向の通信回線を開設して、文字情報の通信及び折り返し通信の両方を行ってもよい。
【0064】
なお、以上に示した本実施例に係るデジタル同報無線システムでは、端末局装置B1〜Bnや戸別受信機C1〜Cmにより、センター局装置Aに対する子局装置が構成されている。
また、以上に示した本実施例に係るセンター局装置Aでは、基地局無線送受信装置1の機能により送信手段や受信手段(折り返し受信手段)が構成されており、操作卓2などの機能により折り返し情報を出力する折り返し出力手段が構成されている。
【0065】
また、以上に示した本実施例に係る端末局装置B1〜Bnでは、図5に示されるような端末局メッセージテーブル81をメモリに記憶する機能により記憶手段が構成されており、テレメータ収集子局装置26により水位の情報を取得する機能により取得手段が構成されており、端末局本体装置21の機能により受信手段や送信手段(折り返し送信手段)が構成されており、図4に示されるような文字メッセージ71の情報を加工する機能により加工手段が構成されており、トランペットスピーカ23や表示装置24により報知を行う機能により報知手段が構成されており、音声合成装置25の機能により音声合成手段が構成されている。
また、以上に示した本実施例に係る戸別受信機C1〜Cmでは、端末局装置B1〜Bnが有する機能の全部或いは一部を備えてもよく、例えば、情報をメモリに記憶する機能により記憶手段が構成されており、アンテナを用いて無線通信する機能により受信手段や送信手段が構成されており、文字メッセージ情報を加工する機能により加工手段が構成されており、表示装置41の機能やスピーカの機能により報知手段が構成されており、機能部42が有する音声合成機能により音声合成手段が構成されている。
【0066】
ここで、本発明に係る無線通信システムやセンター局装置や子局装置(本実施例では、端末局装置や戸別受信機)などの構成としては、必ずしも以上に示したものに限られず、種々な構成が用いられてもよい。また、本発明は、例えば、本発明に係る処理を実行する方法或いは方式や、このような方法や方式を実現するためのプログラムや当該プログラムを記録する記録媒体などとして提供することも可能であり、また、種々な装置やシステムとして提供することも可能である。
また、本発明の適用分野としては、必ずしも以上に示したものに限られず、本発明は、種々な分野に適用することが可能なものである。
また、本発明に係る無線通信システムやセンター局装置や子局装置(本実施例では、端末局装置や戸別受信機)などにおいて行われる各種の処理としては、例えばプロセッサやメモリ等を備えたハードウエア資源においてプロセッサがROM(Read Only Memory)に格納された制御プログラムを実行することにより制御される構成が用いられてもよく、また、例えば当該処理を実行するための各機能手段が独立したハードウエア回路として構成されてもよい。
また、本発明は上記の制御プログラムを格納したフロッピー(登録商標)ディスクやCD(Compact Disc)−ROM等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体や当該プログラム(自体)として把握することもでき、当該制御プログラムを当該記録媒体からコンピュータに入力してプロセッサに実行させることにより、本発明に係る処理を遂行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の実施例に係るデジタル同報無線システムの構成例を示す図である。
【図2】文字伝送に用いるデータフォーマットの一例を示す図である。
【図3】センター局装置から端末局装置へ拡声通報を行う処理の一例を示す図である。
【図4】文字メッセージの一例を示す図である。
【図5】端末局メッセージテーブルの一例を示す図である。
【図6】センター局装置から端末局装置へ拡声通報を行う処理の一例を示す図である。
【図7】センター局装置と端末局装置との間における無線回線スロットの使用状況の一例を示す図である。
【図8】センター局装置と端末局装置との間における無線回線の開設手順の一例を示す図である。
【図9】デジタル同報無線システムの構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0068】
A、E・・センター局装置、 B1〜Bn、F1〜Fn・・端末局装置、 C1〜Cm、G1〜Gm・・戸別受信機、 D1〜D3・・通信領域、 a1〜a3・・無線回線、 1・・基地局無線送受信装置、 2・・操作卓、 3・・文字伝送装置、 4・・テレメータ収集親局装置、 11、31・・制御部、 12、32・・無線部、 13、33・・アンテナ、 21・・端末局本体装置、 22・・接続ボックス、 23・・トランペットスピーカ、 24、41・・表示装置、 25、91・・音声合成装置、 26・・テレメータ収集子局装置、 42・・機能部、 51・・文字伝送データフォーマット、 61・・共通情報部、 62・・文字制御情報部、 63・・文字データ部、 71・・文字メッセージ、 b1〜b5・・情報部、 81・・端末局メッセージテーブル、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
センター局装置と子局装置とが無線により通信する無線通信システムにおいて、
前記センター局装置は、前記子局装置により加工すべき文字メッセージ情報を前記子局装置に対して無線により送信する送信手段を備え、
前記子局装置は、前記加工のために使用する情報を記憶する記憶手段或いは前記加工のために使用する情報を取得する取得手段の一方又は両方と、
前記文字メッセージ情報を受信する受信手段と、
前記受信された文字メッセージ情報を前記記憶手段に記憶された情報或いは前記取得手段により取得された情報の一方又は両方を使用して加工する加工手段と、
前記加工により生成された文字メッセージ情報の内容を音声或いは文字の一方又は両方で報知する報知手段と、を備えた、
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の無線通信システムにおいて、
前記子局装置は、前記生成された文字メッセージ情報の内容に対応したアナログ音声を音声合成により生成する音声合成手段を備え、
前記報知手段は、前記生成されたアナログ音声を出力する、
