説明

無線通信ネットワークにおいて装置をクラスタ化する方法

基地局210と複数の遠隔端末220とを有する無線通信ネットワーク200において、上記複数の遠隔端末220は上記基地局210と通信するために複数のクラスタ230に分割され、これら遠隔端末220の各々は、当該通信ネットワーク200とは関連付けられていない1以上の外部地上送信機250により送信される1以上の外部信号の、斯かる遠隔端末220の1以上により測定された少なくとも1つの特性に基づいて、或るクラスタ230に割り当てられる。従って、基地局210と各遠隔端末220との間の通信のパラメータを各遠隔端末220が属するクラスタ230に従って選択することができ、或るクラスタ230内の遠隔端末220は互いに直接通信するのを可能にされ、及び/又は当該通信ネットワーク200により使用される周波数帯域の周波数スペクトルプロファイル測定を実行するために、遠隔端末220を自身が割り当てられたクラスタに従って選択することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2005年9月16日に出願した米国予備特許出願第60/718,127号の利益を主張するもので、該出願の内容は参照により本明細書に全体として組み込まれるものとする。
【0002】
本発明は、無線通信ネットワークに係り、更に詳細には無線通信ネットワークにおいて装置をクラスタ化する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
米国において、近年、連邦通信委員会(FCC)は、無認可通信ネットワークが放送テレビジョン等の他の既存の(incumbent)無線サービスにより現在使用されている特定の帯域上で動作するのを許可するという規則作成案を公開した。FCCは、斯かる無認可無線ネットワークの送信する装置が既存無線サービスを妨害するのを防止する規格を提案した。例えば、これらの無認可の送信している装置は、既存送信機が動作を開始した後、短期間(例えば、数秒)内に如何なるチャンネルも明け渡すことを要する。無認可無線ネットワークの送信している装置が、そのようにすることを要求された場合にチャンネルを明け渡すことを保証する1つの方法は、該装置が定期的に送信を停止し、既存送信機から何らかの送信が存在するかについて、斯かる送信機の動作帯域内で全チャンネルをチェックすることにより斯かる既存送信機を傾聴することである。当該装置が如何なる既存無線送信の存在を検出した場合も、該装置は、既存信号(又は複数の信号)を妨害しないことを保証するために適切な対策(例えば、チャンネルを変更する、出力を低減する、停止(shut down)する等)を講ずることを要する。
【0004】
図1は、基地局(BS)110と、複数の遠隔端末(RT)120とを有する例示的な無認可無線通信ネットワーク100を示す。一実施例において、無線通信ネットワーク100は無線地域ネットワーク(WRAN)とすることができる。1つの典型的な応用例は広帯域サービスであり、その場合、RT120は消費者側(例えば、広帯域モデム)にある一方、BS110はサービスプロバイダに属し、多くのRT120をサービスする。
【0005】
RT120は固定型又は移動型装置とすることができる。典型的には、無線通信ネットワーク100は、BS110と共に動作する100又はそれ以上のRTを有することができる。図1に示されるように、一般的に、無線通信ネットワーク100と同一の普通の地理的領域に無線信号(又は複数の信号)を送信するような、通信ネットワーク100とは関連のない1以上の外部送信機(例えば、既存テレビジョン送信機)が存在し得る。更に、新たな外部送信機150が如何なる時でも送信を開始する可能性があり、これらの新たな送信機も既存者とみなされるので、これら送信機の信号はRT120の何れか又はBS110からの送信による妨害から保護されねばならない。
【0006】
前記チャンネル明け渡し要件を満たすために、BS110及びRT120の全てが、定期的に送信を停止し、全ての可能性のあるチャンネル上の既存送信機を傾聴することを要する場合、このチェックに要する時間はかなりのものとなり、その頻度は頻繁になり、これが無線通信ネットワーク100の能力を著しく低減させ得る。
【0007】
更に、無線通信ネットワーク100は数十マイルのオーダの直径を持つ領域にわたり動作することもあり得る。従って、第1のグループのRT120が第2のグループのRT120よりも既存外部送信機150に何マイルも近くに位置することもあり得る。その場合、既存外部送信機150の信号を保護するために、第1のグループにおけるRT120に対して1以上のチャンネル上の通信が禁止される可能性がある一方、これら同一のチャンネル上の通信は、既存外部送信機150から何マイルも離れて位置する第2のグループのRT120に対しては許可可能である場合もある。逆に、第2のグループのRT120が、別の第2の既存外部送信機150に対して第1のグループのRT120よりも何マイルも近くに位置し、従って、1以上の異なるチャンネル上での通信が、第1のグループのRT120に対しては許可可能であるが、第2のグループのRT120に対しては禁止されることもあり得る。BS110は、自身の運用領域における既存外部送信機150の全ての位置及び周波数を知り得るとしても、一般的にBS110は何のRT120が何の既存外部送信機150の近くに位置するかを知る便利な方法を有していない。その場合、既存外部送信機150の何れかが動作している全チャンネル上での全RT120との通信を不能化することが強制され得る。このことは、当該ネットワークの効率及びデータ容量を減少させる。
【0008】
更に、幾つかの場合においては、互いに接近して位置するRT120が、BS110を介してデータ又はメッセージを通過させることなしに互いに直接通信することができることが望ましく且つ通信効率を増加させるであろう。しかしながら、BS110及びRT120が、何のRT120が近くに位置しているかを知る便利な方法を有さない場合、そのような直接的通信を可能にすることは現実的でない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、通信ネットワークにおいて遠隔端末をグループ化する方法及び手段であって、当該通信ネットワークにより使用される周波数帯域の周波数スペクトルプロファイルを測定するための資源の効率的な割り当てを可能にするような方法及び手段を提供することが望ましい。また、通信ネットワークにおいて遠隔端末をグループ化する方法及び手段であって、基地局が、遠隔端末との自身の通信の1以上のパラメータを該遠隔端末が属するグループの1以上の共通特性に基づいて選択し及び適合させるのを可能にするような方法及び手段を提供することも望ましい。更に、通信ネットワークにおいて遠隔端末をグループ化する方法及び手段であって、互いに地理的に近い遠隔端末間の直接通信を容易化するような方法及び手段を提供することも望ましい。更にまた、無線通信ネットワークにおいて固定型及び移動型遠隔端末の位置を決定するシステム及び方法を提供することも望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様においては、基地局と複数の遠隔端末とを有する無線通信ネットワークにおいて、通信方法は、前記基地局との通信のために前記複数の遠隔端末を複数のクラスタに分割するステップと、前記遠隔端末の各々を前記クラスタの1つに、当該無線通信ネットワークとは関連のない1以上の外部地上送信機により送信される1以上の外部信号の、前記遠隔端末の1以上により測定される少なくとも1つの特性に基づいて割り当てるステップと、前記基地局と各遠隔端末との間の通信の少なくとも1つのパラメータを各遠隔端末が属するクラスタに従って選択するステップとを有する。
【0011】
本発明の他の態様においては、基地局と複数の遠隔端末とを有する無線通信ネットワークにおいて、通信方法は、前記基地局に対する前記複数の遠隔端末の各々の位置を決定するステップと、前記基地局と通信するために前記複数の遠隔端末を複数のクラスタに分割するステップと、前記決定された各遠隔端末の位置に基づいて前記遠隔端末の各々を前記クラスタの1つに割り当てて、遠隔端末を互いの近さに従って各クラスタにグループ化するステップと、前記基地局と各遠隔端末との間の通信の少なくとも1つのパラメータを各遠隔端末が属するクラスタに従って選択するステップとを有する。
【0012】
本発明の更なる態様においては、基地局と複数の遠隔端末とを有する無線通信ネットワークにおいて、前記基地局に対する前記複数の遠隔端末の各々の位置を決定する方法は、(a)前記基地局と前記遠隔端末との間の距離d12を、トークンが該基地局と該遠隔端末との間で往復送信される往復時間t12に基づいて決定するステップと、(b)当該無線通信ネットワークとは関連が無く且つ既知の位置に位置する外部地上送信機により送信される外部信号に含まれるシンク信号の前記基地局における到達時刻tを決定するステップと、(c)前記外部信号が前記外部地上送信機から前記遠隔端末まで進行する時間t02を、(1)前記基地局と前記外部地上送信機との間の既知の距離d01と、(2)前記到達時刻tと、(3)当該無線通信ネットワークとは関連が無い前記外部地上送信機により送信される前記外部信号に含まれる前記シンク信号の前記遠隔端末における到達時刻tとを用いて決定するステップと、(d)前記遠隔端末と前記外部地上送信機の前記既知の位置との間の距離d02を、前記時間t02に基づいて決定するステップと、(e)前記遠隔端末の位置を、(1)前記距離d12及びd02と、(2)前記外部地上送信機の前記既知の位置と、(3)前記基地局の既知の位置とを用いて決定するステップとを有する。
【0013】
本発明の更に他の態様においては、基地局と複数の遠隔端末とを有する無線通信ネットワークにおいて、通信方法は、前記基地局と通信するために前記複数の遠隔端末を複数のクラスタに分割するステップと、前記遠隔端末の各々を前記クラスタの1つに、当該無線通信ネットワークとは関連のない1以上の外部地上送信機により送信される1以上の外部信号の、前記遠隔端末の1以上により測定される少なくとも1つの特性に基づいて割り当てるステップと、各遠隔端末が自身に割り当てられたクラスタ内の他の遠隔端末とデータを、前記基地局を介して該データを通過させること無しに、直接通信するのを可能にするステップとを有する。
【0014】
本発明の更に他の態様においては、基地局と複数の遠隔端末とを有する無線通信ネットワークにおいて、通信方法は、前記基地局と通信するために前記複数の遠隔端末を複数のクラスタに分割するステップと、前記遠隔端末の各々を前記クラスタの1つに、当該無線通信ネットワークとは関連のない1以上の外部地上送信機により送信される1以上の外部信号の、前記遠隔端末の1以上により測定される少なくとも1つの特性に基づいて割り当てるステップと、前記複数の遠隔端末のうちの何れが当該無線通信ネットワークとは関連のない前記外部地上送信機により使用される周波数帯域の周波数スペクトルプロファイル測定を実行するかを、これらが割り当てられたクラスタに従って選択するステップとを有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に述べる方法及びシステムの種々の原理及びフィーチャは種々の通信システムに適用することが可能であるが、解説の目的で、下記の実施例は、既存送信機により使用される1以上の周波数帯域で動作する前述したような無認可無線通信ネットワークの筋書きで説明する。勿論、本発明の範囲は添付請求項により規定されるもので、下記の特定の実施例により限定されるものではない。更に、ここで使用される限りにおいて、"当該無線通信ネットワークとは関連のない外部地上送信機"なる用語は、自身の信号を当該無線通信ネットワークの動作とは独立に送信する如何なる地上無線送信機をも、例えば地上アナログ又はデジタルテレビジョン放送送信機、テレビジョン中継送信機、地上商用無線放送送信機、公衆サービス又はアマチュア無線帯域における無線リピータ等を指す。