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の無線通信システムにおいて、
前記子局装置は、前記生成された文字メッセージ情報の内容を音声或いは文字の一方又は両方で前記センター局装置に対して無線により折り返し送信する折り返し送信手段を備え、
前記センター局装置は、前記折り返し送信された音声或いは文字を受信する折り返し受信手段と、
前記折り返し受信された音声或いは文字を出力する折り返し出力手段と、を備えた、
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の無線通信システムにおいて、
前記センター局装置から無線により送信される前記文字メッセージ情報は、複数の前記子局装置により受信され、
それぞれの前記子局装置の記憶手段に記憶される情報或いは取得手段により取得される情報は、当該それぞれの前記子局装置に固有な情報を含む、
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項5】
センター局装置と子局装置とが無線により通信する無線通信方法において、
前記センター局装置は、文字メッセージ情報を前記子局装置に対して無線により送信し、
前記子局装置は、前記文字メッセージ情報を受信し、記憶された情報或いは取得された情報の一方又は両方を使用して前記受信した文字メッセージ情報を加工し、前記加工により生成した文字メッセージ情報の内容を報知する、
ことを特徴とする無線通信方法。
【請求項6】
子局装置と無線により通信するセンター局装置において、
前記子局装置による加工を指示する情報を含む文字メッセージ情報を、前記加工のために使用する情報を記憶する機能或いは取得する機能の一方又は両方を備えた前記子局装置に対して、無線により送信する送信手段を備えた、
ことを特徴とするセンター局装置。
【請求項7】
センター局装置と無線により通信する子局装置において、
情報を記憶する記憶手段或いは情報を取得する取得手段の一方又は両方と、
前記センター局装置から無線により送信される文字メッセージ情報を受信する受信手段と、
前記受信された文字メッセージ情報を前記記憶手段に記憶された情報或いは前記取得手段により取得された情報の一方又は両方を使用して加工する加工手段と、
前記加工により生成された文字メッセージ情報の内容を報知する報知手段と、を備えた、
ことを特徴とする子局装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センター局装置と子局装置とが無線により通信する無線通信システムにおいて、
前記センター局装置は、前記子局装置により加工すべき情報を前記子局装置に対して無線により送信する送信手段を備え、
前記子局装置は、前記加工のために使用する情報を記憶する記憶手段或いは前記加工のために使用する情報を取得する取得手段の一方又は両方と、
前記加工すべき情報を受信する受信手段と、
前記受信された情報を前記記憶手段に記憶された情報或いは前記取得手段により取得された情報の一方又は両方を使用して加工する加工手段と、
前記加工により生成された情報の内容を音声或いは文字の一方又は両方で報知する報知手段と、を備えた、
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の無線通信システムにおいて、
前記子局装置は、前記生成された情報の内容に対応したアナログ音声を音声合成により生成する音声合成手段を備え、
前記報知手段は、前記生成されたアナログ音声を出力する、
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の無線通信システムにおいて、
前記子局装置は、前記生成された情報の内容を音声或いは文字の一方又は両方で前記センター局装置に対して無線により折り返し送信する折り返し送信手段を備え、
前記センター局装置は、前記折り返し送信された音声或いは文字を受信する折り返し受信手段と、
前記折り返し受信された音声或いは文字を出力する折り返し出力手段と、を備えた、
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の無線通信システムにおいて、
前記センター局装置から無線により送信される前記加工すべき情報は、複数の前記子局装置により受信され、
それぞれの前記子局装置の記憶手段に記憶される情報或いは取得手段により取得される情報は、当該それぞれの前記子局装置に固有な情報を含む、
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項5】
センター局装置と子局装置とが無線により通信する無線通信方法において、
前記センター局装置は、情報を前記子局装置に対して無線により送信し、
前記子局装置は、前記情報を受信し、記憶された情報或いは取得された情報の一方又は両方を使用して前記受信した情報を加工し、前記加工により生成した情報の内容を報知する、
ことを特徴とする無線通信方法。
【請求項6】
子局装置と無線により通信するセンター局装置において、
前記子局装置による加工を指示する情報を含む情報を、前記加工のために使用する情報を記憶する機能或いは取得する機能の一方又は両方を備えた前記子局装置に対して、無線により送信する送信手段を備えた、
ことを特徴とするセンター局装置。
【請求項7】
センター局装置と無線により通信する子局装置において、
情報を記憶する記憶手段或いは情報を取得する取得手段の一方又は両方と、
前記センター局装置から無線により送信される情報を受信する受信手段と、
前記受信された情報を前記記憶手段に記憶された情報或いは前記取得手段により取得された情報の一方又は両方を使用して加工する加工手段と、
前記加工により生成された情報の内容を報知する報知手段と、を備えた、
ことを特徴とする子局装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−279250(P2006−279250A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−92011(P2005−92011)
【出願日】平成17年3月28日(2005.3.28)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】