【0016】
ここで述べるものは、基地局及び複数の遠隔端末を有する無線通信ネットワークのための通信方法である。該方法は、上記基地局との通信のために上記複数の遠隔端末を複数のクラスタに分割すると共に、これら遠隔端末の各々を斯かるクラスタの1つに割り当てる。
【0017】
図2は、基地局(BS)210と、クラスタ230に分割された複数の遠隔端末(RT)220とを含む無線通信ネットワーク200を示す。
【0018】
後に詳述するように、RT220の各々はクラスタ230の1つに、当該無線通信ネットワーク200とは関連のない1以上の外部地上送信機250により送信される1以上の外部信号の、RT220の1以上により測定される少なくとも1つの特性(characteristic)に基づいて割り当てられる。
【0019】
一実施例において、上記の測定される特性は、外部地上送信機250により送信された外部信号に含まれるシンク(sync)信号のRT220における到達時刻である。例えば、外部地上送信機250がデジタルテレビジョン(DTV)送信機である場合、上記シンク信号は該DTV放送信号におけるフィールドシンクシーケンスとすることができる。その場合、RT220における該シンクシーケンスの測定された到達時刻は、該RT220の位置を計算するために使用され、該位置はRT220を特定のクラスタ230に割り当てるために使用される。
【0020】
他の実施例では、上記測定される特性は、RT220の各々において受信される、全外部地上送信機250からの既存送信の"プロファイル"である。有利には、該既存プロファイルは、外部地上送信機250からの外部信号により生成された、RT220の各々において測定される周波数スペクトルプロファイルとすることができる。その場合、RT220はクラスタ230に、各クラスタ230に同様の既存(例えば、周波数スペクトル)プロファイルを持つRT220がグループ化されるように割り当てられる。
【0021】
第1実施例に従って、図3は、無線通信ネットワークにおける遠隔端末の位置を、当該無線通信ネットワークとは関連のない1以上の外部地上送信機により送信される外部信号の到達時刻に基づいて決定する方法を説明するための説明図を示す。図3は、基地局(BS)210、遠隔端末(RT)220、及び当該無線通信ネットワーク200とは関連のない外部地上送信機250(例えば、地上放送テレビジョン(TV)送信機)を示している。
【0022】
BS210の位置(x,y)は既知であると仮定する。外部地上送信機250の位置(x,y)も既知であると仮定する(米国におけるTV送信機の位置の記録は、FCCにより維持されている)。かくして、TV送信機250とBS210との間の距離d01は、計算し、BS210に記憶することができる。更に、BS210及びTV送信機250の位置はBS210に別々に記憶することができる。
【0023】
更に、BS210はRT220と自身との間の距離d12を下記のように決定することができる。先ず、BS210は、トークンをRT220に送信し、RT220がBS210に応答することを要求する。RT220から応答を受信するまでの往復時間tRTから如何なる処理時間をも減算したものを、下記の式に従ってBS210とRT220との間の距離d12を計算するために使用することができる:
【数1】

ここで、cは光速である。
【0024】
次に、TV送信機250とRT220との間の距離d02が、下記のように決定される。
【0025】
地上テレビジョン放送信号は、典型的に、既知の同期信号を含んでいる。例えば、米国においては、地上デジタルテレビジョン(DTV)放送信号は、或る繰り返し構造を有している。米国における地上DTV送信機は、24.2ms毎に既知の信号("フレーム同期"と呼ばれる)を送信する。
【0026】
この既知の信号を、下記のようにTV局250とRT220との間の距離d02を計算するために使用することができる。先ず、BS210はRT220に、TV送信機250により送信されたテレビジョン信号におけるシンクシーケンスを捜すように命令する。RT220におけるシンクシーケンスの到達時刻tが決定される。その間に、BS210も、TV送信機250により送信されたTV信号におけるシンクシーケンスを捜し、自身の位置における該シンクシーケンスの到達時刻tを記録する。その場合、上記TV信号がTV送信機250からRT220まで進行するのに要する時間t02は、
【数2】

と計算することができる。
【0027】
02が一旦分かったら、d02は、
【数3】

と計算することができる。
【0028】
かくして、d02及びd12は上述したように計算されたので、RT220の位置(x,y)を、下記の対の連立方程式を解くことにより決定することができる:
【数4】

及びyを除き、上記方程式対(4)における全ての他の変数は既知である。従って、該方程式対を同時に解くことによりRT220の位置(x,y)を見付けることができる。
【0029】
ところで、多数の要因が、上述した位置決定方法の精度に悪く影響する可能性がある。例えば、マルチパス及びクロック不整合は、上記到達時刻測定の精度に影響し得る。幸いなことに、広帯域無線通信ネットワーク用途に対しては、高度の正確さは必要とされない。このような用途では、BS210はRT220の概略位置を知るだけで良く、従って、BSはそれに応じてRT220をグループ化することができる。これらの場合において、上述した方法は典型的には満足のゆくものである。
【0030】
RT220の位置の一層正確な決定が必要とされるような状況では、精度は、当該無線通信ネットワーク200とは関連のない2以上の異なる外部地上送信機250(例えば、TV送信機)に対して上述した手順を繰り返し、次いで結果を平均してRT220の位置を一層正確に決定することにより、大幅に改善することもできる。
【0031】
更に、当該無線通信ネットワーク200とは関連のない2以上の異なる外部地上送信機250(例えば、TV送信機)により送信される信号が利用可能な場合、RT220の三次元空間内での位置(x,y,z)を下記の式の組を解くことにより計算することもでき:
【数5】

ここで、d23は上述して手順を使用して決定されたRT220と第2TV送信機250との間の距離であり、(x,y,z)はBS210の三次元空間内での位置であり、(x,y,z)は第1TV送信機250の三次元空間内での位置であり、(x,y,z)は第2TV送信機の三次元空間内での位置である。
【0032】
上述した手順は無線通信ネットワーク200における全RT220に対して実行することができるので、BS210は全てのRT220の位置を知る。
【0033】
1以上の既存送信機により利用される周波数帯域内で動作する無認可無線通信ネットワークの性能は、当該無線通信ネットワークの遠隔端末の位置がわかれば向上させることができる。斯かる位置がわかる場合、基地局は遠隔端末を複数のクラスタに分割し、斯かる遠隔端末を斯かるクラスタに、遠隔端末を各クラスタに遠隔端末の互いの近さに従ってグループ化するように割り当てることができる。その場合、グループスケジューリング又は多アンテナダイバーシティ(multiple antenna diversity)等の技術を使用することができる。同じ地理的領域内の遠隔端末は同じ指向性を共有させられるようにし、これにより容量及び性能を改善することができる。
【0034】
図4は、BS210及びRT220を有する無線通信ネットワーク200を示し、ここでは、RT220はクラスタ230に分割され、各RT220はクラスタ230の1つに、RT220を互いの近さに従って各クラスタ230にグループ化するように割り当てられている。
【0035】
RT220を、それらの地理的近さに従ってクラスタ化することにより、BS210は下記のうちの1以上を行うことができる。
・ BS210は、BS210と各RT220との間の通信の少なくとも1つのパラメータを、当該RT220が属する特定のクラスタ230に従って選択することができる。例えば、BS210は、RT220の異なるクラスタ230に対して、異なる変調及び/又はエラー訂正符号化フォーマットを当該クラスタ230の概略位置に依存して選択することができる。即ち、BS210は、BS210から離れたRT220のクラスタ230に対して、又は当該無線通信ネットワーク200とは関連のない外部地上送信機250の近くに位置し、従って増加した妨害を受けるRT220のクラスタ230に対して、より強い(robust)符号化/変調フォーマットを選択することができる。更に、BS210は、直交周波数分割多重化(OFDM)等のマルチキャリア方式が使用される場合に、ガード区間(guard interval)を特定のクラスタ230の予測されるマルチパス遅延バラツキに従って最適化することができる。このようにして、クラスタ化はBS210が自身のRT220との通信の1以上のパラメータを、当該RT220が属するクラスタ230の1以上の共通のパラメータに基づいて特別に適合させるのを可能にする。
・ BS210は、指向性アンテナを、クラスタ230間の空間分割多重化等の技術と組み合わせて使用することができる。これは、当該無線通信ネットワーク200の全体的容量を増加させることができる。何故なら、同一のクラスタ230にないRT220は、同時に、殆ど干渉無しで送信及び受信することができるからである。また、BS210は、RT220の異なるクラスタ230と通信するために、既存送信機250の相対的位置に依存して異なる周波数チャンネルを使用することができる。即ち、BS210は第1クラスタ230との通信のために第1周波数チャンネルを使用することができるが、第2クラスタ230は第1周波数チャンネル上で動作している既存送信機250に近いために、該第2クラスタ230との通信に対しては同じ第1周波数チャンネルを使用することが許されない。同時に、BS210は第2クラスタ230との通信のために第2周波数チャンネルを使用することができるかも知れないが、第1クラスタ230は第2周波数チャンネル上で動作している第2の既存送信機250に近いために、第1クラスタ230との通信に対しては該周波数チャンネルを使用することが許されない。このように、クラスタ化はBS210が複数のRT220との通信において自身の通信資源を一層効率的に使用するのを可能にする。
・ BS210は、或るクラスタ230におけるRT220が、BS210を介してメッセージ又はデータを通過させることを要すること無しに、互いに直接通信するようにスケジューリングすることができる。これは、広帯域サービス以外の用途に使用することができるようなマルチセンサネットワークを生成することができる。
【0036】
上述して説明では、説明の容易さのために、外部地上送信機250は地上放送テレビジョン(TV)送信機に関するものとして説明したが、実際には、外部地上送信機250は、到達時刻検出をやり易い何らかのシンク又はパラメータの他の特徴を含む信号を送信すると共に、BS210により位置が知られた如何なる外部地上送信機とすることもできる。一実施例において、外部地上送信機250は、無線通信ネットワーク200においてRT220をクラスタ化するために使用することができるような信号を送信する専用のビーコン送信機を有する。
【0037】
上記においては無線通信ネットワークにおいて遠隔端末をクラスタ化する処理を、各遠隔端末の地理的位置を決定することに基づいて説明したが、他の実施例では、遠隔端末は、当該無線通信ネットワークとは関連のない1以上の外部地上送信機により送信される1以上の外部信号により生成され、遠隔端末の各々において測定される既存プロファイルに従ってクラスタに割り当てられる。その場合、上記外部大気経由(over-the-air)送信機の位置は知る必要はなく、遠隔端末は、同様の既存プロファイルを持つ遠隔端末が各クラスタにグループ化されるようにクラスタに割り当てられる。
【0038】
この実施例によれば、各RT220は、各既存(例えば、TV)チャンネルにおいて当該無線通信ネットワーク200には関連しない1以上の外部地上送信機250により送信される外部信号(例えば、TV信号)の測定を行う。該既存プロファイル測定は、無線通信ネットワーク200により使用される周波数スペクトルの簡単なRF信号強度測定とすることができる。他の例として、マルチパスに対する一層大きな強さを提供するために、一層複雑な測定を各外部信号の特徴(feature)の検出に基づいて行うこともできる。後者の場合、有利には、検出される特徴の強さが使用される。例えば、既存送信機250が近い(又は高い出力で送信している)場合、その値は高くなり、その逆となる。これらの測定に基づいて、各RT220は既存プロファイルを構築する。次いで、この既存プロファイルは、下記に詳述するように、クラスタ化のためにBS210(又は、そのプロキシ)に配布される。この処理は、定期的に繰り返すことができる。
【0039】
図5は、RT220によりなされた、無線通信ネットワーク200により使用される周波数帯域における既存送信の周波数スペクトルプロファイル測定を示している。
【0040】
次に、同様の既存プロファイルを持つRT220をクラスタ化するためのアルゴリズムを、図6のフローチャートを参照して説明する。
最初に、複数の変数を下記のように定義する:
n=無線通信ネットワーク200におけるRT220の数;
f=外部地上送信機250により送信される外部信号を含み得るような、無線通信ネットワーク200により使用される周波数チャンネルの総数;
k=RT220が分割されるクラスタ230の数;
i=各RT220に対するインデックスであり、1≦i≦n;
j=各クラスタ230のインデックスであり、1≦j≦k;
バー=1*fのサイズの、RT200の測定ベクトル;
J=最小化されるべきスカラの目的関数;
=スカラ目的関数に対する最大の許容される値(入力値);
=J≦Jのために必要とされるクラスタ230の最小数(出力値)。
【0041】
図6に戻ると、当該アルゴリズムは下記のように進行する。
【0042】
ステップ610において、クラスタ230の数は2(k=2)に設定される。
【0043】
その間、ステップ620においてn個のRT220の各々は、自身の位置において上述したようにして周波数スペクトルプロファイルを測定し、測定ベクトルxバーを生成する。
【0044】
次いで、ステップ630において、k個のクラスタ230に対してRT220の測定ベクトルxバーのうちのk個が試行平均測定ベクトルmバーとしてランダムに割り当てられる。これらのk個の試行平均測定ベクトルmバーは、k個のクラスタ230に対する実際の平均測定ベクトルに関する初期推定値として働く。
【0045】
次に、ステップ640において、各RT220iに関して、上記平均測定ベクトルmバーのうちの何れが、自身の測定ベクトルxバーに最も近いかが判定され、次いでRT220iがクラスタjに試行割り当てとして割り当てられる。
【0046】
RT220の全てがk個のクラスタ230の1つに割り当てられた後、ステップ650において、各クラスタ230に対して"更新された"平均測定ベクトルmバーが、当該クラスタ230jにおけるRT220iの全てに関する測定ベクトルx(j)を用いて計算される。
【0047】
ステップ640及び650は、平均測定ベクトルmバーの値に更なる変化がなくなるまで、繰り返される。
【0048】
次に、ステップ660において、最小化されるべきスカラ目的関数Jが、各クラスタ230jに対する平均測定ベクトルmバー及び全測定ベクトルx(j)バーを用いて計算される。
【0049】
ステップ670において、上記の最小化されるべきスカラ目的関数Jは、該スカラ目的関数に対する最大許容値Jと比較される。Jは、当該無線通信ネットワーク200に対する目標性能評価基準に基づく事前に選択される値であり、運用経験を介して決定することができる。
【0050】
J>Jなら、ステップ680において当該アルゴリズムはkを1だけインクリメントし、前記ステップ630に戻り、ステップ630〜670が繰り返される。
【0051】
J≦Jなら、当該アルゴリズムは終了する。その時点で、kはkに等しく、RT220はk個のクラスタに割り当てられ、かくして、各クラスタ230に同様の既存プロファイルを持つ遠隔端末220をグループ化することになる。
【0052】
数学的には、上記スカラ関数Jに対する1つの有利な選択は:
【数6】

であり、ここで、
【数7】

はクラスタ230jに試行的に割り当てられたRT220iの測定ベクトルx(j)バーと、その特徴空間(feature space)におけるクラスタ平均mバーとの間の距離を示す。
【0053】
遠隔端末をクラスタ化することの多くの利点が存在する。これら利点の幾つかは、当該無線通信ネットワーク内でのスペクトル測定責任の分担、及び/又は測定情報の一層効率的な配布に関係する。全ての遠隔端末が全てのチャンネルを測定し、この情報を当該無線通信ネットワーク上で配布した場合、該ネットワークに対する負荷は重大なものとなる。なされる測定の数を間引きすることにより、配布のオーバーヘッドは大幅に低減される。
【0054】
この点に関して、所与のチャンネルが既存送信機による占有に関して測定されねばならない頻度は、該既存送信機のデューティサイクル(日のオーダのものであり得る)にではなく、数秒のオーダのものであり得るような明け渡し時間に依存することに注意されたい。該明け渡し時間は、既存送信機が或るチャンネル上で送信を開始した後に、無線通信ネットワークが該チャンネルを明け渡さねばならない期間と定義される。該明け渡し時間が小さい場合、情報配布オーバーヘッドが効率的に管理されない限り、利用可能な全無線資源のかなりの部分となり得る。これは、測定情報を配布するために競合型(contention-based)のアクセスメカニズムが使用される場合に特に当てはまる。
【0055】
しかしながら、遠隔端末が同様の既存プロファイルに基づいてクラスタ化されたなら、各RTは全体の利用可能なスペクトルの繰り返しての測定を行う必要はない。基地局(又はそのプロキシ)はネットワーク内で測定値の最適な分配を行うことができ、これは下記の取引を含む。当該無線通信ネットワーク内で過度に少ない遠隔端末しか測定を行わない場合、既存送信機を逃し得る。一方、各遠隔端末が各明け渡し時間毎に各チャンネルをサーチしたのでは、どのチャンネルが利用可能であるかを判定するのに掛かる総時間量が非常に大きくなり得る。上述したクラスタ化する方法は、このような取引を行うための知的ツールを提供する。
【0056】
以上、ここでは好ましい実施例を説明したが、本発明の思想及び範囲内に留まるような多くの変形例が可能である。このような変形例は、本明細書、図面及び請求項を精査すれば当業者にとり明らかとなるであろう。従って、本発明は添付請求項の趣旨及び範囲内を除き限定されるべきでない。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】図1は、無線通信ネットワークを示す。
【図2】図2は、クラスタに分割された遠隔端末を含む無線通信ネットワークを示す。
【図3】図3は、無線通信ネットワークにおいて遠隔端末の位置を決定する方法を説明するための説明図である。
【図4】図4は、遠隔端末が互いの地理的近さに基づいてクラスタに分割されているような無線通信ネットワークを示す。
【図5】図5は、通信ネットワークにより使用された周波数帯域における既存送信の周波数スペクトルプロファイル測定を示す。
【図6】図6は、無線通信ネットワークにおいて遠隔端末をクラスタに分割すると共に、斯かる遠隔端末をクラスタに割り当てる方法のフローチャートを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局と複数の遠隔端末とを有する無線通信ネットワークにおいて、
前記基地局との通信のために、前記複数の遠隔端末を複数のクラスタに分割するステップと、
前記遠隔端末の各々を前記クラスタの1つに、当該無線通信ネットワークとは関連のない1以上の外部地上送信機により送信される1以上の外部信号の、前記遠隔端末の1以上により測定された少なくとも1つの特性に基づいて割り当てるステップと、
3つの処理、即ち、
(1)各遠隔端末が属するクラスタに従って、前記基地局と各遠隔端末との間の通信の少なくとも1つのパラメータを選択する処理、
(2)割り当てられたクラスタに従って、当該無線通信ネットワークとは関連のない前記外部地上送信機により使用される周波数帯域の周波数スペクトルプロファイル測定を前記複数の遠隔端末のうちのどれが行うかを選択する処理、及び
(3)割り当てられたクラスタに従って、当該無線通信ネットワークとは関連のない前記外部地上送信機により使用される周波数帯域の周波数スペクトルプロファイル測定値を前記複数の遠隔端末のうちのどれが前記基地局に送信するかを選択する処理、
のうちの少なくとも1つを実行するステップと、
を有する通信方法。
【請求項2】
前記1以上の遠隔端末により測定された前記少なくとも1つの特性が、当該無線通信ネットワークとは関連のない前記1以上の外部地上送信機により送信される前記1以上の外部信号により生成される、前記遠隔端末の各々において測定された周波数スペクトルプロファイルを含むような請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記周波数スペクトルプロファイルが1*fなるサイズの測定ベクトルxバーを含み、ここで、fは前記1以上の外部地上送信機により送信された前記外部信号を定義するために割り当てられたチャンネルの数であり、iは対応する遠隔端末のインデックス数であり、jはクラスタのインデックス数であるような請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の遠隔端末がn個であり、前記基地局との通信のために前記n個の遠隔端末を複数のクラスタに分割すると共に、前記n個の遠隔端末の各々を前記クラスタの1つに前記1以上の外部信号の前記測定された特性に基づいて割り当てるステップが、
k=2のクラスタの試行値を確立するステップ(610)と、
前記n個の遠隔端末のn個の測定ベクトルのうちのk個を、前記k個のクラスタの各々に対して試行平均測定ベクトルmバーとして割り当てるステップ(630)と、
前記n個の遠隔端末の各々に対して、前記試行平均測定ベクトルmバーのどれが自身の測定ベクトルxバーに最も近いかを判定すると共に、当該遠隔端末を対応するクラスタjに試行割り当てとして割り当てるステップ(640)と、
各クラスタjに対して、ステップ(640)においてクラスタjに試行的に割り当てられた遠隔端末の全てに対する前記測定ベクトルを使用して新たな平均測定ベクトルmバーを計算するステップ(650)と、
前記平均測定ベクトルmバーの値に変化がなくなるまで、ステップ(640)及び(650)を繰り返すステップと、
前記n個の遠隔端末の各々に対する測定ベクトルxバーと、ステップ(640)において当該遠隔端末が最後に試行的に割り当てられたクラスタjに対する平均ベクトルmバーとの間の総ベクトル距離Jを計算するステップ(660)と、
Jを最大許容値Jと比較するステップ(670)と、
Jが前記最大許容値Jより大きい場合にkを1だけインクリメントすると共に、Jが該最大許容値J以下となるまでステップ(630)ないし(670)を繰り返すステップ(680)と、
Jが前記最大許容値J以下である場合に、前記kなる試行値を前記n個の遠隔端末が分割されるクラスタの数として使用すると共に、前記n個の遠隔端末の各々を前記k個のクラスタの1つに割り当てるためにステップ(c)の前記試行割り当てを使用するステップと、
を有するような請求項3に記載の方法。
【請求項5】
当該遠隔端末が属するクラスタに従って選択された、前記基地局と該遠隔端末との間の通信の前記少なくとも1つのパラメータが、エラー訂正コード、変調フォーマット、隣接する送信シンボル間のガード区間、及び1以上の周波数チャンネルからなる群から選択される少なくとも1つを含むような請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記1以上の遠隔端末により測定される前記1以上の外部信号の前記少なくとも1つの特性が、当該無線通信ネットワークとは関連のない前記1以上の外部地上送信機により送信される前記1以上の外部信号のうちの少なくとも1つに含まれるシンク信号の到達時刻を含むような請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記シンク信号が、デジタルテレビジョン(DTV)放送信号におけるフィールドシンクシーケンスであるような請求項6に記載の方法。
【請求項8】
当該無線通信ネットワークとは関連のない前記1以上の外部地上送信機により送信される前記1以上の外部信号が、該無線通信ネットワークが動作する周波数チャンネル内のテレビジョン放送信号を含むような請求項1に記載の方法。
【請求項9】
基地局と複数の遠隔端末とを有する無線通信ネットワークにおいて、
前記基地局に対する前記複数の遠隔端末の各々の位置を決定するステップと、
前記基地局との通信のために、前記複数の遠隔端末を複数のクラスタに分割するステップと、
前記遠隔端末の各々を前記クラスタの1つに、前記決定された各遠隔端末の位置に基づいて、これら遠隔端末を互いの近さに従って各クラスタにグループ化するように割り当てるステップと、
前記基地局と各遠隔端末との間の通信の少なくとも1つのパラメータを、各遠隔端末が属するクラスタに従って選択するステップと、
を有する通信方法。
【請求項10】
前記基地局に対する前記複数の遠隔端末の各々の位置を決定する前記ステップが、各遠隔端末に対して、
前記基地局と当該遠隔端末との間の距離d12を決定するステップと、
当該遠隔端末とテレビジョン放送アンテナの既知の位置との間の距離d02を決定するステップと、
当該遠隔端末の位置を決定するために、(1)前記距離d12及びd02、(2)前記テレビジョン放送アンテナの前記既知の位置、並びに(3)前記基地局の既知の位置を用いて1対の連立方程式を解くステップと、
を有するような請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記基地局と当該遠隔端末との間の距離d12を決定する前記ステップが、
トークンが前記基地局と当該遠隔端末との間で往復送信される往復時間t12を測定するステップと、
前記往復時間t12から前記距離d12を決定するステップと、
を有するような請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記テレビジョン放送アンテナの前記既知の位置と当該遠隔端末との間の距離d02を決定する前記ステップが、
前記テレビジョン放送アンテナにより送信されたテレビジョン信号に含まれるシンク信号の前記基地局における到達時刻tを決定するステップと、
前記テレビジョン放送アンテナにより送信された前記テレビジョン信号に含まれる前記シンク信号の当該遠隔端末における到達時刻tを決定するステップと、
前記テレビジョン信号が前記テレビジョン放送アンテナから当該遠隔端末まで進行する時間t02を、前記到達時刻t及びt並びに前記基地局と前記テレビジョン放送アンテナとの間の既知の距離d01を用いて決定するステップと、
cを光速とした場合に、d02を式d02=t02*Cにより決定するステップと、
を有するような請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記テレビジョン信号が、当該無線通信ネットワークが動作する周波数チャンネル内にあるような請求項12に記載の方法。
【請求項14】
当該遠隔端末が属するクラスタに従って選択された、前記基地局と該遠隔端末との間の通信の前記少なくとも1つのパラメータが、エラー訂正コード、変調フォーマット、隣接する送信シンボル間のガード区間、及び1以上の周波数チャンネルからなる群から選択される少なくとも1つを含むような請求項9に記載の方法。
【請求項15】
基地局と複数の遠隔端末とを有する無線通信ネットワークにおいて前記基地局に対する前記複数の遠隔端末の各々の位置を決定する方法であって、
(a)前記基地局と当該遠隔端末との間の距離d12を、トークンが前記基地局と当該遠隔端末との間で往復送信される往復時間t12に基づいて決定するステップと、
(b)既知の位置に位置する外部地上送信機により送信された外部信号に含まれるシンク信号の前記基地局における到達時刻tを決定するステップと、
(c)前記外部信号が前記外部地上送信機から当該遠隔端末まで進行する時間t02を、(1)前記基地局と前記外部地上送信機との間の既知の距離d01、(2)前記到達時刻t、及び(3)前記外部地上送信機により送信された前記外部信号に含まれる前記シンク信号の当該遠隔端末における到達時刻tを用いて決定するステップと、
(d)当該遠隔端末と前記外部地上送信機の前記既知の位置との間の距離d02を、前記時間t02に基づいて決定するステップと、
(e)当該遠隔端末の位置を、(1)前記距離d12及びd02、(2)前記外部地上送信機の前記既知の位置、並びに(3)前記基地局の既知の位置を用いて決定するステップと、
を有するような方法。
【請求項16】
前記外部地上送信機がテレビジョン放送送信機であり、前記外部信号が当該無線通信ネットワークが動作する周波数チャンネル内のテレビジョン信号であるような請求項15に記載の方法。
【請求項17】
(f)既知の位置に位置する当該無線通信ネットワークとは関連のない第2外部地上送信機により送信された第2外部信号に含まれるシンク信号の、前記基地局における到達時刻tを決定するステップと、
(g)前記第2外部信号が前記第2外部地上送信機から当該遠隔端末まで進行する時間t23を、(1)前記基地局と前記第2外部地上送信機との間の既知の距離d13、(2)前記到達時刻t、及び(3)当該無線通信ネットワークとは関連のない前記第2外部地上送信機により送信された前記第2外部信号に含まれる前記シンク信号の当該遠隔端末における到達時刻tを用いて決定するステップと、
(h)当該遠隔端末と前記第2外部地上送信機の既知の位置との間の距離d23を、前記時間t23に基づいて決定するステップと、
(i)当該遠隔端末の位置を、(1)前記距離d13及びd23、(2)前記第2外部地上送信機の前記既知の位置、並びに(3)前記基地局の既知の位置を用いて決定するステップと、
(j)前記第1及び第2外部地上送信機により送信される前記第1及び第2外部信号を用いて前記ステップ(e)及び(i)において生成される位置を平均して、当該遠隔端末の位置を一層正確に決定するステップと、
を更に有するような請求項15に記載の方法。
【請求項18】
第2の既知の位置に位置する当該無線通信ネットワークとは関連のない第2外部地上送信機により送信された第2外部信号に含まれるシンク信号の、前記基地局における到達時刻tを決定するステップと、
前記第2外部信号が前記第2外部地上送信機から当該遠隔端末まで進行する時間t23を、(1)前記基地局と前記第2外部地上送信機との間の既知の距離d13、(2)前記到達時刻t、及び(3)当該無線通信ネットワークとは関連のない前記第2外部地上送信機により送信された前記第2外部信号に含まれる前記シンク信号の当該遠隔端末における到達時刻tを用いて決定するステップと、
前記第2外部地上送信機の既知の位置から当該遠隔端末までの距離d23を、前記時間t23に基づいて決定するステップと、
を更に有し、
当該遠隔端末の位置を(1)前記距離d12及びd02、(2)前記外部地上送信機の前記既知の位置並びに(3)前記基地局の既知の位置を用いて決定する前記ステップが、三次元における当該遠隔端末の位置を(4)前記第2外部地上送信機の既知の位置及び(5)前記距離d23を更に用いて決定するステップを更に有するような請求項15に記載の方法。
【請求項19】
基地局と複数の遠隔端末とを有する無線通信ネットワークにおいて、
前記基地局との通信のために、前記複数の遠隔端末を複数のクラスタに分割するステップと、
前記遠隔端末の各々を前記クラスタの1つに、当該無線通信ネットワークとは関連のない1以上の外部地上送信機により送信される1以上の外部信号の、前記遠隔端末の1以上により測定された少なくとも1つの特性に基づいて割り当てるステップと、
各遠隔端末が、前記基地局を介してデータを通過させることなく、自身が割り当てられたクラスタにおける他の遠隔端末と該データを直接通信するのを可能にするステップと、
を有するような通信方法。
【請求項20】
基地局と複数の遠隔端末とを有する無線通信ネットワークにおいて、
前記基地局との通信のために、前記複数の遠隔端末を複数のクラスタに分割するステップと、
前記遠隔端末の各々を前記クラスタの1つに、当該無線通信ネットワークとは関連のない1以上の外部地上送信機により送信される1以上の外部信号の、前記遠隔端末の1以上により測定された少なくとも1つの特性に基づいて割り当てるステップと、
当該無線通信ネットワークとは関連のない前記外部地上送信機により使用される周波数帯域の周波数スペクトルプロファイル測定を前記複数の遠隔端末のうちのどれが実行するかを、これら遠隔端末が割り当てられたクラスタに従って選択するステップと、
を有するような通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−509386(P2009−509386A)
【公表日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−530719(P2008−530719)
【出願日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際出願番号】PCT/IB2006/053298
【国際公開番号】WO2007/031962
【国際公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】